説明

再設定可能な駆動アセンブリ及び薬物送達デバイス

薬物送達デバイス(1)のための再設定可能な駆動アセンブリが提供される。駆動アセンブリはデバイス(1)の投薬操作においてピストンロッド(5)を駆動させるための駆動ユニット(3)を含む。駆動ユニット(3)は、第1(35)、第2の駆動部材(37)、並びに投薬操作中に第1の駆動部材(35)及び第2の駆動部材(37)の相対的回転運動を防止し、そしてデバイス(1)の再設定を可能にする相対的回転運動ができるロック手段を含む。その上、再設定可能な駆動アセンブリを含む薬物送達デバイス(1)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬物の1つ又はそれ以上の用量を投薬するための薬物送達デバイスにおいて、ピストンロッドを駆動するのに好適な駆動アセンブリに関する。特に、それはピストンロッドを初期の位置に再設定することができる再設定可能な駆動アセンブリに関する。その上、それは当該再設定可能な駆動アセンブリを含む薬物送達デバイスに関する。特に、薬物送達デバイスは再使用可能なペン型注射器であってよい。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2、3及び特許文献4は、医薬品の多くのプリセット用量を投与することができる薬物送達デバイスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP1923083A1
【特許文献2】EP1923084A1
【特許文献3】EP1923085A1
【特許文献4】WO2008/058665A1
【0004】
本発明の目的は、使用者にとって使いやすく堅固な再設定が可能な駆動アセンブリ及び薬物送達デバイスを提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の態様によれば、薬物送達デバイスで用いる再設定可能な駆動アセンブリが開示されている。駆動アセンブリは、薬物送達デバイスの投薬操作においてピストンロッドを駆動するための駆動ユニットを含む。
【0006】
好ましくは、駆動ユニットはピストンロッドで直接作動し、それによりデバイスの遠位方向において、ピストンロッドの動きをもたらすように構成される。好ましくは、駆動ユニットを含む薬物送達デバイスの組立状態において、遠位方向はデバイスの投薬端を指し示す。近位方向は遠位方向と反対の方向である。下記において、薬物送達デバイスにおいて使用可能な部材の「遠位端」及び「近位端」の用語は、それぞれ遠位又は近位方向において部材の中心から動く場合に到達する部材の終端を意味する。
【0007】
ピストンロッドは、薬物送達デバイスの遠位方向に動きを行うことにより、薬剤をデバイスから投薬するようにする薬物送達デバイスの部材である。特に、ピストンロッドは遠位方向に薬剤を含むカートリッジにおいて栓を押し得る。ピストンロッドは軸及び回転運動を行うように構成され得る。例として、ピストンロッドは、薬物送達デバイスの対応する部材と係合するようにねじ山を有する単純ロッド又は親ねじであってよい。ピストンロッドは単体又はマルチパート構造であってよい。ピストンロッドは、デバイスのハウジングに固定し得るナットとねじ込み係合されてよい。
【0008】
好ましくは、再設定可能な駆動アセンブリは、初期の位置に向かってピストンロッドの再設定ができるように構成される。それにより、異なる薬剤容器を備えた薬物送達デバイスの再使用が可能となり得る。
【0009】
本目的のために、駆動ユニットは第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、ここで投
薬操作中に第1及び第2の駆動部材は、相対的な回転運動が防止されるように互いにロックされ、そしてここで再設定操作中に相対的回転運動ができる。特に、駆動アセンブリは、投薬操作において第1及び第2の駆動部材を回転ロックするように構成され、そしてピストンロッドの再設定を可能にするためにロック解除できるように構成されるロック手段を含んでよい。好ましくは、ロック解除は再設定操作中に行われる。
【0010】
例として、第1及び第2の駆動部材は縦軸方向に沿って伸長するスリーブの形状を有してよい。好ましくは、第1の駆動部材は少なくとも部分的に第2の駆動部材内に位置する。デバイスの組立状態では、ピストンロッドは部分的に第1の駆動部材内に位置し得る。
【0011】
第2の駆動部材は、投薬操作が可能なように駆動ユニットを薬物送達デバイスのハウジングに連結し得る。例として、その外面で、第2の駆動部材は、係合機能、例えばデバイスのハウジングの内面においてトラック(track)に案内される突出部を有してよい。好ましくは、第2の駆動部材は、例えば設定、投薬及び再設定操作中にハウジングに恒久的に連結される。これに関連して、「設定操作」及び「用量設定」は、駆動機構が次の用量投薬操作の準備ができていることを意味する。
【0012】
第1の駆動部材は駆動ユニットをピストンロッドに連結するように構成されてよく、それにより投薬操作においてピストンロッドを駆動させることが可能になる。例として、その内面では、第1の駆動部材は、連結手段、例えばピストンロッドの突出部が係合されるねじ山を含んでよい。
【0013】
好ましい実施態様では、ロック手段は、駆動ユニットの近位方向において第1の駆動部材上へ負荷を加えることにより、第1及び第2の駆動部材をロック解除するように構成される。
【0014】
これはデバイスの簡単で使用者が使いやすい再設定を可能にする。特に、ここでは、近位方向においてピストンロッドに軸方向負荷をかけることは、薬物送達デバイスにおいてピストンロッドを再設定するのに必要な唯一の動作となり得る。
【0015】
特に、薬物送達デバイスにおいて、ピストンロッドへの軸方向負荷が第1の駆動部材への軸方向負荷をもたらすように、ピストンロッドは第1の駆動部材に連結され得る。第2の駆動部材の軸方向運動が防止されるように第2の駆動部材がハウジングに連結される場合に、ピストンロッドの軸方向負荷は第2の駆動部材から第1の駆動部材の小さな変位をもたらし、それにより第1及び第2の駆動部材のロック解除が達成し得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1つの実施態様では、ロック手段は、第1の駆動部材及び第2の駆動部材を回転連結するためのクラッチ手段を含む。例として、クラッチ手段は、第1の駆動部材で歯として、そして投薬操作において互いに係合する第2の駆動部材の適合歯として構成され得る。特に、クラッチ手段は、第1及び第2の駆動部材の近位端に位置し得る。好ましくは、クラッチ手段は、第2の駆動部材に相対的な近位方向において第1の駆動部材の軸方向運動により係合解除されるように構成される。
【0017】
その上、ロック手段は薬物送達デバイスの投薬操作において第1及び第2の駆動部材をそれらのロック状態に維持するように構成される付勢手段を含んでよい。
【0018】
特に、付勢手段は第1及び第2の駆動部材のクラッチ係合を維持し得る。例として、付勢手段は第1の駆動部材及び第2の駆動部材の1つへ負荷を加えるばねを含んでよい。
【0019】
好ましくは、薬物送達デバイスの少なくとも組立状態では、クラッチ手段がそれらのクラッチ係合に維持され又は強制されるように、付勢手段は第1及び第2の駆動部材を互いに向かって押し進める。
【0020】
好ましくは、付勢手段は、近位方向において第1の駆動部材に十分に高い負荷を加えると、第1及び第2の駆動部材の回転ロック解除が達成されるように構成される。例として、近位方向において第1の駆動部材に軸方向負荷を加えると、付勢手段のばねが圧縮され得て、それにより第2の駆動部材に相対的な第1の駆動部材の動きが可能となる。
【0021】
1つの実施態様では、ロック手段は、薬物送達デバイスの設定操作においても、第1の駆動部材と第2の駆動部材間の相対的回転運動が防止されるように構成される。更に、また第1及び第2の駆動部材の相対的並進運動が用量設定及び用量投薬操作の1つ又は両方においても防止されるように、ロック手段が構成され得る。
【0022】
1つの実施態様では、デバイスは、用量設定操作中に第1及び第2の駆動部材がデバイスのハウジングに相対的に回転し、例えば、ハウジングに相対的な螺旋運動をするように構成される。それにより、用量設定操作中に、第1及び第2の駆動部材はピストンロッドとねじ込み係合され得るナットに相対的に回転し得る。更に、デバイスは、用量投薬操作中に第1及び第2の駆動部材がハウジングに相対的な軸方向運動、例えば純粋に軸方向運動をするように構成され得る。それにより、用量投薬操作中に、第1及び第2の駆動部材はピストンロッドとねじ込み係合され得るナットに相対的に軸方向に動き得る。
【0023】
本開示の第2の態様では、当該再設定可能な駆動アセンブリを含む薬物送達デバイスが提供される。薬物送達デバイスは、薬剤の用量を投薬するために駆動ユニットによって駆動するように構成されたピストンロッドを含む。薬物送達デバイスは、デバイスを再設定するために、ピストンロッドが初期の位置に向かって可動であるように構成される。
【0024】
好ましくは、薬剤を投薬するために、ピストンロッドは薬剤カートリッジの栓で作動し、そして遠位方向において栓を押し進める。それにより薬剤の投薬中に、ピストンロッドは遠位方向に動く。新しいカートリッジを備えたデバイスを再使用することができるように、ピストンロッドは近位方向に後退させる必要がある。
【0025】
例として、薬剤の最後の用量が投薬された後に、空のカートリッジは充満カートリッジによって交換することができる。その上、使用者は期限切れ薬剤を含むカートリッジを交換するよう選択することを選んでよい。
【0026】
薬物送達デバイスは、薬剤カートリッジを含むカートリッジホルダを解除可能に取り付けることができる主ハウジングを含んでよい。好ましくは、カートリッジを交換するために、カートリッジホルダが主ハウジングから取り外され、ピストンロッドが外側から近づき、そしてその初期の位置に後退できるようにする。その後、新しいカートリッジを含むカートリッジホルダを主ハウジングに取り付けることができる。
【0027】
ピストンロッドはハウジング又はハウジングに固定した部材とねじ係合し得る。この場合には、ピストンロッドを再設定するために、ピストンロッドは後方に押され又は回転し得る。両方の場合に、ピストンロッドはハウジング又はハウジングに固定した部材とのそのねじ込み係合を通して回転し、そして近位方向に動く。
【0028】
好ましくは、薬物送達デバイスは固定用量デバイスである。ここで、用語「固定用量」は、当該薬物送達デバイスにおいて、使用者は用量の絶対サイズを変える選択肢を有さない。好ましくは、投薬すべき用量の絶対サイズは薬物送達デバイスの駆動機構の設計によ
ってあらかじめ定められおり、特に駆動ユニットの設計によって決められ得る。
【0029】
第2の駆動部材は、デバイスのハウジングに相対的な第2の駆動部材の自由な回転運動が、ハウジングの縦軸の周りの1つの回転方向において防止されるように構成されてよい。
【0030】
ピストンロッドは、1つの回転方向においてハウジングに相対的な第1の駆動部材の自由な回転運動が、ピストンロッドの再設定を可能にするのに必要であってよい。例として、ピストンロッドは第1の駆動部材とねじ込み係合され得る。
【0031】
ハウジングに相対的な第2の駆動部材の自由な回転運動が適切な回転方向において防止される場合には、再設定は、第1及び第2の駆動部材を回転ロック解除することにより可能となり得る。
【0032】
例として、第2の駆動部材及びハウジングは、第2の駆動部材及びハウジング又はハウジングに固定された部材の1つで事前に定義されたトラックに沿ってのみ互いに相対的に可動であり得る。
【0033】
特に、第2の駆動部材、ハウジング又はハウジングに固定された部材は、トラックに沿って案内される突出部を含んでよい。それにより、ハウジングに相対的な第2の駆動部材の動きは、トラックに沿った突出部の動きに制限される。当該トラックは、薬物送達デバイスの遠位方向に伸びている部分及び近位方向に伸びている部分の両方を含んでよい。これは、トラックの特定の部分でトラックに相対的な1つの方向においてトラックをたどる場合に、トラックに沿った動きの方向は、少なくとも部分的にそれぞれハウジングの近位方向へ又は遠位方向へ向かっていることを意味する。トラックは、トラックに沿った第1方向において第2の駆動部材の相対的な動きができて、そしてトラックに沿った反対方向において動きが防止されるように、停止面、例えば傾斜部分を含んでよい。
【0034】
薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスの設定及び投薬操作を調節するために使用者により操作可能な用量部材を含んでよい。
【0035】
好ましくは、用量部材は、用量部材及び第2の駆動部材の相対的回転運動が防止されるように第2の駆動部材に連結される。更に、用量部材は、用量部材と第2の駆動部材間の制限された軸方向運動が可能なように、第2の駆動部材に連結されてよい。好ましくは、許容運動は小さく、そして特に用量設定又は用量投薬操作に必要な軸方向運動より非常に小さいことである。
【0036】
用量部材は薬物送達デバイスの近位端に位置してよく、そしてデバイスの主ハウジングの外に突出する用量ボタンとして構成され得る。
【0037】
薬物送達デバイスは、用量の設定に対して、用量部材がハウジングに相対的に回転し、それによりハウジングの外で螺旋運動をするように、ねじり−押しデバイスとして構成され得る。ここでは、第1の駆動部材が設定操作中に第2の駆動部材に回転ロックされる場合に、用量部材の螺旋運動はハウジングに相対的な駆動ユニットの螺旋運動をもたらす。用量を投薬するために、用量部材はハウジングに向かって押され、遠位方向において駆動ユニットの動きをももたらす。
【0038】
特に、用量部材は、用量投薬操作中に第1及び第2の駆動部材のクラッチ係合を維持する付勢手段を含み又はそれで作動し得る。特に、ばねは、用量部材に位置してよく、第1及び第2の駆動部材を互いに向かって押し進める。デバイスを再設定中に、第1の駆動部
材への軸方向負荷は、第1の駆動部材が第2の駆動部材に相対的な近位方向に可動であるように更にばねを含んでよい。それにより、第1及び第2の駆動部材は、ピストンロッドを再設定するのに必要な相対的回転運動を許容するそれらのクラッチ係合を解除し得る。
【0039】
更に、用量部材は、遠位方向において用量部材に負荷をかける際に、用量部材が第1及び第2の駆動部材の1つへ負荷をかけるように構成されてよく、それにより第1及び第2の駆動部材をデバイスの調剤操作においてそれらのロック状態に維持する。
【0040】
例として、付勢手段は、用量部材が用量を投薬するために遠位方向において押される場合に、第1及び第2の駆動部材を互いに向かって押し進める剛性部材を含んでよい。好ましくは、剛性部材は第1の駆動部材に対して直接作動する。
【0041】
特に、用量部材は用量投薬操作中に第1及び第2の駆動部材の1つに作動するボス(boss)を含んでよく、それによりそれらのクラッチ係合を維持する。このために、第2の駆動部材に相対的な用量部材の制限された軸方向運動が可能となり得て、用量投薬操作中に突起が第1の駆動部材と相互作用できるようにする。
【0042】
第2の駆動部材に相対的な用量部材の制限された軸方向運動を可能にするために、用量部材及び第2の駆動部材の1つは、駆動部材及び用量部材のもう1つの方において短軸方向溝で案内されている突出部を含んでよい。この場合に、第2の駆動部材及び用量部材は互いに対して小さい相対的軸運動を行わせることができる。当該軸方向運動により、用量部材中に位置するばねは、突起が第1の駆動部材の近位面で作動するまで圧縮され得る。それにより、駆動ユニットがカートリッジ中の栓によって加えられるカウンターフォースに抗して遠位方向に押される場合には、ロック状態が用量投薬操作においても維持される。
【0043】
更に、当該突起はピストンロッドの再設定中に第1の駆動部材に対してカウンタ−ベアリングを形成し得る。特にここでは、第1の駆動部材にかけられた近位方向における負荷は、突起が第1の駆動部材の近位面と接触するようにばねの圧縮を引き起こし得る。それにより、再設定中の第1の駆動部材の軸方向運動は制約され、そして回転運動は容易になる。
【0044】
好ましくは、薬物送達デバイスは近位方向においてピストンロッドに力を及ぼすことにより再設定するように構成される。それにより、ロック手段は、第2の駆動部材に相対的な第1の駆動部材間の回転運動が可能になるようにロック解除される。これはピストンロッドが薬物送達デバイスの近位方向に動くことを可能にし、それにより第1の駆動部材は第2の駆動部材に相対的に回転する。ピストンロッドが初期の位置に到達した場合に、力は外される。
【0045】
ここで留意すべきことは、ピストンロッドはその初期の位置へ手動で後退させる必要がないことである。例として、ピストンロッドは、カートリッジを含むカートリッジホルダを取り付けることにより、そしてここでは特にカートリッジにおいて栓で加えられる負荷により近位方向に動いてよい。
【0046】
例えばピストンロッドを解除することによりピストンロッドから軸方向負荷を外した後、ロック手段は第1の駆動部材及び第2の駆動部材を自動的に回転ロックし得る。例として、付勢手段は第1の駆動部材及び第2の駆動部材を互いに向かって押し進めてよい。
【0047】
更なる実施態様では、ロック手段は直ちに第1及び第2の駆動部材の回転ロッキングに至らない可能性がある。この場合には、回転ロッキングを確立するのに用量部材の小さな
回転運動が必要となり得る。例として、第1及び第2の駆動部材のクラッチ手段は、ピストンロッドが解除される場合に調整不良となり得る。この場合に、付勢手段は、用量部材またそれとともに第2の駆動部材の小さい回転運動で、クラッチ手段が位置合わせされそして第1及び第2の駆動部材を回転ロックするように、第1の駆動部材及び第2の駆動部材を互いに向かって強制する。
【0048】
ここでは、プライミング操作は第1及び第2の駆動部材のロッキングを確立し得る。これに関連して、用語「プライミング」は、再設定操作に因り互いに向いた駆動機構の部材の相対的変位が補正されることを意味する。特に、第1と第2の駆動部材間の変位は、クラッチが位置合わせされるように補正されてよい。再設定後にデバイスをプライミングするために、用量部材の設定及び投薬操作は最初の用量が投薬される前に行われてよい。
【0049】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む薬学的処方品を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、高々1500Daの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチなどの血栓塞栓症の治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のため、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0050】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0051】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル) ヒトインスリンである。
【0052】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、HHis−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0053】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−3
9)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物

から選択される。
【0054】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0055】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0056】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、‘Remington's Pharmaceutical Sciences’17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0057】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0058】
他の特徴は添付図面と関連して検討する場合に下記の詳細説明から明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1A】薬物送達デバイスの第1の実施態様の断面図(cut-away view)である。
【図1B】第1の実施態様のインサートばねの詳細透視図である。
【図2A】用量設定操作前の薬物送達デバイスの第1の実施態様の透視断面図である。
【図2B】用量設定操作中の薬物送達デバイスの第1の実施態様の透視断面図である。
【図3】用量投薬操作中の薬物送達デバイスの第1の実施態様の投薬機構の透視図である。
【図4】用量投薬操作後の薬物送達デバイスの第1の実施態様の透視断面図である。
【図5】再設定中の薬物送達デバイスの第1の実施態様の透視断面図である。
【図6A】薬物送達デバイスの第2の実施態様の透視断面図である。
【図6B】薬物送達デバイスの第2の実施態様の第2の駆動部材の透視図である。
【図7A】薬物送達デバイスの第3の実施態様の切断図である。
【図7B】薬物送達デバイスの第3の実施態様の用量部材の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1Aは薬物送達デバイス1、特に薬剤の固定用量を設定して投薬するためのペン型注射デバイスの第1の実施態様を示す。薬物送達デバイス1は、カートリッジ224からの用量のその後の投与を可能にし、そしてカートリッジの交換を可能にする再使用可能な多数回投与デバイスである。
【0061】
薬物送達デバイス1は、デバイス1の駆動機構を少なくとも部分的にエンクロージングしそして縦軸100に沿って伸びる、主ハウジング21を含む。主ハウジング21の遠位端211において、液状薬剤を充填したカートリッジ224を含むカートリッジホルダ22が解除可能に取り付けられる。例として、薬剤はGLP−1又はヘパリンを含んでよい。カートリッジホルダ22はデバイス1の主ハウジング21上にねじ込まれる。更なる実施態様では、カートリッジホルダは主ハウジングとバヨネット連結を有してよい。
【0062】
カートリッジホルダ22を主ハウジング21に取り付ける場合に、カートリッジバイアスばね25はカートリッジホルダ22の遠位端に向かってカートリッジ224を押圧する。カートリッジホルダ22が主ハウジング21から着脱する場合には、カートリッジバイアスばね25は解除され、空のカートリッジ224はカートリッジホルダ22から取り外すことができる。その後、新しいカートリッジ224が挿入でき、そしてカートリッジホルダ22は主ハウジング21に再び取り付けることができる。異なる実施態様では、カートリッジホルダ22は、カートリッジ224を交換するために新しいカートリッジホルダ22が主ハウジング21に取り付けられるように、空のカートリッジ224で配置されるように構成されてよい。
【0063】
カートリッジ224は、薬剤を投薬するために、遠位方向103においてピストンロッド5によって押される栓225を含み、それにより薬剤はカートリッジホルダ22の遠位端で針(ここには示さず)を通して押し出される。特に、ピストンロッド5はその遠位端に位置するベアリング56を介して栓225で作動する。用量投薬操作では、ピストンロッド5は第1の35及び第2の駆動部材37を含む駆動ユニット3によって駆動される。
【0064】
ピストンロッド5はデバイス1の縦軸100に沿って伸長する二条親ねじの形状を有する。特に、ピストンロッド5は、主ハウジング21に固定したナット232と係合した、その遠位から近位端まで伸びている雌ねじ53を含む。更に、その近位端では、ピストンロッド5は、第1の駆動部材35の内面で雌ねじ32とねじ込み係合した、突出部51の形態の雄ねじを含む。
【0065】
その近位端102では、薬物送達デバイス1は使用者により操作可能な用量部材7を含む。用量部材7は主ハウジング21の近位端から突出しているボタンの形状を有する。薬剤の用量を設定するために、用量部材7は用量設定方向105において主ハウジング21に相対的に回転し、それにより用量部材7は主ハウジング21から外へ螺旋運動を行う。設定用量を投薬するために、用量部材7は遠位方向103に押される。用量を設定後に使用者が用量を投薬しないことを決める場合、設定用量は、用量設定方向105と反対の用量非設定方向106において用量部材7を回転することにより非設定することができる。更なる実施態様では、カートリッジホルダは主ハウジングとバヨネット連結を有してよい。
【0066】
用量部材7は、用量部材7及び第2の駆動部材37の相対的回転運動が防止され、制限された軸方向運動ができるように第2の駆動部材37に連結される。特に、用量部材7は、第2の駆動部材37の外面で短軸溝377において案内されている取っ手(lug)76を含む。それにより、用量設定中の回転運動は第2の駆動部材37の等価運動をもたらす。用量投薬中の用量部材7の軸方向運動において、用量部材は先ず取っ手76が溝377の遠位端面に隣接するまで、第2の駆動部材37に相対的な小さな軸方向運動を行う。次いで、用量部材7をハウジング21に向かって更に押すと、用量部材7は第2の駆動部材37で作動し、それにより第2の駆動部材37を遠位方向103に押す。
【0067】
第1の駆動部材35及び第2の駆動部材37は縦軸100に沿って伸びている中空円筒
スリーブの形状を有する。第1の駆動部材35は第2の駆動部材37へ挿入される。
【0068】
用量設定及び投薬操作中に、第1の駆動部材35はクラッチ39により第2の駆動部材37に回転ロックされる。特に、その近位端では、第1の駆動部材35は、第2の駆動部材37の近位端近くにおいてフランジ373の内面で適合歯375とクラッチ係合している放射状歯355を含む。
【0069】
用量設定及び投薬操作中にクラッチ係合を維持するために、ばね72は用量部材7の内側に位置し、用量部材7の近位端で内面と第1の駆動部材35の近位端で外面358間で圧縮されている。それにより、ばね72は、第1の駆動部材35で遠位方向103において軸力を加え、第2の駆動部材37に向かって第1の駆動部材35を押圧する。その上、用量部材7は、ばね72の更なる圧縮で軸方向に伸びて、そして第1の駆動部材35の外面358と接触する内部突起74を含む。
【0070】
これは用量投薬操作においてクラッチ係合を維持するのに役立ち、そして再設定操作において第1の駆動部材35に対するカウンターベアリングとして機能する。
【0071】
薬物送達デバイス1はトラック4を含み、ここで第2の駆動部材32の外面上で2セットの突出部310、311は設定及び投薬操作中に案内される。それにより、駆動ユニット3及び主ハウジング21の相対的動きはトラック4に沿った突出部310、311のセットの可能な動きによって規定されそして限定される。特に、トラック4は、主ハウジング21に固定されたインサート27の遠位及び近位で接触面400、401によってもたらされる。インサート27は中空スリーブの形状を有し、第2の駆動部材37を囲む。第1セットの突出部310は遠位接触面400に沿って伸び、第2セットの突出部311は近位接触面401に沿って伸びる。
【0072】
トラック4は幾つかの用量設定41及び用量投薬セクション42を含む。用量投薬セクション42は軸方向に伸びるが、一方で用量設定セクション41は主ハウジング21に相対的に螺旋状に伸びる。用量を設定中に、突出部310、311の各セットはトラック4の用量設定セクション41に沿って伸びる。それにより突出部310、311のセット、及びそれ故にまた駆動ユニット3も主ハウジング21に相対的な螺旋運動を行う。用量投与中に、突出部310、311はトラック4の用量投薬セクション42に沿って伸びる。それにより、駆動ユニット3は遠位方向103において軸方向運動を行う。
【0073】
インサートばね46はトラック4に位置し、操作の特定の点で使用者にフィードバックを与え、そして用量が投薬された後で、用量投薬セクション42で第1セットの突出部310の突出部31の後退運動を防止する。
【0074】
図1Bは、用量が投薬された後のデバイス1におけるインサートばね46の詳細図を示す。インサートばね46は、ハウジング21、インサート27及びナット23間に堅固に取り付けられる。インサートばね46は突出部31を妨げるように配置される、放射状ばね表面462、464、466を特徴とする。インサートばね46は、突出部31によって変形する場合に、放射状に偏向するように配置される2つの放射状ばね表面462、466を含み、そしてそれにより、用量設定及び用量投薬操作の完了後に使用者に可聴又は触覚フィードバックを与える。用量設定操作の開始を示すばね表面462は、第2の駆動部材37が使用者入力なしに用量設定セクション41を上に滑らせるのを妨げる。
【0075】
別の表面464は、遠位方向103において突出部31の軸方向走行を可能にするが、しかし近位方向104における走行を防止する逆止め又は一方向機能を備えるように配置される。それにより、用量投薬操作後に、用量投薬セクション42に沿った突出部31の
後退運動が防止される。
【0076】
更に、図1Aへ戻って、引戻しばね26は、ナット23と第2の駆動部材37間で堅固に取り付けられ、そして第2の駆動部材37の遠位面372に隣接する。用量投薬操作の終わりには、引戻しばね26が近位方向104において駆動部材37上で軸方向カウンターフォースを生み出すように、引戻しばね26は第2の駆動部材37によって圧縮される。それにより、用量投薬操作後に第2の駆動部材37の微小運動を誘発することができ、近位方向においてピストンロッド5の微小運動を引き起こす。これは近位方向104において栓225の引戻しを可能にし、それにより薬剤が投薬された後、薬剤のドリッピングを防止することができる。その上、引戻しばね26によって生じた軸方向負荷は近位方向104において突出部31の微小運動をもたらし、それにより突出部31はインサートばね46の逆止め表面464の傾斜部材上へと押される。突出部310、311のセットが次の用量設定セクション42と接触するように、これは第2の駆動部材37の微小回転運動をもたらす。
【0077】
その上、薬物送達デバイス1は、第1の駆動部材35の遠位端で最後の用量ねじ山353とねじ込み係合された最後の用量ナット24を含む。その外面で、最後の用量ナット24は、ナット23で軸方向スプラインと係合したノッチ242を含む。それにより、用量設定方向105における第1の駆動部材35の動きは、近位方向104における最後の用量ねじ山353に沿って最後の用量ナット24の動きをもたらす。薬剤の最後の用量が投薬された場合に、最後の用量ナット24は、第1の駆動部材35とのそのねじ込み係合の終端に到達することになる。ここでは、最後の用量ナット24は、更なる用量設定操作が防止されるように、第1の駆動部材35をブロックすることが可能となる。
【0078】
図2Aは用量設定操作前の薬物送達デバイス1を示す。
用量設定するために、使用者は用量設定方向105において主ハウジング21に相対的な用量部材7を回転させる。用量部材7は第2の駆動部材37で軸方向溝377に案内される取っ手76により、第2の駆動部材37に回転ロックされるので、用量部材7の回転も第2の駆動部材37を回転させる。第2の駆動部材37は回転するので、突出部31の1つは、使用者に可聴又は触覚フィードバックを与えながらインサートばね46で戻り止めの下を走行し、用量設定操作が始動していることを示す。
【0079】
2セットの突出部310、311はトラック4の用量設定セクション41に沿って走行する。これは用量部材7及び第2の駆動部材37の螺旋運動をもたらす。それにより、用量部材7は主ハウジング21の近位端から出る。ばね72によって維持されていた第1の駆動部材35及び第2の駆動部材37のクラッチ係合に因り、第1の駆動部材35は第2の駆動部材37と同じ螺旋経路に沿って走行する。螺旋用量設定41のピッチは、ピストンロッド5が係合されている第1の駆動部材35の内面で内側ねじ山32のピッチと同一である。それ故に、第1の駆動部材35は、ピストンロッド5に負荷を伝えることなくピストンロッド5とのそのねじ込み係合に沿って走行し、それによりピストンロッド5は静止している。
【0080】
図2Bは、用量設定操作の終わりにおける薬物送達デバイス1を示す。ここでは、用量部材7は主ハウジング21に相対的な外にねじれた状態にある。螺旋状用量設定セクション41の終端において、突出部31は、使用者に用量が設定されているというフィードバックを与えながらインサートばね46において戻り止め面の下を走行している。
【0081】
用量設定操作中に、第1の駆動部材35は最後の用量ナット24に相対的に回転している。それにより、最後の用量ナット24は、第1の駆動部材35とのそのねじ込み係合及び第1の駆動部材35に相対的な近位方向104におけるナット23とのそのスプライン
係合に沿って動いている。
【0082】
図3は、用量設定操作の終わりにおける薬物送達デバイスの投薬機構を示す。用量設定中に、2セットの突出部310、311はトラック4の螺旋状用量設定セクション41に沿って走行している。突出部310、311が用量設定セクション41の終端に到達した場合に、第1セットの突出部310は次の用量投薬セクション42で停止面420に隣接し、用量セット方向105における更なる回転運動を防止する。その時点で使用者は、遠位方向103において用量部材7を押すことにより用量を投薬するか、用量設定方向105と反対に用量非設定方向106において用量部材7をねじることにより用量非設定するかを選ぶことができる。
【0083】
用量投薬中に、2セットの突出部310、311は軸方向用量投薬セクション42に沿って伸び、それにより第1の35及び第2の駆動部材37は遠位方向103において軸方向に動く。それにより、第1の駆動部材35のピストンロッド5とのねじ込み係合は、ナット23とのそのねじ込み係合を通してピストンロッド5の遠位運動をもたらす。この軸方向変位はカートリッジ224において栓225へ伝えられ、そしてカートリッジ224から薬剤の投薬をもたらす。
【0084】
ナット23と係合したピストンロッド5上のねじ山53、及びピストンロッド5と係合した第1の駆動部材35上の内側ねじ山32のピッチの差は、用量投薬中の第1の駆動部材35の軸方向変位に相対的なピストンロッド5の軸方向変位間に比率減少をもたらす。それにより機械的利点が達成される。
【0085】
用量投薬中に、2セットの突出部310、311は、第2セットの突出部311が次の用量設定セクション41で停止面410に到達するまで、用量投薬セクション42に沿って動く。それにより、遠位方向103において駆動ユニット3の更なる軸方向運動が防止される。
【0086】
更に、トラック4に沿ったその軸方向走行の終わりに、第2の駆動部材37上の突出部31は、インサートばね46の逆止め機構の下で走行する。これは、用量投薬操作が完了しているというフィードバックを使用者に提供し、そして第2の駆動部材37がトラック4の用量投薬セクション42を軸方向に引き戻すことができないことを確実にする。
【0087】
図4は、使用者によって与えられた用量部材7に対する軸方向負荷が取り除かれる前の、用量投薬操作の終わりにおける薬物送達デバイス1を示す。
このように、用量部材7は用量投薬操作中のように、なお、駆動ユニット3に相対的な同じ位置にある。
【0088】
遠位方向103において用量部材7を押すことにより、用量投薬操作中に、ばね72は圧縮され、それにより第1の駆動部材35を第2の駆動部材37上へ押圧する。用量部材7に加えられた負荷が十分大きい場合、ばね72は更に圧縮され、それにより用量部材7は、取っ手377が第2の駆動部材37上で溝377において遠位停止面に隣接するまで、遠位方向103において微小軸方向運動を行う。それにより、用量部材7中の突起74は、それが第1の駆動部材35の近位端面358に接触し、そして第2の駆動部材37に向かってそれを押すまで、第1の駆動部材35に向かって動く。それにより、突起74は第1の駆動部材35で遠位方向103に負荷を加えて、クラッチ係合が維持されていることを確実にする。
【0089】
用量投薬操作の終わりに、第2の駆動部材37の遠位面372はバックオフばね26を圧縮する。これは第2の駆動部材37で近位方向104におけるカウンターフォースをも
たらす。使用者が用量部材7を解除する場合に、バックオフばね26は緩むことが可能になり、それによりインサートばね46の逆止め表面464に向かって第2の駆動部材37で突出部31を押す。それによりピストンロッド5は近位方向104において小さい後退運動を行い、カートリッジ224において栓225の緩みを可能にする。
【0090】
逆止め表面464は突出部31の更なる軸方向運動を可能にしないので、引戻しばね26によって生じる力は、逆止め表面464に沿った第2の駆動部材37のわずかな回転へと変換される。それにより、突出部31は、用量投薬セクション42から次の用量を設定することが可能な用量設定セクション41に向かって動く。
【0091】
図5は再設定中の薬物送達デバイス1を示す。
ここでは、すべての用量が薬剤カートリッジ224から投薬されており、それにより最後のナット24は第1の駆動部材35とそのねじ係合の終端に走行している。結果として、更なる用量の設定は防止される。
【0092】
ピストンロッド5は主ハウジング21に相対的なその最も遠位位置にある。その初期の位置に向かってピストンロッド5を再設定するために、カートリッジホルダは主ハウジング21から取り外されている。その後、ピストンロッド5は使用者に使用可能となり、使用者は近位方向104においてピストンロッド5に負荷をかけることができる。
【0093】
ピストンロッド5に対するこの軸方向負荷は、ピストンロッド5及び第1の駆動部材35のねじ込み係合を介して第1の駆動部材35へ軸方向負荷をもたらす。第2の駆動部材37の並進及び回転運動の両方は、トラック4の用量投薬セクション42に隣接する第2セットの突出部311によって、そしてインサートばね46の逆止め機構によって防止される。それにより、第1の駆動部材35に加えられた負荷は、近位方向104において第2の駆動部材37に相対的な第1の駆動部材35の軸方向運動をもたらし、それにより、第1の35及び第2の駆動部材37のクラッチ係合は失われる。ここでは、用量部材7のばね72は圧縮され、そして用量部材7の微小軸方向運動は取っ手76が溝377の近位端面に接触するまで引き起こされる。突起74が第1の駆動部材35の近位端面358に隣接するまで、第1の駆動部材35は第2の駆動部材37に相対的な近位方向104に動く。その次に、第1の駆動部材35は第2の駆動部材37に相対的に回転し、ナット23とのそのねじ込み係合を通して主ハウジング21へピストンロッド5の後退運動を可能にする。
【0094】
ピストンロッド5が十分に再設定されると、最後の用量ナット24は、第1の駆動部材35で最後の用量ねじ山353の遠位端においてその初期の位置に到達していることができる。
【0095】
使用者がピストンロッド5で軸方向負荷を取り除く場合に、ばね72は緩めることができる。それにより、それは第1の駆動部材35で遠位方向103において軸力を加え、それを第2の駆動部材37に向かって押しこむ。第1の駆動部材35の歯355が第2の駆動部材37で適合歯375と回転心合せされる場合に、クラッチ係合は再確立され得る。歯355及び適合歯375の相対的回転位置がクラッチの再係合を可能にしない場合に、クラッチ係合は用量部材7の微小回転運動により再確立され得る。ここでは、デバイス1のプライミング操作が必要となり得る。
【0096】
ピストンロッド5が再設定されている場合に、新しいカートリッジ224を含むカートリッジホルダ22は主ハウジング21に取り付けることができる。カートリッジホルダ22が取り付けられると、バイアスばね25は圧縮され、カートリッジ224へ軸方向ばねを伝えて、それがカートリッジホルダ22内の十分に遠位位置において維持されることを確実にする。
【0097】
ここでは、ピストンロッドを手動で後へ動かす代わりに、ピストンロッド5はまた新しいカートリッジ224をカートリッジホルダ22にはめ込み、そしてカートリッジホルダ22を主ハウジング21に取り付けることによって再設定し得ることに留意するする必要がある。更に好ましくは、ピストンロッド5が接近して後方に押し戻すことができる場合にはピストンロッド5は何時でも再生って胃できることに留意すべきである。
【0098】
図6Aは、用量投薬中に回転及び軸方向にロックされ、そしてピストンロッド5を再設定するためにロック解除を可能にする、第1の駆動部材35及び第2の駆動部材37を含む駆動ユニット3を有する薬物送達デバイス1の第2の実施態様を示す。
【0099】
本実施態様では、インサートばね46は取り外されており、そしてその機能性は薬物送達デバイス1の他の部材内に分散されている。更に、残る用量投薬操作の数に等しい残存用量の数を示す用量計数器8が追加されている。
【0100】
特に、用量計数器8はその外面にマーキングを伝えるナンバースリーブ82を含む。カートリッジ224の現在の充填状態を表示するマーキングは、主ハウジング21における開口部214を通して見える。ここではまた、マーキングは、プライミング操作がデバイス1を再設定後に必要なことを示すように、又はカートリッジ224が空であることを示すように備えられてよい。
【0101】
ナンバースリーブ82はピストンロッド5の回転運動により駆動する。ナンバースリーブ82は主ハウジング21に固定された内側本体28とのねじ込み係合、及びカラー(collar)81とのスプライン係合を有する。カラー81は、カラー81とハウジング21間の相対的並進運動が防止され、相対的回転運動が可能なように、主ハウジング21に連結される。カラー81は、ピストンロッド5が回転運動を行う場合にカラー81が均一に回転するように、ピストンロッド5とのスプライン係合を有する。ナンバースリーブ82とそのスプライン係合に因り、ピストンロッド5の回転も、内部本体28とのそのねじ込み係合を通してナンバースリーブ82の螺旋運動をも引き起こす。ナンバースリーブ82上のマーキングは、用量投薬操作後に次のマーキングが開口部214に現れるように、ナンバースリーブ82の外面で螺旋経路に跨ってプリントされる。
【0102】
本体インサート28と係合したナンバースリーブ82におけるねじ山83のピッチは、ナンバースリーブ82の軸方向前進がピストンロッド5の軸方向前進よりも小さい又は大きいように選択される。これは、すべての必要数が読みやすいサイズでナンバースリーブ82にプリントできるように、そしてナンバースリーブ82の長さを最小化できるようにする。
【0103】
薬物送達デバイス1は、近位方向においてピストンロッド5を押すことにより第1の実施態様と同じように再設定することができ、それにより第1の駆動部材35及び第2の駆動部材37間のクラッチ39が離脱する。ここでは、ピストンロッド5を再設定中にナンバースリーブ82もその初期の位置に戻る。
【0104】
その上、第1の駆動部材35は、最後の用量ナット24がピストンロッド5とのそのねじ込み係合の終わりに、第1の駆動部材35で停止面354に対して接するように改造されている。それにより、最後の用量ねじ山353の終端の損傷、又は最後の用量ねじ山353の終端に跨った最後の用量ナット24のバンプオーバー(bump-over)を防止することができる。
【0105】
その上、本実施態様では、用量部材7におけるばね72は第1の駆動部材35でカラー357に接しており、それにより第1の駆動部材35を第2の駆動部材37に向かって押し、そしてそれらのクラッチ係合を維持している。第1の駆動部材35はばね72を通して伸長し、そして用量投薬操作中及びデバイス1を再設定中に用量部材7で突起74と接触する。ここでは、突起74は用量部材7上の小さい内部突出部である。それにより、薬物送達デバイス1のサイズは更に減少する。
【0106】
図6Bは、図6Aによる薬物送達デバイス1の第2の駆動部材37の主要機構を示す。その外面で、第2の駆動部材37は、薬剤の用量を設定及び投薬するためにトラック4において案内されるただ1つのセットの突出部310を含む。本実施態様では、図6Aに示すように、トラック4は内部本体28と本体インサート27間に形成されるチャンネルによって備えられる。本体インサート27は恒久的にそして堅固に内部本体28に固定される。これは薬物送達デバイス1のサイズの更なる減少を可能にする。
【0107】
更に、第2の駆動部材37は内部本体28の内面で戻り止め機構に作動する可撓性アーム378を有し、それにより用量設定操作の始めと終わりに使用者にフィードバックを与える。更に、第2の駆動部材37は、互いの間に段を有するその外径周りに螺旋状湾曲凹部379を有する。凹部379は、可撓性アーム378が用量投薬操作の終わりに段を越えてカチッと鳴る場合に、使用者にフィードバック及び逆止めラチェットを与える内部本体28において可撓性アームと相互作用する。
【0108】
図7Aは、第1の駆動部材35及び第2の駆動部材37を含む駆動ユニット3を有する薬物送達デバイス1の第3の実施態様を示す。
その近位端において、第1の駆動部材35は、用量投薬操作中に第2の駆動部材37の近位端で凹部370とのクラッチ係合にある突出部356を含み、第1の35と第2の駆動部材37間の相対的回転運動を防止する。
【0109】
またここでは、薬物送達デバイス1は、カラー81によって駆動されているナンバースリーブ82を含む用量計数器8を含む。ナンバースリーブ82は内部本体28とねじ込み係合される。その外面において、第2の駆動部材37は、内部本体28と本体インサート27間のチャンネルによって形成されるトラック4に沿って案内されているただ1つのセットの突出部310を含む。
【0110】
その外面では、第2の駆動部材37は、用量部材7で停止面77、78との相互作用のためにリブ(rib)を含む。それにより、相対的回転運動が防止されている間、用量部材7及び第2の駆動部材37の制限された相対的回転運動が可能である。
【0111】
その上、第2の駆動部材37は、用量設定及び投薬操作並びに逆止め機能の終わりに、使用者にフィードバックを与える内部本体28で可撓性アームと相互作用するダイアモンド形の突出部374を含む。
【0112】
本実施態様では、第2の駆動部材37の修正設計により、第2の駆動部材37の成形性は改善される。
【0113】
図7Bは、図7Aのデバイス1の用量部材7を示す。用量部材7は、ばね(ここでは見えない)とともに第1の35及び第2の駆動部材37のクラッチ係合を維持するのにつながる内部突起74を含む。その組立状態では、突起74は第1の駆動部材35の内面で作動する。
【0114】
用量部材7は、骨形状開口部75を有する内側管状部材79を含み、ここで第2の駆動
部材37のリブ376が案内される。第2の駆動部材37及び用量部材7の相対的回転運動が防止されるように、リブ376は開口部75の放射状端面77に隣接する。軸方向において、用量部材7の軸端面78とリブ376間の隙間は、駆動部材37に相対的な用量部材7の制限された軸方向運動を可能にする。それにより、デバイス1を再設定するための第1の35及び第2の駆動部材37のロック解除が可能になる。
【0115】
本発明は、代表的実施態様に限定されるものではない。むしろ、本発明は、いずれの新しい機構及びまた、特許請求の範囲における機構のいずれの組み合わせ、及び代表的実施態様における機構のいずれの組み合わせをも包含するものである。
【符号の説明】
【0116】
1 薬物送達デバイス
100 縦軸
101 遠位端
102 近位端
103 遠位方向
104 近位方向
105 用量設定方向
106 用量非設定方向

2 ハウジング
21 主ハウジング
211 主ハウジングの遠位端
214 開口部
22 カートリッジホルダ
224 カートリッジ
225 栓
23 ナット
232 スプライン
24 最後の用量ナット
242 ノッチ
25 カートリッジバイアスばね
26 バックオフばね
27 本体インサート
28 内部本体

3 駆動ユニット
31 第2の駆動部材での突出部
310 第1セットの突出部
311 第2セットの突出部
32 第1の駆動部材での内側ねじ山
35 第1の駆動部材
351 第1の駆動部材の内面
353 最後の用量ねじ山
354 第1の駆動部材での停止面
355 第1の駆動部材での歯
356 クラッチ手段の突出部
357 カラー
358 第1の駆動部材の外面

37 第2の駆動部材
370 凹部
371 外面
372 遠位面
373 フランジ
374 ダイアモンド形の突出部
375 適合歯
376 リブ
377 溝
378 可撓性アーム
379 螺旋状湾曲凹部
39 クラッチ手段

4 ハウジングでのトラック
400、401 接触面
41 用量設定セクション
410 用量設定セクションでの停止面
42 用量投薬セクション
420 用量投薬セクションでの停止面
46 インサートばね

5 ピストンロッド
51 突出部
53 ピストンロッドでのねじ山
55 始動位置
56 ベアリング

7 用量部材
72 ばね
74 突起
75 骨形状開口部
76 取っ手
77、78 停止面
79 内部管状部材

8 用量カウンタ
81 カラー
82 ナンバースリーブ
83 ナンバースリーブでのねじ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(1)の投薬操作において、ピストンロッド(5)を駆動させるための駆動ユニット(3)を形成するように構成される第1の駆動部材(35)及び第2の駆動部材(37);
駆動ユニット(3)を構築するため、第1の駆動部材(35)及び第2の駆動部材(37)の相対的回転運動を阻止するように構成され、そして第1の駆動部材(35)に対して初期位置に向かってピストンロッド(5)の再設定を可能にするため第1の駆動部材(35)と第2の駆動部材(37)間の相対的回転運動を許容するように構成されるロック手段;を含んでなる、
薬物送達デバイスのための再設定可能な駆動アセンブリ。
【請求項2】
ロック手段が、負荷を第1の駆動部材(35)の上に駆動アセンブリの近位方向に加えることにより、第1(35)及び第2の駆動部材(37)をロック解除するように構成される、請求項1に記載の再設定可能な駆動アセンブリ。
【請求項3】
ロック手段が、薬物送達デバイス(1)の投薬操作において、第1及び第2の駆動部材(37)を、それらのロック状態で維持するように構成される付勢手段を含む、請求項1又は2に記載の再設定可能な駆動アセンブリ。
【請求項4】
ロック手段が、薬物送達デバイス(1)の投薬操作においてそれらのロック状態で第1及び第2の駆動部材(37)の回転連結をするように構成されるクラッチ手段(39)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の再設定可能な駆動アセンブリ。
【請求項5】
第1(35)及び第2の駆動部材(37)がスリーブの形状を有し、第1の駆動部材(35)が少なくとも部分的に第2の駆動部材(37)内に位置する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の再設定可能な駆動アセンブリ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の再設定可能な駆動アセンブリを含んでなる薬物送達デバイス薬物であって、送達デバイス(1)を再設定するために、ピストンロッド(5)が第1の駆動部材(35)に対して初期位置に向かって可動であるように構成される、薬剤の用量を投薬するための駆動ユニット(3)によって駆動されるピストンロッド(5)を含んでなる、薬物送達デバイス。
【請求項7】
縦軸(100)を有する主ハウジング(21)を含んでなり、主ハウジング(21)に対する第2の駆動部材(37)の自由回転運動が、縦軸(100)周りの1つの回転方向で阻止される、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
固定用量デバイスとして構成される、請求項6又は7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
ピストンロッド(5)が、第1の駆動部材(35)とねじ係合される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
薬物送達デバイス(1)の設定及び投薬操作を制御するために、使用者により操作可能な用量部材(7)を含んでなり、用量部材(7)及び第2の駆動部材(37)の相対的回転運動が阻止されるように、用量部材(7)が第2の駆動部材(37)に連結される、請求項6〜9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
用量部材(7)と第2の駆動部材(37)の間の、制限された軸方向運動が可能にされる、用量部材(7)が第2の駆動部材(37)に連結される、請求項10に記載の薬物送
達デバイス。
【請求項12】
負荷を用量部材(7)に遠位方向(103)に加えた際に、用量部材が第1(35)及び第2の駆動部材(37)の1つに負荷を加え、それによりデバイス(1)の投薬操作において、第1(35)及び第2の駆動部材(37)をそれらのロック状態に維持するように、用量部材(7)が構成される、請求項10又は11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
用量部材(7)が、用量を設定するために、ねじられ、そして用量を投薬するために押されるように構成される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
力をピストンロッド(5)上に薬物送達デバイス(1)の近位方向(104)に向かって加え、
それにより第2の駆動部材(37)に対する第1の駆動部材(35)間の回転運動が可能にされるロック手段をロック解除し、
ピストンロッド(5)を薬物送達デバイスの近位方向(104)に動かし、それにより第1の駆動部材(35)が第2の駆動部材(37)に対して回転し、次いで、
ピストンロッド(5)を解除することにより、
再設定可能であるように構成される、請求項6〜13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
ピストンロッド(5)を解除後、ロック手段が第1の駆動部材(35)及び第2の駆動部材(37)を回転ロックするように構成される、請求項14に記載の薬物送達デバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2013−506466(P2013−506466A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531399(P2012−531399)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064429
【国際公開番号】WO2011/039236
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】