説明

写真出力装置

【課題】 サービスマンの訪問を無駄にすることなく、プリント出力に伴って消費される消耗品の補充を行うことができ、通常時において円滑にプリント出力を行うことができる写真出力装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 画像データを受け付ける受付手段と、画像データを基にプリント出力するプリント手段と、プリント手段に供給するペーパーを貯留する貯留手段とを備え、プリント手段が少なくとも二台以上設けられると共に、貯留手段がプリント手段毎に設けられ、プリント出力に伴って消費される消耗品が各プリント手段に対応して補充される写真出力装置であって、各プリント手段は、プリント出力させる優先順位が設定され、受付手段が受け付けたオーダー量を基に、少なくとも優先順位の最も高いプリント手段を含むように、プリント手段の可動台数が切り換わるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア等を介して顧客から受け付けた画像データを基にプリント出力する写真出力装置に関し、特には、画像データを基にペーパーに画像を形成してプリント出力するプリント手段と、該プリント手段に供給するペーパーを貯留する貯留手段とを備え、前記プリント手段及び貯留手段が複数設けられ、プリント出力に伴って消費されるペーパー等の消耗品が各プリント手段に対応して補充される写真出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラの普及に伴い、これらで撮影した画像を顧客が手軽にプリント出力できる写真出力装置が提供されつつある。
【0003】
該写真出力装置は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗や、観光名所に設置され、店員等を介在させることなく顧客自身が操作することで、カメラ付き携帯電話(以下、単に携帯電話という。)やデジタルカメラで撮影した画像をプリント出力させることができるように構成されている。
【0004】
具体的には、該写真出力装置は、各種メディアや携帯電話から画像を受け付ける受付手段と、該受付手段で受け付けたデータを基にプリント出力するプリント手段とを備えている。
【0005】
前記受付手段は、顧客が操作するための入力手段(例えば、タッチパネルや入力ペン、マウス等)や、携帯電話を接続する接続端子、デジタルカメラ(メディア)から画像データを読み込むメディアドライブ、入力手段の操作に基づき、受け付けた画像データを内部処理したり、装置全体を制御したりする制御手段等で構成されている。該受付手段は、顧客が入力手段を介して操作することで、携帯電話やメディアから画像データを受け付け(画像データを読み込み)、該画像データを基にプリント手段にプリント出力させるようになっている。
【0006】
該写真出力装置は、上述の如く、店員が介在することなくプリント出力できる、いわゆる無人式の写真出力装置であるため、処理スピードの向上や、プリント出力するためのペーパーの不足を発生させない等といった観点から、プリント手段が複数(少なくとも二台以上)設けられると共に、プリント手段に供給するペーパーを貯留する貯留手段(マガジン)が各プリント手段に対応して設けられており、オーダーを受け付けたときに未稼働状態にある何れかのプリント手段でプリント処理を行うようになっている。これにより、該写真出力装置は、保守点検等を行うサービスマンが定期的(例えば一ヶ月毎)にペーパーや、ペーパーに対する描画に使用されるインクリボン或いはインク等の消耗品を補充することで、常時プリント処理を無人で行うことができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記構成の写真出力装置は、受付手段が画像データを受け付けたとき、未稼働状態にある何れかのプリント手段を稼働させてプリント出力するように構成されているため、サービスマンが消耗品を補充すべく写真出力装置の設置された場所に訪問したとき(決められた時期に訪問したとき)、各プリント手段に対応する各貯留手段内のペーパーや、各プリント手段のインクリボン等の消耗品が中途半端な量(交換するには多すぎ、次回の補充時期までのプリント処理を行うことができない程度の残量)で残っている場合がある。そうすると、残ったペーパーやインクリボン等が無駄にならないように、それらの補充が行われることなく、そのまま放置されてしまうため、サービスマンの訪問が無駄になる上に、消耗品に対する次の補充時期までに各プリント手段のペーパーやインクリボン等が無くなってしまい、プリント処理できない状態で放置されてしまうといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、サービスマンの訪問を無駄にすることなく、プリント出力に伴って消費される消耗品の補充を行うことができ、通常時において円滑にプリント出力を行うことができる写真出力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る写真出力装置は、顧客から画像データを受け付ける受付手段と、受け付けた画像データを基にプリント出力するプリント手段と、プリント手段に供給するペーパーを貯留する貯留手段とを備え、前記プリント手段が少なくとも二台以上設けられると共に、前記貯留手段がプリント手段毎に設けられ、プリント出力に伴って消費される消耗品が各プリント手段に対応して補充される写真出力装置であって、各プリント手段は、プリント出力させる優先順位が設定され、受付手段が受け付けたオーダー量を基に、少なくとも優先順位の最も高いプリント手段を含むように、プリント手段の可動台数が切り換わるように構成されていることを特徴とする。なお、ここで「消耗品」とは、各プリント手段によるプリント出力に対応して消費される物で、各プリント手段に対応して設けられた貯留手段に貯留されるペーパーは勿論のこと、各プリント手段に、ペーパーに対する描画をインク或いはインクリボンによって行うものを採用した場合には、各プリント手段に対応するインクリボンやインク(インクカートリッジ)等を含むものである。
【0010】
上記写真出力装置は、受付手段の受付量(オーダー量)を基に、優先順位の高い所定のプリント手段を含んでプリント手段の稼働台数が切り換わるように構成されているので、優先順位の高いプリント手段のペーパーが中心となって消費されていくことになる。これにより、サービスマンがペーパーを補充すべく訪問したときには、少なくとも優先順位の高い所定のプリント手段に対応した貯留手段にペーパー(消耗品)を補充することができる。また、プリント手段に、ペーパーに対する描画をインクリボン或いはインクで行うものを採用した場合には、ペーパーの消費と同様に、優先順位の高いプリント手段のインクリボン等が中心に消費されていくことになるので、サービスマンが写真出力装置を設置した場所に訪問したときには、少なくとも優先順位の高い所定のプリント手段に消耗品であるインクの補充(インクリボン或いはインクカートリッジの交換)を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る写真出力装置によれば、サービスマンの訪問を無駄にすることなく、プリント出力に伴って消費される消耗品の補充を行うことができ、通常時において円滑にプリント出力を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る写真出力装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
本実施形態に係る写真出力装置は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗や、観光名所に設置されるものであり、顧客が簡単な操作を行うことでカメラ付き携帯電話(以下、単に携帯電話という。)やデジタルカメラ等で撮影したデジタル画像をプリント出力させることができるようになっている。本実施形態に係る写真出力装置は、上述の如く、作業者が介在することなくプリント出力させる、いわゆる無人式の装置であるため、プリント出力に伴って消費される消耗品としてのペーパー(後述するプリント手段に供給するペーパー)や、該ペーパーに対する描画に使用されるインク(本実施形態においては後述するインクリボン)等を定期的にサービスマンが補充するようになっており、消耗品の補充時期(期間)は、経験則に基づいて当該写真出力装置が設置される市場環境(例えば、一日の来客数、季節の変化に伴う来客数の変動等)に応じて定められている。
【0014】
該写真出力装置について具体的に説明すると、該写真処理装置は、図1及び図2に示す如く、顧客からデジタル画像データ(以下、画像データという。)を受け付けるための受付手段1と、該受付手段1で受け付けた画像データに基づいて、ペーパーP上に画像を形成してプリント出力するプリント手段2a,2b,2cと、該プリント手段2a,2b,2cに供給するペーパーPを貯留する貯留手段であるマガジン3a,3b,3cとを備えている。
【0015】
前記受付手段1は、各種画面(例えば、受付画面や、操作画面等)を表示するモニター10と、プリント出力させる画像の選択や各種入力を行う入力手段11と、顧客が持ち込んだ各種メディアから画像データを読み込むためのメディアドライブ12a,12b,12c…と、各種制御を行う制御装置13とを備えている。さらに、本実施形態に係る写真出力装置は、携帯電話を接続する接続端子(図示しない)を備えており、携帯電話で撮影した画像を受け付ける(読み込む)ことができるようになっている。
【0016】
本実施形態に係るモニター10には、液晶ディスプレイが採用されており、受け付けた画像や、各種操作等に関連する画面等を表示するようになっている。また、該モニター10は、タッチパネルになっており、顧客による画面のタッチ操作で各種入力や各種操作等を行うための前記入力手段11として機能するようにもなっている。
【0017】
前記メディアドライブ12a,12b,12c…は、顧客が持ち込む各種メディア(例えば、CD−R/RW、DVD−R/RW/RAM、SDカード、コンパクトフラッシュメモリ、スマートメディア、メモリースティック、マルチメディア、PCカード、USBフラッシュメモリ、ピクチャーカード、マイクロドライブ等)に対応させるべく、複数種類設けられている。各メディアドライブ12a,12b,12c…は、顧客が直接扱えるように、当該写真出力装置の前面に並設されている。
【0018】
前記制御装置13は、制御や演算の主体となるCPU130と、該CPU130に実行させるソフトウェアが記憶されたROM131と、CPU130が各種処理を実行するに際して作業領域等に使用されるRAM132とを備えており、前記ROM131及びRAM132は、CPU130に対してバスを介して電気的に接続されている。また、前記モニター10、入力手段11、メディアドライブ12a,12b,12c…、及びプリント手段2a,2b,2c…は、I/Oインターフェイス133を介してCPU130に電気的に接続されており、ソフトウェアを実行するCPU130の指示に基づいて動作するようになっている。
【0019】
前記プリント手段2a,2b,2cは、受付手段1(CPU130)からの指示で、顧客から受け付けた画像データに基づいて、マガジン3a,3b,3cから供給されてくるペーパーP上に画像を形成するようになっている。
【0020】
前記プリント手段2a,2b,2cは、複数台(本実施形態においては三台)並設されており、受付手段1で受け付けた画像データ(画像)の受付量(オーダー量)に応じて並列的に稼働させることでプリント出力の高速化を図っている。また、プリント手段2a,2b,2cを複数台設けることでペーパーPの貯留量を多くできるようにしている。即ち、前記マガジン3a,3b,3cは、各プリント手段2a,2b,2cのそれぞれに対応して三つ設けられており、これによって一つのマガジン3aのみにペーパーPを貯留する場合よりも数倍の貯留量(プリント手段2a,2b,2cの台数に応じた倍数の貯留量)のペーパーPを貯留することができ、無人で処理を行っても不用意にペーパーPが不足した状態になるのを防止できるようになっている。
【0021】
各マガジン3a,3b,3cは、長尺なペーパーPをロール状にしたものを貯留できるようになっており、本実施形態においては、約300枚分の写真(プリント)を出力できる長さのペーパーPのロールを収容できるようになっている。
【0022】
前記プリント手段2a,2b,2cとして、ペーパーPに対してインクを吹き付けて描画するインクジェットプリンタや、感光材料(ペーパーP)Pに対して露光・現像処理を施し、該感光材料に画像を形成するプリント装置等を採用することができるが、本実施形態に係るプリント手段2a,2b,2cには、昇華型プリンタが採用されている。該昇華型プリンタ2a,2b,2cは、熱転写プリンタの一種であり、固形インクを塗布したインクリボン(図示しない)に印字ヘッド(図示しない)で熱を加えてインクを昇華させ、当該インクをポリエステル系の樹脂でコートした専用のペーパーPに付着させるように構成されている。
【0023】
上記構成の写真出力装置は、各プリント手段2a,2b,2cに対してプリント出力(稼働)させる優先順位が設定されており、受付手段1で受け付けた画像データのオーダー量(プリント出力量)を基に、少なくとも優先順位の最も高いプリント手段(以下、第一プリント手段という)2aを含むように、プリント手段2a,2b,2cの稼働台数を変更する(切り換える)ようになっている。即ち、該写真出力装置は、優先順位が最も高い第一プリント手段2aのインクリボンや、第一プリント手段2aと連動する(対応した)マガジン3a内のペーパーP等の消耗品を、次回の消耗品の補充時までにできるだけ消費し、少なくとも第一プリント手段2aのインクリボンや、該プリント手段2aに対応したペーパーP(第一プリント手段2aに対応するマガジン3aに対する新品のロール)を補充できるように構成されている。
【0024】
具体的に説明すると、該写真出力装置は、受付手段1が受け付けたオーダー量に応じてプリント手段2a,2b,2cの稼働台数を切り換える基準(稼働台数切換基準)が設定されている。
【0025】
本実施形態において、稼働台数切換基準は、第一プリント手段2aに加えて、二番目に優先順位の高いプリント手段(以下、第二プリント手段という。)2bを稼働させるための第一切換基準と、第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに加えて、三番目に優先順位が高い(本実施形態においては、優先順位が最も低い)プリント手段(以下、第三プリント手段という。)2cを稼働させる第二切換基準とが設定されている。該第一切換基準及び第二切換基準を図式(グラフ)化すると図3に示すようになる。
【0026】
即ち、図3に示すグラフは、X軸にペーパーPを補充した時点から次回のペーパーPの補充時までの経過時間(期間)をとり、Y軸に写真出力装置に貯留されるペーパーPの最大貯留量をとっている。そして、前記第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2は、ペーパーPを補充した時点から次回のペーパーPの補充時までの経過時間(期間:X軸)と、写真出力装置に貯留されるペーパーPの最大貯留量を基準にした経過時間内における累積オーダー量(ペーパーPの消費量)との関係によって定められている。
【0027】
前記第一切換基準BL1は、当該写真出力装置のペーパーPの総貯留量が最大のとき、即ち、サービスマンがプリント手段2a,2b,2c(マガジン3a,3b,3c)の全てにペーパーPを補充したとき(座標(0,Vmax ))を始点にし、サービスマンによって次のペーパーPの補充が行われるまでの期間の終期であって、ペーパーPの総貯留量が最大の状態から一台のプリント手段2a,2b,2c(マガジン3a,3b,3c)のペーパーPの全てを消費したときの総残量(座標(Tlim,Vmax −(Vmax /3))が終点となるように線状(本実施形態においては、座標(0,0)側に凸状をなす二次曲線状)に設定されている。
【0028】
前記第二切換基準BL2は、当該写真出力装置のペーパーPの総貯留量が最大のとき、即ち、サービスマンがプリント手段2a,2b,2c(マガジン3a,3b,3c)の全てにペーパーPを補充したとき(座標(0,Vmax ))を始点にし、サービスマンによって次のペーパーPの補充が行われるまでの期間の終期であって、ペーパーPの総貯留量が最大の状態から二台のプリント手段2a,2b,2c(マガジン3a,3b,3c)のペーパーPの全てを消費したときの総残量(座標(Tlim,Vmax −(Vmax /3)×2)が終点となるように線状(本実施形態においては、座標(0,0)側に凸状をなす二次曲線状)に設定されている。
【0029】
該第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2は、何れも該写真出力装置が設置される市場環境に応じて設定されている。即ち、第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2は、過去の実績(所定期間内に受付手段1で受け付けるオーダー量、季節等の変化によるオーダー量の変化等の係数)に基づいて設定されている。そのため、本実施形態において、当該第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2の何れもが二次曲線的に設定されているが、第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2は、写真出力装置が設置される市場環境によって、一次直線的に設定される場合もある。
【0030】
以上のように第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2を設定することで、ペーパーPの総貯留量が最大である直線(Y=Vmax の直線)と第一切換基準BL1とで画定され、第一プリント手段2aを稼働させる領域(第一プリント手段稼働領域:No.1)と、第一切換基準BL1と第二切換基準BL2とで画定され、第一プリント手段2aに加えて第二プリント手段2bを稼働させる領域(第二プリント手段稼働領域:No.2)と、第二切換基準BL2とペーパーPの総貯留量が0の直線(Y=0の直線)とで画定され、第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに加え、第三プリント手段2cを稼働させる領域(第三プリント手段稼働領域:No.3)が設定されている。
【0031】
第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2(第一プリント手段稼働領域:No.1、第二プリント手段稼働領域:No.2及び第三プリント手段稼働領域:No.3)による各プリント手段2a,2b,2cの稼働台数の切換について説明すると、ペーパーPを補充してから最初のオーダーを受け付けたときに、Y=Vmax の直線からY=0の直線に向けてY軸方向に、そのオーダー量をとる。そして、そのオーダー量を示す直線の終点が存在する領域に対応したプリント手段2a,2b,2cが稼働するようになっている。即ち、Y軸方向にとったオーダー量を示す直線が跨る領域No.1〜No.3に対応するプリント手段2a,2b,2cが稼働し、顧客からオーダーを受け付けた場合に、少なくとも第一プリント手段2aが稼働するようになっている。
【0032】
具体的には、図4(イ)〜(ハ)の各(1)に示す如く、ペーパーPの総貯留量が最大である状態から最初に受け付けたオーダー量が第一プリント手段稼働領域:No.1内に存在する場合(オーダー量をY軸方向にとった直線の終点が第一切換基準BL1に達していない場合)、図4(イ)〜(ハ)の各(2)に示す如く、そのオーダー量の全量が第一プリント手段2aによってプリント出力される。なお、図4(イ)〜(ヘ)の各(2)は、オーダー(a〜e)毎に、各プリント手段2a,2b,2cが消費するペーパーPの量を模式化したもので、例えば、図4(イ)の(1)に示したオーダー(a〜e)に対応するように、図4(イ)の(2)には、第一プリント手段2aに対応するマガジン(第一マガジン)3aに貯留されるペーパーPの最大量V1の範囲内で各オーダー(a〜e)毎に累積した第一プリント手段2aでのペーパーPの消費量が表現されている。従って、上述の如く、第一プリント手段2aのみでオーダー量の全量をプリント出力した場合、図4(イ)〜(ハ)の各(2)において、第二プリント手段2bに対応するマガジン(第二マガジン)3bに貯留されるペーパーPの最大量V2、第三プリント手段2cに対応するマガジン(第三マガジン)3cに貯留されるペーパーPの最大量V3の範囲内には、最初のオーダー(a)でのペーパーPの消費が表現されていない。
【0033】
そして、図4(二)の(1)に示す如く、ペーパーPの総貯留量が最大(Vmax )である状態から最初に受け付けたオーダー(a)のオーダー量が第一プリント手段稼働領域:No.1及び第二プリント手段稼働領域:No.2に跨って存在する場合(オーダー量をY軸方向に取った直線の終点が第一切換基準BL1を超えて第二プリント手段稼働領域に位置する場合)、第一プリント手段2aに加えて、第二プリント手段2bが稼働してそのオーダーに対してプリント出力することになる。従って、図4(ニ)の(2)には、第一プリント手段2aに対応する第一マガジン3a及び第二プリント手段2bに対応する第二マガジン3bに貯留されるペーパーPの最大量V1,V2の範囲に当該オーダー(a)で消費されるペーパーPの消費量が表現されている。なお、受け付けたオーダーに係るオーダー量は、稼働させるプリント手段2a,2b,2cの稼働台数に応じて按分され、その按分量を各プリント手段2a,2b,2cでプリント出力させることが原則であるが、ペーパーPの消費に伴いマガジン3a,3b,3c内のペーパーPで按分量を処理できなくなる場合があるため、そのような場合はプリント手段2a,2b,2cの優先順位を繰り上げて下位のプリント手段2b,2cでプリント出力させるようになっている。各プリント手段2a,2b,2cにおけるプリント処理量については、フロー図(図5〜図8)を用いて詳細に後述することとする。
【0034】
そして、図4(ホ)及び(ヘ)の各(1)に示す如く、ペーパーPの総貯留量が最大(Vmax )である状態から最初に受け付けたオーダー(a)のオーダー量が第一プリント手段稼働領域:No.1、第二プリント手段稼働領域:No.2及び第三プリント手段稼働領域:No.3に跨って存在する場合(オーダー量をY軸方向に取った直線の終点が第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2を超えて第三プリント手段稼働領域:No.3に位置する場合)、第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに加えて、第三プリント手段2cが稼働してそのオーダー(a)に対してプリント出力することになる。従って、図4(ホ)及び(ヘ)の各(2)には、第一プリント手段2aに対応する第一マガジン3a、第二プリント手段2bに対応する第二マガジン3b、及び第三プリント手段2cに対応する第三マガジン3cのそれぞれに貯留されるペーパーPの最大量V1,V2,V3の範囲に当該オーダー(a)で消費されるペーパーPの消費量が表現されている。
【0035】
そして、それ以降に受け付けたオーダー(b〜e)については、各オーダーを受け付けた時期にシフトした位置(X軸方向に変移した位置)で、前回受け付けたオーダー量を示す直線(a)の終点(Y座標)を始点にし、受け付けたオーダー量をY軸方向に直線でとり、その終点が第一プリント手段稼働領域:No.1、第二プリント手段稼働領域:No.2、第三プリント手段稼働領域:No.3の何れに存在するかによって、稼働させるプリント手段2a,2b,2cが設定され、各オーダーに対するプリント出力処理が実行されることになる。なお、ペーパーPの消費は、該ペーパーPに対する描画によるものであるので、該描画に伴って各プリント手段2a,2b,2cのインクリボンもペーパーPの消費と同様に消費されることになる。従って、図4(イ)〜(へ)の各(2)は、各オーダー(a〜e)に対するペーパーPの消費量を表現しているが、各プリント手段2a,2b,2cのインクリボンについても同様の傾向で消費される。
【0036】
従って、何れの状況においても第一プリント手段2aに対応する(第一マガジン3a内の)ペーパーPの残量が足らなくなる以外は、優先順位の高い第一プリント手段2aが稼働するので、当該第一プリント手段2aのインクリボン、及びこれに対応する第一マガジン3a内のペーパーPを最優先で消費することができる。これにより、サービスマンが消耗品を補充すべく訪問したときには、少なくとも第一プリント手段2aにインクリボンを補充することができると共に、第一プリント手段2aに対応する第一マガジン3aに対してペーパーP(ロール)を補充することができる。
【0037】
次に、本実施形態に係る写真出力装置の作動(ソフトウェアの処理であって、各プリント手段2a,2b,2cのプリント処理量及び稼働台数の切り換え)について図5〜図8を用いて説明する。なお、図5〜図8は一連の処理フローであるが、図面の便宜上、分割している。
【0038】
まず、図5に示す如く、受付手段1で顧客からオーダーを受け付ける(S10)。そして、前記第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2とオーダー量との関係を基に上述の如く、第一プリント手段2aに加えて第二プリント手段2bを稼働させるか否かが判断される(S20)。そして、第二プリント手段2bを稼働させると判断された場合(S20でYES)、次に同様の手法によって第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに加えて第三プリント手段2cを稼働させるか否かが判断される(S30)。
【0039】
そして、S30で第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに加えて第三プリント手段2cを稼働させると判断された場合(S30でYES)、第一プリント手段2aに対応する第一マガジン3a内に貯留されているペーパーP(第一プリント手段2aに対応するペーパーP)の残量が算出される(S40)と共に、受け付けたオーダー量を三台のプリント手段2a,2b,2cで均等にプリント出力するとして按分する(S50)。そして、S40で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量と、S50で算出された按分量(第一プリント手段2aで出力させようとする按分量)とが比較される(S60)。そして、第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が按分量よりも多いと判断された場合(S60で残量>按分量)、第一プリント手段2a、第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cのそれぞれに按分量をプリント出力させる(S70)。つまり、本実施形態に係る写真出力装置は、第一プリント手段2aを最優先で稼働させるように構成しているので、第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cに対応するペーパーPが、第一プリント手段2aに対応するペーパーPよりも少なくなることがない。従って、第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量を算出し、それによって第一プリント手段2aで当該按分量を出力できれば、第二プリント手段2a及び第三プリント手段2cでも出力できることになるため、本実施形態においては、第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量を基準にプリント出力の可否を判断している。
【0040】
S20で第二プリント手段2bを稼働させないと判断された場合、即ち、第一プリント手段2aのみを稼働させると判断された場合(S20でNo)、図6に示す如く、第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が算出される(S80)。そして、受け付けたオーダー量とS80で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量とが比較される(S90)。そして、オーダー量よりも第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S90で残量>オーダー量)、第一プリント手段2aにオーダー量の全量をプリント出力させる(S100)。
【0041】
一方、S90でオーダー量よりもS80で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S90で残量<オーダー量)、オーダー量と第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量との差分量を算出する(S110)と共に、第二プリント手段2bに対応する第二マガジン3b内に貯留されているペーパーP(第二プリント手段2bに対応するペーパーP)の残量を算出する(S120)。そして、S110で算出された差分量と、S120で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量とを比較し(S130)、差分量よりも残量が多いと判断された場合(S130で残量>差分量)には、S80で算出された第一プリント手段2aに対応したペーパーPの残量で出力可能な量を第一プリント手段2aにプリント出力させると共に、S110で算出された差分量を第二プリント手段2bにプリント出力させる(S140)。
【0042】
一方、S110で算出された差分量よりもS120で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S130で残量<差分量)、S110で算出された差分量とS120で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量との差分量が算出される(S150)と共に、第三プリント手段2cに対応する第三マガジン3c内に貯留されているペーパーP(第三プリント手段2cに対応するペーパーP)の残量が算出される(S160)。
【0043】
そして、S150で算出された差分量(S110で算出された差分量と第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量との差分量)とS160で算出された残量(第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量)とを比較し(S170)、差分量よりも残量が多いと判断された場合(S170で残量>差分量)、S80及びS120で算出された第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに対応したペーパーPの残量で出力可能な量を第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bにプリント出力させると共に、S150で算出された差分量を第三プリント手段2cにプリント出力させる(S180)。
【0044】
その一方で、S150で算出された差分量よりもS160で算出された第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S170で残量<差分量)、全てのプリント手段2a,2b,2cを稼働させても受け付けたオーダー量の全量をプリント出力できない旨(ペーパーPが不足している旨)をモニター10に表示した後(S190)、S80、S120及びS160で算出された第一プリント手段2a、第二プリント手段2b、及び第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量で出力できる量のみを、各プリント手段2a,2b,2cでプリント出力させる(S200)。
【0045】
次に、S30で第三プリント手段2cを稼働させないと判断された場合(図5のS30でNo)について説明すると、図7に示す如く、まず、第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が算出され(S210)、受け付けたオーダー量を二台のプリント手段2a,2bでプリント処理するとして按分する(S220)。そして、S210で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量とS220で算出された按分量とを比較する(S230)。
【0046】
そして、S220で算出された按分量(第一プリント手段2aにプリント出力させようとする按分量)よりもS210で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S230で残量>按分量)、第一プリント手段2a、及び第二プリント手段2bのそれぞれにS220で算出された按分量をプリント出力させる(S240)。その一方で、S220で算出された按分量よりもS210で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S230で残量<按分量)、S210で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量とS220で算出された按分量との差分量を算出する(S250)と共に、第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量を算出する(S260)。
【0047】
そして、S220で算出された按分量(第二プリント手段2bにプリント出力させようとする按分量)にS250で算出された差分量を加算し(S270)、S260で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量とS270で算出された合計量とを比較する(S280)。そして、S270で算出された合計量よりもS260で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S280で残量>合計量)、S210で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量でプリント出力できる量を、該第一プリント手段2aにプリント出力させると共に、第二プリント手段2bにS270で算出された合計量をプリント出力させる(S290)。
【0048】
その一方で、S270で算出された合計量よりもS260で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S280で残量<合計量)、S260で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量とS270で算出された合計量との差分量を算出し(S300)すると共に、第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量を算出する(S310)。
【0049】
そして、S300で算出された差分量(S260で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量とS270で算出された合計量との差分量)とS310で算出された残量(第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量)とを比較し(S320)、S300で算出された差分量よりもS310で算出された第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S330で残量>差分量)、S210及びS260で算出された第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに対応したペーパーPの残量でプリント処理できる量を、該第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bのそれぞれにプリント出力させると共に、第三プリント手段2cにS300で算出された差分量をプリント出力させる(S330)。
【0050】
一方、S300で算出された差分量よりもS310で算出された残量が少ないと判断された場合(S320で残量<差分量)、全てのプリント手段2a,2b,2cを稼働させても受け付けたオーダー量の全量をプリント出力できない旨(ペーパーPが不足している旨)をモニター10に表示した後(S340)、S210、S260及びS310で算出された第一プリント手段2a、第二プリント手段2b、及び第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量で出力できる量のみを、各プリント手段2a,2b,2cのそれぞれにプリント出力させる(S350)。
【0051】
次に、S60(図5参照)で算出されたプリント手段2a,2b,2c三台分でオーダー量を按分した一台当たりの按分量よりもS40(図5参照)で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(図5のS60で残量<按分量)について説明すると、図8に示す如く、まず、S40で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量とS50(図5参照)で算出されたプリント手段2a一台当たりの按分量との差分量を算出する(S360)。
【0052】
そして、S50で算出された按分量を二倍した数量(第二プリント手段2bと第三プリント手段2cとで出力させようとする按分量の合計)に対し、S360で算出された差分量(第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量でプリント処理できない分)を加算し(S370)、その合計量(S370で算出された合計量)を第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cの二台で処理させるとして按分する(S380)。そして、第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量を算出し(S390)、S380で算出されたプリント手段(第二プリント手段)2bの一台分における按分量と、S390で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量を比較する(S400)。
【0053】
その結果、S380で算出された第二プリント手段2bの一台分における按分量よりもS390で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S400で残量>按分量)、S40で算出された第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量でプリント処理できる量を当該第一プリント手段2aにプリント出力させると共に、第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cのそれぞれにS380で算出された一台当たりの按分量をプリント出力させる(S410)。
【0054】
その一方で、S380で算出された第二プリント手段2bの一台分における按分量よりもS390で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S400で残量<按分量)、S380で算出された按分量(オーダー量から第一プリント手段2aに対応するペーパーPで出力可能分を差し引いた残りをプリント手段2b,2c二台分で按分したうちの、第二プリント手段2bでプリント出力させようとする按分量)と、S390で算出された第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量との差分量を算出し(S420)、S380で算出された按分量(オーダー量から第一プリント手段2aに対応するペーパーPで出力可能分を差し引いた残りをプリント手段2b,2c二台分で按分したうちの、第三プリント手段2cでプリント出力させようとする按分量)に対してS420で算出された差分量を加算する(S430)。そして、第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量を算出し(S440)、S430で算出された合計量とS440で算出された第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量とを比較する(S450)。
【0055】
その結果、S430で算出された合計量よりもS440で算出された第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量が多いと判断された場合(S450で残量>合計量)、S40及びS390で算出された第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量でプリント処理できる量を当該第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bのそれぞれにプリント出力させると共に、第三プリント手段2cにS430で算出された合計量をプリント出力させる(S460)。
【0056】
その一方で、S430で算出された合計量よりもS440で算出された第三プリント手段2cに対応するペーパーPの残量が少ないと判断された場合(S450で残量<合計量)、全てのプリント手段2a,2b,2cを稼働させても受け付けたオーダー量の全量をプリント出力できない旨(ペーパーPが不足している旨)をモニター10に表示した後(S470)、S40、S390及びS440で算出された第一プリント手段2a、第二プリント手段2b、及び第三プリント手段2cのそれぞれに対応するペーパーPの残量で出力できる量を、各プリント手段2a,2b,2cのそれぞれにプリント出力させる(S480)。
【0057】
以上が本実施形態に係る写真出力装置がオーダーを受け付けてからプリント出力するまでの一連の流れであり、該写真出力装置は、オーダーを受け付ける度に同様の流れで稼働させるプリント手段2a,2b,2cの台数が判断されるようになっている。即ち、上述した処理フローからも明らかなように、第一プリント手段2aに対応するペーパーPが無くなる以外は、全てのオーダーに対して優先順位の最も高い第一プリント手段2aが稼働するようになっており、該第一プリント手段2aに対応するインクリボン及びペーパーP(消耗品)が中心に消費される。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る写真出力装置は、受付手段1で受け付けた受付量(オーダー量)を基に、優先順位の最も高い所定の第一プリント手段2aを含んでプリント手段2a,2b,2cの稼働台数が切り換わるように構成されているので、優先順位の高い第一プリント手段2aのペーパーPが中心となって消費されていくことになる。これにより、サービスマンがペーパーPを補充すべく訪問したときには、少なくとも第一プリント手段2aに対応した第一マガジン3aにペーパーPを補充することができる。また、ペーパーPに対する描画に伴い、ペーパーPと同様に、優先順位の第一プリント手段2aのインクリボンが中心となって消費されることになり、インクリボンについても、サービスマンが写真出力装置の設置された場所に訪問したときには、少なくとも第一プリント手段2aに対してインクリボンの補充(インクリボンのカートリッジの交換)をすることができる。
【0059】
従って、本実施形態に係る写真出力装置は、サービスマンの訪問を無駄にすることなく、ペーパーPやインクリボン等の消耗品(プリント出力に伴って消費される消耗品)の補充を(定期的に)行うことができ、通常時において円滑にプリント出力を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態に係る写真出力装置は、上述の如く、オーダーに応じて優先順位の高い順番で各プリント手段2a,2b,2cを稼働させるようにしているので、各プリント手段2a,2b,2cに対応するインクリボン及びペーパーPの消費量が異なることになるが、上述の如く第一プリント手段2aを中心にしてその他のプリント手段2b,2cを適宜稼働させることを原則にした上で、ペーパーPの残量に応じて優先順位の低いプリント手段2b,2cに出力させるようにしているので、各プリント手段2a,2b,2cのインクリボン、及び該写真出力装置内に貯留したペーパーPを有効に消費することができる。
【0061】
尚、本発明の写真出力装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
上記実施形態において、プリント手段2a,2b,2cを三台並設するようにしたが、これに限定されるものではなく、プリント手段は二台以上、より好ましくは三台以上設けるようにすればよい。このようにプリント手段を二台以上設けても、各プリント手段にプリント出力させる優先順位を設定し、顧客からオーダーを受け付けたときに、優先順位の高いプリント手段を少なくとも含むように各プリント手段を稼働させるようにすればよい。このようにしても、上記実施形態と同様に、優先順位が最も高いプリント手段に対応するペーパーPを中心にして消費することになり、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0063】
上記実施形態において、優先順位の最も高い第一プリント手段2aに対応するペーパーPの残量がオーダー量よりも少ない場合に、第一プリント手段2aでプリント出力できる量をプリント出力し、ペーパーPの残量に拘わらず、残りを第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cのそれぞれ均等にプリント処理をさせることを前提にして按分し、各按分量を第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cにプリント出力させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一プリント手段2aでプリント出力できる量をプリント出力し、第二プリント手段2bに対応するペーパーPの残量で残りのオーダー分をプリント処理できる場合に、その全量を第二プリント手段2bでプリント処理するようにしてもよい。
【0064】
即ち、第一プリント手段2aに対応するペーパーPが無くなった場合、第二プリント手段2bの優先順位を最も高く設定し、上記実施形態の第一プリント手段2aの位置づけにするようにしてもよい。つまり、優先順位の高い順にペーパーPの消費量が多くなるので、その上位のプリント手段に対応するペーパーPが無くなった場合に、その次に優先順位の高いプリント手段を最優先で稼働させるように変更すればよい。これにより、第一プリント手段2aに対応するペーパーPが無くなった後は、第二プリント手段2bに対応するペーパーPを中心に消費することができ、サービスマンがペーパーPを補充するに際し、第二プリント手段2bに対応するペーパーPも補充できる機会が増え、次回のペーパーPの補充時期までのプリント処理に使用することができるペーパーPの貯留量を多くすることができる。
【0065】
上記実施形態において特に言及していないが、サービスマンがペーパーPやインクリボン等の消耗品を補充するときに、第一プリント手段2aに対応する消耗品のみを補充する場合には、第二プリント手段2b及び第三プリント手段2cに対応する消耗品も消費されている場合があるので、このペーパーPの補充時期を起点にする次回の消耗品の補充までの期間において、プリント出力させる優先順位を繰り上げ、第二プリント手段2bを最も上位に設定すると共に、第一プリント手段2aを最も下位に設定することが好ましい。また、第一プリント手段2a及び第二プリント手段2bに対応する消耗品を補充する場合には、第三プリント手段2cを最も上位に設定し、第一プリント手段2a又は第二プリント手段2bの何れか一方を最下位に設定することが好ましい。
【0066】
上記実施形態において、受付手段1及び複数台のプリント手段2a,2b,2cを一体的に構成した写真出力手段について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、受付手段1と複数台のプリント手段2a,2b,2cとが別体で構成されたものであってもよい。また、受付手段1と複数台のプリント手段2a,2b,2cとが近接して配置されるものではなく、例えば、複数台のプリント手段2a,2b,2cが受付手段1に対して遠隔に設置され、インターネットやLAN等の通信手段を介して受付手段1で複数のプリント手段を遠隔操作するように構成してもよい。
【0067】
上記実施形態において、プリント手段2a,2b,2cの稼働台数を切り換える稼働台数切換基準(第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2)を、ペーパーPが補充されるまでの経過時間と、ペーパーPの最大総貯留量を基準にした経過時間内におけるペーパーPの消費量との関係によって設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、プリント手段2a,2b,2cの稼働台数を切り換る稼働台数切換基準(第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2)を、消耗品が補充されるまでの経過時間と、インクリボンの最大総貯留量を基準にした経過時間内におけるインクリボンの消費量との関係によって設定するようにしてもよい。つまり、各プリント手段2a,2b,2c毎にペーパーPの消費とインクリボンの消費とは関連しているので、稼働台数切換基準(第一切換基準BL1及び第二切換基準BL2)をインクリボンの消費量を基に設定しても、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0068】
上記実施形態において、プリント出力に伴って消費される主たる消耗品(定期的に補充される消耗品)がペーパーPに加えてインクリボンとなる昇華型プリンタを各プリント手段2a,2b,2cに採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、主たる消耗品がペーパーP及びインク(インクカートリッジ)となるインクジェットプリントや、主たる消耗品がペーパー(感光材料)Pとなる露光現像処理装置(プリント装置)等を各プリント手段2a,2b,2cに採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真出力装置の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る写真出力装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【図3】同実施形態のプリント手段の稼働台数を決定するためグラフを示す。
【図4】同実施形態に係る写真出力装置に対する所定期間内のオーダーのパターン例及び各オーダーのパターン例に対応した各プリント手段に対応するペーパーの消費パターン例であって、(イ)〜(へ)の各(1)は、所定期間内のオーダーのパターン例を示し、(イ)〜(ヘ)の各(2)は、(イ)〜(ヘ)の各(1)に対応した各プリント手段のオーダー毎のペーパーの消費例を示す。
【図5】同実施形態に係る写真出力装置の内部処理の一部分を示す処理フロー図を示す。
【図6】同実施形態に係る写真出力装置の内部処理の一部を示す処理フロー図であって、図5のAに続く処理フロー図を示す。
【図7】同実施形態に係る写真出力装置の内部処理の一部を示す処理フロー図であって、図5のBに続く処理フロー図を示す。
【図8】同実施形態に係る写真出力装置の内部処理の一部を示す処理フロー図であって、図5のCに続く処理フロー図を示す。
【符号の説明】
【0070】
1…受付手段、2a…第一プリント手段(プリント手段)、2b…第二プリント手段(プリント手段)、2c…第三プリント手段(プリント手段)、3a…第一マガジン(マガジン)、3b…第二マガジン(マガジン)、3c…第三マガジン(マガジン)、10…モニター、11…入力手段、12a,12b,12c…メディアドライブ、13…制御装置、130…CPU、131…ROM、132…RAM、133…I/Oインターフェイス、BL1…第一切換基準、BL2…第二切換基準、P…ペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から画像データを受け付ける受付手段と、受け付けた画像データを基にプリント出力するプリント手段と、プリント手段に供給するペーパーを貯留する貯留手段とを備え、前記プリント手段が少なくとも二台以上設けられると共に、前記貯留手段がプリント手段毎に設けられ、プリント出力に伴って消費される消耗品が各プリント手段に対応して補充される写真出力装置であって、各プリント手段は、プリント出力させる優先順位が設定され、受付手段が受け付けたオーダー量を基に、少なくとも優先順位の最も高いプリント手段を含むように、プリント手段の可動台数が切り換わるように構成されていることを特徴とする写真出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−181748(P2006−181748A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375299(P2004−375299)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】