冷却ファン用シュラウド
【課題】冷却性能の低下を抑制し、かつ、騒音の増大を抑制する。
【解決手段】シュラウド1は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる冷却ファン15の外周の周囲と、熱交換器11と、の間を覆う。シュラウド1は、熱交換器11に取り付けられるシュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられるとともに冷却ファン15の外周の周囲に配置されるダクト部30と、を備える。ダクト部30は、開口縁40と冷却配管50とを備える。開口縁40は、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成するとともに、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする筒状に形成される。冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる。
【解決手段】シュラウド1は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる冷却ファン15の外周の周囲と、熱交換器11と、の間を覆う。シュラウド1は、熱交換器11に取り付けられるシュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられるとともに冷却ファン15の外周の周囲に配置されるダクト部30と、を備える。ダクト部30は、開口縁40と冷却配管50とを備える。開口縁40は、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成するとともに、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする筒状に形成される。冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却ファンの外周の周囲と熱交換器との間を覆うシュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図6及び図7には、建設機械等のエンジンに設けられた冷却装置が記載されている。この冷却装置は、エンジンに回転駆動される冷却ファンと、熱交換器と、冷却ファンの周囲と熱交換器との間を覆うシュラウドとを備えている。
【0003】
図10(a)に従来の箱型のシュラウド501を備えた冷却装置510を示す。図10(b)は、図10(a)に示すF10b矢視図である。図11(a)は、図10(a)中の破線で囲った部分F11aの拡大図である。図10(b)及び図11(a)に示すように、シュラウド501は、側面21と、垂直面22(水平面に垂直な面)とを備える。垂直面22には開口部22oが形成され、開口部22oの内側に冷却ファン15が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−73468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10及び図11に示すシュラウド501には次の問題がある。図11(a)に示すように、垂直面22の冷却ファン15側の端部(開口部22oの縁)と、冷却ファン15との間を冷却風が流れる。冷却風の流れの向きは垂直面22を境に急激に変化し、冷却風の流れに大きな乱れ(剥離や渦)が生じる。すると、開口部22o周辺で、通風抵抗や騒音が増大する。
【0006】
図11(b)及び(c)に、上記の冷却風の乱れを改善した技術を示す。図11(b)に示す技術では、シュラウド501の開口部22oの縁を円筒状にしている。また、図11(c)に示す技術では、開口部22oの縁をベルマウス状にしている。これらのように開口部22oの縁を円筒状やベルマウス状にすることで、開口部22o周辺での通風抵抗および騒音の増大は抑制できる。しかしながら、次に述べるように、これらの効果は熱交換器の追加により相殺されてしまう。
【0007】
図10(a)に示す熱交換器11は、エンジン冷却用のラジエタ11a、作動油冷却用のオイルクーラのみならず、インタークーラ11b、運転室の空調用のエアコンコンデンサー11cなど、多数設置される場合がある。さらに、ハイブリッド建機などでは、モータやベアリング等を冷却するための熱交換器11を追加する場合がある。このように多数の熱交換器11を設置すると、熱交換器11を通過する冷却風に対する通風抵抗が増大する。すると、開口部22oの縁の形状をベルマウス状等とすることによる通風抵抗抑制の効果が相殺されるおそれがある。その結果、冷却風の風量が確保できず、冷却装置の冷却性能が低下するおそれがある。
【0008】
また、冷却風の風量を確保するために冷却ファンの回転数を増大させると、冷却ファンからの発生音が増大する。特に、冷却ファンの回転数と冷却ファンの羽根の枚数とに起因するファンピッチ音(卓越ピーク)が顕著となるおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、冷却性能の低下を抑制でき、かつ、騒音の増大を抑制できる、冷却ファン用シュラウドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、回転軸方向に冷却風を発生させる冷却ファンの外周の周囲と、熱交換器と、の間を覆うシュラウドである。このシュラウドは、前記熱交換器に取り付けられるシュラウド本体部と、前記シュラウド本体部の内側に設けられるとともに前記冷却ファンの外周の周囲に配置されるダクト部と、を備える。前記ダクト部は、開口縁と冷却配管とを備える。前記開口縁は、前記冷却ファンが内側に配置される開口部を形成するとともに、当該冷却ファンの回転軸を軸とする筒状に形成される。前記冷却配管は、前記冷却ファンの外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の冷却ファン用シュラウドでは、冷却性能の低下を抑制でき、かつ、騒音の増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】シュラウドを備えた冷却装置を示す模式図である。
【図2】図1に示すF2a部分の拡大図等である。
【図3】図1に示すシュラウド等のF3矢視図である。
【図4】図1に示す冷却装置を備えた建設機械の騒音レベルを示すグラフである。
【図5】第2実施形態の図2相当図である。
【図6】第3実施形態の図2相当図である。
【図7】第3実施形態の図3相当図である。
【図8】第3実施形態の変形例の図3相当図である。
【図9】第4実施形態の図3相当図等である。
【図10】従来のシュラウドを備えた冷却装置を示す模式図である。
【図11】従来のシュラウドの図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して第1実施形態のシュラウド1を説明する。なお、図2では上側配管P3及び下側配管P4等を省略している。図3では、シュラウド1と冷却ファン15とを区別するため、冷却ファン15を二点鎖線で示している。まず、シュラウド1を備える冷却装置10を説明する。
【0014】
冷却装置10は、図1に示すように、例えば油圧ショベル等の建設機械(作業機械)のエンジンEに設けられる。冷却装置10は、熱交換器11と、エンジンEにより回転駆動される冷却ファン15と、熱交換器11と冷却ファン15との間を覆うシュラウド1(冷却ファン用シュラウド)とを備える。冷却装置10の動作の概略は次の通りである。エンジンEにより冷却ファン15が回転駆動されて冷却風が発生する。冷却風は、熱交換器11側からエンジンE側へ流れる。すると、熱交換器11内の冷却媒体が冷却され、エンジンEも冷却される。すなわち冷却装置10は空気吸引型冷却装置であり空気吐出型冷却装置である。以下、冷却風の上流側を「前」、冷却風の下流側を「後」とする。
【0015】
熱交換器11は、冷却媒体(熱交換媒体)を冷やす装置である。冷却媒体を冷やす熱交換器11は、例えば次の(a)〜(d)などである。(a)エンジンE冷却用のエンジン冷却水を冷やすラジエタ。(b)油圧ポンプ等の油圧機械の作動油を冷やすオイルクーラ。(c)圧縮空気を冷やすインタークーラ。(d)建設機械の運転室の空調用の冷媒を冷やすエアコンコンデンサ。熱交換器11は、1つでも良く、複数でも良い(図10(a)参照)。熱交換器11は次のように動作する。冷却媒体が、配管P1を介して熱交換器11に供給される。冷却媒体が、熱交換器11内を通過して冷却風により冷やされる。冷却媒体が、配管P2を介して熱交換器11から排出される。
【0016】
冷却ファン15は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる送風機である。冷却風の方向は、回転軸15a方向の成分を有する方向であれば良い、または、回転軸15a方向に概ね沿う方向であれば良い。冷却ファン15は、軸流送風機であり、斜流送風機でも良い。図3に示すように、冷却ファン15は、中央部に配置された軸部16と、軸部16に固定された複数の羽根17とを備える(煩雑を避けるため、図3には複数の羽根17のうち1つの羽根17にのみ符号を付している)。図1に示すように、冷却ファン15は、エンジンEに軸部16(図3参照)が取り付けられ、熱交換器11とエンジンEとの間に配置される。冷却ファン15は、エンジンEの駆動力の一部を活用して回転駆動され、熱交換器11越しに(前から)外部から空気を吸入し、エンジンE側(後)へ空気を吐出する。
【0017】
シュラウド1(冷却ファン用シュラウド)は、冷却ファン15の外周の周囲と熱交換器11との間を覆う部材である。シュラウド1は、冷却ファン15が吸引する冷却風の全流量が熱交換器11を通過するように、冷却風の一部が拡散してしまわないように、冷却風をガイドする部材である。シュラウド1は、シュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられたダクト部30とを備える。
【0018】
シュラウド本体部20は、熱交換器11に取り付けられる部分である。シュラウド本体部20は、熱交換器11に直接固定しても良く、熱交換器11との間に別の部材を介して熱交換器11に間接的に固定しても良い。シュラウド本体部20は、熱交換器11の例えば後端かつ外周部などに固定される。シュラウド本体部20は箱型である。図2(a)に示すように、シュラウド本体部20は、熱交換器11の後端から後方に延びる側面21と、側面21の後端から冷却ファン15側に延びる垂直面22とを備える。以下、冷却ファン15の回転軸15aに近い側を「シュラウド内側」、回転軸15aから遠い側を「シュラウド外側」という。垂直面22は、水平面に対して垂直な面である。垂直面22のシュラウド内側にダクト部30が設けられる。なお、シュラウド本体部20は、側面21と垂直面22とを備えた構造(断面が折れ曲がった構造)でなくても良い。シュラウド本体部20は、例えば、熱交換器11との取り付け部分からダクト部30までなだらかに繋がるような形状などでも良い。
【0019】
ダクト部30は、シュラウド本体部20の内側に設けられる部分である。ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ダクト部30とシュラウド本体部20とは一体でも別体でも良い。図3に示すように、ダクト部30は円形状(輪状、管状)に形成される。ダクト部30の内周は、冷却ファン15の外寸(外周)より大きい。すなわち、ダクト部30と冷却ファン15との間には隙間が形成される。図2(a)に示すように、ダクト部30は、ダクト部前面31と、シュラウド内側の面である開口縁40と、ダクト部後面35と、冷却配管50とを備える。
【0020】
ダクト部前面31は、シュラウド本体部20の垂直面22のシュラウド内側の端部から、シュラウド内側に延びる面である。
【0021】
開口縁40は、図2(a)及び図3に示すように、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成する部分である。開口縁40は、この開口部の外縁である。開口縁40は、冷却ファン15による冷却風の流れに沿うように形成される。開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする円筒状(筒状)に形成される。開口縁40は円形ダクト状である。すなわち、図2(a)に示すように、開口縁40は、ダクト部前面31のシュラウド内側端部から後方に延びるように形成される。開口縁40の前後方向の幅は、例えば、冷却ファン15の前後方向の幅と略同じ程度などである。なお、開口縁40の前側(前半分)の部分を「開口縁前部40f」、開口縁40の後側(後ろ半分)の部分を「開口縁後部40r」とする。
【0022】
冷却配管50は、冷却媒体を通過させる配管である。なお、図1等では、冷却配管50の内部の冷却媒体が通過する部分を斜線で示す。図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。冷却配管50には上側配管P3及び下側配管P4が接続される。以下、冷却配管50についてさらに説明する。
【0023】
この冷却配管50は、冷却配管50の上部50tで上側配管P3に接続される。冷却配管50は、冷却配管50の下部50bで下側配管P4に接続される。冷却媒体は冷却配管50を次のように通過する(流れる)。冷却媒体は、上側配管P3から冷却配管50の上部50tに供給される。冷却媒体は、冷却配管50の上部50tで左右に分岐し、冷却配管50の左右の円弧状部分を通過し、冷却配管50の下部50bで合流する。そして、冷却媒体は、冷却配管50の下部50bから下側配管P4に排出される。
【0024】
図1に示すように、例えば、上側配管P3は、熱交換器11に接続される配管P1から分岐する。下側配管P4は、熱交換器11に接続される配管P2から分岐する。具体的には例えば、配管P1を通ってラジエタ(熱交換器11)にエンジン冷却水(冷却媒体)が供給されるとともに、上側配管P3を通って冷却配管50にもエンジン冷却水が供給される。そして、ラジエタ(熱交換器11)から配管P2を通ってエンジンEへエンジン冷却水が流れるとともに、冷却配管50からも下側配管P4及び配管P2を通ってエンジンEへエンジン冷却水が流れる。
【0025】
また例えば、上側配管P3及び下側配管P4は、配管P1及び配管P2から分岐しない言わば専用配管に接続されても良い。すなわち、熱交換器11を用いずに冷却配管50のみで冷却媒体を冷やしても良い。具体的には例えば、電動モータやベアリング(いずれも図示なし)用の冷却媒体を、冷却配管50のみに流すようにする。
【0026】
図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。冷却配管50は、冷却ファン15の回転軸15a方向(前後方向)から見ると円形状である。冷却配管50は、冷却ファン15の外周の近傍に配置される。冷却配管50は、冷却配管50から開口縁40に熱が伝わるような位置に配置される。冷却配管50は、開口縁40に沿うように、開口縁40と一体または別体として設けられる。冷却配管50と開口縁40とが一体の場合、冷却配管50のシュラウド内側の部分が開口縁40である。冷却配管50と開口縁40とが別体の場合、冷却配管50のシュラウド内側の部分が開口縁40に接する、または、同部分が開口縁40近傍で開口縁40と隣り合うように配置される。以下、「冷却配管50が開口縁40に設けられる」などと言うときは、冷却配管50が開口縁40に対して上記のように一体または別体として設けられることを意味する。図2(a)に示すように、冷却配管50は、開口縁40の前端から後端にわたって開口縁40に設けられる。図2(a)に示す冷却配管50の断面は例えば略長方形である。さらに詳しくは、冷却配管50は前後方向から見て円形状であるが(図3参照)、この円形の円周に沿う方向から見た冷却配管50の断面(図2(a)参照)が例えば略長方形である。以下、上記円周に沿う方向から見たシュラウド1の断面を「断面D」という(図2(a)に示す断面は断面Dの一例である)。なお、冷却配管50の後面、すなわちダクト部30の後面を、「ダクト部後面35」とする。
【0027】
(開口縁の変形例)
図2(b)に変形例の開口縁60を備えたシュラウド1を示す。図2(a)に示す円筒状の開口縁40は、図2(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できる。
【0028】
開口縁60は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とするベルマウス状(筒状)に形成される。開口縁60は、ラッパ状に形成される。開口縁60は、断面Dが円弧状である。この「円弧状」には、例えば楕円弧や円弧に近い曲線を含む。なお、開口縁60の前側の部分を「開口縁前部60f」、開口縁60の後側の部分を「開口縁後部60r」とする。
【0029】
冷却配管70は、開口縁60に対応するような形状に形成される。断面Dにおける冷却配管70の前面、シュラウド内側の面、及び後面は、円弧状である。断面Dにおける冷却配管70全体の形状は、例えば半円状である(円形状等でも良い)。
【0030】
(開口縁の他の変形例)
図2(a)に示す開口縁40の形状は様々に変形できる。例えば、開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする、テーパ状を備えた筒状(図示なし)等でも良い。また例えば、開口縁40の断面Dの形状を、円弧状と直線とを組み合わせた形状としても良い。また例えば、円筒状の開口縁40とベルマウス状の開口縁60(図2(b)参照)とを組み合わせた形状としても良い。
【0031】
(実験)
シュラウド1等を大型の油圧ショベル(図示なし)に設置した場合の、油圧ショベル周囲での騒音レベルの測定結果を図4に示す。図11(a)に示すように円筒状やベルマウス状の開口縁を備えないシュラウド501を備える場合(比較例)の結果を、図4のグラフにおいて破線で示す。図1に示すように円筒状の開口縁40を備えるシュラウド1を備える場合(本発明)の結果を、図4のグラフにおいて実線で示す。結果は次のようになった。比較例では、冷却ファン15(図3参照)の回転数、および、冷却ファン15の羽根17の枚数に起因するファンピッチ音(卓越ピーク)が300Hz帯域に生じている。一方、本発明では、このファンピッチ音が低減していることが分かる。
【0032】
(効果1)
次に、図1に示すシュラウド1の効果を説明する。シュラウド1は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる冷却ファン15の外周の周囲と、熱交換器11と、の間を覆う。シュラウド1は、熱交換器11に取り付けられるシュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられるダクト部30とを備える。
【0033】
ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ダクト部30は、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成する開口縁40(または図2(b)に示す開口縁60。以下省略)を備える。開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする筒状に形成される。よって、冷却ファン15の外周の周囲の冷却風が、開口縁40に沿って流れやすい。よって、開口縁40周辺での剥離や渦流の発生が抑制される。したがって、開口縁40から熱が放散されやすい。
なお、開口縁40周辺での剥離や渦流の発生が抑制されるので、図11(b)及び(c)に示す従来のシュラウド501と同様に、開口縁40周辺での通風抵抗や騒音を抑制できる。
【0034】
図3に示すように、ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ここで、冷却ファン15により発生する冷却風は、冷却ファン15の外周(羽根17の先端部)で流速が最も速い。よって、ダクト部30の開口縁40から熱が放散されやすい。
【0035】
ダクト部30は、冷却媒体を通過させる冷却配管50(または図2(b)に示す冷却配管70。以下省略)を備える。また、上述したように開口縁40から熱が放散されやすい。よって、冷却配管50から開口縁40に伝わった熱は開口縁40から放散されやすい。したがって、冷却配管50を通過する冷却媒体が冷えやすい。
【0036】
図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。よって、冷却ファン15の外周のうち一部分の近傍にのみ冷却配管50が配置される場合に比べ、冷却配管50を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0037】
上述したように、図1に示すシュラウド1では、ダクト部30で冷却媒体を冷やすことができる。よって、この冷却媒体を冷やすための熱交換器11を追加する必要が無い。よって、熱交換器11の追加による通風抵抗の増大を抑制でき、通風抵抗の増大による冷却風の風量の低下を抑制できる。よって、冷却風の風量の低下による冷却性能(シュラウド1を備えた冷却装置10の冷却性能)の低下を抑制できる。
【0038】
上述したように、熱交換器11の追加による冷却風の風量の低下を抑制できる。よって、冷却風の風量の低下を補うために、冷却ファン15の回転数を増大させる必要がない。したがって、冷却ファン15の回転数の増大による騒音の増大を抑制できる。
【0039】
(第2実施形態)
図5を参照して第2実施形態のシュラウド201を説明する。
図1に示すシュラウド1では、開口縁40の前後幅全体にわたって冷却配管50が設けられた。図5(a)に示すシュラウド201では、開口縁40の一部には冷却配管250が設けられ、開口縁40の他の部分には放熱板241が形成される。以下、上記相違点をさらに説明する。
【0040】
放熱板241は、開口縁40の構成要素であり、ダクト部30での放熱を促進させる板である。開口縁40のうち冷却配管250が設けられていない部分が、放熱板241として機能する(放熱板241として活用する)。すなわち、開口縁40の開口縁前部40fに冷却配管250が設けられ、開口縁後部40rには冷却配管250が設けられていないところ、この開口縁後部40rが放熱板241である。例えば、図1に示す冷却配管50を通過する冷却媒体の流量が小さい場合、冷却配管50を図5(a)に示す冷却配管250のように狭くできる。冷却配管250を狭くした結果、放熱板241が形成されることになる。
【0041】
放熱板241は次のように作用する。上記のように開口縁40に沿うように冷却風が流れ、その結果、放熱板241に沿うように冷却風が流れる(冷却風が放熱板241に当たる)。そして、冷却配管250から放熱板241に伝導された熱が、放熱板241から放散される。なお、冷却風が直接は当たらないダクト部後面35(開口縁40の構成要素ではないダクト部後面35)からも、冷却配管250から伝導された熱が放散される。
【0042】
(開口縁の変形例)
図5(b)に変形例の放熱板261を備えたシュラウド201を示す。図2(a)に示す円筒状の開口縁40は、図2(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できた。これと同様に、図5(a)に示す円筒状の開口縁40の放熱板241は、図5(b)に示すベルマウス状の開口縁60の放熱板261に変形できる。すなわち、開口縁60の一部に冷却配管270が設けられ、開口縁60のうち冷却配管270が設けられていない部分が放熱板261である。
【0043】
(開口縁の他の変形例)
図5(a)に示す開口縁40における放熱板241の位置は様々に変形できる。例えば、開口縁前部40fを放熱板241とし、開口縁後部40rに冷却配管250を設けても良い。また例えば、開口縁前部40f及び開口縁後部40rに放熱板241を設け、これらの間に冷却配管250を設けても良い。これと同様に、図5(b)に示す開口縁60における放熱板261の位置も様々に変形できる。
【0044】
(効果2)
図5(a)に示すように、シュラウド201の開口縁40は、放熱板241を備える。よって、冷却配管250を通過する冷却媒体の熱は、放熱板241から放散される。よって、冷却配管250を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0045】
(第3実施形態)
図6及び図7を参照して第3実施形態のシュラウド301を説明する。なお、図7は、図6(a)に示すF7矢視図である。図5(a)に示すシュラウド201は、開口縁40のうち冷却配管250が設けられていない部分に放熱板241を備えた。図6(a)に示すシュラウド301は、ダクト部30のうち冷却配管250が設けられていない部分(空間)に共鳴型消音器355を備える。以下、上記相違点をさらに説明する。
【0046】
共鳴型消音器355は、騒音を抑制するため、音響共鳴構造を備えた部分である。共鳴型消音器355は、箱状部355aと、冷却ファン15側(シュラウド内側)に形成された孔部355bと、孔部355bから箱状部355aの内部側へ延びる筒状の首部355cとを備える。共鳴型消音器355は、開口縁40と一体に設けられる(別体でも良い)。孔部355bは開口縁40に形成される。共鳴型消音器355は、冷却配管250と一体に設けられる(別体でも良い)。例えば、図2(a)に示す冷却配管50内部を前後方向中央部などで分割し、図6(a)に示すように、一方を冷却媒体を通過させる冷却配管250とし、他方を共鳴型消音器355とする。
【0047】
図7に示すように、共鳴型消音器355は、前後方向から見て円形状のダクト部30に沿って配置される。共鳴型消音器355は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。なお、共鳴型消音器355を、冷却ファン15の外周の全周でなく一部の近傍にのみ配置しても良い。共鳴型消音器355は、例えば複数(図7では12個)設けられる。
【0048】
図6(a)及び図7に示す共鳴型消音器355は、冷却ファン15によるファンピッチ音(特定周波数のピーク)に対して低減効果を得る事ができるような形状とする。低減効果を得られる周波数の調整は、箱状部355a(背後空間)の容積、孔部355b及び首部355cの断面積、並びに首部355cの長さを調整することで行う。なお、複数の共鳴型消音器355は、全てが同ーの形状でも良く、一部または全部が互いに異なる形状でも良い。
【0049】
(開口縁の変形例)
図6(b)に変形例の共鳴型消音器375を備えたシュラウド301を示す。図5(a)に示す円筒状の開口縁40は、図5(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できた。これと同様に、図6(a)に示す円筒状の開口縁40を備えたダクト部30の共鳴型消音器355は、図6(b)に示すベルマウス状の開口縁60を備えたダクト部30の共鳴型消音器375に変形できる。
【0050】
(開口縁の他の変形例)
図5(a)、(b)に示す開口縁40、60における放熱板241、261の位置を様々に変形できたのと同様に、図6(a)、(b)に示すダクト部30における共鳴型消音器355、375の位置も様々に変形できる。
【0051】
(効果3)
シュラウド301のダクト部30は、共鳴型消音器355を備える。よって、シュラウド1を備えた冷却装置10での騒音をより低減できる。
【0052】
なお、図7に示すように、共鳴型消音器355は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。よって、冷却ファン15の外周の一部の近傍にのみ共鳴型消音器355を設けた場合に比べ、騒音をより低減できる。
【0053】
(第3実施形態の変形例)
図8を参照して第3実施形態の変形例のシュラウド302を説明する。図7に示す共鳴型消音器355を、図8に示すようにサイドブランチ型の共鳴型消音器385に変形しても良い。以下、この相違点をさらに説明する。
【0054】
共鳴型消音器385は、箱状部355aと孔部355bとを備え、図7に示す首部355cは備えない。孔部355bは、箱状部355aの端部付近に形成される。この「端部付近」とは、前後方向から見て円形状のダクト部30の円周に沿う方向(「方向C」とする)における、箱状部355aの端部付近である。箱状部355a内部の方向Cにおける長さLは、冷却ファン15によるファンピッチ音のピーク周波数などに応じて調整する。具体的には例えば、ファンピッチ音のピーク周波数における音の波長の1/4を長さLとする。なお、共鳴型消音器385は、例えば複数(図8では6個)設けられる。
【0055】
この共鳴型消音器385を備えるシュラウド302は、図7に示す共鳴型消音器355を備えるシュラウド301と同様の効果を奏する。
【0056】
(第4実施形態)
図9を参照して第4実施形態のシュラウド401を説明する。なお、図9(a)は図3相当図である。図9(a)では冷却配管50内部を省略している。図9(b)及び(c)は、図9(a)に示す冷却配管50の内部を示す模式図である。図9(a)〜(c)に示すシュラウド401の冷却配管50は、図3に示すシュラウド1と異なり、フィン部451を備える。以下、この相違点をさらに説明する。
【0057】
フィン部451は、冷却配管50内部に設けられる。フィン部451は、冷却配管50の内面に取付けられた(固定された)複数のフィン板451aを備える。図9(b)に示すように、フィン部451は冷却配管50全体にわたって設けられる。また、図9(c)に示すように、フィン部451は冷却配管50の一部(例えば上下方向中央部)に設けられる。
【0058】
図9(b)または(c)に示すフィン部451の作用は次の通りである。フィン部451は、冷却配管50を通過する冷却媒体の流路を、言わばラビリンス状にする。冷却媒体は、フィン板451aに当たりながら、複数回にわたって曲がりながら、ジグザグ状(S字状、Z字状)や螺旋状などに曲がりながら、冷却配管50内部を流れる。具体的には例えば、フィン板451aは前後または左右(前後方向に直交する水平面上の方向)に交互に配置される。
【0059】
(効果4)
シュラウド401の冷却配管50は内部にフィン部451を備える。よって、冷却配管50を通過する冷却媒体は、フィン部451に接触しながら冷却配管50を通過する。よって、冷却媒体から冷却配管50に熱がより伝導され、冷却媒体の熱がダクト部30(図9(a)参照)からより放散される。よって、冷却配管50を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0060】
(その他の変形例)
図5に示す放熱板241等、図6〜図8に示す共鳴型消音器355等、及び、図9に示すフィン部451は、別個の実施形態として説明した。しかし、上記の構成要素を2以上組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 シュラウド(冷却ファン用シュラウド)
11 熱交換器
15 冷却ファン
15a 回転軸
20 シュラウド本体部
30 ダクト部
40 開口縁
50、70 冷却配管
241、261 放熱板
355、375、385 共鳴型消音器
451 フィン部
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却ファンの外周の周囲と熱交換器との間を覆うシュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図6及び図7には、建設機械等のエンジンに設けられた冷却装置が記載されている。この冷却装置は、エンジンに回転駆動される冷却ファンと、熱交換器と、冷却ファンの周囲と熱交換器との間を覆うシュラウドとを備えている。
【0003】
図10(a)に従来の箱型のシュラウド501を備えた冷却装置510を示す。図10(b)は、図10(a)に示すF10b矢視図である。図11(a)は、図10(a)中の破線で囲った部分F11aの拡大図である。図10(b)及び図11(a)に示すように、シュラウド501は、側面21と、垂直面22(水平面に垂直な面)とを備える。垂直面22には開口部22oが形成され、開口部22oの内側に冷却ファン15が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−73468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10及び図11に示すシュラウド501には次の問題がある。図11(a)に示すように、垂直面22の冷却ファン15側の端部(開口部22oの縁)と、冷却ファン15との間を冷却風が流れる。冷却風の流れの向きは垂直面22を境に急激に変化し、冷却風の流れに大きな乱れ(剥離や渦)が生じる。すると、開口部22o周辺で、通風抵抗や騒音が増大する。
【0006】
図11(b)及び(c)に、上記の冷却風の乱れを改善した技術を示す。図11(b)に示す技術では、シュラウド501の開口部22oの縁を円筒状にしている。また、図11(c)に示す技術では、開口部22oの縁をベルマウス状にしている。これらのように開口部22oの縁を円筒状やベルマウス状にすることで、開口部22o周辺での通風抵抗および騒音の増大は抑制できる。しかしながら、次に述べるように、これらの効果は熱交換器の追加により相殺されてしまう。
【0007】
図10(a)に示す熱交換器11は、エンジン冷却用のラジエタ11a、作動油冷却用のオイルクーラのみならず、インタークーラ11b、運転室の空調用のエアコンコンデンサー11cなど、多数設置される場合がある。さらに、ハイブリッド建機などでは、モータやベアリング等を冷却するための熱交換器11を追加する場合がある。このように多数の熱交換器11を設置すると、熱交換器11を通過する冷却風に対する通風抵抗が増大する。すると、開口部22oの縁の形状をベルマウス状等とすることによる通風抵抗抑制の効果が相殺されるおそれがある。その結果、冷却風の風量が確保できず、冷却装置の冷却性能が低下するおそれがある。
【0008】
また、冷却風の風量を確保するために冷却ファンの回転数を増大させると、冷却ファンからの発生音が増大する。特に、冷却ファンの回転数と冷却ファンの羽根の枚数とに起因するファンピッチ音(卓越ピーク)が顕著となるおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、冷却性能の低下を抑制でき、かつ、騒音の増大を抑制できる、冷却ファン用シュラウドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、回転軸方向に冷却風を発生させる冷却ファンの外周の周囲と、熱交換器と、の間を覆うシュラウドである。このシュラウドは、前記熱交換器に取り付けられるシュラウド本体部と、前記シュラウド本体部の内側に設けられるとともに前記冷却ファンの外周の周囲に配置されるダクト部と、を備える。前記ダクト部は、開口縁と冷却配管とを備える。前記開口縁は、前記冷却ファンが内側に配置される開口部を形成するとともに、当該冷却ファンの回転軸を軸とする筒状に形成される。前記冷却配管は、前記冷却ファンの外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の冷却ファン用シュラウドでは、冷却性能の低下を抑制でき、かつ、騒音の増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】シュラウドを備えた冷却装置を示す模式図である。
【図2】図1に示すF2a部分の拡大図等である。
【図3】図1に示すシュラウド等のF3矢視図である。
【図4】図1に示す冷却装置を備えた建設機械の騒音レベルを示すグラフである。
【図5】第2実施形態の図2相当図である。
【図6】第3実施形態の図2相当図である。
【図7】第3実施形態の図3相当図である。
【図8】第3実施形態の変形例の図3相当図である。
【図9】第4実施形態の図3相当図等である。
【図10】従来のシュラウドを備えた冷却装置を示す模式図である。
【図11】従来のシュラウドの図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して第1実施形態のシュラウド1を説明する。なお、図2では上側配管P3及び下側配管P4等を省略している。図3では、シュラウド1と冷却ファン15とを区別するため、冷却ファン15を二点鎖線で示している。まず、シュラウド1を備える冷却装置10を説明する。
【0014】
冷却装置10は、図1に示すように、例えば油圧ショベル等の建設機械(作業機械)のエンジンEに設けられる。冷却装置10は、熱交換器11と、エンジンEにより回転駆動される冷却ファン15と、熱交換器11と冷却ファン15との間を覆うシュラウド1(冷却ファン用シュラウド)とを備える。冷却装置10の動作の概略は次の通りである。エンジンEにより冷却ファン15が回転駆動されて冷却風が発生する。冷却風は、熱交換器11側からエンジンE側へ流れる。すると、熱交換器11内の冷却媒体が冷却され、エンジンEも冷却される。すなわち冷却装置10は空気吸引型冷却装置であり空気吐出型冷却装置である。以下、冷却風の上流側を「前」、冷却風の下流側を「後」とする。
【0015】
熱交換器11は、冷却媒体(熱交換媒体)を冷やす装置である。冷却媒体を冷やす熱交換器11は、例えば次の(a)〜(d)などである。(a)エンジンE冷却用のエンジン冷却水を冷やすラジエタ。(b)油圧ポンプ等の油圧機械の作動油を冷やすオイルクーラ。(c)圧縮空気を冷やすインタークーラ。(d)建設機械の運転室の空調用の冷媒を冷やすエアコンコンデンサ。熱交換器11は、1つでも良く、複数でも良い(図10(a)参照)。熱交換器11は次のように動作する。冷却媒体が、配管P1を介して熱交換器11に供給される。冷却媒体が、熱交換器11内を通過して冷却風により冷やされる。冷却媒体が、配管P2を介して熱交換器11から排出される。
【0016】
冷却ファン15は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる送風機である。冷却風の方向は、回転軸15a方向の成分を有する方向であれば良い、または、回転軸15a方向に概ね沿う方向であれば良い。冷却ファン15は、軸流送風機であり、斜流送風機でも良い。図3に示すように、冷却ファン15は、中央部に配置された軸部16と、軸部16に固定された複数の羽根17とを備える(煩雑を避けるため、図3には複数の羽根17のうち1つの羽根17にのみ符号を付している)。図1に示すように、冷却ファン15は、エンジンEに軸部16(図3参照)が取り付けられ、熱交換器11とエンジンEとの間に配置される。冷却ファン15は、エンジンEの駆動力の一部を活用して回転駆動され、熱交換器11越しに(前から)外部から空気を吸入し、エンジンE側(後)へ空気を吐出する。
【0017】
シュラウド1(冷却ファン用シュラウド)は、冷却ファン15の外周の周囲と熱交換器11との間を覆う部材である。シュラウド1は、冷却ファン15が吸引する冷却風の全流量が熱交換器11を通過するように、冷却風の一部が拡散してしまわないように、冷却風をガイドする部材である。シュラウド1は、シュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられたダクト部30とを備える。
【0018】
シュラウド本体部20は、熱交換器11に取り付けられる部分である。シュラウド本体部20は、熱交換器11に直接固定しても良く、熱交換器11との間に別の部材を介して熱交換器11に間接的に固定しても良い。シュラウド本体部20は、熱交換器11の例えば後端かつ外周部などに固定される。シュラウド本体部20は箱型である。図2(a)に示すように、シュラウド本体部20は、熱交換器11の後端から後方に延びる側面21と、側面21の後端から冷却ファン15側に延びる垂直面22とを備える。以下、冷却ファン15の回転軸15aに近い側を「シュラウド内側」、回転軸15aから遠い側を「シュラウド外側」という。垂直面22は、水平面に対して垂直な面である。垂直面22のシュラウド内側にダクト部30が設けられる。なお、シュラウド本体部20は、側面21と垂直面22とを備えた構造(断面が折れ曲がった構造)でなくても良い。シュラウド本体部20は、例えば、熱交換器11との取り付け部分からダクト部30までなだらかに繋がるような形状などでも良い。
【0019】
ダクト部30は、シュラウド本体部20の内側に設けられる部分である。ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ダクト部30とシュラウド本体部20とは一体でも別体でも良い。図3に示すように、ダクト部30は円形状(輪状、管状)に形成される。ダクト部30の内周は、冷却ファン15の外寸(外周)より大きい。すなわち、ダクト部30と冷却ファン15との間には隙間が形成される。図2(a)に示すように、ダクト部30は、ダクト部前面31と、シュラウド内側の面である開口縁40と、ダクト部後面35と、冷却配管50とを備える。
【0020】
ダクト部前面31は、シュラウド本体部20の垂直面22のシュラウド内側の端部から、シュラウド内側に延びる面である。
【0021】
開口縁40は、図2(a)及び図3に示すように、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成する部分である。開口縁40は、この開口部の外縁である。開口縁40は、冷却ファン15による冷却風の流れに沿うように形成される。開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする円筒状(筒状)に形成される。開口縁40は円形ダクト状である。すなわち、図2(a)に示すように、開口縁40は、ダクト部前面31のシュラウド内側端部から後方に延びるように形成される。開口縁40の前後方向の幅は、例えば、冷却ファン15の前後方向の幅と略同じ程度などである。なお、開口縁40の前側(前半分)の部分を「開口縁前部40f」、開口縁40の後側(後ろ半分)の部分を「開口縁後部40r」とする。
【0022】
冷却配管50は、冷却媒体を通過させる配管である。なお、図1等では、冷却配管50の内部の冷却媒体が通過する部分を斜線で示す。図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。冷却配管50には上側配管P3及び下側配管P4が接続される。以下、冷却配管50についてさらに説明する。
【0023】
この冷却配管50は、冷却配管50の上部50tで上側配管P3に接続される。冷却配管50は、冷却配管50の下部50bで下側配管P4に接続される。冷却媒体は冷却配管50を次のように通過する(流れる)。冷却媒体は、上側配管P3から冷却配管50の上部50tに供給される。冷却媒体は、冷却配管50の上部50tで左右に分岐し、冷却配管50の左右の円弧状部分を通過し、冷却配管50の下部50bで合流する。そして、冷却媒体は、冷却配管50の下部50bから下側配管P4に排出される。
【0024】
図1に示すように、例えば、上側配管P3は、熱交換器11に接続される配管P1から分岐する。下側配管P4は、熱交換器11に接続される配管P2から分岐する。具体的には例えば、配管P1を通ってラジエタ(熱交換器11)にエンジン冷却水(冷却媒体)が供給されるとともに、上側配管P3を通って冷却配管50にもエンジン冷却水が供給される。そして、ラジエタ(熱交換器11)から配管P2を通ってエンジンEへエンジン冷却水が流れるとともに、冷却配管50からも下側配管P4及び配管P2を通ってエンジンEへエンジン冷却水が流れる。
【0025】
また例えば、上側配管P3及び下側配管P4は、配管P1及び配管P2から分岐しない言わば専用配管に接続されても良い。すなわち、熱交換器11を用いずに冷却配管50のみで冷却媒体を冷やしても良い。具体的には例えば、電動モータやベアリング(いずれも図示なし)用の冷却媒体を、冷却配管50のみに流すようにする。
【0026】
図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。冷却配管50は、冷却ファン15の回転軸15a方向(前後方向)から見ると円形状である。冷却配管50は、冷却ファン15の外周の近傍に配置される。冷却配管50は、冷却配管50から開口縁40に熱が伝わるような位置に配置される。冷却配管50は、開口縁40に沿うように、開口縁40と一体または別体として設けられる。冷却配管50と開口縁40とが一体の場合、冷却配管50のシュラウド内側の部分が開口縁40である。冷却配管50と開口縁40とが別体の場合、冷却配管50のシュラウド内側の部分が開口縁40に接する、または、同部分が開口縁40近傍で開口縁40と隣り合うように配置される。以下、「冷却配管50が開口縁40に設けられる」などと言うときは、冷却配管50が開口縁40に対して上記のように一体または別体として設けられることを意味する。図2(a)に示すように、冷却配管50は、開口縁40の前端から後端にわたって開口縁40に設けられる。図2(a)に示す冷却配管50の断面は例えば略長方形である。さらに詳しくは、冷却配管50は前後方向から見て円形状であるが(図3参照)、この円形の円周に沿う方向から見た冷却配管50の断面(図2(a)参照)が例えば略長方形である。以下、上記円周に沿う方向から見たシュラウド1の断面を「断面D」という(図2(a)に示す断面は断面Dの一例である)。なお、冷却配管50の後面、すなわちダクト部30の後面を、「ダクト部後面35」とする。
【0027】
(開口縁の変形例)
図2(b)に変形例の開口縁60を備えたシュラウド1を示す。図2(a)に示す円筒状の開口縁40は、図2(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できる。
【0028】
開口縁60は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とするベルマウス状(筒状)に形成される。開口縁60は、ラッパ状に形成される。開口縁60は、断面Dが円弧状である。この「円弧状」には、例えば楕円弧や円弧に近い曲線を含む。なお、開口縁60の前側の部分を「開口縁前部60f」、開口縁60の後側の部分を「開口縁後部60r」とする。
【0029】
冷却配管70は、開口縁60に対応するような形状に形成される。断面Dにおける冷却配管70の前面、シュラウド内側の面、及び後面は、円弧状である。断面Dにおける冷却配管70全体の形状は、例えば半円状である(円形状等でも良い)。
【0030】
(開口縁の他の変形例)
図2(a)に示す開口縁40の形状は様々に変形できる。例えば、開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする、テーパ状を備えた筒状(図示なし)等でも良い。また例えば、開口縁40の断面Dの形状を、円弧状と直線とを組み合わせた形状としても良い。また例えば、円筒状の開口縁40とベルマウス状の開口縁60(図2(b)参照)とを組み合わせた形状としても良い。
【0031】
(実験)
シュラウド1等を大型の油圧ショベル(図示なし)に設置した場合の、油圧ショベル周囲での騒音レベルの測定結果を図4に示す。図11(a)に示すように円筒状やベルマウス状の開口縁を備えないシュラウド501を備える場合(比較例)の結果を、図4のグラフにおいて破線で示す。図1に示すように円筒状の開口縁40を備えるシュラウド1を備える場合(本発明)の結果を、図4のグラフにおいて実線で示す。結果は次のようになった。比較例では、冷却ファン15(図3参照)の回転数、および、冷却ファン15の羽根17の枚数に起因するファンピッチ音(卓越ピーク)が300Hz帯域に生じている。一方、本発明では、このファンピッチ音が低減していることが分かる。
【0032】
(効果1)
次に、図1に示すシュラウド1の効果を説明する。シュラウド1は、回転軸15a方向に冷却風を発生させる冷却ファン15の外周の周囲と、熱交換器11と、の間を覆う。シュラウド1は、熱交換器11に取り付けられるシュラウド本体部20と、シュラウド本体部20の内側に設けられるダクト部30とを備える。
【0033】
ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ダクト部30は、冷却ファン15が内側に配置される開口部を形成する開口縁40(または図2(b)に示す開口縁60。以下省略)を備える。開口縁40は、冷却ファン15の回転軸15aを軸とする筒状に形成される。よって、冷却ファン15の外周の周囲の冷却風が、開口縁40に沿って流れやすい。よって、開口縁40周辺での剥離や渦流の発生が抑制される。したがって、開口縁40から熱が放散されやすい。
なお、開口縁40周辺での剥離や渦流の発生が抑制されるので、図11(b)及び(c)に示す従来のシュラウド501と同様に、開口縁40周辺での通風抵抗や騒音を抑制できる。
【0034】
図3に示すように、ダクト部30は、冷却ファン15の外周の周囲に配置される。ここで、冷却ファン15により発生する冷却風は、冷却ファン15の外周(羽根17の先端部)で流速が最も速い。よって、ダクト部30の開口縁40から熱が放散されやすい。
【0035】
ダクト部30は、冷却媒体を通過させる冷却配管50(または図2(b)に示す冷却配管70。以下省略)を備える。また、上述したように開口縁40から熱が放散されやすい。よって、冷却配管50から開口縁40に伝わった熱は開口縁40から放散されやすい。したがって、冷却配管50を通過する冷却媒体が冷えやすい。
【0036】
図3に示すように、冷却配管50は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。よって、冷却ファン15の外周のうち一部分の近傍にのみ冷却配管50が配置される場合に比べ、冷却配管50を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0037】
上述したように、図1に示すシュラウド1では、ダクト部30で冷却媒体を冷やすことができる。よって、この冷却媒体を冷やすための熱交換器11を追加する必要が無い。よって、熱交換器11の追加による通風抵抗の増大を抑制でき、通風抵抗の増大による冷却風の風量の低下を抑制できる。よって、冷却風の風量の低下による冷却性能(シュラウド1を備えた冷却装置10の冷却性能)の低下を抑制できる。
【0038】
上述したように、熱交換器11の追加による冷却風の風量の低下を抑制できる。よって、冷却風の風量の低下を補うために、冷却ファン15の回転数を増大させる必要がない。したがって、冷却ファン15の回転数の増大による騒音の増大を抑制できる。
【0039】
(第2実施形態)
図5を参照して第2実施形態のシュラウド201を説明する。
図1に示すシュラウド1では、開口縁40の前後幅全体にわたって冷却配管50が設けられた。図5(a)に示すシュラウド201では、開口縁40の一部には冷却配管250が設けられ、開口縁40の他の部分には放熱板241が形成される。以下、上記相違点をさらに説明する。
【0040】
放熱板241は、開口縁40の構成要素であり、ダクト部30での放熱を促進させる板である。開口縁40のうち冷却配管250が設けられていない部分が、放熱板241として機能する(放熱板241として活用する)。すなわち、開口縁40の開口縁前部40fに冷却配管250が設けられ、開口縁後部40rには冷却配管250が設けられていないところ、この開口縁後部40rが放熱板241である。例えば、図1に示す冷却配管50を通過する冷却媒体の流量が小さい場合、冷却配管50を図5(a)に示す冷却配管250のように狭くできる。冷却配管250を狭くした結果、放熱板241が形成されることになる。
【0041】
放熱板241は次のように作用する。上記のように開口縁40に沿うように冷却風が流れ、その結果、放熱板241に沿うように冷却風が流れる(冷却風が放熱板241に当たる)。そして、冷却配管250から放熱板241に伝導された熱が、放熱板241から放散される。なお、冷却風が直接は当たらないダクト部後面35(開口縁40の構成要素ではないダクト部後面35)からも、冷却配管250から伝導された熱が放散される。
【0042】
(開口縁の変形例)
図5(b)に変形例の放熱板261を備えたシュラウド201を示す。図2(a)に示す円筒状の開口縁40は、図2(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できた。これと同様に、図5(a)に示す円筒状の開口縁40の放熱板241は、図5(b)に示すベルマウス状の開口縁60の放熱板261に変形できる。すなわち、開口縁60の一部に冷却配管270が設けられ、開口縁60のうち冷却配管270が設けられていない部分が放熱板261である。
【0043】
(開口縁の他の変形例)
図5(a)に示す開口縁40における放熱板241の位置は様々に変形できる。例えば、開口縁前部40fを放熱板241とし、開口縁後部40rに冷却配管250を設けても良い。また例えば、開口縁前部40f及び開口縁後部40rに放熱板241を設け、これらの間に冷却配管250を設けても良い。これと同様に、図5(b)に示す開口縁60における放熱板261の位置も様々に変形できる。
【0044】
(効果2)
図5(a)に示すように、シュラウド201の開口縁40は、放熱板241を備える。よって、冷却配管250を通過する冷却媒体の熱は、放熱板241から放散される。よって、冷却配管250を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0045】
(第3実施形態)
図6及び図7を参照して第3実施形態のシュラウド301を説明する。なお、図7は、図6(a)に示すF7矢視図である。図5(a)に示すシュラウド201は、開口縁40のうち冷却配管250が設けられていない部分に放熱板241を備えた。図6(a)に示すシュラウド301は、ダクト部30のうち冷却配管250が設けられていない部分(空間)に共鳴型消音器355を備える。以下、上記相違点をさらに説明する。
【0046】
共鳴型消音器355は、騒音を抑制するため、音響共鳴構造を備えた部分である。共鳴型消音器355は、箱状部355aと、冷却ファン15側(シュラウド内側)に形成された孔部355bと、孔部355bから箱状部355aの内部側へ延びる筒状の首部355cとを備える。共鳴型消音器355は、開口縁40と一体に設けられる(別体でも良い)。孔部355bは開口縁40に形成される。共鳴型消音器355は、冷却配管250と一体に設けられる(別体でも良い)。例えば、図2(a)に示す冷却配管50内部を前後方向中央部などで分割し、図6(a)に示すように、一方を冷却媒体を通過させる冷却配管250とし、他方を共鳴型消音器355とする。
【0047】
図7に示すように、共鳴型消音器355は、前後方向から見て円形状のダクト部30に沿って配置される。共鳴型消音器355は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。なお、共鳴型消音器355を、冷却ファン15の外周の全周でなく一部の近傍にのみ配置しても良い。共鳴型消音器355は、例えば複数(図7では12個)設けられる。
【0048】
図6(a)及び図7に示す共鳴型消音器355は、冷却ファン15によるファンピッチ音(特定周波数のピーク)に対して低減効果を得る事ができるような形状とする。低減効果を得られる周波数の調整は、箱状部355a(背後空間)の容積、孔部355b及び首部355cの断面積、並びに首部355cの長さを調整することで行う。なお、複数の共鳴型消音器355は、全てが同ーの形状でも良く、一部または全部が互いに異なる形状でも良い。
【0049】
(開口縁の変形例)
図6(b)に変形例の共鳴型消音器375を備えたシュラウド301を示す。図5(a)に示す円筒状の開口縁40は、図5(b)に示すベルマウス状の開口縁60に変形できた。これと同様に、図6(a)に示す円筒状の開口縁40を備えたダクト部30の共鳴型消音器355は、図6(b)に示すベルマウス状の開口縁60を備えたダクト部30の共鳴型消音器375に変形できる。
【0050】
(開口縁の他の変形例)
図5(a)、(b)に示す開口縁40、60における放熱板241、261の位置を様々に変形できたのと同様に、図6(a)、(b)に示すダクト部30における共鳴型消音器355、375の位置も様々に変形できる。
【0051】
(効果3)
シュラウド301のダクト部30は、共鳴型消音器355を備える。よって、シュラウド1を備えた冷却装置10での騒音をより低減できる。
【0052】
なお、図7に示すように、共鳴型消音器355は、冷却ファン15の外周を取り囲むように配置される。よって、冷却ファン15の外周の一部の近傍にのみ共鳴型消音器355を設けた場合に比べ、騒音をより低減できる。
【0053】
(第3実施形態の変形例)
図8を参照して第3実施形態の変形例のシュラウド302を説明する。図7に示す共鳴型消音器355を、図8に示すようにサイドブランチ型の共鳴型消音器385に変形しても良い。以下、この相違点をさらに説明する。
【0054】
共鳴型消音器385は、箱状部355aと孔部355bとを備え、図7に示す首部355cは備えない。孔部355bは、箱状部355aの端部付近に形成される。この「端部付近」とは、前後方向から見て円形状のダクト部30の円周に沿う方向(「方向C」とする)における、箱状部355aの端部付近である。箱状部355a内部の方向Cにおける長さLは、冷却ファン15によるファンピッチ音のピーク周波数などに応じて調整する。具体的には例えば、ファンピッチ音のピーク周波数における音の波長の1/4を長さLとする。なお、共鳴型消音器385は、例えば複数(図8では6個)設けられる。
【0055】
この共鳴型消音器385を備えるシュラウド302は、図7に示す共鳴型消音器355を備えるシュラウド301と同様の効果を奏する。
【0056】
(第4実施形態)
図9を参照して第4実施形態のシュラウド401を説明する。なお、図9(a)は図3相当図である。図9(a)では冷却配管50内部を省略している。図9(b)及び(c)は、図9(a)に示す冷却配管50の内部を示す模式図である。図9(a)〜(c)に示すシュラウド401の冷却配管50は、図3に示すシュラウド1と異なり、フィン部451を備える。以下、この相違点をさらに説明する。
【0057】
フィン部451は、冷却配管50内部に設けられる。フィン部451は、冷却配管50の内面に取付けられた(固定された)複数のフィン板451aを備える。図9(b)に示すように、フィン部451は冷却配管50全体にわたって設けられる。また、図9(c)に示すように、フィン部451は冷却配管50の一部(例えば上下方向中央部)に設けられる。
【0058】
図9(b)または(c)に示すフィン部451の作用は次の通りである。フィン部451は、冷却配管50を通過する冷却媒体の流路を、言わばラビリンス状にする。冷却媒体は、フィン板451aに当たりながら、複数回にわたって曲がりながら、ジグザグ状(S字状、Z字状)や螺旋状などに曲がりながら、冷却配管50内部を流れる。具体的には例えば、フィン板451aは前後または左右(前後方向に直交する水平面上の方向)に交互に配置される。
【0059】
(効果4)
シュラウド401の冷却配管50は内部にフィン部451を備える。よって、冷却配管50を通過する冷却媒体は、フィン部451に接触しながら冷却配管50を通過する。よって、冷却媒体から冷却配管50に熱がより伝導され、冷却媒体の熱がダクト部30(図9(a)参照)からより放散される。よって、冷却配管50を通過する冷却媒体がより冷えやすい。
【0060】
(その他の変形例)
図5に示す放熱板241等、図6〜図8に示す共鳴型消音器355等、及び、図9に示すフィン部451は、別個の実施形態として説明した。しかし、上記の構成要素を2以上組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 シュラウド(冷却ファン用シュラウド)
11 熱交換器
15 冷却ファン
15a 回転軸
20 シュラウド本体部
30 ダクト部
40 開口縁
50、70 冷却配管
241、261 放熱板
355、375、385 共鳴型消音器
451 フィン部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸方向に冷却風を発生させる冷却ファンの外周の周囲と、熱交換器と、の間を覆うシュラウドであって、
前記熱交換器に取り付けられるシュラウド本体部と、
前記シュラウド本体部の内側に設けられるとともに、前記冷却ファンの外周の周囲に配置されるダクト部と、を備え、
前記ダクト部は、
前記冷却ファンが内側に配置される開口部を形成するとともに、当該冷却ファンの回転軸を軸とする筒状に形成された開口縁と、
前記冷却ファンの外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる冷却配管と、を備える冷却ファン用シュラウド。
【請求項2】
前記開口縁は放熱板を備える、請求項1に記載の冷却ファン用シュラウド。
【請求項3】
前記ダクト部は共鳴型消音器を備える、請求項1または2に記載の冷却ファン用シュラウド。
【請求項4】
前記冷却配管は内部にフィン部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却ファン用シュラウド。
【請求項1】
回転軸方向に冷却風を発生させる冷却ファンの外周の周囲と、熱交換器と、の間を覆うシュラウドであって、
前記熱交換器に取り付けられるシュラウド本体部と、
前記シュラウド本体部の内側に設けられるとともに、前記冷却ファンの外周の周囲に配置されるダクト部と、を備え、
前記ダクト部は、
前記冷却ファンが内側に配置される開口部を形成するとともに、当該冷却ファンの回転軸を軸とする筒状に形成された開口縁と、
前記冷却ファンの外周を取り囲むように配置されるとともに冷却媒体を通過させる冷却配管と、を備える冷却ファン用シュラウド。
【請求項2】
前記開口縁は放熱板を備える、請求項1に記載の冷却ファン用シュラウド。
【請求項3】
前記ダクト部は共鳴型消音器を備える、請求項1または2に記載の冷却ファン用シュラウド。
【請求項4】
前記冷却配管は内部にフィン部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却ファン用シュラウド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−241570(P2012−241570A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110709(P2011−110709)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
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