説明

冷温水給湯装置

【課題】冷房運転から蓄熱運転に切り替えられた場合に、蓄熱タンクの加熱時間を短縮でき、エネルギー効率を向上させることができる冷温水給湯装置を提供すること。
【解決手段】冷媒対流体熱交換器22から流出した流体が、負荷側熱交換器53が吸熱する冷房運転から蓄熱タンク55内の湯水を加熱する蓄熱運転への変更時、冷媒対流体熱交換器22に配設された温度センサ70で検出される流体の温度に基づいて、冷媒対流体熱交換器22から流出した流体を、蓄熱タンク55に流すか、前記蓄熱タンク55を介さずに前記冷媒対流体熱交換器22側に戻すかを決定する構成としたことを特徴とする冷温水給湯装置で、蓄熱タンクの加熱時間を短縮でき、エネルギー効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを用いて室内空間の冷暖房や蓄熱タンクへの蓄熱を行う冷温水給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷媒回路の冷媒対流体熱交換器の蒸発潜熱を利用して低温の流体を生成して循環させ、負荷側熱交換器が吸熱を行なって室内空間を冷却する冷房運転を行なったり、冷媒対流体熱交換器の凝縮潜熱を利用して高温の流体を生成して循環させ、流体が蓄熱タンクを加熱する蓄熱運転を行なったりする冷温水給湯装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図6に示すような冷凍サイクル装置100を用いて室内空間の冷暖房や蓄熱タンク300への蓄熱を行うことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この冷凍サイクル装置100は、冷媒を循環させる冷媒回路110、圧縮機111、四方弁112、冷媒対流体熱交換器113、膨張手段114、空気対流体熱交換器115が配管により環状に接続されて構成されている。
【0005】
冷媒対流体熱交換器113は、冷媒回路110と、流体回路210とを備えている。流体回路210は、冷媒対流体熱交換器113、循環手段220、流路切替弁230を備えている。流路切替弁230を切り替えて、流体を負荷側熱交換器や蓄熱タンク300へ流通させる。負荷側熱交換器は、熱交換器と送風ファンを備えたファンコイルユニット等である。
【0006】
冷房運転の場合、冷媒対流体熱交換器113で生成した低温の流体は流路切替弁230を経由して負荷側熱交換器へ流通し、負荷側熱交換器を介して室内空間から吸熱して室内空間を冷却した後、冷媒対流体熱交換器113へ戻り流体回路210を循環する。
【0007】
蓄熱運転の場合、冷凍サイクル装置100は四方弁112を切り替え、冷房運転の場合と比べ、冷媒の流れる方向を逆転させる。
【0008】
冷媒対流体熱交換器113で生成した高温の流体は流路切替弁230を経由して蓄熱タンク300へ流通し、蓄熱タンク300へ放熱して蓄熱タンク300を加熱し蓄熱した後、冷媒対流体熱交換器113へ戻り流体回路210を循環する。蓄熱タンク300内で加熱された流体は、給湯等に使われる。
【0009】
冷房運転から蓄熱運転へ切り替える場合や、蓄熱運転から冷房運転へ切り替える場合は、流路切替弁230を切り替える。
【0010】
このように、冷媒対流体熱交換器113で低温の流体や高温の流体を生成し、流路切替弁230を切り替えて流体を搬送している。
【0011】
つまり、流路切替弁230を切り替えることにより、冷媒対流体熱交換器113から流出した流体の搬送先を変えて、冷房運転の場合に室内空間の冷却を行ったり、蓄熱運転の場合に蓄熱タンク300を加熱し蓄熱を行ったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2204620号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記従来の構成では冷房運転から蓄熱運転に切り替えられた場合、冷媒対流体熱交換器と流路切替弁との間に滞留している低温の流体が蓄熱タンクへ流通する。
【0014】
その結果、低温の流体が蓄熱タンクから吸熱するため、蓄熱運転直後に蓄熱タンクは冷却されて温度が低下し、その後ヒートポンプによる蓄熱タンクの加熱が行われたため、蓄熱タンクの加熱に時間を要し、エネルギー利用効率が低下していた。
【0015】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷房運転から蓄熱運転に切り替えられた場合に、蓄熱タンクの加熱時間を短縮でき、エネルギー効率を向上させることができる冷温水給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷温水給湯装置は、圧縮機、冷媒対流体熱交換器、膨張手段、冷媒対空気熱交換器が環状に接続された冷媒回路と、前記冷媒対流体熱交換器に負荷側熱交換器が環状に接続された流体回路と、湯水を貯留する蓄熱タンクと、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクを介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第一切替回路と、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクは介さずに前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第二切替回路と、前記冷媒対流体熱交換器における流体の温度を検出する温度センサと、制御装置とを備え、前記負荷側熱交換器が吸熱する冷房運転から、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体が前記蓄熱タンク内の湯水を加熱する蓄熱運転への変更時、前記温度センサで検出される流体の温度に基づいて、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第一切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すか、前記第二切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すかを決定する構成としたことを特徴とするものである。
【0017】
これによって、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後から、流体が低温の場合には、冷媒対流体熱交換器を循環し、加熱され、流体の温度が上昇することで、冷房運転から蓄熱運転への切り替えられた直後において、低温の流体が蓄熱タンクを流通せず、蓄熱タンクの温度低下を低減できる。
【0018】
また、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後に、流体が高温の場合には、高温流体が蓄熱タンクを加熱することができ、効率よく蓄熱できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、冷房運転から蓄熱運転に切り替えられた場合に、蓄熱タンクの加熱時間を短縮でき、エネルギー効率を向上させることができる冷温水給湯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1における冷温水給湯装置の流体回路の概略説明図(冷房運転)
【図2】同冷温水給湯装置の流体回路の概略説明図(第一流路切替弁切り替え前の蓄熱運転)
【図3】同冷温水給湯装置の流体回路の概略説明図(第一流路切替弁切り替え後の蓄熱運転)
【図4】同冷温水給湯装置の運転動作フローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における冷温水給湯装置の流体回路の概略説明図(第一流路切替弁切り替え後の蓄熱運転)
【図6】従来の冷温水給湯装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の発明は、圧縮機、冷媒対流体熱交換器、膨張手段、冷媒対空気熱交換器が環状に接続された冷媒回路と、前記冷媒対流体熱交換器に負荷側熱交換器が環状に接続された流体回路と、湯水を貯留する蓄熱タンクと、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクを介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第一切替回路と、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクは介さずに前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第二切替回路と、前記冷媒対流体熱交換器における流体の温度を検出する温度センサと、制御装置とを備え、前記負荷側熱交換器が吸熱する冷房運転から、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体が前記蓄熱タンク内の湯水を加熱する蓄熱運転への変更時、前記温度センサで検出される流体の温度に基づいて、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第一切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すか、前記第二切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すかを決定する構成としたことを特徴とする冷温水給湯装置である。
【0022】
これによって、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後から、流体が低温の場合には、冷媒対流体熱交換器を循環し、加熱され、流体の温度が上昇することで、冷房運転から蓄熱運転への切り替えられた直後において、低温の流体が蓄熱タンクを流通せず、蓄熱タンクの温度低下を低減できる。
【0023】
また、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後に、流体が高温の場合には、高温流体が蓄熱タンクを加熱することができ、効率よく蓄熱できる。
【0024】
第2の発明は、特に、第1の発明における冷温水給湯装置において、前記冷房運転から前記蓄熱運転に変更時、前記温度センサで検出される流体温度が所定温度未満のときには、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第二切替回路を介して、前記冷媒対流体熱交換器側に戻す構成としたことを特徴とするものである。
【0025】
これによって、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後から、流体が低温の場合には、冷媒対流体熱交換器を循環し、加熱され、流体の温度が上昇することで、冷房運転から蓄熱運転への切り替えられた直後において、低温の流体が蓄熱タンクを流通せず、蓄熱タンクの温度低下を低減できる。
【0026】
第3の発明は、特に、第1の発明における冷温水給湯装置において、前記冷房運転から前記蓄熱運転に変更時、前記温度センサで検出される流体温度が所定温度以上のときには、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第一切替回路を介して、前記冷媒対流体熱交換器側に戻す構成としたことを特徴とするものである。
【0027】
これによって、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後に、流体が高温の場合には、高温流体が蓄熱タンクを加熱することができ、効率よく蓄熱できる。
【0028】
第4の発明は、特に第2または第3の発明における冷温水給湯装置において、前記蓄熱タンクの温度を検出する温度センサを備え、前記所定温度を前記温度センサの検出温度に基づいて決定する構成としたことを特徴とするものである。
【0029】
これによって、蓄熱タンクの温度が低いときには所定温度も低くなるために、蓄熱待機
運転から蓄熱運転へ早い段階で切り替えることができる。
【0030】
その結果、蓄熱待機時間の短縮化を図ることができるため、エネルギー効率を向上させることができる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る冷温水給湯装置10を示す。
【0033】
この冷温水給湯装置10は、冷凍サイクル装置1と、流体回路5と、負荷側熱交換器53と、蓄熱タンク55、とを備えている。
【0034】
冷凍サイクル装置1は、冷媒を循環させる冷媒回路2を備えており、冷媒としては、例えば、R410A等の擬似共沸混合冷媒、またはR32等の単一冷媒等を用いることができる。
【0035】
冷媒回路2は、圧縮機21、冷媒対流体熱交換器22、膨張弁やキャピラリーチューブなどの膨張手段23及び冷媒対空気熱交換器24が配管により環状に接続されて構成されている。本実施の形態では、冷媒対空気熱交換器24と圧縮機21の間に、気液分離を行うアキュムレータ26が設けられている。
【0036】
また、冷媒回路2には、蓄熱タンク55を加熱する蓄熱運転と負荷側熱交換器53が吸熱を行う冷房運転とを切り替えるための四方弁25が設けられている。
【0037】
本実施の形態では、冷凍サイクル装置1は、冷媒対流体熱交換器22で生成した低温の流体を負荷側熱交換器53での吸熱に利用したり、冷媒対流体熱交換器22で生成した高温の流体を蓄熱タンク55の加熱等に利用したりする、冷温水生成装置を構成している。
【0038】
冷媒対流体熱交換器22は、冷媒と流体との間で熱交換を行わせる熱交換器となっている。
【0039】
流体回路5は、流入管51、冷媒対流体熱交換器22、流出管52、第一流路切替弁60、第二流路切替弁61、負荷側熱交換器53、循環手段54を備え、第一流路切替弁60を介して分岐し、蓄熱タンク55を経由して冷媒対流体熱交換器22と負荷側熱交換器53との間の流体回路5に接続した第一切替回路62と、第二流路切替弁61を介して分岐し、冷媒対流体熱交換器22と負荷側熱交換器53との間の流体回路5に合流する第二切替回路63と、制御装置4とを備えている。
【0040】
冷媒対流体熱交換器22には、流体温度を検出する温度センサ70が設置されている。
【0041】
以上のように構成された冷温水給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0042】
まず、図1では冷媒対流体熱交換器22で生成された低温の流体が、負荷側熱交換器53が吸熱を行う冷房運転の場合の冷媒および流体の流れ方向を矢印で示している。
【0043】
圧縮機21から吐出した高圧冷媒は、四方弁25を介して冷媒対空気熱交換器24へ流入し凝縮熱を放熱して、冷媒自身は冷却して液化凝縮する。冷却された高圧液冷媒は、冷媒対空気熱交換器24から流出する。
【0044】
冷媒対空気熱交換器24から流出した高圧液冷媒は、膨張手段23によって減圧されて膨張した後に、冷媒対流体熱交換器22へ流入する。冷媒対流体熱交換器22へ流入した低圧二相冷媒は、蒸発して流体から気化熱を吸熱して、低圧の二相冷媒または過熱冷媒となって冷媒対流体熱交換器22から流出する。
【0045】
冷媒対流体熱交換器22から流出した低圧冷媒は、四方弁25を通過してアキュムレータ26で気液分離が行われた後、気相冷媒が圧縮機21に吸入する。
【0046】
冷媒対流体熱交換器22で冷却された流体は、流出管52、第一流路切替弁60を流通し、第二流路切替弁61を介して室内空間に設置された負荷側熱交換器53へ流入する。
【0047】
その後、流体は負荷側熱交換器53から吸熱を行い、循環手段54を経由して流入管51を流通して冷媒対流体熱交換器22へ流入し循環する。
【0048】
制御装置4は、第一流路切替弁60が第一切替回路62側や負荷側熱交換器53側へ向く制御や、第二流路切替弁61が第二切替回路63側や負荷側熱交換器53側へ向く制御を行う。
【0049】
冷房運転から、流体が蓄熱タンク55を加熱する蓄熱運転へ切り替えられた場合、制御装置4は温度センサ70で検出される流体温度Twが、所定温度To未満のときに第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側へ切り替え、かつ、第二流路切替弁61を負荷側熱交換器53側から第二切替回路63側へ切り替える制御を行う(図2)。
【0050】
圧縮機21から吐出した高圧冷媒は四方弁25を介して冷媒対流体熱交換器22へ流入し、冷媒対流体熱交換器22を流通する流体を加熱する。流体としては、水または不凍液である。
【0051】
冷媒対流体熱交換器22から流出した高圧液冷媒は、膨張手段23によって減圧されて膨張した後に、冷媒対空気熱交換器24へ流入する。冷媒対空気熱交換器24へ流入した低圧二相冷媒は、蒸発して空気から気化熱を吸熱して、低圧の二相冷媒または過熱冷媒となって冷媒対空気熱交換器24から流出する。
【0052】
冷媒対空気熱交換器24から流出した低圧冷媒は、四方弁25を通過してアキュムレータ26で気液分離が行われた後、気相冷媒が圧縮機21に吸入する。
【0053】
冷媒対流体熱交換器22で生成された高温の流体は、流出管52を流通し第一流路切替弁60と第二流路切替弁61を介して第二切替回路63へ流入し、循環手段54を経由して流入管51を流通した後に冷媒対流体熱交換器22へ流入し循環する。
【0054】
冷媒対流体熱交換器22に設置された温度センサ70で検出される流体温度Twが、所定温度To以上のときに第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側から第一切替回路62側へ切り替える(図3)。
【0055】
ここで、一般に、蓄熱タンクが設置される環境として、摂氏20度前後に想定されることが多いため、本実施の形態では所定温度Toは、例えば摂氏20度に設定される。
【0056】
以上のように構成された冷温水給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0057】
温度センサ70で検出した温度に基づいて、制御装置4は、第一流路切替弁60および
第二流路切替弁61を制御する。蓄熱運転や冷房運転の場合の制御装置4の制御を図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0058】
まず、冷温水給湯装置10の制御装置4は、蓄熱運転運要求があるか判定する(ステップS1)。蓄熱運転運要求がない場合は現在の状態を維持し、蓄熱運転運要求がある場合は、冷媒対流体熱交換器22における温度センサ70は流体温度Twを検出し(S2)、流体温度Twと所定温度Toとを比較する(ステップS3)。
【0059】
流体温度Twが所定温度To未満の場合は、低温の流体が第一切替回路62を流通して蓄熱タンク55から吸熱し、蓄熱タンク55を冷却する可能性が高いと判断して、第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側へ切り替え、かつ、第二流路切替弁61を負荷側熱交換器53側から第二切替回路63側へ切り替える(ステップS4)。
【0060】
流体温度Twが所定温度To以上の場合は、低温の流体が第一切替回路62を流通して蓄熱タンク55から吸熱し、蓄熱タンク55を冷却する可能性が低いと判断して、第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側から第一切替回路62側へ切り替える(ステップS5)。
【0061】
制御装置4は、蓄熱運転要求があるまで現在の状態を継続する(ステップS1)。
【0062】
以上のように、本実施の形態においては、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた場合、温度センサ70で検出される流体温度が、所定温度To未満のときに第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側へ切り替え、かつ、第二流路切替弁61を負荷側熱交換器53側から第二切替回路63側へ切り替える。
【0063】
これによって、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた直後から、低温の流体が、冷媒対流体熱交換器22、第一流路切替弁60、第二流路切替弁61、第二切替回路63、循環手段54を循環し、冷媒対流体熱交換器22にて加熱され、流体の温度が上昇する。
【0064】
その結果、冷房運転から蓄熱運転への切り替えられた直後において、低温の流体が蓄熱タンク55を流通せず、蓄熱タンク55の温度低下を低減できる。
【0065】
また、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた場合、温度センサ70で検出される流体温度Twが、所定温度To以上のときに第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側から第一切替回路62側へ切り替える。
【0066】
これによって、冷媒対流体熱交換器22で加熱された流体が蓄熱タンク55を加熱する。
【0067】
その結果、流体回路5中の低温の流体は蓄熱タンク55を冷却することがなくなり、蓄熱タンク55の加熱時間を短縮できる。
【0068】
(実施の形態2)
図5に、本発明の第2の実施の形態に係る冷温水給湯装置10を示す。なお、本実施の形態では、第1実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
本実施の形態でも、第1実施の形態と基本構成は同様であるが、蓄熱タンク温度センサ71の追加設置が異なる。即ち、第1実施の形態の所定温度Toを設定するために蓄熱タンク温度センサ71が設けられている。
【0070】
上記蓄熱タンク温度センサ71の追加設置されることに伴い、所定温度Toは、蓄熱タンク55に設置された蓄熱タンク温度センサ71の検出温度Ttと等しい温度に設定されている。ただし、本実施例では所定温度Toとして、蓄熱タンク55に設置された蓄熱タンク温度センサ71の検出温度Ttと等しい温度に設定しているが、所定温度Toは蓄熱タンク温度センサ71の検出温度Ttに対して、数度低く、あるいは数度高く設定することができる。
【0071】
この場合、所定温度Toを蓄熱タンク55の温度を基に設定しているため、第1実施の形態に示した所定温度Toが摂氏20度の場合に対して、蓄熱タンク55の温度が低いときには所定温度も低くなり、所定温度Toが蓄熱タンク温度センサ71の検出温度Tt、またはその付近の温度になった時点で、第一流路切替弁60を負荷側熱交換器53側から第一切替回路62側へ切り替えるため、第1実施の形態の場合と比べて蓄熱待機運転から蓄熱運転へ早い段階で切り替えることができる(図4のステップS5)。
【0072】
その結果、蓄熱待機時間の短縮化を図ることができるため、エネルギー効率を向上させることができる。
【0073】
なお、図1〜図3および図5では、流体回路5から第二切替回路63への分岐点は、第一流路切替弁60と負荷側熱交換器53との間に位置するものとしているが、冷媒対流体熱交換器22と第一流路切替弁60との間に位置するものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明にかかる冷温水給湯装置は、冷房運転から蓄熱運転へ切り替えられた場合、流体温度が所定温度以上のときに、第一流路切替弁を切り替えることにより、所定温度以上の流体を蓄熱タンクへ流入させ、蓄熱運転の場合の蓄熱タンクの温度低下を低減することができるので、流体を加熱し、その流体を室内空間の加熱に利用する冷温水給湯暖房装置等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0075】
2 冷媒回路
4 制御装置
5 流体回路
10 冷温水給湯装置
21 圧縮機
22 冷媒対流体熱交換器
23 膨張手段
24 冷媒対空気熱交換器
53 負荷側熱交換器
54 循環手段
55 蓄熱タンク
60 第一流路切替弁
61 第二流路切替弁
62 第一切替回路
63 第二切替回路
70 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、冷媒対流体熱交換器、膨張手段、冷媒対空気熱交換器が環状に接続された冷媒回路と、前記冷媒対流体熱交換器に負荷側熱交換器が環状に接続された流体回路と、湯水を貯留する蓄熱タンクと、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクを介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第一切替回路と、前記流体回路に配設され、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を前記蓄熱タンクは介さずに前記冷媒対流体熱交換器側に戻す第二切替回路と、前記冷媒対流体熱交換器における流体の温度を検出する温度センサと、制御装置とを備え、前記負荷側熱交換器が吸熱する冷房運転から、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体が前記蓄熱タンク内の湯水を加熱する蓄熱運転への変更時、前記温度センサで検出される流体の温度に基づいて、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第一切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すか、前記第二切替回路を介して前記冷媒対流体熱交換器側に戻すかを決定する構成としたことを特徴とする冷温水給湯装置。
【請求項2】
前記冷房運転から前記蓄熱運転に変更時、前記温度センサで検出される流体温度が所定温度未満のときには、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第二切替回路を介して、前記冷媒対流体熱交換器側に戻す構成としたことを特徴とする請求項1に記載の冷温水給湯装置。
【請求項3】
前記冷房運転から前記蓄熱運転に変更時、前記温度センサで検出される流体温度が所定温度以上のときには、前記冷媒対流体熱交換器から流出した流体を、前記第一切替回路を介して、前記冷媒対流体熱交換器側に戻す構成としたことを特徴とする請求項1に記載の冷温水給湯装置。
【請求項4】
前記蓄熱タンクの温度を検出する温度センサを備え、前記所定温度を前記温度センサの検出温度に基づいて決定する構成としたことを特徴とする請求項2または3に記載の冷温水給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−7523(P2013−7523A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140218(P2011−140218)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】