説明

冷菓用マシュマロ及びその製造方法

【課題】 冷菓類製造工場に於ける通常の製造設備で容易に製造することが出来、インラインで衛生的に効率よく充填することが可能となり、マーブル状の充填や、絞り出し充填、等、冷菓との様々なコンビネーション製造が可能となるマシュマロ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)、及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を主材料とし、冷菓類の製造工場に於ける通常の製造設備である、パステライザーまたはHTST殺菌機、冷菓用フリーザーを使用することによって、容易にマシュマロを得られる。たとえば、粉末ゼラチン1〜10%、起泡剤としての乾燥卵白 0.1〜5%及びペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)0.1〜5%、糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖、等)30〜75%を主材料とし、パステライザー、HTST殺菌機、連続フリーザーを用いて製造することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を主材料とすることを特徴とする冷菓用マシュマロ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャンディー菓子である通常のマシュマロは専用製造ラインを持つマシュマロメーカーで製造される。すなわち、マシュマロは加圧下でのバッチ式製造や連続式ミキサーによるホイップ、成型後の冷却乾燥工程を経て製造される。アイスクリーム類や冷菓類にマシュマロをコンビネーション使用するためには、マシュマロメーカーから供給を受けて使用するが、そのマシュマロは、チップ状やカットマシュマロ等の一定の形態であり、アイスクリーム等に混ぜ込んだり、トッピングする程度の利用方法にとどまっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、従来の技術ではマシュマロは固形原料としてマシュマロメーカーから供給されるため、冷菓と組み合わせた製品は混ぜ込んだり、トッピングする程度の製品しか得られなかった。
【0004】
本発明は、冷菓類の通常の製造設備を用いてマシュマロを製造することを可能にすることによって、冷菓類の製造工場に於いて、固化前の流動性のある状態のマシュマロを利用することが可能となる。すなわち、冷菓との同時充填、不定形充填などが可能な冷菓用マシュマロ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明者らは検討を行なってきた結果、粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を使用し、冷菓類の製造工場に於ける通常の製造設備である、パステライザーまたはHTST殺菌機、冷菓用フリーザーを用いることによって冷菓用マシュマロを容易に得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
即ち、本発明が供給するマシュマロは粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を主材料とすることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明が供給するマシュマロの製造方法は、冷菓類の製造工場に於ける通常の製造設備である、パステライザーまたはHTST殺菌機で加熱溶解、殺菌を行い、冷却した後、冷菓用フリーザーを用いて品温10℃〜50℃でホイッピングし、気泡を含ませることを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、また、マシュマロを製造するための主材料の配合物であって、ゲル化剤としての粉末ゼラチン1〜10%、起泡剤としての乾燥卵白0.1〜5%、及びペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)0.1〜5%、糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖、等)30〜75%を含むことを特徴とする冷菓に使用するマシュマロ用主材料配合物を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷菓類の通常の製造設備で冷菓用マシュマロを容易に製造することが出来るようになり、インラインで衛生的に効率よく充填することが可能となり、マーブル状の充填や、絞り出し充填、等、冷菓との様々なコンビネーション製造が可能となり、アイスクリーム、冷菓類の新製品におおいに貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)、を使用することにより、冷菓類の工場で通常行っている方法で加熱溶解、殺菌、ホイッピングが出来るようになり、容易に冷菓用マシュマロを製造することができる。
【0011】
得られた冷菓用マシュマロは流動性を保っている間に連続的にアイスクリーム類と組合せることが出来、冷菓製品のバラエティー化が可能となる。
【0012】
乾燥卵白及びペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)により、ホイッピング後の充填・成型が良好となり品質的に安定したきめ細かいクリーミーな食感の冷菓用マシュマロが得られる。
【0013】
本発明で用いられる糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖)の使用量は30〜75%が好ましくマシュマロの食感としても良好である。この使用量の範囲内で要望する甘味を調整すれば良い。
【0014】
アイスクリームフリーザーでのホイッピング条件は、マシュマロミックス液を10℃〜50℃に調整し、フリーザーで攪拌を持続させて目的のオーバーランまでホイッピングをする。
【0015】
得られた冷菓用マシュマロと冷菓・アイスクリーム類との組合せは自由自在で、様々な充填方法に対応可能で、バラエティーに富んだ製品がインラインで容易に製造することができる。
【0016】
更に、本発明の冷菓用マシュマロには味、風味付け用としてココアパウダー、果汁、コーヒー、洋酒、香料、着色料などを添加することが出来る。
【実施例】
【0017】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例 冷菓用マシュマロの調製は次の様な配合で行なった。
【表1】

【0018】
表1の配合の割合で試製造を実施した。製造手順は次の通り
▲1▼ 全ての原料を50〜60℃の温水の中に投入し、完全溶解を確認する。冷菓類の工場に於ける通常のHTST殺菌工程を行なった後、45〜50℃に冷却し、フレーバーを加えてストレージ(製造に時間を要する時は保温)する。
▲2▼ バッチ式フリーザー或は連続式フリーザーで24〜25℃温度まで冷却し、ホイッピングし、オーバーランを調整して品温17〜18℃の流動性のあるマシュマロを製造した。
▲3▼ 得られたマシュマロは製品の形状等の目的によってオーバーランを調整してアイスクリーム等の冷菓類と組合わせることが容易にできた。組合わせ製品の実施例としてアイスクリームとマシュマロを同時充填成型した 1.容器タイプ品(カップ、コーン、もなか)2.スティックタイプ品(二色重層及びスプリット)3.その他のタイプ品 等のコンビネーション製品が得られた。
【0019】
得られた冷菓用マシュマロは流動性があり、充填適性があった。固化後のマシュマロは弾力があり、マシュマロメーカーのものと比較しても遜色が無いものとなった。また、冷菓とのコンビネーション製品は、食感の組み合わせが面白く、味、食感、見た目にも好ましいものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を主材料とすることを特徴とする冷菓用マシュマロの製造方法。
【請求項2】
粉末ゼラチン、乾燥卵白、ペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)及び糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖等)を主材料とし、冷菓類の製造工場に於ける通常の製造設備である、パステライザーまたはHTST殺菌機で加熱溶解、殺菌を行い、冷却した後、冷菓用フリーザーを用いて品温10℃〜50℃でホイッピングし、気泡を含ませて製造することを特徴とする冷菓用マシュマロの製造方法。
【請求項3】
冷菓類の製造工場に於ける通常の製造設備で製造できるマシュマロの主材料の配合物であってゲル化剤としての粉末ゼラチン1〜10%、起泡剤としての乾燥卵白0.1〜5%、及びペプチド類(乳ペプチド、大豆ペプチド等)0.1〜5%、糖類(砂糖、ぶどう糖、麦芽糖、等)30〜75%を含むことを特徴とする冷菓に使用するマシュマロ用主材料配合物。