説明

凍結乾燥、貯蔵、再構成のための二重チャンバーシリンダー−ピストンユニット及び注射器用の注射液の適用及びシリンダー−ピストンユニットの充填方法

本発明は、無針注射器、例えば無菌の注射液を提供するための無針注射器用のピストン−シリンダーユニット(1)に関し、該ユニットは:シリンダー(2)内に配置され、注射液(4)を受けるためのチャンバー(3);少なくとも一つのノズル孔又は出口エレメント(6)を有する端部壁(5);及びチャンバー(3)内にそれが動くことができるような形で配置された第二のピストン(7);を含んでなる。該ユニットは:チャンバー(3)が第一のチャンバー(8)及び同心の第二のチャンバー(9)を備えた二部材で作られ、ここで第一のチャンバー(8)の横断面が第二のチャンバー(9)の横断面より大きいこと;第一のチャンバー(8)は、それが第一のピストン(10)によって密閉され、そして第二のチャンバー(9)は、第二のピストン(7)によって密閉されること、ここで第一のチャンバー(8)が第二のチャンバー(9)から分離されていること;そして第二のピストン(7)が少なくとも一つの流れチャンネル(16)を含んでなるか、又は第一のチャンバーが、少なくとも一つの密閉可能な軸方向に配列された凍結乾燥チャンネル(34)を含んでなり、そして第二のチャンバー(9)が少なくとも一つの軸方向に向けられた流れチャンネル(36)を、チャンバー(8、9)の各々の後方端上で含んでなること;を特徴とする。本発明は、また、シリンダー−ピストンユニット(1)を充填する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダー内に配置され、注射液を受ける目的のチャンバー;少なくとも一つのノズル孔又は出口エレメントを有する端部壁;及びチャンバー内に可動に配置されたピストン;を含む無針注射器用のピストン−シリンダーユニットに関する。
本発明は更に、シリンダー−ピストンユニットを対応して充填するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダー−ピストンユニットは、例えば、特許文献1、特許文献2又は特許文献3から知られる注射器内に挿入される。
【0003】
液体薬物は注射液によって理解される。使用される専門用語をここでより詳細に説明する。用語「薬剤」は当業者に知られている。これらは、ヒト又は動物の薬剤用の物質又は物質の混合物を含む。それらは一つの又は複数の薬学的に有効な物質、及びこの該活性物質を薬学的に使用可能にする更なる通例の成分、特に水、を含む。
【0004】
特許文献4は、シリンダー及びその中に誘導されるピストンを有するシリンダー−ピストンユニットを開示しており、ここでシリンダー及びピストンは、少なくとも一時期、活性物質で充填可能なチャンバーを囲み、そしてシリンダーはその前方端で少なくとも一つの出口エレメントを有する。チャンバーの断面又はシリンダー内壁の断面は少なくとも前方から後方への領域において増加する。出口エレメントに面する少なくとも前方領域で、ピストンは前方弾性スカートを有し、その前方外部端は、ピストンが装填されていないとき、スカートを保持しているピストンのセクションへの移行領域中に横たわる輪郭線によって測られた表面よりも大きな横断面を示す。
【0005】
特許文献5は、液体、ペースト又は粉体の形態の物質の貯蔵し又は投与するための容器用のクロージャーシステムを開示しており、ここで該システムは通路孔が供されたキャップ、及びクロージャーエレメントを含む。この場合、キャップは、容器上に存在するラッチエレメントを用いて、閉じられるべき開口部の領域中において、容器上で摩擦状態及び/又はフォームフィット(form fit)状態でクロージャーエレメントを保持する。容器の開口部を取り囲み、そしてその上にクロージャーエレメントが置かれる端面は窪みを有する。本クロージャーエレメントは端部表面上に、そして少なくとも幾らかの領域で窪みに亘って横たわる、耐ウイルス性、耐バクテリア性そして耐胞子性のフィルムである。キャップが定位置に置かれるとき、窪みを満たす弾性リング又は接着リングはクロージャーエレメントと窪みの間に配置される。
【0006】
特許文献6はシリンダー、及びその中を誘導され、そしてゴムによって無菌状態で密封されるピストンを有するシリンダー−ピストンユニットを開示しており、ここでシリンダー及びピストンは、少なくとも一時期、有効化合物で充填可能なチャンバーを囲み、そしてシリンダーの前方端は少なくとも一つの出口エレメントを有する。後方位置中に置かれているピストンは静的後方シールエレメントによって無菌状態でシリンダーに対してシールされ、ここでシール位置において二つのシールエレメントは各々の場合、シリンダーの壁上及びピストンの壁上を圧迫する。各静的シールエレメントの背後に間をあけて配置されて、各シールエレメントを受け取るための駐留スペースがある。ピストンが作動されるとき、個々の静的シールエレメントは、各々のシール位置から駐留スペース中に置かれる駐留位置へと移動され、ここで駐留位置において、各シールエレメントはシリンダー壁のみか又はピストン壁のみのどちらかに触れる。ピストン側上にあり、そして少なくともピストンが作動されるとき、シリンダーの内壁を圧迫する少なくとも一つの動的シールエレメントは、二つの静的シールエレメントの間に配置される。
【0007】
公知の実施態様において、シリンダー−ピストンユニットは使用前に使い捨て注射器の使用者によって直接的に注射液で充填されるか、又は注射液は製造工場でシリンダー−ピストンユニット内に置かれ、そして次いでそれはシリンダー−ピストンユニット中に貯蔵されることもある。従って、完成した注射液は可能な貯蔵期間に対して、シリンダー−ピストンユニット中に存在する。有効化合物を保存する一つの可能な好ましい方法として、有効化合物溶液の凍結乾燥及び有効化合物の粉末形態での貯蔵が挙げられる。このタイプの凍結乾燥体は溶解された形態におけるよりも長い貯蔵寿命を有する。注射の前に完成した注射液を得るために、凍結乾燥された有効化合物は水のような溶媒中に溶解される。注射可能な溶液は引き続いて存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開2008/0146997A1公報
【特許文献2】DE10,2007,004,211A1公報
【特許文献3】DE10,2007,008,369A1公報
【特許文献4】DE10,2005,054,600A1公報
【特許文献5】DE10,2006,040,888B3公報
【特許文献6】DE10,2006,045,959B3公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
該先行技術から進み、本発明は、注射液を受け取るためのシリンダー−ピストンユニット、及びシリンダー−ピストンユニットを充填する方法を特定するという目的に基づいており、ここで注射液は第一の成分及び第二の成分から製造され、そして準備のために混合され又は使用の少し前にのみ溶解される。更なる仕事(task)は、その中に凍結乾燥されるべき注射液が無菌状態で置くことができるシリンダー−ピストンユニットを設計することであり、次いで該溶液は凍結乾燥されそして引き続いて気密状態でかつ無菌状態で密閉することができる。凍結乾燥体用の溶剤は、使用の場合に、該溶剤が凍結乾燥体を溶解できて使用のための準備ができた注射液を形成するように、それに隣接して貯蔵されなければならない。適用する前に、該溶液は、300バールまでの圧力で一時的に安定であり、かつ無菌状態で開放されなければならない、そして皮膚を通して、例えば、皮下脂肪組織内に針を用いないで、そこから該溶液が高圧下で発射され得るノズルを有するシリンダー中に、気泡がない状態で置かれなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的は、特許請求項1におけるデバイスによって最初に達成される。それによると、導入部において参照されたデバイスは、
−チャンバーが第一のチャンバー及び同心の第二のチャンバーを備えた二部材設計のものであること、
ここで第一のチャンバーの断面積が第二のチャンバーの断面積より大きく、
−第二のチャンバーが、それが第二のピストンによって密閉されるように設計され、そして第一のチャンバーが、それが第一のピストンによって密閉されるように設計されること、
ここで第一のチャンバーが第二のチャンバーから分離され、そして
−第二のピストンが少なくとも一つの移動通路を備えるように設計されること、又は
−第一のチャンバーが、少なくとも一つの密閉可能な、軸方向に配列された凍結乾燥通路を備えるように設計され、そして第二のチャンバーが少なくとも一つの軸方向に配列された移動通路を、チャンバーの各々の場合において後方端で備えるように設計されること、に特徴付けられる。
【0011】
第二のチャンバーと第一のチャンバーの間に第二のピストンを配置することによって、第一の成分が第二の成分から分離されることが可能になる。好ましくは、各々のピストン本体及び外側ピストンリングを有するように構成されたピストンによって、ピストンに対して異なる材料が考慮することができる。第一のピストンの外側ピストンリング及び第二のピストンのそれの両方とも、例えば、第一のチャンバー内への挿入の際に、それを通して、無加圧状態で第一のチャンバーから、移動された空気が逃げることができる通路又は流端が生み出されるように押しつけられる。
【0012】
注射のため、高圧下でノズル輪郭から抵抗物、つまり、皮膚へと注射液を排出するために、内部ピストン本体はピストン棒を介して、例えば、事前に応力をかけられたばねによって、第二のチャンバー内に非常に短い時間内で押される。
【0013】
好ましい構成によって、誘導、及び内部ピストン本体と第二のチャンバーの壁の間の気密性を改善するために、及び/又は圧力依存的に該誘導及び気密性を増すために、ノズルに対して最も近くにあり、少なくとも一つのシールリップを有する内部ピストン本体の設計が供される。
【0014】
上述の目的は、丁度述べられたシリンダー−ピストンユニットを考慮に入れた方法によって更に達成される。
【0015】
本方法は少なくとも以下の工程を含む:
−第二のチャンバーを注射液の第一の成分で充填すること、ここで第一の成分の容積が第二のチャンバーの容積より小さい;
−圧縮されそして空気が逃げることを可能にする第二のピストンを、第二のチャンバーを密閉するために、それが環状面と接触されるまで第一のチャンバー内に挿入すること、ここで第二のチャンバーは気体クッションを含有する;
−第二のピストンの上方の第一のチャンバーを溶剤、例えば水、又は第二の成分で充填すること;
−第一の圧縮されたピストンを第一のチャンバー内に挿入し、そして第一のチャンバーを密閉すること;
−ピストンスライドによって、凍結乾燥体又は第一の成分、及び溶剤又は第二の成分から注射液を生成するために、上方を向いている状態で出口エレメントを有する第一のピストンを押すこと、ここで予め密閉された移動通路が第二のチャンバーを環状面に連結するまで、第二の内部ピストン本体が第二の外側ピストンリング中に第二のチャンバーの方向に、第一のチャンバー中の陽圧を用いて押され、そして溶剤又は第二の成分が第二のチャンバーに全て入り、そして溶解され又は凍結乾燥体若しくは第一の成分と混合されて完成した注射液を与えること;
−引き続いて、ピストンスライドの助けを借りて、ピストンスライドをねじ、部分ねじ、又はラッチエレメント内にねじ込むことにより、そして気泡をシリンダー−ピストンユニットからスクィーズすることによって、第二の内部ピストン本体と一緒に第一の内部ピストン本体を押し入れること、ここで上方に向いているノズル孔又は出口エレメント、及び外シリンダー又はクロージャーキャップに固着される膜を通して気体クッションが第二のチャンバーから外に移動され、そして気体クッションが出現するとき、ノズル孔又は出口エレメントから持ち上がって離れること;及び
−気体クッションが出現した後、ノズル孔又は出口エレメントを滅菌方式(圧力制御バルブ)で再び密閉すること。
【0016】
原則として、完成した注射液は、クロージャーキャップ及び膜によって閉じられる第二のチャンバー内に無菌状態で秤量される。
【0017】
第一の実施態様において、溢流通路及び凍結乾燥通路として同時に機能する上方に閉じられた通路を有するピストンリングを持つ第二のピストンは(これらの機能はピストンリング上の異なる点で分離して位置付けられることもあり得る)、注射液の上方の気体スペース全体が外側と接触するようにはめ込まれる。第二の実施態様において、ピストンリングを有する第二のピストンは、注射液の上方の気体スペースの全体が、第一チャンバー中の少なくとも一つの軸方向に配列された凍結乾燥通路を用いて外側と接触するようにはめ込まれる。次いで、凍結乾燥が実行される。凍結乾燥の後、ピストンリングを有する第二のピストンは、凍結乾燥体が水分及び酸素に対して保護されて状態でシールされるように、環状面まで前進される。引き続いて、溶剤(例えば、水)は第一のチャンバー内に無菌状態で置かれ、そして溶剤上に圧力をかけることなく、第一のピストンによって、例えば、圧縮されたピストンリングによってシールされる。
【0018】
好ましい開発により、第二のチャンバー中で凍結乾燥されるべき注射液の有効化合物が供される。
【0019】
本発明の更なる特長及び詳細は、請求項から及び模式的図面において描かれた例示的実施態様の以下の記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1.1】二つの直径を有するシリンダー、及びクロージャーキャップ上にはめ込まれた膜を有するシリンダー−ピストンユニットの圧力が安定な外シリンダーの側部断面図を示す。
【図1.2】二つの直径を有するシリンダー、及びクロージャーキャップ上にはめ込まれた膜を有するシリンダー−ピストンユニットの圧力が安定な外シリンダーの側部断面図を示す。
【図1.2a】図1.2からの通路の位置の平面図を示す。
【図2.1】凍結乾燥されるべき注射液を有し、そして第二の位置が、注射液の上方の気体スペースが外部と接触するような位置にある、図1.1/1.2からのシリンダーの側部断面図を示す。
【図2.2】凍結乾燥されるべき注射液を有し、そして第二の位置が、注射液の上方の気体スペースが外部と接触するような位置にある、図1.1/1.2からのシリンダーの側部断面図を示す。
【図3.1】凍結乾燥体を無菌にかつ気密状態にシールする第二のピストンを有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図3.2】凍結乾燥体を無菌にかつ気密状態にシールする第二のピストンを有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図4.1】溶剤、及びそれを気密かつ無菌状態にシールする第一の位置を有する、図3.1/3.2からのシリンダーの側部断面図を示す。
【図4.2】溶剤、及びそれを気密かつ無菌状態にシールする第一の位置を有する、図3.1/3.2からのシリンダーの側部断面図を示す。
【図5.1】注射液及び気体クッションを再構築した、開いた溢流通路を有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図5.2】注射液及び気体クッションを再構築した、開いた溢流通路を有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図6.1】ねじ込まれたピストンスライドを用いて、気体クッションがない点へと前進した第一及び第二の内部ピストン本体を有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図6.2】ねじ込まれたピストンスライドを用いて、気体クッションがない点へと前進した第一及び第二の内部ピストン本体を有する公知のシリンダーの側部断面図を示す。
【図7.1】クロージャーキャップが除去され、そして膜が除去された、注射の準備ができたシリンダー−ピストンユニットの側部断面図を示す。
【図7.2】クロージャーキャップが除去され、そして膜が除去された、注射の準備ができたシリンダー−ピストンユニットの側部断面図を示す。
【図8.1】ノズルが閉じられた、注射に続くシステムを示す。
【図8.2】ノズルが閉じられた、注射に続くシステムを示す。
【図9】一つのノズルを有するシリンダー−ピストンユニットの底面図を示す。
【図10】四つのノズルを有するシリンダー−ピストンユニットの底面図を示す。
【図11】二つの対角線的に逆側のノズルを通した4−ノズルモデルの断面図を示す。
【図12】三機能性通路を有する第二の外側ピストンリングを示す。
【図13】図12における如き三機能性通路を有するが、より小さいデッドボリューム及びより大きい機械的安定性を有するピストンリングを示す。
【図14】機能的に分離された凍結乾燥通路及び溢流通路を有するピストンリングを示す。
【図15】代替実施態様における、四個組(quad)リング及び溝付きリングとしての三機能性ピストンリングを示す。
【図16】二機能性通路を有するピストンリングを示す。
【図17】代替実施態様における、四個組リング及び移動流路リングとしての、図16からの二機能性ピストンリングを示す。
【図18】両側上で閉じている溢流通路を有する、図14からのピストンリングを示す。
【図19】両側上で閉じている溢流通路を有する、図16からのピストンリングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
例示的実施態様の下記の記述においてシリンダー−ピストンユニットの前方端とは、患者の表面に最も近い端部を意味する。シリンダー−ピストンユニットの後方端は、ユニットが使用されるとき、患者の表面から遠い端部である。
【0022】
これらの図の全てにおいて、同じ技術的エレメントは同じ参照符号によって表示されている。
【0023】
図1.1及び1.2は、シリンダー−ピストンユニット1の側部断面図を説明する。水蒸気及び酸素を阻止するシリンダー2のチャンバー3は第一のチャンバー8及び第二の同中心チャンバー9によって形成され、ここで第一のチャンバー8の断面積は第二のチャンバー9の断面積より大きい。第一のチャンバー8とは逆の側上に、第二のチャンバー9は、少なくとも一つのノズル孔又は少なくとも一つの出口エレメント6を持つ端部壁5を有して設計される。各ノズル孔又は各出口エレメント6は、第二のチャンバー9を包んでいる圧力が安定な外シリンダー13の外側12上の隆起した分岐円錐29中で終り、そして端部壁5のその内側28上に排出ロート30を有する。圧力が安定な外シリンダー13の外側12上に、例えば、ゴム又は透明なシリコーンでできた、出口エレメント6に亘って伸ばされ、そして好ましくは、クロージャーキャップ11によって支持される、水及び酸素を阻止する膜26がある。代替法として、膜27が外シリンダー13上にはめ込まれる(図2.1及び2.2を参照)。圧力が安定な外シリンダー13は、スロット、ねじがきられたフランジ又はバイオネット(bayonet)のようなオプション保持エレメント13を有して設計される。例えば、緊張フック33はスロット中に係合する(図8.1及び8.2を比較)。
【0024】
好ましくは、環状面18の形態にある移行領域は、第一のチャンバー8と第二のチャンバー9の間に形成される。移行領域の第一の構成によって、第一のチャンバー8の円筒状壁から環状面18への、そして環状面18から第二のチャンバー9の円筒状壁への移行部における(示されていない)半径が供される。該領域の第二の構成によって、(示されていない)斜面が供される。更なる構成、例えば、半径及び斜面、負又は正のキャンバー角(negative or positive camber angle)又は凹若しくは凸の組合せさえも考慮することができる。本構成は、第一に、注射液4又は第一の成分14の挿入において(図2.1及び2.2を参照))、そして第二に、例えば、一成分又は二成分のプラスチック射出成形プロセスによって又はガラスから製造されるシリンダー2の製造中に助けになる。上述の構成によって、垂直性、同中心性、肉厚などのような所定の性質を有するシリンダー2を得るため考慮される、水蒸気及び酸素を阻止する材料の流れ挙動が助けられる。
【0025】
注射用に供される薬物は、比較的長期間、シリンダー−ピストンユニット1中に保存される。薬物が、例えば、貯蔵寿命が伸ばされるべく、注射まで二つの成分で貯蔵されることが知られている。第一の成分14及び第二の成分15を含む薬物は、注射の直前に混合され及び/又は溶解される。成分14は注射液4のような液体、又は粉末であり得る。凍結乾燥体は粉末成分の例である。溶剤19のように、第二の成分15は液体形態で存在する。成分14、15の他の形態がここで明確に考慮される。
【0026】
代替実施態様において、チャンバー8及びチャンバー9の後方端部で、少なくとも一つの凍結乾燥通路34(チャンバー8中)及び移動通路36(チャンバー9中)が各々の場合、シリンダー壁35中に形成される(図1.2を参照)。
【0027】
後方端から見られる如く、一つ又は複数の乾燥通路34及び一つ又は複数の移動通路36の断面は矩形の形態をしている。しかしながら、他と形、特に、シリンダーの流れ挙動及び強度を考慮した形も考えられ得る。この点に関しては図1.2aを参照。
【0028】
図2.1において説明された第一の作業セクションにおいて、無菌の第一の成分14は無菌状態でシリンダー2の第二のチャンバー9内に置かれる。無菌の第二のピストン7は、チャンバー3とその周囲の間の移動通路16が開いたままに留まる状態で、無菌状態で第一のチャンバー8内に引き続いてはめ込まれる。移動通路16の構成に関して、図12〜19を参照下さい。
【0029】
図2.2において説明された通り、無菌の第二のピストン7は、チャンバー3とその周囲の間のシリンダー壁35中の凍結乾燥通路34が開いたままに留まる状態で、無菌状態で第一のチャンバー8内にはめ込まれる。
【0030】
更なる成分及び作業工程のすべては、以下にこれが再度述べられなくとも、無菌である。
【0031】
第二のチャンバー9中に置かれた成分14は、図3.1及び3.2において説明された通り、引き続いて凍結乾燥されそして第二のチャンバー9中に凍結乾燥体17の形態で留まる。長期間の保存に対して、第二のチャンバー9中の凍結乾燥体17は気密かつ液密状態でシールされる。この目的のために、第二のピストン7は、第二のピストン7が第一のチャンバー8と第二のチャンバー9の間の環状面18、移行領域に寄りかかるように、第一のチャンバー8内に押される。
【0032】
凍結乾燥体17が第二のチャンバー9中に第二のピストン7を用いて包まれた後、薬物の第二の成分15は、図4.1及び4.2において説明された通り、第二のピストン7の上方に、従って第一のチャンバー8内に置かれる。第二の成分15は、例えば、溶剤19である。好ましい実施態様において、溶剤19として水が使用され、そして使用の際に、液体形態、注射液4、で存在する薬物を注射することができるように、凍結乾燥体の形態で存在する第一の成分14を溶解するために使用される。第二の成分15が第一のチャンバー8内に置かれた後、後者は第一のピストン10によって液密状態でシールされる。この場合、第一のピストン10は第一のチャンバー8内に、例えば、横方向の圧縮によって無加圧状態で挿入される。
【0033】
第二及び第一のピストン7、10は、少なくとも一つの内部ピストン本体7.1、10.1及び一つの外側ピストンリング7.2、10.2から各々形成され、ここで内部ピストン本体7.1、10.1は外側ピストンリング7.2、10.2中に滑るように配置される。ここで存在する、そして分離されてシールされた二つのチャンバー8、9を有する実施態様は、分離されて存在する凍結乾燥体17の形態での、そうでなければ不安定な注射液4、及び同様に別々に存在する溶剤19を貯蔵するために役立つ。
【0034】
注射液4を注射する前に、凍結乾燥体17を溶剤19と混合し、そしてそれが溶解するのを待つことが必要であり、それには30分ほどかかり得る。そのときにのみ、上方に向いている出口エレメント6によって絞り出されて留まる気体クッション31が生じる。
【0035】
図5.1及び5.2は、如何にして溶剤19がシリンダー2の第一のチャンバー8から第二のチャンバー9内を通過するかを説明する。この目的のために、注射器中に置かれるシリンダー−ピストンユニット1は、好ましくは、水平軸の周りに約180度だけ回転される。その結果、気体クッション31は、ノズル又は出口エレメント6の方向に上る。更に、第一のピストン10は矢印によって示された通り、注射器中に座してそこで作動されるピストンスライド20を用いて、シリンダー2の端部壁5の方向に動かされる。第一のピストン10が中に押し込まれるとき、それによって第一のチャンバー8のサイズが小さくなり、その結果、溶剤19を介して圧力が第二のピストン7にかけられる。第二のピストン7の外側ピストンリング7.2が環状面18上に置かれそして移動することができない故に、かけられた圧力によって第二のピストン7の内部ピストン本体7.1が端部壁5の方向に押しつけられることになる。この操作及び引き続く操作中に、ノズルは上方を向かなければならない。
【0036】
第二のピストン7の内部ピストン本体7.1の後方端部21が、第二の外側ピストンリング7.2中に形成された溢流通路16を開放する瞬間に、溶剤19は第一のチャンバー8から第二のチャンバー9内に流れ出て、そして凍結乾燥体17と混合する(第一の代替例)。
【0037】
第二のピストン7の内部ピストン本体7.1の後方端部21が、シリンダー壁35中に形成された溢流通路36を開放する瞬間に、溶剤19は第一のチャンバー8から第二のチャンバー9内に流れ出て、そして凍結乾燥体17と混合する(第二の代替例)。
【0038】
注射液4は、一旦、凍結乾燥体17が完全に溶解されたときのみ、注射に利用可能である。溶解操作を改善するために、第二のチャンバーは溶剤19及び凍結乾燥体17で完全には充填されない。第二のチャンバー9も、注射に先立って、ピストンスライド20の更なる前進によって取り外されなければならない気体クッション31を含有する。
【0039】
図6.1及び6.2は、如何にして第一の内部ピストン本体10.1がシリンダー2の第一のチャンバー8内に完全に押されるか、そして第二のチャンバー9の出発において既に完全に挿入される第二の内部ピストン本体7.1に寄りかかるかを説明する。溶剤19は、注射液4の形態で第二のチャンバー9中に完全に置かれる。図8において部分的にのみ説明されている注射器のピストンスライド20は、これまで軸方向に自由にかつ縦方向に移動可能なように、注射器中に配置されてきた。この目的のために、それはフランジ22中に配置されたねじが切られた孔23よりも小さい、そして第二のチャンバー9の直径よりも小さい直径を有する(図8.1及び8.2を参照)。ピストンスライド20は注射器中を軸方向に誘導され、そしてより小さい直径を有する領域は、第一の内部ピストン本体10.1が、溶剤19がチャンバー9内に全部運ばれる位置にあるとき、ねじが切られた孔23に対して補足するようにねじ24を有するピストンスライド20の領域がそれと丁度接触するように設計される。次いで、ねじをねじ込むことによって、ピストンスライド20はシリンダー−ピストンユニット1内に更に押され、その際に空気クッションが除去され、そして貯えられたエネルギーによって力がピストンスライド20に伝えられる。使い捨て注射器の排出又は噴出エネルギーは、例えば、ばね25を用いてもたらされる。
【0040】
この目的のために、第一のピストン10の第一の内部ピストン本体10.1は、ピストンスライド20のねじ24がフランジ22のねじが切られた孔23内にねじ込むことができるまで、シリンダー2の端部壁5に向かって縦方向に押される。ピストンスライド20が押し込まれ、そして引き続きねじ込まれるとき、引き続いて追随する第一及び第二の内部ピストン本体10.1及び7.1は気体クッション31をノズル又は出口エレメント6を通して第二のチャンバー9から外に移動させる。ピストンスライド20の更なるねじ込みの際に、気体クッション31は第二のチャンバー9から逃げ、ここでクロージャーキャップ11は、第二のチャンバー9中に陽圧が存在するとき、ノズル又は出口エレメント6を開放する膜26を有して設計される。ねじを更にねじ込むことによって第二のチャンバー9から気体クッションを完全に絞り出すことが、膜26中の(説明されていない)逆側の窓を通して、そして透明なクロージャーキャップ11を通して、使用者によって目視で監視される。次いでピストンスライド20の、対応してより長いねじがねじ込まれるときでさえ、溶剤19が流され得ることにもなる。
【0041】
注射液4を注射するために、所定の位置にラチェットされるクロージャーキャップ11はシリンダー13から引き出される。出口エレメント6の分岐円錐29は次いで事前に消毒された、そしてその内に注射液4が注射されることになる体の部分に抗して又はその上に押しつけられる。(図示されていない)トリガーデバイスを用いて、事前に張力をかけられたばね25が開放され、その結果、ピストンスライド20は第一のピストン10の第一の内部ピストン本体10.1上に発射し、そして第二のチャンバー9中の第二のピストン7の第一の内部ピストン本体10.1及び第二の内部ピストン本体7.1が前方に縦方向に端部壁5上に発射することを引き起こす。 注射液4は、図7.1及び7.2において説明された通り、少なくとも一つのノズル孔又は出口エレメント6を通って第二のチャンバー9から非常に速い速度で逃げる。
【0042】
注射液4が完全に第二のチャンバー9から押し出されたとき、第二の内部ピストン本体7.1は、図8.1及び8.2において説明された通り、端部壁5に寄りかかり、そして出口エレメント6を密閉する。
【0043】
図8.2は、少なくとも一つの凍結乾燥通路16.1が溝付きリング7.2b中に形成される実施態様を更に説明する。先に更に述べられた凍結乾燥通路34は、説明された凍結乾燥通路16.1によって機能的に交換される。少なくとも一つの移動通路36がチャンバー9中にある。
【0044】
いうまでもなく、通路16.1、34及び36の数は変わることができる。移動通路36の代わりに、更なる実施態様において、少なくとも一つの移動通路も第二の外側ピストンリング7.2において形成される。従って、要求事項又は可能性に依存して、シリンダー壁35においてのみ又はシリンダー壁35においてのみのどちらかでの通路、及び第二の外側ピストンリング7.2を形成するというオプションがある。
【0045】
図9は、分岐円錐29及び出口エレメント6を有するシリンダー−ピストンユニット1の変形例であるシリンダー−ピストンユニット1の底部図、つまり、前方から後方端に向かう図を示す。
【0046】
図10は、4つの分岐円錐29及び4つのノズル6を有するシリンダー−ピストンユニット1の底部図を示す。
【0047】
図10からの変形例は図11における断面図において説明されており、ここで二つの対角線的に反対側の出口エレメント6が垂直セクション面において置かれる。
【0048】
図12〜19は各々の場合、異なって設計された移動通路16を有する第二の外側ピストンリング7.2を説明する。第二の内部ピストン本体7.1は図示されていない。
【0049】
図12において説明された第二の外側ピストンリング7.2の第一の機能は、図2において見ることができる。シリンダー−ピストンユニット1の、第一のチャンバー8及び第二のチャンバー9を含むチャンバー3は、凍結乾燥が起こることができるように、周囲に又は移動通路16を通して外側に連結される。第二の機能である、第二のチャンバー9中の凍結乾燥体の耐水蒸気性シールが図3及び4において見ることができる。最後に、バイパスとも呼ばれる移動通路16を有する第二の外側ピストンリング7.2の第三の機能が図5において見ることができる。溶剤19、好ましくは、水は、該移動通路を通って、第一のチャンバー8から、その中に凍結乾燥体17が存在する第二のチャンバー9内へと通過する。平面図(中央)及び(底部での)前面図における、(頂部での)1/2セクションにおいて説明されるが、前方に90度だけ回転された、第二の外側ピストンリング7.2は、ここでは内径より小さい幅及び全体の高さの約2/3に対応する高さを持つ移動通路16の一つの可能な設計を示す。
【0050】
更なる設計が図13において説明される。この構成によって達成される効果は、より小さいデッドボリューム及びより大きい機械的安定性である。この目的のために、第二の外側ピストンリング7.2は、第二の外側ピストンリング7.2の上方の略中間に配置された半径方向に外側に向いている四角い又はそれに代わる(例えば、丸い)窓、そして窓に対応し、そして窓の幅及び平均半径まで伸びている深さを有する、軸方向に平行な通路を得る。
【0051】
二つの機能的に分離された移動通路16を有して設計された第二の外側ピストンリング7.2は図14において説明される。この場合、移動通路16.1(凍結乾燥通路)は凍結乾燥中に操作され、そして移動通路16.2(溢流通路)は溶剤19の移動中に操作される。二つの移動通路16.1、16.2は軸方向に見たときに、互いに如何なる角度でもあり得て、ここでシリンダー−ピストンユニット1の外側12の反対側の上方環状面は閉じられる。複数の移動通路16.1、16.2も形成することができる。これによって、例えば、第一のチャンバー8から第二のチャンバー9内への移動中の、溶剤19の凍結乾燥速度及び流速が影響を及ぼされることが可能になる。移動通路16.1、16.2の高さは、好ましくは、第二の外側ピストンリング7.2の高さの1/2〜2/3に対応するが、各々の移動通路16.1、16.2の高さは等しいものである必要はない。
【0052】
図15は、二部材実施態様における図12からの第二の外側ピストンリング7.2を示す。上方部分7.2aは閉じられた四個組リング(中空シリンダー)を含み;下方部分7.2bは連続スロット16を有する四個組リング(中空シリンダー)を含む。図13及び14において示された三機能性ピストンリング7.2は二部材の設計のものでもあり得る。
【0053】
図16は、凍結乾燥の後、通常のピストン治具によって第二の内部ピストン本体7.1と一緒に製造され得る16.2を有する第二の外側ピストンリング7.2を説明する。次いで、図4中の説明に類似したように、第二の内部ピストン本体7.1は連結された第二の外側ピストンリング7.2と一緒に第二のチャンバー9中に存在する凍結乾燥体17をシールする。溶剤19のための移動通路16.2としての第二の機能は、図5に類似している。
【0054】
二つの部材から作られる図16の第二の外側ピストンリング7.2の設計は図17において説明される。
【0055】
もちろん、第二の外側ピストンリング7.2の全ての場合、溢流通路16.2は、上方端でのみならず、下方端でも、つまり両側で密閉することができる。
【0056】
このように、図18は、溢流通路16.2が、閉じられた部分によって補われる、図14の第二の外側ピストンリング7.2を示す。対照的に凍結乾燥通路16.1も底部で開くように走らなければならない。
【0057】
図19は、例として、閉じられた延長部を有する、図16の二機能性溢流通路16.2を示す。
【符号の説明】
【0058】
1. シリンダー−ピストンユニット
2. シリンダー
3. チャンバー
4. 注射液
5. 端部壁
6. ノズル孔又は出口エレメント
7. 第二のピストン
7.1 第二の内部ピストン本体
7.2 第二の外側ピストンリング
7.2a 四個組リング
7.2b 溝付きリング
8. 第一のチャンバー
9. 第二のチャンバー
10. 第一のピストン
10.1 第一の内部ピストン本体
10.2 第一の外側ピストンリング
11. ラッチエレメントを有するクロージャーキャップ
12. 圧力が安定な外シリンダー13の外側
13. 外シリンダー、圧力が安定なラッチ溝を有する
14. 第一の成分
15. 第二の成分
16. 移動通路、溢流通路、バイパス、スロット、組み合わされた、三機能性
16.1 凍結乾燥通路、代替法では、第二の外側ピストンリング7.2中に溝付きリング7.2bがある
16.2 移動通路、溢流通路、二機能性
17. 凍結乾燥体
18. 環状面
19. 溶剤
20. ピストンスライド
21. ピストン本体7.1の後方端部
22. ねじが切られたフランジ
23. ねじが切られた孔
24. ねじ
25. ばね
26. クロージャーキャップ11上の膜
27. 代替法として外シリンダー13上の膜
28. チャンバー9又は排出ロート30の内側
29. 円錐、分岐した
30. 排出ロート
31. 気体クッション、気泡
32. 保持エレメント
33. ばねフック
34. 凍結乾燥通路
35. シリンダー壁
36. 移動通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー(2)内に配置され、注射液(4)を受ける目的のチャンバー(3);
少なくとも一つのノズル孔又は出口エレメント(6)を有する端部壁(5);及び
チャンバー(3)内に可動に配置された第二のピストン(7);
を備えた、無針注射器、例えば無菌の注射液を提供するための無針注射器用のピストン−シリンダーユニット(1)であって:
−チャンバー(3)が第一のチャンバー(8)及び同心の第二のチャンバー(9)を備えた二部材設計のものであり、
ここで第一のチャンバー(8)の横断面が第二のチャンバー(9)の横断面より大きいこと、
−第一のチャンバー(8)は、それが第一のピストン(10)によって密閉されるように設計され、そして第二のチャンバー(9)は、それが第二のピストン(7)によって密閉されるように設計され、
ここで第一のチャンバー(8)が第二のチャンバー(9)から分離されていること、及び
−第二のピストン(7)が少なくとも一つの移動通路(16)を備えるように設計されること、又は
−第一のチャンバー(8)が、少なくとも一つの密閉可能な、軸方向に配列された凍結乾燥通路(34)を備えるように設計され、そして第二のチャンバー(9)が少なくとも一つの軸方向に配列された移動通路(36)を、チャンバー(8、9)の各々の場合において後方端で備えるように設計されること、
を特徴とする、上記ピストン−シリンダーユニット(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、第二のピストン(7)が第二の外側ピストンリング(7.2)を有する第二の内部ピストン本体(7.1)として設計され、そして第一のピストン(10)が第一の外側ピストンリング(10.2)を有する第一の内部ピストン本体(10.1)として設計されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、第一の内部ピストン本体(10.1)は、それが第一の外側ピストンリング(10.2)に摩擦的に連結されるように設計され、そして第二の内部ピストン本体(7.1)が、それが第二の外側ピストンリング(7.2)に摩擦的に連結されるように設計されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、移行領域が第一のチャンバー(8)と第二のチャンバー(9)の間の環状面(18)として設計されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、クロージャーキャップ(11)が膜(26)を有して設計され、又はその代替として膜(27)が外シリンダー(13)に別々に固着されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、クロージャーキャップ(11)は、それが外シリンダー(13)の周面に直接的に又は間接的に連結されるように設計されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、第二のピストン(7)の第二の内部ピストン本体(7.1)が、第二のチャンバー(9)に面する端部上で少なくとも一つのシールリップを備えるように設計されることを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリンダー−ピストンユニットであって、保存状態において密閉される移動通路(16、36)は、第二の内部ピストン本体(7.1)の移動によって開口され、そして第一のチャンバー(8)を第二のチャンバー(9)に連結することを特徴とする、上記シリンダー−ピストンユニット。
【請求項9】
無針の使い捨て注射器用のシリンダー−ピストンユニット(1)を充填する方法であって、少なくとも以下:
−第二のチャンバー(9)を注射液(4)の第一の成分(14)で充填する工程であって、ここで第一の成分(14)の容積が第二のチャンバー(9)の容積より小さい、該工程;
−圧縮され、空気が逃げることを可能にする第二のピストン(7)を、第二のチャンバー(9)を密閉するために、第一のチャンバー(8)が環状面(18)と接触されるまで第一のチャンバー(8)内に挿入する工程であって、ここで第二のチャンバー(9)は気体クッション(31)を含有する、該工程;
−第二のピストン(7)の上方の第一のチャンバー(8)を溶剤(19)、例えば水、又は第二の成分(15)で充填する工程;
−第一の圧縮されたピストン(10)を第一のチャンバー(8)内に挿入し、そして第一のチャンバー(8)を密閉する工程;
−ピストンスライド(20)によって、凍結乾燥体又は第一の成分(14)、及び溶剤(19)又は第二の成分(15)から注射液(4)を生成させるために、ノズル(16)が上方を向いている状態で第一のピストン(10)を押す工程であって、ここで予め密閉された移動通路(16、36)が第二のチャンバー(9)を環状面(18)に連結し、溶剤(19)又は第二の成分(15)が第二のチャンバー(9)に全て入るまで第二の内部ピストン本体(7.1)が、第二の外側ピストンリング(7.2)中に第二のチャンバー(9)の方向に、第一のチャンバー(8)の陽圧を用いて押され、そして溶解され又は凍結乾燥体若しくは第一の成分(14)と混合されて、完成した注射液(4)を与える、該工程;
−引き続いて、ピストンスライド(20)の助けを借りて、ピストンスライド(20)をねじ、部分ねじ、又はラッチエレメント内にねじ込むことにより、第二の内部ピストン本体(7.1)と一緒に第一の内部ピストン本体(10.1)を押し入れ、気泡(31)をシリンダー−ピストンユニット(1)からスクィーズする工程であって、ここで上方に向いているノズル孔又は出口エレメント(6)、及び外シリンダー(13)又はクロージャーキャップ(11)に固着される膜(26)を通して気泡(31)が第二のチャンバー(9)から外に移動され、そして気体クッション(31)が出現するとき、ノズル孔又は出口エレメント(6)から持ち上がって離れる、該工程;及び
−気体クッションが出現した後、ノズル孔又は出口エレメント(6)を滅菌方式(圧力制御バルブ)で再び密閉する工程;
を含む、上記方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、第一の成分(14)を第二のチャンバー(9)中で凍結乾燥することを特徴とする、上記方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、気体クッション(31)の完全な出現がチェック可能であることを特徴とする、上記方法。

【図1.1】
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【図1.2】
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【図1.2a】
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【図2.1】
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【図2.2】
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【図3.1】
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【図3.2】
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【図4.1】
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【図4.2】
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【図5.1】
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【図5.2】
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【図6.1】
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【図6.2】
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【図7.1】
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【図7.2】
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【図8.1】
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【図8.2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−527913(P2012−527913A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512231(P2012−512231)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002974
【国際公開番号】WO2010/136132
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】