説明

凍結乾燥用保護剤及び生理活性物質の製造方法

【課題】生理活性物質の凍結乾燥時及び保存中に活性の低下を抑制し、かつ吸湿性がなく常温で容易に取り扱うことができる凍結乾燥用保護剤、及び生理活性物質の製造方法を提供する。
【解決手段】生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥させる際に生理活性物質が変質することを防止するための保護剤であって、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類とを含有する凍結乾燥用保護剤、及び凍結乾燥用保護剤の存在下、生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥する生理活性物質の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥用保護剤及び生理活性物質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理活性物質(酵素、組み換えタンパク質、抗体、ペプチド等)は各種研究開発、診断・検査薬、医薬品等として広く利用されている。そして、製造工程中や保存期間中に、生理活性物質の生理活性(力価)が損なわれないことが重要である。
そのため、生理活性物質を製造する際に水分を除いて生理活性の低下を抑える目的で、凍結乾燥工程が行われる。
凍結乾燥工程中や保存期間中に生理活性物質の生理活性(力価)を損なわないために、凍結乾燥用保護剤が使用される。凍結乾燥用保護剤としては、例えば、糖類(マントース、ラフィノース、スクロース、トレハロース)等が知られている。(特許文献1)。
なお、凍結乾燥用保護剤を使用して得られた生理活性物質は、室温で空気中に放置した場合、経時的に吸湿しないことが必要である。吸湿性があると、凍結乾燥物を少量のバイアル等に保存し、使用時に全量使用するような場合では問題にならないが、大容量の容器に保存し使用時に少量ずつ使用する場合、吸湿しないように低温下で行わなければならない等の使用上の制限がある。
【0003】
【特許文献1】特表平8−504784号公報(WO94/14465パンフレット)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の凍結乾燥薬理製剤を用いても、保存期間中に、非耐熱性物質の生理活性が損なわれ、生理活性(力価)が10%程度しか保持されないという問題点がある。
本発明の目的は、生理活性物質の凍結乾燥時及び保存中に活性の低下を抑制し、かつ吸湿性がなく常温で容易に取り扱うことができる凍結乾燥用保護剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の凍結乾燥用保護剤の特徴は、生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥させる際に生理活性物質が変質することを防止するための保護剤であって、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類とを含有する点を要旨とする。
【0006】
また、本発明の生理活性物質の製造方法は、α位のアミノ基が変性されたアミノ酸エステルと糖類とを含有する凍結乾燥用保護剤の存在下、生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥して、生理活性物質を製造する点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の凍結乾燥用保護剤は、生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥する際に、生理活性物質が変質することを防止することができる。そして、得られる生理活性物質は、長期間保存しても、生理活性(力価)がほとんど低下しない。また、得られる生理活性物質は吸湿性が低く、取り扱いが容易である。
従って、本発明の保護剤は、生理活性物質(酵素、組み換えタンパク質、抗体及びペプチド等)を製造する際に極めて有用であり、本発明の製造方法で得られる生理活性物質は、生理活性物質を用いる分野(各種研究開発、診断・検査薬、医薬品、化粧品等)において極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の凍結乾燥用保護剤は、生理活性物質及び水を含む混合物を凍結乾燥して生理活性物質を精製する過程において使用するものであり、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類とを含有する。
【0009】
生理活性物質としては限定されないが、酵素、組み換えタンパク質、抗体、ペプチド等が含まれる。
【0010】
酵素としては、酸化還元酵素(コレステロールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼ等)、加水分解酵素(リゾチーム、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びグルコアミラーゼ等)、異性化酵素(グルコースイソメラーゼ等)、転移酵素(アシルトランスフェラーゼ及びスルホトランスフェラーゼ等)、合成酵素(脂肪酸シンターゼ、リン酸シンターゼ及びクエン酸シンターゼ等)及び脱離酵素(ペクチンリアーゼ等)等が挙げられる。
【0011】
組み換えタンパク質としては、タンパク製剤{骨形成因子(BMP)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1〜12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン及びカルシトニン等}及びワクチン(A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン及びC型肝炎ワクチン等)等が挙げられる。
【0012】
抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体等が挙げられる。
【0013】
ペプチドとしては、特にアミノ酸組成を限定するものではなく、ジペプチド及びトリペプチド等が挙げられる。
【0014】
これらの生理活性物質のうち、生理活性維持の観点から、酵素、組み換えタンパク質、抗体及びペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、さらに好ましくは酵素及び組み換えタンパク質、次にさらに好ましくは酵素、特に好ましくは酸化還元酵素及び加水分解酵素、最も好ましくは酸化還元酵素である。
【0015】
水としては、特に限定されない。水の電気伝導率(μS/cm;25℃)は、安全性の観点から、0.055〜1が好ましく、さらに好ましくは0.056〜0.1、特に好ましくは0.057〜0.08である。このような電気伝導率が小さい水としては、イオン交換水等が使用できる。
【0016】
本発明の凍結乾燥用保護剤の第一の成分はα位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルである。α位のアミノ基を変性することは、実施可能なpH領域が広がる点や、生理活性物質の活性を維持する上で有用である。
α位のアミノ基が変性されたアミノ基としては、アシルアミノ基、アルキルアミノ基等が挙げられ、安全性の観点から、一般式(1)で表されるアシルアミノ基が好ましい。
【0017】
−NHCOR (1)
【0018】
一般式(1)中、Rは水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜21の1価の炭化水素基を表す。
Rとして具体的に、水素原子、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、ヘプタデセニル基及びヘンイコシル基等)、アリール基(フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基及びメチルフェニル基等)が挙げられる。これらのうち、水溶性及び安全性の観点から、メチル基、エチル基、フェニル基及びp−ヒドロキシフェニル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、次にさらに好ましくはメチル基である。
【0019】
アルギニンエステルとしては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、パルミチル、ステアリル、オレイル及びベヘニル等)エステル、アリール(フェニル、メトキシフェニル、ベンジル及びメチルフェニル等)エステル及び多価アルコール(グリセリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール及びトレハロース等)とのモノエステル等が挙げられる。これらのうち、生理活性維持の観点から、アルキルエステル及び多価アルコールエステルが好ましく、さらに好ましくはメチルエステル、エチルエステル及びグリセリンモノエステル、次にさらに好ましくはメチルエステル及びエチルエステル、特に好ましくはエチルエステルである。
【0020】
α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルは、1種のみを使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。安全性の観点から、1種のみを使用することが好ましい。
【0021】
本発明の凍結乾燥用保護剤の第二の成分は糖類である。糖類としては、凍結乾燥用保護剤として公知の糖類であればいずれでも良く、スクロース、トレハロース、マントース、ラクトース、ラフィノース及びグルコース等が挙げられる。このうち、入手しやすさの観点から、スクロース、トレハロース及びラクトースが好ましい。
【0022】
本発明の凍結乾燥用保護剤には、水及び/又は水性溶媒を含んでもよい。水性溶媒としては、緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液及び硼酸緩衝液等)及び水混和性有機溶剤(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシド及びジメチルフォルムアミド等)等が挙げられる。
【0023】
凍結乾燥保護剤中に水及び/又は水性溶媒を含む場合、その含有量(重量%)は、乾燥時間の効率化の観点から、凍結乾燥保護剤の重量を基準として80〜99.9が好ましく、さらに好ましくは90〜99.8、次にさらに好ましくは95〜99.7である。
【0024】
本発明の凍結乾燥用保護剤において、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルの含有量(重量%)は、ハンドリング性の観点から、凍結乾燥用保護剤の重量を基準として、0.01〜30が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15が好ましく、次にさらに好ましくは0.15〜10である。
【0025】
また、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルの含有量(重量%)は、生理活性の維持の観点から、凍結乾燥用水溶液(生理活性物質、水及び凍結乾燥用保護剤の混合溶液)の重量の合計を基準として、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4、次にさらに好ましくは0.15〜3である。
【0026】
本発明の凍結乾燥用保護剤において、糖類の含有量(重量%)は、生理活性の維持の観点から、凍結乾燥用保護剤の重量を基準として、0.1〜70が好ましく、さらに好ましくは0.15〜30で、次にさらに好ましくは0.2〜25である。
【0027】
また、糖類の含有量(重量%)は、ハンドリング性の観点から、凍結乾燥用水溶液(生理活性物質、水及び凍結乾燥用保護剤)の重量の合計を基準として、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.15〜4、次にさらに好ましくは0.2〜3である。
【0028】
本発明の凍結乾燥用保護剤中の、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類との重量比(アルギニンエステルの重量/糖類の重量)は、凍結乾燥における生理活性物質の安定化効果及び得られる生理活性物質の吸湿性の観点から、1/99〜70/30が好ましく、さらに好ましくは5/95〜50/50、最も好ましくは10/90〜30/70である。
【0029】
生理活性物質及び水を含む混合物には水性溶媒を含有してもよい。水性溶媒としては、緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液及び硼酸緩衝液等)及び水混和性有機溶剤(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシド及びジメチルフォルムアミド等)等が挙げられる。
水性溶媒を含む場合の添加量は、生理活性の維持の観点から、生理活性物質及び水を含む混合物と凍結乾燥用保護剤を合わせた100重量部に対して0〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量部である。
【0030】
本発明の凍結乾燥用保護剤は、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類、並びに必要により水及び水性溶媒とを均一混合することにより容易に得られる。
α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類、並びに必要により水及び水性溶媒とを均一混合する方法としては、特に限定されないが、容易かつ短時間で均一に混合できるという観点等から、アルギニンエステルと水を混合し、必要により水性溶媒を混合した後、糖類を混合する方法が好ましい。このとき、糖類が水溶液であると、さらに混合性が優れる。
均一混合する際の温度及び時間には制限はなく、製造する規模や設備等に応じて適宜決めることができ、例えば、製造規模が数kg程度の場合、5〜40℃で0.1〜5時間程度が好ましい。
【0031】
混合装置としては、撹拌機又は分散機等が使用できる。
撹拌機としては、メカニカルスターラー及びマグネチックスターラー等が含まれる。
分散機としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル及びビーズミル等が含まれる。
【0032】
本発明の凍結乾燥用保護剤は、生理活性物質及び水を含む混合物を凍結乾燥する際に使用するものであり、公知{特表平8−504784号公報(WO94/14465パンフレット)等}の凍結乾燥において、公知の凍結乾燥用保護剤に代えて使用する方法等で使用できる。
【0033】
本発明の別の実施態様は、上記の凍結乾燥用保護剤を用いて、生理活性物質及び水を含む混合物を凍結乾燥する生理活性物質の製造方法である。
【0034】
本発明の生理活性物質の製造方法において、凍結乾燥用保護剤の使用量(重量%)は、生理活性物質の重量に基づいて、1〜1,000が好ましく、さらに好ましくは10〜500、次に好ましくは30〜300、特に好ましくは60〜100、最も好ましくは64〜81である。この範囲であると、生理活性(力価)の保持率がさらに良好となる。
【0035】
本発明の凍結乾燥用保護剤と、生理活性物質及び水を含む混合物とは、凍結乾燥する直前に均一混合してもよいし、それより前の工程で均一混合してもよい。
【0036】
凍結乾燥の条件(温度、減圧度等)は制限がないが、公知{特表平8−504784号公報(WO94/14465パンフレット)等記載}の方法が利用できる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部を意味する。
【0038】
<製造例1>
N−α−アセチルアルギニン(エムピーバイオジャパン社製)12.6部(0.05モル部)、メタンスルホン酸1部及びエタノール92部(2モル部)を均一混合し、80℃で5時間加熱撹拌し、エバポレーターで濃縮後、水から再結晶し、減圧乾燥(60℃、20Pa)して、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)を得た。
【0039】
<製造例2>
製造例1において、エタノール92部(2モル部)をメタノール64部(2モル部)に変更する以外は製造例1と同様におこない、{N−α−アセチルアルギニンメチルエステル}(2)を得た。
【0040】
<製造例3>
製造例1において、エタノール92部(2モル部)をグリセリン184部(2モル部)に変更する以外は製造例1と同様におこない、{N−α−アセチルアルギニンモノグリセリンエステル}(3)を得た。
【0041】
<製造例4>
アルギニンエチルエステル(和光純薬工業製)20部(0.1モル部)、p−ヒドロキシ安息香酸69部(0.5モル部)、エタノール184部(4モル部)を均一溶解させ、80℃で5時間還流し、エバポレーターで濃縮後、水から再結晶し、減圧乾燥(60℃、20Pa)して、{N−α−p−ヒドロキシベンゾイルアルギニンエチルエステル}(4)を得た。
【0042】
[酵素の凍結乾燥保存]
<実施例1>
リゾチーム(和光純薬工業製、力価20,000units/mg)50mgをイオン交換水5gに溶解させリゾチーム水溶液を得た。製造例1で得た{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)を30mgをイオン交換水5gに溶解させ、さらにスクロース120mgを加え溶解させた凍結乾燥用保護剤に、リゾチーム水溶液5gを混合して凍結乾燥用水溶液を調製した。この水溶液を容積20mLの密栓付きガラス瓶に移し、このガラス瓶を凍結乾燥機(アルバック製DF−01H)内に移し、−40℃で3時間凍結させた。その後、常温で減圧下(13.3Pa)、30時間かけて凍結乾燥して、乾燥体を得た。引き続き、乾燥体を、五酸化リンが入ったデシケーター内で20℃で3日間保存して、凍結乾燥リゾチーム(R−1)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0043】
<実施例2>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の添加量30mgを500mgに変更し、スクロースの添加量120mgを300mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−2)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:5重量%、糖類の濃度:3重量%、濃度比:63/37)
【0044】
<実施例3>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の添加量30mgを1mgに変更し、スクロースの添加量120mgを20mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−3)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.01重量%、糖類の濃度:0.2重量%、濃度比:5/95)
【0045】
<実施例4>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の添加量30mgを40mgに変更し、スクロースの添加量120mgを500mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−4)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.4重量%、糖類の濃度:5重量%、濃度比:7/93)
【0046】
<実施例5>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の添加量30mgを20mgに変更し、スクロースの添加量120mgを10mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−5)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.2重量%、糖類の濃度:0.1重量%、濃度比:67/33)
【0047】
<実施例6>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}の添加量30mgを1mgに変更し、スクロースの添加量120mgを99mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−6)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.01重量%、糖類の濃度:0.99重量%、濃度比:1/99)
【0048】
<実施例7>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}の添加量30mgを70mgに変更し、スクロースの添加量120mgを30mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−7)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.7重量%、糖類の濃度:0.3重量%、濃度比:70/30)
【0049】
<実施例8>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の代わりに、{N−α−ベンゾイルアルギニンエチルエステル}(エムピーバイオジャパン社製)30mgを使用する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−8)を得た。(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0050】
<実施例9>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の代わりに、製造例2で得た{N−α−アセチルアルギニンメチルエステル}(2)を30mg使用する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−9)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0051】
<実施例10>
実施例1において、スクロースをトレハロース120mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−10)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0052】
<実施例11>
実施例1において、スクロースをラクトース120mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−11)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0053】
<実施例12>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の代わりに、{N−α−アセチルアルギニンモノグリセリンエステル}(3)30mgを使用する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−12)を得た。(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0054】
<実施例13>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}(1)の代わりに、{N−α−p−ヒドロキシベンゾイルアルギニンエチルエステル}(4)を使用する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥リゾチーム(R−13)を得た。(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0055】
<実施例14>
実施例1において、リゾチームをコレステロールオキシダーゼ(和光純薬工業製、力価20,000units/mg)50mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ(R−14)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0056】
[組み換えタンパク質の凍結乾燥保存]
<実施例15>
実施例1において、リゾチームを組み換え型ヒト骨形成因子BMP−2(R&D社製、大腸菌由来)50mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥BMP−2(R−15)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0057】
[抗体の凍結乾燥保存]
<実施例16>
実施例1において、リゾチームを抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(CryJ1 mAb 026抗体:生化学工業社製)50mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(R−16)を得た。
(凍結乾燥用水溶液中のアルギニンエステルの濃度:0.3重量%、糖類の濃度:1.2重量%、濃度比:20/80)
【0058】
<比較例1>
実施例1において、{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}を加えないこと以外は実施例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥リゾチーム(HR−1)を得た。
【0059】
<比較例2>
{N−α−アセチルアルギニンエチルエステル}を加えず、スクロースをトレハロース120mgに変更する以外は実施例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥リゾチーム(HR−2)を得た。
【0060】
<比較例3>
スクロースを加えないこと以外は実施例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥リゾチーム(HR−3)を得た。
【0061】
<比較例4>
リゾチームをコレステロールオキシターゼ50mgに変更する以外は比較例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥コレステロールオキシターゼ(HR−4)を得た。
【0062】
<比較例5>
リゾチームをコレステロールオキシターゼ50mgに変更する以外は比較例3と同様に行い、比較用の凍結乾燥コレステロールオキシターゼ(HR−5)を得た。
【0063】
<比較例6>
リゾチームを組み換え型ヒト骨形成因子BMP−2(R&D社製、大腸菌由来)50mgに変更する以外は比較例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥コレステロールオキシターゼ(HR−6)を得た。
【0064】
<比較例7>
リゾチームを組み換え型ヒト骨形成因子BMP−2(R&D社製、大腸菌由来)50mgに変更する以外は比較例3と同様に行い、比較用の凍結乾燥コレステロールオキシターゼ(HR−7)を得た。
【0065】
<比較例8>
リゾチームを抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(生化学工業社製)50mgに変更する以外は比較例1と同様に行い、比較用の凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(HR−8)を得た。
【0066】
<比較例9>
リゾチームを抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(生化学工業社製)50mgに変更する以外は比較例3と同様に行い、比較用の凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(HR−9)を得た。
【0067】
実施例及び比較例で得た凍結乾燥リゾチーム(R−1)〜(R−13)、(HR−1)〜(HR−3)、実施例及び比較例で得た凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ(R−14)、(HR−4)〜(HR−5)、実施例及び比較例で得た凍結乾燥BMP−2(R−15)、(HR−6)〜(HR−7)、及び実施例及び比較例で得た凍結乾燥抗ヒト血液型A分泌型モノクローナル抗体(R−16)、(HR−8)〜(HR−9)について、吸湿性を評価し表1及び表2にまとめた。また、凍結乾燥直後の酵素活性(力価)保持率及び25℃で6ヶ月間保存した場合の酵素活性(力価)保持率を測定し、合わせて表1及び表2にまとめた。
【0068】
<吸湿性の評価>
測定試料(凍結乾燥リゾチーム、凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ、凍結乾燥BMP−2又は凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体)50mgをスクリュー管に取り、20℃で開栓したまま2週間放置した。その後、微量水分測定装置(平沼産業株式会社製、AQ−300)で測定試料中の水分をそれぞれ2回測定し、平均値を算出した。
【0069】
吸湿性の評価は下記の通り行った。
◎:水分が3重量%未満
○:水分が3重量%以上5重量%未満
×:水分が5重量%以上
【0070】
<凍結乾燥リゾチームの酵素活性(力価)保持率の測定>
測定試料(凍結乾燥リゾチーム)16mgを、5gのイオン交換水に溶解させた後、この水溶液10μLを、30℃の0.4%枯草菌懸濁液(20%枯草菌懸濁液1ml、イオン交換水46.5mL及び1モル/Lリン酸カリウム水溶液2.5mLを均一混合したもの)3mLに加えて、測定液を得た。
直ちに、この測定液について、30℃で、分光光度計(島津製作所製、UV−2550)で450nmにおける吸光度(A0)を測定し、さらに30℃で5分間放置後にもう一度、30℃で吸光度(A5)を測定し、これらの差(A5−A0)(ΔA)を算出した。
【0071】
一方、測定試料(凍結乾燥リゾチーム)をリゾチーム(和光純薬工業製、力価20,000units/mg)に変更したこと以外、上記と同様にして、吸光度の差(A5−A0)(ΔAb)を算出し、次式から酵素活性保持率を算出した。
【0072】
酵素活性保持率(%)=(ΔA/ΔAb) ×100
【0073】
<凍結乾燥コレステロールオキシダーゼの酵素活性(力価)保持率の測定>
測定試料(凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ)16mgを、5gのイオン交換水に溶解させて、酵素水溶液を調製した。
一方、コール酸ナトリウム78mg(0.18ミリモル、60ミリモル/L)、ノニルフェノールエチレンオキシド付加物{ユニオンカーバイドアンドプラスチック社製、商品名:トライトンX−100}9mg(0.3重量%)、アミノアンチピリン0.85mg(0.004ミリモル、1.4ミリモル/L)、フェノール5.9mg(0.063ミリモル、21ミリモル/L)、ペルオキシダーゼ{東洋紡社製}15units(5units/ml)、コレステロール1.0mg(0.0027ミリモル、0.9ミリモル/L)及び50ミリモル/Lのリン酸緩衝液(pH7.0)3mLを均一混合して、基質溶液を調製した。なお、カッコ内に記載した濃度は、リン酸緩衝液に対する濃度を表す。
【0074】
ついで、酵素水溶液10μLを基質溶液3mLに加えて、測定液を得た。直ちに、この測定液について、30℃で、分光光度計(島津製作所製、UV−2550)で500nmにおける吸光度(B0)を測定し、さらに30℃で5分間放置後にもう一度、30℃で吸光度(B5)を測定し、これらの差(B5−B0)(ΔB)を算出した。
【0075】
一方、測定試料(凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ)をコレステロールオキシダーゼ(和光純薬工業製、力価20,000units/mg)に変更したこと以外、上記と同様にして、吸光度の差(B5−B0)(ΔBb)を算出し、次式から酵素活性保持率を算出した。
【0076】
酵素活性保持率(%)=(ΔB/ΔBb) ×100
【0077】
<凍結乾燥BMP−2の活性(力価)保持率の測定>
BMP−2の活性測定は公知の方法(Biochem.Biophys.Res.Commun.172(1990)295−299)と同様に下記の通り行った。
C2C12細胞(ATCC品)を2ミリモル/Lのグルタミン、1ミリモル/Lのピルビン酸ナトリウム、10重量%ウシ胎児血清を含むMEM培地(インビトロジェン社製)中で37℃、10重量%二酸化炭素条件下培養した。24穴プレートに1×105個のC2C12細胞を含む培地を注ぎ培養し、37℃、24時間後に凍結乾燥BMP−2を含む新しい前述の培地(凍結乾燥BMP−2の濃度:0.001重量%)で培地交換した。4日後、タンパク抽出用溶液(0.1モル/Lのグリセロール、pH9.6、1重量%のNP−40、1ミリモル/Lの塩化マグネシウム、1ミリモルの塩化亜鉛を含む)0.2mLをプレートに加え1時間静置した。静置後プレート上のタンパク抽出液50μLを0.3ミリモル/Lのp−ニトロフェニルフォスフェート(シグマ社製)をタンパク抽出用溶液に溶解させた溶液150μLに加え、96穴プレートで37℃、放置した。マイクロリーダー(和光純薬工業製、サンライズサーモ)で加えた直後の405nmにおける吸光度(C0)を測定し、さらに37℃で30分間放置後にもう一度、37℃で吸光度(C30)を測定し、これらの差(C30−C0)(ΔC)を算出した。
【0078】
一方、測定試料(凍結乾燥BMP−2)をBMP−2(R&D社製)に変更したこと以外、上記と同様にして、吸光度の差(C30−C0)(ΔCb)を算出し、次式から活性保持率を算出した。
【0079】
活性保持率(%)=(ΔC/ΔCb) ×100
【0080】
<凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体の活性(力価)保持率の測定>
抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体の活性は下記の通りELISA法で測定した。
PBSで1000倍に希釈したスギ花粉アレルゲンCryJ1溶液を96穴マイクロプレートに1穴につき50μLずつ加え、プレートシールで上面をシールし、20℃で2時間静置した。サンプル溶液を除去した後、StartingBlock Blocking Buffers(PIERCE社製)でウェルを処理し、0.05重量%Tween−20を含むPBS(PBS−Tween)で10μg/mLとなるように希釈した凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体溶液を50μl加え、20℃で4時間静置した。次に、西洋わさびペルオキシターゼ標識抗マウスIgG抗体をPBS−Tweenで1,000倍の濃度に希釈し、プレートに1穴につき50μLずつ加えた。プレートシールで上面をシールし、室温で4時間静置した。抗体をプレートから除去し、PBS−Tweenで洗浄した後、フェニレンジアミン溶液を1穴につき200μLずつ加え、20分間静置した。2N硫酸を1穴につき100μLずつ加え、直後の492nmの吸光度(D0)を測定し、さらに20℃で20分間放置後にもう一度、20℃で吸光度(D20)を測定し、これらの差(D20−D0)(ΔD)を算出した。
【0081】
一方、測定試料(凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体)を抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体に変更したこと以外、上記と同様にして、吸光度の差(D20−D0)(ΔDb)を算出し、次式から活性保持率を算出した。
【0082】
活性保持率(%)=(ΔD/ΔDb) ×100
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
表1及び表2から、比較の凍結乾燥リゾチーム(HR−1)、(HR−2)、比較の凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ(HR−4)、比較の凍結乾燥BMP(HR−6)及び比較の凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(HR−8)は、凍結乾燥後の酵素活性又は力価の保持率が低い。さらに全ての比較の凍結乾燥リゾチーム、比較の凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ、比較の凍結乾燥BMP及び比較の凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体は経時的に酵素活性が低下することがわかる。一方、本発明の凍結乾燥用保護剤を用いて得られたものは、凍結乾燥後の酵素活性又は力価の保持率が高く、経時的な酵素活性又は力価の低下も抑えられている。
また、本発明の凍結乾燥用保護剤を使用した凍結乾燥酵素、凍結乾燥組み換えタンパク質及び凍結乾燥抗体は吸湿性が低いことがわかる。一方、比較の凍結乾燥リゾチーム(HR−3)、比較の凍結乾燥コレステロールオキシダーゼ(HR−5)、比較の凍結乾燥BMP(HR−7)及び比較の凍結乾燥抗スギ花粉アレルゲンモノクローナル抗体(HR−9)は吸湿性が高い。
すなわち、本発明の凍結乾燥用保護剤を用いて得られたものは、凍結乾燥後の酵素活性又は力価の保持率が高く、経時的な酵素活性又は力価の低下も抑えられ、さらに、吸湿性が低い。これら全てを満足するものは、比較の凍結乾燥用保護剤を用いて得られたものには、無いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の凍結乾燥用保護剤は、タンパク質などの生理活性物質を凍結乾燥する過程において使用できる。生理活性物質としては、酵素、組み換えタンパク質、抗体、ペプチド及びコラーゲン等のタンパク質、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等の多糖類、アミノ酸、核酸、抗生物質及びビタミン類が挙げられる。また、本発明の生理活性物質の製造方法は、凍結乾燥時に生理活性物質を変性することなく、かつ保存期間中に生理活性が低下しない。さらに凍結乾燥物は吸湿性が非常に少ないので、特に食品、医薬品、化粧品及び生化学の分野において有効に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥させる際に生理活性物質が変質することを防止するための保護剤であって、α位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類とを含有する凍結乾燥用保護剤。
【請求項2】
生理活性物質が、酵素、組み換えタンパク質、抗体及びペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の凍結乾燥用保護剤。
【請求項3】
変性されたアミノ基が、一般式(1)で表されるアシルアミノ基である請求項1又は2に記載の凍結乾燥用保護剤。
−NHCOR (1)
[Rは水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜21の1価の炭化水素基を表す。]
【請求項4】
糖類がスクロース、トレハロース及びラクトースからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の凍結乾燥用保護剤。
【請求項5】
凍結乾燥用保護剤中のα位のアミノ基が変性されたアルギニンエステルと糖類の重量比(アルギニンエステルの重量/糖類の重量)が1/99〜70/30である請求項1〜4のいずれかに記載の凍結乾燥用保護剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の凍結乾燥用保護剤の存在下、生理活性物質及び水を含んでなる混合物を凍結乾燥して、生理活性物質を製造する生理活性物質の製造方法。

【公開番号】特開2009−203223(P2009−203223A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333032(P2008−333032)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】