説明

凍結管ユニットおよび凍結装置、ならびに凍結管ユニットを用いた凍結工法

【課題】
周囲地盤への影響を低減し、安全かつ低コストにて地下構造物の補強・改修等の工事を行うようにする。
【解決手段】
地下構造物3の外側の地盤2を凍結する場合において、冷媒の注入口および排出口を有する凍結管10を複数連結して成り、1つの凍結管10の上記注入口から注入された冷媒が複数の凍結管10を通って、別の凍結管10の排出口から排出される構造を有する凍結管ユニット22を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒を流す凍結管ユニットおよびその凍結管ユニットを含む凍結装置、ならびに凍結管ユニットを用いた凍結工法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンホール等の既設小規模地下構造物を削孔または開口して補強あるいは改修を行う工事では、当該地下構造物の周囲の地盤から当該地下構造物内に水が流入し、あるいは当該周囲の地盤が崩壊するのを有効に防止する必要がある。かかる要請に応えることのできる地盤改良工法の一つに、薬液注入工法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
薬液注入工法は、水ガラス系の薬液(主剤)に硬化剤および助剤を加えた液状物を、地下構造物の周囲の地盤に注入し当該地盤を硬化させることで、当該地盤の透水性の低減と地盤強化を図る工法である。
【0004】
また、別の地盤改良工法として、凍結工法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。凍結工法は、硬化させたい地盤を掘削して孔を形成し、その孔に冷媒を注入する凍結管を地中に埋設する工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-311637号公報(要約書等)
【特許文献2】特開2004−176447号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の薬液注入工法および凍結工法の場合、周辺地盤の土質を把握する必要があり、そのための調査に費用がかかる。加えて、地盤に薬液や冷媒を注入するために地上からのボーリングを必要とするため、工事の費用が高くなる。このため、実際には、工事費低減のため、周囲の地盤からの浸水あるいは地盤の崩壊が生じてから、対処療法的に薬液注入することが少なくない。このような対処療法は、工事の危険性を高くするという問題がある。特に、薬液注入工法の場合には周囲地盤へ与える悪影響が懸念され、その対応を含め、工事費が高くなる。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、周囲の地盤への影響を低減し、安全かつ低コストにて地下構造物の補強・改修等の工事を行うようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の凍結管ユニットは、冷媒の注入口および排出口を有する凍結管を複数連結して成り、1つの凍結管の上記注入口から注入された冷媒が複数の凍結管を通って、別の凍結管の排出口から排出される構造を有する。
【0009】
また、別の本発明の凍結管ユニットは、地下構造物の内側面に沿うように2以上の凍結管を配列させて成り、その内側面に2以上の凍結管を固定する枠形状若しくは枠体の一部を成す割片状の固定部材を、さらに備えている。
【0010】
また、別の本発明の凍結管ユニットは、さらに、地下構造物の内側面からその外側の地盤に挿入し、冷媒を供給可能な埋設型凍結管を1つまたは複数備えている。
【0011】
また、本発明の凍結装置は、冷媒の注入口および排出口を有する凍結管を複数連結して成り、1つの凍結管の注入口から注入された冷媒が1または複数の凍結管を通って、別の凍結管の排出口から排出される構造を有する凍結管ユニットを含み、冷媒が流れる凍結管表面に配置される(例えば、マンホール内面側の凍結管表面に配置される)温度センサと、冷媒の供給経路に備えられるバルブと、温度センサによって検知される温度の情報に基づいてバルブの開閉動作を制御する制御装置とを備え、制御装置は、上記温度が予め設定した所定値より小さい場合にバルブを閉じ、温度がその所定値以上の場合にバルブを開くようにバルブの動作を制御する。
【0012】
ここで、バルブの開閉動作は、バルブを完全に開きあるいは閉じる場合のみならず、バルブの開く度合いを変化させ冷媒の流量を調整するようにし、完全にバルブ開けたりあるいは閉じたりしない場合をも含むように広義に解釈されるものとする。以後、バルブの開閉動作についての制御も同様とする。
【0013】
また、本発明の凍結工法は、冷媒の注入口および排出口を有する複数の凍結管を連結して、地下構造物の内側面に沿うように配列し、1つの凍結管の注入口から冷媒を供給し、別の凍結管の排出口から冷媒を排出させ、複数の凍結管を流れる冷媒によって、凍結管の外壁、地下構造物の内側面を介してその外側の地盤との間で熱交換を生じせしめ、地下構造物の外側の地盤を凍結させる。
【0014】
また、別の本発明の凍結工法は、複数の凍結管を地下構造物の内側面に沿うように配列する工程において、凍結管と内側面との隙間に、間詰部材を介在させる。
【0015】
また、別の本発明の凍結工法は、地下構造物を通過する排水管を有する場合において、排水管の上流側および下流側にそれぞれ止水プラグを配置し、2つの止水プラグを貫通する仮配管を設置し、凍結管を、仮配管を避けるように配置する。
【0016】
また、別の本発明の凍結工法は、冷媒が流れる凍結管表面に配置される(例えば、マンホール内面側の凍結管表面に配置される)温度センサによって検知される温度の情報に基づいて、冷媒の供給経路に備えられるバルブの開閉動作を制御する制御方式を有し、上記温度が予め設定した所定値より小さい場合にバルブを閉じるようにし、温度が所定値以上の場合にバルブを開くように、バルブの動作を制御する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、周囲の地盤への影響を低減し、安全かつ低コストにて地下構造物の補強・改修等の工事を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る凍結装置を地下構造物の内側にセッティングして当該地下構造物周辺の地盤を凍結する状況を説明するための全体構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る凍結装置をマンホールの内側に固定した状態を、マンホールの開口部側(地表側)から見たときの図およびその一部拡大図である。
【図3】図3は、凍結管の内部構造を示す断面図である。
【図4】図4は、凍結装置の一部構成である固定金具をマンホール内部に運ぶ様子を示す図である。
【図5】図5は、半割り形状の固定金具を接合した状態の固定金具を示す図である。
【図6】図6は、固定金具にて各凍結管をマンホールの内側面に固定する状況を示す斜視図である。
【図7】図7は、マンホールの内側を左右に仮想展開して、当該内側に固定した凍結管を左右方向に並べた状態を示す図である。
【図8】図8は、凍結装置の一部を構成する制御装置と、液体窒素の供給経路にあるバルブおよび凍結管表面に設置される熱電対の信号に基づきバルブの開閉動作を制御する方法を説明するための模式図である。
【図9】図9は、本発明に係る凍結装置の変形例を示す全体構成図(9A)およびその一部を矢印Aの方向から見たときの状態を示す簡略図(9B)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。以下、地下に埋設されたマンホール(地下構造物の一例)の内側に凍結装置を固定し、そのマンホールの外側周辺の地盤を凍結する例により、本発明の実施の形態に係る凍結管ユニット、その凍結管ユニットを含む凍結装置、ならびにその凍結装置を用いた凍結方法について説明する。ただし、地下構造物は、マンホールに限定されるものではなく、地下にその一部を埋設している構造物であれば、その形態を問わない。
【0020】
1.全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係る凍結装置を地下構造物の内側にセッティングして当該地下構造物周辺の地盤を凍結する状況を説明するための全体構成図である。
【0021】
地表1から下方に埋設されたマンホール3の補強あるいは改修等の工事を行うためには、マンホール3の外側周辺に存在する地盤2からマンホール3内への浸水およびそれに伴う地盤2の崩壊を有効に防止する必要がある。本発明の実施の形態に係る凍結装置は、その装置の一部を構成する凍結管10をマンホール3の内側に配置し、凍結管10に供給される冷媒により、マンホール3の壁面を通じてその外側の地盤2を凍結させるものである。従来の装置および凍結工法とは、マンホール3の内側から地盤2を冷却する点で大きく異なる。また、マンホール3には、通常、その底部近傍に既設の排水管4が設けられている。この実施の形態では、地盤2の凍結期間中も排水管4を流れる下水等の供用を可能とするため、必要な配管等をマンホール3および排水管4に配置するようにしている。
【0022】
ここで用いられる凍結装置5は、複数の凍結管10を備える。図1において、凍結管10は黒色で描かれている。凍結管10は、マンホール3の底部または底部近傍の位置であってマンホール3の内側に貼り付けられる。ただし、凍結管10を貼り付け以外の方法、例えばマンホール3の内側に固定される固定具に凍結管10をジョイントする等の方法にてマンホール3の内側に凍結管10を固定しても良い。この実施の形態では、凍結管10は、100mm×40mm×1000mmの中空の略直方体形状であるが、かかる寸法および形状に限定されない。
【0023】
地表1には、冷媒の一例である液体窒素を高圧にて封入してある1または複数の液体窒素ボンベ11を配置している。液体窒素ボンベ11は、そのボンベ11に接続される圧力調整器、バルブ12、配管13、その配管13から複数に分岐するフレキシブルチューブ14を順に経由して、複数の凍結管10の内の一部の凍結管10に接続されている。また、凍結管10の一部にはフレキシブルチューブ15が接続され、フレキシブルチューブ15を地表1まで延ばしている。なお、液体窒素以外に、液体空気、フロン等の他の冷媒を用いても良い。
【0024】
バルブ12は、後述するように、凍結管10を流れる液体窒素の温度に基づき開閉できるように、電磁バルブとしているが、エアーバルブ等のように他種のバルブであっても良い。配管13またはフレキシブルチューブ14,15は、この実施の形態では、ステンレススチール製のものを採用しているが、その材質に限定されるものではなく、例えば、耐圧性の高い樹脂性のチューブを採用することもできる。
【0025】
凍結管10の一部(この実施の形態では、液体窒素が流れる凍結管10)の表面(マンホール3の内面側)に、温度センサの一例としての熱電対16が挿入されている。熱電対16は、電気ケーブル17を介して、地表1に配置される制御装置19に電気的に接続される。また、制御装置19は、電気ケーブル18を介してバルブ12に接続されている。制御装置19は、熱電対16にて測定された液体窒素の温度情報に基づき、液体窒素の供給が必要な状況ではバルブ12を開ける一方で、その供給が不要な場合にバルブ12を閉じる制御を行うことができる。熱電対16は、この実施の形態では、比較的、高精度および低電気抵抗であるT熱電対(プラス脚に純Cu、マイナス脚にCu−Ni合金(コンスタンチン)を用いた熱電対)である。ただし、熱電対16はT熱電対に限定されるものではなく、例えば、K熱電対、J熱電対、E熱電対、CrAu熱電対、CuAu熱電対等を採用することもできる。また、熱電対16を全ての凍結管10に挿入しても良い。
【0026】
排水管4の管内には、その上流側および下流側にそれぞれ止水プラグ21が配置されている。各止水プラグ21には、下水等の流れる方向に貫通する穴がそれぞれ形成されており、それらの穴同士をつなぐように、仮配管20が設けられる。凍結管10は、仮配管20が凍結管10同士の間あるいは凍結管10の存在しない領域にくるように、マンホール3の内側面に貼り付けられる。このように、止水プラグ21および仮配管20を配置することにより、地盤2の凍結期間中も排水管4を流れる下水等の供用が可能となる。止水プラグ21としては、排水管4および仮配管20との隙間がなるべく無いようにするため、弾性に優れるゴムあるいは樹脂製の栓が好ましいが、ゴム、樹脂以外の材質のものでも良い。また、仮配管20は、金属製、樹脂製等が好ましいが、どのような材質のものでも良い。
【0027】
2.凍結装置の構成
図2は、本発明の実施の形態に係る凍結装置をマンホールの内側に固定した状態を、マンホールの開口部側(地表側)から見たときの図およびその一部拡大図である。
【0028】
凍結装置5は、16本の凍結管10と、凍結管10同士を連結するためのチューブ30と、凍結管10をマンホール3の内側に固定するための固定金具35a,35bとを備える。凍結管10は、その長さ方向(寸法1000mmの方向、紙面の裏方向)を鉛直方向としてマンホール3の内側に固定される。図2では、凍結管10は、その上面をハッチング領域として図示されている。凍結管10は、4本一組として、凍結管ユニット22を構成している。この実施の形態において、凍結管ユニット22中の隣り合う凍結管10同士の距離は、およそ150mmに設定されているが、かかる距離に限定されない。凍結管ユニット22は、液体窒素の注入口および排出口を有する凍結管10を4本連結して成り、1つの凍結管10の注入口から注入された液体窒素が残り3本の凍結管10を通って、最後の凍結管10の排出口から排出される構造を有する。このような構造の4組の凍結管ユニット22がマンホール3の内側に固定されている。各凍結管10は、マンホール3の曲面状の内側面になるべく隙間の無いように貼り付け、マンホール3の外側にある地盤2との熱交換を行いやすくする必要がある。このため、各凍結管10とマンホール3の内側面との間には、間詰部材としてのパテ25が介在するようにしている(図2中の拡大図Aの黒色部分を参照)。パテ25は、液状ポリマー(ポリブテン系など)のように、隙間を埋めるために十分に柔軟で、熱伝導性が高く、耐低温特性を有する材質が好ましい。ただし、パテ25は、凍結装置5にとって必須の構成ではなく、例えば、凍結管の一方の面をマンホール3の内側の曲面に合うような曲面とする場合には、パテ25を使用せず、あるいは使用したとしても極めて薄く介在させることもできる。
【0029】
各凍結管ユニット22は、各4本の凍結管10をチューブ30にて連結した構成を有する。チューブ30は、ステンレススチール製、樹脂製、あるいはその他材質から成る。各凍結管10の上部には、液体窒素の入口と出口が設けられている。例えば、図2の左上の凍結管ユニット22の場合には、左下の凍結管(第一凍結管)10の上方にある入口にフレキシブルチューブ14が接続され、第一凍結管10の下方にある出口からその上方隣にある別の凍結管(第二凍結管)10の上方にある入口までがチューブ30にて接続され、第二凍結管10の下方にある出口からその上方隣にある別の凍結管(第三凍結管)10の上方にある入口までをチューブ30にて接続され、第三凍結管10の下方にある出口からその上方隣にある別の凍結管(第四凍結管)10の右側にある入口までをチューブ30にて接続され、第四凍結管10の左側にある出口にフレキシブルチューブ15が接続されている。図2の左上の凍結管ユニット22の上記連結方法は、図2の右下の凍結管ユニット22にも採用されている。
【0030】
また、図2の右上の凍結管ユニット22の場合には、左上の凍結管(第一凍結管)10の左側にある入口にフレキシブルチューブ14が接続され、第一凍結管10の右側にある出口からその下方隣にある別の凍結管(第二凍結管)10の上方にある入口までがチューブ30にて接続され、第二凍結管10の下方にある出口からその下方隣にある別の凍結管(第三凍結管)10の上方にある入口までをチューブ30にて接続され、第三凍結管10の下方にある出口からその下方隣にある別の凍結管(第四凍結管)10の上方にある入口までをチューブ30にて接続され、第四凍結管10の下方にある出口にフレキシブルチューブ15が接続されている。図2の右上の凍結管ユニット22の上記連結方法は、図2の左下の凍結管ユニット22にも採用されている。
【0031】
上記のように、凍結管ユニット22では2種類の連結方法を採用しているが、1種類の連結方法のみを採用しても良い。また、隣の凍結管10に液体窒素を流す方法ではなく、第一凍結管10から第三凍結管10へ、第三凍結管10から第二凍結管10へ、第二凍結管10から第四凍結管10へというように間をとばすように液体窒素を流しても良い。どのような順番であっても、液体窒素が4本の凍結管10を流れるように連結していれば良い。また、4本の凍結管10で一つの凍結管ユニット22を構成するのではなく、2本、3本あるいは5本以上の凍結管10にて一つの凍結管ユニットを構成するようにしても良い。また、凍結管ユニットを構成する凍結管10の本数を1種類ではなく、複数種類にしても良い。その場合、例えば、2本の凍結管10からなる凍結管ユニットと3本の凍結管10からなる凍結管ユニットをマンホール3の内側面に貼り付けるようにすることもできる。
【0032】
凍結装置5は、マンホール3の内側面に向かって16本の凍結管10を固定する枠体の一部を成す割片状の固定部材としての固定金具35a,35bを備えている。固定金具35a,35bは、ともに、略半割り状の金具である。固定金具35aは、図2中の左側の8本の凍結管10をマンホール3の内側面に固定するものである。固定金具35bは、図2中の右側の8本の凍結管10をマンホール3の内側面に固定するものである。固定金具35aと固定金具35bは、その長さ方向の各端部同士を止め具(例えば、ボルト)37および止め具(例えば、ボルト)38によって接続される。固定金具35a,35bには、凍結管10同士の間がマンホール3の内側面に接するあるいは近接するように、凍結管10と接する領域よりも外方向に突出する突出部36を備える。突出部36とマンホール3の内側面との間には、パテ25を介在させるようにしても良い。固定金具35a,35bと各凍結管10とは、図2中の拡大図に示すように、ボルト39にて締めて固定するようにしている。固定金具35a,35bの各凍結管10と接する内側部分には、各凍結管10側に貫通するねじ穴が形成されており、そのねじ穴にボルト39をねじ込むことにより、固定金具35a,35bと各凍結管10を強く接合できる。なお、固定金具35aおよび固定金具35bは、略半割り状の形状としなくとも良い。例えば、固定金具35aの形状を中心角が約60度の小さな円弧形状とし、固定金具35bの形状を中心角が約300度の大きな円弧形状としても良い。さらに、割片状の固定金具35a,35bを用いずに、完全な枠形状の固定部材を用いても良い。また、マンホール3ではなく、例えば角型の地下埋設物の場合には、角枠形状の固定金具や、当該角枠形状の固定金具を複数に分割した割片状の固定部材を用いても良い。
【0033】
3.凍結管の構成
図3は、凍結管の内部構造を示す断面図である。
【0034】
凍結管10は、その上方に、液体窒素の入口となる注入口40aと、液体窒素の出口となる排出口40bとを備えている。注入口40aおよび排出口40bは、この実施の形態では、連結管10の上方に突出する円筒であるが、角筒であっても良い。また、凍結管10の注入口と排出口を上方に突出させずに、単なる穴として形成し、あるいは凍結管10の内方に突出するように形成しても良い。
【0035】
凍結管10の内部には、その内部に液体窒素の流路を形成するための内管41が挿入されている。内管41は、凍結管10の内上部からその内底部の近傍まで延出しているが、内底部に接していない。図3の矢印で示すように、注入口40aから入ってきた液体窒素は始めに内管41の中を凍結管10の上方から下方へ流れ、下方から凍結管10の上方に戻り、排出口40bから出るようにする流路を形成するためである。
【0036】
4.凍結装置のセッティング方法
図4は、凍結装置の一部構成である固定金具をマンホール内部に運ぶ様子を示す図である。図5は、半割り形状の固定金具を接合した状態の固定金具を示す図である。
【0037】
固定金具35a,35bは、それぞれ半割り形状の金具であり、互いの端部にあるねじ穴同士を重ねるようにしてボルト37,38で接合することにより、図5に示すような円環状の固定金具35を完成することができる。もし、最初から分割不能の円環状の固定金具を用いると、マンホール3の内部にそれを運ぶことは難しい。しかし、この実施の形態のように、円環状の固定金具35を2つの半割り形状の固定金具35a,35bに分割できるようにすると、半割り形状の固定金具35a,35bをそれぞれロープ45等で結び、マンホール3内を図4の矢印A方向に下ろしていき、マンホール3内に固定金具35a,35bを容易に運ぶことができる。加えて、凍結管10(図4において黒塗りの部分)を固定金具35a,35bにて固定する作業も、容易に遂行することができる。
【0038】
図6は、固定金具にて各凍結管をマンホールの内側面に固定する状況を示す斜視図である。
【0039】
固定金具35は、この実施の形態では、ステンレスまたはスチール製であって、幅100ミリ程度のU型形状の断面を有する金具である。固定金具35は、隣り合う凍結管10の間にてマンホール3の内側面に接するあるいは近接するように外方向に突出する突出部36を複数備えており、突出部36同士の間に形成された凹部に各凍結管10が接するようにして、固定金具35を図6の矢印A方向に押し付けて各凍結管10と固定する。
【0040】
固定の仕方は、前述のように、ボルト39を用いて行う。ボルト39で凍結管10を固定するためのねじ穴は、図6に示すように、凍結管10ごとに1個となるように固定金具35に形成しても良いが、例えば、凍結管ユニット22の両端の凍結管10の位置で固定金具35と固定できるように、固定金具35にねじ穴を形成しても良い。
【0041】
さらに、固定金具35を幅広にし、1本の凍結管10に対して2箇所以上にてボルト等により固定しても良い。また、固定金具35を2以上用意して、各凍結管10を上下方向複数段にて固定金具35にて固定しても良い。
【0042】
図7は、マンホールの内側を左右に仮想展開して、当該内側に固定した凍結管を左右方向に並べた状態を示す図である。
【0043】
前述のように、液体窒素は、凍結管ユニット22の単位で注入・排出される。このため、図7の左側にある2つの凍結管ユニット22を例に挙げると、図7中の矢印で示すように、フレキシブルチューブ14から最左側の凍結管10に注入された液体窒素は、その凍結管10の内部を流れ、チューブ30を経由して右隣の凍結管10に順に流れていき、最右側の凍結管10からフレキシブルチューブ15へと排出される。図7の右側にある2つの凍結管ユニット22についても同様である。
【0044】
各凍結管ユニット22中の1つの凍結管10の外表面には、熱電対16が配置されており、液体窒素が注入された凍結管10の温度を測定できる。また、排水管4に取り付けられた仮配管20が凍結管10と重ならないように、仮配管20の位置を避けるように、凍結管10が配置される。なお、この実施の形態では、凍結管10は、全て同じサイズであるが、上下方向の長さが短い別の凍結管を混在させ、仮配管20の位置に、短い別の凍結管と、凍結管10とを上下方向に隙間をあけて配置し、その隙間に仮配管20が配置されるようにしても良い。
【0045】
5.凍結工法
次に、本発明の実施の形態に係る凍結工法について説明する。
【0046】
この実施の形態に係る凍結工法は、次のような各工程を有する。冷媒の一例である液体窒素を高圧封入した液体窒素ボンベ11および各機器を搬入後(搬入ステップ)、液体窒素ボンベ11と圧力調整器とを接続し、そこにバルブ12を接続し、配管13、フレキシブルチューブ14を順に接続する(冷媒流路の接続ステップ)。また、制御装置19とバルブ12とを電気ケーブル18にて接続すると共に、制御装置19と各熱電対16とを電気ケーブル17にて接続する(制御経路の接続ステップ)。液体窒素の注入口40aおよび排出口40bを有する複数の凍結管10をチューブ30にて連結して、マンホール3の内側面に沿うように配列し(凍結管の配列ステップ)、マンホール3の内側面に、間詰部材であるパテ25を介して凍結管10を貼付すると共に、固定金具35a,35bをマンホール3内に運び、固定金具35a,35bにて凍結管10を固定する(凍結管の固定ステップ)。さらに、固定金具35aおよび固定金具35bを連結する(固定金具の連結ステップ)。凍結管ユニット22の単位で最初に液体窒素を供給する凍結管10の注入口40aにフレキシブルチューブ14を繋ぎ、最後に液体窒素を供給する凍結管10の排出口40bにフレキシブルチューブ15を繋ぐ(凍結管ユニット内のチューブ接続ステップ)。排水管4に止水プラグ21を取り付けて、凍結管10を避けるように、止水プラグ21の貫通穴同士を仮配管20で繋ぐ(仮配管設置ステップ)。
【0047】
なお、上記の仮配管設置ステップは、必須ではなく、省略することもできる。また、冷媒流路の接続ステップ、制御経路の接続ステップ、凍結管の配列ステップ、仮配管設置ステップおよび凍結管ユニット内のチューブ接続ステップは、その順番とせずに、順番を任意に入れ替えることができる。さらに、凍結管の固定ステップと固定金具の連結ステップとを逆順に行っても良い。
【0048】
全ての機器のセッティングを完了した後、バルブ12を開けて、凍結管ユニット22を構成する凍結管10の内の1つの凍結管10の注入口40aから液体窒素を供給し、最後に液体窒素が流れてくる別の凍結管10の排出口40bから液体窒素を排出させる(液体窒素の供給ステップ)。複数の凍結管10を流れる液体窒素によって、凍結管10の外壁、マンホール3の内側面を介して地盤2との間で熱交換を生じせしめ、マンホール3の外側の地盤2を凍結させる(地盤凍結ステップ)。
【0049】
6.冷媒供給の制御方法
この実施の形態では、液体窒素が流れる凍結管10の表面に設置される温度センサの一例である熱電対16によって検知される温度の情報に基づいて、液体窒素の供給経路に備えられるバルブ12の開閉動作を制御する制御方式を有する。この制御方式は。液体窒素が流れる凍結管10の温度が予め設定した所定値より小さい場合にバルブ12を閉じ、温度が上記所定値以上の場合にバルブ12を開くように、バルブ12を制御するものである。この制御方式の実現に必要な構成および制御の内容について、以下、説明する。
【0050】
図8は、凍結装置の一部を構成する制御装置と、液体窒素の供給経路にあるバルブおよび液体窒素が流れる凍結管表面に設置される熱電対の信号に基づきバルブの開閉動作を制御する方法を説明するための模式図である。
【0051】
制御装置19は、熱電対16から信号の入口となるインターフェイス(I/F)51と、キーボード、ポインティングデバイス、タッチ式キー等の入力装置52と、中央処理装置(CPU)53と、メモリの一種であるROM54と、メモリの一種であるRAM55と、ハードディスクドライブ(HDD)56と、バルブ12への信号の供給口となるインターフェイス(I/F)57と、ディスプレイ58とを備える。ただし、入力装置52、HDD56あるいはディスプレイ58の少なくとも1つは備えていなくても良い。
【0052】
CPU53は、各種演算処理を行うと共に各種制御も行う部分である。ROM54は、マスクROM、プログラマブルROM(PROM)を含む。RAM55は、CPU53の制御プログラム等を記憶しておくメインメモリの他、グラフィックスメモリとして主に使用されるDRAMと、キャッシュメモリとして主に使用されるSRAMとを含む。HDD56は、オペレーション・システム(OS)やアプリケーション用ソフトウェアを記憶する部分である。熱電対16にて測定される温度が予め設定した所定値より小さいときにバルブ12を閉じ、温度が予め設定した所定値以上のときにバルブ12を開けるように制御するバルブ制御プログラムは、RAM55あるいはHDD56に格納されている。
【0053】
バルブ12がノーマリーオープン(信号を受信しない場合には常に開いている)型のバルブである場合、CPU53は、熱電対16にてそれぞれ測定された温度を検出し、上記バルブ制御プログラムに基づき予め設定した所定値と比較する。その結果、その温度が所定値より小さい場合には、CPU53は、I/F57を介してバルブ12に信号を送り、バルブ12を閉じる。一方、その温度が所定値以上の場合には、CPU53はバルブ12に信号を送らないので、バルブ12は開いたままである。
【0054】
また、バルブ12がノーマリークローズ(信号を受信しない場合には常に閉じている)型のバルブである場合、CPU53は、電気ケーブル17を介して熱電対16にてそれぞれ測定された温度を検出し、上記バルブ制御プログラムに基づき予め設定した所定値と比較する。その結果、その温度が所定値より小さい場合には、CPU53は、バルブ12に信号を送らないので、バルブ12は閉じたままとする。一方、その温度が所定値以上の場合には、CPU53は、I/F57を介してバルブ12に信号を送り、バルブ12を開く。
【0055】
バルブ12の開閉動作を制御する制御方式は、温度が所定値より小さい場合あるいは所定値以上の場合のいずれの場合にバルブ12に向けて信号を送るものでも良い。温度が所定値より小さい場合には、地盤2との間で熱交換があまり行われていないことを意味する。そのような場合には、地盤2が十分に凍結しており、液体窒素を多く供給する必要性が低い。したがって、無駄な液体窒素の供給を防止すべく、バルブ12は閉じた状態となる。一方、温度が所定値以上の場合には、地盤2との間の熱交換が活発に行われていることを意味する。そのような場合には、地盤2が凍結途上にあり、液体窒素を継続的に供給する必要性が高い。したがって、液体窒素の供給を継続すべく、バルブ12は開いた状態になる。
【0056】
所定温度は、4つの凍結管ユニット22において測定された温度の平均値と比較するのが好ましい。ただし、いずれかの凍結管ユニット22において測定された温度と所定温度とを比較し、少なくとも1つの温度が所定温度より小さくなったときに、バルブ12を閉じるようにすることもできる。また、2つまたは3つの温度が所定温度より小さくなったときに、バルブ12を閉じるようにすることもできる。さらに、4つの凍結管ユニット22において測定された全ての温度が所定温度より小さくなったときに、バルブ12を閉じるようにすることもできる。
【0057】
また、上記制御方式は、バルブ12の開閉の制御であるが、バルブ12の開状態を調整するようにして、バルブ12を完全に閉じないようにしても良い。また、1または2以上の凍結管10における液体窒素の注入側に近い箇所と排出側に近い箇所にそれぞれ熱電対を配置し、制御装置19による制御を、各熱電対にて測定された温度の差が予め決めてある温度差より小さい場合にバルブ12を閉じるようにし、当該温度差以上の場合にバルブ12を開くようにしても良い。
【0058】
7.変形例
図9は、本発明に係る凍結装置の変形例を示す全体構成図(9A)およびその一部を矢印Aの方向から見たときの状態を示す簡略図(9B)である。
【0059】
図9に示す凍結装置5が図1に示す凍結装置5と異なる点は、マンホール3の側壁面から地盤2に埋設型凍結管60が挿入されている点である。埋設型凍結管60は、図9にて黒色で描かれている。凍結管ユニット22は、マンホール3の内側面からその外側の地盤2に挿入し、液体窒素を供給可能な埋設型凍結管60を複数備えている。この変形例において、具体的には、埋設型凍結管60は、図9(9B)に示すように、両側の排水管4の周囲に各5本で合計10本、挿入されている。凍結管10と埋設型凍結管60との間あるいは埋設型凍結管60同士は、チューブ61にて接続されている。
【0060】
チューブ61は、液体窒素が凍結管10から全ての埋設型凍結管60に供給されるように接続されている限り、どのような接続の仕方であっても良い。また、埋設型凍結管60は、凍結管10と同様の形態であっても良い。また、埋設型凍結管60は、円筒ではなく角筒でも良い。また捻じ込む場合には、埋設型凍結管60の外面にスクリュー構造を保有していてもいい。さらに、埋設型凍結管60は、マンホール3の側壁からその外側の地盤2に略直角に挿入される他、当該側壁から上方あるいは下方に向かって90度未満の角度で挿入される凍結管であっても良い。また、埋設型凍結管60は、図9(9B)に示すような本数に限定されず、1〜4本あるいは6本以上であっても良い。さらに、埋設型凍結管60は、凍結管10の下方ではなく、上方あるいは中間に配置されていても良い。
【0061】
8.作用
凍結管ユニット22は、液体窒素の注入口40aおよび排出口40bを有する凍結管10を4本連結して成り、1つの凍結管10の注入口40aから注入された液体窒素が残りの凍結管10を通って、最後の凍結管10の排出口40bから排出される構造を有する。このため、このような凍結管ユニット22をマンホール3の内側に配置することにより、容易に、マンホール3の外側の地盤2を凍結させることができる。
【0062】
また、凍結管ユニット22は、各凍結管10の内部に内管41を備え、各凍結管10の内部の内管41によって液体窒素の流路を形成するようにしているので、液体窒素が各凍結管10の内部にいきわたりやすく、地盤2との熱交換を行う有効面積を広くすることができ、凍土を形成しやすい。
【0063】
また、凍結管ユニット22は、マンホール3の内側面に沿うように凍結管10を配列させて成り、その内側面に凍結管10を固定する枠体の一部を成す割片状の固定金具35a,35bを備えている。このため、マンホール3という狭い空間において凍結管10をマンホール3の内側面に設置しやすい。加えて、固定金具35a,35bにて凍結管10をマンホール3の内側面に固定することによって、地盤2と凍結管10との間の熱交換を有効に行わせることができる。
【0064】
また、凍結管ユニット22は、さらに、マンホール3の内側面からその外側の地盤2に挿入し、液体窒素を供給可能な埋設型凍結管60を備えているので、埋設型凍結管60を挿入した領域及びその周辺の地盤2を、より急速に凍結させることができる。
【0065】
また、凍結装置5は、凍結管ユニット22を含み、液体窒素の流れる凍結管10の表面に配置される熱電対16と、液体窒素の供給経路に備えられるバルブ12と、熱電対16によって検知される温度の情報に基づいてバルブ12の開閉動作を制御する制御装置19とを備え、制御装置19は、その温度が予め設定した所定値より小さい場合にバルブ12を閉じるように、温度がその所定値以上の場合にバルブ12を開くように、バルブ12の動作を制御している。このため、液体窒素の供給を自動的に制御でき、かつできるだけ少ない液体窒素の供給で凍土を形成できる。
【0066】
また、本実施の形態に係る凍結工法は、複数の凍結管10を連結して、マンホール3の内側面に沿うように配列し、1つの凍結管10の注入口40aから液体窒素を供給し、別の凍結管10の排出口40bから液体窒素を排出させ、複数の凍結管10を流れる液体窒素によって、各凍結管10の外壁、マンホール3の内側面を介して地盤2との間で熱交換を生じせしめ、マンホール3の外側の地盤2を凍結させるものである。このような凍結工法を用いることにより、マンホール3、排水管4およびその周辺の地盤2を損傷することなく凍土を形成し、マンホール3内における任意の補強・改修工事が可能となる。加えて、その工事を安全かつ低コストで実現できる。
【0067】
また、この凍結工法は、複数の凍結管10をマンホール3の内側面に沿うように配列する工程において、凍結管10と内側面との隙間にパテ25を介在させているので、当該隙間を生じさせず、凍結管10からマンホール3の側壁を介してその周囲の地盤2との熱交換率をより向上させることができる。特に、パテ25は、流動化しない材料とすることにより、繰り返し使用できる。
【0068】
また、この凍結工法は、排水管4の上流側および下流側にそれぞれ止水プラグ21を配置し、2つの止水プラグ21を貫通する仮配管20を設置し、凍結管10を、仮配管20を避けるように配置している。このため、マンホール3の補強・改修工事中においても、下水を使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、マンホール等の既設小規模地下構造物周辺の地下水位以下の地盤に凍土を造成し、当該既設小規模地下構造物を部分的に削孔又は開口する際の漏水に伴う地盤崩壊を防止するのに利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
2 地盤
3 マンホール(地下構造物の一例)
4 排水管
5 凍結装置
10 凍結管
12 バルブ
16 熱電対(温度センサの一例)
19 制御装置
20 仮配管
21 止水プラグ
22 凍結管ユニット
25 パテ(間詰部材の一例)
35 固定金具(固定部材)
35a 固定金具(割片状の固定部材)
35b 固定金具(割片状の固定部材)
40a 注入口
40b 排出口
41 内管
60 埋設型凍結管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒の注入口および排出口を有する凍結管を複数連結して成り、1つの凍結管の上記注入口から注入された冷媒が複数の上記凍結管を通って、別の凍結管の上記排出口から排出される構造を有することを特徴とする凍結管ユニット。
【請求項2】
地下構造物の内側面に沿うように2以上の前記凍結管を配列させて成り、その内側面に2以上の前記凍結管を固定する枠形状若しくは枠体の一部を成す割片状の固定部材を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の凍結管ユニット。
【請求項3】
さらに、地下構造物の内側面からその外側の地盤に挿入し、冷媒を供給可能な埋設型凍結管を1つまたは複数備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の凍結管ユニット。
【請求項4】
冷媒の注入口および排出口を有する凍結管を複数連結して成り、1つの凍結管の上記注入口から注入された冷媒が1または複数の上記凍結管を通って、別の凍結管の上記排出口から排出される構造を有する凍結管ユニットを含み、
冷媒が流れる凍結管表面に配置される温度センサと、
冷媒の供給経路に備えられるバルブと、
上記温度センサによって検知される温度の情報に基づいて上記バルブの開閉動作を制御する制御装置と、を備え、
上記制御装置は、上記温度が予め設定した所定値より小さい場合に上記バルブを閉じ、上記温度が上記所定値以上の場合に上記バルブを開くように、上記バルブの動作を制御することを特徴とする凍結装置。
【請求項5】
冷媒の注入口および排出口を有する複数の凍結管を連結して、地下構造物の内側面に沿うように配列し、
1つの上記凍結管の上記注入口から冷媒を供給し、別の上記凍結管の上記排出口から冷媒を排出させ、
複数の上記凍結管を流れる冷媒によって、上記凍結管の外壁、上記地下構造物の上記内側面を介してその外側の地盤との間で熱交換を生じせしめ、上記地下構造物の外側の地盤を凍結させることを特徴とする凍結工法。
【請求項6】
前記複数の凍結管を前記地下構造物の内側面に沿うように配列する工程において、前記凍結管と前記内側面との隙間に、間詰部材を介在させることを特徴とする請求項5に記載の凍結工法。
【請求項7】
前記地下構造物を通過する排水管を有する場合において、
上記排水管の上流側および下流側にそれぞれ止水プラグを配置し、
2つの止水プラグを貫通する仮配管を設置し、
前記凍結管を、上記仮配管を避けるように配置することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の凍結工法。
【請求項8】
冷媒が流れる凍結管表面に配置される温度センサによって検知される温度の情報に基づいて、冷媒の供給経路に備えられるバルブの開閉動作を制御する制御方式を有し、
上記温度が予め設定した所定値より小さい場合に上記バルブを閉じ、上記温度が上記所定値以上の場合に上記バルブを開くように、上記バルブの動作を制御することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の凍結工法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−265631(P2010−265631A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116505(P2009−116505)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(397028016)株式会社日水コン (18)
【出願人】(591045965)株式会社精研 (5)
【Fターム(参考)】