説明

処理液塗布装置、及び画像形成装置

【課題】スクイーズローラの回転時に液室の液面が低下することを防止して液面を一定に保ち処理液がスクイーズローラへ安定供給する液面を保つ。
【解決手段】処理液塗布装置200は、記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラ232と、塗布ローラに処理液を供給するスクイーズローラ250と、処理液を保持し前記スクイーズローラに液を供給する液室206とを有している。このスクイーズローラ250は、両端が開口した金属管のローラ部253と、ローラ部に装入され一部でローラ部を支持するシャフト部251とからなり、処理液の塗布動作時にスクイーズローラが回転する方向への回転に伴い前記処理液が前記スクイーズローラ250の内側から外側へ流れ出すように、前記ローラ部の内側にスパイラル状の溝部255を整流部として形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は処理液塗布装置及び画像形成装置に係り、特に記録媒体にインクにじみ防止用の処理液等を塗布する処理液塗布装置、及びこの処理液塗布装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置としては、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式のものが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、インク滴を記録ヘッドから、搬送される用紙に吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行うものである。ここで、用紙は、紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙等とも称される。このような画像形成装置としては、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置とがある。
【0003】
なお、本明細書等において、液体吐出方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
【0004】
また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。また、「画像形成装置」には液体吐出方式のものに限らず、電子写真方式で画像形成を行うものなども含まれるが、以下では液体吐出方式の画像形成装置で説明する。
【0005】
このような液体吐出方式の画像形成装置においては、色材を含むインクを液滴化して画像形成を行うため、液滴で形成されるドットがひげ状に乱れるフェザリング、異なる色のインク滴が隣接して用紙に打たれた場合に、各色が相互に混ざり合って色境界が不鮮明になるカラーブリード等の不具合が生じることがあり、さらに印字後の紙上の液滴が乾くまでに時間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、従来から記録媒体にインクにじみを防止する処理液を塗布することがある。特許文献1には、インクと反応してにじみ防止を促す前処理液を塗布ローラで塗布するものが記載されている
【0007】
また、特許文献2、特許文献3には、前処理液を液体吐出ヘッドからミスト状に吐出させて塗布するものが記載されている。さらに、特許文献4には、処理液を泡にして塗布するものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の処理液塗布装置として、塗布ローラとスクイーズローラとを使用するものがあり、このような処理液塗布装置には次の問題がある。図8は従来の処理液塗布装置においてスクイーズローラが停止した状態を示す模式図、図9は従来の処理液塗布装置においてスクイーズローラが回転している状態を示す模式図である。この処理液塗布装置400は、画像形成装置において処理液401を用紙(図示していない)に塗布するものである。処理液塗布装置400は、処理液401が溜められる液室402と、この液室402内に配置され、回転駆動される円筒形状のスクイーズローラ410と、駆動ローラ430との間で用紙(図示していない)を搬送すると共に、スクイーズローラ410に接触してその周面に処理液層を形成する塗布ローラ420とを備えて構成される。
【0009】
この例において、スクイーズローラ410は、図8(a)に示すように、シャフト部411とローラ部413とを備えて構成されている。シャフト部411は、その中央部に設けられた突部412を有し、この突部412は、ローラ部413の内面に密着するように固定されている。また、スクイーズローラ410は、ベアリング403a、403bにより液室402に支持されている。この処理液塗布装置400では、処理液401の液面401aは、ベアリング403a、403bに処理液401が浸って錆を発生させないよう、ベアリング403aの下側に設定されている。このような状態で、ローラ部413の中心Oと液面401aがローラ部413と接触する個所とを結ぶ面と、ローラ部235の中心Oを通る水平面とがなす角度α(図8(b)参照)は小さいことが望ましい。
【0010】
この処理液塗布装置400において、スクイーズローラ410が回転すると、処理液401は、図9に示すように、ローラ部413の表面ですくいあげられて塗布ローラ420とのニップ部440に溜まるほか、ローラ部413の回転に従ってローラ部413の内側に遠心力で付着して持ち上がる。このため、液室402における液面401aが下がることとなる。すると、ローラ部413は処理液401に充分に浸漬されず、処理液401の汲み上げ量が低下することとなる。なお、この状態で、ローラ部413の中心Oと液面401aがローラ部413と接触する個所とを結ぶ面と、ローラ部413の中心Oを通る水平面とがなす角度β(図9参照)は前記角度αより大きくなっている。
【0011】
このように、従来の処理液塗布装置400では、スクイーズローラ410の回転時に液室402における処理液401の液面401aが下がってしまい、スクイーズローラ410による処理液401の供給量が不足して塗布ムラが発生するという問題がある。
【0012】
本発明は上記のような従来技術の問題点にかんがみてなされたものであり、スクイーズローラの回転時に液室の液面が低下することを防止して液面を一定に保ち、処理液をスクイーズローラに安定供給することができる処理液塗布装置、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決する請求項1の発明は、記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、前記塗布ローラに処理液を供給するスクイーズローラと、処理液を保持し、前記スクイーズローラに液を供給する液室と、を有し、前記スクイーズローラは、両端が開口した金属管のローラ部と、前記ローラ部に装入され一部で前記ローラ部を支持するシャフト部とからなり、塗布動作の際に前記スクイーズローラが回転する方向への回転に伴い前記処理液が前記スクイーズローラの内側から外側へ流れ出すように、前記ローラ部の内側にスパイラル状の整流部を有していることを特徴とする処理液塗布装置である。
【0014】
同じく請求項2の発明は、請求項1に記載の処理液塗布装置において、前記整流部は、前記ローラ部の内壁にスパイラル状に設けられた溝であることを特徴とする。
【0015】
同じく請求項3の発明は、請求項1に記載の処理液塗布装置において、前記整流部は、前記ローラ部の内壁にスパイラル状に設けられた凸部であることを特徴とする。
【0016】
同じく請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の処理液塗布装置において、前記スクイーズローラの停止時における前記液室の液面の高さは、前記ローラ部の内壁の一部が液面より露出する位置に制御されることを特徴とする。
【0017】
同じく請求項5の発明は、請求項1に記載の処理液塗布装置において、前記整流部は、前記シャフト部に設けられたスパイラル状のスクリュー部材であることを特徴とする。
【0018】
同じく請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の処理液塗布装置において、前記シャフト部は、前記ローラ部の回転軸方向の中央位置で前記ローラ部を支持していることを特徴とする。
【0019】
同じく請求項7の発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の処理液塗布装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スクイーズローラの回転時に液室の液面が低下することを防止して液面を一定に保ち、スクイーズローラから塗布ローラへの処理液の供給量を安定したものとでき、ひいては用紙への処理液の塗布を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】実施例1に係る画像形成装置の処理液塗布装置のスクイーズローラの断面図である。
【図3】同じくスクイーズローラのローラ部の詳細な構造を示す断面図である。
【図4】同じく処理液塗布装置の図4中のC−C線断面である。
【図5】同じく処理液塗布装置の図4中のD−D線断面図である。
【図6】実施例2に係る処理液塗布装置のスクイーズローラを示す断面図である。
【図7】実施例3に係る処理液塗布装置のスクイーズローラを示す断面図である。
【図8】従来技術の処理液塗布装置のスクイーズローラが停止した状態を示す模式図である。
【図9】従来技術の処理液塗布装置のスクイーズローラ回転時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る処理液塗布装置は、記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、前記塗布ローラに処理液を供給するスクイーズローラと、処理液を保持し前記スクイーズローラに液を供給する液室とを有している。このスクイーズローラは、両端が開口した金属管のローラ部と、前記ローラ部に装入され一部で前記ローラ部を支持するシャフト部とからなり、塗布動作の際に前記スクイーズローラが回転する方向への回転に伴い前記処理液が前記スクイーズローラの内側から外側へ流れ出すように、前記ローラ部の内側にスパイラル状の溝部を整流部として形成している。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例(以下では単に実施例と記載する)に係る画像形成装置について説明する。以下、実施例としていくつかの例について説明するが、本発明はこれらに限定されず、かつ本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱せずに、数多くの改良、変更、変形、置換をなすこと及び応用例を想到することが当業者には可能であろう。
【0024】
<実施例1>
まず、本発明の実施例1に係る画像形成装置を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。画像形成装置10は、記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段としてのヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送ベルト102と、用紙100を収容する給紙トレイ103と、ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で被塗布部材である用紙100に処理液を塗布する処理液塗布装置200とを備えている。
【0025】
ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成とすることもできる。
【0026】
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラ121とテンションローラ122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102は、用紙100を例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などで保持することができるほか、公知の他の搬送手段を用いることができる。また、ローラ対による搬送手段を用いることもできる。
【0027】
給紙トレイ103に収容された用紙100は、ピックアップローラ131で1枚ずつ分離給紙されて、搬送ローラ対132によってレジストローラ対133に送られる。用紙100はさらにレジストローラ対133から所定のタイミングで搬送ローラ対134によって搬送路135を介して処理液塗布装置200に送られ、処理液塗布装置200で処理液が塗布され、搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
【0028】
そして、用紙100は、搬送ベルト102の周回移動で搬送されてヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後排紙トレイ104に排出される。
【0029】
処理液塗布装置200は、処理液201を収容した変形可能な例えばPETフィルムを袋状にした処理液容器202と、この処理液容器202から供給された処理液201を圧送するポンプ203と、処理液201を記録媒体である用紙100に塗布する塗布部210とを備えて構成される。
【0030】
処理液容器202内の処理液201は、ポンプ203によって吸い上げられ、供給経路204を通って塗布部210内の液室206へと供給され、塗布の準備がなされる。
【0031】
塗布部210は、用紙100を搬送する搬送ローラ234と、搬送ローラ234に対向して用紙100に処理液201を塗布する塗布ローラ232と、塗布ローラ232に処理液201を供給して液膜を薄くするスクイーズローラ250とを有している。スクイーズローラ250は、シャフト部411とローラ部413とを備えて構成されている。ローラ部235は、ステンレスまたはアルミニウム等の金属管で構成される。
【0032】
この処理液塗布装置200では、塗布ローラ232は搬送ローラ234に接し、塗布ローラ232はスクイーズローラ250に接するよう配置されている。また、液室206に溜められた処理液201の液面201aは、スクイーズローラ250の下部を浸漬し、スクイーズローラ250の上部が液面201aから露出するよう制御される。そして、スクイーズローラ250の回転によって搬送ローラ234に供給された処理液201は、塗布ローラ232周面に液膜層として配置されて、この塗布ローラ232の回転によって搬送ローラ234側に移送され、図示しない記録媒体(用紙100)に塗布される。
【0033】
ここで、処理液201は、用紙100の表面に塗布することで用紙100の表面を改質する改質材である。例えば、処理液201は、予め用紙100(前述したように材質としての紙に限定されない。)にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙100に浸透させると共に色成分を増粘させ、さらに乾燥も早めることによってにじみ(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)である。
【0034】
この処理液201は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等をあげることができる。さらに微粒子を含有することもできる。
【0035】
次に、処理液塗布装置200のスクイーズローラ250について説明する。図2は実施例1に係る画像形成装置の処理液塗布装置のスクイーズローラの断面図、図3は同じくスクイーズローラのローラ部の詳細な構造を示す断面図、図4は同じく処理液塗布装置の図4中のC−C線断面、図5は同じく処理液塗布装置の図4中のD−D線断面図である。
【0036】
実施例1では、スクイーズローラ250は、シャフト部251とこのシャフト部251の外周に配置されたローラ部253とで構成されている。シャフト部251は、その中央部にはローラ部253の内周面に接触する突部252が形成され、この突部252でローラ部253に固定される。また、シャフト部251は、その両端がベアリング250a、250bで支持されている。そして、ローラ部253の内側には、処理液を塗布するための回転方向にローラ部253が回転したとき、内部に溜まった処理液201を内側から外側へ搬送して、スクイーズローラ250の外部に排出するスパイラル状の整流部254が形成されている。実施例1では整流部として、図2に示すように、ローラ部253の内周面253aに断面三角形状の溝部255を形成している。この溝部255は、突部252に対して左右対称となるよう形成される。
【0037】
実施例1に係るスクイーズローラ250は、上記構成により、スクイーズローラ250が処理液201の塗布方向に回転すると、スクイーズローラ250の処理液201は、図2中矢印Aに示すように、スクイーズローラ250の内側から外側に向けて搬送されスクイーズローラ250から排出される。これにより、スクイーズローラ250で汲み上げられる処理液の量と、スクイーズローラ250の回転によって内部から外部に押し出される処理液の量とを同じにして処理液201の液面201aをスクイーズローラ250の停止時と回転時とで同じ高さに保つことができる。また、図4及び図5に示すように、スクイーズローラ250の中央部より(図4)と端部(図5)とで、処理液201の液面が同一となり、ローラ部235の中心Oと液面201aがローラ部235と接触個所とを結ぶ面と、ローラ部235の中心を通る水平面とがなす角度γは同じとなる。
【0038】
このため、実施例1では、スクイーズローラ250から塗布ローラ232への処理液の供給量を安定したものとでき、ひいては用紙への処理液の塗布、さらに画像形成を良好に行うことができる。また、実施例1よれば、スクイーズローラ250の内側に溜まった紙粉を外側へ排出することもでき、良好な画像形成に寄与することができる。
【0039】
<実施例2>
次に実施例2に係る処理液塗布装置について説明する。実施例2に係る処理液塗布装置は、スクイーズローラの構成の他は実施例1と同様の構成を備える。図6は実施例2に係る処理液塗布装置のスクイーズローラを示す断面図である。スクイーズローラ260は、シャフト部261と、このシャフト部261の中央に形成された突部262でシャフト部と固定される円筒形状のローラ部263とから構成される。実施例2では、ローラ部263の内周面263aには、整流部として、内側に向けて断面三角形状に形成したスパイラル状の凸部265が形成される。この凸部265は、ローラ部253が回転したとき、内部に溜まった処理液201を内側から外側へ搬送して、スクイーズローラ250の外部に排出するように、前記突部262に対して左右対称に形成される。
【0040】
実施例2に係る処理液塗布装置によれば、実施例1と同様にスクイーズローラ260で汲み上げられる処理液201の量と、スクイーズローラ260の回転によって内部から外部に押し出される処理液201の量とを同じにして処理液の液面を停止時と回転時とで同じ高さに保つことができるほか、スクイーズローラ250の内側に溜まった紙粉を外側へ排出することができ、用紙への処理液の塗布、及び画像形成を良好に行うことができる。
【0041】
<実施例3>
次に実施例3に係る処理液塗布装置について説明する。実施例2に係る処理液塗布装置は、スクイーズローラの構成の他は実施例1と同様の構成を備える。図7は実施例3に係る処理液塗布装置のスクイーズローラを示す断面図である。スクイーズローラ270はシャフト部271と、このシャフト部271の中央に形成された突部272でシャフト部に固定される円筒形状のローラ部273とから構成される。実施例3では、シャフト部271には、別体として構成されたスパイラル状のスクリュー274が配置されている。このスクリュー274は、スクイーズローラ270が処理液を塗布する回転方向に回転したとき、処理液がスクイーズローラ250の内側から外側へ流れ出す形状に構成され、突部273に対して対称に配置される。
【0042】
実施例3に係る処理液塗布装置においても、スクイーズローラ270で汲み上げられる処理液の量と、スクイーズローラ270の回転によって内部から外部に押し出される処理液の量とを同じにして処理液の液面を停止時と回転時とで同じ高さに保つことができるほか、スクイーズローラ270の内側に溜まった紙粉を外側へ排出することができ、用紙への処理液の塗布、及び画像形成を良好に行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
10 画像形成装置
100 用紙
101 ヘッドユニット
101y、101m、101c、101k 記録ヘッド
102 搬送ベルト
103 給紙トレイ
104 後排紙トレイ
121 搬送ローラ
122 テンションローラ
131 ピックアップローラ
132 搬送ローラ対
133 レジストローラ対
134 搬送ローラ対
135 搬送路
200 処理液塗布装置
201 処理液
202 処理液容器
203 ポンプ
204 供給経路
206 液室
210 塗布部
232 塗布ローラ
234 搬送ローラ
250 スクイーズローラ
250a、250b ベアリング
251 シャフト部
252 突部
253 ローラ部
253a 内周面
254 整流部
255 溝部
260 スクイーズローラ
261 シャフト部
262 突部
263 ローラ部
263a 内周面
265 凸部
270 スクイーズローラ
271 シャフト部
272 突部
273 ローラ部
274 スクリュー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2002−137378号公報
【特許文献2】特開2005−138502号公報
【特許文献3】特開2003−205673号公報
【特許文献4】特開2009−012394号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、
前記塗布ローラに処理液を供給するスクイーズローラと、
処理液を保持し、前記スクイーズローラに液を供給する液室と、
を有し、
前記スクイーズローラは、両端が開口した金属管のローラ部と、
前記ローラ部に装入され一部で前記ローラ部を支持するシャフト部とからなり、
塗布動作の際に前記スクイーズローラが回転する方向への回転に伴い前記処理液が前記スクイーズローラの内側から外側へ流れ出すように、前記ローラ部の内側にスパイラル状の整流部を有していることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理液塗布装置において、
前記整流部は、前記ローラ部の内壁にスパイラル状に設けられた溝であることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項3】
請求項1に記載の処理液塗布装置において、
前記整流部は、前記ローラ部の内壁にスパイラル状に設けられた凸部であることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の処理液塗布装置において、
前記スクイーズローラの停止時における前記液室の液面の高さは、前記ローラ部の内壁の一部が液面より露出する位置に制御されることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項5】
請求項1に記載の処理液塗布装置において、
前記整流部は、前記シャフト部に設けられたスパイラル状のスクリュー部材であることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の処理液塗布装置において、
前記シャフト部は、前記ローラ部の回転軸方向の中央位置で前記ローラ部を支持していることを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項7】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の処理液塗布装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−135709(P2012−135709A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288604(P2010−288604)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】