説明

処理装置用の脚、及び脚の位置を測定する方法

処理装置(1)のための脚と該脚の位置を測定する方法であって、該脚は、第1搬送部材(10)を含み、第1搬送部材(10)は、脚の位置を変えるために前記処理装置及び第2及び第3の搬送部材(14、15)に関節状に接続されている。脚(7)はさらに、前記処理装置に対して前記脚(7)の位置を測定するための測定装置(26、27、28)のうちの少なくとも1つを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付された請求項1のプリアンブルに記載の処理装置用の脚に関する。本発明はまた、添付された請求項12のプリアンブルに記載の処理装置用の脚の位置を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、鉱物材料のための処理装置は鉱物材料を供給、運搬、粉砕、篩い分け又は洗浄するために使用される。一般に、このような処理装置は、例えば、鉱物材料を搬送、精選又は種分けするための、フィーダ、ベルトコンベア、粉砕機、篩分け機、又は対応する処理装置のために適したフレーム及び少なくとも一つの処理ユニットを含む。しばしば、2つ以上の処理ユニットが同一フレーム内で集積化され、もって、鉱物材料の様々な処理に適した処理装置を得る。
【0003】
しばしば、鉱物材料のためのこのような処理装置は、該処理装置が異なる作業場間又は少なくとも一つの作業場内で搬送可能に設計される。ゆえに、鉱物材料のための処理装置のフレームは、ランナー、ホイール又はトラックをしばしば備えている。鉱物材料のための処理装置は、独立の動力、例えば、フレームの下のホイール又はトラックに接続されるディーゼルモータをしばしば備えており、このようにして別個独立して移動可能な搬送可能装置を得る。
【0004】
フィンランド国特許 109662号公報(対応米国特許7,004,411号公報)は、鉱物材料のための移動可能な処理装置を開示する。この処理装置では、処理ユニットが振動フィーダ、ジョークラッシャ、2本のベルトコンベア及び磁選機を含む。該処理装置は、処理装置のフレームに接続されたトラックばかりでなく、それ自身の動力を含む。そして、トラック上、処理ユニットは異なる目的地間の作業場で移動し得る。
【0005】
作業場で鉱物材料用のトラックが配備された処理装置を移動することは難しい。処理装置は横向きに移動できないが、処理装置を横向きに搬送するとき処理装置全体の前方や後方への移動が必要となる。同様に、フレームの前方端又は後方端の位置の僅かな変化でさえ、処理装置全体の前方や後方の移動を必要とする。
【0006】
さらに、鉱物材料用のトラックが配備された処理装置は地面への適合性が低い。その理由は、処理装置は地面上で異なる障害物の周辺を走行しなければならず、そのため、処理装置は作業場で遅い速度で移動するためである。
このように、ある地点から他の地点に処理装置を搬送するには、長時間が費やされる。
【0007】
さらに、鉱物材料用の処理装置が、異なる脚状の搬送手段を用いて、作業場で搬送されるといった課題解決方法が知られている。米国特許4,324,301号公報では、1本の脚が、粉砕機を支持するフレームの下に取り付けられており、脚は1つの垂直方向に取り付けられた第1油圧シリンダを含む。さらに、2本の他のシリンダが脚に接続されており、該シリンダはフレームに対して横方向にばかりでなく、前後方向に第1油圧シリンダを移動する。粉砕機を搬送するとき、そのフレームは、基部に沿って脚により滑動する。
【0008】
米国特許3,446,301号公報では、粉砕機を駆動するための1本の脚は、粉砕機又はコンベアのような重い装置を支持するフレーム上にも取り付けられてきた。脚は、垂直方向に取り付けられた5本の第1油圧シリンダを含み、これらの第1油圧シリンダは地上からフレームを持ち上げるために使用される。さらに、垂直に作動する4対の油圧シリンダが脚に接続され、これらの油圧シリンダは、フレームに関して横方向ばかりでなく前後方向に脚を移動する。当該処理装置は、該装置のフレームを地上から持ち上げることによって、かつ、所望方向に脚によって決められる搬送距離を空中で該装置を移動し、かつフレームを地上に再降下することによって、1ステップと同時に移動される。
【0009】
独国特許6601257号公報は、粉砕機を移動するための好適な課題解決方法を開示する。この公報では、油圧シリンダに基づく1本の脚が粉砕機のフレームに取り付けられる。開示された他の実施形態は3本の脚がある。粉砕機の移動は、所望方向に一度に僅かな距離についてフレーム構造を搬送することによって、一時に1ステップを生じさせる。フレームは、各ステップで地上から持ち上げられ、再び地上に再降下される。
【0010】
1本の脚による重い装置の搬送は不連続であり、移動を遅くし複雑にする。該装置は、各ステップの間で地上に降下されることを要し、フレームは地上に沿って滑らす必要がある。処理装置は地面に適さず、地面の深い窪みや突出部が、処理装置の完全な移動を妨害し得る。
【0011】
英国特許1368050号公報は、機械を移動するステップ用の機構を示す。該機構は、4つの油圧シリンダを備えた7本の脚を含む。第1油圧シリンダは鉛直に取り付けられる。さらに、3つの油圧シリンダが、該第1油圧シリンダ、第2油圧シリンダ、及び第1油圧シリンダの対向側の2つの支持シリンダに接続されている。これらの3つの油圧シリンダは、フレームに対して横方向ばかりでなく、第1油圧シリンダを前後方向に移動する。支持用シリンダーのピストンロッドの端部は、滑動用の表面に対向して配置されており、それら端部は、脚の動作に沿って滑動する。このような脚の構造は大変複雑である。なぜならば、別個の付属スリーブがサイド用シリンダの滑動用の表面のためのフレーム上に取り付けられなければならないからである。さらに、脚は、採石場での使用に相応しくない。採石場や他の外部環境で飛散している塵や汚物は、滑動用の表面を汚染し、脚の動作を停止させる。
【0012】
上述の課題解決方法に加えて、作業用の重い装置及び重荷を移動するための装置が知られている。当該装置は、複数本の油圧で機能する脚を含む。脚の横方向への移動及び脚の垂直方向への伸び縮みが油圧シリンダによって実行される。この種の装置は、例えば、米国特許3,638,747号公報、英国特許2017605号公報及び独国特許2129197号公報に開示されている。当該処理装置の移動は、処理装置を地上に滑らせるステップ又はフレームが地上から持ち上げられ短距離について運搬されそれからフレームが地上に再降下されるステップのいずれか一方によってなしえる。このことは不必要なエネルギを使う。これらの課題解決方法の他の問題は、装置の搬送が遅くかつ複雑であることである。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、処理装置用の新規な脚を提供することである。該脚は上記の課題を回避し、かつ、その位置がほぼ連続して測定され得るものである。本発明の他の目的は、処理装置のための脚の位置を測定するための方法を提供することである。
【0014】
この目的を達成するために、本発明による脚は、主として独立請求項1の特徴部に示される内容で特徴付けられる。
【0015】
また、本発明による方法は、主として独立請求項12の特徴部に示される内容で特徴付けられる。
【0016】
その他の従属請求項は、いくつかの好適な実施形態を示す。
【0017】
本発明は、移動可能な処理装置のための脚がフレームに対する処理装置の脚の位置を測定する少なくとも1つの測定手段を含むといった思想に基づかれている。複数本の脚は処理装置のフレームに関節状に接続され、かつ、処理装置はこれらの脚により移動する。
【0018】
脚は第1搬送部材を含む。この第1搬送部材は処理装置のフレームに鉛直方向かつ関節状に接続され、かつ、脚の長さ及びその垂直方向の動作を調整する。さらに、脚は第1の搬送部材の位置を変更するための第2及び第3搬送部材を含む。
【0019】
測定手段は、第1搬送部材と処理装置のフレームとの間の角度を測定するための各脚に配置されている。さらに、地面に接地する脚の支持板の位置を測定するための測定手段は、各脚に配置されている。測定を基に支持板の位置が決定され得る。その支持板の位置によって、脚の動作が制御される。さらに、基部に対してs支持板によって生じた圧力は、ほぼ連続的に測定される。脚のステップの高さ、すなわち、ステップを踏むときに脚がどの位上げられるかについて、さらに調整され得る。
【0020】
処理装置が移動されるとき、脚は装置の全重量を担持し、かつ、同時に処理装置を移動する。脚は処理装置の移動が歩行に似るように制御される。少なくとも4本の脚は、処理装置のフレームに取り付けられる。好適には6本又はそれ以上の本数の脚である。ステップ間で、フレームを地上に降下することなく装置の安定かつ連続した移動が可能なように、脚がフレームの周辺に対して位置決めされる。処理装置が、基台上のフレームの上で安定する作業位置にあるならば、フレームに接続された装置に協働する装置のフレームは、処理装置を移動する前に脚によって地面から持ち上げられる。このようにして、第1搬送部材は処理装置を地面から持ち上げる。
【0021】
本発明による脚の構造は単純である。さらに、本発明による脚は、異なる工作機械のような、鉱物材料用の処理装置を例とする重負荷の移動に大変よく適合する。脚を用いることによる、処理装置の移動は歩行によって起こり、その移動の結果、処理装置の移動はより速くなる。歩行中の処理装置は、従来技術による移動手段と共に搬送されるときよりも、顕著により速く搬送され得る。フレームは、ステップ間では下降されないが、その移動は連続的である。結果、移動は安定しかつエネルギも節約される。歩行中の処理装置の地形への適合性はさらに、例えば、トラックが取り付けられた処理装置のものよりも優れている。脚に配置されているセンサによって、脚の長さや地上への接地がモニターされ得る。この場合には、地形の窪みや荒さは、脚の長さを調整することによって補償可能であり、かつ、処理装置はバランスを維持し得る。脚の長さを調整することによって、処理装置は、バランスを維持し得る。すなわち、フレームは坂をアップダウンして移動するときでさえ略水平である。
【0022】
本発明の利点は、フレームに対する脚の位置が連続して測定されるときに、測定結果から、各瞬時に脚の位置を決定することができる。このことを基に、脚は、新たな位置に連続して制御可能である。この測定はまた、脚の移動の正確な制御を可能にする。この場合、ある位置への処理装置の正確な位置決めが可能である。
【0023】
少なくとも第2又は第3の搬送部材によってすべての方向に脚を動かすことができる。この方法で、処理装置はまた、側方向やコーナに沿った方向のように、すべての方向に搬送し得る。さらに、処理装置は任意の点の周りで回転可能である。この任意の点は、処理装置の真中、処理装置の材料を載せる端部又は降ろす端部、又は装置の外側のいずれかにおいて位置付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、本発明が添付図面を参照してより詳細に記載される。
【図1】図1は、処理装置を移動するための脚を含む鉱物材料のための処理装置の概略的な側面図を示す。
【図2】図2は、下から見た図1の処理装置を示す。
【図3】図3は、正面図の中の油圧駆動の脚を概略的に示す。
【図4】図4は、頂面図の図5の脚を示す。
【図5】図5は、概略図の制御ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の記載では、処理ユニットが材料を搬送、精選又は選別するための、フィーダ、ベルトコンベア、粉砕機、篩分け機又はその他相応の装置を指す。シュレッダや金属選別機のようなリサイクリング材料に使用される処理ユニットも同様に上記グループに属する。
処理される材料は鉱物材料でよい。鉱物材料は、鉱石、破壊された岩、砂利、コンクリート、ブロック又はアスファルトのようなリサイクリング可能な構成の廃棄物の様々なタイプのものでよい。材料はまた、木、ガラス又は鉄のような日常生活の廃棄物でもよい。
【0026】
図1は、粉砕機3に材料を供給するフィーダ2と、処理装置1からさらに遠く離れたところに粉砕された産物を運搬するためのベルトコンベア4と、を含む鉱物材料用の処理装置1を示す。図中の粉砕機はジョークラッシャであるが、他のタイプの粉砕機、例えば、ジャイロクラッシャ、コーンクラッシャ又は遠心分離クラッシャが、処理装置の一部として配置可能である。さらに、処理装置は、ディーゼルモータのような動力5を含み、動力5は処理ユニットを使用するためのエネルギを発生する。
【0027】
フィーダ、粉砕機、動力及びコンベアは、フレーム6に取り付けられる。さらに、処理装置を移動するための脚7がフレーム6に関節状に取り付けられている。この実施形態では、同様に図2にも示されるような6本の脚7がある。図2は、コンベアのコンベアベルトがない状態の、下から見た処理装置を示す。脚7は、フレーム6が処理装置が移動されるときに略水平にあるように、重心に対してフレーム6に取り付けられる。脚は、1本の脚が処理装置の前端部Aすなわちフィーダ2の下にあるように、かつ1本の脚が処理装置の後端部Bすなわちコンベア4の下にあるように処理装置1に対してフレーム6に配置される。残る4本の脚は、フレームに対向する側の脚がフレームの長さに対して同一の点にあるようにペアでフレームの両側に配置される。図1及び2に見られるように、フレームの長い側6a、6bに取り付けられた脚7はフレームの外側に取り付けられる。図1の実施形態では、処理装置1は作業中の位置に示されており、フレームは基部すなわち地上に降下され、かつ脚7の支持板12もまた装置を支持するために地面に捉えられている。加えて、装置は制御ユニット30を含むが、その作用は詳細に後述されている。
【0028】
処理装置を搬送するとき、脚の一部は必ず支持段階にあり、即ち地面に接地しており、かつ搬送段階にあり、即ち地面から離れており、新たな位置へと移動する。支持段階及び搬送段階でどの位の本数の脚があるかを定める所定の仕様は、歩行モードと呼ばれている。例えば、6本の脚を含む処理装置の採り得る歩行モードは、5/6モード、4/6モード、及び3/6モードである。最初の数は、支持段階における脚の数を指し、二番目の数は、脚の総数を指す。すなわち、5/6モードでは、処理装置は6本の脚を含み、そのうち5本が支持段階にある。すなわち、一時に1本のみが地上から離れかつ新たな位置の方へ移動する。4/6モードでは、4本の脚が支持段階にあり、2本の脚が搬送段階にある。対応するように、3/6モードでは、3本の脚が支持段階にあり、3本の脚が搬送段階にある。移動の最も速い速度は、この歩行モードによって達成する。少なくとも2本の脚が搬送段階にある場合は、脚の動作は互いに対し異なる時間に、又は同時に起こり得る。例えば、脚はペアで同時に移動し得る。しかし、支持段階では少なくとも3本の脚が必ず必要である。
支持及び搬送段階は、各脚において互いが追従する。支持段階における脚は、処理装置のバランスを維持するばかりでなく処理装置のフレームを所望方向に移動する。搬送段階における脚は、地面に再降下しかつ支持段階に搬送するまで、該脚のために定められた移動経路及び方向に従って空中を移動する。移動中、脚は選択された歩行モードに従って移動される。処理装置に取り付けられた脚の数及び移動の所望速度は、歩行モードの選択に影響を与える。
【0029】
図3は脚7を示す。このタイプの脚も、図1及び2に示された処理装置に配置されている。脚は第1搬送部材10を含み、第1搬送部材10は処理装置のフレームで関節状の態様で略鉛直に取り付けられている。第1搬送部材10はその長手方向軸に対して固定されており、かつ、第1搬送部材10によって脚の長さが調整可能である。第1搬送部材10はまた処理装置が移動されるとき、又は脚が処理装置の使用時に支持脚として作用するときに、処理装置の鉛直方向の力と処理装置の重量を担持する。この実施形態では、搬送部材は油圧シリンダである。しかし、他の長手方向の調整可能な搬送部材もまた使用可能である。長手方向の動作は、例えば、ウォームねじや電動モータを用いて創出され得る。この種の構成は、電動シリンダとも称される。
【0030】
図では、第1油圧シリンダが、第1油圧シリンダの搬送アーム11aの一部がシリンダチャンバ11の外側の位置で示されている。支持板12は、第1油圧シリンダ10の搬送アームの低端部に取り付けられる。支持板12の下表面、すなわち、支持表面13は、脚7が支持段階にあるときに地面に接地する。支持表面13は、例えば、350mm×350mmの側部長さの正方状の形状を持ちうる。支持表面13の面積は、作業場の基部のタイプに従いその寸法が決められる。処理装置の重量はまたその寸法を考慮に入れなければならない。支持板12は、締結手段12aを用いて第1油圧シリンダの搬送アームの端部に取り付けられる。締結手段12aは、搬送アームに対して支持板を傾けることができる。例えば、玉継ぎ手が上記締結手段として使用可能である。第1油圧シリンダは、シリンダチャンバ11の上端部に配置されている第1及び第2関節部20、21によって処理装置のフレーム6に関節状に接続される。さらに、脚は、2つの搬送部材14、15を含む。この実施形態では、搬送部材14、15は、第1油圧シリンダ10を移動するための2つの油圧シリンダである。搬送部材14、15はまた、先に述べた電動シリンダのような長手方向に調整可能な搬送手段のほかのタイプであってもよい。第2及び第3油圧シリンダ14、15は、略水平方向に第1油圧シリンダ10と関節状かつ互いに同じレベルで接続される。第2及び第3油圧シリンダ14、15は、一端から第1シリンダに、及び、他端部から処理装置のフレーム6に以下のような態様で関節状に接続されている。すなわち、第2油圧シリンダ14及び第3油圧シリンダ15の搬送アーム16、17は、第3関節部22及び第5関節部23により、シリンダチャンバの下端部からの一定距離内で、第1油圧シリンダのシリンダチャンバ11の低部に取り付けられる。シリンダチャンバ18、19の側部の端部は、さらに、第4関節部24及び第6関節部25による処理仕様のフレーム6に関節状に接続されている。第2及び第3油圧シリンダ14、15は脚7の横方向の動作を創出する。油圧シリンダ14、15によって創出された脚7の動作は、水平方向及び垂直方向の成分の両方を含む。これらの成分の大きさは、所望の移動経路に依存して変化する。言い換えれば、支持板の移動経路は、アーチ状でもよく水平面のみに形成してもよい。第1油圧シリンダ10は、その寸法及びそのシリンダ容量において、第2及び第3の油圧シリンダ14、15よりも大きい。
【0031】
図4は、上から見た基本的な位置における図3の脚7を示す。図で分かるように、第2、第3油圧シリンダ14、15は、これらの間で角度αが形成されるように第1油圧シリンダ10に取り付けられる。角度αの大きさは、いくつかのファクタによる。例えば、必要な水平方向の力ばかりでなく、シリンダ14,15とフレーム6との締結点、処理装置の大きさ、シリンダ14、15の長さ、シリンダチャンバの要求される水平方向の力による。これらのファクタは所望のステップボックスが創り出されるように選択される。測定手段、即ちセンサは、フレームに対する第1油圧シリンダの位置と支持板の位置とを、略連続して定めるために脚7に配置される。第1関節部20及び第2関節部21の内側に、第1測定手段、即ち、二つの角度センサ26、27が配置されている。角度センサ26、27を用いて、フレームに対する支持板12の角度位置が測定される。さらに、第1シリンダ10のシリンダチャンバの内側に、フレームに対して支持板12の垂直位置を測定するためのリニアセンサのような第2の測定手段28が配置される。その結果、リニアセンサは第1のシリンダ10の垂直方向の動作の大きさを測定する。例えば、磁歪センサはリニアセンサとして使用可能である。第2測定手段は、例えばレーザに基づく測定装置又は画像処理のような光学測定手段としても使用可能である。さらに、磁場測定ばかりでなく、超音波センサ又は渦電流センサのような音響的な方法に基づく測定装置が使用可能である。これらの3つのセンサ26、27及び28によって、フレームに対する支持板12及び脚7の位置が定め得る。第2測定手段28ばかりでなく第1測定手段26、27は図3で鎖線を用いて示される。
【0032】
油圧シリンダ14及び15に配置されている測定手段38及び39は、さらに第1測定手段として機能できる。第1測定手段は、上述の測定手段28と同じ測定原理を持てる。これらによって、油圧シリンダ14及び/又は15のうちの少なくとも一つの長さが測定される。そしてその長さから、油圧シリンダ10の角度位置とさらにフレームに対する支持板12の位置を決定できる。
【0033】
さらに、第1油圧シリンダ10のシリンダチャンバに行き渡る圧力が測定される。測定は、圧力センサ29によって起こる。圧力センサは、シリンダチャンバに直接、又は圧力媒体をシリンダチャンバに運ぶダクトに配置される。圧力測定を基に、基部に対して支持板12によって生じた圧力を決定すること及び支持板12が地面に接地する力が十分であることを確めることを可能にする。センサは略連続的に測定を行いかつその測定によって搬送段階と支持段階の両方における支持板12の位置が連続的に決定可能である。加えて、基部に対するフレームの位置は傾斜センサ32(図1で図示)を用いて測定される。傾斜センサは、例えば傾斜計でよい。センサによって測定される測定信号は、処理装置に配置されている制御ユニット30に送られる。制御ユニット30は、処理装置のユーザによって与えられる命令に従い、処理装置の移動を制御する。上記命令は、処理装置に接続されたユーザインタフェイス31を用いて制御ユニット30に送られる。例えば、ユーザインタフェイスは、無線信号の転送に基づくジョイスティックタイプのインタフェイス又はキーボードでよい。そして、送信機は制御命令を制御ユニットに送信するためにユーザインタフェイスに配置され、かつ受信機は制御命令を受信するために制御ユニットに配置される。図では、無線データ転送が鎖線で示されている。さらに、ユーザインタフェイス31が、ケーブルによって制御ユニット30に接続されてもよい。
【0034】
測定手段、すなわち、角度センサ26及び27、リニアセンサ28、圧力センサ29及び傾斜センサ32によって測定された測定信号は、ケーブル経由又は無線のいずれかで制御ユニット30に向けられている。測定信号が無線によって制御ユニットに送信された場合、測定手段は測定結果を送信するための送信機を備えており、かつ、制御ユニットは、測定信号を受信するための受信機を備えている。制御ユニットは、測定信号や他の制御パラメータの基で脚の油圧シリンダを動作する制御コマンドを形成する。制御ユニットによって生成された制御コマンドはまた、ケーブル経由又は無線のいずれかによって脚に送られる。制御コマンドが、無線波又は赤外線照射のような無線で脚に送信される場合には、制御ユニットは制御コマンドを送信するための送信機を備え、かつ、脚は制御コマンドを受信するための受信機を備えている。
制御ユニット30は、本発明に従う方法の動作を実行するための手段を含む。図5は、制御ユニット30をより詳しく示すものであり、それには、制御信号を決定するためばかりでなく処理装置を動作するために必要なパラメータを演算しかつ決定するための手段33から35を含む。上述の方法の工程は、プログラム、例えばマイクロプロセッサによって実行可能である。当該手段は、一以上のマイクロプロセッサ及びそこに含まれるアプリケーションソフトウェアによって構成されてもよい。この例では、いくつかの手段があるが、方法の異なるステップはさらに一つの手段でも実行可能である。
【0035】
制御ユニット30は演算手段33を含む。この演算手段33は、所望の歩行モード並びに処理装置のユーザによって送られた処理装置の移動の方向及び速度を受け取る。演算手段33はまた、測定手段26、27、28、29及び32によって測定される測定信号を受け取る。そして、測定信号及び選択された歩行モードに基づいて、演算手段33は、各脚7のステップのダイアグラムを演算し、かつ、そのダイアグラムに基づいて、それらの、次の経路と移動の方向を決定する。脚の移動の経路及び方向を決定することは、さらに、いわゆるステップボックス、すなわち、正方形空間における立方体の最大容積を考慮し、かつ、支持板12は、シリンダによって設定された限度内で移動することができる。
【0036】
演算手段33によって各脚のために決定された移動経路及び方向は、制御ユニットにありかつ各脚7の各油圧シリンダ10、14及び15のための制御命令を形成する制御信号情報手段35に送信される。
【0037】
上述のように、制御ユニット30は、脚の移動を制御する手段を含む。制御ユニット30は、クラッシャ、コンベア等のような処理をそれ自身が制御する手段も含んでよい。
【0038】
ステップを一歩踏むときに、搬送段階で脚の油圧シリンダが次の態様で作用する。まず、脚の支持板12が、第1シリンダチャンバ11の内側の第1シリンダの搬送アームを引っ張ることによって、第1シリンダ10の手段によって地面から持ち上げられる。脚の支持板12がどの位高く持ち上げられるかは、当該ステップの所望の高さによる。この後、第2及び/又は第3シリンダ14及び15は、シリンダチャンバから及び/又はシリンダチャンバ18及び19に、ステップの所望の方向に到達するまで、シリンダの搬送アーム16及び17を押す及び/又は引くことによって第1シリンダ10を所望方向に移動する。最後に、第1油圧シリンダは、第1シリンダの搬送アーム11aを第1シリンダチャンバから外側に向かって押し、地面に脚の支持板12を戻すように低くする。通常、第1油圧シリンダ及び第2及び/又は第3油圧シリンダの動作は、同時に同様に発生し得る。支持段階における脚は、所望方向に向かって処理装置のフレームを連続して移動する。脚はステップとステップの間では地上に降ろされない。ステップの長さ、及び同時に処理装置の搬送速度は制御システムを用いて制御される。
【0039】
本発明は、上記の実施例に示された実施形態に限られるように意図されていないが、本発明は、添付請求の範囲で定められるような発明の思想の範囲内で広く適用されるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置(1)を移動するための処理装置用の脚であって、
該処理装置(1)はフレーム(6)を含み、かつ、前記脚は、
前記処理装置の前記フレーム(6)に関節状に接続される第1の搬送部材(10)と、
前記脚の位置を変更するための第2搬送部材(14)とを含み、
前記脚(7)は前記処理装置の前記フレーム(6)に対して前記脚(7)の位置を測定するための測定手段(26、27、28)のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする脚。
【請求項2】
前記脚(7)は、測定手段(26、27、38、39)のうちの少なくとも1つを含み、該測定手段は、前記処理装置の前記フレーム(6)に対して、前記第1搬送部材(10)の位置を測定するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項3】
前記第1測定手段(26、27)は角度センサであり、該角度センサは、前記第1搬送部材(10)と前記フレーム(6)との間の角度を測定するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の脚。
【請求項4】
前記第1搬送部材(10)は基部(S)に対向して設定可能な支持板(12)を備え、かつ、前記脚(7)は、前記処理装置の前記フレーム(6)に対する前記支持板(12)の位置を測定する第2測定手段(28)を含むことを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項5】
前記第1搬送部材(10)は、前記処理装置の前記フレーム(6)に略垂直に関節状に接続されることを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項6】
前記脚は第3搬送部材(15)を含み、かつ、前記第2及び第3搬送部材(14、15)は、一端から前記第1搬送部材(10)に取り付けられており、かつ、他端から前記処理装置の前記フレーム(6)に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項7】
前記第1測定手段(38、39)はリニアセンサであり、該リニアセンサは第2及び/又は第3の搬送部材(14、15)の長さを測定するように配置されている請求項2に記載の脚。
【請求項8】
前記第2搬送部材(14)及び前記第3搬送部材(15)は、前記第1シリンダ(10)に、略水平方向にかつ互いに同一レベルで関節状に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の脚。
【請求項9】
前記第1搬送部材(10)は、シリンダチャンバ(11)及び搬送アーム(11a)を含み、
前記脚は、第1関節部(20)及び第2関節部(21)を含み、かつ、前記第1搬送部材(10)は、第1及び第2関節部(20、21)によって、第1搬送部材の前記シリンダチャンバ(11)の側端部から前記フレーム(6)に関節状に接続されており、かつ、
前記支持板(12)は、前記第1搬送部材の搬送アーム(11a)の側端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項10】
前記第2搬送部材(14)は、シリンダチャンバ(18)及び搬送用アーム(16)を含み、かつ、前記第3搬送部材(15)は、シリンダチャンバ(19)及び搬送用アーム(17)を含み、
前記脚は、第3関節部(22)、第4関節部(24)、第5関節部(23)及び第6関節部(25)を含み、かつ、
前記第2搬送部材は、前記第2搬送部材の前記搬送アーム(16)の側端部から前記第1シリンダチャンバ(11)の低端部に第3関節部(22)によって関節状に接続され、かつ、前記第2搬送部材の前記シリンダチャンバ(18)の側端部から前記フレーム(6)に第4関節部(24)によって関節状に接続され、かつ、前記第3搬送部材(15)は、前記第3の搬送部材の前記搬送アーム(17)の側端部から前記第1シリンダチャンバ(11)の低端部に前記第5関節部(23)によって関節状に接続され、かつ、前記第3搬送部材の前記シリンダチャンバ(19)の側端部から前記フレーム(6)に第6関節部(25)によって関節状に接続されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の搬送用脚。
【請求項11】
前記処理装置は、フィーダ、粉砕機、篩分け機、シュレッダ又は選別機のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の脚。
【請求項12】
処理装置(1)用の脚の位置を測定するための方法であって、
前記処理装置(1)はフレーム(6)を含み、かつ、
前記脚は、前記処理装置の前記フレーム(6)に関節状に接続された第1搬送部材(10)と、前記脚の位置を変えるための第2搬送部材(14)とを含み、
並びに、
当該方法では、前記脚(7)の位置は、第1測定手段(26、27、28)のうちの少なくとも1つを用いて、前記処理装置の前記フレーム(6)に対して測定されること
を特徴とする処理装置用の脚の位置を測定するための方法。
【請求項13】
前記搬送部材(10)の位置は、第1測定手段(26、27、38,39)のうちの少なくとも1つを用いて前記処理装置の前記フレーム(6)に対して測定されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1搬送部材(10)と前記フレーム(6)との間の角度が測定されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記脚は第3搬送部材(15)を備え、かつ、前記第2及び第3搬送部材(14、15)の長さが測定されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1搬送部材(10)は基部(S)に対向して設定可能な支持板(12)を備え、かつ、前記処理装置の前記フレーム(6)に対する該支持板(12)の位置が測定されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記処理装置は、フィーダ、粉砕機、篩分け機、シュレッダ又は選別機のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−506089(P2011−506089A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538805(P2010−538805)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/FI2007/050711
【国際公開番号】WO2009/077639
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508172395)メッツオ ミネラルズ インク. (6)
【Fターム(参考)】