処理装置
【課題】脱臭機のヒータの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用すること。
【解決手段】本発明の処理装置は、処理対象物を加温処理する処理室と、前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】本発明の処理装置は、処理対象物を加温処理する処理室と、前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物を加温処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
処理対象物を加温処理する装置においては、加温用ヒータの消費電力削減等、省エネルギー化が望ましい。例えば、生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置では、処理槽内で廃棄物を微生物の働きで醗酵させて分解し、乾燥する際に槽内を加温するヒータが必要となるが、その省エネルギー化が望ましい。
【0003】
ここで、この種の廃棄物処理装置では、廃棄物から除去された水分(水蒸気)は、装置外へ排気ガスとして排出されるが、廃棄物の臭気を伴うため脱臭機で脱臭してから排気される。脱臭には、通常、酸化触媒と、酸化触媒に適した温度に空気を加熱するヒータとを備えた脱臭機が用いられる。脱臭機のヒータで加熱された空気が排気されることは、熱エネルギが無駄に排出されていることになる。そこで、例えば、特許文献1には、脱臭機を槽内に配置し、槽内を通る脱臭機の排気管に送風ファンから循環気流を作用させる装置が開示されている。この装置では、脱臭機の排気管を介した熱交換により槽内の空気を加温することで、脱臭機のヒータを槽内の加温に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−059112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の装置では、脱臭機のヒータが発した熱エネルギの利用は、脱臭機の排気管を介した熱交換の効率に左右される。このため、熱交換の効率が低ければ脱臭機のヒータが発した熱エネルギは、槽内加温に利用されずに装置外へ排出されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、脱臭機のヒータの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、処理対象物を加温処理する処理室と、前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、を備えたことを特徴とする処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、脱臭機のヒータの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る処理装置の外観図。
【図2】前記処理装置の内部構造の説明図。
【図3】制御部のブロック図。
【図4】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図5】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図6】換気量及び加温を一定にした場合の処理槽内の空気の水蒸気量の変化の例を示す図。
【図7】制御部が実行する処理のフローチャート。
【図8】処理槽内の空気の水蒸気量、槽内温度及び換気量の変化の例を示す図。
【図9】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図10】(A)流量、ヒータ制御の説明図、(B)は流量制御のための他の構成例を示す図。
【図11】制御部が実行する流量制御処理のフローチャート。
【図12】制御部が実行するヒータ制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置Aの外観図、図2は処理装置Aの内部構造の説明図である。図中、矢印Zは鉛直方向(処理装置Aの高さ方向)を示し、矢印X及びYは互いに直交する水平方向(X方向は処理装置Aの幅方向、Y方向は処理装置Aの奥行き方向)を示す。処理装置Aは生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置である。
【0011】
<装置の概要>
図1に示すように、処理装置Aの上面には、生ごみを投入する投入口1aを開閉するドア1が回動自在に設けられている。処理装置Aの上面にはまた、操作部3が設けられている。操作部3には処理装置Aの処理開始、停止等をユーザが指示するためのスイッチ等が設けられる。処理装置Aの正面には、減量処理済の廃棄物を排出するための開口部2、及び、この開口部2を開閉するためのドア2aが回動自在に設けられている。ドア1、ドア2aを閉鎖した状態では、処理装置A内の処理室10の気密性が保たれるようにドア1やドア2aの周囲には不図示のシール部材が設けられる。
【0012】
図2を参照して、処理装置Aは底板4を備え、その下面にはキャスタ5が取り付けられており、処理装置Aの移動を容易なものとしている。底板4上にはX方向に互いに離間した仕切壁6乃至8が立設されている。仕切壁6乃至8は底板4に固定された隔壁であり、処理室10内の空間を仕切る。
【0013】
処理室10内では、処理対象物として、例えば、生ごみ等の廃棄物を加温処理する。詳細には、廃棄物の前処理となる醗酵処理と、後処理となる乾燥処理とによる廃棄物の減量処理である。仕切壁6と仕切壁7との間の空間は、主として醗酵処理を行う廃棄物処理槽101を形成している。仕切壁7と仕切壁8との間の空間は、主として乾燥処理を行う廃棄物処理槽102を形成している。処理槽102のX方向の側方には、仕切壁8で仕切られた回収室103が形成されている。回収室103には減量処理された廃棄物が処理槽102から導入される。回収室103は、主として、廃棄物の乾燥状態を維持する。回収室103は排出口2と連通しており、ドア2aを開放することで回収室103から減量処理済の廃棄物を取り出すことができる。本実施形態では、処理室を3つに区分けした構成としているが、区分けしない構成や、2つ以下に区分けした構成、或いは、4つ以上に区分けした構成でもよい。
【0014】
処理装置Aは、駆動ユニット20を備える。駆動ユニット20は、処理槽101及び102を横断する駆動軸21を備える。駆動軸21はX方向に延設され、仕切壁6乃至8にそれぞれ設けた軸受け22により回転自在に支持されている。駆動ユニット20は、また、駆動軸21の一方端部に固定されたスプロケット23と、モータ24と、を備える。スプロケット23と、モータ24の出力軸に固定したスプロケットとにはベルトが巻きまわされてベルト伝動機構が構成されている。そして、モータ24の駆動により駆動軸21が回転するようにしている。
【0015】
駆動軸21にはその径方向に延びる攪拌棒25が複数取り付けられている。駆動軸21の回転により、攪拌棒25によって処理槽101及び102内の廃棄物が攪拌される。本実施形態では棒状の攪拌棒25を採用したが、槽内を攪拌可能な形状であればよい。仕切壁7の下部には、処理槽101と処理槽102とを連通させる連通孔71が形成されており、攪拌棒25による攪拌により、処理槽101から処理槽102へ廃棄物が移動可能となっている。
【0016】
なお、本実施形態では、仕切壁7の下部に連通孔71を設けて処理槽101から処理槽102へ廃棄物を移動可能としたが、仕切壁7の上部に開口部を設けて、仕切壁7を超えて処理槽101から処理槽102へ廃棄物がオーバーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0017】
処理槽102内の廃棄物は、その堆積量の増加により仕切壁8を超えて回収室103へ落下し、回収室103内に堆積する。なお、本実施形態では、仕切壁8を超えて処理槽102から回収室103へ廃棄物が移動可能としたが、仕切壁8の下部に連通孔を設けて処理槽102から回収室103へ廃棄物がアンダーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0018】
<減量処理>
処理装置Aによる生ごみ等の廃棄物の減量処理について説明する。生ごみの減量処理としては、生ごみを単に脱水させる方式、生ごみを乾燥させる方式、微生物による分解処理(醗酵処理)が知られている。本実施形態では、分解処理と乾燥とを組み合わせた減量処理であるが、他の方式でもよい。
【0019】
投入口1aから投入された生ごみは、始めに処理槽101に入る。処理槽101内の、水分を多量に含む生ごみRD1は、生ごみRD1に存する微生物或いは予め投入された大鋸屑等の菌床となる基材の働きにより分解される。その際、攪拌棒25による攪拌により、生ごみRD1の均一な分解が促進される。
【0020】
分解処理が進行して減量された処理槽101内の生ごみRD1は、仕切壁7の下部の連通孔71を介して処理槽101から処理槽102へ移動する。処理槽102内の生ごみRD2は、後述するようにダクト51から排気される加温された空気の吹き付けにより乾燥される。処理槽102内に堆積した、乾燥の進んだ生ごみRD2は、処理槽102からオーバーフローして回収室103に排出される。回収室103には、こうした減量処理によって生じた、生ごみの残渣RD3が堆積されることになる。
【0021】
<脱臭と加温>
廃棄物の乾燥はその水分(水蒸気)が処理室10外へ排出されることで促進される。一方、廃棄物の醗酵により、処理室10内の空気は異臭を伴うため、そのまま排出すると望ましくない。そこで、脱臭機30で脱臭して排出する。
【0022】
一方、廃棄物の醗酵は微生物の活性化により促進されるため、微生物の活性化に適した温湿度を維持すべく、処理槽101内を加温する必要がある。また、廃棄物を乾燥させるためには、より高温で加温する必要がある。本実施形態では、処理室10内の加温に、脱臭機30が備えるヒータ部32の熱エネルギを利用する。なお、処理室10内の加温には、別のヒータを並設することも可能であるが、ヒータ部32単独での加温とすることで、省エネルギ化が図れる。
【0023】
脱臭機30は、ケース部31と、ヒータ部32と、脱臭部33と、を備える。ケース部31は、1つの吸気口31aと、2つの排気口31b及び31cと、を備えた中空体であり、その内部空間にヒータ部32と脱臭部33とが収容されている。
【0024】
ヒータ部32は脱臭部33よりも吸気口31a側に配設されており、吸気口31aを介してケース部31内に導入される処理室10内の空気は、まず、ヒータ部32を通過する。ヒータ部32を通過して加熱された空気は、脱臭部33を通過して排気口31b又は31cから排出される。脱臭部33は、例えば、酸化触媒であり、ヒータ部32は酸化触媒の活性化温度に適した温度となるように空気を加熱する。
【0025】
排気口31bには、排出ダクト50の一方端部が接続されている。排出ダクト50の他方端部は換気室11に位置している。換気室11は、壁部9により処理室10と区画されており、換気孔111を介して処理装置Aの外部空間と連通している。壁部9には処理室10内への外気の取り入れ口となる開口部9aが形成されている。処理室10は、ドア1及びドア2aを閉鎖した状態では、この開口部9aを介してのみ処理装置Aの外部空間と連通しており、実質的に密閉されている。
【0026】
排出ダクト50は、開口部9aを通って換気室11内に延設されており、ヒータ部32と脱臭部33との双方を通過して脱臭機30から排出された空気を処理室10外に導く排出通路を形成している。排出ダクト50の他方端部には送風機62が接続されている。送風機62は、排出ダクト50から脱臭機30で加温・脱臭された空気を吸引し、ダクト62a及び換気孔111を介して処理装置Aの外部へ排気する。
【0027】
送風機62により処理室10内の空気が排気されると、その分、処理室10内は負圧になるため、排気された空気量に相当する外気が開口部9aを介して処理室10内に自然吸気される。開口部9aには、外気導入ダクト52の一方端部が気密に接続されており、外気導入ダクト52の他方端部は換気室11内で開放されている。したがって、排気された空気量に相当する外気は外気導入ダクト52を通って処理室10内に自然吸気されることになり、外気導入ダクト52は外気を導入する外気導入通路を形成している。
【0028】
排出ダクト50は、外気導入ダクト52内を通過しており、これらは2重管を構成している。本実施形態では、このように排出ダクト50と外気導入ダクト52とを2重管構造とすることで、排出ダクト50を通過する空気(加熱・脱臭された処理室10内の空気)と外気導入ダクト52を通過する空気(外気)との熱交換を行う(熱交換部hex1)。本実施形態では、熱交換部hex1を2重管構造としたが、これに限られず、例えば、2つのダクトを近接されて並設するだけでもよいし、また、一方のダクトを他方のダクトが螺旋状に巻き回す構成でもよい。なお、熱交換が促進されるよう、排出ダクト50は、少なくとも2重管構造形成部分において、熱伝導性の良好な金属材料等で形成されることが好ましい。
【0029】
排気口31cには、還流ダクト51の一方端部が接続されている。還流ダクト51の他方端部は処理室10内で開放されており、本実施形態の場合、特に、処理槽102において開放している。還流ダクト51は、ヒータ部32と脱臭部33との双方を通過して脱臭機30から排出された空気を処理室10に戻す還流通路を形成している。このように本実施形態では、脱臭機30から排出された空気の一部を処理室10内に戻しており、ヒータ部32で加温された空気が還流ダクト51から処理槽102内の生ごみRD2に吹き付けられてその乾燥を促進する。
【0030】
処理槽101と処理槽102とは、仕切壁7の上部に設けた連通孔72で連通している。したがって、還流ダクト51から処理槽102内に排出された加温された空気は、連通孔72を介して処理槽101に流入し、処理槽101内を加温する。この結果、生ごみRD1の醗酵ないし乾燥が促進される。
【0031】
脱臭機30を通過することで、脱臭・加温された空気は、その一部はダクト31cを介して処理槽102へ導かれる。仕切壁7の上部には、処理槽101と処理槽102とを連通させる連通孔72が形成されており、ダクト31cから処理槽102へ導かれた空気は連通孔72を通って処理槽101へ流入する。処理槽101には、送風機60が設けられている。送風機60は処理槽101内の空気を図2で矢印で示す方向に吸引・送風し、処理槽101内の空気を循環させる。これにより、処理槽101内の生ごみRD1がより均一に加温され、均一な醗酵、乾燥が促進される。
【0032】
送風機61は仕切壁7を通過するダクト61aを介して処理槽101内の空気を吸引して脱臭機30へ送風する。本実施形態の場合、処理槽101では主として廃棄物の醗酵処理を行うため、処理槽101には異臭が生じ易い。送風機61が処理槽101内の異臭を伴う空気を吸引することで処理槽101内に負圧を生じて、処理槽102から連通孔72を介して処理槽101には外気と脱臭後の空気との混合気が流入する。これにより、処理槽101内の異臭を伴う空気が減少し、ドア1を開放したときに異臭を伴う空気が放出される程度を軽減する。
【0033】
送風機61はダクト61b及び空気導入部材40を介して脱臭機30に処理槽101内の空気を送風する。空気導入部材40は、脱臭機30を収容した中空の支持部41と、支持部41から延出したダクト部42と、を備えた気密な中空体である。ダクト61bはダクト部42に接続されており、送風機61が送風する空気はダクト61b、ダクト部42内を通って支持部41内に吹き付けられ、脱臭機30の吸気口31aからヒータ部32へ流入する。
【0034】
支持部41は、還流ダクト51が通過する開口部を有して還流ダクト51を支持部41内から外部へ延出している。なお、この開口部と還流ダクト51との間にはシール部材等を配することで、両者間を気密にすることができる。
【0035】
ダクト部42内には、排出ダクト50が途中まで通過して2重管を構成し、排出ダクト50はダクト部42の周壁に設けた開口部を通過してダクト部42外へ延出している。なお、この開口部と排出ダクト50との間にはシール部材等を配することで、両者間を気密にすることができる。
【0036】
本実施形態では、排出ダクト50とダクト部42とを2重管構造とすることで、排出ダクト50を通過する空気(加熱・脱臭された処理室10内の空気)と、ダクト部42を通過する処理槽101内の空気との熱交換を行う(熱交換部hex2)。本実施形態では、熱交換部hex2を2重管構造としたが、これに限られず、例えば、2つのダクトを近接されて並設するだけでもよいし、また、一方のダクトを他方のダクトが螺旋状に巻き回す構成でもよい。なお、熱交換が促進されるよう、排出ダクト50は、少なくとも2重管構造形成部分において、熱伝導性の良好な金属材料等で形成されることが好ましい。
【0037】
空気導入部材40は、支持部材40aにより、壁部9に吊り下げられるようにして支持されている。このため脱臭機30は、処理室10を画定する各壁部から離間して配設された状態にある。これは、ヒータ部32が発する熱が処理室10を画定する各壁部から処理装置A外へ無駄に放出されることを防止することができる。
【0038】
また、脱臭機30は処理室10外に配置することも可能であるが、本実施形態の場合、脱臭機30は処理室10内に配設されている。このため、ヒータ部32が発する熱は、処理室10内の加温にも役立つ。更に、本実施形態の場合、脱臭機30は処理槽101外に配設しており、処理槽102から回収室103にかけて配設している。この配置は、還流ダクト51からの処理槽102への空気の吹き付けとあいまって、処理槽101を相対的に低温に、処理槽102を相対的に高温とすることに役立つ。廃棄物の乾燥を促進するためにはより高温であればよいが、廃棄物の醗酵は温度が高すぎると微生物の活動が悪くなる、或いは、死滅する。よって、処理槽101は処理槽102よりも低温であることが望ましいのである。
【0039】
<制御部>
図3は処理装置Aの制御部12のブロック図である。制御部12は、CPU121、ROM122、RAM123及びI/F(インターフェース)124を備える。CPU121は、I/F124を介して、操作部3の操作状態を取得し、送風機60、61、62、ヒータ部32、モータ24を制御する。ROM122にはCPU121が実行する制御プログラムやデータが記憶される。RAM123には一時的なデータが記憶される。ROM122、RAM123は他の種類の記憶手段を採用してもよい。
【0040】
<処理装置Aの動作例>
制御部12は、操作部3から処理開始が指示されると、送風機60乃至62、ヒータ部32及びモータ24を駆動する。処理槽101内の異臭を伴う空気は送風機61により吸引されて脱臭機30に送出される。送出された空気は脱臭機30のヒータ部32で加熱されて脱臭部33で脱臭される。
【0041】
加熱・脱臭された空気の一部は、排出ダクト50、送風機62を介して処理装置A外へ排出される。一方、加熱・脱臭された空気の残りは、還流ダクト51を介して処理槽102内の生ごみRD2に吹き付けられ、その乾燥が促進される。こうして、加熱・脱臭された空気を全部排出せず、処理室10内の加温に用いることで、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0042】
加熱・脱臭された空気のうち、処理装置A外へ排出される空気は排出ダクト50を通過する過程で、熱交換部hex2で、処理槽101内の異臭を伴う空気と熱交換される。処理槽101内の異臭を伴う空気よりも、脱臭機30を通過した脱臭後の空気の方がヒータ部32を通過している分だけ温度が高いので、処理槽101内の異臭を伴う空気が加熱されることになる。上記の通り、処理槽101内の異臭を伴う空気は、脱臭後にその一部が処理槽102に戻されるので、熱交換部hex2で加熱することで、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0043】
加熱・脱臭された空気のうち、処理装置A外へ排出される空気は排出ダクト50を通過する過程で、熱交換部hex1で、処理室10内に新たに導入される外気と熱交換される。外気よりも、脱臭機30を通過した脱臭後の空気の方がヒータ部32を通過している分だけ温度が高いので、処理室10へ導入される前に外気が加熱されることになる。このため、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。こうして、本実施形態では、脱臭後の空気を処理装置Aから排出する際に放出される、ヒータ部32の熱エネルギを、より少なくし、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0044】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、脱臭機30から排出され、還流ダクト51により処理槽102へ戻す空気も、脱臭部33を通過させたものとしたが、ヒータ部32のみを通過させたものとしてもよい。図4は本発明の別実施形態に係る処理装置Bの内部構造の説明図である。
【0045】
処理装置Bは、上記の処理装置Aと比較して、脱臭機30の構成が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Bの構成のうち、処理装置Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。
【0046】
本実施形態の脱臭機30は、ヒータ部32よりも排気口31b及び31c側のケース部31内の空間が、仕切壁34により気密に分割されている。一方の分割空間には脱臭部33が配置されて排気口31bが連通し、他方の分割空間には脱臭部33が配置されず、排気口31cが連通している。このため、脱臭機30から排出ダクト50へ排出された空気は、ヒータ部32、脱臭部33を通過した加熱・脱臭後の空気となる一方、脱臭機30から還流ダクト51へ排出された空気は、ヒータ部32のみを通過した加熱後の空気となる。このような構成であっても、上記第1実施形態と同様、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0047】
<第3実施形態>
廃棄物中の水分の蒸気化の程度は、廃棄物の多寡や温度状況によって変動する。本実施形態では、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持して、効率よく乾燥処理を行う。図5は本発明の別実施形態に係る処理装置Cの内部構造の説明図である。
【0048】
処理装置Cは、上記の処理装置Aと比較して、温度センサ80、ヒータ部81を設けた点が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Cの構成のうち、処理装置Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。なお、本実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0049】
ヒータ部81は仕切壁6に設けられている。ヒータ部81はその発熱により、仕切壁6を介して処理槽101内の空気を加温する。なお、ヒータ部81は処理槽101或いは処理槽102を取り囲むように設けてもよい。
【0050】
本実施形態では、処理槽内の空気を加温するために、ヒータ部32とヒータ部81との双方を利用しているが、いずれか一方でもよい。例えば、ヒータ部32のみで処理槽内の空気を加温することとし、ヒータ部81を省略してもよい。
【0051】
<処理槽内の空気の湿度に関わる物理量の検出>
温度センサ80は処理槽101内に配設されている。温度センサ80は、処理槽101内の空気の湿度に関わる物理量として、その温度(気温)を検出する。湿度に関わる物理量として、湿度そのものを検出するセンサを採用することもできる。しかし、安価で信頼性の高く、高温で腐食性のある空気の湿度を検出できる湿度センサが実用化されていない。そこで、本実施形態では温度センサ80を用いて湿度を推測する方式としたが、湿度を推測可能な物理量を検出できるものであれば何でもよい。
【0052】
温度センサ80は、より正確に処理槽101内の温度のみを検出できることが好ましい。このため、本実施形態では、支持部材80aを介して仕切壁6で温度センサ80を支持する構成とし、処理槽101を画定するその壁部から温度センサ80を離間させることで、仕切壁6等の温度が温度センサ80の検出結果に与える影響を小さくしている。支持部材80aは熱伝導性の低い材料であることが好ましい。
【0053】
また、処理槽101内の廃棄物の温度が温度センサ80の検出結果に与える影響を小さくするために、処理槽101内の比較的上部に温度センサ80を配置している。温度センサ80は廃棄物に接しない位置に配置することが望ましい。
【0054】
なお、本実施形態では処理槽101内に温度センサ80を設けたが、処理槽102内に設けてもよい。
【0055】
<処理槽内の空気の換気>
上記の通り、送風機62により処理槽101及び102(並びに回収室103)の換気が行われる。そして、送風機62の送風量を変化させることで、換気量を変化させることができる。送風機62を停止すると、処理槽101及び102並びに回収室103内の空気は処理装置C外部へ排出されず、外気が自然吸気されないため、換気量は0となる。
【0056】
<制御部>
本実施形態の場合、制御部の構成は上記第1実施形態の制御部12(図3)と基本構成は共通である。但し、温度センサ80の検出結果をCPU121が取得可能なように温度センサ80が制御部12に接続され、また、ヒータ部81をCPU121が駆動すべく、ヒータ部81も制御部12に接続される。なお、送風機62についてはその送風量を可変にする駆動回路が、ヒータ部81についてはその発熱量を可変にする駆動回路が、それぞれ設けられる。
【0057】
<乾燥処理例>
<基本的な考え方>
処理槽101及び102内の廃棄物の乾燥処理を、短時間かつ無駄なエネルギの放出を少なく行うためには、ヒータ部32及び81が発するエネルギが廃棄物の乾燥処理に利用される割合を高めることが必要である。ここで、図6は処理槽101及び102内の換気量及び加温(ヒータ部32及び81)を一定にして、新たな廃棄物の乾燥処理を行った場合の、処理槽101及び102内の空気の水蒸気量の変化の例を示す図である。
【0058】
同図に示すように、時間の経過に伴って廃棄物中の水分の蒸発が進み、処理槽101及び102内の空気の水蒸気量が増加するが、一定量に至ると飽和する。そして、廃棄物中の水分が少なくなって水蒸気量が減少し、乾燥が終了する。
【0059】
この例の場合、区間P2においては処理槽101及び102内の空気の水蒸気が飽和しており、ヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギが、廃棄物の乾燥に役立っておらず、無駄に消費(排出)されていることになる。また、区間P1においては、水蒸気量の増加の立ち上がりが鈍く、これは、槽内の温度の立ち上がりが悪いことを示している。これもヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギが、無駄に消費(排出)されていることになる。
【0060】
本実施形態では、槽内の空気の水蒸気量が飽和しないように、槽内の換気量を制御する。つまり、槽内の空気の湿度が相対的に増大すると換気量を相対的に増大させることで、区間P2のように水蒸気が飽和しないようにする。これにより、ヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギを廃棄物の乾燥のためにより無駄なく消費することができる。また、槽内の空気の湿度が相対的に減少すると、乾燥のための熱エネルギが足りていないことになるので、換気量を相対的に減少させる。こうして換気量を制御することで、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持することができ、効率よく乾燥処理を行うことができる。
【0061】
また、乾燥開始時においては、槽内の温度の立ち上がりを鋭くするために、換気量を小さくし、好ましくは0とする。これにより、乾燥開始時において、早期に廃棄物中の水分の蒸気化を促進できる。
【0062】
本実施形態では、温度センサ80により槽内の空気の湿度を推測して換気量の制御を行う。処理槽内の空気の換気量は、廃棄物からの水分蒸発量と処理槽外への排出量のバランスを制御することになる。すなわち、ヒータ部32及び81で印加した熱エネルギは、乾燥(蒸気化)エネルギ、空気の昇温エネルギ、および、排気に伴う放出エネルギとして消費されることになる。このため、処理槽内の温度変化の様子を検出すれば、処理槽の気化状態を判断することが可能となり、ヒータ部32及び81で印加した熱エネルギを乾燥(蒸気化)エネルギとして優先的に使用できるように制御することが可能になる。
【0063】
例えば、処理槽内の温度が一定の値で推移していれば、印加した熱エネルギはその全てが廃棄物中の水分を蒸気化する為のエネルギとして消費されていることになる。この場合は現状の換気量を維持すればよいことになる。
【0064】
一方、処理槽内の温度が上昇している場合には、処理槽内の相対湿度が高く、水蒸気が飽和状態近くになっている為、廃棄物中の水分の蒸気化が鈍化し、印加した熱エネルギが空気の昇温エネルギとして消費される状態になっている。この場合は、換気量を増やすことで処理槽内の水蒸気を多量に含んだ空気をより多く処理槽外に排出すると共に、処理槽外に排出する空気に見合った外気を処理槽内に導入することで、処理槽内の相対湿度を減少させ、廃棄物中の水分蒸発を促すようにすることができる。
【0065】
また、処理槽内の温度が減少している場合は、蒸気化量に比べて換気量が多すぎて廃棄物中の水分の気化が鈍くなっていることが推定される。よって、この場合は換気量を適量に減らすことで処理槽からの不必要な熱の排出を抑制して、廃棄物中の水分蒸発を促す。
【0066】
<制御例>
図7はこのような考え方に基づく処理のフローチャートであり、制御部12のCPU121が実行する処理のフローチャートを示す。処理装置Cのユーザは、廃棄物を装置内に投入後、操作部3から処理の開始を指示する。CPU121は該指示を契機として同図の処理を実行する。
【0067】
S1では初期処理を行う。ここでは、モータ24を駆動し、廃棄物の攪拌を開始する。送風機62はOFFとし、送風機60及び61はONとする。送風機62をOFFとすることで、処理槽101及び102内の空気の換気量は0となり、送風機60及び61の作動により、処理槽101及び102内で空気が循環しているだけの状態となる。また、ヒータ部32及び81をONにする。この場合、ヒータ部32及び81の出力は最大(定格出力)とする。出力を最大とすることで、廃棄物の減量処理、特に、乾燥を短時間で終えられる。出力を最大としても、換気量の制御により、その熱エネルギが有効に活用される。これらの処理により、廃棄物の醗酵、乾燥が開始される。ヒータ部32及び81の出力は、温度センサ80の検出温度が規定温度T2に達するまで(S5)、最大のまま一定とする。
【0068】
S2では温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T1に達したか否かを判定する。規定温度T1に達していた場合はS3へ進み、達していない場合はS4へ進む。規定温度T1は、微生物の働きや廃棄物中の水分の蒸発が活発化し始める温度とし、例えば、摂氏35度である。
【0069】
S3では、送風機62を運転する。規定温度T1まで送風機62をOFFとしておくことで、槽内の温度の立ち上がりをよくすることができる。換気量(送風量)は、温度センサ80の検出温度(槽内温度)が相対的に高い場合は相対的に増大し、相対的に低い場合は相対的に減少させる。これにより、処理槽101及び102内を蒸気化に適した状態に維持することができ、効率よく乾燥処理を行うことができる。本実施形態では、検出温度に定数kを乗算して換気量を算出し、検出温度に換気量が比例するようにしている。
【0070】
S4では送風機62をOFFとしてS2へ戻る。送風機62の運転開始後、温度センサ80の検知温度が規定温度T1以下になった場合の処理である。
【0071】
S5では温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T2に達したか否かを判定する。規定温度T2に達していた場合はS6へ進み、達していない場合はS2へ戻る。規定温度T2は、例えば、槽内の空気の水蒸気が飽和に近い温度で、微生物が活動する上限温度とし、例えば、摂氏80度である。
【0072】
槽内温度が規定温度T2に達した場合は、槽内の空気の水蒸気が飽和に近いので、S6では送風機62の運転を継続するが換気量を最大とする。また、本実施形態の場合、ヒータ部81の出力を減少する。ヒータ部81の出力は0としてもよいし、半分程度としてもよい。いずれにしても、ヒータ部32及び81からの合計の出力は減少する。ヒータ部32及び81からの熱エネルギを減少することで、廃棄物中の水分の蒸発を抑制し、槽内の空気の水蒸気が飽和しないように(熱エネルギが無駄にならないように)する。
【0073】
S7では、温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T3に達したか否かを判定する。規定温度T3に達していた場合はS8へ進み、達していない場合はS2へ戻る。規定温度T3は、蒸発すべき廃棄物中の水分がほとんどない場合、つまり、乾燥が完了する温度とし、例えば、摂氏90度である。
【0074】
S8では終了処理を行う。ここでは、モータ24、送風機62、60、61並びにヒータ部32、381OFFにする。以上により一単位の処理が終了する。
【0075】
図8は、上記の制御を行った場合の処理槽内の空気の水蒸気量、槽内温度及び換気量の変化の例を示す図である。処理開始から槽内温度が規定温度T1に至るまでは、換気量が0であるため、その立ち上がりがよく、槽内の水蒸気量の立ち上がりがよくなっている。槽内温度が規定温度T1からT2までの間では換気量が槽内温度に比例して増加し、槽内の水蒸気量が飽和していない。槽内温度が規定温度T2からT3までの間では換気量が最大となって、槽内の水蒸気量が飽和することを防ぐと共に、廃棄物中の水分減少により槽内の水蒸気量が減少する。しかして、廃棄物が乾燥して処理が終了する。
【0076】
このように本実施形態では、処理対象物を収容する処理槽(101、102)と、前記処理槽内を加温する加温手段(32)と、前記処理槽内の空気を外気と換気する換気手段(62)と、前記処理槽内の空気の湿度に関わる物理量を検出する検出手段(80)と、前記換気手段を制御し、前記検出手段の検出結果に基づいて前記処理槽内の空気の換気量を制御する制御手段(12)と、
を備える。上記第1実施形態及び第2実施形態における還流ダクト51の加熱空気の循環による、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギの効率的利用に加えて、本実施形態では、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持して、効率よく乾燥処理を行うことができ、熱エネルギを相乗的に有効利用できる。
【0077】
<第4実施形態>
本実施形態では、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、処理槽内の温度制御を実現する。図9は本発明の別実施形態に係る処理装置Dの内部構造の説明図である。
【0078】
処理装置Dは、上記の処理装置Bと比較して、温度センサ90を設けた点が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Dの構成のうち、処理装置Bと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。なお、本実施形態と上記第1実施形態や上記第3実施形態とを組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0079】
温度センサ90は、ケース部31内に設けられており、特に、排気口31cが連通した分割空間内に配置されている。温度センサ90はヒータ部32を通過した空気の温度を検出する。温度センサ90は還流ダクト51を通過する空気の温度を検出できればよく、脱臭機30が上記第1実施形態の構成の場合は、例えば、脱臭部33を通過して還流ダクト51に流れる空気の温度が検出できるように配置すればよい。
【0080】
<制御部>
本実施形態の場合、制御部の構成は上記第1実施形態の制御部12(図3)と基本構成は共通である。但し、温度センサ90の検出結果をCPU121が取得可能なように温度センサ90が制御部12に接続される。なお、図示しないが、送風機61についてはその風量を可変にする駆動回路が、ヒータ部32についてはその出力(発熱量)を可変にする駆動回路が、それぞれ設けられる。
【0081】
<流量・ヒータ制御>
ヒータ部32による処理槽101及び102内の空気の温度制御に関し、デューティ制御を採用せずに投入する熱エネルギをできるだけ一定としておくこと、つまり、ヒータ部32の出力をできるだけ一定としておくことで、ヒータ部32の遊ぶ時間をなくし、必要な出力性能を持ったヒータ部32を設備することが出来る。特に、生ごみ等の廃棄物の加熱乾燥処理の場合には、ヒータの出力を最大としておけば短時間で処理を終えられる。
【0082】
本実施形態では、ヒータ部32を原則として出力一定で駆動し、特に出力を最大(定格出力)で駆動する。出力を最大に維持していくことにより、廃棄物に対して与えられる単位時間あたりの熱エネルギを大きくすることができ、特に廃棄物の乾燥の点で、処理の短時間化を図ることができる。
【0083】
一方、廃棄物等の処理装置においては、装置外の気温や処理槽内での廃棄物の状態により、処理槽内の空気の温度が変化する。このため、ヒータの制御に代えて、ヒータ部32を通過させる空気の温度を制御する仕組みが必要となる。
【0084】
処理槽101及び102内の空気の温度はヒータ部32を通過させる空気の流量、つまり、送風機61の風量で制御する。ヒータ部32を通過した空気の温度は、ヒータ部32の出力に比例し、通過する流量に反比例する。よって、処理槽101及び102内の空気の温度を下げたい場合は送風機61の風量を増大し、温度を上げたい場合は送風機61の風量を減少させる。これにより、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体(空気)の温度制御を実現することができる。なお、本実施形態の場合、送風機61の風量増大では温度が下がらない場合はヒータ部32の出力を減少させる。
【0085】
図10(A)は本実施形態における流量・ヒータ制御の説明図である。温度T11〜T12の範囲が、処理槽101及び102内の空気の温度について、制御の目的とする温度範囲(規定温度範囲)である。この規定温度範囲は、微生物が活動可能である共に廃棄物の乾燥が促進される温度範囲が好ましい。
【0086】
送風機61の風量制御は、処理槽101及び102内の空気の温度、つまり、温度センサ90の検出温度が規定温度範囲に収まるように行い、規定温度範囲を下回った場合は風量を減少し、規定温度範囲を上回った場合は風量を増大させる。
【0087】
温度T13は規定温度範囲の最高温度T2よりも高い閾値温度であり、温度T13まではヒータ部32の出力を一定として送風機61の風量により温度制御を行うが、温度T13に達した場合はヒータ部32の出力を変更(減少)して、規定温度範囲に空気の温度を維持するようにする。
【0088】
温度T14は処理の終了を判断するための温度である。温度T4に至った場合は廃棄物が乾燥したものとして、処理を終了する。
【0089】
<制御例>
図11は制御部12のCPU121が実行する流量制御処理のフローチャートを示し、送風機61の風量制御内容を示す。また、図12は制御部12のCPU121が実行するヒータ制御処理のフローチャートを示し、ヒータ部32の制御内容を示す。処理装置Dのユーザは、廃棄物を装置内に投入後、操作部3から処理の開始を指示する。CPU121は該指示を契機としてこれらの処理を含む処理を実行する。
【0090】
まず、図11を参照して流量制御について説明する。S11では初期処理を行う。ここでは、送風機61を予め定めた初期風量で駆動する。S12では規定時間が経過かしたか否かを判定し、規定時間を経過した場合はS13へ進む。規定時間は処理槽101及び102内が始動から安定した状態(例えば槽内温度が醗酵分解処理に適した温度に達した状態)に移行するのに必要な時間が設定される。
【0091】
S13では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T11未満か否かを判定する。温度T11未満の場合はS4へ進み、温度T11以上の場合はS15へ進む。S14では送風機61の風量を1制御単位だけ減少させ、S13へ戻る。風量を減少することで、処理槽101及び102内の空気温度を高められる。
【0092】
S15では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T12以上か否かを判定する。温度T12以上の場合はS6へ進み、温度T12未満の場合はS13へ戻る。S16では送風機61の風量を1制御単位だけ増大させ、S17へ進む。風量を増大することで、処理槽101及び102内の空気温度を下げられる。
【0093】
S17では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T14以上か否かを判定する。温度T14以上の場合はS18へ進み、温度T14未満の場合はS13へ戻る。S18では、廃棄物の乾燥が終了したとして送風機61を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0094】
次に、図12を参照してヒータ制御について説明する。S21では初期処理を行う。ここでは、本実施形態の場合、ヒータ部32を最大(定格出力)で駆動する。S22では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T13以上か否かを判定する。温度T13以上の場合はS23へ進み、温度T3未満の場合はS24へ進む。S23では、ヒータ部32の出力を減少してS25へ進む。出力の減少は、一回の処理で1制御単位ずつ減少させるようにしてもよいし、一律に予め定めた出力(例えば50%)にしてもよい。S24では、ヒータ部32の出力を最大(定格出力)にし、S25へ進む。S23で出力を減少したことで、検出温度が温度T13未満に下がった場合に、最大(定格出力)に戻す処理である。
【0095】
S25では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T14以上か否かを判定する。温度T14以上の場合はS26へ進み、温度T14未満の場合はS22へ戻る。S26では、廃棄物の乾燥が終了したとしてヒータ部32を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0096】
なお、本実施形態では、ヒータ部32を通過させる空気の流量を、風量可変の送風機61で変化させたが、風量固定の送風機と流量制御弁との組み合わせで流量を制御してもよい。図10(B)は流量制御のための他の構成例を示す図である。
【0097】
異なる点についてのみ説明すると、図10(B)の構成では、送風機61'が風量固定である一方、ヒータ部32の下流側にはヒータ部32を通過する空気の流量を調整する流量制御弁(電磁弁)91が設けられている。流量制御弁91はヒータ部32の上流側に設けてもよい。
【0098】
流量制御弁91はCPU121により制御され、その開弁量が制御される。しかして、図11に示した流量制御において、送風機61の風量を変化させる制御に代えて、流量を減少する場合は流量制御弁91の開弁量を減少し、流量を増大する場合は流量制御弁91の開弁量を増大すればよい。
【0099】
このように本実施形態では、発熱手段(32)と、前記発熱手段に前記処理槽内の空気を送出する送出手段(61)と、前記発熱手段を通過した前記空気の温度を検出する温度検出手段(90)と、前記発熱手段を通過した前記空気を前記処理槽内に導入する導入手段(51)と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段(12)と、備える。
【0100】
上記第1実施形態及び第2実施形態における還流ダクト51の加熱空気の循環による、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギの効率的利用に加えて、本実施形態では、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、槽内空気の温度制御を実現することができ、熱エネルギを相乗的に有効利用できる。
【0101】
また、上記第3実施形態と組み合わせることで、熱エネルギを飛躍的に有効利用し得る。つまり、上記第1及び第2実施形態は、脱臭器30から出る熱エネルギーを被処理物の乾燥処理に活用して、槽内の高効率熱循環での処理を実現し、「消費電力の低減化」を図ることができるものであり、上記第3実施形態は、槽内湿度(温度)に応じて換気量を制御して、投入したエネルギーに基づく熱エネルギーは槽外に逃がさず活用し、無駄なエネルギー放出をなくすことができるものであり、本実施形態は、投入する熱エネルギの変化を必要とせず、ヒータ部32をフルパワーにして、加熱直後の空気温度に応じてヒータ部32に対する空気の流量を制御して、流体の温度制御を可能としている。
【0102】
このため、これら実施形態を組み合わせることで、各々の作用効果が相乗的に発揮され、被処理物の処理のための投入エネルギーの最大化、及びその有効活用によって槽内の高効率熱循環を可能としながら、処理に要するエネルギーの最適化を図って、効率良く被処理物の処理を行うことができる処理装置を実現することができる。
【0103】
なお、上述した各実施形態においては、処理対象物として生ごみ等の廃棄物を処理する廃棄物処理装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加熱処理装置、攪拌処理装置、混合処理装置、減溶処理装置等に適用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物を加温処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
処理対象物を加温処理する装置においては、加温用ヒータの消費電力削減等、省エネルギー化が望ましい。例えば、生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置では、処理槽内で廃棄物を微生物の働きで醗酵させて分解し、乾燥する際に槽内を加温するヒータが必要となるが、その省エネルギー化が望ましい。
【0003】
ここで、この種の廃棄物処理装置では、廃棄物から除去された水分(水蒸気)は、装置外へ排気ガスとして排出されるが、廃棄物の臭気を伴うため脱臭機で脱臭してから排気される。脱臭には、通常、酸化触媒と、酸化触媒に適した温度に空気を加熱するヒータとを備えた脱臭機が用いられる。脱臭機のヒータで加熱された空気が排気されることは、熱エネルギが無駄に排出されていることになる。そこで、例えば、特許文献1には、脱臭機を槽内に配置し、槽内を通る脱臭機の排気管に送風ファンから循環気流を作用させる装置が開示されている。この装置では、脱臭機の排気管を介した熱交換により槽内の空気を加温することで、脱臭機のヒータを槽内の加温に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−059112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の装置では、脱臭機のヒータが発した熱エネルギの利用は、脱臭機の排気管を介した熱交換の効率に左右される。このため、熱交換の効率が低ければ脱臭機のヒータが発した熱エネルギは、槽内加温に利用されずに装置外へ排出されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、脱臭機のヒータの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、処理対象物を加温処理する処理室と、前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、を備えたことを特徴とする処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、脱臭機のヒータの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る処理装置の外観図。
【図2】前記処理装置の内部構造の説明図。
【図3】制御部のブロック図。
【図4】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図5】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図6】換気量及び加温を一定にした場合の処理槽内の空気の水蒸気量の変化の例を示す図。
【図7】制御部が実行する処理のフローチャート。
【図8】処理槽内の空気の水蒸気量、槽内温度及び換気量の変化の例を示す図。
【図9】本発明の別実施形態に係る処理装置の内部構造の説明図。
【図10】(A)流量、ヒータ制御の説明図、(B)は流量制御のための他の構成例を示す図。
【図11】制御部が実行する流量制御処理のフローチャート。
【図12】制御部が実行するヒータ制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置Aの外観図、図2は処理装置Aの内部構造の説明図である。図中、矢印Zは鉛直方向(処理装置Aの高さ方向)を示し、矢印X及びYは互いに直交する水平方向(X方向は処理装置Aの幅方向、Y方向は処理装置Aの奥行き方向)を示す。処理装置Aは生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置である。
【0011】
<装置の概要>
図1に示すように、処理装置Aの上面には、生ごみを投入する投入口1aを開閉するドア1が回動自在に設けられている。処理装置Aの上面にはまた、操作部3が設けられている。操作部3には処理装置Aの処理開始、停止等をユーザが指示するためのスイッチ等が設けられる。処理装置Aの正面には、減量処理済の廃棄物を排出するための開口部2、及び、この開口部2を開閉するためのドア2aが回動自在に設けられている。ドア1、ドア2aを閉鎖した状態では、処理装置A内の処理室10の気密性が保たれるようにドア1やドア2aの周囲には不図示のシール部材が設けられる。
【0012】
図2を参照して、処理装置Aは底板4を備え、その下面にはキャスタ5が取り付けられており、処理装置Aの移動を容易なものとしている。底板4上にはX方向に互いに離間した仕切壁6乃至8が立設されている。仕切壁6乃至8は底板4に固定された隔壁であり、処理室10内の空間を仕切る。
【0013】
処理室10内では、処理対象物として、例えば、生ごみ等の廃棄物を加温処理する。詳細には、廃棄物の前処理となる醗酵処理と、後処理となる乾燥処理とによる廃棄物の減量処理である。仕切壁6と仕切壁7との間の空間は、主として醗酵処理を行う廃棄物処理槽101を形成している。仕切壁7と仕切壁8との間の空間は、主として乾燥処理を行う廃棄物処理槽102を形成している。処理槽102のX方向の側方には、仕切壁8で仕切られた回収室103が形成されている。回収室103には減量処理された廃棄物が処理槽102から導入される。回収室103は、主として、廃棄物の乾燥状態を維持する。回収室103は排出口2と連通しており、ドア2aを開放することで回収室103から減量処理済の廃棄物を取り出すことができる。本実施形態では、処理室を3つに区分けした構成としているが、区分けしない構成や、2つ以下に区分けした構成、或いは、4つ以上に区分けした構成でもよい。
【0014】
処理装置Aは、駆動ユニット20を備える。駆動ユニット20は、処理槽101及び102を横断する駆動軸21を備える。駆動軸21はX方向に延設され、仕切壁6乃至8にそれぞれ設けた軸受け22により回転自在に支持されている。駆動ユニット20は、また、駆動軸21の一方端部に固定されたスプロケット23と、モータ24と、を備える。スプロケット23と、モータ24の出力軸に固定したスプロケットとにはベルトが巻きまわされてベルト伝動機構が構成されている。そして、モータ24の駆動により駆動軸21が回転するようにしている。
【0015】
駆動軸21にはその径方向に延びる攪拌棒25が複数取り付けられている。駆動軸21の回転により、攪拌棒25によって処理槽101及び102内の廃棄物が攪拌される。本実施形態では棒状の攪拌棒25を採用したが、槽内を攪拌可能な形状であればよい。仕切壁7の下部には、処理槽101と処理槽102とを連通させる連通孔71が形成されており、攪拌棒25による攪拌により、処理槽101から処理槽102へ廃棄物が移動可能となっている。
【0016】
なお、本実施形態では、仕切壁7の下部に連通孔71を設けて処理槽101から処理槽102へ廃棄物を移動可能としたが、仕切壁7の上部に開口部を設けて、仕切壁7を超えて処理槽101から処理槽102へ廃棄物がオーバーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0017】
処理槽102内の廃棄物は、その堆積量の増加により仕切壁8を超えて回収室103へ落下し、回収室103内に堆積する。なお、本実施形態では、仕切壁8を超えて処理槽102から回収室103へ廃棄物が移動可能としたが、仕切壁8の下部に連通孔を設けて処理槽102から回収室103へ廃棄物がアンダーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0018】
<減量処理>
処理装置Aによる生ごみ等の廃棄物の減量処理について説明する。生ごみの減量処理としては、生ごみを単に脱水させる方式、生ごみを乾燥させる方式、微生物による分解処理(醗酵処理)が知られている。本実施形態では、分解処理と乾燥とを組み合わせた減量処理であるが、他の方式でもよい。
【0019】
投入口1aから投入された生ごみは、始めに処理槽101に入る。処理槽101内の、水分を多量に含む生ごみRD1は、生ごみRD1に存する微生物或いは予め投入された大鋸屑等の菌床となる基材の働きにより分解される。その際、攪拌棒25による攪拌により、生ごみRD1の均一な分解が促進される。
【0020】
分解処理が進行して減量された処理槽101内の生ごみRD1は、仕切壁7の下部の連通孔71を介して処理槽101から処理槽102へ移動する。処理槽102内の生ごみRD2は、後述するようにダクト51から排気される加温された空気の吹き付けにより乾燥される。処理槽102内に堆積した、乾燥の進んだ生ごみRD2は、処理槽102からオーバーフローして回収室103に排出される。回収室103には、こうした減量処理によって生じた、生ごみの残渣RD3が堆積されることになる。
【0021】
<脱臭と加温>
廃棄物の乾燥はその水分(水蒸気)が処理室10外へ排出されることで促進される。一方、廃棄物の醗酵により、処理室10内の空気は異臭を伴うため、そのまま排出すると望ましくない。そこで、脱臭機30で脱臭して排出する。
【0022】
一方、廃棄物の醗酵は微生物の活性化により促進されるため、微生物の活性化に適した温湿度を維持すべく、処理槽101内を加温する必要がある。また、廃棄物を乾燥させるためには、より高温で加温する必要がある。本実施形態では、処理室10内の加温に、脱臭機30が備えるヒータ部32の熱エネルギを利用する。なお、処理室10内の加温には、別のヒータを並設することも可能であるが、ヒータ部32単独での加温とすることで、省エネルギ化が図れる。
【0023】
脱臭機30は、ケース部31と、ヒータ部32と、脱臭部33と、を備える。ケース部31は、1つの吸気口31aと、2つの排気口31b及び31cと、を備えた中空体であり、その内部空間にヒータ部32と脱臭部33とが収容されている。
【0024】
ヒータ部32は脱臭部33よりも吸気口31a側に配設されており、吸気口31aを介してケース部31内に導入される処理室10内の空気は、まず、ヒータ部32を通過する。ヒータ部32を通過して加熱された空気は、脱臭部33を通過して排気口31b又は31cから排出される。脱臭部33は、例えば、酸化触媒であり、ヒータ部32は酸化触媒の活性化温度に適した温度となるように空気を加熱する。
【0025】
排気口31bには、排出ダクト50の一方端部が接続されている。排出ダクト50の他方端部は換気室11に位置している。換気室11は、壁部9により処理室10と区画されており、換気孔111を介して処理装置Aの外部空間と連通している。壁部9には処理室10内への外気の取り入れ口となる開口部9aが形成されている。処理室10は、ドア1及びドア2aを閉鎖した状態では、この開口部9aを介してのみ処理装置Aの外部空間と連通しており、実質的に密閉されている。
【0026】
排出ダクト50は、開口部9aを通って換気室11内に延設されており、ヒータ部32と脱臭部33との双方を通過して脱臭機30から排出された空気を処理室10外に導く排出通路を形成している。排出ダクト50の他方端部には送風機62が接続されている。送風機62は、排出ダクト50から脱臭機30で加温・脱臭された空気を吸引し、ダクト62a及び換気孔111を介して処理装置Aの外部へ排気する。
【0027】
送風機62により処理室10内の空気が排気されると、その分、処理室10内は負圧になるため、排気された空気量に相当する外気が開口部9aを介して処理室10内に自然吸気される。開口部9aには、外気導入ダクト52の一方端部が気密に接続されており、外気導入ダクト52の他方端部は換気室11内で開放されている。したがって、排気された空気量に相当する外気は外気導入ダクト52を通って処理室10内に自然吸気されることになり、外気導入ダクト52は外気を導入する外気導入通路を形成している。
【0028】
排出ダクト50は、外気導入ダクト52内を通過しており、これらは2重管を構成している。本実施形態では、このように排出ダクト50と外気導入ダクト52とを2重管構造とすることで、排出ダクト50を通過する空気(加熱・脱臭された処理室10内の空気)と外気導入ダクト52を通過する空気(外気)との熱交換を行う(熱交換部hex1)。本実施形態では、熱交換部hex1を2重管構造としたが、これに限られず、例えば、2つのダクトを近接されて並設するだけでもよいし、また、一方のダクトを他方のダクトが螺旋状に巻き回す構成でもよい。なお、熱交換が促進されるよう、排出ダクト50は、少なくとも2重管構造形成部分において、熱伝導性の良好な金属材料等で形成されることが好ましい。
【0029】
排気口31cには、還流ダクト51の一方端部が接続されている。還流ダクト51の他方端部は処理室10内で開放されており、本実施形態の場合、特に、処理槽102において開放している。還流ダクト51は、ヒータ部32と脱臭部33との双方を通過して脱臭機30から排出された空気を処理室10に戻す還流通路を形成している。このように本実施形態では、脱臭機30から排出された空気の一部を処理室10内に戻しており、ヒータ部32で加温された空気が還流ダクト51から処理槽102内の生ごみRD2に吹き付けられてその乾燥を促進する。
【0030】
処理槽101と処理槽102とは、仕切壁7の上部に設けた連通孔72で連通している。したがって、還流ダクト51から処理槽102内に排出された加温された空気は、連通孔72を介して処理槽101に流入し、処理槽101内を加温する。この結果、生ごみRD1の醗酵ないし乾燥が促進される。
【0031】
脱臭機30を通過することで、脱臭・加温された空気は、その一部はダクト31cを介して処理槽102へ導かれる。仕切壁7の上部には、処理槽101と処理槽102とを連通させる連通孔72が形成されており、ダクト31cから処理槽102へ導かれた空気は連通孔72を通って処理槽101へ流入する。処理槽101には、送風機60が設けられている。送風機60は処理槽101内の空気を図2で矢印で示す方向に吸引・送風し、処理槽101内の空気を循環させる。これにより、処理槽101内の生ごみRD1がより均一に加温され、均一な醗酵、乾燥が促進される。
【0032】
送風機61は仕切壁7を通過するダクト61aを介して処理槽101内の空気を吸引して脱臭機30へ送風する。本実施形態の場合、処理槽101では主として廃棄物の醗酵処理を行うため、処理槽101には異臭が生じ易い。送風機61が処理槽101内の異臭を伴う空気を吸引することで処理槽101内に負圧を生じて、処理槽102から連通孔72を介して処理槽101には外気と脱臭後の空気との混合気が流入する。これにより、処理槽101内の異臭を伴う空気が減少し、ドア1を開放したときに異臭を伴う空気が放出される程度を軽減する。
【0033】
送風機61はダクト61b及び空気導入部材40を介して脱臭機30に処理槽101内の空気を送風する。空気導入部材40は、脱臭機30を収容した中空の支持部41と、支持部41から延出したダクト部42と、を備えた気密な中空体である。ダクト61bはダクト部42に接続されており、送風機61が送風する空気はダクト61b、ダクト部42内を通って支持部41内に吹き付けられ、脱臭機30の吸気口31aからヒータ部32へ流入する。
【0034】
支持部41は、還流ダクト51が通過する開口部を有して還流ダクト51を支持部41内から外部へ延出している。なお、この開口部と還流ダクト51との間にはシール部材等を配することで、両者間を気密にすることができる。
【0035】
ダクト部42内には、排出ダクト50が途中まで通過して2重管を構成し、排出ダクト50はダクト部42の周壁に設けた開口部を通過してダクト部42外へ延出している。なお、この開口部と排出ダクト50との間にはシール部材等を配することで、両者間を気密にすることができる。
【0036】
本実施形態では、排出ダクト50とダクト部42とを2重管構造とすることで、排出ダクト50を通過する空気(加熱・脱臭された処理室10内の空気)と、ダクト部42を通過する処理槽101内の空気との熱交換を行う(熱交換部hex2)。本実施形態では、熱交換部hex2を2重管構造としたが、これに限られず、例えば、2つのダクトを近接されて並設するだけでもよいし、また、一方のダクトを他方のダクトが螺旋状に巻き回す構成でもよい。なお、熱交換が促進されるよう、排出ダクト50は、少なくとも2重管構造形成部分において、熱伝導性の良好な金属材料等で形成されることが好ましい。
【0037】
空気導入部材40は、支持部材40aにより、壁部9に吊り下げられるようにして支持されている。このため脱臭機30は、処理室10を画定する各壁部から離間して配設された状態にある。これは、ヒータ部32が発する熱が処理室10を画定する各壁部から処理装置A外へ無駄に放出されることを防止することができる。
【0038】
また、脱臭機30は処理室10外に配置することも可能であるが、本実施形態の場合、脱臭機30は処理室10内に配設されている。このため、ヒータ部32が発する熱は、処理室10内の加温にも役立つ。更に、本実施形態の場合、脱臭機30は処理槽101外に配設しており、処理槽102から回収室103にかけて配設している。この配置は、還流ダクト51からの処理槽102への空気の吹き付けとあいまって、処理槽101を相対的に低温に、処理槽102を相対的に高温とすることに役立つ。廃棄物の乾燥を促進するためにはより高温であればよいが、廃棄物の醗酵は温度が高すぎると微生物の活動が悪くなる、或いは、死滅する。よって、処理槽101は処理槽102よりも低温であることが望ましいのである。
【0039】
<制御部>
図3は処理装置Aの制御部12のブロック図である。制御部12は、CPU121、ROM122、RAM123及びI/F(インターフェース)124を備える。CPU121は、I/F124を介して、操作部3の操作状態を取得し、送風機60、61、62、ヒータ部32、モータ24を制御する。ROM122にはCPU121が実行する制御プログラムやデータが記憶される。RAM123には一時的なデータが記憶される。ROM122、RAM123は他の種類の記憶手段を採用してもよい。
【0040】
<処理装置Aの動作例>
制御部12は、操作部3から処理開始が指示されると、送風機60乃至62、ヒータ部32及びモータ24を駆動する。処理槽101内の異臭を伴う空気は送風機61により吸引されて脱臭機30に送出される。送出された空気は脱臭機30のヒータ部32で加熱されて脱臭部33で脱臭される。
【0041】
加熱・脱臭された空気の一部は、排出ダクト50、送風機62を介して処理装置A外へ排出される。一方、加熱・脱臭された空気の残りは、還流ダクト51を介して処理槽102内の生ごみRD2に吹き付けられ、その乾燥が促進される。こうして、加熱・脱臭された空気を全部排出せず、処理室10内の加温に用いることで、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0042】
加熱・脱臭された空気のうち、処理装置A外へ排出される空気は排出ダクト50を通過する過程で、熱交換部hex2で、処理槽101内の異臭を伴う空気と熱交換される。処理槽101内の異臭を伴う空気よりも、脱臭機30を通過した脱臭後の空気の方がヒータ部32を通過している分だけ温度が高いので、処理槽101内の異臭を伴う空気が加熱されることになる。上記の通り、処理槽101内の異臭を伴う空気は、脱臭後にその一部が処理槽102に戻されるので、熱交換部hex2で加熱することで、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0043】
加熱・脱臭された空気のうち、処理装置A外へ排出される空気は排出ダクト50を通過する過程で、熱交換部hex1で、処理室10内に新たに導入される外気と熱交換される。外気よりも、脱臭機30を通過した脱臭後の空気の方がヒータ部32を通過している分だけ温度が高いので、処理室10へ導入される前に外気が加熱されることになる。このため、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。こうして、本実施形態では、脱臭後の空気を処理装置Aから排出する際に放出される、ヒータ部32の熱エネルギを、より少なくし、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0044】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、脱臭機30から排出され、還流ダクト51により処理槽102へ戻す空気も、脱臭部33を通過させたものとしたが、ヒータ部32のみを通過させたものとしてもよい。図4は本発明の別実施形態に係る処理装置Bの内部構造の説明図である。
【0045】
処理装置Bは、上記の処理装置Aと比較して、脱臭機30の構成が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Bの構成のうち、処理装置Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。
【0046】
本実施形態の脱臭機30は、ヒータ部32よりも排気口31b及び31c側のケース部31内の空間が、仕切壁34により気密に分割されている。一方の分割空間には脱臭部33が配置されて排気口31bが連通し、他方の分割空間には脱臭部33が配置されず、排気口31cが連通している。このため、脱臭機30から排出ダクト50へ排出された空気は、ヒータ部32、脱臭部33を通過した加熱・脱臭後の空気となる一方、脱臭機30から還流ダクト51へ排出された空気は、ヒータ部32のみを通過した加熱後の空気となる。このような構成であっても、上記第1実施形態と同様、ヒータ部32の熱エネルギを、より効果的に、廃棄物の加温処理に利用することができる。
【0047】
<第3実施形態>
廃棄物中の水分の蒸気化の程度は、廃棄物の多寡や温度状況によって変動する。本実施形態では、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持して、効率よく乾燥処理を行う。図5は本発明の別実施形態に係る処理装置Cの内部構造の説明図である。
【0048】
処理装置Cは、上記の処理装置Aと比較して、温度センサ80、ヒータ部81を設けた点が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Cの構成のうち、処理装置Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。なお、本実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0049】
ヒータ部81は仕切壁6に設けられている。ヒータ部81はその発熱により、仕切壁6を介して処理槽101内の空気を加温する。なお、ヒータ部81は処理槽101或いは処理槽102を取り囲むように設けてもよい。
【0050】
本実施形態では、処理槽内の空気を加温するために、ヒータ部32とヒータ部81との双方を利用しているが、いずれか一方でもよい。例えば、ヒータ部32のみで処理槽内の空気を加温することとし、ヒータ部81を省略してもよい。
【0051】
<処理槽内の空気の湿度に関わる物理量の検出>
温度センサ80は処理槽101内に配設されている。温度センサ80は、処理槽101内の空気の湿度に関わる物理量として、その温度(気温)を検出する。湿度に関わる物理量として、湿度そのものを検出するセンサを採用することもできる。しかし、安価で信頼性の高く、高温で腐食性のある空気の湿度を検出できる湿度センサが実用化されていない。そこで、本実施形態では温度センサ80を用いて湿度を推測する方式としたが、湿度を推測可能な物理量を検出できるものであれば何でもよい。
【0052】
温度センサ80は、より正確に処理槽101内の温度のみを検出できることが好ましい。このため、本実施形態では、支持部材80aを介して仕切壁6で温度センサ80を支持する構成とし、処理槽101を画定するその壁部から温度センサ80を離間させることで、仕切壁6等の温度が温度センサ80の検出結果に与える影響を小さくしている。支持部材80aは熱伝導性の低い材料であることが好ましい。
【0053】
また、処理槽101内の廃棄物の温度が温度センサ80の検出結果に与える影響を小さくするために、処理槽101内の比較的上部に温度センサ80を配置している。温度センサ80は廃棄物に接しない位置に配置することが望ましい。
【0054】
なお、本実施形態では処理槽101内に温度センサ80を設けたが、処理槽102内に設けてもよい。
【0055】
<処理槽内の空気の換気>
上記の通り、送風機62により処理槽101及び102(並びに回収室103)の換気が行われる。そして、送風機62の送風量を変化させることで、換気量を変化させることができる。送風機62を停止すると、処理槽101及び102並びに回収室103内の空気は処理装置C外部へ排出されず、外気が自然吸気されないため、換気量は0となる。
【0056】
<制御部>
本実施形態の場合、制御部の構成は上記第1実施形態の制御部12(図3)と基本構成は共通である。但し、温度センサ80の検出結果をCPU121が取得可能なように温度センサ80が制御部12に接続され、また、ヒータ部81をCPU121が駆動すべく、ヒータ部81も制御部12に接続される。なお、送風機62についてはその送風量を可変にする駆動回路が、ヒータ部81についてはその発熱量を可変にする駆動回路が、それぞれ設けられる。
【0057】
<乾燥処理例>
<基本的な考え方>
処理槽101及び102内の廃棄物の乾燥処理を、短時間かつ無駄なエネルギの放出を少なく行うためには、ヒータ部32及び81が発するエネルギが廃棄物の乾燥処理に利用される割合を高めることが必要である。ここで、図6は処理槽101及び102内の換気量及び加温(ヒータ部32及び81)を一定にして、新たな廃棄物の乾燥処理を行った場合の、処理槽101及び102内の空気の水蒸気量の変化の例を示す図である。
【0058】
同図に示すように、時間の経過に伴って廃棄物中の水分の蒸発が進み、処理槽101及び102内の空気の水蒸気量が増加するが、一定量に至ると飽和する。そして、廃棄物中の水分が少なくなって水蒸気量が減少し、乾燥が終了する。
【0059】
この例の場合、区間P2においては処理槽101及び102内の空気の水蒸気が飽和しており、ヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギが、廃棄物の乾燥に役立っておらず、無駄に消費(排出)されていることになる。また、区間P1においては、水蒸気量の増加の立ち上がりが鈍く、これは、槽内の温度の立ち上がりが悪いことを示している。これもヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギが、無駄に消費(排出)されていることになる。
【0060】
本実施形態では、槽内の空気の水蒸気量が飽和しないように、槽内の換気量を制御する。つまり、槽内の空気の湿度が相対的に増大すると換気量を相対的に増大させることで、区間P2のように水蒸気が飽和しないようにする。これにより、ヒータ部32及び81から発せられる熱エネルギを廃棄物の乾燥のためにより無駄なく消費することができる。また、槽内の空気の湿度が相対的に減少すると、乾燥のための熱エネルギが足りていないことになるので、換気量を相対的に減少させる。こうして換気量を制御することで、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持することができ、効率よく乾燥処理を行うことができる。
【0061】
また、乾燥開始時においては、槽内の温度の立ち上がりを鋭くするために、換気量を小さくし、好ましくは0とする。これにより、乾燥開始時において、早期に廃棄物中の水分の蒸気化を促進できる。
【0062】
本実施形態では、温度センサ80により槽内の空気の湿度を推測して換気量の制御を行う。処理槽内の空気の換気量は、廃棄物からの水分蒸発量と処理槽外への排出量のバランスを制御することになる。すなわち、ヒータ部32及び81で印加した熱エネルギは、乾燥(蒸気化)エネルギ、空気の昇温エネルギ、および、排気に伴う放出エネルギとして消費されることになる。このため、処理槽内の温度変化の様子を検出すれば、処理槽の気化状態を判断することが可能となり、ヒータ部32及び81で印加した熱エネルギを乾燥(蒸気化)エネルギとして優先的に使用できるように制御することが可能になる。
【0063】
例えば、処理槽内の温度が一定の値で推移していれば、印加した熱エネルギはその全てが廃棄物中の水分を蒸気化する為のエネルギとして消費されていることになる。この場合は現状の換気量を維持すればよいことになる。
【0064】
一方、処理槽内の温度が上昇している場合には、処理槽内の相対湿度が高く、水蒸気が飽和状態近くになっている為、廃棄物中の水分の蒸気化が鈍化し、印加した熱エネルギが空気の昇温エネルギとして消費される状態になっている。この場合は、換気量を増やすことで処理槽内の水蒸気を多量に含んだ空気をより多く処理槽外に排出すると共に、処理槽外に排出する空気に見合った外気を処理槽内に導入することで、処理槽内の相対湿度を減少させ、廃棄物中の水分蒸発を促すようにすることができる。
【0065】
また、処理槽内の温度が減少している場合は、蒸気化量に比べて換気量が多すぎて廃棄物中の水分の気化が鈍くなっていることが推定される。よって、この場合は換気量を適量に減らすことで処理槽からの不必要な熱の排出を抑制して、廃棄物中の水分蒸発を促す。
【0066】
<制御例>
図7はこのような考え方に基づく処理のフローチャートであり、制御部12のCPU121が実行する処理のフローチャートを示す。処理装置Cのユーザは、廃棄物を装置内に投入後、操作部3から処理の開始を指示する。CPU121は該指示を契機として同図の処理を実行する。
【0067】
S1では初期処理を行う。ここでは、モータ24を駆動し、廃棄物の攪拌を開始する。送風機62はOFFとし、送風機60及び61はONとする。送風機62をOFFとすることで、処理槽101及び102内の空気の換気量は0となり、送風機60及び61の作動により、処理槽101及び102内で空気が循環しているだけの状態となる。また、ヒータ部32及び81をONにする。この場合、ヒータ部32及び81の出力は最大(定格出力)とする。出力を最大とすることで、廃棄物の減量処理、特に、乾燥を短時間で終えられる。出力を最大としても、換気量の制御により、その熱エネルギが有効に活用される。これらの処理により、廃棄物の醗酵、乾燥が開始される。ヒータ部32及び81の出力は、温度センサ80の検出温度が規定温度T2に達するまで(S5)、最大のまま一定とする。
【0068】
S2では温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T1に達したか否かを判定する。規定温度T1に達していた場合はS3へ進み、達していない場合はS4へ進む。規定温度T1は、微生物の働きや廃棄物中の水分の蒸発が活発化し始める温度とし、例えば、摂氏35度である。
【0069】
S3では、送風機62を運転する。規定温度T1まで送風機62をOFFとしておくことで、槽内の温度の立ち上がりをよくすることができる。換気量(送風量)は、温度センサ80の検出温度(槽内温度)が相対的に高い場合は相対的に増大し、相対的に低い場合は相対的に減少させる。これにより、処理槽101及び102内を蒸気化に適した状態に維持することができ、効率よく乾燥処理を行うことができる。本実施形態では、検出温度に定数kを乗算して換気量を算出し、検出温度に換気量が比例するようにしている。
【0070】
S4では送風機62をOFFとしてS2へ戻る。送風機62の運転開始後、温度センサ80の検知温度が規定温度T1以下になった場合の処理である。
【0071】
S5では温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T2に達したか否かを判定する。規定温度T2に達していた場合はS6へ進み、達していない場合はS2へ戻る。規定温度T2は、例えば、槽内の空気の水蒸気が飽和に近い温度で、微生物が活動する上限温度とし、例えば、摂氏80度である。
【0072】
槽内温度が規定温度T2に達した場合は、槽内の空気の水蒸気が飽和に近いので、S6では送風機62の運転を継続するが換気量を最大とする。また、本実施形態の場合、ヒータ部81の出力を減少する。ヒータ部81の出力は0としてもよいし、半分程度としてもよい。いずれにしても、ヒータ部32及び81からの合計の出力は減少する。ヒータ部32及び81からの熱エネルギを減少することで、廃棄物中の水分の蒸発を抑制し、槽内の空気の水蒸気が飽和しないように(熱エネルギが無駄にならないように)する。
【0073】
S7では、温度センサ80の検出結果を取得して、その検出温度が規定温度T3に達したか否かを判定する。規定温度T3に達していた場合はS8へ進み、達していない場合はS2へ戻る。規定温度T3は、蒸発すべき廃棄物中の水分がほとんどない場合、つまり、乾燥が完了する温度とし、例えば、摂氏90度である。
【0074】
S8では終了処理を行う。ここでは、モータ24、送風機62、60、61並びにヒータ部32、381OFFにする。以上により一単位の処理が終了する。
【0075】
図8は、上記の制御を行った場合の処理槽内の空気の水蒸気量、槽内温度及び換気量の変化の例を示す図である。処理開始から槽内温度が規定温度T1に至るまでは、換気量が0であるため、その立ち上がりがよく、槽内の水蒸気量の立ち上がりがよくなっている。槽内温度が規定温度T1からT2までの間では換気量が槽内温度に比例して増加し、槽内の水蒸気量が飽和していない。槽内温度が規定温度T2からT3までの間では換気量が最大となって、槽内の水蒸気量が飽和することを防ぐと共に、廃棄物中の水分減少により槽内の水蒸気量が減少する。しかして、廃棄物が乾燥して処理が終了する。
【0076】
このように本実施形態では、処理対象物を収容する処理槽(101、102)と、前記処理槽内を加温する加温手段(32)と、前記処理槽内の空気を外気と換気する換気手段(62)と、前記処理槽内の空気の湿度に関わる物理量を検出する検出手段(80)と、前記換気手段を制御し、前記検出手段の検出結果に基づいて前記処理槽内の空気の換気量を制御する制御手段(12)と、
を備える。上記第1実施形態及び第2実施形態における還流ダクト51の加熱空気の循環による、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギの効率的利用に加えて、本実施形態では、処理槽内を蒸気化に適した状態に維持して、効率よく乾燥処理を行うことができ、熱エネルギを相乗的に有効利用できる。
【0077】
<第4実施形態>
本実施形態では、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、処理槽内の温度制御を実現する。図9は本発明の別実施形態に係る処理装置Dの内部構造の説明図である。
【0078】
処理装置Dは、上記の処理装置Bと比較して、温度センサ90を設けた点が異なるが、他の構成は同じである。したがって、処理装置Dの構成のうち、処理装置Bと同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛する。なお、本実施形態と上記第1実施形態や上記第3実施形態とを組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0079】
温度センサ90は、ケース部31内に設けられており、特に、排気口31cが連通した分割空間内に配置されている。温度センサ90はヒータ部32を通過した空気の温度を検出する。温度センサ90は還流ダクト51を通過する空気の温度を検出できればよく、脱臭機30が上記第1実施形態の構成の場合は、例えば、脱臭部33を通過して還流ダクト51に流れる空気の温度が検出できるように配置すればよい。
【0080】
<制御部>
本実施形態の場合、制御部の構成は上記第1実施形態の制御部12(図3)と基本構成は共通である。但し、温度センサ90の検出結果をCPU121が取得可能なように温度センサ90が制御部12に接続される。なお、図示しないが、送風機61についてはその風量を可変にする駆動回路が、ヒータ部32についてはその出力(発熱量)を可変にする駆動回路が、それぞれ設けられる。
【0081】
<流量・ヒータ制御>
ヒータ部32による処理槽101及び102内の空気の温度制御に関し、デューティ制御を採用せずに投入する熱エネルギをできるだけ一定としておくこと、つまり、ヒータ部32の出力をできるだけ一定としておくことで、ヒータ部32の遊ぶ時間をなくし、必要な出力性能を持ったヒータ部32を設備することが出来る。特に、生ごみ等の廃棄物の加熱乾燥処理の場合には、ヒータの出力を最大としておけば短時間で処理を終えられる。
【0082】
本実施形態では、ヒータ部32を原則として出力一定で駆動し、特に出力を最大(定格出力)で駆動する。出力を最大に維持していくことにより、廃棄物に対して与えられる単位時間あたりの熱エネルギを大きくすることができ、特に廃棄物の乾燥の点で、処理の短時間化を図ることができる。
【0083】
一方、廃棄物等の処理装置においては、装置外の気温や処理槽内での廃棄物の状態により、処理槽内の空気の温度が変化する。このため、ヒータの制御に代えて、ヒータ部32を通過させる空気の温度を制御する仕組みが必要となる。
【0084】
処理槽101及び102内の空気の温度はヒータ部32を通過させる空気の流量、つまり、送風機61の風量で制御する。ヒータ部32を通過した空気の温度は、ヒータ部32の出力に比例し、通過する流量に反比例する。よって、処理槽101及び102内の空気の温度を下げたい場合は送風機61の風量を増大し、温度を上げたい場合は送風機61の風量を減少させる。これにより、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体(空気)の温度制御を実現することができる。なお、本実施形態の場合、送風機61の風量増大では温度が下がらない場合はヒータ部32の出力を減少させる。
【0085】
図10(A)は本実施形態における流量・ヒータ制御の説明図である。温度T11〜T12の範囲が、処理槽101及び102内の空気の温度について、制御の目的とする温度範囲(規定温度範囲)である。この規定温度範囲は、微生物が活動可能である共に廃棄物の乾燥が促進される温度範囲が好ましい。
【0086】
送風機61の風量制御は、処理槽101及び102内の空気の温度、つまり、温度センサ90の検出温度が規定温度範囲に収まるように行い、規定温度範囲を下回った場合は風量を減少し、規定温度範囲を上回った場合は風量を増大させる。
【0087】
温度T13は規定温度範囲の最高温度T2よりも高い閾値温度であり、温度T13まではヒータ部32の出力を一定として送風機61の風量により温度制御を行うが、温度T13に達した場合はヒータ部32の出力を変更(減少)して、規定温度範囲に空気の温度を維持するようにする。
【0088】
温度T14は処理の終了を判断するための温度である。温度T4に至った場合は廃棄物が乾燥したものとして、処理を終了する。
【0089】
<制御例>
図11は制御部12のCPU121が実行する流量制御処理のフローチャートを示し、送風機61の風量制御内容を示す。また、図12は制御部12のCPU121が実行するヒータ制御処理のフローチャートを示し、ヒータ部32の制御内容を示す。処理装置Dのユーザは、廃棄物を装置内に投入後、操作部3から処理の開始を指示する。CPU121は該指示を契機としてこれらの処理を含む処理を実行する。
【0090】
まず、図11を参照して流量制御について説明する。S11では初期処理を行う。ここでは、送風機61を予め定めた初期風量で駆動する。S12では規定時間が経過かしたか否かを判定し、規定時間を経過した場合はS13へ進む。規定時間は処理槽101及び102内が始動から安定した状態(例えば槽内温度が醗酵分解処理に適した温度に達した状態)に移行するのに必要な時間が設定される。
【0091】
S13では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T11未満か否かを判定する。温度T11未満の場合はS4へ進み、温度T11以上の場合はS15へ進む。S14では送風機61の風量を1制御単位だけ減少させ、S13へ戻る。風量を減少することで、処理槽101及び102内の空気温度を高められる。
【0092】
S15では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T12以上か否かを判定する。温度T12以上の場合はS6へ進み、温度T12未満の場合はS13へ戻る。S16では送風機61の風量を1制御単位だけ増大させ、S17へ進む。風量を増大することで、処理槽101及び102内の空気温度を下げられる。
【0093】
S17では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T14以上か否かを判定する。温度T14以上の場合はS18へ進み、温度T14未満の場合はS13へ戻る。S18では、廃棄物の乾燥が終了したとして送風機61を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0094】
次に、図12を参照してヒータ制御について説明する。S21では初期処理を行う。ここでは、本実施形態の場合、ヒータ部32を最大(定格出力)で駆動する。S22では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T13以上か否かを判定する。温度T13以上の場合はS23へ進み、温度T3未満の場合はS24へ進む。S23では、ヒータ部32の出力を減少してS25へ進む。出力の減少は、一回の処理で1制御単位ずつ減少させるようにしてもよいし、一律に予め定めた出力(例えば50%)にしてもよい。S24では、ヒータ部32の出力を最大(定格出力)にし、S25へ進む。S23で出力を減少したことで、検出温度が温度T13未満に下がった場合に、最大(定格出力)に戻す処理である。
【0095】
S25では温度センサ90の検出結果を取得して、その検出温度が温度T14以上か否かを判定する。温度T14以上の場合はS26へ進み、温度T14未満の場合はS22へ戻る。S26では、廃棄物の乾燥が終了したとしてヒータ部32を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0096】
なお、本実施形態では、ヒータ部32を通過させる空気の流量を、風量可変の送風機61で変化させたが、風量固定の送風機と流量制御弁との組み合わせで流量を制御してもよい。図10(B)は流量制御のための他の構成例を示す図である。
【0097】
異なる点についてのみ説明すると、図10(B)の構成では、送風機61'が風量固定である一方、ヒータ部32の下流側にはヒータ部32を通過する空気の流量を調整する流量制御弁(電磁弁)91が設けられている。流量制御弁91はヒータ部32の上流側に設けてもよい。
【0098】
流量制御弁91はCPU121により制御され、その開弁量が制御される。しかして、図11に示した流量制御において、送風機61の風量を変化させる制御に代えて、流量を減少する場合は流量制御弁91の開弁量を減少し、流量を増大する場合は流量制御弁91の開弁量を増大すればよい。
【0099】
このように本実施形態では、発熱手段(32)と、前記発熱手段に前記処理槽内の空気を送出する送出手段(61)と、前記発熱手段を通過した前記空気の温度を検出する温度検出手段(90)と、前記発熱手段を通過した前記空気を前記処理槽内に導入する導入手段(51)と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段(12)と、備える。
【0100】
上記第1実施形態及び第2実施形態における還流ダクト51の加熱空気の循環による、脱臭機30のヒータ部32の熱エネルギの効率的利用に加えて、本実施形態では、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、槽内空気の温度制御を実現することができ、熱エネルギを相乗的に有効利用できる。
【0101】
また、上記第3実施形態と組み合わせることで、熱エネルギを飛躍的に有効利用し得る。つまり、上記第1及び第2実施形態は、脱臭器30から出る熱エネルギーを被処理物の乾燥処理に活用して、槽内の高効率熱循環での処理を実現し、「消費電力の低減化」を図ることができるものであり、上記第3実施形態は、槽内湿度(温度)に応じて換気量を制御して、投入したエネルギーに基づく熱エネルギーは槽外に逃がさず活用し、無駄なエネルギー放出をなくすことができるものであり、本実施形態は、投入する熱エネルギの変化を必要とせず、ヒータ部32をフルパワーにして、加熱直後の空気温度に応じてヒータ部32に対する空気の流量を制御して、流体の温度制御を可能としている。
【0102】
このため、これら実施形態を組み合わせることで、各々の作用効果が相乗的に発揮され、被処理物の処理のための投入エネルギーの最大化、及びその有効活用によって槽内の高効率熱循環を可能としながら、処理に要するエネルギーの最適化を図って、効率良く被処理物の処理を行うことができる処理装置を実現することができる。
【0103】
なお、上述した各実施形態においては、処理対象物として生ごみ等の廃棄物を処理する廃棄物処理装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加熱処理装置、攪拌処理装置、混合処理装置、減溶処理装置等に適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物を加温処理する処理室と、
前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、
前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、
前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、
を備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記脱臭機を、前記処理室内に配設したことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記脱臭機を、前記処理室を画定する壁部から離間して配設したことを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記還流通路は、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記還流通路は、前記ヒータ部のみを通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理室は密閉されており、
前記処理室内に外気を導入する外気導入通路を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記排出通路を通過する空気と前記外気導入通路を通過する空気との熱交換を行う熱交換部を備えたことを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
空気導入通路を介して前記脱臭機に前記処理室内の空気を送風する送風機と、
前記排出通路を通過する空気と前記空気導入通路を通過する空気との熱交換を行う熱交換部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記処理室は、
前記処理対象物が投入される第1処理槽と、
前記第1処理槽と連通し、前記第1処理槽で処理された前記処理対象物が導入される第2処理槽と、を含み、
前記脱臭機の前記ヒータ部には、前記第1処理槽の空気が導入され、
前記還流通路は、前記脱臭機から排出された空気を前記第2処理槽に戻すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記処理対象物が廃棄物であり、
前記第1及び第2処理槽は前記廃棄物を減量処理する廃棄物処理槽であり、
前記第1処理槽は前記廃棄物の醗酵処理を、前記第2処理槽は前記廃棄物の乾燥処理を行うことを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
前記脱臭機を、前記処理室内であって、前記第1処理槽外に配設したことを特徴とする請求項9又は10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記ヒータ部を通過した空気の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記ヒータ部を通過する空気の流量を制御する流量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項13】
前記処理室内の空気を外気と換気する換気手段と、
前記処理室内の空気の湿度に関わる物理量を検出する検出手段と、
前記換気手段を制御し、前記検出手段の検出結果に基づいて前記処理槽内の空気の換気量を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項1】
処理対象物を加温処理する処理室と、
前記処理室内の空気が導入されるヒータ部と、該ヒータ部を通過した空気を脱臭する脱臭部と、を有する脱臭機と、
前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室外に導く排出通路と、
前記ヒータ部と前記脱臭部とのうち、少なくとも前記ヒータ部を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻す還流通路と、
を備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記脱臭機を、前記処理室内に配設したことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記脱臭機を、前記処理室を画定する壁部から離間して配設したことを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記還流通路は、前記ヒータ部と前記脱臭部との双方を通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記還流通路は、前記ヒータ部のみを通過して前記脱臭機から排出された空気を前記処理室に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理室は密閉されており、
前記処理室内に外気を導入する外気導入通路を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記排出通路を通過する空気と前記外気導入通路を通過する空気との熱交換を行う熱交換部を備えたことを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
空気導入通路を介して前記脱臭機に前記処理室内の空気を送風する送風機と、
前記排出通路を通過する空気と前記空気導入通路を通過する空気との熱交換を行う熱交換部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記処理室は、
前記処理対象物が投入される第1処理槽と、
前記第1処理槽と連通し、前記第1処理槽で処理された前記処理対象物が導入される第2処理槽と、を含み、
前記脱臭機の前記ヒータ部には、前記第1処理槽の空気が導入され、
前記還流通路は、前記脱臭機から排出された空気を前記第2処理槽に戻すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記処理対象物が廃棄物であり、
前記第1及び第2処理槽は前記廃棄物を減量処理する廃棄物処理槽であり、
前記第1処理槽は前記廃棄物の醗酵処理を、前記第2処理槽は前記廃棄物の乾燥処理を行うことを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
前記脱臭機を、前記処理室内であって、前記第1処理槽外に配設したことを特徴とする請求項9又は10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記ヒータ部を通過した空気の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記ヒータ部を通過する空気の流量を制御する流量制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項13】
前記処理室内の空気を外気と換気する換気手段と、
前記処理室内の空気の湿度に関わる物理量を検出する検出手段と、
前記換気手段を制御し、前記検出手段の検出結果に基づいて前記処理槽内の空気の換気量を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−115741(P2011−115741A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277023(P2009−277023)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
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