説明

出し入れ簡単なボール用ネット

【課題】従来品よりも出し入れが簡単なボールネットを提供する。
【解決手段】ボール用ネットのボールが収納される収納部の紐と、当該収納部にボールを出し入れするための開口部1に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐2との関わりの中で、前記開口部1と前記把持紐2との係合部の少なくとも2箇所以上に、前記開口部1と前記把持紐2を密着させて一定の摩擦力を付与する摩擦力付与部材αを備え、紐が無駄に移動してしまう事を防ぎ、絡まないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボール用ネットのボールを収納する収納部と、当該収納部にボールを出し入れするための開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐との係合部に、前記開口部と前記把持紐を密着させて一定の摩擦力を付与する摩擦力付与部材を備えることでボールの出し入れをしやすくする出し入れ簡単なボール用ネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ボール用ネットのボールを収納する収納部と、当該収納部にボールを出し入れするための開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐との係合部には、何も備わっていなかった。(非特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】 http://www.soccerball108.jp/SHOP/BNDL.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、次のような欠点があった。
従来、ボールの収納部にボールを入れようとするとき、ボールを出し入れするための開口部が、当該開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐の上で、開口するために適した順序に並ぶ係合部が触れるだけで容易にその順序が入れ違ってしまい、また関係のない紐を巻き込むスペースが発生し紐同士が絡みやすく、前記開口部を手早く広げるのが困難である。特に小さな子供の場合、ボール用ネットの構造をまだ理解できていないため、ボールを収納する際に関係のない紐まで巻き込んでしまい、自分でボールを出し入れするのはほとんど不可能に近かった。本来、ボール用ネットは収納運搬やサッカーボールに関してはリフティングの練習などに大変便利で練習時に使用させたいものだが、子供が自分でボールを出し入れすることができないために、他のものを代用するしかなかった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ボール用ネットのボールが収納される収納部の紐と、当該収納部にボールを出し入れするための開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐との関わりの中で、前記開口部と前記把持紐との係合部の少なくとも2箇所以上に、前記開口部と前記把持紐を密着させて一定の摩擦力を付与する摩擦力付与部材を備え、紐が無駄に移動してしまう事を防ぎ、絡まないようにする。
まず、前記開口部と前記把持紐との係合部は、大抵のボール用ネットにおいて、7か所ある。それぞれの係合部に摩擦力付与部材を付ける。
従来のように紐と紐が係合するだけでは、開閉するために適した順序に並ぶ係合部が触れるだけで容易にその順序が入れ違ってしまい、また関係のない紐を巻き込むスペースが発生し紐同士が絡みやすくなってしまうため、それを防止するために、係合する紐同士が離れないように動きを制限するための摩擦力付与部材をつける。この摩擦力付与部材は、例えば、前記開口部の紐と前記把持紐の2本が通るが、隣り合った摩擦力付与部材の順序が入れ違ったりしない形状及び大きさとする。また当該摩擦力付与部材が付与する摩擦力が、前記収納部にボールを収納して前記把持紐を把持すると前記開口部と前記把持紐が慴動するが、当該ネットの自重では慴動しない程度とする。
本発明は、以上の構成よりなる出し入れ簡単なボールネットである。
【発明の効果】
【0006】
ボールが収納される収納部のボールを出し入れするための開口部と、前記開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐との係合部に、摩擦力付与部材を備えることにより、どの部分を引っ張れば開閉がしやすいか誰にでもすぐにわかるようになる。また、当該摩擦力付与部材が付与する摩擦力が、前記収納部にボールを収納して前記把持紐を把持すると前記開口部と前記把持紐が摺動するが、当該ネットの自重では慴動しない程度にすることにより、取り扱う人の意図に従って前記開口部が開閉するようになる。よって、子供でも取り扱いが簡単になるため需要の幅が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の開口部と把持紐の係合部の拡大図である。
【図2】 本発明の開口部と把持紐の係合部に摩擦力付与部材を付けた拡大図である。
【図3】 本発明の開口部と把持紐の係合部のすべてに摩擦力付与部材を付け開口部を広げた状態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
ボールが収納される収納部にボールを出し入れするための開口部(1)に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部(1)が閉塞する把持紐(2)の係合部(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)、(A7)の少なくとも2箇所以上に、前記開口部(1)と前記把持紐(2)を密着させて一定の摩擦力を付与する摩擦力付与部材を備える。当該摩擦力付与部材が付与する摩擦力が、前記収納部にボールを収納して前記把持紐を把持すると前記開口部と前記把持紐が慴動するが、当該ネットの自重では慴動しない程度とする。
(その他の実施例1)
前記開口部(1)と前記把持紐(2)との係合部(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)、(A7)のそれぞれに摩擦力付与部材(α1)、(α2)、(α3)、(α4)、(α5)、(α6)、(α7)をつける。
(その他の実施例2)
前記開口部(1)を開閉する際の起点となる摩擦力付与部材(α)を他の摩擦力付与部材(α)と区別する。起点となる摩擦力付与部材(α)とは、前記把持紐(2)の結び目に隣り合うものの2つとする。ここでは(α1)と(α7)を用いる。
摩擦力付与部材の(α1)と(α7)を他の摩擦力付与部材(α)と区別する。例えば、色を変える、大きさを変える、形を変える、番号をふる、などである。その2つの摩擦力付与部材(α1)と(α7)を手がかりに前記開口部(1)を開閉することで、より一層ボールの出し入れがスムーズになる。特に、ボールが入っていない状態で閉じている前記開口部(1)を開く際には、まず最初に(α1)と(α7)を外側へ移動させることが重要となるのでその目印となる。
(その他の実施例3)
前記開口部(1)を円状に広げ摩擦力付与部材(α)が均等の間隔で羅列している状態において、前記把持紐(2)の結び目に隣り合う摩擦力付与部材(α)以外の摩擦力付与部材(α)のうち、最も対称関係に近い摩擦力付与部材(α)の2つを他の摩擦力付与部材(α)と区別する。ここでは(α2)と(α6)を用いる。
摩擦力付与部材の(α2)と(α6)を他の摩擦力付与部材(α)と区別する。例えば、色を変える、大きさを変える、形を変える、番号をふる、などである。その2つの摩擦力付与部材(α2)と(α6)を手がかりにボールを収納する際に、より一層収納が簡単になる。ボールを収納する際には、前記開口部(1)をボールが収納可能な範囲まで開かなくてはならないが、摩擦力付与部材の(α2)と(α6)を左右に開くとよりスムーズになる。また、子供が1人で上記の動作を行う際には、通常ネットは地面に置いたままの状態になる事が多いため、前記開口部(1)をボールを包むような形で持ち上げる動作の際に目印となる。
(その他の実施例4)
上記の実施例2と実施例3を同時に行う場合は、(α1)と(α7)、(α2)と(α6)、(α3)と(α4)と(α5)の3つの種類の摩擦力付与部材を用いることとする。
(その他の実施例5)
摩擦力付与部材(α)は、耐久性のあるものが望ましい。
(その他の実施例6)
摩擦力付与部材(α)は、体にあたっても安全なものが望ましい。
(その他の実施例7)
摩擦力付与部材(α)に、ボール用ネットに使用される紐が2本通る輪っか状のものを使用する。
(その他の実施例8)
摩擦力付与部材(α)に、ボール用ネットに使用される紐が2本通る穴のあいたものを使用する。
(その他の実施例9)
摩擦力付与部材(α)に、ボール用ネットに使用される紐の2本をまとめて結わえる紐状のものを使用する。
(その他の実施例10)
摩擦力付与部材(α)に、ボール用ネットに使用される紐の2本をまとめて留めるバンド状のものを使用する。
本発明は、以上のような構造である。
これを使用するときは、前記開口部(1)を開く際は、まずはじめに摩擦力付与部材(α1)と(α7)を前記把持紐の結び目の方に移動すると他の摩擦力付与部材(α)も順に開きやすくなる。ボールを収納する際は、前記開口部(1)を円状に広げた状態で(α2)と(α6)をだいたい対称地点に移動してボールを包むように2つを持ち上げてから前記把持紐(2)を引っ張ると収納がしやすくなる。すべての摩擦力付与部材(α)は、ボール収納部にボールを収納して前記把持紐(2)を把持すると前記開口部(1)と前記把持紐(2)が摺動するが、当該ネットの自重では慴動しない程度にすることにより、取り扱う人の意図に従って前記開口部(1)が開閉するようになるので、従来のボール用ネットよりも取り扱いが極めて簡単になる。
【符号の説明】
【0009】
1 開口部
2 把持紐
A 係合部
A1 把持紐の結び目から時計回りで1番目に係合する部分
A2 把持紐の結び目から時計回りで2番目に係合する部分
A3 把持紐の結び目から時計回りで3番目に係合する部分
A4 把持紐の結び目から時計回りで4番目に係合する部分
A5 把持紐の結び目から時計回りで5番目に係合する部分
A6 把持紐の結び目から時計回りで6番目に係合する部分
A7 把持紐の結び目から時計回りで7番目に係合する部分
α 摩擦力付与部材
α1 A1に対する摩擦力付与部材
α2 A2に対する摩擦力付与部材
α3 A3に対する摩擦力付与部材
α4 A4に対する摩擦力付与部材
α5 A5に対する摩擦力付与部材
α6 A6に対する摩擦力付与部材
α7 A7に対する摩擦力付与部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッカーボール、バスケットボール、バレーボール、ドッジボール等のスポーツ用ボールを収納運搬するためのボール用ネットであって、ボールが収納される収納部と、当該収納部にボールを出し入れするための開口部に係合し且つボールを収納して引っ張ることにより前記開口部が閉塞する把持紐とを備え、前記開口部と前記把持紐との係合部の少なくとも2箇所以上に、前記開口部と前記把持紐を密着させて一定の摩擦力を付与する摩擦力付与部材が備わっており、当該摩擦力付与部材が付与する摩擦力が、前記収納部にボールを収納して前記把持紐を把持すると前記開口部と前記把持紐が摺動するが、当該ネットの自重では摺動しない程度とされていることを特徴とするボール用ネット。
【請求項2】
請求項1において、前記摩擦力付与部材が、前記開口部と前記把持紐との係合部の全てに備わっていることを特徴とするボール用ネット。
【請求項3】
請求項2において、前記摩擦力付与部材に、特定の摩擦力付与部材から時計回りに若しくは反時計回りに位置順を特定出来る目印が付与されていることを特徴とするボール用ネット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記摩擦力付与部材が、略丸形で且つ表面が弾性体で覆われていることを特徴とするボール用ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−28400(P2013−28400A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175366(P2011−175366)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【特許番号】特許第4933673号(P4933673)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(511195921)
【Fターム(参考)】