説明

出力システム

【課題】画像形成装置によりシートに広告データを出力する場合、利用者の情報に基づいて、行うことにより、必要としない広告情報の提供をなくし、適正な課金を行うことができる出力システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置100は、スポンサーから提供された広告データを格納した第一格納手段を有し、画像形成装置300は、シートに予め広告データが形成されているか、またはシートに広告データを出力するかを検出する検出手段を有し、サーバ装置100は、検出手段の検出結果により、シートに情報を出力する課金を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、プロッタ、サーマルプリンタ等の画像形成装置により、画像等をシートに印刷したときの課金を行う出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データ等を画像形成装置により印刷して課金を行う出力システムとして特許文献1のようなものがある。
【0003】
このシステムは、ネットワークに接続する機能をデジタル複写機内に持たせ、この複写機内にネットワークから合成画像メモリにダウンロードした合成用画像を合成する合成画像メモリを設ける。
【0004】
この構成において、例えば、合成用画像を画像提供用サーバからの広告画像とすることにより、CPUによる切り替えによって広告入りモ−ドを実現させ、この広告入りモ−ドのときに通常より安い料金でのサービスをユーザに提供しつつ、新たな広告媒体を成立できるようにしたシステムである。
【特許文献1】特開平11−192760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されているシステムは、利用者に対して、必要としない広告情報を提供してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、請求項1の発明においては、サーバ装置は、スポンサーから提供された広告データを格納した第一格納手段を有し、画像形成装置は、シートに予め広告データが形成されているか、またはシートに広告データを出力するかを検出する検出手段を有し、サーバ装置は、検出手段の検出結果により、シートに情報を出力する課金を決定することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明においては、画像形成装置が、無線回線を介してネットワーク接続されたものを含むことを特徴とし、請求項3の発明においては、画像形成装置は、車両に搭載されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明は、サーバ装置に、前記画像形成装置を利用する各利用者の情報が格納された第二格納手段を設け、画像形成装置によりシートに前記広告データを出力する場合、利用者の情報に基づいて、行われることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項5の発明は、画像形成装置の出力は、シートの片面または両面に行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
シートに予め広告データが形成されているか、またはシートに広告データを出力するかを検出する検出手段を有し、サーバ装置は、検出手段の検出結果により、シートに情報を出力する課金を決定するため、利用者に対して、必要としない広告情報の提供をなくし、適正な課金を行うことができる。
【0011】
また、サーバ装置に、画像形成装置を利用する各利用者の情報が格納された第二格納手段を設け、画像形成装置によりシートに前記広告データを出力する場合、利用者の情報に基づいて、行うことにより、必要としない広告情報の提供をなくし、適正な課金を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の出力システムのブロック図。
【図2】本発明のサーバ装置のブロック図。
【図3】本発明の画像形成装置のブロック図。
【図4】本発明の課金を決定するフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明の出力システムのブロック図を示す。図1に示すように、このシステムは、サーバ装置100とネットワークと画像形成装置300とからなる。
【0014】
図2に示すように、サーバ装置100は、画像形成装置300から要求された情報を受信し、その情報を画像形成装置300に送信するものである。サーバ装置100は、CPU110とRAM120とROM130と第一格納手段140と第二格納手段150とインターネットインターフェイス160と無線インターフェイス170とからなる。
【0015】
CPU110は、サーバ装置100の必要最小限の動作の制御を行うものである。RAM120は、画像形成装置300から受信された情報、後に述べる第一格納手段140または第二格納手段150に格納された情報を、一旦、記憶するものである。
【0016】
ROM130は、先に述べたサーバ装置100の必要最小限の動作の制御を行うプログラムが格納されたものである。第一格納手段140は、後に述べる画像形成装置300に設けられた検出手段の検出結果により、シートに情報を出力する課金を決定する情報が格納されたものである。
【0017】
第二格納手段150は、利用者の情報が格納され、これに基づいてシートに広告データを出力するものである。具体的に利用者の情報は、個人特性や購買履歴等である。インターネットインターフェイス160および無線インターフェイス170は、インターネット200を介して画像形成装置300に通信可能に接続するものである。
【0018】
インターネット200は、先に述べたように、サーバ装置100と画像形成装置300と接続するものである。この実施の形態において、インターネット200は、WANと無線LANが図示されいるいがこれに限定されることはなく、WANまたは無線LANの一方のみのシステムであってもよい。
【0019】
画像形成装置300は、スキャナ、パソコン、デジカメ等の外部機器から入力されたデータを印刷(出力)するものである。具体的に、画像形成装置300は、インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式、感熱方式のものである。また、画像形成装置300は、オフィスやコンビニエンスストア等に設置されたものや、車両400に搭載されたものがある。
【0020】
図3に示すように、画像形成装置300は、制御部310と印刷部320と送信部330と受信部340と検出手段350とを備える。制御部310は、印刷部320と送信部330と受信部340とが接続されている。制御部310は、周知のコンピュータとして構成され、CPU311、ROM312、RAM313、入出力部(I/O)314、A/D変換部315およびこれらを接続するバスライン316が備わっている。
【0021】
CPU311は、ROM312に記憶されている画像形成装置300として必要最低限の動作を行うためのプログラムにより制御を行う。A/D変換部315は、スキャナ、パソコン、デジカメ等の外部機器から入力されたアナログデータをCPU311で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0022】
印刷部320は、外部器機500から入力されたデータをシートに出力(印刷)するものである。なお、シートは、ある特定の材質、サイズに限定されることはなく、例えば、材質として、経済産業省の「生産動態統計分類」で分類されている印刷・情報用紙(コピー用紙、インクジェット用紙等)、雑種用紙(トレーシングペーパー、合成紙等)、さらに、サイズとしてはロール紙、カット紙を適用してもよい。
【0023】
送信部330および受信部340は、サーバ装置100のインターネットインターフェイス160および無線インターフェイス170を介して、画像形成装置300に通信可能に接続するものである。
【0024】
検出手段350は、シートに予め広告データが形成されているか、またはシートに広告データを出力するかを検出し、この検出結果により、課金が決定される。
【0025】
次に、図4を用いて画像形成装置300を利用した時の課金の決定について説明する。なお、サーバ装置100と画像形成装置300との情報の送受信はインターネット200を介して行われる。先ず、シートにデータを出力する画像形成装置300を選択する(ステップ1)。
【0026】
この後、選択した画像形成装置300をサーバ装置100が認識し、シートに広告データが形成(印刷)されているか否かの問い合わせを行う(ステップ2)。検出手段350の検出結果、シートに広告データが印刷されている場合には、外部器機500から入力されたデータがシートに印刷される(ステップ8)。
【0027】
この時、利用者側に画層形成装置を利用した分だけ課金がされ(ステップ7)、サーバ装置100の第二格納手段150に課金の分だけ加算される。
【0028】
一方、検出手段350の検出結果、シートに広告データが印刷されてない場合には、画像形成装置300にその画像形成装置300を利用している利用者の問い合わせを行い(ステップ3)、画像形成装置300は、利用者の情報をサーバ装置100に送る(ステップ4)。
【0029】
ステップ4で画像形成装置300からサーバ装置100に利用者の情報が送られると、サーバ装置100は第一格納手段140から利用者の情報を検索し、この情報に基づいて利用者が必要と予測される広告データを選択する(ステップ5)。
【0030】
選択された広告データは、画像形成装置300の入出力部(I/O)314、A/D変換部315を経てRAM313に記憶され、シートに、広告データとともに外部器機500から入力されたデータがシートに印刷され終了する(ステップ6)。
【0031】
この間、第二格納手段150に、シートに広告データが印刷されたサービス提供者に課金されるとともに、画像形成装置300の利用者にはシービス提供者に課金された分を差し引いた額が課金される(ステップ7)。以上のように必要としない広告情報の提供をなくし、適正な課金を行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
100 サーバ装置
140 第一格納手段
200 インターネット
300 画像形成装置
350 検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能にネットワーク接続されたサーバ装置と、一つ以上を有し、前記ネットワークを介して送信された情報をシートに出力する画像形成装置とを備えた出力システムにおいて、
前記サーバ装置は、スポンサーから提供された広告データを格納した第一格納手段を有し、
前記画像形成装置は、前記シートに予め前記広告データが形成されているか、または前記シートに前記広告データを出力するかを検出する検出手段を有し、
前記サーバ装置は、前記検出手段の検出結果により、前記シートに前記情報を出力する課金を決定することを特徴とする出力システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、無線回線を介してネットワーク接続されたものを含むことを特徴とする請求項1記載の出力システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、車両に搭載されていることを特徴とする請求項2記載の出力システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記画像形成装置を利用する各利用者の情報が格納された第二格納手段を有し、
前記画像形成装置は、前記シートに前記広告データを出力する場合、前記利用者の情報に基づいて、行われることを特徴とする請求項1、2乃至3いずれか記載の出力システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の出力は、前記シートの片面または両面に行われることを特徴とする請求項1または4記載の出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−73952(P2012−73952A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219895(P2010−219895)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000165136)桂川電機株式会社 (66)
【Fターム(参考)】