説明

分与器に係合するためのフレキシブルな機構を有するポンプ

泡ポンプ(24)は分与器に係合するためのフレキシブルな接続部材を有し、ポンプは製品リザーバ(22)を包含する詰め替えユニット(20)の一部分である。フレキシブルな接続部材は、ポンプの末端から延びて、駆動キャリッジにより受け入れられ、駆動キャリッジは駆動機構に移動可能に接続されている。フレキシブルな接続部材は、ポンプを分与器(10)内に挿入することができるようにし、また、駆動力を減衰して泡のせん断を減少せしめるように働くことができる。フレキシブルな接続部材はフレアチップ(28)の形で設けることができ、フレアチップは製品分与器の楕円形開口を通して受け入れられる。ポンプは、分与器内への詰め替えユニットの挿入中におけるポンプの好ましくない作動を防止するためのロッキング部材(30)を包含することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年9月11日に出願した米国特許仮出願第61/191,739号の優先権を主張するものであり、その全体の内容を参照するためにその内容は本明細書に含まれている。
【0002】
本発明は、泡製品分与器に係合するためのフレキシブルな機構を有する泡ポンプに関する。より詳細には、本発明は、泡ポンプにより担持され、泡ポンプを分与器内に配置させることができて、分与器の駆動キャリッジにより受け入れられる、フレキシブルな接続部材に関する。
【背景技術】
【0003】
泡ポンプの技術分野において、泡製品分与器ハウジング内に挿入される詰め替えユニットを提供することはよく知られている。詰め替えユニットは、製品リザーバとポンプとを包含し、分与器ハウジング内に配置されて製品分与器を作る。製品リザーバが空になったときには、分与器ハウジングの一部分、多くの場合、カバーを枢動し、分与器ハウジングにより画定されている内部空どうを露出せしめて、詰め替えユニットを取り出すことができ、そして、好適には満杯の製品リザーバを有する詰め替えユニットと交換される。したがって、分与器ハウジングは、分与器全体を交換する必要なしに、製品を詰め替えることができる。典型的に、分与器は、詰め替えユニットが分与器内に受け入れられたときにポンプに接続又は係合される駆動機構を包含する。この分与器の駆動機構は、押し棒とすることができ、又は分与器カバーの枢動により駆動させることもできる。
【0004】
注目すべきことは、詰め替えユニットを分与器内に挿入することがしばしば困難であることである。なぜなら、しばしば、ポンプと分与器ハウジングの駆動機構との間の係合が複雑であって、詰め替えユニットを分与器ハウジングにより正確に受け入れるようにするためには、ポンプと詰め替えユニットとの正確なアライメントが要求される。これが困難さを生じせしめ、また同時に詰め替えユニットを取り付ける人間の幾人かにはフラストレーションを生じせしめる。更に、もし挿入が不完全であったり、また非常に大きい力を必要とする場合には、係合機構又は分与器が壊れたり、又は詰め替えユニットが作動して、分与器内の泡が分与されてしまうことが生じる。
【0005】
泡製品分与器に共通して関連する他の問題は、使用者が駆動機構を非常に強い力で押したときに生じる。すなわち、分与器の駆動機構に加えられた強い力はポンプへ伝えられて、泡製品のせん断を生じせしめ、分与しようとする泡が所望する液体内容物よりも多くなるという低品質の泡を生じせしめる。
【0006】
したがって、分与器の駆動機構に係合するための泡ポンプの機構を改善すること、ポンプの取り付けを容易にすること、及び泡のせん断を防止するために減衰機能を提供することの必要が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したことに鑑み、本発明の主たる目的は製品分与器内に取り付けることが容易である製品分与器用詰め替えユニットを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上述した詰め替えユニットであって、泡ポンプから延びている接続部材を包含し、この接続部材がフレキシブルチップを有している詰め替えユニットを提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、上述した詰め替えユニットであって、その輸送中及び取付け中におけるポンプの好ましくない作動を防止するために接続部材に設けられているロッキングスリーブを包含する詰め替えユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般に、本発明による詰め替えユニットは、製品リザーバと、この製品リザーバに流体連通しているポンプとを包含する。前記ポンプはフレキシブルな接続部材を包含し、このフレキシブルな接続部材は製品分与器の駆動キャリッジにより受け入れられている。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記フレキシブルな接続部材は前記ポンプから延びているフレアチップの形で設けることができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記フレキシブルな接続部材は複数のフレキシブルな延長部の形で設けることができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記ポンプは往復ピストンを有するピストンポンプとすることができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記ポンプの意図しない作動を防止するロッキング部材を設けることができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記ポンプはポンプハウジングを包含し、このポンプハウジングは大略楕円の形状の開口を有し、前記ピストンが前記開口を通して延びるようにすることができる。
【0016】
本発明の他の態様によれば、製品分与装置は、内部空どうを画定する分与器ハウジングであって、この分与器ハウジングに枢動可能に接続されている駆動装置を有している分与器ハウジングと、この分与器ハウジングの前記内部空どう内に配置されて、前記駆動装置に移動可能に係合されている駆動キャリッジと、製品リザーバとポンプとを有し、前記ポンプが前記製品リザーバに流体連通している詰め替えユニットとを包含する。そして、フレキシブルな接続部材が、前記ポンプに取り付けられて前記ポンプから延びていると共に、前記駆動キャリッジにより受け入れられている。前記駆動装置の動きにより生じた前記駆動キャリッジの動きは前記フレキシブルな接続部材により前記ポンプに伝達される。
【0017】
本発明の一実施形態において、ロックリングを前記内部空どう内に設けることができ、このロックリングは底面と、この底面に実質的に同心的に設けられている開口とを包含し、前記ロックリングがその中に前記ポンプを受け入れる。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記ロックリングの前記底面はフレア形状として、前記開口に向かって下向きに傾斜するようにすることができる。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記ロックリングの前記開口は大略楕円の形状とすることができると共に、前記フレキシブルな接続部材は大略円錐の形状とすることができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記ロックリングの前記大略楕円の形状の開口は長さと幅とを有し、前記長さは前記幅よりも大きくすることができ、かつ前記フレキシブルな接続部材は前記大略楕円の形状の前記幅とほぼ等しいが、しかし前記幅よりも多少大きい直径を有することができる。
【0021】
本発明の更に他の態様によれば、ポンプを製品分与器の駆動キャリッジに接続する方法は、溝を画定する一対の同心の円形リブを有する駆動キャリッジを用意し、また、ポンプであって、このポンプから延びている、フレキシブルな接続部材を有するポンプを用意し、更に、底面に設けた開口を有し、前記底面が前記開口に向かって内向きに傾斜しているロックリングを製品分与器内に設け、それから、前記ポンプを前記製品分与器内に挿入し、これにより、前記フレキシブルな接続部材が前記底面の前記開口を通過するときに、前記フレキシブルな接続部材が変形するように付勢され、前記フレキシブルな接続部材が前記ロックリングの前記開口を通過した後は、前記フレキシブルな接続部材がその元の形状に戻ることができて、前記駆動キャリッジに受け入れられる。
【0022】
本発明を完全に理解するために、下記の詳細な説明及び添付図面が次に参照される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の概念による泡製品分与器の正面図である。
【図2】図1の泡製品分与器の側面図である。
【図3】本発明の概念による詰め替えユニットの正面図であって、ロッキングスリーブが予荷重位置である状態を示す。
【図4】図3の詰め替えユニットの平面図であって、ポンプの楕円形の開口を示す。
【図4A】図4の詰め替えユニットの正面図であって、ポンプが荷重位置である状態を示す。
【図5】図2の線5−5を横断して示される分与器の断面図であって、駆動キャリッジ及びポンプが不作動位置である状態を示す。
【図6】図5と同様な断面図であるが、駆動キャリッジ及びポンプが作動位置である状態を示す。
【図7】泡ポンプ接続部材の第2の実施形態の断面図であって、泡ポンプ接続部材が部分的に挿入されている状態を示す。
【図8】図7の実施形態の断面図であるが、泡ポンプ接続部材が完全に挿入されている状態を示す。
【図9】泡ポンプ接続部材の第3の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び図2を参照するに、従来の製品分与器が示され、この分与器は符号10により総括的に示されている。分与器10はハウジング11を包含し、このハウジングは押し棒12と、背板13(図2)と、枢動カバー14とを包含する。当分野においてよく知られているように、カバー14は背板13上で枢動し、これにより、分与器を詰め替えるために内部空どうにアクセスできるようにする。内部空どうにアクセスできるようにするための特別のハウジング構成が本明細書に記載されているけれども、当業者に知られているこの種の機構のいずれかを用いることができることを認識すべきである。押し棒12は、使用者によって押されて、分与器10内の泡ポンプを駆動せしめ、また、使用の後は、その不作動位置に戻されるように偏倚される。選択的に、窓15をカバー14に設けることができ、これにより、分与器10内の液体リザーバ内の液体の高さレベルを目で確認することができる。
【0025】
図3、図4及び図4Aは分与器10のハウジング11内に挿入される詰め替えユニット20を示す。この詰め替えユニット20は分与しようとする製品、例えば、液体石鹸、手消毒剤、ゲル、泡又はローションなどを収容する製品リザーバ22を包含する。製品リザーバ22の内容物は、当分野においてよく知られているように、ピストンポンプ24に流体連通している。種々の型式のピストンポンプがよく知られており、したがって、詳細には説明しない。ピストンポンプは、ピストンがポンプハウジング内に押されると、ポンプハウジングの内部空どうの容積を減少せしめて、その内容物を出口に向かって付勢することにより、製品をポンプから追い出す働きをする。ピストンは不作動位置に偏倚されており、その結果、ピストンが解放されると、ポンプハウジングの内部空どうの容積が増大して、製品を製品リザーバから内部空どう内に吸い込むような真空を生じせしめる。ピストン26とポンプハウジング27とを有するピストンポンプ24が本明細書に記載されているけれども、分与器10は当業者に知られている他の型式の液体又は泡ポンプを収容するようにできることも考えられるものである。
【0026】
ポンプ24は、分与器10内の駆動機構に係合するためのフレキシブルな接続部材を包含する。フレキシブルな接続部材は、ピストン26から、製品リザーバ22とは反対の方向へ延びている。フレキシブルな接続部材は、詰め替えユニット20の容易な挿入を促進し、また、例えば、駆動機構により伝達された力を弱め、これにより、泡ポンプの場合には、泡のせん断を減少せしめるように働くことができる。フレキシブルな接続部材はピストン26の一端と関連するフレキシブルチップ28の形で設けることができる。フレキシブルチップ28はピストン26と一体に形成することもできるし、又は、代替的に、フレキシブルチップ28はピストン26のまわりに取り付けられたスリーブから延びることもできる。フレキシブルチップ28は、後で詳細に述べるように、押し棒12からの駆動力をピストン26及びポンプに伝達するようにしている。
【0027】
フレキシブルチップ28は、このフレキシブルチップ28が少なくとも多少の変形に耐えることができ、かつそれからその元の状態に戻ることができる、少なくとも最小の可撓性及び弾性を有する限り、本発明の範囲から逸脱することなしに、任意の所望する大きさ及び形状で設けることができる。必要とされる最小の可撓性を備えるために、チップ28はエラストマー材料から作ることができる。一実施形態又は多くの実施形態において、フレキシブルチップ28はショアAデュロメータスケールで測定して約30−70間の硬度を有することができる。図3−図6に示されている本発明の実施形態において、フレキシブルチップ28は大略円筒形のピストン26の一端から延びて、大略円錐の形状を有するフレアチップの形である。
【0028】
一実施形態又は多くの実施形態において、ロッキングスリーブ30をピストン26のまわりに設けることができる。ロッキングスリーブ30は、大略環状の形状である。ロッキングスリーブ30は軸方向において向かい合っている2つのフランジ32及び34を包含し、これらのフランジは半径方向外向きに延びている。第1のフランジ32はフレキシブルチップ28と反対側のロッキングスリーブ30の一端部に設けられ、また第2のフランジ34はフレキシブルチップ28側に面する、ロッキングスリーブ30の他端部に設けられている。第1のフランジ32は、第2のフランジ34よりも大きい外径を有する。ロッキングスリーブ30は、ピストン26の外面に設けられて外向きに延びている環状リブ36により、ピストン26上の一方向への軸方向動きが制限されている。したがって、図3に示されているように、ロッキングスリーブ30は環状リブ36とポンプハウジング27の外面との間に配置されている。
【0029】
ポンプハウジング27は開口40(図4−図6)を包含し、この開口40を通してピストン26の一部分が延びている。開口40は、ロッキングスリーブ30の第1のフランジ32に隣接して設けられている。図3に示されているように、第1のフランジ32は開口40のまわりのポンプハウジング27に部分的に係合して、ポンプハウジング27に関するピストン26の動きを防止する。この方法により、詰め替えユニット20の貯蔵中、輸送中、及びハウジング11内への挿入中におけるポンプ24の意図しない作動が防止される。開口40は、第1のフランジ32の環形状とは異なる形状で設けられ、その結果、接触が幾つかの箇所のみで作られている。開口40及び第1のフランジ32は、ピストン26の意図しない、多分弱い力の動きを防止するが、しかし、詰め替えユニット20がハウジング11内に挿入されてポンプ24の作動が望まれたときに第1のフランジ32の係合の抵抗を除去することができるような大きさに作られている。したがって、いったん詰め替えユニット20が分与器10のハウジング11内に適切に取り付けられると、使用者は、図4Aに示されているように、第1のフランジ32が開口40内を動いて通り過ぎることができるようにするために、押し棒12を通してポンプ24を最初に駆動せしめる通常の力よりも高い力を及ぼさなければならない。第1のフランジ32及びポンプハウジング27の両方は、大きな十分な力が加えられたときにロッキングスリーブ30が開口40を通してポンプハウジング27内へ動くのを許すのに十分な範囲の可撓性及び弾性を有している。
【0030】
図4に示されているように、開口40はその幅Wよりも大きな長さLを有する楕円の形状に作ることができる。楕円形の開口40の幅Wは、第1のフランジ32の直径Dよりも多少小さい。しかしながら、楕円形の開口40の長さLは第1のフランジ32の直径Dよりも大きい。したがって、ロッキングスリーブ30の第1のフランジ32は、楕円形の開口40の細い幅に隣接している両側部でのみ開口40に隣接しているポンプハウジング27に係合する。第1のフランジ32により与えられた抵抗は、使用者がポンプ24を最初に駆動せしめることにより、容易に取り除かれる。第2のフランジ34は、第1のフランジ32よりも直径が小さく、かつ楕円形の開口40の幅W及び長さLの両方よりも小さく、したがって、ピストン26の動きに対して追加の抵抗を与えるものではない。
【0031】
次に図5及び図6を参照するに、分与器10のハウジング11内に挿入されている詰め替えユニット20が示されている。ロックリング46が、分与器10内の内部空どうの底端の近くに設けられている。ロックリング46は、その中に詰め替えユニット20のポンプ24を受け入れて固定するようにしている。ロックリング46は実質的にその中央部に設けた開口48を包含し、ロックリングの底面が漏斗状に作られて、開口48に向かって傾斜している。開口48は、大略楕円の形状であり、開口40のように、その幅よりも大きな長さを有する。開口48の幅は、大略円錐の形状のフレキシブルチップ28の最大直径よりも多少小さい。したがって、フレキシブルチップ28の挿入中の圧力の下で、フレキシブルチップ28は多少変形して、開口48を通過する。フレキシブルチップ28が開口48を通過するときのフレキシブルチップ28の変形は、ロックリング46の底面の漏斗状の形状により助けられる。
【0032】
ひとたびフレキシブルチップ28がロックリング46の開口48を通過すると、フレキシブルチップ28は、その元の大略円錐の形状を再びなし、駆動キャリッジ50の一対の円形リブ49間に受け入れられる。駆動キャリッジ50は、押し棒12、又は当分野において知られている任意の他の駆動機構に移動可能に係合され、その結果、押し棒12又は他の駆動機構による駆動が駆動キャリッジ50の動きを生じせしめる。当分野において知られている任意の装置又は機構、例えばカム機構を、アクチュエータ、本実施形態では押し棒12からの動きを駆動キャリッジ50に伝達するために用いることができる。当業者には認識されているように、ロックリング46の漏斗状の底面及びポンプ24のフレキシブルな接続部材、本実施形態ではフレキシブルチップ28は、構成部品の正確なアライメントを要求することなしに、詰め替えユニット20をハウジング11内に挿入できるようにする。
【0033】
図5は、ハウジング11内に配置されている詰め替えユニット20がロック状態であって、ロッキングスリーブ30が環状リブ36とポンプハウジング27との間に位置している状態を示す。駆動キャリッジ50がポンプ24の最初の作動により上向きに動くようにされると、ロッキングスリーブ30の第1のフランジ32がポンプハウジング27の楕円形の開口40を通して付勢され、これにより、ピストンハウジング27に関して動くことができる。図6は、ロッキングスリーブ30がポンプハウジング27内の移動後位置である状態を示す。ポンプ24の最初の作動の後、ロッキングスリーブ30はもはやピストン26の動きを禁止しない。なぜなら、第1のフランジ32がもはやポンプハウジング27に係合されず、ピストン26の作動動きを防止しないからである。詰め替えユニットの貯蔵中、輸送中、及び取り付け中にポンプ24の意図しなくて好ましくない作動を防止するために、他のロッキング機構を用いることができることを認識すべきである。例えば、軟弱サーモプラスチック溶着部をポンプ24の製作中にピストン26とピストンハウジング27との間に設けることができ、この軟弱溶着部は上述したと同じ方法でポンプ24の最初の作動により切断される。
【0034】
次に図7及び図8を参照するに、フレキシブルな接続部材の第2の実施形態が示されている。図7及び図8に示されている第2の実施形態は、当業者には明らかであるように、図3−図6に示されているフレキシブルな接続部材と代えることができる。この第2の実施形態において、分与器カップラ110がポンプ112のまわりに同心的に配置されている。分与器カップラ110は、その上方端に設けた、外向きに延びているフランジ114を包含する。複数のフレキシブルな延長部116が、分与器カップラ110の底端から延びていると共に、分与器カップラ110の下方円形縁のまわりに互いに間隔を置いて形成されている。これらのフレキシブルな延長部116は、フレキシブルフットとも称される。フレキシブルフット116は内向きに突出している部分118を包含し、これらの内向きに延びている部分118はポンプ112の下に延びていると共にラジアル表面を有する。ポンプ112は、分与器カップラ110内に適当に配置される。ポンプ112は、ポンプ112の滑動を制限するストップ部(図示せず)を包含することができる。ロックリング120が、前述した第1の実施形態におけると同様に分与器内に設けられ、その中に分与器カップラ110を受け入れるようにしている。この第2の実施形態において、第1の実施形態とは異なり、ロックリング120は、漏斗状の下方端を包含しておらず、その代わりに、実質的に平らな下面を有している。ロックリング120は、しかしながら、分与器カップラ110を受け入れる開口122を包含している。ポンプ112が分与器内に挿入されると、分与器カップラ110はロックリング120の開口122内に受け入れられる。
【0035】
フランジ114が詰め替えユニットの挿入中にロックリング120に係合すると、分与器カップラ110は開口122を通しての更なる動きが制限される。ポンプ112がそれから分与器カップラ110内を滑動して、フレキシブルフット116に係合する。そして、フレキシブルフット116のラジアル表面のために、これらのフレキシブルフット116はポンプ112に係合すると外向きに付勢される。フレキシブルフット116が外向きに折り曲げられると、これらのフレキシブルフット116は、駆動キャリッジ126の一対の円形リブ124間に受け入れられ、これにより、駆動キャリッジ126をポンプ112に接続して、ポンプ112を駆動できるようにする。図7は、ポンプ112が部分的に挿入されて、フレキシブルフット116に係合する前の状態を示す。図8は、ポンプ112が完全に挿入されている状態を示し、フレキシブルフット116が一対の円形リブ124間に受け入れられている。
【0036】
次に図9を参照するに、泡ポンプを分与器内に接続する、フレキシブルな機構の第3の実施形態が示されている。上述した第2の実施形態と同様に、この接続部材の第3の実施形態は図3−図6に示されているフレキシブルな接続部材に代えて詰め替えユニット20に用いることができる。この第3の実施形態において、大略円筒形の形状である分与器カップラ210は、ポンプ212の下方端のまわりに配置されている。複数の細長い、フレキシブルな延長部214が、ポンプ212の下方端に接続されていると共に、分与器カップラ210の下方端に設けた開口を通して突出している。これらのフレキシブルな延長部214は、フレキシブルフィンガーとも称される。フレキシブルフィンガー214は、これらのフレキシブルフィンガー214がポンプ212から遠く離れて延びるにしたがって、互いから遠く離れるように自然に外向きにアーチしている。
【0037】
円筒形のカラー216がフレキシブルフィンガー214のまわりに配置され、その結果、カラー216がフィンガー214の末端に位置させられると、フレキシブルフィンガー214は外向きにアーチすることが制限される。反対に、円筒形のカラー216が分与器カップラ210に隣接して位置させられると、フレキシブルフィンガー214は成形された形状のようにアーチすることができる。カラー216を分与器内に挿入する前に、カラー216はフレキシブルフィンガー214の末端に位置させられ、それらの外向きのアーチングを制限して挿入を容易にする。フレキシブルフィンガー214及びカラー216がハウジング内に挿入されると、これらのフィンガー及びカラーは、上述した第2の実施形態におけると同様に、ロックリングの底部の開口を通過する。カラー216の外向きの延びているフランジ218は前記開口のまわりのロックリングに当り、その結果、カラー216の円筒形本体はロックカラーの開口内にとどまる。フレキシブルフィンガー214は、それから、ロックカラー216を通して滑動し、前記開口を通して延びて、それらの自然の外向きのアーチング状態に戻る。フィンガー214がそれらの自然の形状に戻ると、これらのフィンガー214は駆動キャリッジ220の2つの円形リブ222間に受け入れられる。
【0038】
当業者には認識されるように、上述した3つの実施形態の各々はフレキシブルな接続部材を包含し、これらの接続部材は、少なくとも一部分において変形することができる、それらの能力によって、ポンプを分与器ハウジング内に配置させることができる。フレキシブルな接続部材は、ポンプと駆動キャリッジとの間の接続を提供してインプット力をポンプへ伝え、これにより、泡を生成する。フレキシブルな接続部材の変形可能な弾性の性質は、もし駆動部材、例えば押し棒12が非常に大きな力でもって、駆動された場合には、減衰機能を提供する。同様に認識されるように、上述した各実施形態は分与器ハウジング内への詰め替えユニットの正確な取り付けを容易にする、信頼できる構成を提供する。
【0039】
したがって、以上述べた構成の製品分与器は本発明の目的を達成し、この種の技術をかなり改善せしめることは明らかである。特許法の規定にしたがって最良で好適な実施形態についてのみ詳細に述べたけれども、本発明はこれらの実施形態についての記載により限定されるものではない。本発明の真の範囲を認識するためには、特許請求の範囲の記載を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動キャリッジに係合する駆動装置を有する分与器ハウジングを包含する製品分与装置に用いるための詰め替えユニットにおいて、製品リザーバと、この製品リザーバに流体連通しているポンプとを包含し、前記ポンプがフレキシブルな接続部材を包含し、このフレキシブルな接続部材が前記駆動キャリッジにより受け入れられて前記駆動キャリッジに接続されている詰め替えユニット。
【請求項2】
請求項1記載の詰め替えユニットにおいて、前記フレキシブルな接続部材が前記ポンプから延びているフレアチップの形で設けられている詰め替えユニット。
【請求項3】
請求項1記載の詰め替えユニットにおいて、前記フレキシブルな接続部材が複数のフレキシブルな延長部の形で設けられている詰め替えユニット。
【請求項4】
請求項1記載の詰め替えユニットにおいて、前記ポンプが往復ピストンを有するピストンポンプである詰め替えユニット。
【請求項5】
請求項4記載の詰め替えユニットにおいて、前記フレキシブルな接続部材が前記ピストンの一端から延びている詰め替えユニット。
【請求項6】
請求項4記載の詰め替えユニットにおいて、更に、前記ポンプの意図しない作動を防止するロッキング部材を包含している詰め替えユニット。
【請求項7】
請求項6記載の詰め替えユニットにおいて、前記ロッキング部材が前記ピストンのまわりに設けたスリーブであり、このスリーブが、前記ポンプに面する第1の環状フランジと、この第1の環状フランジと反対側の第2の環状フランジとを包含している詰め替えユニット。
【請求項8】
請求項7記載の詰め替えユニットにおいて、前記第1の環状フランジが前記ポンプに係合すると共に、前記第2の環状フランジが前記ピストンから外向きに延びている環状リブに係合し、これにより、前記第1及び第2の環状フランジが前記製品リザーバに関する前記ピストンの動きを防止している詰め替えユニット。
【請求項9】
請求項8記載の詰め替えユニットにおいて、前記ポンプがポンプハウジングを包含し、前記ピストンが前記ポンプハウジングに設けた開口を通して延び、前記開口が大略楕円の形状である詰め替えユニット。
【請求項10】
請求項9記載の詰め替えユニットにおいて、前記大略楕円の形状の開口が長さと幅とを有し、前記長さが前記幅よりも大きく、かつ前記第1の環状フランジが前記大略楕円の形状の開口の前記幅とほぼ等しいが、しかし前記幅よりも多少大きい直径を有している詰め替えユニット。
【請求項11】
製品分与装置において、
内部空どうを画定する分与器ハウジングであって、この分与器ハウジングに枢動可能に接続されている駆動装置を有している分与器ハウジングと、
この分与器ハウジングの前記内部空どう内に配置されて、前記駆動装置に移動可能に係合されている駆動キャリッジと、
製品リザーバとポンプとを包含し、前記ポンプが前記製品リザーバに流体連通している詰め替えユニットと、
前記ポンプに取り付けられて前記ポンプから延びていると共に、前記駆動キャリッジにより受け入れられている、フレキシブルな接続部材と、
を包含し、
前記駆動装置の動きにより生じた前記駆動キャリッジの動きが前記フレキシブルな接続部材により前記ポンプに伝達されるようにした製品分与装置。
【請求項12】
請求項11記載の製品分与装置において、更に、前記内部空どう内に設けられたロックリングを包含し、このロックリングが、底面と、この底面に実質的に同心的に設けられている開口とを包含し、前記ロックリングがその中に前記ポンプを受け入れるようにした製品分与装置。
【請求項13】
請求項12記載の製品分与装置において、前記フレキシブルな接続部材がフレアチップの形である製品分与装置。
【請求項14】
請求項12記載の製品分与装置において、前記底面がフレア形状とされて、前記開口に向かって下向きに傾斜している製品分与装置。
【請求項15】
請求項12記載の製品分与装置において、前記ロックリングの前記開口が大略楕円の形状とされ、前記フレキシブルな接続部材が大略円錐の形状とされている製品分与装置。
【請求項16】
請求項15記載の製品分与装置において、前記大略楕円の形状の開口が長さと幅とを有し、前記長さが前記幅よりも大きく、かつ前記フレキシブルな接続部材が前記大略楕円の形状の前記幅とほぼ等しいが、しかし前記幅よりも多少大きい直径を有している製品分与装置。
【請求項17】
請求項12記載の製品分与装置において、前記フレキシブルな接続部材が内向きに突出している部分を有する、複数のフレキシブルフットであり、前記内向きに突出している部分がラジアル表面を備えている製品分与装置。
【請求項18】
請求項17記載の製品分与装置において、更に、前記ポンプのまわりに滑動可能に配置されている分与器カップラを包含し、この分与器カップラがその頂部縁に隣接して外向きに延びているフランジを有している製品分与装置。
【請求項19】
請求項12記載の製品分与装置において、前記フレキシブルな接続部材が複数のフレキシブルな延長部の形で設けられている製品分与装置。
【請求項20】
ポンプを製品分与器の駆動キャリッジに接続する方法において、
溝を画定する一対の同心の円形リブを有する駆動キャリッジを用意し、また、
ポンプであって、このポンプから延びている、フレキシブルな接続部材を有するポンプを用意し、更に、
底面に設けた開口を有し、前記底面が前記開口に向かって内向きに傾斜しているロックリングを製品分与器内に設け、それから、
前記ポンプを前記製品分与器内に挿入し、これにより、前記フレキシブルな接続部材が前記底面の前記開口を通過するときに、前記フレキシブルな接続部材が変形するように付勢され、
前記フレキシブルな接続部材が前記ロックリングの前記開口を通過した後は、前記フレキシブルな接続部材がその元の形状に戻ることができて、前記駆動キャリッジに受け入れられるようにした方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−501927(P2012−501927A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526989(P2011−526989)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/056648
【国際公開番号】WO2010/030870
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(504407206)ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GOJO Industries,Inc.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 991,One GOJO Plaza, Suite 500, Akron,Ohio 44309, the United States of America
【Fターム(参考)】