説明

分別回収容易なキャップ

【課題】 打栓装着する際に縦弱化線に沿って破断して装着不良となることがなく、かつ、回収時の切裂き抵抗が小さい分別回収の容易なキャップを提供すること。
【解決手段】容器1より突出する口部2外周のくびれ凹部3に係止する嵌合突条4を有する外周壁5、嵌合上壁6および内方リング7からなる嵌着部8を有する中蓋9と、この中蓋9に着脱可能な外蓋20とを備えた合成樹脂製キャップにおいて、上記外周壁に縦弱化線13を形成するにあたり、上記外周壁5の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mmである起点Xより上方に形成し、これに連続する周方向弱化線14を上記嵌合上壁6に形成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガラス製又は合成樹脂製等の液体容器の口部に嵌着される合成樹脂製キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9,10は例えば実用新案登録第2578042号で開示された従来の打栓形式の合成樹脂製キャップに関するものである。(以下第一例という。)これは合成樹脂により形成され、頂壁p及び容器の口部の外周をカバーする外周壁fを有する中蓋bと、前記外周壁内側に形成された、容器口部外周の係合凹部iに圧接係合する係合凸部hと、前記中蓋bに3点式スナップヒンジdを介して一体に設けられた外蓋cと、前記嵌合上壁pの一部で、かつ、前記ヒンジdに対応する部分に形成された弱化線qと、前記ヒンジdの一側において、前記弱化線qに連続し、前記外周壁の上端部から下端部まで形成された弱化ラインrと、前記ヒンジの下方の、かつ、前記弱化ラインrの他端に対応する前記外周壁fと連続して形成された、外蓋cを外方に引張った場合に外側に片持に牽引される外周壁fの牽引部とからなり、上記3点式スナップヒンジdは、中央のバネヒンジdoとその両側に位置して回動支点となる一対のヒンジdnから構成されている。
【0003】上記第一例の合成樹脂製キャップはプルタブlを引き、遮蔽壁jを切り裂いて抜き取り、注筒mより内容物を注ぐことが出来る。また、容器の内用品の使用後、この容器を回収して再使用する場合又は再生原料とする場合、前記外蓋cを掴み外方に引張ると、前記ヒンジdを介して前記嵌合上壁pに形成された前記弱化線q及び弱化ラインrが裂け切られる。なおも該外蓋cを外方に引張ると、その力はヒンジの下方の牽引部に及ぼされる。そのため、牽引部近傍は外方に変形して前記係合は緩められる。この状態において、外蓋cを斜め上方に引張ると、前記ヒンジdの下方の外周壁f及びこれに連続する牽引部近傍の外周壁の係合は緩められると共に、上方に引き上げられるので該キャップを栓抜きを用いることがなく、素手で外し取ることができる。
【0004】前記第一例では、上記3点式スナップヒンジdは、中央のバネヒンジdoとその両側に位置して回動支点となる一対のヒンジdnから構成されているが、もう一つの3点式スナップヒンジとして、例えば、特公平3−53182号公報に示すように、中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジHa、および、両側の細幅弾性バンドHbからなる3点式スナップヒンジHがあり、ガラス及びポリエチレンテレフタレートなどの容器より突出する口部に装着するヒンジキャップに利用されている。(以下第二例という。)
【0005】すなわち、図11は外蓋cを閉じた上記第二例のヒンジキャップをガラス容器に装着したときの斜視図、図12はそのヒンジキャップの外蓋cを開いた状態を示す斜視図で、本体となる中蓋bに対し中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジHa、および、両側の細幅の弾性バンドHbからなる3点式スナップヒンジHによって外蓋cが一体に連結されている。さらに、液注ぎ状況がよく見えるようにするには、外蓋cが180度開くようにする必要があり、このため、両側の細幅弾性バンドHbの高さ位置が中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジHaの高さ位置より低く設定されている。
【0006】図11,12には直接図示しないが、このようなヒンジキャップを使用した後に容器を分別回収するために、第一例と同様に、第二例の3点式スナップヒンジHの一側部を通過する縦方向の弱化ラインrを図12R>2の二点鎖線のように上記外周壁fに形成し、これに連続する周方向弱化線qを図12の二点鎖線のように第二例の3点式スナップヒンジHの付け根の内側に沿って上記嵌合上壁pに形成するのが普通であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記第一例の合成樹脂製ヒンジキャップを容器口部に打栓装着する際嵌合外筒の外周壁fが拡径して容器口部外周を乗り越え容器口部外周の係合凹部iに圧接係合するときに縦弱化線から破断して装着不良となるなどの問題点があった。
【0008】また、上記のような合成樹脂製キャップのヒンジは一般に折り曲げ方向に分子が配向するので、外蓋開閉などの繰り返し応力には極めて強いが、引き裂き方向の力には弱いので、回収の際、ヒンジを掴んで引張る時に、ヒンジ切れを起し、回収が困難となる恐れがあった。
【0009】また、第二例の合成樹脂製ヒンジキャップを備えた容器1内の液体を消費してこの容器1を分別回収する場合は、第一例の手法と同様に、前記外蓋cを掴み外方に引張ると、3点式スナップヒンジHの一側に沿った縦弱化線rおよびこれに続く周方向の弱化線qに沿って切裂き、さらに、外蓋cを斜め上方に引張って取り外すことができる。しかしながら、前記外蓋cを掴み外方に引張ると、上記細幅の弾性バンドHbに対して斜めに力が作用し、上記細幅の弾性バンドHbの付け根から引き千切られ、このため、縦方向の弱化ラインrの内側(ヒンジ側)に切裂きに必要な引張り応力が作用しなくなり、その結果、第一例のものよりも更に切裂きが困難となるなどの問題点があった。
【0010】本発明は、これらの問題点を解決するためになされたもので、合成樹脂製キャップを容器口部に打栓装着する際、縦弱化線から破断することがなく、外周壁下部が肉厚で切裂き抵抗の大きいキャップであっても、切裂き動作が円滑に行われる分別回収容易なキャップを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の分別回収容易なキャップは、容器より突出する口部外周のくびれ凹部に係止する嵌合突条を有する外周壁、嵌合上壁および内方リングからなる嵌着部を有する中蓋と、この中蓋に着脱可能な外蓋とを備えた合成樹脂製キャップにおいて、上記外周壁に縦弱化線を形成するにあたり、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mmである起点Xより上方に形成し、これに連続する周方向弱化線を上記嵌合上壁に形成したことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の分別回収容易なキャップは、縦弱化線の下端部形状を鋭角状に形成したことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の分別回収容易なキャップは、中蓋と外蓋とが中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジおよび両側の細幅弾性バンドからなる3点式スナップヒンジを介して一体に連結され、縦弱化線が上記幅広の薄肉回動支点ヒンジ付け根の一側部を通過することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、切裂き抵抗の大きいヒンジキャップについて、上記目的を達成するためには、上記外周壁に縦弱化線を形成するにあたり、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが一定の範囲内にある起点Xより上方に形成すればよいと考え、種々実験研究を行った結果、本発明に到達した。
【0015】発明の実施の形態を第一実施例に基づき図面(図1〜6)を参照して説明する。図1(イ)は蓋を開いたキャップの平面図、図1(ロ)は図1(イ)のI[ロ]−I[ロ]線に沿った縦断側面図、図2はその側面図、図3は蓋を閉じたキャップの(イ)背面図、(ロ)側面図、図4(イ)(ロ)は縦弱化線の他の変形例を示す説明図、図5は蓋を開いたキャップの要部の(イ)斜視図,(ロ)切裂き時の斜視図、図6は切裂き後の蓋を閉じたキャップの(イ)背面図、(ロ)側面図である。
【0016】図において、9はポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂の射出成形で作られた中蓋、20はヒンジHで一体に連結された外蓋であり、突片21を有する。1はポリエチレンテレフタレート製の容器、2はその口部で、中蓋9の嵌着部8が口部2に嵌合される。嵌着部8はくびれ凹部3に係合する嵌合突条4を有する外周壁5と内方リング7と固定筒22を上部に形成した嵌合上壁6によって構成され、これらは同心円状に配設されている。上記外蓋20は閉蓋時に上記固定筒22に係着固定されるものである。
【0017】25は注出筒で、前記嵌合上壁6より上方に突設され、該注出筒25の内側には容器1の内容液の流通を阻止する遮断壁26が設けられ、この遮断壁26には無端状のスコア27が形成されている。28は該スコア27の内側に形成された破断部、29はこの破断部の上に設けられたプルリングである。
【0018】ヒンジHは中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジ11と両側の細幅弾性バンド12とから構成されている。上記薄肉回動支点ヒンジ11の前端部は中蓋9の外周壁5の上部に、後端部は上記外蓋20の外周壁15の上部に、それぞれ一体に固定されている。細幅弾性バンド12は蛇腹状に形成され、前端部は中蓋9の外周壁5の凹段部5aの下部に、後端部は外蓋20の外周壁15の凹段部15aの下部にそれぞれ一体に固定されている。この各凹段部の下部にそれぞれ固定した理由は、閉蓋時に弾性バンド12が外部に突出するのを出来るだけ少なくするためである。ヒンジHの付け根の長さ(中心角度)は必要に応じて適宜選択されるが、例えば、その中心角度は45〜50度に形成される。
【0019】13は縦弱化線で、上記幅広の薄肉回動支点ヒンジ11付け根の一側部に沿って上記外周壁に切込み形成されている。つまり、この縦弱化線13は薄肉回動支点ヒンジ11と細幅弾性バンド12との境界に沿ってキャップの打栓装着時の破断防止のために、上端から下端まで形成することなく、上端から下端に到達する手前位置(起点X)まで形成する。すなわち、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである起点Xより上方に縦弱化線13を形成する。これによって、合成樹脂製キャップを容器口部2に打栓装着する際嵌合外筒の外周壁5が拡径して容器口部2外周を乗り越え容器口部2外周のくびれ凹部3に圧接係合するときに縦弱化線から破断して装着不良となることがなくなる。
【0020】上記のように縦弱化線13の起点Xの位置を数値限定した理由は、起点Xと上記外周壁の下端部との最短距離Lが0.1mm未満の場合は、分別回収キャップを打栓装着する際、縦弱化線13に沿って外周壁の下端部から破断する恐れがあり、起点Xと上記外周壁の下端部との最短距離Lが3mmを越える場合は、分別回収の際、外蓋を引張ったとき、引裂き抵抗が大きくなり、切裂きが困難となる恐れがあるからである。
【0021】ここで縦弱化線とは、基本的には外周壁5の縦方向すなわち中心軸方向に伸びる他の部分より強度的に弱化した線状部をいうが、その形状は任意に選択され、例えば切込み形成された直線状の薄肉部又はミシン目などが採用される。この縦弱化線には中心軸方向に対して多少傾斜した弱化線も含まれ、さらに、外周壁5の上端より中心軸方向に切込み形成し、途中よりヒンジHの方向に傾斜させて形成された弱化線なども含まれる。
【0022】本発明の縦弱化線13の起点Xを含む下端部形状は、図3(イ)に示すように右下がりテーパの鋭角状に形成されている。これによって鋭角先端部に応力が集中し、引裂き抵抗が低下し、起点Xより下の繋ぎ部の引裂きが容易となり、ヒンジ切れの問題がなくなる。起点Xを含む下端部形状は図4(イ)のようにV字テーパの鋭角状に形成しても良く、図4(ロ)のように左下がりテーパの鋭角状に形成しても良い。又、該縦弱化線13の下端は、図3(イ)に示すように、周方向弱化線の形成されている側が鋭角の先端となるように形成するのが、応力の集中方向と引き裂き方向が一致するので好ましい。
【0023】14は周方向弱化線で上記縦弱化線13の上部に連続し上記薄肉回動支点ヒンジ11付け根内側に沿って上記嵌合上壁6に形成されている。ここで周方向弱化線とは、基本的には嵌合上壁6に沿って他の部分より強度的に弱化した周方向の線状部をいうが、その形状は任意に選択され、例えば内側より鋭角状に切込み形成された円弧状の薄肉部又はミシン目などが採用される。該周方向弱化線14の円周長さ(中心角度)は、必要に応じて適宜選択され、例えば、90度〜180度が選ばれる。
【0024】この発明のキヤップは前記のように構成され、容器1の口部2に打栓装着されて用いられる。消費者は開封の際、外蓋20を開いてプルリング29を引張り、破断部28をスコア27から破断して、通口を形成して利用する。容器1内の液体を消費してこの容器1を分別回収する場合は、外蓋20を掴み、注出筒25の反対側に引張ると、幅広の薄肉回動支点ヒンジ11の付け根に応力が集中するので、縦弱化線13と周方向弱化線14との接続部付近より切り裂かれ、縦弱化線13に隣接する細幅弾性バンド12が図4(ロ)に示すように、付け根より引き千切られ、さらに外方に引張ると、縦弱化線13及び周方向弱化線14が破断し、ヒンジHが中蓋9から分離される。外蓋20を更に外方に引張ると、周方向弱化線14が完全に切裂かれ、嵌着部8が拡開されるので、外蓋20を斜め上方に引張ると嵌着部8が口部2より順次外されて口部2からの離脱が容易に行われる。一旦切裂いた部分を原状に復し外蓋を閉じたとしても、図6に示すように付け根より引き千切られた細幅弾性バンド12が弾性によって外蓋20より外方に突出するので改竄防止効果がある。
【0025】次に発明の実施の形態を第二実施例に基づき図面(図7)を参照して説明する。図7(イ)は蓋を開いた分別回収容易なキャップの平面図、図7(ロ)はVII[ロ]−VII[ロ]線切断面図、図7(ハ)は蓋を閉じた分別回収容易なキャップの側面図で、前記第一実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。前記第一実施例ではヒンジHは中央の薄肉回動支点ヒンジ11と両側の細幅弾性バンド12からなる3点式スナップヒンジによって構成されているが、第二実施例ではヒンジHはフィルム状の幅広の合成樹脂ヒンジによって構成されている。
【0026】この例では縦弱化線13は幅広の合成樹脂ヒンジHの側方を通過するように設けられ,これに連続して周方向弱化線14が上記幅広の合成樹脂ヒンジH付け根内側に沿って上記嵌合上壁6に形成されている。上記縦弱化線13は、前記第一実施例と同様に、外周壁5の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである起点Xより上方に形成され、下端部形状は、図7(ハ)のように右下がりテーパの鋭角状に形成されている。これによって鋭角先端部に応力が集中し、引裂き抵抗が低下し、起点Xより下の繋ぎ部の引裂きが容易となり、ヒンジ切れの問題がなくなる。この下端部形状は図4R>4のように形成してもよい。
【0027】また、この例でも合成樹脂製ヒンジキャップを容器口部2に打栓装着する際嵌合外筒の外周壁5が拡径して容器口部2外周を乗り越え容器口部2外周のくびれ凹部3に圧接係合するときに縦弱化線から破断して装着不良となることがなくなる。
【0028】次に発明の実施の形態を第三実施例に基づき図面(図8)を参照して説明する。図8(イ)は蓋を外した分別回収容易なキャップの平面図、図8(ロ)は蓋を閉じた分別回収容易なキャップの一部切断側面図であり、この第三実施例は前記各実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。上記第一、第二実施例では中蓋9と外蓋20とはヒンジHを介して一体に連結されているが、第三実施では中蓋9と外蓋20とが螺合され、着脱可能となっている。
【0029】この例では、上記縦弱化線13は、前記各実施例と同様に、外周壁5の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである起点Xより上方に形成され、下端部形状は、図8(ロ)のように平坦状に形成されている。しかしながら、縦弱化線13に近い周方向弱化線14外側の位置に摘持片23が立設され外蓋20の裾によってカバーされているので、これによって外蓋20を取外した回収時には、確実に縦弱化線13及び周方向弱化線14に沿って中蓋9を切裂くことが出来る。また、下端部形状は図3、図4のように鋭角状に形成すれば、鋭角先端部に応力が集中し、引裂き抵抗が低下し、起点Xより下の繋ぎ部の引裂きが容易となる。
【0030】更にまた、縦弱化線13の起点Xの位置および下端部形状を上記のように形成したことにより、合成樹脂製キャップを容器口部2に打栓装着する際嵌合外筒の外周壁5が拡径して容器口部2外周を乗り越え容器口部2外周のくびれ凹部3に圧接係合するときに縦弱化線13から破断して装着不良となることがなくなる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0032】容器より突出する口部外周のくびれ凹部に係止する嵌合突条を有する外周壁、嵌合上壁および内方リングからなる嵌着部を有する中蓋と、この中蓋に着脱可能な外蓋とを備えた合成樹脂製キャップにおいて、上記外周壁に縦弱化線を形成するにあたり、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mmである起点Xより上方に形成したことにより、合成樹脂製キャップを容器口部に打栓装着する際嵌合外筒の外周壁が拡径して容器口部外周を乗り越え容器口部2外周のくびれ凹部3に圧接係合するときに縦弱化線から破断して装着不良となることがなくなる。
【0033】また、上記縦弱化線の下端部形状を鋭角状に形成したことにより、鋭角先端に応力が集中するので引裂き抵抗が低下し、起点Xより下の繋ぎ部の引裂きが容易となる。
【0034】また、中蓋と外蓋とが中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジおよび両側の細幅弾性バンドからなる3点式スナップヒンジを介して一体に連結され、縦弱化線が上記幅広の薄肉回動支点ヒンジ付け根の一側部を通過することにより、分別回収の際、外蓋を引張ったときに幅広の薄肉回動支点ヒンジの付け根に応力が集中し、このためヒンジ切れを起さずに縦弱化線と周方向弱化線との接続部付近より嵌着部が確実に切り裂かれ、分別回収を容易に行うことができる。さらに、縦弱化線に隣接する細幅弾性バンドが付け根より引き千切られ弾性によって外蓋より外方に突出するので、ダンパーエビデント性が強化され、改竄防止効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外蓋を開いた分別回収容易なキャップの(イ)平面図(ロ)I[ロ]−I[ロ]線に沿った縦断側面図である。(第一実施例)
【図2】本発明の外蓋を開いた分別回収容易なキャップの側面図である。(第一実施例)
【図3】本発明の外蓋を閉じた分別回収容易なキャップの(イ)背面図、(ロ)側面図である。(第一実施例)
【図4】本発明の縦弱化線の他の変形例を示す説明図である。(第一実施例)
【図5】本発明の蓋を開いたキャップの要部の(イ)斜視図,(ロ)切裂き時の斜視図である。(第一実施例)
【図6】本発明の切裂き後の蓋を閉じたキャップの(イ)背面図、(ロ)側面図である。(第一実施例)
【図7】本発明の外蓋を開いた分別回収容易なキャップの(イ)平面図(ロ)VII[ロ]−VII[ロ]線に沿った縦断側面図である。(第二実施例)
【図8】(イ)は蓋を外した分別回収容易なキャップの平面図、(ロ)は蓋を閉じた分別回収容易なキャップの一部切断側面図である。(第三実施例)
【図9】従来の第一例の斜視図である。
【図10】従来の第一例の断面図である。
【図11】外蓋を閉じた従来の第二例のヒンジキャップをガラス容器に装着したときの斜視図である。
【図12】外蓋を開いた従来の第二例のヒンジキャップの斜視図である。
【符号の説明】
1 容器
2 口部
3 くびれ凹部
4 嵌合突条
5 外周壁
5a 凹段部
6 嵌合上壁
7 内方リング
8 嵌着部
9 中蓋
10 シールリング
H ヒンジ
L 最短距離
X 起点
11 薄肉回動支点ヒンジ
12 細幅弾性バンド
13 縦弱化線
14 周方向弱化線
15 外蓋の外周壁
15a 凹段部
20 外蓋
21 突片
22 固定筒
23 摘持片
25 注出筒
26 遮断壁
27 スコア
28 破断部
29 プルリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器より突出する口部外周のくびれ凹部に係止する嵌合突条を有する外周壁、嵌合上壁および内方リングからなる嵌着部を有する中蓋と、この中蓋に着脱可能な外蓋とを備えた合成樹脂製キャップにおいて、上記外周壁に縦弱化線を形成するにあたり、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mmである起点Xより上方に形成したことを特徴とする分別回収容易なキャップ。
【請求項2】 容器より突出する口部外周のくびれ凹部に係止する嵌合突条を有する外周壁、嵌合上壁および内方リングからなる嵌着部を有する中蓋と、この中蓋に着脱可能な外蓋とを備えた合成樹脂製キャップにおいて、上記外周壁に縦弱化線を形成するにあたり、上記外周壁の下端部からの最短距離Lが0.1〜3mm好ましくは0.3〜2.5mmである起点Xより上方に形成し、これに連続する周方向弱化線を上記嵌合上壁又は上記外周壁に形成したことを特徴とする分別回収容易なキャップ。
【請求項3】 縦弱化線の下端部形状を鋭角状に形成したことを特徴とする請求項1記載の分別回収容易なキャップ。
【請求項4】 中蓋と外蓋とが中央の幅広の薄肉回動支点ヒンジおよび両側の細幅弾性バンドからなる3点式スナップヒンジを介して一体に連結され、縦弱化線が上記幅広の薄肉回動支点ヒンジ付け根の一側部を通過することを特徴とする請求項1または2記載の分別回収容易なキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2001−240101(P2001−240101A)
【公開日】平成13年9月4日(2001.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−53928(P2000−53928)
【出願日】平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願人】(000175397)三笠産業株式会社 (71)
【Fターム(参考)】