分割可能な接着テープ、その用途及びそれを製造する道具
【課題】貼り付けた後に接着テープの平面内で長手方向に対して実質的に横方向に向いている力を良好に伝達するが、接着テープの厚み方向への力に対しては、全く反対に、できるだけ低いレベルの力において機能不全が起こるように最適化された、長手方向に伸びた接着テープを提供する。
【解決手段】左境辺縁部(l)及び右境辺縁部(r)を有し、これら両方の辺縁部(l,r)の少なくとも一つが直線でない分割可能な接着テープに関する。直線でない辺縁部(l)は、それの最も先端の突き出た場所(v)で丸められている。
【解決手段】左境辺縁部(l)及び右境辺縁部(r)を有し、これら両方の辺縁部(l,r)の少なくとも一つが直線でない分割可能な接着テープに関する。直線でない辺縁部(l)は、それの最も先端の突き出た場所(v)で丸められている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り付けた後に接着テープの平面内で長手方向に対して実質的に横方向に向いている力を良好に伝達するが、接着テープの厚み方向への力に対しては、全く反対に、できるだけ低いレベルの力において機能不全が起こるように最適化された、長手方向に伸びた接着テープに関する。
【0002】
すなわち、この課題の特に困難なことは両方の強度要求が互いに正反対であることにある。弱い接着テープを製造することは当業者に久しい以前から熟知されておりそして強力な接着テープを製造することも熟知されているが、強力で、かつ、弱い接着テープを製造することは長い間当業者には無関係であった。
【背景技術】
【0003】
しかしいずれにしてもこれらの対立する要求は、いわゆるフライング・スプライシング(稼働中紙繋ぎ:flying splice)を実施するときにいわゆるロール止着を実現するべき接着テープに対して存在している。
【0004】
フライング・スプライシングは薄いウェブ材料、特に紙の製造、仕上げ作業及び加工において実施される。“フライング”という修飾語は、この紙繋ぎ(スプライス)(いわゆる紙をつなぐこと)がその都度の製造装置のフル稼動速度で実施されることを意味している。製紙機械での紙ウェブ速度は今日では一般に100km/時より早く、最も早くは130km/時でさえ可能である。
【0005】
紙繋ぎが紙の仕上げ処理及び加工において必要とされる理由は、紙ロールの今日の通例の巨大な寸法(最大で9m幅及び2.5m直径)の場合ですらこれらのロールはある時点で無くなるからである。それ故に巻き出されたロールを新しいものに交換する必要がある。製紙の際には、最も大きなロールでもある時点でいっぱいになるために、同じ要求が生じる。
【0006】
紙繋ぎの多くの用途分野において、なぜこれが走行状態で行い得ることが必要であるのかを説明するために、被覆によって紙ウェブを仕上げ処理することを以下に例として取り上げる。達成される層厚は、原紙面と被覆用ナイフの下縁との間の距離に依存するだけでなく、紙ウェブが被覆用隙間を通り引き出される速度にも左右される。すなわち引き出される速度が早ければ早いほど、薄い層厚がもたらされる。しかしながら層厚のこのような減少は、ウェブ速度だけでなく紙ウェブの湿潤傾向及び被覆剤の粘度の関数でもある。粘度はまた温度の関数でありそしてこれが再びウェブ速度によって影響される。簡単に言えば、一定の塗膜品質は、特にウェブ速度を含めた重量な作用パラメータを一定に維持した場合にしか達成されない。紙繋ぎを行うためにウェブにブレーキをかけてはならない場合には、実際には紙繋ぎをフルウェブ速度で行わなければならない。
【0007】
上述した全面被覆と同様に、一部領域だけを被覆する場合にも、重要な全ての作用パラメータを一定に維持することが追求される。一部領域を被覆する工業的に最も重要な場合は、壁紙であろうと、本又は雑誌であろうと印刷である。種々の印刷方法の中には、紙繋ぎにとってはグラビア印刷が特に要求が厳しい。何故ならば大抵は、これは光沢紙上で行われるが、光沢紙は、グラフ雑誌に典型的に必要とされる量の多さでは、紙を“脆弱”にするような成分、すなわちダメージを被ることなく衝撃を吸収できるその能力を損ねる成分を含むことでしか、経済的に利用できないからである。要するにこの場合にも、特に一様な、すなわち衝撃が少ないか又は衝撃の低い紙繋ぎが必要とされている。
【0008】
加工時に及び仕上げ作業時の入口側で、例えば使用満了のロールの端部に、新しいロールの半径方向外側端部(いわば該ロールの出発点)をできるだけ衝撃少なく紙繋ぎを行うためには、自体公知のように、新しいロールを、それの周速が古い方のウェブ速度の周速に一致するような回転速度に加速しなければならない。この高加速の間、半径方向外側端部は風によって押し動かされ、そして遠心力によって負担がかけられる。冒頭に記載のロール止着は、紙ロールがこの力に耐えそして“イクスプロウド(張り裂け)”しないために役立つ。ロール止着は実質的に、新しいロールの最後の末端をその下にある次の巻き層との間の接着からなる。130km/時の早い速度であることから、発生する大きい風速及び遠心力が相当の止着強度を必要とすることを意味している。
【0009】
しかしながら所望のフライング・スプライシングが実現する瞬間に、それまで重要であったロール止着は今や邪魔であり、新しいロールが開くこと及びそれを巻き出すことを妨害する。この時点から、できるだけ小さい止着強度が望まれる。
【0010】
厳しく対立する要求(最初は高い強度で、次ぎは低い強度)を互いに調和させる努力において、米国特許第3,006,568号明細書は、分割機構、ただし三層で形成されている追加的な要素の上に設けられた分割機構を教示している(特に第3欄第6行の最後の単語から第11行及び四つの図面参照)。約30年後の国際特許WO91/08159号明細書では、ロール止着のために、止着を解く瞬間に分割される両面粘着テープが提案されている。このためには、前記米国特許で想定されるような追加的な中間要素は必要とされないことがここには開示されている。その点で、内容的にはドイツ特許出願公開第19544010A1号明細書がそれに続く。
【0011】
上記の引例は先の尖ったラベル、すなわちウェブロールの半径方向外型末端のV型又はW型又は多V型に切断された開始端の先端に貼り付けられた短く幅広の接着テープ片を用いることを開示しているが、後からのドイツ実用新案登録第9201286号明細書及び同第9215731号明細書は、接着テープを新しいロールに実質的に横方向に貼り付けることを開示している。そこでは、接着テープの支持体としてはフィルムが提案されている。二つの明細書の内の新しい方の文献にはロール止着を開かせるために複数の層で構成されたフィルムの分割機構を開示している。それの請求項5には多層接着テープの片方又は両方の辺縁部の“特別な形状”、例えば“鋸刃状”が提案されている。ロール止着と紙繋ぎ機構とを一つの製品において統合する他の可能性としては、ドイツ実用新案登録出願第92101286号明細書が請求項5において、接着テープの下側の接着剤を、一度貼り付けた後ではもはや貼り付けることができないように調製することを教示している。後に残るこの非粘着性の状態をどのように正確に達成すべきかに関しては未解決あるものの、それは目的として既にそこに記載されており、従属する請求項6は“メモ用紙及び粘着性ラベルに対応する”接着剤を提案している。
【0012】
国際特許出願公開第95/29115A号明細書によれば、ロールを止着するべきそれの“第三の”接着剤層は、“前記のロールの下に在る巻層から繋ぎ部を剥がし、その際、前記の下に在る巻層の外側面は非粘着性状態にある”ように形成されるべきである。請求項2〜4は弱いか又は再配置可能であるか又は伸延によって再び剥離可能な接着剤を提案しているが、請求項5によれば強い粘着剤が使用されるべきである。
【0013】
反対にドイツ特許出願公開第19628317A1号明細書及び同第19632689 A1号明細書は、繋ぎを達成した後に分割することによって止着を解く以前の提案に再び取り組んでいる。この場合には繋ぎ機能と止着機能とが一つの製品中で統合されており、そして分割される支持体は紙で構成されている。ドイツ特許出願公開第19902179A1号明細書は、この技術思想を、分割ストリップを、規定通りに位置をずらして紙スプライス接着テープに貼り付けることによって更に発展させている。
【0014】
しかしながら、最後の段落で価値が評価されたこの複雑な技術思想は非常に広く普及することを達成できたので、著名の沢山の接着テープ競合メーカーが多層分割システムを完成することを試みてきた。この件については例えば国際特許出願公開第99/46196号明細書及び同第2002/0056784号明細書参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、ロールの止着部を開くための分割のコンセプトにならい、かつ、高加速の間の意図的な高強度と止着部を開く時点の意図的な低い強度との間の差を更に大きくするという問題を取り扱うものである。
【0016】
従来技術として、カナダ特許第2039631号明細書或いはそれの優先権の基礎となるドイツ特許出願公開第4010704号明細書が関連するものと思われ、これらは、請求項5に属すると思われる第14図に直線でない接着辺縁部が教示している。しかしながらそこでは問題はミシン目にそって紙を引き裂くことであり、それ故に紙の厚み方向に向く負荷によるものではない。同様の内容は同じ特許出願人のドイツ特許出願公開第4033900号明細書にある。
【0017】
既に挙げたドイツ実用新案登録出願第9215731号明細書、特に請求項5が最近の従来技術として見なされる。“多層フィルム”の片方又は両方の縁が平行でなく例えば鋸刃状に特別に形成されていることを特徴とする“ロール接着剤”が開示されている。これをベースとして出発して、この課題は、高い止着強度にも係わらず止着部をできるだけ容易に開くことを可能とする分割可能な接着テープの特別な縁部プロフィールを提供することである。
【0018】
ドイツ実用新案登録第9215731号明細書で既に提案されている通り、出願人の会社でも鋸刃状の縁部プロフィールを用いて実験を行った。通常の当業者にとってこの形状自体は、特に容易に説明できる簡単なものであるためだけでなく、これは以前のV型及び後の多V型接着に最も正確に一致するものなので、のみこめるものである。しかしながら、実践からは、克服すべき紙の強度の完全な均等化のための形状が時間が経てば現れるというもっともな仮定は正しくなく、分割型接着テープのどの鋸刃状の縁も、両側に真っ直ぐな縁を有する他は同一の分割型ストリップの従来の形態と比べて、劣化を招くことが示された。意図した高い分割強度の及び特に意図した低い開き抵抗の平均値が決してより有利には存在しないという事だけで無く、中でも、これらの各々の場合に達成される平均値の変動が比較的大きかった。この結果が当業者にこの技術思想を長期間拒絶させている。
【0019】
本発明の提案は、第一のネガティブな実験結果がその原因が直線ではなくなること自体にあるのではなく、まさしくその鋸刃状形状にあるこということに存する。更に、特に各ギザギザの先端の尖った先が邪魔をし、そしてそれ故に、取り付けられるロール(これは一般に紙ロールであるが、ポリマーフィルム又は金属製フォイル等も可能である)上におおよそ軸に沿って貼付された接着テープの突起部(これは、取り付けされたロールの回転時に先に出ることが予定される)が丸みをおびている(要するに尖った角がない)ことが本発明による解決策の重要な要素として提案される。この丸み付けは、連続的に微分可能な平坦化と称することができ、その結果として、各突起部において、接着テープの全長手方向範囲に対して並行な接線が存在する。
【0020】
しかしながら実験室での実験で、先端領域の提案された丸み付けが実は初期分割力の低下をもたらしそしてそれによって、新たに繋いだウェブにおいてロール止着部を開く瞬間の吸収すべき衝撃力を低下させることを立証できた。結果として、今や、特に繊細なグラビア紙での引き裂き率が更に減少されるはずである。この歓迎すべき結果は、直線的な接着テープ縁部からの従前公知の逸脱、すなわちギザギザが全く反対に劣化をもたらすので、当業者にとって驚くべきことである。
【0021】
この解決法は、新たに繋ぎ合わされるウェブに作用する抗張力を完全に均等化させる初期の目的をここに初めて断念するという点でも、容易に思いつくことでもない。本発明は、極大の衝撃力を低減する目的を満足させることであるが、このより控えめな目的は確実に達成される。
【0022】
従前知られる波形の従前知られる角形の形状の不利な作用は、紙ロールの周方向への力によって分割型紙を引き裂くことは目的とされておらず[例えばドイツ特許出願公開第3834334A1号明細書、第5図又は(Voith社のドイツ特許出願公開第4010704号明細書からの)カナダ特許第2039631号明細書、特に第1第4図との関係での請求項5]、すなわち軸及び半径により引っ張られる引裂面でなく、紙ロールの半径方向の力による引裂である、要するに周辺方向及び軸により引っ張られる引裂面であることから明らかになる。この目的のためには、しかし、先ずは、必要とされる引裂力(この特別な方向においては“分割力”とも称する)だけを起こす十分な面をもたらすことが必要である。
【0023】
すなわち、繋ぐべきウェブの走行方向に関して先に走行する接着テープ縁の所で、従前知られた歯の先端は、その先端において−ウェブの走行方向(要するに接着テープの幅)及びウェブの横方向(すなわち接着テープ長さ方向)の幅不足のために−、接線方向の引裂を所望の通り開始させるために(それが開始してから初めて更なる分割がもたらされる)必要な初期力を生み出す接着領域が殆どない。このような歯の先端を通過したときに、引っ張られる接着領域は確かに二次的に増加するが、分割抵抗を超えた後にはもはや正確に制御することができずそしてそのときまでには繋がれたウェブ中に幾らかの変形エネルギーが吸収され、これは分割の瞬間に放出される次いで、この様な力によって決められるメカニズムは、とりわけそれの間に存在する弾性及び可塑性及び不活性(それらの全ての変動を伴って(紙は天然の製品である))の故に、例えば形状によって決められる系よりも実質的に大きいばらつきを伴う。本発明の解決法の決定的な長所は、分割型紙の(所望)機能不全が実際に始めから確実に裂け目に存在しそして最初には他の機能不全は起こり得ないことである。
【0024】
本発明に従う設計要件によって実質的な改善をもたらすることができた。
【0025】
もちろん、分割型接着テープの縁部のここに提案された波形の振幅は任意には加工できない。というのも、この分割型接着テープでも、それを更に加工する際−特に使用満了のウェブの終端と新しいウェブの始端との間の連結を実現するべき接着剤との一体化の際−に扱いやすいものでなければならないからである。この取り扱いのために転写式接着テープが使用されない場合には、その振幅は合目的的には接着テープの幅の最大三分の一、特に好ましくは約四分の一である。第一の場合に、真っ直ぐ延びる残部ストランド幅として、その全幅の三分の一が残り、第二の場合にはそれの全幅の半分である。分割型ストリップをある程度支える転写式接着テープを用いて作業する場合には、より大きな振幅を選択してもよい。
【0026】
しかしながら取り扱うときのヒダが発生する危険は、先頭の舌状部から先頭の舌状部までの距離を意味する“波長”によっても影響される。すなわちそれを大きく選択すればする程、ヒダがますます大きくなる。波長は分割型接着テープの幅の0.6倍から2.4倍の間であるのが合目的的である。
【0027】
更に本発明の分割型ストリップを格別分割容易な材料からから製造しそして約10mmの分割型ストリップの現在の慣用の幅から約12〜14mmに移行するのが有利である。
【0028】
更に請求項2によれば、直線でない辺縁部がそれの最も凹んだ場所(z)で同様に丸められて形成されているが、この場所ではその湾曲部が突き出た場所よりも実質的に鋭くなっている。前記文章中の“実質的に”という言葉を更に詳述するためには、最適な空間利用の意味において、各突起部の最も突き出た点(すなわち突出点)における湾曲半径が同じ辺縁の直ぐ後を追う点(すなわち凹み点)の所での大きさの二倍、更に有利には5倍であるべきであるように注意する。すなわち、スプライス接着テープがその長手方向に負荷がかけられたときに過度に大きいノッチ効果の結果として、製造工程での取り扱い性が失われないように、凹み点でも精密な鋭角を避けるべきである。合目的的な振幅についての検討の際に既に述べたのと同様に、転写テープによって分割型接着テープを“支える”ときに最も凹んだ点で特に小さい湾曲半径を選択し、それによってもう少し大きな設置スペースが突起領域のデザインのために自由となり、そしてそこで幾分より大きい半径の湾曲を形成することができる。
【0029】
ジグザグから波形への本発明に従い移行することが、突起の各フランクに変曲点が存在することを必然的に生じさせる。他の理論的な検討から、フランクの僅かなS字型の過程が可能な限り最善の引裂力分布、それ故、止着部開裂の安定化をもたらす。それ故に請求項3は、いずれの場合にも、直線でない辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間で3つの変曲点で連続的に微分可能であることを勧めている。
【0030】
波形輪郭の極値における湾曲半径のできる限り最善の寸法設定に関して既に説明した、できる限り最善の設置スペース分配の見地から、好ましくは、請求項6に示した様に、各凹み部(Z)のネガが、隣接する突起部(V)のポジよりも狭く形成されている状態ももたらす。
【0031】
本発明によって、分割力のプロフィールを更にならすことも可能である。すなわち、請求項7に従って、直線でない辺縁部が、規則正しいパターンに従って様々な度合で突き出ている突起部(V)の2つ以上の群(V1,V2)を有することによってならすことができる。分割は、突き出しが小さい突起部よりもより突き出しの大きい突起部でより早く始まる。しかしながら実際の分割の開始は、既に開始された分割の継続よりも大きい力を必要とする。確かに衝撃の回数は多くなるが(二つのグループでは二倍に、三つの場合には三倍に等)、それぞれの量は下げられる。
【0032】
事実、本発明は、本質的に、分割開始のときの機械的な事象のより深い洞察にによって生まれたものである。この分割の開始は、止着すべきロールに実質的に軸方向に適用した後に、先に出ている縁の所で起こり、この際、止着すべきロールが、スプライス接着テープと予め一体化されているかまたは一体化されていないかはどちらでもよいが、前者が好ましい。更に、本発明では、後端の縁のこれと調和された形状が提案される。すなわち、これらの辺縁部が真っ直ぐなままであると、分割型接着テープは以下の二つのありうる欠点の少なくとも一つを有するであろう:
a)その突起部領域では接着テープ幅が広過ぎそしてそれ故に分割を実施するためのエネルギー入力が多過ぎるか、又は
b)その凹んだ領域では接着テープ幅が狭過ぎそしてそれ故に既に高加速の間で、ロール止着部が開き始まる。
【0033】
欠点b)はまさに致命的であり、欠点a)は、分割開始がより良好に分布している場合に得られるであろうものの少なくとも大部分を消耗してしまうだろう。これを回避するためには、請求項8は、接着テープの両方の辺縁部が直線でなく、同じ周期長さを有していることを推奨している。両方の波型の辺縁部の間に相のずれがないのが有利である。
【0034】
先縁波と後縁波との間の振幅が互いに適切に調和することで、ロールの止着部を開く間のテープの延伸衝撃を最小限に調整することが可能である。最適なのは、おおよそ、後縁の振幅が先縁の振幅の約85%である場合である。数学的に非常に良好でそして非常に簡単な解決法は、後端辺縁部のために先端辺縁部と同じ関数を使用することであるが、振幅には0.85の因数を掛ける。
【0035】
しかしながらこのように製造するためには、以下の何れかの事実を受け入れる必要がある:
a)(有利には先駆品として0.5m〜4mの幅で製造される)マスターテープから個々のテープを切り取る際に無駄が生じそして更にテープ毎に2回のカット が必要とされるか又は
b)波関数は点対照であり(但し、これは突起と凹みとの間の曲率の違いを無に帰す)、そしてパンチングロールが軸に沿って比較的に大きな振幅のパンチングリングと比較的小さい振幅のパンチングリングを交互に有しており、この際、更に、製造された個々の接着テープのセットから(軸平面において数えて)第一、第三、第五、第七番目のものなどを取り出しそしてもう一度それの長軸を中心にして回すか又はさもなければ、第二、第四、第六、第八番目のものなどを、最後に再び製造するために、同じ個別の接着テープのセットを互いに平行して同方向に配置する。更にこれらは幾らか軸を離れてばらばらに引っ張られるべきであり、その後に分割可能な接着テープの個々のストリップを同様に引っ張りそして(離れた)ロールを連結する目的のために提供するかあるいは(有利には)古いウェブと新しいウェブとの間の連結をする接着テープとを併用して(特殊用語で“合わせる”)もよい。(個々のテープの回転の代替として、勿論、最初に巻き付け(換言すれば、直接的に合わせないで)そして次に全ての第二のロールに巻き換えることも可能である。)
【0036】
しかしながら、先端縁と後端縁の形成のための波型の振幅の寸法の予期される最適の状態(100%〜85%)は非常に狭いので、請求項9に従って接着テープの先端縁及び後端縁を互いに平行にさせて、接着テープの幅を両方の接着テープ辺縁部が非直線であるにもかかわらずあらゆる場所で同じにされる。この変法のためには、パンチングロールの全てのパンチングリングを同一にする。
【0037】
このような設計の場合には、
a)に関連して
無駄が回避される。このことは材料コストを下げそして分割型接着テープの(最後の個別ストリップを除いて)個別のストリップ当たりに一のみのカット しか必要なく、このことはパンチングリングの維持並びに入手の両方において費用を半分にできそして
b)に関連して
突起のデザインが凹みのそれよりもシャープでなく平面的にすることができ、各々の次のテープを回転させる手間が回避される。
【0038】
これらの長所は、この解決法によって、後で詳細に説明する実施態様の全てが同じに設計された先端縁及び後端縁を持っていることを多いに考慮される。
【0039】
この種類の分割型接着テープを製造するためには、それ自体公知のように最初にマスターテープを製造する。換言すれば、非常に幅広い分割型紙テープの少なくとも一方の側に粘着剤を塗布する。このことは最後に請求項11に従う製品をもたらすことができるであろう。主要なコンセプトから多少発展させて、これを更に説明する。
【0040】
(郵便切手の裏面の被覆物の様に)水に濡れると粘着性になる接着剤又は1970年第の中頃まで普及していたユーザーによって塗布されるのりと対比して、このものは古いウェブに繋ぐ新しい紙ロール上に、顧客にとって非常により簡単でかつ前より失敗し易く無い塗布をもたらす。要するに、繋ぐべき紙中への水の移動が回避される。このような水の移動は、ヒダの形成及び強度低下を招く虞があり、そしてそれ故に引き裂ける可能性を増加させるであろう。有利には、少なくとも一方の面の接着剤被覆物は、製造されるやいなや、最終的な顧客のところで製品を使用する前に汚れるのを避けるために、ライナー(例えばシリコーン加工された紙)で覆われる。
【0041】
製品を使用するときは、この粘着性の側をスプライス(紙継ぎ)のために準備される新しいロール上に、半径方向内側に向けて置かれる。
【0042】
好ましくは、この分割型接着テープは、古いウェブへの実際の連結を為す別の(しかし分割型ではない)接着テープに固定するのが好ましい。この固定は、例えば非分割型接着テープの相応する下側に配置された接着ストライプによって、又は分割型接着剤ストライプの第二の側に接着剤を塗布することによって、任意に行うことができるが、その際にこの接着剤は好ましくは粘着性のものである(接着テープ製造者にとって粘着剤は特に容易に入手できるからである)が、硬化型でもよい。
【0043】
主要なコンセプトに戻ると:更に、この被覆の後に自体公知のように、紙製支持体において分割可能である非常に幅広の接着テープは複数の狭い接着テープに“切断される”。本発明の分割型接着テープを製造するためには、当然に、これらの“切断片”はもはや直線的であってはならない。それ故に従来の通例のロール式ナイフは排除される。幾らか先の将来には、保護雰囲気内で、レーザー(水煙を減らすために、できるだけパルスレーザー)を用いた“切断”が考慮され得る。その際に、レーザー光線の束は、接着テープの進行方向に対して横断して周期的に動かすのが合目的的でありそして(質量が少なくそしてそれ故に早い進行速度でも高い操作再現性で)調整可能な鏡によって行うのが有利である。この場合、鏡は切断用光線当たり一つは必要ない。何故ならば一つの鏡を介して 一緒に調整できるからである。しかしながら爆発の危険及び火災の危険のより簡単な管理下に、直線でなない“切断”をパンチングダイスを用いても行うことができる。相応する波型のパンチングリングを持つ連続的に回転するパンチングロールが特に有利である。
【0044】
確かに、最近、コンペティターによって、それ自体古い考え、すなわち分割型紙を2つの紙製層から一緒に貼り付けそして裂け目を、紙材料中ではなく、その接着面に配置するという古い考えが、単一層構造からバリヤー層/接着剤層/バイヤー層の三層系への接着の更なる発展形態によって再び活気づいているが、分割を容易にするために、繊維材料で最良に達成できる高度に異方性の挙動が今まさに望まれており、それ故、本発明の分割型接着テープは、請求項10に記載のように、同様にそれ自体広く知られているように(ドイツ特許第19628317号明細書)、好ましくは紙から一体に製造された支持体(2)を有するべきである。この場合、分割は、好ましくは、一体に製造された紙のほぼ中心で起こるべきである。確かにこの場合には、一定の分割強度を達成するために豊富な経験と厳しい品質監視が必要とされるが、最終的には出願人の確信するところによれば、これはまだパイオニア段階に属するであろうあまりにも多過ぎる部品よりなる構成物を製造するのよりも、パイオニア段階はとうに過ぎた連続生産においてより確実に達成可能である。しかしながら、本発明はあまり有望でない多層系の分割可能な系の場合にも同様に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】その両方の辺縁部で本発明の波形を有する接着テープを縮尺どおりの平面図で示しており、両方の辺縁部の波形は同じであるが、突起部が2つのグループに形成されている。
【図2】第1図の波形をグラフの状態で分離しているが、x−方向に比較してy−方向で拡大された寸法で示されている。
【図3】第2図と同様に、全ての突起部が“同調”している波形を示している。
【図4】(先端の)突起部が三つのグループに形成されている、第2図の波形の変形を示している。
【図5】凹み部の丸みが比較的に大きい、第2図の波形の変形を示している。
【図6】第1図と同様に縮尺どおり、第5図の曲線に従う辺縁部を持つ接着テープを図示している。
【図7】設計図で数学的により簡単に記載する波打つ辺縁部の流れを持つ本発明のサンプルを図示している。
【図8】グラフで、ペーパーストリップが真っ直ぐな辺縁を持つ場合(従来技術)のペーパーストリップの分割力をその経過にわたって示している。
【図9】第8図と同様にグラフで、波型辺縁部を持つがその他は第8図のものと一致するペーパーストリップのための分割力プロフィールを示している。
【図10】縮尺どおりでない断面辺縁端面図で、下側に本発明の波形辺縁を持つ分割可能な接着テープを備えている本発明のスプライス接着テープを図示している。
【図11】出発点が古い使用し尽くされつつあるペーパーウェブに、第3図に従う紙スプライス接着テープを用いることによってフライング・スプライシングするために準備された新しいペーパーロールの側面図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明を幾つかの図面によって更に詳細に説明する。
【0047】
第1図は、その両方の辺縁部で本発明の波形を有する接着テープを縮尺どおりの平面図で示しており、両方の縁部の波形は同じであるが、突起部は2つのグループに分けられる。
第2図は、第1図の波形をグラフの状態で分離しているが、x−方向に比較してy−方向で拡大された寸法で示されている。
第3図は、第2図と同様に、全ての突起部が“同期”している波形を示している。
第4図は、(先端の)突起部が三つのグループに分けられる、第2図の波形の変形を示している。
第5図は、凹み部の丸みが比較的に大きい、第2図の波形の変形を示している。
第6図は、第1図と同様に縮尺どおり、第5図の曲線に従う縁部を持つ接着テープを図示している。
第7図は、縮尺どおりに、数学的により簡単に記載する波打つ縁部のプロフィルを持つ本発明のサンプルを平面図で示している。
第8図は、グラフで、紙ストリップが真っ直ぐな縁を持つ場合(従来技術)の紙ストリップの分割力をその経過に わたって示している。
第9図は、第8図と同様にグラフで、波型縁部を持つがその他は第8図のものと一致する紙ストリップの分割力推移を示している。
第10図は、縮尺どおりでない断面縁端面図で、下側に本発明の波形縁を持つ分割型接着テープを備えている本発明のスプライス接着テープを図示している。
第11図は、縮尺どおりではない一方の側からの図において、その出発点が古い使用し尽くされつつある紙ウェブに、第3図に従うスプライス接着テープを用いることによってフライング・スプライシング(flying splice)するために準備された新しい紙ロールを図示している。
【0048】
第1図は縮尺どおりの平面図で本発明に従う波形を、その左境辺縁部(l)並びにその右境辺縁部(r)のところに有する接着テープ(1)を図示している。この場合、“左境”及び“右境”という概念は分割可能な接着テープを製造する業界に由来している。すなわち、意図する用途において、それ故、同期周速に早めるべき新しいロールに対する軸方向での少なくとも実質的な接着において、両方の側の一方は“先縁”でありそしてもう一方は“後縁”であり、いずれの場合にも平らでより丸くされた突起部を持つ縁(この場合には右縁)が先縁である。
【0049】
図1に従う本発明の大概の好ましい実施態様の場合には、突起(V)は二つのグループV1,V2に分類され、突起V1は突起V2よりも突き出ている。
【0050】
古いジグザグ型に比較して特に重要なのは、突起Vの先端領域vが丸められており、その結果、尖端が分割開始領域に入るのではなく、尖っていないか又は平らにされた領域が入り込む。尖ってないこと又は平らであることがより突き出した突起V1の先端領域でよりも突き出しの少ない突起V2の先端領域において若干より強められているのが有利である。
【0051】
本発明のデザイン(尖端の丸めこみ又は尖端の平坦化と称するかどうかに関係なく)の結果として信頼性が非常に増した分割開始段階の後に、新しいロールの全幅に亙って更に分割するための役割のある領域がどこかに配置される。この領域においては縁が、すなわち新しいロールの周方向だけでなく、斜めに走行しなければならない。 後引き裂けをもたらす追加的負荷が始まる前に、分割開始による衝撃を最初にある程度鎮めるためには、分割開始領域と後分割の領域との間に小さい移行領域を配置し、その領域において後引き裂けの追加的負荷を円周方向に対する僅かな縁の傾斜によって少なくとも減少させるのが推奨される。すなわち、ここに説明する第1図においてこの移行領域Ueは、縁が僅かに逆に傾斜するように著しく際立っており、その結果止着がちょうど開かれている新しいロールの周方向に亙る分割幅の進展が減少するだけでなく、分割幅は僅かに戻りさえする。このように各突起Vの最前域vの後に特徴的な僅かな狭窄を形成する。
【0052】
二つの異なる程度で突き出している突起Vと相違して、凹み部Zの極値z(これはもちろん、後縁lの所では突起部として現れる)は互いに一列に並んでいる。もちろん、ここには図示していないけれども、衝撃の更に良好な分布のために、更に沢山の異なる長さの突起群の設計、例えば三つの突起群v1,v2,及びv3も可能である。その場合には二つの異なる幅の 凹み群Z1及びZ2が合目的的である。凹み群の数は突起部群の数より必ず一つだけ少ない。
【0053】
図2はグラフで図1の波形を別に図示しているが、x−軸に比較してy軸を大きな寸法で示している。これらの波型は、中間領域で前述の狭窄の故に、関数y(x)として表すことができず、代わりに、y(x)は一つの関係であるだけである。発明者が波形の技術的最適さを、波形における縮小までの移行領域があまり良くないと見るかどうかにかかわらず、信ずるところによれば、数学的説明が問題なしにできるようにしなければならない。これは発明者によって、“α”と称するパラメータを導入しそしてy並びにxをこのパラメータの関数として規定しそして最後にyをxに基づいて、要するにy(x)の関係で示すことによって達成される。
【0054】
この場合には(αを次数で示すと)、
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))−h+j×sin(l+π/180×α/k)
[式中、j=0.2
h=0.4
i=1
l=−π/4
k=2である。]
及び
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
b=16
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
【0055】
第3図は、突起Vが全て一直線の並びに位置している、第2図を簡略化したものを図示している。この場合には(αを次数で示すと)、
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))
[式中、h=0.4
i=1である。]
一方、xについての関数は変化しないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
b=16
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
【0056】
勿論、分割開始による衝撃をより良好に分布させるために三つの種類の突起を例えば第4図に示すように、生じさせることも可能である。この関係を得るためには、関数は以下の通りである:
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))−h+j×sin(l+π/180×α/k)
[式中、j=0.2
l=π/8
k=4である。]
関数の種類は第2図のそれと同じであるが、l及びkだけが別の値を使用している。
【0057】
一方ではここでもxについての関数は変化していないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1,2
b=16
c=3
d=0,4
e=12
f=5である。]
側面の一つでは説明図のために三つの変曲点wに印を付ける。この場合、これら三つの変曲点の最も大きな凹みは、大抵は凹みの最も低い場所にある。この言葉の真の意味でそれを先端に移動させたい場合には、この変曲点が凹みの最も低い位置に確実に来ることそしてそこでは直ぐ次に続く側面の最も大きく凹んだ変曲点と一致することを意味する。
【0058】
第5図は第3図に従う波形の変形を図示しており、凹みの丸みがより大きい。これはこのような辺縁を備えた分割可能な接着テープを使用して製造されたスプライス接着テープは、古い使用し尽くされつつあるウェブと同一速度に加速するべき初めてスプライスする新しいロールに容易に適用される。このように容易に適用できることは、凹みの最も外側の位置(z)の減少したノッチ効果に起因する。繋ぎを準備する人はスプライス接着テープをすなわち皺なく適用する目的で長手方向に、要するにつなぐべきロールの軸方向に若干の応力を負荷する。この場合に生じる若干の延伸によって、本発明に従う波形の辺縁部を持つ底面に貼り付いた分割可能接着テープも全く影響されないこともなく、それ故に勿論これらのノッチ様の凹みにはある程度の応力集中がある。湾曲の半径が狭ければ狭いほど、勿論、この集中はより顕著である。
【0059】
更に、スプライス接着テープの製造者は、下側の分割可能な系と上側の接合テープとの間の結合を穏やかで余りシャープでない湾曲が容易にする。実際、この相互接合の間にも一般に許容し得る僅かな張力がある。
【0060】
一例として、変曲点がここでも側面に図示されている。この場合、凹み(Z)の所での湾曲を非常に滑らかにするために、最も奥の変曲点の所の凹みは極端にされていない。更に、中間位の変曲点のところの湾曲変化は図4におけるよりも明らかに少ないことに触れておく。これによって側面の中間領域の殆ど直線状の形状は、初期の分割力と分割前進に必要な力との間に比較的に僅かの相違しかない、割り込まれる材料としてのこの種類の紙品質に適している。
【0061】
勿論、あまり急激でない凹みの価値は、そこにいくらか少ない平坦さを持つ狭い形状の突起及び/又は分割後続領域の比較的に急激な側面傾斜である。最適な妥協点は連結するべき個々のウェブ材料についての一連の実験によって決めることができる。
【0062】
この段落においては、連結すべきウェブ材料の性質がどのように影響するかを説明する。非常に傷つきやすく脆いウェブ材料の場合、例えば薄い大量生産の雑誌用光沢紙の場合には、スプライスを準備する作業員への多少比較的に高い感度要求は凹みの明らかに急激な形状を受け入れるでしょうし、また、そうして造られる隙間はスプライスを穏やかに開始するのに及び/又はスプライスを進行させるのに使用される。要するに、突起が周辺方向(U)に対して小さな角度(β)で比較的に大きな範囲及び/又は側面(F)について丸められ/平坦化される(例えば図3参照)。反対に頑丈でそして余り迅速に加工されない紙については、スプライスの初期のための比較的に大きな応力衝撃も甘受し得るし、また、狭い形状及び/又は比較的に大きな側面角(β)が使用されそして結果として更に強く丸められた凹みが得られ、本発明の波形辺縁部を持つ分割可能なシステムを持つスプライス接着テープ(一般に分割可能接着テープともいう)をより容易に製造及び適用させる。
【0063】
この変形の本質を他の変形で隠蔽しないために、特に突起を沢山のグループにどんなふうに分けるかという問題を隠蔽しないために、全ての突起(V)をここでは一列に位置している。
【0064】
これらの曲線を生じさせる方程式は変わらない(αを次数で示すと)。
【0065】
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))
[式中、変化なく
h=0.4
i=1である。]
一方、xについての関数は変化しないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
しかしbは前の16の代わりに4が選択される。これは、bの減少が凹みの急激さを低減していることを明らかに示している。
【0066】
勿論、当業者には本発明の保護範囲から逸脱せずに更に小さい変化形も可能である。特に、突起をより平坦化する(この場合、突起の中央での超過が凹みを生じさせる)か又は幾らか小さくするために、hは更に大きな値を選択することもできる。これはゴシック様の尖頭アーチをもたらしそして、分割初期が分割進行過程に比較してあまり問題ないことを実証する場合に合目的的であり得る。iが1の代わりに0.2では、前の例で示した三つよりも更に複雑な形状にされ得る。
【0067】
第6図は図1と同様にの縮尺で図示しているが、接着テープ辺縁部は図5に示した曲線からy軸を圧縮することによって得られている。凹み部(Z)の最も外側の位置(z)(この記載は第1図と同様にここでは右境辺縁部rである先頭の辺縁部に常に関する)のところに、この分割可能な接着テープ1の長手方向への延伸に比べて穏やかなノッチ効果を持つゆるやかな曲線が存在することが明らかに認められる。同じ凹みが突起と同様に別の辺縁部(l)にも認められる。
【0068】
第7図は、縮尺1:1で平面図でワンピースの分割可能な紙よりなる支持体を持つ別の接着テープを図示している。ここでも分割可能な接着テープの両方の辺縁部が本発明に従って波打っている。すなわち、最も広げた突き出た場所(v)の所が丸められている突起(V)を有している。この切断曲線を製造するため及び数学的に説明するために、半円が簡単に互いに交互に配置されている。それぞれの半円の径はここでは5mmでありそしてそれ故に波形振幅でもあり、波の長さはこの図面の4倍、すなわち2cmである。
【0069】
このような種類の波型プロフィールは、第一に、純粋に抽象的な形で始めに実施する本発明の機能性を原理的に実証できるように、非常に初期的なサンプルを手書きで非常に容易に作製できるという長所を有している。
【0070】
1cmの接着テープ幅に比較して、波形振幅はここでは非常に大きいものが選択されており、それ故にこのことは一方においては、非常に簡略化された曲線プロフィールであるにもかかわらず、特に大きな効果を持つて(大が大をもたらす)実証することができそしてもう一方においては、それに反する適応性の要件がスプライス接着テープの下側に及び次ぎにこのテープと一緒に最初の実験室実験に関係する限りウェブ材料の新しいロールに何の関係もないからである。
【0071】
この様に波打った支持体を製造するためにどんな紙の品質を使用するかに無関係に(Schneider and Sohne社の名称“Plano DynamicOffice”を含めたあらゆる種類を試験した)、初期分割抵抗及び分割力プロフィールの極大値は、直線的な辺縁部の場合に発生する値の約40%に低下する。
【0072】
この態様の接着テープは請求項1の構成要件の他に、辺縁部を説明する請求項8及び9の構成要件並びに好ましくは別の請求項10及び11のそれにも相応する。しかしながら(一回限りの)連続的に微分可能性であるにも係わらず、これらの異なる曲線プロフィールは、側面当たりに一つの変曲点しか有していないが、他方、第1〜6図に図示した辺縁プロフィールは側面当たりに3つの変曲点を有している。
【0073】
後続のプラクティスのためのできるだけ現実的な機能試験を実現するために、第7図に従い設計された分割可能な接着剤ストリップを初めて、スプライス接着テープの先導側末端を一方としそしてヨーロッパ特許出願公開第1,022,245号明細書に詳述されている様な2mmのもう一方の分割可能な接着テープの先導側末端との間で充填物と一緒に50mmの幅のスプライス接着テープと一体化する。更に前述の従来技術と比較するために、直線状の末端の分割可能な接着テープを用いて、同じ充填物を用い、下側の上に、その他は同じ材料を用いて一体化した。
【0074】
第8図は、分割可能な下側の接着テープの直線状の辺縁部を持つ前記の複合体の分割力のプロフィール(すなわち、この分割力は剥離過程にわたるものである)をグラフに示している。50mmの幅の前記スプライステープについてグラフを目で追うと、最初に約14mmのところから17mmのところの、y軸のほぼ5のスケール部分の絶対極大値を持つ急勾配での上昇があることがわかる。
【0075】
第9図は、本発明に従う波打った辺縁部、しかも第7図の辺縁部を持つ紙ストリップについての分割力を、第8図と同様にグラフに示している。試験体の他の全ての性質及び実験条件は変えていない。従来技術を実証する第8図に比較して許容し得るものである。(複写の過程で偶然に生じる他の尺度は技術的に重要ではなく、ここでのスケール部分は第8図におけるのと同じである。)
【0076】
両方のグラフにおける力のラインは、前述の2mmの辺縁充填の後でも急激に上昇するよりもむしろなだらかに上昇することは、実験装置中での弾力性によりもむしろ実験すべき分割可能ストリップ自体の挙動に遥かに僅かしか重要でない。これに寄与するのも、試験体の両側に装着され、かつ、その弾性の欠点にもかかわらず、その全範囲に亙って試験体中に力を現実的に一様に導入するという長所のために重要である紙ウェブ部分である。物理的分析のために、あたかもx−軸の零点がこの第一の相対的力極大の位置のところにあることも思想的に合目的的である。
【0077】
従来技術の刊行物はx=17mmのところに相対値であるだけでなく絶対値でもある第一の極大値を非常に明白に示している。その高さはy−軸の約4.8のスケール部分のところにある。
【0078】
y−軸は両方のグラフにおいて完全なディメンションでは示されていない。何故ならば第一に、さもなければ挿入するつもりのディメンションが引っ張り速度(この実験のためには300mm/分を選択した)並びに紙の品質及びそれと繋ぐために準備されるロールの幅に依存するからである。支持体としての分割可能な接着テープとして使用される紙の幅当たりの分割強度は使用目的次第で10〜100cN/cmの間でもよい。第9図のグラフにおいて分割はx=18mmで開始されるが、1.6の目盛りスケールの高さしかないので、未だ弱いことがわかる。分割力の僅かな増加はx=22mmの近辺に見られる。これは更なる分割のために必要な増加エネルギー量に起因している。x=28mmのところで、分割力過程の絶対的最大値が2.2の目盛りスケール部分の高さに示されている。それ故に本発明の一つの実施態様のこの絶対的最大値が直線的辺縁部を持つ既存の態様の半分より小さい。
【0079】
この最高値の高さ及び位置は、10mmの分割深さの直ぐ後、凹みの最も外の点が尖端に割り当てられるだけでなく、割れたストリップの末端が立ち上がり区間に割り当てられるという状況に相関することがわかる。
【0080】
第10図は、実質的に支持体(7)及び上側の接着層(6)よりなる本発明のスプライス接着テープの前面を図示しており、その接着層(6)は最初に二つのライナーで覆われている。このライナーは公知の通りシルコーン加工された紙よりなる。スプライス接着テープの下側には、波型の辺縁(l及びr)を有する本発明の分割可能な接着テープ(1)が固定されている(ワードプロセッサーシステムでは、好ましい“l及びr”は引き出すことが困難なので“l及びr”と記載する)。すなわち、この固定は、ここでは(特に簡単で十分に機能的である方法で)、分割可能な接着テープ(1)がそれの下側部に粘着剤の層(3)を有しているだけでなく、上側部に粘着剤の層(4)も有していることによって実現される。費用の理由から、層(3)及び(4)の粘着剤は同じものであるのが特に有利である。この場合、紙繋ぎテープの上側の接着剤(6)は、他のものを、すなわち時間と共に非常に速やかな接着性を発揮するためにものを選択するのが有利である。更に、自体公知の通り、分割可能な接着テープの下側部は別のライナー(5)で覆われている。
【0081】
本発明の最大の特徴的構成、すなわち分割可能な紙製支持体(2)を有する分割可能な接着テープ(1)の波型は、前面図において、二重線で表す左端に認めることができる。ここに示した通り、準備するロールに紙スプライス接着テープを適用するときにその長さの切断を、切り口が先導する突起を通過するように実施して、末端に皺が生じる危険を最小限にするのが特に有利である。何故ならば、右の尖端で二重にならないからである。
【0082】
当業者が熟知する通り、第10図に説明するスプライス用テープは、最初に、準備される新しいロールから最初に半径方向で外側の巻き紙(11)の初めの部分が持ち上げられるか又は折り返され、次いでライナー(5)が下側から剥がされそして次にこうして接着準備のされたスプライステープがロールの末端付近で(疑わしい場合には数cm戻って)少なくとも実質的に軸方向に貼り付けるようにして用いられる。この場合、好ましくは接着テープは性格に軸方向に向けられるのが好ましい。このことは一方においては横を突くことを避けそしてもう一方では分割エネルギーが本発明によってウェブの幅に亙って良好に分布させる。
【0083】
その後にスプライス接着テープの後続のライナーを除去し、それによって接着テープ(6)の後続部分が露出しそして継ぎに最初に持ち上げられるか又は折り返されたロールの最初の部分(11)が接着の準備のできた領域に適用される。一般にその後、いくらかの紙が接着剤領域の前端の上に張り出され(いずれの場合にも逆の状態が生じてはならない)、その際にこの接着剤領域のこの端部が、かつては二つのライナー(8及び9)の間を分離する隙間が在った場所に入る。今度は、張り出した紙の端部を折り返して鋭角的な折り目をもたらしそして次に、その折り目の折り返し部に案内される鋭い刃物を用いて分離除去する。その後に先頭のライナー(9)も除かれ、その結果、接着剤領域(6)の先頭部が露出する。
【0084】
この場所を、第11図で紙ロール(10)の上に正確に示す。第11図は、寸法的には正しくないが、断面図に見える新しいロール(10)の上の側面図を示している。このロールの出発部は閉じられており(本発明に従って容易に開くことができる)、それ故にロール(10)を、ロールの外周速度が使用し終わるウェブの走行速度に相当する回転速度にさせる。
【0085】
新たに広げられるウェブにおけるテープ張力に適合する支持体(7)も同様な方法で、繋ぐべき物質に正確に調整するのが有利であり、そして使用される接着剤は接合強度を発揮するために使用する時間に適合しそして巻き込まれる接着面の大きさもこの接着剤の凝集力に適合させ、分割可能な接着テープ(1)、特にそれの初期分割抵抗も接合すべきウェブ材料にできるだけ正確に適合させなければならない。この材料が繊細であればあるほど、初期分割抵抗はますます小さいものを選択しなければならない。本発明の効率は実質的に、当業者が分割可能な接着テープ(1)の支持体(2)が製造される分割可能な紙を意図的に開発することを可能とするだけでなく、端部の外形の開発のための潜在性を開くことでもある。初期実験において、この潜在性は、それどころか幾らか高い初期分割抵抗の紙を使用できるほどに大きいことがわかった。それ故に高い品質の一貫性が達成されそして更に、このようにして、加速する間の比較的に高い遠心力にさえも対応することを可能とするでしょう。このことは高光沢グラビヤ印刷紙のような繊細な材料の場合ですら許容し得る。
【0086】
分割可能な接着テープと紙スプライス接着テープの他の成分及びこれを取り付けるべき新しいロールとの間の明らかにされた狭い相互関係のために、このような紙スプライス接着テープ及びこれを用いて紙繋ぎするために用意された新しいロールも、請求項10及び11によってなされている通り、本発明の範囲にあります。
【0087】
この種類の端部プロフィールはウェブ状態の他のあらゆる材料にとっても既に知られているわけでないので、接着テープの直線的でない辺縁部の切断用の道具も新規なものである。この道具は、分割可能な接着テープの辺縁部と同様に、本発明の通り曲線を具現化している。それ故にこの道具も本発明の対象である。
【0088】
結論として、必ずしも系統的でない技術的専門用語の唯一の概念の言葉:
“紙継ぎ用接着テープ”は、支持体(7)を有しそして頂部においてのみ接着する接着テープだけでなく、一体化しそして一般に最初に独立して製造された紙継ぎ用接着テープと分割可能な接着テープとの結合後の複合体について不幸にして当業者に使用されている。しかしながらいずれの関係においても何を意味するかは正に明らかである。複合体について述べられている限り、複合体は実際は第二の支持体、すなわち容易に分離できる支持体も有しているので、支持体(7)が主要な支持体として記載されています。
【0089】
“容易に分離できる”とは分離性又は分離される能力を意味する。
【0090】
以下の記号の説明も明細書の一部である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・分割可能な接着テープ
2・・・1の支持体
3・・・1の下部粘着層
4・・・1の上部粘着層
5・・・分割可能な接着テープの下側のライナー
6・・・分割可能な接着テープの上側接着剤層
7・・・分割可能な接着テープの(主要な)支持体
8・・・分割可能な接着テープの後続ライナー、特にシリコーン処理紙
9・・・分割可能な接着テープの先頭ライナー、特にシリコーン処理紙
10・・ウェブ材料の新しいロール、例えば高光沢グラビア印刷紙
11・・新しいロールの外側巻き紙
l・・・1の左境辺縁部
r・・・1の右境辺縁部rの
Ue・・・移行領域
v・・・Vの最も先端の突き出た場所:本発明は重要な要素は予めに準備された尖端を鈍化又は平坦化するために丸めることである。
w・・・1の波うった辺縁部l及びrの側面にある変曲点。
z・・・二つの突起Vの間の、Zの最も凹んだ点。
V・・・適切に使用するときに新しいロールを加速する間に先行する分割可能な接着テープの本発明に従う平らでない境辺縁部の突起。
V1・・・Vの下位概念であり、共通の性質を持つ第一の種類の突起を意味し、突起V2と同じように突き出し、しかも突起V2よりも突き出ている。
V2・・・Vの下位概念であり、共通の性質を持つ第二の種類の突起を意味し、突起V1と同じように突き出し、しかも突起V1よりも突出が小さい。
Z・・・適切に使用するときに新しいロールを加速する間に先行する本発明の分割可能な接着テープの境辺縁部の凹み。
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り付けた後に接着テープの平面内で長手方向に対して実質的に横方向に向いている力を良好に伝達するが、接着テープの厚み方向への力に対しては、全く反対に、できるだけ低いレベルの力において機能不全が起こるように最適化された、長手方向に伸びた接着テープに関する。
【0002】
すなわち、この課題の特に困難なことは両方の強度要求が互いに正反対であることにある。弱い接着テープを製造することは当業者に久しい以前から熟知されておりそして強力な接着テープを製造することも熟知されているが、強力で、かつ、弱い接着テープを製造することは長い間当業者には無関係であった。
【背景技術】
【0003】
しかしいずれにしてもこれらの対立する要求は、いわゆるフライング・スプライシング(稼働中紙繋ぎ:flying splice)を実施するときにいわゆるロール止着を実現するべき接着テープに対して存在している。
【0004】
フライング・スプライシングは薄いウェブ材料、特に紙の製造、仕上げ作業及び加工において実施される。“フライング”という修飾語は、この紙繋ぎ(スプライス)(いわゆる紙をつなぐこと)がその都度の製造装置のフル稼動速度で実施されることを意味している。製紙機械での紙ウェブ速度は今日では一般に100km/時より早く、最も早くは130km/時でさえ可能である。
【0005】
紙繋ぎが紙の仕上げ処理及び加工において必要とされる理由は、紙ロールの今日の通例の巨大な寸法(最大で9m幅及び2.5m直径)の場合ですらこれらのロールはある時点で無くなるからである。それ故に巻き出されたロールを新しいものに交換する必要がある。製紙の際には、最も大きなロールでもある時点でいっぱいになるために、同じ要求が生じる。
【0006】
紙繋ぎの多くの用途分野において、なぜこれが走行状態で行い得ることが必要であるのかを説明するために、被覆によって紙ウェブを仕上げ処理することを以下に例として取り上げる。達成される層厚は、原紙面と被覆用ナイフの下縁との間の距離に依存するだけでなく、紙ウェブが被覆用隙間を通り引き出される速度にも左右される。すなわち引き出される速度が早ければ早いほど、薄い層厚がもたらされる。しかしながら層厚のこのような減少は、ウェブ速度だけでなく紙ウェブの湿潤傾向及び被覆剤の粘度の関数でもある。粘度はまた温度の関数でありそしてこれが再びウェブ速度によって影響される。簡単に言えば、一定の塗膜品質は、特にウェブ速度を含めた重量な作用パラメータを一定に維持した場合にしか達成されない。紙繋ぎを行うためにウェブにブレーキをかけてはならない場合には、実際には紙繋ぎをフルウェブ速度で行わなければならない。
【0007】
上述した全面被覆と同様に、一部領域だけを被覆する場合にも、重要な全ての作用パラメータを一定に維持することが追求される。一部領域を被覆する工業的に最も重要な場合は、壁紙であろうと、本又は雑誌であろうと印刷である。種々の印刷方法の中には、紙繋ぎにとってはグラビア印刷が特に要求が厳しい。何故ならば大抵は、これは光沢紙上で行われるが、光沢紙は、グラフ雑誌に典型的に必要とされる量の多さでは、紙を“脆弱”にするような成分、すなわちダメージを被ることなく衝撃を吸収できるその能力を損ねる成分を含むことでしか、経済的に利用できないからである。要するにこの場合にも、特に一様な、すなわち衝撃が少ないか又は衝撃の低い紙繋ぎが必要とされている。
【0008】
加工時に及び仕上げ作業時の入口側で、例えば使用満了のロールの端部に、新しいロールの半径方向外側端部(いわば該ロールの出発点)をできるだけ衝撃少なく紙繋ぎを行うためには、自体公知のように、新しいロールを、それの周速が古い方のウェブ速度の周速に一致するような回転速度に加速しなければならない。この高加速の間、半径方向外側端部は風によって押し動かされ、そして遠心力によって負担がかけられる。冒頭に記載のロール止着は、紙ロールがこの力に耐えそして“イクスプロウド(張り裂け)”しないために役立つ。ロール止着は実質的に、新しいロールの最後の末端をその下にある次の巻き層との間の接着からなる。130km/時の早い速度であることから、発生する大きい風速及び遠心力が相当の止着強度を必要とすることを意味している。
【0009】
しかしながら所望のフライング・スプライシングが実現する瞬間に、それまで重要であったロール止着は今や邪魔であり、新しいロールが開くこと及びそれを巻き出すことを妨害する。この時点から、できるだけ小さい止着強度が望まれる。
【0010】
厳しく対立する要求(最初は高い強度で、次ぎは低い強度)を互いに調和させる努力において、米国特許第3,006,568号明細書は、分割機構、ただし三層で形成されている追加的な要素の上に設けられた分割機構を教示している(特に第3欄第6行の最後の単語から第11行及び四つの図面参照)。約30年後の国際特許WO91/08159号明細書では、ロール止着のために、止着を解く瞬間に分割される両面粘着テープが提案されている。このためには、前記米国特許で想定されるような追加的な中間要素は必要とされないことがここには開示されている。その点で、内容的にはドイツ特許出願公開第19544010A1号明細書がそれに続く。
【0011】
上記の引例は先の尖ったラベル、すなわちウェブロールの半径方向外型末端のV型又はW型又は多V型に切断された開始端の先端に貼り付けられた短く幅広の接着テープ片を用いることを開示しているが、後からのドイツ実用新案登録第9201286号明細書及び同第9215731号明細書は、接着テープを新しいロールに実質的に横方向に貼り付けることを開示している。そこでは、接着テープの支持体としてはフィルムが提案されている。二つの明細書の内の新しい方の文献にはロール止着を開かせるために複数の層で構成されたフィルムの分割機構を開示している。それの請求項5には多層接着テープの片方又は両方の辺縁部の“特別な形状”、例えば“鋸刃状”が提案されている。ロール止着と紙繋ぎ機構とを一つの製品において統合する他の可能性としては、ドイツ実用新案登録出願第92101286号明細書が請求項5において、接着テープの下側の接着剤を、一度貼り付けた後ではもはや貼り付けることができないように調製することを教示している。後に残るこの非粘着性の状態をどのように正確に達成すべきかに関しては未解決あるものの、それは目的として既にそこに記載されており、従属する請求項6は“メモ用紙及び粘着性ラベルに対応する”接着剤を提案している。
【0012】
国際特許出願公開第95/29115A号明細書によれば、ロールを止着するべきそれの“第三の”接着剤層は、“前記のロールの下に在る巻層から繋ぎ部を剥がし、その際、前記の下に在る巻層の外側面は非粘着性状態にある”ように形成されるべきである。請求項2〜4は弱いか又は再配置可能であるか又は伸延によって再び剥離可能な接着剤を提案しているが、請求項5によれば強い粘着剤が使用されるべきである。
【0013】
反対にドイツ特許出願公開第19628317A1号明細書及び同第19632689 A1号明細書は、繋ぎを達成した後に分割することによって止着を解く以前の提案に再び取り組んでいる。この場合には繋ぎ機能と止着機能とが一つの製品中で統合されており、そして分割される支持体は紙で構成されている。ドイツ特許出願公開第19902179A1号明細書は、この技術思想を、分割ストリップを、規定通りに位置をずらして紙スプライス接着テープに貼り付けることによって更に発展させている。
【0014】
しかしながら、最後の段落で価値が評価されたこの複雑な技術思想は非常に広く普及することを達成できたので、著名の沢山の接着テープ競合メーカーが多層分割システムを完成することを試みてきた。この件については例えば国際特許出願公開第99/46196号明細書及び同第2002/0056784号明細書参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、ロールの止着部を開くための分割のコンセプトにならい、かつ、高加速の間の意図的な高強度と止着部を開く時点の意図的な低い強度との間の差を更に大きくするという問題を取り扱うものである。
【0016】
従来技術として、カナダ特許第2039631号明細書或いはそれの優先権の基礎となるドイツ特許出願公開第4010704号明細書が関連するものと思われ、これらは、請求項5に属すると思われる第14図に直線でない接着辺縁部が教示している。しかしながらそこでは問題はミシン目にそって紙を引き裂くことであり、それ故に紙の厚み方向に向く負荷によるものではない。同様の内容は同じ特許出願人のドイツ特許出願公開第4033900号明細書にある。
【0017】
既に挙げたドイツ実用新案登録出願第9215731号明細書、特に請求項5が最近の従来技術として見なされる。“多層フィルム”の片方又は両方の縁が平行でなく例えば鋸刃状に特別に形成されていることを特徴とする“ロール接着剤”が開示されている。これをベースとして出発して、この課題は、高い止着強度にも係わらず止着部をできるだけ容易に開くことを可能とする分割可能な接着テープの特別な縁部プロフィールを提供することである。
【0018】
ドイツ実用新案登録第9215731号明細書で既に提案されている通り、出願人の会社でも鋸刃状の縁部プロフィールを用いて実験を行った。通常の当業者にとってこの形状自体は、特に容易に説明できる簡単なものであるためだけでなく、これは以前のV型及び後の多V型接着に最も正確に一致するものなので、のみこめるものである。しかしながら、実践からは、克服すべき紙の強度の完全な均等化のための形状が時間が経てば現れるというもっともな仮定は正しくなく、分割型接着テープのどの鋸刃状の縁も、両側に真っ直ぐな縁を有する他は同一の分割型ストリップの従来の形態と比べて、劣化を招くことが示された。意図した高い分割強度の及び特に意図した低い開き抵抗の平均値が決してより有利には存在しないという事だけで無く、中でも、これらの各々の場合に達成される平均値の変動が比較的大きかった。この結果が当業者にこの技術思想を長期間拒絶させている。
【0019】
本発明の提案は、第一のネガティブな実験結果がその原因が直線ではなくなること自体にあるのではなく、まさしくその鋸刃状形状にあるこということに存する。更に、特に各ギザギザの先端の尖った先が邪魔をし、そしてそれ故に、取り付けられるロール(これは一般に紙ロールであるが、ポリマーフィルム又は金属製フォイル等も可能である)上におおよそ軸に沿って貼付された接着テープの突起部(これは、取り付けされたロールの回転時に先に出ることが予定される)が丸みをおびている(要するに尖った角がない)ことが本発明による解決策の重要な要素として提案される。この丸み付けは、連続的に微分可能な平坦化と称することができ、その結果として、各突起部において、接着テープの全長手方向範囲に対して並行な接線が存在する。
【0020】
しかしながら実験室での実験で、先端領域の提案された丸み付けが実は初期分割力の低下をもたらしそしてそれによって、新たに繋いだウェブにおいてロール止着部を開く瞬間の吸収すべき衝撃力を低下させることを立証できた。結果として、今や、特に繊細なグラビア紙での引き裂き率が更に減少されるはずである。この歓迎すべき結果は、直線的な接着テープ縁部からの従前公知の逸脱、すなわちギザギザが全く反対に劣化をもたらすので、当業者にとって驚くべきことである。
【0021】
この解決法は、新たに繋ぎ合わされるウェブに作用する抗張力を完全に均等化させる初期の目的をここに初めて断念するという点でも、容易に思いつくことでもない。本発明は、極大の衝撃力を低減する目的を満足させることであるが、このより控えめな目的は確実に達成される。
【0022】
従前知られる波形の従前知られる角形の形状の不利な作用は、紙ロールの周方向への力によって分割型紙を引き裂くことは目的とされておらず[例えばドイツ特許出願公開第3834334A1号明細書、第5図又は(Voith社のドイツ特許出願公開第4010704号明細書からの)カナダ特許第2039631号明細書、特に第1第4図との関係での請求項5]、すなわち軸及び半径により引っ張られる引裂面でなく、紙ロールの半径方向の力による引裂である、要するに周辺方向及び軸により引っ張られる引裂面であることから明らかになる。この目的のためには、しかし、先ずは、必要とされる引裂力(この特別な方向においては“分割力”とも称する)だけを起こす十分な面をもたらすことが必要である。
【0023】
すなわち、繋ぐべきウェブの走行方向に関して先に走行する接着テープ縁の所で、従前知られた歯の先端は、その先端において−ウェブの走行方向(要するに接着テープの幅)及びウェブの横方向(すなわち接着テープ長さ方向)の幅不足のために−、接線方向の引裂を所望の通り開始させるために(それが開始してから初めて更なる分割がもたらされる)必要な初期力を生み出す接着領域が殆どない。このような歯の先端を通過したときに、引っ張られる接着領域は確かに二次的に増加するが、分割抵抗を超えた後にはもはや正確に制御することができずそしてそのときまでには繋がれたウェブ中に幾らかの変形エネルギーが吸収され、これは分割の瞬間に放出される次いで、この様な力によって決められるメカニズムは、とりわけそれの間に存在する弾性及び可塑性及び不活性(それらの全ての変動を伴って(紙は天然の製品である))の故に、例えば形状によって決められる系よりも実質的に大きいばらつきを伴う。本発明の解決法の決定的な長所は、分割型紙の(所望)機能不全が実際に始めから確実に裂け目に存在しそして最初には他の機能不全は起こり得ないことである。
【0024】
本発明に従う設計要件によって実質的な改善をもたらすることができた。
【0025】
もちろん、分割型接着テープの縁部のここに提案された波形の振幅は任意には加工できない。というのも、この分割型接着テープでも、それを更に加工する際−特に使用満了のウェブの終端と新しいウェブの始端との間の連結を実現するべき接着剤との一体化の際−に扱いやすいものでなければならないからである。この取り扱いのために転写式接着テープが使用されない場合には、その振幅は合目的的には接着テープの幅の最大三分の一、特に好ましくは約四分の一である。第一の場合に、真っ直ぐ延びる残部ストランド幅として、その全幅の三分の一が残り、第二の場合にはそれの全幅の半分である。分割型ストリップをある程度支える転写式接着テープを用いて作業する場合には、より大きな振幅を選択してもよい。
【0026】
しかしながら取り扱うときのヒダが発生する危険は、先頭の舌状部から先頭の舌状部までの距離を意味する“波長”によっても影響される。すなわちそれを大きく選択すればする程、ヒダがますます大きくなる。波長は分割型接着テープの幅の0.6倍から2.4倍の間であるのが合目的的である。
【0027】
更に本発明の分割型ストリップを格別分割容易な材料からから製造しそして約10mmの分割型ストリップの現在の慣用の幅から約12〜14mmに移行するのが有利である。
【0028】
更に請求項2によれば、直線でない辺縁部がそれの最も凹んだ場所(z)で同様に丸められて形成されているが、この場所ではその湾曲部が突き出た場所よりも実質的に鋭くなっている。前記文章中の“実質的に”という言葉を更に詳述するためには、最適な空間利用の意味において、各突起部の最も突き出た点(すなわち突出点)における湾曲半径が同じ辺縁の直ぐ後を追う点(すなわち凹み点)の所での大きさの二倍、更に有利には5倍であるべきであるように注意する。すなわち、スプライス接着テープがその長手方向に負荷がかけられたときに過度に大きいノッチ効果の結果として、製造工程での取り扱い性が失われないように、凹み点でも精密な鋭角を避けるべきである。合目的的な振幅についての検討の際に既に述べたのと同様に、転写テープによって分割型接着テープを“支える”ときに最も凹んだ点で特に小さい湾曲半径を選択し、それによってもう少し大きな設置スペースが突起領域のデザインのために自由となり、そしてそこで幾分より大きい半径の湾曲を形成することができる。
【0029】
ジグザグから波形への本発明に従い移行することが、突起の各フランクに変曲点が存在することを必然的に生じさせる。他の理論的な検討から、フランクの僅かなS字型の過程が可能な限り最善の引裂力分布、それ故、止着部開裂の安定化をもたらす。それ故に請求項3は、いずれの場合にも、直線でない辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間で3つの変曲点で連続的に微分可能であることを勧めている。
【0030】
波形輪郭の極値における湾曲半径のできる限り最善の寸法設定に関して既に説明した、できる限り最善の設置スペース分配の見地から、好ましくは、請求項6に示した様に、各凹み部(Z)のネガが、隣接する突起部(V)のポジよりも狭く形成されている状態ももたらす。
【0031】
本発明によって、分割力のプロフィールを更にならすことも可能である。すなわち、請求項7に従って、直線でない辺縁部が、規則正しいパターンに従って様々な度合で突き出ている突起部(V)の2つ以上の群(V1,V2)を有することによってならすことができる。分割は、突き出しが小さい突起部よりもより突き出しの大きい突起部でより早く始まる。しかしながら実際の分割の開始は、既に開始された分割の継続よりも大きい力を必要とする。確かに衝撃の回数は多くなるが(二つのグループでは二倍に、三つの場合には三倍に等)、それぞれの量は下げられる。
【0032】
事実、本発明は、本質的に、分割開始のときの機械的な事象のより深い洞察にによって生まれたものである。この分割の開始は、止着すべきロールに実質的に軸方向に適用した後に、先に出ている縁の所で起こり、この際、止着すべきロールが、スプライス接着テープと予め一体化されているかまたは一体化されていないかはどちらでもよいが、前者が好ましい。更に、本発明では、後端の縁のこれと調和された形状が提案される。すなわち、これらの辺縁部が真っ直ぐなままであると、分割型接着テープは以下の二つのありうる欠点の少なくとも一つを有するであろう:
a)その突起部領域では接着テープ幅が広過ぎそしてそれ故に分割を実施するためのエネルギー入力が多過ぎるか、又は
b)その凹んだ領域では接着テープ幅が狭過ぎそしてそれ故に既に高加速の間で、ロール止着部が開き始まる。
【0033】
欠点b)はまさに致命的であり、欠点a)は、分割開始がより良好に分布している場合に得られるであろうものの少なくとも大部分を消耗してしまうだろう。これを回避するためには、請求項8は、接着テープの両方の辺縁部が直線でなく、同じ周期長さを有していることを推奨している。両方の波型の辺縁部の間に相のずれがないのが有利である。
【0034】
先縁波と後縁波との間の振幅が互いに適切に調和することで、ロールの止着部を開く間のテープの延伸衝撃を最小限に調整することが可能である。最適なのは、おおよそ、後縁の振幅が先縁の振幅の約85%である場合である。数学的に非常に良好でそして非常に簡単な解決法は、後端辺縁部のために先端辺縁部と同じ関数を使用することであるが、振幅には0.85の因数を掛ける。
【0035】
しかしながらこのように製造するためには、以下の何れかの事実を受け入れる必要がある:
a)(有利には先駆品として0.5m〜4mの幅で製造される)マスターテープから個々のテープを切り取る際に無駄が生じそして更にテープ毎に2回のカット が必要とされるか又は
b)波関数は点対照であり(但し、これは突起と凹みとの間の曲率の違いを無に帰す)、そしてパンチングロールが軸に沿って比較的に大きな振幅のパンチングリングと比較的小さい振幅のパンチングリングを交互に有しており、この際、更に、製造された個々の接着テープのセットから(軸平面において数えて)第一、第三、第五、第七番目のものなどを取り出しそしてもう一度それの長軸を中心にして回すか又はさもなければ、第二、第四、第六、第八番目のものなどを、最後に再び製造するために、同じ個別の接着テープのセットを互いに平行して同方向に配置する。更にこれらは幾らか軸を離れてばらばらに引っ張られるべきであり、その後に分割可能な接着テープの個々のストリップを同様に引っ張りそして(離れた)ロールを連結する目的のために提供するかあるいは(有利には)古いウェブと新しいウェブとの間の連結をする接着テープとを併用して(特殊用語で“合わせる”)もよい。(個々のテープの回転の代替として、勿論、最初に巻き付け(換言すれば、直接的に合わせないで)そして次に全ての第二のロールに巻き換えることも可能である。)
【0036】
しかしながら、先端縁と後端縁の形成のための波型の振幅の寸法の予期される最適の状態(100%〜85%)は非常に狭いので、請求項9に従って接着テープの先端縁及び後端縁を互いに平行にさせて、接着テープの幅を両方の接着テープ辺縁部が非直線であるにもかかわらずあらゆる場所で同じにされる。この変法のためには、パンチングロールの全てのパンチングリングを同一にする。
【0037】
このような設計の場合には、
a)に関連して
無駄が回避される。このことは材料コストを下げそして分割型接着テープの(最後の個別ストリップを除いて)個別のストリップ当たりに一のみのカット しか必要なく、このことはパンチングリングの維持並びに入手の両方において費用を半分にできそして
b)に関連して
突起のデザインが凹みのそれよりもシャープでなく平面的にすることができ、各々の次のテープを回転させる手間が回避される。
【0038】
これらの長所は、この解決法によって、後で詳細に説明する実施態様の全てが同じに設計された先端縁及び後端縁を持っていることを多いに考慮される。
【0039】
この種類の分割型接着テープを製造するためには、それ自体公知のように最初にマスターテープを製造する。換言すれば、非常に幅広い分割型紙テープの少なくとも一方の側に粘着剤を塗布する。このことは最後に請求項11に従う製品をもたらすことができるであろう。主要なコンセプトから多少発展させて、これを更に説明する。
【0040】
(郵便切手の裏面の被覆物の様に)水に濡れると粘着性になる接着剤又は1970年第の中頃まで普及していたユーザーによって塗布されるのりと対比して、このものは古いウェブに繋ぐ新しい紙ロール上に、顧客にとって非常により簡単でかつ前より失敗し易く無い塗布をもたらす。要するに、繋ぐべき紙中への水の移動が回避される。このような水の移動は、ヒダの形成及び強度低下を招く虞があり、そしてそれ故に引き裂ける可能性を増加させるであろう。有利には、少なくとも一方の面の接着剤被覆物は、製造されるやいなや、最終的な顧客のところで製品を使用する前に汚れるのを避けるために、ライナー(例えばシリコーン加工された紙)で覆われる。
【0041】
製品を使用するときは、この粘着性の側をスプライス(紙継ぎ)のために準備される新しいロール上に、半径方向内側に向けて置かれる。
【0042】
好ましくは、この分割型接着テープは、古いウェブへの実際の連結を為す別の(しかし分割型ではない)接着テープに固定するのが好ましい。この固定は、例えば非分割型接着テープの相応する下側に配置された接着ストライプによって、又は分割型接着剤ストライプの第二の側に接着剤を塗布することによって、任意に行うことができるが、その際にこの接着剤は好ましくは粘着性のものである(接着テープ製造者にとって粘着剤は特に容易に入手できるからである)が、硬化型でもよい。
【0043】
主要なコンセプトに戻ると:更に、この被覆の後に自体公知のように、紙製支持体において分割可能である非常に幅広の接着テープは複数の狭い接着テープに“切断される”。本発明の分割型接着テープを製造するためには、当然に、これらの“切断片”はもはや直線的であってはならない。それ故に従来の通例のロール式ナイフは排除される。幾らか先の将来には、保護雰囲気内で、レーザー(水煙を減らすために、できるだけパルスレーザー)を用いた“切断”が考慮され得る。その際に、レーザー光線の束は、接着テープの進行方向に対して横断して周期的に動かすのが合目的的でありそして(質量が少なくそしてそれ故に早い進行速度でも高い操作再現性で)調整可能な鏡によって行うのが有利である。この場合、鏡は切断用光線当たり一つは必要ない。何故ならば一つの鏡を介して 一緒に調整できるからである。しかしながら爆発の危険及び火災の危険のより簡単な管理下に、直線でなない“切断”をパンチングダイスを用いても行うことができる。相応する波型のパンチングリングを持つ連続的に回転するパンチングロールが特に有利である。
【0044】
確かに、最近、コンペティターによって、それ自体古い考え、すなわち分割型紙を2つの紙製層から一緒に貼り付けそして裂け目を、紙材料中ではなく、その接着面に配置するという古い考えが、単一層構造からバリヤー層/接着剤層/バイヤー層の三層系への接着の更なる発展形態によって再び活気づいているが、分割を容易にするために、繊維材料で最良に達成できる高度に異方性の挙動が今まさに望まれており、それ故、本発明の分割型接着テープは、請求項10に記載のように、同様にそれ自体広く知られているように(ドイツ特許第19628317号明細書)、好ましくは紙から一体に製造された支持体(2)を有するべきである。この場合、分割は、好ましくは、一体に製造された紙のほぼ中心で起こるべきである。確かにこの場合には、一定の分割強度を達成するために豊富な経験と厳しい品質監視が必要とされるが、最終的には出願人の確信するところによれば、これはまだパイオニア段階に属するであろうあまりにも多過ぎる部品よりなる構成物を製造するのよりも、パイオニア段階はとうに過ぎた連続生産においてより確実に達成可能である。しかしながら、本発明はあまり有望でない多層系の分割可能な系の場合にも同様に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】その両方の辺縁部で本発明の波形を有する接着テープを縮尺どおりの平面図で示しており、両方の辺縁部の波形は同じであるが、突起部が2つのグループに形成されている。
【図2】第1図の波形をグラフの状態で分離しているが、x−方向に比較してy−方向で拡大された寸法で示されている。
【図3】第2図と同様に、全ての突起部が“同調”している波形を示している。
【図4】(先端の)突起部が三つのグループに形成されている、第2図の波形の変形を示している。
【図5】凹み部の丸みが比較的に大きい、第2図の波形の変形を示している。
【図6】第1図と同様に縮尺どおり、第5図の曲線に従う辺縁部を持つ接着テープを図示している。
【図7】設計図で数学的により簡単に記載する波打つ辺縁部の流れを持つ本発明のサンプルを図示している。
【図8】グラフで、ペーパーストリップが真っ直ぐな辺縁を持つ場合(従来技術)のペーパーストリップの分割力をその経過にわたって示している。
【図9】第8図と同様にグラフで、波型辺縁部を持つがその他は第8図のものと一致するペーパーストリップのための分割力プロフィールを示している。
【図10】縮尺どおりでない断面辺縁端面図で、下側に本発明の波形辺縁を持つ分割可能な接着テープを備えている本発明のスプライス接着テープを図示している。
【図11】出発点が古い使用し尽くされつつあるペーパーウェブに、第3図に従う紙スプライス接着テープを用いることによってフライング・スプライシングするために準備された新しいペーパーロールの側面図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明を幾つかの図面によって更に詳細に説明する。
【0047】
第1図は、その両方の辺縁部で本発明の波形を有する接着テープを縮尺どおりの平面図で示しており、両方の縁部の波形は同じであるが、突起部は2つのグループに分けられる。
第2図は、第1図の波形をグラフの状態で分離しているが、x−方向に比較してy−方向で拡大された寸法で示されている。
第3図は、第2図と同様に、全ての突起部が“同期”している波形を示している。
第4図は、(先端の)突起部が三つのグループに分けられる、第2図の波形の変形を示している。
第5図は、凹み部の丸みが比較的に大きい、第2図の波形の変形を示している。
第6図は、第1図と同様に縮尺どおり、第5図の曲線に従う縁部を持つ接着テープを図示している。
第7図は、縮尺どおりに、数学的により簡単に記載する波打つ縁部のプロフィルを持つ本発明のサンプルを平面図で示している。
第8図は、グラフで、紙ストリップが真っ直ぐな縁を持つ場合(従来技術)の紙ストリップの分割力をその経過に わたって示している。
第9図は、第8図と同様にグラフで、波型縁部を持つがその他は第8図のものと一致する紙ストリップの分割力推移を示している。
第10図は、縮尺どおりでない断面縁端面図で、下側に本発明の波形縁を持つ分割型接着テープを備えている本発明のスプライス接着テープを図示している。
第11図は、縮尺どおりではない一方の側からの図において、その出発点が古い使用し尽くされつつある紙ウェブに、第3図に従うスプライス接着テープを用いることによってフライング・スプライシング(flying splice)するために準備された新しい紙ロールを図示している。
【0048】
第1図は縮尺どおりの平面図で本発明に従う波形を、その左境辺縁部(l)並びにその右境辺縁部(r)のところに有する接着テープ(1)を図示している。この場合、“左境”及び“右境”という概念は分割可能な接着テープを製造する業界に由来している。すなわち、意図する用途において、それ故、同期周速に早めるべき新しいロールに対する軸方向での少なくとも実質的な接着において、両方の側の一方は“先縁”でありそしてもう一方は“後縁”であり、いずれの場合にも平らでより丸くされた突起部を持つ縁(この場合には右縁)が先縁である。
【0049】
図1に従う本発明の大概の好ましい実施態様の場合には、突起(V)は二つのグループV1,V2に分類され、突起V1は突起V2よりも突き出ている。
【0050】
古いジグザグ型に比較して特に重要なのは、突起Vの先端領域vが丸められており、その結果、尖端が分割開始領域に入るのではなく、尖っていないか又は平らにされた領域が入り込む。尖ってないこと又は平らであることがより突き出した突起V1の先端領域でよりも突き出しの少ない突起V2の先端領域において若干より強められているのが有利である。
【0051】
本発明のデザイン(尖端の丸めこみ又は尖端の平坦化と称するかどうかに関係なく)の結果として信頼性が非常に増した分割開始段階の後に、新しいロールの全幅に亙って更に分割するための役割のある領域がどこかに配置される。この領域においては縁が、すなわち新しいロールの周方向だけでなく、斜めに走行しなければならない。 後引き裂けをもたらす追加的負荷が始まる前に、分割開始による衝撃を最初にある程度鎮めるためには、分割開始領域と後分割の領域との間に小さい移行領域を配置し、その領域において後引き裂けの追加的負荷を円周方向に対する僅かな縁の傾斜によって少なくとも減少させるのが推奨される。すなわち、ここに説明する第1図においてこの移行領域Ueは、縁が僅かに逆に傾斜するように著しく際立っており、その結果止着がちょうど開かれている新しいロールの周方向に亙る分割幅の進展が減少するだけでなく、分割幅は僅かに戻りさえする。このように各突起Vの最前域vの後に特徴的な僅かな狭窄を形成する。
【0052】
二つの異なる程度で突き出している突起Vと相違して、凹み部Zの極値z(これはもちろん、後縁lの所では突起部として現れる)は互いに一列に並んでいる。もちろん、ここには図示していないけれども、衝撃の更に良好な分布のために、更に沢山の異なる長さの突起群の設計、例えば三つの突起群v1,v2,及びv3も可能である。その場合には二つの異なる幅の 凹み群Z1及びZ2が合目的的である。凹み群の数は突起部群の数より必ず一つだけ少ない。
【0053】
図2はグラフで図1の波形を別に図示しているが、x−軸に比較してy軸を大きな寸法で示している。これらの波型は、中間領域で前述の狭窄の故に、関数y(x)として表すことができず、代わりに、y(x)は一つの関係であるだけである。発明者が波形の技術的最適さを、波形における縮小までの移行領域があまり良くないと見るかどうかにかかわらず、信ずるところによれば、数学的説明が問題なしにできるようにしなければならない。これは発明者によって、“α”と称するパラメータを導入しそしてy並びにxをこのパラメータの関数として規定しそして最後にyをxに基づいて、要するにy(x)の関係で示すことによって達成される。
【0054】
この場合には(αを次数で示すと)、
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))−h+j×sin(l+π/180×α/k)
[式中、j=0.2
h=0.4
i=1
l=−π/4
k=2である。]
及び
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
b=16
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
【0055】
第3図は、突起Vが全て一直線の並びに位置している、第2図を簡略化したものを図示している。この場合には(αを次数で示すと)、
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))
[式中、h=0.4
i=1である。]
一方、xについての関数は変化しないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
b=16
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
【0056】
勿論、分割開始による衝撃をより良好に分布させるために三つの種類の突起を例えば第4図に示すように、生じさせることも可能である。この関係を得るためには、関数は以下の通りである:
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))−h+j×sin(l+π/180×α/k)
[式中、j=0.2
l=π/8
k=4である。]
関数の種類は第2図のそれと同じであるが、l及びkだけが別の値を使用している。
【0057】
一方ではここでもxについての関数は変化していないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1,2
b=16
c=3
d=0,4
e=12
f=5である。]
側面の一つでは説明図のために三つの変曲点wに印を付ける。この場合、これら三つの変曲点の最も大きな凹みは、大抵は凹みの最も低い場所にある。この言葉の真の意味でそれを先端に移動させたい場合には、この変曲点が凹みの最も低い位置に確実に来ることそしてそこでは直ぐ次に続く側面の最も大きく凹んだ変曲点と一致することを意味する。
【0058】
第5図は第3図に従う波形の変形を図示しており、凹みの丸みがより大きい。これはこのような辺縁を備えた分割可能な接着テープを使用して製造されたスプライス接着テープは、古い使用し尽くされつつあるウェブと同一速度に加速するべき初めてスプライスする新しいロールに容易に適用される。このように容易に適用できることは、凹みの最も外側の位置(z)の減少したノッチ効果に起因する。繋ぎを準備する人はスプライス接着テープをすなわち皺なく適用する目的で長手方向に、要するにつなぐべきロールの軸方向に若干の応力を負荷する。この場合に生じる若干の延伸によって、本発明に従う波形の辺縁部を持つ底面に貼り付いた分割可能接着テープも全く影響されないこともなく、それ故に勿論これらのノッチ様の凹みにはある程度の応力集中がある。湾曲の半径が狭ければ狭いほど、勿論、この集中はより顕著である。
【0059】
更に、スプライス接着テープの製造者は、下側の分割可能な系と上側の接合テープとの間の結合を穏やかで余りシャープでない湾曲が容易にする。実際、この相互接合の間にも一般に許容し得る僅かな張力がある。
【0060】
一例として、変曲点がここでも側面に図示されている。この場合、凹み(Z)の所での湾曲を非常に滑らかにするために、最も奥の変曲点の所の凹みは極端にされていない。更に、中間位の変曲点のところの湾曲変化は図4におけるよりも明らかに少ないことに触れておく。これによって側面の中間領域の殆ど直線状の形状は、初期の分割力と分割前進に必要な力との間に比較的に僅かの相違しかない、割り込まれる材料としてのこの種類の紙品質に適している。
【0061】
勿論、あまり急激でない凹みの価値は、そこにいくらか少ない平坦さを持つ狭い形状の突起及び/又は分割後続領域の比較的に急激な側面傾斜である。最適な妥協点は連結するべき個々のウェブ材料についての一連の実験によって決めることができる。
【0062】
この段落においては、連結すべきウェブ材料の性質がどのように影響するかを説明する。非常に傷つきやすく脆いウェブ材料の場合、例えば薄い大量生産の雑誌用光沢紙の場合には、スプライスを準備する作業員への多少比較的に高い感度要求は凹みの明らかに急激な形状を受け入れるでしょうし、また、そうして造られる隙間はスプライスを穏やかに開始するのに及び/又はスプライスを進行させるのに使用される。要するに、突起が周辺方向(U)に対して小さな角度(β)で比較的に大きな範囲及び/又は側面(F)について丸められ/平坦化される(例えば図3参照)。反対に頑丈でそして余り迅速に加工されない紙については、スプライスの初期のための比較的に大きな応力衝撃も甘受し得るし、また、狭い形状及び/又は比較的に大きな側面角(β)が使用されそして結果として更に強く丸められた凹みが得られ、本発明の波形辺縁部を持つ分割可能なシステムを持つスプライス接着テープ(一般に分割可能接着テープともいう)をより容易に製造及び適用させる。
【0063】
この変形の本質を他の変形で隠蔽しないために、特に突起を沢山のグループにどんなふうに分けるかという問題を隠蔽しないために、全ての突起(V)をここでは一列に位置している。
【0064】
これらの曲線を生じさせる方程式は変わらない(αを次数で示すと)。
【0065】
y(α)=sin(π/180×α)×(1+h×sin(i×π/180×α))
[式中、変化なく
h=0.4
i=1である。]
一方、xについての関数は変化しないままである。要するに、
x(α)=α+a×(1−b×cos(c×π/180×α))+d×(1−e×cos(f×π/180×α))
[式中、a=1.2
c=3
d=0.4
e=12
f=5である。]
しかしbは前の16の代わりに4が選択される。これは、bの減少が凹みの急激さを低減していることを明らかに示している。
【0066】
勿論、当業者には本発明の保護範囲から逸脱せずに更に小さい変化形も可能である。特に、突起をより平坦化する(この場合、突起の中央での超過が凹みを生じさせる)か又は幾らか小さくするために、hは更に大きな値を選択することもできる。これはゴシック様の尖頭アーチをもたらしそして、分割初期が分割進行過程に比較してあまり問題ないことを実証する場合に合目的的であり得る。iが1の代わりに0.2では、前の例で示した三つよりも更に複雑な形状にされ得る。
【0067】
第6図は図1と同様にの縮尺で図示しているが、接着テープ辺縁部は図5に示した曲線からy軸を圧縮することによって得られている。凹み部(Z)の最も外側の位置(z)(この記載は第1図と同様にここでは右境辺縁部rである先頭の辺縁部に常に関する)のところに、この分割可能な接着テープ1の長手方向への延伸に比べて穏やかなノッチ効果を持つゆるやかな曲線が存在することが明らかに認められる。同じ凹みが突起と同様に別の辺縁部(l)にも認められる。
【0068】
第7図は、縮尺1:1で平面図でワンピースの分割可能な紙よりなる支持体を持つ別の接着テープを図示している。ここでも分割可能な接着テープの両方の辺縁部が本発明に従って波打っている。すなわち、最も広げた突き出た場所(v)の所が丸められている突起(V)を有している。この切断曲線を製造するため及び数学的に説明するために、半円が簡単に互いに交互に配置されている。それぞれの半円の径はここでは5mmでありそしてそれ故に波形振幅でもあり、波の長さはこの図面の4倍、すなわち2cmである。
【0069】
このような種類の波型プロフィールは、第一に、純粋に抽象的な形で始めに実施する本発明の機能性を原理的に実証できるように、非常に初期的なサンプルを手書きで非常に容易に作製できるという長所を有している。
【0070】
1cmの接着テープ幅に比較して、波形振幅はここでは非常に大きいものが選択されており、それ故にこのことは一方においては、非常に簡略化された曲線プロフィールであるにもかかわらず、特に大きな効果を持つて(大が大をもたらす)実証することができそしてもう一方においては、それに反する適応性の要件がスプライス接着テープの下側に及び次ぎにこのテープと一緒に最初の実験室実験に関係する限りウェブ材料の新しいロールに何の関係もないからである。
【0071】
この様に波打った支持体を製造するためにどんな紙の品質を使用するかに無関係に(Schneider and Sohne社の名称“Plano DynamicOffice”を含めたあらゆる種類を試験した)、初期分割抵抗及び分割力プロフィールの極大値は、直線的な辺縁部の場合に発生する値の約40%に低下する。
【0072】
この態様の接着テープは請求項1の構成要件の他に、辺縁部を説明する請求項8及び9の構成要件並びに好ましくは別の請求項10及び11のそれにも相応する。しかしながら(一回限りの)連続的に微分可能性であるにも係わらず、これらの異なる曲線プロフィールは、側面当たりに一つの変曲点しか有していないが、他方、第1〜6図に図示した辺縁プロフィールは側面当たりに3つの変曲点を有している。
【0073】
後続のプラクティスのためのできるだけ現実的な機能試験を実現するために、第7図に従い設計された分割可能な接着剤ストリップを初めて、スプライス接着テープの先導側末端を一方としそしてヨーロッパ特許出願公開第1,022,245号明細書に詳述されている様な2mmのもう一方の分割可能な接着テープの先導側末端との間で充填物と一緒に50mmの幅のスプライス接着テープと一体化する。更に前述の従来技術と比較するために、直線状の末端の分割可能な接着テープを用いて、同じ充填物を用い、下側の上に、その他は同じ材料を用いて一体化した。
【0074】
第8図は、分割可能な下側の接着テープの直線状の辺縁部を持つ前記の複合体の分割力のプロフィール(すなわち、この分割力は剥離過程にわたるものである)をグラフに示している。50mmの幅の前記スプライステープについてグラフを目で追うと、最初に約14mmのところから17mmのところの、y軸のほぼ5のスケール部分の絶対極大値を持つ急勾配での上昇があることがわかる。
【0075】
第9図は、本発明に従う波打った辺縁部、しかも第7図の辺縁部を持つ紙ストリップについての分割力を、第8図と同様にグラフに示している。試験体の他の全ての性質及び実験条件は変えていない。従来技術を実証する第8図に比較して許容し得るものである。(複写の過程で偶然に生じる他の尺度は技術的に重要ではなく、ここでのスケール部分は第8図におけるのと同じである。)
【0076】
両方のグラフにおける力のラインは、前述の2mmの辺縁充填の後でも急激に上昇するよりもむしろなだらかに上昇することは、実験装置中での弾力性によりもむしろ実験すべき分割可能ストリップ自体の挙動に遥かに僅かしか重要でない。これに寄与するのも、試験体の両側に装着され、かつ、その弾性の欠点にもかかわらず、その全範囲に亙って試験体中に力を現実的に一様に導入するという長所のために重要である紙ウェブ部分である。物理的分析のために、あたかもx−軸の零点がこの第一の相対的力極大の位置のところにあることも思想的に合目的的である。
【0077】
従来技術の刊行物はx=17mmのところに相対値であるだけでなく絶対値でもある第一の極大値を非常に明白に示している。その高さはy−軸の約4.8のスケール部分のところにある。
【0078】
y−軸は両方のグラフにおいて完全なディメンションでは示されていない。何故ならば第一に、さもなければ挿入するつもりのディメンションが引っ張り速度(この実験のためには300mm/分を選択した)並びに紙の品質及びそれと繋ぐために準備されるロールの幅に依存するからである。支持体としての分割可能な接着テープとして使用される紙の幅当たりの分割強度は使用目的次第で10〜100cN/cmの間でもよい。第9図のグラフにおいて分割はx=18mmで開始されるが、1.6の目盛りスケールの高さしかないので、未だ弱いことがわかる。分割力の僅かな増加はx=22mmの近辺に見られる。これは更なる分割のために必要な増加エネルギー量に起因している。x=28mmのところで、分割力過程の絶対的最大値が2.2の目盛りスケール部分の高さに示されている。それ故に本発明の一つの実施態様のこの絶対的最大値が直線的辺縁部を持つ既存の態様の半分より小さい。
【0079】
この最高値の高さ及び位置は、10mmの分割深さの直ぐ後、凹みの最も外の点が尖端に割り当てられるだけでなく、割れたストリップの末端が立ち上がり区間に割り当てられるという状況に相関することがわかる。
【0080】
第10図は、実質的に支持体(7)及び上側の接着層(6)よりなる本発明のスプライス接着テープの前面を図示しており、その接着層(6)は最初に二つのライナーで覆われている。このライナーは公知の通りシルコーン加工された紙よりなる。スプライス接着テープの下側には、波型の辺縁(l及びr)を有する本発明の分割可能な接着テープ(1)が固定されている(ワードプロセッサーシステムでは、好ましい“l及びr”は引き出すことが困難なので“l及びr”と記載する)。すなわち、この固定は、ここでは(特に簡単で十分に機能的である方法で)、分割可能な接着テープ(1)がそれの下側部に粘着剤の層(3)を有しているだけでなく、上側部に粘着剤の層(4)も有していることによって実現される。費用の理由から、層(3)及び(4)の粘着剤は同じものであるのが特に有利である。この場合、紙繋ぎテープの上側の接着剤(6)は、他のものを、すなわち時間と共に非常に速やかな接着性を発揮するためにものを選択するのが有利である。更に、自体公知の通り、分割可能な接着テープの下側部は別のライナー(5)で覆われている。
【0081】
本発明の最大の特徴的構成、すなわち分割可能な紙製支持体(2)を有する分割可能な接着テープ(1)の波型は、前面図において、二重線で表す左端に認めることができる。ここに示した通り、準備するロールに紙スプライス接着テープを適用するときにその長さの切断を、切り口が先導する突起を通過するように実施して、末端に皺が生じる危険を最小限にするのが特に有利である。何故ならば、右の尖端で二重にならないからである。
【0082】
当業者が熟知する通り、第10図に説明するスプライス用テープは、最初に、準備される新しいロールから最初に半径方向で外側の巻き紙(11)の初めの部分が持ち上げられるか又は折り返され、次いでライナー(5)が下側から剥がされそして次にこうして接着準備のされたスプライステープがロールの末端付近で(疑わしい場合には数cm戻って)少なくとも実質的に軸方向に貼り付けるようにして用いられる。この場合、好ましくは接着テープは性格に軸方向に向けられるのが好ましい。このことは一方においては横を突くことを避けそしてもう一方では分割エネルギーが本発明によってウェブの幅に亙って良好に分布させる。
【0083】
その後にスプライス接着テープの後続のライナーを除去し、それによって接着テープ(6)の後続部分が露出しそして継ぎに最初に持ち上げられるか又は折り返されたロールの最初の部分(11)が接着の準備のできた領域に適用される。一般にその後、いくらかの紙が接着剤領域の前端の上に張り出され(いずれの場合にも逆の状態が生じてはならない)、その際にこの接着剤領域のこの端部が、かつては二つのライナー(8及び9)の間を分離する隙間が在った場所に入る。今度は、張り出した紙の端部を折り返して鋭角的な折り目をもたらしそして次に、その折り目の折り返し部に案内される鋭い刃物を用いて分離除去する。その後に先頭のライナー(9)も除かれ、その結果、接着剤領域(6)の先頭部が露出する。
【0084】
この場所を、第11図で紙ロール(10)の上に正確に示す。第11図は、寸法的には正しくないが、断面図に見える新しいロール(10)の上の側面図を示している。このロールの出発部は閉じられており(本発明に従って容易に開くことができる)、それ故にロール(10)を、ロールの外周速度が使用し終わるウェブの走行速度に相当する回転速度にさせる。
【0085】
新たに広げられるウェブにおけるテープ張力に適合する支持体(7)も同様な方法で、繋ぐべき物質に正確に調整するのが有利であり、そして使用される接着剤は接合強度を発揮するために使用する時間に適合しそして巻き込まれる接着面の大きさもこの接着剤の凝集力に適合させ、分割可能な接着テープ(1)、特にそれの初期分割抵抗も接合すべきウェブ材料にできるだけ正確に適合させなければならない。この材料が繊細であればあるほど、初期分割抵抗はますます小さいものを選択しなければならない。本発明の効率は実質的に、当業者が分割可能な接着テープ(1)の支持体(2)が製造される分割可能な紙を意図的に開発することを可能とするだけでなく、端部の外形の開発のための潜在性を開くことでもある。初期実験において、この潜在性は、それどころか幾らか高い初期分割抵抗の紙を使用できるほどに大きいことがわかった。それ故に高い品質の一貫性が達成されそして更に、このようにして、加速する間の比較的に高い遠心力にさえも対応することを可能とするでしょう。このことは高光沢グラビヤ印刷紙のような繊細な材料の場合ですら許容し得る。
【0086】
分割可能な接着テープと紙スプライス接着テープの他の成分及びこれを取り付けるべき新しいロールとの間の明らかにされた狭い相互関係のために、このような紙スプライス接着テープ及びこれを用いて紙繋ぎするために用意された新しいロールも、請求項10及び11によってなされている通り、本発明の範囲にあります。
【0087】
この種類の端部プロフィールはウェブ状態の他のあらゆる材料にとっても既に知られているわけでないので、接着テープの直線的でない辺縁部の切断用の道具も新規なものである。この道具は、分割可能な接着テープの辺縁部と同様に、本発明の通り曲線を具現化している。それ故にこの道具も本発明の対象である。
【0088】
結論として、必ずしも系統的でない技術的専門用語の唯一の概念の言葉:
“紙継ぎ用接着テープ”は、支持体(7)を有しそして頂部においてのみ接着する接着テープだけでなく、一体化しそして一般に最初に独立して製造された紙継ぎ用接着テープと分割可能な接着テープとの結合後の複合体について不幸にして当業者に使用されている。しかしながらいずれの関係においても何を意味するかは正に明らかである。複合体について述べられている限り、複合体は実際は第二の支持体、すなわち容易に分離できる支持体も有しているので、支持体(7)が主要な支持体として記載されています。
【0089】
“容易に分離できる”とは分離性又は分離される能力を意味する。
【0090】
以下の記号の説明も明細書の一部である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・分割可能な接着テープ
2・・・1の支持体
3・・・1の下部粘着層
4・・・1の上部粘着層
5・・・分割可能な接着テープの下側のライナー
6・・・分割可能な接着テープの上側接着剤層
7・・・分割可能な接着テープの(主要な)支持体
8・・・分割可能な接着テープの後続ライナー、特にシリコーン処理紙
9・・・分割可能な接着テープの先頭ライナー、特にシリコーン処理紙
10・・ウェブ材料の新しいロール、例えば高光沢グラビア印刷紙
11・・新しいロールの外側巻き紙
l・・・1の左境辺縁部
r・・・1の右境辺縁部rの
Ue・・・移行領域
v・・・Vの最も先端の突き出た場所:本発明は重要な要素は予めに準備された尖端を鈍化又は平坦化するために丸めることである。
w・・・1の波うった辺縁部l及びrの側面にある変曲点。
z・・・二つの突起Vの間の、Zの最も凹んだ点。
V・・・適切に使用するときに新しいロールを加速する間に先行する分割可能な接着テープの本発明に従う平らでない境辺縁部の突起。
V1・・・Vの下位概念であり、共通の性質を持つ第一の種類の突起を意味し、突起V2と同じように突き出し、しかも突起V2よりも突き出ている。
V2・・・Vの下位概念であり、共通の性質を持つ第二の種類の突起を意味し、突起V1と同じように突き出し、しかも突起V1よりも突出が小さい。
Z・・・適切に使用するときに新しいロールを加速する間に先行する本発明の分割可能な接着テープの境辺縁部の凹み。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左境辺縁部(l)及び右境辺縁部(r)を有し、これら両方の辺縁部(l,r)の少なくとも一つが直線でない分割可能な接着テープにおいて、直線でない辺縁部(l)が突起(V)を有し、その突起がそれの最も先端の突き出た場所(v)で丸められていることを特徴とする、上記分割可能な接着テープ(1)。
【請求項2】
直線でない辺縁部がそれの最も凹んだ場所(z)で同様に丸められて形成されているが、この場所ではその湾曲部が突き出た場所よりも実質的に鋭くなっている、請求項1に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項3】
直線でない各辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間で3つの変曲点で連続的に微分可能である、請求項1又は2に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項4】
直線でない各辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間に正確に1つの変曲点で連続的に微分可能である、請求項1又は2に記載の割り込み容易な接着テープ。
【請求項5】
直線でない辺縁部が交互に並んだ半円で構成されている請求項4に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項6】
各凹み部(Z)のネガが、直ぐ隣接する突起(V)のポジよりも狭く形成されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の割り込み容易な接着テープ(1)。
【請求項7】
直線でない辺縁部が、規則正しいパターンに従って色々な度合で突き出ている突起(V)の2つ以上の群(V1,V2)を有している、請求項1〜5のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項8】
接着テープの両方の辺縁部が直線でなく、同じ周期長さを有している、請求項1〜7のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項9】
それの先端の縁とそれの後端の縁が互いに平行に伸びており、その結果2つの接着テープ辺縁部が直線でないにもかかわらず接着テープの幅がどこでも同じである、請求項8に記載の割り込み容易な接着テープ。
【請求項10】
紙から一体に製造された支持体(2)を自体公知のように有している、請求項1〜9のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項11】
少なくとも片面に粘着剤を自体公知のように有している、請求項1〜10のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項12】
ロール止着部を一体化して含むスプライス接着テープであって、ロール止着部が請求項1〜11のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープよりなる、スプライス接着テープ。
【請求項13】
使用満了の他の紙ロール或いはフィルムロールを交換するために準備された紙ロール或いはフィルムロールにおいて、請求項12に従うスプライス接着テープで貼り付けられたことを特徴とする、上記紙ロール又はフィルムロール。
【請求項14】
切断又はパンチング道具において、突起部及び凹み部を持つ直線でない切断又はパンチング辺縁部を有し、少なくとも凹み部−これは、切断又はパンチング材料の上に相補的な突起を作製する−が、丸められていることを特徴とする、上記道具。
【請求項15】
請求項2〜9のいずれか一つに記載の特徴的構成要件を相補的に有する、請求項14に記載の道具。
【請求項16】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープに辺縁部を造るための、請求項14又は15に記載の道具の用途。
【請求項1】
左境辺縁部(l)及び右境辺縁部(r)を有し、これら両方の辺縁部(l,r)の少なくとも一つが直線でない分割可能な接着テープにおいて、直線でない辺縁部(l)が突起(V)を有し、その突起がそれの最も先端の突き出た場所(v)で丸められていることを特徴とする、上記分割可能な接着テープ(1)。
【請求項2】
直線でない辺縁部がそれの最も凹んだ場所(z)で同様に丸められて形成されているが、この場所ではその湾曲部が突き出た場所よりも実質的に鋭くなっている、請求項1に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項3】
直線でない各辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間で3つの変曲点で連続的に微分可能である、請求項1又は2に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項4】
直線でない各辺縁部が最も先端の突き出た場所(v)とそれに直ぐ隣接する最も凹んだ場所(z)との間に正確に1つの変曲点で連続的に微分可能である、請求項1又は2に記載の割り込み容易な接着テープ。
【請求項5】
直線でない辺縁部が交互に並んだ半円で構成されている請求項4に記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項6】
各凹み部(Z)のネガが、直ぐ隣接する突起(V)のポジよりも狭く形成されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の割り込み容易な接着テープ(1)。
【請求項7】
直線でない辺縁部が、規則正しいパターンに従って色々な度合で突き出ている突起(V)の2つ以上の群(V1,V2)を有している、請求項1〜5のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項8】
接着テープの両方の辺縁部が直線でなく、同じ周期長さを有している、請求項1〜7のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項9】
それの先端の縁とそれの後端の縁が互いに平行に伸びており、その結果2つの接着テープ辺縁部が直線でないにもかかわらず接着テープの幅がどこでも同じである、請求項8に記載の割り込み容易な接着テープ。
【請求項10】
紙から一体に製造された支持体(2)を自体公知のように有している、請求項1〜9のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項11】
少なくとも片面に粘着剤を自体公知のように有している、請求項1〜10のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープ(1)。
【請求項12】
ロール止着部を一体化して含むスプライス接着テープであって、ロール止着部が請求項1〜11のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープよりなる、スプライス接着テープ。
【請求項13】
使用満了の他の紙ロール或いはフィルムロールを交換するために準備された紙ロール或いはフィルムロールにおいて、請求項12に従うスプライス接着テープで貼り付けられたことを特徴とする、上記紙ロール又はフィルムロール。
【請求項14】
切断又はパンチング道具において、突起部及び凹み部を持つ直線でない切断又はパンチング辺縁部を有し、少なくとも凹み部−これは、切断又はパンチング材料の上に相補的な突起を作製する−が、丸められていることを特徴とする、上記道具。
【請求項15】
請求項2〜9のいずれか一つに記載の特徴的構成要件を相補的に有する、請求項14に記載の道具。
【請求項16】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の分割可能な接着テープに辺縁部を造るための、請求項14又は15に記載の道具の用途。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図7】
【公開番号】特開2013−49853(P2013−49853A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−196380(P2012−196380)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2008−537040(P2008−537040)の分割
【原出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196380(P2012−196380)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2008−537040(P2008−537040)の分割
【原出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】
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