説明

分子インプリントポリマー、それらを製造するための方法およびそれらの使用

本発明は、化学的加水分解、より詳細には、ペプチドおよびタンパク質などの加水分解に不安定な結合を保有する化学的基質の加水分解を容易にする分子インプリントポリマー(MIP)を調製する方法に関する。したがって、本発明は、加水分解活性を保有するように設計されたMIP、そのようなMIPを調製するための方法およびMIPの用途を対象とする。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミド基またはエステル基を加水分解するための分子インプリントポリマー(MIP)を調製するための方法であって、
(i)ポケット形成部分と共有結合する4面体の化学的部分を含む分子テンプレートを調製するステップと、
(ii)分子テンプレートおよびポロジェンの存在下でモノマーおよび架橋剤を重合させるステップと、
(iii) (ii)において形成されるポリマーから、テンプレート、またはその一部を分離し、MIPを得るステップと
を含む方法。
【請求項2】
トリプシンの触媒活性を模倣する分子インプリントポリマー(MIP)を調製するための方法であって、
(i) (a)ポケット形成部分と共有結合する4面体の化学的部分、および
(b)セリン様部分(slp)と共有結合するヒスチジン様部分(hlp) (前記hlpまたはslpは、フリーラジカル重合性基を持つ)
を含む分子テンプレートを調製するステップと、
(ii)遊離酸基が、hlpと水素結合を形成することができるように、ポロジェンの存在下で架橋剤および分子テンプレートと共に遊離酸基(または、その保護された形態)を有するモノマーを重合させるステップと、
(iii) (ii)から形成されるポリマーから、テンプレート、またはその一部を分離し、MIPを得るステップと
を含む方法。
【請求項3】
4面体の化学的部分が、
【化1】

(式中、R1は、水素、またはC1〜C6アルキルから選択される)
から選択される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
4面体の化学的部分が、式
【化2】

(式中、
R1は、水素、およびC1〜C2アルキルから選択され、
X1は、O、S、および置換されていてもよいアルキレンから選択される)
のホスホネートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ポケット形成部分が、リシンまたはアルギニンのアミノ酸側鎖を構造的に模倣する分子足場である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ポケット形成部分が、アミノまたはグアニジン部分(または、その保護された形態)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ポケット形成部分と共有結合する4面体の化学的部分が、式
【化3】

(式中、
Xは、P、As、およびSbから選択され、
R1は、水素およびC1〜C2アルキルから選択され、
PFは、置換されていてもよいアルキル、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいグアニジノ、N-含有ヘテロ環、およびN-含有ヘテロアリールから選択されるポケット形成部分である)
により表される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項8】
PFについての置換されていてもよいアルキル基が、
【化4】

(式中、
nは、0〜6から選択され、
Yは、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいグアニジノ、N-含有ヘテロ環、およびN-含有ヘテロアリールから選択され、
Tは、置換されていてもよいC1〜C3アルキル、置換されていてもよいアシルアミノ、置換されていてもよいオキシアシルアミノ、置換されていてもよいアミノアシルオキシ、置換されていてもよいアミノアシル、置換されていてもよいオキシアシル、置換されていてもよいアシルオキシ、置換されていてもよいアミノアシルオキシ、置換されていてもよいアシルアミノ、置換されていてもよいアシルイミノオキシ、置換されていてもよいオキシアシルイミノ、置換されていてもよいスルフィニルアミノ、置換されていてもよいスルホニルアミノ、置換されていてもよいオキシスルフィニルアミノ、置換されていてもよいオキシスルホニルアミノおよび置換されていてもよいオキシアシルオキシから選択される)
から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
nが、0〜4から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
nが、4である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
Yが、アミノまたはグアニジノである、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
Yが、
【化5】

またはそれらの置換誘導体から選択される、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ポケット形成部分と共有結合する4面体の化学的部分が、式
【化6】

(式中、
nは、0〜6から選択され、(好ましくは、nは、0〜4である)
Yは、
【化7】

またはそれらの置換誘導体から選択され、
R1は、水素およびC1〜C2アルキルから選択され、
Tは、-NHC(X')O-R2、-OC(X')O-R2、-CR3R4R5、-CR3R4C(X')O-R2およびペプチド残基から選択され、
R2は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、および置換されていてもよいヘテロシクリルから選択され、
X'は、SまたはOであり、
R3およびR4は、独立して、水素およびC1〜C3アルキルから選択され、
R5は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリールアルキルから選択される)
により表される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項14】
ポケット形成部分と共有結合する4面体の化学的部分が、式
【化8】

(式中、フェニルおよび/またはフタルイミド基は、独立して、1〜4個の置換基でさらに置換されていてよい)
により表される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項15】
分子テンプレートが、式(I)
Y-L-X-O-Z (I)
(式中、
Yは、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいグアニジン、N-含有ヘテロ環、およびN-含有ヘテロアリールから選択され、
Lは、置換されていてもよいC1〜C5アルキレンから選択される二価の連結基を表し、
Xは、4面体原子が、リン、ヒ素、アンチモン、ホウ素、ケイ素、硫黄またはセレンから選択される4面体の化学部分であり、
Zは、ヒスチジン様部分(hlp)と共有結合するセリン様部分の残基(rslp)を表す)
により表される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項16】
Xが、
【化9】

(式中、R1は、水素およびC1〜C2アルキルから選択される)
から選択され、
Lが、
【化10】

(式中、
nは、0〜4から選択され、
Tは、置換されていてもよいC1〜C3アルキル、置換されていてもよいオキシアシルアミノ、置換されていてもよいアミノアシルオキシ、置換されていてもよいアミノアシル、置換されていてもよいオキシアシル、置換されていてもよいアシルオキシ、および置換されていてもよいオキシアシルオキシから選択される)
から選択され、
Yが、
【化11】

またはそれらの置換誘導体から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Xが、
【化12】

(式中、R1は、水素およびC1〜C2アルキルから選択される)
であり、
Lが、
【化13】

(式中、
nは、0〜4から選択され、
Tは、置換されていてもよいオキシアシルアミノを表す)
から選択され、
Yが、
【化14】

またはそれらの誘導体から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
式(I)中の
【化15】

が、
【化16】

(式中、フェニルおよび/またはフタルイミド基は、独立して、1〜4個の置換基でさらに置換されていてよい)
により表される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
-O-Z部分を、
【化17】

(式中、mは、0〜4から選択される整数である)
から選択することができる、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
hlp部分を、
【化18】

またはそれらの置換誘導体により表すことができる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
hlpまたはslpが、フリーラジカル重合性基を持つ、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
-O-Zが一緒に、
【化19】

またはそれらの置換誘導体を表すことができる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
モノマーが、メタクリル酸である、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
架橋剤が、EDMAである、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ポロジェンが、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、エタノール、メタノールおよびジメチルスルホキシド(DMSO)、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
MIPが、初めにテンプレート分子をポリマーと共有結合的に連結させることにより調製される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
重合ステップが、フリーラジカル重合により行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
MIPが、ビーズの形態である、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
モノマーに対するテンプレートの比が、約1:1である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
式(I)
Y-L-X-O-Z (I)
(式中、
Yは、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいグアニジン、N-含有ヘテロ環、およびN-含有ヘテロアリールから選択され、
Lは、置換されていてもよいC1〜C5アルキレンから選択される二価の連結基を表し、
Xは、
【化20】

から選択される4面体の化学部分であり、
Zは、
【化21】

またはそれらの置換誘導体(式中、mは、0〜4の整数である)から選択される、ヒスチジン様部分(hlp)と共有結合するセリン様部分の残基(rslp)を表す)
により表される化合物。
【請求項31】
Lが、
【化22】

(式中、
nは、0〜4から選択され、
Tは、置換されていてもよいC1〜C3アルキル、置換されていてもよいオキシアシルアミノ、置換されていてもよいアミノアシルオキシ、置換されていてもよいアミノアシル、置換されていてもよいオキシアシル、置換されていてもよいアシルオキシ、および置換されていてもよいオキシアシルオキシから選択される)から選択され、
Yが、
【化23】

またはそれらの置換誘導体から選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Xが、
【化24】

(式中、R1は、水素およびC1〜C2アルキルから選択される)
であり、
Lが、
【化25】

(式中、
nは、0〜4から選択され、
Tは、置換されていてもよいオキシアシルアミノを表す)
から選択され、
Yが、
【化26】

またはそれらの誘導体から選択される、請求項30または31に記載の化合物。
【請求項33】
式(I)中の
【化27】

が、
【化28】

(式中、フェニルおよび/またはフタルイミド基は、独立して、1〜4個の置換基でさらに置換されていてよい)
により表される、請求項30から32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
請求項1から29のいずれか一項に記載の方法により得られるMIP。
【請求項35】
空洞の表面上に
(a)少なくとも1つのヒドロキシル部分、
(b)少なくとも1つのイミダゾール部分、および
(c)少なくとも1つのカルボキシル部分
を包含する空洞を含む架橋モノマー単位により特徴付けられるMIP。
【請求項36】
少なくとも1つのヒドロキシル部分が、
【化29】

(式中、nは、独立して、0〜4を表す)
から選択される、請求項35に記載のMIP。
【請求項37】
少なくとも1つのイミダゾール部分が、
【化30】

から選択される、請求項35に記載のMIP。
【請求項38】
少なくとも1つのカルボキシル部分が、
【化31】

(式中、各nは、独立して、0〜4を表す)
から選択される、請求項35に記載のMIP。
【請求項39】
少なくとも1つのヒドロキシル部分および少なくとも1つのイミダゾール部分が、共有結合しており、好ましくは、式(II)
【化32】

により表される、請求項35に記載のMIP。
【請求項40】
少なくとも1つのヒドロキシル部分および少なくとも1つのイミダゾール部分が、式(IIa)
【化33】

により表される、請求項39に記載のMIP。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2013−501108(P2013−501108A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523168(P2012−523168)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000992
【国際公開番号】WO2011/014923
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(594202523)モナシュ ユニバーシティ (10)
【Fターム(参考)】