分散供給装置
【課題】 簡単・小型構造で、操作性、信頼性、経済性に優れ、複数種類の物品を同時に1つの受け板により周縁部に均一に分散供給可能で、物品の特性にあった周縁部方向への搬送速度に調整可能な円形振動フィーダを備えた分散供給装置を提供する。
【解決手段】 本発明の分散供給装置は、振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、この分散シュートの受け板の中心軸側上に物品が投入される。前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられ、周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜される。
【解決手段】 本発明の分散供給装置は、振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、この分散シュートの受け板の中心軸側上に物品が投入される。前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられ、周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を複数の搬送経路に分散供給する分散供給装置に関し、特に狭い場所から複数種類の物品を同時に均一に分散供給可能な分散供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からパーツフィーダとして直進振動フィーダ及び円形振動フィーダがあり、その駆動方式は回転円盤式、電磁振動式、モーターカム式などがある。
【0003】
一般的に最も多く使用されている円形振動フィーダは、振動手段の上部に取付けられた受け板の周方向及び上下振動によって受け板上面の物品が周縁部に向け搬送され、さらにその周辺部に配設された様々な搬送手段により分散供給される。
【0004】
このような円形振動フィーダ又はこれを備えた分散供給装置として最近提案されている代表的な次の3つの例がある。
【0005】
第1例は、円形振動フィーダを備え、物品を所定重量となるように計量する組合せ計量機であって、図9に示すように、上方から投入された物品は傘状の円形振動フィーダ70で放射状に分散され、円形振動フィーダ70の周縁部に別途配置された複数の直進フィーダ71により下方のホッパ72に収納される。ホッパ72に収納された物品は、このホッパ72下部の計量ホッパ73で計量され、この計量値に基づいて所定の設定重量となる組合せが選定される。選定された組合せに含まれる物品を収納している計量ホッパ73から物品が一斉に排出されて集合シュート74により一纏めにされ排出される構成である(特許文献1参照)
【0006】
第2例の分散供給装置は、図10に示すように、円形振動分散フィーダ11が円形傘状の受け板12を振動させて、頂部12aに投入された物品を周縁部12bへ搬送し、周縁部12bからの物品を受けた各直進フィーダ15が搬送台17を振動させて計量部2へ物品を供給する。受け板12の上方には、円筒状の筒体21が受け板12と同心状に配置され昇降装置30、50により支持されている。筒体21が昇降装置30、50により上昇すると、受け板12上の物品層厚が増し、筒体21が下降すると受け板12上の物品層厚が減少する。また、受け板12上の物品の搬送状態に異常があると、筒体21が所定距離上昇してから元の高さまで下降して、物品の搬送状態を正常にする構成である(特許文献2参照)
【0007】
第3例の分散供給装置は、図11に示すように、分散フィーダ(円形振動フィーダ)がトップコーン(受け板)104を供え、このトップコーン104をバイブレータ(振動手段)106が振動することによりトップコーン104上に投入された物品を周縁部に分散供給する。トップコーン104上の物品の分散状態をロードセル116a乃至116cが検出し、この検出結果に応じて、昇降装置110a乃至110cが、トップコーン104上の物品の分布の少ない部分が、外側下方に大きく傾斜するように分散フィーダを傾斜させる構成である(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−271327号公報
【特許文献2】特開平10−212018号公報
【特許文献3】特開2003−327326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の前記第1乃至第3例等の円形振動フィーダは、いずれも受け板70、12、104等がコーン状に上面すなわちフィード面が周縁部方向に下り勾配になっており、少なくとも半径方向の仕切りなどによる区分がなされていない。そして、受け板70、12、104の周辺部には、物品を分散供給するために別途複数の直進フィーダ71、15(又は図示しない)等が放射状に配置されている。
【0009】
しかしながら、このようなコーン状の受け板70、12、104等においては中心部から投入された物品が受け板70、12、104の周方向に対してかたより勝ちで必ずしも周縁部に均一に分散供給されないという問題点がある。
【0010】
これに対して、第2例(特許文献2)の分散供給装置は、受け板12の上方に同心状に設けられた筒体21を昇降装置30、50により上下させて受け板12上の物品層厚を増減調整することにより周縁部に均一に分散供給することができるように改善されてはいる。しかし、受け板12の上方に昇降装置30、50を介して配置された筒体21の構造及びその昇降制御機構が複雑化し、スペースも嵩むとともにコストも増大する等々の問題点がある。
【0011】
また、第3例(特許文献3)の分散供給装置は、トップコーン(受け板)104上の物品の分散状態をロードセル116a乃至116cが検出して、昇降装置110a乃至110cが、受け板104上の物品の分布の少ない部分が外側下方に大きく傾斜するように分散フィーダを傾斜させることにより、周縁部に均一に分散供給することができるように改善されてはいる。しかし、バイブレータ(振動手段)6の下方に複数のロードセル116a乃至116cを介して複数の昇降装置110a乃至110cが配置された構造及びその昇降制御機構が複雑化し、この分散供給装置もスペースも嵩むとともにコストも増大するなど前記第2例(特許文献2)のものと同様の問題点がある。
【0012】
さらに、従来の前記第1乃至第3例等の円形振動フィーダは、いずれもコーン状の受け板70、12、104等の中心部に1つの供給元から1種類の物品が供給されるだけで、複数種類の物品を同時に受け板70、12、104により周縁部に分散供給することができないという欠点がある。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の一つの目的は、簡潔な構成で、全体構造の単純化、小型化が図られ、操作性、信頼性及び経済性に優れ、複数種類の物品を同時に1つの受け板により周縁部に均一に分散供給すること、これに加えて他の目的は、物品の特性にあった周縁部方向への搬送速度に調整することができる円形振動フィーダを備えた分散供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の分散供給装置は、振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、該受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面に、基板の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、この分散シュートの受け板の中心軸側上に前記物品が投入されることを特徴としている。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、前記物品の特性にあった搬送速度になるように周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜されることを特徴としている。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、少なくとも底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の分散供給装置であって、前記仕切壁は、それぞれ前記基板の中心軸から略放射線状に立設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、供給元からの物品が、分散シュートの受け板の中心軸側上に投入され、適宜離隔する1対の仕切壁で区分された領域の分散シュート内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周方向に対してかたよることなく、分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができる。
【0020】
この分散シュートは、受け板の略円形又は多角形状の基板の上面に1対の仕切壁を略半径方向に沿って適宜離隔し立設しただけの簡潔な構成とすることにより、均一に分散供給するための前記従来のような別途昇降機構及びその制御機構等は不要であることから、全体構造及び操作の単純化、小型化が図られ、信頼性及び経済性に優れ、多様な物品を1つの受け板により周縁部に均一に分散供給することができるという効果がある。
【0021】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を有するのに加えて、分散シュートが基板の上面に複数設けられているため、各分散シュートに異なる種類の物品を投入して複数種類の物品を同時に一つの受け板により周縁部に分散供給することができるという効果がある。
【0022】
また、これまでの通常のように同種類の物品を受け板の中心上部から投入する場合も、投入された物品が適宜離隔する仕切壁により受け板(基板)上の複数の領域に区分された各分散シュート内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周に対してかたよることなく、各分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができるという効果がある。なお、この場合、受け板の中心部への投入において、例えば円形口を有する円錐筒形投入シュートなどを用いて各分散シュート上に同時に均一に分配投入することは容易である。
【0023】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明と同様な効果を有するのに加えて、周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に分散シュートを傾斜させることにより物品の大小、形状あるいは密度などの特性にあった周縁部方向への搬送速度に調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になるという効果がある。
【0024】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、分散シュートは、底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることにより、分散シュートを周縁部に向かって上り(又は下り)勾配に傾斜させた場合に分散シュートの傾斜角が受け板の中心軸側から周縁部に向かって漸増(又は漸減)することから、いずれも振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに対して物品の搬送速度を中心軸側から加速し周縁部に向かって減速する傾向とするため、物品の特性にあった周縁部方向への搬送速度をほぼ均一化して一層良好に調整することができ、物品のさらに一層均一な分散搬送が可能になるという効果がある。
【0025】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、仕切壁が基板の中心軸から略放射線状に立設されていることから、振動手段の振動が回転中心から放射状に受け板上の物品に働くことにより物品が周縁に向けて放射線状に動くのに同調して分散シュート内での均一な分散搬送を良好に促進することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の分散供給装置を実施するための最良の形態の具体例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の一実施の形態による実施例1の分散供給装置の主要部の概念を示す透視図、図2は図1の分散供給装置の振動モータの振動が一つの分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0028】
実施例1の分散供給装置は、図1に示すように、振動手段5の上部に取付けられた受け板1を振動させて、受け板1上に投入された物品(図示しない)を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダ10を備えている。
【0029】
この実施例では、分散シュート3の受け板1の中心軸C側の上に角錐体形の物品投入シュート6が配設され、その上部に設けられた供給元ベルトコンベヤ8から物品が物品投入シュート6内に投入され、さらに物品投入シュート6から分散シュート3の中心軸C側の上に物品が投入される。そして、受け板1の分散シュート3の周縁部下方にベルトコンベヤ7が設けられている。この場合、物品は、例えば穀物などの産物であり、ベルトコンベヤ7から図示しない穀物選別機に搬送供給される。
【0030】
受け板1は、略円形の基板2の上面に、基板2の半径方向に沿って放射状に適宜離隔し立設された1対の仕切壁3b、3b及び1対の仕切壁3b、3bの中心軸C側端部を連結する連結壁3cとこれらの壁3b、3b、3cに包囲連結されて底部を形成する底面3aとを有する分散シュート3と、基板2の中心軸Cに対して分散シュート3の反対側に配置されたバランスウエイト4を備えている。すなわち、分散シュート3とバランスウエイト4とは中心軸Cに対して慣性バランスがとられており、これにより、受け板1の振動安定性が確保される。
【0031】
振動手段5は、公知のものを用いることができ、上下部にそれぞれ上部ウエイト5b、下部ウエイト5cを備えた振動モータ5a及び、それぞれ下端部が土台9側に固定され、上端部が基板2の周縁下部に取付けられた複数の圧縮ばねなどのばね部材5dからなる。
【0032】
ここでは、図2に示すように、振動モータ5aの両矢印のモータ回転方向振動Mによる振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1により分散シュート3の中心軸C側の上に投入された図示しない物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動手段5の振動が中心軸Cから放射状に受け板1の分散シュート3上の物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた分散シュート3内で物品が周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、分散シュート3の周縁部下方のベルトコンベヤ7上に分散供給される(図1)。なお、振動モータ5aの振動による物品の搬送力は中心軸Cに近いほど弱いため、分散シュート3は中心軸Cから若干離れた位置の連結壁3cから始まり周縁部まで延伸し形成されている。このような円形振動フィーダ10の振動特性により分散シュート3上に投入された物品の搬送速度は、周縁部に向かって増速される傾向にある。
【実施例2】
【0033】
図3は、本発明の別の実施の形態による実施例2の分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【0034】
実施例2の分散供給装置は、実施例1の分散供給装置に対して、受け板1の基板2の上面に中心軸Cに対して2つの分散シュート3、3が対向配置された円形振動フィーダ10aを備え、それぞれの分散シュート3、3の連結壁3c寄りの上方に第1、第2ライン物品投入シュート6a、6bが、その上部に第1ライン供給元ベルトコンベヤ8a、第2ライン供給元ベルトコンベヤ8bが、さらに分散シュート3、3の周縁部下方に第1ライン振動篩い機7a、第2ライン振動篩い機7bが配設されている点が異なるだけで、他は実施例1と全く同様の構成である。従ってここで、実施例1と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0035】
この実施例では、第1、第2ライン供給元ベルトコンベヤ8a、8bからそれぞれ第1、第2物品(いずれも図示しない)が第1、第2ライン物品投入シュート6a、6b内に供給され、第1、第2物品はさらに第2ライン物品投入シュート6a、6bから分散シュート3、3の中心軸C側の上に投入されて各分散シュート3、3内で周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、分散シュート3、3の周縁部下方の第1、第2ライン振動篩い機7a、7bに分散供給される。
【0036】
この場合、第1、第2物品は、異種の例えば穀物などの産物であり、第1、第2ライン振動篩い機7a、7bからいずれも図示しない第1、第2ライン穀物選別機に搬送供給される。また、第1、第2物品は、同種の穀物あるいは他の多様な物品であってもよい。
【実施例3】
【0037】
図4は、本発明のまた別の実施の形態による実施例3の分散供給装置の振動モータの振動が3個の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0038】
実施例3の分散供給装置は、実施例1、2の分散供給装置に対して、受け板の基板の上面の中心軸Cの周りに3つの分散シュート3、3、3が等配された円形振動フィーダ10bを備え、それぞれの分散シュート3、3、3の上方部及び周縁部下方にはいずれも図示しない実施例1、2と同様な第1、第2、第3ライン物品供給及び搬送用等の付帯設備が配設されている点が異なるだけで、他は実施例1、2と全く同様の構成である。従ってここで、実施例1、2と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0039】
これらの図示しない前記付帯設備は、第1、第2、第3ライン物品投入シュート、第1、第2、第3ライン供給元ベルトコンベヤ及び例えば第1、第2、第3ライン振動篩い機などである。
【0040】
この実施例では、図4に示すように、振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1によりそれぞれ分散シュート3、3、3の中心軸C側の上に投入されたいずれも図示しない第1、第2、第3物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動が中心軸Cから放射状に分散シュート3、3、3上の第1、第2、第3物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた各分散シュート3、3、3内で第1、第2、第3物品がそれぞれ周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、各分散シュート3、3、3の周縁部下方のいずれも図示しない例えば第1、第2、第3ライン振動篩い機上に分散供給される。
【0041】
この場合、第1、第2、第3物品は、異種の例えば穀物などの産物であり、いずれも図示しない第1、第2、第3ライン振動篩い機から第1、第2、第3ライン穀物選別機などに搬送供給される。また、第1、第2、第3物品は、同種の穀物あるいは他の多様な物品であってもよい。
【実施例4】
【0042】
図5は本発明のさらに別の実施の形態による実施例4の分散供給装置の振動モータの振動が複数(6個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0043】
実施例4の分散供給装置は、実施例1乃至3の分散供給装置に対して、受け板の基板2の上面の中心軸Cの周りに6つの分散シュート3が隣接等配された円形振動フィーダ10cを備え、それぞれの分散シュート3の上方部及び周縁部下方にはいずれも図示しない実施例1乃至3と同様な第1乃至第6ライン物品供給及び搬送用等の付帯設備が配設されている点が異なるだけで、他は実施例1乃至3と全く同様の構成である。従ってここで説明を簡素化して分かり易くするため、実施例1乃至3と同じ構成部材には一部形状が異なっても同一の符号を付してある。
【0044】
これらの図示しない前記付帯設備は、第1乃至第6ライン物品投入シュート、第1乃至第6ライン供給元ベルトコンベヤ及び例えば第1乃至第6ライン振動篩い機などである。
【0045】
この実施例では、図5に示すように、振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1によりそれぞれ分散シュート3の中心軸C側の上に投入されたいずれも図示しない第1乃至第6物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動が中心軸Cから放射状に各分散シュート3上の第1乃至第6物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた各分散シュート3内で第1乃至第6物品がそれぞれ周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、各分散シュート3の周縁部下方のいずれも図示しない例えば第1乃至第6ライン振動篩い機上に分散供給される。
【0046】
この実施例の受け板は、図5に示すように、六角形状の基板2そのもの(同一化)とすることができる。この場合、基板2の中心軸Cから半径方向に沿って放射状に立設された6枚の仕切壁3bにより周方向6等分に区分された分散シュート3が基板2の上面に6個等配し形成され、基板2は分散シュート3の共通の底面を形成している。
【実施例5】
【0047】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例5の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【0048】
実施例5の分散供給装置は、実施例2の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10dの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部に向かって下り勾配の角度に傾斜されている点が異なるだけで、他は実施例2と全く同様の構成である。従ってここで、実施例2と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0049】
この実施例では、受け板1の基板2上の各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより周縁部に向かって下り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eにより回転自在に支持され、任意の傾斜角度に調整することができる。さらに傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度を任意に調整することができる。
【0050】
このように、物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて分散シュート3を周縁部に向かって適宜な下り勾配角度に傾斜させることにより周縁部方向への物品搬送速度を増速して調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【実施例6】
【0051】
図7は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例6の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【0052】
実施例6の分散供給装置は、実施例2又は実施例5の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10eの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部に向かって上り勾配の角度に傾斜されている点が異なるだけで、他は実施例2又は実施例5と全く同様の構成である。従ってここで、実施例2又は実施例5と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0053】
この実施例では、受け板1の基板2上の各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより周縁部に向かって上り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0054】
このように、物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて分散シュート3を周縁部に向かって適宜な上り勾配角度に傾斜させることにより周縁部方向への物品搬送速度を減速して調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【実施例7】
【0055】
図8は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例7の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図で、(a)、(b)は分散シュートの傾斜角が異なる2つの例を示す。
【0056】
実施例7の分散供給装置は、実施例2、実施例5又は実施例6の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10fの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部方向に沿って下方に弓なりに突出する凹状に屈曲形成されている点が異なるだけで、他は実施例2、実施例5又は実施例6と全く同様の構成である。従ってここで説明を簡素化して分かり易くするため、実施例2、実施例5又は実施例6と同じ構成部材には一部形状が異なっても同一の符号を付してある。
【0057】
図8(a)の実施例では、各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより基板2上に連結壁3c側の底面3aが円接触し周縁部に向かって徐々に上り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0058】
このように、凹状に屈曲形成された分散シュート3を周縁部に向かって徐々に上り勾配に傾斜させることにより、振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに伴い物品搬送速度が増速傾向にあるのに対して、分散シュート3上に投入される物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて周縁部方向への搬送速度が徐々に減速されるように一層スムースに良好に調整することができ、物品のさらに一層均一な分散搬送が可能になる。
【0059】
また、図8(b)の実施例では、各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより基板2上に中央部の底面3aが支承部3eを介して円接触するが如く略水平になっており、底面3aが連結壁3cから中央部までは下り勾配で、中央部から周縁部に向かって徐々に上り勾配の傾斜状に配置されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0060】
このように振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに伴い物品搬送速度が増速傾向にあるのに対して、凹状に屈曲形成された分散シュート3を、底面3aが連結壁3cから中央部までは下り勾配で物品の搬送開始速度を加速し、中央部から周縁部に向かって徐々に上り勾配になることにより物品の搬送速度が減速されるため、分散シュート3上に投入された物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて周縁部方向への搬送速度を連結壁3c側から周縁部に亘り良好なほぼ均一に調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【0061】
なお、分散シュート3の底面3aは、略弓形凹状の他に、いずれも図示しないが、一段の逆へ字状又は逆へ字が複数連接した複数段の逆へ字状等に屈曲形成することができる。
【0062】
本発明の実施例2乃至7におけるように、分散シュート3が受け板の基板の上面に複数設けられている円形振動フィーダを備えた分散供給装置においては、各分散シュートに異なる種類の物品を投入して複数種類の物品を同時に一つの円形振動フィーダにより周縁部に分散供給することができる。
【0063】
また、特に、実施例4におけるように、分散シュート3が受け板(又は基板)の上面に複数個隣接等配し形成される場合には、受け板の中心上部に例えば中心部が閉鎖された円輪形口を有する円錐筒形投入シュートなどを用いることにより各分散シュート3上に同時に均一に分配投入することが容易にでき、投入された物品が仕切壁3bにより受け板上の複数の領域に等分に区分された各分散シュート3内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周に対してかたよることなく、各分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができる。
【0064】
なお、前記種々の実施の形態(実施例1乃至7)の他に、各部材の形状及び分散シュート3の個数等は任意に変更することができる。例えば、受け板1を分散シュート3の個数に対応した多角形状の基板2そのもの(同一化)とするとともに分散シュート3の底面とするように形成することも可能である。また、分散シュート3の仕切壁3b、3bは、分散シュート3上の物品が中心軸Cから放射状に移動するのに伴い放射状に立設するのがベストであるが、これに限定するものではなく、基板2の略半径方向に立設することができる。さらに、分散シュート3を含む受け板1は、構造の簡易性からは平板状とすることが望ましいが、コーン状に上面が周縁部方向に下り又は上り勾配に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、簡潔な構成で、全体構造の単純化、小型化が図られ、操作性、信頼性及び経済性に優れ、複数種類の物品を同時に1つの受け板により周縁部に均一に分散供給することができる円形振動フィーダを備えた分散供給装置を提供することが可能となることから、本発明の分散供給装置は穀物類等を扱う業界の他、各種産業に効果的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態(実施例1)による分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【図2】図1の分散供給装置の振動モータの振動が一つの分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図3】本発明の別の実施の形態(実施例2)による分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【図4】本発明のまた別の実施の形態(実施例3)による分散供給装置の振動モータの振動が複数(3個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態(実施例4)による分散供給装置の振動モータの振動が複数(6個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態(実施例5)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態(実施例6)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態(実施例7)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図で、(a)、(b)は分散シュートの傾斜角が異なる2つの例を示す。
【図9】従来の第1例の分散供給装置の概念を示す縦断面図である。
【図10】従来の第2例の分散供給装置の概念を示す縦断面図である。
【図11】従来の第3例の分散供給装置の概念を示す立面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 受け板
2 基板
3 分散シュート
3a 底面
3b 仕切壁
3c 連結壁
3d 傾斜角調整手段
3e 支承部
4 バランスウエイト
5 振動手段
5a 振動モータ
5b 上部ウエイト
5c 下部ウエイト
5d ばね部材
6、6a、6b 物品投入シュート
7 ベルトコンベヤ
7a 第1ライン振動篩い機
7b 第2ライン振動篩い機
8 供給元ベルトコンベヤ
8a 第1ライン供給元ベルトコンベヤ
8b 第2ライン供給元ベルトコンベヤ
9 土台
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f 円形振動フィーダ
C 中心軸
M モータの回転振動方向
M1 モータ中心の振動伝播
M2 物品の搬送方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を複数の搬送経路に分散供給する分散供給装置に関し、特に狭い場所から複数種類の物品を同時に均一に分散供給可能な分散供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からパーツフィーダとして直進振動フィーダ及び円形振動フィーダがあり、その駆動方式は回転円盤式、電磁振動式、モーターカム式などがある。
【0003】
一般的に最も多く使用されている円形振動フィーダは、振動手段の上部に取付けられた受け板の周方向及び上下振動によって受け板上面の物品が周縁部に向け搬送され、さらにその周辺部に配設された様々な搬送手段により分散供給される。
【0004】
このような円形振動フィーダ又はこれを備えた分散供給装置として最近提案されている代表的な次の3つの例がある。
【0005】
第1例は、円形振動フィーダを備え、物品を所定重量となるように計量する組合せ計量機であって、図9に示すように、上方から投入された物品は傘状の円形振動フィーダ70で放射状に分散され、円形振動フィーダ70の周縁部に別途配置された複数の直進フィーダ71により下方のホッパ72に収納される。ホッパ72に収納された物品は、このホッパ72下部の計量ホッパ73で計量され、この計量値に基づいて所定の設定重量となる組合せが選定される。選定された組合せに含まれる物品を収納している計量ホッパ73から物品が一斉に排出されて集合シュート74により一纏めにされ排出される構成である(特許文献1参照)
【0006】
第2例の分散供給装置は、図10に示すように、円形振動分散フィーダ11が円形傘状の受け板12を振動させて、頂部12aに投入された物品を周縁部12bへ搬送し、周縁部12bからの物品を受けた各直進フィーダ15が搬送台17を振動させて計量部2へ物品を供給する。受け板12の上方には、円筒状の筒体21が受け板12と同心状に配置され昇降装置30、50により支持されている。筒体21が昇降装置30、50により上昇すると、受け板12上の物品層厚が増し、筒体21が下降すると受け板12上の物品層厚が減少する。また、受け板12上の物品の搬送状態に異常があると、筒体21が所定距離上昇してから元の高さまで下降して、物品の搬送状態を正常にする構成である(特許文献2参照)
【0007】
第3例の分散供給装置は、図11に示すように、分散フィーダ(円形振動フィーダ)がトップコーン(受け板)104を供え、このトップコーン104をバイブレータ(振動手段)106が振動することによりトップコーン104上に投入された物品を周縁部に分散供給する。トップコーン104上の物品の分散状態をロードセル116a乃至116cが検出し、この検出結果に応じて、昇降装置110a乃至110cが、トップコーン104上の物品の分布の少ない部分が、外側下方に大きく傾斜するように分散フィーダを傾斜させる構成である(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−271327号公報
【特許文献2】特開平10−212018号公報
【特許文献3】特開2003−327326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の前記第1乃至第3例等の円形振動フィーダは、いずれも受け板70、12、104等がコーン状に上面すなわちフィード面が周縁部方向に下り勾配になっており、少なくとも半径方向の仕切りなどによる区分がなされていない。そして、受け板70、12、104の周辺部には、物品を分散供給するために別途複数の直進フィーダ71、15(又は図示しない)等が放射状に配置されている。
【0009】
しかしながら、このようなコーン状の受け板70、12、104等においては中心部から投入された物品が受け板70、12、104の周方向に対してかたより勝ちで必ずしも周縁部に均一に分散供給されないという問題点がある。
【0010】
これに対して、第2例(特許文献2)の分散供給装置は、受け板12の上方に同心状に設けられた筒体21を昇降装置30、50により上下させて受け板12上の物品層厚を増減調整することにより周縁部に均一に分散供給することができるように改善されてはいる。しかし、受け板12の上方に昇降装置30、50を介して配置された筒体21の構造及びその昇降制御機構が複雑化し、スペースも嵩むとともにコストも増大する等々の問題点がある。
【0011】
また、第3例(特許文献3)の分散供給装置は、トップコーン(受け板)104上の物品の分散状態をロードセル116a乃至116cが検出して、昇降装置110a乃至110cが、受け板104上の物品の分布の少ない部分が外側下方に大きく傾斜するように分散フィーダを傾斜させることにより、周縁部に均一に分散供給することができるように改善されてはいる。しかし、バイブレータ(振動手段)6の下方に複数のロードセル116a乃至116cを介して複数の昇降装置110a乃至110cが配置された構造及びその昇降制御機構が複雑化し、この分散供給装置もスペースも嵩むとともにコストも増大するなど前記第2例(特許文献2)のものと同様の問題点がある。
【0012】
さらに、従来の前記第1乃至第3例等の円形振動フィーダは、いずれもコーン状の受け板70、12、104等の中心部に1つの供給元から1種類の物品が供給されるだけで、複数種類の物品を同時に受け板70、12、104により周縁部に分散供給することができないという欠点がある。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の一つの目的は、簡潔な構成で、全体構造の単純化、小型化が図られ、操作性、信頼性及び経済性に優れ、複数種類の物品を同時に1つの受け板により周縁部に均一に分散供給すること、これに加えて他の目的は、物品の特性にあった周縁部方向への搬送速度に調整することができる円形振動フィーダを備えた分散供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の分散供給装置は、振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、該受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面に、基板の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、この分散シュートの受け板の中心軸側上に前記物品が投入されることを特徴としている。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、前記物品の特性にあった搬送速度になるように周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜されることを特徴としている。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分散供給装置であって、前記分散シュートは、少なくとも底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の分散供給装置であって、前記仕切壁は、それぞれ前記基板の中心軸から略放射線状に立設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、供給元からの物品が、分散シュートの受け板の中心軸側上に投入され、適宜離隔する1対の仕切壁で区分された領域の分散シュート内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周方向に対してかたよることなく、分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができる。
【0020】
この分散シュートは、受け板の略円形又は多角形状の基板の上面に1対の仕切壁を略半径方向に沿って適宜離隔し立設しただけの簡潔な構成とすることにより、均一に分散供給するための前記従来のような別途昇降機構及びその制御機構等は不要であることから、全体構造及び操作の単純化、小型化が図られ、信頼性及び経済性に優れ、多様な物品を1つの受け板により周縁部に均一に分散供給することができるという効果がある。
【0021】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を有するのに加えて、分散シュートが基板の上面に複数設けられているため、各分散シュートに異なる種類の物品を投入して複数種類の物品を同時に一つの受け板により周縁部に分散供給することができるという効果がある。
【0022】
また、これまでの通常のように同種類の物品を受け板の中心上部から投入する場合も、投入された物品が適宜離隔する仕切壁により受け板(基板)上の複数の領域に区分された各分散シュート内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周に対してかたよることなく、各分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができるという効果がある。なお、この場合、受け板の中心部への投入において、例えば円形口を有する円錐筒形投入シュートなどを用いて各分散シュート上に同時に均一に分配投入することは容易である。
【0023】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明と同様な効果を有するのに加えて、周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に分散シュートを傾斜させることにより物品の大小、形状あるいは密度などの特性にあった周縁部方向への搬送速度に調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になるという効果がある。
【0024】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、分散シュートは、底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることにより、分散シュートを周縁部に向かって上り(又は下り)勾配に傾斜させた場合に分散シュートの傾斜角が受け板の中心軸側から周縁部に向かって漸増(又は漸減)することから、いずれも振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに対して物品の搬送速度を中心軸側から加速し周縁部に向かって減速する傾向とするため、物品の特性にあった周縁部方向への搬送速度をほぼ均一化して一層良好に調整することができ、物品のさらに一層均一な分散搬送が可能になるという効果がある。
【0025】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、仕切壁が基板の中心軸から略放射線状に立設されていることから、振動手段の振動が回転中心から放射状に受け板上の物品に働くことにより物品が周縁に向けて放射線状に動くのに同調して分散シュート内での均一な分散搬送を良好に促進することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の分散供給装置を実施するための最良の形態の具体例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の一実施の形態による実施例1の分散供給装置の主要部の概念を示す透視図、図2は図1の分散供給装置の振動モータの振動が一つの分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0028】
実施例1の分散供給装置は、図1に示すように、振動手段5の上部に取付けられた受け板1を振動させて、受け板1上に投入された物品(図示しない)を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダ10を備えている。
【0029】
この実施例では、分散シュート3の受け板1の中心軸C側の上に角錐体形の物品投入シュート6が配設され、その上部に設けられた供給元ベルトコンベヤ8から物品が物品投入シュート6内に投入され、さらに物品投入シュート6から分散シュート3の中心軸C側の上に物品が投入される。そして、受け板1の分散シュート3の周縁部下方にベルトコンベヤ7が設けられている。この場合、物品は、例えば穀物などの産物であり、ベルトコンベヤ7から図示しない穀物選別機に搬送供給される。
【0030】
受け板1は、略円形の基板2の上面に、基板2の半径方向に沿って放射状に適宜離隔し立設された1対の仕切壁3b、3b及び1対の仕切壁3b、3bの中心軸C側端部を連結する連結壁3cとこれらの壁3b、3b、3cに包囲連結されて底部を形成する底面3aとを有する分散シュート3と、基板2の中心軸Cに対して分散シュート3の反対側に配置されたバランスウエイト4を備えている。すなわち、分散シュート3とバランスウエイト4とは中心軸Cに対して慣性バランスがとられており、これにより、受け板1の振動安定性が確保される。
【0031】
振動手段5は、公知のものを用いることができ、上下部にそれぞれ上部ウエイト5b、下部ウエイト5cを備えた振動モータ5a及び、それぞれ下端部が土台9側に固定され、上端部が基板2の周縁下部に取付けられた複数の圧縮ばねなどのばね部材5dからなる。
【0032】
ここでは、図2に示すように、振動モータ5aの両矢印のモータ回転方向振動Mによる振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1により分散シュート3の中心軸C側の上に投入された図示しない物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動手段5の振動が中心軸Cから放射状に受け板1の分散シュート3上の物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた分散シュート3内で物品が周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、分散シュート3の周縁部下方のベルトコンベヤ7上に分散供給される(図1)。なお、振動モータ5aの振動による物品の搬送力は中心軸Cに近いほど弱いため、分散シュート3は中心軸Cから若干離れた位置の連結壁3cから始まり周縁部まで延伸し形成されている。このような円形振動フィーダ10の振動特性により分散シュート3上に投入された物品の搬送速度は、周縁部に向かって増速される傾向にある。
【実施例2】
【0033】
図3は、本発明の別の実施の形態による実施例2の分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【0034】
実施例2の分散供給装置は、実施例1の分散供給装置に対して、受け板1の基板2の上面に中心軸Cに対して2つの分散シュート3、3が対向配置された円形振動フィーダ10aを備え、それぞれの分散シュート3、3の連結壁3c寄りの上方に第1、第2ライン物品投入シュート6a、6bが、その上部に第1ライン供給元ベルトコンベヤ8a、第2ライン供給元ベルトコンベヤ8bが、さらに分散シュート3、3の周縁部下方に第1ライン振動篩い機7a、第2ライン振動篩い機7bが配設されている点が異なるだけで、他は実施例1と全く同様の構成である。従ってここで、実施例1と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0035】
この実施例では、第1、第2ライン供給元ベルトコンベヤ8a、8bからそれぞれ第1、第2物品(いずれも図示しない)が第1、第2ライン物品投入シュート6a、6b内に供給され、第1、第2物品はさらに第2ライン物品投入シュート6a、6bから分散シュート3、3の中心軸C側の上に投入されて各分散シュート3、3内で周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、分散シュート3、3の周縁部下方の第1、第2ライン振動篩い機7a、7bに分散供給される。
【0036】
この場合、第1、第2物品は、異種の例えば穀物などの産物であり、第1、第2ライン振動篩い機7a、7bからいずれも図示しない第1、第2ライン穀物選別機に搬送供給される。また、第1、第2物品は、同種の穀物あるいは他の多様な物品であってもよい。
【実施例3】
【0037】
図4は、本発明のまた別の実施の形態による実施例3の分散供給装置の振動モータの振動が3個の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0038】
実施例3の分散供給装置は、実施例1、2の分散供給装置に対して、受け板の基板の上面の中心軸Cの周りに3つの分散シュート3、3、3が等配された円形振動フィーダ10bを備え、それぞれの分散シュート3、3、3の上方部及び周縁部下方にはいずれも図示しない実施例1、2と同様な第1、第2、第3ライン物品供給及び搬送用等の付帯設備が配設されている点が異なるだけで、他は実施例1、2と全く同様の構成である。従ってここで、実施例1、2と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0039】
これらの図示しない前記付帯設備は、第1、第2、第3ライン物品投入シュート、第1、第2、第3ライン供給元ベルトコンベヤ及び例えば第1、第2、第3ライン振動篩い機などである。
【0040】
この実施例では、図4に示すように、振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1によりそれぞれ分散シュート3、3、3の中心軸C側の上に投入されたいずれも図示しない第1、第2、第3物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動が中心軸Cから放射状に分散シュート3、3、3上の第1、第2、第3物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた各分散シュート3、3、3内で第1、第2、第3物品がそれぞれ周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、各分散シュート3、3、3の周縁部下方のいずれも図示しない例えば第1、第2、第3ライン振動篩い機上に分散供給される。
【0041】
この場合、第1、第2、第3物品は、異種の例えば穀物などの産物であり、いずれも図示しない第1、第2、第3ライン振動篩い機から第1、第2、第3ライン穀物選別機などに搬送供給される。また、第1、第2、第3物品は、同種の穀物あるいは他の多様な物品であってもよい。
【実施例4】
【0042】
図5は本発明のさらに別の実施の形態による実施例4の分散供給装置の振動モータの振動が複数(6個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【0043】
実施例4の分散供給装置は、実施例1乃至3の分散供給装置に対して、受け板の基板2の上面の中心軸Cの周りに6つの分散シュート3が隣接等配された円形振動フィーダ10cを備え、それぞれの分散シュート3の上方部及び周縁部下方にはいずれも図示しない実施例1乃至3と同様な第1乃至第6ライン物品供給及び搬送用等の付帯設備が配設されている点が異なるだけで、他は実施例1乃至3と全く同様の構成である。従ってここで説明を簡素化して分かり易くするため、実施例1乃至3と同じ構成部材には一部形状が異なっても同一の符号を付してある。
【0044】
これらの図示しない前記付帯設備は、第1乃至第6ライン物品投入シュート、第1乃至第6ライン供給元ベルトコンベヤ及び例えば第1乃至第6ライン振動篩い機などである。
【0045】
この実施例では、図5に示すように、振動モータ5aの中心軸Cにおけるモータ中心の振動伝播M1によりそれぞれ分散シュート3の中心軸C側の上に投入されたいずれも図示しない第1乃至第6物品が矢印M2の搬送方向に移動する。すなわち、振動モータ5aによる振動が中心軸Cから放射状に各分散シュート3上の第1乃至第6物品に作用して、放射状に立設された1対の仕切壁3b、3bに囲まれた各分散シュート3内で第1乃至第6物品がそれぞれ周縁方向に均一に拡散して分散搬送され、各分散シュート3の周縁部下方のいずれも図示しない例えば第1乃至第6ライン振動篩い機上に分散供給される。
【0046】
この実施例の受け板は、図5に示すように、六角形状の基板2そのもの(同一化)とすることができる。この場合、基板2の中心軸Cから半径方向に沿って放射状に立設された6枚の仕切壁3bにより周方向6等分に区分された分散シュート3が基板2の上面に6個等配し形成され、基板2は分散シュート3の共通の底面を形成している。
【実施例5】
【0047】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例5の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【0048】
実施例5の分散供給装置は、実施例2の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10dの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部に向かって下り勾配の角度に傾斜されている点が異なるだけで、他は実施例2と全く同様の構成である。従ってここで、実施例2と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0049】
この実施例では、受け板1の基板2上の各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより周縁部に向かって下り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eにより回転自在に支持され、任意の傾斜角度に調整することができる。さらに傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度を任意に調整することができる。
【0050】
このように、物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて分散シュート3を周縁部に向かって適宜な下り勾配角度に傾斜させることにより周縁部方向への物品搬送速度を増速して調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【実施例6】
【0051】
図7は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例6の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【0052】
実施例6の分散供給装置は、実施例2又は実施例5の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10eの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部に向かって上り勾配の角度に傾斜されている点が異なるだけで、他は実施例2又は実施例5と全く同様の構成である。従ってここで、実施例2又は実施例5と同じ構成部材には同一の符号を付してある。
【0053】
この実施例では、受け板1の基板2上の各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより周縁部に向かって上り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0054】
このように、物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて分散シュート3を周縁部に向かって適宜な上り勾配角度に傾斜させることにより周縁部方向への物品搬送速度を減速して調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【実施例7】
【0055】
図8は、本発明のさらに別の実施の形態による実施例7の分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図で、(a)、(b)は分散シュートの傾斜角が異なる2つの例を示す。
【0056】
実施例7の分散供給装置は、実施例2、実施例5又は実施例6の分散供給装置に対して、円形振動フィーダ10fの分散シュート3、3がそれぞれ周縁部方向に沿って下方に弓なりに突出する凹状に屈曲形成されている点が異なるだけで、他は実施例2、実施例5又は実施例6と全く同様の構成である。従ってここで説明を簡素化して分かり易くするため、実施例2、実施例5又は実施例6と同じ構成部材には一部形状が異なっても同一の符号を付してある。
【0057】
図8(a)の実施例では、各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより基板2上に連結壁3c側の底面3aが円接触し周縁部に向かって徐々に上り勾配の角度に傾斜されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0058】
このように、凹状に屈曲形成された分散シュート3を周縁部に向かって徐々に上り勾配に傾斜させることにより、振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに伴い物品搬送速度が増速傾向にあるのに対して、分散シュート3上に投入される物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて周縁部方向への搬送速度が徐々に減速されるように一層スムースに良好に調整することができ、物品のさらに一層均一な分散搬送が可能になる。
【0059】
また、図8(b)の実施例では、各分散シュート3が、傾斜角調整手段3dにより基板2上に中央部の底面3aが支承部3eを介して円接触するが如く略水平になっており、底面3aが連結壁3cから中央部までは下り勾配で、中央部から周縁部に向かって徐々に上り勾配の傾斜状に配置されている。また、分散シュート3は、基板2上の支承部3eを支点として任意の傾斜角度に調整することができる。さらに、傾斜角調整手段3dを公知の方法でマニュアル又は自動化することにより分散シュート3の傾斜角度調整を任意に行うことができる。
【0060】
このように振動手段の振動による物品の搬送力が中心軸側から周縁部に向かって漸増するのに伴い物品搬送速度が増速傾向にあるのに対して、凹状に屈曲形成された分散シュート3を、底面3aが連結壁3cから中央部までは下り勾配で物品の搬送開始速度を加速し、中央部から周縁部に向かって徐々に上り勾配になることにより物品の搬送速度が減速されるため、分散シュート3上に投入された物品の大小、形状あるいは密度などの特性に合せて周縁部方向への搬送速度を連結壁3c側から周縁部に亘り良好なほぼ均一に調整することができ、物品の一層均一な分散搬送が可能になる。
【0061】
なお、分散シュート3の底面3aは、略弓形凹状の他に、いずれも図示しないが、一段の逆へ字状又は逆へ字が複数連接した複数段の逆へ字状等に屈曲形成することができる。
【0062】
本発明の実施例2乃至7におけるように、分散シュート3が受け板の基板の上面に複数設けられている円形振動フィーダを備えた分散供給装置においては、各分散シュートに異なる種類の物品を投入して複数種類の物品を同時に一つの円形振動フィーダにより周縁部に分散供給することができる。
【0063】
また、特に、実施例4におけるように、分散シュート3が受け板(又は基板)の上面に複数個隣接等配し形成される場合には、受け板の中心上部に例えば中心部が閉鎖された円輪形口を有する円錐筒形投入シュートなどを用いることにより各分散シュート3上に同時に均一に分配投入することが容易にでき、投入された物品が仕切壁3bにより受け板上の複数の領域に等分に区分された各分散シュート3内に規制されるので、従来のコーン状の受け板におけるような中心部から投入された物品が全周に対してかたよることなく、各分散シュート内で半径方向周縁部に向かって均一に分散して搬送することができる。
【0064】
なお、前記種々の実施の形態(実施例1乃至7)の他に、各部材の形状及び分散シュート3の個数等は任意に変更することができる。例えば、受け板1を分散シュート3の個数に対応した多角形状の基板2そのもの(同一化)とするとともに分散シュート3の底面とするように形成することも可能である。また、分散シュート3の仕切壁3b、3bは、分散シュート3上の物品が中心軸Cから放射状に移動するのに伴い放射状に立設するのがベストであるが、これに限定するものではなく、基板2の略半径方向に立設することができる。さらに、分散シュート3を含む受け板1は、構造の簡易性からは平板状とすることが望ましいが、コーン状に上面が周縁部方向に下り又は上り勾配に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、簡潔な構成で、全体構造の単純化、小型化が図られ、操作性、信頼性及び経済性に優れ、複数種類の物品を同時に1つの受け板により周縁部に均一に分散供給することができる円形振動フィーダを備えた分散供給装置を提供することが可能となることから、本発明の分散供給装置は穀物類等を扱う業界の他、各種産業に効果的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態(実施例1)による分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【図2】図1の分散供給装置の振動モータの振動が一つの分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図3】本発明の別の実施の形態(実施例2)による分散供給装置の主要部の概念を示す透視図である。
【図4】本発明のまた別の実施の形態(実施例3)による分散供給装置の振動モータの振動が複数(3個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態(実施例4)による分散供給装置の振動モータの振動が複数(6個)の分散シュート上の物品に作用(搬送作用)する作動説明図(平面図)である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態(実施例5)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態(実施例6)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態(実施例7)による分散供給装置の円形振動フィーダ主要部の概念を示す側面図で、(a)、(b)は分散シュートの傾斜角が異なる2つの例を示す。
【図9】従来の第1例の分散供給装置の概念を示す縦断面図である。
【図10】従来の第2例の分散供給装置の概念を示す縦断面図である。
【図11】従来の第3例の分散供給装置の概念を示す立面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 受け板
2 基板
3 分散シュート
3a 底面
3b 仕切壁
3c 連結壁
3d 傾斜角調整手段
3e 支承部
4 バランスウエイト
5 振動手段
5a 振動モータ
5b 上部ウエイト
5c 下部ウエイト
5d ばね部材
6、6a、6b 物品投入シュート
7 ベルトコンベヤ
7a 第1ライン振動篩い機
7b 第2ライン振動篩い機
8 供給元ベルトコンベヤ
8a 第1ライン供給元ベルトコンベヤ
8b 第2ライン供給元ベルトコンベヤ
9 土台
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f 円形振動フィーダ
C 中心軸
M モータの回転振動方向
M1 モータ中心の振動伝播
M2 物品の搬送方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、該受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、
前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面に、基板の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、
この分散シュートの受け板の中心軸側上に前記物品が投入されることを特徴とする分散供給装置。
【請求項2】
前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の分散供給装置。
【請求項3】
前記分散シュートは、前記物品の特性にあった搬送速度になるように周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分散供給装置。
【請求項4】
前記分散シュートは、少なくとも底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分散供給装置。
【請求項5】
前記仕切壁は、それぞれ前記基板の中心軸から略放射線状に立設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の分散供給装置。
【請求項1】
振動手段の上部に取付けられた受け板を振動させて、該受け板上に投入された物品を周縁部に向けて搬送する円形振動フィーダを備えた分散供給装置であって、
前記受け板は、略円形又は多角形状の基板の上面に、基板の略半径方向に沿って適宜離隔し立設された少なくとも1対の仕切壁を有する分散シュートを備え、
この分散シュートの受け板の中心軸側上に前記物品が投入されることを特徴とする分散供給装置。
【請求項2】
前記分散シュートは、前記基板の上面に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の分散供給装置。
【請求項3】
前記分散シュートは、前記物品の特性にあった搬送速度になるように周縁部に向かって下り乃至上り勾配の調整可能な角度に傾斜されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分散供給装置。
【請求項4】
前記分散シュートは、少なくとも底面が周縁部方向に沿って下方に略凹状又は逆へ字状に屈曲形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分散供給装置。
【請求項5】
前記仕切壁は、それぞれ前記基板の中心軸から略放射線状に立設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の分散供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−155060(P2009−155060A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335968(P2007−335968)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000115500)ラサ工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000115500)ラサ工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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