説明

分析ディスクおよび分析ディスク装置

【課題】 患者本人や診断者が分析データを安全に保管することができるようにする。
【解決手段】 分析ディスク1は、試料溶液の分析が可能な分析領域2を備える。この分析ディスク1は、分析領域2がディスク径方向における外方側位置に配置され、分析領域2に対してディスク径方向における内方側位置に、情報を記録可能な記録領域3が配置され、分析領域2と記録領域3との間に、これら両領域を切り離すための分断用領域4が、ディスク中心と同心の円環状に形成されている。したがって、分析データを記録領域3に記録した後、不要となった分析領域2を記録領域3に対して分断用領域4から切り離すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料溶液を分析するための分析ディスクおよびその分析ディスクを使用する分析ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体試料の分析技術が著しく発展している。例えば、DNA、RNA、タンパク質などを分析する装置が次々と開発されている。しかしながら、アッセイ(分析)を迅速に、効率良く、正確にそして低コストで実施する装置の必要性がさらに増している。
【0003】
これに対して、コンパクトディスク(CD)やデジタルビデオディスク(DVD)の一部にアッセイ素子を取り込むことによって、CDやDVDに予め記録されているソフトウエアを読取り装置において読取りながら、そのソフトウエアに含まれるプロトコルを用いてアッセイ前からアッセイ後に至るプロセスを制御する装置が提案されている。
【0004】
例えば、特表2000−515632公報には、上記装置の一例として、バイオコンパクトディスクと呼ばれているディスクが開示されている。このディスクの平面図を図8に示す。
【0005】
図8に示すように、バイオコンパクトディスク80は、円周方向に区分されたアッセイセクタ81およびソフトウェアセクタ82を含んでおり、直径が20〜200mm、厚さが0.5〜3mmである。このバイオコンパクトディスク80は、従来のCD−ROMまたはDVD読取り装置に装填されて回転し、インキュベーション(incubation)や、電気泳動や、等電集束などを行うために、アッセイセクタ81上の適切な部位に試薬および試料を送り出すように回転速度が制御される。回転速度や回転のタイミング制御などのプロトコルは、ソフトウェアセクタ82に予め記録されている。
【0006】
上記のように、従来、CDまたはDVDを利用することによりコストの低減と遠心分離とが可能な装置が提案され、これにより患者治療拠点や家庭において、正確に試料のデジタル分析を行えるようになっている。
【特許文献1】特表2000−515632公報(平成12年11月21日公表)
【特許文献2】特開2003−66003公報(平成15年3月5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のバイオコンパクトディスク80では、アッセイされたデータを保管する方法が開示されておらず、治療拠点や家庭で分析した後に、データをカルテの一部として患者個人が保有し、他の病院での診断、治療に生かすことができない。なお、最も容易に思いつく方法としては、上記バイオコンパクトディスク80におけるソフトウェアセクタ82を、CD−ROMにおける読取り専用情報のセクタとせず、CD−RやCD−RWにおける記録可能な情報セクタによって代替することが考えられる。
【0008】
しかしながら、上記記録可能な領域(セクタ)に分析データを記録した場合、患者本人や診断者はそのバイオコンパクトディスクに搭載されたアッセイ素子(アッセイセクタ81)を一緒に保管あるいは携帯することになる。このため、アッセイに使用した試薬や病原菌などによる汚染が生じ、2次的な疾病の恐れがある。また、患者本人がバイオコンパクトディスクを安易に廃棄してしまうと環境汚染の恐れも生じる。また、患者本人ではなく治療拠点において保管する場合であっても、分析されたデータだけを保管すべきであり、アッセイ素子(アッセイセクタ81)を保管すると同様な問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、患者本人や診断者が分析データを安全に保管することができる分析ディスクおよび分析ディスク装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の分析ディスクは、試料溶液の分析が可能な分析領域を備えた分析ディスクにおいて、前記分析領域がディスク径方向における外方側位置に配置され、前記分析領域に対してディスク径方向における内方側位置に、情報を記録可能な記録領域が配置され、前記分析領域と記録領域との間に、これら両領域を切り離すための分断用領域が形成されていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、分析領域がディスク径方向における外方側位置に配置され、分析領域に対してディスク径方向における内方側位置に記録領域が配置され、分析領域と記録領域との間に、例えば分断用領域がディスク中心と同心の円環状に形成されているので、分析領域にて分析を行い、その分析結果である分析データを記録領域に記録した後、不要となった分析領域を、保管が必要な記録領域に対して分断用領域から切り離すことができる。この場合、分析データが記録された記録領域は、元の分析ディスクのサイズに対して小径化された小ディスクとすることができる。
【0012】
これにより、診断者や患者本人は、不要となった分析領域を所定の廃棄方法によって安全に処分することができ、保管を要する記録領域のみを安全に保管することができる。また、分析データが記録された記録領域は小ディスクとすることができるので、ディスク装置によって再生可能となる。
【0013】
なお、上記の分断処理は、分断用領域が設けられているので容易となる。また、分断処理には、例えば適当な分断装置を使用してもよい。
【0014】
上記の分析ディスクにおいて、前記分断用領域から切り離される、前記記録領域を含む小ディスクの直径が、光ディスクの規格径に設定されている構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、例えば、分析ディスク全体の直径をコンパクトディスクやデジタルビデオディスクの規格に準拠した12cmとし、分断用領域によって分断後の記録領域を含む小ディスクの直径を同規格の小径サイズ(8cm)と同じにしておけば、記録領域を含む小ディスクを市販のCD−ROM装置等にて再生可能となり、利便性が一層向上する。
【0016】
上記の分析ディスクは、前記分析領域の有無を識別するための識別部を前記分析領域に備えている構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、分析ディスク装置に分析ディスクを装填した場合に、分析ディスク装置は、識別部によって分析ディスクにおける分析領域の有無を判別することができる。したがって、分析領域がすでに切り離されている場合には、分析ディスクが記録領域のみの小ディスクであると判別可能である。即ち、その分析ディスクについては、分析が完全に終了したディスクであるか、あるいは分析が未終了のディスクであるかを判別することができる。これにより、分析終了済みの分析ディスクに対して誤って分析操作が行われる事態、あるいは分析が未終了の分析ディスクに対して誤って分析操作を拒否する事態、さらには誤って未分析データの再生動作を行う事態などの誤動作を防止することができる。
【0018】
上記の分析ディスクにおいて、前記記録領域は、光ピックアップにより情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、前記記録領域には光に対する反射膜が形成され、前記識別部は、前記反射膜が形成されている領域および形成されていない領域からなる構成としてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、識別部を簡単な構成とすることができ、かつ分析ディスクは、光ディスクに対してレーザ光を照射して記録あるいは再生を行う光ディスク装置に好適なものとなる。
【0020】
上記の分析ディスクにおいて、前記分析領域には分析に使用する電源を接続するための電源接続配線が形成され、この電源接続配線の接続端部がディスクの最外周部に配置されている構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、分析ディスクに対して分析に必要な電源を容易に供給することができる。なお、仮にディスク径方向における内方側位置に電源接続配線を備えた場合には、記録領域と分析領域とを切り離した後、記録領域に不要となった電源接続配線が残り、コンパクトディスクやデジタルビデオディスクの規格を満足できなくなる恐れがあり、データの記録や再生に支障が生じる。したがって、電源接続配線はディスクの最外周部に配置されるのが最も好ましい。
【0022】
上記の分析ディスクにおいて、前記分析領域には、独立して試料溶液の分析が可能な少なくとも1個の分析部が設けられている構成としてもよい。
【0023】
本発明の分析ディスク装置は、上記の分析ディスクを使用し、前記分析領域での分析後のデータ、および前記分析部が使用済みであるか否かを示す登録情報を上記記録領域に記録するための記録手段と、前記記録領域を再生する再生手段と、この再生手段にて再生された前記登録情報を出力する出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、分析ディスクの記録領域に記録された登録情報に基づいて未使用の分析部を特定することができるので、誤って使用済みの分析部において分析が行われる事態を防止可能である。また、全ての分析部が使用済みとなった場合には、記録領域と分析領域の切り離しを許可することも可能となる。即ち、分析部が全て使用された分析ディスクにおいて、記録領域と分析領域を切り離し、所定の廃棄方法によって安全に処分することができ、保管を要する記録領域のみを患者本人や診断者が安全に保管できる。
【0025】
本発明の分析ディスク装置は、上記の分析ディスクを使用し、前記分析領域での分析後のデータ、および前記分析部が使用済みであるか否かを示す登録情報を上記記録領域に記録するための記録手段と、前記記録領域を再生する再生手段と、前記再生手段にて再生された前記登録情報により未使用の分析部の有無を判別し、未使用の分析部が存在する場合に、その未使用の分析部が有効であることを示す情報を出力する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、例えば同一の患者に対して定期的な診断分析が行われる場合に、登録情報に基づいて未使用の分析部を特定できるので、その分析部において分析を行い、分析データをその記録領域に記録することができる。また、次回の定期的な診断分析の際に、同じ分析ディスクに対して、残っている未使用の分析部において同様に分析を行い、分析データを記録領域の空領域に記録することができる。このような処理を定期健診において順次繰り返せば、分析ディスクの分析部を全て使用した後に、記録領域において患者本人だけの定期診断の結果を蓄積することができる。
【0027】
なお、記録領域の消去や書き換えを禁止しておけば、誤って定期診断の結果を消去したり書き換えたりすることがない。この消去や書き換えの禁止動作は、ソフトウエアでもハードウエアでも実施可能であるが、特に、記録領域がCD−RやDVD−Rなどの追記録型の媒体であれば、ハードウエア的な禁止機能が付加されるため、データの安全性がよりいっそう向上する。
【0028】
本発明の分析ディスク装置は、上記の分析ディスクを使用し、前記識別部により分析ディスクにおける前記分析領域の有無を識別する識別手段を備えていることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、識別手段の動作により、分析ディスクについて分析領域の有無を識別することができる。したがって、分析ディスクについて、分析領域が切り離されて記録領域のみとなった小ディスクであるか否か、即ち分析が全て終了した分析ディスクであるか、あるいは分析が未終了のディスクであるかを識別することができる。これにより、分析終了済みの分析ディスクに対して誤って分析操作が行われる事態、あるいは分析が未終了の分析ディスクに対して誤って分析操作を拒否する事態などの誤動作を防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の分析ディスクは、前記分析領域がディスク径方向における外方側位置に配置され、前記分析領域に対してディスク径方向における内方側位置に、情報を記録可能な記録領域が配置され、前記分析領域と記録領域との間に、これら両領域を切り離すための分断用領域が形成されている(例えばディスク中心と同心の円環状に形成されている)構成である。
【0031】
これにより、診断者や患者本人は、分析が終了して不要となった分析領域を記録領域から切り離し、所定の廃棄方法によって安全に処分することができ、かつ保管を要する記録領域のみを安全に保管することができる。また、分析データが記録された記録領域は小ディスクとすることができるので、ディスク装置によって再生可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の形態を図1から図7に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施の形態における分析ディスク1を示す平面図である。分析ディスク1は、分析領域2、記録領域3および分断用領域4を備えている。分析ディスク1において、分断用領域4は細い幅の円環状に形成され、分断用領域4に対する径方向の内側領域は記録領域3となり、外側領域は分析領域2となっている。
【0033】
分断用領域4は連結部4aと切欠き部4bとからなる。連結部4aは、分析領域2と記録領域3とを連結するものであり、円周方向において複数個が分散して形成されている。これら連結部4aと隣の連結部4aとの間は切欠き部4b、即ち空間となっている。したがって、分析ディスク1は、切欠き部4bによって記録領域3と分析領域2とに分離され、これら記録領域3の部分と分析領域2の部分とが連結部4aによって連結されている。
【0034】
連結部4aはカッターなどの刃物で容易に切断でき、この切断により分析ディスク1を記録領域3と分析領域2とに切り離すことができる。なお、記録領域3と分析領域2との切り離しには専用の切断装置を使用することもできる。この場合、分断用領域4の構造は上記のものに限定されず、上記切断装置によって切断可能な領域として形成されていればよい。
【0035】
記録領域3には光ディスクの記録媒体が成膜されており、この記録媒体に対して分析後に分析データを記録できるようになっている。記録領域3には、通常の光ディスクと同様に、記録媒体(例えば多層膜構造もの)の他に、トラッキング用のグルーブや番地情報などが例えば凹凸形状にて記録されている。記録媒体の材料としては、CD−RやDVD−Rなどに使われている色素材料や、CD−RWやDVD−RWなどに使われている相変化材料などを使用可能である。
【0036】
記録領域3に記録された分析データの改ざんを防止するには、記録領域3に対する消去や書き換えを禁止すればよい。これについてはソフトウエアもしくはハードウエアの手法により可能である。特に、CD−Rに使われるような追記型の媒体を使用すれば、ハードウエアによる禁止機能も加わるため、よりセキュリティ機能が向上する。
【0037】
分析領域2は、分析ディスク1の中心から放射状に配置された複数の分析チップ(分析部)5x,5x,・・・を備えている。本実施の形態の分析ディスク1では、例えば8つの分析チップ5xが搭載されている。図示しないが、各分析チップ5xには番号が割り当てられ、この番号を参照して分析チップ5xの使用済みのものと未使用のものとを区別できるようになっている。
【0038】
図1では、分析チップ5xの一例として、それが電気泳動チップである場合を示している。この分析チップ5xは、液溜5a〜5dと泳動路5eとからなる泳動分析部5を備えている。この電気泳動チップの構造は、一般に使われている構造であり、例えば特開2003−66003公報(平成15年3月5日公開)に分析例と共に開示されている。
【0039】
泳動路5eは、溝状に形成され、分析ディスク1の径方向に延びる第1泳動路5e1とこの第1泳動路5e1に直交する方向に延びる第2泳動路5e2とからなり、これらが十字形をなすように配置されている。液溜5a〜5dは、泳動路5eの4個の端部に泳動路5eと連通するように各1個が配置されている。即ち、第2泳動路5e2の一端部に液溜5a、他端部に5cが配置され、第1泳動路5e1の一端部に液溜5b、他端部に5dが配置されている。
【0040】
泳動路5eの幅および深さは数μm〜数百μmであり、液溜5a〜5dの直径は数百μm〜数mmである。このように細い泳動路5eは一般にマイクロキャピラリと呼ばれている。泳動路5eは、後述するようにカバー層によって密閉されている一方、液溜5a〜5dは、バッファ溶液やサンプル溶液が注入されるため、分析ディスク1の表面に露出している。
【0041】
また、本実施の形態では、液溜5a〜5dに接続された電極(電源接続配線)6a〜6cが記録領域の最外周部(分析ディスク1の最外周部)に引き出して形成され、それら電極端部に後述するディスク分析装置からコネクタを介して電気泳動用の電源が供給される。具体的には、液溜5aに電極6a、液溜5bに電極6b、液溜5cに電極6c、液溜5dに電極6dがそれぞれ接続されている。
【0042】
なお、本実施の形態では、分析ディスク1の分析領域2が有する分析チップ5xとして電気泳動チップの例を示しているが、これに限らず分析チップ5xとしてはその他にインキュベーションや、カラムクロマトグラフィーなどのチップに置き換えても良い。
【0043】
図2は、分析領域2における泳動路5eと液溜5b(または液溜5d)の断面を示す斜視図である。なお、同図では、説明の便宜上、泳動路チップ5xの全体は図示せず、その一部として、泳動路5eと液溜5b(または液溜5d)の断面を示している。
【0044】
図2に示すように、分析ディスク1は、基本的にプラスチックの基板41にプラスチックのカバー層42を接着剤で張り合わせた構造である。基板41の厚みは1.2mmあるいは0.6mm、カバー層の厚みは0.1mmである。基板41には上述した泳動路5eと液溜5b(または液溜5d)とが成型加工されている。さらに、泳動路5eにおける分析後のバンドを光ビームaで検出するために、光ビームaを誘引走査するための案内溝(グルーブ)43,43,・・・が形成されている。
【0045】
案内溝43の深さおよび幅は、例えば光ビームaの波長が400nm、光ピックアップ(記録手段、再生手段)7における対物レンズの開口数が0.65の場合、幅が400〜600nm、深さが40〜50nmである。また、基板41には、光ビームのフォーカスサーボやトラッキングサーボを行うために、反射光を光ピックアップ7に返すための反射膜44が成膜されている。
【0046】
なお、泳動路5eの下部には反射膜44を成膜しないため、電気泳動のための電界が反射膜44によって乱されることがない。また、上記の反射光の強度を光ピックアップ7にて検出すれば、反射膜44の有無を判断できる。具体的には、反射光は、反射膜44によって反射されれば強く、反射されなければ弱くなるので、記録領域2に反射膜44を設けておけば、この反射膜44がある領域と無い領域における反射光の相対的な差によって分析領域2の有無を知るための識別手段となり得る。これに限らず、後述する記録領域3へ記録する登録情報の中に分析領域2の有無の情報を含め、登録情報と一緒に記録しておけば、登録情報を読み出したときに分析領域2の有無を知ることもできる。即ち、光ピックアップ7からの光ビームaによって、分析領域2を伴った分析ディスク1であるか、あるいは分析領域2を切り離した後の記録領域3のみを備える分析ディスク1であるかを判別できる。したがって、分析が全て終了し、未使用の分析チップ5xが存在しない分析ディスク1であるか、あるいは分析が未終了であって、未使用の分析チップ5xが残っている分析ディスク1であるかを判別できる。これにより、分析ディスク装置が、分析を終了した分析ディスク1に誤って分析操作を行うこと、あるいは分析が未終了の分析ディスク1の分析操作を誤って拒否することなどの誤動作を防止することができる。
【0047】
図3は、ディスク分析装置における、上記分析ディスク1を装着した状態のターンテーブルの要部を示す斜視図である。分析ディスク1は、ターンテーブル11に載せられ、コネクタ9,9,・・・によってターンテーブル11に固定される。コネクタ9は、便宜上3つのみ示しているものの、実際には分析チップ5xと同数の搭載されている。コネクタ9は、分析ディスク1の最外周部に引き出して配線された電極6a〜6dに接続され、ケーブル10,10,・・・を介して電源電圧が供給される。ターンテーブル11はスピンドルモータ12によって所定の回転速度で回転される。
【0048】
図4は、本発明の分析ディスク装置の要部を示すブロック図である。図3に示した光ピックアップ7は、図4に示すように、光ピックアップ要部51と対物レンズ52と対物レンズアクチュエータ53とを備えている。光ピックアップ要部51は、図示しない半導体レーザ、コリメートレンズ、ビームスプリッタおよびフォトディテクタなど、半導体レーザから出射されたレーザビームを対物レンズ52を介して分析ディスク1に照射するとともに、対物レンズ52を介して入射した分析ディスク1からの反射光に基づいて再生信号を得るための周知の構成を備えている。
【0049】
光ピックアップ要部51の半導体レーザから出射されたレーザビームaは、光ピックアップ内の対物レンズ52によって分析ディスク1に集光される。集光スポットは、分析領域2では反射膜44に焦点を結ぶようにフォーカスサーボが行われる。これにより、トラッキング用の案内溝43に導かれて光ビームaが泳動路5e上の所望の検出位置にアクセスし、走査される。また、案内溝43と泳動路5eの底面がほぼ同一平面であるので、泳動路5eにも焦点を結ぶことができ、高感度の分析検出が可能である。
【0050】
記録領域3においては、上記反射膜44と同一面内に記録媒体60が成膜されているので、光ビームaは記録媒体60にも焦点を結び、高密度のデータ記録が可能である。記録領域3においても上記案内溝44と同様な案内溝(図示せず)が形成されている。この案内溝にトラッキングを行いながら、記録再生をする技術は、従来の光ディスクの技術の範疇であり、よく知られているため、説明は省略する。
【0051】
分析ディスク1からの反射光は、光ピックアップ要部51のフォトディテクタにて電気信号に変換される。このフォトディテクタは、よく知られているサーボ用の分割ディテクタと情報読み取り用のディテクタとを含んでいる。サーボ用の分割ディステクタの出力信号bはサーボ回路55に送られ、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うために、誤差信号hが対物レンズアクチュエータ53にフィードバックされる。情報読取り用のディテクタの出力信号jは、光ビームaが分析領域2を走査している時は電気泳動のバンドの検出光量を変換した電気信号となり、光量検出回路57へ送られて分析データdをメモリ58へ送って記憶する。また、上記出力信号jは、光ビームaが記録領域を走査している時は記録領域に記録された分析データやその他の登録情報を読み出した信号となり、データ記録再生回路54に入力されて、再生データや登録情報eがコントローラ(出力手段、制御手段、識別手段)56へ送られる。なお、分析データや登録情報の記録時は、データ記録再生回路54から記録信号cが光ピックアップ要部51に送られ、内蔵された半導体レーザから記録レーザパルスが分析ディスク1の記録領域に照射され、記録が行われる。
【0052】
コントローラ56は、以下の通り各種の制御を行う。まず、メモリ58との間で命令信号や記憶データkをやり取りしながら、後述するように分析データの出力を行う。また、電気泳動電源供給回路59に命令信号fを出力して、電源電圧iをコネクタ9に送出し、図3に示したように液溜に電源電圧iを供給し、電気泳動のプロセスの制御を行う。また、データ記録再生回路54へ命令信号eを送り、記録領域3に保管された分析データや登録情報の再生や、メモリ58に記憶された分析データの記録領域3へ記録を行う。また、再生された登録情報に従って、未使用の分析チップ5xの番号を出力する出力手段を兼ねる。さらに、登録情報に従って、未使用の分析チップ5xを有効とし、分析を開始する制御手段も兼ねる。また、サーボ回路へ命令信号gを送り、記録領域3における適切なトラックへ光ビームaをアクセスさせる。
【0053】
また、コントローラ56は、分析時において、分析領域2における泳動路5eの所望の検出位置へ光ビームaをアクセスして、分析データを検出する。このとき、分析ディスク1に分析領域2が接続されたままであるか、あるいは切り離されて記録領域3のみであるかを、光ピックアップ7への反射光量信号に基づいて事前に判定する手段も兼ねる。この動作の説明は、図2における反射膜44からの反射光の検出を用いて説明したので省略する。
【0054】
上記の構成において、分析プロセスでは、バッファ溶液を図1に示した液溜5a〜5dに注入し、その後サンプル溶液を液溜5aに注入して、まずは電極6aを+電圧電源(数十〜数百ボルト)に接続し、電極6cをグランドに接続する。この時、電極6bと電極6dは開放しておく。これにより、液溜5aに+電圧(数十〜数百ボルト)が印加され、液溜5cにゼロボルトが印加され、注入されたサンプルは泳動路5e(マイクロキャピラリ)の中を液溜5aから液溜5cに向かって泳動する。
【0055】
次に、サンプル溶液に含まれるサンプル(たとえばDNA)が泳動路5eにおける十文字の交点に到達したら、電極6bを+電圧電源(数十〜数キロボルト)に接続し、電極6dをグランドに接続する。また、電極6aと電極6cは開放する。したがって、電気泳動用の電極を、電極6aと電極6cから、電極6bと電極6dに切り替えることになる。これにより、液溜5bに+電圧(数十〜数キロボルト)が印加され、液溜5dにゼロボルトが印加され、注入されたサンプルは泳動路5eの中を液溜5bから液溜5dに向かって泳動する。このようなマイクロキャピラリにおける電気泳動分析の原理は良く知られているため、詳細な説明は省略する。
【0056】
分析領域2にて電気泳動が終了すると、図3において分析ディスク装置が備える光ピックアップ7が分析領域2に移動し、光ビーム(レーザビーム)aによって、泳動されたバンドの検出を行う。サンプルは通常蛍光分子が結合しており、レーザ光などの光源によって発光させ、光ピックアップ要部51内の波長選択フィルターによって分離検出が行われる。検出されたデータは後述するようにメモリに蓄えられ、分析プロセスは終了する。
【0057】
分析ディスク装置では、分析プロセスが終了すると記録プロセスに移る。この場合、光ピックアップ7は、記録領域3に移動し、光ビームaによって上記の分析データを記録領域3に記録する。このとき、分析日時、サンプル詳細情報、使用された分析チップ5xの番号が一緒に付加されて登録される。例えば、一人の患者の血液についての定期診断を行った場合、8回分の定期診断の結果が順次記録領域に記録される。8回の定期診断が終わると、未使用の分析チップ5xがなくなるため、分析ディスク1において分析領域2は不要となり、記録領域3のみを保存すればよい。
【0058】
不要となった分析領域2は、図5に示すように、分断用領域4において連結部4aを切断することにより、記録領域3と切り離される。この切り離し作業は、手作業で行っても良いし、専用の切り離し器具を使用して行っても良い。
【0059】
なお、分析ディスク1の全体の直径(分析領域2を含む直径)をコンパクトディスクやデジタルビデオディスクの規格に準拠したサイズである12cmとし、記録領域3の直径(分析領域2から切り離された後の直径)を同規格の小径サイズである8cmとしておけば、分析データが記録された小径サイズの保存ディスク(記録領域3)を市販のCD−ROM装置やDVD−ROM装置などにて再生でき、利便性が一層向上する。また、保存ディスク(記録領域3)はサイズが小さいため、携帯や保管などにも適している。
【0060】
上記の分析ディスク1を使用した場合、上記の診断分析が専門の検査機関だけでなく広く一般家庭に普及すれば、家庭にて患者本人や介護者自らが定期的に分析し、8回分の定期検査の結果である小径ディスクのみを病院に持参して、診断を受けることが可能となり、患者や介護者の肉体的、心理的負担を大幅に軽減できる。
【0061】
図6は、分析ディスク装置におけるコントローラ56の動作を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、分析ディスク装置により分析ディスク1の分析が開始されると(S1)、まず分析ディスク1が分析領域2を備えているかどうかを検出する(S2)。これは、上述したように光ビームaが記録領域2における反射膜44に照射された時の所定の反射光量を検出できたかどうかに基づいて判断できる。即ち、分析ディスク1において、分析領域2が存在する場合には反射膜44の有無によって高いレベルの反射光量と低いレベルの反射光とが検出され、分析領域2が切り離されていて存在せず、記録領域3のみとなっている場合には、低いレベルの反射光量のみが検出されることにより、分析領域2の有無を判断できる。
【0062】
分析ディスク1において分析領域2がなく記録領域3のみのであれば、分析不可の表示を行って動作を終了する(S19)。これにより、分析領域2がない分析ディスク1に対して誤ってサンプル注入を行うなどの誤動作を防止することができる。
【0063】
分析ディスク1において分析領域2が存在する場合には、記録領域3へピックアップ7を移動させ(S3)、登録情報の読み出しを行う(S4)。登録情報により、未使用の泳動路5e(分析チップ5x)がないと判定した場合には、使用済みの表示を行い(S17)、分析領域2の切り離しの指示を表示して(S18)、処理を終了する(S19)。これにより、未使用の泳動路5eが無いにも関わらず、誤って使用済みの泳動路5eにサンプルを注入して、残留サンプルにより誤った分析データが検出される事態を防止することができる。
【0064】
S5において未使用の泳動路が存在する場合には、未使用の泳動路5e(分析チップ5x)の番号を表示し(S6)、サンプル注入の指示を表示する(S7)。この指示に従い、検査者が手作業でサンプル注入を行う。なお、完全にロボット化されている場合には、自動的にサンプル注入が行われる。
【0065】
その後、電気泳動が行われる(S8)。このとき、電気泳動電源供給回路59から所望の電圧がコネクタ9を介して電気泳動チップ(分析チップ5x)へ供給され、電気泳動が行われる。
【0066】
電気泳動が終了すると、分析領域2へピックアップ7を移動させ(S9)、泳動パターンのバンドを分析データとして検出する。この場合、例えば電気泳動で分析可能なDNAの分析データが検出される(S10)。検出データは、メモリへ一時的に記憶され(S11)。
【0067】
次に、記録領域3へ光ピックアップ7を移動させ(S12)、メモリへ一時的に記憶された分析データと、使用した泳動路5e(分析チップ5x)の番号や分析日時などを記録領域3へ登録する(S13)。登録が終了すれば分析終了の表示を行う(S14)。
【0068】
その後、未使用の分析チップ5xがまだ残っているか否かを判定し(S15)、残っていない場合には使用済みの表示を行う(S17)。一方、未使用の分析チップ5xが残っている場合には、その残数を表示して(S16)、処理を終了する(S19)。
【0069】
上記のように、未使用の分析チップ5xあるいは使用済みの分析チップ5xの番号を、分析データと共に記録領域3に登録しておけば、次回の分析時に、事前に再生された登録情報に基づいて、未使用の分析チップ5xを有効とし、分析プロセスを行うことができる。
【0070】
例えば、同一の患者において、定期的な診断分析を行う場合に、登録情報に基づいて、未使用の分析チップ5xにおいて分析を行い、分析データを記録領域3に記録する。次回は、同じ分析ディスク1において、残っている未使用の分析チップ5xを使用して分析を行い、分析データを記録領域3における空きの領域に記録する。これを定期診断ごとに順次繰り返せば、分析ディスク1の分析チップ5xを全て使用した後に、記録領域3と分析領域2とを切り離し、記録領域3には患者本人だけの定期診断の結果を保存することができる。さらに、記録領域3の消去や書き換えを禁止しておけば、誤って定期診断の結果を消去したりや書き換えすることがない。この消去や書き換えの禁止動作は、ソフトウエアでもハードウエアでも実施可能であり、特に、記録領域がCD−RやDVD−Rなどの追記録型の媒体であれば、ハードウエア的な禁止機能が付加されるため、分析データの安全性がより一層向上する。
【0071】
図7(a)(b)は、この定期診断に必要なフローについて、図6におけるS6とS14を、それぞれS6’とS14’に置き換えて説明する図である。S6’では、図6における未使用分析チップ5xの表示の動作(S6)に加えて、患者名表示、検査履歴表示、過去の分析データ表示を行う。また、S14’では、図6における分析終了の表示の動作(S14)に加えて、患者名表示、検査履歴表示、過去の分析データ表示、次回の検査予定日の表示を行う。このような処理により、定期的な診断において、同じ分析ディスク1を使用し、残っている未使用の分析チップ5xにおいて分析を行い、分析データを記録領域3における空きの領域に記録していけば、毎回、診断の進捗状況を確認することができる。また、分析チップ5xを全て使用した後に、記録領域3と分析領域2とを切り離し、記録領域3には患者本人だけの定期診断の結果を保存することができる。また、保存した小径ディスク(記録領域3)は、患者本人や診断者が安全に保管できる。
【0072】
以上の実施例では、分析チップ5xが8つの例を示したが、定期診断が8回以内で終了するとは限らない。即ち、一枚の分析ディスク1で終了するとは限らない。8回を超えた診断となった場合は、まず8回分の分析データと登録情報を2枚目の未使用の分析ディスク1における記録領域3に複製し、その後に、この未使用ディスクにて9回目の分析を行って、記録領域3に追加記録する。このとき、9回目の定期診断であることを登録するために、回数に8を足して登録する必要がある。これを、順次3枚目以降の分析ディスク1においても継続すれば、記録領域3の容量が一杯になるまで定期診断が可能である。
【0073】
なお、定期診断において、1枚の分析ディスク1には一人の患者の分析やデータの記録を行う。もし、1枚の分析ディスク1に複数の患者の分析データが記録されると、患者本人が分析データを個人データとして保管できなくなる。将来、カルテを患者本人が保管、管理するシステムに移行する場合を想定すると、1枚の分析ディスク1には一人の患者の分析およびデータ記録を行う必要がある。
【0074】
分析ディスク1を使用して分析を行う場合には、上記登録情報に基づき、個人認証データ(名前を含む)を含めて、本人であるか否かを確認する。これにより、本人以外の患者の分析や分析データの記録が行われることはない。
【0075】
上述の実施の形態では、分断用領域4を備える分析ディスク1について示したが、複数の分析ディスク1にわたる登録情報の追加更新や、登録情報に基づく未使用の分析チップ5xだけの分析操作の制御などは、分断用領域4を備えなくとも有効な発明である。
【0076】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の分析ディスクおよび分析ディスク装置は、高精度の診断を容易に安価で行うために、光ディスクの技術と生体分析チップの技術を融合させ、患者の住居の近所にある治療拠点あるいは、患者の居住する家庭内において、身近なデジタル医療分析機器を普及させることに大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態における分析ディスクの構成を示す平面図である。
【図2】図1に示した分析領域における泳動路と液溜との断面を示す斜視図である。
【図3】図1に示した分析ディスクを使用するディスク分析装置における、分析ディスクを装着した状態のターンテーブルの要部を示す斜視図である。
【図4】図1に示した分析ディスクを使用するディスク分析装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した分析ディスクにおいて、使用済みの分析領域を切り離し、記録領域のみを保管できることの説明図である。
【図6】図4に示した分析ディスク装置における分析およびデータの記録動作を説明するフローチャートである。
【図7】図7(a)は図6に示したS6の他の動作を示すフローチャート、図7(b)は図6に示したS14の他の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来のバイオコンパクトディスクの構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 分析ディスク
2 分析領域
3 記録領域
4 分断用領域
4a 連結部
4b 切欠き部
5e 泳動路
5a〜5d 液溜
5x 分析チップ(分析部)
6a〜6d 電極(電源接続配線)
7 光ピックアップ(記録手段、再生手段)
44 反射膜
56 コントローラ(出力手段、制御手段、識別手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液の分析が可能な分析領域を備えた分析ディスクにおいて、
前記分析領域がディスク径方向における外方側位置に配置され、前記分析領域に対してディスク径方向における内方側位置に、情報を記録可能な記録領域が配置され、前記分析領域と記録領域との間に、これら両領域を切り離すための分断用領域が形成されていることを特徴とする分析ディスク。
【請求項2】
前記分断用領域から切り離される、前記記録領域を含む小ディスクの直径が、光ディスクの規格径に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の分析ディスク。
【請求項3】
前記分析領域の有無を識別するための識別部を前記分析領域に備えていることを特徴とする請求項1に記載の分析ディスク。
【請求項4】
前記記録領域は、光ピックアップにより情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、前記記録領域には光に対する反射膜が形成され、前記識別部は、前記反射膜が形成されている領域および形成されていない領域からなることを特徴とする請求項3に記載の分析ディスク。
【請求項5】
前記分析領域には分析に使用する電源を接続するための電源接続配線が形成され、この電源接続配線の接続端部がディスクの最外周部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の分析ディスク。
【請求項6】
前記分析領域には、独立して試料溶液の分析が可能な少なくとも1個の分析部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分析ディスク。
【請求項7】
請求項6に記載の分析ディスクを使用し、
前記分析領域での分析後のデータ、および前記分析部が使用済みであるか否かを示す登録情報を上記記録領域に記録するための記録手段と、
前記記録領域を再生する再生手段と、
この再生手段にて再生された前記登録情報を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする分析ディスク装置。
【請求項8】
請求項6に記載の分析ディスクを使用し、
前記分析領域での分析後のデータ、および前記分析部が使用済みであるか否かを示す登録情報を上記記録領域に記録するための記録手段と、
前記記録領域を再生する再生手段と、
前記再生手段にて再生された前記登録情報により未使用の分析部の有無を判別し、未使用の分析部が存在する場合に、その未使用の分析部が有効であることを示す情報を出力する制御手段とを備えていることを特徴とする分析ディスク装置。
【請求項9】
請求項3に記載の分析ディスクを使用し、
前記識別部により分析ディスクにおける前記分析領域の有無を識別する識別手段を備えていることを特徴とする分析ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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