説明

分析液の自動調整装置

【課題】本発明は、試料溶液の濃度等を自動的に調整してオンライン供給する装置に関し、供給経路に試料溶液が残存するメモリーの問題を解消しつつ、試料溶液の逆流等も生じにくいものを提供する。
【解決手段】本発明は、分析対象の試料溶液の供給流路と、希釈液の供給流路と、試料溶液を濃度調整して得られる分析液を分析装置に供給する流路と、を備え、分析装置への分析液供給量と、希釈液供給量との差に応じて生じる負圧によって、試料溶液が流動することを特徴とする分析液の自動調整装置に関する。また、本発明は、分析液の流量センサー及び内標準液の供給流路を備え、微少量の内標準液も、正確に早く安定した液量で分析液に供給できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料溶液の濃度等を自動的に調整して分析装置にオンライン供給する装置、及び当該分析液の自動調整方法に関し、特に、高周波誘導結合プラズマによる質量分析(ICP−MS)や発光分光分析(ICP−AES)に好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析や発光分光分析等の各種分析では、比較分析手法が行われる。具体的には、標準液を測定し、最小二乗法で目的物質の濃度に対する測定強度の検量線を作成し、その検量線に基づいて、分析目的とする試料を測定した場合の強度との関係で、試料中に含まれる目的物質の濃度を算出する方法がある。この手法では、検量線の濃度範囲が広いほど、試料として測定可能な濃度も広範囲となり便利であるが、一方、検量線の濃度範囲が広すぎると、低濃度域における精度が悪くなる。このため、通常は、測定の目的とする濃度が検量線の濃度範囲の中心あたりになるよう検量線を作成する。
【0003】
このような検量線を用いた分析では、分析する試料の濃度が検量線の濃度範囲を超える場合が問題となる。例えば、土壌試料等の環境分析では、自然環境に由来する試料中に含まれる目的物質の濃度が、しばしば検量線の範囲を超えることがあり、公定法では、このような場合、試料を希釈してから再測定するよう定められている。かかる試料を希釈する方法としては、分析者による手動希釈や、オートサンプラーとシリンジポンプを組み合わせて希釈する方法も可能ではあるが、試料数が多い場合には作業効率の問題が生じる。
【0004】
このため、分析する試料溶液の希釈から分析装置への供給をオンラインで行う種々の装置が提案されている。例えば、試料溶液を供給するペリスタルティックポンプと希釈液を供給するペリスタルティックポンプの回転駆動を制御することで、希釈倍率を調整する装置が開示されている(特許文献1)。このように従来の希釈装置は、試料溶液と希釈液を双方ともポンプで供給するものであり、試料の希釈倍率を精度よく維持するためには、これら2つのポンプの流量を正確に制御する必要があった。しかし、特許文献1のようにペリスタルティックポンプを用いる場合はチューブの伸縮により流量誤差が生じやすいなど、従来の装置では2つのポンプの流量を正確に制御できるものが提供されておらず、希釈倍率を精度良く維持できるものでなかった。
【0005】
このため、2つのポンプを用いた場合の流量誤差による問題を解決すべく、希釈液を、ポンプによらず分析装置の吸引力によって供給する装置が開示されている(特許文献2)。この装置では、希釈倍率を調整するに際し、あらかじめ測定装置に吸引される希釈液の流量を測定した上で、その流量に応じて、試料溶液をポンプにより流量制御して供給するものである。この装置では、希釈液をポンプを用いずに供給するため、特許文献1のような2つのポンプを用いる場合の問題を解決できるものの、その一方で、希釈濃度によっては試料溶液が希釈液側に逆流してしまうことがある。このように、逆流した試料溶液が希釈液に混入してしまうと、その後の希釈において、既に試料溶液が混入した希釈液を用いることになり、目的とする希釈倍率に調整することが困難になる。また、試料溶液を希釈せずに測定したい場合に、意図せず希釈液まで吸引されてしまうことがあった。この場合、調整した分析液が意図せずに希釈されたものになるため、定量結果が実際の値よりも低いものとなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−006788号公報
【特許文献2】特表2005−535894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように従来の装置は、希釈倍率を精度よくできないものであったり、希釈液が試料溶液側に流れ込む場合等があった。また、特許文献2には、試料溶液の供給量を精密に制御可能とすべく、ピストンタイプのポンプを用いることが記載されているが、ピストンポンプを用いた場合、ポンプ内のデッドボリューム部分に試料溶液が残留しやすいため、その後に測定する試料が汚染される、いわゆる「メモリー」を生じやすい。このようなメモリーを生じると、デッドボリューム内の試料を完全に除去するまで、相当量の洗浄液を供給して洗浄する必要があり、特に複数種類の試料を順次分析したい場合などに作業効率の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、分析対象の試料溶液を供給する第1の流路と、試料溶液の濃度を調整する希釈液を供給する第2の流路と、試料溶液を濃度調整して得られる分析液を分析装置に供給する第3の流路と、を備える分析液の自動調整装置において、第1の流路と第3の流路とが連通し、第2の流路と第3の流路とが連通しており、第3の流路から分析装置へ分析液を供給する量と、第2の流路から第3の流路へポンプにより希釈液を供給する量との差に応じて第1の流路に生じる負圧によって、試料溶液が第3の流路へ流動するものに関する。
【0009】
本発明の第1の流路では、負圧によって試料溶液が供給されるため、試料溶液の供給経路である第1の流路及び第3の流路において、試料溶液の残存しやすいポンプを排除することができ、メモリーの問題を解消できる。また、試料溶液が希釈液側に逆流してしまうことがなく、試料溶液を希釈せずに測定する場合にも、希釈液が吸引されてしまうという問題がない。
【0010】
第3の流路は、分析液を分析装置へ導入するためのネブライザー等と接続させることができ、ネブライザー等の吸引により分析液を供給する流動を発生させることができる。この場合、第3の流路における分析液の流量と、第2の流路における希釈液のポンプによる供給量との差に応じて、第1の流路に負圧が発生することとなる。ネブライザーの種類によっては、分析液を定量的に微少量供給することが必要な場合もあるため、第3の流路にポンプを配置した構成としても良いが、ポンプの種類としてはメモリーの発生しにくいものを採用することが好ましい。メモリーの発生しにくいポンプとしては、チューブタイプの非容積式ポンプが挙げられ、このようなポンプでは、分析液のメモリーが発生した場合にも、比較的少量の洗浄液で残留する分析液を除去できる。
【0011】
次に、本発明における第2の流路においては、希釈液の供給手段としてポンプを必須の構成とする。第2の流路のポンプとしては、公知の種類のポンプを採用できるが、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、シリンジポンプ等の容積式ポンプを採用することが好ましい。希釈液の供給流量を比較的正確に維持できるからである。また、ポンプの種類は、ピストンポンプやプランジャーポンプよりも流量安定性の高いシリンジポンプとすることが、さらに好ましい。ピストンポンプ等は、上下動の切り替えの際に流量が不安定になる場合があるためである。
【0012】
また、本発明の装置では、第3の流路に分析液の流量を測定する流量センサーを備えることができる。このような流量センサーにより、試料溶液の正確な希釈濃度を算出することができ、分析液をオンラインで自動調整しても、分析結果の正確性を維持可能となる。具体的には、第3の流路における分析液の流量と、第2の流路における希釈液の供給量に基づき、試料溶液の正確な希釈濃度を算出して分析結果を補正できる他、第3の流路における分析液の流量に従い、第2の流路における希釈液の供給量を調整する制御装置を備えることも可能である。この点、第3の流路ではポンプを備えない構成とする場合、希釈液の供給量を変化させて希釈濃度を調整すると、第3の流路における流路抵抗が変化しやすい傾向があるため、流量センサーによる補正が特に有効になる。
【0013】
また、本発明の装置は、第3の流路に内標準液を供給する第4の流路を備えるものとすることができる。「内標準液」は、質量や発光強度等が既知の物質を1又は複数混合したものである。分析装置は、分析液に含まれる目的物質以外の成分であるマトリックス等の影響や、分析装置自体のドリフトにより感度の減感や増感を生じることがあるため、内標準液を用いることにより、装置の感度変化による測定結果の誤差を補正することができる。尚、検量線を作成する場合に用いられる「標準液」は、分析対象の元素を用いたものであるのに対し、「内標準液」は、分析対象の元素とは異なるものを、検量線用の標準液及び分析液の両溶液に、同じ濃度になるよう添加し、装置の増感変化を補正するものである点で異なる。
【0014】
そして本発明では、特に、流量センサーで測定した分析液の流量に応じて内標準液を添加できる。このため、分析中、常に一定の添加割合となるように内標準液をオンライン添加した分析液を自動調整できるという特徴を有する。本発明の装置で調整した分析液を分析した場合、分析装置による測定結果のうち、内標準液の含有物質に由来する結果の信号強度は、分析中において、分析装置の感度変化がなければ、常に安定した一定値として測定できる。よって、分析の目的物質についての測定結果を解析する際、内標準液の含有物質に由来する信号強度の変化を観察することで、分析装置に感度変化が生じた場合における分析装置の感度変化分の信号強度を補正して、正確な分析結果を得ることができる。このように、本発明によれば、試料溶液の濃度のみならず、内標準液の添加割合も所定範囲内となるように分析液を自動調整することができるため、分析結果の正確性を向上させることができる。
【0015】
以上のように本発明は、第4の流路より第3の流路に内標準液を供給するものであるが、単純に第4の流路を第3の流路と連通させた構成とした場合には、第3の流路を流れる分析液が、第4の流路に流入することがあり、これを防止する切替弁を備える必要があった。このような切替弁は、内部にデッドボリュームがあり、この部分に内標準液が残留する場合があった。このような内標準液の供給に際して生じる問題を解決すべく、本発明における第4の流路は、第3の流路に対し、流路の径を所定範囲内のサイズにすることが好ましい。具体的には、第4の流路の径(W4)に対する第3の流路の径(W3)で示される流路比(W3/W4)を5以上にすることが好ましく、10以上にすることがさらに好ましい。本発明のように流路比(W3/W4)が5以上であると、第4の流路の流路抵抗が大きいものとなり、内標準液をシリンジに吸引する際に、試料溶液が第4の流路に流れ込まず、内標準液の汚染が防止できる。また、第4の流路に、切替弁等を設ける必要がないため、内標準液が残留しやすい箇所が無く、微少量の内標準液も、正確に早く安定した液量で供給できる。
【0016】
従来は、内標準液をオンラインで供給する場合、内標準液を安定して供給するには、流量を約20μL/min以上にする必要があったが、本発明のような流路比の範囲内であると、流量1μL/min程度の微量の内標準液も安定して供給できる。流路比(W3/W4)は、内標準液として必要な供給量を確保するため、15以下とすることが好ましい。また、第3の流路と第4の流路の流路比を上記範囲内にすることに加え、第4の流路の内径は0.05mm(50μm)以上であると、さらに好ましい。第4の流路の径が極端に小さすぎる場合は、第4の流路から流量1μL/minのような微量の内標準液を供給する場合に、内標準液の供給量が安定するまでに時間がかかったり、内標準液の供給を停止した後も、第3の流路に対する流れが止まるまでに時間がかかる場合があるからである。
【0017】
また、本発明は、試料溶液を希釈液により濃度調製して分析液とし、分析液を分析装置に送液する分析液の自動調製方法において、分析装置への分析液の供給量と、ポンプによる希釈液の供給量との差に応じた負圧により試料溶液を供給する工程と、を有する分析液の自動調整方法に関する。この方法において、流量センサーにより分析液の流量を測定する工程と、分析液の流量に応じて一定量となるように、内標準液を分析液に供給する工程とを、さらに有することも好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上で説明したように、本発明における分析液の自動調整装置は、従来の希釈装置における、希釈液の逆流等の問題を解決しつつ、試料溶液が供給経路の一部に残留するメモリーの問題を解消できる。また、微量の内標準液も一定割合で供給することができ、分析装置のドリフトによる感度変化も補正可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の分析液の自動調整装置概略図
【図2】実施例1における希釈倍率に対するcps値の結果
【図3】実施例1における内標準液の信号変化の測定結果
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明における最良の実施形態について説明する。
【0021】
[実施例1]
図1に示す分析液の自動調整装置を用いて、分析液を自動調整した。図1の自動調整装置では、試料溶液10を供給する第1流路101は、メモリー発生の要因となるピストンタイプのポンプ等を有しない構成としている。希釈液20を供給する第2流路102には、ポンプ21が備えられており、本実施例ではポンプの種類としてシリンジポンプを採用している。これら第1流路101と第2流路102は、それぞれ第3流路103と連通しており、試料溶液10及び希釈液20が第3流路103に流動可能となっている。第3流路103は、ネブライザ31と接続しており、試料溶液の濃度を調整した分析液を高周波誘導結合プラズマ分析装置(ICP)に供給可能となっている。また、実施例1の装置では、ネブライザ31に対し、所定量の分析液を供給可能とすべく、第3流路にペリスタルティックポンプ(図示せず)を配置した。
【0022】
また、本実施例では、第3流路103は、分析液の流量を測定する流量センサー32を備えるとともに、シリンジポンプ41により内標準液40を供給する第4流路104を備える。本実施例において、第3流路103の内径(W3)は直径0.5mm、第4流路104の内径(W4)は直径0.05mmであり、流路比(W3/W4)は10である。
【0023】
また、内標準液を供給するシリンジポンプ41及び希釈液20を供給するシリンジポンプ21について、流量センサー32の流量に従い所望の希釈濃度とすべく内標準液40又は希釈液20の供給量を制御するコントローラー(図示せず)を備える構成としてもよい。
【0024】
以上の装置を用いて分析液を自動調整する方法について、詳細に説明する。希釈結果の良否を判断可能とすべく、分析に用いる溶液としては、試験的に、試料溶液、希釈液、内標準液のそれぞれ異なる元素を含む溶液を採用した。具体的には、試料溶液10としてコバルトCoとモリブデンMoをそれぞれ10ppb含む溶液と、希釈液20としてベリリウムBeとストロンチウムSrをそれぞれ10ppb含む溶液と、内標準液40としてYイットリウムを1ppm含む溶液を用いた。これらの溶液を用いて、まず希釈液20を供給しないで試料溶液10だけを第3流路103のペリスタルティックポンプ(図示せず)により送液してICPで分析した。その後、希釈液20の供給を開始して、それぞれの濃度に希釈した分析液についても、同様にICPで分析した。希釈液20を供給する前に、第3流路103における分析液(試料溶液のみ含む)の流量を流量センサー32で測定し、その流量に対して図2のような希釈倍率(0〜10倍及び10倍〜30倍希釈)となるように希釈液を供給した。希釈倍率に対し、一秒間当たりに検出されたイオンの数cps(Count per second)の結果を図2に示す。図2において、相関係数(R)が1に近いほどグラフの直線性が高く、予め測定した検量線の値と、希釈後の分析液中に含まれる分析対象物の値とを比較した場合の誤差が少ない、すなわち、精度よく希釈されていることとなる。Rは、0.99以上であれば、非常に良好な精度で希釈されたといえる。
【0025】
図2より、本発明の装置によれば、希釈倍率10倍までは、R=1であり、希釈後の分析液中の分析対象物の濃度が、検量線の値と全く同一であり、希釈により誤差が生じていないことが分かった。また、希釈倍率10〜30倍においても、R=0.9976であり、良好な精度で希釈されていた。
【0026】
次に、上記方法における希釈前後で内標準液の信号の変化を測定した。試料溶液を希釈する倍率は2倍ないし10倍とし、内標準液であるYは、分析液(供給流量:毎分500μL)に添加した場合に500倍希釈となるように(供給流量:毎分1μL)、シリンジポンプ41で供給した。試料溶液(コバルトCo、モリブデンMo)、希釈液(ベリリウムBe、ストロンチウムSr)、内標準液(イットリウムY)は、上記方法と同様のものを用いた。また、2倍、10倍の各希釈倍率において、希釈しない場合と、希釈した場合とを2回ずつ繰返し分析し、希釈前後において、内標準液の信号が変化せず一定となるかを確認した。結果を図3に示す。
【0027】
結果より、2倍希釈、10倍希釈のいずれの場合においても、試料溶液や希釈液の信号変化に関わらず、内標準液の信号は常に一定のcps値で安定していた。このように本発明では、希釈倍率によらず内標準液のcps値(信号)が一定となるため、分析装置のドリフトが発生した場合、cps値(信号)の変化量に基づき装置の感度変化分を補正することができる。
【0028】
[実施例2]
実施例1の装置における第3流路103のペリスタルティックポンプを用いない構成の装置を用いて、分析を行った。実施例2の装置では、希釈倍率を上げる際に希釈液の供給量を増加させた場合、流量増加による流路抵抗の変化を生じやすいことから、第3流路における分析液の流量が変化し増大しやすい傾向がある。このため、実施例2では、希釈倍率を変更するごとに、流量センサー32で第3流路における分析液の流量を測定し、希釈液ポンプ21から吐出されている希釈液流量との関係から希釈倍率を求めた。その結果、実施例1と同様に、良好な希釈結果が得られ、内標準液の信号も安定したものとなることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、分析精度の向上に貢献するものであり、特に、高周波誘導結合プラズマ(ICP)の質量分析装置(ICP−MS)や、発光分光分析装置(ICP−AES)等の高感度な分析に好適である。
【符号の説明】
【0030】
10 試料溶液
20 希釈液
21 希釈液ポンプ
31 ネブライザ
32 流量センサー
40 内標準液
41 内標準液ポンプ
101 第1流路
102 第2流路
103 第3流路
104 第4流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の試料溶液を供給する第1の流路と、
試料溶液の濃度を調整する希釈液を供給する第2の流路と、
試料溶液を濃度調整して得られる分析液を分析装置に供給する第3の流路と、を備える分析液の自動調整装置において、
第1の流路と第3の流路とが連通し、第2の流路と第3の流路とが連通しており、
第3の流路から分析装置へ分析液を供給する量と、第2の流路から第3の流路へポンプにより希釈液を供給する量との差に応じて第1の流路に生じる負圧によって、試料溶液が第3の流路へ流動することを特徴とする分析液の自動調整装置。
【請求項2】
第3の流路は、分析液の流量を測定する流量センサーと、分析液に内標準液を供給する第4の流路とを備える請求項1に記載の分析液の自動調整装置。
【請求項3】
第4の流路の径(W4)に対する第3の流路の径(W3)で示される流路比(W3/W4)が5以上である請求項1又は請求項2に記載の分析液の自動調整装置。
【請求項4】
試料溶液を希釈液により濃度調整して分析液とし、分析液を分析装置に送液する分析液の自動調製方法において、
分析装置への分析液の供給量と、ポンプによる希釈液の供給量との差に応じた負圧により試料溶液を供給する工程と、を有することを特徴とする分析液の自動調整方法。
【請求項5】
流量センサーにより分析液の流量を測定する工程と、
分析液の流量に応じて一定量となるように、内標準液を分析液に供給する工程とを、さらに有する請求項4に記載の分析液の自動調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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