説明

分析装置

【課題】システムコントローラに接続される検出器が単一サンプリング周期対応型、複数サンプリング周期対応型のいずれであるのかの識別を、プログラムのバージョンなどに依存することなく確実に実行する。
【解決手段】電源投入時などにおいて、検出器がシステムコントローラから接続確認データを受信すると、確認応答データを返信するのに引き続き、装置情報データを送信する。単一サンプリング周期対応型検出器では装置情報データはフラグを含まず、複数サンプリング周期対応型検出器では装置情報データはフラグを含む。システムコントローラはこのフラグの有無により検出器が単一/複数サンプリング周期対応型のいずれであるのかを識別し、その結果を記憶するとともに上位のPCへと送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)などの分析装置に関し、さらに詳しくは、分析対象に対して検出信号を取得する検出器と、該検出器を制御するとともに該検出器による検出信号を受領して例えば外部のコンピュータへ送出する制御装置と、を備える分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフでは、吸光度検出器、蛍光検出器、示差屈折率検出器、電気伝導度検出器、など様々な種類の検出器が使用される。こうした検出器は、アナログ検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングされたアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器を備え、デジタル化された検出信号(検出データ)を通信線路を通してシステムコントローラと呼ばれる制御装置に送る(特許文献1など参照)。A/D変換器のサンプリング周期が短いと時間分解能は上がるが、単位時間当たりに発生するデータ量が増加するため、通信やCPUの負荷が重くなるとともに必要なメモリ容量が増加する(特許文献2など参照)。またノイズ性能は低下する。一方、A/D変換器のサンプリング周期が長いと、通信やCPUの負荷は軽いが、時間分解能が低下して急峻なピークを再現性よく検出できなくなる。そこで、従来のLC用の検出器では、上記のようなメリット・デメリットを考慮して、サンプリング周期を適当な値、例えば20msに固定している。
【0003】
近年、分析のスループットの向上や溶媒の使用量削減等の要求の高まりにより、カラムにおける成分分離の高速化が進められている。これに伴い急峻な分離ピークをも検出できるように、検出器にはサンプリング周期を短くすること、つまり高速化が求められている。例えば、検出器のサンプリング周期を10msと20msとの2段階に切り替え可能としておくことで、分析目的に応じて、ノイズ性能よりも高速性を重視する場合には10ms、高速性よりもノイズ性能の高さを重視する場合には20msで動作させることができる。
【0004】
LCでは、試料成分の種類などによって上述のように異なる種類の検出器が使い分けられ、また複数の検出器が併用されることもある。そのため、システムコントローラには複数の検出器が接続できるようになっている。その場合、その複数の検出器には、上記のような複数のサンプリング周期に対応していない単一サンプリング周期対応のものと複数サンプリング周期対応のものとが混在することがある。システムコントローラ側から複数サンプリング周期対応の検出器のサンプリング周期の切替えを制御するには、接続されている検出器が複数サンプリング周期対応か否かを正確に識別することが必要である。従来、システムコントローラにおけるこうした識別は、検出器などの各装置毎に割り当てられている固有の装置IDや検出器に組み込まれているプログラムのバージョンなどを利用して行われていた。
【0005】
しかしながら、新たな種類の検出器の追加や現行の検出器での複数サンプリング周期への機能アップに際して、上記のような正確な識別を行うにはシステムコントローラ側のプログラムを最新のものとするために同時にバージョンアップを行う必要があった。システムコントローラ側からみれば、本来それ自体の不具合ではない上記のような場合における面倒なバージョンアップの作業はできるだけ避けることが望ましい。
【0006】
また、吸光検出器などのように回折格子を高速に回動させながら、それと同期してサンプリング動作を行うことで2波長又は4波長におけるデータを同時に取得する2波長モード/4波長モードに対応しているか否かを識別する場合にも、同様の問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2007-24560号公報(図1)
【特許文献2】特開平6-174709号公報(段落0002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、検出器の種類やシステムコントローラ、検出器のプログラムのバージョンなどに依存することなく、複数サンプリング周期対応の有無などの検出器の形態を確実に識別することができる分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明は、分析対象に対する検出信号を取得する少なくとも1台の検出器と、該検出器と通信線路を介して相互に接続され、該通信線路を通して前記検出器の動作を制御する一方、該検出器で得られた検出信号を受領する制御装置と、を含み、前記検出器として、第1動作モードでのみ検出信号を得る第1形態の検出器と、第1動作モードとそれ以外の少なくとも第2動作モードとが切り替え可能であって、選択された一方の動作モードで検出信号を得る第2形態の検出器とが選択的に使用される又は併用される分析装置において、
前記第2形態の検出器は、電源投入時、通信線路を介した制御装置との接続時、又は通信開始時の少なくともいずれかのときに、通信線路を通して前記制御装置に対し、第1動作モード以外の動作モードに対応していることを示す識別情報を送出する情報送出手段を備え、
前記制御装置は、
前記通信線路を通した前記識別情報の受領の有無に基づいて、接続されている検出器が第1又は第2形態のいずれであるかを判定して、その判定結果を記憶する判定手段と、
分析実行時に、記憶した前記判定結果に基づいて前記通信線路を通して前記検出器の動作モードを設定するモード設定手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る分析装置の典型的な例はLCやGCである。
【0011】
また本発明に係る分析装置の一態様は、前記検出器が、検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するA/D変換部を有し、前記第1及び第2動作モードはそれぞれ、異なるサンプリング周期でA/D変換を行う動作モードであるものとすることができる。
【0012】
また本発明に係る分析装置の別の態様は、前記検出器が、吸光度検出器、蛍光検出器、又は屈折率検出器のいずれかであり、前記第1及び第2動作モードは、それぞれ異なる波長における検出信号の取得を行う動作モードであるものとすることができる。
【0013】
本発明に係る分析装置では、制御装置が通信線路を介して第2形態の検出器と接続されている場合、例えば電源投入時に、第2形態の検出器は上記識別情報を制御装置に送出する。これに対し、制御装置が通信線路を介して第1形態の検出器と接続されている場合、第1形態の検出器は上記識別情報を送出しない。なお、制御装置には複数の検出器の接続が許容される。第1形態の検出器と第2形態の検出器とが同一の制御装置に接続されている場合には、例えば電源投入時に、第2形態の検出器からは上記識別情報が制御装置に送られるが、第1形態の検出器からは識別情報の送出はない。
【0014】
制御装置において判定手段は、上記識別情報が受領されれば接続先の検出器が第2形態であり、上記識別情報が受領されなければ接続先の検出器が第1形態であると判定し、その判定結果を記憶する。分析実行時に制御装置は、モード設定手段が上記判定結果に基づいて、第2形態の検出器に対してはユーザの指示等に応じて第1又は第2動作モードを切り替えて設定するのに対し、第1形態の検出器に対しては動作モードの設定を行わない(動作モードを設定せずとも唯一の第1動作モードで動作する)。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る分析装置によれば、検出器の種類や制御装置(システムコントローラ)、検出器のプログラムのバージョンなどに依存することなく、制御装置は接続されている1乃至複数の検出器の形態、例えば複数サンプリング周期対応であるか否かを確実に認識することができ、それに基づいて各検出器を適切に制御することができる。したがって、これまで使用されていなかった新たな検出器が制御装置に接続された場合でも、制御装置や既存の検出器のプログラムを更新しなくてもよく、ユーザの分析作業の手間が軽減される。また、プログラムのバージョンアップができない環境の下でも、適切な分析を実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る分析装置の一実施例である液体クロマトグラフについて、添付の図面を参照して説明する。図1は本実施例による液体クロマトグラフの概略構成図である。
【0017】
図1において、送液ポンプ2は移動相容器1から移動相を吸引し、略一定流量でインジェクタ3を経てカラム5へと送給する。インジェクタ3はシステムコントローラ10からの供給される制御信号に応じ、所定の時点で試料液を移動相中に注入する。試料液は移動相の流れに乗ってカラム5に送り込まれ、カラム5を通過する間に試料液中の各種成分は分離される。カラム5はカラムオーブン4内に収容されており、一定温度に又は所定の昇温プログラムに従って温調される。カラム5からの溶出液は流路切替バルブ6により一方の流路に流され、併設された2つの検出器7A、7Bのいずれか一方に導入される。検出器7A、7BはいずれもA/D変換部を含み、溶出液中の試料成分を検出した検出信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングし、そのサンプリングされたアナログ値をデジタル値に変換した後の検出データを出力する。検出器7A、7Bは例えば紫外可視吸光検出器、フォトダイオードアレイ検出器、示差屈折率検出器、蛍光検出器、電気伝導度検出器などである。
【0018】
システムコントローラ10は、送液ポンプ2、インジェクタ3、カラムオーブン4、検出器7A、7Bなどの動作を制御するとともに、検出器7A、7Bからそれぞれ検出データを受け取ってこれをバッファリングし、データ処理を実行するパーソナルコンピュータ(PC)11に転送する機能を有する。操作部12や表示部13が付設されたPC11には専用の制御・処理ソフトウエアが搭載されており、このソフトウエアを実行することでLC分析の集中的な条件設定、データ処理、データ管理などの機能が達成される。システムコントローラ10とPC11との間はLANなどの通信線により相互に接続され、システムコントローラ10と検出器7A、7Bなどの各部との間はそれぞれ信号線で接続されている。この信号線として、電気的には絶縁された光ケーブルなどを用いることにより、通電中にも検出器などの各装置の追加接続を無理なく行うことができる。
【0019】
この例では、検出器7Aは20msのサンプリング周期のみに対応する単一サンプリング周期対応型の検出器(本発明における第1形態の検出器)であり、検出器7Bは10msと20msとの2つのサンプリング周期に対応可能な複数サンプリング周期対応型の検出器(本発明における第2形態の検出器)であるものとする。検出器7A、7Bはそれぞれ、システムコントローラ10との間で通信を行う通信機能、システムコントローラ10から送られてくる制御信号を解読して内部動作を制御する制御機能、検出データを所定形式に整えて出力する出力機能、などを実現するためのCPU及びプログラムを備える。
【0020】
次に、本実施例の液体クロマトグラフにおいて、検出器7A、7B、システムコントローラ10、及びPC11により実行される特徴的な動作を図2を参照して説明する。図2は、検出器7A(又は7B)とシステムコントローラ10との間で送受される信号を時間経過に従って記載したフロー図である。
【0021】
システムコントローラ10は外部ユニット接続コネクタ(図示せず)に対し、定期的に1バイトの接続確認データ[0x93]を送出する。外部ユニット接続コネクタに信号線を介して検出器7A又は7Bが接続されている場合、検出器7A又は7Bがこの接続確認データ[0x93]を受信すると、1バイトの確認応答データ[0x73]を信号線を通してシステムコントローラ10に返信する。これは、検出器7A、7Bに限らず他のユニット、例えばカラムオーブン4でも同様である。システムコントローラ10は接続確認データ[0x93]を送出した後に所定時間をカウントし、所定時間内に確認応答データ[0x73]が戻って来なければ、その外部ユニット接続コネクタに何も接続されていないと判断する。反対に、所定時間内に確認応答データ[0x73]が戻って来れば、その外部ユニット接続コネクタに何らかのユニットが接続されていると判断し、後述のデータの到来を待つ。
【0022】
検出器7A、7Bは確認応答データ[0x73]の送出に引き続き、次のような装置情報データを信号線を通してシステムコントローラ10に送出する。複数サンプリング周期対応型の検出器7Bにおいて、装置情報データは26バイト長であり、その内容は1バイトのヘッダ[0xFF]、1バイトの装置ID、4バイトのサブID、4バイトの複数サンプリング対応フラグ、16バイトの装置名データ、から成る。一方、単一サンプリング周期対応型の検出器7Aでは、装置情報データは1バイトのヘッダ[0xFF]、1バイトの装置ID、から成る2バイトのみである。装置IDは装置毎に一意に定められているIDであり、ここで検出器7Bの装置IDは[0x33]であるとする。サブIDは装置IDに関連した付加的な情報である。複数サンプリング対応フラグは、複数サンプリング周期対応の場合にその最下位ビット(bit0)を「1」にセットするものである。装置名は装置名称をASCIIコードで表したものであり、最後はnullとする。この例では、検出器7Bの装置情報データは[0xFF+0x33+00/00/00/00/+00/00/00/01+’装置名(7文字)/null x9]である。
【0023】
システムコントローラ10は上記装置情報データを受信し、装置IDにより検出器であることを認識し、さらに、複数サンプリング対応フラグの有無により複数サンプリング周期対応型であるか単一サンプリング周期対応型であるのかを識別する。その後、システムコントローラ10は2バイトの受信応答データ[0xFE+0x33]を送出し、これによって通信線を介した通信リンクが正常に確立される。これ以降、システムコントローラ10は各種の制御コマンドを各検出器7A、7Bにそれぞれ送信し、これを受けた各検出器7A、7Bはそれぞれ内部状態の設定を実行する。
【0024】
またシステムコントローラ10は通信リンクが確立されると、PC11に対してサンプリング周期対応状況などを含めた検出器7A、7Bの情報を通知する。PC11はこの情報を受けて、表示部13に表示する検出器7Bの条件設定画面において10ms/20msのサンプリング周期選択メニューを表示するようにし、検出器7Aの条件設定画面においてはサンプリング周期が20ms固定であることを示す表示を行うようにする。
【0025】
分析条件の設定に際しオペレータは、検出器7Bの条件設定画面において10ms又は20msのいずれかのサンプリング周期を選択することが可能である。特に選択操作を行わない場合には、例えばデフォルトである20msが選択されるようにするか、或いは、直近の時点における選択に従うようにしてもよい。オペレータが検出器7Bについて10ms/20msのいずれかを選択してその選択を確定させると、PC11からシステムコントローラ10に分析条件の1つとして、上記サンプリング周期の選択情報が送られる。
【0026】
システムコントローラ10はそのサンプリング周期選択情報に応じて、サンプリング周期の切替えを行うために、「AD Sampling=20」又は「AD Sampling=10」に相当する制御コマンドを検出器7Bに対し送信する。検出器7Bはこの制御コマンドに従ってA/D変換部におけるサンプリング周期を切り替える。一方、検出器7Aはもともとこうしたサンプリング周期切替えの機能を有さないから、サンプリング周期設定のための制御コマンドは不要であるが、「AD Sampling=20」に相当する制御コマンドを送信するように定めてもよい。
【0027】
また、上記のようにサンプリング周期が切り替えられると、検出器7Bから出力される検出データの量も変わる。そこで、検出器7Bからシステムコントローラ10へ検出データを送信する際のデータ送信形式も、サンプリング周期の切替えに応じて変更するとよい。具体的には、その検出データがいずれのサンプリング周期で得られたものかを示すように、識別コードを付して検出データを送信するように変更することができる。
【0028】
前述のように、システムコントローラ10は定期的に各外部ユニット接続コネクタに接続確認データ[0x93]を送出し、何らかのユニットの接続確認を行う。したがって、システムコントローラ10と検出器7A、7Bとが接続された状態で電源が投入されると、電源投入後に速やかに接続の有無が確認され、検出器7A、7Bの形態の識別が実施される。また、通電中にシステムコントローラ10と検出器7A、7Bとが接続されると、その接続作業後に速やかに接続の有無が確認され、検出器7A、7Bの形態の識別が実施される。
【0029】
以上のように、本実施例の液体クロマトグラフによれば、検出器の種類に依らず、またシステムコントローラや既存の検出器に組み込まれているプログラムのバージョンに依らず、検出器がサンプリング周期10ms/20ms切替え対応であるか、或いは20msのみのサンプリング周期対応であるかを速やかに且つ確実に識別することができる。さらに、制御系統においてシステムコントローラの上位にあるPCにおいて、サンプリング周期切替えの設定をユーザが行えるような表示を自動的に行うことができ、その設定に応じて検出器のサンプリング周期を適切に切り替えることもできる。
【0030】
なお、上記実施例では、検出器のA/D変換部におけるサンプリング周期の切替えが10ms、20msの2種類だけの場合について説明したが、さらに多種類のサンプリング周期の切替えに対応可能とすることができる。例えば、このような多種類のサンプリング周期の切替えに対応した検出器は、装置情報データとして、上述した26バイト長、つまりヘッダ[0xFF]+装置ID+サブID+複数サンプリング対応フラグ+装置名データの連なったデータの後に、図3(a)に示したようなサンプリング情報データを付加することとする。サンプリング情報データは、先頭の1バイトがサンプリング時間種類数を示し、それに続く各バイトが、msを単位とするサンプリング周期を示すものとする。図3(b)は、サンプリング周期が1、5、10、20、50msの5種類の場合の例である。このように対応可能なサンプリング周期を数値で全てシステムコントローラ10に通知するようにしておけば、様々な形態の検出器への対応が容易になる。
【0031】
また、上記実施例は、検出器のサンプリング周期が単一である場合と複数である場合との識別を可能としたものであるが、同様の手法を利用して、検出器の他の動作モードの識別を行うこともできる。例えば、吸光検出器、蛍光検出器、示差屈折率検出器などの分光を利用した検出器では、或る1つの波長における検出信号を得る単波長型のほかに、2波長対応型、4波長対応型、などがある。こうした複数の波長における同時検出は、回動自在の回折格子を高速で動作させつつ同期してA/D変換部で検出信号のサンプリングを行うことで実現される。こうした複数波長対応型であるか否かの識別についても、上述した4バイト長の複数サンプリング対応フラグの最下位ビット以外のビットを利用して行うことができる。
【0032】
さらにまた、例えば蛍光検出器などにおいては、蛍光波長、励起光波長、信号強度の 3次元データを収集する3次元モード(特願2008-022529号参照)に対応したものもあるが、そうした3次元モードの対応の有無も同様の手法を利用して識別可能とすることができる。この場合にも、上述した4バイト長の複数サンプリング対応フラグの最下位ビット以外の他のビットを利用して行うことができる。
【0033】
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば上記実施例は本発明に係る分析装置を液体クロマトグラフに適用したものであるが、ガスクロマトグラフなどの他の分析装置にも適用できることも当然である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例である液体クロマトグラフの概略構成図。
【図2】本実施例の液体クロマトグラフにおける特徴的な動作を説明するためのフロー図。
【図3】サンプリング情報データの一例を示す模式図。
【符号の説明】
【0035】
1…移動相容器
2…送液ポンプ
3…インジェクタ
4…カラムオーブン
5…カラム
6…流路切替バルブ
7A、7B…検出器
10…システムコントローラ
11…パーソナルコンピュータ
12…操作部
13…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象に対する検出信号を取得する少なくとも1台の検出器と、該検出器と通信線路を介して相互に接続され、該通信線路を通して前記検出器の動作を制御する一方、該検出器で得られた検出信号を受領する制御装置と、を含み、前記検出器として、第1動作モードでのみ検出信号を得る第1形態の検出器と、第1動作モードとそれ以外の少なくとも第2動作モードとが切り替え可能であって、選択された一方の動作モードで検出信号を得る第2形態の検出器とが選択的に使用される又は併用される分析装置において、
前記第2形態の検出器は、電源投入時、通信線路を介した制御装置との接続時、又は通信開始時の少なくともいずれかのときに、通信線路を通して前記制御装置に対し、第1動作モード以外の動作モードに対応していることを示す識別情報を送出する情報送出手段を備え、
前記制御装置は、
前記通信線路を通した前記識別情報の受領の有無に基づいて、接続されている検出器が第1又は第2形態のいずれであるかを判定して、その判定結果を記憶する判定手段と、
分析実行時に、記憶した前記判定結果に基づいて前記通信線路を通して前記検出器の動作モードを設定するモード設定手段と、
を備えることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分析装置であって、
前記検出器は、検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するA/D変換部を有し、前記第1及び第2動作モードはそれぞれ、異なるサンプリング周期でA/D変換を行う動作モードであることを特徴とする分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の分析装置であって、
前記検出器は、吸光度検出器、蛍光検出器、又は屈折率検出器のいずれかであり、前記第1及び第2動作モードは、それぞれ異なる波長における検出信号の取得を行う動作モードであることを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−14511(P2010−14511A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174165(P2008−174165)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)