説明

分注装置および自動分析装置

【課題】簡易な処理によって常に容器に帯電した静電気を除去して液体の液面を正常に検知する。
【解決手段】分注ノズルによって試料液を吸引する前に、試料容器の開口部の中心と、該試料容器の開口縁の所定の近接位置との間で分注ノズルを水平方向に往復移動する除電処理を行う(ステップS8)。これにより、分注ノズルの先端部と試料容器の開口縁とが所定の近接範囲にある位置に至り、試料容器に帯電した静電気が分注ノズルを介して放電される。このように分注ノズルを用いて液体を吸引する前に、簡易な除電処理によって常に容器に帯電した静電気が除去されるので、その後に液体を吸引するために分注ノズルの先端部を液体に向けて移動させた場合には(ステップS9)、静電気の影響を受けることなく液面検知部によって液体の液面が検知できるので、正常な分注を行うことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を分注する分注装置および該分注装置を用いた自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、血液や尿等の試料液と、検査項目に応じた試薬液とを反応容器に分注し、これら試料液および試薬液を混合して反応させた反応液の光学的特性を測定することにより試料液の成分濃度等を分析する。この種の自動分析装置は、分注ノズルによって試料液または試薬液等の液体を分注する分注装置を有している。分注装置は、分注ノズルによって液体を吸引する際にその液体の液面を検知する液面検知部を有している。液面検知部には、静電容量方式と導通方式とがある。静電容量方式は、導電性を有する分注ノズルを用い、該分注ノズルが液面に接触したときの静電容量の変化から液面を検知するものである。導電方式は、導電性を有する分注ノズルと、この分注ノズルの近傍に配置された電極とが液面と接触したときの電気的な導通から液面を検知するものである。分注装置では、この液面検知部によって分注ノズルのノズル先端が試料液や試薬液等の液体に浸漬して吸引が確実に行われているかを検知し、かつ、液体へのノズル先端の浸漬量を制御して正確な分注を行う。
【0003】
しかし、液体が収容される容器は、合成樹脂やガラスによって成形されていることから静電気が帯電し易い。静電気の帯電は、容器の製造時、容器に液体を収容する時、容器の運搬時、装置への容器の設置時または分析中の容器の移動時等に生じる。そして、上記分注装置では、分注ノズルが液体の液面に至る以前に静電気が分注ノズルに放電した場合、液面検知部から誤った検知信号を得て液面を誤検知してしまい、正常な分注が行われない不具合が生じる。
【0004】
上記問題を解消するため、従来の分注装置では、液面検知部によって検知信号を得た場合、分注ノズルの下降距離から得た液面位置を記憶し、同じ容器から液体を複数回分注した際の液面位置の変化量を前回の分注時と次回の分注時とで比較して、この変化量が正常な分注によって変化した変化量であるか否かによって、分注の正否を判断するものがある。この従来の分注装置では、容器に帯電した静電気を除去する除電装置を必要としないことから、装置のコストが嵩む事態を抑えることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−127136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の分注装置では、液体の分注後に、容器に帯電した静電気の影響を受けて液面検知部によって検知された液面位置が正常でなかったことを判断するが、液体の分注前に、容器に帯電した静電気の影響を受ける事態を回避するものではない。このため、試料液と試薬液とを反応容器に分注して混合させた反応液を得るとき、例え試薬液が正常に分注されても、試料液の容器に帯電した静電気が分注ノズルを介して放電することで液面検知部が液面を誤検知して試料液が正常に分注されないことがある。このような場合には、正常に分注された試薬液が分析に用いられず無駄になってしまう。また、正常に分注された試薬液を無駄にしないように同じ検査項目の再検査に用いるには、試料液を分注する位置に反応容器を移動させる必要があるので分析処理が遅滞することになる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な処理によって常に容器に帯電した静電気を除去することで正しい液体の液面位置を検知して正常な分注を行うことのできる分注装置および自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る分注装置は、液体を収容する容器と分注ノズルとを相対移動させることにより、前記分注ノズルの先端部が有する導電性を利用して液体の液面を検知しつつ、前記分注ノズルの先端を前記液体に浸漬させて液体を吸引する分注装置において、前記分注ノズルによって液体を吸引する前に、前記分注ノズルの先端部と前記容器の開口縁とが所定の近接範囲の位置または接触する位置に至るまで前記分注ノズルおよび/または前記容器を移動させて除電処理を行う移動制御部を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る分注装置は、上記発明において、前記移動制御部は、同じ容器から複数回の吸引を行う場合、少なくとも初回の吸引時に前記除電処理を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る分注装置は、上記発明において、前記移動制御部は、予め設定された吸引回数毎に前記除電処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る分注装置は、上記発明において、前記移動制御部は、前記分注ノズルの先端部と前記容器の開口縁とを接触させる場合、前記分注ノズルの先端が前記容器の開口部に進入する進入深さを、前記分注ノズルの先端が液体に浸漬する浸漬深さに比して浅くすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に係る分注装置は、上記発明において、前記容器の開口部の開口域および該開口部の位置に関する容器情報を記憶する記憶部を備え、前記移動制御部は、前記記憶部から取得した容器情報を用いて前記除電処理を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に係る自動分析装置は、複数の異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、請求項1〜5のいずれか一つに記載の分注装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る分注装置および自動分析装置は、分注ノズルによって液体を吸引する前に、分注ノズルの先端部と容器の開口縁とが所定の近接範囲または接触する位置に至るようにした除電処理によって、容器に帯電している静電気が分注ノズルを介して放電される。このように分注ノズルを用いて液体を吸引する前に、簡易な除電処理によって常に容器に帯電した静電気が除去されるので、その後に液体を吸引するために分注ノズルの先端部を液体に向けて移動させた場合には、静電気の影響を受けることなく液面検知部によって液体の液面が検知できるので、正常な分注を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る分注装置および自動分析装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態である自動分析装置を示す概略構成図であり、図2は、本発明の実施の形態である分注装置を示す概略構成図である。
【0016】
自動分析装置1は、血液や尿等の試料液と、検査項目に応じた試薬液とを混合して反応させた反応液の光学的特性を測定することにより試料液の成分濃度等を分析するものである。この自動分析装置1は、試料載置部2と、反応部3と、試薬載置部4と、試料分注機構5と、試薬分注機構6とを備えている。
【0017】
試料載置部2は、円盤状のテーブルを構成し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で配置された収納部21が複数設けられている。各収納部21には、試料液を収容した試料容器22が収納される。試料容器22は、合成樹脂またはガラス等の非導電性の材料によって成形されたもので、上方に向く円形状の開口部22a(図6参照)を有し、該開口部22aの中心Oの位置が収納部21によって位置を定められた形態で収納される。また、試料載置部2は、移動機構としての試料テーブル駆動部20(図3参照)によって図1に矢印で示す方向に回転する。試料載置部2が回転すると試料容器22は、開口部22aの中心Oの位置が定められた形態で、後述の試料分注機構5によって試料液が吸引される所定の吸引位置に移動することになる。
【0018】
また、試料容器22には、収容された試料液に関する諸情報、試料容器22の開口部22aの開口域(図6に斜線で示す範囲)および該開口部22aの高さ位置に関する容器情報101a(図3参照)を有する識別ラベル(図示せず)が貼り付けられている。一方、試料載置部2には、試料容器22の識別ラベルの情報を読み取る読取部23が設けられている。
【0019】
反応部3は、円環状のテーブルを構成し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で配置された収納部31が複数設けられている。各収納部31には、試料液と試薬液とを反応させた反応液を収容する透明な反応容器32が位置を定められた形態で収納される。また、反応部3は、反応テーブル駆動部(図示せず)によって図1に矢印で示す方向に回転する。反応部3が回転すると反応容器32は、後述の試料分注機構5によって試料液が吐出される所定の吐出位置や、後述の試薬分注機構6によって試薬液が吐出される所定の吐出位置に移動することになる。
【0020】
また、反応部3には、測定光学系33が設けられている。測定光学系33は、光源33aおよび測光センサ33bを有している。光源33aは、所定波長の分析光(340〜800nm)を出射する。測光センサ33bは、光源33aから出射されて、反応容器32の反応液を透過した光束を測定する。なお、反応部3には、測定後の反応液を反応容器32から排出し、該反応容器32を洗浄する洗浄機構34が設けられている。
【0021】
試薬載置部4は、円盤状のテーブルを構成し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で配置された収納部41が複数設けられている。各収納部41には、試薬液を収容した試薬容器42が収納される。試薬容器42は、合成樹脂またはガラス等の非導電性の材料によって成形されたもので、上方に向く円形状の開口部42a(図6参照)を有し、該開口部42aの中心Oの位置が収納部41によって位置を定められた形態で収納される。また、試薬載置部4は、移動機構としての試薬テーブル駆動部40(図3参照)によって図1に矢印で示す方向に回転する。試薬載置部4が回転すると試薬容器42は、開口部42aの中心Oの位置が定められた形態で、後述の試薬分注機構6によって試薬液が吸引される所定の吸引位置に移動することになる。
【0022】
また、試薬容器42には、収容された試薬液の種類,量,ロット番号に関する試薬情報、試薬容器42の開口部42aの開口域(図6に斜線で示す範囲)および該開口部42aの高さ位置に関する容器情報101a(図3参照)を有する識別ラベル(図示せず)が貼り付けられている。一方、試薬載置部4には、試薬容器42の識別ラベルの情報を読み取る読取部43が設けられている。
【0023】
試料分注機構5および試薬分注機構6は、本発明に係る分注装置を構成するものである。試料分注機構5は、試料載置部2と反応部3との間に設けられたもので、図2に示すように分注ノズル51を有している。また、試薬分注機構6は、試薬載置部4と反応部3との間に設けられたもので、図2に示すように分注ノズル61を有している。これら試料分注機構5および試薬分注機構6は同等に構成されたものであるため試料分注機構5について説明して試薬分注機構6に関しては符号等を括弧付きで付す。
【0024】
分注ノズル51(61)は、中空に形成された棒状体であり、その先端を下方に向けた形態でアーム52(62)に配設されている。アーム52(62)は、垂直に延在した軸部材53(63)の上端に固定され、この軸部材53(63)が移動機構としてのアーム駆動部54(64)によって回転することによって水平方向に旋回し、吸引位置に配置された試料容器22(試薬容器42)、または吐出位置に配置された反応容器32の上方位置に分注ノズル51(61)を移動させる。さらに、アーム52(62)は、前記軸部材53(63)がアーム駆動部54(64)によって上下方向に移動されることによって昇降し、吸引位置に配置された試料容器22(試薬容器42)、または吐出位置に配置された反応容器32に対して分注ノズル51(61)の先端を挿抜移動させる。図には明示しないが分注ノズル51(61)は、脱気水を通す配管を介してシリンジポンプに接続され、このシリンジポンプの駆動によって試料液を吸引あるいは吐出する。また、図1に示すように試料分注機構5(試薬分注機構6)には、試料載置部2(試薬載置部4)と反応部3との間を移動する分注ノズル51(61)の移動軌跡の途中位置に、該分注ノズル51(61)を洗浄するための洗浄槽55(65)が設けられている。
【0025】
また、図2に示すように試料分注機構5(試薬分注機構6)は、液面検知部56を備えている。液面検知部56は、発振回路56aと、静電容量検出回路56bと、比較回路56cとを有している。発振回路56aは、所定の周波数の交流信号を発振して印加する。静電容量検出回路56bは、発振回路56aの交流信号に基づいて、吸引位置に移動された試料容器22(試薬容器42)の近傍に設けられた電極56dと、ステンレス等によって成形されて導電性を有する分注ノズル51(61)との間の静電容量を検出する。比較回路56cは、静電容量検出回路56bからの入力を比較して基準値に達した場合に検知信号を出力する。この液面検知部56は、分注ノズル51(61)が試料液(試薬液)に接した際の静電容量の変化によって試料液(試薬液)の液面を検知する。また、図には明示しないが上記の他の液面検知部として、導電性を有する分注ノズルと、分注ノズルの近傍に配置された電極とが液体に接触した電気的な導通を検出することによって液面を検知するものもある。自動分析装置1では、液面検知部56によって、分注ノズル51(61)の先端が試料液(試薬液)に浸漬されて吸引が確実に行われているかを検知し、かつ、試料液(試薬液)への分注ノズル51(61)の浸漬量を制御することで正確な分注を行うことができる。
【0026】
このように構成される自動分析装置1では、回転する反応部3によって周方向に沿って搬送された反応容器32に対して試料分注機構5が、試料容器22から試料液を分注する。試料液が分注された反応容器32には、試薬分注機構6が試薬容器42から試薬液を分注する。そして、試料液および試薬液が分注された反応容器32は、反応部3によって周方向に沿って搬送される間に試料液と試薬液とが攪拌されて反応し、光源33aと測光センサ33bとの間を通過する。このとき、反応容器32内の反応液は、測光センサ33bによって測光されて成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器32は、洗浄機構34によって測定後の反応液が排出されて洗浄された後、再度試料液の分析に使用される。なお、上記測定において、試料分注機構5および試薬分注機構6では、試料液(試薬液)の分注の後に洗浄槽55(65)の洗浄液で分注ノズル51(61)が洗浄される。
【0027】
上述した分注装置の制御について図を参照して説明する。図3は、本発明に係る分注装置における移動機構の制御系を示すブロック図である。分注装置は、図3に示すよう移動制御部100を有している。移動制御部100には、記憶部101と、入力部102と、表示部103と、読取部23,43と、液面検知部56と、試料テーブル駆動部20と、試薬テーブル駆動部40と、アーム駆動部54,64とが接続してある。移動制御部100は、記憶部101に予め格納したプログラムやデータに従って、特に記憶部101から取得した容器情報101aおよび検査項目情報101bを用いてアーム駆動部54,56、試料テーブル駆動部20および試薬テーブル駆動部40を制御する。
【0028】
移動制御部100には、試料載置部2に設けられた読取部23によって試料容器22の識別ラベルから読み取った容器情報101aが入力される。移動制御部100では、この容器情報を予め取得し、試料テーブル駆動部20によって吸引位置に移動される試料容器22に対応付けて記憶部101に記憶する。また、移動制御部100には、試薬載置部4に設けられた読取部43によって試薬容器42の識別ラベルから読み取った容器情報101aが入力される。移動制御部100では、この容器情報101aを予め取得し、試薬テーブル駆動部40によって吸引位置に移動される試薬容器42に対応付けて記憶部101に記憶する。
【0029】
入力部102は、移動制御部100へ検査項目数や、検査項目が複数である場合、後述の除電処理を何回毎の吸引時に行うかの設定等を入力する操作を行うものであり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。移動制御部100では、入力部102から入力された検査項目数や、該検査項目数に応じて除電処理を何回毎の吸引時に行うかの設定に関する検査項目情報101bを予め取得し、試料テーブル駆動部20によって吸引位置に移動される試料容器22に対応付けて記憶部101に記憶する。また、表示部103は、分析内容や警報等、オペレータに対して告知を行うためのもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0030】
移動制御部100による試料液の分注動作について説明する。図4は、試料液の分注動作を示すフローチャートであり、図5は、分注動作を示す動作図であり、図6は、試料容器を上方から見た概略図である。
【0031】
先ず、移動制御部100は、分注動作を開始する場合、アーム駆動部54を駆動して、吸引位置に移動された試料容器22の開口部22aの中心O(図6参照)の上方位置に分注ノズル51を移動する(ステップS1)。次に、移動制御部100は、容器情報101aが記憶部101に記憶されている場合(ステップS2:Yes)、該容器情報101a取得する(ステップS3)。
【0032】
次に、移動制御部100は、記憶部101に記憶された検査項目情報101bを用いてステップS4〜ステップS6について判断する。移動制御部100は、検体項目が複数であり同じ試料容器22から続けて複数回吸引を行い(ステップS4:Yes)、かつ、今回行う吸引が1回目の吸引である場合(ステップS5:Yes)、ステップS7およびステップS8の除電処理に移る。また、移動制御部100は、ステップS4において、検体項目が単数であり同じ試料容器22から続けて複数回吸引を行わない場合(ステップS4:No)、ステップS7およびステップS8の除電処理に移る。また、移動制御部100は、今回行う吸引が1回目の吸引ではなく(ステップS5:No)、かつ、今回行う吸引が検査項目情報101bにおいて設定された回数(例えば5回)での吸引である場合、すなわち検査項目数に応じて除電処理を何回毎の吸引時に行うかが設定された設定回数での吸引である場合(ステップS6:Yes)、ステップS7およびステップS8の除電処理に移る。なお、移動制御部100は、ステップS6において、今回行う吸引が設定した回数での吸引ではない場合、すなわち検査項目数に応じて除電処理を何回毎の吸引時に行うかが設定された設定回数での吸引ではない場合には(ステップS6:No)、ステップS7およびステップS8の除電処理を行わずにステップS9に移る。
【0033】
次に、ステップS7およびステップS8の除電処理において、移動制御部100は、記憶部101に記憶された容器情報101aを用いる。ステップS7において移動制御部100は、アーム駆動部54を駆動して図5(a)および図5(b)に示すように、試料容器22における開口部22aの中心Oの位置であって、分注ノズル51の先端51aが試料容器22の開口部22aに所定の進入深さD進入する位置に分注ノズル51を下降する。ここで、所定の進入深さDは、図5(d)に示すように分注ノズル51によって試料液W1を吸引するときに、分注ノズル51の先端51aを試料液W1の液面から浸漬させる浸漬深さdに比して浅くなるように予め設定されている。
【0034】
ステップS8において移動制御部100は、アーム駆動部54を駆動して図5(b)、図5(c)および図6に示すように、試料容器22の開口部22aの中心Oと、該試料容器22の開口縁22bの所定の近接位置Nとの間で分注ノズル51を水平方向に往復移動する。具体的にステップS8の動作では、所定の進入深さDであって試料容器22における開口部22aの中心Oの位置にある分注ノズル51を、該中心Oから開口縁22bに向けて近接位置Nに至るまで水平移動させ、続いて近接位置Nから開口部22aの中心Oの位置に分注ノズル51を水平移動させて元に戻す。ここで、近接位置Nとは、分注ノズル51の先端部と試料容器22の開口縁22bとが所定の近接範囲(近接間隔)にある位置であって、試料容器22に帯電した静電気が分注ノズル51に放電する位置である。この近接位置Nは、試料容器22を成形する材質等による静電気の帯電特性(帯電量)、および分注ノズル51の導電率等によって適宜設定することができる。なお、ステップS8において、アーム駆動部54を駆動して分注ノズル51を移動させる意外に、試料テーブル駆動部20を駆動して試料容器22を移動させる、またはアーム駆動部54および試料テーブル駆動部20を駆動して分注ノズル51および試料容器22を移動させてもよい。
【0035】
次に、移動制御部100は、吸引・吐出処理を行う(ステップS9)。吸引処理において移動制御部100は、図5(d)に示すように試料容器22の開口部22aの中心Oの位置であって進入深さDの位置にある分注ノズル51を、アーム駆動部54を駆動して試料液W1の液面に向けて下降させる。そして、移動制御部100は、分注ノズル51の先端51aが試料液W1の液面に接触したときに液面検知部56から検知信号を入力し、この検知信号に基づいて、分注ノズル51の先端51aを浸漬深さd進入する位置に配置する。そして、この浸漬深さdの位置に配置した分注ノズル51によって試料液W1の吸引が行われることになる。
【0036】
吐出処理において移動制御部100は、アーム駆動部54を駆動して分注ノズル51の先端51aが試料容器22の開口部22aから抜ける位置であって、ステップS1において移動した上方位置に分注ノズル51を移動し、さらに吐出位置にある反応容器32に対して分注ノズル51を移動する。そして、この反応容器32に試料液W1の吐出が行われることになる。
【0037】
次に、移動制御部100は、記憶部101に記憶された検査項目情報101bを用いて、同じ試料容器22から次の吸引がある場合(ステップS10:Yes)、吸引回数に1加えてステップS1に移る(ステップS11)。一方、移動制御部100は、同じ試料容器22から次の吸引がない場合(ステップS10:No)、この分注動作を終了する。
【0038】
なお、上記ステップS2において、容器情報101aが記憶部101に記憶されていない場合(ステップS2:No)、移動制御部100は、ステップS7およびステップS8の除電処理を行わない旨を表示部103に表示し(ステップS12)、かつ、分析結果に除電処理無しのマークを付け(ステップS13)、ステップS9に移る。
【0039】
試料液W1の分注動作を行う際、分注ノズル51によって試料液W1を吸引する前のステップS7およびステップS8において、分注ノズル51の先端部と試料容器22の開口縁22bとが所定の近接範囲の位置に至るまで分注ノズル51または試料容器22の少なくとも一方を移動させ、試料容器22に帯電した静電気を分注ノズル51に放電させて除去する除電処理を行っている。このように、分注ノズル51によって試料液W1を吸引する前に、常に試料容器22に帯電した静電気を除去するので、その後に試料液W1を吸引するために分注ノズル51の先端部を試料液W1に向けて移動させる場合に、静電気の影響を受けることなく液面検知部56によって試料液W1の液面を検知することができるので、正常な分注を行うことが可能になる。しかも、分注ノズル51によって静電気を放電させることから、試料容器22に帯電した静電気を除去するイオナイザー等の除電装置を必要とせずに簡易な処理で静電気を除去することが可能である。また、分注ノズル51の先端部と試料容器22の開口縁22bとを所定の近接範囲の位置に至らせることで、分注動作において液面検知部56の誤検知に最も影響を与え得る開口縁22bでの静電気を放電させるため、試料容器22の外部から除電装置によって除電を行う場合と比較して静電気の影響を効率よく回避することが可能になる。なお、ステップS8において分注ノズル51の先端部と試料容器22の開口縁22bとを接触させて試料容器22に帯電した静電気を分注ノズル51に放電させてもよい。
【0040】
また、ステップS7において、分注ノズル51の先端51aが試料容器22の開口部22aに進入する進入深さDを、吸引時に分注ノズル51の先端51aが試料液W1に浸漬させる浸漬深さdに比して浅くしている。このため、ステップS7において分注ノズル51の先端部と試料容器22の開口縁22bとを接触させる場合、分注ノズル51への汚れ等の付着物が付着し得る範囲が浸漬深さdの範囲よりも狭くなるので、試料液W1の吸引時に該試料液W1への付着物の持ち込みを抑えることが可能である。さらに、浸漬深さdの範囲内に分注ノズル51への付着物の付着を抑えることで、分注後の分注ノズル51の洗浄を確実に行うことが可能になる。
【0041】
また、ステップS7およびステップS8の除電処理で、試料容器22に帯電した静電気が分注ノズル51に放電した場合には、液面検知部56において静電容量に変化して、従前では誤検知とされていたノイズが生じる。本実施の形態では、このノイズが除電処理中に生じるものであることから、ステップS7およびステップS8において液面検知部56から出力される検知信号を無視することができる。一方、このノイズを利用し、ステップS7およびステップS8の除電処理で、試料容器22に帯電した静電気が分注ノズル51に放電した旨を検知した場合、ステップS7およびステップS8の処理途中から試料容器22の開口部22aの中央Oに分注ノズル51を戻して、ステップS9の吸引・吐出処理に移るようにしてもよい。
【0042】
また、ステップS2およびステップS3において、試料容器22の開口部22aの開口域および該開口部22aの高さ位置に関する容器情報101aを記憶部101に記憶しておき、この容器情報101aを用いて除電処理を行っている。容器情報101aを用いることで、異なる形状や大きさの試料容器22が使われる場合に、ステップS7およびステップS8の除電処理において分注ノズル51や試料容器22の移動を高い精度で行うことが可能になる。また、ステップS12およびステップS13においては、ステップS2で容器情報101aがない場合、オペレータへの告知および分析結果へのマーク付けを行っている。このため、容器情報101aがなく除電処理を行えない場合での分析を区別することができる。なお、試料容器22が定型である場合、この試料容器22の開口部22aの開口域および該開口部22aの高さ位置に関する容器情報101aの判断はなくてもよいため、ステップS2,S3,S12,S13の処理を省くことが可能である。
【0043】
また、ステップS4およびステップS5において、同じ試料容器22から続けて複数回の吸引を行う場合、初回の吸引時に前記除電処理を行うようにしている。検査項目が複数あって、同じ試料容器22から試料液W1を続けて複数回の吸引を行う場合では、試料容器22を移動させることなく続けて分注動作を行うため、初回の吸引時に静電気を除去すれば、その後の吸引時に静電気の影響が回避されることになる。したがって、初回の吸引時に静電気を除去し、その後同じ試料容器22から試料液W1を吸引する吸引動作で除電処理を省くことにより分注動作が速く行えるので、分析の高速化を図ることが可能になる。
【0044】
また、ステップS6において、予め設定された吸引回数毎に前記除電処理を行うようにしている。検査項目数が多い場合には、初回の吸引時に前記除電処理を行っていても、時間の経過によって再び試料容器22に静電気が帯電する虞がある。したがって、設定した吸引回数毎に除電処理を行うことで、再び帯電する静電気が除去されるので、常に静電気の影響を受けることなく液面検知部56によって試料液W1の液面を検知することができ、正常な分注を行うことが可能になる。
【0045】
なお、空気が乾燥した環境では試料容器22に静電気が帯電し易くなる。このような環境では、検査項目が複数で、同じ試料容器22から続けて複数回の吸引を行う場合であっても、ステップS4,S5,S6,S10,S11を省いて毎回除電処理を行うことが好ましい。また、試料容器22からの試料液の吸引が再検査項目である場合も同様にして必ず除電処理を行うことが好ましい。
【0046】
ところで、一般的な自動分析装置では、同じ試料容器22から続けて複数回の吸引を行って、同じ試料液について異なる検査項目の分析を続けて行っている。このため、試薬容器42から試薬液を吸引する分注動作の際には、同じ試薬容器42から続けて複数回の吸引を行うことがない。すなわち、試薬液を分注する場合は、その都度試薬テーブル駆動部40を駆動して試薬容器42を吸引位置に移動させてから吸引動作が行われるため、試薬容器42に静電気が帯電し易い。したがって、試薬液の分注動作においては、その都度除電処理を行うようにしている。
【0047】
移動制御部100による試薬液の分注動作について説明する。図7は、試薬液の分注動作を示すフローチャートである。
【0048】
先ず、移動制御部100は、分注動作を開始する場合、アーム駆動部64を駆動して、吸引位置に移動された試薬容器42の開口部42aの中心O(図6参照)の上方位置に分注ノズル61を移動する(ステップS21)。次に、移動制御部100は、容器情報101aが記憶部101に記憶されている場合(ステップS22:Yes)、該容器情報101a取得する(ステップS23)。
【0049】
次に、移動制御部100は、ステップS24およびステップS25の除電処理を行う。この除電処理において移動制御部100は、記憶部101に記憶された容器情報101aを用いる。ステップS24において移動制御部100は、アーム駆動部64を駆動して図5(a)および図5(b)に示すように、試薬容器42における開口部42aの中心Oの位置であって、分注ノズル61の先端61aが試薬容器42の開口部42aに所定の進入深さD進入する位置に分注ノズル61を下降する。ここで、所定の進入深さDとは、図5(d)に示すように分注ノズル61によって試薬液W2を吸引するときに、分注ノズル61の先端61aを試薬液W2の液面から浸漬させる浸漬深さdに比して浅くなるように設定されている。
【0050】
ステップS25において移動制御部100は、アーム駆動部64を駆動して図5(b)、図5(c)および図6に示すように、試薬容器42の開口部42aの中心Oと、該試薬容器42の開口縁42bの所定の近接位置Nとの間で分注ノズル61を水平方向に往復移動する。具体的にステップS25の動作では、所定の進入深さDであって試薬容器42における開口部42aの中心Oの位置にある分注ノズル61を、該中心Oから開口縁42bに向けて近接位置Nに至るまで水平移動させ、続いて近接位置Nから開口部42aの中心Oの位置に分注ノズル61を水平移動させて元に戻す。ここで、近接位置Nとは、分注ノズル61の先端部と試薬容器42の開口縁42bとが所定の近接範囲(近接間隔)にある位置であって、試薬容器42に帯電した静電気が分注ノズル61に放電する位置である。この近接位置Nは、試薬容器42を成形する材質等による静電気の帯電特性(帯電量)、および分注ノズル61の導電率等によって適宜設定することができる。なお、ステップS25において、アーム駆動部64を駆動して分注ノズル61を移動させる意外に、試薬テーブル駆動部40を駆動して試薬容器42を移動させる、またはアーム駆動部64および試薬テーブル駆動部40を駆動して分注ノズル61および試薬容器42を移動させてもよい。
【0051】
次に、移動制御部100は、吸引・吐出処理を行う(ステップS26)。吸引処理において移動制御部100は、図5(d)に示すように試薬容器42の開口部42aの中心Oの位置であって進入深さDの位置にある分注ノズル61を、アーム駆動部64を駆動して試薬液W2の液面に向けて下降させる。そして、移動制御部100は、分注ノズル61の先端61aが試薬液W2の液面に接触したときに液面検知部56から検知信号を入力し、この検知信号に基づいて、分注ノズル61の先端61aを浸漬深さd進入する位置に配置する。そして、この浸漬深さdの位置に配置した分注ノズル61によって試薬液W2の吸引が行われることになる。
【0052】
吐出処理において移動制御部100は、アーム駆動部64を駆動して分注ノズル61の先端61aが試薬容器42の開口部42aから抜ける位置であって、ステップS21において移動した上方位置に分注ノズル61を移動し、さらに吐出位置にある反応容器32に対して分注ノズル61を移動する。そして、この反応容器32に試薬液W2の吐出が行われることになる。ステップS26の処理の後、この分注動作を終了する。
【0053】
なお、上記ステップS22において、容器情報101aが記憶部101に記憶されていない場合(ステップS22:No)、移動制御部100は、ステップS24およびステップS25の除電処理を行わない旨を表示部103に表示し(ステップS27)、かつ、分析結果に除電処理無しのマークを付け(ステップS28)、ステップS26に移る。
【0054】
試薬液W2の分注動作を行う際、分注ノズル61によって試薬液W2を吸引する前のステップS24およびステップS25において、分注ノズル61の先端部と試薬容器42の開口縁42bとが所定の近接範囲の位置に至るまで分注ノズル61または試薬容器42の少なくとも一方を移動させ、試薬容器42に帯電した静電気を分注ノズル61に放電させて除去する除電処理を行っている。このように、分注ノズル61によって試薬液W2を吸引する前に、常に試薬容器42に帯電した静電気を除去するので、その後に試薬液W2を吸引するために分注ノズル61の先端部を試薬液W2に向けて移動させる場合に、静電気の影響を受けることなく液面検知部56によって試薬液W2の液面を検知することができるので、正常な分注を行うことが可能になる。しかも、分注ノズル61によって静電気を放電させることから、試薬容器42に帯電した静電気を除去するイオナイザー等の除電装置を必要とせずに簡易な処理で静電気を除去することが可能である。また、分注ノズル61の先端部と試薬容器42の開口縁42bとを所定の近接範囲の位置に至らせることで、分注動作において液面検知部56の誤検知に最も影響を与え得る開口縁42bでの静電気を放電させるため、試薬容器42の外部から除電装置によって除電を行う場合と比較して静電気の影響を効率よく回避することが可能になる。なお、ステップS25において分注ノズル61の先端部と試薬容器42の開口縁42bとを接触させて試薬容器42に帯電した静電気を分注ノズル61に放電させてもよい。
【0055】
また、ステップS24において、分注ノズル61の先端61aが試薬容器42の開口部42aに進入する進入深さDを、吸引時に分注ノズル61の先端61aが試薬液W2に浸漬させる浸漬深さdに比して浅くしている。このため、ステップS24において分注ノズル61の先端部と試薬容器42の開口縁42bとを接触させる場合、分注ノズル61への汚れ等の付着物が付着し得る範囲が浸漬深さdの範囲よりも狭くなるので、試薬液W2の吸引時に該試薬液W2への付着物の持ち込みを抑えることが可能である。さらに、浸漬深さdの範囲内に分注ノズル61への付着物の付着を抑えることで、分注後の分注ノズル61の洗浄を確実に行うことが可能になる。
【0056】
また、ステップS24およびステップS25の除電処理で、試薬容器42に帯電した静電気が分注ノズル61に放電した場合には、液面検知部56において静電容量に変化して、従前では誤検知とされていたノイズが生じる。本実施の形態では、このノイズが除電処理中に生じるものであることから、ステップS24およびステップS25において液面検知部56から出力される検知信号を無視することができる。一方、このノイズを利用し、ステップS24およびステップS25の除電処理で、試薬容器42に帯電した静電気が分注ノズル61に放電した旨を検知した場合、ステップS24およびステップS25の処理途中から試薬容器42の開口部42aの中央Oに分注ノズル61を戻して、ステップS26の吸引・吐出処理に移るようにしてもよい。
【0057】
また、ステップS22およびステップS23において、試薬容器42の開口部42aの開口域および該開口部42aの高さ位置に関する容器情報101aを記憶部101に記憶しておき、この容器情報101aを用いて除電処理を行っている。容器情報101aを用いることで、異なる形状や大きさの試薬容器42が使われる場合に、ステップS24およびステップS25の除電処理において分注ノズル61や試薬容器42の移動を高い精度で行うことが可能になる。また、ステップS27およびステップS28においては、ステップS22で容器情報101aがない場合、オペレータへの告知および分析結果へのマーク付けを行っている。このため、容器情報101aがなく除電処理を行えない場合での分析を区別することができる。なお、試薬容器42が定型である場合、この試薬容器42の開口部42aの開口域および該開口部42aの高さ位置に関する容器情報101aの判断はなくてもよいため、ステップS22,S23の処理を省くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の分注装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の分注装置における移動機構の制御系を示すブロック図である。
【図4】試料液の分注動作を示すフローチャートである。
【図5】分注動作を示す動作図である。
【図6】容器を上方から見た概略図である。
【図7】試薬液の分注動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 自動分析装置
2 試料載置部
20 試料テーブル駆動部
21 収納部
22 試料容器
22a 開口部
22b 開口縁
23 読取部
3 反応部
31 収納部
32 反応容器
33 測定光学系
33a 光源
33b 測光センサ
34 洗浄機構
4 試薬載置部
40 試薬テーブル駆動部
41 収納部
42 試薬容器
42a 開口部
42b 開口縁
43 読取部
5 試料分注機構
51 分注ノズル
51a 先端
52 アーム
53 軸部材
54 アーム駆動部
55 洗浄槽
56 液面検知部
56a 発振回路
56b 静電容量検出回路
56c 比較回路
56d 電極
6 試薬分注機構
61 分注ノズル
61a 先端
62 アーム
63 軸部材
64 アーム駆動部
65 洗浄槽
100 移動制御部
101 記憶部
101a 容器情報
101b 検査項目情報
102 入力部
103 表示部
N 近接位置
O 中心
W1 試料液
W2 試薬液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する容器と分注ノズルとを相対移動させることにより、前記分注ノズルの先端部が有する導電性を利用して液体の液面を検知しつつ、前記分注ノズルの先端を前記液体に浸漬させて液体を吸引する分注装置において、
前記分注ノズルによって液体を吸引する前に、前記分注ノズルの先端部と前記容器の開口縁とが所定の近接範囲の位置または接触する位置に至るまで前記分注ノズルおよび/または前記容器を移動させて除電処理を行う移動制御部を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記移動制御部は、同じ容器から複数回の吸引を行う場合、少なくとも初回の吸引時に前記除電処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記移動制御部は、予め設定された吸引回数毎に前記除電処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記移動制御部は、前記分注ノズルの先端部と前記容器の開口縁とを接触させる場合、前記分注ノズルの先端が前記容器の開口部に進入する進入深さを、前記分注ノズルの先端が液体に浸漬させる浸漬深さに比して浅くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項5】
前記容器の開口部の開口域および該開口部の位置に関する容器情報を記憶する記憶部を備え、
前記移動制御部は、前記記憶部から取得した容器情報を用いて前記除電処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項6】
複数の異なる液体を混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、請求項1〜5のいずれか一つに記載の分注装置を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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