説明

分離モジュールをテストする方法

【課題】サービスの中断なしにシステムの漏れを探し出すことができ、非破壊テストを使用してモジュール内または濾過システム内の漏れの位置を決定できる、分離モジュールまたは濾過システムの完全性を評価する方法および装置の提供。
【解決手段】a.第1供給液に圧力を付与しつつ透過溶液および阻止溶液を生成するように該第1供給液を膜の表面を横断して流す工程、b.攻撃種を含有する第2供給液を加圧下に導入する工程、c.加圧下に第3供給液を導入し、ここで該第2および第3供給液の連続的導入によって該攻撃種の時間で示す濃度プロフィルが4分より短いFWHMをもつ攻撃種のパルスをもたらす工程、そして、d.該透過液内の該攻撃種の相対濃度を時間の関数として検知しそして記録する工程、そしてe.記録した時間依存透過信号を基準値と比較することによって該濾過システムの完全性を評価する工程をもつ超濾過モジュールの欠陥検知方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離モジュールまたは濾過システムの完全性を評価する方法および装置に関する。本発明の方法は、スパイラル巻きした超濾過(hyperfiltration)モジュールおよびこれらのモジュールからなるシステムに特に有用である。本発明の迅速なテスト方法は、漏れを検知する能力を改良し、そしてモジュール製造者による品質のテストに有用である。1つの態様は、また、サービスの中断なしに設置されたシステムの漏れを探し出すことを可能にする。好ましい態様は、非破壊テストを使用してモジュール内または濾過システム内の漏れの位置を決定する。
【背景技術】
【0002】
超濾過は、圧力が半透膜の1つの側に付与されると、溶質(しばしば塩)を保持しつつ溶媒(通常水)が膜を通過するようにする方法である。溶媒が低濃度から高濃度へ移動する自然の駆動力に打ち勝つために、付与される圧力は、浸透圧を超えなければならない。この理由のため、用語「超濾過」は、しばしば、「逆浸透」と相互に置換可能に使用される。この明細書の目的では、超濾過は、逆浸透(RO)およびナノ濾過(NF)方法の両者を含む。
【0003】
超濾過膜は、スパイラル巻きした構造により最も普通に使用されるが、それはこの構造が大きな膜面積を小さな体積に包装できるからである。代表的なスパイラル巻きしたモジュール(2)は図1に示される。1つ以上の膜の覆い(4)および供給物スペーサーシート(6)は、中心の透過液採集管(8)の周りを包む。覆い(4)は、透過液担体シート(12)を囲む2つのほぼ方形の膜シート(10)からなる。この「サンドイッチ」構造は、3つの縁(16,18,20)に沿って接着剤層(14)により一緒に保持され、一方覆い(4)の第四の縁(22)は、透過液採集管(8)と接し、透過液担体シート(12)は透過液採集管(8)を通過する小さい孔(24)と流体接触する。スパイラル巻きしたモジュールの構築は、参考として引用される特許文献1−3に詳細に記載されている。
【0004】
図1の大きな矢印は、供給物および透過液のための操作におけるおおよその流れの方向(26,28)を示す。供給物の流れの方向(26)は、膜(34)の前面を通って入口末端(30)から出口(阻止)末端(32)である。透過液の流れの方向(28)は、供給物の流れの方向(26)にほぼ垂直である。実際の流路および速度は、構築および操作条件の詳細により変化する。代表的な条件下では、モジュールは、0.15m/秒の供給速度および0.04m/秒の管の付近の透過速度を示すだろう。供給速度は、いくらかの供給液が透過側に失われるので、入口末端(30)から出口末端(32)にかけて遅くなる。うまく構築されたモジュールでは、透過速度は、零に近づく後ろの接着剤層から同様に早くなり、透過液管で最大の速度になる。
【0005】
スパイラル巻きしたモジュールは、一般に、図2に画かれているように、操作では円筒状の圧力容器の内側に置かれる。8つ以内のスパイラル巻きされたモジュール(2)が圧力容器(40)内で直列に組み合わされるのが普通である。圧力容器(40)は、直列のモジュール(2)のそれぞれで軸方向に供給物を通すための両端の開口(42,43)、および透過溶液を取り出すための少なくとも1つの追加の開口(44)を有する。隣接するモジュール(2)からの透過液採集管(8)は、少なくとも1つの透過液シール(48)を有するインターコネクター(46)により結合し、そしてその及ぶ範囲は容器(40)内のほぼ1つの長さのモジュールである。この仕様の目的のために、容器の透過液採集域(50)は、直列の透過液採集管(8)、それらのインターコネクター(46)およびそれらの容器末端アダプター(52)により囲まれる体積を含む。(容器アダプター(52)は、代表的に、透過液を容器から出すために、容器の末端キャップ(54)へ透過液採集管(8)を結合する。)圧力容器は、他の圧力容器と直列または並列でさらに組み合わされて膜濾過システムをつくることができる。
【0006】
スパイラル巻きした超濾過モジュールの製造者は、個々にモジュールをテストしそして20−30分後の塩阻止を条件として指定する。性能の小さい変化は、実際には、数日または数ヶ月続くが、この20−30分のテストは、測定を変動のない状態に近い条件下で行うことができる。塩分含有水のモジュールでは、普通のテストは、2000ppmのNaClおよび225psiの付与圧力を使用する。海水を含むものは、代表的に、32000ppmのNaClおよび800psiの付与圧力でテストされる。FilmTecのNF270モジュールは、70psiおよび2000ppmのMgSOでテストされる。膜または構築の欠陥のない「未使用状態の」モジュールは、代表的には、これら標準のテストで0.3−3%の最大の塩通過を示す。超濾過は未使用状態の膜でも塩のいくらかの通過を可能にするため、これらのテストは、モジュールの構築の問題から生ずる肉眼で見える欠陥でも特に鋭敏ではない。その上、高い塩の通過が観察されるときでも、これらの標準テストは、欠陥のタイプまたは源についてどんな情報も提供しない。
【0007】
図3の矢印により指示されるように、透過液の流路中への漏れについていくつかの特に普通の領域が存在する。透過液担体シート(12)の裏(60)および側面(62、64)の領域は、欠陥のある接着剤層(14)に該当し、供給物が直接透過液に入る路となる。透過液採集管(8)に接する縁に近い領域(66)は、膜の折り目に相当し、そして特に非常に厳しいかつ頻繁なクリーニングサイクルにかけられるモジュールでは、漏れの普通の源となっている。モジュールの入口および出口の末端で、透過液管(8)の付近では、インサート漏れ(片が構築でモジュールから引き離される)に相当する領域(68,70)は、高い塩の通過を生ずる。膜それ自体は、また一般に、高い塩の通過を有するか、またはそれは、かき傷およびピンホールのような局在する欠陥を有することがあり、そしてこれらは、透過液チャンネルの大きな中心域(72)中に入る供給液を生ずる。
【0008】
スパイラル巻きしたモジュール内の欠陥の位置は、識別することが困難である。いくつかの場合には、解体および使用停止が欠陥の位置を明らかにする(非特許文献1)。しかし、解体は、破壊することになりしかも時間を消費する方法であり、結果を得ることにともなう遅延は、それが構築時に現存する問題を補正するのに使用できる情報をほとんどもたらさないことを意味する。
【0009】
超濾過モジュールは、水から塩を除くのに最も普通に使用されている。これらの膜は、また、関心のある特定の大きな不純物(例えば、ジアルジア属(Giardia)、クリプトスポリディウム(Cryptosporidium)、ウイルス)を除く。従って、超濾過は、消毒薬の必要性を制限しつつ、地表水から飲用に適した水を生成できる。これらの膜は、また、直接的および間接的な飲用に適した再使用のために都市の廃水を処理するのに使用される。しかし、安全性に関する懸念のために、超濾過は、常にこれらの水を処理するのに使用されるいくつかの工程の1つであり、そして大きな粒子の除去能率に対する実際の影響力は、一般にまだ定まっていない。
【0010】
膜による任意の種の完全な除去は、生成した水のすべてがバリヤー層を通過することおよびバリヤー層が欠陥を有しないことの両者を要する。J.Lozierらは、超濾過モジュール内でウイルスおよび包嚢が通過する基本的な問題点が、膜シートの不完全さ、膜の片の接着剤または熱シールにおける不完全さ、および生成した水の管に付属する装置の領域における膜の不完全さであることを教示している(非特許文献2)。製造者により使用される標準の塩阻止テストは、大きな粒子を通しがちな欠陥を検知できる鋭敏さに欠ける。さらに、漏れに関するいくつかの主な原因は、モジュールの外部、特に隣接するモジュールを結合しモジュールを外部のパイプに接続するインターコネクターにある。システムで使用される有効なテスト方法は、モジュールおよびそれを囲むすべてのコンポーネントを評価する必要があるだろう。そのテストは、また、生ずる生産性の低下ばかりでなく、スパイラル巻きしたモジュールが連続的に操作されるとき最も信頼できる理由からシステム操作を完全に中断することがないだろう。
【0011】
最近、UF、MFおよびROシステムの完全性をテストする方法が多数提案されそして説明されており、そしてこれらはいくつかの文献で検討されている。例えば、非特許文献2−5参照。
【0012】
モジュールの完全性は、しばしば、空気流の測定により評価される。これら空気流のテストは、通常、バブルポイント法に基づいており、そしてその変法はいくつかの特許に記載されている。例えば特許文献4−6参照。圧力または真空が膜の1面に付与されて、空気を大きな孔を通して自由に流す。超濾過モジュールでは、標準のテスト法は、膜の透過液側に真空を付与しそして経時によるその真空度の低下として空気の通過を観察することである(非特許文献6)。これは、含湿または乾燥モジュールについてなされる。しかし、この標準の方法は、一般に、約2ミクロンより大きい孔を検知することに限定されてしまい、そしてシステムは、一時的にオフラインでテストされなければならない。或る場合には、空気流のテストは、システム内そしてさらにモジュール内の漏れのおおよその位置についての情報をもたらす。例えば、湿ったスパイラル巻きした超濾過モジュールの透過液管を加圧すると、スパイラルの末端でバブルを生じ、その位置は或る漏れのタイプを示す。しかし、この方法は、時間がかかりそして自動化するのが難しく、そしてその感度は、膜の層間剥離を避けるのに必要な圧力の低さにより非常に制限される。
【0013】
Laineらは、UFシステムにおける切断したファイバーを検知するための音響センサーの使用を教示している(非特許文献7)。この方法の利点は、システムが評価されている間、システムは処理された水を生成し続けることができることである。直径0.5mmの孔は検知できるが、感度はバックグラウンドの室のノイズに強く依存し、その上、この方法はデッドエンドの濾過中にのみ働く。さらに、Laineらの方法は、それぞれのモジュール上の別々のセンサーを使用しておおよその漏れの位置について多少の情報をもたらすことができる。しかし、音響による検知が直交流のスパイラル巻きしたモジュールに有効に適合するかは不明であり、超濾過モジュールに現れる広い範囲の孔のタイプおよびサイズを確実に検知することはないだろう。
【0014】
供給水中の種々の天然成分は、膜システムの異常について継続的にモニターするのに使用されてきた。Chapmanらは、新しいシステムの漏れの指標が、増大したレベルの粒子のカウント、TOC、濁度、TDS、二価のアニオンまたはカチオン、455nmで検知される着色物質、および254nmで検知される物質(有機物、腐植酸およびフルビン酸)を含むことを教示している。粒子のカウンティングは、MF/UFシステムにおいて使用される最も普通の方法の1つであるが、これは、水が予め処理されているときには、超濾過にとって適切ではないだろう。これらの方法のそれぞれでは、感度は、天然の供給水中の成分および経時のそれらのコンシステンシーに依存する。膜の変化、供給物の変化または方法の条件の変化によって、性能における小さい変化は確認するのが難しい。
【0015】
ASTM標準(D6908−03)は、透過液中でも容易に検知される十分に阻止される攻撃種を供給物に加えるというChapmanらおよびLozierらの教示を組み入れている。Chapmanは、Allura Red(FD&C No.40)によりRO膜を処理した。Lozierは、Rhodamine WTおよび0.02ミクロンの蛍光ミクロスフェアの両者を混合してシステム供給物に入れた。ASTM標準において勧められているように、比較的静的な条件を得る実質的な時間に、攻撃種の入った供給物にモジュールが作動した後に、透過液サンプルは採集された。システムの漏れは、供給物の濃度に対する透過液の比の上昇により示された。ChapmanおよびLozierの両者は、染料のテストが、多少の大きな漏れを検知することはできるが、このテストはすべての欠陥を明白に検知するほどには十分に鋭敏ではないことを知った。超濾過膜については、染料のテストの感度は、膜を通る染料の拡散によりそして高濃度の阻止溶液の処理に伴う問題により制限される。蛍光ミクロスフェアの使用は、現在ではコストが極端に高い。これらの攻撃種のテストは、破損を示すのにわずか唯一つの値しかもたらすに過ぎず、それゆえこの数値は、漏れの位置についてなんら情報をもたらすことがない。
【0016】
特に、他の測定は、スパイラル巻きしたモジュールの特定の容器が完全性の問題を有すると思われる理由があると示唆するとき、プローブ管路が特定のモジュールについて問題を局限する手段を提供できる。ある文献(非特許文献8)は、どのようにして管が容器に挿入されて一連の接続された透過液管を下降し、水の方向を変換しそして容器の透過液採集域の特定のセクションから分析を行うかを記述している。残念ながら、この方法は時間がかかりそしてもしプローブのためのアダプターが存在していないならばシステムをオフラインにする必要がある。
【特許文献1】米国特許5538642
【特許文献2】米国特許5681467
【特許文献3】米国特許6632356
【特許文献4】米国特許6202475
【特許文献5】米国特許6228271
【特許文献6】米国特許6324898
【非特許文献1】“Membrane Element Autopsy Manual”Water Treatment Technology Program Report No.17、U.S.Bureau of Reclamation、1994
【非特許文献2】J.Lozier、et al.“Microbial Removal and Integrity Monitoring of High−Pressure Membranes”AWWA Research Foundation,2003
【非特許文献3】M.M.Nederlof,et al.“Integrity of membrane elements,vessels and systems”Desalination,113(1997),179−181
【非特許文献4】M.W.Chapman,et al.“Methods for monitoring the integrity of reverse osmosis and nanofiltration membrane systems”Desalting and Water Purification Research Report 55,Bureau of Reclamation
【非特許文献5】S.Adham et al.“Monitoring the integrity of recerse osmosis membranes”Desalination 119(1998)143−150
【非特許文献6】ASTM D6908−03“Standard Practice for Integrity Testing of Water Filtration Membrane Systems”ASTM International,West Conshohocken,PA(June 2003)1−13
【非特許文献7】Laine,J.M.et al.“Acoustic sensor:a novel technique for low pressure membtane integrity monitoring”Desalination 119(1998)73−77
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
個々のスパイラル巻きした超濾過モジュールの漏れを検知する改良する方法が要求されている。このテストは、ウイルスおよび細菌の通過を可能にする可視のモジュールの構造の欠陥に特に鋭敏であるばかりでなく、塩の通過を著しく増大させるかもしれない小さい孔を十分に検知できるほど鋭敏でなければならない。また、水の製造を中断することなく現場の超濾過システムの完全性を立証する方法についても要望がある。両者の場合には、テストが、現存の選択可能な方法よりも早くそしてより高い感度を有することが望まれる。好ましくは、テストが、漏れの存在を示しそしてまたこの漏れの位置および原因について情報を提供することだろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、濾過システムの完全性を迅速に評価する改良された方法および装置を提供する。本発明の方法は、単一のモジュールまたはモジュールのシステムの何れもテストするのに応用でき、そして本発明の方法は、システムを減圧することなく行うことができる。1つの態様では、飲用に適した水の製造は、テストしているプロセスの間に行われる。他の態様は、モジュール中の透過液流の攻撃種の濃度変化を測定するプローブ列を提供する。また、他の態様は、濾過システムの透過液流中の低濃度の攻撃種を測定する装置を提供する。
【0019】
本発明者は、欠陥に対する改良された感度が、膜により十分に阻止される攻撃種の短いパルスをモジュールの供給流に導入することによってスパイラル巻きしたモジュールをテストし、そして透過液流内に生ずる攻撃種の時間依存濃度を測定することから生ずることを見いだした。得られる時間依存透過液信号は、検知され、記録されそして基準値と比較される。透過液の濃度が疑定常状態であるとき行われてきた従来の完全性のテストに比べて、透過液信号のこの時間依存性は、改良された相違をもたらし、漏れがさらに容易に見いだされることを可能にする。方法は、約4分間に及ぶ期間に添加される攻撃種の供給パルスに適用可能であるが、より好ましくは、2分以内の実質的により短いパルス時間を使用するか、またはさらに好ましくは、40秒以内または5秒以内を使用して、「未使用状態」かつ漏れのある濾過システムの透過液応答特性を得る。非定常状態の透過液濃度を使用することは、短い測定時間の間隔による可変のバックグラウンドに対して透過液信号を増大させ、そして欠陥からの応答が、「良好な」膜を通る攻撃種の通過に比べて短い時間に濃縮されるので、それはまた信号を増大させる。さらに、非定常状態は、たとえ浸透圧が付与圧力に近づくかまたはそれを超える場合でも、高濃度の攻撃種をパルスに使用することを可能にする。好ましい態様では、攻撃種のパルスは一時的に浸透力を増大させて、システムの正味の駆動ポテンシャルを劇的に低下させそして漏れる域からの信号の大きさを増大させる。本発明の方法は、阻止された攻撃種の実質的な部分の採集および再使用を可能にする追加の利点を有する。
【0020】
本発明者は、さらに、モジュール内の透過液管に沿ったいくつかの位置での攻撃種の濃度が、欠陥に対する改良された感度をもたらすことを見いだした。透過液管に沿ったそれぞれの測定点での濃度は、濃縮された攻撃種を有する供給物がモジュールを長さ方向で横切るときそして透過液が透過液担体シートを下降するとき、時間の関数として変化する。本発明の他の態様は、容器の透過液採集域内の少なくとも4つの点から伝導度を測定する手段を含む。特に、攻撃種の短いパルスとの組み合わせで、本発明の装置は、欠陥に対する実質的に改良された感度をもたらし、そして欠陥の場所そして或る場合には原因すらも非破壊的テストで確かめることを可能にする。容器内の単一のモジュールまたは複数のモジュールの何れかを使用するとき、プローブ装置は、好ましくは、1つのモジュールの上流のインターコネクターシールからの漏れを検知するように適合される。容器内の複数のモジュールにより使用されるとき、プローブは、容器の透過液採集域の内径を狭めることを避けたインターコネクターと最も有利に組み合わされる。
【0021】
本発明の他の態様は、濾過システムの透過液流をサンプリングし、高回収膜装置を使用してその流れ内の攻撃種を濃縮し、次にさもなければ測定することがさらに困難と思われる高回収膜装置の阻止溶液内の攻撃種を検知する装置を含む。本発明の装置は攻撃種の連続する濃度および検知の手段を提供するため、それは、パルステストと非常に有利に組み合わされて感度を改良する。装置の高回収膜装置は、好ましくは、その出口末端で実質的に小さい断面積を有する供給物スペーサーを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、スパイラル巻きしたモジュールおよびこれらモジュールを含むシステムの完全性を評価する改良したテスト方法に関する。
【0023】
少なくとも1つのスパイラル巻きしたモジュールからなる濾過システムの完全性が、濾過におけるように加圧された液体の下システムを操作し、そして十分に阻止された攻撃種の短いパルスが膜を横断して通過するようにすることにより評価されるのが、本発明の1つの側面である。このパルスは、液体供給源の間を切り換えることによりまたは攻撃種の濃縮溶液を連続供給溶液中に注入することにより生成される。何れの場合でも、第1の供給溶液は、より高い攻撃種の濃度の第2の供給液により置換され、そして第2の供給液は、第3の供給液により置換される。(本発明の供給液の置換は、プラグ流を要しない。例えば、モジュール内の供給液が初めの供給液からの残存成分を含むことは、本発明の範囲内にある。また、第1および第3の供給液は、同じ溶液である。)得られるパルス時間は、多数の方法の任意の1つを特徴とし、本発明者は、FWHM(半値全幅)を選んだ。図4により分かるように、このFWHMは、ピーク(94)から基線(96)への最大の増大(92)の半分(90)である攻撃種濃度に相当する時間(86,88)の間に測定される、攻撃種濃度のピークの上昇(82)の端と下降(84)の端とを分ける時間(80)の長さである。ほとんどのシステムでは、このFWHMは、第2の供給物を限定する事象(例えば、弁の開放/閉止または注入ポンプの入/切)間の時間の差にほぼ相当する。
【0024】
好ましい態様では、第1の供給液が攻撃種のどんなものも含まないことが最も好ましいが、パルス間の膜と接触する攻撃種の最大の濃度は、最初および最後の供給液のそれの少なくとも2倍でなければならない。攻撃種は、テスト中未使用状態の膜の域で平均少なくとも97%阻止であり、それは、既述の標準テストの最大3%の塩通過にほぼ相当する。しかし、遙かに高い(99%より大きい)阻止がより良い感度を与えるだろう。攻撃種の濃度の分極化がモジュール内を正確に評価することを困難にしているため、未使用状態の膜の表面でのこの平均阻止は、回収による増大した供給濃度を示しているが分極化を考慮していない見かけの阻止として特定される。
【0025】
本発明者は、短いパルスが或るタイプの欠陥の間を区別する機会を可能にすることを見いだした。図3に記載された域の欠陥の任意のものは、透過液チャンネル内の流れおよび攻撃種の濃度を変更する。しかし、標準テストは、すべての域からの透過液を組み合わせて、すべての欠陥が、平均の塩の通過における増加としてのみそれら自体証明する。対照的に、短いパルス後の溶出プロフィルは、漏れの域の間を区別する。例えば、裏面の接着剤層での漏れは、透過液管付近の漏れよりもモジュールからの溶出に実質的に長い時間がかかるだろう。(裏面の接着剤層での漏れが溶出する実際の時間は、その存在が透過液チャンネル内の流路および速度を改変するので、そのサイズに依存する。)同様に、時間プロフィルの相違は、モジュールの入口および出口の末端付近で生ずる漏れについて見られる。この相違は、モジュールを横切って移動する供給液に必要な時間、および1つの末端からモジュールを離れる透過液について必要な時間の両者により生ずる。代表的な操作では、後者の作用が主なものであるが、それらの影響は、モジュールの入口側から透過液を取り出すことにより組み合わされる。実施例は、いかに局在化した欠陥が経時の透過液濃度における別々のスパイクとしてそれら自体明らかにするかを示すだろう。対照的に、攻撃種の一般に通過が高率の膜から作られる未使用状態のモジュールは、攻撃種通過の大きさが正常のものより高率だろうが、かなり代表的な時間プロフィルを有することが予想できる。
【0026】
供給物および透過液の両者中の攻撃種の濃度が、時間の関数として検知され記録されることが望ましい。(時間の関数としてこの信号をデジタル的に記録することは、コンピュータが基準値への比較により結果を処理し評価することを可能にする。)供給パルスは、4分より短い好ましくは2分より短いそしてさらに好ましくは1分より短いFWHMを特徴とする経時の濃度プロフィルを有しなければならない。透過液信号は、好ましくは、10秒より短い間隔で検知され記録される。さらに好ましくは、信号は、特にピークでの強度を正確に測定することが要求されるため、2秒より短い間隔で検知および記録される。透過液内の攻撃種の時間依存相対濃度のみを使用して、欠陥の特徴であるプロフィル中の変化を注目することができる。漏れのさらに正確な情報は、この信号の絶対的な大きさ(そして供給物中の攻撃種濃度に関連する)および/または供給物パルスプロフィルからの透過液パルスプロフィルの時間における分離に関するより精密な情報をさらに使用することによって得ることができる。
【0027】
濾過システム(単一のモジュールからなるシステムを含む)の完全性を評価するために、記録されたデータが基準値と比較されることが望ましい。基準値は、同じシステム(同じ容器およびモジュールを有する)について従来集められたデータを使用して、または1つ以上の本質的に同等なシステム(評価されるシステムと本質的に同じシステム構造および同じタイプのモジュールを有するシステム)について従来集められたデータを使用して得ることができる。基準値は、また、実験的にまたはコンピュータシミュレーションにより測定されるような、「未使用状態の」モジュールまたは容器の性能を使用して誘導できる。超濾過モジュールの製造者により提供されるシステムシミュレーションソフトウエアと同様に、プログラムは、好ましくは、操作条件、例えば直列のモジュールのタイプの数、容器中への水流、および容器の回収を考慮に入れるだろう。(当業者が理解するように、これらの考慮は、他の形例えば付与される圧力および膜の浸透性をとるかもしれない)。さらに、シミュレーションソフトウエアは、パルスの持続時間に関する情報を使用し、そしてさらに好ましくは、測定された供給プロフィルのデータを組み入れるだろう。基準値に基づいて、モジュールまたはシステムの完全性が評価できる。この情報は、モジュールの適切な配置を指図しそして保証された調整的な作用を決定するのに使用できる。
【0028】
本発明者は、供給液の濃度の短いパルスを使用してモジュールをテストする他の利点が、改良されたSN比を得ることできることであることを見いだした。モジュールが標準の方法に従ってテストされるとき、通常の場合は、過剰の伝導度が大きなしかも可変のバックグラウンド信号に対して測定される欠陥による。バックグラウンド信号は、攻撃種の浸出によりまたは経時の膜の阻止の変化により変化する。何れの場合でも、供給物濃度における短いパルスを使用するテストは、変化するバックグラウンドレベルに対して鋭敏ではない。それは、透過液濃度の変化が極めて短い時間で観察されるからである。同様に、急速にパルスを送る供給物は、いくつかのモジュールからなる膜システムの欠陥に対してより大きな感度を可能にする。(現場において代表的に得られる連続する測定値は、膜、供給物および方法の条件における変化により通常不明確であるため、従来のモニターリング法によりシステムの欠陥を検知するのには通常困難であった。)
本発明者は、定常状態の性能を得ることが、鋭敏な完全性のテストについて要求されないことを見いだした。事実、本発明の一時的なパルス方法は、定常状態の性能に比べて、増加した感度を実際に提供できる。超濾過モジュールの性能は、テストの時間とともに変化することが知られている。超濾過モジュールの製造者により勧められそして行われる標準テストは、安定化された膜の性能が測定されるような通常20分または30分として特定される実質的なウォーミングアップ期間後の塩の通過の測定を要する。染色完全性テストに関する新しいASTM法(D6908−03)は、システムが平衡の動作に達するように動かし、染料を添加し、次にサンプルが取り出される前に平衡に再び達するようにさらに15分を特定しそして染料の通過が計算されることを示唆している。透過液担体シート内の溶液の定常的な分布が、透過液チャンネルを空にする必要があるため、遙かに短い時間でさらに妨げられるのも事実である。これをするのに必要な時間は、モジュールのフラックスにほぼ比例する。5,10および20gfd(8.5、17および34L/m時)で操作される漏れのない代表的なスパイラル巻きしたモジュールでは、4分、2分および1分という時間は、透過液が透過液シートの長さを90%下降し透過液管に入る時間の2倍にほぼ相当する。攻撃種の急速なパルスによる本発明のテストは、実質的なウォームアップを要することなく、少なくとも或る場合には、定常状態の動作が達成されない理由のある欠陥を検知するのにより有効であると思われる。
【0029】
本発明の驚くべき効果は、定常状態にはないモジュールテスト条件を生ずる短い供給パルスが、高い攻撃種濃度および低い付与圧力の両者を超濾過テストで使用できるようにしたことである。高い攻撃種の濃度は、存在するバックグラウンド信号に対する感度を上げそして検知限界を下げる。低い付与圧は、ポンプおよびパイプのコストを低下させる。定常状態の方法では、膜のフラックスは、膜を通る浸透圧により低下し、そして付与圧が減じるかまたは供給物濃度が実質的に上昇するとき、零フラックスに近づく。そのため、所定の付与圧では、実際的な上限が十分に阻止された攻撃種の濃度について存在する。しかし、供給物濃度の急速なパルスの場合には、膜を通る時間平均フラックスは、主として、パルス前後の供給条件により決定される。これは、透過液流における大きな損失なしにパルス中遙かに高い供給物濃度を使用することを可能にする。それは、さらに、攻撃種が透過液チャンネル内で濃縮されることを可能にして、標準フラックスの再開により、より大きな信号を生ずる。
【0030】
急速に変化する浸透圧が、特に正味の駆動ポテンシャルが零に近づくかまたは負になるとき、少なくとも或る場合では、欠陥に対する感度の実質的な増大をもたらすことができることが短いパルスを使用する他の利点であることを本発明者は見いだした。正味の駆動ポテンシャルは、差別する膜を横切る浸透圧の差を減じた付与圧の合計と定義され、そして膜の前面での濃度が大きいときそれは負になる。(パルスが、増加した濃度の1つより多い成分を含むため、検知された攻撃種が浸透圧の増加に主として関係があることは要しない。)有用性を制限するものではないが、増加した感度に関係のある1つの仮定のメカニズムは以下の通りである。パルス中、供給物濃度が高いとき、孔(たとえ全く小さい孔でも)を通る水フラックスおよび攻撃種溶質フラックスは、付与圧により駆動され、そして供給物の浸透圧により妨げられない。欠陥付近の透過液担体シートの領域は、パルス中攻撃種分子を付加されるようになり、そしてこれらは次にモジュールから洗い流されそしてパルス後、検知器に向かう。対照的に、パルス中の高い供給物濃度(高い浸透圧に相当する)は、「未使用状態の」超濾過膜を通る水フラックスを実質的に制限する。フラックスがこれらの領域で零に近づくときそして特に正味の駆動ポテンシャルがフラックスを逆転させるように負になるとき、超濾過膜の裏側での攻撃種の対流による輸送は、劇的に低下し、そして「未使用状態の」差別膜を通る攻撃種の運動は実質的に小さくなる。前述のように、透過液チャンネルを通る平均のフラックスおよび流れが、パルス前後の条件によりなお支配されているため、負の正味の駆動ポテンシャルを生ずるパルスによりテストすることができる。
【0031】
他の好ましい態様では、攻撃種を含む短いパルスは、高い浸透力のより長い持続時間のパルス内に含まれる。例えば、高い浸透力の溶液は、システムの標準供給物溶液中に注入され(例えば、t=0秒からt=60秒)、そして容易に検知される攻撃種は、より短い時間(例えば、t=15秒からt=45秒)で同じ溶液中に注入される。従来の染料テストは、未使用の状態の膜を通る拡散からのバックグラウンド信号により感度を通常制限し、そのため高い浸透力のパルス特に反転フラックスを起こすものにより染料のパルスを囲むことは、漏れに対する感度を改良するだろう。攻撃種および高い透過力の両者を含む単一のパルスと比べるとき、このアプローチは、パルスの縁で「未使用状態の」膜を通る通過を低下させる。
【0032】
或る場合では、攻撃分子の短いパルスにより供給物をスパイクすることは、現存の安い検知器の使用を可能にする。1つの好ましい態様では、供給物溶液は、硫酸塩イオンによりスパイクされる。二価のイオン例えば硫酸塩は、ほとんどの超濾過膜により完全に阻止される。透過液の伝導度における時間依存変化は、硫酸塩の漏れをバックグラウンド伝導度のレベルから区別することを可能にする。製造者のモジュールテストとして、これは、他の伝導性物質の浸出および可変の膜の塩通過にもかかわらず完全性を評価することを可能にする。濾過システム例えば水処理プラントでは、硫酸塩イオンの短いパルスは、透過液中の伝導性種の連続する存在から区別できる。このテストは、供給物または透過液へ禁止された種を導入させず、そして短いパルスは、水製造を中断することなく完全性の評価を可能にするだろう。同様なテストは、また、濾過システム中にしばしば存在し検知される他の攻撃物質(粒子、TOCなど)をスパイクすることにより行うことができるだろう。
【0033】
短い攻撃パルスを使用する他の利点は、より少ない溶質がテストで使用されることである。パルス時間は、定常状態のテストに比べて、低下した時間平均放出レベル(廃物)を生ずる。さらに、供給物濃度が平均放出レベルにより制限されるとき(たとえ比較的短い期間でも)、短いパルスは、より高い供給物濃度および改良されたSN比を可能にする。短いパルスは、また、透過液中の物質のより低い時間平均濃度を生ずる。
【0034】
短いパルスは、さらに、高い攻撃種濃度のパルス中の阻止溶液が物理的に分離されることを可能にし、そして攻撃種の実質的な回収を可能にする。例えば、回収率85%の濾過システムでは、阻止溶液の短い持続時間は、初めの供給物濃度より6倍であり、そしてこの阻止溶液は、再使用のため貯蔵タンクに送られる。実際の回収可能な濃度は、より低いシステムの回収率およびパルス末端でのミキシングにより、しばしば低い。さらに、攻撃種の回収および再使用は、高価な物質例えば前記の蛍光粒子にとり特に有利である。
【0035】
膜(MF、UF、NF、RO)モジュールまたはシステムの透過液中の攻撃種の濃度が、全透過液流を代表するこの透過液流のサンプルを次の高回収濾過装置に通過させることにより、検知前に増加することが本発明の他の側面である。その場合、サンプリングされた透過液流は、もし必要ならば再加圧され、そして高回収装置への供給物となる。高回収装置からの阻止流は、次に検知器に送られる。回収が、検知器で20倍そして100倍増大した信号を生ずる少なくとも95%そして好ましくは少なくとも99%であることが望ましい。攻撃種を濃縮することは、最初の透過液の濃度が正確さをもって容易に測定されないとき、例えばその濃度が検知限界の100倍より低くまたは20倍より低いとき、特に有用である。
【0036】
この方法のサンプリング流の濃縮は、デッドエンドまたは直交流濾過により達成できる。特に、攻撃種が粒状であるとき、デッドエンド濾過が使用されてサンプリングされた透過液内の粒子を膜表面上に濃縮し、この表面は次に分析される。もし個々の粒子例えば磁性または蛍光の粒子が別々にカウントされるならば、特に高い感度が可能になる。供給パルスと関連して使用できる好ましい検知装置は、1つ以上の容器の透過液流からのサンプリングライン、供給パルス後の特定の時間中透過液サンプルを集める自動化手段、それぞれのサンプリングラインからサンプリングされた透過液を保持する貯槽、デッドエンド濾過において攻撃種を維持する各貯槽に対応する平らな分離膜シート、各膜シートを横切る示差圧力を付与する手段、並びに膜表面上に維持される攻撃種の量を定量し記録する少なくとも1つの自動化検知器を含むだろう。迅速な分析時間が重要なため、それぞれのサンプリングラインが対応する検知器を有するか、または単一の検知器が、いくつかの膜表面上の攻撃種の含量を自動的に次々と定量するようにプログラムされるかの何れかが好ましい。もし吸着により膜上に維持される分子種を含む蛍光攻撃種が使用されるならば、自動化された検知器は、好ましくは、励起レーザー、最も好ましくは532nm付近のものを含み、さらに散乱した励起光を拒絶しそしてより長い波長を通す光学フィルターを含む。濃縮され吸着された粒子は、測定前に少量の適切な溶媒の添加により、表面から放出される。
直交流濾過によるサンプリング流の濃縮は、デッドエンド濾過とは反対に、濃縮物のリアルタイム分析をさらに助ける。そのため、直交流の構造は、攻撃種の濃縮のパルス後の透過液信号の時間依存度を測定することと有利に組み合わされる。加圧された直交流濾過では、高回収膜上の圧力は、検知器前または後で阻止流への抵抗により維持される。別に、高回収膜を横切るフラックスは、透過液側への真空の付与により生ずる。MFまたはUF膜は、特に真空濾過に助けとなる。
【0037】
サンプリングされた透過液流からの信号を増大させる装置は、RO、NF、UFまたはMF膜を使用する。しかし、高回収濾過装置の膜は、問題の攻撃種を大いに阻止しなければならない。UFまたはMF膜は、或る粒子の濃縮に適切であるが、超濾過膜は、小さい種そして特に塩を濃縮するのに必要である。高回収NF膜を取り込む検知システムまたは方法の使用は、ROまたはNFシステムの完全性を評価するのに使用されるとき、特別に有利である。(米国特許5858240に記載されているように、NF膜は、それらが或る塩を実質的に通し、一方他の塩特に多価の種を有するものを選択的に保持するという事実により特に区別される。)ROおよびNFシステムからの透過液流は、通常、塩を含むが、これらはNFが選択的に通す一価のイオンが一般に優位を占める。その結果、NF膜は、バックグラウンド伝導度レベルおよび透過力を低く維持しつつ、二価の攻撃種例えば硫酸塩、亜硫酸塩およびリン酸塩を大いに濃縮するのに使用できる。
【0038】
高回収濾過装置により透過液のサンプリングを濃縮した後透過液中の特定の攻撃種の濃度を決定するこの方法は、種々の異なる検知器および攻撃種により使用される。検知方法は、比イオン濃度、伝導度、TOC(全有機炭素)、濁度、粒子、吸光度または蛍光の測定を含むがこれらに限定されない。それは、天然の攻撃種およびスパイクされた攻撃種の両者により使用されるが、供給物流への攻撃種の添加は、ときには、水品質の変化および経時の装置のゆるやかな変化の両者の影響を低下させる。このより鋭敏な検知方法は、規制またはコストがより高い供給物濃度を禁じているとき、特に有利である。例えば、高回収超濾過またはUF膜による濃縮を含む検知システムは、小さい蛍光粒子のより経済的な使用を可能にし、そして0.005ミクロンより大きい直径を有する蛍光粒子が、ウイルスの代理物として使用できる。現在、蛍光ミクロスフェアは、システムの完全性のテストにとりあまりに高価であるといわれている。
【0039】
他の好ましい態様では、サンプリング流中の絶対的な濃度が計算できるように、高回収装置について供給物対透過液流の速度の比が知られている。そのため、供給物流または阻止流の何れかと透過液流とが測定されることが望ましい。しかし、もし高回収装置が比較的安定なやり方で操作されるならば、異なる測定の結果が相対的な基準で比較されることもできる。例えば、有用な情報は、供給物への攻撃種のパルスの導入から生ずる透過液流内の変化する時間のプロフィルから得ることができる。同様に、比較は、濾過システム内のモジュール、容器または列の間の攻撃種の漏れのおおよその相違から有用に行うことができる。
【0040】
他の態様では、高回収装置は、入口末端に比べて出口末端で実質的に狭い断面積を有する直交流供給物チャンネルを含む。これは、所望の非常に高い回収にもかかわらず、供給物速度を高く維持することを可能にする。早い速度は、濃度の分極化を最小にする目的に有利であり、そして先細りされた断面は、さらに、阻止流の時間変動濃度プロフィルをさもなければ乱すかもしれない流体滞留時間の変化を低下できる。断面積は、好ましくは、少なくとも5のファクター、より好ましくは少なくとも25のファクターで減少される。1つの態様では、高回収装置は、供給物を単一のモジュールに提供する複数のモジュールからの阻止物に関するステージが異なるデザインを有する。図5に画かれた他の態様では、異なる供給物スペーサーの断面積を有するモジュールは、圧力容器(40)内で直列に組み合わされる。透過液サンプリング流は、容器の入口末端(100)で開口(42)から容器に入り、そして順次小さくなる供給物チャンネル断面積のモジュール(2)内で濾過により濃縮される。モジュール(2)間の分配手段(102)が、モジュール内で供給物流の均一性を改良すること、そして塩水シール(104)または他の手段が下流のモジュールのバイパスを防ぐことが望ましい。濃縮された阻止流は、容器の出口末端(106)で開口(43)から離れ、そして検知器は、攻撃種の濃度を測定する。この態様およびステージの異なるデザインの両者は、平らなシートまたは中空のファイバー膜の何れかを使用する。
【0041】
1つの特に好ましい態様では、上記のような濃縮かつ測定されるべきサンプリング流は、プローブ管路を使用して容器の透過液採集域の特別な域から取り出される。
【0042】
本発明の他の側面は、容器の透過液採集域内の少なくとも4つの点から攻撃種の濃度を同時に測定することを含む。複数の点から信号を検知かつ記録することは、実施例で説明されているように、欠陥に対する感度を改良する。測定は、透過液採集域の内側でなされるか、または複数のサンプリング流が透過液管路により同時に抽出されそして測定は透過液採集域の外側でなされる。もし測定が透過液採集域の外側で行われそして透過液サンプルが複数のプローブ管路を使用して容器から抽出されるならば、域間の相対的な時間遅延が計算できるように異なる透過液管路からの流れが測定されることが好ましい。容器の透過液採集域の内側で複数の測定を行うことは、プローブ管路による複数の測定の実施に好ましい。それは、1)プローブによる透過液採集域内の圧力低下が減少し、2)多数のサンプリング点が標準の透過液管内の空間の狭窄部によりさらに容易に集められ、そして3)プローブ管路の下方への伝播に伴う時間遅延が避けられるからである。測定が透過液採集域の内側でなされるかまたは外側でなされるかにせよ、複数のモジュールを有する容器をプローブすることは、モジュール間のインターコネクターが透過液流の直径を狭くしないとき、最も容易に達成される。複数の測定点について使用される好ましいインターコネクターは、軸方向のシールを有するもの(米国特許6632356)および透過液管を囲む放射状のシールを含む。
【0043】
少なくとも4つの点でそしてさらに好ましくは少なくとも10の点で同時にプローブする好ましい装置は、透過液管から延在しそして電気信号が容器を離れるワイヤーに接続する各点で伝導度セルを有する。伝導度セルは、容器の長さ方向の下方の周知の位置にありそして透過液採集域内を軸方向に延在する支持構造に結合している。プローブは、好ましくは、透過液管内の特定のセットの孔からの組み合わされた伝導度が透過液管を下降するバルク流に関するそれから実質的に分離することを可能にする。(「実質的に分離された」は、測定された液体の少なくとも50%が透過液管の特定のセットの孔を通過したことを意味する。)それは、また好ましくは、インターコネクターのちょうど下流であるが次のモジュールの透過液管内の初めの孔の上流に位置し、インターコネクターのシールでの漏れが同定できる伝導度セルを含む。(モジュールの初めの透過液の孔は、管内の透過液流で画成されるこの場合で最も上流の孔である。)或るデザインでは、プローブは、滑動してその軸方向の位置を変化させる。容器からいくつかの異なる透過液流を取り出す必要がないため、この伝導性プローブは、従来のプローブ管路よりも容器お透過液採集域内でより少ない空間を要する。そのため、システムの性能を実質的に劣化させることなく、数ヶ月も操作中そのままで維持できる。
【0044】
図9−11は、容器の透過液採集域内のいくつかの点で攻撃種の濃度を測定するのに使用できるプローブ装置に関する1つの好ましい態様を示す。
【0045】
図9は、2つの隣接するモジュールの透過液管を下方に延在するプローブ部分の外側の表面(110)を示す。示される2つのモジュールは、米国特許6632356に記載されているように、透過液管(8)を囲む軸方向の透過液シール(48)により結合されており、インターコネクター(46)は、透過液流について直径を狭めてはいない。プローブの外側の表面(110)の開口(112)は、透過液管の孔(24)と同心であり、そして透過液採集域内のバルク流からの個々の孔(24)を通る流れの分離を支持する。図9のデザインは、1つのモジュールの第一の透過液孔(116)の上流の追加の開口(114)を含み、透過液シール(48)の漏れを検知する。
【0046】
図10および11は、孔の特定のセットを通る透過液流から透過液採集域内のバルク流を分離するための1つの好ましい手段を示す切開図である。この態様では、それぞれのセルは、外側の電極(118)、内部の電極(120)、そして2つの電極を分離しそしてセルを通る透過液流に路を設ける絶縁スペーサー(122)からなる。開口を有する外側のパイプは、外側の電極(118)およびプローブのための支持構造の両者として働く。円筒状の内側の電極に結合したワイヤー(124)は、プローブの1つの末端に延在し、そして各セル内の伝導度が容器の外側で測定できるようにする。示された配置では、モジュールの第一の透過液管の孔(116)の上流の伝導度セルは、透過液シールの漏れを検知する。他のセルからの伝導度は、それぞれがモジュールの下方の同じ軸方向の位置にある4つの透過液管の孔のセットを通過する液体からのそれと実質的に同じである。図9は、直列の2つのモジュールを示す。しかし、プローブの先端を切った改変により、セルのこの配置は、単一のモジュールの完全性をテストするのに特に有利である。
【0047】
以下の実施例は、本発明の範囲を決して制限しない特定の例示を示すものである。
【実施例1】
【0048】
スパイラル巻きした塩分含有水超濾過モジュールは、純水供給物を使用して67psiで運転した。30秒間、モジュールへの供給物を、2000ppmのMgSOの溶液に切り換えた。供給源を純水に戻し、そしてモジュールの入力末端で測定された伝導度により決定される、供給攻撃種の濃縮物の得られるパルスは、40秒より短いFWHMを有した。供給物パルス内の相対的な攻撃種の濃度は、図6でNo.0として示される。
【0049】
スパイラル巻きしたモジュールの透過液管内では、プローブは、透過液管の個々の孔に相当する選択された域から透過液を分離した。プローブは、1mより長い長さの12の管路(外径0.0125インチ)からなる。透過液管内のこれらの多くの管路の存在は、モジュールに対する実質的に増大した背圧を有するが、この増大は測定されなかった。
【0050】
図6は、透過液管内の4つの異なる域(位置No.1、No.2、No.6およびNo.7)からサンプリングされた伝導度により測定された相対的な濃度を示す。個々の管路を通る流速が測定されて、小さい管路を通る流れに伴う時間の遅延は知られていた。時間零は、それぞれの管路の位置について調節されて、この遅延を除いた。
【0051】
このモジュールは、1つの末端でのインサート漏れを有することが知られていた。位置No.1で、透過液は、モジュールの入口末端に最も近い透過液採集管の孔から集められ、そしてこの位置は、透過液濃度の最大の増大を示した。位置No.1は、また、時間で最も早いピークを示し、そしてその時間のプロフィルは、供給液に関するそれに近い。位置No.2は、位置No.1からちょうど1インチ離れた域に相当した。それらの接近性にもかかわらず、位置No.2は、濃度の早い増大を示しておらず、そしてその時間のプロフィルは、モジュールの他の「未使用状態の」部分で観察されたそれと非常に類似していた。このモジュールは、また、裏の接着剤層で欠陥を有し、そしてその影響は、No.6およびNo.7で見られる。位置No.7は、モジュールの「未使用状態の」域に関するそれから十分に離れた、時間の後の位置での透過液濃度の大きな増大を示す。位置No.6は、ちょうど1インチ離れて透過液を分離したが、それは濃度の実質的な増大を示さなかった。位置No.6からのバイモダルプロフィルは、「未使用状態の」域に関するそれから僅かにシフトした第一の最大、並びに遙かに後の時間で溶離した第二のピークを有した。位置No.7からのピークと比べて、漏れが透過液担体シートの異なる域で異なる流体速度を生じさせたため、位置No.6からの第二のピークは、後で生じた。
【実施例2】
【0052】
1つの末端でインサート漏れを有するスパイラル巻きした海水超濾過モジュール(TimeTec SW30−2540)は、供給物中の攻撃種のパルスを使用して本発明の方法を用いてテストされた。パルスは、1700ppmのMgSOの攻撃種供給物溶液により純水を一時的に置換することによって生じた。テスト中の付与圧は227psiであった。
【0053】
長さ40インチのモジュールを2つの異なる配向によりテストした。第一のテストでは、モジュールは、インサート漏れが入口末端にあるように、圧力容器に関して配向された。すべての透過液は、モジュールの入口末端から取り出された。第二のテストでは、モジュールは、漏れが入口末端と透過液取りだし末端との両者から最も離れた末端にあるように、逆にされた。第二のテストは、第一のテストで観察されたピークの位置に関してピークの位置で10秒の遅延を示した。本発明者は、この遅延がモジュールの配向のこの変化によるものと考える。
【実施例3】
【0054】
20個の海水スパイラル巻きしたモジュール(FILMTEC SW30−2540)は、攻撃パルスにより150psiの付与圧で本発明の方法を使用してテストされた。純水は、40秒より短いFWHMを有するパルスにより一時的に置換された。そのピーク濃度で、この供給物パルスは約3%のMgSOであり、約100psiの浸透力を生じた。伝導度は、透過液の濃度を測定するのに使用され、そしてこのパルステスト中の時間の関数として記録された。
【0055】
後の標準海水テスト(3.2%NaCl、800psi)から知られるように、「未使用状態の」モジュールは、透過液中のMgSOについて同様な時間プロフィルを示した。図7は、漏れモジュール(A)および「未使用状態の」モジュール(B)の時間プロフィルを示す。漏れモジュールは、より高いピーク濃度およびより早い溶離時間を示し、その両者は個々に欠陥の指標である。この実施例では、欠陥に対する改良された感度は、また、漏れモジュールについて観察される時間プロフィルから代表的な「未使用状態の」モジュールに関する時間プロフィルを減ずることによって得ることができる。
【実施例4】
【0056】
2つのFILMTEC NF−2540モジュールは、そのモジュールタイプに関する製造者の標準テストを使用してテストされた(150psiの付与圧での2000ppmのMgSO)。モジュールCに関するMgSO通過は0.5%でありそしてモジュールDに関するそれは1.6%であった。バブルテストを使用して、本発明者は、モジュールDがインサート漏れを有することを示した。
【0057】
攻撃種は、40秒より短いFWHMを有する硫酸ナトリウムのパルスにより75psiの付与圧でそれぞれのモジュールに導入された。硫酸ナトリウムは、それが未使用状態の膜により良好な阻止を有するためそしてその浸透圧が所定の濃度の硫酸塩種について比較的高いため、選ばれた。それぞれのモジュールは2回テストされ、1回は、0.7%のパルスで最大の供給物濃度でそして他の回は、1.5%のパルスで最大の供給物濃度でテストされた。硫酸ナトリウムの1.5%溶液が75psiより大きい浸透圧を有するため、透過液層はテスト中透過液の貯層に浸漬されたが、これはパルス中の逆流のため透過液層を空にすることを防いだ。
【0058】
図8は、両者の条件でのパルステストの結果を示す。相対的な時間依存の正常化した透過液濃度は、測定した透過液濃度をテストの最大の供給物濃度で除することにより計算された。透過液濃度に関するデータは、5秒間隔で透過液伝導度を測定することにより得られた。図8は、この間隔があまりに長くて1.5%でモジュールDの最大ピークの高さを正確に定量されなかったことを示す。たとえそうであっても、この実施例は、モジュールDが1.5%の硫酸ナトリウムによりテストされたとき、より大きな最大の正常化した濃度を示した。モジュールD(漏れ)に関する最大の正常化濃度対モジュールC(「未使用状態」)の比は、また1.5%硫酸ナトリウムによるテストにより、より大きかった。
【実施例5】
【0059】
塩分含有水モジュール(FILMTEC TW30−2540)は、標準テスト条件(225psi、0.2%NaCl)を使用して定常状態の塩通過についてテストし、次にまた本発明のパルステストを使用してテストした。パルステストは、150psiの付与圧を維持しつつ30秒間貯槽を切り換えて30秒より僅かに長いFWHMの供給物パルスを生ずることにより行われた。パルステストは、3%MgSOにより純水を一時的に置換することにより行い、そして透過液の伝導度を測定しそして時間の関数として記録した。
【0060】
定常状態の塩通過は、標準テスト0.48%により測定され、そしてパルステストは、91μモーのピークで透過液伝導度を生じた。ピンを用いてモジュールの片の1つの小さい欠陥を作り、そしてテストを再び行った。標準テストは、塩通過を少し増加させて0.75%通過となったが、パルステストは、1246μモーのピークで驚くほど大きな伝導度を生じた。標準テストを使用するTW30−2540に関する最低を可能にする阻止は2%であり、そのため標準テストは、この欠陥を見つけることができない。
【実施例6】
【0061】
Oリング漏れを、その末端付近の透過液管の壁を通る小さい孔を作ることにより1つのモジュール(FILMTEC TW30−2540)の末端でシミュレートした。標準テスト中のそのモジュールに関するNaClの通過は、0.6%から2.6%に増大した。このモジュールおよび2つの同様なしかし損傷されていないモジュールを直列で圧力容器中に入れた。3つの要素の第一のもの(すなわち、損傷した要素)の入口から出口末端に横切る供給物パルスの前縁に要求される時間は、約10秒であり、そして僅かに長い時間が直列の後の2つの要素について測定された。システムを、RO供給物水からMgSO攻撃溶液へ5秒間切り換えることにより本発明のパルステストにより調べた。容器は、直交流の構造を有し、透過液が供給物入口として同じ末端で出るようにする。透過液は、容器の供給物入口末端を出た。損傷したモジュールの位置および配向を次に容器内で移動させ、そして新しいパルステストを行った。異なる位置の損傷されたモジュールによりテストを再び行うことが続けられて、4つの漏れの可能性のある位置からの影響を調べた。これらの位置の2つは、モジュールのインターコネクターの位置でOリング漏れを示し、一方2つの位置は、容器の末端アダプターの位置付近のOリング漏れを示した。図12は、4つの位置のそれぞれの漏れが異なる時間依存透過液信号を生じたことを示す。
【実施例7】
【0062】
3つのナノ濾過モジュールを直列で圧力容器に入れそして平均19.3L/m/時、60psiおよび33%回収で操作した。供給物水は、種々のイオンを含み、そして569μモーの伝導度を有した。連続操作中、これらのナノ濾過モジュールからの合わせた透過液は、207μモーの伝導度を有した。本発明のパルステストは、硫酸ナトリウムの5秒パルスを導入することにより行われた。図13は、初めのシステム(E)に関する得られた時間依存透過液伝導度を示し、また漏れが次に1つのOリング(F)でそして1つの片の裏の末端(G)で作られた後の同じシステムに関するそれを示す。グラフの左および右の端で示されているように、誘導された漏れが、標準操作中に測定された透過液伝導度に小さな変化を生じさせたが、それぞれの漏れの影響は、パルステスト中に認められた。それぞれの漏れは短時間内に集中したが、一方「良好な」モジュールを通る通過が長時間に及ぶために、漏れへの感度は増大した。
【実施例8】
【0063】
FILMTEC BW400モジュールを、30秒のFWHMを有するMgSOのパルスを使用して調べた。供給物パルス(J)内の相対的濃度および得られた時間依存透過液プロフィル(K)を図14に示す。図において、透過液信号は、100のファクターを乗じた。透過液プロフィルを「良好な」モジュールから生ずるそれと比較することにより、本発明者は、経時の第一のピークが、「良好な」膜を通るMgSOの通過に相当し、そして経時の第二のピークが欠陥によることを知った。このモジュールは、標準テストで平均のNaCl阻止より良好であり、そしてパルス後の全MgSO通過がパルステストに関する正常の範囲内にあった。しかし、時間依存透過液信号の形状は漏れを示しそしてこれはモジュールの検証により立証された。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】代表的なスパイラル巻きしたモジュールの透視一部切開図である。
【図2】直列のモジュールを含む代表的な容器の部分的な断面である。
【図3】透過液担体シートおよび透過液採集管を示し、透過液流路中への漏れのための共通の域は矢印により示される。
【図4】供給物中の相対的攻撃濃度対時間のグラフを示し、そしてそれはFWHM(半値全幅)がいかにパルスについて計算されるかを説明する。
【図5】供給物スペーサー断面積が減少する3つのモジュールを含む容器を画いている。
【図6】供給物および透過液中の攻撃種の濃度の時間による変化を示すグラフである。透過液は、モジュールの透過液採集管内の4つの異なる域(No.1、No.2、No.6およびNo.7)からサンプリングされた。時間依存供給物濃度(No.0)は、同様なスケールで見えるように大きさを変えて低下された。同様に、他の3つの透過液の位置からの相対的濃度に比べて、位置No.1からの相対的濃度は、20のファクターで低下された。
【図7】2つのモジュールからの透過液に関する濃度プロフィルを示す。周知の漏れを有するモジュール(A)は、代表的な未使用状態のモジュール(B)に比べて、より高いピーク濃度および早いピーク溶離時間を示した。
【図8】2つのNFモジュールすなわち1つは「未使用状態の」モジュール(C)そして他の1つは漏れを有するそれ(D)に関する正常な透過液プロフィルを比較する。パルステストは、2つの濃度すなわち0.7%および1.5%の硫酸ナトリウムについてなされ、そして透過液に関する正常化した相対的濃度は、測定された濃度を各テストに関する最大の供給物濃度で除することによい計算された。
【図9】容器の透過液採集域内のいくつかの点で攻撃濃度を測定するのに使用できるプローブ装置の1つの態様に関する外側の表面を示す。
【図10】容器の透過液採集域内の複数の点に関する伝導度を測定できるプローブ装置に関する1つの好ましい態様を画く切開図である。
【図11】容器の透過液採集域内の複数の点に関する伝導度を測定できるプローブ装置に関する1つの好ましい態様を画く切開図である。
【図12】それらの1つがOリングシーリング表面付近の1つの末端で漏れを有する、3つの塩分含有水モジュールを含む容器からの透過液に関する濃度プロフィルを示す。容器内のモジュールの異なる配向および順序は、ピーク溶離時間で証明される。
【図13】漏れが1つのモジュールに誘導される前後の3つのナノ濾過モジュールを含む容器からの透過液に関する濃度プロフィルを示す。5秒のパルスは、未使用状態のシステムについて観察される応答よりも経時で濃縮された漏れへの応答を生じた。
【図14】供給物対時間の相対的攻種濃度およびモジュールからの透過液に関する得られる時間依存濃度プロフィルのグラフである。MgSOまたはNaClの全通過が欠陥を示唆していなかったかもしれないが、膜の片の裏に近い故意ではない漏れは、得られる2つのこぶを有する浸透液プロフィルから見いだされた。
【符号の説明】
【0065】
2 モジュール
4 覆い
6 供給物スペーサーシート
8 透過液採集管
10 膜シート
12 透過液担体シート
14 接着剤層
16 縁
18 縁
20 縁
22 縁
24 孔
26 供給物流の方向
28 透過液流の方向
30 入口末端
32 外側の末端
34 膜
40 圧力容器
42 開口
43 開口
44 開口
46 インターコネクター
48 透過液シール
50 透過液採集域
52 アダプター
54 キャップ
60 裏面
62 側面
64 側面
66 領域
68 領域
70 領域
72 中心域
80 時間
82 上昇縁
84 下降縁
86 時間
88 時間
90 92の半分
92 最大の増大
94 ピーク
96 基線
100 入口末端
102 分布手段
104 シール
106 出口末端
110 外側の表面
112 開口
114 開口
116 孔
120 電極
122 絶縁スペーサー
124 ワイヤー















【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内で少なくとも1つのスパイラル巻きした超濾過モジュールをもつ膜濾過システムの欠陥検知方法であって、該方法が次の3つの連続する工程をもち、
a.第1供給液に圧力を付与しつつ透過溶液および阻止溶液を生成するように該第1供給液を膜の表面を横断して流す工程、
b.攻撃種を含有する第2供給液を加圧下に導入し、ここで該攻撃種の濃度は該第1液に比べて該第2液中で少なくとも2倍高く、また該攻撃種は未使用状態の膜の領域で少なくとも97%阻止される特徴を有する工程、
c.加圧下に第3供給液を導入し、ここで該第2および第3供給液の連続的導入によって該攻撃種の時間で示す濃度プロフィルが4分より短いFWHMをもつことによって特徴づけられる攻撃種のパルスをもたらす工程、
そしてさらに、
d.該透過液内の該攻撃種の相対濃度を時間の関数として検知しそして記録する工程、そして
e.記録した時間依存透過信号を基準値と比較することによって該濾過システムの完全性を評価する工程
をもつことを特徴とする超濾過モジュールの欠陥検知方法。
【請求項2】
該モジュール内の攻撃種の該パルスが、2分より短いFWHMを特徴とし、そして該透過溶液内の該攻撃種の該相対濃度が、10秒より短い間隔で検知されそして記録される請求項1の方法。
【請求項3】
該モジュール内の攻撃種の該パルスが、40秒より短いFWHMを特徴とし、そして該透過溶液内の該攻撃種の該相対濃度が、2秒より短い間隔で検知されそして記録される請求項1の方法。
【請求項4】
該モジュール内の攻撃種の該パルスが、5秒より短いFWHMを特徴とし、そして該透過溶液内の該攻撃種の該相対濃度が、1秒より短い間隔で検知されそして記録される請求項2の方法。
【請求項5】
該濾過システムが、1つの超濾過モジュールのみを含む容器からなる請求項3の方法。
【請求項6】
該濾過システムが、直列の少なくとも3つの超濾過モジュールを含む容器からなる請求項2の方法。
【請求項7】
該第2供給液の浸透圧が、該第1および該第3の供給液の両者の浸透圧より高く、そして該膜の表面での正味の駆動ポテンシャルが、該第2供給液の導入により負にされる請求項1または2の方法。
【請求項8】
攻撃種の該パルスが、浸透圧の一時的な増加によってもたらされるより長い持続パルスにより囲まれ、そして該膜の表面での正味の駆動ポテンシャルが、該より長い持続パルスにより負にされる請求項1の方法。
【請求項9】
攻撃種のパルスが、該第2の供給液の導入から生ずる前縁を有し、そして攻撃種のパルスのFWHMは、攻撃種のパルスの前縁がモジュールの長さを横切るのに必要な時間より短い請求項1の方法。
【請求項10】
該阻止溶液が、該阻止溶液中の該攻撃種の高濃度に対応してときどき物理的に分離される請求項2の方法。
【請求項11】
該分離された阻止溶液中の該攻撃種が、該膜の表面を横切って通過する攻撃種の次のパルスを生ずるのに使用される請求項10の方法。
【請求項12】
該透過溶液のサンプリング流が、高回収膜装置を使用して濃縮されて、攻撃種の濃度が検知前に少なくとも20のファクターで増大される請求項1の方法。
【請求項13】
該基準値が、同じシステムの少なくとも1つの前のテスト後得られる請求項2の方法。
【請求項14】
該基準値が、少なくとも3つの本質的に同じシステムのテスト後に得られる請求項2の方法。
【請求項15】
該基準値が、もしどんな欠陥も濾過システムに存在しないならば生ずる攻撃種の時間依存透過を概算するコンピュータプログラムを作動した後得られる請求項2の方法。
【請求項16】
該方法が、該容器の透過液採集域内の少なくとも5つの点から該攻撃種の相対濃度を検知しそして記録することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項17】
該相対濃度が、該容器の透過液採集域内に配置された少なくとも4つの伝導度セルを使用して10秒より短い間隔で検知されそして記録され、該濾過システムは、直列の少なくとも3つの超濾過モジュールを含む容器からなる請求項16の方法。
【請求項18】
該相対濃度が、該容器の透過液採集域内に配置された少なくとも10の伝導度セルを使用して10秒より短い間隔で検知されそして記録され、該濾過システムは、単一の超濾過モジュールを含む容器からなる請求項16の方法。
【請求項19】
検知器が、供給物内の該攻撃種に関する経時の濃度プロフィルを測定する請求項1の方法。
【請求項20】
該攻撃種が、0.005ミクロンより大きい直径の蛍光粒子である請求項1の方法。
【請求項21】
該攻撃種が二価のアニオンである請求項1の方法。
【請求項22】
該攻撃種が硫酸塩アニオンである請求項2の方法。
【請求項23】
該攻撃種が蛍光により検知される請求項2の方法。
【請求項24】
該攻撃種が伝導度により検知される請求項2の方法。
【請求項25】
該攻撃種が光の吸収により検知される請求項2の方法。
【請求項26】
該濾過システムが、単一の超濾過モジュールを含む容器からなり、そして該第2供給液の浸透圧が該第1および該第3の供給液の両者の浸透圧より高く、そして該膜の表面での駆動ポテンシャルが該第2供給液による該第1供給液の置換によって負にされる請求項3の方法。
【請求項27】
直列で接続された1つ以上のスパイラル巻きした濾過モジュールを含む圧力容器を経て流れる供給した種の濃度の変化により生ずる伝導度の変化を測定するのに好適であり、該モジュールのそれぞれが透過液管を有し、もしあるならば隣接するモジュールの透過液管は、インターコネクターを使用して接続され、そして直列の初めまたは最後のモジュールまたはその両者の透過液管は、容器の末端アダプターにより容器と接続し、そして透過液採集域は、透過液採集管、それらのインターコネクターおよび容器の末端アダプターにより囲まれる体積により画成され、そして
a.溶液の透過液採集域中への軸方向の挿入に好適でありしかも透過液採集域内の固定した位置に伝導度セルを保持できる支持構造、
b.該支持構造上に設けられた少なくとも4つの伝導度セル
からなるプローブ列であって、
該伝導度セルのそれぞれは、容器の外側から透過液採集域を軸方向に沿って伝導度セルに信号を運ぶことができる電気信号入力手段と連絡し、そして
該伝導度セルのそれぞれは、伝導度セルから透過液採集域を軸方向に沿って容器を出る信号を運ぶことができる電気信号出力手段と連絡する
ことを特徴とするプローブ列。
【請求項28】
支持体が容器の透過液域に挿入されるときセルが該容器の透過液採集域内のバルク流から透過液管の孔を経て流れを実質的に分離するように、該伝導度セルの少なくとも1つが支持体上に配置される請求項27の列。
【請求項29】
支持体が容器の透過液域に挿入されるときセルが1つのモジュールへのインターコネクターのシールの下流に配置されそして該モジュールの透過液管の最も上流の孔の上流に配置されるように、該伝導度セルの少なくとも1つが支持体上に配置される請求項27の列。
【請求項30】
容器の透過液管内に軸方向に挿入され、該容器が複数の直列のスパイラル巻きしたモジュールを含み、直列の該モジュールが該透過液採集域の内径を狭めないインターコネクターにより結合した透過液管を有する請求項27の列。
【請求項31】
直列に接続された複数のスパイラル巻きした濾過モジュール、ここでそれぞれのモジュールは、インターコネクターを使用して隣接するモジュールの透過液管に相互接続している透過液管を有し、そして直列の最初または最後のモジュールの少なくとも1つの透過液管は、容器末端アダプターにより圧力容器に接続している、
相互接続した透過液管、画成された容器の透過液採集域、および末端アダプターをもつ膜システムの圧力容器であって請求項27のプローブ列が容器の透過液採集域管中に挿入されていることを特徴とする膜システムの圧力容器。

【公表番号】特表2008−511437(P2008−511437A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529880(P2007−529880)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/027132
【国際公開番号】WO2006/026011
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(502130582)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレーテッド (21)
【出願人】(300064250)フィルムテック コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】