説明

切れ目つきタオル

【課題】
タオルの利用において、食事介助をする場合タオルを首に巻きつけたり、タオルの端を洋服の襟元に入れて使用すれば、少し動いたり何かした拍子にすぐに外れてしまったり、タオルを首にかけてスポーツや労働をすると、風に吹かれて落ちたり、軽い運動でも落ちてしまうことや、障害のある方が、片手だけで手を拭こうとする場合、タオル掛けからタオルが落ちないような切れ目つきタオルを提供する。
【解決手段】
長方形からなるタオル1の短辺の端から長辺の略4分の1〜10分の1の位置に、短辺と平行で人の頭が通る位の線状の切れ目2を設けたことを特徴とする切れ目つきタオルであり、好ましくは、切れ目2の長さを略3等分した位置の各々に、長さが15cm〜25cmの紐3を備えた事を特徴とする切れ目つきタオル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切れ目つきタオルに関する。
更に詳しくは、タオルに切れ目を付けることにより、エプロンや首巻、手拭等に便利に応用可能な切れ目つきタオルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タオルの応用として、タオルを首に巻きつけたり、タオルの端を洋服の襟元に入れたりして使用していた。
【0003】
従来、海辺などで肩部や上腕部の日焼け防止で、タオルの中心に切れ目を入れたものがあった。
(公開実用新案公報 昭62−33392号公報)
【0004】
また、エプロンとして使用し、肩にかけたタオルが、肩から落ちないようにするタオル類の中央に切れ目を入れたものがあった。
(登録実用新案 第3126917号公報)
【0005】
上記2つの先行技術は、タオルの中心部に切れ目を設けた為に、座位姿勢で食事をする場合には生地の半分が背中にまわり、膝の上に食事がこぼれても受けるほどの生地がないので、汚れる。寝たきりの方に使用すれば、背中に無駄な生地がまわり、頭からの着脱に少し時間がかかる欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】公開実用新案公報 昭62−33392号
【特許文献2】登録実用新案 第3126917号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、次のような問題点があった。
イ.食事介助をする場合タオルを首に巻きつけたり、タオルの端を洋服の襟元に入れて使用すれば、少し動いたり何かした拍子にすぐに外れてしまう。
介護用のエプロンは介助人の視点のみで作られていた。こぼれる食事を広く受け取れる様にエプロン自体が大きく、見た目の悪いスタイルであったり素材のほとんどが、ナイロン、ポリエステルなどで撥水性に重点がおかれ、吸水性がなく通気性が悪い。
口からこぼれた汁物などが、顎を伝ってエプロン下の洋服にしみ込み汚れていた。
ロ.タオルを首にかけてスポーツや労働をすると、風に吹かれて落ちたり、軽い運動でも落ちてしまう。首を左右に動かすだけでも少しずつずれていき、いつも落ちないように意識していないといけない。
ハ.障害のある方が、片手だけで手を拭こうとする場合、タオル掛けからタオルが落ちないように気を使いながら拭かないといけない。下手に引っ張るとタオルが抜けてしまい、元に戻すのに時間がかかる。
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を有する。
請求項1に記載の切れ目つきタオルは、長方形からなるタオル1短辺の端から長辺の略4分の1〜10分の1の位置に、短辺と平行で人の頭が通る位の線状の切れ目2を有している。
切れ目2は、1乃至2本が設けられる。切れ目の長さは、各々同一でもよいし異なっていてもよい。
切れ目の周囲は、ほつれを防ぐために縁取り2aをするのが好ましい。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)切れ目がタオルの長さ方向の端部側にあるので、切れ目を設けた端部以外の部分が広く、手拭き面やエプロン面として使用できる部分を利用しやすい。
(2)タオルの両端に切れ目を大人用と子供用に切れ目の長さをかえて複数設けることで、使用範囲も広げることができる。
また、タオルは一面に防水加工を施してもよい。
ここで、タオルとしては、フェイスタオル、スポーツタオル、並判タオル、バスタオル等が用いられる。
タオル裏面に防水加工した布を合わせてもよい。これにより、汁をこぼしても下の服地を汚すことを防ぐことができる。
切れ目としては、大人や子供の頭が通る位の長さが用いられる。周囲は縁取りされるとほつれを防ぐことができて好ましい。
【0009】
本発明の請求項2に記載の切れ目付きタオルは、請求項1において切れ目の長さを略3等分した各位置に長さ15〜25cmの紐を備えた構成を有する。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下の作用を有する。
(3)首が細い場合
タオルに頭を通した後に切れ目に設けた2組の紐を結ぶことで、口からこぼれた食事物が衿に入る心配がなく、肩幅のせまい人でも切れ目から肩が抜けることがない。
(4)タオル掛けとして使用する場合
切れ目の2組の紐を結び、縦に3つに折ることで、3つの切れ目が重なり、タオル掛けに通し重なった切れ目からタオルの端を通すことで、片手の不自由な人でも車椅子に乗った人が手を拭く際に、タオルを引っ張るくせがあるが、強く引っ張ってもタオルが落ちずにしっかりと手が拭ける。
(5)マフラーとして使用する場合
上記(4)と同様にして、首に巻くことで、保温の役割を果たす。
(6)体を冷却する場合
上記(4)と同様にするが、切れ目と切れ目に通された他端部により固定されるので、タオルの中央部に保冷剤を挟み首に巻くことで体を涼しくする効果がある。
【発明の効果】
【0010】
a.食事介助をする場合、タオル1の切れ目2から頭を通すだけでタオル1は、外れて落ちる事はない。なお且つ、着脱が容易である。汚れた口をタオル1ですぐに拭くことができ、洗濯も簡単で衛生的である。柄の良いタオル1を使用したり、切れ目2の両端に飾りリボン等装飾を施せばオシャレになり気持も明るく、外で家族と食事に行ってみようかと前向きになる。
普段は結び紐3を使用する必要はないが、体が痩せていてタオル1を着用した時に首元が開きすぎる時は、切れ目2取り付けた紐3の長さを調節して結ぶ事ができる。又、化粧ケープに代用できる。
b.タオル1を首に掛けてスポーツや労働をするときは、切れ目2の2組の取り付けた紐3を結び、タオル1の長辺に平行して3つに折り畳み首に掛け、タオル1の端を重なった切れ目2から通せばタオル1が落ちる心配はない。前記の様な使い方で寒い時はマフラーとして防寒の役割を果たし、暑い時は食品の中に入れる保冷剤などをタオル1の中心に包み込み使用すると、丁度首の後ろを冷やす事ができ涼しくなり、発熱時にも使用できる。
c.体に障害があり片手しか使えない方でも、b.と同様にタオル1をタオル掛けに通せば、タオル1を落とすことなく上手に手が拭ける。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のタオルの裏の平面図である。
【図2】本発明のタオルの表の平面図である。
【図3】本発明のタオルを頭に通した状態を示した略図である。
【図4】本発明のタオルの紐を結んだ状態を示した略図である。
【図5】本発明のタオルを首に巻いた状態を示した略図である。
【図6】本発明のタオルをタオル掛けに掛けた状態を示した略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参考にして説明する。
図1、図2は本発明の切れ目付きタオルの平面の略図である。
長方形からなるタオル1において、短辺の端から長辺の略4分の1〜10分の1の位置に、短辺と平行して人の頭が通る位の線状の切れ目2設けている。切れ目2は、大人用と子供用にタオル1の両端に異なる長さの切れ目2を設けてもよい。大人用に切れ目2だけには、略3分の1の位置に約15〜25cmの紐3を設ける。
切れ目2には、切れ目がほつれないように裁ち目をまつったり、バイヤステープ等で縁取り2aが設けられている。
図3は、本発明の切れ目付きタオルを頭Aに通した状態を示す略図である。
図3に示すように、切れ目付きタオル1を頭Aに通して使用する場合、普段は切れ目の紐3を結ぶ必要はないが、体がやせて首が開きすぎる時には紐3を結び調整できる。
図4は、本発明の切れ目付きタオルの紐3を結んだ状態を示す略図である。
図5は、本発明の切れ目付きタオルを首に巻いた状態を示す略図である。
図5に示すように、切れ目2に設けた紐3を結ぶことで、切れ目2が3つに分かれるタオルを3つ折にすることで、3つの切れ目が1つの切れ目として重なる。
3つ折にしたタオル1を首にまいて、重なった切れ目2にタオルの他端を通す。これにより、スポーツをする時や労働をする時など風に吹かれても首から落ちることなく、汗を拭くこともできる。
また、寒いときなどちょっとした防寒用マフラーとして使用することもできる。
更に、夏の暑い時期や風邪をひいて熱があるときなど、タオル1の中央に保冷剤を入れて3つ折で使用すれば、クールマフラーとして体温を下げる効果がある。
図6は、本発明の切れ目つきタオルをタオル掛けBに掛けた状態を示す略図である。
図6に示すように、3つ折にしたタオル1をタオル掛けBに掛けて、重なった切れ目2にタオルの他端を通し固定する。これにより、障害があり片手しか使えない人でも、タオルを落とさずしっかりと手が拭ける。切れ目2が端にあることで、固定されたタオルは長くなり使用範囲は広くなる。
【使用方法1】
【0013】
エプロンとしての使用
食事介助で使用する場合は、図3に示すように、切れ目2から長い方のタオル1を前にして頭に通すだけでエプロンとして用いることができる。
体が痩せていて首元が開きすぎる場合は、切れ目2に取り付けた2組の紐3を結びの長さを調節できる。
これにより、前に下がったタオル部分でこぼれた食事物を受け止めたり、汚れた口元や手を拭くことができる。
また、柄の良いタオル(1)を使用したり、切れ目(2)の両端に飾りリボン等補強も兼ねて装飾を施すと、オシャレなお出かけ用になる。化粧ケープとして代用できる。
【使用方法2】
【0014】
防寒用マフラーやクールマフラーとしての使用
タオル1を首に掛けてスポーツや労働をする時は、タオル1の切れ目2の2組の結び紐3を予めしっかり結んでおき、長辺に平行して3つに折り畳み首に掛けて使用する。落ちない様にするには重なった切れ目2の穴に、一方のタオル1の端を通して使用する。
寒い時には上記と同様にする事でマフラーのように防寒用として使用できる。
暑い時には上記と同様にするがタオル1を中央に保冷剤(冷凍食品の中に入っている保冷剤でも利用できる)を入れて首に巻けば、丁度首の後ろに当たり涼しくなる。風邪で発熱した時も使用できる。
【使用方法3】
【0015】
タオル掛けとしての使用
前記、使用方法2と同様にして、タオル掛けBに通して使用する。
また、障害があり片手で紐を結ぶ作業が難しい人は、ボタンとループ(ボタンが通る位の輪状の紐)に変えると自力でタオルをセットできる。
【符号の説明】
【0016】
1 タオル
2 切れ目
2a 縁取り
3 紐

A 人体
B タオル掛け



【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形からなるタオル1の短辺の端から長辺の略4分の1〜10分の1の位置に、短
辺と平行で人の頭が通る位の線状の切れ目2を設けたことを特徴とする切れ目つきタオ
ル。
【請求項2】
切れ目2の長さを略3等分した位置の各々に、長さが15cm〜25cmの紐3を備
えた事を特徴とする請求項1に記載の切れ目つきタオル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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