切断具
【課題】 切断力が強力な機構を維持しつつ、コンパクトなものに折り畳むことができるようにして、持ち運びや保管に非常に便利な切断具を提供する。
【解決手段】 中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【選択図面】 図3
【解決手段】 中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【選択図面】 図3
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビルや住宅等の天井工事などに用いられる野縁を切断したり、エアコンの配線や配管を防護するエアコンダクトや、パイプ、電線、庭木の枝などを切断する切断具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の切断具としては、例えば図10〜図12に示したように、ピン10を中心として開閉できる一対のハンドル11、12、ピン13を中心として開閉できる一対の切断刃14、15からなるものが存在する。これらの切断刃14、15の下端部は、ハンドル11、12の上外端部とピン16、17により連結されているため、図11のようにハンドル11、12を開くと切断刃14、15も開き、図10のようにハンドル11、12を閉じると切断刃14、15も閉じるようになっている。また、図12に示したように、一方の切断刃14の上下2個所には凹溝18、18が設けられている。これらの凹溝18、18の間隔は、野縁受け19の上下の突出部の間隔と等しく設定したものとしている(特許文献1)。
【特許文献1】登録実用新案第3017159号公報(第5頁、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の切断具は、ハンドル11、12、切断刃14、15とピン10、13、16、17で4節リンク機構を構成しているため、切断力が強力なものとなるという利点を有する。
【0004】
しかしながら、上記従来の切断具は、図10に示した状態から、ハンドル11、12をそれ以上折り畳んだりして、コンパクトなものにすることができず、持ち運ぶときや保管しておくときに嵩が高くなり、持ち運びや保管に不便であるという問題点を有していた。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、切断力が強力な機構を維持しつつ、コンパクトなものに折り畳むことができるようにして、持ち運びや保管に非常に便利な切断具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、この発明の切断具は、中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0007】
すなわち、この発明の切断具は、中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0008】
そして、この発明の切断具は、前記切断部材1、2のそれぞれの長さL1 と、ハンドル3、4の中間部の連結部C2 からハンドル3、4の後端部までのそれぞれの長さL2 を略同一寸法にしている。
【発明の効果】
【0009】
この発明の切断具は、以上に述べたように構成されているので、切断力が強力な機構を維持しつつ、コンパクトなものに折り畳むことができるようになり、持ち運びや保管に非常に便利なものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の切断具を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
この発明の切断具は、図1〜図9に示したように、中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとしている。そして、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0012】
すなわち、この発明の切断具は、中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の先端の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとしている。そして、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。なお、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が180度までの回動操作では、従来の切断具と同様に切断動作を行うようにしている。
【0013】
前記切断部材1、2およびハンドル3、4は、長尺の平板状に形成され、切断部材1の下側に切断部材2が軸支されて両者は約90度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の横幅の関係で約70度にしている)で回動自在に連結され、ハンドル3の上側にハンドル4が軸支されて両者は約360度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の横幅の関係で約320度にしている)で回動自在に連結され、切断部材1の下側にハンドル3が軸支されて両者は約180度までの回動角で回動自在に連結され、切断部材2の上側にハンドル4が軸支されて両者は約180度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の幅の関係でそれぞれ約160度にしている)で回動自在に連結されている。
【0014】
そして、この発明の切断具は、切断部材1、2のそれぞれの長さL1 と、ハンドル3、4の中間部の連結部C2 からハンドル3、4の後端部までのそれぞれの長さL2 を略同一寸法にしている。このようにすると、ハンドル3、4を折り返したとき(ハンドル3、4を約320度の回動角にしたとき)、ハンドル3、4の後端部と切断部材1、2の先端部が略同位置となり、ハンドル3、4または切断部材1、2の一方が突き出すことなく、図5、図9に示したように、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようになる。
【0015】
図1〜図5に示したものでは、前記切断部材1は、先端部側に受部1aを有したものとし、この受部1aは、空間部Saを有して受体1bが重ね合わされ、これらの先端部寄りの内側に凹溝5を2個所に設け、後端部寄りの内側に凹溝5を1個所に設けたものとしている。前記切断部材2は、先端部側に刃部2aを有したものとし、この刃部2aは直線状または曲線状の切刃とし、この切断部材2の刃部2aが前記切断部材1の空間部Saに入り込み、前記凹溝5を横切ることにより、被切断物である野縁やエアコンダクト(図示せず)などが切断されるようにしている。また、前記切断部材1の受部1aは、受体1bが重ね合わされることなく、この受部1aのみの先端部寄りの内側に凹溝5を2個所に設け、後端部寄りの内側に凹溝5を1個所に設けたものとし、前記切断部材2の刃部2aがこれら凹溝5を横切ることにより、被切断物である野縁やエアコンダクト(図示せず)などが切断されるようにしてもよい。なお、前記切断部材1の受部1aおよび受体1bの先端部寄りの内側には凹溝5を2個所に設けたものとしたが、これを1個所としても、3個所以上としてもよく、また前記受部1aおよび受体1bの後端部寄りの内側には凹溝5を1個所に設けたものとしたが、これを2個所以上としてもよい。すなわち、前記凹溝5は、被切断物である野縁やエアコンダクトなどの大きさによって、受部1aおよび受体1bの適切な個所に設ければよく、その設ける個数も限定されることはない。
【0016】
さらに、図6〜図9に示したものでは、前記切断部材1、2は、先端部側にそれぞれ刃部2a、2aを有したものとし、これら刃部2a、2aは直線状または曲線状の切刃としている。そして、この切断部材1の刃部2a、2aが交差することにより、被切断物であるパイプ、電線、庭木の枝(図示せず)などが切断されるようにしている。
【0017】
前記ハンドル3、4の後端部は、ゴムや合成樹脂などが被覆されたグリップ部3a、4aとしている。
【0018】
この発明の切断具は、以上に述べたように構成されており、被切断物である野縁やエアコンダクトを切断したり、パイプ、電線、庭木の枝などを切断するには、図1、図6に示したように、ハンドル3、4が閉じた状態から、使用者がハンドル3、4のグリップ部3a、4aを持って、ハンドル3、4を約180度までの回動角(図示したものでは約160度まで)に開くことにより、切断部材1、2を約90度までの回動角(図示したものでは約70度まで)に開き、被切断物を受部1aと刃部2aの間に挟む。被切断物がパイプ、電線、庭木の枝などの場合には、図6〜図9に示した切断具を用いて、単に刃部2a、2aの間に挟めばよいが、被切断物が野縁やエアコンダクトの場合には、図1〜図5に示した切断具を用いて、野縁やエアコンダクトの大きさにより、これらの一方の突出部を受部1aの先端部寄りの凹溝5の何れかに入れ、他方の突出部を受部1aの後端部寄りの凹溝5に入れて、受部1aと刃部2aとの間に挟む。そして、前記ハンドル3、4を図1または図6に示すように、約30度の回動角に閉めることにより、切断部材1、2を交差させて、切断部材1、2の間に挟んだ被切断物を切断する。なお、この発明の切断具では、切断部材1、2とハンドル3、4とが4節リンク機構を構成しているため、切断力が強力なものとなるのは言うまでもない。
【0019】
次に、この発明の切断具を持ち運んだり、保管しておくときには、使用者がハンドル3、4のグリップ部3a、4aを持って、ハンドル3、4間を広げ、図4、図8に示したように、回動角を360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにする。この状態では、ハンドル3、4が切断部材1、2側に折り返された状態となっているので、非常にコンパクトなものとなり、持ち運びや保管に便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の切断具の一実施形態を示しており、ハンドルを閉じた状態で表側から見たときの斜視図である。
【図2】図1に示すこの発明の切断具を裏側から見たときの斜視図である。
【図3】図1に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図4】図1に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図5】図1に示すこの発明の切断具のハンドルを折り返した状態を示す斜視図である。
【図6】この発明の切断具の他の実施形態を示しており、ハンドルを閉じた状態で表側から見たときの斜視図である。
【図7】図6に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図8】図6に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図9】図6に示すこの発明の切断具のハンドルを折り返した状態を示す斜視図である。
【図10】従来の切断具の一例を示す正面図である。
【図11】図10に示す従来の切断具のハンドルを開いた状態を示す正面図である。
【図12】図10に示す従来の切断具の要部の拡大正面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 切断部材
2 切断部材
3 ハンドル
4 ハンドル
C1 連結部
C2 連結部
S 空間
L1 長さ
L2 長さ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビルや住宅等の天井工事などに用いられる野縁を切断したり、エアコンの配線や配管を防護するエアコンダクトや、パイプ、電線、庭木の枝などを切断する切断具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の切断具としては、例えば図10〜図12に示したように、ピン10を中心として開閉できる一対のハンドル11、12、ピン13を中心として開閉できる一対の切断刃14、15からなるものが存在する。これらの切断刃14、15の下端部は、ハンドル11、12の上外端部とピン16、17により連結されているため、図11のようにハンドル11、12を開くと切断刃14、15も開き、図10のようにハンドル11、12を閉じると切断刃14、15も閉じるようになっている。また、図12に示したように、一方の切断刃14の上下2個所には凹溝18、18が設けられている。これらの凹溝18、18の間隔は、野縁受け19の上下の突出部の間隔と等しく設定したものとしている(特許文献1)。
【特許文献1】登録実用新案第3017159号公報(第5頁、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の切断具は、ハンドル11、12、切断刃14、15とピン10、13、16、17で4節リンク機構を構成しているため、切断力が強力なものとなるという利点を有する。
【0004】
しかしながら、上記従来の切断具は、図10に示した状態から、ハンドル11、12をそれ以上折り畳んだりして、コンパクトなものにすることができず、持ち運ぶときや保管しておくときに嵩が高くなり、持ち運びや保管に不便であるという問題点を有していた。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、切断力が強力な機構を維持しつつ、コンパクトなものに折り畳むことができるようにして、持ち運びや保管に非常に便利な切断具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、この発明の切断具は、中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0007】
すなわち、この発明の切断具は、中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとし、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0008】
そして、この発明の切断具は、前記切断部材1、2のそれぞれの長さL1 と、ハンドル3、4の中間部の連結部C2 からハンドル3、4の後端部までのそれぞれの長さL2 を略同一寸法にしている。
【発明の効果】
【0009】
この発明の切断具は、以上に述べたように構成されているので、切断力が強力な機構を維持しつつ、コンパクトなものに折り畳むことができるようになり、持ち運びや保管に非常に便利なものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の切断具を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
この発明の切断具は、図1〜図9に示したように、中間部を回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に回動自在に連結したものとしている。そして、前記ハンドル3、4を回動操作して折り返したときに、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。
【0012】
すなわち、この発明の切断具は、中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材1、2と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル3、4とからなり、前記ハンドル3、4の先端の連結部C1 が切断部材1、2の略下半部で囲まれる空間Sを出入りするようにして、前記切断部材1、2の後端部をハンドル3、4の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとしている。そして、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにしている。なお、前記ハンドル3、4の先端部の回動角が180度までの回動操作では、従来の切断具と同様に切断動作を行うようにしている。
【0013】
前記切断部材1、2およびハンドル3、4は、長尺の平板状に形成され、切断部材1の下側に切断部材2が軸支されて両者は約90度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の横幅の関係で約70度にしている)で回動自在に連結され、ハンドル3の上側にハンドル4が軸支されて両者は約360度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の横幅の関係で約320度にしている)で回動自在に連結され、切断部材1の下側にハンドル3が軸支されて両者は約180度までの回動角で回動自在に連結され、切断部材2の上側にハンドル4が軸支されて両者は約180度までの回動角(図に示したものは切断部材1、2およびハンドル3、4の幅の関係でそれぞれ約160度にしている)で回動自在に連結されている。
【0014】
そして、この発明の切断具は、切断部材1、2のそれぞれの長さL1 と、ハンドル3、4の中間部の連結部C2 からハンドル3、4の後端部までのそれぞれの長さL2 を略同一寸法にしている。このようにすると、ハンドル3、4を折り返したとき(ハンドル3、4を約320度の回動角にしたとき)、ハンドル3、4の後端部と切断部材1、2の先端部が略同位置となり、ハンドル3、4または切断部材1、2の一方が突き出すことなく、図5、図9に示したように、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようになる。
【0015】
図1〜図5に示したものでは、前記切断部材1は、先端部側に受部1aを有したものとし、この受部1aは、空間部Saを有して受体1bが重ね合わされ、これらの先端部寄りの内側に凹溝5を2個所に設け、後端部寄りの内側に凹溝5を1個所に設けたものとしている。前記切断部材2は、先端部側に刃部2aを有したものとし、この刃部2aは直線状または曲線状の切刃とし、この切断部材2の刃部2aが前記切断部材1の空間部Saに入り込み、前記凹溝5を横切ることにより、被切断物である野縁やエアコンダクト(図示せず)などが切断されるようにしている。また、前記切断部材1の受部1aは、受体1bが重ね合わされることなく、この受部1aのみの先端部寄りの内側に凹溝5を2個所に設け、後端部寄りの内側に凹溝5を1個所に設けたものとし、前記切断部材2の刃部2aがこれら凹溝5を横切ることにより、被切断物である野縁やエアコンダクト(図示せず)などが切断されるようにしてもよい。なお、前記切断部材1の受部1aおよび受体1bの先端部寄りの内側には凹溝5を2個所に設けたものとしたが、これを1個所としても、3個所以上としてもよく、また前記受部1aおよび受体1bの後端部寄りの内側には凹溝5を1個所に設けたものとしたが、これを2個所以上としてもよい。すなわち、前記凹溝5は、被切断物である野縁やエアコンダクトなどの大きさによって、受部1aおよび受体1bの適切な個所に設ければよく、その設ける個数も限定されることはない。
【0016】
さらに、図6〜図9に示したものでは、前記切断部材1、2は、先端部側にそれぞれ刃部2a、2aを有したものとし、これら刃部2a、2aは直線状または曲線状の切刃としている。そして、この切断部材1の刃部2a、2aが交差することにより、被切断物であるパイプ、電線、庭木の枝(図示せず)などが切断されるようにしている。
【0017】
前記ハンドル3、4の後端部は、ゴムや合成樹脂などが被覆されたグリップ部3a、4aとしている。
【0018】
この発明の切断具は、以上に述べたように構成されており、被切断物である野縁やエアコンダクトを切断したり、パイプ、電線、庭木の枝などを切断するには、図1、図6に示したように、ハンドル3、4が閉じた状態から、使用者がハンドル3、4のグリップ部3a、4aを持って、ハンドル3、4を約180度までの回動角(図示したものでは約160度まで)に開くことにより、切断部材1、2を約90度までの回動角(図示したものでは約70度まで)に開き、被切断物を受部1aと刃部2aの間に挟む。被切断物がパイプ、電線、庭木の枝などの場合には、図6〜図9に示した切断具を用いて、単に刃部2a、2aの間に挟めばよいが、被切断物が野縁やエアコンダクトの場合には、図1〜図5に示した切断具を用いて、野縁やエアコンダクトの大きさにより、これらの一方の突出部を受部1aの先端部寄りの凹溝5の何れかに入れ、他方の突出部を受部1aの後端部寄りの凹溝5に入れて、受部1aと刃部2aとの間に挟む。そして、前記ハンドル3、4を図1または図6に示すように、約30度の回動角に閉めることにより、切断部材1、2を交差させて、切断部材1、2の間に挟んだ被切断物を切断する。なお、この発明の切断具では、切断部材1、2とハンドル3、4とが4節リンク機構を構成しているため、切断力が強力なものとなるのは言うまでもない。
【0019】
次に、この発明の切断具を持ち運んだり、保管しておくときには、使用者がハンドル3、4のグリップ部3a、4aを持って、ハンドル3、4間を広げ、図4、図8に示したように、回動角を360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル3、4が切断部材1、2の外側部に沿うようにする。この状態では、ハンドル3、4が切断部材1、2側に折り返された状態となっているので、非常にコンパクトなものとなり、持ち運びや保管に便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の切断具の一実施形態を示しており、ハンドルを閉じた状態で表側から見たときの斜視図である。
【図2】図1に示すこの発明の切断具を裏側から見たときの斜視図である。
【図3】図1に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図4】図1に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図5】図1に示すこの発明の切断具のハンドルを折り返した状態を示す斜視図である。
【図6】この発明の切断具の他の実施形態を示しており、ハンドルを閉じた状態で表側から見たときの斜視図である。
【図7】図6に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図8】図6に示すこの発明の切断具のハンドルの操作状態を示す説明図である。
【図9】図6に示すこの発明の切断具のハンドルを折り返した状態を示す斜視図である。
【図10】従来の切断具の一例を示す正面図である。
【図11】図10に示す従来の切断具のハンドルを開いた状態を示す正面図である。
【図12】図10に示す従来の切断具の要部の拡大正面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 切断部材
2 切断部材
3 ハンドル
4 ハンドル
C1 連結部
C2 連結部
S 空間
L1 長さ
L2 長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間部を回動自在に連結した一対の切断部材(1、2)と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル(3、4)とからなり、前記ハンドル(3、4)の連結部(C1 )が切断部材(1、2)の略下半部で囲まれる空間(S)を出入りするようにして、前記切断部材(1、2)の後端部をハンドル(3、4)の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル(3、4)を回動操作して折り返したときに、ハンドル(3、4)が切断部材(1、2)の外側部に沿うようにしたことを特徴とする切断具。
【請求項2】
中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材(1、2)と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル(3、4)とからなり、前記ハンドル(3、4)の連結部(C1 )が切断部材(1、2)の略下半部で囲まれる空間(S)を出入りするようにして、前記切断部材(1、2)の後端部をハンドル(3、4)の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとし、前記ハンドル(3、4)の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル(3、4)が切断部材(1、2)の外側部に沿うようにしたことを特徴とする切断具。
【請求項3】
前記切断部材(1、2)のそれぞれの長さ(L1 )と、ハンドル(3、4)の中間部の連結部(C2 )からハンドル(3、4)の後端部までのそれぞれの長さ(L2 )を略同一寸法にしたことを特徴とする請求項1または2記載の切断具。
【請求項1】
中間部を回動自在に連結した一対の切断部材(1、2)と、先端部を回動自在に連結した一対のハンドル(3、4)とからなり、前記ハンドル(3、4)の連結部(C1 )が切断部材(1、2)の略下半部で囲まれる空間(S)を出入りするようにして、前記切断部材(1、2)の後端部をハンドル(3、4)の中間部に回動自在に連結したものとし、前記ハンドル(3、4)を回動操作して折り返したときに、ハンドル(3、4)が切断部材(1、2)の外側部に沿うようにしたことを特徴とする切断具。
【請求項2】
中間部を約90度までの回動角で回動自在に連結した一対の切断部材(1、2)と、先端部を約360度までの回動角で回動自在に連結した一対のハンドル(3、4)とからなり、前記ハンドル(3、4)の連結部(C1 )が切断部材(1、2)の略下半部で囲まれる空間(S)を出入りするようにして、前記切断部材(1、2)の後端部をハンドル(3、4)の中間部に約180度までの回動角で回動自在に連結したものとし、前記ハンドル(3、4)の先端部の回動角が360度に近付けるように回動操作することにより、ハンドル(3、4)が切断部材(1、2)の外側部に沿うようにしたことを特徴とする切断具。
【請求項3】
前記切断部材(1、2)のそれぞれの長さ(L1 )と、ハンドル(3、4)の中間部の連結部(C2 )からハンドル(3、4)の後端部までのそれぞれの長さ(L2 )を略同一寸法にしたことを特徴とする請求項1または2記載の切断具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−34338(P2006−34338A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214444(P2004−214444)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(397016448)ジェフコム株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(397016448)ジェフコム株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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