説明

切断機構及び印字装置

【課題】短時間で印字媒体を切断できるようにする。
【解決手段】カッタ67が印字部2で印字された印字媒体を切断する。モータ61が所定の駆動力を発生する。駆動力伝達部がモータ61からの駆動力をカッタ67に伝達する。これを前提にして、第2のギア64は、偏心した位置にボス64aを有し、モータ61で発生した駆動力により第1のギア63を介して回転する。カッタレバー65は、ボス64aが挿入される曲線形状のカム溝65aを有し、第2のギア64の回転によるボス64aの移動によって、カム溝65aの曲線形状に基づいて移動してカッタ67を押圧する。これにより、モータ61の駆動速度を上げても印字媒体の切断に必要な切断時間が確保できる。この結果、従来の切断機構よりも短時間で印字媒体を切断でき、作業効率を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープやチューブ等の長尺形状の印字媒体を切断するカッタと、所定の駆動力を発生するモータと、モータからの駆動力をカッタに伝達する駆動力伝達部とで構成された切断機構及び印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長尺形状のテープやチューブ等の印字媒体に印字をして、該印字した印字媒体をハーフカット又はフルカットによって切断するテープ/チューブプリンタのような印字装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図11は、従来例に係る印字装置の切断機構200の内部構成例を示す説明図である。図11に示すように、切断機構200は、モータ61、第1のギア63、第2のギア64、カッタレバー90、カッタホルダ66、カッタ67及び受け台68で構成される。
【0004】
モータ61の軸にはウォームギア62が取り付けられる。ウォームギア62は、第1のギア63と噛み合う。第1のギア63は、第2のギア64と噛み合う。
【0005】
第2のギア64には、偏心した位置にボス64aが設けられる。カッタレバー90は、長穴90a、回転軸90b及びホルダ押圧部90cを有する。ボス64aは、カッタレバー90の長穴90aに挿入される。カッタホルダ66にはカッタ67が取り付けられる。
【0006】
このように構成された切断機構200は、モータ61の駆動力がウォームギア62、第1のギア63及び第2のギア64を介してカッタレバー90に伝達されて、カッタレバー90が回転軸90bを中心に反時計回りに回転する。すると、ホルダ押圧部90cがカッタホルダ66を押圧して当該カッタホルダ66及びカッタ67を図11では左側方向に移動させて、カッタ67が受け台68に当接する。カッタ67と受け台68との間にテープやチューブ等の印字媒体が搬送されると、当該印字媒体が切断(ハーフカット)される。
【0007】
切断機構200は、第2のギア64が一回転すると、カッタレバー90が左右方向に往復して印字媒体を1回だけハーフカットする。このため、搬送される印字媒体を所定数ハーフカットしたい場合には、第2のギア64を所定数回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−27241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、印字媒体を印字する速度である印字速度を高速化しても、印字媒体を切断する速度である切断速度も高速化しなければ、印字された印字媒体を短時間に作製することができない。
【0010】
特許文献1や従来例に係る印字装置の切断機構は、カッタと受け台との間で印字媒体を切断するものであるが、モータの回転数を上げて、カッタの動作を速めるとカッタと受け台とが当接している時間が短くなり、印字媒体を切断することが困難になる。特に、駆動源にDCモータを用いる際には、切断速度の高速化や、カッタと受け台とが当接する時間を確保することは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、このような課題を解決するものであって、モータの回転数を上げても印字媒体を切断できるようにし、従来の切断機構よりも短時間で印字媒体を切断できる切断機構及び印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明に係る切断機構及び印字装置は、被対象物を受ける受け台と、被対象物を切断する切断刃及びその支持部材とからなる切断部と、所定の駆動力を発生する駆動部と、偏心した位置に軸を有するカムギアと軸が挿入されるカム溝とにより、駆動部で発生した駆動力を切断部に伝達する駆動力伝達部とで構成された切断機構であって、カム溝は、曲線状であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る切断機構では、受け台が、被対象物を受ける。切断部が、被対象物を切断する切断刃及びその支持部材とからなる。駆動部が、所定の駆動力を発生する。駆動力伝達部が、偏心した位置に軸を有するギアと軸が挿入される曲線状のカム溝とにより、駆動部で発生した駆動力を切断部に伝達する。これにより、カムギアの回転による軸の移動によって、カム溝の曲線状に基づいて駆動力伝達部が切断部を押圧して、被対象物を切断した位置に切断部を保持できるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る切断機構及び印字装置によれば、被対象物を切断した位置に切断部を保持できるので、駆動部の駆動速度を上げても被対象物の切断に必要な切断時間が確保できる。この結果、従来の切断機構及び印字装置よりも短時間で被対象物を切断でき、作業効率を向上できる。特に、駆動部にDCモータを用いた切断機構において、駆動速度を向上と切断時間の短縮とに効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る印字装置1の構成例を示す斜視図である。
【図2】印字装置1の内部構成例を示す斜視図である。
【図3】印字装置1の内部構成例を示す平面図である。
【図4】(A)は、切断機構100の動作例(その1)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その1)を示す説明図である。
【図5】(A)は、切断機構100の動作例(その2)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その2)を示す説明図である。
【図6】(A)は、切断機構100の動作例(その3)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その3)を示す説明図である。
【図7】(A)は、切断機構100の動作例(その4)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その4)を示す説明図である。
【図8】(A)は、切断機構100の動作例(その5)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その5)を示す説明図である。
【図9】(A)は、切断機構100の動作例(その6)を示す説明図であり、(B)は、切断機構200の動作例(その6)を示す説明図である。
【図10】切断機構100,200の特性例を示す説明図である。
【図11】従来例に係る印字装置の切断機構200の内部構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明に係る印字装置1及び切断機構100について説明する。
[印字装置1の構成例]
図1に示すように、印字装置1は、本体部10、入力操作部20及び表示部30で構成される。本体部10には図2で後述する印字部2及び切断機構100や、入力操作部20及び表示部30を制御する図示しない回路基板等が内蔵される。
【0017】
入力操作部20には、文字キー、数字キー及び印字開始キー等を有する。ユーザが被対象物である印字媒体に印字すべき文字及び数字を文字キー及び数字キーで入力すると、該入力された内容がLCD等で形成される表示部30に表示される。ユーザが表示部30に表示された内容を確認した後、印字開始キーを押下すると、印字部2が印字媒体への印字を開始する。印字媒体には、例えば、長尺状のテープやチューブ等が用いられる。
【0018】
印字部2で印字媒体に文字や数字等が印字されると、切断機構100の図2で後述するカッタ67によりハーフカットされる。ハーフカットとは、印字媒体がテープの場合には、剥離紙が裏面に貼り付けられたシール状のテープの表面側の印字テープのみを切断して、短冊状とした多数のシールを繋げた状態で運搬等を行えるようにすると共に、使用時には剥離紙を容易にはがすことができるようにしたものである。また、印字媒体がチューブの場合には、チューブの一部を残して切断して、印字が行われたチューブを繋げた状態で運搬等を行えるようにすると共に、使用時には鋏等を用いることなく例えばユーザの手でチューブを引っ張ることで、容易に切断することができるようにしたものである。切断されたチューブは、電気配線のコード等に装着されて、コード類の識別手段として使用される。
【0019】
カッタ67によってハーフカットされた印字媒体は、本体部10の側部に設けられた排出口40から排出される。所望の数量の印字媒体が排出口40から排出されたら、フルカットボタン50をユーザが押下することにより、印字された印字媒体と印字装置1にセットされる印字媒体とが分離(フルカット)される。
【0020】
次に、印字装置1の内部構成例について説明する。図2及び3に示すように、印字装置1は、印字部2及び切断機構100を備える。印字部2は、図示しないテープカセット又はチューブが選択的にセットされるカセットホルダ部4と、インクリボンカセット5がセットされるリボンホルダ部6を備える。カセットホルダ部4及びリボンホルダ部6は例えば樹脂の一体成形品で、ロアプレート7に取り付けられる。
【0021】
更に、印字部2は、プラテンローラ8及びサーマルヘッド9を備える。プラテンローラ8は、ロアプレート7等に取り付けられた軸受7aに支持され、図示しないモータの駆動力が伝達されて回転する。
【0022】
ここで、プラテンローラ8を駆動する図示しないモータの駆動力は、インクリボンカセット5のインクリボンを巻き取るリールを駆動する巻取り軸にも伝達され、プラテンローラ8の回転とインクリボンの送りとが同期して行われる。
【0023】
サーマルヘッド9は、プラテンローラ8に対向して配置される。サーマルヘッド9は軸9aを支点に回転できるようにロアプレート7に支持され、軸9aを支点とした時計回り方向の回転動作で、プラテンローラ8に対して近づく方向に移動する。これにより、サーマルヘッド9はプラテンローラ8との間にインクリボンとテープ若しくはチューブとを挟持して、印字可能な状態となる。また、サーマルヘッド9は、軸9aを支点とした反時計回りの回転動作で、プラテンローラ8に対して離れる方向に移動して退避する。
【0024】
印字部2にはヘッド移動機構70が設けられる。ヘッド移動機構70は、レバー70aを操作することにより、サーマルヘッド9をプラテンローラ8に近づかせて印字可能な状態にしたり、サーマルヘッド9をプラテンローラ8から退避させて印字させない状態にしたりする。
【0025】
印字装置1の側部には切断機構100が設けられる。切断機構100は、モータ61、第1のギア63、カムギアの一例である第2のギア64、カッタレバー65、カッタホルダ66、カッタ67及び受け台68を備える。第1のギア63、第2のギア64及びカッタレバー65は、本発明の駆動力伝達部を構成する一例である。
【0026】
モータ61の軸にはウォームギア62が取り付けられる。ウォームギア62は、第1のギア63と噛み合い、第1のギア63は、第2のギア64と噛み合う。
【0027】
第2のギア64には、偏心した位置に第2のギア64の軸となるボス64aが設けられる。カッタレバー65は、曲線状(円弧状)のカム溝65a、回転軸65b及びホルダ押圧部65cを有する。ボス64aは、カッタレバー65のカム溝65aに挿入される。ホルダ押圧部65cは、カッタホルダ66に当接して設けられる。カッタホルダ66にはカッタ67が取り付けられる。
【0028】
このように構成された切断機構100は、モータ61の駆動力がウォームギア62、第1のギア63及び第2のギア64を介してカッタレバー65に伝達される。つまり、モータ61の駆動力によりウォームギア62が回転すると共に、第1のギア63及び第2のギア64が回転して、カッタレバー65を動作させる。
【0029】
このとき、カッタレバー65は、第2のギア64の回転によるボス64aの移動によって、カム溝65aの曲線形状に基づいて回転軸65bを中心に反時計回りに回転する。すると、ホルダ押圧部65cがカッタホルダ66を押圧して当該カッタホルダ66及びカッタ67を受け台68に向かって移動させ、カッタ67が受け台68に当接する。カッタ67と受け台68との間に印字媒体が搬送されると、当該印字媒体が切断(ハーフカット)される。
【0030】
カム溝65aは、第2のギア64の回転によるボス64aの移動の軌跡と略一致する区間を有する。カッタレバー65は、第2のギア64の回転によるボス64aの移動の軌跡とカム溝65aの曲線形状とが略一致する区間で、カッタホルダ66及びカッタ67を受け台68に押圧した状態を保持する。
【0031】
従って、印字媒体を切断した位置にカッタ67を保持できるようになる。つまり、カッタ67と受け台68とが当接している時間が従来の切断機構200よりも長くなる。これにより、モータの駆動速度(回転数)を上げても印字媒体の切断(ハーフカット)に必要な切断時間が確保できる。この結果、従来の切断機構200よりも短時間で印字媒体を切断でき、作業効率を向上できる。特に、駆動部にDCモータを用いた切断機構において、駆動速度を向上と切断時間の短縮とに効果を奏する。
【0032】
[切断機構100の動作例]
次に、切断機構100がハーフカットするときの全体の動作について説明する。所定のタイミングでモータ61の回転駆動が開始され、図4(A)に示すように、モータ61の回転により、第2のギア64が反時計回りに回転すると、第2のギア64が有するボス64aがカッタレバー65のカム溝65a内を移動して、カッタレバー65が回転軸65bを支点に反時計回りに回転する。
【0033】
すると、ホルダ押圧部65cがカッタホルダ66に当接しながら当該カッタホルダ66を押圧する。これにより、カッタホルダ66は、カッタ67と共に左側方向(受け台68がある方向)に移動する。
【0034】
カッタ67が受け台68に突き当たる位置まで移動すると、カッタレバー65は、カム溝65aとボス64aとの位置関係から、第2のギア64の反時計回りの回転で、時計回りに回転する。これにより、カッタホルダ66は、図示しないバネの力で右側方向に移動して、カッタ67が受け台68から離間する。このようにして、切断機構100は、ハーフカットを行う。
【0035】
次に、本発明に係る切断機構100の動作を従来例に係る切断機構200の動作と比較しながら説明する。図4(A)及び(B)は、第2のギア64が回転を始めたときの切断機構100,200を示していて、このときのボス64aの位置を0度とする。図4(A)及び(B)に示すように、切断機構100,200のカッタ67と受け台68とが大きく離間した状態になっている。
【0036】
図5(A)及び(B)は、第2のギア64が反時計回りに60度回転したときの切断機構100,200を示している。図5(A)に示す切断機構100のカッタ67と受け台68との距離と、図5(B)に示す切断機構200のカッタ67と受け台68との距離とを比較すると、切断機構100の方がカッタ67と受け台68との距離が縮まっている。つまり、切断機構200のカッタレバー90の動作速度よりも切断機構100のカッタレバー65の動作速度の方が速い。
【0037】
図6(A)及び(B)は、第2のギア64が反時計回りに120度回転したときの切断機構100,200を示している。図6(A)に示す切断機構100では、カッタ67と受け台68とが当接する。これに対して、図6(B)に示す切断機構200では、カッタ67と受け台68とが未だ当接せずに離間している。
【0038】
図7(A)及び(B)は、第2のギア64が反時計回りに180度回転したときの切断機構100,200を示している。図7(A)に示す切断機構100では、カッタ67と受け台68との当接を保持している。図7(B)に示す切断機構200では、漸くカッタ67と受け台68とが当接する。
【0039】
図8(A)及び(B)は、第2のギア64が反時計回りに240度回転したときの切断機構100,200を示している。図8(A)に示す切断機構100では、未だカッタ67と受け台68との当接を保持している。図8(B)に示す切断機構200では、カッタ67と受け台68が離間し始める。
【0040】
図9(A)及び(B)は、第2のギア64が反時計回りに300度回転したときの切断機構100,200を示している。図9(A)に示す切断機構100では、カッタ67と受け台68が離間し始める。図9(B)に示す切断機構200では、カッタ67と受け台68が完全に離間する。
【0041】
切断機構100,200は、上述のような動作を繰り返し行い、カッタ67と受け台68との間に搬送された印字媒体をハーフカットする。
【0042】
このように、切断機構100の第2のギア64が反時計回りに120度〜240度回転したときのボス64aの軌跡がカム溝65aの曲線形状と略一致するので、ボス64aがカム溝65a内を摺動するだけで、カッタレバー65は回転しない。
【0043】
これにより、カッタレバー65は、カッタ67を押圧した状態(カッタ67と受け台68とが当接した状態)を保持する。つまり、切断機構100は、切断機構200よりもカッタ67及び受け台68の当接する時間が長く、切断機構200と比べて、モータ61の回転速度を上げても印字媒体のハーフカットに必要な切断時間が確保できる。この結果、切断機構100は、切断機構200よりも短時間で印字媒体を切断でき、作業効率を向上できる。
【0044】
[切断機構100,200のハーフカットサイクルの特性例]
次に、切断機構100のハーフカットサイクルの特性例について説明する。図10は、縦軸をカッタ67の位置(mm)とし、横軸を時間(秒)としたときの切断機構100,200のハーフカットサイクルの特性例を示す説明図である。図10では、カッタ67の位置が−12mmのときにカッタ67と受け台68とが当接することを示している。また、第2のギア64を一回転させるのに10秒かかるようにモータ61の回転数が設定されていることを前提とする。
【0045】
図10に示すように、実線で示した切断機構100の特性T1と、点線で示した切断機構200の特性T2とを比較すると、特性T1の方が特性T2よりも傾きが急峻になっていて、切断機構100のカッタ67の移動速度が切断機構200のカッタ67の移動速度よりも速くなっていることがわかる。
【0046】
実線で示した切断機構100の特性T1では、第2のギア64を回転させてから約5.5秒後から約7.1秒後にカッタ67の位置が−12mmとなる。つまり、カッタ67と受け台68とが約1.6秒間当接している。
【0047】
点線で示した切断機構200の特性T2では、第2のギア64を回転させてから約5.8秒後から約6.2秒後にカッタ67の位置が−12mmとなる。つまり、カッタ67と受け台68とが約0.4秒間当接している。
【0048】
例えば、切断機構を確実にハーフカットするために必要な、カッタ67と受け台68との当接時間が0.4秒間であるとする。この場合、切断機構100は、切断機構200よりもモータ61の回転速度(カッタ67の切断速度)を約4倍速めても、カッタ67と受け台68とが約0.4秒間当接できるので、印字媒体を確実にハーフカットできる。
【0049】
このように、本発明に係る切断機構100によれば、印字部2が印字媒体に印字を行う。カッタ67が印字部2で印字された印字媒体を切断する。モータ61が所定の駆動力を発生する。駆動力伝達部がモータ61からの駆動力をカッタ67に伝達する。これを前提にして、第2のギア64は、偏心した位置にボス64aを有し、モータ61で発生した駆動力により第1のギア63を介して回転する。カッタレバー65は、ボス64aが挿入される曲線形状のカム溝65aを有し、カッタ67に当接して設けられる。これにより、第2のギア64の回転によるボス64aの移動によって、カム溝65aの曲線形状に基づいて移動してカッタ67を押圧する。
【0050】
カッタレバー65は、第2のギア64の回転によるボス64aの移動の軌跡とカム溝65aの曲線形状とが略一致するときに、カッタ67を押圧した状態を保持する。これにより、印字媒体を切断した位置にカッタ67を保持できるようになる。
【0051】
これにより、切断機構100は、モータ61の駆動速度を上げても印字媒体の切断に必要な切断時間が確保できる。この結果、従来の切断機構200よりも短時間で印字媒体を切断でき、作業効率を向上できる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・印字装置、2・・・印字部、4・・・カセットホルダ部、5・・・インクリボンカセット、6・・・リボンホルダ部、7・・・ロアプレート、8・・・プラテンローラ、9・・・サーマルヘッド、10・・・本体部、20・・・入力操作部、30・・・表示部、40・・・排出口、50・・・フルカットボタン、61・・・モータ(駆動部)、62・・・ウォームギア、63・・・第1のギア、64・・・第2のギア、65,90・・・カッタレバー、66・・・カッタホルダ、67・・・カッタ(切断刃)、68・・・受け台、70・・・ヘッド移動機構、70a・・・レバー、100,200・・・切断機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被対象物を受ける受け台と、
前記被対象物を切断する切断刃及びその支持部材とからなる切断部と、
所定の駆動力を発生する駆動部と、
偏心した位置に軸を有するカムギアと前記軸が挿入されるカム溝とにより、前記駆動部で発生した駆動力を前記切断部に伝達する駆動力伝達部とで構成された切断機構であって、
前記カム溝は、曲線状であることを特徴とする切断機構。
【請求項2】
前記カム溝は、前記カムギアの回転による前記軸の移動の軌跡と略一致する区間を備えることを特徴とする請求項1に記載の切断機構。
【請求項3】
前記カムギアの回転による前記軸の移動の軌跡と略一致する区間では、前記切断刃を前記受け台に押圧した状態を保持することを特徴とする請求項2に記載の切断機構。
【請求項4】
前記カム溝の形状は、円弧状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の切断機構。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の切断機構を備えた印字装置。
【請求項6】
前記被対象物がテープ又はチューブの長尺印字媒体であることを特徴とする請求項5に記載の印字装置。
【請求項7】
前記切断機構により前記長尺印字媒体にハーフカットを施すことを特徴とする請求項6に記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−230333(P2011−230333A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101323(P2010−101323)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】