説明

切替え可能素子における駆動電圧の低減

不混和性である極性液体(101)と非極性液体(102)を含む流体室(111)を有する切替え可能素子を説明する。素子は更に、液体の空間分布を制御するよう配置される2つの電極(103、104)が設けられ、空間分布は2つの電極間に亘る印加電圧によって制御される。液体のうちの1つ又は両方への界面活性剤の添加によって、素子の作動電圧は下げられる。素子は、例えば、光学装置又はモータとして機能可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替え可能素子及び切替え素子を有する装置に係る。
【背景技術】
【0002】
エレクトロウェッティングは、本質的に、電界が疎水面に接触する極性液体の濡れ挙動を変更する現象である。電界をかけることによって、表面エネルギー傾斜が極性液体内に形成され、これは、液体を操作するために使用可能である。一般的な適用では、水が極性液体として使用される。
【0003】
最近、切替え可能素子が提案され、エレクトロウェッティングの原理に基づいて動作するよう示された。このような切替え可能素子は一般的に、一割の水及び一割の油で充たされたクローズドセルから構成されるが、他の液体を用いてもよい。重要な特徴は、液体が不混和性であるということと、1つの液体が極性及び又は導電性(例えば、水)であり、一方でもう1つの液体が非極性(例えば、油)であることである。装置が光学素子として使用される場合に他の重要な液体パラメータは、例えば、屈折率、融点、透過、及び密度である。
【0004】
液体は不混和性なので、液体間には常に明確な界面がある。セルの内面は一般的に、2つの別個の面を有し、1つは疎水性であり、もう1つは非疎水性である。疎水面は、本質的に、水を拒絶し、また、面を適切に構成することによって、液体間の空間関係は予め決定することができる。即ち、水は、疎水面とは反対の所定の位置に付勢される。従って、2つの液体間の界面も予め決定することができる。
【0005】
更に、2つの電極がセル内に配置され、1つは疎水性及び絶縁性コーティングの背後に配置されるアドレス電極であり、もう1つは、導電性液体と直接接触するか又は静電結合するカウンタ電極である。電極間に電位を印加することによって、電界が、絶縁コーティングに亘って形成される。電界は、導電性液体の中の分子による引力を無効にし、従って、液体間の空間関係、従って、液体界面の形状及び位置も変更する静電気力を発生させる。要するに、液体界面は、印加される電位を制御することによって制御可能である。
【0006】
このメカニズムを使用した周知の原理が幾つかあり、それらによってセルは制御可能である。第1の原理では、液体は、異なる透過特性を有するよう選択される。液体の空間分布を変更することによって、構成要素の透過が変更される。第2の原理では、液体は、異なる屈折率を有するよう選択される。これは、液体間のメニスカスを、電極電位によって制御可能な屈折特性を有するレンズに変える。一般的に、このレンズは、光収束状態の凸型と、光拡散状態の凹型の間で変更可能である。この文書では、オフ状態とは、電極間の印加電圧は実質的にゼロである状態を意味する。更に、オン状態とは、印加電圧が、オフ状態に比べて液体の空間分布に実質的な変化をもたらす状態を意味する。
【0007】
エレクトロウェッティングセルは、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に更に説明される。
【0008】
これらのエレクトロウェッティング素子は、例えば、モータ、可変フォーカスレンズ、可変ダイアフラム、可変フィルタ、格子、ビーム偏向器、メカニカルアクチュエータ、及びエレクトロウェッティングに基づいたディスプレイといった様々な光学的及び他の部品として機能するよう構成されることが可能である。これらのエレクトロウェッティング素子が携帯可能な装置内で用いられる場合、装置の電力消費量及び作動電圧が特に重要である。作動電圧が高すぎる場合は、装置を駆動するために追加の電子部品を含む必要があり得る。このような追加の電子部品は幾つかの欠点を有する。そのうちの1つは、装置の開発及び製造費用の増加である。高い電力消費量に関連するもう1つの欠点は、携帯可能な装置の電池が頻繁に再充電される必要があり得、これは携帯可能な装置の使用を実質的に制限してしまう。
【特許文献1】国際特許出願2002/099527
【特許文献2】国際特許出願2003/069380
【特許文献3】国際特許出願2004/027489
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、エレクトロウェッティング装置における電力消費量及び作動電圧に関する上述した問題を排除する又は少なくとも緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1及び10にそれぞれ記載される方法及び装置によって達成される。好適な実施例は、従属項に記載する。
【0011】
本発明は、光学素子における液体の表面張力に作用することによって、光学セルの光学性能を実質的に変更することなく光学セルを制御するのに必要な電圧を下げることが可能であるという発明者の認識に基づいている。
【0012】
式(1)は、エレクトロウェッティングセル内に含まれる第1の非極性液体NPLと第2の極性液体PLとの間の表面張力を変更することによってどのように電圧に影響を与えることができるかを示す。
【0013】
【数1】

γは、様々な界面の張力であり、θは、導電性液体を介して測定されるメニスカスと流体室の壁との接触角度である。正しい界面張力以外に、液体は、一連の他の要件、例えば、適切な屈折率、融点、透過、密度、粘度等を有するということも満たさなければならない。従って、液体の選択に依存して、3つの界面張力に対し限定された別個の値の選択のみが可能である。
【0014】
従って、第1の面では、本発明は、切替え可能素子を提供する。この素子は、第1の流体と第2の流体を有する流体室を有する。第1の流体は、非導電性液体であり、第2の流体は、極性及び/又は導電性液体である。この素子は更に、これらの液体の空間分布を制御するよう配置される第1の電極と第2の電極を更に有する。最後に、第1の流体及び第2の流体のうち少なくとも1つは、界面活性剤を有する。
【0015】
第2の面では、本発明は、そのような切替え素子を有する装置を提供する。
【0016】
液体中に界面活性剤を溶解させることによって表面張力を変更することの1つの利点は、表面張力に作用可能であることであり、この作動電圧によって、実質的に液体の他の特徴パラメータを実質的に変更する必要がないことである。これは界面活性剤が、主に界面に影響を与えるという事実による。従って、界面活性剤は少量のみが必要であり、それにより、液体のバルク特性にはほとんど影響を与えない。当業者は、実験及び以下の更なる説明の支援によって、特定の場合における必要な界面活性剤の量を決定し得るであろう。
【0017】
第1の液体と第2の液体との間の表面張力が請求項2に記載される方法で作用される切替え可能装置は、印加された電圧に対して接触角度の感度に作用する表面張力のみに影響を与えることが有利である。メニスカスと流体室の壁との間の接触角度における所望の変更は、電極に印加される電圧を調整することによって達成可能である。式1から分かるように、接触角度における特定の変更を達成するために必要な電圧の量に作用する表面張力は、2つの液体間の表面張力のみである。即ち、低いγNPL/PLが、接触角度における特定の変更を達成するために必要な電圧を下げる。
【0018】
請求項3又は4に記載するように、セルの壁と、第1又は第2の液体との間の表面張力は、印加された電圧に対して接触角度の感度に影響を与えないオフ状態における接触角度の調整を可能にする利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の上述の及び他の面は、以下に説明する実施例から明らかとなり且つ実施例を参照して説明する。
【0020】
この説明において、同一又は対応する部分は、同一又は対応する参照番号を有する。本発明は、図1を参照して更に詳細に説明する。図1は、可変フォーカスレンズとして使用される切替え可能素子を示すが、本発明は、モータ、可変ダイアフラム、フィルタ、格子、ビーム偏向器、モータ、及びエレクトロウェッティングに基づいたディスプレイといった他の種類のエレクトロウェッティング素子にも同等に適用されることを理解するものとする。
【0021】
図1は、切替え可能光学素子100の側面図を概略的に示す。切替え可能光学素子100は、第1の流体101と第2の流体102とを含むクローズドセル又は流体室111を有する。これらの流体101、102は、実質的に不混和性である。第1の流体101は、水であることが好適であり、水は、極性及び導電性の流体、即ち液体である。第2の流体102は、油であることが好適であり、油は、非極性液体である。極性液体及び非極性液体が互いに接触するとき、メニスカスがその間に、即ち、第1の液体101と第2の液体102との間に形成される。メニスカスの形状を測定する1つの方法は、セル111の壁と、第1の液体101及び第2の液体102との間の共通面との間の角度θ112を測定することである。
【0022】
更に、この切替え可能な光学素子は、第1の電極103及び第2の電極104を有し、第2の電極104は、第1の液体101と接触する。第1の電極103と、液体101及び102との間には、第1の電極103が、液体102及び102と接触しないよう疎水性の絶縁体109がある。更に、この切替え可能光学素子は、2つの電極103、104間の電気電圧が変更可能であるよう配置される。式1から分かるように、角度θ112は、他のパラメータの中でも、油102とセル111の壁との間の界面の表面張力γNPL/wall108、並びに、水101とセル11の壁との間の界面の表面張力γPL/wall107に依存する。これらの2つのパラメータ107、108間の界面の表面張力における差を増加することによって、角度112は、印加される電圧に対する接触角の感度に作用することなく増加される。また、差を減少することによって、依然として感度に作用することなく、角度112が減少される。
【0023】
角度112の別のより動的な変更方法は、印加電圧110を変更することである。印加電圧における特定の変化に呼応する角度の変化量は、式1から導出可能である。式は、水と油間の界面の表面張力106を下げることによって、角度112を特定量変更するのに必要な電圧レベルは低減されることを示す。
【0024】
界面の表面張力106、107、108を低減する好適な方法は、界面活性剤105を第1の液体101か又は第2の液体102に加えることである。油と水間の界面の表面張力に影響を与えることのできる界面活性剤105の例は、アルコール、例えば、デカノールである。壁が、ハイドロカーボン油と組み合わされたフルオロカーボン(例えば、デュポン(商標)によって生産されるテフロン(登録商標)AF1600)から構成される場合、油と壁間の表面張力108は、例えば、ハイドロカーボン部分とフルオロカーボン部分を有する分子に左右されることが可能である。同じ壁について、水と壁間の表面張力は、極性の頭部とフルオロカーボンの尾部、例えば、フッ素化アルコールを有する分子に左右されることが可能である。界面活性剤は、既に非常に低い濃度にある表面張力を有意に低減することが可能であり、従って、駆動電圧は、界面活性剤の使用によって有意に低減可能であり、一方で、液体のバルク特性に作用することがない。壁/水界面用の界面活性剤の例は、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、及び、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールである。壁/油界面に使用可能な界面活性剤は、ペンタフルオロフェニルトリメチルシラン、トリフルオロメチルトリメチルシラン、及びトリフルオロメチルトリエチルシランである。
【0025】
図2及び3は、上述したように液体と、液体を囲む壁との間の界面の表面張力を左右する界面活性剤があるという事実を説明する。尚、多くの界面活性剤が、これらの界面の表面張力の1つだけではなく、3つ全てでなければ2つの表面張力を様々な度合いで左右することを理解するものとする。
【0026】
液体に添加されるべき界面活性剤の量について、濃度は、幾つかのファクタに依存する。1つのファクタは、界面の面積と、液体容積との割合であり、小さい割合よりも大きい割合に対して高い濃度が必要となる。従って、一般的に、大きい液体は、小さい液体におけるのと同じ効果を得るためには小さい界面活性剤の濃度を必要とする。更に、界面の表面張力上に所望の影響を達成する間に濃度を可能な限り低く維持することが所望される。その一方で、濃度の増加は、影響の増加を意味するが、特定の度合いまでしか意味しない。界面は、界面活性剤で飽和されると、最大限の完全な効果が得られる。液体101、102内に依然として界面活性剤の分子が残っている場合、これらは、切替え可能素子の特性に所望しない負の影響を与えるか、少なくとも与え得る。しばしば達成することが所望される状態は、界面、特に、メニスカスが、少なくとも1つの界面活性剤の単層で覆われることである。水と油の間、及び水とセル111の壁との間の界面において界面活性剤を添加することの最強の効果を得ることができる。
【0027】
本発明は更に、エレクトロウェッティングモータにおいても使用され得る。ここでは、所定の経路に沿って流体の容積を操作するために、ウェッティングの技術に基づいて界面の形状は電気力によって変更可能であるという事実が使用される。図4a及び4bは、様々な瞬間における、特に、回転モータといったそのようなモータ30の実施例の断面図を示す。モータは、実質的に円筒型の第1の本体33と、第1の本体33内に同心円状に位置付けられる実質的に円筒型の第2の本体35を有する。第1の本体33及び第2の本体35は、それらのそれぞれの内面と外面との間に、円筒室34を囲む。この円筒室34には、油といった非極性及び/又は非導電性の第1の流体36と、例えば、(塩分のある)水といったこの例では、水溶液である極性及び/又は導電性の第2の流体37の容積37a乃至dが充填される。流体36、37は不混和性である。
【0028】
第1の本体33には、その内面の濡れ性を変更するための手段、即ち、第1の本体33の軸方向に延在し、円周に沿って略一定の半径の間隔で配置される12の電極40が設けられる。第1の本体33の内面には、絶縁性の疎水性材料か又はより一般的には、第1の流体36による濡れ性より低い第2の流体37による濡れ性を有する材料の層42によって覆われる。そのような材料の例は、第1の流体36が油又は空気であり、第2の流体が(塩分のある)水である場合に、デュポン社から供給されるアモルファスフルオロポリマーAF1600といったテフロン(登録商標)状材料か又はパリレン或いはそれらの組み合わせである。電極40は、電圧供給源(図示せず)に接続される。
【0029】
第2の本体35は、固体設計であるが所望される場合は中空であることも可能であり、1つ以上の好適な軸受けによって、特に、第1の本体33内に可動に、特に回転可能に取り付けられる。軸受け又はそれぞれの軸受けは、例えば、第1及び/又は第2の本体33、35に環状の溝を設けることによって構成される油軸受けであり得、溝には第2の本体35が回転すると、圧力が蓄積し、第1の本体33内で第2の本体35を中心にする。
【0030】
第2の本体35は、その外面に、4つの親水性領域44の形の結合手段が設けられる。その数は、容積37a乃至dに対応する。これらの領域44は、例えば、第1の流体36による濡れ性より高い第2の流体37による濡れ性を有する材料から形成されるか又は覆われ得る。この材料は例えば、ガラスであり得る。領域44は、上述した任意の材料からの選択であり得る疎水性材料から形成される又は覆われる領域45によって半径方向において互いから分離される。追加的に又は或いは、親水性領域44は、容積との結合力を高めるために引っ込められ得る。更に、2つ以上の容積37a乃至dは、図4a及び4bに示すように、第2の本体35における少なくとも1つの好適な経路39を介して相互接続され得る。高い濡れ性44、及び低い濡れ性45の領域は省略されてもよいが、モータが発揮し得る力を最大限に高めるよう維持され得る。
【0031】
上述したようなモータは、以下のように動作する。図4aでは、ローマ数字Iが付けられた電極40(つまり、上、下、左、及び右の電極)に電圧が供給される。従って、電極Iを覆う疎水性層42が、局所的に親水性となる。従って、4つの容積37a乃至dは、4つの電極Iにおいて第1の本体33に接触する。4つの容積37a乃至dは更に、結合手段、即ち、親水性領域44及び経路39において第2の本体35に接触する。次に、電圧供給が、前の電極Iの隣にある第2の電極IIに移されると、第2の電極IIの上方にある層が親水性となり、一方で第1の電極Iの上方の層は、疎水性に戻る。これは、図4bに示すように容積37a乃至dを親水性の領域IIに向かって引きつけるエレクトロウェッティング力を発生する。この動作の間、容積37a乃至dは、第2の本体35の親水性領域44に沿って疎水性領域45の端まで動く。第2の本体35に沿っての更なる動作は、疎水性領域45と第1の流体36の組み合わされた動作によって遮断され、容積37a乃至dが、第2の本体35を回転させる第2の本体35上に濡れ力を発揮することを可能にする。従って、一連の電極40I、IIを好適な電圧によって連続して作動させることによって、第2の本体35が連続的に回転されることが可能である。電極40は、互いに相対的に近くに位置付けられるか、又は、更には、「歯」構造で重なり合うことが好適である。更に、電極40の半径寸法は、容積37a乃至dの半径寸法と等しいか又はより小さいことが好適である。このような電極40の位置決め及び/又は寸法合わせは、容積37a乃至dが、続く電極40IIへの新しく供給された電圧を「感知」可能であることを確実にする。
【0032】
与えた例では、回転は時計回りである。この方向は、電極40I、IIが作動される順番を反対にすることによって容易に反対にすることが可能であることを理解するものとする。当然ながら、回転の数は、一連の電極40I、IIの作動頻度に依存する。図示する例では、導電性流体の4つの容積37a乃至dを用いるが、任意の数の容積を使用可能であることを述べておく。容積37a乃至dは、軸方向におけるライン形状であっても、一連の軸方向に間隔があけられた溶滴から構成されてもよい。更に、図4a及び4bの実施例では、第1の本体33が回転可能に取り付けられ、第2の本体35が固定されている場合は、第2の本体35ではなく第1の本体33が回転することも可能であることを述べておく。その場合、電圧を第1の電極Iから第2の電極IIへの電圧の切替えによって、容積37a乃至dは、第22の電極II(高い濡れ性を特徴とする)に向かって親水性領域44の端まで動く。次に、濡れ力によって第2の電極IIは、容積37a乃至dに引きつけられ、第1の本体33が反時計回りに回転するようにさせる。この説明から、モータ30の動作のために、電極40が、静止本体又は可動本体上に位置付けられても関係がないことがすぐに明らかとなろう。従って、実際には、電極40は、通常、配線の問題を回避するために静止本体上に配置されるが、示した実施例を制限的にとらえるべきではない。
【0033】
従って、上述したように、本発明は、切替え装置における駆動電圧を下げる方法を提示する。この出願のために、特に、請求項に関して、「有する」という用語は、他の素子又は段階を排除するものではなく、単数形で示される単語もその複数を排除するものではなく、また、少なくとも一部の手段は、それ事態は当業者には明らかであるハードウェア又はソフトウェア内で実施されることが可能であることを述べておく。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】界面活性剤が極性液体及び非極性液体間の界面張力に作用する本発明の1つの実施例を示す側面図である。
【図2】界面活性剤が非極性液体とセルの壁との間の界面張力に作用する本発明の1つの実施例を示す側面図である。
【図3】界面活性剤が極性液体とセルの壁との間の界面張力に作用する本発明の1つの実施例を示す側面図である。
【図4】a及びbは、2つの異なる瞬間における作動されたエレクトロウェッティングモータを示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性液体及び導電性液体のうち少なくとも1つである第1の流体と、非導電性液体である第2の流体とを有する室と、
前記第1の液体及び前記第2の液体の空間分布を制御するよう配置される第1の電極及び第2の電極と、
を有し、
前記第1の流体及び前記第2の流体のうち少なくとも1つは、界面活性剤を有する、切替え可能素子。
【請求項2】
前記界面活性剤は、前記第1の流体と前記第2の流体との間の界面張力に作用する請求項1記載の切替え可能素子。
【請求項3】
前記界面活性剤は、前記第1の流体と、前記クローズドセルの少なくとも1つの壁との間の界面張力に作用する請求項1又は2記載の切替え可能素子。
【請求項4】
前記界面活性剤は、前記第2の流体と、前記クローズドセルの少なくとも1つの壁との間の界面張力に作用する請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項5】
前記界面活性剤は、アルコールである請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項6】
前記界面活性剤は、ハイドロカーボン又はフルオロカーボン部分を有する分子である請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項7】
前記界面活性剤は、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、及び、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールを有する界面活性剤の群から選択される少なくとも1つの界面活性剤である請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項8】
前記界面活性剤は、ペンタフルオロフェニルトリメチルシラン、トリフルオロメチルトリメチルシラン、及びトリフルオロメチルトリエチルシランを有する界面活性剤の群から選択される少なくとも1つの界面活性剤である請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項9】
前記素子は、切替え可能光学素子である請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項10】
前記素子は、モータである請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の切替え可能素子。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の切替え可能素子を有する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528009(P2007−528009A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507540(P2006−507540)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050585
【国際公開番号】WO2004/099846
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】