説明

刈取搬送装置

【課題】
複数の引起装置を上方へ回動させて広いメンテナンス空間を形成し、メンテナンス作業を容易にする。
【解決手段】
中央の引起装置(61)と一体の中間引起フレーム(58)を中間上部引起伝動軸(45b)上部の回動軸(49)で回動自在に支持し、中間上部引起伝動軸(45b)に設けた第2上手側ギア(43a)と中間引起フレーム(58)に設けた中間引起入力伝動軸(53)の第2下手側ギア(50a)とを対向配置して動力を伝達して中央の引起装置(61)に動力を伝達し、回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、第2上手側ギア(43a)と第2下手側ギア(50a)が噛み合って動力伝達状態になり、上部引起伝動筒体(46)を上方に回動すると、第2上手側ギア(43a)と前記第2下手側ギア(50a)との噛合いが離脱して非動力伝達状態となる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの刈取搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの穀稈引起装置において、引起伝動筒体の上端部に出力軸を備えた伝動ケースを取り付け、引起ケースの上部に入力軸を備えた駆動スプロケットを軸支し、駆動スプロケットに多数の引起爪を備えたチェンを巻き掛けて引起装置を構成し、引起装置の上方に配置した左右方向の軸芯を中心として上下回動自在に支持し、引起装置の非刈取位置への上昇回動によって出力軸と入力軸とが分離するように構成し、刈取装置のメンテナンスを容易にしたものは、公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−261349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記先行技術では、複数の引起装置をそれぞれ別個に上方へ回動しメンテナンス空間を形成する構成であり、引起装置を単一の操作でメンテナンス空間を形成できないという問題があり、メンテナンスに際しては、各引起装置の伝動継手分離を伴うものであり、再び作業状態に戻すために刈取装置側からの出力軸と引起装置側の入力軸の位置合せをする必要があるために、メンテナンス作業に多くの労力を要する問題がある。
【0005】
本発明の課題は、かかる問題を解消し、所定幅の引起装置を一挙に上方へ回動し所定広さのメンテナンス空間を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1記載の発明は、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設し、該引起伝動筒体(42)の上端に左右方向の上部引起伝動軸(45)を内装する上部引起伝動筒体(46)を設け、上部引起伝動軸(45)から複数の引起装置(61)を連動して駆動する刈取搬送装置において、前記上部引起伝動軸(45)よりも上側に配置した回動軸(49)によって、複数の引起装置(61)を一体で上下回動自在に軸支し、該複数の引起装置(61)を下方回動させると、上部引起伝動軸(45)側に設けた上手側ギア(43)と、引起装置(61)側に対向配置した下手側ギア(50)とが噛み合って引起装置(61)へ駆動力が伝達される状態となり、前記複数の引起装置(61)を上方回動させると、前記上手側ギア(43)と下手側ギア(50)との噛み合いが外れて引起装置(61)へ駆動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設し、該引起伝動筒体(42)を介して駆動される複数の引起装置(61)を備えた刈取搬送装置において、前記引起伝動筒体(42)の上端に上手側ギヤ(43)を左右方向の軸回りに回転自在に軸架し、該上手側ギヤ(43)に引起伝動軸(41)から動力を伝達する構成とし、前記引起伝動筒体(42)の上方に左右方向に沿った上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設し、該上部引起伝動軸(45)の左右一側端部に下手側ギヤ(50)を取り付けて前記上手側ギヤ(43)の上方に対向配置し、前記上部引起伝動軸(45)を、左側上部引起伝動軸(45a)と、中間上部引起伝動軸(45b)と、右側上部引起伝動軸(45c)とに分割形成し、左側上部引起伝動軸(45a)及び右側上部引起伝動軸(45c)を前側下方の同一軸芯上に配置すると共に中間上部引起伝動軸(45b)を後側上方に平行状に配置して互いに連動させ、前記左側上部引起伝動軸(45a)から下方の左側引起入力伝動軸(55)を経由して左側の引起装置(61)に動力を伝達する構成とし、前記右側上部引起伝動軸(45c)から下方の右側引起入力伝動軸(51)を経由して右側の引起装置(61)に動力を伝達する構成とし、前記中間上部引起伝動軸(45b)の下方部位に中央の引起装置(61)と一体の中間引起フレーム(58)を中間上部引起伝動軸(45b)上部の回動軸(49)で回動自在に支持し、前記中間上部引起伝動軸(45b)に設けた第2上手側ギア(43a)と中間引起フレーム(58)内の中間引起入力伝動軸(53)に設けた第2下手側ギア(50a)とを対向配置し、前記回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、前記第2上手側ギア(43a)と前記第2下手側ギア(50a)が噛み合って中央の引起装置(61)に動力が伝達される状態になり、上部引起伝動筒体(46)を上方に回動すると、第2上手側ギア(43a)と前記第2下手側ギア(50a)との噛合いが離脱して中央の引起装置(61)に動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置とした。
【0008】
請求項3記載の発明は、立毛穀稈引起し用の複数の引起装置(61)を備え、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設した刈取搬送装置において、該引起伝動筒体(42)の上端に左右方向に沿わせた上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設して、前記引起伝動軸(41)から上部引起伝動軸(45)の左右一側に動力を伝達し、前記下部伝動ケース(34)の左右他側に右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)を立設して下部伝動ケース(34)に内装されている下部伝動軸(34a)から動力を伝達し、前記右引起入力伝動軸(51)の上部から右側の引起装置(61)へ引起動力を伝達し、前記上部引起伝動軸(45)の下方部位に中間引起フレーム(58)を配設し、該中間引起フレーム(58)の上端部で且つ前記上部引起伝動軸(45)より上方部位を左右方向の回動軸(49)により上下回動自在に軸支し、前記中間引起フレーム(58)側に第2下手側ギヤ(50a)を設け、該第2下手側ギヤ(50a)から下方の中間引起入力伝動軸53を経由して中央の引起装置(61)に引起動力を伝達する構成とし、前記上部引起伝動軸(45)側に設けている第2上手側ギヤ(43a)と前記第2下手側ギヤ(50a)とを上下に対向配置し、前記回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、第2上手側ギヤ(43a)と第2下手側ギヤ(50a)とが噛み合って動力が伝達される状態となり、回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を上方に回動すると、第2上手側ギヤ(43a)と第2下手側ギヤ(50a)との噛み合いが外れて動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置とした。
【0009】
請求項4記載の発明は、立毛穀稈引起し用の複数の引起装置(61)を備え、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設した刈取搬送装置において、前記下部伝動ケース(34)の左右他側に右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)を立設し、下部伝動ケース(34)に内装されている下部伝動軸(34a)から右引起入力伝動軸(51)に動力を伝達し更に入力伝動軸(51)から右側の引起装置(61)に引起動力を伝達し、前記引起伝動筒体(42)の上方には左右方向に沿った上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設し、該上部引起伝動筒体(46)の左右他側に中間引起フレーム(58)を一体で設け、該中間引起フレーム(58)に左引起入力伝動軸(55)及び中間引起伝動軸(53)を支架して前記上部引起伝動軸(45)から動力を伝達し、各々左側の引起装置(61)及び中央の引起装置(61)に引起動力を伝達する構成とし、中間引起フレーム(58)を前記上部引起伝動筒体(46)の上端部で且つ前記上部引起伝動軸(45)よりも上方部位を左右方向の回動軸(49)により上下回動自在に軸支し、前記上部引起伝動軸(45)の左右一側に下手側ギヤ(50)を取り付けて前記上手側ギヤ(43)の上方に対向配置し、前記回動軸(49)回りに上部引起伝動筒体(46)及び中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、上手側ギヤ(43)と下手側ギヤ(50)とが噛合って動力が伝達される状態となり、回動軸(49)回りに上部引起伝動筒体(46)及び中間引起フレーム(58)を上方に回動すると、上手側ギヤ(43)と下手側ギヤ(50)との噛み合いが外れて動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とするコンバインとした。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記刈取搬送部(6)の後方に設けている操縦部(5)の側方に位置する防塵カバー(63)により、前記回動軸(49)、中間上部引起伝動軸(45b)及び前記刈取搬送部(6)の穀稈搬送装置を覆う構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の刈取搬送装置とした。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記中間引起フレーム(58)を前記回動軸(49)回りに前記防塵カバー(63)の左右両側方に配置した左右昇降シリンダ(58,58)により上下回動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の刈取搬送装置とした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、複数の引起装置(61)の伝動を遮断した状態で上方回動して、メンテナンスを行え、迅速に刈取搬送装置の不具合を解消できるので収穫作業の能率が向上する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を上方へ回動させると、引起伝動軸(41)、上手側ギヤ(43)を刈取搬送装置側に残した状態で、中間引起入力伝動軸(53)及び左右中央の引起装置(61)を上方へ回動させることができ、刈取搬送部(6)の前側中央部に広いメンテナンス空間を形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)、右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)、左引起入力伝動軸(55)、上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)及び第2上手側ギヤ(43a)を、刈取搬送装置側に残した状態で、中間引起フレーム(58)に支持されている第2下手側ギヤ(50a)、中間引起入力伝動軸(53)及び中央の引起装置(61)を上方回動にし、刈取搬送部(6)の前側中央に比較的広いメンテナンス空間を形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)、上手側ギヤ(43)、右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)、右側の引起装置(61)を、走行車体(1)側に残した状態で、上部引起伝動筒体(46)及び中間引起フレーム(58)に支持されている上部引起伝動軸(45)、下手側ギヤ(50\)、中間引起入力伝動軸(53)、中央の引起装置(61)、左引起入力伝動軸(55)、及び、左の引起装置(61)を上方へ回動して比較的広いメンテナンス空間を一挙に形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、上記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加え、防塵(63)により刈取搬送部(6)の搬送穀稈から飛散した塵埃が引起装置(61)の上部から漏れるのを防止し、操縦部(5)の操縦空間をきれいに保持することができると共に、回動軸(49)周辺への塵埃の堆積を防止することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、上記請求項1又は請求項2又は請求項3及び請求項4記載の発明の効果に加えて、上部引起伝動筒体(46)あるいは中間引起フレーム(58)を左右昇降シリンダ(59,59)により円滑に上下回動することができ、また、左右昇降シリンダ(58,58)に干渉せずに防塵カバー(63)を上下回動することができ、刈取搬送部(6)の穀稈搬送装置のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】コンバインの一部を省略した側面図
【図4】刈取搬送部の側面図
【図5】コンバインの正面図
【図6】引起装置の斜視図
【図7】コンバインの正面図
【図8】引起装置の斜視図
【図9】コンバインの前側部の平面図
【図10】引起装置の上下回動機構を示す説明側面図
【図11】引起装置のブロック図の正面図
【図12】引起装置のブロック図の正面図
【図13】引起装置のブロック図の正面図
【図14】上手側ギヤと下手側ギヤの正面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1乃至図2は、本発明を備えたコンバインを示すものであり、この走行車体1には、左右一対の走行装置2,2を備え、後部左側に脱穀装置3を搭載し、この脱穀装置3の右側にグレンタンク4を搭載し、このグレンタンク4の前側に操縦部5を設け、これら操縦部5及び脱穀装置3の前方に刈取搬送部6を昇降自在に設けている。
【0020】
前記走行装置2,2は、走行車体1の下方に取り付けられた前後左右の4本の支持脚の下側部に多数の転輪7,…を軸支した左右転輪フレーム8,8を取り付け、多数の転輪7,…と、走行ミッションケース内の伝動装置により駆動される駆動スプロケットと、遊動ローラにクローラ9,9を巻き掛けて構成している。前記走行ミッション内の走行伝動装置は、操縦部5の下方に配置しているエンジン(図示省略)から静油圧式無段変速装置(図示省略)を介して動力が伝達される構成である。
【0021】
脱穀装置3は、右側部に穀稈搬送用のフィードチェン10を備え、内部には図示は省略するが、扱胴、排塵処理胴、二番処理胴を内装している上側の脱穀部と、揺動選別棚、唐箕、一番受樋、二番受樋を備えている下側の選別部とから構成している。前記フィードチェン10の終端側部に排稾搬送チェン(図示省略)の始端側を臨ませ、排稾搬送チェンで脱穀済みの排稾を排稾カッタ21に搬送し、排稾を裁断し圃場に放出するようにしている。
【0022】
前記グレンタンク4は、合成樹脂製の上部タンクと鉄板製の下部受樋とで構成し、該グレンタンク4の内部より貯溜穀粒を機外へ排出する排出オーガ22を備えている。
前記操縦部5は、エンジンを被覆するカバーの上部に操縦席25を設け、操縦席25の前方に前側操作パネル26を配置し、前側操作パネル26の右側部に機体の走行方向を左右に操向操作する操向レバー27を設け、操縦席25の左側に設けた側部操作パネルには主変速レバー28、副変速レバー29等を設けている。
【0023】
刈取搬送部6は図3乃至図6及び図9に示すように、次のように構成している。
脱穀装置3の前側において走行車体1上に設けた刈取懸架台32の上端部に、後フレーム33の上側後端部を左右方向の刈取入力軸33a回りに上下回動自在に支持し、この後フレーム33の前端部に左右方向に沿わせた下部伝動ケース34の左右中央部を取り付け、刈取入力軸33aから後フレーム33内の伝動装置を経由して下部伝動ケース34内の下部伝動軸34aに動力を伝達している。
【0024】
この下部伝動ケース34の前側面部から複数の分草パイプ35,…を前方へ延出し、前側端部に分草杆36,…を取り付けている。この分草パイプ35,…の前後方向中間部に掻込搬送装置(図示省略)の前側部を支持させて設け、分草パイプ35,…の前後方向中間部に刈刃装置37の左右両側部を支持させている。
【0025】
また、下部伝動ケース34の例えば左側端部から引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42を上方に向けて立設し、この引起伝動筒体42の上端部に平歯車型の上手側ギヤ43を左右方向の軸回りに回転自在に設け、引起伝動軸41から動力を伝達している。
【0026】
引起伝動筒体42の上方には、左右方向の上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46を配設し、この上部引起伝動筒体46の上部引起伝動軸46よりも上側部を、後フレーム33から延出している上部フレーム47の左右方向の回動軸49により上下回動自在に支持し、昇降シリンダ59,59の伸縮により回動するように構成している。この上部引起伝動軸45の左側端部に平歯車型の下手側ギヤ50を、前記上手側ギヤ43の上方部位に対向して設け、上部引起伝動軸45が回動軸49回りに下方へ回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが噛み合って動力伝達状態となり、また、上部引起伝動軸45が回動軸49回りに上方へ回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが離脱し、非動力伝達状態となるように構成している。
【0027】
前記構成によると、上部フレーム47の前側端部には左右方向の回動軸49により上部引起伝動筒体46の上端部で且つ上部引起伝動軸45よりも上方部位を軸支し、上部引起伝動筒体46を上下回動自在に支持しているので、上手側ギヤ43,下手側ギヤ50の左右位置の微調整を容易に行なうことができる。
【0028】
また、上部引起伝動軸45から右引起入力伝動軸51を下方に向けて分岐して右引起伝動筒体52で支持し、中間引起入力伝動軸53を分岐して中間引起伝動筒体54で支持し、左引起入力伝動軸55を分岐して左引起伝動筒体56支持し、これらを上部引起伝動筒体46と一体状態で前下がり傾斜状に延出し、ベベルギヤ伝動手段を介して引起装置61,…に動力を伝達している。
【0029】
引起装置61,…は、引起ケース61aの上端部に入力軸61bと一体の駆動スプロケット61cを軸受支持し、引起ケース61aの下端部に従動ローラ61dを回転自在に軸受支持し、この駆動スプロケット61c、従動ローラ61d、テンションスプロケット(図示省略)に多数の引起爪61e,…を軸支しているチェン61fを巻き掛けて構成している。そして、右引起入力伝動軸51、中間引起入力伝動軸53及び左引起入力伝動軸55から引起ケース61aの入力軸力61bに動力を伝達している。また、引起装置61,…の下部を分草パイプ35,…の前部に着脱自在に取り付けている。
【0030】
前記構成によると、引起伝動軸41、上手側ギヤ43を機体側に残したままで、左右及び中央の全部の引起装置61,…を上方に回動させて非伝動状態としながら、刈取搬送部6の前側部を広範囲に開放することができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【0031】
次に、図7及び図8に基づき他の実施例について説明する。
引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42の上方には、左右方向の上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46を配設し、引起伝動軸41の上部と上部引起伝動軸45の左側端部とを平歯車型の上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とで動力伝達状態としている。上部引起伝動軸45の右側端部に右引起伝動筒体52に内装されている右引起入力伝動軸51を、ベベルギヤ伝動手段を介して連繋し、上部引起伝動軸45の左側部に左引起伝動筒体56に内装されている左引起入力伝動軸55をベベルギヤ伝動手段を介して連繋し、これらを上部引起伝動軸45と一体的に枠組構成している。
【0032】
中間引起フレーム58をの上端部を左右方向の回動軸49により上下回動自在に軸支し、中間引起伝動軸53の上端部にベベルギヤ伝動手段を介して第2下手側ギヤ50aを設け、中間引起伝動軸53の下部から中央の引起装置61,61に動力を伝達している。そして、第2下手側ギヤ50aの上方に上部引起伝動軸45に取り付けた第2上手側ギヤ43aを対向して設けている。
【0033】
しかして、回動軸49回りに中間引起フレーム58を下方に回動すると、上手側ギヤ43aと下手側ギヤ50aとが噛み合って動力伝達状態となり、また、中間引起フレーム58を上方に回動すると、第2上手側ギヤ43aと第2下手側ギヤ50aとが切り離されて非動力伝達状態になる。
【0034】
前記構成によると、引起伝動筒体42、上手側ギヤ43及び引起伝動軸41及び引起伝動筒体42を走行車体1側に支持した状態で、中間引起フレーム58に支持されている中央の引起装置61、第2下手側ギヤ50a、中央引起入力伝動軸53を回動させるので、中央の引起装置61,…を楽に上方へ開放回動して比較的広いメンテナンス空間を形成できて、メンテナンスを楽に行なうことができる。
【0035】
次に、図11に基づき他の実施例について説明する。
前記後フレーム33の前端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース34を設け、この下部伝動ケース34の左側端部に、引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42の下端部を取り付けている。この引起伝動筒体42の上部に平歯車型の上手側ギヤ43を左右方向の軸回りに回転するように軸架し、引起伝動軸41からベベルギヤ伝動手段を介して伝達している。
【0036】
引起伝動筒体42の上方には、左右方向に沿った上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46を配設し、上部引起伝動軸45の左側端部に下手側ギヤ50を取り付け、前記上手側ギヤ43の上方に対向配置している。
【0037】
上部引起伝動軸45を左側上部引起伝動軸45a、中間上部引起伝動軸45b、右側上部引起伝動軸45cに分割構成し、左側上部引起伝動軸45aと右側上部引起伝動軸45cを同一軸上に配置し、中間上部引起伝動軸45bをこれよりも後側上方に平行状に配置し、互いに伝動軸及びベベルギヤ伝動手段により動力伝達としている。
【0038】
左側上部引起伝動軸45aからベベルギヤ伝動手段を介して左側引起入力筒体56に内装されている左側引起入力伝動軸55を下方へ分岐し、左側の引起装置61に動力を伝達している。また、右側上部引起伝動軸45cの右側端部からベベルギヤ伝動手段を介して右側引起入力伝動筒体52に内装されている右側引起入力伝動軸51に動力を伝達し、右側の引起装置61に動力を伝達している。
【0039】
中間上部引起伝動軸45bの下方には上部引起伝動筒体46と一体構成としている中間引起フレーム58を配設し、この中間引起フレーム58に左右方向に沿わせて中間引起入力伝動軸53を設け、中間上部引起伝動軸45bと前記中間引起入力伝動軸53との間を、第2上手側ギヤ43a、第2下手側ギヤ50a、伝動軸、ベベルギヤ伝動手段を介して連繋し、中間引起入力伝動軸53の左右両側部から中央2条(あるいは4条)の引起装置61,…に動力を伝達している。
【0040】
そして、上部引起伝動筒体46を前記中間上部引起伝動軸45b回りに上下回動自在に構成している。しかして、中間上部引起伝動軸45b回りに上部引起伝動筒体46を下方に回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが噛み合って動力伝達状態になる。また、上部引起伝動筒体46を上方に回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが切り離されて非動力伝達状態になる。
【0041】
前記構成によると、中間上部引起伝動軸45b回りに上部引起伝動筒体46を上方へ回動させると、引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42、上手側ギヤ43を走行車体1側に支持した状態で、上部引起伝動筒体46と一体的に構成されている上部引起伝動軸45の左側上部引起伝動軸45a、右側上部引起伝動軸45c、右引起入力伝動軸51の内装されている右引起入力伝動筒体52、左引起入力伝動軸55の内装されている左引起入力伝動筒体56、下手側ギヤ50、中間引起入力伝動軸53、及び、左右中央の全引起装置61,…を上下回動させることができ、刈取搬送部6の前側中央部に広いメンテナンス空間を一挙に形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0042】
次に、図12に基づき他の実施例について説明する。
前記下部伝動ケース34の右側部に引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42を立設し、この引起伝動筒体42の上方には、左右方向に沿った上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46を配設している。引起伝動筒体42の上端部に左右方向の軸回りに回転するように平歯車型の上手側ギヤ43を支架し、引起伝動軸41からベベルギヤ伝動手段を介して動力を伝達し、上部引起伝動軸45の左側端部に下手側ギヤ50を取り付けて前記上手側ギヤ43から動力を伝達している。また、上部引起伝動軸45の右側端部に第2上手側ギヤ43aを取り付けている。
【0043】
また、下部伝動ケース34の右側端部に右引起入力伝動軸51の内装されている右引起入力伝動筒体52を立設し、下部伝動ケース34に内装されている下部伝動軸34aからベベルギヤ伝動手段を介して右引起入力伝動軸51に動力を伝達し、右引起入力伝動軸51の上端部から右側の引起装置61へ引起動力を伝達している。
【0044】
前記上部引起伝動軸45の右側に中間引起フレーム58を配設し、この中間引起フレーム58の上端部で且つ上部引起伝動軸45より上方に位置している部位を前記回動軸49により上下回動自在に軸支している。そして、中間引起フレーム58の上部に左右方向の軸回りに回転自在に支架している第2下手側ギヤ50aを前記第2上手側ギヤ43aに対向して配置している。第2下手側ギヤ50aの下方に左右方向の中間引起伝動軸53を支架し、第2下手側ギヤ50aから中間引起伝動軸53の中間部にベベルギヤ伝動手段を介して動力を伝達し、中間引起伝動軸53の左右両側から中央の2条(あるいは4条)の引起装置61,…に引起動力を伝達している。
【0045】
しかして、回動軸49回りに中間引起フレーム58を下方に回動すると、第2上手側ギヤ43aと第2下手側ギヤ50aとが噛み合って動力伝達状態となり、また、回動軸49回りに中間引起フレーム58を上方に回動すると、第2上手側ギヤ43aと第2下手側ギヤ50aとが切り離されて動力非伝達状態になる。
【0046】
前記構成によると、引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42、上手側ギヤ43、下手側ギヤ50、右引起入力伝動軸51の内装されている右引起入力伝動筒体52、左引起入力伝動軸55の内装されている左引起入力伝動筒体56、上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46、第2上手側ギヤ43aを、走行車体1側に支持した状態で、中間引起フレーム58に支持されている第2下手側ギヤ50a、中間引起入力伝動軸53及び中央の引起装置61,…を上下回動させるので、中央の引起装置61,…を上方へ楽に開放回動して比較的広いメンテナンス空間を形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0047】
次に、図13に基づき他の実施例について説明する。
前記下部伝動ケース34の左側部に引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42を立設し、この引起伝動筒体42の上方には左右方向に沿った上部引起伝動軸45の内装されている上部引起伝動筒体46を配設している。引起伝動筒体42の上端部に左右方向の軸回りに回転するように平歯車型の上手側ギヤ43を支架し、引起伝動軸41からベベルギヤ伝動手段を介して動力を伝達している。
【0048】
また、下部伝動ケース34の右側端部に右引起入力伝動軸51の内装されている右引起入力伝動筒体52を立設し、下部伝動ケース34に内装されている下部伝動軸34aからベベルギヤ伝動手段を介して右引起入力伝動軸51に動力を伝達し、右引起入力伝動軸51の上端部から右側の引起装置61に引起動力を伝達している。
【0049】
前記上部引起伝動筒体46の右側部に中間引起フレーム58を一体的に設け、この中間引起フレーム58の上端部で且つ前記上部引起伝動軸45の上方部位を左右方向の回動軸49により上下回動自在に軸支している。そして、中間引起フレーム58の上部における回動軸49の下方部位に、上部引起伝動軸45の右側部を延長して配置し、この下方に中間引起伝動軸53を支架してベベルギヤ伝動手段を介して動力を伝達し、中間引起伝動軸53の左右両側から中央の2条(あるいは4条)の引起装置61,…に動力を伝達している。
【0050】
上部引起伝動軸45の左側部に下手側ギヤ50を取り付け、この下手側ギヤ50を前記上手側ギヤ43の上方に対向配置している。上部引起伝動軸45の左右方向中間部にベベルギヤ伝動手段を介して左引起入力伝動筒体56に内装されている左引起入力伝動軸55に動力を伝達し、更に、左側の引起装置61に引起動力を伝達している。
【0051】
しかして、回動軸49回りに上部引起伝動筒体46及び中間引起フレーム58を下方に回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが噛み合って動力伝達状態となり、また、上部引起伝動筒体46及び中間引起フレーム58を上方に回動すると、上手側ギヤ43と下手側ギヤ50とが切り離されて動力非伝達状態になる。
【0052】
前記構成によると、引起伝動軸41の内装されている引起伝動筒体42、上手側ギヤ43、右引起入力伝動軸51の内装されている右引起入力伝動筒体52、右側の引起装置61を、走行車体1側に支持した状態で、上部引起伝動筒体46及び中間引起フレーム58に支持されている上部引起伝動軸45、下手側ギヤ50、中間引起入力伝動軸53、中央の引起装置61,…、左引起入力伝動軸55の内装されている左引起入力伝動筒体56、及び、左の引起装置61を上下回動させるので、上方への開放回動を楽にしながら比較的広いメンテナンス空間を形成し、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0053】
なお、上手側ギヤ43(あるいは第2上手側ギヤ43a)から上部引起伝動軸45の下手側ギヤ50(あるいは第2下手側ギヤ50a)に動力を伝達するにあたり、平歯車型の上手側ギヤ43、下手側ギヤ50に代えて、2個のベベルギヤからなるベベルギヤ伝達手段により伝達し、上部引起伝動筒体46(あるいは中間引起フレーム58)を回動軸49回りの上下回動に関連して伝動の入切をするように構成してもよい。このように構成すると、伝動入切部をコンパクトに構成することができる。
【0054】
また、上手側ギヤ43から上部引起伝動軸45の下手側ギヤ50に動力を伝達するにあたり、平歯車型の上手側ギヤ43、下手側ギヤ50に代えて、上下プーリ及び伝動ベルトからなる上下方向に沿ったベルト伝動装置(図示省略)により伝達するように構成し、上下プーリから伝動ベルトを取り外して上部引起伝動筒体46を回動軸49回りに上方へ回動して非伝動状態とし、また、下方に回動して、上下プーリに伝動ベルトを掛け回して伝動状態とするように構成してもよい。このように構成すると、伝動の入切の際にギアの潤滑油等を飛散するようなこともなく、引起装置61,…や刈取穀稈をクリーンな状態に保持することができる。
【0055】
また、図9に示すように、引起伝動筒体42上端部の上手側ギヤ43から上部引起伝動軸45側の下手側ギヤ50により、左右方向の回動軸49の下方を迂回するようにして動力を伝達し、上部引起伝動筒体46の上部後側端部を左右方向の回動軸49により回動自在に軸支し、引起装置61,…の後側上方部に防塵カバー63を設けている。防塵カバー63の前端部には前照灯(図示省略)を設けて、回動軸49の位置を、引起装置61,…の上方回動によって各部材が防塵カバー63と干渉しないように構成している。
【0056】
前記構成によると、防塵カバー63を回動軸49回りに上部引起伝動筒体46を上方へ回動し動力の非伝動状態とすることができ、刈取搬送部6の上方を防塵カバー63で被覆した状態でメンテナンス作業をすることができる。また、操縦部5をキャビン(図示省略)で被覆した場合にも、上部引起伝動筒体46とキャビンとの干渉を回避することができる。
【0057】
また、引起装置61,…を前記回動軸49回りに上下回動するにあたり、図10(A)に示すように、上部フレーム47の前側部に回動軸49を設け、回動軸49と第2上手側ギヤ43a、第2下手側ギヤ50aとの間隔を短く設定すると、狭い空間内で上下回動することができる。
【0058】
また、図10(B)に示すように、上部フレーム47の前後方向中間部に回動軸49を設け、回動軸49と第2上手側ギヤ43a、第2下手側ギヤ50aとの間隔を比較的長く設定すると、引起装置61,…の回動角度が小さくてもメンテナンス空間を広くすることができる。
【0059】
また、図10(C)に示すように、上部フレーム47を刈取入力軸33a回りに上下回動調節自在でとし、上部フレーム47の前側部に回動軸49を設けると、引起装置61,…を機体後方寄りに退避させることができ、メンテナンス空間を広くすることができる。
【0060】
また、図14に示すように、前記上手側ギヤ43を下手側ギヤ50よりも幅広に構成すると、上下回動時に着脱の外れを防止することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 走行車体
5 操縦部
6 刈取搬送部
33 後フレーム
34 下部伝動ケース
41 引起伝動軸
42 引起伝動筒体
43 上手側伝動手段(上手側ギヤ)
43a 第2上手側伝動手段
45 上部引起伝動軸
46 上部引起伝動筒体
47 上部フレーム
49 回動軸
50 下手側伝動手段(下手側ギヤ)
50a 第2下手側伝動手段
51 右引起入力伝動軸
52 右引起伝動筒体
53 中間引起伝動軸
55 左引起入力伝動軸
56 左引起伝動筒体
58 中間引起フレーム
61 引起装置
61e 引起爪
61f チェン
63 防塵カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設し、該引起伝動筒体(42)の上端に左右方向の上部引起伝動軸(45)を内装する上部引起伝動筒体(46)を設け、上部引起伝動軸(45)から複数の引起装置(61)を連動して駆動する刈取搬送装置において、前記上部引起伝動軸(45)よりも上側に配置した回動軸(49)によって、複数の引起装置(61)を一体で上下回動自在に軸支し、該複数の引起装置(61)を下方回動させると、上部引起伝動軸(45)側に設けた上手側ギア(43)と、引起装置(61)側に対向配置した下手側ギア(50)とが噛み合って引起装置(61)へ駆動力が伝達される状態となり、前記複数の引起装置(61)を上方回動させると、前記上手側ギア(43)と下手側ギア(50)との噛み合いが外れて引起装置(61)へ駆動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置。
【請求項2】
後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設し、該引起伝動筒体(42)を介して駆動される複数の引起装置(61)を備えた刈取搬送装置において、前記引起伝動筒体(42)の上端に上手側ギヤ(43)を左右方向の軸回りに回転自在に軸架し、該上手側ギヤ(43)に引起伝動軸(41)から動力を伝達する構成とし、前記引起伝動筒体(42)の上方に左右方向に沿った上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設し、該上部引起伝動軸(45)の左右一側端部に下手側ギヤ(50)を取り付けて前記上手側ギヤ(43)の上方に対向配置し、前記上部引起伝動軸(45)を、左側上部引起伝動軸(45a)と、中間上部引起伝動軸(45b)と、右側上部引起伝動軸(45c)とに分割形成し、左側上部引起伝動軸(45a)及び右側上部引起伝動軸(45c)を前側下方の同一軸芯上に配置すると共に中間上部引起伝動軸(45b)を後側上方に平行状に配置して互いに連動させ、前記左側上部引起伝動軸(45a)から下方の左側引起入力伝動軸(55)を経由して左側の引起装置(61)に動力を伝達する構成とし、前記右側上部引起伝動軸(45c)から下方の右側引起入力伝動軸(51)を経由して右側の引起装置(61)に動力を伝達する構成とし、前記中間上部引起伝動軸(45b)の下方部位に中央の引起装置(61)と一体の中間引起フレーム(58)を中間上部引起伝動軸(45b)上部の回動軸(49)で回動自在に支持し、前記中間上部引起伝動軸(45b)に設けた第2上手側ギア(43a)と中間引起フレーム(58)内の中間引起入力伝動軸(53)に設けた第2下手側ギア(50a)とを対向配置し、前記回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、前記第2上手側ギア(43a)と前記第2下手側ギア(50a)が噛み合って中央の引起装置(61)に動力が伝達される状態になり、上部引起伝動筒体(46)を上方に回動すると、第2上手側ギア(43a)と前記第2下手側ギア(50a)との噛合いが離脱して中央の引起装置(61)に動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置。
【請求項3】
立毛穀稈引起し用の複数の引起装置(61)を備え、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設した刈取搬送装置において、該引起伝動筒体(42)の上端に左右方向に沿わせた上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設して、前記引起伝動軸(41)から上部引起伝動軸(45)の左右一側に動力を伝達し、前記下部伝動ケース(34)の左右他側に右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)を立設して下部伝動ケース(34)に内装されている下部伝動軸(34a)から動力を伝達し、前記右引起入力伝動軸(51)の上部から右側の引起装置(61)へ引起動力を伝達し、前記上部引起伝動軸(45)の下方部位に中間引起フレーム(58)を配設し、該中間引起フレーム(58)の上端部で且つ前記上部引起伝動軸(45)より上方部位を左右方向の回動軸(49)により上下回動自在に軸支し、前記中間引起フレーム(58)側に第2下手側ギヤ(50a)を設け、該第2下手側ギヤ(50a)から下方の中間引起入力伝動軸53を経由して中央の引起装置(61)に引起動力を伝達する構成とし、前記上部引起伝動軸(45)側に設けている第2上手側ギヤ(43a)と前記第2下手側ギヤ(50a)とを上下に対向配置し、前記回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、第2上手側ギヤ(43a)と第2下手側ギヤ(50a)とが噛み合って動力が伝達される状態となり、回動軸(49)回りに中間引起フレーム(58)を上方に回動すると、第2上手側ギヤ(43a)と第2下手側ギヤ(50a)との噛み合いが外れて動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とする刈取搬送装置。
【請求項4】
立毛穀稈引起し用の複数の引起装置(61)を備え、後フレーム(33)の前側端部に左右方向に沿わせて下部伝動ケース(34)を設け、該下部伝動ケース(34)の左右一側に引起伝動軸(41)の内装されている引起伝動筒体(42)を立設した刈取搬送装置において、前記下部伝動ケース(34)の左右他側に右引起入力伝動軸(51)の内装されている右引起入力伝動筒体(52)を立設し、下部伝動ケース(34)に内装されている下部伝動軸(34a)から右引起入力伝動軸(51)に動力を伝達し更に入力伝動軸(51)から右側の引起装置(61)に引起動力を伝達し、前記引起伝動筒体(42)の上方には左右方向に沿った上部引起伝動軸(45)の内装されている上部引起伝動筒体(46)を配設し、該上部引起伝動筒体(46)の左右他側に中間引起フレーム(58)を一体で設け、該中間引起フレーム(58)に左引起入力伝動軸(55)及び中間引起伝動軸(53)を支架して前記上部引起伝動軸(45)から動力を伝達し、各々左側の引起装置(61)及び中央の引起装置(61)に引起動力を伝達する構成とし、中間引起フレーム(58)を前記上部引起伝動筒体(46)の上端部で且つ前記上部引起伝動軸(45)よりも上方部位を左右方向の回動軸(49)により上下回動自在に軸支し、前記上部引起伝動軸(45)の左右一側に下手側ギヤ(50)を取り付けて前記上手側ギヤ(43)の上方に対向配置し、前記回動軸(49)回りに上部引起伝動筒体(46)及び中間引起フレーム(58)を下方に回動すると、上手側ギヤ(43)と下手側ギヤ(50)とが噛合って動力が伝達される状態となり、回動軸(49)回りに上部引起伝動筒体(46)及び中間引起フレーム(58)を上方に回動すると、上手側ギヤ(43)と下手側ギヤ(50)との噛み合いが外れて動力が伝達されない状態となる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
前記刈取搬送部(6)の後方に設けている操縦部(5)の側方に位置する防塵カバー(63)により、前記回動軸(49)、中間上部引起伝動軸(45b)及び前記刈取搬送部(6)の穀稈搬送装置を覆う構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の刈取搬送装置。
【請求項6】
前記中間引起フレーム(58)を前記回動軸(49)回りに前記防塵カバー(63)の左右両側方に配置した左右昇降シリンダ(58,58)により上下回動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の刈取搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−5462(P2012−5462A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146521(P2010−146521)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】