説明

初期消火装置

【課題】家屋内や車両内に簡単に設置できて、火災発生時に即座に消火剤を噴射して初期消火を図ることができる初期消火装置を提供すること。
【解決手段】消火装置10は、天井1に装着する装着部11と、装着部11の下方に延設する接続筒体12と、接続筒体12に接続された装置本体部13とを備えている。装置本体部13には接続筒体12とともに回転するケース体15を備えている。ケース体15内には、圧縮されたエア171と消火剤16とを収納したタンク17と、電磁弁18と、噴射ノズル19と、温度検知センサ2と、炎特定センサ21等が収納されている。火災の発生時、炎特定センサ21で火元を検出して装置本体部13を回転させ、噴射ノズル19を火元に向ける。温度検知センサ20で所定の温度を検出して電磁弁18を開かせて、消火剤16を噴射ノズル19から噴射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は火災の発生時における初期消火を行える初期消火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、改正消防法において各家庭における火災警報器の取り付けが義務付けられてきた。火災警報器は、煙を感知するタイプと、火災による熱を感知する二つのタイプに分けられる。火災が発生すると、火災警報器で警報された住人は身近にある消火器やその他の消火防止方法で初期消火を行うことになる。この消火器は、消火剤と圧縮ガスをボンベに封入したものや、消火剤を詰めた容器を火元に向かって投入するタイプに分けられる。いずれも火災発生時における初期消火を目的としたものであるが、火災警報器の警報時に無人状態であったり、要介護者や幼児だけが在宅していたりする場合には、折角の初期消火装置であっても使用することはできない。現実に年間数万件にも及ぶ火災の中には、初期消火ができない状況が報告されている。
【0003】
超高層集合住宅や高層集合住宅等は多様化し、一定面積における密集度が飛躍的に増してきた。このような建物は類焼こそは少ないが、気密性が高いことから、一端、火災が発生すると室内に溢れる化学製品に燃え移り、有毒ガスによる被害が発生してしまう。
【0004】
神社仏閣や大型販売店等は、大きな予算で大規模なスプリンクラーを設置することができるものの、小規模の寺院や商店、又は、家庭においては高価な防災装置を設置することはできない。
【0005】
また、車両においても、近年、車内での子供の火遊びによったり、車内に置いたものが自然発火したりして火災事故が多発している状態であり、初期消火を行える廉価な初期消火装置を必要としていた。さらに大型トラックや深夜バスでの火災は、被害が多大であり二次災害も甚大となっていた。
【0006】
従来の初期消火装置としては、特許文献に示されているものがあった。例えば、特許文献1は、ハロン設備に代えて浮屋根タンク状の局所火災を安全にまた確実に初期消火するものであって、フローティング部上に固定され圧縮された不燃性ガスが収納された少なくとも一つの火災検知ヘッドと、粉末消火剤とともに圧縮された不燃性ガスが蓄圧された粉末貯蔵容器と、火災感知ヘッドの不燃性ガスの放出に伴う圧力の低下を検出する圧力検知手段と、圧力検知手段で検出した圧力が予め定めた所定値以下のとき火災と判定する判定手段と、フローティング部上に固定され火災と判定されたときに粉末消火剤を放射する少なくとも一つの粉末放射ヘッドと、を備えた消火装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献2は、自動車用消火装置であって、エンジンルームの温度の異常な上昇を検知することにより火災検知器が火災の発生を検知し、制御手段が開閉弁を開くことにより噴射手段から液状の冷媒を噴射して消火を行うように構成されていることが開示されている。
【特許文献1】特開2000−140142公報
【特許文献2】特開平9−135917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1では、消火装置が原油等の可燃物液体を貯蔵する大型の屋外タンクに設置されるものであって、粉末貯蔵容器内に貯蔵されている粉末消火剤は火災を感知したときにタンク内に噴射されるように構成されている。この構成により、特許文献1の消火装置は原油等が所蔵されるタンク内に限定される。そのため、一般家庭用に適用されるものではない。つまり、一般家庭内では、粉末消火剤を貯蔵する容器が配置されていても、火元を見つける必要があり、火元に向かって消火剤を噴射しなければならないから、特許文献1に開示された消火装置の技術思想をそのまま採用することはできない。また、特許文献1の消火装置は、火災が発生すると火災感知ヘッドから窒素ガスが放出され火災感知ヘッド内の圧力が下がる。火災感知ヘッドの圧力が下がると圧力スイッチにより火災判定信号が出され火災判定信号によりエア操作弁を開いて粉末所蔵容器から粉末消火剤がタンク内に向かって噴射されることになる。そのため、火災を感知して粉末消火剤を噴射するまでは時間がかかることになり、初期消火の妨げになる虞があった。
【0009】
特許文献2の消火装置は、自動車用消火装置であって、エンジンルーム内に配されてエンジンによって駆動される冷凍サイクル装置と、冷凍サイクル装置の冷媒凝縮部から分岐される分岐管に設けられて冷媒の量を調整する開閉弁と、冷媒を噴射する噴射手段と、を備えている。火災を検知すると制御手段が開閉弁を開き、噴射手段から液状の冷媒を噴射して消火するように構成されている。しかし、エンジンルーム内に配置された冷凍サイクル装置を使用するため、急激な温度上昇により冷凍サイクル装置がスムーズに作用されないか、或いは凝縮された冷媒が爆発する虞がある。また、圧縮された冷媒を凝縮液化する冷媒凝縮機を使用する車両としては、特許文献2の消火装置を使用する場合、大型車両としての保冷車等に限定されることとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、一般家庭において簡単な構成で廉価に使用できる初期消火装置、また全ての車両に設置できて、簡単な構成で廉価に使用できる初期消火装置を提供することを目的とする。そのため、以下のように構成するものである。
【0011】
本発明に係る請求項1記載の発明は、家屋に設置されて家屋の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、圧縮されたエアと消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能な噴射ノズルと、前記タンクの給入口と前記噴射ノズルとの間に配設される電磁弁と、火災が発生した火元の温度または煙を検出するとともに前記電磁弁を開閉可能に作用する検知センサと、を備えて構成され、前記検知センサ及び前記噴射ノズルは、回転手段により所定角度回転可能に配設されるとともに、前記検知センサが所定の温度または煙を検知して前記電磁弁を開くことにより、前記タンク内の前記消火剤を、前記噴射ノズルから火元に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体が360°回転可能に吊下されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体は、部屋のコーナーに設置されるように形成され、前記噴射ノズル、前記検知センサが90°回転可能に配設されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1に係るものであって、前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体が手持ち部を有して搬送可能に形成され、前記噴射ノズルが180°回転可能に配設されていることを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、車両に搭載されて車両の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、圧縮されたエアと消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能な噴射ノズルと、前記タンクの給入口に接続される電磁弁と、炎または煙を検出する検知センサと、を備えて構成され、前記タンクは、車両のエンジンルーム以外のデッドスペースに配設され、前記噴射ノズルは車両のエンジンルーム内又は車内に配設され、前記電磁弁は、前記タンクの給入口に接続され、前記検知センサは、車両のエンジンルーム内又は車内に配設され、前記検知センサが炎または煙を検知することにより、前記タンク内の前記消火剤を、前記噴射ノズルからエンジンルーム内又は車内に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の発明は、車両に搭載されて車両の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能の噴射ノズルと、前記タンクの給入口に接続される電磁弁と、炎または煙を検出する検知センサと、を備えて構成され、前記タンクは、車両のエンジンルーム以外のデッドスペースに配設され、前記噴射ノズルは車両のエンジンルーム内に配設され、一方が前記タンクの給入口に接続される前記電磁弁の他方は車両のエアタンクに接続され、運転席には、火災の発生を警報する警報装置と前記電磁弁を手動操作する手動操作装置とが配設され、前記検知センサは、エンジンルーム内に配設されるとともに、運転席に配設された前記警報装置に接続され、前記検知センサが炎または煙を検知して前記警報装置に警報することにより、前記手動操作装置を作動して前記電磁弁を開放し、前記タンク内の前記消火剤を前記噴射ノズルから炎又は煙に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1の発明によれば、火災が発生した時に、一般家庭に設置されている火災報知器と同様に、火元の温度又は煙を検出する検知センサが作動される。検知センサが作動することによって、タンクに配設された電磁弁を開いてエアで圧縮された消火剤を噴射する。この際、噴射ノズルと検知センサは、所定角度回転可能に配設されているから、温度の高い場所或いは煙が発生している箇所を火元として特定する。そして、加熱された温度が所定温度以上に達するか煙が発生すると、その温度又は煙を検知して電磁弁を開いて噴射ノズルから火元に向かって消火剤を噴射するから初期消火を可能とする。しかも、例えば、タンクを炭酸飲料用のペットボトルを使用し、消火剤をエア圧2.5〜3気圧で圧縮し、温度センサ(または煙センサ)を市販されているもので使用し、回転手段をギヤ手段で構成すれば、初期消火装置を簡単な構成で廉価に提供することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、ケース体内にタンク、噴射ノズル、検知センサ、電磁弁を装着して360°回転可能に構成すれば、ケース体を天井に吊下することによって、屋内のどの位置で火災が発生しても、消火剤を火元に向けて噴射することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、ケース体内にタンク、噴射ノズル、検知センサ、電磁弁を装着して90°回転可能に構成し、例えば、火災の発生し易い部屋の床のコーナーに設置すれば、設置した部屋から火災が発生した場合に初期消火を行うことができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、ケース体内にタンク、噴射ノズル、検知センサ、電磁弁を装着して180°回転可能に構成するとともに、ケース体の上部に手持ち部を備えて移動可能に構成すれば、火災が発生した場合に、即座に消火装置を持ち運んで初期消火を行うことができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、例えば、車両が小型車であって、車両に火災が発生すると、エンジンルーム内又は車内に配設されて炎又は煙を検知する検知センサにより、電磁弁を開いて、エンジンルーム内又は車内に、噴射ノズルから消火剤を噴射する。これにより初期消火を行うことができ、二次災害に至らずにすむ。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、例えば大型車両においてエンジンルームから火災が発生した時に、炎又は煙を検出する検知センサが作動され、検知センサが運転席に配設された警報装置に警報する。運転手は走行を停止して運転手又は助手が手動操作装置を操作する。手動操作装置を操作することによって、電磁弁が開いて、エアタンクから高圧のエアをタンクに導入する。タンク内に収納されている消火剤は、エアタンクから導入されたエアによって給入口から噴射ノズル側に押し出される。噴射ノズルはエンジンルームの上方の位置に配設されているから、エンジンルームの下方に向かって消火剤を噴射することになり初期消火を可能とする。この際、加熱されたエンジンルーム内には、噴射ノズル及び検知センサが設置されており、消火剤が収納されているタンクは、エンジンルーム以外のデッドスペースに配設されているから、加熱により暴発する虞はなく安全に消火することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の初期消火装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す全体斜視図である。
【図3】図2における消火装置の正面断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す全体斜視図である。
【図5】図4における消火装置の正面断面図である。
【図6】本発明の初期消火装置を小型車両に搭載する第4の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の初期消火装置を大型車両に搭載する第5の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の初期消火装置(以下、消火装置とも言う)の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、天井に吊下した第1の実施形態の消火装置を示すものであり、後述の噴射ノズル19、温度検知センサ20及び炎特定センサ21は360°回転可能に装着されている。
【0025】
消火装置10は、天井1に装着する装着部11と、装着部11から下方に向かって延設して形成される接続筒体12と、接続筒体12の下端に装着される装置本体部13と、とから構成されている。装着部11は、天井に装着するフランジ部111と上方が開口した円筒状に形成される収納部112とを有している。収納部112には、接続筒体12を回転する回転駆動部14が収納されている。回転駆動部14は、接続筒体12を回転駆動するモータ141と、モータ141の駆動軸に装着した駆動ギヤ142と、接続筒体12の上端に固定されて駆動ギヤ142に歯合する従動ギヤ143と、を備えている。接続筒体12は、モータ141に一端が接続された電気配線を挿通可能とした円筒状に形成されて装着部11に回転可能に装着されている。
【0026】
装着部11の下端に配置された装置本体部13は、接続筒体12と共に回転するケース体15を備えている。ケース体15には、圧縮されたエア171と共に消火剤16を収納したタンク17と、タンク17の先方に配管された電磁弁18と、電磁弁18の先方に配置されて、ケース体15の一端から突出して配置される噴射ノズル19と、80℃以上の温度を検出可能な赤外線温度検知センサ(以下、温度検知センサという)20と、炎を感知して装置本体部13を炎の方向に向ける紫外線炎特定センサ(以下、炎特定センサという)21と、モータ141、電磁弁18、温度検知センサ20、炎特定センサ21等を接続した電気基盤22と、が収納されている。なお、温度検知センサ20は、煙を検知する煙検知センサであってもよく、又は煙検知センサを温度検知センサ20と別に設置してもよい。また、ケース体15は消火剤16を収納したタンク17を下傾して挿入するために、噴射ノズル19が配置されている前方部分から、タンク17が挿入されている後方部分に向かって上傾して形成されている。したがって、タンク17の先端の給入口(排出口)はタンク17の下方に向くことになる。
【0027】
噴射ノズル19、温度検知センサ20、炎特定センサ21は、ケース体15内に下傾して支持されるとともに、噴射ノズル19の噴射方向位置を調整できるように、角度方向を変化できる可動ブラケット23に装着されている。また、タンク17の給入口先端には、タンク17内に与圧を付与するための与圧バルブ・コア24がケース体15から突出するように配管され、タンク17内の圧力を表示する圧力計25が、その値を確認できるようにケース体15から突出するように配管されている。可動ブラケット23は、ケース体15内に配置されたモータ26に駆動されたラックピニオン機構27により角度変化される。
【0028】
実施形態における消火剤16は、通常、消火弾や投擲式消火器内に使用されているリン酸アンモニウム、塩化ナトリウム、尿素、重炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、界面活性剤等からなる混合液体で形成され、250ml程度の消火剤16が500ml程度の容量のタンク17内に収納されている。タンク17内には消火剤16とは別に2.5〜3.0気圧程度の圧縮されたエア171が封入されている。したがって、消火剤16にはタンク17内においてエア171の圧力がかけられていることになる。タンク17の材料は、軽量のアルミニウム製で形成するか又は炭酸飲料用のペットボトルを使用することができる。
【0029】
次に、上記のように構成された消火装置10の作用について説明する。
【0030】
消火装置10の装着部11を天井1に取付けておく。火災が発生しその炎(又は煙)が発生すると炎特定センサ21(又は煙検知センサ)が検知し火元を特定する。つまり、炎特定センサ21が炎(又は煙)を検知すると炎特定センサ21(又は煙検知センサ)からの信号が電気基板22に送られ、回転駆動部14におけるモータ141及びラック機構27を作動させるためのモータ26を駆動するように指令する。モータ141の駆動軸が回転すると駆動ギヤ142を回転して従動ギヤ143を回転させる。従動ギヤ143の回転により、従動ギヤ143に連結された装置本体部13が回転する。また、モータ26の作動によりラックピニオン機構27が作動して可動ブラケット23を角度変化させる。これにより装置本体部13の回転に伴い噴射ノズル19が回転するとともに噴射ノズル19の上下方向の向きを変化させる。炎の高い場所(又は煙の多い場所)を火元と特定し、その位置でモータ141及びモータ26の回転を停止する。温度が80℃に達すると温度検知センサ20により電磁弁18が開き、圧縮されたエア171の圧力で消火剤16を噴射させる。消火剤16が火元に到達すると、飛び散った液体が炎の熱で気化し、二酸化炭素を発生させて燃焼物を覆い燃焼物と酸素を遮断する。これにより火災発生時の初期消火を行うことができる。
【0031】
なお、炎検知センサ21(又は煙検知センサ)を360°回転する装置本体部13内に等分になるように複数装着すれば、炎(又は煙)の発生する場所を早く検知することができる。
【0032】
次に、第2の実施形態の消火装置について、図2〜3に基づいて説明する。
【0033】
このタイプの消火装置30は、部屋のコーナー3に設置して、後述の噴射ノズル36や温度検知センサ40等を90°の範囲で回転させている。
【0034】
消火装置30は、部屋のコーナー3の床5上に設置するために、直交した板が一端側で接合して形成された平面断面L字状の基台45の開口部分に装着されている。消火装置30は、筒状のケース体31内には、消火剤32と圧縮されたエア331とが収納されているタンク33が挿入されている。タンク33は、タンク33の胴体部より小径の給入口33aを下方に向けて配置されている。給入口33aの下方には電磁弁34が接続され電磁弁34の先端には噴射ノズル36が接続されている。
【0035】
噴射ノズル36は電磁弁34の下方に配置された噴射ノズル自在ソケット35に回転可能に支持されている。噴射ノズル36は、噴射ノズル自在ソケット35に支持されて下部で有角状に屈曲して形成された元部361と、元部361の先端で、噴射口を有するノズル口362とを有して形成されている。元部361には、ノズル口362を90°回転させる回転駆動機構38が装着されている。
【0036】
噴射ノズル36と回転駆動機構38とは、ケース体31の下端に形成されたフランジ部311の上下面に摺動可能に配置された円錐状の樹脂カバー37に覆われている。樹脂カバー37は、下方に向かって狭小となるように形成されるとともに、傾斜された側面には全周にわたって、長穴の吸気孔371が複数個形成されている。噴射ノズル36のノズル口362は、基台45内の開口された角度範囲内において1個の吸気孔371を挿通して樹脂カバー37から突出するように配置されている。
【0037】
回転駆動機構38は、ケース体31のフランジ部311にブラケットを介して支持された駆動モータ381と、駆動モータ381の駆動軸に装着された駆動ギヤ382と、噴射ノズル36の元部361に、元部361とともに回転可能に装着された従動ギヤ383とを備えて構成されている。従動ギヤ383の回転により噴射ノズル36が回転し、噴射ノズル36の回転により樹脂カバー37もケース体31のフランジ部311に対して回転方向に摺動することになる。
【0038】
噴射ノズル36の下方には樹脂カバー37に支持された炎特定センサ39と温度検知センサ40が配置されている。炎特定センサ39は、火災時における火元を特定するセンサであり、温度検知センサ40は、少なくとも80℃の温度で電磁弁34を開くように指示するセンサである。さらに、電磁弁34付近には、基台45にネジ止めされたカバー体41が装着され、カバー体41にはタンク33内の圧力を表示する圧力計42が装着されている。また、基台45の内壁面のいずれかには電気基盤43が取付けられていて、電磁弁34や炎特定センサ39、温度検知センサ40等と電気配線で接続されている。
【0039】
なお、実施形態における消火剤32は、第1の実施形態と同様、リン酸アンモニウム、塩化ナトリウム、尿素、重炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、界面活性剤等からなる混合液体で250ml程度の消火剤32が500ml程度の容量のタンク33内に収納されている。タンク33内には消火剤32とは別に2.5〜3.0気圧程度の圧縮されたエア331が封入されている。したがって、消火剤32にはエア331の圧力がかけられていることになる。タンク33の材料は、軽量のアルミニウム製で形成するか又は炭酸飲料用のペットボトルを使用することができる。
【0040】
次に、消火装置30の作用について説明する。
【0041】
消火装置30を基台45に装着した状態で、部屋のコーナー3の床5上に設置する。噴射ノズル36の位置は、基台45の開口された90°の範囲内に入る位置に配置されている。火災が発生し、前述の実施形態の消火装置10と同様に、炎特定センサ39が感知し炎の高い場所を火元として特定する。つまり、炎特定センサ39により駆動モータ381を作動させて、噴射ノズル36を回転させることにより噴射ノズル36のノズル口362を火元に向ける。この際、樹脂カバー37及び炎特定センサ39と温度検知センサ40も同時に回転する。温度が80℃に達すると温度検知センサ40により電磁弁34が開き、エア331の圧力により消火剤32を噴射させる。消火剤32が火元に到達すると、飛び散った液体が炎の熱で気化し、二酸化炭素を発生させて燃焼物を覆い燃焼物と酸素を遮断する。これにより火災発生時の初期消火を行うことができる。
【0042】
なお、消火装置30の設置位置は、部屋のコーナーであれば、制限するものではなく床上から天井までの間であればどこでもよい。
【0043】
次に、第3の実施形態の消火装置について図4〜5に基づいて説明する。
【0044】
消火装置50は、持ち運び可能な携帯用のケース体51に装着されて、後述の噴射ノズル58及び炎特定センサ59を180°回転可能に配置する。
【0045】
消火装置50は、携帯用のケース体51に装着されている。ケース体51は、上面に開閉蓋511を配置した筐体状に形成されているとともに、正面側下部に回転ドラム60を載置するドラム収納溝512を形成している。正面側におけるドラム収納溝512の上部は、後述の入り切り用スイッチや警報ブザー又は表示ランプ等が配置される操作盤513として形成されている。ケース体51の上部には、ケース体51を持ち運ぶための手持ち部514が配置されている。手持ち部514の一例は、図4に示すように、帯状板の両端をケース体51の側部上面に係止するとともに開閉蓋511との間に手の入る隙間を有して配置する。この手持ち部514は、上記の形態に限定するものではなく、公知の手持ち部を採用することができる。
【0046】
ケース体51内には、図5に示すように、消火剤53とともに圧縮されたエア521が収納されているタンク52が挿入されている。タンク52はケース体51の内壁面に支持部材54を介して支持されている。タンク52は、タンク52の胴体部より小径の給入口52aを下方に向けて配置されている。給入口52aはエア配管部材55に接続されている。エア配管部材55の一端には与圧バルブ56が配置されて、タンク52内に2.5〜3.0気圧のエア圧力を付与している。エア配管部材55の他端は電磁弁57に接続され、さらに電磁弁57は回転ドラム60内に配置された噴射ノズル58にエアホース551を介して接続されている。したがって、タンク52内に収納されている消火剤53は、圧縮されたエア521で圧力がかけられているから、電磁弁57が開くことによって噴射ノズル58から外部に向かって噴射される。
【0047】
ケース体51のドラム収納溝512内に収納された回転ドラム60内には、噴射ノズル58と、炎特定センサ59が配置されている。いずれも先端部を回転ドラム60の前面から外部に突出するように配置されている。噴射ノズル58は、ノズル口581を下傾して取り付けるように支持ブラケット601を介して装着され、炎特定センサ59は、前面内壁面に支持されている。また、回転ドラム60には、下面に、エアホース551が通る通し孔602が形成されるとともに、上面において、回転ドラム60を回転する回転駆動機構61が連結されている。
【0048】
回転駆動機構61は、ケース体51内に支持された駆動モータ611と、駆動モータ611の駆動軸に装着された駆動ギヤ612と駆動ギヤ612に歯合されて回転ドラム60に連結ピン614を介して連結された従動ギヤ613とで構成されている。
【0049】
ケース体51の前面の操作盤513には、上部中央に温度検知センサ62が配置されるとともに、消火装置50を作動させるための入り切りスイッチ63(ON釦631、OFF釦632)と中央部に消火装置50が作動しているかどうかを表示する表示ランプ64、火災が発生したことを通報する警報ブザー65(図4参照)が配置されている。さらにケース体51内には、炎特定センサ59と駆動モータ611とに配線されている第1の電気基盤66と、温度検知センサ62、入り切りスイッチ63、表示ランプ64、警報ブザー65に配線された第2の電気基盤67とが収納されている。
【0050】
なお、消火剤53は、第1の実施形態と同様な材料で形成されてタンク52内に圧縮されたエア521と共に収納されている。また、タンク52は、軽量のアルミニウムで形成してもよく、炭酸飲料用のペットボトルで形成してもよい。
【0051】
次に、上記のように構成された消火装置50の作用について説明する。
【0052】
消火装置50を、屋内の火災が発生し易い場所、例えば台所7内に持ち運ぶ。消火装置50は、噴射ノズル58のノズル口581が下傾して配置されているから、できるならば、床面から1m位高い位置に設置する。この消火装置50は、持ち運び可能に構成されているから、住人が在宅であって、もし火災が発生した場合に、発生場所に即座に移動することができる。住人が外出する際に入り切りスイッチ63のON釦631を作動させる。
【0053】
火災が発生すると、炎特定センサ59が作動し回転駆動機構61を作動させ炎の高い場所を火元として特定する。炎特定センサ59により噴射ノズル58のノズル口581を火元に向ける。そして、火元の温度が80℃に達すると、温度検知センサ62が検知して電磁弁57を開くことになり、タンク52内で圧縮されたエア521の圧力で消火剤53を噴射ノズル58から火元に向かって噴射させることになる。そのため、第1の実施形態と同様、消火剤53は、飛び散った液体が炎の熱で気化し、二酸化炭素を発生させて燃焼物を覆い燃焼物と酸素を遮断する。これにより火災発生時における初期消火を行うことができる。
【0054】
上述のように、本発明の消火装置では、第1〜3の実施形態に示すように、家屋内に配置されて、火災が発生した火元を探して火元に向かって消火剤16、32、53を噴射できるようにしているから、住人が不在の場合や、要介護者や幼児だけが在宅していたりする場合であっても確実に初期消火を行うことができる。また、消火装置10、30、50自体を家屋のいずれかに容易に設置できて、簡素な構成で廉価に提供できるから、一般家庭内で安全に使用することができる。
【0055】
次に、消火装置を車両に搭載した第4の実施形態について図6に基づいて説明する。車両に搭載する消火装置70は、家庭用の消火装置(上述の1〜3の実施形態)と同様、圧縮されたエア711を含んで消火剤72を収納するタンク71と、タンク71の先端から配管された電磁弁73と、電磁弁73の先端に装着された噴射ノズル74と、炎又は煙を検出する煙検知センサ(又は炎検知センサ)75と、を備えている。第4の実施形態の消火装置70は、主に、乗用車、ワンボックス、キャンピングカー等の小型・中型車両に好適に採用することができる。
【0056】
消火装置70の場合、消火剤72と圧縮されたエア711が混入されたタンク71は、エンジンルームを除くデッドスペースであれば、どの位置に装着してもよいが、実施形態の場合、車内の助手席側面下部に装着されている。電磁弁73は、電磁弁73に電気配線で接続された電気基盤76とともに収納ボックス77内に収納されてダッシュボードの裏側に装着される。また、噴射ノズル74と煙検知センサ(又は炎検知センサ)75とは、エンジン用と車内用とを備えて、それぞれ各2箇所に装着されている。エンジン用の噴射ノズル74は、ボンネット裏側の上部前方から車内に向けて装着され、車内用の噴射ノズル74は、インスツルメントパネルに装着される。また、エンジン用の煙検知センサ(又は温度検知センサ)75は、ボンネット裏側の後方位置に装着され、車内用の煙検知センサ(又は炎検知センサ)75は、天井前方付近に装着されている。
【0057】
タンク71は、アルミニウム製ボンベ又は500mlの炭酸飲料用のペットボトルで形成され、先端にタンク71の圧力を高くすることができる加圧バルブ71aが装着され、電磁弁73は電気基盤76に配線され、電気基盤76は、シガライタ電源78に配線されている。
【0058】
上述の消火装置70では、エンジンルームからのトラブルによってエンジンルームから火災が発生すると、煙検知センサ(又は炎検知センサ)75が検知して電磁弁73を開く。電磁弁73が開くことによって、圧縮されたエア711で圧力が付与されている消火剤72がタンク71から噴出されエンジンルームに配置された噴射ノズル74から下方に向かって噴射される。また、車内から火災が発生すると、車内用の煙検知センサ(又は炎検知センサ)75が検知して、電磁弁73を開く。上述と同様に、タンク71内に収納されている消火剤72は、エア711の圧力によりタンク71から噴出されて車内に配置された噴射ノズル74から下方に向かって噴射される。消火剤72は、飛び散った液体が炎の熱で気化し、二酸化炭素を発生させて燃焼物を覆い燃焼物と酸素を遮断する。これにより火災発生時における初期消火を行うことができる。
【0059】
次に、第5の実施形態の消火装置について図7に基づいて説明する。第5の実施形態の消火装置80は車両におけるトラックやバス等の大型車に好適に採用されるものであり、車両に搭載する消火装置80は、消火剤82を収納するタンク81と、タンク81の先端からそれぞれ分岐されて配管された電磁弁83、噴射ノズル84と、エンジンルーム内に装着された煙検知センサ85と温度検知センサ86と、を備えている。なお噴射ノズル84は、タンク81の給入口81aに直接配管されており、噴射ノズル84の先端部が開放されているため、消火剤82には圧力は付与されていない。
【0060】
煙検知センサ85及び温度検知センサ86は、運転席内に配置された警報装置としての警報ブザー87に接続されている。さらに、運転席室内には、警報ブザー87によって知らされた運転手又は助手が電磁弁83を手動で開く手動操作装置としての手動操作釦88が配置されている。
【0061】
消火装置80の場合、消火剤82とタンク81は、エンジンルームを除くデッドスペースであれば、どの位置に装着してもよい。電磁弁83の一端側は、減圧弁89を介してタンク81に配管され、他端側は、コンプレッサに接続するエアタンク90に配管されている。エアタンク90は、通常、9〜10気圧に加圧されたブレーキ用として搭載されているものを使用する。また、噴射ノズル84と煙検知センサ85および温度検知センサ86とは、第4の実施形態と同様、エンジンルーム用と車内用とを備えて、それぞれ各2箇所に装着されている。エンジンルーム用の噴射ノズル84は、エンジンルームのエンジン9の上方位置に装着され、車内用の噴射ノズル84は、インスツルメントパネルに装着される。また、エンジンルーム用の煙検知センサ85及び温度検知センサ86は、エンジンルーム内のいずれかの位置に装着され、車内用の煙検知センサ85および温度検知センサ86は、天井付近に装着されている。
【0062】
タンク81は、ポリエチレン製のポリタンクが使用され、給入口81aを下方となるように配置して消火剤82が上方から下方の給油口を通って排出できるようにしている。タンク81内に収納されている消火剤82の容量は車種によって1〜5L程度に収納されている。
【0063】
なお、エアタンク90が搭載されていない中型トラックの場合には、乗用車で説明した第4の実施形態における、消火剤72が収納されたタンク71、電磁弁73、噴射ノズル74を使用する。この場合、上述の警報ブザー87、手動操作釦88等を別途取付けることになる。
【0064】
次に、消火装置80の作用について説明する。
【0065】
バスやトラックの走行中、エンジンルーム内又は車内において何等かのトラブルで炎や煙を検知すると、煙検知センサ85又は温度検知センサ86が作動して運転席内の警報ブザー87を鳴らす。運転手は速やかに路肩に停車して安全を確保してから、火災であることを目視で確認してから手動操作釦88を押して電磁弁83を開く。エアタンク90の圧力が、通常、9〜10気圧の高圧に設定されていて、電磁弁83を通ったエア811は、減圧弁89で3気圧程度に減圧されてタンク81内に送り込まれる。
【0066】
噴射ノズル84がタンク81の給入口81aに直接配管されており、常時このタンク81内には圧力が掛かっていない。しかし減圧弁89で減圧された3気圧程度のエア811がタンク81内に送り込まれる。エア811がタンク81内に送り込まれると、給入口81aは開放されているから、エア811は消火剤82とともに排出される。タンク81から排出された消火剤82は、霧雨状態で放出されることになる。消火剤72は、飛び散った液体が炎の熱で気化し、二酸化炭素を発生させて燃焼物を覆い燃焼物と酸素を遮断する。これにより火災発生時における初期消火を行うことができる。
【0067】
上述のように、本発明の第4〜5の形態の消火装置では、小・中型車又は大型トラックやバス等の大型車両に適用されるものであって、エンジンルーム内又は車内から発生する火災を確実に初期消火することができる。しかも構造が簡単で容易に設置できるから、車両のオーナーは安全に使用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10、初期消火装置
13、装置本体部
14、回転駆動部
15、ケース体
16、消火剤
17、タンク
171、エア
18、電磁弁
19、噴射ノズル
20、温度検知センサ
21、炎特定センサ
30、初期消火装置
31、ケース体
32、消火剤
33、タンク
331、エア
34、電磁弁
36、噴射ノズル
38、回転駆動機構
39、炎特定センサ
40、温度検知センサ
45、基台
50、消火装置
51、ケース体
52、タンク
521、エア
57、電磁弁
58、噴射ノズル
59、炎特定センサ
61、回転駆動機構
62、温度検知センサ
70、消火装置
71、タンク
711、エア
72、消火剤
73、電磁弁
74、噴射ノズル
75、煙検知センサ(炎検知センサ)
80、消火装置
81、タンク
811、エア
82、消火剤
83、電磁弁
84、噴射ノズル
85、煙検知センサ
86、温度検知センサ
87、警報ブザー(警報装置)
88、手動操作釦(手動操作装置)
90、エアタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋に設置されて家屋の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、
圧縮されたエアと消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能な噴射ノズルと、前記タンクの給入口と前記噴射ノズルとの間に配設される電磁弁と、火災が発生した火元の温度または煙を検出するとともに前記電磁弁を開閉可能に作用する検知センサと、を備えて構成され、
前記検知センサ及び前記噴射ノズルは、回転手段により所定角度回転可能に配設されるとともに、前記検知センサが所定の温度または煙を検知して前記電磁弁を開くことにより、前記タンク内の前記消火剤を、前記噴射ノズルから火元に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とする初期消火装置。
【請求項2】
前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体が360°回転可能に吊下されていることを特徴とする請求項1記載の初期消火装置。
【請求項3】
前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体は、部屋のコーナーに設置されるように形成され、前記噴射ノズル、前記検知センサが90°回転可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載の初期消火装置。
【請求項4】
前記タンク、前記噴射ノズル、前記電磁弁、前記検知センサは1個のケース体に支持されるとともに、前記ケース体が手持ち部を有して搬送可能に形成され、前記噴射ノズルが180°回転可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載の初期消火装置。
【請求項5】
車両に搭載されて車両の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、
圧縮されたエアと消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能な噴射ノズルと、前記タンクの給入口に接続される電磁弁と、炎または煙を検出する検知センサと、を備えて構成され、
前記タンクは、車両のエンジンルーム以外のデッドスペースに配設され、
前記噴射ノズルは車両のエンジンルーム内又は車内に配設され、
前記電磁弁は、前記タンクの給入口に接続され、
前記検知センサは、車両のエンジンルーム内又は車内に配設され、
前記検知センサが炎または煙を検知することにより、前記タンク内の前記消火剤を、前記噴射ノズルからエンジンルーム内又は車内に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とする初期消火装置。
【請求項6】
車両に搭載されて車両の火災に対して初期消火可能に構成された初期消火装置であって、
消火剤が収納されるタンクと、前記消火剤を噴射可能の噴射ノズルと、前記タンクの給入口に接続される電磁弁と、炎または煙を検出する検知センサと、を備えて構成され、
前記タンクは、車両のエンジンルーム以外のデッドスペースに配設され、
前記噴射ノズルは車両のエンジンルーム内に配設され、
一方が前記タンクの給入口に接続される前記電磁弁の他方は車両のエアタンクに接続され、
運転席には、火災の発生を警報する警報装置と前記電磁弁を手動操作する手動操作装置とが配設され、
前記検知センサは、エンジンルーム内に配設されるとともに、運転席に配設された前記警報装置に接続され、
前記検知センサが炎または煙を検知して前記警報装置に警報することにより、前記手動操作装置を作動して前記電磁弁を開放し、前記タンク内の前記消火剤を前記噴射ノズルから炎又は煙に向かって噴射可能に構成されていることを特徴とする初期消火装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−152388(P2012−152388A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14345(P2011−14345)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(508264195)株式会社旭学園グループ (12)
【出願人】(510328629)
【出願人】(511023244)
【出願人】(511023255)
【出願人】(511023266)
【Fターム(参考)】