説明

利尿療法のための浸透デバイスおよび方法

本発明の実施形態は、とりわけ、腎機能を変調するためのデバイスおよび方法に関する。ある実施形態では、本発明は、密閉容積を画定する壁部材を含む移植可能閉塞デバイスを含み、壁部材は、半透膜を含むことが可能である。また、デバイスは、壁部材の密閉容積内に配置される溶媒および溶質を含む溶液を含むことが可能である。半透膜は、溶媒に対して浸透性であって、溶質に対して不浸透性であることが可能である。密閉容積は、体液の浸透圧モル濃度の変化に応じて、拡張および収縮するように構成可能である。デバイスは、リンパ管の長手方向軸に対して、移植可能閉塞デバイスの位置を維持するように構成される、位置決め部材を含むことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、Cardiac Pacemakers,Inc.(米国企業)を、米国を除く全ての指定国の出願人として、そして、Allan Charles Shuros(米国市民)、Eric A.Mokelke(米国市民)、およびMichael J.Kane(米国市民)を、米国を指定国とする場合の出願人として、2007年7月26日にPCT国際特許出願として出願され、本願は、2007年7月2日に出願された米国特許出願番号第11/772,397(名称「OSMOTIC DEVICES AND METHODS FOR DIURETIC THERAPY」)に対する優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、腎機能を変調するためのデバイスおよび方法に関して、より具体的には、とりわけ、腎機能を変調するための閉塞デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
腎臓は、代謝および摂取した老廃物を身体から除去し、体液の量および組成維持するように機能する。腎臓による一定の細胞外液(ECF)組成の維持は、糸球体濾過率(GFR)と称される、糸球体によって濾過される血流速度と、濾液から傍尿細管毛細管血内に再吸収されるナトリウムおよび水の程度を制御する、種々の神経、ホルモン、および本来備わっている恒常性維持機構によって達成される。
【0004】
腎臓は、通常、動脈圧およびECF量の両方を所望の正常範囲内に維持するように作用する。しかしながら、ある病理学的に状況下では、恒常性維持機構は、適切に対応しない。腎臓の恒常性維持機構が最適に対応しない場合の状況の1つは、心不全の際である。心不全は、心機能の異常によって、正常以下または正常駆出率および病態生理学的心室肥大を引き起こし、多くの場合、心拍出量の低下をもたらす、臨床的症候群を指す。そのような心拍出量の低下は、末梢組織の代謝要求を満たすために適切なレベルを下回る可能性がある。心拍出量の低下は、腎潅流の減少によって、腎機能に抑圧効果を及ぼし、圧力ナトリウム利尿機構による塩分および水分の排出を低下させる。また、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系は、水分および血漿量の滞留を促進し、心拍出量の低下を補償する。また、低血圧および/または心拍出量に応じた交感神経作用の増加は、さらに腎機能を抑制する場合がある。
【0005】
腎臓による流体滞留増加は、血液量の増加および心臓への静脈還流のさらなる増加をもたらし、したがって、心臓の前負荷を増加させる。本プロセスは、実際、適切な心拍出量を補助および維持する際に有益であるが、しかしながら、本プロセスは、長期悪化をもたらす可能性がある。流体滞留増加は、顕性うっ血性心不全を特徴付ける、進行性末梢性肺浮腫を引き起こす。悪化のスパイラルの一部として、拡張期充満圧がさらに上昇し、心臓は、拡張し、浮腫状態となるため、そのポンプ機能は、さらに悪化する。
【0006】
心不全を治療するためのアプローチの1つは、薬理学的手段を通して、腎機能を変調することである。例えば、利尿薬を使用して、塩分および水分の尿細管再吸収を低下させ、流体滞留減少(流体排出の増加)をもたらすことが可能である。しかしながら、そのような薬理学的剤は、常に、効果的であるわけではなく、重大な副作用を引き起こす場合がある。加えて、薬理学的投薬計画への患者の薬剤服用順守は、深刻な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
少なくともこれらの理由から、腎機能を変調するためのデバイスおよび方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
本発明の実施形態は、とりわけ、腎機能の変調に関する。ある実施形態では、本発明は、密閉容積を画定する壁部材を含む移植可能閉塞デバイスを含み、壁部材は、半透膜を備えることが可能である。また、デバイスは、壁部材の密閉容積内に配置される溶媒および溶質を含む溶液を含むことが可能である。半透膜は、溶媒に対して浸透性であって、溶質に対して不浸透性であることが可能である。密閉容積は、体液の浸透圧モル濃度の低下に応じて拡張し、体液の浸透圧モル濃度の上昇に応じて収縮するように構成可能である。デバイスは、リンパ管の長手方向軸に対して、移植可能閉塞デバイスの位置を維持するように構成される、位置決め部材を含むことが可能である。
【0009】
ある実施形態では、本発明は、閉塞デバイスを患者内に移植することを含む、患者内の腎機能を変調する方法を含み、閉塞デバイスは、半透膜を備え、半透膜の流体の通過に基づいて、拡張または収縮するように構成される。方法は、閉塞デバイスによって、腎リンパ管を閉塞することをさらに含むことが可能である。
【0010】
ある実施形態では、本発明は、閉塞デバイスを患者内に移植することを含み、閉塞デバイスは、半透膜を備え、半透膜の流体の通過に基づいて、拡張または収縮あるいはその形状を変化するように構成される、心不全代償不全を治療する方法を含む。方法は、閉塞デバイスによって、腎リンパ管を閉塞することをさらに含むことが可能である。
【0011】
本概要は、本願の教示の一部の概観であって、本主題の排他的または包括的な扱いを意図するものではない。さらなる詳細は、詳細な説明および添付の請求項において見られる。他の側面は、以下の詳細な説明を熟読および理解し、その一部を形成する図面を参照することによって、当業者には明白となるが、それぞれ、限定的意味で解釈されるものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される。
【0012】
本発明は、以下の図面と併せて、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態による、リンパ管の内腔内に配置される、閉塞デバイスの概略図である。
【図2】図2は、拡張構成にある、図1の閉塞デバイスの概略図である。
【図3】図3は、腎リンパ系の一部の概略図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、非繋留閉塞デバイスの概略図である。
【図5】図5は、図4の線5−5’に沿った、断面概略図である。
【図6】図6は、異なる構成にある、図4のデバイスの概略図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態による、リンパ管の内腔内に配置される、閉塞デバイスの概略図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態による、リンパ管の内腔内に配置される、閉塞デバイスの概略図である。
【図9】図9は、異なる構成にある、図8の閉塞デバイスの概略図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態による、リンパ管の内腔内に配置される、センサを伴う閉塞デバイスの概略図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による、閉塞デバイスと連動する、監視デバイスの概略図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態による、コントローラのいくつかの側面の概略図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの概略図である。
【図14】図14は、図13の線14−14’に沿った、図13の閉塞デバイスの断面図である。
【図15】図15は、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの概略図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの概略図である。
【図17】図17は、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの概略図である。
【図18】図18は、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの概略図である。
【図19】図19は、本発明の実施形態による、多層膜構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、種々の修正例および代替形態を受け入れる余地があるが、一例として示されるその仕様および図面が、以下に詳述される。しかしながら、本発明は、記載される特定の実施形態に制限されるものではないことを理解されたい。反対に、本発明の精神および範囲内である修正例、均等物、ならびに代替例を網羅することが意図される。
【0015】
腎リンパ液の流れを遮断することによって、腎機能を変調することが可能である。具体的には、腎リンパ液の流れを遮断することは、腎臓による流体滞留を減少させる、または別の言い方をすれば、尿として身体から排出される流体の量を増加させることが可能である。本利尿作用は、典型的には、薬理学的利尿療法の目標である。本発明の実施形態は、腎リンパ管を閉塞し、それによって、腎リンパ液の流れを遮断または低減する、デバイスを含むことが可能である。したがって、本発明の実施形態を使用して、腎臓による尿産生および排出を促進(腎臓による流体滞留を減少)することが可能である。いくつかの実施形態は、心不全および/または高血圧等の疾患状態を治療することを含むことが可能である。
【0016】
本明細書に含まれるデバイスの実施形態は、浸透過程を通して、物理的寸法を変化させる要素を伴うものを含むことが可能である。浸透現象は、物理的過程であって、溶媒は、エネルギーの入力を伴わずに、異なる溶質濃度を有する2つの溶液を分離する半透膜(溶媒に対して浸透性であるが、溶質に対してはそうではない)を通過する。溶媒の正味移動は、低濃縮(低張性)溶液から高濃縮(高張性)溶液へと生じる。
【0017】
次に図1を参照すると、本発明の実施形態による、腎リンパ管108の内腔114内に配置される、閉塞デバイス100の概略図が示される。半透膜を含む壁部材102は、密閉容積106を密閉する。壁部材102は、リード部材104またはテザーに取着される。リード部材104は、リンパ管108内の閉塞デバイス100の位置を維持する役割を果たすことが可能である。リード部材104は、リンパ管の長手方向軸(流体流動軸)に対して、閉塞デバイスの位置を維持する機能を果たし、流体流動を閉塞可能であるため、位置決め部材の一実施例として役割を果たし得る。腎リンパ管108の長手方向軸は、矢印線101によって示される。
【0018】
溶媒および溶質を含む溶液は、密閉容積106内に配置される。いくつかの実施形態では、溶媒は、水である。溶質は、多くの異なる種類の化学化合物を含むことが可能である。ある実施形態では、溶質は、生体適合性化学化合物である。ある実施形態では、溶質は、身体内に自然に生じる化学化合物である。ある実施形態では、溶質は、塩化ナトリウムである。ある実施形態では、溶質は、ブドウ糖である。溶質のさらなる実施例は、後述される。
【0019】
密閉容積106は、浸透現象の結果、サイズを変化させることが可能である。具体的には、密閉容積106内の溶液が、リンパ管108の内腔114内の体液よりも高い浸透圧モル濃度を有する場合、流体は、半透膜を通って、密閉容積106内に拡散し、それを拡大させることが可能である。反対に、密閉容積106内の溶液が、リンパ管108の内腔114内の体液よりも低い浸透圧モル濃度を有する場合、流体は、半透膜を通って、密閉容積106から拡散し、それをより小さくさせることが可能である。約280mOsm/kg〜303mOsm/kgは、身体の流体内の浸透圧モル濃度の正常値である。したがって、いくつかの実施形態では、密閉容積内の溶液は、デバイスが患者内に移植されると、約280mOsm/kg〜303mOsm/kgの開始浸透圧モル濃度を有する。他の実施形態では、密閉容積内の溶液は、その範囲外の開始浸透圧モル濃度を有することが可能である。
【0020】
浸透圧モル濃度の単位は、溶液の濃度を説明するために本明細書で使用されるが、また、容量オスモル濃度の単位も使用され得ることを理解されたい。
【0021】
いくつかの実施形態では、密閉容積106は、第1の直径110から第2の直径112へと膨張可能である。密閉容積106がリンパ管内腔114のサイズに近似するほど、腎リンパ管108を通る流体の流動をより閉塞する。リンパ管内腔114の完全または部分的閉塞は、より流体を排出するように腎機能を変調し、利尿療法剤の投与に類似する結果を達成することが可能である。
【0022】
次に図2を参照すると、拡張構成にある、図1の閉塞デバイスの概略図が示される。本図では、密閉容積106は、現在、閉塞デバイス100が腎リンパ管108の内腔114全体を実質的に閉塞している程度まで拡張される。デバイス100は、密閉容積106の最大拡張が、腎リンパ管108の内腔の特定の割合を閉塞するように構成可能であることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、密閉容積106が完全に拡張されると、腎リンパ管の内腔114の断面積の最大約50%を閉塞するように構成可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、密閉容積106が完全に拡張されると、腎リンパ管の内腔114の断面積の最大約70%を閉塞するように構成可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、密閉容積106が完全に拡張されると、腎リンパ管の内腔114の断面積の最大約90%を閉塞するように構成可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、密閉容積106が完全に拡張されると、腎リンパ管の内腔114の断面積の約100%を閉塞するように構成可能である。
【0023】
本発明の実施形態による閉塞デバイスは、腎機能を変調するために、身体内の種々の位置内に留置可能である。次に図3を参照すると、腎リンパ系の一部の概略図が示される。図3は、右腎152および左腎154を示す。腎リンパ管158は、腎臓の肺門部分156近傍の腎臓から出現することが可能である。腎リンパ管158は、リンパ液を運搬する役割を果たすことが可能である。腎リンパ管158は、ともに結合し、腎リンパ本幹160を形成することが可能である。腎リンパ本幹160は、胸管162上へとリンパ液を通過させる。本明細書に記載のような1つ以上の閉塞デバイスは、個々の血管158および血管幹160を含む腎血管、ならびに胸管162自体を通して、リンパ液の流動を遮断または低減させるように、適切に位置付けられることが可能である。本明細書で使用されるように、用語「腎リンパ管」は、個々の血管および血管幹の両方を含むものとする。閉塞デバイスは、個々の血管158または幹160内あるいはそれに隣接して留置可能である。いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、胸管162上または内に位置付け可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、非繋留であることが可能である。例えば、閉塞デバイス自体が、腎リンパ管の内腔内にその位置を維持する保定部材を含むことが可能である。次に図4を参照すると、本発明の実施形態による、非繋留閉塞デバイス200の実施形態が示される。閉塞デバイス200は、半透膜を含む、壁部材202を含む。壁部材202は、密閉容積206を囲繞し、密閉容積206を腎リンパ管208の内腔214から分離する。保定部材216は、壁部材202に連結可能である。保定部材216は、腎リンパ管208の内面209に係合するように構成可能である。保定部材216は、1つ以上のアーム217または付属器を含むことが可能である。
【0025】
次に図5を参照すると、図4の線5−5’に沿った、腎リンパ管の断面概略図が示される。本図では、保定部材216は、腎リンパ管208の内面209に係合して見られ得る。いくつかの実施形態では、保定部材216は、腎リンパ管208の内面209に対して力を付与するように構成可能である。
【0026】
次に図6を参照すると、保定部材216は、保定部材216のアーム217または付属器が壁部材202に対して配置され、腎リンパ管系内の所望の位置内への閉塞デバイス200の挿入を促進可能な弾性度を呈することが可能である。例えば、シース(図示せず)は、閉塞デバイス200が適切な位置内に挿入されると、アーム217の上方に配置可能である。本構成では、保定部材の有効径は、内腔214の直径よりも小さい。次いで、閉塞デバイスが所望の位置内へと操作された後、シースは除去可能であって、アーム217を外側に屈曲させ、腎リンパ管208の内面209に係合させる。
【0027】
保定部材216は、多くの異なる材料を含むことが可能である。一例として、保定部材216は、ポリマー、金属、金属合金、セラミック等を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、保定部材216は、形状記憶金属等の形状記憶材料である。ある実施形態では、保定部材216は、合金ニチノールである。図4−6に示される実施形態では、保定部材216は、2つのアームを有する。しかしながら、他の実施形態では、保定部材は、異なる数のアームを有することが可能であることを理解されたい。一例として、保定部材は、3つのアーム、4つのアーム、または4つを超えるアームを含むことが可能である。また、保定部材は、異なる形状をとることが可能であることを理解されたい。一例として、いくつかの実施形態では、保定部材は、実質的に環状形状を有することが可能である。また、保定部材は、血管ステントの形状に類似する管状メッシュ構成を含むことが可能である。保定部材は、腎リンパ管の長手方向軸(流体流動軸)に対して、閉塞デバイスの位置を維持する機能を果たし、流体流動を閉塞することが可能であるため、位置決め部材の実施例として役割を果たし得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、閉塞デバイスの壁部材は、半透膜に加えて、非浸透性膜(溶媒および溶質の両方に対して非浸透性)を含むことが可能である。例えば、壁部材は、流体を拡散さえることが所望される領域内に半透膜を含むことが可能であって、他の領域内には非浸透性膜を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、壁部材の非浸透性部分を使用して、デバイスの構造特徴を向上させることが可能である。加えて、壁部材の非浸透性部分を使用して、拡張方向等、閉塞デバイスの密閉容積が拡張される方法を制御することが可能である。
【0029】
次に図7を参照すると、本発明の別の実施形態による、リンパ管308の内腔314内に配置される、閉塞デバイスの概略図が示される。半透膜を含む壁部材302は、密閉容積306を密閉する。壁部材302は、リード部材304に取着される。リード部材は、閉塞デバイスの位置を維持する役割を果たすことが可能である。溶媒および溶質を含む溶液は、密閉容積306内に配置される。壁部材302は、非浸透性部分318またはパッチ(溶媒および溶質の両方に対して不浸透性)を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、非浸透性部分318は、その周辺において、半透膜に結合される。いくつかの実施形態では、非浸透性部分318は、半透膜の上部に配置される。いくつかの実施形態では、非浸透性部分318は、接着剤等によって、半透膜に接着される。いくつかの実施形態では、非浸透性部分318は、半透膜に溶接される。
【0030】
いくつかの用途では、ある割合のリンパ管がリンパ液の流動に対して開放したままであるように確保することが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、閉塞デバイスの拡張の状態にかかわらず、リンパ液の通路を提供する中心内腔またはチャネルを含むことが可能である。次に図8を参照すると、本発明の実施形態による、リンパ管358の内腔364内に配置される、チャネルを伴う閉塞デバイス350の実施形態が示される。半透膜を含む壁部材352は、密閉容積356を密閉する。溶媒および溶質を含む溶液は、密閉容積356内に配置される。
【0031】
壁部材352は、デバイス内腔366を画定するチャネル部材362に連結される。チャネル部材362は、密閉容積356が拡張および収縮する際の変形に抵抗する、円筒型形状を含むことが可能である。例えば、チャネル部材362は、ポリマーまたは金属管を含むことが可能である。デバイス内腔366は、密閉容積356の拡張の程度にかかわらず、リンパ液の通路として役割を果たすことが可能である。次に図9を参照すると、拡張構成にある、図8の閉塞デバイス350が示される。本図では、密閉容積356がリンパ管358の内部の境界まで拡張し、デバイス内腔366がリンパ液のための通路を依然として提供することが分かる。デバイス内腔366は、特定の用途に対して望ましい大きさの断面積を有することが可能である。いくつかの実施形態では、デバイス内腔366は、リンパ管358の内腔364の総断面積の少なくとも約5%に等しい断面積を含む。いくつかの実施形態では、デバイス内腔366は、リンパ管358の内腔364の総断面積の少なくとも約10%に等しい断面積を含む。
【0032】
いくつかの状況下では、生体内閉塞デバイスの状態を監視することが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、閉塞デバイスの状態および拡張度を監視可能なように、センサを含む。次に図10を参照すると、本発明の別の実施形態による、リンパ管408の内腔414内に配置される、センサ420を伴う閉塞デバイスが示される。半透膜を含む壁部材402は、密閉容積406を密閉する。溶媒および溶質を含む溶液は、密閉容積406内に配置される。センサ420は、密閉容積406と通信可能である。壁部材402は、リード部材404に連結される。リード部材404は、閉塞デバイスの位置を維持する役割を果たすことが可能である。また、リード部材404は、センサ420と信号を相互伝達するために、電気または光学導体を含むことが可能である。
【0033】
センサ420は、閉塞デバイスの状態および性能を示す、種々の特性を感知するように構成可能である。いくつかの実施形態では、センサ420は、閉塞デバイスの密閉容積406内の圧力を感知するように構成可能である。センサ420は、圧力に応じて、信号を発生させる、例えば、電気、機械、または光学圧力センサ等、任意の種類の圧力センサを含むことが可能である。一例として、例示的圧力センサは、米国特許第6,237,398号に記載されており、その内容は、参照することによって、本明細書に援用される。
【0034】
いくつかの実施形態では、センサ420は、密閉容積406内の浸透圧モル濃度を感知するように構成可能である。概して、流体は、浸透圧モル濃度を均等化するために、半透膜を通して拡散し得るため、密閉容積406内の浸透圧モル濃度は、閉塞デバイスを囲繞する体液の浸透圧モル濃度を反映することが予想される。しかしながら、浸透圧モル濃度の突然の大きな変化は、患者またはデバイス自体の機能不全を示す可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、センサ420からの信号は、リード部材404を通して、感知された浸透圧モル濃度の変化を監視するように構成可能である監視デバイスに、伝達することが可能である。多くの異なる種類の浸透圧モル濃度センサが使用可能である。浸透圧モル濃度センサの一実施例は、米国特許出願第5,388,449号に記載されており、その内容は、参照することによって、本明細書に援用される。
【0035】
いくつかの実施形態では、センサ420は、密閉容積406内の物理的寸法を感知するように構成可能である。例えば、センサ420は、密閉容積406の直径および/または密閉容積406の長さを感知するように構成可能である。具体的には、センサ420は、発光ダイオード(LED)等の光源を伴う光センサと、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード、接合型電界効果トランジスタ(JFET)型光学センサ、または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)型光学センサ等の光受信器と、を含むことが可能である。光源は、光受信器によって受信される前に、壁部材の反対部分に反射する、密閉容積406内の光の放出を発生させることが可能である。密閉容積406のサイズが大きいほど、より遠くに光は伝播しなければならず、拡散のため光強度の損失が大きくなる。したがって、光受信器によって受信される光の強度は、密閉容積のサイズに相関し得る。これは、単に、密閉容積の物理的寸法を検出するためのセンサの一実施例であって、また、多くの他の種類のセンサを使用して、密閉容積のサイズを感知可能であることを理解されたい。
【0036】
いくつかの実施形態では、センサからの信号は、リード部材を通して、監視デバイスへと伝達可能である。次に図11を参照すると、本発明の実施形態による、閉塞デバイス502と連動する監視デバイス530を含む、システム500の概略図が示される。監視デバイス530は、コントローラモジュール532を含むことが可能である。監視デバイス530は、リード504に連結され、順に、センサを含む閉塞デバイス502に連結可能である。しかしながら、いくつかの実施形態では、監視デバイス530および閉塞デバイス502は、無線通信可能であることを理解されたい。
【0037】
また、遠隔監視デバイス534を含むことが可能であって、監視デバイス530と無線通信可能である。例えば、コントローラ532によって格納される閉塞デバイス502に関するデータは、遠隔監視デバイス534に無線で伝達可能である。遠隔監視デバイス534は、患者管理システムであることが可能である。例示的患者管理システムは、マサチューセッツ州NatickのBoston Scientific Corporationから市販のLATITUDE(登録商標)患者管理システムを含む。例示的患者管理システムの側面は、米国特許第6,978,182号に記載されており、その内容は、参照することによって、本明細書に援用される。
【0038】
コントローラ532は、種々の電子構成要素を含むことが可能であって、信号の分析および信号に関するデータの格納を含む、閉塞デバイス内のセンサからの信号を処理するように構成可能である。次に図12を参照すると、コントローラ532のいくつかの側面が、概略的に示される。本実施形態では、コントローラ532は、双方向データバスを介して、メモリ554と通信する、マイクロプロセッサ552を含む。メモリ554は、典型的には、プログラム保存のためのROMまたはRAMおよびデータ保存のためのRAMを備える。コントローラ532は、双方向閉塞デバイスセンサチャネルインターフェース556を含むことが可能である。加えて、コントローラ532は、クロック回路562を含むことが可能である。また、コントローラ532は、コントローラ532とのデータの相互無線通信のためのテレメトリインターフェースモジュール564を含むことが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明は、腎リンパ管外に配置されるように構成される、閉塞デバイスを含むことが可能である。次に図13を参照すると、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイスの実施形態が示される。閉塞デバイスは、密閉容積606(図14に示される)を画定する壁部材602を含むことが可能である。壁部材602は、半透膜を含むことが可能であって、その実施例は、以下に詳述される。半剛性支持部材622は、壁部材602の外周の周囲に配置可能である。半剛性支持部材622は、腎リンパ管608の周囲の位置内に閉塞デバイスを維持する役割を果たすことが可能である。また、半剛性支持部材622は、腎リンパ管608の長手方向軸(流体流動軸)に対して、閉塞デバイスの位置を維持する機能を果たし、流体流動を閉塞可能であるため、位置決め部材の実施例としての役割を果たし得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、壁部材602および半剛性支持部材622は両方、リングの周辺内に間隙624を伴う、リングに類似する形状を有することが可能である。また、本形状は、不連続環状形状とも称される可能性がある。閉塞デバイスは、腎リンパ管608の周囲に巻回可能である。壁部材602および半剛性支持部材622内の間隙624は、腎リンパ管608の周囲に位置付け可能であるように、リング形状のデバイスを開放させ得る。
【0041】
次に図14を参照すると、図13の線14−14’に沿った、図13の閉塞デバイスの断面図が示される。支持部材622は半剛性であるため、腎リンパ管608の内腔614に向かって内側に密閉容積606の拡張を誘導する役割を果たす。いくつかの実施形態では、支持部材は、ポリマーまたは金属から構成され得る。
【0042】
しかしながら、腎リンパ管外に配置されるように構成される閉塞デバイスのいくつかの実施形態は、支持部材を欠くことが可能である。例えば、次に図15を参照すると、支持部材を欠く、閉塞デバイスの実施形態が示される。閉塞デバイスは、密閉容積を画定する壁部材702を含むことが可能である。壁部材702は、半透膜を含むことが可能であって、その実施例は、以下に詳述される。閉塞デバイスは、腎リンパ管708の周囲に巻回可能である。壁部材706内の間隙724は、腎リンパ管708の周囲に巻回可能なように、デバイスを開放させ得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、閉塞デバイスの密閉容積は、デバイスが最初に製造される際、溶媒および溶質を含む溶液によって充填可能である。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスが最初に製造される際、約280mOsm/kg〜約303mOsm/kgの浸透圧モル濃度を伴う溶液が、密閉容積内に配置される。しかしながら、他の実施形態では、デバイスは、患者内への挿入直前に、所望の溶質濃度を有する溶液で充填可能であるように構成可能である。例えば、概して、高濃度の溶質を伴う溶液の使用は、患者内に位置付けられた後、デバイスの密閉容積のより大きな初期膨張または拡大をもたらすであろう。したがって、いくつかの実施形態では、溶液の溶質濃度は、移植前に、医師によって操作可能である。例えば、デバイスが、特に大きな腎リンパ管内またはその周囲に配置される場合、密閉容積内の溶液の開始浸透圧モル濃度は、閉塞デバイスのより大きな初期膨張または拡大が生じるように上昇させることが可能である。しかしながら、他の状況下では、より小さなサイズが所望される場合、患者内への移植前に、より低濃度の溶質の溶液をデバイス内に挿入可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のような閉塞デバイスおよび異なる溶質濃度の溶液のセットを含むキットが提供され、そこから、医療専門家が使用のために選択可能である。
【0044】
次に図16を参照すると、注入ポートを伴う閉塞デバイスの実施形態が示される。閉塞デバイスは、密閉容積を画定する壁部材802を含むことが可能である。壁部材802は、半透膜を含むことが可能であって、その実施例は、以下に詳述される。半剛性支持部材822は、壁部材802の外周の周囲に配置可能である。注入ポート826は、壁部材802上に配置可能である。注入ポート826は、注射器828をデバイス内に挿入させ、デバイスの密閉容積内に溶液を送達可能である。注入ポート826は、注射器828の針が抜脱されると、漏出を防止する自己封止材料のプラグを含むことが可能である。例えば、ある実施形態では、注入ポート826は、弾性特性を伴うポリマーを含むことが可能である。ある実施形態では、注入ポート826は、ポリシロキサンポリマーを含むことが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、腎リンパ管に隣接して配置可能であって、腎リンパ管の閉塞をもたらす方向に拡張するように構成可能である。次に図17を参照すると、本発明の別の実施形態による、閉塞デバイス850が示される。閉塞デバイス850は、密閉容積を画定する壁部材852を含むことが可能である。壁部材852は、半透膜を含むことが可能であって、その実施例は、以下に詳述される。半剛性支持部材876は、壁部材852の内周の周囲に配置可能である。いくつかの実施形態では、半剛性支持部材876は、半透膜を含むことが可能である。閉塞デバイス850は動脈または静脈等の任意の種類の血管状構造であり得る、第1の血管858の周囲に巻回可能である。密閉容積は、デバイス850を囲繞する体液内の浸透圧モル濃度の変化の結果、矢印878の方向に拡張可能である。拡張は、デバイス850が隣接する腎リンパ管880上に力を付与し、それを閉塞する程度に生じ得る。半剛性支持部材876は、密閉容積の拡張による第1の血管858の閉塞を防止し、外側方向への拡張に集中させることが可能である。ハーネス882またはストラップを含み、デバイス850が拡張する際、隣接する腎リンパ管880が容易に離脱するのを防止することが可能である。ハーネス882は、隣接する腎リンパ管880の周囲に巻回される材料のループを含むことが可能である。また、ハーネス882は、リンパ管の長手方向軸(流体流動軸)に対して閉塞デバイスの位置を維持し、流体流動を閉塞する機能を果たすことが可能であるため、位置決め部材の実施例としての役割を果たし得る。
【0046】
いくつかの事例では、動脈および/または静脈内の浸透圧モル濃度の変化により直接的に反応するように、デバイスを構成することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、閉塞デバイスは、壁部材から、動脈または静脈壁内の開口を通して、動脈または静脈内部の内腔内へと通過する指状突起または突出部材を含むことが可能である。突起は、半透膜を含むことが可能であって、閉塞デバイスの密閉容積と流体連通可能である。いくつかの実施形態では、閉塞デバイスの他の部分は、不浸透性である。したがって、閉塞デバイスの拡張および収縮は、特に、動脈または静脈の内腔内の血漿の浸透圧モル濃度の変化に敏感であるように成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、デバイスの過拡張は、安全性の目的から制御可能である。種々の技術および構造を使用して、過拡張を防止可能である。例えば、ある実施形態では、非可撓性バンドをデバイス上に配置可能であって、非可撓性バンドは、閉塞デバイスの最大許容可能サイズに対応する円周を有する。別の実施形態では、デバイスは、圧力解放弁を含むことが可能であって、弁は、ある閾値圧力が閉塞デバイス内で到達されると、開放するように構成される。次に図18を参照すると、圧力解放弁を伴う閉塞デバイスの実施形態が示される。閉塞デバイスは、密閉容積を画定する壁部材902を含むことが可能である。壁部材902は、半透膜を含むことが可能であって、その実施例は、以下に詳述される。圧力解放弁926は、壁部材902上に配置可能である。圧力解放弁926は、壁部材902によって密閉される領域内の圧力が閾値量を超えると、開放するように構成可能である。したがって、密閉容積内の圧力が過度に高くなり、壁部材902が破裂する、または壁部材902によって密閉される領域が望ましくなく大きくなるのを防止する。多くの異なる種類の圧力解放弁926が当業者には周知であって、使用可能である。
【0048】
(半透膜)
本発明の実施形態は、半透膜を含むことが可能である。本明細書で使用される用語「半透膜」は、半透膜を浸透過程において使用可能であるように、溶媒に対して浸透性であるが、1つ以上の溶質に対して不浸透性である膜を指すものとする。例示的溶質は、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、ブドウ糖、および他の炭水化物、タンパク質(アルブミン等)、グリコサミノグリカン等を含む、塩およびそのイオン等の体液内に見られる化学化合物を含むことが可能である。膜等の物品に適用される用語「不浸透性」は、その物質を通る1つ以上の化合物の通過を実質的に遮断するものを指すものとする。
【0049】
半透膜は、多くの異なる種類の材料から構築可能であることを理解されたい。例えば、半透膜は、セルロース、セルロース誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリシロキサン等のポリマーを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、半透膜は、ヒドロゲルを含むことが可能である。材料の特定の選択肢は、所望の引裂強度、所望の可撓性等の要因に依存し得る。ある実施形態では、半透膜は、生体適合性材料を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、半透膜は、多孔性であることが可能である。孔は、水分子を通過させる大きさであるが、体液内に見られる種々の溶質の通過を防止するのに十分小さい直径を有し得る。
【0051】
半透膜は、使用条件下、引裂を防止する強度を提供するために十分な厚さを有することが可能である。しかしながら、半透膜は、可撓性を維持するために十分薄くあることが可能である。いくつかの実施形態では、半透膜は、約1ナノメートル〜約2ミリメートルの厚さである。いくつかの実施形態では、半透膜は、多層材料を含むことが可能である。例えば、図19を参照すると、多層半透膜950構造の実施形態が示される。第1の層972は、第2の層974の真下に配置される。第1の層972および第2の層974は、同一材料または異なる材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、第1の層972は、第2の層974に固定される。例えば、第1の層972と第2の層974との間に接着剤を配置可能である。いくつかの実施形態では、第1の層972および第2の層974は、超音波溶接または類似技術等を通して、熱的に溶接される。
【0052】
いくつかの実施形態では、半透膜は、その有効表面積を増加させるために、窪み等の不定形形状表面または種々の種類の表面特徴を有することが可能である。
【0053】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途明示的に記載されない限り、複数の参照も含むことに留意されたい。また、用語「または」は、概して、別途明示的に記載されない限り、「および/または」を含む意味で使用されることに留意されたい。
【0054】
また、本明細書および添付の請求項において使用されるように、語句「構成される」は、システム、装置、もしくは特定のタスクを実施または特定の構成を採用するように構築あるいは構成される他の構造を説明することに留意されたい。語句「構成される」は、「配列される」、「配列および構成される」、「構築および配列される」、「構築される」、「製造および配列される」等、他の類似語句と同義で使用可能である。
【0055】
本明細書内のあらゆる刊行物および特許出願は、本発明が関連する当業者レベルを指す。あらゆる刊行物および特許出願は、各個々の刊行物および特許出願が、参照によって具体的かつ個々に示されるように、参照することによって、本明細書に援用される。
【0056】
本願は、本主題の適合例または変形例を網羅することを意図する。上述の説明は、例証であって、制限するものではないことを理解されたい。本発明の主題の範囲は、添付の特許請求の範囲とともに、そのような請求項の権利が付与された均等物の全範囲を参照することによって、決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能閉塞デバイスであって、
密閉容積を画定する壁部材であって、該壁部材は半透膜を備える、壁部材と、
溶媒および溶質を含む溶液であって、該溶液は該密閉容積内に配置される、溶液と、
位置決め部材であって、該位置決め部材は、リンパ管の長手方向軸に対する該移植可能閉塞デバイスの位置を維持するように構成される、位置決め部材と
を備え、
該半透膜は、該溶媒に対して浸透性であり、該溶質に対して不浸透性である、半透膜と、
該密閉容積は、体液の浸透圧モル濃度の低下に応じて拡張し、体液の浸透圧モル濃度の上昇に応じて収縮するように構成される、デバイス。
【請求項2】
前記半透膜は、生体適合性材料を含む、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項3】
前記溶質は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項4】
前記半透膜は、ポリマーを含む、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項5】
前記半透膜は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項4に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項6】
前記壁部材は、前記溶媒および前記溶質の両方に対して不浸透性の膜を備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項7】
前記位置決め部材は、前記密閉容積の外周の周囲に配置される剛性支持部材を備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項8】
前記剛性支持部材は、環状形状を備える、請求項7に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項9】
前記密閉容積内の前記溶液の浸透圧モル濃度を感知するように構成される浸透圧モル濃度センサをさらに備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項10】
前記密閉容積内の圧力を感知するように構成される圧力センサをさらに備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項11】
前記位置決め部材は、前記壁部材に連結されるリード体を備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項12】
前記リード体内に配置される導体をさらに備える、請求項11に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項13】
前記位置決め部材は、腎リンパ管の内面に係合するように構成される、1つ以上の付属器を備える、請求項1に記載の移植可能閉塞デバイス。
【請求項14】
患者内の腎機能を変調する方法であって、
閉塞デバイスを該患者内に移植することであって、該閉塞デバイスは、半透膜を備え、該閉塞デバイスは、該半透膜にわたる流体の通過に基づいて、拡張または収縮するように構成される、ことと、
該閉塞デバイスによって、腎リンパ管を閉塞することと
を包含する、方法。
【請求項15】
前記閉塞デバイスを前記患者の腎リンパ管内に移植することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記閉塞デバイスを前記患者の腎リンパ管外に移植することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記閉塞デバイスは、体液の浸透圧モル濃度の低下に応じて拡張するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記閉塞デバイスは、腎リンパ管内の体液の浸透圧モル濃度の低下に応じて拡張するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記閉塞デバイスは、体液の浸透圧モル濃度の上昇に応じて収縮するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記閉塞デバイスは、腎リンパ管内の体液の浸透圧モル濃度の上昇に応じて収縮するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記閉塞デバイスは、密閉容積を画定する、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
溶媒および溶質を含む溶液を前記密閉容積内に挿入することをさらに包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
心不全代償不全および/または高血圧を含む血液量過多状態を治療する方法であって、
閉塞デバイスを患者内に移植することであって、該閉塞デバイスは、半透膜を備え、該閉塞デバイスは、該半透膜にわたる流体の通過に基づいて、拡張または収縮するように構成される、ことと、
該閉塞デバイスによって腎リンパ管を閉塞することと
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2010−532206(P2010−532206A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514743(P2010−514743)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/074502
【国際公開番号】WO2009/005529
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】