説明

利用者環境復元システムおよび利用者環境復元方法

【課題】第1の端末の利用者環境を第2の端末に自動的に復元する。
【解決手段】利用者端末101は、利用者端末101の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成するOS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112およびデータファイル取得・記憶手段113と、利用者環境情報テーブルを外部記憶装置102に記憶させる記憶手段114とを有する。共用端末103は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127を読み取り、利用者環境情報テーブル127に基づいて共用端末103に利用者端末101の利用者環境を復元するOS設定情報復元手段128、ネットワーク設定情報復元手段129、アプリケーション設定情報復元手段130およびデータファイル復元手段131を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の端末の利用者環境を第2の端末に復元する利用者環境復元システムおよびその利用者環境復元方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業のITシステムの高度化が進み、オフィスでのPCの利用が一般的になっている。オフィスでのPCの利用としてはさまざまな形態があるが、たとえば複数の利用者が利用することができる共用端末を提供するものがある。この形態において、従来は、利用者が利用者端末のデータファイルをフラッシュメモリ等の外部記憶装置に記憶し、共用端末に外部記憶装置を接続して利用している。
【0003】
非特許文献1には、PCのデスクトップ、フォルダ、メールソフトの各種情報、ブラウザの履歴、Cookie等をUSBメモリを用いて持ち歩ける技術が開示されている。
【非特許文献1】http://www.finaldata.jp/product/mp1_1.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術においては、利用者端末の環境情報であるOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報がUSBメモリに保存されていないため、共用端末を利用者端末と同一の環境とするためには、利用者端末と同一の環境設定を手動で行わなければならない。
【0005】
この問題を解決するためには、利用者端末のOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報をダンプして共用端末に合ったOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報を復元するためのスクリプト(コマンド列)を予め作成する必要がある。しかしながら、共用端末のOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報は一定でないため、汎用的に作成することが困難である。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、第1の端末の利用者環境を第2の端末に自動的に復元することが可能な利用者環境復元システムおよび利用者環境復元方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、本発明においては、第1の端末の利用者環境を第2の端末に復元する利用者環境復元システムにおいて、上記第1の端末は、上記第1の端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段と、上記情報テーブル生成手段が生成した上記利用者環境情報テーブルを外部記憶装置に記憶させる記憶手段とを有し、上記第2の端末は、上記外部記憶装置に記憶された上記利用者環境情報テーブルを読み取り、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記第2の端末に上記第1の端末の上記利用者環境を復元する環境復元手段を有することを特徴とする。
【0008】
この場合、上記利用者環境情報は、上記第1の端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記第1の端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記第1の端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有することを特徴としてもよい。
【0009】
これらの場合、上記利用者環境情報テーブルは、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有することを特徴としてもよい。
【0010】
この場合、上記環境復元手段は、上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記第1の端末の上記利用者環境を復元することを特徴としてもよい。
【0011】
また、第1の端末の利用者環境を第2の端末に復元する利用者環境復元システムにおける利用者環境復元方法において、上記第1の端末が、上記第1の端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップと、上記第1の端末が、上記情報テーブル生成ステップにおいて生成した上記利用者環境情報テーブルを外部記憶装置に記憶させる記憶ステップと、上記第2の端末が、上記外部記憶装置に記憶された上記利用者環境情報テーブルを読み取り、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記第2の端末に上記第1の端末の上記利用者環境を復元する環境復元ステップとを有することを特徴としてもよい。
【0012】
この場合、上記利用者環境情報は、上記第1の端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記第1の端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記第1の端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有することを特徴としてもよい。
【0013】
これらの場合、上記利用者環境情報テーブルは、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有することを特徴としてもよい。
【0014】
この場合、上記環境復元ステップは、上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記第1の端末の上記利用者環境を復元することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る利用者環境復元システムおよび利用者環境復元方法においては、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成するから、第1の端末の利用者環境を第2の端末に自動的に復元することができる。
【0016】
また、利用者環境情報テーブルが、第1の端末の利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、第1の端末の利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、第1の端末の利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有するときには、第1の端末の利用者環境を復元する権限を持った利用者のみが、正しい順序で第1の端末の利用者環境を適切に復元することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
最初に、図1を用いて、利用者環境復元システムの構成について説明する。図1は、本発明に係る利用者環境復元システムの構成図である。図に示すように、この利用者環境復元システムは、利用者端末101(第1の端末)、外部記憶装置102、共用端末103(第2の端末)を備えている。
【0018】
利用者端末101は、アプリケーション一覧情報取得手段104、アプリケーション選択一覧情報生成手段105、アプリケーション選択一覧情報記憶手段106、データファイル一覧情報取得手段107、データファイル選択一覧情報生成手段108、データファイル選択一覧情報記憶手段109、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112、データファイル取得・記憶手段113、記憶手段114、一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118を備えている。
【0019】
外部記憶装置102は、一覧情報記憶部123、利用者環境情報テーブル記憶部126を備えている。
【0020】
共用端末103は、OS設定情報復元手段128、ネットワーク設定情報復元手段129、アプリケーション設定情報復元手段130、データファイル復元手段131、利用者環境情報記憶部132を備えている。
【0021】
利用者端末101、共用端末103は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)であり、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス等を有し、特にハードディスクには、ブラウザプログラムが記憶されている。さらに、携帯端末、インターネット接続機能付携帯電話、PDA等も含まれる。
【0022】
外部記憶装置102は、たとえばUSBメモリ、CD、DVD、FD、MO、メモリースティックであり、データを記憶することができる装置であれば、いかなる装置であってもよい。なお、データのセキュリティを強化するため、データを暗号化して書き込み、データを復号化して読み込むことができるものが望ましい。
【0023】
アプリケーション一覧情報取得手段104は、利用者端末101からアプリケーション一覧情報(利用者端末101にインストールされたすべてのアプリケーションの一覧情報)116を取得する。アプリケーション選択一覧情報生成手段105は、利用者がアプリケーション一覧情報取得手段104により取得されたアプリケーション一覧情報116から選択したアプリケーションの一覧情報すなわちアプリケーション選択一覧情報を生成する。アプリケーション選択一覧情報記憶手段106は、アプリケーション選択一覧情報124を外部記憶装置102に記憶する。
【0024】
データファイル一覧情報取得手段107は、利用者端末101からデータファイル一覧情報(利用者端末101に記憶されたデータファイル(フォルダを含む)の一覧情報)117を取得する。データファイル選択一覧情報生成手段108は、利用者がデータファイル一覧情報取得手段107により取得されたデータファイル一覧情報117から選択したデータファイルの一覧情報すなわちデータファイル選択一覧情報を生成する。データファイル選択一覧情報記憶手段109は、データファイル選択一覧情報125を外部記憶装置102に記憶する。
【0025】
OS設定情報取得・記憶手段110は、利用者端末101に記憶されたOS設定情報(OSを復元するための情報:サービス群、環境変数群、起動ファイル群、レジストリ群等)119を取得し、OS設定情報119を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。ネットワーク設定情報取得・記憶手段111は、利用者端末101に記憶されたネットワーク設定情報(ネットワークを復元するための情報:共用情報、アクセス権限等)120を取得し、ネットワーク設定情報120を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。
【0026】
アプリケーション設定情報取得・記憶手段112は、アプリケーション選択一覧情報124に基づいて、利用者端末101に記憶されたアプリケーション設定情報(アプリケーションを復元するための情報:設定ファイル、レジストリ、環境変数等)121を取得し、アプリケーション設定情報121を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。データファイル取得・記憶手段113は、データファイル選択一覧情報125に基づいて、利用者端末101に記憶されたデータファイル122を取得し、データファイル122を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。記憶手段114は、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112およびデータファイル取得・記憶手段113によって生成された利用者環境情報テーブルを外部記憶装置102に記憶させる。
【0027】
一覧情報記憶部115は、少なくともアプリケーション一覧情報116、データファイル一覧情報117を有している。利用者環境情報記憶部118は、少なくともOS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122を有している。
【0028】
一覧情報記憶部123は、少なくともアプリケーション選択一覧情報124、データファイル選択一覧情報125を有している。利用者環境情報テーブル記憶部126は、少なくとも利用者環境情報テーブル127を有している。
【0029】
ここで、利用者環境情報テーブル127とは、OS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122からなる利用者環境情報に関する情報が記憶されるテーブルである。図2は、利用者環境情報テーブルの属性を示す図である。図に示すように、利用者環境情報テーブル127は、少なくとも情報区分(データの区分:OS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報、データファイル等)、グループ名(データにアクセスするアプリケーション名)、情報種別(データの構成形式:ファイル、環境変数、レコード、レジストリ等)、パス名(データにアクセスするための参照アドレス)、データ名、設定名(データ内の参照項目)、データ型(設定値の型:文字列、文字、整数等)、設定値(設定名が持つ値)、復元順序(共用端末103に復元するための順序)、管理権限(情報区分と情報種別に応じて復元するための権限:利用者権限、管理者権限等)、依存関係(他のデータとの依存関係に基づいて復元制約があるか否かの情報)の属性から構成される。
【0030】
OS設定情報復元手段128は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、OS設定情報133を復元するためのOS設定スクリプト(OS設定情報133を復元するためのコマンド列)を作成する。また、このOS設定情報復元手段128は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてOS設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にOS設定情報133を復元し、OS設定情報133を共用端末103に記憶する。ネットワーク設定情報復元手段129は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、ネットワーク設定情報134を復元するためのネットワーク設定スクリプト(ネットワーク設定情報134を復元するためのコマンド列)を作成する。また、このネットワーク設定情報復元手段129は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてネットワーク設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にネットワーク設定情報134を復元し、ネットワーク設定情報134を共用端末103に記憶する。
【0031】
アプリケーション設定情報復元手段130は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、アプリケーション設定情報135を復元するためのアプリケーション設定スクリプト(アプリケーション設定情報135を復元するためのコマンド列)を作成する。また、このアプリケーション設定情報復元手段130は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてアプリケーション設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にアプリケーション設定情報135を復元し、アプリケーション設定情報135を共用端末103に記憶する。データファイル復元手段131は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127からデータファイル136を取得し、データファイル136を共用端末103に記憶することにより、共用端末103にデータファイル136を復元する。
【0032】
利用者環境情報記憶部132は、少なくともOS設定情報133、ネットワーク設定情報134、アプリケーション設定情報135、データファイル136を有している。
【0033】
ここで、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112、データファイル取得・記憶手段113は、第1の端末の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段に相当する。また、OS設定情報復元手段128、ネットワーク設定情報復元手段129、アプリケーション設定情報復元手段130、データファイル復元手段131は、外部記憶装置に記憶された利用者環境情報テーブルを読み取り、利用者環境情報テーブルに基づいて第2の端末に第1の端末の利用者環境を復元する環境復元手段に相当する。
【0034】
続いて、図3を用いて、利用者端末101のハードウェア構成について説明する。図3は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。図に示すように、この利用者端末101は、CPU302、ROM303、RAM304より構成される制御部301、入力装置305、出力装置306、入出力制御回路307、一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0035】
制御部301は、利用者端末101を実現するための種々な演算処理を実行する。CPU302は、中央処理装置であり、ROM303に記憶されたメインプログラムや、RAM304等に展開されたプログラム、一時的に記憶されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。
【0036】
入力装置305は、たとえばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置305により一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118へデータを入力できる。出力装置306は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路307は、外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0037】
一覧情報記憶部115は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この一覧情報記憶部115は、少なくともアプリケーション一覧情報116、データファイル一覧情報117を有している。
【0038】
利用者環境情報記憶部118は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この利用者環境情報記憶部118は、少なくともOS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122を有している。
【0039】
続いて、図4を用いて、共用端末103のハードウェア構成について説明する。図4は、共用端末のハードウェア構成を示す図である。図に示すように、この共用端末103は、CPU402、ROM403、RAM404より構成される制御部401、入力装置405、出力装置406、入出力制御回路407、利用者環境情報記憶部132を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0040】
制御部401は、共用端末103を実現するための種々な演算処理を実行する。CPU402は、中央処理装置であり、ROM403に記憶されたメインプログラムや、RAM404等に展開されたプログラム、一時的に記憶されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。
【0041】
入力装置405は、たとえばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置405により利用者環境情報記憶部132へデータを入力できる。出力装置406は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路407は、外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0042】
利用者環境情報記憶部132は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この利用者環境情報記憶部132は、少なくともOS設定情報133、ネットワーク設定情報134、アプリケーション設定情報135、データファイル136を有している。
【0043】
続いて、図5を用いて、図1に示した利用者環境復元システムの動作すなわち本発明に係る利用者環境復元方法について説明する。図5は、本発明に係る利用者環境復元方法の動作を示すフローチャートである。
【0044】
まず、アプリケーション一覧情報取得手段104は、利用者端末101からアプリケーション一覧情報116を取得する(ステップS501)。つぎに、アプリケーション選択一覧情報生成手段105は、利用者がアプリケーション一覧情報取得手段104により取得されたアプリケーション一覧情報116から選択したアプリケーションの一覧情報すなわちアプリケーション選択一覧情報を生成する(ステップS502)。つぎに、アプリケーション選択一覧情報記憶手段106は、アプリケーション選択一覧情報124を外部記憶装置102に記憶する(ステップS503)。
【0045】
つぎに、データファイル一覧情報取得手段107は、利用者端末101からデータファイル一覧情報117を取得する(ステップS504)。つぎに、データファイル選択一覧情報生成手段108は、利用者がデータファイル一覧情報取得手段107により取得されたデータファイル一覧情報117から選択したデータファイルの一覧情報すなわちデータファイル選択一覧情報を生成する(ステップS505)。つぎに、データファイル選択一覧情報記憶手段109は、データファイル選択一覧情報125を外部記憶装置102に記憶する(ステップS506)。
【0046】
つぎに、OS設定情報取得・記憶手段110は、利用者端末101に記憶されたOS設定情報119を取得し、OS設定情報119を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS507)。つぎに、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111は、利用者端末101に記憶されたネットワーク設定情報120を取得し、ネットワーク設定情報120を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS508)。
【0047】
つぎに、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112は、アプリケーション選択一覧情報124に基づいて、利用者端末101に記憶されたアプリケーション設定情報121を取得し、アプリケーション設定情報121を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS509)。つぎに、データファイル取得・記憶手段113は、データファイル選択一覧情報125に基づいて、利用者端末101に記憶されたデータファイル122を取得し、データファイル122を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS510)。つぎに、記憶手段114は、利用者環境情報テーブルを外部記憶装置102に記憶させる(記憶ステップ)。
【0048】
つぎに、OS設定情報復元手段128は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、OS設定情報133を復元するためのOS設定スクリプトを作成する。また、このOS設定情報復元手段128は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてOS設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にOS設定情報133を復元し、OS設定情報133を共用端末103に記憶する(ステップS511)。つぎに、ネットワーク設定情報復元手段129は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、ネットワーク設定情報134を復元するためのネットワーク設定スクリプトを作成する。また、このネットワーク設定情報復元手段129は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてネットワーク設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にネットワーク設定情報134を復元し、ネットワーク設定情報134を共用端末103に記憶する(ステップS512)。
【0049】
つぎに、アプリケーション設定情報復元手段130は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、アプリケーション設定情報135を復元するためのアプリケーション設定スクリプトを作成する。また、このアプリケーション設定情報復元手段130は、利用者環境情報テーブル127の情報に基づいてアプリケーション設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にアプリケーション設定情報135を復元し、アプリケーション設定情報135を共用端末103に記憶する(ステップS513)。つぎに、データファイル復元手段131は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル127からデータファイル136を取得し、データファイル136を共用端末103に記憶することにより、共用端末103を復元する(ステップS514)。
【0050】
ここで、ステップS507〜S510は、第1の端末が、第1の端末の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップに相当する。また、ステップS511〜S514は、第2の端末が、外部記憶装置に記憶された利用者環境情報テーブルを読み取り、利用者環境情報テーブルに基づいて第2の端末に第1の端末の利用者環境を復元する環境復元ステップに相当する。
【0051】
このような利用者環境復元システム、利用者環境復元方法においては、外部記憶装置102に利用者環境情報テーブル127を記憶するから、利用者端末101の利用者環境情報を共用端末103に自動的に復元することができる。
【0052】
すなわち、たとえば共用端末103を提供・利用する行政機関、民間企業等を対象に、共用端末103を利用する場合において、共用端末103に利用者端末101の利用者環境情報を手動でなく自動で復元することにより、共用端末103を利用者端末101とすることができる。
【0053】
また、利用者環境情報テーブル127が、共用端末103の利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、共用端末103の利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、共用端末103の利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有するときには、利用者端末101の利用者環境を復元する権限を持った利用者のみが、正しい順序で利用者端末101の利用者環境を適切に復元することができる。
【0054】
また、たとえば利用者端末101の利用者環境情報のバックアップを取得するため、利用者端末101の故障や設備更改に伴い他の端末に移行する場合でも容易に元の利用者環境を復元することができる。
【0055】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る利用者環境復元システムの構成図である。
【図2】利用者環境情報テーブルの属性を示す図である。
【図3】利用者端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】共用端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明に係る利用者環境復元方法の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
101…利用者端末
102…外部記憶装置
103…共用端末
110…OS設定情報取得・記憶手段
111…ネットワーク設定情報取得・記憶手段
112…アプリケーション設定情報取得・記憶手段
113…データファイル取得・記憶手段
114…記憶手段
119…OS設定情報
120…ネットワーク設定情報
121…アプリケーション設定情報
122…データファイル
127…利用者環境情報テーブル
128…OS設定情報復元手段
129…ネットワーク設定情報復元手段
130…アプリケーション設定情報復元手段
131…データファイル復元手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末の利用者環境を第2の端末に復元する利用者環境復元システムにおいて、
上記第1の端末は、
上記第1の端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段と、
上記情報テーブル生成手段が生成した上記利用者環境情報テーブルを外部記憶装置に記憶させる記憶手段とを有し、
上記第2の端末は、
上記外部記憶装置に記憶された上記利用者環境情報テーブルを読み取り、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記第2の端末に上記第1の端末の上記利用者環境を復元する環境復元手段を有する
ことを特徴とする利用者環境復元システム。
【請求項2】
上記利用者環境情報は、
上記第1の端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記第1の端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記第1の端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用者環境復元システム。
【請求項3】
上記利用者環境情報テーブルは、
上記第1の端末の上記利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の利用者環境復元システム。
【請求項4】
上記環境復元手段は、
上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記第1の端末の上記利用者環境を復元する
ことを特徴とする請求項3に記載の利用者環境復元システム。
【請求項5】
第1の端末の利用者環境を第2の端末に復元する利用者環境復元システムにおける利用者環境復元方法において、
上記第1の端末が、上記第1の端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップと、
上記第1の端末が、上記情報テーブル生成ステップにおいて生成した上記利用者環境情報テーブルを外部記憶装置に記憶させる記憶ステップと、
上記第2の端末が、上記外部記憶装置に記憶された上記利用者環境情報テーブルを読み取り、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記第2の端末に上記第1の端末の上記利用者環境を復元する環境復元ステップとを有する
ことを特徴とする利用者環境復元方法。
【請求項6】
上記利用者環境情報は、
上記第1の端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記第1の端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記第1の端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の利用者環境復元方法。
【請求項7】
上記利用者環境情報テーブルは、
上記第1の端末の上記利用者環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記第1の端末の上記利用者環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の利用者環境復元方法。
【請求項8】
上記環境復元ステップは、
上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記第1の端末の上記利用者環境を復元する
ことを特徴とする請求項7に記載の利用者環境復元方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−223753(P2009−223753A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69197(P2008−69197)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】