説明

制御システム

【課題】書き換えを行う制御装置と書き換え対象の制御装置が、ゲートウェイを介して通信を行う制御システムにおいて、簡易な構成でプログラム書き換えに要する時間を短縮するプログラム書き換え方法を得る。
【解決手段】第一のネットワーク104に接続された第一の制御装置101が、第二のネットワーク105に接続された第三の制御装置103のプログラム書き換えを行う際、第一のネットワーク104と第二のネットワーク105に接続された第二の制御装置102は、第一のネットワーク104と第二のネットワーク105を物理的に接続し、第一の制御装置101は、第三の制御装置103へ書き換え用データを直接送信することでプログラム書き換えを行う構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両ネットワーク等、複数の制御装置がネットワークに接続された制御システムに関し、特にこのような制御システムの環境において、これら制御装置のプログラムの書き換え方法を改良した制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在車両には、ECU(Electric Control Unit:電子制御装置)が数多く搭載されて
おり、それぞれがネットワークを介してデータの送受信を行っている。これらの電子制御装置は、電子制御装置が保持するプログラムに基づいて動作している。
電子制御装置のプログラムは、電子制御装置の生産時に書き込まれるだけでなく、車両搭載後にも書き換えることがある。そのため、電子制御装置を車両から取り外すことなく、プログラムの書き換えを行うことが必要となっている。
【0003】
そこで、電子制御装置を車両から取り外すことなく、ネットワークを介して制御装置のプログラムを書き換えることが一般的に実施されている。
また、ネットワーク負荷の分散などを目的に、制御装置が接続されるネットワークを複数のネットワークに分割し、それぞれのネットワークを、ゲートウェイを介して接続する形態がある。
このような場合、書き換えを行う制御装置と、書き換え対象の制御装置が同一のネットワークに接続されているとは限らず、別のネットワークに接続されていた場合、書き換えを行う制御装置は、ゲートウェイを介して書き換え対象のプログラムの書き換えを行う必要がある。
【0004】
このような中、書き換えを行う制御装置と、書き換え対象の制御装置がゲートウェイを介して接続された車載ネットワークシステムにおいて、プログラム書き換えに要する時間を短縮することを目的としたデータ送信方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
図14は特許文献1で提案されているデータ送信方法の説明図である。以下、図14を用いて、特許文献1で提案されているデータ送信方法について述べる。
特許文献1に記載のデータ送信方法では、書き換えを行う制御装置61はゲートウェイ62へ書き換え用データを送信する。そして、ゲートウェイ62は、複数のネットワーク63、64にそれぞれ接続された書き換え対象の制御装置65、66へ、書き換え用データの送信を並行して行う。
このように、複数の制御装置の書き換えを並行して行うことで、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のデータ送信方法では、一つの制御装置のプログラム書き換えを行う場合においても、書き換えを行う制御装置61は、書き換え対象の制御装置65、66へ、ゲートウェイ62を介して書き換え用データを送信するため、ゲートウェイ62におけるデータ転送処理が必要となり、プログラム書き換えに要する時間を短縮するといった効果を十分に得ることができなかった。
【0007】
そこで、このようなゲートウェイにおけるデータ転送処理を不要とすることで、プログラム書き換えに要する時間を短縮するプログラム書き換え方法が提案されている(特許文献2参照)。
図15(A)は、特許文献2で示している、従来より行われているゲートウェイによるデータ転送処理を必要とするプログラム書き換え方法の説明図であり、図15(B)は、
特許文献2で提案している、ゲートウェイによるデータ転送処理を必要としないプログラム書き換え方法の説明図である。
【0008】
まず、図15(A)を用いて、書き換えを行う制御装置であるパソコン4が、書き換え対象の制御装置であるCPU回路部8のフラッシュメモリ82の内容を書き換える手順について説明する。
パソコン4は、書き換え用データ41をCPU回路部7へ送信する。そして、CPU回路部7は書き換え用データ41を、RAM73へ保存する。CPU回路部7は、シリアルI/Fコントローラ75を介して、CPU回路部8へ書き換え用データ41を転送する。CPU回路部8は、CPU回路部7から受信した書き換え用データ41を基に、フラッシュメモリ82の内容を書き換える。
このように、パソコン4がCPU回路部8のフラッシュメモリ82の内容を書き換える際、CPU回路部7がゲートウェイとなり、CPU回路部7のシリアルI/Fコントローラ75を介した書き換え用データ41の転送処理が行われる。
【0009】
次に、図15(B)を用いて、書き換えを行う制御装置であるパソコン4が、書き換え対象の制御装置であるCPU回路部2のフラッシュメモリ22の内容を書き換える手順について説明する。
特許文献2に記載のプログラム書き換え方法では、図15(B)に示すように、CPU回路部1のメモリマップに、CPU回路部2のフラッシュメモリ22を予めマッピングしておく。
パソコン4は、CPU回路部1へ、CPU回路部2のフラッシュメモリ22の書き換え開始の通知を行う。そして、CPU回路部1はシリアルI/Fコントローラ15を介して、CPU回路部2へフラッシュメモリ22の書き換え開始の通知を行う。
【0010】
書き換え開始の通知を受けたCPU回路部2は、フラッシュメモリ22をバス26から切り離し、バス16へ切り替え接続することでCPU回路部1がフラッシュメモリ22の内容を書き換えるようにする。このことにより、書き換え対象の制御装置が、CPU回路部2からCPU回路部1へ変更される。
そして、パソコン4は、書き換え用データ41をCPU回路部1へ送信する。CPU回路部1は、受信した書き換え用データ41を基に、フラッシュメモリ22の内容を書き換える。
【0011】
このように、パソコン4がCPU回路部2のフラッシュメモリ22の内容を書き換える際、CPU回路部2ではなくCPU回路部1がフラッシュメモリ22の内容を書き換えるようにすることで、CPU回路部1のシリアルI/Fコントローラ15を介した書き換え用データ41の転送処理が不要となり、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−271891号公報
【特許文献2】特開2002−73359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献2のプログラム書き換え方法では、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができるものの、CPU回路部2のフラッシュメモリ22の書き換えの際、ゲートウェイであるCPU回路部1および書き換え対象の制御装置であるCPU回路部2の両方に特別な仕組みが必要になるという問題があった。
例えば、CPU回路部1は、CPU回路部2のフラッシュメモリ22を、自身のメモリマップに予めマッピングしておく必要がある。さらに、CPU回路部2は、CPU回路部2のフラッシュメモリ22をバス26から切り離すための機能と、バス16へ切り替え接続するための機能を備える必要がある。
【0014】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、書き換えを行う制御装置と書き換え対象の制御装置が、ゲートウェイを介して通信を行う制御システムにおいて、簡易な構成でプログラム書き換えに要する時間を短縮することができる制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係わる制御システムは、第一の制御装置と第二の制御装置が第一のネットワークに接続され、第二の制御装置と第三の制御装置が第二のネットワークに接続され、第一の制御装置と第三の制御装置が第二の制御装置を介して通信を行う制御システムにおいて、
第一の制御装置は、第一のネットワークを介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部と、第三の制御装置の動作を決定するプログラムを書き換えるための書き換え用プログラムを保管する書き換え用プログラム保管部と、第三の制御装置のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを、第一の通信インタフェース部により送信する書き換え処理開始通知処理部と、書き換え用プログラムから一つ以上の書き換え用データを形成して、第一の通信インタフェース部により送信するプログラム送信処理部を備え、
第二の制御装置は、第一のネットワークを介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部と、第二のネットワークを介してデータの送受信を行う第二の通信インタフェース部と、第一のネットワークと第二のネットワークを物理的に接続および切断を行う切り替えスイッチと、切り替えスイッチを制御する切り替えスイッチ制御部を備え、
第三の制御装置は、第二のネットワークを介してデータの送受信を行う第二の通信インタフェース部と、第三の制御装置の動作を決定するプログラムを保管する動作プログラム保管部と、第二の通信インタフェース部が受信したデータを基に、動作プログラム保管部のプログラムを書き換えるプログラム書き換え部を備え、
第一の制御装置が第三の制御装置のプログラムを書き換える際、第一の制御装置は、書き換え処理開始通知用データを送信し、第二の制御装置は、書き換え処理開始通知用データを受信した場合、第一のネットワークと第二のネットワークを物理的に接続し、第一の制御装置は、第三の制御装置へ書き換え用データを直接送信することでプログラム書き換えを行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係わる制御システムでは、第一の制御装置は第二の制御装置を介することなく、第三の制御装置へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。また、上記手順を実現するためには、第二の制御装置が、第一の制御装置が接続された第一のネットワークと、第三の制御装置が接続された第二のネットワークを物理的に接続する機能を有するのみでよく、構成が簡易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の制御システムの基本概念を示す全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における車両制御システムの全体構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1における第一の制御装置のプログラム書き換え時の処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1における第二の制御装置のデータ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1における第二の制御装置の状態監視部が第二の制御装置の周辺温度が閾値外であると判断したときの処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1における第三の制御装置のデータ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1において、プログラム書き換え処理実施中に第二の制御装置の周辺温度が閾値外とならなかった場合のタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1において、プログラム書き換え処理実施中に第二の制御装置の周辺温度が閾値外となった場合のタイミングチャートである。
【図9】この発明の実施の形態3における第一の制御装置のデータ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態3における第二の制御装置のデータ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態3における第三の制御装置のデータ受信時の処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態3において、書き換え用データに誤りが混入しなかった場合のタイミングチャートである。
【図13】この発明の実施の形態3において、書き換え用データに誤りが混入した場合のタイミングチャートである。
【図14】従来の特許文献1に記載されたデータ送信方法の説明図である。
【図15】従来の特許文献2に記載されたプログラム書き換え方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の基本形態.
図1はこの発明の各実施形態に共通する制御システムの基本概念を示す全体構成図であり、制御システム100は、書き換えを行う制御装置である第一の制御装置101と、この第一の制御装置101と第一のネットワーク104を介して接続されたゲートウェイである第二の制御装置102と、ゲートウェイである第二の制御装置102と第二のネットワーク105を介して接続された書き換え対象の制御装置である第三の制御装置103とで構成されている。第一のネットワーク104と第二のネットワーク105は同一の通信プロトコルが用いられ、第一の制御装置101と第三の制御装置103が第二の制御装置102を介して通信を行うようになっている。
【0019】
第一の制御装置101は、第一のネットワーク104を介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部111と、第三の制御装置103の動作を決定するプログラムを書き換えるための書き換え用プログラムを保管する書き換え用プログラム保管部112と、第三の制御装置103のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを、第一の通信インタフェース部111により送信する書き換え処理開始通知処理部113と、第三の制御装置103のプログラム書き換え処理の完了を意味する書き換え処理完了通知用データを、第一の通信インタフェース部111により送信する書き換え処理完了通知処理部114と、書き換え用プログラムから一つ以上の書き換え用データを形成して、第一の通信インタフェース部111により送信するプログラム送信処理部115を備えている。
【0020】
第二の制御装置102は、第一のネットワーク104を介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部121と、第二のネットワーク105を介してデータの送受信を行う第二の通信インタフェース部122と、第一のネットワーク104と第二のネットワーク105を物理的に接続および切断を行う切り替えスイッチ123と、切り替えスイッチ123を制御する切り替えスイッチ制御部124を備えている。
【0021】
第三の制御装置103は、第二のネットワーク105を介してデータの送受信を行う第
二の通信インタフェース部131と、第三の制御装置103の動作を決定するプログラムを保管する動作プログラム保管部132と、第二の通信インタフェース部131が受信したデータを基に、動作プログラム保管部132のプログラムを書き換えるプログラム書き換え部133を備えている。
【0022】
第一の制御装置101が第三の制御装置103のプログラムを書き換える際、第一の制御装置101は、書き換え処理開始通知用データを送信し、第二の制御装置102は、書き換え処理開始通知用データを受信した場合、切り替えスイッチ123をONして、第一のネットワーク104と第二のネットワーク104を物理的に接続し、第一の制御装置101は、第三の制御装置103へ書き換え用データを直接送信することでプログラム書き換えを行うようにしたものである。
【0023】
以下、この発明の制御システムによるプログラム書き換え方法を、各実施の形態にしたがって図を用いて説明する。なお、各実施の形態は、この発明によるプログラム書き換え方法を、車両制御システムに適用した場合を示す。
【0024】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による車両制御システムを図2〜図8に基づいて説明する。図2は車両制御システムの全体構成図である。
図2において、車両制御システム200は、第一の制御装置であるモータ制御ECU201と、第二の制御装置であるバッテリ管理装置202と、第三の制御装置であるセル監視装置203、206、207から構成されている。
CAN1ネットワーク(第一のネットワーク)204には、モータ制御ECU201とバッテリ管理装置202が接続されており、CAN2ネットワーク(第二のネットワーク)205には、バッテリ管理装置202とセル監視装置203、206、207が接続されている。
【0025】
セル監視装置203、206、207は、バッテリ208のセル281、282、283毎に搭載され、セル281、282、283の電圧/電流を監視し、監視結果をCAN2ネットワーク205を介してバッテリ管理装置202へ通達する。
バッテリ管理装置202は、セル監視装置203、206、207から受信した監視結果を基に、バッテリ残量の計算や、異常監視などを行い、結果をCAN1ネットワーク204を介してモータ制御ECU201へ通達する。モータ制御ECU201は、バッテリ管理装置202から受信した結果を基に、モータ209の制御を行う。
【0026】
モータ制御ECU201は、CAN1通信インタフェース部(第一の通信インタフェース部)211、書き換え用プログラム保管部212、書き換え処理開始通知処理部213、書き換え処理完了通知処理部214、プログラム送信処理部215から構成される。
CAN1通信インタフェース部211は、CAN1ネットワーク204を介してデータの送受信を行う。書き換え用プログラム保管部212は、セル監視装置203、206、207の書き換え用プログラムを保管する。
【0027】
書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203、206、207のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを、CAN1通信インタフェース部211により送信する。
書き換え処理完了通知処理部214は、セル監視装置203、206、207のプログラム書き換え処理の完了を意味する書き換え処理完了通知用データを、CAN1通信インタフェース部211により送信する。
プログラム送信処理部215は、書き換え用プログラム保管部212に保管されているプログラムを、一つ以上の書き換え用データに分割して、CAN1通信インタフェース部
211により送信する。
【0028】
バッテリ管理装置202は、CAN1通信インタフェース部(第一の通信インタフェース部)221、CAN2通信インタフェース部(第二の通信インタフェース部)222、切り替えスイッチ223、切り替えスイッチ制御部224、状態監視部225から構成される。
CAN1通信インタフェース部221は、CAN1ネットワーク204を介してデータの送受信を行う。CAN2通信インタフェース部222は、CAN2ネットワーク205を介してデータの送受信を行う。
切り替えスイッチ223は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続および切断を行う。切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ223のON、OFFを制御する。
【0029】
切り替えスイッチ223がONである場合、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に接続され、切り替えスイッチ223がOFFである場合、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断される。
状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるセル監視装置203、206、207のプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202の周辺温度を監視する。
【0030】
この実施の形態1では、バッテリ管理装置202は、CAN1通信インタフェース部221が書き換え処理開始通知用データを受信した場合、切り替えスイッチ223をONする。また、バッテリ管理装置202は、CAN1通信インタフェース部221が書き換え処理完了通知用データを受信した場合、切り替えスイッチ223をOFFする。
さらに、バッテリ管理装置202は、状態監視部225の監視結果に基づいて、切り替えスイッチ223をOFFとする。バッテリ管理装置202はバッテリ208の近辺に配置されており、バッテリ208の温度変化と同様に、バッテリ管理装置202の周辺温度は変化する。したがってバッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ208の温度を監視していることになる。
【0031】
セル監視装置203、206、207は同一の構成を取り、それぞれCAN2通信インタフェース部(第二の通信インタフェース部)231、動作プログラム保管部232、プログラム書き換え部233から構成される。
CAN2通信インタフェース部231は、CAN2ネットワーク205を介してデータの送受信を行う。動作プログラム保管部232は、セル監視装置203、206、207の動作を決定するプログラムを保管する。プログラム書き換え部233は、CAN2通信インタフェース部231が受信したデータを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える。
【0032】
モータ制御ECU201、バッテリ管理装置202、セル監視装置203、206、207は、それぞれ上述した機能以外にも機能を有するが、ここでは、この実施の形態1の特徴に大きく関連する部分のみ説明し、他の機能については説明を省略する。
【0033】
次に、実施の形態1の制御システムによるプログラムの書き換え方法の動作について説明する。ここでは、モータ制御ECU201が、セル監視装置203、206、207のうち、セル監視装置203のプログラム書き換えの処理について説明する。
【0034】
図3は、実施の形態1における第一の制御装置であるモータ制御ECU201のプログラム書き換え時の処理を説明するフローチャートであり、この図3を用いてモータ制御ECU201の処理を説明する。
ステップS301では、モータ制御ECU201の書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを、CAN1通信インタフェース部211により送信する。
【0035】
ステップS302では、モータ制御ECU201のプログラム送信処理部215が、書き換え用プログラム保管部212に保管されているプログラムを、一つ以上の書き換え用データに分割して、CAN1通信インタフェース部211により送信する。
ステップS303では、モータ制御ECU201は書き換え用データの送信が完了したかどうかを判断する。送信が完了したと判断した場合、ステップS304へ進み、完了していないと判断した場合、ステップS302に戻る。
ステップS304では、モータ制御ECU201の書き換え処理完了通知処理部214は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の完了を意味する書き換え処理完了通知用データを、CAN1通信インタフェース部211により送信する。
【0036】
図4は、実施の形態1における第二の制御装置であるバッテリ管理装置202のデータ受信時の処理を説明するフローチャートであり、この図4を用いてバッテリ管理装置202の処理を説明する。
ステップS400では、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221はデータの受信処理を行う。ステップS401では、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する。受信したデータの種類が書き換え処理開始通知用データである場合、ステップS402へ進み、書き換え処理完了通知用データである場合、ステップS403へ進み、それ以外のデータである場合、処理を終了する。
【0037】
ステップS402では、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は切り替えスイッチ223をONする。ステップS403では、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は切り替えスイッチ223をOFFする。
ステップS404では、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を開始する。ステップS405では、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を停止する。
上述したバッテリ管理装置202のデータ受信時の処理は、データを受信するたびに実施される。
【0038】
図5は、実施の形態1における第二の制御装置であるバッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外であると判断したときの処理を示すフローチャートであり、この図5を用いてバッテリ管理装置202の処理を説明する。
【0039】
ステップS501では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、経過時間のカウントを開始する。ステップS502では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202の周辺温度が依然閾値外であるかどうかを判断する。閾値外であると判断した場合、ステップS503へ進み、閾値外でないと判断した場合、ステップS505へ進む。
【0040】
ステップS503では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、所定時間経過したかどうかを判断する。経過したと判断した場合、ステップS504へ進み、経過していないと判断した場合ステップS502に戻る。ステップS504では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202の周辺温度が異常であると判断し、切り替えスイッチ制御部224が切り替えスイッチ223をOFFする。ステップS505では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、経過時間のカウントを停止する。
【0041】
図6は、実施の形態1における第三の制御装置であるセル監視装置203のデータ受信時の処理を説明するフローチャートであり、この図6を用いてセル監視装置203の処理を説明する。
【0042】
ステップS600では、セル監視装置203のCAN2通信インタフェース部231はデータの受信処理を行う。ステップS601では、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する。受信したデータの種類が書き換え用データである場合、ステップS602へ進み、それ以外のデータである場合処理を終了する。
ステップS602では、セル監視装置203のプログラム書き換え部233が、受信した書き換え用データを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える。
上述したセル監視装置203のデータ受信時の処理は、データを受信するたびに実施される。
【0043】
以下、セル監視装置203のプログラム書き換えを、この発明によるプログラム書き換え方法を用いて行う場合の処理について、図7を用いて説明する。
ここでは、プログラム書き換え処理実施中にバッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外とならなかった場合とする。これは、バッテリ208の温度が閾値外とならなかったことを意味する。
また、この実施の形態1では、モータ制御ECU201は、書き換え用プログラム保管部212に保管されている書き換え用プログラムを、一つの書き換え用データとして送信する場合を説明する。書き換え用プログラムを二つ以上の書き換え用データとして分割して送信してもこの発明の効果には影響しない。
【0044】
図7のT701では、モータ制御ECU201の書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを送信する(S301)。T702では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え処理開始通知用データを受信する。
この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え処理開始通知用データを受信しない。
【0045】
バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理開始通知用データを受信したと判断する。
バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は切り替えスイッチ213をONする(S402)。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を開始する(S404)。
【0046】
T703では、モータ制御ECU201は、書き換え用データを送信する(S302)。T704では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203は、それぞれモータ制御ECU201から書き換え用データを受信する。バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここでは書き換え用データを受信したと判断し、処理を終了する。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S600)。そして、セル監視装置202は受信したデータの種類を判断する(S601)。ここでは、セル監視装置203は、書き換え用データを受信したと判断し、セル監視装置203のプログラム書き換え部233は、受信した書き換え用データを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える(S602)。
【0047】
T705では、モータ制御ECU201は、書き換え用データの送信が完了したかどうかを判断する(S303)。ここでは、書き換え用データを一つ送信することとしたため、送信が完了したと判断し、モータ制御ECU201の書き換え処理完了通知処理部214は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理完了を意味する書き換え処理完了通知用データを送信する(S304)。
【0048】
T706では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203はそれぞれモータ制御ECU201から書き換え処理完了通知用データを受信する。バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理完了通知用データを受信したと判断する。
【0049】
バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ213をOFFする(S403)。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202周辺温度の監視を停止する(S405)。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S600)。そして、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する(S601)。ここでは、書き換え処理完了通知用データを受信したと判断し、処理を終了する。
このようにして、セル監視装置203のプログラム書き換え処理が完了する。
【0050】
上述のように、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく(バッテリ管理装置202でのデータ転送処理を行うことなく)、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
また、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ208の温度監視が必要な場合であっても、バッテリ208の温度変化と同様に変化するバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を、バッテリ管理装置202が行うことで、バッテリ管理装置202がバッテリ208の温度監視を行うことができる。そのため、セル監視装置203はバッテリ208の温度監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
【0051】
なお、ここでは、バッテリ管理装置202は、CAN1通信インタフェース部221が書き換え処理完了通知用データを受信した場合、切り替えスイッチ223をOFFするとしたが、CAN2通信インタフェース部222が受信した場合、OFFするとしても良く、このような場合でも、同様の処理が行われる。
【0052】
次に、実施の形態1においてこの発明の特徴である、プログラム書き換え処理実施中にバッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外となった場合の処理を、図8を用いて説明する。これは、バッテリ208の温度が閾値外となったことを意味する。
【0053】
図8のT801では、モータ制御ECU201の書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを送信する(S301)。T802では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え処理開始通知用データを受信する。
この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え処理開始通知用データを受信しない。
【0054】
バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理開始通知用データを受信したと判断する。バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は切り替えスイッチ223をONする(S402)。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を開始する(S404)。
【0055】
T803では、バッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外となり、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外であると判断し所定の処理を開始する。バッテリ管理装置202の状態監視部225は、経過時間のカウントを開始する(S501)。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、依然バッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外であるかどうかを判断する(S502)。ここでは、閾値外であると判断する。
そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、所定時間が経過したかどうかを判断する(S503)。ここでは、所定時間経過していないと判断する。
【0056】
T804では、バッテリ管理装置202の状態監視部225が経過時間のカウントを開始してから所定時間経過するまで、バッテリ管理装置202の周辺温度が依然閾値外であったため、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202の周辺温度が異常であると判断し、切り替えスイッチ制御部224が切り替えスイッチ223をOFFする(S504)。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、経過時間のカウントを停止する(S505)。
【0057】
T805では、モータ制御ECU201は書き換え用データを送信する(S302)。T806では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え用データを受信する。
この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え用データを受信しない。バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここでは書き換え用データを受信したと判断し、処理を終了する。
【0058】
T807では、モータ制御ECU201は、書き換え用データの送信が完了したかどうかを判断する(S303)。ここでは、書き換え用データを一つ送信することとしたため、送信が完了したと判断し、モータ制御ECU201の書き換え処理完了通知処理部214は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理完了を意味する書き換え処理完了通知用データを送信する(S304)。
T808では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え処理完了通知用データを受信する。この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え処理完了通知用データを受信しない。
【0059】
バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S400)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S401)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理完了通知用データを受信したと判断する。
バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ223をOFFする(S403)。この時、切り替えスイッチ223は既にOFFであるため、
切り替えスイッチ223の制御は行われない。そして、バッテリ管理装置202の状態監視部225はバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を停止する(S405)。
【0060】
このように、所定時間バッテリ管理装置202の周辺温度が閾値外であり、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202の周辺温度が異常であると判断した場合、セル監視装置203のプログラムの書き換えが行われることを防止することができる。
【0061】
上述のように、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0062】
また、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ208の温度監視が必要な場合であっても、バッテリ208の温度変化と同様に変化するバッテリ管理装置202の周辺温度の監視を、バッテリ管理装置202が行うことで、バッテリ管理装置202がバッテリ208の温度監視を行うことができる。そのため、セル監視装置203はバッテリ208の温度監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202の周辺温度が異常であると判断した場合、セル監視装置203のプログラムの書き換えが行われることを防止することができる。
【0063】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態1では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202の周辺温度を監視することとしたが、実施の形態2の発明は車両制御システに供給される電源電圧と同様に変化するバッテリ管理装置202に供給される電源電圧を監視するようにしたものである。
【0064】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0065】
また、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、車両制御システム200に供給される電源電圧の監視が必要な場合であっても、バッテリ管理装置202が、バッテリ管理装置202に供給される電源電圧を監視することで、車両制御システム200に供給される電源電圧を監視することができる。そのため、セル監視装置203は車両制御システム200に供給される電源電圧の監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202に供給される電源電圧が異常であると判断した場合、セル監視装置203のプログラムの書き換えが行われることを防止することができる。
【0066】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3による車両制御システムを図9〜図13に基づいて説明す
る。
この実施の形態3では、実施の形態1と同様に、この発明によるプログラム書き換え方法を、車両制御システムに適用した場合を示し、その構成は、実施の形態1で示した図2の構成と同じであり、したがってその説明は省略する。
【0067】
実施の形態1、2との相違点は、実施の形態1、2におけるバッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態として、バッテリ管理装置202の周辺温度または電源電圧を監視することとしたが、実施の形態3の発明では、プログラム書き換え処理に関する状態として、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221が受信した書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを監視するようにしたものである。
【0068】
次に、実施の形態3の制御システムによるプログラムの書き換え方法の動作について説明する。ここでは、実施の形態1と同様に、モータ制御ECU201が、セル監視装置203、206、207のうち、セル監視装置203のプログラム書き換えの処理について説明する。
なお、モータ制御ECU201のプログラム書き換え時の処理は、実施の形態1で説明した図3の動作と同じのため、説明を省略する。
【0069】
図9は、実施の形態3における第一の制御装置であるモータ制御ECU201のデータ受信時の処理を説明するフローチャートであり、この図9を用いてモータ制御ECU201の処理を説明する。
図9において、ステップS900では、モータ制御ECU201のCAN1通信インタフェース部211はバッテリ管理装置202からのデータの受信処理を行う。ステップS901では、モータ制御ECU201は受信したデータの種類を判断する。受信したデータの種類が誤り混入通知用データである場合、ステップS902へ進み、それ以外のデータである場合処理を終了する。ステップS902では、モータ制御ECU201は書き換え処理の中断処理を行う。
【0070】
図10は、実施の形態3における第二の制御装置であるバッテリ管理装置202のデータ受信時の処理を説明するフローチャートであり、この図10を用いてバッテリ管理装置202の処理を説明する。
なお、図10でステップS1001、S1004、S1005以外の処理は、実施の形態1における図4の対応する処理と等しいため、その説明を省略する。
【0071】
ステップS1001では、バッテリ管理装置202は、受信したデータの種類を判断する。受信したデータの種類が書き換え処理開始通知用データである場合、ステップS1002へ進み、書き換え処理完了通知用データである場合、ステップS1003へ進み、書き換え用データである場合、ステップS1004へ進み、それ以外のデータである場合、処理を終了する。
ステップS1004では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを判断する。誤りが混入していると判断した場合、ステップS1005へ進み、混入していないと判断した場合、処理を終了する。
ステップS1005では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201およびセル監視装置203に誤り混入通知用データをCAN1通信インタフェース部221を介して送信する。
【0072】
図11は、実施の形態3における第三の制御装置であるセル監視装置203のデータ受信時の処理を説明するフローチャートであり、この図11を用いてセル監視装置203の処理を説明する。
なお、図11でステップS1101、S1103以外の処理は、実施の形態1における図6の対応する処理と同じため、その説明を省略する。
【0073】
図11において、ステップS1101では、セル監視装置203は、受信したデータの種類を判断する。受信したデータの種類が書き換え用データである場合、ステップS1102へ進み、誤り混入通知用データである場合S1103へ進み、それ以外のデータである場合処理を終了する。ステップS1103では、セル監視装置203は書き換え処理の中断処理を行う。
【0074】
以下、セル監視装置203のプログラム書き換えを、この発明によるプログラム書き換え方法を用いて行う場合の処理について、図12を用いて説明する。
ここでは、モータ制御ECU201が送信した書き換え用データに誤りが混入しない場合とする。また、この実施の形態3では、モータ制御ECU201は、書き換え用プログラム保管部212に保管されている書き換え用プログラムを、二つの書き換え用データとして分割して送信する場合を説明する。書き換え用プログラムを三つ以上の書き換え用データとして分割して送信してもこの発明の効果には影響しない。
【0075】
図12のT1201では、モータ制御ECU201の書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを送信する(S301)。T1202では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え処理開始通知用データを受信する。
この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え処理開始通知用データを受信しない。
【0076】
次にバッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S1001)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理開始通知用データを受信したと判断する。バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ223をONする(S1002)。
T1203では、モータ制御ECU201は、書き換え用データを送信する(S302)。T1204では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203は、それぞれモータ制御ECU201から書き換え用データを受信し、バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S1001)。ここでは書き換え用データを受信したと判断する。
【0077】
バッテリ管理装置202の状態監視部225は、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを判断する。ここでは、誤りが混入していないと判断し、処理を終了する。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S1100)。そして、セル監視装置202は受信したデータの種類を判断する(S1101)。ここでは、セル監視装置202は、書き換え用データを受信したと判断し、セル監視装置203のプログラム書き換え部233は、受信した書き換え用データを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える(S1102)。
【0078】
T1205では、モータ制御ECU201は、書き換え用データの送信が完了したかどうかを判断する(S303)。ここでは、書き換え用データを二つ送信することとしたため、送信が完了していないと判断し、次の書き換え用データを送信する(S302)。
T1206では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203は、それぞれモータ制御ECU201から書き換え用データを受信し、バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種
類を判断する(S1001)。ここでは書き換え用データを受信したと判断する。
【0079】
バッテリ管理装置202の状態監視部225は、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを判断する。ここでは、誤りが混入していないと判断し、処理を終了する。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S1100)。そして、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する(S1101)。ここでは、セル監視装置203は、書き換え用データを受信したと判断し、セル監視装置203のプログラム書き換え部233は、受信した書き換え用データを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える(S1102)。
【0080】
T1207では、モータ制御ECU201は、書き換え用データの送信が完了したかどうかを判断する(S303)。ここでは、書き換え用データを二つ送信することとしたため、送信が完了したと判断し、モータ制御ECU201の書き換え処理完了通知処理部214は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理完了を意味する書き換え処理完了通知用データを送信する(S304)。
【0081】
T1208では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203はそれぞれモータ制御ECU201から書き換え処理完了通知用データを受信し、バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S1001)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理完了通知用データを受信したと判断する。バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ223をOFFする(S1003)。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S1100)。そして、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する(S1101)。ここでは、書き換え処理完了通知用データを受信したと判断し、処理を終了する。
このようにして、セル監視装置203のプログラム書き換え処理が完了する。
【0082】
上述のように、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
また、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかの監視が必要な場合であっても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
【0083】
なお、ここでは、バッテリ管理装置202は、CAN1通信インタフェース部221が書き換え処理完了通知用データを受信した場合、切り替えスイッチ223をOFFするとしたが、CAN2通信インタフェース部222が書き換え処理完了通知用データを受信した場合、OFFするとしても良く、このような場合でも、同様の処理が行われる。
【0084】
次に、実施の形態3においてこの発明の特徴である、モータ制御ECU201が送信した書き換え用データに誤りが混入した場合の処理を、図13を用いて説明する。
図13のT1301では、モータ制御ECU201の書き換え処理開始通知処理部213は、セル監視装置203のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを送信する(S301)。
T1302では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201から書き換え処理開始通知用データを受信する。
【0085】
この時、バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ223の状態はOFFであり、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205は物理的に切断されているため、セル監視装置203は、書き換え処理開始通知用データを受信しない。
次にバッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S1001)。ここではバッテリ管理装置202は書き換え処理開始通知用データを受信したと判断する。バッテリ管理装置202の切り替えスイッチ制御部224は、切り替えスイッチ223をONする(S1002)。
【0086】
T1303では、モータ制御ECU201は、書き換え用データを送信する(S302)。T1304では、バッテリ管理装置202およびセル監視装置203は、それぞれモータ制御ECU201から書き換え用データを受信し、バッテリ管理装置202はデータの受信処理を行う(S1000)。そして、バッテリ管理装置202は受信したデータの種類を判断する(S1001)。ここでは書き換え用データを受信したと判断する。
【0087】
バッテリ管理装置202の状態監視部225は、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを判断する。ここでは、誤りが混入していると判断する。
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S1100)。そして、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する(S1101)。ここでは、セル監視装置203は、書き換え用データを受信したと判断し、セル監視装置203のプログラム書き換え部233は、受信した書き換え用データを基に、動作プログラム保管部232のプログラムを書き換える(S1102)。
【0088】
T1305では、バッテリ管理装置202は、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、受信した書き換え用データに誤りが混入していたと判断したため、モータ制御ECU201およびセル監視装置203に誤り混入通知用データを送信する(S1005)。T1306では、モータ制御ECU201およびセル監視装置203はそれぞれバッテリ管理装置202から誤り混入通知用データを受信し、モータ制御ECU201はデータの受信処理を行う(S900)。そして、モータ制御ECU201は、受信したデータの種類を判断する(S901)。ここでは、誤り混入通知用データであると判断し、書き換え処理の中断処理を行う(S902)。
【0089】
一方、セル監視装置203はデータの受信処理を行う(S1100)。そして、セル監視装置203は受信したデータの種類を判断する(S1101)。ここでは、誤り混入通知用データであると判断し、書き換え処理の中断処理を行う(S1103)。
このように、バッテリ管理装置202の状態監視部225がバッテリ管理装置202が受信した書き換え用データに誤りが混入していると判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0090】
上述のように、実施の形態3では、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0091】
また、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、書き換え用データに誤りが混入しているかどうかの監視が必要な場合であっても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受
信した書き換え用データに誤りが混入していると判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0092】
なお、この実施の形態3では、バッテリ管理装置202は、モータ制御ECU201およびセル監視装置203に誤り混入通知用データをCAN1通信インタフェース部221を介して送信するとしたが、CAN2通信インタフェース部222を介して送信するとしても良く、このような場合でも同様の処理が行われる。
【0093】
また、この実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、CAN1通信インタフェース部221が受信した書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを監視するとしたが、CAN2通信インタフェース部222が受信した書き換え用データに誤りが混入しているかどうかを監視するとしても良い。
このような場合でも、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。また、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受信した書き換え用データに誤りが混入していると判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0094】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態4の発明は、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータの種類が、所定の種類であるかどうかを監視するようにしたものである。
【0095】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0096】
また、モータ制御ECU201から送信されるデータが、書き換え処理に関するデータであるかどうかの監視が必要である場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受信したデータが書き換え処理に関するデータではないと判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0097】
実施の形態5.
次にこの発明の実施の形態5による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態5の発明は、バッテリ管理装置20の状態監視部225が、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置
202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータのデータ長が、所定の長さであるかどうかを監視するようにしたものである。
【0098】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0099】
また、書き換えに関するデータが所定の長さで送信されているかどうかの監視が必要である場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受信したデータのデータ長が、所定の長さではないと判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0100】
実施の形態6.
次にこの発明の実施の形態6による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態6の発明は、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータの送信者が、所定の送信者であるかどうかを監視するようにしたものである。
【0101】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0102】
また、書き換えに関するデータが所定の送信者から送信されているかどうかの監視が必要な場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受信したデータの送信者が、所定の送信者ではない判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0103】
実施の形態7.
次にこの発明の実施の形態7による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態7の発明は、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装
置202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータの送信先が、所定の送信先であるかどうかを監視するようにしたものである。
【0104】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0105】
また、書き換えに関するデータが所定の送信先に送信されているかどうかの監視が必要な場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202が受信したデータの送信先が、所定の送信先ではないと判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0106】
実施の形態8.
次にこの発明の実施の形態8による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態8の発明は、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータの内、所定の2つのデータの受信時間の間隔を監視するようにしたものである。
【0107】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0108】
また、書き換えに関するデータが所定のタイミングで送信されているかどうかの監視が必要な場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、書き換えに関するデータが所定のタイミングで送信されていないと判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0109】
実施の形態9.
次にこの発明の実施の形態9による車両制御システムについて説明する。
上記した実施の形態3では、バッテリ管理装置202の状態監視部225は、バッテリ管理装置202により検知できるプログラム書き換え処理に関する状態の内、バッテリ管理装置202が受信したデータに誤りが含まれているかどうかを監視することとした。
実施の形態9の発明は、バッテリ管理装置202のCAN1通信インタフェース部221、またはバッテリ管理装置202のCAN2通信インタフェース部222が受信したデータの内、所定の2つのデータが所定の順序で受信されているかどうかを監視するようにしたものである。
【0110】
このような場合においても、モータ制御ECU201がセル監視装置203のプログラム書き換えを行う際、バッテリ管理装置202は、CAN1ネットワーク204とCAN2ネットワーク205を物理的に接続し、モータ制御ECU201はバッテリ管理装置202を介することなく、セル監視装置203へ直接書き換え用データを送信するため、プログラム書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0111】
また、書き換えに関するデータが所定の順序で送信されているかどうかの監視が必要な場合においても、バッテリ管理装置202が監視を行うことで、セル監視装置203は監視を行う必要が無くなり、セル監視装置203の処理負荷の増加を防止することができる。
さらに、バッテリ管理装置202の状態監視部225が、書き換えに関するデータが所定の順序で送信されていないと判断した場合、セル監視装置203のプログラム書き換え処理を中断することができる。
【0112】
この発明の実施の形態1〜9では、第一の制御装置はモータ制御ECU201のように車両制御システム200を構成する制御装置としたが、検査機器のように車両制御システム200の外部から接続される制御装置であっても良い。
【符号の説明】
【0113】
101、201:モータ制御ECU(第一の制御装置)
102、202:バッテリ管理装置(第二の制御装置)
103、203、206、207:セル監視装置(第三の制御装置)
104、204:CAN1ネットワーク
105、205:CAN2ネットワーク
208:バッテリ 209:モータ
111、121、211、221:CAN1通信インタフェース部
112、212:書き換え用プログラム保管部
113、213:書き換え処理開始通知処理部
114、214:書き換え処理完了通知処理部
115、215:プログラム送信処理部
122、131、222、231:CAN2通信インタフェース部
123、223:切り替えスイッチ
124、224:切り替えスイッチ制御部
225:状態監視部
132、232:動作プログラム保管部
133、233:プログラム書き換え部
281、282、283:セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の制御装置と第二の制御装置が第一のネットワークに接続され、上記第二の制御装置と第三の制御装置が第二のネットワークに接続され、上記第一の制御装置と上記第三の制御装置が上記第二の制御装置を介して通信を行う制御システムにおいて、
上記第一の制御装置は、上記第一のネットワークを介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部と、上記第三の制御装置の動作を決定するプログラムを書き換えるための書き換え用プログラムを保管する書き換え用プログラム保管部と、上記第三の制御装置のプログラム書き換え処理の開始を意味する書き換え処理開始通知用データを、上記第一の通信インタフェース部により送信する書き換え処理開始通知処理部と、上記書き換え用プログラムから一つ以上の書き換え用データを形成して、上記第一の通信インタフェース部により送信するプログラム送信処理部を備え、
上記第二の制御装置は、上記第一のネットワークを介してデータの送受信を行う第一の通信インタフェース部と、上記第二のネットワークを介してデータの送受信を行う第二の通信インタフェース部と、上記第一のネットワークと上記第二のネットワークを物理的に接続および切断を行う切り替えスイッチと、上記切り替えスイッチを制御する切り替えスイッチ制御部を備え、
上記第三の制御装置は、上記第二のネットワークを介してデータの送受信を行う第二の通信インタフェース部と、上記第三の制御装置の動作を決定するプログラムを保管する動作プログラム保管部と、上記第二の通信インタフェース部が受信したデータを基に、上記動作プログラム保管部のプログラムを書き換えるプログラム書き換え部を備え、
上記第一の制御装置が上記第三の制御装置のプログラムを書き換える際、上記第一の制御装置は、上記書き換え処理開始通知用データを送信し、上記第二の制御装置は、上記書き換え処理開始通知用データを受信した場合、上記第一のネットワークと上記第二のネットワークを物理的に接続し、上記第一の制御装置は、上記第三の制御装置へ上記書き換え用データを直接送信することでプログラム書き換えを行うことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
上記第一の制御装置は、上記第三の制御装置のプログラム書き換え処理の完了を意味する書き換え処理完了通知用データを、上記第一の通信インタフェース部により送信する書き換え処理完了通知処理部を備え、
上記第一の制御装置は、上記書き換え用データの送信が完了した場合、上記書き換え処理完了通知用データを送信し、上記第二の制御装置は、上記書き換え処理完了通知用データを受信した場合、上記第一のネットワークと上記第二のネットワークを物理的に切断することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
上記第二の制御装置は、上記第二の制御装置により検知できる第三の制御装置のプログラム書き換え処理に関する状態を監視する状態監視部を備え、
上記第二の制御装置は、上記第一の制御装置による上記第三の制御装置のプログラム書き換え処理に関する状態を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の周辺温度を監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置に供給される電源電圧を監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項6】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータに、誤りが混入しているかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項7】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータの種類が、所定の種類であるかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項8】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータのデータ長が、所定の長さであるかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項9】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータの送信者が、所定の送信者であるかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項10】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータの送信先が、所定の送信先であるかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項11】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータの内、所定の2つのデータの受信時間の間隔が閾値を
超えているかどうかを監視とすることを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項12】
上記第二の制御装置の状態監視部は、プログラム書き換え処理に関する状態として、上記第二の制御装置の第一の通信インタフェース部または上記第二の制御装置の第二の通信インタフェース部が受信したデータの内、所定の2つのデータが所定の順序で受信されているかどうかを監視することを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項13】
上記第二の制御装置は、上記第二の制御装置の状態監視部の監視結果に基づいて、上記第一のネットワークと上記第二のネットワークを物理的に切断することを特徴とする請求項4乃至請求項12のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項14】
上記第二の制御装置は、上記第二の制御装置の状態監視部の監視結果に基づいて、監視結果を、上記第一の制御装置または上記第三の制御装置の内、少なくとも一方に通知することを特徴とする請求項4乃至請求項13のいずれか1項に記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−57994(P2013−57994A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194630(P2011−194630)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】