説明

制御装置、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制する。
【解決手段】表示制御部は、記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面43のそれぞれに対応して複数のタブ41が表示されると共に、表示された複数のタブ41のうち、選択された1つのタブ41に対応する設定画面43が排他的に表示される記録設定用ウインドウ40を表示し、設定画面43を利用して設定が変更された場合、当該設定画面43に対応するタブ41の表示態様をその旨を示す表示態様に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置、当該制御装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録装置による記録に関する各種設定を行うための設定画面を複数有し、タブによって設定画面を切り替えることが可能なグラフィカルユーザーインターフェイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。記録装置は、当該グラフィカルユーザーインターフェイスを利用して設定された内容を反映して、記録媒体に記録を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−117746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したグラフィカルユーザーインターフェイスを利用して、各種設定を行う場合、設定画面のそれぞれにおいて、適切な設定がなされている必要があった。しかしながら、上記グラフィカルユーザーインターフェイスでは、設定を行うべき設定画面が複数存在しており、また、それぞれの設定画面は同時に表示されるのではなく、選択されたタブに対応する設定画面が排他的に表示される、という特徴があるため、いずれかの設定画面において誤った設定がなされ、この誤った設定を反映して記録装置による記録が行われる場合があった。この場合、正しい設定を行った上で、再び、記録装置による記録を行う必要があり、記録媒体の無駄が発生し、ユーザーの利便性の低下を招くため、できるだけ誤った設定がなされた状態で記録装置による記録が行われることを抑制したいとするニーズがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置であって、記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスの表示を制御する表示制御部を備え、前記表示制御部は、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする。
この構成によれば、1の設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1のタブの表示態様がその旨を示す表示態様に変更されるため、ユーザーは、他の設定画面が表示されている場合であっても、当該1のタブの表示態様を確認することにより、当該1の設定画面を利用して設定が変更されたことを容易かつ確実に認識できる。そして、ユーザーは、当該認識に基づいて、変更した設定箇所の確認等を行うことが可能となり、変更するべき設定が変更されず、また、変更すべきでない設定が変更されている状態で変更が確定されることを防止でき、誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制できる。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記表示制御部は、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更し、さらに、当該1の設定画面を利用した設定の変更に伴って変更される設定が存在する場合であって、当該設定が他の前記設定画面を利用して行われるものである場合には、当該他の設定画面に対応する前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする。
この構成によれば、1の設定画面を利用して1の設定が変更された際に、当該設定の変更に伴って変更される他の設定に係る他の設定画面のタブの表示態様が、その旨を示す表示態様へと変わる。このため、ユーザーは、タブの状態を確認することにより、1の設定画面における設定の変更に伴って、他の設定画面に係る設定に変更があったことを容易に認識できる。さらに、当該認識に基づいて、他の設定画面における設定の内容の確認等を行うことができるため、誤った設定がなされることを抑制できる。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、1の前記設定画面を利用した設定の変更に伴って変更される設定とは、当該1の設定画面を利用して設定の変更が行われたときに、当該変更後の設定との間で整合性を保つために、当該設定の変更に応じて変更が必要な設定のことであることを特徴とする。
ここで、記録媒体への記録に関する設定については、1の設定の変更に伴って、当該1の設定の変更との整合性を保つため、必然的に変更が必要となる設定が存在する。例えば、ロール紙に画像を記録する場合において、ロール紙の幅に関する設定と、ロール紙に1行として記録可能な文字の数に関する設定と、が上述したような関係にあたる。
そして、上記構成によれば、ユーザーは、記録に関する設定を変更した後、タブの状態を確認することにより、当該記録に関する設定に伴って変更される他の設定が存在することを容易に認識できる。さらに、当該認識に基づいて、他の設定画面における設定の内容の確認等を行うことができるため、誤った設定がなされることを抑制できる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記表示制御部は、過去に前記記録装置に記録させたときの各種設定の設定値を保持し、前記設定画面における各種設定の入力欄に対応する位置に、前記過去に前記記録装置に記録させたときの各種設定の設定値を表示することを特徴とする。
ここで、記録装置による記録に際し、過去に行った記録と同様の条件で記録を実行する必要がある場合もある。従って、過去に記録装置に記録させたときの設定の設定値は、ユーザーが設定を行う際の有益な情報である。
そして、上記構成によれば、ユーザーは、設定に関する有益な情報を容易に取得でき、取得した情報に基づいて適切に各種設定を実行することができる。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記表示制御部は、前記設定画面上に、各種設定を、所定のデフォルト値に戻し、又は、前記過去に前記記録媒体に記録させたときの設定値に戻すことを選択するための表示を行うことを特徴とする。
この構成によれば、容易に、各種設定を、所定のデフォルト値に戻し、また、過去に記録媒体に記録させたときの設定値へと戻すことができるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0010】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記表示制御部は、前記タブの表示態様を変更する場合、特定の色に当該タブの色を変更することを特徴とする。
この構成によれば、表示制御部は、タブの色を変更することにより、他のタブとの差異が明確になるような態様で、容易にタブの表示態様を変更できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置の制御方法であって、記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスを表示し、前記グラフィカルユーザーインターフェイスにおいて、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする。
この制御方法によれば、1の設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1のタブの表示態様がその旨を示す表示態様に変更されるため、ユーザーは、他の設定画面が表示されている場合であっても、当該1のタブの表示態様を確認することにより、当該1の設定画面を利用して設定が変更されたことを容易かつ確実に認識できる。そして、ユーザーは、当該認識に基づいて、変更した設定箇所の確認等を行うことが可能となり、変更するべき設定が変更されず、また、変更すべきでない設定が変更されている状態で変更が確定されることを防止でき、誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制できる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスを表示し、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更する表示制御部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、1の設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1のタブの表示態様がその旨を示す表示態様に変更されるため、ユーザーは、他の設定画面が表示されている場合であっても、当該1のタブの表示態様を確認することにより、当該1の設定画面を利用して設定が変更されたことを容易かつ確実に認識できる。そして、ユーザーは、当該認識に基づいて、変更した設定箇所の確認等を行うことが可能となり、変更するべき設定が変更されず、また、変更すべきでない設定が変更されている状態で変更が確定されることを防止でき、誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、誤った設定の状態で記録装置による記録が行われることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】記録システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】記録設定用ウインドウの基本設定画面を示す図である。
【図3】記録設定用ウインドウの基本設定画面を示す図である。
【図4】記録設定用ウインドウのレイアウト設定画面を示す図である。
【図5】記録設定用ウインドウの書式設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明を適用した実施形態に係る記録システム1の構成を示すブロック図である。
この図1に示すように、記録システム1は、ホストコンピューター11と、ホストコンピューター11に対して通信可能に接続されたプリンター12とを、を備えている。
ホストコンピューター11は、例えば、小売店等の店頭に設置され、売上登録処理及び精算処理を行う販売時点管理システム(POSシステム)を搭載したPOS端末装置であり、取引毎にプリンター12によってレシートを発行する。なお、ホストコンピューター11には、売上登録処理時に商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナー、精算用の現金を収容するキャッシュドロワー等が接続されているがこれらの各部については図示及び説明を省略する。また、レシートを発行するとは、取引における商品の購入に関する情報や、店舗のロゴ等を含む所定の画像が感熱ロール紙に記録された上で、感熱ロール紙が切断されて1つのレシートが形成されることをいう。
【0016】
制御装置としてのホストコンピューター11は、制御部13と、入力部14と、表示部15と、インターフェイス(I/F)部16と、記憶部17と、を備えている。
制御部13は、ホストコンピューター11を中枢的に制御するものであり、各種プログラムを実行するCPU、CPUにより実行される基本制御プログラム等を記憶するROM、CPUが実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成するRAM、その他周辺回路等を備えている。
図1に示すように、制御部13は、POSアプリケーション実行部20と、プリンタードライバー実行部21と、を備えているが、これらについては、後述する。
入力部14は、オペレーターに操作される売上登録キー等の各種キーを備えたキーボードや、マウス、バーコードスキャナー、カードリーダー等の入力デバイスが接続され、入力デバイスに対する操作を検出し、操作信号として制御部13に出力する。
表示部15は、液晶ディスプレイ等の表示パネル15aを備え、制御部13の制御の下、売上登録処理及び精算処理の処理内容等の各種情報を表示パネル15aに表示する。また、表示部15は、制御部13の制御の下、後述する記録設定用ウインドウ40が表示される。
インターフェイス部16は、制御部13の制御の下、プリンター12との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部17は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
【0017】
また、記録装置としてのプリンター12は、ホストコンピューター11の制御に従って、ロール状に巻かれた感熱ロール紙(記録媒体)を、搬送機構(不図示)により搬送しつつ、この感熱ロール紙の記録面にラインサーマルヘッド(不図示)によって熱を与えることによりモノクロで文字や画像を記録し、切断機構(不図示)により所定の位置で感熱ロール紙を切断することによってレシートを発行するサーマルラインプリンターである。
図1に示すように、プリンター12は、プリンター側制御部30と、インターフェイス(I/F)部31と、プリントエンジン32と、を備えている。
プリンター側制御部30は、プリンター12の各部を中枢的に制御するものであり、上述した制御部13と同様、CPUや、ROM、RAMその他の周辺回路を備えている。
インターフェイス部31は、プリンター側制御部30の制御の下、ホストコンピューター11との間で、通信規格に準拠した通信を行う。
プリントエンジン32は、プリンター側制御部30の制御の下、用紙端センサーや用紙残量センサー等の各種センサーの検出値を監視しながら、上述したラインサーマルヘッドのほか、感熱ロール紙を搬送するプラテンローラーを駆動するための搬送モーターや、上述した切断機構が備えるカッターを駆動するためのカッター駆動モーターを動作させて、感熱ロール紙に画像を記録し、画像を記録した感熱ロール紙を切断することによりレシートを発行する。
【0018】
次いで、POSアプリケーション実行部20、及び、プリンタードライバー実行部21の説明を通して、1つのレシートを発行する際の記録システム1の基本的な動作について説明する。
POSアプリケーション実行部20は、ホストコンピューター11に予めインストールされたPOSアプリケーションを実行することにより、取引毎に、例えば所定のサーバーにアクセスする等して、取引において購入された商品を示す情報や、商品の単価を示す情報、購入金額を示す情報等のレシートに記載すべき情報を取得し、取得した情報に基づいてレシートに記録すべき画像に係る印刷データを生成し、プリンタードライバー実行部21に出力する。
POSアプリケーション実行部20が生成する印刷データにおいて、文字については、Unicode等の文字コードとして表現されている。
【0019】
プリンタードライバー実行部21は、ホストコンピューター11に予めインストールされたプリンタードライバーを実行することにより、POSアプリケーション実行部20から入力された印刷データに基づいて、プリンター12のコマンド仕様に対応した制御コマンドを生成し、プリンター12に出力する。この制御コマンドには、搬送機構に感熱ロール紙を搬送させるコマンドや、ラインサーマルヘッドを駆動させて画像を記録させるコマンド、切断機構に感熱ロール紙を切断させるコマンド等が含まれている。
プリンタードライバー実行部21は、印刷データに含まれた文字コードを以下のように処理する。
すなわち、本実施形態に係るプリンター12は、所定の記憶領域内で、取り扱い可能な文字毎にフォントデータを記憶している。フォントデータとは、文字を感熱ロール紙に記録可能な態様で表現する実データのことであり、例えば、ビットマップフォントデータや、スケイラブルフォントデータである。
また、本実施形態に係るホストコンピューター11は、文字コードのそれぞれと、各文字コードに対応するフォントデータの上記記憶領域における位置(番地)を示す情報と、を対応づけたテーブルを記憶している。
そして、プリンタードライバー実行部21は、印刷データに含まれた文字コードのそれぞれについて、上記テーブルを参照して、各文字コードを、プリンター12の所定の記憶領域における各文字コードに対応するフォントデータの位置を示す情報に変換し、当該情報をプリンター12に出力する。すなわち、プリンタードライバー実行部21は、レシートに記録すべき文字については、各文字を、文字に対応するフォントデータの位置を示す情報に変換した上で、当該情報をプリンター12に出力する。
【0020】
制御コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、制御コマンドに従って、プリントエンジン32を制御して、レシートの発行に係る各種動作を実行する。
特に、プリンター側制御部30は、感熱ロール紙に記録すべき文字については、ホストコンピューター11から入力されたフォントデータの位置を示す情報に基づいて、各文字のフォントデータを特定し、当該フォントデータに基づいて、文字に係る画像の記録を実行する。
【0021】
ところで、本実施形態では、レシートの発行に際し、ユーザーが、プリンタードライバーの機能を利用して、専用のウインドウである記録設定用ウインドウ40を表示パネル15aに表示し、当該記録設定用ウインドウ40を利用して、記録に関する設定(以下、「記録設定」という)を行うことができる構成となっている。
記録設定とは、例えば、発行するレシートの枚数や、感熱ロール紙に記録される画像の解像度、文字として記録される画像のフォントに関する各種設定等、感熱ロール紙に画像を記録する際の画像の態様、様式、形式を規定するための各種設定値のことである。
記録設定用ウインドウ40が利用されることによってユーザーにより設定された各種記録設定は、レシートの発行に際し、制御コマンドと共にプリンター12に出力される。そして、プリンター12のプリンター側制御部30は、設定された各種記録設定に準拠して、レシートの発行に係る動作を実行する。例えば、発行するレシートの枚数が「2枚」と設定された場合は、プリンター側制御部30は、プリントエンジン32を制御して、同一のレシートを2枚発行する。
この記録設定用ウインドウ40は、一般に、プリンタードライバーによって提供されるプロパティーに係る画面に相当する画面である。
【0022】
図2は、記録設定用ウインドウ40の一例を示す図である。
この記録設定用ウインドウ40は、プリンタードライバー実行部21が備える表示制御部22により、表示パネル15aに表示される。
この表示制御部22の機能は、プリンタードライバーに含まれる所定のプログラムを、制御部13のCPUが実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。表示制御部22は、ホストコンピューター11に実装された所定のOSによって提供されるGUI環境を利用して表示パネル16aに、グラフィカルユーザーインターフェイスたる記録設定用ウインドウ40を表示する。
図2に示すように、記録設定用ウインドウ40には、複数のタブ41が表示されている。そして、複数のタブ41のそれぞれに対応して、設定画面43が準備されており、タブ41のそれぞれには、各タブ41に対応する設定画面43を簡潔に示す名称が文字として表示されている。
【0023】
記録設定用ウインドウ40内では、複数のタブ41のうち、選択された1つのタブ41に対応する設定画面43のみが排他的に表示される。
図2の例で言えば、基本設定タブ35(図2において「基本設定」と表示されたタブ41)が選択されており、記録設定用ウインドウ40内には、この基本設定タブ35に対応する基本設定画面44が排他的に表示されている。
設定画面43のそれぞれは、互いに関連し、また、同一カテゴリーに属する複数の記録設定が可能である。例えば、図2に示すように、基本設定画面44には、解像度に関する設定を行うための解像度入力欄45が形成されており、この解像度入力欄45において2パターンの解像度から1のパターンをラジオボタンによって択一的に選択できるようになっている。
また、基本設定画面44には、カラー印刷、モノクロ印刷のいずれの態様で記録を行うかを選択するためのカラー入力欄46が形成されており、プリンター12がカラー印刷、モノクロ印刷の双方に対応している場合には、このカラー入力欄46において、いずれの態様で記録を行うかをラジオボタンによって択一的に選択できるようになっている。なお、本実施形態に係るプリンター12は、モノクロ印刷にのみ対応しており、図2の例では、プリンタードライバーの機能により、カラー印刷とモノクロ印刷との選択はできない状態となっている。
また、基本設定画面44には、発行するレシートの枚数を任意の枚数に設定可能な印刷枚数入力欄47が形成されており、この印刷枚数入力欄47に形成された枚数選択欄48を利用して、発行するレシートの枚数を明示的に設定できるようになっている。さらに、印刷枚数入力欄47では、チェックボックスを利用して記録の方法等を設定できるようになっている。
【0024】
本実施形態では、表示制御部22の機能により、各設定画面43において、設定可能な記録設定ごとに、各記録設定に係る入力欄の対応する位置に、各記録設定のデフォルト値、及び、1回前にレシートを発行した際の設定値が表によって表示される構成となっている。以下の説明では、適宜、記録設定のデフォルト値、及び、1回前にレシートを発行した際の設定値が表示された表のことを、「情報表」というものとする。
例えば、図2を参照して、表示制御部22により、解像度入力欄45の枠内に、解像度情報表50が形成されており、この解像度情報表50において、解像度のデフォルト値と、1回前にレシートを発行した際に設定されていた解像度の値とが表示されている。
同様に、表示制御部22により、カラー入力欄46の枠内に、カラー情報表51が形成されており、このカラー情報表51において、カラー印刷、モノクロ印刷のいずれの態様で記録を行うかを示す情報に関し、デフォルト値と、1回前にレシートを発行した際に設定されていた値とが表示されている。なお、上述したように、本実施形態に係るプリンター12は、モノクロ印刷のみが可能であるため、カラー情報表51では、情報の表示が省略されている。
同様に、印刷枚数入力欄47の直下には、印刷枚数入力欄47に隣接して、印刷枚数情報表52が形成されており、表示制御部22により、この印刷枚数情報表52において、印刷枚数のデフォルト値と、一回前にレシートを発行した際に設定されていた印刷枚数の値とが表示されている。
【0025】
表示制御部22は、情報表を以下のようにして、表示する。
すなわち、ある1枚のレシートの発行に際し、各種記録設定が確定し、確定した記録設定に基づいてレシートの発行が実行された場合、表示制御部22は、記録設定のそれぞれの設定値を取得し、取得した設定値のそれぞれを、過去設定データ17aとして、記憶部17に記憶する。
そして、表示制御部22は、記録設定用ウインドウ40の1の設定画面43を表示する際、記憶部17の過去設定データ17aを参照し、当該1の設定画面43において設定可能な記録設定のそれぞれについて、設定値を取得する。ここで取得された設定値は、1回前にレシートを発行した際に各記録設定に対して設定されていた値である。
次いで、表示制御部22は、取得した設定値に基づいて、各記録設定に係る入力欄の対応する位置に、各記録設定のデフォルト値と、1回前にレシートを発行した際に設定された値とが表示された情報表を表示する。
【0026】
このように、本実施形態では、各種の記録設定に係る入力欄(例えば、解像度を設定するための解像度入力欄45)に対応する位置に、記録設定のデフォルト値、及び、1回前にレシートを発行した際に設定された値が明記された情報表(例えば、解像度情報表50)が表示される。
ここで、1つ前の記録設定の設定値は、ユーザーにとって有益な情報である。なぜなら、連続して記録を行う場合において、前回の記録設定のそれぞれの設定値と同一の設定値を設定した上で記録を行う必要がある場合は少なからずあり、このような場合に、ユーザーが、1つ前の記録設定の設定を知ることができれば、確実かつ容易に、今回の記録設定のそれぞれの設定値を、前回のものと同一とすることができるためである。特に、レシートの発行に関して言えば、例えば、レシートを再発行する必要が生じた場合等に、1回前のレシートを発行した際と同様の設定に準じてレシートを発行したいとする事態も少なからず、生じ得るため、1つ前の記録設定の設定値は、非常に有益な情報と言える。
この他、前回と異なる形式、態様でプリンター12に記録を行わせる場合等にも、1つ前の記録設定の設定値が把握できれば、前回と今回との間における設定値の相違も明確に把握できるため、1つ前の記録設定の設定値は有益な情報と言える。
また、デフォルト値は、基準となる値として予め設定された値であるため、参照する必要が生じる場合もあり、このデフォルト値もユーザーにとって有益な情報である。
これを踏まえ、本実施形態では、各種の記録設定に係る入力欄に対応する位置に、記録設定のデフォルト値、及び、1回前にレシートを発行した際に設定された値が明記された情報表が表示され、これにより、ユーザーは、容易に、記録設定に関する有益な情報を取得でき、また、取得した情報に基づいて適切に記録設定を設定できる。
【0027】
さらに、本実施形態では、表示制御部22の機能により、全ての記録設定について、一括してデフォルト値へと変更し、また、一括して1回前にレシートを発行したときの設定値へと変更することが可能である。
具体的には、図2に示すように、表示制御部22は、基本設定画面44に、デフォルト選択ボタン55と、直前設定選択ボタン56とを表示する。これらは、所定のカーソルを利用して選択可能なボタンである。そして、デフォルト選択ボタン55が選択された場合、表示制御部22は、全ての記録設定をデフォルト値へと変更すると共に、記録設定用ウインドウ40における記録設定に関する表示について必要な変更を行う。
また、直前設定選択ボタン56が選択された場合、表示制御部22は、全ての記録設定を1回前にレシートを発行したときの設定値へと変更すると共に、記録設定用ウインドウ40における記録設定に関する表示について必要な変更を行う。
このように、ボタンを選択するという容易な操作で、記録設定の設定値を、一括して、デフォルト値へと変更でき、また、1回前にレシートを発行したときの設定値へと変更できるため、ユーザーの利便性が高く、また、漏れなく確実に設定値の変更を実行可能である。
なお、本実施形態では、デフォルト選択ボタン55、及び、直前設定選択ボタン56が、基本設定画面44に表示される構成であるが、他の設定画面43に表示するようにしてもよく、また、複数の設定画面43に表示するようにしてもよい。
【0028】
さらに、本実施形態では、表示制御部22は、記録設定用ウインドウ40では、1つの設定画面43が排他的に表示されるという特徴を踏まえて、以下のような有効な処理を実行する。
【0029】
図3は、記録設定用ウインドウ40の基本設定画面44において、ユーザーが、解像度に関する設定、及び、印刷枚数に関する設定を変更した場合の様子を示す図である。
なお、本実施形態では、POSアプリケーションが起動している状態が維持されている限りにおいて、1のレシートを発行した後に、改めて記録設定用ウインドウ40を開いた場合、記録設定用ウインドウ40における各種記録設定の設定値の表示は、当該1のレシートを発行した際の設定値となっているものとする。例えば、あるレシートについて、印刷枚数を「2枚」と設定した上で、当該レシートを発行したとする。そして、当該レシートの発行後に、記録設定用ウインドウ40の基本設定画面44を開く旨の指示を受け付けた場合、表示制御部22は、枚数選択欄48の表示を、「2枚」とする。
また、図3が示す基本設定画面44は、図2に示す基本設定画面44に対して記録設定を変更したときの画面である。すなわち、記録設定用ウインドウ40を開いたときの基本設定画面44の状態は、図2に示すものであり、それに対して、解像度に関する設定、及び、印刷枚数に関する設定を変更したことにより、図2が示す基本設定画面44から図3が示す基本設定画面44へと画面の状態が変化している。
【0030】
図2と図3との比較で明らかなように、図3では、解像度入力欄45における解像度に関する設定が、「180×180」から「90×90」へと変更されている。そして、表示制御部22は、「90×90」の表示を、赤色によってマーキングしており、これにより、解像度に関する設定が、前回から変更されたことが明示されている。
同様に、図3では、印刷枚数入力欄47における印刷枚数に関する設定が、枚数「1」から枚数「3」へと変更されている。そして、表示制御部22は、枚数選択欄48の全域を赤色によって塗りつぶした状態としており、これにより、印刷枚数に関する設定が、前回から変更されたことが明示されている。
このように、本実施形態では、表示制御部22の機能により、設定値が変更された記録設定に関しては、特定の色を利用したマーキング等の手法によって強調表示され、設定値の変更があったことを、容易かつ確実に認識できる構成となっている。このため、ユーザーが誤って設定値を変更してしまう可能性を低減できると共に、ユーザーは、設定値を変更した記録設定がどれであったかを容易に把握できる。
【0031】
さらに、図2と図3との比較において明らかなように、何らかの設定の変更が行われた設定画面43については、表示制御部22は、当該設定画面43に対応するタブ41の表示態様を変更する。
具体的には、図3では、基本設定画面44において、解像度に関する設定と、印刷枚数に関する設定について変更が行われているが、表示制御部22は、この設定の変更に伴って、基本設定タブ35の色を赤色へと変更する。
このように、本実施形態では、1の設定画面43について、当該1の設定画面43を利用して何らかの設定の変更が行われた場合、当該1の設定画面43に対応するタブ41の表示態様が変更される。この構成を有することによる効果については、後述する。
【0032】
図4(A)は、基本設定画面44において図3に示したような設定の変更を行った上で、さらに、この基本設定画面44とは異なる設定画面43であるレイアウト設定画面59に対して設定の変更を行った場合における記録設定用ウインドウ40の様子を示す図である。
図4に示す例では、レイアウト設定画面59において、印刷方向に関する記録設定について前回から変更されている。
すなわち、レイアウト設定画面59には、印刷方向を設定するための印刷方向設定入力欄58が形成されており、この印刷方向設定入力欄58において、ラジオボタンを利用して、印刷方向として、「標準」、「90°回転」、「180°回転」、及び、「270°回転」のいずれかを択一的に選択できる構成となっている。
そして、図4では、印刷方向が前回の設定値である「標準」から「90°回転」へと変更されている。なお、表示制御部22の機能により、上述した基本設定画面44と同様、当該変更が明確となるように、「90°回転」という文字列に対して赤色のマーキングが施された状態となっている。
さらに、表示制御部22により、レイアウト設定画面59に対応するタブ41であるレイアウトタブ36の色が赤色に変更され、これにより、レイアウト設定画面59において何らかの設定変更が行われたことが明示されている。
【0033】
ここで、図4に示すように、記録設定用ウインドウ40では、基本設定画面44からレイアウト設定画面59へと表示画面を変更した場合であっても、基本設定画面44に対応する基本設定タブ35が赤色となった状態が維持される。
これにより、記録設定用ウインドウ40において、レイアウト設定画面59が排他的に表示され、基本設定画面44が表示されていない状態であっても、ユーザーは、基本設定画面44において何らかの設定の変更を行っていることを把握できる。
これにより、以下の効果を奏する。
すなわち、レシートの発行に関しては、複数の設定画面43のそれぞれにおいて、各種記録設定が適切に設定されることが必要である。しかしながら、記録設定用ウインドウ40では、複数の設定画面43のうち、1つの設定画面43のみが表示されるという特徴を有しているため、ユーザーは、現在、表示されていない設定画面43において、必要な設定の変更を行ったか否か、また、不必要な設定の変更を行っていないか否かを忘れる場合もある。これを踏まえ、本実施形態では、1の設定画面43に対して設定変更が行われた場合、表示制御部22は、当該1の設定画面43に対応するタブ41の色を赤色へと変更し(タブ41の表示態様をその旨を示す表示態様へと変更し)、その後は、当該1の設定画面43以外の設定画面43が排他的に表示されている場合であっても、当該1の設定画面43に対応するタブ41の色が赤色である状態を維持する。これにより、ユーザーは、現在表示されている設定画面43以外の設定画面43についても、タブ41の色を視認することにより、設定画面43に係る記録設定の変更を行ったか否かを、容易かつ確実に認識でき、この認識に基づいて、必要な設定の変更を行ったか否か、また、不必要な設定の変更を行っていないか等の確認を行うことが可能となり、記録設定について誤った設定がなされた状態となることを効果的に防止できる。
【0034】
ここで、レイアウト設定画面59によってその設定値が設定可能な印刷方向について説明する。
図4に示すように、印刷方向としては、「標準」、「90°回転」、「180°回転」、及び、「270°回転」のいずれかを択一的に選択可能である。
印刷方向として、「標準」が設定された場合、感熱ロール紙に画像が記録される際の、感熱ロール紙に対する画像の相対的な方向が、POSアプリケーション実行部20が生成した印刷データにおける画像の方向とされた上で、画像の記録が実行される。例えば、POSアプリケーション実行部20が生成した印刷データにおいて、文字列「Abc」が、図4(B−1)に示すような方向で記録媒体に記録されることが指示されている場合には、当該方向に準拠して文字列「Abc」に係る画像の記録が実行される。
特に、印刷方向が「標準」の場合、文字については、文字が記録される方向として予め想定された方向で記録されることとなり、プリンター12に記憶された上述のフォントデータを利用した画像の記録が行われる。すなわち、印刷方向が「標準」の場合、感熱ロール紙に記録すべき文字について、プリンタードライバー実行部21は、上述したように、POSアプリケーション実行部20が生成した印刷データに含まれる各文字コードを、プリンター12の所定の記憶領域における各文字コードに対応するフォントデータの位置を示す情報に変換した上で、プリンター12に出力する。プリンター12のプリンター側制御部30は、記憶領域における各文字コードに対応するフォントデータの位置を示す情報に基づいて、各文字コードのフォントデータを特定し、特定したフォントデータに基づいて各文字に係る画像を記録する。
【0035】
また、印刷方向として、「90°回転」が設定された場合、感熱ロール紙に画像が記録される際の、感熱ロール紙に対する画像の相対的な方向が、POSアプリケーション実行部20が生成した印刷データにおける画像の方向から時計回りに90°回転された上で、画像の記録が実行される。
例えば、POSアプリケーション実行部20が生成した印刷データにおいて、文字列「Abc」が、図4(B−1)に示すような方向で記録媒体に記録されることが指示されている場合には、この文字列「Abc」が時計回りに90°回転され、図4(B−2)に示す状態となるように、文字列「Abc」に係る画像の記録が実行される。
印刷方向として「90°回転」が設定されている場合は、レシートに記録すべき画像の全体の画像データ(例えば、ビットマップデータ)が、当該画像データに係る画像を記録させるコマンド共に、ホストコンピューター11からプリンター12へ出力される。
詳細には、プリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20から入力された印刷データに基づいて、感熱ロール紙に記録すべき画像の全体の画像データを生成する。次いで、プリンタードライバー実行部21は、既存の画像データ編集技術等を利用して、生成した画像データに係る画像を90°回転させたときの画像を示す画像データ(以下、「回転後画像データ」という)を生成する。次いで、プリンタードライバー実行部21は、プリンター12のコマンド仕様に対応させて、生成した回転後画像データに係る画像を記録することを指示するコマンドを生成すると共に、当該コマンドと、回転後画像データとをプリンター12に出力する。プリンター12は、入力された回転後画像データに基づいて、各部を制御して、回転後画像データが示す画像を感熱ロール紙に記録する。この場合は、文字についても、文字を示す情報としてではなく、画像データとして、ホストコンピューター11からプリンター12へ出力されることとなる。
なお、印刷方向として「180°回転」、「270°回転」が設定された場合は、「90°回転」が設定された場合と同様の処理が行われるため、その説明を省略する。
【0036】
図5は、設定画面43の1つである書式設定画面60を示す図であり、特に、図4に示すように、レイアウト設定画面59を利用して印刷方向の設定を「標準」から「90°回転」へと変更した直後の、書式設定画面60の状態を示している。
ここで、印刷方向を「標準」から「90°回転」に変更した場合、この変更に伴って強制的にその設定値が変更される記録設定が存在する。
具体的には、レシートの発行に際し、当該レシートに記録すべき画像に関して、全ての画像を画像データ(例えば、ビットマップデータ)としてホストコンピューター11からプリンター12に出力する(以下「設定S1」という)か、又は、レシートに記録すべき画像のうち、文字に係る画像等の所定の画像に関しては、画像データではなく当該画像を示す情報を出力する(以下「設定S2」という)か、のいずれかの選択に関する設定(以下、「出力画像設定」という)である。
なお、図5に示す書式設定画面60では、出力画像設定が、「全ての文書を画像イメージとして印刷」と表現されており、これに対応して「<はい>」と表示されているときは、出力画像設定として設定S1が設定されており、「<いいえ>」と表示されているときは、出力画像設定として設定S2が設定されている。
上述したように、印刷方向として「標準」が設定されている場合、レシートに記録すべき文字は、記憶領域における文字に対応するフォントデータの位置を示す情報としてホストコンピューター11からプリンター12に対して出力されるが、印刷方向として「90°回転」が設定されている場合、レシートに記録すべき文字を含む全ての画像が画像データとしてホストコンピューター11からプリンター12に対して出力される。従って、印刷方向を「標準」から「90°回転」に変更した場合、これに伴って、出力画像設定が強制的に設定S2から設定S1へと変更される。すなわち、出力画像設定は、印刷方向に関する設定に変更があったときに、当該設定の変更と整合性を保つため、当該設定の変更に応じて強制的に変更が必要な設定である。
【0037】
これを踏まえ、本実施形態では、図4に示すように、レイアウト設定画面59において、印刷方向の設定が「標準」から「90°回転」へと変更された場合、表示制御部22は、書式設定タブ37の色を青色へと変更する(書式設定タブ37の表示態様をその旨を示す表示態様へと変更する)。こうすることにより、印刷方向の設定を「標準」から「90°回転」へと変更することに伴って、書式設定画面60(図5)によって設定が行われる記録設定についても変更が行われたことが明確となる。これにより、ユーザーは、自身が行った設定の変更に伴って、色が青色へと変わったタブ41が存在することを認識することにより、当該タブ41に対応する設定画面43において、当該設定の変更に伴って自動で変更が行われる記録設定が存在することを容易、かつ、確実に認識できる。そして、ユーザーは、当該認識に基づいて、例えば、色が青色へと変わったタブ41に対応する設定画面43を表示し、自動で変更された記録設定の内容を確認等することができ、記録設定について、誤った設定がなされた状態となることをさらに防止できる。
【0038】
図5に示すように、書式設定画面60において、レイアウト設定画面59における印刷方向の設定の変更に伴って自動で変更があった記録設定である出力画像設定について、表示制御部22は、対応する箇所を青色によってマーキングして表示する。これにより、ユーザーは、書式設定画面60を開いたときに、自動で変わった設定が何であるかを容易かつ確実に認識でき、ユーザーの利便性が向上する。
【0039】
なお、印刷方向に関する設定、及び、出力画像設定の関係と同様の関係を有する記録設定は、他にも存在する。換言すれば、1の設定画面43において1の記録設定の設定を変更した場合、当該1の記録設定の変更との間で整合性を保つために、自動で変更される記録設定であって、1の設定画面43以外の他の設定画面43を利用してその設定の変更が実行される記録設定は、他にも存在する。そして、本実施形態は、これら記録設定についても、上述したように、表示制御部22は、自動で変更される記録設定の設定を行うための設定画面43に対応するタブ41の色を青色へと変更し、その旨明示する。
例えば、本実施形態では、記録設定として、感熱ロール紙の紙幅、文字の印刷可能桁数(レシートの1行に記録可能な文字の最大数)、文字のフォント種類、記録解像度、文字と文字との間の文字間スペースの大きさ、及び、画像を記録すべき領域を規定するためのマージン(例えば、レシートの左端と、画像の記録が開始される左端の位置との間に形成されるスペースの距離)が存在している。そして、これら記録設定については、1つの記録設定の設定の変更に伴って、他の記録設定の設定の変更が必要となる場合がある。例えば、感熱ロール紙の紙幅の変更や、記録解像度の変更に伴って、印刷可能桁数が必然的に変わり、また例えば、フォント種類の変更に伴って、文字の印刷可能桁数が必然的に変わる。
【0040】
ここで一例として、フォント種類の設定は、フォントタブ38(図2〜図5)に対応するフォント設定画面(不図示)によって行われ、また、文字の印刷可能桁数は、プリンター設定タブ39(図2〜図5)に対応するプリンター設定画面(不図示)によって行われるものとする。
この場合において、フォント設定画面を利用して、フォント種類の変更が行われた場合、表示制御部22は、フォント設定画面に対応するフォントタブ38の色を赤色へと変更し、さらに、フォント種類の変更に伴って自動で変更される印刷可能桁数の設定に係るプリンター設定画面のプリンター設定タブ39の色を青色へと変更する。
これにより、ユーザーは、フォント設定画面以外の設定画面43が表示されている状況下でも、フォントタブ38の色が赤色であることを認識することにより、フォント設定画面において何らかの設定の変更を行っていることを容易かつ確実に把握でき、さらに、プリンター設定タブ39の色が青色であることを認識することにより、フォント種類の変更に伴って、プリンター設定画面に係る記録設定に自動で何らかの変更があったことを把握できる。
【0041】
この他、例えば、1の設定画面43において、レシートに記録されるべき画像の模式的なプレビューを表示するものとする。この場合、プレビューされた画像の状態に影響を与えるような記録設定の設定の変更が行われた場合、表示制御部22は、当該1の設定画面43のタブ41の色を青色へと変更する。例えば、イメージスタンプとしてのウォーターマークを付加する設定が行われたり、各種マージンを変更する設定が行われたり、フォント種類を変更する設定が行われた場合は、これに伴ってプレビューされる画像も変更されるため、これら変更に係る設定が行われた場合、表示制御部22は、当該1の設定画面43のタブの色を青色へと変更する。
【0042】
以上説明したように、表示制御部22は、記録に関する各種設定(記録設定)を行うための複数の設定画面43のそれぞれに対応して複数のタブ41が表示されると共に、表示された複数のタブ41のうち、選択された1つの前記タブに対応する設定画面43が排他的に表示される記録設定用ウインドウ40(グラフィカルユーザーインターフェイス)を表示パネル15aに表示する。そして、表示制御部22は、1の設定画面43を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1のタブ41の色を赤色に変更することにより、表示態様をその旨を示す表示態様に変更する。
これによれば、1の設定画面43を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面43に対応する1のタブ41の色が赤色に変更されるため、ユーザーは、他の設定画面43が表示されている場合であっても、当該1のタブ41の色を確認することにより、当該1の設定画面43を利用して設定が変更されたことを容易かつ確実に認識できることとなり、当該認識に基づいて、変更した設定箇所の確認等を行うことが可能となり、変更するべき設定が変更されず、また、変更すべきでない設定が変更されている状態で変更が確定されることを防止でき、誤った設定の状態でプリンター12による記録が行われることを抑制できる。
【0043】
また、本実施形態では、表示制御部22は、1の設定画面43を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面43に対応する1のタブ41の色を赤色に変更し、さらに、当該1の設定画面43を利用した設定の変更に伴って変更される設定が存在する場合であって、当該設定が他の設定画面43を利用して行われるものである場合には、当該他の設定画面43に対応するタブ41の色を青色に変更する。
これによれば、1の設定画面43を利用して1の設定が変更された際に、当該設定の変更に伴って変更される他の設定に係る他の設定画面43のタブ41の色が青色へ変わる。このため、ユーザーは、タブ41の状態(色)を確認することにより、1の設定画面43における設定の変更に伴って、他の設定画面43に係る設定に変更があったことを容易に認識できる。さらに、当該認識に基づいて、他の設定画面43における設定の内容の確認等を行うことができるため、誤った設定がなされることを抑制できる。
【0044】
また、本実施形態において、1の設定画面43を利用した設定の変更に伴って変更される設定とは、当該1の設定画面43を利用して設定の変更が行われたときに、当該変更後の設定との間で整合性を保つために、当該設定の変更に応じて変更が必要な設定のことである。
例えば、印刷方向に関する設定に対する出力画像設定や、感熱ロール紙の幅に対する文字の印刷可能桁数等が上記設定に該当する。
そして、上記によれば、ユーザーは、記録に関する設定を変更した後、タブ41の状態を確認することにより、当該記録に関する設定に伴って変更される他の設定が存在することを容易に認識できる。さらに、当該認識に基づいて、他の設定画面43における設定の内容の確認等を行うことができるため、誤った設定がなされることを抑制できる。
【0045】
また、本実施形態では、表示制御部22は、1回前にレシートを発行したときにおける記録設定の設定値を過去設定データ17aとして記憶部17に記憶する。そして、表示制御部22は、設定画面43における各種記録設定の入力欄に対応する位置に、1回前にレシートを発行したときにおける記録設定の設定値を表示する。
ここで、プリンター12による記録に際し、過去に行った記録と同様の条件で記録を実行する必要がある場合もある。従って、過去にプリンター12に記録させたときの設定の設定値は、ユーザーが設定を行う際の有益な情報である。
そして、上記によれば、ユーザーは、設定に関する有益な情報を容易に取得でき、取得した情報に基づいて適切に各種設定を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、表示制御部22は、設定画面43上に、各種記録設定を、所定のデフォルト値に戻すためのデフォルト選択ボタン55、及び、1回前にレシートを発行したときの設定値に戻すための直前設定選択ボタン56を選択可能に表示する。
これによれば、容易に、各種記録設定の設定値を、所定のデフォルト値に戻し、また、過去にプリンター12に記録させたときの設定値へと戻すことができるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0047】
また、本実施形態では、表示制御部22は、タブ41の表示態様を変更する場合、特定の色にタブ41の色を変更する。
具体的には、表示制御部22は、1の設定画面43において何らかの設定の変更が行われた場合は、当該1の設定画面43に対応するタブ41の色を赤色に変更する。また、表示制御部22は、1の設定画面43において設定の変更が行われたときに、当該設定の変更に伴って変更される設定に係る他の設定画面43のタブ41の色を青色に変更する。
これによれば、表示制御部22は、タブ41の色を変更することにより、他のタブ41との差異が明確になるような態様で、容易にタブ41の表示態様を変更できる。
【0048】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、表示制御部22は、タブ41の色を変更することにより、タブ41の表示態様を変更していた。しかしながら、タブ41の表示態様を変更する方法はこれに限らず、例えば、タブ41内に表示された文字を強調表示(例えば、太字にする)するようにしてもよく、また例えば、タブ41に所定の模様を表示したり、タブ41の形状を変形させたりするようにしてもよい。すなわち、タブ41を視認したときに、変化があったことが理解できるような態様で表示態様が変更されればよい。
また、上述した実施形態では、プリンター12として、サーマルラインプリンターを適用する場合を例として発明を説明したが、ホストコンピューター11によって制御されるプリンター12は、サーマルラインプリンターに限らず、例えば、インクジェット式プリンターや、ドットインパクト式プリンターであってもよい。すなわち、本発明は、記録装置に接続され、記録装置を制御する制御装置に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…記録システム、11…ホストコンピューター(制御装置)、12…プリンター(記録装置)、13…制御部、22…表示制御部、35…基本設定タブ(タブ)、36…レイアウトタブ(タブ)、37…書式設定タブ(タブ)、38…フォントタブ(タブ)、39…プリンター設定タブ(タブ)、40…記録設定用ウインドウ(グラフィカルユーザーインターフェイス)、41…タブ、43…設定画面、44…基本設定画面(設定画面)、45…解像度入力欄(入力欄)、46…カラー入力欄(入力欄)、47…印刷枚数入力欄(入力欄)、55…デフォルト選択ボタン(所定のデフォルト値に戻すための表示)、56…直前設定選択ボタン(過去に記録媒体に記録させたときの設定値に戻すことを選択するための表示)、59…レイアウト設定画面(設定画面)、60…書式設定画面(設定画面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置であって、
記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスの表示を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更し、さらに、当該1の設定画面を利用した設定の変更に伴って変更される設定が存在する場合であって、当該設定が他の前記設定画面を利用して行われるものである場合には、当該他の設定画面に対応する前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする請求項1の制御装置。
【請求項3】
1の前記設定画面を利用した設定の変更に伴って変更される設定とは、
当該1の設定画面を利用して設定の変更が行われたときに、当該変更後の設定との間で整合性を保つために、当該設定の変更に応じて変更が必要な設定のことであることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
過去に前記記録装置に記録させたときの各種設定の設定値を保持し、
前記設定画面における各種設定の入力欄に対応する位置に、前記過去に前記記録装置に記録させたときの各種設定の設定値を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記設定画面上に、各種設定を、所定のデフォルト値に戻し、又は、前記過去に前記記録媒体に記録させたときの設定値に戻すことを選択するための表示を行うことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記タブの表示態様を変更する場合、特定の色に当該タブの色を変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置の制御方法であって、
記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスを表示し、
前記グラフィカルユーザーインターフェイスにおいて、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項8】
記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
記録に関する各種設定を行うための複数の設定画面のそれぞれに対応した複数のタブが表示されると共に、前記複数のタブのうち、選択された1つの前記タブに対応する前記設定画面が排他的に表示されるグラフィカルユーザーインターフェイスを表示し、1の前記設定画面を利用して設定が変更された場合、当該1の設定画面に対応する1の前記タブの表示態様をその旨を示す表示態様に変更する表示制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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