制御装置、小切手処理装置、及び、制御装置の制御方法
【課題】小切手の発行に際し、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるようにする。
【解決手段】ホストコンピューター10は、小切手を処理する小切手処理装置11に接続され、小切手処理装置11の表面側CIS38の読取結果に基づいて、小切手の表面の画像データを記憶する記録面画像データ記憶部63と、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手の表面の画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片を紙片発行装置47に発行させる紙片発行制御部64と、を備える。
【解決手段】ホストコンピューター10は、小切手を処理する小切手処理装置11に接続され、小切手処理装置11の表面側CIS38の読取結果に基づいて、小切手の表面の画像データを記憶する記録面画像データ記憶部63と、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手の表面の画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片を紙片発行装置47に発行させる紙片発行制御部64と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手を処理する小切手処理装置に接続可能な制御装置、当該小切手処理装置、及び、当該制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手の表面に所定の情報を記録して、小切手を発行する小切手処理装置(小切手印字装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の小切手処理装置では、小切手を発行する際、振出人に渡す現物の小切手と共に、取引銀行等の金融機関が保管するための媒体であって小切手に記録された情報と同等の内容が記録された金融機関控え、及び、振出人が保管するための媒体であって小切手に記録された情報と同等の内容が記録された振出人控えを発行するのが一般的である。上記3つの媒体は、例えば、ドットインパクトプリンターを利用したカーボンコピーによる複写によって、また、人為的な手段で3つの媒体に個別に必要な情報を記録することによって、発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−191096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、振出人控えは、振出人が、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用されるものであるが、このような振出人控えの本来の機能を維持したまま、振出人控えが振出人に渡される媒体であるという特性を活用して、当該振出人控えを利用して小切手の発行に関する有益な情報を振出人に提供することができれば、顧客満足度の向上につながる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小切手の発行に際し、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置であって、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、前記紙片発行制御部は、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする。
ここで、上記構成にように、振出人の口座からの引き落としを伴って小切手の発行が行われる場合、小切手の発行による口座残高の変動に関する情報は、振出人にとって非常に有益な情報である。
これを踏まえ、上記構成によれば、一の小切手の発行に際して、当該一の小切手の記録面の画像と、振出人の口座残高に係る情報とが記録された紙片が発行されるため、振出人は、紙片を介して、非常に有益な情報を取得可能である。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置であって、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、前記表示情報格納部は、一の小切手の発行に際し、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報を、当該一の小切手の前記記録面の画像データと共に前記Webサーバーに閲覧可能に格納することを特徴とする。
この構成によれば、第三者の盗み見等に起因した情報の漏洩を適確に防止しつつ、紙片を介して、口座残高に係る情報という非常に有益な情報を振出人に提供可能である。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記Webサーバーは、前記紙片に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスがあった場合に、認証を行う認証部をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、紙片を紛失した場合であっても、当該紛失を介して個人情報や、機密情報が漏洩することを適確に防止可能である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部によって発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、前記紙片発行部により、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納し、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成し、前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小切手の発行に際し、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る小切手処理システムの構成を示す図である。
【図2】小切手を示す図である。
【図3】小切手処理装置を上から見た様子を模式的に示す図である。
【図4】ホストコンピューター、小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【図5】小切手処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】振出人控え紙片を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る小切手処理システムの構成を示す図である。
【図8】ホストコンピューター、小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【図9】小切手処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】振出人控えDBのデータ構造を示す図である。
【図11】描画画像が表示された携帯電話の様子を示す図である。
【図12】アクセス用紙片を示す図である。
【図13】別の実施形態に係る小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る小切手処理システム1の構成を示す図である。
この小切手処理システム1は、小切手4(図2)を発行する権限を有する金融機関に適用されるシステムであり、少なくとも、振出人の要請に応じて小切手4を発行する機能を備えている。
図1に示すように、小切手処理システム1は、複数のホストコンピューター10(制御装置)を備え、ホストコンピューター10のそれぞれには、小切手処理装置11が接続されている。
本実施形態では、これらホストコンピューター10及び小切手処理装置11は、金融機関のフロアーFLに配置されている。より具体的には、金融機関のフロアーFLには、金融機関に属する担当者が顧客と対面するためのカウンターCTが複数形成されており、カウンターCTのそれぞれに、一対のホストコンピューター10と小切手処理装置11とが配置されている。小切手4の発行に際しては、カウンターCTにて担当者とやり取りした上で、小切手処理システム1の機能により小切手4が発行される。
ホストコンピューター10のそれぞれは、LAN12を介して通信可能に接続されると共に、このLAN12には、基幹系システム13、及び、Webサーバー14が接続されている。
【0017】
基幹系システム13は、金融機関の基幹業務に係る各種機能を実行するシステムである。この基幹系システム13は、集中型システムであっても、分散型システムであってもよい。
図1に示すように、基幹系システム13は、口座管理システム16と、発行小切手管理システム17と、を備えている。
口座管理システム16とは、金融機関と口座契約を結んだ各契約者の口座を管理するシステムであり、口座管理用のデータベースを備え、当該データベースを用いて、契約者ごとに、口座残高に係る情報を含む口座に関する情報を管理する。
発行小切手管理システム17については後述する。
また、Webサーバー14は、ネットワーク18上のブラウザー機能を持った携帯電話19や、個人が所有するPC20等の外部の装置からのアクセスに応じて、所定のプロトコルに準拠して所定のサービスを提供するサーバーコンピューターである。Webサーバー14は、例えば、外部の装置からの金融機関のホームページへのアクセスに応じて、当該外部の装置にホームページを表示させる。
【0018】
図2は、小切手4の表面4a(記録面)の一例を示す図である。
小切手4は、所定の模様や装飾が施されたシートであり、小切手処理装置11によって小切手4の発行手続がなされる際は、その表面4a(記録面)に、発行日情報4bや、受取人情報4c、額面数値情報4d、額面文字列情報4e、サイン4f等の小切手情報が記録される。発行日情報4bとは、小切手4の発行日を示す情報である。受取人情報4cとは、発行された小切手4を受け取る者の名前を示す情報である。額面数値情報4dとは、小切手4の額面を数値によって表す情報である。額面文字列情報4eとは、小切手4の額面を文字によって表す情報である。額面数値情報4dは、例えば、「10」であり、額面文字列情報4eは、例えば、「ten」である。サイン4fとは、当該小切手4を発行する責任者(例えば、金融機関の長)の署名のグラフィック画像である。
また、小切手4の裏面には裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。
図2に示すように、また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4gが形成されている。磁気インク文字列4gは、小切手4固有の識別情報を示すものであり、磁気インクで記録された複数の磁気インク文字4hが並んで構成され、磁気的または光学的に読み取ることができる。
本実施形態では、小切手4は、以下の態様で発行されるものとする。
すなわち、金融機関に口座を開設している振出人が小切手4を発行する主体となり得る。そして、小切手4の発行に際し、振出人は、金融機関のカウンターCTにて、自身の銀行カードを後述するカードリーダー22に読み取らせると共に、小切手4の額面や、小切手4の受取人の氏名等の必要な情報を担当者に伝達する。次いで、担当者は、ホストコンピューター10を操作して、小切手処理装置11により、必要な小切手情報が記録された小切手4を発行する。その際、ホストコンピューター10と、基幹系システム13の口座管理システム16とが協働して、小切手4の額面に対応する額(手数料等を反映した額)を、振出人の口座から引き落とす。このようにして、発行された小切手4は、適宜のタイミングで受取人に引き渡され、受取人は、受け取った小切手4を所定の金融機関にて換金できる。
【0019】
図3は、小切手処理装置11を上から見たときの内部構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、小切手処理装置11には、上から見た場合にU字形状をした細幅の垂直溝からなる搬送路23が形成されており、この搬送路23の一方の端は広幅の垂直溝からなる小切手供給部24に連通しており、他方の端は分岐して、それぞれ広幅の垂直溝からなる第1収容部25、及び、第2収容部26に連通している。
小切手供給部24は、処理前の小切手4を複数枚(例えば100枚)収容可能に構成されており、収容された小切手4を一枚ずつ搬送路23に送り出すための送り出し機構が設けられている。小切手供給部24に収容される際、小切手4は、その表面4aが外側に向かった状態となるように収容され、その表面4aが外側に向かった状態のまま搬送路23上を搬送される。
また、小切手処理装置11には、搬送路23において、小切手4を搬送方向に搬送させる搬送機構27が設けられている。搬送機構27は、複数の搬送ローラー28と、各搬送ローラー28に押しつけられて連れ回りする複数の従動ローラー29と、各搬送ローラー28を駆動する搬送用モーター30(図4)とを備えており、後述するデバイス側制御部31の制御の下、搬送用モーター30の駆動に従って、搬送ローラー28、従動ローラー29とのそれぞれが回転し、小切手4が搬送方向に搬送される。搬送機構27と、デバイス側制御部31とが協働して搬送部として機能する。
【0020】
小切手供給部24の搬送方向下流には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4gを磁気的に読み取る磁気ヘッド33が配置されている。
搬送路23において、磁気ヘッド33の搬送方向下流には、表面側記録ヘッド34(記録部)と、裏面側記録ヘッド35とを備える記録ヘッドユニット36が設けられている。表面側記録ヘッド34、及び、裏面側記録ヘッド35のそれぞれは、インクを吐出して画像を記録するインクジェット方式の記録ヘッドである。
表面側記録ヘッド34は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aに対向するように設けられており、小切手4の発行手続に際して表面4aに上述した各小切手情報を記録する。一方、裏面側記録ヘッド35は、搬送路23を搬送される小切手4の裏面に対向するように設けられており、小切手4の受付手続に際して裏面にいわゆる裏書きと呼ばれる文字や画像を記録する。
【0021】
さらに、搬送路23において、記録ヘッドユニット36の搬送方向下流には、表面側CIS(Contact Image Sensor)38(光学読取部)と、裏面側CIS39とを備えるCISユニット40が設けられている。
表面側CIS38は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aに対向するように設けられており、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aの画像を光学的に読み取り、読み取り結果をデバイス側制御部31に出力する。一方、裏面側CIS39は、搬送路23を搬送される小切手4の裏面に対向するように設けられており、搬送路23を搬送される小切手4の裏面の画像を光学的に読み取り、読み取り結果をデバイス側制御部31に出力する。
【0022】
搬送路23の他方の端では、搬送路23が分岐して第1分岐路41、及び、第2分岐路42が形成されており、第1分岐路41には第1収容部25が、第2分岐路42には第2収容部26がそれぞれ連通している。搬送路23が分岐した部位には、搬送路23上を流れてきた小切手4について、第1分岐路41を経由して第1収容部25に収容するか、又は、第2分岐路42を経由して第2収容部26に収容するかを選択的に切り換える切換板43が設けられている。切換板43は、切換用モーター44(図4)に接続されており、デバイス側制御部31は、切換用モーター44を駆動して、上記切り替えを実行する。後述する磁気インク文字認識部45による磁気インク文字列4gの読み取りが成功した小切手4については第1収容部25に収容され、読み取り結果が失敗した小切手4については第2収容部26に収容される。
図示は省略したが、搬送路23には、小切手4の搬送の制御のための各種センサーが配置されている。センサーとしては、例えば、小切手4が重なった状態で搬送されていることを検出するセンサーや、紙ジャムを検出するセンサー、所定の位置における小切手4の有無を検出するセンサー等がある。
【0023】
図3に示すように、小切手処理装置11は、紙片発行装置47(紙片発行部)を備えている。
紙片発行装置47は、ロール紙を収容し、このロール紙の記録面に、インクジェットヘッドによってインクを吐出して画像を記録した上で、所定の位置でロール紙を切断することにより、紙片を発行するインクジェットプリンターである。
さらに、図3に示すように、小切手処理装置11は、カードリーダー22(カード読取部)を備えている。
カードリーダー22は、MCRヘッド48(図4)を備えており、スリット49を通るカードに磁気的に記録されたカード情報を、MCRヘッド48によって読み取って、デバイス側制御部31に出力する。カードとしては、例えば、小切手を発行しようとしている振出人のキャッシュカード等がある。
【0024】
図4は、小切手処理装置11と、ホストコンピューター10の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、小切手処理装置11は、デバイス側制御部31と、媒体処理部50と、磁気ヘッド33と、記録ヘッドユニット36と、CISユニット40と、カードリーダー22と、紙片発行装置47と、デバイス側記憶部51と、インターフェイス部52(I/F)と、を備えている。
デバイス側制御部31は、小切手処理装置11の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行されるファームウェア等の制御プログラムや、この制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行される制御プログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
媒体処理部50は、上述した搬送用モーター30、及び、切換用モーター44のほか、小切手4の処理に供する各種機構、装置を備え、デバイス側制御部31の制御の下、小切手4の処理を実行する。
磁気ヘッド33は、所定の信号処理回路を備え、搬送路23上を搬送される小切手4の磁気インク文字列4gによって形成される磁界の変化によって発生する起電力に基づいて検出信号を生成し、生成した検出信号を増幅し、波形整形し、デジタル変換した上で、磁気読取結果データとして、デバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、入力された磁気読取結果データをホストコンピューター10の制御部55に出力する。
【0025】
記録ヘッドユニット36の表面側記録ヘッド34、及び、裏面側記録ヘッド35は、デバイス側制御部31の制御の下、搬送路23上を搬送される小切手4の表面4a又は裏面に画像を記録する。デバイス側制御部31は、各記録ヘッドが備えるアクチュエーターを駆動し、各記録ヘッドに形成されたノズル孔から必要量のインクを吐出することにより、小切手4の表面4a又は裏面に画像を記録する。
また、CISユニット40の表面側CIS38、及び、裏面側CIS39は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4a又は裏面を光学的に読みと取って、読取結果をデバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、表面側CIS38の読取結果に基づいて小切手4の表面4aを示す画像データ(以下、「表面画像データ」という。)を生成しホストコンピューター10の制御部55に出力し、また、裏面側CIS39の読取結果に基づいて小切手4の裏面を示す画像データを生成し制御部55に送信する。
カードリーダー22は、MCRヘッド48を備えており、MCRヘッド48によってスリット49を通されたカードのカード情報を読み取り、読取結果をカード読取結果データとして、デバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、入力されたカード読取結果データをホストコンピューター10の制御部55に出力する。
紙片発行装置47は、ロール紙を搬送する搬送機構や、インクジェットヘッドによってロール紙に画像を記録する記録機構、所定の位置にてロール紙を切断する切断機構等の紙片の発行に係る各種機構を備える紙片発行機構56を備え、デバイス側制御部31の制御の下、紙片発行機構56によって紙片を発行する。
デバイス側記憶部51は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
インターフェイス部52(I/F)は、デバイス側制御部31の制御の下、ホストコンピューター10との間で所定の規格に準拠した通信を行う。
【0026】
また、図3に示すように、ホストコンピューター10は、制御部55と、入力部58と、表示部59と、記憶部60と、インターフェイス部61(I/F)と、を備えている。
制御部55は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部55は、小切手処理部62と、磁気インク文字認識部45と、記録面画像データ記憶部63と、紙片発行制御部64とを備えているが、これら機能ブロックについては後述する。
入力部58は、各種入力デバイスに接続され、各種入力デバイスに対する操作を検出して、制御部55に出力する。
表示部59は、表示パネルに接続され、制御部55の制御の下、各種情報を表示パネルに表示する。
記憶部60は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを不揮発的に書き換え可能に記憶する。
インターフェイス部61(I/F)は、制御部55の制御の下、小切手処理装置11との間で所定の規格に準拠した通信を行う。
【0027】
ところで、小切手4の発行手続では、以下の3つの媒体が出力されることが求められる。
1つ目は、発行された小切手4の現物である。当該小切手4の現物は、振出人を経由して、又は、金融機関から直接、受取人に渡され、受取人は、当該小切手4の現物を所定の金融機関に持ち込むことにより、小切手4の額が示す金銭を得ることができる。
2つ目は、金融機関控えである。この金融機関控えは、例えば、小切手4に記録された内容と同等の内容が記録された紙媒体であり、金融機関にて保管された上で、金融機関において、過去に発行した小切手4を管理する際に使用されたり、また、決済、小切手4の再発行その他の処理を行う際に使用されたりする。
3つ目は、振出人控えである。この振出人控えは、例えば、小切手4に記録された内容と同等の内容が記録された紙媒体であり、振出人に渡される。振出人は、振出人控えを、自身が過去に発行した小切4手を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用する。
【0028】
このように3つの媒体を出力するために、従来、金融機関では以下の運用が行われていた。
すなわち、小切手4として、現物の小切手4に対応する媒体、金融機関控えに対応する媒体、及び、振出人控えに対応する媒体の3つの媒体がカーボン紙を介在して一体的に形成された専用のものを使用し、当該専用の小切手4にドットインパクトプリンターを利用して小切手情報を記録することにより、小切手情報がそれぞれ記録された上記3つの媒体を発行していた。
しかしながら、周知の通り、ドットインパクトプリンターは、インクリボンにワイヤーを叩きつけて画像を記録するという性質上、騒音が発生するというデメリットがあった。特に、金融機関のフロアーFLでは、フロアーFLの高級感や、落ち着いた感じを出すべく、静音性が強く求められていた。
これを踏まえ、レーザープリンターや、インクジェットプリンターを各カウンターCTの担当者のそれぞれが利用できる位置に設け、当該プリンターを利用して、金融機関控え、及び、振出人控えを発行するようにする場合も従来あった。しかしながら、この場合、レーザープリンターや、インクジェットプリンターによって各控えを発行した後、担当者が、各控えを当該プリンターが配置された位置まで取りに行く必要があるが、担当者が各控えを取りに行っている間は、カウンターCTに金融機関側の人間がだれもいない状態となり、セキュリティーの観点から問題があった。
また、小切手4を発行した振出人に対して、従来のように小切手4に記録されている情報のみならず、小切手4の発行に関する情報、特に、小切手4の発行に伴う口座残高の変動に関する情報を提供できれば、顧客満足度の向上を図ることができるため、金融機関側、及び、振出人側の双方にとって利便性の高い適切な方法で、有益な情報を提供したいとするニーズがあった。
以上を踏まえ、本実施形態に係る小切手処理システム1は、1枚の小切手4の発行手続に際し、以下の動作を実行する。
【0029】
図5は、ある1枚の小切手4を発行する際の小切手処理システム1の動作を示すフローチャートであり、(A)は小切手処理装置11の動作を、(B)はホストコンピューター10の動作を、(C)は基幹系システム13の動作をそれぞれ示している。
図5のフローチャートの前提として、ホストコンピューター10に対して、小切手4を発行するために必要な情報が入力されているものとする。必要な情報とは、例えば、受取人の氏名や、小切手4の額面である。これら必要な情報は、カウンターCTにおいて、担当者により、例えば、専用のアプリケーションにより提供されるユーザーインターフェイスを介して入力される。また、小切手供給部24に発行しようとしている小切手4が収容されている状態であるものとする。
また、以下の説明において、小切手処理部62、磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、及び、紙片発行制御部64の機能は、CPUがプリンタードライバー等のプログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
【0030】
図5に示すように、小切手4の発行にあたって、まず、振出人の銀行カード(例えばキャッシュカード)がカードリーダー22により読み取られる(ステップSX1)。
この銀行カードには、少なくとも、振出人の口座を識別するための口座番号(口座情報)を示す情報が記録されており、小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、カードリーダー22の読取結果に基づいて、振出人の口座番号を示す情報を含むカード読取結果データを生成し、ホストコンピューター10に出力する(ステップSA1)。
カード読取結果データが入力されたホストコンピューター10の制御部55の小切手処理部62は、当該カード読取結果データに含まれる口座番号を示す情報をRAM等に一時記憶すると共に、当該口座番号を示す情報、予め入力されている小切手4の額面を示す情報、及び、その他の振出人の口座からの引き落としに係る処理をするために必要な情報を、基幹系システム13の口座管理システム16に出力する(ステップSB1)。
これら情報が入力された基幹系システム13の口座管理システム16は、これら情報に基づいて、振出人の口座から小切手4の額面に対応する額の引き落としに係る処理を実行する(ステップSC1)。ステップSC1の処理後、口座管理システム16は、少なくとも、振出人の口座から引き落とされた金額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高の情報を、例えば、専用のデータベース等により管理する。
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手供給部24に収容された小切手4を搬送路23に送り出させ、必要量だけ搬送させて、その表面4aに記録された磁気インク文字列4gを磁気ヘッド33により読み取らせる動作を行わせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB2)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、磁気ヘッド33によって小切手4の磁気インク文字列4gを読み取り、読取結果に基づいて磁気読取結果データを生成し、生成した磁気読取結果データをホストコンピューター10に出力する(ステップSA2)。
【0031】
ホストコンピューター10の磁気インク文字認識部45は、入力された磁気読取結果データを利用して以下の処理を行う(ステップSB3)。
すなわち、磁気インク文字認識部45は、入力された磁気読取結果データに基づいて、磁気ヘッド33により検出された検出信号が示す波形と、パターンマッチング用の基準波形とを照合し、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれについて認識を試みる。磁気インク文字認識部45は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hの全てについて認識ができた場合は、磁気インク文字列4gの読み取りが成功したと判別し、認識結果を識別情報としてRAM等の一時記憶領域に記憶する。この識別情報とは、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれの文字種類を特定する情報であり、例えば、磁気インク文字4hのフォントがE−13Bフォントの場合は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれについて、「0」〜「9」、及び、4つの制御文字(トランジット記号(TRANSIT SYMBOL)、アマウント記号(AMOUNT SYMBOL)、オン−アス記号(ON-US SYMBOL)、及び、ダッシュ記号(DASH SYMBOL))の14個の文字種類のうちのいずれかの文字種類に特定する情報である。また、読み取りが成功した場合には、磁気インク文字認識部45は、切換板43を第1収容部25側に切り換えさせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する。
一方、磁気インク文字認識部45は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのうち、1つでも認識が失敗したものがある場合は、磁気インク文字列4gの読み取りが失敗したと判別する。また、読み取りが失敗した場合には、磁気インク文字認識部45は、切換板43を第2収容部26側に切り換えさせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する。
切換板43を第1収容部25側、第2収容部側のいずれかに切り換えさせる制御コマンドが入力された小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、当該制御コマンドに基づいて、切換板43の切り換えを実行する(ステップSA3)。
【0032】
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、表面側記録ヘッド34によって、その表面4aに小切手情報を記録させる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB4)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、表面側記録ヘッド34、及び、その他の必要な機構、装置を制御して、小切手4の表面4aに小切手情報を記録する(ステップSA4)。
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、表面側CIS38によって、その表面4aを光学的に読み取らせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB5)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、表面側CIS38、及び、その他の必要な機構、装置を制御して、表面側CIS38によって小切手4の表面4aを光学的に読み取り、読取結果に基づいて、小切手4の表面4aを示す画像データである表面画像データを生成し、ホストコンピューター10に出力する(ステップSA5)。
【0033】
ホストコンピューター10の記録面画像データ記憶部63は、入力された表面画像データをRAM等の一時記憶領域に一時記憶すると共に、当該表面画像データを金融機関控えDB70に格納させる制御コマンドを生成し、基幹系システム13の発行小切手管理システム17に出力する(ステップSB6)。
基幹系システム13の発行小切手管理システム17は、当該制御コマンドに基づいて、入力された表面画像データを所定の管理情報と対応付けて、金融機関控えDB70に格納する(ステップSC2)。所定の管理情報とは、金融機関控えDB70において表面画像データを検索するときにキーとなる情報や、小切手4に関連する情報等のことであり、例えば、当該データを格納する時の日時(日付、時刻)を示す情報や、振出人を示す情報、振出人の口座番号を示す情報等である。
本実施形態において、金融機関控えDB70に格納された表面画像データは、金融機関控えに該当するものである。表面画像データは、小切手4の表面4aの画像を示す画像データであるため、小切手4の表面4aに記録された情報が過不足なく含まれており、当該データを電子的に保管することにより、金融機関控えを紙媒体として保管した場合と同様の効果を得ることができる。このように金融機関控えを電子的に保管することにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に金融機関控えを保管できると共に、従来のように紙媒体の金融機関控えを保管する物理的な場所を確保する必要が無く省スペース化を実現でき、また、任意の小切手4に係る金融機関控えを検索する際に、既存のデータベース検索を利用して容易に検索可能である。
【0034】
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、小切手4を第1収容部25、又は、第2収容部26のいずれかに排出させる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB7)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、小切手4を搬送して、第1収容部25、及び、第2収容部26のうち、切換板43が導く収容部に小切手4を排出する(ステップSA6)。これにより、小切手4は、磁気インク文字列4gの読み取りの成功/失敗に応じた適切な収容部に収容される。ここで収容部に収容された小切手4は、小切手4の現物にあたり、カウンターCTの担当者により、振出人に引き渡される。
次いで、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、振出人に引き渡す紙片である振出人控え紙片71(図6)を紙片発行装置47に発行させるべく、小切手処理装置11及び基幹系システム13と協働して以下の処理を実行する。
以下、まず、振出人控え紙片71の内容を説明した後、当該振出人控え紙片71の発行に係る処理を説明する。
【0035】
図6は、振出人控え紙片71の一例を示す図である。
図6に示すように、振出人控え紙片71は、先頭から末尾へと向かって、以下の情報を示す画像が、順次、記録された紙片である。
すなわち、先頭に、当日の日付を示す日付情報画像72が記録される。次に、振出人の氏名を示す氏名情報画像73が記録される。次に、振出人の口座番号を示す口座番号情報画像74が記録される。次に、今回の小切手4の発行にあたって振出人の口座から引き落とされた額を示す引落金額情報画像75が記録される。次に、引き落としが行われる前の振出人の口座残高を示す引落前口座残高情報画像76が記録される。次に、引き落としが行われた後の振出人の口座残高を示す引落後口座残高情報画像77が記録される。次に、上述した識別情報(磁気インク文字列4gが示す情報)を示す小切手識別情報画像78が記録される。次に、発行した小切手4の表面4aの画像である小切手表面画像79が記録される。
このような情報が記録された振出人控え紙片71を発行し、振出人に渡すことにより、以下のメリットがある。
【0036】
すなわち、振出人控え紙片71には、小切手情報が記録された発行済の小切手4の表面4aの画像が記録された状態である。従って、当該紙片は、従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用可能である。つまり、振出人控えの本来の機能を保持している。また、振出人控えとして上記のような紙片を発行するという運用が行われることにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に振出人控えに対応する媒体を振出人に提供することが可能である。
さらに、振出人控え紙片71には、口座残高に係る情報が記録されている。上述したように、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座からの引き落としを伴って行われるものである。従って、小切手4の発行に伴う口座残高に係る情報、特に、口座残高がどのように変動したかを示す情報は、振出人にとって非常に有益な情報といえる。従って、振出人控え紙片71に口座残高に係る情報が記録され、当該紙片が振出人に引き渡されることにより、振出人控え紙片71が振出人に引き渡されるという特性を最大限に活用して、振出人に対して有益な情報を提供可能である。
また、振出人は、1枚の媒体によって、小切手4の情報と、当該小切手4の発行に係る口座の情報とを対応付けて管理できるため、非常に便利である。
【0037】
さて、図6に示す振出人控え紙片71の発行にあたり、まず、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、ステップSB1で取得した口座番号を示す情報をキーとして、基幹系システム13の口座管理システム16に、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれを問い合わせる(ステップSB8)。
当該問い合わせを受けた基幹系システム13の口座管理システム16は、問い合わせに係る情報のそれぞれをホストコンピューター10に出力する(ステップSC3)。
ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、基幹系システム13の口座管理システム16の応答に基づいて、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれの情報を取得し(ステップSB9)、さらに、振出人控え紙片71に記録すべき必要な情報を取得する(ステップSB10)。具体的には、紙片発行制御部64は、図示せぬRTCからの入力値に基づいて当日の日付を示す情報を取得し、ステップSB1においてRAMに一時記憶された識別情報、及び、ステップSB6においてRAMに一時記憶された表面画像データを取得する。
次いで、紙片発行制御部64は、ステップSB9、ステップSB10で取得した情報に基づいて、ロール紙に、図6の振出人控え紙片71に示した所定の順番で、各情報を記録させ、ロール紙を切断させることにより、振出人控え紙片71を発行させる制御コマンドを生成し、小切手処理装置11に出力する(ステップSB11)。
小切手処理装置11は、当該制御コマンドに基づいて、紙片発行装置47の紙片発行機構56を制御して、振出人控え紙片71を発行する(ステップSA7)。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ホストコンピューター10は、小切手処理装置11に小切手4の発行に係る各種処理を実行させる小切手処理部62と、表面側CIS38の読取結果に基づいて、小切手4の表面4aの画像データである表面画像データを金融機関控えDB70に記憶させる記録面画像データ記憶部63と、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手4の表面4aの画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報(カード情報に含まれる口座番号の口座残高に係る情報)が記録された振出人控え紙片71を紙片発行装置47に発行させる紙片発行制御部64と、を備えている。
この構成によれば、小切手4の発行に際し、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手4の表面4aの画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された振出人控え紙片71が発行されることとなる。そして、発行した振出人控え紙片71には、小切手情報が記録された小切手4の表面4aの画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、振出人控え紙片71には、カード情報に関連する情報、具体的には、口座に関する情報が記録されるが、このような情報が振出人控え紙片71に記録されることにより、振出人は、カード情報(口座に関する情報)と、実際に発行された小切手4の情報(小切手4の表面4aの画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。さらに、上記構成のように振出人控え紙片71にカード情報(口座に関する情報)を記録することにより、振出人控え紙片71を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0039】
また、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座から小切手4の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものである。また、カードリーダー22により読み取られるカードには、カード情報として振出人の口座を識別するための口座番号(口座情報)が記録されたものである。また、ホストコンピューター10には、LAN12を介して、基幹系システム13の口座管理システム16が接続されている。
そして、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、カードリーダー22が読み取った口座番号に基づいて、口座管理システム16にアクセスして振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した口座残高に係る情報が記録された振出人控え紙片71を紙片発行装置47に発行させる。
ここで、上記構成にように、振出人の口座からの引き落としを伴って小切手4の発行が行われる場合、小切手4の発行による口座残高の変動に関する情報は、振出人にとって非常に有益な情報である。
これを踏まえ、上記構成によれば、小切手4の発行に際して、当該小切手4の表面4aの画像と、振出人の口座残高に係る情報とが記録された振出人控え紙片71が発行されるため、振出人は、振出人控え紙片71を介して、非常に有益な情報を取得可能である。
【0040】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る小切手処理システム1の構成を示す図である。
以下の説明において、第1実施形態の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1と、図7との比較において明らかなように、本実施形態では、Webサーバー14が振出人控えDB80を備えている点で、第1実施形態に係る小切手処理システム1の構成と異なっている。
【0041】
図8は、本実実施形態に係るホストコンピューター10、及び、小切手処理装置11の機能的構成を示すブロック図である。
図4と、図8との比較において明らかなように、本実施形態では、ホストコンピューター10の制御部55は、機能ブロックとして、さらに、表示情報格納部81、アクセス用コード生成部82、及び、認証部83を備えている。これら機能ブロックの機能は、CPUがプリンタードライバーを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。これら機能ブロックについては後述する。
【0042】
図9は、本実施形態に係る小切手処理システム1が1枚の小切手4を発行する際の動作を示すフローチャートであり、(A)は小切手処理装置11の動作を、(B)はホストコンピューター10の動作を、(C)は基幹系システム13の動作を、(D)はWebサーバー14の動作をそれぞれ示している。
図5と、図9との比較において明らかなように、図5と図9とでは、小切手処理装置11のステップSA1〜ステップSA6の処理、ホストコンピューター10のステップSB1〜ステップSB7の処理、及び、基幹系システム13のステップSC1〜ステップSC2の処理は共通しているため、その説明を省略する。
さて、ステップSB12において、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、ステップSB1で取得した口座番号を示す情報をキーとして、基幹系システム13の口座管理システム16に、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれを問い合わせる(ステップSB12)。
当該問い合わせを受けた基幹系システム13の口座管理システム16は、問い合わせに係る情報のそれぞれをホストコンピューター10に出力する(ステップSC4)。
ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、基幹系システム13の口座管理システム16の応答に基づいて、振出人の氏名、口座番号、小切手4の発行に伴う引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれの情報を取得する(ステップSB13)。さらに、紙片発行制御部64は、図示せぬRTCからの入力値に基づいて当日の日付を示す情報を取得し、ステップSB1においてRAMに一時記憶された識別情報、及び、ステップSB6においてRAMに一時記憶された表面画像データを取得する(ステップSB14)。
次いで、表示情報格納部81は、ステップSB13、ステップSB14で取得した情報を含む情報が格納された1件のレコードを振出人控えDB80に生成させる制御コマンドをWebサーバー14に出力する(ステップSB15)。
Webサーバー14は、当該制御コマンドに基づいて、振出人控えDB80に1件の適切なレコードを生成する(ステップSD1)。
【0043】
図10は、振出人控えDB80のデータ構造を示す図である。
図10に示すように、振出人控えDB80の1件のレコードでは、後述するURL情報と、当日の日付を示す日付情報と、振出人の氏名を示す氏名情報と、振出人の口座番号を示す口座番号情報と、小切手4の発行に振出人の口座から引き落とされた額を示す引落金額情報と、引き落としが行われる前の振出人の口座残高を示す引落前口座残高情報と、引き落としが行われた後の振出人の口座残高を示す引落後口座残高情報と、上述した識別情報(磁気インク文字列4gが示す情報)を示す小切手識別情報と、表面画像データと、ログインIDと、ログインパスワードと、が対応付けられている。
ステップSD1の処理に当たり、Webサーバー14は、自身のサーバーで設定可能なURLであって、ユニークなURLを割り振り、URL情報として、レコードの所定のフィールドに格納する。
ネットワーク18上の携帯電話19等の外部の装置から当該URLに対してアクセスがあった場合、Webサーバー14は、振出人控えDB80の対応するレコードを参照した上で、htmlファイル等からなる所定の描画データを生成し、当該外部の装置のブラウザーに出力することにより、後述する所定の画像を表示させる。
ここで、本実施形態では、外部の装置からの上記URLへのアクセスにあたり、認証部83が、ログインID、及び、ログインパスワードを利用した認証を行う構成となっている。後述するように、外部の装置による上記URLへのアクセスに応じて、当該外部の装置に表示される情報は、上述した振出人控え紙片71に記録された情報と同一性を有しており、振出人のみに公開すべき情報である。これを踏まえ、本実施形態は、ログインIDは、振出人の口座番号とされ、また、ログインパスワードは、振出人が銀行カードの発行に当たって金融機関に事前に届出たパスワードとされる。当該パスワードは、振出人のみが知っているパスワードだからである。これらログインパスワードと、ログインIDとは、基幹系システム13の口座管理システム16で管理されており、Webサーバー14は、口座管理システム16と通信して、これら情報を取得し、対応するレコードの所定のフィールドに格納する。
【0044】
図11は、ステップSD1において割り振られたURLに対して、外部の装置たる携帯電話19からアクセスがあった場合に、携帯電話19の表示パネル85に表示される画像である描画画像86の一例を示す図である。
図11に示すように、携帯電話19の表示パネル85に表示される描画画像86の内容は、図6の振出人控え紙片71の内容と同一性を有している。すなわち、先頭から順に、日付情報画像72a、氏名情報画像73a、口座番号情報画像74a、引落金額情報画像75a、引落前口座残高情報画像76a、引落後口座残高情報画像77a、小切手識別情報画像78a、及び、小切手表面画像79aが表示される。
振出人控えDB80のレコードには、描画画像86に表示すべき情報が過不足無く含まれている。従って、Webサーバー14は、外部の装置から対応するURLにアクセスがあった場合、振出人控えDB80の当該URLに対応するレコードを参照して、必要な情報を取得し、取得した情報に基づいて、専用のアルゴリズムが実装された機能により、htmlファイル等からなる描画データを生成し、生成した描画データを当該外部の装置のブラウザーに出力する。
【0045】
さて、ステップSD1において、振出人控えDB80にレコードを生成した後、Webサーバー14は、ステップSD1で割り振ったURLを示す情報を、ホストコンピューター10に出力する(ステップSD2)。
ホストコンピューター10のアクセス用コード生成部82は、入力されたURLを示す情報に基づいて、当該URLへのアクセス用の二次元コードからなるアクセス用コードを生成する(ステップSB16)。このアクセス用コードは、所定の規格に準拠して上記URLを示す情報が含まれたコードであり、媒体に記録したものを光学的に読み取ることによって、自動で当該URLにアクセスすることが可能である。
次いで、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、当日の日付を示す情報と、生成したアクセス用コードを示す画像とが記録された紙片であるアクセス用紙片80(図12)を紙片発行装置47に発行させる制御コマンドを生成し、小切手処理装置11に出力する(ステップSB17)。
小切手処理装置11は、当該制御コマンドに基づいて、紙片発行装置47、及び、その他の関連する機構、装置を制御して、当日の日付を示す情報、及び、アクセス用コードを示すアクセス用コード画像87(図12)が記録されたアクセス用紙片80を発行する(ステップSA8)。
【0046】
図12は、ステップSA8において発行されたアクセス用紙片80の一例を示す図である。
図12に示すように、アクセス用紙片80は、日付を示す日付情報88と、アクセス用コード画像87とが記録された紙片である。
上述したように、アクセス用紙片80に記録されたアクセス用コード画像87は、発行した小切手4に対応する描画画像86の閲覧に係るURLにアクセスするための二次元コードである。
振出人がカメラ付の携帯電話19を所有するとして、振出人が、当該アクセス用コード画像87を、携帯電話19のカメラを利用して読み取った場合、ステップSD1で割り振られたURLへのアクセスが自動で実行され、認証部83による認証が行われた上で、当該携帯電話19のブラウザーと、Webサーバー14との間で所定のプロトコルに準拠した通信が行われ、図11に示すように、当該携帯電話19の表示パネル85に、日付情報画像72a、氏名情報画像73a、口座番号情報画像74a、引落金額情報画像75a、引落前口座残高情報画像76a、引落後口座残高情報画像77a、小切手識別情報画像78a、及び、小切手表面画像79aを含む描画画像86が表示される。
ここで表示パネル85に表示された描画画像86には、小切手情報が記録された発行済の小切手4の表面4aの画像が含まれている。従って、当該描画画像86は、従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用可能である。つまり、振出人控えの本来の機能を保持している。また、振出人控えとして上記のようなアクセス用紙片80を発行するという運用が行われることにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に振出人控えに対応する媒体を振出人に提供することが可能である。
さらに、Webサーバー14へのアクセスに応じて外部の装置に表示される描画画像86には、口座残高に係る情報が含まれている。上述したように、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座からの引き落としを伴って行われるものである。従って、小切手4の発行に伴う口座残高に係る情報、特に、口座残高がどのように変動したかを示す情報は、振出人にとって非常に有益な情報といえる。従って、振出人に対して有益な情報を提供可能である。
また、振出人は、小切手4の情報と、当該小切手4の発行に係る口座の情報とを対応付けて管理できるため、非常に便利である。
また、アクセス用紙片80には、日付情報88、及び、アクセス用コード画像87のみが記録されている。このアクセス用コード画像87は、情報性を有さない画像であるため、第三者の盗み見等により振出人の個人情報や機密情報が漏洩するということがあり得ない。また、認証部83による認証が成功して初めて、振出人控えに対応する描画画像86を閲覧できる構成であるため、アクセス用紙片80を紛失した場合であっても、第三者は描画画像86を閲覧することはできず、第三者への情報の流出を確実に防止可能である。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、小切手処理部62、記録面画像データ記憶部63のほか、少なくとも小切手4の表面4aの表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報(カード情報たる口座番号の口座に関連する情報)をWebサーバー14に閲覧可能に格納する表示情報格納部81と、表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部82と、紙片発行装置47に、アクセス用コードが記録されたアクセス用紙片80を発行させる紙片発行制御部64と、を備えている。
この構成によれば、小切手4の発行に際し、表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報(口座に関連する情報)がWebサーバー14の振出人控えDB80に閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録されたアクセス用紙片80が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバー14にアクセスすることにより、小切手4の表面4aの画像、及び、カード情報に関連する情報(口座に関連する情報)を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手4を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手4の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片(アクセス用紙片80)を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0048】
また、本実施形態では、表示情報格納部81は、Webサーバー14の振出人控えDB80に、表面画像データと併せて、振出人の口座残高に係る情報を閲覧可能に格納する。
この構成によれば、第三者の盗み見等に起因した情報の漏洩を適確に防止しつつ、アクセス用紙片80を介して、口座残高に係る情報という非常に有益な情報を振出人に提供可能である。
【0049】
また、本実施形態では、Webサーバー14は、アクセス用紙片80に記録されたアクセス用コードに係る画像に基づいて外部の装置からアクセスがあった場合に認証を行う認証部83をさらに備えている。
これによれば、アクセス用紙片80を紛失した場合であっても、当該紛失を介して個人情報や、機密情報が漏洩することを適確に防止可能である。
【0050】
次いで、別の実施形態について説明する。
図13は、それぞれ別の実施形態における小切手処理装置11の機能的構成を示すブロック図であり、(A)は第1実施形態に対応し、(B)は第2実施形態に対応している。
図13(A)に示すように、第1実施形態に係る磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、及び、紙片発行制御部64の各機能ブロックを、小切手処理装置11のデバイス側制御部31が備えるようにしてもよい。この場合、これら機能ブロックの機能は、例えば、ファームウェアにより実現される。
また、図13(B)に示すように、第2実施形態に係る磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、紙片発行制御部64、表示情報格納部81、アクセス用コード生成部82、及び、認証部83の各機能ブロックを、小切手処理装置11のデバイス側制御部31が備えるようにしてもよい。この場合、これら機能ブロックの機能は、例えば、ファームウェアにより実現される。
【0051】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、小切手処理装置11が備える記録装置は、インクジェット式であったが、記録装置の記録方式はこれに限らず、サーマル式等の、他の記録方式であってもよい。
また例えば、図4、図13に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また、例えば、制御部55や、デバイス側制御部31の機能を、ホストコンピューター10や、小切手処理装置11に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、ホストコンピューター10の外部の記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…小切手処理システム、4…小切手、4a…表面(記録面)、10…ホストコンピューター(制御装置)、11…小切手処理装置、13…基幹系システム、14…Webサーバー、16…口座管理システム、19…携帯電話(外部の装置)、22…カードリーダー(カード読取部)、23…搬送路、27…搬送機構(搬送部)、28…搬送ローラー(搬送部)、29…従動ローラー(搬送部)、30…搬送用モーター(搬送部)、31…デバイス側制御部、34…表面側記録ヘッド(記録部)、38…表面側CIS(光学読取部)、47…紙片発行装置(紙片発行部)、55…制御部、62…小切手処理部、63…記録面画像データ記憶部、64…紙片発行制御部、71…振出人控え紙片(紙片)、80…アクセス用紙片(紙片)、81…表示情報格納部、82…アクセス用コード生成部、83…認証部、87…アクセス用コード画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手を処理する小切手処理装置に接続可能な制御装置、当該小切手処理装置、及び、当該制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手の表面に所定の情報を記録して、小切手を発行する小切手処理装置(小切手印字装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の小切手処理装置では、小切手を発行する際、振出人に渡す現物の小切手と共に、取引銀行等の金融機関が保管するための媒体であって小切手に記録された情報と同等の内容が記録された金融機関控え、及び、振出人が保管するための媒体であって小切手に記録された情報と同等の内容が記録された振出人控えを発行するのが一般的である。上記3つの媒体は、例えば、ドットインパクトプリンターを利用したカーボンコピーによる複写によって、また、人為的な手段で3つの媒体に個別に必要な情報を記録することによって、発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−191096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、振出人控えは、振出人が、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用されるものであるが、このような振出人控えの本来の機能を維持したまま、振出人控えが振出人に渡される媒体であるという特性を活用して、当該振出人控えを利用して小切手の発行に関する有益な情報を振出人に提供することができれば、顧客満足度の向上につながる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小切手の発行に際し、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置であって、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、前記紙片発行制御部は、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする。
ここで、上記構成にように、振出人の口座からの引き落としを伴って小切手の発行が行われる場合、小切手の発行による口座残高の変動に関する情報は、振出人にとって非常に有益な情報である。
これを踏まえ、上記構成によれば、一の小切手の発行に際して、当該一の小切手の記録面の画像と、振出人の口座残高に係る情報とが記録された紙片が発行されるため、振出人は、紙片を介して、非常に有益な情報を取得可能である。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置であって、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、前記表示情報格納部は、一の小切手の発行に際し、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報を、当該一の小切手の前記記録面の画像データと共に前記Webサーバーに閲覧可能に格納することを特徴とする。
この構成によれば、第三者の盗み見等に起因した情報の漏洩を適確に防止しつつ、紙片を介して、口座残高に係る情報という非常に有益な情報を振出人に提供可能である。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記Webサーバーは、前記紙片に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスがあった場合に、認証を行う認証部をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、紙片を紛失した場合であっても、当該紛失を介して個人情報や、機密情報が漏洩することを適確に防止可能である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部によって発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、前記紙片発行部により、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、一の小切手の発行に際し、光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の記録面の画像、及び、カード読取部の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された紙片が発行されることとなる。そして、紙片には、発行した小切手の記録面の画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手を管理するために、また、現物の小切手を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、紙片には、カード情報に関連する情報、例えば、カードが振出人のキャッシュカードである場合には振出人の口座の口座番号等が記録されるが、このようなカード情報に関連する情報が紙片に記録されることにより、振出人は、カード情報と、実際に発行された小切手の情報(小切手の表面の画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。すなわち、上記構成のように紙片にカード情報に関連する情報を記録することにより、紙片を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納し、当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成し、前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、一の小切手の発行に際し、当該一の小切手の画像データ、及び、カード情報に関連する情報がWebサーバーに閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録された紙片が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバーにアクセスすることにより、当該一の小切手の画像データに係る画像、及び、カード情報に関連する情報を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小切手の発行に際し、過去に発行した小切手を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手の発行に関する有益な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る小切手処理システムの構成を示す図である。
【図2】小切手を示す図である。
【図3】小切手処理装置を上から見た様子を模式的に示す図である。
【図4】ホストコンピューター、小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【図5】小切手処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】振出人控え紙片を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る小切手処理システムの構成を示す図である。
【図8】ホストコンピューター、小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【図9】小切手処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】振出人控えDBのデータ構造を示す図である。
【図11】描画画像が表示された携帯電話の様子を示す図である。
【図12】アクセス用紙片を示す図である。
【図13】別の実施形態に係る小切手処理装置の機能構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る小切手処理システム1の構成を示す図である。
この小切手処理システム1は、小切手4(図2)を発行する権限を有する金融機関に適用されるシステムであり、少なくとも、振出人の要請に応じて小切手4を発行する機能を備えている。
図1に示すように、小切手処理システム1は、複数のホストコンピューター10(制御装置)を備え、ホストコンピューター10のそれぞれには、小切手処理装置11が接続されている。
本実施形態では、これらホストコンピューター10及び小切手処理装置11は、金融機関のフロアーFLに配置されている。より具体的には、金融機関のフロアーFLには、金融機関に属する担当者が顧客と対面するためのカウンターCTが複数形成されており、カウンターCTのそれぞれに、一対のホストコンピューター10と小切手処理装置11とが配置されている。小切手4の発行に際しては、カウンターCTにて担当者とやり取りした上で、小切手処理システム1の機能により小切手4が発行される。
ホストコンピューター10のそれぞれは、LAN12を介して通信可能に接続されると共に、このLAN12には、基幹系システム13、及び、Webサーバー14が接続されている。
【0017】
基幹系システム13は、金融機関の基幹業務に係る各種機能を実行するシステムである。この基幹系システム13は、集中型システムであっても、分散型システムであってもよい。
図1に示すように、基幹系システム13は、口座管理システム16と、発行小切手管理システム17と、を備えている。
口座管理システム16とは、金融機関と口座契約を結んだ各契約者の口座を管理するシステムであり、口座管理用のデータベースを備え、当該データベースを用いて、契約者ごとに、口座残高に係る情報を含む口座に関する情報を管理する。
発行小切手管理システム17については後述する。
また、Webサーバー14は、ネットワーク18上のブラウザー機能を持った携帯電話19や、個人が所有するPC20等の外部の装置からのアクセスに応じて、所定のプロトコルに準拠して所定のサービスを提供するサーバーコンピューターである。Webサーバー14は、例えば、外部の装置からの金融機関のホームページへのアクセスに応じて、当該外部の装置にホームページを表示させる。
【0018】
図2は、小切手4の表面4a(記録面)の一例を示す図である。
小切手4は、所定の模様や装飾が施されたシートであり、小切手処理装置11によって小切手4の発行手続がなされる際は、その表面4a(記録面)に、発行日情報4bや、受取人情報4c、額面数値情報4d、額面文字列情報4e、サイン4f等の小切手情報が記録される。発行日情報4bとは、小切手4の発行日を示す情報である。受取人情報4cとは、発行された小切手4を受け取る者の名前を示す情報である。額面数値情報4dとは、小切手4の額面を数値によって表す情報である。額面文字列情報4eとは、小切手4の額面を文字によって表す情報である。額面数値情報4dは、例えば、「10」であり、額面文字列情報4eは、例えば、「ten」である。サイン4fとは、当該小切手4を発行する責任者(例えば、金融機関の長)の署名のグラフィック画像である。
また、小切手4の裏面には裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。
図2に示すように、また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4gが形成されている。磁気インク文字列4gは、小切手4固有の識別情報を示すものであり、磁気インクで記録された複数の磁気インク文字4hが並んで構成され、磁気的または光学的に読み取ることができる。
本実施形態では、小切手4は、以下の態様で発行されるものとする。
すなわち、金融機関に口座を開設している振出人が小切手4を発行する主体となり得る。そして、小切手4の発行に際し、振出人は、金融機関のカウンターCTにて、自身の銀行カードを後述するカードリーダー22に読み取らせると共に、小切手4の額面や、小切手4の受取人の氏名等の必要な情報を担当者に伝達する。次いで、担当者は、ホストコンピューター10を操作して、小切手処理装置11により、必要な小切手情報が記録された小切手4を発行する。その際、ホストコンピューター10と、基幹系システム13の口座管理システム16とが協働して、小切手4の額面に対応する額(手数料等を反映した額)を、振出人の口座から引き落とす。このようにして、発行された小切手4は、適宜のタイミングで受取人に引き渡され、受取人は、受け取った小切手4を所定の金融機関にて換金できる。
【0019】
図3は、小切手処理装置11を上から見たときの内部構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、小切手処理装置11には、上から見た場合にU字形状をした細幅の垂直溝からなる搬送路23が形成されており、この搬送路23の一方の端は広幅の垂直溝からなる小切手供給部24に連通しており、他方の端は分岐して、それぞれ広幅の垂直溝からなる第1収容部25、及び、第2収容部26に連通している。
小切手供給部24は、処理前の小切手4を複数枚(例えば100枚)収容可能に構成されており、収容された小切手4を一枚ずつ搬送路23に送り出すための送り出し機構が設けられている。小切手供給部24に収容される際、小切手4は、その表面4aが外側に向かった状態となるように収容され、その表面4aが外側に向かった状態のまま搬送路23上を搬送される。
また、小切手処理装置11には、搬送路23において、小切手4を搬送方向に搬送させる搬送機構27が設けられている。搬送機構27は、複数の搬送ローラー28と、各搬送ローラー28に押しつけられて連れ回りする複数の従動ローラー29と、各搬送ローラー28を駆動する搬送用モーター30(図4)とを備えており、後述するデバイス側制御部31の制御の下、搬送用モーター30の駆動に従って、搬送ローラー28、従動ローラー29とのそれぞれが回転し、小切手4が搬送方向に搬送される。搬送機構27と、デバイス側制御部31とが協働して搬送部として機能する。
【0020】
小切手供給部24の搬送方向下流には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4gを磁気的に読み取る磁気ヘッド33が配置されている。
搬送路23において、磁気ヘッド33の搬送方向下流には、表面側記録ヘッド34(記録部)と、裏面側記録ヘッド35とを備える記録ヘッドユニット36が設けられている。表面側記録ヘッド34、及び、裏面側記録ヘッド35のそれぞれは、インクを吐出して画像を記録するインクジェット方式の記録ヘッドである。
表面側記録ヘッド34は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aに対向するように設けられており、小切手4の発行手続に際して表面4aに上述した各小切手情報を記録する。一方、裏面側記録ヘッド35は、搬送路23を搬送される小切手4の裏面に対向するように設けられており、小切手4の受付手続に際して裏面にいわゆる裏書きと呼ばれる文字や画像を記録する。
【0021】
さらに、搬送路23において、記録ヘッドユニット36の搬送方向下流には、表面側CIS(Contact Image Sensor)38(光学読取部)と、裏面側CIS39とを備えるCISユニット40が設けられている。
表面側CIS38は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aに対向するように設けられており、搬送路23を搬送される小切手4の表面4aの画像を光学的に読み取り、読み取り結果をデバイス側制御部31に出力する。一方、裏面側CIS39は、搬送路23を搬送される小切手4の裏面に対向するように設けられており、搬送路23を搬送される小切手4の裏面の画像を光学的に読み取り、読み取り結果をデバイス側制御部31に出力する。
【0022】
搬送路23の他方の端では、搬送路23が分岐して第1分岐路41、及び、第2分岐路42が形成されており、第1分岐路41には第1収容部25が、第2分岐路42には第2収容部26がそれぞれ連通している。搬送路23が分岐した部位には、搬送路23上を流れてきた小切手4について、第1分岐路41を経由して第1収容部25に収容するか、又は、第2分岐路42を経由して第2収容部26に収容するかを選択的に切り換える切換板43が設けられている。切換板43は、切換用モーター44(図4)に接続されており、デバイス側制御部31は、切換用モーター44を駆動して、上記切り替えを実行する。後述する磁気インク文字認識部45による磁気インク文字列4gの読み取りが成功した小切手4については第1収容部25に収容され、読み取り結果が失敗した小切手4については第2収容部26に収容される。
図示は省略したが、搬送路23には、小切手4の搬送の制御のための各種センサーが配置されている。センサーとしては、例えば、小切手4が重なった状態で搬送されていることを検出するセンサーや、紙ジャムを検出するセンサー、所定の位置における小切手4の有無を検出するセンサー等がある。
【0023】
図3に示すように、小切手処理装置11は、紙片発行装置47(紙片発行部)を備えている。
紙片発行装置47は、ロール紙を収容し、このロール紙の記録面に、インクジェットヘッドによってインクを吐出して画像を記録した上で、所定の位置でロール紙を切断することにより、紙片を発行するインクジェットプリンターである。
さらに、図3に示すように、小切手処理装置11は、カードリーダー22(カード読取部)を備えている。
カードリーダー22は、MCRヘッド48(図4)を備えており、スリット49を通るカードに磁気的に記録されたカード情報を、MCRヘッド48によって読み取って、デバイス側制御部31に出力する。カードとしては、例えば、小切手を発行しようとしている振出人のキャッシュカード等がある。
【0024】
図4は、小切手処理装置11と、ホストコンピューター10の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、小切手処理装置11は、デバイス側制御部31と、媒体処理部50と、磁気ヘッド33と、記録ヘッドユニット36と、CISユニット40と、カードリーダー22と、紙片発行装置47と、デバイス側記憶部51と、インターフェイス部52(I/F)と、を備えている。
デバイス側制御部31は、小切手処理装置11の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行されるファームウェア等の制御プログラムや、この制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行される制御プログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
媒体処理部50は、上述した搬送用モーター30、及び、切換用モーター44のほか、小切手4の処理に供する各種機構、装置を備え、デバイス側制御部31の制御の下、小切手4の処理を実行する。
磁気ヘッド33は、所定の信号処理回路を備え、搬送路23上を搬送される小切手4の磁気インク文字列4gによって形成される磁界の変化によって発生する起電力に基づいて検出信号を生成し、生成した検出信号を増幅し、波形整形し、デジタル変換した上で、磁気読取結果データとして、デバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、入力された磁気読取結果データをホストコンピューター10の制御部55に出力する。
【0025】
記録ヘッドユニット36の表面側記録ヘッド34、及び、裏面側記録ヘッド35は、デバイス側制御部31の制御の下、搬送路23上を搬送される小切手4の表面4a又は裏面に画像を記録する。デバイス側制御部31は、各記録ヘッドが備えるアクチュエーターを駆動し、各記録ヘッドに形成されたノズル孔から必要量のインクを吐出することにより、小切手4の表面4a又は裏面に画像を記録する。
また、CISユニット40の表面側CIS38、及び、裏面側CIS39は、搬送路23を搬送される小切手4の表面4a又は裏面を光学的に読みと取って、読取結果をデバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、表面側CIS38の読取結果に基づいて小切手4の表面4aを示す画像データ(以下、「表面画像データ」という。)を生成しホストコンピューター10の制御部55に出力し、また、裏面側CIS39の読取結果に基づいて小切手4の裏面を示す画像データを生成し制御部55に送信する。
カードリーダー22は、MCRヘッド48を備えており、MCRヘッド48によってスリット49を通されたカードのカード情報を読み取り、読取結果をカード読取結果データとして、デバイス側制御部31に出力する。デバイス側制御部31は、入力されたカード読取結果データをホストコンピューター10の制御部55に出力する。
紙片発行装置47は、ロール紙を搬送する搬送機構や、インクジェットヘッドによってロール紙に画像を記録する記録機構、所定の位置にてロール紙を切断する切断機構等の紙片の発行に係る各種機構を備える紙片発行機構56を備え、デバイス側制御部31の制御の下、紙片発行機構56によって紙片を発行する。
デバイス側記憶部51は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
インターフェイス部52(I/F)は、デバイス側制御部31の制御の下、ホストコンピューター10との間で所定の規格に準拠した通信を行う。
【0026】
また、図3に示すように、ホストコンピューター10は、制御部55と、入力部58と、表示部59と、記憶部60と、インターフェイス部61(I/F)と、を備えている。
制御部55は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部55は、小切手処理部62と、磁気インク文字認識部45と、記録面画像データ記憶部63と、紙片発行制御部64とを備えているが、これら機能ブロックについては後述する。
入力部58は、各種入力デバイスに接続され、各種入力デバイスに対する操作を検出して、制御部55に出力する。
表示部59は、表示パネルに接続され、制御部55の制御の下、各種情報を表示パネルに表示する。
記憶部60は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを不揮発的に書き換え可能に記憶する。
インターフェイス部61(I/F)は、制御部55の制御の下、小切手処理装置11との間で所定の規格に準拠した通信を行う。
【0027】
ところで、小切手4の発行手続では、以下の3つの媒体が出力されることが求められる。
1つ目は、発行された小切手4の現物である。当該小切手4の現物は、振出人を経由して、又は、金融機関から直接、受取人に渡され、受取人は、当該小切手4の現物を所定の金融機関に持ち込むことにより、小切手4の額が示す金銭を得ることができる。
2つ目は、金融機関控えである。この金融機関控えは、例えば、小切手4に記録された内容と同等の内容が記録された紙媒体であり、金融機関にて保管された上で、金融機関において、過去に発行した小切手4を管理する際に使用されたり、また、決済、小切手4の再発行その他の処理を行う際に使用されたりする。
3つ目は、振出人控えである。この振出人控えは、例えば、小切手4に記録された内容と同等の内容が記録された紙媒体であり、振出人に渡される。振出人は、振出人控えを、自身が過去に発行した小切4手を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用する。
【0028】
このように3つの媒体を出力するために、従来、金融機関では以下の運用が行われていた。
すなわち、小切手4として、現物の小切手4に対応する媒体、金融機関控えに対応する媒体、及び、振出人控えに対応する媒体の3つの媒体がカーボン紙を介在して一体的に形成された専用のものを使用し、当該専用の小切手4にドットインパクトプリンターを利用して小切手情報を記録することにより、小切手情報がそれぞれ記録された上記3つの媒体を発行していた。
しかしながら、周知の通り、ドットインパクトプリンターは、インクリボンにワイヤーを叩きつけて画像を記録するという性質上、騒音が発生するというデメリットがあった。特に、金融機関のフロアーFLでは、フロアーFLの高級感や、落ち着いた感じを出すべく、静音性が強く求められていた。
これを踏まえ、レーザープリンターや、インクジェットプリンターを各カウンターCTの担当者のそれぞれが利用できる位置に設け、当該プリンターを利用して、金融機関控え、及び、振出人控えを発行するようにする場合も従来あった。しかしながら、この場合、レーザープリンターや、インクジェットプリンターによって各控えを発行した後、担当者が、各控えを当該プリンターが配置された位置まで取りに行く必要があるが、担当者が各控えを取りに行っている間は、カウンターCTに金融機関側の人間がだれもいない状態となり、セキュリティーの観点から問題があった。
また、小切手4を発行した振出人に対して、従来のように小切手4に記録されている情報のみならず、小切手4の発行に関する情報、特に、小切手4の発行に伴う口座残高の変動に関する情報を提供できれば、顧客満足度の向上を図ることができるため、金融機関側、及び、振出人側の双方にとって利便性の高い適切な方法で、有益な情報を提供したいとするニーズがあった。
以上を踏まえ、本実施形態に係る小切手処理システム1は、1枚の小切手4の発行手続に際し、以下の動作を実行する。
【0029】
図5は、ある1枚の小切手4を発行する際の小切手処理システム1の動作を示すフローチャートであり、(A)は小切手処理装置11の動作を、(B)はホストコンピューター10の動作を、(C)は基幹系システム13の動作をそれぞれ示している。
図5のフローチャートの前提として、ホストコンピューター10に対して、小切手4を発行するために必要な情報が入力されているものとする。必要な情報とは、例えば、受取人の氏名や、小切手4の額面である。これら必要な情報は、カウンターCTにおいて、担当者により、例えば、専用のアプリケーションにより提供されるユーザーインターフェイスを介して入力される。また、小切手供給部24に発行しようとしている小切手4が収容されている状態であるものとする。
また、以下の説明において、小切手処理部62、磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、及び、紙片発行制御部64の機能は、CPUがプリンタードライバー等のプログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
【0030】
図5に示すように、小切手4の発行にあたって、まず、振出人の銀行カード(例えばキャッシュカード)がカードリーダー22により読み取られる(ステップSX1)。
この銀行カードには、少なくとも、振出人の口座を識別するための口座番号(口座情報)を示す情報が記録されており、小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、カードリーダー22の読取結果に基づいて、振出人の口座番号を示す情報を含むカード読取結果データを生成し、ホストコンピューター10に出力する(ステップSA1)。
カード読取結果データが入力されたホストコンピューター10の制御部55の小切手処理部62は、当該カード読取結果データに含まれる口座番号を示す情報をRAM等に一時記憶すると共に、当該口座番号を示す情報、予め入力されている小切手4の額面を示す情報、及び、その他の振出人の口座からの引き落としに係る処理をするために必要な情報を、基幹系システム13の口座管理システム16に出力する(ステップSB1)。
これら情報が入力された基幹系システム13の口座管理システム16は、これら情報に基づいて、振出人の口座から小切手4の額面に対応する額の引き落としに係る処理を実行する(ステップSC1)。ステップSC1の処理後、口座管理システム16は、少なくとも、振出人の口座から引き落とされた金額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高の情報を、例えば、専用のデータベース等により管理する。
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手供給部24に収容された小切手4を搬送路23に送り出させ、必要量だけ搬送させて、その表面4aに記録された磁気インク文字列4gを磁気ヘッド33により読み取らせる動作を行わせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB2)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、磁気ヘッド33によって小切手4の磁気インク文字列4gを読み取り、読取結果に基づいて磁気読取結果データを生成し、生成した磁気読取結果データをホストコンピューター10に出力する(ステップSA2)。
【0031】
ホストコンピューター10の磁気インク文字認識部45は、入力された磁気読取結果データを利用して以下の処理を行う(ステップSB3)。
すなわち、磁気インク文字認識部45は、入力された磁気読取結果データに基づいて、磁気ヘッド33により検出された検出信号が示す波形と、パターンマッチング用の基準波形とを照合し、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれについて認識を試みる。磁気インク文字認識部45は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hの全てについて認識ができた場合は、磁気インク文字列4gの読み取りが成功したと判別し、認識結果を識別情報としてRAM等の一時記憶領域に記憶する。この識別情報とは、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれの文字種類を特定する情報であり、例えば、磁気インク文字4hのフォントがE−13Bフォントの場合は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのそれぞれについて、「0」〜「9」、及び、4つの制御文字(トランジット記号(TRANSIT SYMBOL)、アマウント記号(AMOUNT SYMBOL)、オン−アス記号(ON-US SYMBOL)、及び、ダッシュ記号(DASH SYMBOL))の14個の文字種類のうちのいずれかの文字種類に特定する情報である。また、読み取りが成功した場合には、磁気インク文字認識部45は、切換板43を第1収容部25側に切り換えさせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する。
一方、磁気インク文字認識部45は、磁気インク文字列4gを構成する磁気インク文字4hのうち、1つでも認識が失敗したものがある場合は、磁気インク文字列4gの読み取りが失敗したと判別する。また、読み取りが失敗した場合には、磁気インク文字認識部45は、切換板43を第2収容部26側に切り換えさせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する。
切換板43を第1収容部25側、第2収容部側のいずれかに切り換えさせる制御コマンドが入力された小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、当該制御コマンドに基づいて、切換板43の切り換えを実行する(ステップSA3)。
【0032】
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、表面側記録ヘッド34によって、その表面4aに小切手情報を記録させる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB4)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、表面側記録ヘッド34、及び、その他の必要な機構、装置を制御して、小切手4の表面4aに小切手情報を記録する(ステップSA4)。
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、表面側CIS38によって、その表面4aを光学的に読み取らせる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB5)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、入力された制御コマンドに基づいて、表面側CIS38、及び、その他の必要な機構、装置を制御して、表面側CIS38によって小切手4の表面4aを光学的に読み取り、読取結果に基づいて、小切手4の表面4aを示す画像データである表面画像データを生成し、ホストコンピューター10に出力する(ステップSA5)。
【0033】
ホストコンピューター10の記録面画像データ記憶部63は、入力された表面画像データをRAM等の一時記憶領域に一時記憶すると共に、当該表面画像データを金融機関控えDB70に格納させる制御コマンドを生成し、基幹系システム13の発行小切手管理システム17に出力する(ステップSB6)。
基幹系システム13の発行小切手管理システム17は、当該制御コマンドに基づいて、入力された表面画像データを所定の管理情報と対応付けて、金融機関控えDB70に格納する(ステップSC2)。所定の管理情報とは、金融機関控えDB70において表面画像データを検索するときにキーとなる情報や、小切手4に関連する情報等のことであり、例えば、当該データを格納する時の日時(日付、時刻)を示す情報や、振出人を示す情報、振出人の口座番号を示す情報等である。
本実施形態において、金融機関控えDB70に格納された表面画像データは、金融機関控えに該当するものである。表面画像データは、小切手4の表面4aの画像を示す画像データであるため、小切手4の表面4aに記録された情報が過不足なく含まれており、当該データを電子的に保管することにより、金融機関控えを紙媒体として保管した場合と同様の効果を得ることができる。このように金融機関控えを電子的に保管することにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に金融機関控えを保管できると共に、従来のように紙媒体の金融機関控えを保管する物理的な場所を確保する必要が無く省スペース化を実現でき、また、任意の小切手4に係る金融機関控えを検索する際に、既存のデータベース検索を利用して容易に検索可能である。
【0034】
次いで、ホストコンピューター10の小切手処理部62は、小切手4を必要量だけ搬送させて、小切手4を第1収容部25、又は、第2収容部26のいずれかに排出させる制御コマンドを小切手処理装置11に出力する(ステップSB7)。
小切手処理装置11のデバイス側制御部31は、小切手4を搬送して、第1収容部25、及び、第2収容部26のうち、切換板43が導く収容部に小切手4を排出する(ステップSA6)。これにより、小切手4は、磁気インク文字列4gの読み取りの成功/失敗に応じた適切な収容部に収容される。ここで収容部に収容された小切手4は、小切手4の現物にあたり、カウンターCTの担当者により、振出人に引き渡される。
次いで、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、振出人に引き渡す紙片である振出人控え紙片71(図6)を紙片発行装置47に発行させるべく、小切手処理装置11及び基幹系システム13と協働して以下の処理を実行する。
以下、まず、振出人控え紙片71の内容を説明した後、当該振出人控え紙片71の発行に係る処理を説明する。
【0035】
図6は、振出人控え紙片71の一例を示す図である。
図6に示すように、振出人控え紙片71は、先頭から末尾へと向かって、以下の情報を示す画像が、順次、記録された紙片である。
すなわち、先頭に、当日の日付を示す日付情報画像72が記録される。次に、振出人の氏名を示す氏名情報画像73が記録される。次に、振出人の口座番号を示す口座番号情報画像74が記録される。次に、今回の小切手4の発行にあたって振出人の口座から引き落とされた額を示す引落金額情報画像75が記録される。次に、引き落としが行われる前の振出人の口座残高を示す引落前口座残高情報画像76が記録される。次に、引き落としが行われた後の振出人の口座残高を示す引落後口座残高情報画像77が記録される。次に、上述した識別情報(磁気インク文字列4gが示す情報)を示す小切手識別情報画像78が記録される。次に、発行した小切手4の表面4aの画像である小切手表面画像79が記録される。
このような情報が記録された振出人控え紙片71を発行し、振出人に渡すことにより、以下のメリットがある。
【0036】
すなわち、振出人控え紙片71には、小切手情報が記録された発行済の小切手4の表面4aの画像が記録された状態である。従って、当該紙片は、従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用可能である。つまり、振出人控えの本来の機能を保持している。また、振出人控えとして上記のような紙片を発行するという運用が行われることにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に振出人控えに対応する媒体を振出人に提供することが可能である。
さらに、振出人控え紙片71には、口座残高に係る情報が記録されている。上述したように、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座からの引き落としを伴って行われるものである。従って、小切手4の発行に伴う口座残高に係る情報、特に、口座残高がどのように変動したかを示す情報は、振出人にとって非常に有益な情報といえる。従って、振出人控え紙片71に口座残高に係る情報が記録され、当該紙片が振出人に引き渡されることにより、振出人控え紙片71が振出人に引き渡されるという特性を最大限に活用して、振出人に対して有益な情報を提供可能である。
また、振出人は、1枚の媒体によって、小切手4の情報と、当該小切手4の発行に係る口座の情報とを対応付けて管理できるため、非常に便利である。
【0037】
さて、図6に示す振出人控え紙片71の発行にあたり、まず、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、ステップSB1で取得した口座番号を示す情報をキーとして、基幹系システム13の口座管理システム16に、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれを問い合わせる(ステップSB8)。
当該問い合わせを受けた基幹系システム13の口座管理システム16は、問い合わせに係る情報のそれぞれをホストコンピューター10に出力する(ステップSC3)。
ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、基幹系システム13の口座管理システム16の応答に基づいて、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれの情報を取得し(ステップSB9)、さらに、振出人控え紙片71に記録すべき必要な情報を取得する(ステップSB10)。具体的には、紙片発行制御部64は、図示せぬRTCからの入力値に基づいて当日の日付を示す情報を取得し、ステップSB1においてRAMに一時記憶された識別情報、及び、ステップSB6においてRAMに一時記憶された表面画像データを取得する。
次いで、紙片発行制御部64は、ステップSB9、ステップSB10で取得した情報に基づいて、ロール紙に、図6の振出人控え紙片71に示した所定の順番で、各情報を記録させ、ロール紙を切断させることにより、振出人控え紙片71を発行させる制御コマンドを生成し、小切手処理装置11に出力する(ステップSB11)。
小切手処理装置11は、当該制御コマンドに基づいて、紙片発行装置47の紙片発行機構56を制御して、振出人控え紙片71を発行する(ステップSA7)。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ホストコンピューター10は、小切手処理装置11に小切手4の発行に係る各種処理を実行させる小切手処理部62と、表面側CIS38の読取結果に基づいて、小切手4の表面4aの画像データである表面画像データを金融機関控えDB70に記憶させる記録面画像データ記憶部63と、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手4の表面4aの画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報(カード情報に含まれる口座番号の口座残高に係る情報)が記録された振出人控え紙片71を紙片発行装置47に発行させる紙片発行制御部64と、を備えている。
この構成によれば、小切手4の発行に際し、表面側CIS38の読取結果に基づく小切手4の表面4aの画像、及び、カードリーダー22の読取結果に基づくカード情報に関連する情報が記録された振出人控え紙片71が発行されることとなる。そして、発行した振出人控え紙片71には、小切手情報が記録された小切手4の表面4aの画像が記録されているため、当該紙片は、振出人に渡されていた従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用できる。さらに、振出人控え紙片71には、カード情報に関連する情報、具体的には、口座に関する情報が記録されるが、このような情報が振出人控え紙片71に記録されることにより、振出人は、カード情報(口座に関する情報)と、実際に発行された小切手4の情報(小切手4の表面4aの画像)とを対応付けて管理できることとなり、非常に便利である。さらに、上記構成のように振出人控え紙片71にカード情報(口座に関する情報)を記録することにより、振出人控え紙片71を介して、振出人に対して、有益な情報を提供可能である。
【0039】
また、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座から小切手4の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものである。また、カードリーダー22により読み取られるカードには、カード情報として振出人の口座を識別するための口座番号(口座情報)が記録されたものである。また、ホストコンピューター10には、LAN12を介して、基幹系システム13の口座管理システム16が接続されている。
そして、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、カードリーダー22が読み取った口座番号に基づいて、口座管理システム16にアクセスして振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した口座残高に係る情報が記録された振出人控え紙片71を紙片発行装置47に発行させる。
ここで、上記構成にように、振出人の口座からの引き落としを伴って小切手4の発行が行われる場合、小切手4の発行による口座残高の変動に関する情報は、振出人にとって非常に有益な情報である。
これを踏まえ、上記構成によれば、小切手4の発行に際して、当該小切手4の表面4aの画像と、振出人の口座残高に係る情報とが記録された振出人控え紙片71が発行されるため、振出人は、振出人控え紙片71を介して、非常に有益な情報を取得可能である。
【0040】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る小切手処理システム1の構成を示す図である。
以下の説明において、第1実施形態の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1と、図7との比較において明らかなように、本実施形態では、Webサーバー14が振出人控えDB80を備えている点で、第1実施形態に係る小切手処理システム1の構成と異なっている。
【0041】
図8は、本実実施形態に係るホストコンピューター10、及び、小切手処理装置11の機能的構成を示すブロック図である。
図4と、図8との比較において明らかなように、本実施形態では、ホストコンピューター10の制御部55は、機能ブロックとして、さらに、表示情報格納部81、アクセス用コード生成部82、及び、認証部83を備えている。これら機能ブロックの機能は、CPUがプリンタードライバーを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。これら機能ブロックについては後述する。
【0042】
図9は、本実施形態に係る小切手処理システム1が1枚の小切手4を発行する際の動作を示すフローチャートであり、(A)は小切手処理装置11の動作を、(B)はホストコンピューター10の動作を、(C)は基幹系システム13の動作を、(D)はWebサーバー14の動作をそれぞれ示している。
図5と、図9との比較において明らかなように、図5と図9とでは、小切手処理装置11のステップSA1〜ステップSA6の処理、ホストコンピューター10のステップSB1〜ステップSB7の処理、及び、基幹系システム13のステップSC1〜ステップSC2の処理は共通しているため、その説明を省略する。
さて、ステップSB12において、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、ステップSB1で取得した口座番号を示す情報をキーとして、基幹系システム13の口座管理システム16に、振出人の氏名、口座番号、引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれを問い合わせる(ステップSB12)。
当該問い合わせを受けた基幹系システム13の口座管理システム16は、問い合わせに係る情報のそれぞれをホストコンピューター10に出力する(ステップSC4)。
ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、基幹系システム13の口座管理システム16の応答に基づいて、振出人の氏名、口座番号、小切手4の発行に伴う引き落としの額、引き落とし前の口座残高、及び、引き落とし後の口座残高のそれぞれの情報を取得する(ステップSB13)。さらに、紙片発行制御部64は、図示せぬRTCからの入力値に基づいて当日の日付を示す情報を取得し、ステップSB1においてRAMに一時記憶された識別情報、及び、ステップSB6においてRAMに一時記憶された表面画像データを取得する(ステップSB14)。
次いで、表示情報格納部81は、ステップSB13、ステップSB14で取得した情報を含む情報が格納された1件のレコードを振出人控えDB80に生成させる制御コマンドをWebサーバー14に出力する(ステップSB15)。
Webサーバー14は、当該制御コマンドに基づいて、振出人控えDB80に1件の適切なレコードを生成する(ステップSD1)。
【0043】
図10は、振出人控えDB80のデータ構造を示す図である。
図10に示すように、振出人控えDB80の1件のレコードでは、後述するURL情報と、当日の日付を示す日付情報と、振出人の氏名を示す氏名情報と、振出人の口座番号を示す口座番号情報と、小切手4の発行に振出人の口座から引き落とされた額を示す引落金額情報と、引き落としが行われる前の振出人の口座残高を示す引落前口座残高情報と、引き落としが行われた後の振出人の口座残高を示す引落後口座残高情報と、上述した識別情報(磁気インク文字列4gが示す情報)を示す小切手識別情報と、表面画像データと、ログインIDと、ログインパスワードと、が対応付けられている。
ステップSD1の処理に当たり、Webサーバー14は、自身のサーバーで設定可能なURLであって、ユニークなURLを割り振り、URL情報として、レコードの所定のフィールドに格納する。
ネットワーク18上の携帯電話19等の外部の装置から当該URLに対してアクセスがあった場合、Webサーバー14は、振出人控えDB80の対応するレコードを参照した上で、htmlファイル等からなる所定の描画データを生成し、当該外部の装置のブラウザーに出力することにより、後述する所定の画像を表示させる。
ここで、本実施形態では、外部の装置からの上記URLへのアクセスにあたり、認証部83が、ログインID、及び、ログインパスワードを利用した認証を行う構成となっている。後述するように、外部の装置による上記URLへのアクセスに応じて、当該外部の装置に表示される情報は、上述した振出人控え紙片71に記録された情報と同一性を有しており、振出人のみに公開すべき情報である。これを踏まえ、本実施形態は、ログインIDは、振出人の口座番号とされ、また、ログインパスワードは、振出人が銀行カードの発行に当たって金融機関に事前に届出たパスワードとされる。当該パスワードは、振出人のみが知っているパスワードだからである。これらログインパスワードと、ログインIDとは、基幹系システム13の口座管理システム16で管理されており、Webサーバー14は、口座管理システム16と通信して、これら情報を取得し、対応するレコードの所定のフィールドに格納する。
【0044】
図11は、ステップSD1において割り振られたURLに対して、外部の装置たる携帯電話19からアクセスがあった場合に、携帯電話19の表示パネル85に表示される画像である描画画像86の一例を示す図である。
図11に示すように、携帯電話19の表示パネル85に表示される描画画像86の内容は、図6の振出人控え紙片71の内容と同一性を有している。すなわち、先頭から順に、日付情報画像72a、氏名情報画像73a、口座番号情報画像74a、引落金額情報画像75a、引落前口座残高情報画像76a、引落後口座残高情報画像77a、小切手識別情報画像78a、及び、小切手表面画像79aが表示される。
振出人控えDB80のレコードには、描画画像86に表示すべき情報が過不足無く含まれている。従って、Webサーバー14は、外部の装置から対応するURLにアクセスがあった場合、振出人控えDB80の当該URLに対応するレコードを参照して、必要な情報を取得し、取得した情報に基づいて、専用のアルゴリズムが実装された機能により、htmlファイル等からなる描画データを生成し、生成した描画データを当該外部の装置のブラウザーに出力する。
【0045】
さて、ステップSD1において、振出人控えDB80にレコードを生成した後、Webサーバー14は、ステップSD1で割り振ったURLを示す情報を、ホストコンピューター10に出力する(ステップSD2)。
ホストコンピューター10のアクセス用コード生成部82は、入力されたURLを示す情報に基づいて、当該URLへのアクセス用の二次元コードからなるアクセス用コードを生成する(ステップSB16)。このアクセス用コードは、所定の規格に準拠して上記URLを示す情報が含まれたコードであり、媒体に記録したものを光学的に読み取ることによって、自動で当該URLにアクセスすることが可能である。
次いで、ホストコンピューター10の紙片発行制御部64は、当日の日付を示す情報と、生成したアクセス用コードを示す画像とが記録された紙片であるアクセス用紙片80(図12)を紙片発行装置47に発行させる制御コマンドを生成し、小切手処理装置11に出力する(ステップSB17)。
小切手処理装置11は、当該制御コマンドに基づいて、紙片発行装置47、及び、その他の関連する機構、装置を制御して、当日の日付を示す情報、及び、アクセス用コードを示すアクセス用コード画像87(図12)が記録されたアクセス用紙片80を発行する(ステップSA8)。
【0046】
図12は、ステップSA8において発行されたアクセス用紙片80の一例を示す図である。
図12に示すように、アクセス用紙片80は、日付を示す日付情報88と、アクセス用コード画像87とが記録された紙片である。
上述したように、アクセス用紙片80に記録されたアクセス用コード画像87は、発行した小切手4に対応する描画画像86の閲覧に係るURLにアクセスするための二次元コードである。
振出人がカメラ付の携帯電話19を所有するとして、振出人が、当該アクセス用コード画像87を、携帯電話19のカメラを利用して読み取った場合、ステップSD1で割り振られたURLへのアクセスが自動で実行され、認証部83による認証が行われた上で、当該携帯電話19のブラウザーと、Webサーバー14との間で所定のプロトコルに準拠した通信が行われ、図11に示すように、当該携帯電話19の表示パネル85に、日付情報画像72a、氏名情報画像73a、口座番号情報画像74a、引落金額情報画像75a、引落前口座残高情報画像76a、引落後口座残高情報画像77a、小切手識別情報画像78a、及び、小切手表面画像79aを含む描画画像86が表示される。
ここで表示パネル85に表示された描画画像86には、小切手情報が記録された発行済の小切手4の表面4aの画像が含まれている。従って、当該描画画像86は、従来の振出人控えと同様、過去に発行した小切手4を管理するために、また、現物の小切手4を紛失した場合に金融機関に対して再発行の資格があることを証明するために利用可能である。つまり、振出人控えの本来の機能を保持している。また、振出人控えとして上記のようなアクセス用紙片80を発行するという運用が行われることにより、ドットインパクトプリンターによる騒音の問題、及び、中央集中的なプリンターを使用することによるセキュリティーの問題の双方を解決した上で、適切に振出人控えに対応する媒体を振出人に提供することが可能である。
さらに、Webサーバー14へのアクセスに応じて外部の装置に表示される描画画像86には、口座残高に係る情報が含まれている。上述したように、本実施形態では、小切手4の発行は、振出人の口座からの引き落としを伴って行われるものである。従って、小切手4の発行に伴う口座残高に係る情報、特に、口座残高がどのように変動したかを示す情報は、振出人にとって非常に有益な情報といえる。従って、振出人に対して有益な情報を提供可能である。
また、振出人は、小切手4の情報と、当該小切手4の発行に係る口座の情報とを対応付けて管理できるため、非常に便利である。
また、アクセス用紙片80には、日付情報88、及び、アクセス用コード画像87のみが記録されている。このアクセス用コード画像87は、情報性を有さない画像であるため、第三者の盗み見等により振出人の個人情報や機密情報が漏洩するということがあり得ない。また、認証部83による認証が成功して初めて、振出人控えに対応する描画画像86を閲覧できる構成であるため、アクセス用紙片80を紛失した場合であっても、第三者は描画画像86を閲覧することはできず、第三者への情報の流出を確実に防止可能である。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、小切手処理部62、記録面画像データ記憶部63のほか、少なくとも小切手4の表面4aの表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報(カード情報たる口座番号の口座に関連する情報)をWebサーバー14に閲覧可能に格納する表示情報格納部81と、表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部82と、紙片発行装置47に、アクセス用コードが記録されたアクセス用紙片80を発行させる紙片発行制御部64と、を備えている。
この構成によれば、小切手4の発行に際し、表面画像データ、及び、カード情報に関連する情報(口座に関連する情報)がWebサーバー14の振出人控えDB80に閲覧可能に格納された上で、これら情報に閲覧に係るアクセスするためのアクセス用コードが記録されたアクセス用紙片80が発行される。このため、振出人は、アクセス用コードに基づいて、Webサーバー14にアクセスすることにより、小切手4の表面4aの画像、及び、カード情報に関連する情報(口座に関連する情報)を、任意のタイミングで閲覧可能である。これにより、過去に発行した小切手4を管理する等の振出人控えの本来の機能を備えつつ小切手4の発行に関する有益な情報を提供可能な紙片(アクセス用紙片80)を発行できるほか、以下のような効果を奏することができる。すなわち、振出人に渡される紙片自体には、アクセス用コードが記録される一方、個人情報や、機密情報が記録されない。これにより、第三者の盗み見等に起因した個人情報や、機密情報の漏洩を防止できる。
【0048】
また、本実施形態では、表示情報格納部81は、Webサーバー14の振出人控えDB80に、表面画像データと併せて、振出人の口座残高に係る情報を閲覧可能に格納する。
この構成によれば、第三者の盗み見等に起因した情報の漏洩を適確に防止しつつ、アクセス用紙片80を介して、口座残高に係る情報という非常に有益な情報を振出人に提供可能である。
【0049】
また、本実施形態では、Webサーバー14は、アクセス用紙片80に記録されたアクセス用コードに係る画像に基づいて外部の装置からアクセスがあった場合に認証を行う認証部83をさらに備えている。
これによれば、アクセス用紙片80を紛失した場合であっても、当該紛失を介して個人情報や、機密情報が漏洩することを適確に防止可能である。
【0050】
次いで、別の実施形態について説明する。
図13は、それぞれ別の実施形態における小切手処理装置11の機能的構成を示すブロック図であり、(A)は第1実施形態に対応し、(B)は第2実施形態に対応している。
図13(A)に示すように、第1実施形態に係る磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、及び、紙片発行制御部64の各機能ブロックを、小切手処理装置11のデバイス側制御部31が備えるようにしてもよい。この場合、これら機能ブロックの機能は、例えば、ファームウェアにより実現される。
また、図13(B)に示すように、第2実施形態に係る磁気インク文字認識部45、記録面画像データ記憶部63、紙片発行制御部64、表示情報格納部81、アクセス用コード生成部82、及び、認証部83の各機能ブロックを、小切手処理装置11のデバイス側制御部31が備えるようにしてもよい。この場合、これら機能ブロックの機能は、例えば、ファームウェアにより実現される。
【0051】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、小切手処理装置11が備える記録装置は、インクジェット式であったが、記録装置の記録方式はこれに限らず、サーマル式等の、他の記録方式であってもよい。
また例えば、図4、図13に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また、例えば、制御部55や、デバイス側制御部31の機能を、ホストコンピューター10や、小切手処理装置11に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、ホストコンピューター10の外部の記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…小切手処理システム、4…小切手、4a…表面(記録面)、10…ホストコンピューター(制御装置)、11…小切手処理装置、13…基幹系システム、14…Webサーバー、16…口座管理システム、19…携帯電話(外部の装置)、22…カードリーダー(カード読取部)、23…搬送路、27…搬送機構(搬送部)、28…搬送ローラー(搬送部)、29…従動ローラー(搬送部)、30…搬送用モーター(搬送部)、31…デバイス側制御部、34…表面側記録ヘッド(記録部)、38…表面側CIS(光学読取部)、47…紙片発行装置(紙片発行部)、55…制御部、62…小切手処理部、63…記録面画像データ記憶部、64…紙片発行制御部、71…振出人控え紙片(紙片)、80…アクセス用紙片(紙片)、81…表示情報格納部、82…アクセス用コード生成部、83…認証部、87…アクセス用コード画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、
前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、
口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、
前記紙片発行制御部は、
前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、
前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、
前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、
口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、
前記表示情報格納部は、
一の小切手の発行に際し、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報を、当該一の小切手の前記記録面の画像データと共に前記Webサーバーに閲覧可能に格納することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記Webサーバーは、
前記紙片に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスがあった場合に、認証を行う認証部をさらに備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の制御装置。
【請求項6】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部によって発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする小切手処理装置。
【請求項7】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、
前記紙片発行部により、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行する紙片発行制御部と、
を備えることを特徴とする小切手処理装置。
【請求項8】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項9】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納し、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成し、
前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項1】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させる紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、
前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、
口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、
前記紙片発行制御部は、
前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能に構成され、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせる小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、
前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
前記小切手の発行は、振出人の口座から前記小切手の額面に対応する額の引き落としを伴って行われるものであり、
前記カードは、前記カード情報として前記振出人の口座を識別するための口座情報が記録されたものであり、
口座契約を結んだ各契約者の口座を管理する口座管理システムに接続され、
前記表示情報格納部は、
一の小切手の発行に際し、前記カード読取部が読み取った前記口座情報に基づいて、前記口座管理システムにアクセスして前記カードに係る前記振出人の口座残高に係る情報を取得し、取得した前記口座残高に係る情報を、当該一の小切手の前記記録面の画像データと共に前記Webサーバーに閲覧可能に格納することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記Webサーバーは、
前記紙片に記録された前記アクセス用コードに基づいて前記外部の装置からアクセスがあった場合に、認証を行う認証部をさらに備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の制御装置。
【請求項6】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部によって発行する紙片発行制御部と、を備えることを特徴とする小切手処理装置。
【請求項7】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取り、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送し、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録し、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取る小切手処理部と、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納する表示情報格納部と、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成するアクセス用コード生成部と、
前記紙片発行部により、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行する紙片発行制御部と、
を備えることを特徴とする小切手処理装置。
【請求項8】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報が記録された前記紙片を前記紙片発行部に発行させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項9】
カードに記録されたカード情報を読み取るカード読取部と、小切手を搬送路上で搬送させる搬送部と、搬送される前記小切手の記録面に画像を記録する記録部と、搬送される前記小切手の前記記録面を光学的に読み取る光学読取部と、所定の情報が記録された紙片を発行可能な紙片発行部と、を備える小切手処理装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、
一の小切手の発行に際し、当該一の小切手に関連する前記カードの前記カード情報を前記カード読取部によって読み取らせ、当該一の小切手を前記搬送部により前記搬送路上で搬送させ、搬送される当該一の小切手の前記記録面に小切手情報を前記記録部によって記録させ、搬送される前記記録部により前記小切手情報が記録された前記記録面を前記光学読取部によって光学的に読み取らせ、
前記光学読取部の読取結果に基づく当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード読取部の読取結果に基づく前記カード情報に関連する情報を、外部の装置にからのアクセスに応じて閲覧可能な態様でWebサーバーに格納し、
当該一の小切手の前記記録面の画像データ、及び、前記カード情報に関連する情報に閲覧のためのアクセスを行うためのアクセス用コードを生成し、
前記紙片発行部に、前記アクセス用コードが記録された前記紙片を発行させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−37603(P2013−37603A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174641(P2011−174641)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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