説明

制御装置、記録装置、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】内蔵フォント利用して文字を記録する記録装置によって記録媒体に記録させた情報について、煩雑な作業を経ることなく、閲覧可能な態様で記憶可能とする。
【解決手段】ホストコンピューター10は、レシートプリンター12に文字を含む画像を記録させる場合、文字のフォントデータを指定する情報を含む制御コマンドを生成し、レシートプリンター12に出力する記録制御部21aと、制御コマンドに基づいて、記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部21bと、記録画像データを記憶する電子ジャーナルファイル生成記憶部22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォントデータを記憶する記録装置に接続可能な制御装置、当該記録装置、当該制御装置の制御方法、及び、当該制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御装置の制御の下、レシート等の決済情報が記録された紙片を発行する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の記録装置では、後に取引の実態を把握に利用すること等を目的として、発行した紙片に記録した決済情報を何らかの手段で保管し、いつでも閲覧できるようにすることが求められる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−58323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来は、紙片に記録された決済情報を保管する際、当該紙片の複製を物理的に保管したり、当該紙片の記録面をスキャナーで読み取り、読み取り結果を電子的に保管したりしていた。また、紙片を発行する場合、制御装置側で当該紙片に記録すべき画像の画像データを生成し記録装置に出力する構成の場合は、制御装置が生成した画像データ自体を電子的に保管したりしていた。
しかしながら、レシートの複製の物理的な保管に係る作業や、レシートの記録面をスキャナーで読み取る作業は非常に煩雑であった。また、記録装置の内蔵フォントを利用して画像の記録を行う構成の場合は、制御装置側で画像データを生成しないため、画像データの電子的保管という処理自体を行うことができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内蔵フォント利用して文字を記録する記録装置によって記録媒体に記録させた情報について、煩雑な作業を経ることなく、閲覧可能な態様で記憶可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置であって、前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力する記録制御部と、前記記録制御部が生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、制御装置は、記録装置に出力した制御コマンドに基づいて、記録媒体に記録される文字を含む画像を示す画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した記録画像データを記憶(保管)する。このため、記録装置の内蔵フォントを利用して記録媒体への文字の記録を行う構成のものにおいて、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、記録画像データ、換言すれば、記録媒体に記録された情報を含むデータを、閲覧可能な態様で記憶可能である。
なお、文字とは、言語で使用される意味を持った文字のみならず、フォントデータに基づいて記録可能な図形(スペースを含む)の全てを含む概念である。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記記録装置は、複数の内蔵フォント種類のフォントデータを記憶し、前記制御コマンドには、記録させる文字の内蔵フォント種類を指定するフォント種類指定情報が含まれ、前記画像データ生成部は、前記記録画像データを生成する際、前記記録画像データの生成に利用可能な利用可能フォント種類のうち、前記フォント種類指定情報が指定する内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定し、特定した利用可能フォント種類に基づいて、前記記録画像データに含まれる文字の画像データを生成することを特徴とする。
この構成によれば、制御装置に、記録装置の内蔵フォント種類と同一の利用可能フォント種類がない場合であっても、記録画像データの生成の際には、利用可能フォント種類のうち、指定された内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類が特定されて、特定された利用可能フォント種類が利用されて記録画像データが生成されるため、記録媒体に実際に記録された画像の態様と、記録画像データに基づく画像の態様とを近似させることが可能となる。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記画像データ記憶部は、前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを、前記記録画像データに関連する情報と対応付けて記憶することを特徴とする。
この構成によれば、複数記憶された記録画像データのうち、1の記録画像データを検索する際に、当該1の記録画像データと対応付けられた関連情報を利用して、迅速な検索が可能となる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記記録装置は、決済情報が記録された紙片を発行するものであり、前記記録制御部は、前記紙片の発行に係る処理を実行させる前記制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力し、前記画像データ生成部は、前記記録制御部が生成した前記制御コマンドを分析して、前記紙片に記録される画像を示す前記記録画像データを生成することを特徴とする。
この構成によれば、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、閲覧可能な態様で、紙片に記録された決済情報を含むデータを記憶可能である。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能に構成され、フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置であって、前記制御装置から受信した制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記録装置は、制御装置から入力された制御コマンドに基づいて、記録媒体に記録される文字を含む画像を示す画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した記録画像データを記憶(保管)する。このため、記録装置の内蔵フォントを利用して記録媒体への文字の記録を行う構成のものにおいて、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、記録画像データ、換言すれば、記録媒体に記録された情報を含むデータを、閲覧可能な態様で記憶可能である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力し、生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した前記記録画像データを記憶することを特徴とする。
この制御方法によれば、制御装置は、記録装置に出力した制御コマンドに基づいて、記録媒体に記録される文字を含む画像を示す画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した記録画像データを記憶(保管)する。このため、記録装置の内蔵フォントを利用して記録媒体への文字の記録を行う構成のものにおいて、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、記録画像データ、換言すれば、記録媒体に記録された情報を含むデータを、閲覧可能な態様で記憶可能である。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力する記録制御部と、前記記録制御部が生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、制御装置は、記録装置に出力した制御コマンドに基づいて、記録媒体に記録される文字を含む画像を示す画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した記録画像データを記憶(保管)する。このため、記録装置の内蔵フォントを利用して記録媒体への文字の記録を行う構成のものにおいて、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、記録画像データ、換言すれば、記録媒体に記録された情報を含むデータを、閲覧可能な態様で記憶可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内蔵フォント利用して文字を記録する記録装置によって記録媒体に記録させた情報について、煩雑な作業を経ることなく、閲覧可能な態様で記憶可能とすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るPOSシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ホストコンピューターの動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップSA4の動作を説明するための図である。
【図4】電子ジャーナルファイルのデータ構造を示す図である。
【図5】検索用ウインドウを示す図である。
【図6】電子ジャーナルデータが一覧表示された様子の一例を示す図である。
【図7】別実施形態に係るPOSシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の機能的構成を示すブロック図である。
POSシステム1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に適用されるシステムであり、店舗に来店した顧客の代金の支払いに応じてレシートを発行する機能を有している。
また、本実施形態に係るPOSシステム1は、後述する手段により、発行したレシートに記録された情報を電子ジャーナルデータとして記憶する機能を有している。ここで記憶した電子ジャーナルデータは、後に、例えば、店舗における取引の実態を把握する際に利用される。
本実施形態に係るPOSシステム1では、記憶した電子ジャーナルデータに基づいて取引の実態を正確、かつ、簡易に把握できるようにするという観点から、要件1.所定の表示手段を利用してレシートに記録された画像をプレビューできること、要件2.レシートをいつでも再発行できること、要件3.所望の電子ジャーナルデータを容易に検索できること、という3つの要件を満たした状態で、電子ジャーナルデータを記憶する構成となっている。特に、要件1については、煩雑な作業を経ることなく画像をプレビューできるようになっており、さらに、要件3については、従来のPOSシステム1と比較し、効率的に電子ジャーナルデータを検索できるようになっている。
【0015】
POSシステム1は、図1に示すように、ホストコンピューター10(制御装置)と、このホストコンピューター10に接続されたPOSサーバー11と、ホストコンピューター10に接続されたレシートプリンター12(記録装置)とを備えている。なお、本実施形態では、発明の説明の明確化のため、ホストコンピューター10に1台のレシートプリンター12が接続された構成となっているが、LAN等を介して複数台のレシートプリンター12が接続され、これらレシートプリンター12のそれぞれをホストコンピューター10が制御する構成であってもよい。
【0016】
POSサーバー11は、LAN等のネットワークを介してホストコンピューター10に通信可能に接続されており、店舗で販売している商品の商品コードや、名称、金額等のレシートの発行のために必要となる情報を示すデータをデータベースとして記憶する。ホストコンピューター10は、レシートの発行に際し、適宜POSサーバー11に記憶されたデータベースを参照し、必要な情報を取得する。
【0017】
ホストコンピューター10は、制御部15と、表示部16と、入力部17と、インターフェイス部18と、記憶部19と、を備えている。
制御部15は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。また、制御部15は、図示せぬRTCの機能により、現在の日時(日付、時刻)を計時している。
図1に示すように、制御部15は、POSアプリケーション実行部20と、プリンタードライバー実行部21と、電子ジャーナルファイル生成記憶部22(画像データ記憶部)と、画像ビューアー実行部23とを備えているが、これらについては後述する。
【0018】
表示部16は、液晶ディスプレーパネルや、有機ELパネル等の表示パネル25を備え、制御部15の制御の下、表示パネル25に各種情報を表示する。
入力部17は、キーボードや、マウス、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスの出力信号を制御部15に出力する。バーコードリーダーは、商品の包装紙等に記録された商品コードが示されたバーコードの読み取りに利用され、カードリーダーは、クレジットカードや、会員カード等に記録された情報の読み取りに利用される。後述するPOSアプリケーション実行部20は、バーコードリーダーやカードリーダー等の入力デバイスから入力された情報、及び、POSサーバー11から取得した情報に基づいて、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報を生成し、この決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像の情報を含む画像情報データを生成し、プリンタードライバー実行部21に出力する。この画像情報データについては後述する。
インターフェイス部18は、USBポートやパラレルプリンターポート等のポートを介してレシートプリンター12に接続され、制御部15の制御の下、レシートプリンター12との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部19は、各種データを書き換え可能に記憶する部位であり、ハードディスクや、EEPROM等の記憶装置を備えている。記憶部19には、ユーザーIDデータ27、及び、電子ジャーナルファイル75が記憶されるが、これらについては後述する。
【0019】
一方、レシートプリンター12は、発熱素子が並べて設けられた記録ヘッド29を備え、この記録ヘッド29によって、感熱ロール紙の記録面に熱を与えて画素を形成することにより、画像を記録するサーマルプリンターである。特に、レシートプリンター12は、感熱ロール紙に所定の画像を記録した後、所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、レシートを発行可能である。
図1に示すように、レシートプリンター12は、プリンター側制御部30と、プリンター側表示部31と、プリンター側入力部32と、プリントエンジン33と、プリンター側記憶部35と、インターフェイス部36(I/F)と、を備えている。
プリンター側制御部30は、上述した制御部15と同様、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備え、レシートプリンター12の各部を中枢的に制御する。
プリンター側表示部31は、レシートプリンター12の動作状態等の各種情報を表示する液晶パネルや有機ELパネル等の表示パネルや、LED等を備え、プリンター側制御部30の制御の下、当該表示パネルに各種情報を表示し、また、LEDを所定の態様で点灯/消灯する。
プリンター側入力部32は、レシートプリンター12に設けられた各種操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し操作信号としてプリンター側制御部30に出力する。
【0020】
プリントエンジン33は、上述した記録ヘッド29のほか、記録ヘッド29を走査方向に走査するためのキャリッジを駆動するためのキャリッジ駆動モーターや、感熱ロール紙を搬送する搬送ローラーを駆動する搬送モーター、感熱ロール紙を切断するカッターを駆動するためのカッター駆動モーター等を備えている。プリンター側制御部30は、ホストコンピューター10から受信した制御コマンドに基づいて、各種センサーの検出値を監視しながら、記録ヘッド29や、各種モーターを制御して、感熱ロール紙に所定の画像を記録し、所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、所定の画像が記録された紙片であるレシートを発行する。
インターフェイス部36(I/F)は、プリンター側制御部30の制御の下、ホストコンピューター10との間で通信規格に準拠した通信を行う。
プリンター側記憶部35は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に不揮発的に記憶する。プリンター側記憶部35には、レシートプリンター12の動作を制御するためのファームウェアが記憶されるほか、フォントAテーブル35a、及び、フォントBテーブル35bが記憶されるがこれらフォントテーブルについては後述する。
【0021】
次いで、POSアプリケーション実行部20及びプリンタードライバー実行部21の説明を通して、POSシステム1がレシートを発行する際の基本的な動作について説明する。
POSアプリケーション実行部20は、ホストコンピューター10に予めインストールされたPOSアプリケーションを実行することにより、レシートに記録すべき画像の情報を含む画像情報データを生成し、プリンタードライバー実行部21に出力する。画像情報データとは、レシートに記録すべき画像について、例えば、画像の内容や、画像の位置を示す情報を含むデータである。
プリンタードライバー実行部21の記録制御部21aは、ホストコンピューター10に予めインストールされたプリンタードライバーを実行することにより、POSアプリケーション実行部20から入力された画像情報データに基づいて、レシートプリンター12のコマンド仕様に対応した制御コマンドを生成し、レシートプリンター12に出力する。この記録制御部21aの機能は、CPUがプリンタードライバーを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
制御コマンドとは、レシートプリンター12にレシートの発行に係る各種動作を行わせるためのコマンド群のことであり、画像の記録を指示するコマンドや、所定の搬送量、感熱ロール紙を搬送することを指示する搬送指示コマンド、感熱ロール紙の切断を指示する切断指示コマンド等のコマンドが含まれている。
ホストコンピューター10からレシートプリンター12に出力された制御コマンドは、順次、受信バッファー(不図示)に格納される。レシートプリンター12のプリンター側制御部30は、受信バッファーに格納された制御コマンドを、順次、読み出して実行することにより、プリントエンジン33を制御して、レシートの発行に係る各種動作を実行し、レシートを発行する。
【0022】
次いで、レシートに「文字」を記録する際のPOSシステム1の動作について説明する。
本実施形態において、文字とは、言語で使用される意味を持った文字を意味するのではなく、後述するフォントデータに基づいて記録可能な図形(スペースを含む)の全てを含む概念である。
レシートプリンター12は、フォントA、及び、フォントBの2つのフォント種類(以下、説明の明確化のため、「内蔵フォント種類」という。)に対応しており、図1に示すように、フォントAに係るフォントテーブルであるフォントAテーブル35a、及び、フォントBに係るフォントテーブルであるフォントBテーブル35bがそれぞれプリンター側記憶部35に記憶されている。
フォントテーブルとは、フォントデータを集合して記憶するテーブルであり、また、フォントデータとは、文字を感熱ロール紙に記録可能な態様で表現する実データのことである。本実施形態では、フォントデータの態様は、ビットマップフォントデータである。フォントデータの態様としては、ビットマップデータのほか、スケイラブルフォントデータや、ベクトルフォントデータ、アウトラインフォントデータ等がある。なお、本実施形態では、フォントAのフォントサイズは、横12ドット×縦24ドットであり、フォントBのフォントサイズは、横9ドット×縦17ドットである。
【0023】
レシートにある1の文字を記録する場合を例にして、文字を記録する際のPOSシステム1の動作について説明すると、まず、POSアプリケーション実行部20は、当該1の文字の文字コード(例えばUnicode)と、当該1の文字を記録するときの内蔵フォント種類を指定する情報とを含む画像情報データを生成し、プリンタードライバー実行部21に出力する。
プリンタードライバー実行部21の記録制御部21aは、入力された当該1の文字の文字コードと、内蔵フォント種類を指定する情報とに基づいて、指定された内蔵フォント種類に対応するフォントテーブル(指定された内蔵フォント種類がフォントAの場合はフォントAテーブル、指定された内蔵フォント種類がフォントBの場合はフォントBテーブル)において、当該1の文字のフォントデータが格納された位置(アドレス)を示す情報を取得する。本実施形態では、各文字コードと、各フォントテーブルにおいて各文字コードに対応するフォントデータが格納された位置と、を対応付けて記憶する専用のテーブルが記憶部19に記憶されており、記録制御部21aは、当該テーブルに基づいて、上記情報を取得する。
次いで、記録制御部21aは、当該1の文字の内蔵フォント種類を指定するフォント種類指定情報と、フォントテーブルにおける当該1の文字のフォントデータの格納位置を指定する(フォントデータを指定する)フォントデータ指定情報と、を生成し、これら情報を含んで構成される制御コマンドであって、当該1の文字の記録に係る処理を実行させる制御コマンドを生成し、レシートプリンター12に出力する。
制御コマンドが入力されたレシートプリンター12は、制御コマンドに含まれるフォント種類指定情報、及び、フォントデータ指定情報に基づいて、当該1の文字が格納されたフォントテーブルを特定すると共に、特定したフォントテーブルにおける当該1の文字が格納された位置を特定することによって、当該1の文字のフォントデータを特定する。そして、レシートプリンター12は、特定したフォントデータに基づいて、当該1の文字の記録を実行する。
【0024】
ここで、本実施形態に係るPOSシステム1では、ホストコンピューター10に対し、権限のあるユーザーがログインしている状態でのみ、レシートの発行が可能な構成となっており、これによりセキュリティーの向上、及び、責任の所在の明確化が図られている。具体的には、POSシステム1が稼働する前に、ホストコンピューター10がユーザーのID及びパスワードの入力を要求する構成となっている。そして、ホストコンピューター10は、正しくユーザーのIDとパスワードが入力された場合にのみ、当該入力したユーザーのログインを許可し、かつ、POSシステム1を利用したレシートの発行を許可する構成となっている。
そして、ホストコンピューター10は、ログインされてからログアウトされるまでの間、ログインしたユーザーのIDを示すユーザーIDデータ27を記憶部19に記憶する。
【0025】
次いで、制御部15が備えるプリンタードライバー実行部21の画像データ生成部21b、電子ジャーナルファイル生成記憶部22、及び、画像ビューアー実行部23について順に説明する。これら機能ブロックの機能は、制御部15のCPUがROMに記憶されたプログラム(ファームウェアや専用のツール等)を実行する等、ソフトウェアとハードウェアとが協働して実現される。
【0026】
まず、プリンタードライバー実行部21の画像データ生成部21bについて説明する。
画像データ生成部21bは、POSシステム1により、1のレシートが発行される度に、当該1のレシートに記録された画像を示す記録画像データを生成する。
以下、画像データ生成部21bの動作、及び、記録画像データについて詳述する。
【0027】
図2は、画像データ生成部21bの動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、画像データ生成部21bは、レシートの発行が行われたか否かを監視する(ステップSA1)。上述したように、レシートの発行に際しては、プリンタードライバー実行部21の記録制御部21aから、レシートプリンター12に対して、レシートの発行に係る動作を行わせるための制御コマンドが出力される。
レシートの発行が行われた場合(ステップSA1:YES)、画像データ生成部21bは、記録制御部21aが生成した一連の制御コマンドを取得する(ステップSA2)。
次いで、画像データ生成部21bは、ステップSA2で取得した制御コマンドに含まれるフォント種類指定情報に基づいて、ホストコンピューター10が対応しているフォントの種類(以下、説明の明確化のため、「利用可能フォント種類」という。)のうち、記録画像データの生成にあたって利用する利用可能フォント種類を特定する(ステップSA3)。以下、ステップSA3の処理について詳述する。
【0028】
利用可能フォント種類とは、ホストコンピューター10が対応しているフォントの種類のことであるが、一例としては、ホストコンピューター10のOSに実装されたシステムフォントの種類のことである。周知の通り、OSがインストールされた制御装置は、所定の文字コードに係る文字の形状を表現(表示手段への表示等)する場合、OSにシステムフォントに準じて文字の形状を表現する。レシートプリンター12は、フォントA、フォントBの2つの内蔵フォント種類に対応しているが、この内蔵フォント種類は、レシートプリンター12の物理的構成(ヘッド解像度等)を考慮して、独自に設けられた専用のフォントの種類であり、内蔵フォント種類と同一の利用可能フォント種類は、ホストコンピューター10のOSに実装されていない場合も多い。これを踏まえ、ステップSA3において、画像データ生成部21bは、利用可能フォント種類のうち、フォント種類指定情報が指定する内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定する。
具体的には、利用可能フォント種類と、内蔵フォント種類とが「類する」とは、本実施形態では、少なくとも、利用可能フォント種類の縦横比と、内蔵フォント種類の縦横比とが近似していることをいう。そして、指定された内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定する際、画像データ生成部21bは、まず、指定された内蔵フォント種類の縦横比を取得する。内蔵フォント種類の縦横比を示す情報は、レシートプリンター12のプリンター側記憶部35に設定値として記憶されており、画像データ生成部21bは、レシートプリンター12と通信し、指定された内蔵フォント種類の縦横比を取得する。次いで、画像データ生成部21bは、利用可能フォント種類のうち、その縦横比が、指定された内蔵フォント種類の縦横比と最も近似する1の利用可能フォント種類を特定する。ここで特定された利用可能フォント種類が、記録画像データを生成する際に利用される利用可能フォント種類となる。
なお、上記以外の方法により、指定された内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定するようにしてもよい。例えば、レシートプリンター12が対応している内蔵フォント種類のそれぞれについて、ホストコンピューター10が対応している利用可能フォント種類のうち最適な種類を、予め、人為的な手段により決定し、各内蔵フォント種類と、各内蔵フォント種類の置換に最適な利用可能フォント種類とを対応付けるテーブルを記憶部19に記憶させておく。そして、画像データ生成部21bは、当該テーブルの内容に基づいて、指定された内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定するようにしてもよい。
ステップSA3の処理後、画像データ生成部21bは、記録画像データを生成する(ステップSA4)。
【0029】
図3は、ステップSA4の動作を説明するための図であり、(A)は制御コマンドの一部を模式的に示し、(B)はステップSA4で生成される記録画像データを所定の座標系に展開したときの様子を概念的に示している。なお、図3(A)では、説明の便宜のため、制御コマンドを単純化して表している。
図3(A)の例における制御コマンドは、コマンド群C1〜C4の4つのコマンド群を含んで構成されると共に、各コマンド群Cの間に、適宜、改行コマンドLFが配置されている。そして、各コマンド群Cは、文字列装飾コマンドMSと、文字列記録指示コマンドMKと、含んで構成されている。
文字列装飾コマンドMSとは、対応する文字列記録指示コマンドMKによって指定された文字列を感熱ロール紙に記録する際に施すべき装飾を指定するコマンドである。装飾とは、感熱ロール紙に記録する文字列に対して描画に関する何らかの処理を行うことを意味し、例えば、感熱ロール紙の幅方向における文字列の位置の調整(中央寄せや、左寄せ、右寄せ等)や、文字列の拡大、縮小、回転、強調、太字化、装飾文字又は装飾記号の付加等が装飾に該当する。
文字列記録指示コマンドMKは、当該コマンドにおいて指定した文字列を記録することを指示するコマンドである。この文字列記録指示コマンドMKにおいて、文字列を構成する各文字は、対応するフォントテーブルにおける位置(アドレス)を示す情報(フォントデータ指定情報)として表現されている。
図3(A)のコマンド群C1の例では、当該コマンド群C1に含まれる文字列装飾コマンドMS1は、中央寄せの装飾を行うことを指示するコマンドであり、文字列記録指示コマンドMK1は、文字列「2011/1/1」を記録することを指示するコマンドである。
また、改行コマンドLFは、1行分の改行を挿入することを指示するコマンドである。
【0030】
以下、ステップSA4の処理について、図3(A)の制御コマンドに基づいて記録画像データを生成する場合を例として説明する。
まず、画像データ生成部21bは、RAM等の記憶領域に仮想的に展開した座標系において、記録画像データの外枠となる領域R1を定義する。領域R1において、記録画像データを構成する各画素は、感熱ロール紙の印字領域の画素の態様に準拠してドットマトリクス上に配置されており、各画素は、原点Oに対する相対的な位置により一意に特定可能である。領域R1のx軸方向(図3(B)の例では感熱ロール紙の幅方向に対応する方向)の大きさは、感熱ロール紙における印字領域の幅に応じて定められる。図3(B)の例では、x1ドットであるものとする。また、領域R1のy軸方向(図3(B)の例では感熱ロール紙の長手方向に対応する方向)の大きさは一定でないため、起点となる位置T1が定義される。
次いで、画像データ生成部21bは、コマンド群C1に基づいて、領域R1上の適切な位置に、文字列装飾コマンドMS1が指定する装飾を施した上で、文字列記録指示コマンドMK1が指定する文字列「2011/1/1」の画像データを、ステップSA3で特定した利用可能フォント種類に準拠して、展開する。
【0031】
詳述すると、まず、画像データ生成部21bは、文字列「2011/1/1」を構成する各文字を、所定の文字コード(例えば、Unicode)に変換する。文字列記録指示コマンドMK1において、指定する文字列を構成する各文字は、対応するフォントテーブルにおける位置(アドレス)を示す情報(フォントデータ指定情報)として表現されているが、上述したように、記憶部19に、各文字コードと、各フォントテーブルにおいて各文字コードに対応するフォントデータが格納された位置と、を対応付けて記憶する専用のテーブルが記憶されているため、画像データ生成部21bは、当該テーブルに基づいて、文字列を構成する各文字について文字コードへの変換を行う。次いで、画像データ生成部21bは、各文字コードを、ステップSA3で特定した利用可能フォント種類のフォントデータに変換する。文字コードと、各利用可能フォント種類のフォントデータとが対応付けられたテーブルが利用可能な場合は、当該テーブルに基づいてフォントデータへの変換を行ってもよく、また、既存のOSの変換機能を利用してフォントデータへの変換を行ってもよい。
【0032】
次いで、画像データ生成部21bは、領域R1上の位置T1を起点とした適切な位置に、文字列装飾コマンドMS1が指定する装飾(中央寄せ)を施した上で、文字列記録指示コマンドMK1が指定する文字列「2011/1/1」を構成する各文字のフォントデータを順次展開する。フォントデータの展開に際し、画像データ生成部21bは、必要な拡大、縮小の画像処理を行う。また、フォントデータの展開に際し、画像データ生成部21bは、後述する画像ビューアーが処理可能(表示パネル25への表示(プレビュー)可能)な所定の静止画像のデータ形式で、画像を展開する。例えば、所定の静止画像のデータ形式が、画素ごとに黒白2値を保持するビットマップデータである場合は、画像データ生成部21bは、文字列「2011/1/1」の画像データを当該形式のビットマップデータとして展開し、また例えば、所定の静止画像のデータ形式が、画素ごとに赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色成分を階調値として保持するビットマップデータである場合は、画像データ生成部21bは、文字列「2011/1/1」の画像データを当該形式のビットマップデータとして展開する。以上のようにして、画像データ生成部21bによる文字列「2011/1/1」の画像データの領域R1への展開が完了する。
このように、画像データ生成部21bは、改行コマンドLFによる改行を適切に反映させた上で、コマンド群C1〜C4のそれぞれのコマンド群に基づいて、順次、各コマンド群Cの文字列記録指示コマンドMKが指定する文字列の画像データを、領域R1に展開する。
以上のようにして、ステップSA4において、画像データ生成部21bは、記録画像データを生成する。ここで生成された記録画像データは、レシートに記録される画像を示す画像データ、すなわち、レシートに記録すべき決済情報が含まれたデータである。
【0033】
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22について説明する。
電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、1のレシートの発行に伴って、画像データ生成部21bにより記録画像データが生成された後、当該記録画像データを用いて電子ジャーナルファイル75を生成し、記憶部19の電子ジャーナルファイルDB28に記憶する。
【0034】
図4は、電子ジャーナルファイル75のデータ構造を模式的に示す図である。この電子ジャーナルファイル75は、上述したように、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報に基づいて生成された画像データを含むデータである。
電子ジャーナルファイル75は、JPEGデータに対してEXIF形式の付加情報が付加されて形成されたJPEGファイルであり、JPEGファイルの先頭を示すスタートマーカー40と、APP1データエリア41の始まりを示すAPP1マーカー42と、所定の圧縮方式により圧縮されたJPEGデータを格納するJPEGデータエリア43と、JPEGファイルの後尾を示すエンドマーカー44とが含まれている。
APP1データエリア41には、任意の情報を示すデータを格納可能なコメントセグメント46が形成されており、このコメントセグメント46には、制御コマンドエリア47、日時情報エリア48、ユーザー情報エリア49、ファイル名情報エリア50、プリンター情報エリア51、及び、支払金額情報エリア52が形成されている。
これら各フィールドに格納される情報が、記録画像データに関連する情報に該当する。
【0035】
以下、電子ジャーナルファイル生成記憶部22が、電子ジャーナルファイル75を生成する際の動作について説明する。
電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、POSシステム1によりレシートの発行が行われた場合、プリンタードライバー実行部21の記録制御部21aが生成した制御コマンドを取得し、取得した制御コマンドをデータとしてそのまま制御コマンドエリア47に格納する。上述したように、制御コマンドは、レシートプリンター12にレシートを発行させるコマンドであるため、制御コマンドエリア47に格納された制御コマンドをレシートプリンター12に出力することにより、レシートプリンター12にレシートを再発行させることが可能である。
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、現在の日時を取得し、日時を示す日時データを日時情報エリア48に格納する。
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、記憶部19からユーザーIDデータ27を取得し、取得したユーザーIDデータ27をユーザー情報エリア49に格納する。
【0036】
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、所定の規則に従って、ファイル名データを生成し、生成したファイル名データをファイル名情報エリア50に格納する。ファイル名データとは、電子ジャーナルファイル75毎に、一意に付与されるファイル名を示すデータのことであり、本実施形態では、現在の日時を示す情報、及び、対応するレシートが本日何個目に発行されたレシートであるかを示す情報とを組み合わされて形成されたデータである。
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、レシートプリンター12に事前に一意に付与されたIDを示すプリンターIDデータを取得し、プリンター情報エリア51に格納する。
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、対応するレシートに画像として記録すべき支払金額について、当該支払金額を示す支払金額データをPOSアプリケーション実行部20から取得し、取得した支払金額データを支払金額情報エリア52に格納する。
次いで、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、画像データ生成部21bが生成した記録画像データを取得し、JPEGの規格に準拠した符号化方式により当該記録画像データを圧縮して圧縮画像データ(JPEGデータ)を生成し、JPEGデータエリア43に格納する。
以上のようにして、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、各エリアに適切にデータを格納した上でJPEGファイルたる電子ジャーナルファイル75を生成した後、生成した電子ジャーナルファイル75を記憶部19の電子ジャーナルファイルDB28に格納する。
【0037】
次いで、画像ビューアー実行部23について説明する。
画像ビューアー実行部23は、事前にインストールされた画像ビューアーを実行することにより、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75から、所望のデータを検索する機能、特定の電子ジャーナルファイル75に基づいて、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートに記録された画像を表示パネル25に表示する機能、及び、特定の電子ジャーナルファイル75に基づいて、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートを再発行する機能を提供する。
まず、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75から、所望のデータを検索する機能について説明する。
当該機能を実行する際、ユーザーは、まず、キーボードや、マウス等の入力デバイスを操作して、検索用ウインドウ60の表示を指示する。
【0038】
図5は、検索用ウインドウ60の一例を模式的に示す図である。
図5に示すように、検索用ウインドウ60は、日付情報入力エリア61と、時刻情報入力エリア62と、ユーザーID入力エリア63と、ファイル名入力エリア64と、プリンターID入力エリア65と、支払金額情報入力エリア66とが形成されている。
日付情報入力エリア61には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75が生成された日付を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75が生成された日付が判明している場合は、当該日付を示す情報を入力する。本実施形態では、画像データが生成された日付が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある日付から他の日付までの間というように、日付に幅を持たせた状態で、日付を示す情報を入力可能である。
時刻情報入力エリア62には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75が生成された時刻を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に含まれる画像データが生成された時刻が判明している場合は、当該時刻を示す情報を入力する。本実施形態では、画像データが生成された時刻が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある時刻から他の時刻までの間というように、時刻に幅を持たせた状態で、時刻を示す情報を入力可能である。
【0039】
ユーザーID入力エリア63には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーのIDが入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーのIDが判明している場合は、当該IDを示す情報を入力する。
ファイル名入力エリア64には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75のファイル名が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75のファイル名が判明している場合は、当該ファイル名を示す情報を入力する。本実施形態では、ファイル名が明確に判明しない場合が多いことも考慮して、ワイルドカードを利用したファイル名を入力可能な構成となっている。
プリンターID入力エリア65には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートを発行したレシートプリンター12のIDが入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートを発行したレシートプリンター12が判明している場合は、当該レシートプリンター12のIDを示す情報を入力する。
支払金額情報入力エリア66には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートにおける支払金額を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75について、当該電子ジャーナルファイル75に係るレシートにおける支払金額が判明している場合は、当該支払金額を示す情報を入力する。本実施形態では、支払金額が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある値から他の値までの間というように、支払金額に幅を持たせた状態で、支払金額を示す情報を入力可能である。
【0040】
画像ビューアー実行部23は、検索用ウインドウ60の任意のエリアに情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、検索処理を実行する。検索の開始の指示は、検索用ウインドウ60の検索開始ボタン67がクリックされることによって行われる。
検索処理とは、検索用ウインドウ60の各エリアに入力された情報と、電子ジャーナルファイル75のコメントセグメント46に形成された各エリアに格納されたデータと、の比較に基づいて、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75の中から、所望の電子ジャーナルファイル75を検索する処理である。
詳述すると、日付情報入力エリア61に日付を示す情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75のそれぞれの日時情報エリア48を参照し、日付情報入力エリア61に入力された日付を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている電子ジャーナルファイル75を特定する。なお、電子ジャーナルファイル75について、「日付情報入力エリア61に入力された日付を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている」とは、例えば、日付情報入力エリア61に2010年1月1日を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル75の日時情報エリア48に格納された日時データが2010年1月1日を示していることを言い、また、日付情報入力エリア61に2010年1月1日から1月3日を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル75の日時情報エリア48に格納された日時データが2010年1月1日から1月3日に含まれる日付を示していることをいう。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75に含まれる画像データが生成されたときの日付が判明している場合、ユーザーは、当該日付を日付情報入力エリア61に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル75が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル75が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。
【0041】
また、検索処理において、時刻情報入力エリア62に時刻を示す情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75のそれぞれの日時情報エリア48を参照し、時刻情報入力エリア62に入力された時刻を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている電子ジャーナルファイル75を特定する。なお、電子ジャーナルファイル75について、「時刻情報入力エリア62に入力された時刻を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている」とは、例えば、時刻情報入力エリア62に10時00分を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル75の日時情報エリア48に格納された日時データが10:00を示していることを言い、また、日付情報入力エリア61に10:00から11:00を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル75の日時情報エリア48に格納された日時データが10:00から11:00に含まれる時刻を示していることをいう。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75に含まれる画像データが生成されたときの時刻が判明している場合、ユーザーは、当該時刻を時刻情報入力エリア62に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル75が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル75が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。
【0042】
同様にして、検索処理において、ユーザーID入力エリア63や、ファイル名入力エリア64、プリンターID入力エリア65、支払金額情報入力エリア66に対応する情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75のユーザー情報エリア49や、ファイル名情報エリア50、プリンター情報エリア51、支払金額情報エリア52を参照し、各入力エリアに格納された情報に対応するデータが、コメントセグメント46における対応するエリアに格納されている電子ジャーナルファイル75を特定する。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル75に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーが判明している場合、ユーザーは、当該ユーザーのIDをユーザーID入力エリア63に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル75が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル75が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。このことは、ファイル名や、プリンターのID、支払金額が判明している場合についても同様である。
なお、検索用ウインドウ60の複数の入力エリアに同時に情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、AND検索を実行する。例えば、日付情報入力エリア61に2010年1月1日を示す情報が入力され、時刻情報入力エリア62に10:00を示す情報が入力され、かつ、支払金額情報入力エリア66に5000円を示す情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、コメントセグメント46の日時情報エリア48に2010年1月1日の10:00を示す日時データが格納され、かつ、支払金額情報エリア52に5000円を示す支払金額データが格納されている電子ジャーナルファイル75を特定する。
画像ビューアー実行部23は、検索処理によって電子ジャーナルファイル75を特定した後、特定した電子ジャーナルファイル75の一覧を表示パネル25に表示する。
【0043】
図6は、検索処理によって特定された電子ジャーナルファイル75の一覧が表示された様子の一例を示す図である。
図6に示すように、画像ビューアー実行部23は、検索処理によって特定した電子ジャーナルファイル75を一覧表示する。
具体的には、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル75毎に、コメントセグメント46の日時情報エリア48に格納された日時データが示す日付、当該日時データが示す時刻、ユーザー情報エリア49に格納されたユーザーIDデータが示すユーザーのID、ファイル名情報エリア50に格納されたファイル名データが示すファイル名、プリンター情報エリア51に格納されたプリンターIDデータが示すプリンターのID、及び、支払金額情報エリア52に格納された支払金額データが示す支払金額を対応づけて表示する。
さらに、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル75毎に、表示ボタン70と、印刷ボタン71とを表示する。これらボタンはユーザーによってクリック可能である。
【0044】
表示ボタン70は、電子ジャーナルファイル75に係るレシートの画像を表示パネル25に表示することを指示する場合にクリックされるボタンである。
表示ボタン70がクリックされると、画像ビューアー実行部23は、記憶部19の電子ジャーナルファイルDB28から対応する電子ジャーナルファイル75を取得すると共に、取得した電子ジャーナルファイル75からJPEGデータエリア43に格納された記録画像データを取得する。次いで、画像ビューアー実行部23は、記録画像データに対し、所定の復号処理を施して圧縮前の記録画像データを復元し、当該記録画像データに基づいて、表示部16を制御して、当記録該画像データに係る画像を表示パネル25に表示させる。ここで、表示パネル25に表示される画像は、対応するレシートに記録された画像と同一性を有する画像である。
【0045】
印刷ボタン71は、電子ジャーナルファイル75に係るレシートの再発行を指示する場合にクリックされるボタンである。
印刷ボタン71がクリックされると、画像ビューアー実行部23は、記憶部19の電子ジャーナルファイルDB28から対応する電子ジャーナルファイル75を取得すると共に、取得した電子ジャーナルファイル75の制御コマンドエリア47を参照し、制御コマンドを取得する。次いで、画像ビューアー実行部23は、取得した制御コマンドをレシートプリンター12のプリンター側制御部30に出力する。画像ビューアー実行部23から制御コマンドが入力された場合、レシートプリンター12のプリンター側制御部30は、当該制御コマンドを順次読み出して実行することにより、レシートの発行に係る処理を実行し、レシートを発行する。
【0046】
このように、電子ジャーナルファイル75に係るレシートの再発行が指示された場合、最初にレシートを発行した際に生成された制御コマンドを利用して、レシートの再発行が行われる。このため、制御コマンドを新たに生成する場合と比較して、時間を短縮した上で、簡易、かつ、確実にレシートの再発行を実現することができ、さらに、最初に発行されたレシートを完全に再現した状態でレシートを再発行することができる。
また、上述したように、本実施形態では、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75の中から、所望の電子ジャーナルファイル75を検索可能な構成となっているが、検索に際し、電子ジャーナルファイル75に係るレシートが発行された日付や、時刻、レシートが発行されたときにログインしているユーザーのID、ファイル名、プリンターのID、レシートにおける支払金額等、様々な検索情報を利用して電子ジャーナルファイル75の検索が可能である。ここで、従来は、電子ジャーナルファイル75に対しタイムスタンプを付加し、当該タイムスタンプを利用した検索が可能であったが、従来と比較して、様々な条件、様々な観点から電子ジャーナルファイル75を検索でき、より効率的な検索が実現できる。
また、本実施形態では、電子ジャーナルファイル75は、JPEGファイルであるが、これにより以下の利点がある。すなわち、JPEGファイルは、広く普及したファイルフォーマットであるため、利便性、信頼性が高い。また、EXIF規格等の既存の規格を利用して、汎用性を維持した状態で付加データを付加できるため、拡張性がよく、かつ、使い勝手がよい。また、画像データを圧縮した上で記憶するため、電子ジャーナルファイル75を記憶部19に記憶する際の記憶効率がよい。JPEG形式でなくとも、これらの要望を満たす静止画像圧縮形式であれば、他の形式のものでもよい。
【0047】
また、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル75に基づいて、レシートに記録された画像を表示パネル25に表示(プレビュー)でき、また、レシートを再発行でき、また、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル75の中から所望の電子ジャーナルファイル75を検索できる。すなわち、上述した、要件1.表示パネル等の表示手段を利用してレシートに記録された画像をプレビューできること、要件2.紙等の記録媒体に記録できること、要件3.所望のデータを検索できること、という3つの要件を満たした状態で、レシートに係るデータを記憶できる構成となっている。
また、電子ジャーナルファイル75のJPEGデータエリア43に格納された記録画像データに基づいて表示部16に表示された画像の内容と、制御コマンドエリア47に格納された制御コマンドを実行することにより再発行されたレシートに記録された画像の内容とは、共に、同じレシートに対応する画像であり、一致するはずである。ここで、制御コマンドを改ざんするためには、専門的かつレシートプリンター12特有の知識を要するため、改ざんが比較的困難であるものの、記録画像データはビットマップ形式等の画像データであるため改ざんが比較的容易である。これを踏まえ、記録画像データだけが改ざんされた場合、1の電子ジャーナルファイル75に基づいて表示部16に表示された画像の内容と、再発行されたレシートに記録された画像の内容とに不整合が生じる。これを利用し、1の電子ジャーナルファイル75に基づいて表示部16に表示された画像の内容と、再発行されたレシートに記録された画像の内容とを比較することによって、画像データに対して改ざんが行われたことを確実に検出でき、このことが改ざんの抑止力となる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係るホストコンピューター10は、レシートプリンター12に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをレシートプリンター12に出力する記録制御部21aと、記録制御部21aが生成した制御コマンドに基づいて、感熱ロール紙に記録される文字を含む画像の画像データであって、表示部16により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部21bと、画像データ生成部21bが生成した記録画像データを電子ジャーナルファイル75として記憶する電子ジャーナルファイル生成記憶部22と、を備えている。
これによれば、ホストコンピューター10は、レシートプリンター12に出力した制御コマンドに基づいて、感熱ロール紙に記録される画像を示す画像データであって、表示部16により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、生成した記録画像データを記憶(保管)する。このため、本実施形態のように、プリンターの内蔵フォントを利用して記録媒体への文字の記録を行う構成のものにおいて、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、記録画像データ、換言すれば、記録媒体に記録された情報を含むデータを、閲覧可能な態様で記憶可能である。
【0049】
また、本実施形態では、レシートプリンター12は、複数の内蔵フォント種類のフォントデータを記憶する。また、記録制御部21aからレシートプリンター12に出力される制御コマンドには、記録させる文字の内蔵フォント種類を指定するフォント種類指定情報が含まれている。そして、画像データ生成部21bは、ホストコンピューター10が対応している利用可能フォント種類のうち、フォント種類指定情報が指定する内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定し、特定した利用可能フォント種類に基づいて、記録画像データに含まれる文字の画像データを生成する。
この構成によれば、ホストコンピューター10に、レシートプリンター12の内蔵フォント種類と同一の利用可能フォント種類がない場合であっても、記録画像データの生成の際には、利用可能フォント種類のうち、指定された内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類が特定されて、特定された利用可能フォント種類が利用されて記録画像データが生成されるため、感熱ロール紙に実際に記録された画像の態様と、記録画像データに基づく画像の態様とを近似させることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、画像データ生成部21bが生成した記録画像データを、記録画像データに関連する情報、具体的には、電子ジャーナルファイル75のコメントセグメント46に形成された制御コマンドエリア47、日時情報エリア48、ユーザー情報エリア49、ファイル名情報エリア50、プリンター情報エリア51、及び、支払金額情報エリア52に格納された情報と対応付けて記憶する。
これによれば、複数記憶された記録画像データのうち、1の記録画像データを検索する際に、当該1の記録画像データと対応付けられた関連情報を利用して、迅速な検索が可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、レシートプリンター12は、決済情報が記録されたレシート(紙片)を発行するものである。そして、記録制御部21aは、レシートの発行に係る処理を実行させる制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをレシートプリンター12に出力する。また、画像データ生成部21bは、記録制御部21aが生成した制御コマンドを分析して、レシートに記録される画像に係る記録画像データを生成する。
これによれば、物理的な保管や、スキャニング等の煩雑な作業を経ることなく、閲覧可能な態様で、レシートに記録された決済情報を含むデータを記憶可能である。
【0052】
次いで、別の実施形態について説明する。
図7は、別の実施形態に係るPOSシステム1の機能的構成を示すブロック図である。
図7と、図1との比較で明らかなように、別の実施形態に係るPOSシステム1は、レシートプリンター12のプリンター側制御部30が、画像データ生成部21b、電子ジャーナルファイル生成記憶部22、を備えている点で、上述した実施形態と異なっている。さらに、レシートプリンター12のプリンター側記憶部35に、ユーザーIDデータ27、及び、電子ジャーナルファイルDB28が記憶されている点で、上述した実施形態と異なっている。
この別の実施形態に係るレシートプリンター12では、画像データ生成部21bは、ホストコンピューター10から入力された制御コマンドに基づいて記録画像データを生成する。また、電子ジャーナルファイル生成記憶部22は、画像データ生成部21bが生成した画像記録データを利用して、電子ジャーナルファイル75を生成し、プリンター側記憶部35の電子ジャーナルファイルDB28に格納する。また、画像ビューアー実行部23は、上述した実施形態と同様の処理を実行することにより、電子ジャーナルファイル75の検索、レシートに記録した画像のプレビュー、及び、レシートの再発行を実行する。
このような構成であっても、その構成に基づいて、上述した実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
【0053】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、レシートプリンター12は、サーマル式であったが、記録形式はこれに限らず、インクジェットプリンター、ドットインパクトプリンター、レーザープリンター、熱昇華型プリンター等であってもよい。すなわち、本発明は、記録装置がフォントデータに基づいて文字を記録することに起因して、制御装置から記録装置へ画像データではなく、文字のフォントデータを指定するコマンドが出力される装置、システムに広く適用可能である。
また例えば、本実施形態では、画像データ生成部21bの機能は、プリンタードライバーにより実現されていたが、プリンタードライバーとは独立したプログラムにより実現されていてもよい。また、電子ジャーナルファイル生成記憶部22や、画像ビューアー実行部23の機能をプリンタードライバーの機能により実現するようにしてもよい。
また例えば、図1、図7に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部15や、プリンター側制御部30の機能を、レシートプリンター12に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また例えば、レシートプリンター12の外部の記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…POSシステム、10…ホストコンピューター(制御装置)、12…レシートプリンター(記録装置)、15…制御部、21…プリンタードライバー実行部、21a…記録制御部、21b…画像データ生成部、22…電子ジャーナルファイル生成記憶部(画像データ記憶部)、23…画像ビューアー実行部、30…プリンター側制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置であって、
前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力する記録制御部と、
前記記録制御部が生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記記録装置は、複数の内蔵フォント種類のフォントデータを記憶し、
前記制御コマンドには、記録させる文字の内蔵フォント種類を指定するフォント種類指定情報が含まれ、
前記画像データ生成部は、
前記記録画像データを生成する際、前記記録画像データの生成に利用可能な利用可能フォント種類のうち、前記フォント種類指定情報が指定する内蔵フォント種類に類する利用可能フォント種類を特定し、特定した利用可能フォント種類に基づいて、前記記録画像データに含まれる文字の画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記画像データ記憶部は、
前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを、前記記録画像データに関連する情報と対応付けて記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記記録装置は、決済情報が記録された紙片を発行するものであり、
前記記録制御部は、
前記紙片の発行に係る処理を実行させる前記制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力し、
前記画像データ生成部は、
前記記録制御部が生成した前記制御コマンドを分析して、前記紙片に記録される画像を示す前記記録画像データを生成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
制御装置に接続可能に構成され、フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置であって、
前記制御装置から受信した制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置の制御方法であって、
前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力し、
生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成し、
生成した前記記録画像データを記憶することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項7】
フォントデータを記憶し、前記フォントデータに基づいて文字を記録媒体に記録する記録装置に接続可能な制御装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記記録装置に文字を含む画像を記録させる場合、記録すべき文字に対応するフォントデータを指定するフォントデータ指定情報を含む制御コマンドを生成し、生成した前記制御コマンドを前記記録装置に出力する記録制御部と、
前記記録制御部が生成した前記制御コマンドに基づいて、前記記録媒体に記録される文字を含む画像の画像データであって、所定の表示手段により表示可能な形式の画像データである記録画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部が生成した前記記録画像データを記憶する画像データ記憶部と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41410(P2013−41410A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177682(P2011−177682)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】