説明

制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法

【課題】 制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を提案する。
【解決手段】 方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定し、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定し、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させ、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成し、(e)この解を記憶し、(f)複数の解が記憶されるまで(c)から(e)までを繰り返す、さらに/または(g)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例の実施形態は、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法に関する。また、例の実施形態は、原子炉の炉心設計、運転戦略、または炉心設計および運転戦略を含む制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工学設計で出会う問題のほとんどは、性質において非線形であり、解かれる問題に関するある目標を満足するシステムパラメータの決定を伴う。そのような問題は、システムに対する1つまたは複数の制限または制約の対象になる1つまたは複数のシステム関数またはシステムパラメータを最小化し、かつ/または最大化する解が望まれる数学的最適化問題の形で計算することができる。システム関数と制約との両方が、システム入力(制御変数)およびシステム出力からなり、このシステム入力およびシステム出力は、離散的または連続的のいずれかであり得る。さらに、制約は、等式または不等式である場合がある。所与の最適化問題に対する解は、(1)所望の1つまたは複数の条件を最小化し、かつ/または最大化し、したがって最適条件を満足し、(2)システムに課せられる制約式の組を満足するという特性の一方または両方を有する。
【0003】
上の定義を用いて、最適化問題の複数のカテゴリを定義することができる。Free Optimization Problem(「FOP」)は、制約が存在しない最適化問題である。制約最適化問題(Constraint Optimization Problem、「COP」)は、制約と、1つまたは複数の条件要件の最小化および/または最大化との両方を含む。対照的に、制約充足問題(「CSP」)は、制約だけを含む。CSPを解くことは、制約条件を満足する探索空間内で1つの実現可能な解を見つけることを意味する。COPを解くことは、実現可能であると同時に、1つまたは複数の望まれる条件の最小値および/または最大値が実現されるという意味で最適である解を見つけることを意味する。
【0004】
そのような問題の解は、通常、連続的に改善される解が複数のアルゴリズム反復の過程で得られる、数学的探索アルゴリズムを用いる。各反復は、提案される解と考えることができるが、目的関数の改善をもたらすと期待される。目的関数とは、提案される解のパラメータ値を入力として有する数式である。目的関数は、提案される解の性能指数を作る。目的関数値の比較は、別の解に対するある解の相対的な強さに関する尺度を提供する。多数の探索アルゴリズムが存在し、特定の問題の制御変数を変更する形、改善過程中に解の母集団または単一の解のどちらが追跡されるか、および収束の査定において異なる。しかし、これらの探索アルゴリズムは、収束の経路を判断する際に目的関数の結果に頼る。最適化アルゴリズムの例には、遺伝的アルゴリズム、シミュレーテッドアニーリング、およびタブー探索が含まれる。
【0005】
最適化アルゴリズムの中で、COPおよびCSPの制約の処理の問題に対処しなければならない。制約の処理に関して、複数の種別の方法が存在する。最も広まっている方法は、目的関数の変更にペナルティ手法を使用することであり、これは、COPまたはCSPをFOPに変換するという効果を有する。この方法では、制約式の組での違反を表すペナルティ関数が、所望の最適条件の特徴を表す目的関数に追加される。ペナルティ関数が正である時には、その解は実現不能である。ペナルティ関数が0である時には、すべての制約が満足される。したがって、変更された目的関数を最小にすることは、最適性を探すだけではなく、制約の充足をも探す。
【0006】
所与の最適化探索について、ペナルティ手法は、バイアスのない形で実現可能な解と実現不能な解との両方の検査を可能にすることによって、探索空間を広げる。最適化探索中に探索空間を広げることによって、しばしば、局所極小値をよりすばやく迂回することが可能になり、したがって、より効率的な最適化アルゴリズムが生み出される。対照的に、実現不能な解の「修復」および「行動記憶(behavioral memory)などの、制約を処理する代替の方法は、最適化探索中に検査される解の間で実現可能性を維持しまたは実施することに基づく。
【0007】
ペナルティ手法を実施するために、制約違反の大きさを定量化する数式が、制約ごとに定義される。所与の制約について、重み付け係数を結果に乗じて、目的関数ペナルティ成分を作成する。すべてのペナルティ成分を合計することによって、総ペナルティが作られる。所与の制約の重み付け係数が大きいほど、最適化探索は、最適化探索中にその制約の違反を解決することを重視するようになる。ペナルティ関数の形および重み付け係数を定義する多数の手法が存在する。結果の変更された目的関数によって定義される重み付け係数は、問題固有であり、ゼロ(その制約はアクティブでない)と無限大(探索空間がその制約のすべての違反を除外する)によって限界を定められる。
【0008】
最も単純なペナルティ関数の形が、各制約の重み付け係数の値に無限大をセットする「deathペナルティ」である。deathペナルティを用いると、探索アルゴリズムは、制約のいかなる違反も即座に拒絶し、これは、すべての実現不能な解を拒絶することと同等である。静的ペナルティは、定義された各制約に有限のペナルティ値を適用する。静的重み付け係数は、最適化探索全体を通じてその初期入力値を維持する。動的ペナルティは、重み変更の量および頻度を決定する数式に従って、最適化探索の過程中に初期入力値を調整する。動的ペナルティ方式でのペナルティ関数の形には、初期静的ペナルティ重み付け係数(探索を開始するのに必要)に加えて、最適化アルゴリズムの一部として入力されなければならない追加パラメータが含まれる。
【0009】
動的ペナルティに似て、適応ペナルティは、最適化探索の過程にわたって重み値を調整する。対照的に、重み変更の量および頻度は、改善された解を見つけることにおける最適化探索の進行状況によって決定される。適応ペナルティ関数を実施する複数の手法が提案されてきた。BeanおよびHadj−Alouaneは、Adaptive Penalties(「AP」)の方法を作成したが、これは、遺伝的アルゴリズムの文脈で実施された。AP法では、最適化探索の事前に設定された回数の反復を通して得られた解の母集団が、検査され、重みは、その母集団が、実現可能な解だけ、実現不能な解だけ、または実現可能な解および実現不能な解の混合のどれを含むかに応じて調整される。Coit、Smith、およびTateは、所与の制約ごとに「Near Feasibility Threshold」(「NFT」)を推定することに基づく適応ペナルティ法を提案した。概念上、NFTは、最適化検索がその後に探索することをを許可される実現可能性のすぐ外の実現不能探索空間の領域を定義する。EibenおよびHemertは、ペナルティを適応させるStepwise Adaption of Weights(「SAW」)法を開発した。彼らの方法では、重み付け係数調整は、最適解で違反する各制約に対して周期的に行われ、したがって、潜在的に、将来の解に制約違反から離れるバイアスを与える。
【0010】
提案されたペナルティ法には、複数の不足が存在する。deathペナルティは、探索中に生成されるすべての候補解が実現可能性を満足することを強制することによって、探索空間を制限する。静的重み付け係数手法では、出会うと期待される最適化応用例のタイプを反映するテスト問題の集合に対するパラメータ的調査を実行しなければならず、その結果は、関心を持たれている制約ごとに確立される、許容できる重み値の範囲である。次に、ユーザは、許容できる値の事前に確立された範囲に基づいて制約の特定の集合について重み値を選択するはずである。特にCOPに関して、所与の問題の静的重み値を変更することが、しばしば、多少最適の結果をもたらす可能性がある。同様に、動的ペナルティは、経験的データに基づいて決定されなければならないパラメータの指定を必要とする。そのようなパラメータの微調整は、しばしば、異なる最適結果をもたらす。
【0011】
ペナルティ適応は、静的ペナルティ手法および動的ペナルティ手法で、最適化探索が進行する時に解決される特定の問題に関する情報を使用することを試みることによって改善される。効果的に、問題が、周期的に再定義される。適応ペナルティ手法に関する不足は、目的関数が、最適化探索の過程中に絶対的な意味ですべての意味を失うことである。言い換えると、静的ペナルティ手法または動的ペナルティ手法に存在する最適化探索の最初の出発点に戻って目的関数を結び付ける「記憶」がない。
【0012】
既知の最適化問題の1つは、沸騰水型原子炉(「BWR」)などの原子炉の運転戦略の設計を含む。図1に、関連技術のBWRを示す。この図からわかるように、ポンプ100は、原子炉格納容器104内に収容された原子炉容器102に水を供給する。原子炉容器102の炉心106は、図2に関して下で詳細に説明するものなどの複数の燃料バンドルを含む。炉心106内の燃料バンドルで発生する制御された核分裂が、熱を生成し、この熱が、供給された水を蒸気に変える。この蒸気が、原子炉容器102からタービン108に供給され、このタービン108が発電機110に動力を与える。次に、発電機110が、電気エネルギを出力する。タービン108に供給された蒸気は、復水器112でタービン108からの蒸気を水に凝縮し、凝縮された蒸気をポンプ100に供給することによって、再循環される。
【0013】
図2に、炉心106内の通常の燃料バンドル114を示す。炉心106には、たとえば、約200個から約1200個までのいずれかのこれらの燃料バンドル114を含めることができる。図2に示されているように、燃料バンドル114には、上側タイプレート120と下側タイプレート122との間に全体的に互いに平行に延びる、図3に示された燃料棒の全体的に直線のマトリックス内の複数の燃料棒118を囲む外側チャネル116を含めることができ、図3は、図2の燃料バンドル114の断面または格子の概略図である。燃料棒118を、外側チャネル116内で燃料棒118の長さに沿って互いから垂直に離隔された複数のスペーサ124によって互いから横に離隔して維持することができる。図3を参照すると、外側チャネル116によって囲まれた燃料棒118のアレイ(すなわち、この例では、10×10アレイ)が図示されている。燃料棒118は、直交に関連する行に編成され、1つまたは複数の「ウォーターロッド」すなわち図示の2つのウォーターロッド126を囲む。燃料バンドル114を、たとえば、制御ブレード128(「制御棒」とも称する)の1象限内に配置することができる。他の燃料バンドル114を、制御ブレード128の他の象限のそれぞれの中に配置できることを了解されたい。燃料バンドル114の間での上および/または下への制御ブレード128の移動が、その制御ブレード128に関連する燃料バンドル114内で発生する反応度の量を制御する。
【0014】
原子炉心は、炉心の効率的運転に関する戦略に影響する可能性がある異なる特性を有する多数の個々の構成要素を含む。たとえば、原子炉心は、異なる特性を有し、燃料バンドルの間の相互作用が政府および顧客指定の制約を含むすべての規制制約および原子炉設計制約を満足するようにするために原子炉心内に配置され(または「装荷され」)なければならない多数(すなわち数百個)の個々の燃料アセンブリ(バンドル)を有する。同様に、原子炉心の反応度および全体的効率に影響する他の制御可能な要素および要因も、特定の原子炉プラントの原子炉心の性能を最適化する有効な戦略を設計しまたは開発しなければならない場合に、考慮に入れなければならない。そのような「運転制御」(本明細書では、交換可能に「独立制御変数」および「設計入力」とも称する)には、たとえば、個別に調整しまたはセットすることができるさまざまな物理構成要素の構成および制御可能な運転条件が含まれる。
【0015】
燃料バンドル「装荷」のほかに、他の独立制御変数には、たとえば、「炉心流量」すなわち炉心を通る水流の速度、「照射線量」、ならびに、「反応度」すなわちバンドル濃縮度の差と「棒パターン」すなわち炉心内の制御ブレードの分布および軸方向位置とに起因する炉心内の燃料バンドルの間の相互作用が含まれる。したがって、これらの運転制御のそれぞれが、原子炉心の全体的性能に対して測定可能な影響を有する独立制御変数または設計入力を構成する。これらの独立制御変数がとり得る膨大な個数の可能な異なる運転値および値の組合せに起因して、既知のコンピュータ支援方法論を使用する場合であっても、炉心反応度および性能に対する個別の影響のすべての分析および最適化を試みることは、手強い課題であり、非常に時間のかかる作業である。
【0016】
たとえば、原子炉心内で可能な異なる燃料バンドル構成の個数は、100の階乗を超える場合がある。多数の異なる装荷パターン可能性の中で、これらの構成のうちの小さいパーセンテージだけが、特定の原子炉プラントに関する必須設計制約のすべてを満足する場合がある。さらに、適用可能な設計制約のすべてを満足する構成のうちの小さいパーセンテージだけが、経済的に実現可能である場合がある。
【0017】
さらに、さまざまな設計制約を満足するほかに、燃料バンドル装荷配置は、最終的に炉心サイクルエネルギ(すなわち、炉心が新しい燃料バンドルによって燃料補給される必要が生じる前に原子炉心が生成するエネルギの量)に影響するので、炉心サイクルエネルギを最適化できる特定の装荷配置を選択しなければならない。
【0018】
必要なエネルギ出力を供給し、維持するために、原子炉心は、新しい燃料バンドルによって周期的に燃料補給される。ある燃料補給と次の燃料補給との間の持続時間は、一般に、特定の原子炉プラントに応じて運転の「燃料サイクル」または「炉心サイクル」と呼ばれ、12箇月から24箇月(通常は18箇月)程度である。燃料補給の時に、通常は反応性の最も低い燃料バンドルの1/3が原子炉から取り除かれ、残りの燃料バンドルは、新しい燃料バンドルが追加される前に位置を変えられる。一般に、炉心サイクルエネルギを改善するために、より高い反応度のバンドルを、内側炉心位置に位置決めしなければならない。しかし、そのような配置を、プラント固有設計制約を満足しながら達成することは、必ず可能とは限らない。各燃料バンドルを、他のバンドルに対して相対的にさまざまな異なる位置に装荷することができるので、各燃料サイクルの炉心の最適性能をもたらす炉心装荷配置の識別は、解くのに非常に時間がかかる可能性がある、複雑で計算集中型の最適化問題を与える。
【0019】
燃料サイクルの過程中に、過剰反応度または「ホットエクセス(hot excess)」と定義される、炉心の過剰なエネルギ能力は、複数の形で制御される。1つの技法では、新しい燃料に組み込まれた可燃反応度抑制剤(すなわち、ガドリニア)が使用される。最初の可燃抑制剤の量は、通常は公益企業および原子力規制委員会(「NRC」)によって設定される設計制約および性能特性によって決定される。可燃抑制剤は、過剰反応度のすべてではないがほとんどを制御する。その結果、制御ブレード(核放出を吸収することによって反応度を抑制する)も、過剰反応度を制御するのに使用される。通常、原子炉心は、選択された燃料バンドルの間にはめられ、炉心内で軸方向に位置決め可能な、多数のそのような制御ブレードを含む。これらの制御ブレードは、安全な停止を保証し、最大炉心出力ピーキング係数を制御する主機構をもたらす。
【0020】
利用される制御ブレードの総数は、炉心の寸法および幾何形状に伴って変化し、たとえば、約50個と約175個との間とすることができる。制御ブレードの軸方向位置(すなわち、完全に挿入、完全に引き抜き、またはその間のどこか)は、過剰反応度を制御し、最大炉心出力ピーキング係数などの他の運転制約を満足する必要に基づく。制御ブレードごとに、たとえば24個、48個、またはより多数の可能な軸方向位置または「ノッチ」と40個の「照射線量」(すなわち、使用の持続期間)段階を設けることができる。任意の所与の時の適用に使用可能な制御ブレードの個数を減らす、対称性および他の要件を考慮すると、最も単純な場合であっても、制御ブレード位置の可能な組合せは、数百万通りある。これらの可能な構成のうちで、小さい分数だけが、すべての適用可能な設計制約および安全性制約を満足することができ、そのうちの小さい分数だけが、経済的に実現可能である可能性がある。さらに、制御ブレードの軸方向位置決めは、任意の所与の燃料装荷パターンが達成できる炉心サイクルエネルギにも影響する。核燃料サイクルコストを最小にするために、炉心サイクルエネルギを最大にすることが望ましいので、最適制御ブレード位置決め戦略の開発は、燃料サイクル設計および管理戦略の最適化を試みる時にやはり考慮に入れなければならないもう1つの侮りがたい独立制御変数最適化問題を与える。
【0021】
制御ブレードは、通常、グループ化され、「A1」、「A2」、「B1」、および「B2」などの指定を割り当てられる。指定されたグループ内の制御ブレードだけを、指定された時間期間にわたって原子炉の制御に使用することができる。たとえば、炉心をそれぞれ2箇月の8つの照射線量期間(すなわち時間期間)に分割すると、通常の運転戦略を、「B1」、「A1」、「B2」、「A2」、「B1」、「A1」、「B2」、「A2」というグループ内のブレードの順序付けられた使用とすることができる。「B1」→「A1」など、任意の2つのグループの間の時間境界は、シーケンスエクスチェンジ(sequence exchange)と呼ばれ、この「B1」→「A1」は、最初の2箇月期間の完了時に発生する。1つのグループ内では、個々の制御ブレードは、ノッチ位置に置かれ、これらのノッチ位置は、挿入のある分数に対応する。たとえば、ノッチ48は、完全な引抜きに対応し、ノッチ0は、完全な挿入に対応する。対称ブレードを、組に編成することができ、したがって、対称ブレードは、一斉に移動する。通常、対称は、八分円対称、四分炉心(鏡像または回転)対称、および半炉心回転対称である。
【0022】
制御ブレードは、燃料が消耗する時の原子炉心内の局所出力を制御するためならびに炉心の反応度を制御するために移動される。制御ブレードと共に、炉心流量も、制御機構として使用することができる。炉心流量が多いほど、炉心反応度が高くなり、逆も同様である。同様に、制御ブレードが深く挿入されるほど、炉心反応度が低くなり、逆も同様である。炉心反応度および局所出力に対する所与のブレードの影響は、複数の要因に依存し、この要因には次が含まれる(1)ブレードの位置(低出力領域の炉心周辺部に近いブレードは、中心付近などのより高出力の領域にあるブレードより少ない影響を有する)、(2)ブレードを囲む燃料バンドルの特性(すなわち、新しい燃料か非常に被爆された燃料か)、(3)対称パートナの個数(8つの制御ブレードを組に編成することは、4つの制御ブレードを組に編成することより大きい影響を有する)、(4)炉心照射線量、および(5)現在の炉心状態出力分布(軸方向に一番下のピーク出力形状のためにブレードを挿入することは、一番上のピーク出力形状のための挿入より大きい影響を有する)。
【0023】
炉心設計と、運転戦略の開発は、通常、エネルギ出力を最大にする最良の可能な解がさまざまな周知のアルゴリズムに従って展開される制約最適化問題を伴う。たとえば、原子炉心および運転戦略を、新しい炉心に交換される前に、燃料サイクルにわたってウラニウムのメートルトンあたりのギガワット日(「GWd/mt」)単位で測定される、ある量のエネルギを生成するように設計することができる。
【0024】
上で述べたように、そのような制約問題に対する解の展開は、通常、連続的に改善された解を複数のアルゴリズム反復の過程にわたって得る数学的探索アルゴリズムを含む。各反復は、提案される解と考えることができるが、提案される解の性能指数を作る目的関数の改善をもたらすと期待される。目的関数値の比較は、別の解に対するある解の相対的な強さに関する尺度を提供する。収束の経路を判断する際に目的関数の結果に頼る、炉心および運転戦略の設計に関する多数の探索アルゴリズムが存在する。
【0025】
サイクルの始め(「BOC」)に、炉心設計が、運転状態にされる。やはり通常そうであるように、実際の原子炉性能は、しばしば、炉心設計を生成する際にモデル化された性能から逸脱する。運転モデルからの調整が、サイクルの終り(「EOC」)の前に、原子炉の性能を維持するために非常にしばしば行われる。したがって、設計解決策における堅牢性の望みが、プラントが運転を開始した後に、所与の設計の基礎を形成する仮定が変化し得るという事実から生じる。仮定は、複数のカテゴリに分類される。第1に、プラントの仮定される運転条件があり、これには、たとえば、出力レベル、流量、および入口温度が含まれる。第2に、ヒストリカルデータに基づく、シミュレーションモデルの仮定されたバイアスがある。既知のように、炉心および/または運転戦略の設計解決策の開発には、提案される解決策を使用して原子炉のシミュレーションを実行することと、提案された解決策の性能指数を提供する目的関数への入力としてこのシミュレーションからの出力を使用することとが含まれる。原子炉性能をシミュレートする多数のシミュレーションプログラムが、当技術分野で既知である。シミュレーションモデルバイアスの例が、炉心固有値であり、これは、サイクル照射線量の関数としての熱い状態および冷えた状態での炉心反応度または中性子の収支の尺度である(臨界炉心について、固有値は1.00でなければならないが、通常は0.99と1.01の間の範囲にまたがる)。
【0026】
仮定のもう1つのカテゴリは、熱パラメータおよび反応度パラメータのそれぞれに関するシミュレーションモデルで仮定されるマージンである。設計マージンは、シミュレーションモデルの不確実性を説明し、プラントが運転を開始した後に熱限界および反応度限界に違反しないことを保証する(いわゆる運転マージン)ために導入される。反応度限界の例には、冷却停止マージン(CSDM)およびホットエクセス反応度(HOTX)が含まれる。熱限界の例には、MFLPD(Maximum Fraction of Limiting Power Density)、MAPRAT(maximum power ratio)、およびMFLCPR(Maximum Fraction of Limiting Critical Power Ratio)が含まれる。
【0027】
CSDMは、反応性が最も高い制御ブレードを除くすべての制御ブレードが挿入された冷えた状態の原子炉に関する限界までの反応度マージンと定義される。CSDMは、燃料サイクル中の照射線量状態点ごとに判定することができる。HOTXは、すべての制御ブレードが除去された熱い状態の原子炉の炉心反応度と定義される。CSDMに似て、HOTXを、燃料サイクル中の照射線量状態点ごとに判定することができる。
【0028】
MFLPDは、制限する値と比較した、所与の高度の所与のバンドル内の局所的な棒の出力の比または線形発熱速度(「LHGR」、たとえば、単位長さあたりのキロワット単位で測定される)の最大値と定義される。MAPLHGRは、炉心内の所与の高度の所与のバンドル内の平面にわたる最大平均線形発熱速度である。MAPRATは、単に、制限する値に対するMAPLHGRの比である。
【0029】
LHGR限界は、燃料クラッディング塑性ひずみ、燃料ペレット中心線溶融、およびリフトオフ(lift−off)(主に核分裂ガスの蓄積に起因するペレットの膨張を超えるクラッディングのふくらみ)という現象に対して燃料を保護する。リフトオフは、ペレットから冷却液へのクラッドを横切る熱伝達を劣化させる。MAPRAT限界は、仮定された冷却液消失事故(「LOCA」)中に燃料を保護し、MFLPD限界は、通常運転中に燃料を保護する。
【0030】
MFLCPRは、「膜ドライアウト(film dryout)」の現象に対して燃料を保護する。BWR熱伝達では、燃料棒の表面上の水の薄膜が、水が蒸気に変換される時の、燃料棒で生成された熱の適度な除去を保証する。この機構は、核沸騰とも称するが、燃料棒の出力が、遷移沸騰と称する(核沸騰限界または「DNB」とも称する)点まで高められる時に継続する。遷移沸騰中には、熱伝達がすばやく劣化し、薄膜の除去に、最終的には膜ドライアウトにつながり、この時に、クラッディング表面温度がすばやく上昇し、おそらくはクラッディング故障につながる。バンドルの限界出力は、所与の燃料バンドルが膜ドライアウトを達成する出力であり、実験から判定される。限界出力比(「CPR」)は、実際のバンドル出力に対する限界出力の比である。MFLCPRは、単に、制限する値に対する各バンドルのCPRの分数のすべてのバンドルにわたる最大値である。
【0031】
運転マージンは、炉心監視システムに通信することができ、プラント測定システムまたはプラント計装システムから導出される。BWRでは、計装システムに、固定式検出器および可動式検出器を含めることができる。可動式検出器またはTIPS(可動式炉内中性子検出器)が、毎月、固定式検出器を較正するために挿入される。これは、固定式検出器が、中性子環境に起因して「焼損し」、したがって、その信号を調整されなければならないという事実に起因する。しかし、了解されるように、シミュレータでは、測定がシミュレートされる。運転マージンの消失は、出力を再配分するために、制御ブレードパターンおよび/または炉心流量の調整を必要とする場合がある。制御ブレードパターンとは、制御ブレードのそれぞれが炉心に挿入される量およびこれらの位置が経時的変更をどのように計画されるかである。炉心流量とは、炉心を通る水の流量である。
【0032】
設計仮定すなわち運転条件、モデルバイアス、またはマージンのいずれかの変更は、プラントが運転を開始したならば、原子炉制御パラメータの変更を必要とする場合がある。独立制御変数のうちの1つ(すなわち、1つまたは複数の制御ブレードの軸方向位置)の必要な変更に起因する炉心出力応答(すなわち、局所的な出力)の急激な変化を避けることが、プラント安全性ならびに運転のたやすさという展望から重要である。
【0033】
炉心設計は、現在、仮定の固定された組を使用して実行される。この設計の方法は、所与の解の堅牢性に関する情報を提供しない。ある設計が、仮定の入力の組に関するすべての設計マージンを満足するが、プラント運転中に減らされたマージンを有する(あるいは、より悪いことに、熱限界および/または反応度限界の違反に達する)ことがわかる場合がある。そのような場合に、原子炉オペレータは、運転戦略(制御ブレードパターンおよび/または炉心流量)を変更して、失われたマージンの少なくとも一部を回復するはずである。通常、運転戦略に対するそのような変更は、まず、プラント測定値および運転条件に基づくプラント状態の「スナップショット」から始めて、炉心監視システムのオンライン予測機能を使用してシミュレートされるはずである。これらのさまざまなシナリオのシミュレーション中に、現在の解の堅牢性の度合が明らかになる。堅牢な解は、運転戦略の変更に対する低い感度を有しなければならない。もろい解は、堅牢な解を達成するために、追加の運転操作(制御ブレードの代替のグループの使用など)を必要とする場合がある。この操作は、新しい炉心状態への「遷移」操作中の炉心出力の低下(および失われた発電)を必要とする場合がある。
【0034】
代替の方法は、設計パラメータのうちの1つの単一の変更を有する基礎設計のシミュレーションを実行し、熱限界および反応度限界を満足する成功パス(運転戦略の変更を含む)が存在することを検証することである。たとえば、目標ホット固有値(target hot eigenvalue)を燃料サイクルにわたって1.000から1.003に変更し、熱限界および反応度限界を満足するためにシミュレーション内で制御ブレードおよび炉心流量を手動で摂動させることができる。そのような成功パスが存在しない場合には、設計全体を変更する必要があるはずである。そのような変更の例は、制御ブレードの異なる組(すなわち、A1シーケンス対A2シーケンス)を利用して燃料シャフル(fuel shuffle)を実行すること、または新しい燃料バンドルの設計を変更することであろう。このプロセスは、極端に時間がかかり、設計パラメータ内の単独の変更を検査することしかできない。
【特許文献1】米国特許第6748348号
【特許文献2】米国特許出願第10/677239号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0035】
例の実施形態は、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を提供することができる。また、例の実施形態は、原子炉の炉心設計、運転戦略、または炉心設計および運転戦略を含む制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を提供することができる。
【0036】
例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること、(e)解を記憶すること、(f)複数の解が記憶されるまで(c)から(e)までを繰り返すこと、および/または(g)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定することを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力は、1つまたは複数のランダムに摂動された入力、および/または1つまたは複数の摂動されていない入力を含むことができる。
【0037】
もう1つの例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること、(e)解が制約問題を満足するかどうかを判定すること、(f)解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること、(g)制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで(c)から(f)までを繰り返すこと、および/または(h)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定することを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力は、1つまたは複数のランダムに摂動された入力、および/または1つまたは複数の摂動されていない入力を含むことができる。
【0038】
もう1つの例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること、(e)解が制約問題を満足するかどうかを判定すること、(f)解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、(d)および(e)を繰り返すこと、(g)解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること、(h)制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで(c)から(g)までを繰り返すこと、および/または(i)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定することを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力は、1つまたは複数のランダムに摂動された入力、および/または1つまたは複数の摂動されていない入力を含むことができる。
【0039】
もう1つの例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること、(e)解が制約問題を満足するかどうかを判定すること、(f)解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、(d)および(e)を繰り返すこと、(g)解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること、(h)解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること、(i)制約問題を満足し、最適化する複数の解が記憶されるまで(c)から(h)までを繰り返すこと、および/または(j)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定することを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力は、1つまたは複数のランダムに摂動された入力、および/または1つまたは複数の摂動されていない入力を含むことができる。
【0040】
もう1つの例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、(a)制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること、(b)1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること、(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること、(d)1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること、(e)解が制約問題を満足するかどうかを判定すること、(f)解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、(d)および(e)を繰り返すこと、(g)解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること、(h)解が制約問題を最適化しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、(d)から(g)までを繰り返すこと(i)解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること、(j)制約問題を満足し、最適化する複数の解が記憶されるまで(c)から(i)までを繰り返すこと、および/または(k)記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定することを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力は、1つまたは複数のランダムに摂動された入力、および/または1つまたは複数の摂動されていない入力を含むことができる。
【0041】
堅牢性は、ランダム摂動に対する低い感度を有することと定義することができる。その結果、より堅牢な解決策は、より堅牢でない解決策より低い、ランダム摂動に対する感度を有しなければならない。言い換えると、堅牢性は、制約問題に対する解の柔軟性の尺度と考えることができる。
【0042】
例の実施形態の方法におけるランダム摂動は、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を考慮に入れるので、追加の安全マージン(関連技術の設計マージンなど)は不要である。
【0043】
例の実施形態では、入力に、独立制御変数、従属変数、熱限界、および/または反応度限界を含めることができる。
【0044】
例の実施形態は、競合する原子炉設計を比較するのに使用することができる。また、原子炉設計を与えられて、例の実施形態を、BOCで最も堅牢な運転戦略を判定するのに使用することができる。同様に、原子炉設計を与えられて、例の実施形態を、燃料サイクル中の任意の点から始まる最も堅牢な運転戦略を判定するのに使用することができる。さらに、例の実施形態を使用して、「漏れる」制御ブレードの場合に最も堅牢な運転戦略を判定することができ、この「漏れる」制御ブレードに関する回復アクションには、めいめいの制御ブレードを完全に挿入し、原子炉を停止することと、漏れをふさぐことと、めいめいの制御ブレードが完全に挿入された状態で原子炉を始動することと、その後、臨界原子炉運転を継続することとを含めることができる。
【0045】
それに加えてまたはその代わりに、例の実施形態を使用して、炉心の最上部付近でのPu239蓄積に起因する燃料サイクルにわたる最大エネルギ利得の判定(Pu239は、U238から転換され、出力生成の一部をPu239にシフトするプロセスを、「スペクトルシフト」と称する)、燃料サイクルにわたる所与のエネルギ利得の最高信頼水準の判定、および/または燃料サイクルにわたる所与の信頼水準での最大エネルギ利得の判定を行うことができる。例の実施形態は、スペクトルシフトに頼ることを介する燃料濃縮度の低下および/または装荷の減少に使用することもできる。当業者は、多数の他の潜在的な使用を認めるであろう。
【0046】
上記および/または他の態様および利点は、添付図面と共に解釈される例の実施形態の次の詳細な説明から、より明白になり、よりたやすく了解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
例の実施形態を、これから、添付図面を参照してより完全に説明する。しかし、実施形態は、多数の異なる形で実施することができ、本明細書に示された例の実施形態に限定されるものと解釈してはならない。そうではなく、これらの例の実施形態は、この開示が完全になり、当業者に範囲を十分に伝えるものになるようにするために提供されるものである。
【0048】
本明細書で使用される用語「および/または」は、関連する掲げられた項目のうちの1つまたは複数のいずれかおよびすべての組合せを含む。
【0049】
用語第1、第2、第3などが、本明細書でさまざまな要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを記述するのに使用される場合があるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションが、これらの用語によって限定されてはならないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションから区別するためにのみ使用される。したがって、下で述べられる第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションを、例の実施形態の教示から逸脱せずに、第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0050】
本明細書で使用される用語法は、特定の例の実施形態を説明するためのみのものであって、限定的であることは意図されていない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないと明らかに示さない限り、複数形をも含むことが意図されている。用語「含む」(comprises、comprising、includes、および/またはincluding)は、本明細書で使用される時に、述べられた特徴、整数、段階、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、段階、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を除外しないことを、さらに理解されたい。
【0051】
他の形で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例の実施形態が属する技術の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に使用される辞書で定義される用語などの用語が、関連技術の文脈での意味と一貫する意味を有するものとして解釈されなければならず、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味で解釈されてはならないことを、さらに理解されたい。
【0052】
これから、添付図面に示された例の実施形態を参照するが、添付図面では、類似する符号が、複数の図面を通じて類似する構成要素を指す。
【0053】
例の実施形態を、BWRに適用されるものとして説明する場合があるが、本発明を、たとえば加圧水型原子炉および/または他の制約問題に、同等に適用可能とすることができることが、当業者によって理解されるであろう。
【0054】
図4は、原子炉心のサイクル照射線量に対する独立制御変数の通常のグラフである。図4では、独立制御変数が、目標ホット臨界固有値(target hot critical eigenvalue)および目標コールド臨界固有値(target cold critical eigenvalue)である。目標ホット臨界固有値および目標コールド臨界固有値は、原子炉心シミュレーションモデルによって計算される臨界炉心状態を表す。図からわかるように、目標ホット臨界固有値は、ウラニウムの標準トンあたり約13000メガワット日(「MWd/st」)の燃料サイクル照射線量にわたって約1.008から約1.003まで変化する。やはり図からわかるように、目標コールド臨界固有値は、約13000MWd/stの燃料サイクル照射線量にわたって約1.003から約1.000まで変化する。一般に、目標ホット臨界固有値および目標コールド臨界固有値は、少なくとも部分的に、使用される特定の炉心シミュレーションコードの関数とすることができる。炉心シミュレーションコード(PANACEA、MICROBURN、およびSIMULATEなど)は、当業者に既知である。
【0055】
原子炉運転中の独立制御変数(ホット臨界固有値およびコールド臨界固有値など)の測定値が、その予測値と一致しない場合がある。測定値と予測値との間のこれらの差は、バイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を示す場合がある。炉心性能を予測する関連技術の方法は、1つまたは複数の独立変数の値を判定するのに、たとえば保守的な(ワーストケース)手法または「最適合致」(平均値)手法を選択する場合がある。対照的に、例の実施形態は、1つまたは複数の独立変数のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて、その1つまたは複数の独立制御変数をランダムに摂動させることを選択することができる。従属変数への影響を判定するための1つまたは複数の独立制御変数のこのランダム摂動は、独立制御変数を従属変数に写像する応答表面の形成になぞらえることができる。
【0056】
図5は、原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の設計限界の通常のグラフである。図5では、従属変数が、最小限界出力比(「MCPR」)運転限界に分けられたMCPRによって定義される比である。図からわかるように、設計限界は、約12500MWd/stの燃料サイクル照射線量にわたって約0.93:1.00の比で固定されている。
【0057】
原子炉運転中の従属変数(MCPR運転限界に分けられたMCPRによって定義される比など)の測定値が、予測値と一致しない場合がある。測定値と予測値との間のこれらの差は、バイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を示す場合がある。炉心性能を予測する関連技術の方法は、たとえば、従属変数のバイアスおよび不確実性を考慮するために、固定された安全マージンによって従属変数の運転限界の保守的な側に従属変数の設計限界をセットすることによる、保守的な手法を選択することができる。対照的に、例の実施形態は、1つまたは複数の独立制御変数のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の独立制御変数をランダムに摂動させることを選択することができる。それに加えてまたはその代わりに、例の実施形態は、1つまたは複数の従属変数のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の設計限界をランダムに摂動させることを選択することができる。
【0058】
図6は、原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の運転限界、設計限界、および予測された性能の通常のグラフである。図6では、従属変数は、MCPR運転限界に対するMCPRの比である。図からわかるように、予測された性能は、一般に、設計限界に従う(運転限界に対するMCPR比の値のステップ変化は、たとえば、制御ブレードシーケンスエクスチェンジおよび/または公称出力から外れた状態(off−nominal−power condition)を反映する可能性がある)。約12000MWd/stの燃料サイクル照射線量にわたって、運転限界は、1.00:1.00の比で固定され、設計限界は、約0.93:1.00の比で固定され、予測された性能は、約0.83の値と約0.92の値との間で変化する(上で述べた2つのデータ点を除く)。予測された性能は、等間隔でまたは不等間隔で判定することができる。この間隔は、通常はサイクル照射線量に関する(すなわち、MWd/st)が、任意の所望の長さとすることができる。たとえば、この間隔を、25MWd/st、50MWd/st、75MWd/st、100MWd/st、125MWd/st、150MWd/st、200MWd/st、250MWd/st、または500MWd/stとすることができる。
【0059】
原子炉を設計する時には、従属変数の予測された性能を、そのめいめいの設計限界と比較することができ、必要な場合には、炉心設計(すなわち、燃料濃縮度、燃料バンドル分布、バーナルブルポイズンローディング(burnable poison loading)など)および運転戦略(すなわち、制御ブレードパターンおよび/または炉心流量)に対する変更を行って、設計限界が満足されることを保証することができる。
【0060】
図7は、原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の予測された性能および測定された性能の通常のグラフである。図7では、従属変数は、MCPR運転限界に対するMCPRの比である。図からわかるように、測定された性能は、一般に、予測された性能に従う(運転限界に対するMCPR比の値のステップ変化は、たとえば、制御ブレードシーケンスエクスチェンジおよび/または公称出力から外れた状態を反映する可能性がある)。予測された性能は、約6700MWd/stの燃料サイクル照射線量にわたって約0.76の値と約0.93の値との間で変化し、測定された性能も、約6700MWd/stの燃料サイクル照射線量にわたって、約0.76の値と約0.93の値との間で変化する(上で述べた2つのデータ点を除く)。予測された性能および測定された性能は、等間隔または不等間隔で判定することができる。この間隔は、通常はサイクル照射線量に関する(すなわち、MWd/st)が、任意の所望の長さとすることができる。たとえば、この間隔を、25MWd/st、50MWd/st、75MWd/st、100MWd/st、125MWd/st、150MWd/st、200MWd/st、250MWd/st、または500MWd/stとすることができる。
【0061】
たとえば図7に示された、予測された性能と測定された性能との間の差は、関連技術の原子炉設計プロセスでは設計マージンの使用によって考慮されるバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を生み出す。
【0062】
図8は、原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の予測された性能と測定された性能との間の差のヒストグラムの例である。図8では、従属変数は、MFLCPR熱マージンである。図からわかるように、予測された性能と測定された性能との間の差は、−0.04の値と+0.08の値との間で変化する。図8のヒストグラムは、ヒストリカルに判定されたデータを表す。
【0063】
計算、表作成、グラフ作成などのために、異なる値の「ビン」の幅を、望み通りにより大きくまたはより小さくすることができる。図8では、たとえば、「予測値−測定値」のビン幅が、0.02である(すなわち、−0.05から−0.03まで、−0.03から−0.01まで、−0.01から+0.01までなど)。したがって、0.00ビン内の値は、ゼロの差を正確に反映する場合と、そうでない場合がある。その代わりに、これらの値が、たとえば、−0.01を超え0.01以下である場合がある。
【0064】
図8からわかるように、小さい正のバイアスおよび多少の不確実性が、このヒストグラムデータに存在する。統計的立場から、図8のバイアスの平均値は、約0.01であり、図8のバイアスの標準偏差は、約0.02である。
【0065】
図9は、小さい正のバイアスおよび不確実性を示し、約0.01の平均値および約0.02の標準偏差を有する、図8のヒストグラムの統計的近似を表すヒストグラムである。図9のヒストグラムは、図8のヒストリカルに判定されたデータの統計的近似を表す。
【0066】
たとえば乱数ジェネレータを用いて、図8のヒストグラムおよび/または図9のヒストグラムからのデータを使用して、ランダム摂動を計算し、かつ/または適用することができる。統計的近似としてのその性質のゆえに、図9のヒストグラムからのデータは、そのような計算および/または適用を容易にする可能性がある。
【0067】
図10は、多数の試行にまたがって図9の統計的近似を適用することからの燃料サイクルに関する期待されるエネルギ利得のヒストグラムである。上で述べたように、このエネルギ利得は、炉心の最上部付近でのPu239蓄積に起因する。Pu239は、U238から転換される。出力生成の一部をPu239にシフトするプロセスを、「スペクトルシフト」と称する。
【0068】
各試行が、異なる炉心サイクルエネルギを生じる場合がある。というのは、たとえば1つまたは複数の設計限界が満足されること、残留マージンがほとんどない状態で1つまたは複数の設計限界が満足されること、ならびに/あるいは残留マージンなしで1つまたは複数の設計限界が満足されることを保証するために、運転戦略が変更される場合があるからである。たとえば、最大のエネルギを達成することに焦点を合わせながらマージンを除去することは、大多数の場合にエネルギ利得をもたらすことができる。これは、燃料サイクル中のすべての予測される不確実性およびバイアスをカバーするために通常は有界設計マージンが使用される関連技術と対照的である。
【0069】
1つまたは複数の設計限界が残留マージンなしで満足される試行の組について、最も堅牢な設計は、たとえば、最高の信頼水準で最大のエネルギ利得を達成することができる。
【0070】
例の実施形態は、ある燃料サイクルにわたる最大のエネルギ利得を判定するのに使用することができる。図10では、最大エネルギ利得が、600MWd/stになるはずである。それに加えてまたはその代わりに、例の実施形態を、その燃料サイクルにわたる所与のエネルギ利得の最高の信頼水準を判定するのに使用することができる。図10では、その燃料サイクルにわたる75MWd/stエネルギ利得の最高信頼水準が、約95%(94/99)になるはずである。それに加えてまたはその代わりに、例の実施形態を、その燃料サイクルにわたる所与の信頼水準での最大のエネルギ利得を判定するのに使用することができる。図10では、その燃料サイクルにわたる38%信頼水準(38/99)での最大エネルギ利得が、約400MWd/stになるはずである。
【0071】
それに加えてまたはその代わりに、例の実施形態を、スペクトルシフトに頼ることを介して燃料装荷を減らすのに使用することもできる。図10では、たとえば、燃料バンドルの燃料濃縮度を、約95%の信頼水準で約75MWd/stと同等の値だけ減らすことができる。それに加えてまたはその代わりに、たとえば、より少数の新しい燃料バンドルを、燃料サイクルについて装荷することができる。約5%の通常のU235濃縮度を有する燃料バンドルの費用が300000ドルであるものとして、そのような燃料濃縮度の低下および/または装荷の減少は、潜在的に燃料サイクルあたり数百万ドルを節約することができる。
【0072】
図11は、例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。図11の例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法は、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101と、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102と、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103と、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104と、解を記憶すること1105と、複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106と、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107とを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力には、1つまたは複数のランダムに摂動された入力および/あるいは1つまたは複数の摂動されていない入力を含めることができる。
【0073】
原子炉について、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101には、たとえば、独立制御変数、従属変数、熱限界、および/または反応度限界を判定することを含めることができる。これには、たとえば、「中心点」データケースとして伝統的な反応度および熱設計のマージンを有する関連技術の原子炉設計を選択することも含めることができる。
【0074】
原子炉について、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102には、独立制御変数、従属変数、熱限界、および/または反応度限界のうちの1つまたは複数のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定することを含めることができる。
【0075】
1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103には、独立制御変数のうちの少なくとも1つを、めいめいの独立制御変数のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいてランダムに摂動させることを含めることができる。ランダムな摂動は、たとえば、ヒストリカルなバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性、あるいは統計的なバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を使用して計算し、かつ/または適用することができる。上で述べたように、統計的なバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性の使用は、そのような計算および/または適用を容易にすることができる。
【0076】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104には、原子炉心運転のシミュレーション用のソフトウェアを実行することを含めることができる。ほとんどの任意の従来の原子炉心シミュレーションプログラム(またはプログラムのスイート)、たとえば、General Electric社の(「GE社の」)「PANACEA」3D原子炉心シミュレーションプログラムを、例の実施形態と共に使用することができる。このタイプのシミュレータプログラムは、独立制御変数、従属変数、熱限界、および/または反応度限界の3次元処理が可能である。独立制御変数、熱限界、および/または反応度限界の値を含む入力ファイルを、入力として供給することができ、シミュレータプログラムは、選択された独立制御変数、従属変数、熱限界、および/または反応度限界の値を含む出力ファイルを供給することができる。この出力ファイルには、たとえば、HOTX、MFLPD、MAPRAT、MFLCPR、LHGR、MAPLHGR、CPR、最小CPR(「MCPR」)、MFLCPRなど、燃料サイクルにわたる原子炉心性能を評価するのに通常使用されるデータを含めることができる。
【0077】
たとえばMFLPD、MAPLHGR、およびMCPRなど、これらのタイプのデータの多くが、空間依存と時間依存との両方である。したがって、このデータの一部は、1つまたは複数の燃料サイクル全体を通じた複数の離散間隔(すなわち、各すべての「照射線量ステップ」)での原子炉心の状態を示すことができる。
【0078】
解を記憶すること1105には、出力ファイルをコンピュータのディジタルストレージメモリ内の1次元、2次元、または多次元の配列に記憶することを含めることができる。記憶された解は、所与の試行に関する運転戦略を表すことができる。
【0079】
複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106には、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103を行いながら複数の試行を行うことを含めることができる。
【0080】
記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107には、手動比較、自動化された比較、または手動比較および自動化された比較(すなわち、コンピュータディスプレイ上での解のビジュアル分析)を含めることができる。複数の解は、1つまたは複数の原子炉特性の統計的分布を提供することができる。たとえば、複数の解は、サイクルエネルギの統計的分布を提供することができ、これからエネルギ利得を判定することができる。この場合に、最も堅牢な設計は、たとえば、最高の信頼水準で最大のエネルギ利得を達成することができる。それに加えてまたはその代わりに、最も堅牢な設計は、たとえば、1つまたは複数の入力の予測値と測定値との間の偏差および/またはランダム摂動に対する最小の感度と共に最大のエネルギ利得を達成することができる。
【0081】
図11の流れ図には、解の一部またはすべてが制約問題を満足するかどうかの判定が含まれない。その結果、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107に、そのような判定を含めることができる。
【0082】
図11の制約問題に関して、所与の入力のバイアスに、その所与の入力の平均値を含めることができる。同様に、図11の制約問題に関して、所与の入力の不確実性に、その所与の入力の標準偏差を含めることができる。
【0083】
制約問題に、原子炉の炉心設計、原子炉の運転戦略、または原子炉の炉心設計および運転戦略を含めることができる。運転戦略には、たとえば、炉心流量戦略、制御ブレードプログラミング戦略、または炉心流量戦略および制御ブレードプログラミング戦略を含めることができる。制御ブレードプログラミング戦略には、たとえば、制御ブレード軸方向位置戦略、制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略、または制御ブレード軸方向位置戦略および制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略を含めることができる。
【0084】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104には、原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって運転戦略をシミュレートすることを含めることができる。言い換えると、記憶された複数の解に、所与のサイクル照射線量に関する複数の解を含めることができる。それに加えてまたはその代わりに、複数の解に、サイクル照射線量の複数の値に関する解を含めることができる。
【0085】
図12は、もう1つの例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。図12の例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1201と、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1202と、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1203と、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1204と、解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1205と、解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること1206と、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1203から1206までを繰り返すこと1207と、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1208とを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力には、1つまたは複数のランダムに摂動された入力および/あるいは1つまたは複数の摂動されていない入力を含めることができる。
【0086】
原子炉について、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1201には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1202には、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1203には、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1204には、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104に類似する考慮事項を含めることができる。
【0087】
解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1205には、解が、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界を超えるかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を満足しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1203に戻ることができる。解が制約問題を満足する場合には、この方法は、解を記憶することに進む。
【0088】
原子炉について、解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること1206には、その解が制約問題を満足することの追加の知識と共に、解を記憶すること1105に類似する考慮事項を含めることができ、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1203から1206までを繰り返すこと1207には、複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106に類似する考慮事項を含めることができ、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1208には、解が既に制約問題を満足することの追加の知識と共に、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107に類似する考慮事項を含めることができる。
【0089】
図12の制約問題に関して、所与の入力のバイアスに、その所与の入力の平均値を含めることができる。同様に、図12の制約問題に関して、所与の入力の不確実性に、その所与の入力の標準偏差を含めることができる。
【0090】
制約問題に、原子炉の炉心設計、原子炉の運転戦略、または原子炉の炉心設計および運転戦略を含めることができる。運転戦略には、たとえば、炉心流量戦略、制御ブレードプログラミング戦略、または炉心流量戦略および制御ブレードプログラミング戦略を含めることができる。制御ブレードプログラミング戦略には、たとえば、制御ブレード軸方向位置戦略、制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略、または制御ブレード軸方向位置戦略および制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略を含めることができる。
【0091】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1204には、原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって運転戦略をシミュレートすることを含めることができる。言い換えると、記憶された複数の解に、所与のサイクル照射線量に関する複数の解を含めることができる。それに加えてまたはその代わりに、複数の解に、サイクル照射線量の複数の値に関する解を含めることができる。
【0092】
図13は、もう1つの例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。図13の例の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1301と、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1302と、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1303と、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1304と、解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1305と、解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、1304および1305を繰り返すこと1306と、解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること1307と、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1303から1307までを繰り返すこと1308と、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1309とを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力には、1つまたは複数のランダムに摂動された入力および/あるいは1つまたは複数の摂動されていない入力を含めることができる。
【0093】
原子炉について、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1301には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1302には、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1303には、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1304には、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104に類似する考慮事項を含めることができる。
【0094】
解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1305には、解が、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界を超えるかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を満足しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、制約問題を満足するために1つまたは複数のパラメータを変更することができ、1304および1305を繰り返すことができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1304に戻ることができる。1つまたは複数のパラメータには、炉心流量と、1つの制御ブレードの1つの軸方向位置、1つの制御ブレードの複数の軸方向位置、複数の制御ブレードの1つの軸方向位置、もしくは複数の制御ブレードの複数の軸方向位置と、制御ブレードシーケンスエクスチェンジとのうちの少なくとも1つを含めることができる。1つまたは複数のパラメータは、たとえば、手動プロセスに基づいて(すなわち試行錯誤)、または最適化ソフトウェア(たとえば、米国特許第6748348号、名称「Design Method for Nuclear Reactor Fuel Management」および米国特許出願第10/677239号、名称「Method for Predicted Reactor Simulation」で述べられている)によって、変更することができる。解が制約問題を満足する場合には、この方法は、解を記憶することに進む。
【0095】
原子炉について、解が制約問題を満足する場合に解を記憶すること1307には、その解が制約問題を満足することの追加の知識と共に、解を記憶すること1105に類似する考慮事項を含めることができ、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1303から1307までを繰り返すこと1308には、複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106に類似する考慮事項を含めることができ、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1309には、解が既に制約問題を満足することの追加の知識と共に、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107に類似する考慮事項を含めることができる。
【0096】
図13の制約問題に関して、所与の入力のバイアスに、その所与の入力の平均値を含めることができる。同様に、図13の制約問題に関して、所与の入力の不確実性に、その所与の入力の標準偏差を含めることができる。
【0097】
制約問題に、原子炉の炉心設計、原子炉の運転戦略、または原子炉の炉心設計および運転戦略を含めることができる。運転戦略には、たとえば、炉心流量戦略、制御ブレードプログラミング戦略、または炉心流量戦略および制御ブレードプログラミング戦略を含めることができる。制御ブレードプログラミング戦略には、たとえば、制御ブレード軸方向位置戦略、制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略、または制御ブレード軸方向位置戦略および制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略を含めることができる。
【0098】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1304には、原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって運転戦略をシミュレートすることを含めることができる。言い換えると、記憶された複数の解に、所与のサイクル照射線量に関する複数の解を含めることができる。それに加えてまたはその代わりに、複数の解に、サイクル照射線量の複数の値に関する解を含めることができる。
【0099】
図14は、さらなる例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。図14の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1401、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1402、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1403、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1404、解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1405、解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、1404および1405を繰り返すこと1406、解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること1407、解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること1408、制約問題を満足し、最適化する複数の解が記憶されるまで1403から1408までを繰り返すこと1409、および/または記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1410を含むことができる。1つまたは複数の変更された入力には、1つまたは複数のランダムに摂動された入力および/あるいは1つまたは複数の摂動されていない入力を含めることができる。
【0100】
原子炉について、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1401には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1402には、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1403には、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1404には、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104に類似する考慮事項を含めることができる。
【0101】
解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1405には、解が、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界を超えるかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を満足しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、制約問題を満足するために1つまたは複数のパラメータを変更することができ、1404および1405を繰り返すことができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1404に戻ることができる。1つまたは複数のパラメータには、炉心流量と、1つの制御ブレードの1つの軸方向位置、1つの制御ブレードの複数の軸方向位置、複数の制御ブレードの1つの軸方向位置、もしくは複数の制御ブレードの複数の軸方向位置と、制御ブレードシーケンスエクスチェンジとのうちの少なくとも1つを含めることができる。解が制約問題を満足する場合には、この方法は、解が制約問題を最適化するかどうかを判定することに進む。
【0102】
解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること1407には、解と、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界との間に1つまたは複数のマージンが存在するかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を最適化しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1403に戻ることができる。解が制約問題を最適化する場合には、この方法は、解を記憶することに進む。
【0103】
原子炉について、解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること1408には、その解が制約問題を満足し、最適化することの追加の知識と共に、解を記憶すること1105に類似する考慮事項を含めることができ、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1403から1408までを繰り返すこと1409には、複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106に類似する考慮事項を含めることができ、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1410には、解が既に制約問題を満足し、最適化することの追加の知識と共に、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107に類似する考慮事項を含めることができる。
【0104】
図14の制約問題に関して、所与の入力のバイアスに、その所与の入力の平均値を含めることができる。同様に、図14の制約問題に関して、所与の入力の不確実性に、その所与の入力の標準偏差を含めることができる。
【0105】
制約問題に、原子炉の炉心設計、原子炉の運転戦略、または原子炉の炉心設計および運転戦略を含めることができる。運転戦略には、たとえば、炉心流量戦略、制御ブレードプログラミング戦略、または炉心流量戦略および制御ブレードプログラミング戦略を含めることができる。制御ブレードプログラミング戦略には、たとえば、制御ブレード軸方向位置戦略、制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略、または制御ブレード軸方向位置戦略および制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略を含めることができる。
【0106】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1404には、原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって運転戦略をシミュレートすることを含めることができる。言い換えると、記憶された複数の解に、所与のサイクル照射線量に関する複数の解を含めることができる。それに加えてまたはその代わりに、複数の解に、サイクル照射線量の複数の値に関する解を含めることができる。
【0107】
図15は、さらなる例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。図15の実施形態では、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1501と、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1502と、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1503と、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1504と、解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1505と、解が制約問題を満足しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、1504および1505を繰り返すこと1506と、解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること1507と、解が制約問題を最適化しない場合に、1つまたは複数のパラメータを変更し、1504から1507までを繰り返すこと1508と、解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること1509と、制約問題を満足し、最適化する複数の解が記憶されるまで1503から1509までを繰り返すこと1510と、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1511とを含むことができる。1つまたは複数の変更された入力には、1つまたは複数のランダムに摂動された入力および/あるいは1つまたは複数の摂動されていない入力を含めることができる。
【0108】
原子炉について、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1501には、制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定すること1101に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1502には、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定すること1102に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1503には、1つまたは複数の変更された入力を判定するために、1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させること1103に類似する考慮事項を含めることができ、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1504には、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1104に類似する考慮事項を含めることができる。
【0109】
解が制約問題を満足するかどうかを判定すること1505には、解が、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界を超えるかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を満足しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、制約問題を満足するために1つまたは複数のパラメータを変更することができ、1504および1505を繰り返すことができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1504に戻ることができる。1つまたは複数のパラメータには、炉心流量と、1つの制御ブレードの1つの軸方向位置、1つの制御ブレードの複数の軸方向位置、複数の制御ブレードの1つの軸方向位置、もしくは複数の制御ブレードの複数の軸方向位置と、制御ブレードシーケンスエクスチェンジとのうちの少なくとも1つを含めることができる。解が制約問題を満足する場合には、この方法は、解が制約問題を最適化するかどうかを判定することに進む。
【0110】
解が制約問題を満足する場合に、解が制約問題を最適化するかどうかを判定すること1507には、解と、原子炉の1つまたは複数の反応度限界、1つまたは複数の熱限界、あるいは1つまたは複数の反応度限界および1つまたは複数の熱限界との間に1つまたは複数のマージンが存在するかどうかを判定することを含めることができる。解が制約問題を最適化しない場合には、その解を、記憶されないものとすることができ、この1つまたは複数のパラメータを、制約問題を最適化するために変更することができ、1504から1507までを繰り返すことができ、この方法は、1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1504に戻ることができる。解が制約問題を最適化する場合には、この方法は、解を記憶することに進む。
【0111】
原子炉について、解が制約問題を満足し、最適化する場合に解を記憶すること1509には、その解が制約問題を満足し、最適化することの追加の知識と共に、解を記憶すること1105に類似する考慮事項を含めることができ、制約問題を満足する複数の解が記憶されるまで1503から1509までを繰り返すこと1510には、複数の解が記憶されるまで1103から1105までを繰り返すこと1106に類似する考慮事項を含めることができ、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1511には、解が既に制約問題を満足し、最適化することの追加の知識と共に、記憶された複数の解を互いに比較することによって記憶された複数の解の堅牢性を判定すること1107に類似する考慮事項を含めることができる。
【0112】
図15の制約問題に関して、所与の入力のバイアスに、その所与の入力の平均値を含めることができる。同様に、図15の制約問題に関して、所与の入力の不確実性に、その所与の入力の標準偏差を含めることができる。
【0113】
制約問題に、原子炉の炉心設計、原子炉の運転戦略、または原子炉の炉心設計および運転戦略を含めることができる。運転戦略には、たとえば、炉心流量戦略、制御ブレードプログラミング戦略、または炉心流量戦略および制御ブレードプログラミング戦略を含めることができる。制御ブレードプログラミング戦略には、たとえば、制御ブレード軸方向位置戦略、制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略、または制御ブレード軸方向位置戦略および制御ブレードシーケンスエクスチェンジ戦略を含めることができる。
【0114】
1つまたは複数の変更された入力に基づいて制約問題に対する解を生成すること1504には、原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって運転戦略をシミュレートすることを含めることができる。言い換えると、記憶された複数の解に、所与のサイクル照射線量に関する複数の解を含めることができる。それに加えてまたはその代わりに、複数の解に、サイクル照射線量の複数の値に関する解を含めることができる。
【0115】
了解されるとおり、制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法の例の実施形態は、解をすばやく生成することができ、この実施形態を、制約問題に対する解の堅牢性をすばやく評価する実現可能なオプションにする。
【0116】
了解されるように、炉心流量および制御ブレード軸方向位置は、2つの例の独立制御変数であり、原子炉の運転戦略の設計には、他の独立制御変数、他のタイプの出力ファイルデータ、および他の統計分析を含めることができる。さらに、例の実施形態の原子炉は、例の制約問題を提供するためにのみ使用された。本発明の概念が、任意の制約問題に適用可能であることを理解されたい。したがって、独立制御変数、出力ファイルデータ、および実行される統計分析は、本発明の方法が適用される制約問題の性質に依存する。たとえば、給水温度は、新型のEconomic Simplified BWR(「ESBWR」)設計の潜在的な独立制御変数である。既知の通り、給水の流れは、BWR内の原子炉を出る蒸気の流れを置換し(タービンを回すために)、炉心を介して再循環される「分離された水」と混合される。やはり既知の通り、セパレータは、基本的に、湿り蒸気を回し、液体を外向きに送り、乾き蒸気を前に送る静翼を内側に有する、燃料の上のパイプである。液体は、容器の外側を介して下に戻って滴り、下向きにポンピングされ、その結果、燃料の底を介して再入できるようになる。給水の流れまたはメークアップフロー(make−up flow)は、より低い温度で入り、その結果、燃料の底に入る水は、飽和点未満である(すなわち、蒸気作成から少し離れている)。給水温度を変更することによって、水がどれほど早くまたは遅く沸騰するかを変更し、原子炉内の核フィードバックおよびパワーシェイプに影響することができる(ボイドは、負帰還をもたらし、制御ブレードによく似て反応度を減らす傾向がある。対照的に、ボイドの欠如は、正帰還をもたらす)。
【0117】
例の実施形態を具体的に図示し、説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、例の実施形態で、形態および詳細のさまざまな変更を行えることを、当業者は理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】関連技術のBWRを示す図である。
【図2】図1の炉心内の燃料バンドルを示す図である。
【図3】図2の燃料バンドルの断面または格子を示す概略図である。
【図4】原子炉心のサイクル照射線量に対する独立制御変数を示す通常のグラフである。
【図5】原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の設計限界を示す通常のグラフである。
【図6】原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の運転限界、設計限界、および予測された性能を示す通常のグラフである。
【図7】原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の予測された性能および測定された性能を示す通常のグラフである。
【図8】原子炉心のサイクル照射線量に対する従属変数の予測された性能と測定された性能との間の差のヒストグラムの例を示す図である。
【図9】図8のヒストグラムの統計的近似を表すヒストグラムである。
【図10】多数の試行にまたがって図9の統計的近似を適用することからの燃料サイクルに関する期待されるエネルギ利得を示すヒストグラムである。
【図11】例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。
【図12】もう1つの例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。
【図13】もう1つの例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。
【図14】さらなる例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。
【図15】さらなる例の実施形態による制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0119】
100 ポンプ
102 原子炉容器
104 原子炉格納容器
106 原子炉容器の炉心
108 タービン
110 発電機
112 復水器
114 燃料バンドル
116 外側チャネル
118 燃料棒
120 上側タイプレート
122 下側タイプレート
124 スペーサ
126 ウォーターロッド
128 制御ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制約問題に対する解の堅牢性を評価する方法であって、
(a)前記制約問題に関する1つまたは複数の入力を判定することと、
(b)前記1つまたは複数の入力のバイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性を判定することと、
(c)1つまたは複数の変更された入力を判定するために、前記1つまたは複数の入力の前記バイアス、不確実性、またはバイアスおよび不確実性に基づいて前記1つまたは複数の入力のうちの少なくとも1つをランダムに摂動させることと、
(d)前記1つまたは複数の変更された入力に基づいて前記制約問題に対する解を生成することと、
(e)前記解を記憶することと、
(f)複数の解が記憶されるまで(c)から(e)までを繰り返すことと、
(g)前記記憶された複数の解を互いに比較することによって前記記憶された複数の解の前記堅牢性を判定することと
を含み、前記1つまたは複数の変更された入力が、
1つまたは複数のランダムに摂動された入力と、
1つまたは複数の摂動されていない入力と
を含むことを特徴とする評価方法。
【請求項2】
前記制約問題が、
原子炉の炉心(106)設計、
前記原子炉の運転戦略、または
前記原子炉の炉心(106)設計および運転戦略
を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記運転戦略が、炉心(106)流量戦略を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記運転戦略が、制御ブレード(128)プログラミング戦略を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記制御ブレード(128)プログラミング戦略が、制御ブレード(128)軸方向位置戦略を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記制御ブレード(128)プログラミング戦略が、制御ブレード(128)シーケンスエクスチェンジ戦略を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記運転戦略が、
炉心(106)流量戦略と、
制御ブレード(128)プログラミング戦略と
を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の変更された入力に基づいて前記制約問題に対する解を生成することが、前記原子炉の燃料サイクルの少なくとも一部にわたって前記運転戦略をシミュレートすることを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項9】
所与の入力の前記バイアスが、前記所与の入力の平均値を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
所与の入力の前記不確実性が、前記所与の入力の標準偏差を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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