説明

制電性ポリカーボネート樹脂組成物、その製造方法、それを用いた成形品

【課題】機械的強度・電気特性・透明性に優れ、かつ成形機内対流による黄変が少ないポリカーボネート樹脂組成物を提供することを主要な目的とする。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂に、スルホン酸ホスホニウム塩と、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが溶解されたカルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液が分散されてなる制電性ポリカーボネート樹脂組成物である。リチウム塩をカルボン酸エステル又は硫黄含有エステル化合物に溶解した溶液を予め準備し、この溶液をスルホン酸ホスホニウム塩とともにポリカーボネート樹脂組成物に練りこむので、スルホン酸ホスホニウム塩とリチウム塩化合物がポリカーボネート樹脂に溶け込むように均一に樹脂中に分散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に制電性ポリカーボネート樹脂組成物に関するものであり、より特定的には透明性、流動性並びに機械的強度を維持しつつ制電性に優れた制電性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。この発明はまたそのような制電性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に関する。この発明はさらにそのような制電性ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性、耐熱性に優れた透明性の高い樹脂であり、寸法精度、機械的強度の要求性能を満たすので、各種の電気、電子機器やOA機器等に広く採用されている。透明性の耐熱性フィルムとしての用途分野にも多用されている。
【0003】
各種事務機器やOA機器、フィルム用途においては、静電気による障害防止のために帯電防止機能が要求される。このような制電機能を付与するために、従来はカーボンブラックやカーボンファイバー等の導電成分を配合する技術が広く採用されていた。
【0004】
しかしながら、このような方法は、色相の面で不利であり、意匠性や技術上から、透明性又は淡色等を要求するような樹脂用途には適合し難い。
【0005】
そのような要求を満たす材料として、ポリカーボネート樹脂にスルホン酸ホスホニウム塩を配合してな帯電防止性を有する樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1−4参照)。
【特許文献1】特開平5−171024号公報
【特許文献2】特開平4−249574号公報
【特許文献3】特開平3−81363号公報
【特許文献4】特開昭62−230835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の特許文献で開示されている組成物は熱安定性や光学的特性は改良されるが、制電性能が不十分で、表面抵抗率が1010Ω/sq以下にならないので、用途の適用範囲が狭い。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、機械的強度、光学的特性、透明性を損なうことなしに、十分な制電性効果を得ることができるように改良されたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
この発明の他の目的は、そのようなポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法を提供することにある。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、そのようなポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る制電性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂に、下記一般式(1)で示すスルホン酸ホスホニウム塩と、下記一般式(2)又は(3)に示すリチウム塩化合物(それぞれリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフルオロスルホン酸リチウムという)が溶解されたカルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液が分散されてなる。
【化1】

【0011】
(式(1)中、R1は炭素数1〜40の、アルキル基又はアリール基(芳香族基)であり、R2〜R5は水素又は炭素数1〜10の、アルキル基又はアリール基であり、これらは同じであっても異なっていてもよい。)
【化2】

【化3】

【0012】
上記カルボン酸エステル又は硫黄含有エステル化合物は、式(2)及び式(3)で表されるリチウム塩化合物を溶解する能力と、併せて、式(1)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩との相溶性を有するものである。例えば、ビス[2−(2−ブトキシエトキシエチル)]アジペート、ビス[2−(2−ブトキシエトキシエチル)]フタレート、ドデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(ドデシルチオプロピオネート)などが挙げられる。これらの化合物は単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いられる。
【0013】
リチウム塩はポリカーボネート樹脂組成物に直接混ぜ込んでも沈殿物が生じ均一に分散しないが、本発明のように、これをカルボン酸エステル又は硫黄含有エステル化合物に溶解した溶液を予め準備し、この溶液とスルホン酸ホスホニウム塩とをポリカーボネート樹脂組成物とブレンド(練りこむ)する。このブレンド物を溶融混合押し出しを行なってもよい。このブレンドにより、スルホン酸ホスホニウム塩とリチウム塩化合物が、ポリカーボネート樹脂に溶け込むように均一に樹脂中に分散する。
【0014】
また所定量以上の添加物を練り込んだマスターペレットを調整し、これを希釈用ポリカーボネートとブレンドしてもよい。
【0015】
なお、溶融混合押し出しを行うに際しては、添加物の分散をよくするように工夫した方が好ましく、例えば一軸押出機の場合にはダルメージタイプのスクリュウを用いるか、二軸押出機を使用した方が好ましい。
【0016】
最終成形品を得るにあたっては、上記ブレンド物やペレットを射出、押し出し、ブロー、圧縮等の各種成形機に供給して常法に従って成形すればよいが、場合によっては添加物の添加を成形機で行うことができる。最終成形品を得る成形に当たっては樹脂温度を220〜300℃に保持した方が好ましい。
【0017】
また、本発明の組成物は、上記配合物以外に、周知の添加物、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属ウイスカのような補強剤、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ガラスビーズのような充填剤、その他パラフィンワックス、脂肪酸エステル、シリコンオイルのような滑剤、トリアジン系などの耐候性付与剤、ハロゲン系、リン酸系の難燃性発泡剤、染料、顔料等を含有してもよい。また、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレン・プロピレン共重合重合などのポリマーを併用してもよい。
【0018】
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は種々のヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体又は共重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0019】
脂肪族カーボネート樹脂は、亜鉛系の均一系触媒によって、エポキシドと炭酸ガスとの交互共重合法によって反応して製造される。
【0020】
上記ジヒドロキシジアリール化合物は、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシー3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロオキシアリール)シクロアルカン類、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシー3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシー3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4'−ジヒドロオキシジフェニルスホキシド、4,4'−ジヒドロオキシ−3,3−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'−ジヒドロオキシスルホン、4,4−ジヒドロキシー3,3−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0021】
これらは単独でまたは2種以上混合して使用されるが、これらの他にピペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル等を使用してもよい。
【0022】
ポリカーボネートの分子量は流動性に大きく関係するが強度面との兼ね合いから14000〜30000のものが好ましい。
【0023】
この発明の好ましい実施態様によれば、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、前記スルホン酸ホスホニウム塩は0.1〜10重量部、好ましくは0.5から5重量%配合される。0.1重量%未満では、制電性能付与の効果は得られず、10重量%を超えると透明性が低下し、機械的特性が低下し、成形品表面にシルバーや剥離が生じて外観不良を引き起こし易い。前記リチウム塩化合物は0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部である。リチウム塩化合物の配合量が0.05重量%未満では、添加量が少なく、制電性が十分に発揮されないからである。一方、リチウム塩化合物の添加割合が3重量%を超えると、制電性付与効果が飽和するので、コスト高を招来するという問題がある。
【0024】
さらに好ましい実施態様によれば、上記一般式(1)のスルホン酸ホスホニウム塩において、前記R1が炭素数6〜40の、アルキル基又はアリール基である。
【0025】
透明性や耐熱性、ポリカーボネート樹脂への影響などの点からアリール基(すなわち、炭素数6〜40のアリール基)の方が望ましく、例えばアルキルベンゼン、アルキルナフタリン環などから誘導される基が挙げられる。
【0026】
具体的な化合物としては、ドデシルスルホン酸ホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム等が挙げられる。
【0027】
上記硫黄含有エステル化合物として、ジアルキルチオジプロピオネートが好ましく用いられ、特にアルキル基の炭素数が12〜18のものが好ましく、より好ましくは、ジドデシルチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート及びペンタエリスリトールテトラキス(ドデシルチオプロピオネート)からなる群より選ばれる。
【0028】
この発明の他の局面に従う制電性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法によれば、まず、上記一般式(2)又は(3)に示すリチウム塩化合物が溶解されたカルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液を準備する。前記カルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液と、上記一般式(1)で示すスルホン酸ホスホニウム塩とをポリカーボネート樹脂中に分散させる。
【0029】
このような制電性ポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形品となり、制電性を発揮する。本明細書で、成形品とは広く解し、各種の電気、電子機器やOA機器等に採用される部材、フィルムを含むものとする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記式(2)又は(3)で示される化合物をカルボン酸エステル又は硫黄含有エステル化合物に溶解した溶液を予め準備し、この溶液をスルホン酸ホスホニウム塩とともにポリカーボネート樹脂組成物とブレンドする(練りこむ)ので、スルホン酸ホスホニウム塩とリチウム塩化合物がポリカーボネート樹脂に溶け込むように均一に樹脂中に分散する。また、本発明によれば、ポリカーボネート樹脂組成物が硬化した硬化膜中において、リチウムイオンは原子径が小さいために、ポリカーボネート樹脂の分子運動によって表面まで移動し易く、硬化膜表面に速やかに出て、ホスホニウムイオンと協同して、その表面抵抗率を下げる。これらの作用により、従来のホスホニウムイオン単独の場合に比べて、制電性を著しく高めると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、制電性ポリカーボネート樹脂組成物であるが、特に透明性、流動性ならびに機械的強度を維持することが必要である。前述の一般式(1)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩だけでは制電性付与の効果は不十分であり、添加量を増やすと透明性、流動性並びに機械的強度が維持できなくなる。そこで、式(2)及び/又は(3)で表されるリチウム塩化合物を配合することによって、ポリカーボネート樹脂組成物の制電性付与効果の著しい改善を実現した。以下この発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。なお、実施例中、「%」は、「重量%」を示す。
【0032】
以下の実施例において、物性の測定法は以下の通りである。
【0033】
Izod衝撃値・・・ASTM D256に準じる。
表面固有抵抗・・・ ASTM D257に準じる。
全光線透過率・・・ ASTM D1003に準じる。
黄色度・・・・・・JIS K 7103に準じる。
【0034】
(実施例1〜5,比較例1〜4)
【0035】
(リチウム塩化合物−カルボン酸エステル又は硫黄含有エステル化合物溶液の調整)
【0036】
ビス[2−(2−ブトキシエトキシエチル)]アジペートに対して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを20%添加して、60℃で30分攪拌し、均一な溶液を得た。同様な方法で、リチウム塩化合物及びカルボン酸エステル、硫黄含有エステル化合物の種類を変えて、リチウム塩化合物の溶液を得た(表1)。
【表1】

【0037】
表中、
A:ビス[2−(2−ブトキシエトキシエチル)]フタレート
B:ビス[2−(2−ブトキシエトキシエチル)]アジペート
C:ドデシルチオプロピオネート
D:ジステアリルプロピオネート
R:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
T:トリフルオロメタンスルホン酸リチウム
を表す。
【0038】
(制電性ポリカーボネート樹脂組成物の製造)
【0039】
分子量21000のビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂に対して、表1に示すリチウム化合物のカルボン酸エステル/硫黄含有エステル化合物の溶液と、ドデシルスルホン酸ホスホニウム塩とを、表2(実施例)、表3(比較例)に示す配合量で加え、いすず化工機製単軸ベント押出機にて260℃で練りこみ、ペレット化した。そのペレットを85〜90℃の熱風で乾燥後、射出押出機(東芝機械製IS758型)を用い、成形温度280℃で試験片を成形し、引張り強度、伸び、Izod衝撃値を測定した。また同一条件下にて、成形サイクル40秒および180秒にてシート(2mm厚)を成形し、黄色指数の変化を測定した。
【0040】
表面抵抗率と全光線透過率の測定には、40秒の成形サイクルで作成した同じシートを用いた。結果を表2(実施例)及び表3(比較例)に示す。
【表2】

【表3】

【0041】
なお、上記実施例では、カルボン酸エステルとして、ジステアリルプロピオネートを例示したが、この発明はこれに限られるものでなく、エステル基を含む汎用の有機溶剤も用いられ、揮発性の酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなども含む。
【0042】
また、硫黄含有エステル化合物として、ジドデシルジチオプロピオネートを例示したが、図1に示すジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネートなどの酸化防止機能を有するものも好ましく使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、機械的強度・電気特性・透明性に優れ、かつ成形機内対流による黄変が少ないため、制電性能と透明性が要求される電気・電子部品用材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に用いられる硫黄含有エステル化合物の構造式を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート樹脂に、下記一般式(1)で示すスルホン酸ホスホニウム塩と、下記一般式(2)又は(3)に示すリチウム塩化合物が溶解されたカルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液が分散されてなる制電性ポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】


(式(1)中、R1は炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であり、R2〜R5は水素又は炭素数1〜10の、アルキル基又はアリール基であり、これらは同じであっても異なっていてもよい。)
【化2】

【化3】

【請求項2】
前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、前記スルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜10重量部、前記リチウム塩化合物を0.05〜3重量部含む請求項1に記載の制電性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
一般式(1)のスルホン酸ホスホニウム塩において、前記R1が炭素数6〜40の、アルキル基又はアリール基である、請求項1又は2に記載の制電性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
前記硫黄含有エステル化合物は、アルキル基の炭素数が12〜16のジアルキルチオジプロピオネートを含む、請求項1に記載の制電性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
前記硫黄含有エステル化合物は、ジドデシルジチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジトリデシルチオジプロピオネート及びペンタエリスリトールテトラキス(ドデシルチオプロピオネート)からなる群より選ばれる、請求項4に記載の制電性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
下記一般式(2)又は(3)に示すリチウム塩化合物が溶解されたカルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液を準備する工程と、
前記カルボン酸エステル溶液又は硫黄含有エステル化合物溶液と、下記一般式(1)で示すスルホン酸ホスホニウム塩とをポリカーボネート樹脂中に分散させる工程とを備えた制電性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
【化1】


(式(1)中、R1は炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であり、R2〜R5は水素又は炭素数1〜10の、アルキル基又はアリール基であり、これらは同じであっても異なっていてもよい。)
【化2】

【化3】

【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の制電性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。

【図1】
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【公開番号】特開2009−91407(P2009−91407A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261201(P2007−261201)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(398033921)三光化学工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】