説明

刷版作成方法及び刷版作成装置

【課題】様々な硬度のフレキソ印刷用刷版を簡便に作成することができる刷版作成方法及び刷版作成装置を提供する。
【解決手段】硬化後の硬度が異なる複数種類の光硬化性材料の液滴を吐出することが可能な液滴吐出手段から光硬化性材料の液滴を吐出し、光を照射することで硬化させることを繰り返すことにより2次元画像の層を2層以上積層して形成するフレキソ印刷用刷版を作成する場合に、目標とする硬度または目標とする硬度分布を備えたフレキソ印刷用刷版が作成されるように、前記複数種類の光硬化性材料の液滴の吐出割合を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刷版作成方法及び刷版作成装置に係り、特に、フレキソ印刷用刷版を作成する刷版作成方法及び刷版作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は、軟質でゴム弾性を持つ凸版の版を用いる印刷方式で、粗面や曲面など多様な印刷媒体へ印刷することができ、インク計量をアニロックスローラーで行うため、インキ供給量が安定して維持される印刷方式である。
【0003】
近年では、各工程での技術進歩から高画質化も可能となり、軟包装、ダンボール、シールラベル、紙器、新聞印刷等の分野で広く使用されている。また、フレキソ印刷装置は、環境面、生産性の面からますます注目を集めている印刷方式である。
【0004】
近年の画像のデジタル化とレーザー技術等の進行により、フレキソ印刷用刷版(以下、刷版)を作成する製版分野でも製版フィルムを使用したアナログ工程から、コンピューターから直接刷版を作成するCTP(Computer To Plate)化が急速に進んでいる。刷版のCTP化にも複数の方式があり、LAM方式、マスクインクジェット方式、レーザー彫刻方式が一般的に知られている。
【0005】
LAM(Laser Abration Mask)方式は、アナログ版の感光樹脂版の上に赤外線吸収を行うマスク層を設けた版材に、IRレーザーで画像を書き込むことで、ネガフィルム相当のマスク層を生成し、その後、アナログ版と同じ工程で刷版を作成する方式である。
【0006】
マスクインクジェット方式は、アナログ版の感光樹脂版にインクジェット装置を用いて、マスクに相当する画像を描画する装置である(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
レーザー彫刻方式は、高出力レーザーによりアブレーションを起こし彫刻することで刷版を作成する方式である。
【0008】
しかしながら、上記3つの方式は、シート状の基材に対して、印刷に寄与する部分以外の部分を除去するため、材料に無駄が生じる。また、除去には溶剤を使用するため、環境負荷も高い。
【0009】
また、上記方式では、基になる板状版を用意し、板状版から材料を除去することで刷版を作成するため、刷版の大きさ、厚さ、版の硬さに応じて、多種、多様な種類の板状版を用意しておかねばらなず、製造メーカ及び使用者にとって、コスト高、保管場所の確保等など、非効率で問題も多かった。
【0010】
そこで、他の方式として、下記特許文献2、3に、インクジェット装置を用いて必要な所にのみ直接光硬化性材料(フォトポリマーインクなど)を吐出し、UV硬化をすることでフレキソ印刷用の刷版を作成する方式(以下、インクジェット方式)の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−17352号公報
【特許文献2】米国特許第5511477号明細書
【特許文献3】特開2004−188983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献3には、上記インクジェット方式で刷版を作成する際、UV光の露光量を変えることで刷版の硬さを変更する記載があるが、露光量を変更すると、重合が完全に行われない場合も生じ、作成された刷版が不安定となり、経時変化で更に不安定となる可能性がある。また、上記特許文献3に記載の技術では、1つの刷版作成装置で複数の硬度の刷版を作成することはできない。
【0013】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、様々な硬度のフレキソ印刷用刷版を簡便に作成することができる刷版作成方法及び刷版作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために請求項1の発明の刷版作成方法は、硬化後の硬度が異なる複数種類の光硬化性材料の液滴を吐出することが可能な液滴吐出手段から光硬化性材料の液滴を吐出し、光を照射することで硬化させることを繰り返すことにより2次元画像の層を2層以上積層して形成するフレキソ印刷用刷版を作成する場合に、目標とする硬度または目標とする硬度分布を備えたフレキソ印刷用刷版が作成されるように、前記複数種類の光硬化性材料の液滴の吐出割合を調整するものである。
【0015】
このような方法によれば、様々な硬度のフレキソ印刷用刷版を簡便に作成することができる。
【0016】
なお、請求項2に記載のように、1つの層を1種類の光硬化性材料で形成し、互いに異なる光硬化性材料から形成される複数種類の層の各々の個数を調整することにより、前記吐出割合を調整するようにしてもよい。
【0017】
また、請求項3に記載のように、1つの層を前記複数種類の光硬化性材料で形成し、各層における前記複数種類の光硬化性材料の各々の吐出量を調整することにより、前記吐出割合を調整するようにしてもよい。
【0018】
なお、請求項4に記載のように、光硬化性材料を吐出する基材表面からの高さが高い部分ほど硬度が高くなるように前記吐出割合を調整するようにしてもよい。
【0019】
このような方法によれば、高さが高い部分が摩耗等により形状が変化することを抑制することができる。
【0020】
また、請求項5に記載のように、前記フレキソ印刷用刷版の最上層に形成される2次元画像を示す画像データを複数の領域のデータに分割して、各領域にデータ対して空間周波数変換処理を行い、予め定められた周波数以上の高周波数成分の割合が予め定められた割合以上の領域に対応する部分が、該高周波数成分の割合が予め定められた割合未満の領域に対応する部分より硬度が高くなるように前記吐出割合を調整するようにしてもよい。
【0021】
このような方法によれば、摩耗等の影響を受けやすい高周波数成分の割合が予め定められた割合以上の領域に対応する部分の硬度を高くすることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明の刷版作成装置は、硬化後の硬度が異なる複数種類の光硬化性材料の液滴を吐出することが可能な液滴吐出手段と、前記複数種類の光硬化性材料を硬化させる光を照射する光照射手段と、前記液滴吐出手段から光硬化性材料の液滴を吐出し、前記光照射手段により光を照射することで硬化させることを繰り返すことにより2次元画像の層を2層以上積層して形成するフレキソ印刷用刷版を作成する場合に、目標とする硬度または目標とする硬度分布を備えたフレキソ印刷用刷版が作成されるように、前記複数種類の光硬化性材料の液滴の吐出割合が調整されるように前記液滴吐出手段を制御する制御手段と、を有するものである。
【0023】
このような構成によれば、様々な硬度のフレキソ印刷用刷版を簡便に作成することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明は、様々な硬度のフレキソ印刷用刷版を簡便に作成することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】刷版作成装置及び画像処理装置の機能を説明するための説明図である。
【図2】X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置の構成を示す図である。
【図3】記録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図4】刷版作成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】刷版の3次元構造を説明する説明図である。
【図6】主制御部(積層画像データ生成部)により行われるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図7】主制御部(積層画像データ生成部)により行われる、図5のステップ106のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】shape(i)関数の具体例を示す図である。
【図9】膨張処理を説明する説明図である。
【図10】主制御部(吐出データ生成部)により行われる処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】刷版の硬度と、2種類の光硬化性材料(インク)の吐出割合とを対応付けて記憶したテーブルの一例を示す図である。
【図12】1つの層を1種類のインクで形成する場合であって、インクAの吐出割合を33%とし、インクBの吐出割合を67%とした場合のインクの吐出状態の一例を示す図である。
【図13】4種類のインク滴が吐出されるように構成された1つの記録ヘッドの一例を示す図である。
【図14】1つの層を2種類のインクで形成する場合であって、インクAの吐出割合を33%とし、インクBの吐出割合を67%とした場合のインクの吐出状態の一例を示す図である。
【図15】吐出データ生成部により行われる領域毎に硬度を調整する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図16】(A)は、フレキソ印刷装置の構成例を示す構成図であり、(B)は、フレキソ印刷装置の版胴に刷版が巻き付けられた状態を示す図であり、(C)は、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置で作成されたa×πmmの長さの刷版の外観を示す図である。
【図17】ドラム走査型の刷版作成装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
[全体構成]
【0028】
本実施の形態に係る刷版作成装置10は、図1に示すように、画像処理装置50から原稿画像を示す2次元画像の画像データ(以下、2次元画像データと呼称)を取得して、2次元画像の層を複数積層した3次元構造のフレキソ印刷用刷版(以下、刷版と呼称)を形成するための各層毎の画像データ(以下、積層画像データと呼称)を生成し、該積層画像データに基づいて刷版を作成する。
【0029】
図2は、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置10の構成を示す図である。
【0030】
この刷版作成装置10は、図2に示すように、4本の脚部16に支持され、基材12aを表面に吸着して保持する平板状のステージ14を備えている。なお、本実施の形態では、2次元画像の層(以下、2次元画像層と呼称)が積層される基板となる部材そのものを基材12aと呼称し、2次元画像層が基材12a上に1層でも形成されたものを刷版12と呼称する。基材12aとしては、例えば、PET(ポリエチレン・テレフタレート)やPP(ポリプロピレン)などを用いることができる。
【0031】
ステージ14の側面には、y軸方向に沿って延びた一対のガイド20が設けられている。更に、刷版作成装置10には、z軸方向に沿って延びる一対のガイド18が一対のガイド20の各々に対応して設けられている。ガイド18の各々は、対応するガイド20の各々によってy軸方向に移動可能に支持されている。
【0032】
更に、ステージ14の上面側には、シャフト22が一対のガイド18によってz軸方向に移動可能に設けられている。キャリッジ24はシャフト22によってx軸方向に移動可能に支持されている。
【0033】
このような構成により、キャリッジ24は、ステージ14に設置された基材12aに対して、x軸方向、y軸方向、及びz軸方向の各々に相対移動可能となっている。
【0034】
なお、図2では図示を省略するが、キャリッジ24は、光硬化性材料(例えば紫外光が照射されることにより硬化する紫外光硬化性樹脂など)の液滴を基材12aや刷版12に吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッド72と、基材12aや刷版12に付着した光硬化性材料を硬化するための光を照射する光源68とを備えている(図4も参照。)。光源68は、例えば、紫外光を照射する紫外光ランプや、紫外光発光LEDとしてもよい。硬化する際の光量と光照射時間は、光硬化性材料の硬化特性に基いて予め設定される。
【0035】
ステージ14に対してキャリッジ24をx軸及びy軸方向に相対移動させながら、キャリッジ24に搭載された記録ヘッド72から光硬化性材料の液滴を吐出し、その後光源68により光硬化性材料を硬化させることで基材12a上に2次元画像層を形成する。更に、2次元画像層をz軸方向に積層形成することで最終的な刷版12が作成される。
【0036】
より詳述すると、まず、形成する刷版12の最終形状に基づいて、予めx軸方向とy軸方向の移動量を設定する。そして、ガイド18及びガイド20により、1層目(最下層)の2次元画像層を形成した後、ガイド18及びシャフト22により、x−y走査平面に法線を成すz軸方向に1層分キャリッジ24を移動させ、1層目の2次元画像層の上に2層目の2次元画像層を形成する。これを最上層まで繰り返して最終的な刷版12を作成する。また、複数層を形成し、所定の厚さの層を形成する毎に、z軸方向に、所定厚さ分キャリッジ24を移動させて描画してもよい。
【0037】
積層する2次元画像層がx軸、y軸方向の一部分に限定される場合には、その領域のみをくり返し走査して描画することで描画スピードを上げることも可能である。
【0038】
なお、ここでは、キャリッジ24を基材12aに対してz軸方向に相対移動させる機構として、キャリッジ24側をz軸方向に移動させる機構を例に挙げて説明したが、キャリッジ24はz軸方向に固定し、ステージ14をキャリッジ24から遠ざける機構としてもよい。
【0039】
また、ダンボール等向けのフレキソ刷版を作成する際に、大型のステージを設けることで、面付け画像(必要な面にのみ画像を配置したもの)を直接描画するようにしてもよい。これにより面付け手作業を省略することも可能である。
【0040】
なお、本実施の形態では図示を省略するが、積層された層の高さを計測するレーザー変位計、2次元形状計測センサ、ラインカメラ又はエリアカメラなどを刷版作成装置10に搭載してもよい。これら計測センサやカメラなどにより、キャリッジ24の走査とともに刷版12の厚さ、刷版12の表面形状や表面状態を計測することによって、紫外光照射後の硬化結果を読取り、意図しなかった形状、高さに不足が見られる場合には補正しながら積層を連続するようにしてもよい。特に2次元形状計測センサは、キャリッジ24の走査とともに一定幅の高さ情報を得ることができるので、積層形成する版の表面状態、凹凸をリアルタイムに把握し、不足する高さを補いながら連続吐出して行くことを可能とする有望な手段である。
【0041】
[記録ヘッド]
【0042】
ここで、光硬化性材料の液滴を吐出する記録ヘッド72について説明する。キャリッジ24に搭載するオンデマンド型の記録ヘッド72としては、電気信号を熱エネルギーに変換する熱変換素子を有し、液体中に沸騰による気泡を発生させて、その圧力でノズルからインクを吐出するサーマル型、及びピエゾ圧電素子を有し、該ピエゾ圧電素子の変形圧力によって液体が蓄えられた微小部分を特定の方向から圧縮し、ノズルから液滴を押出すピエゾ型の2種が一般的である。
【0043】
刷版作成装置10に搭載する記録ヘッド72としては、サーマル型、ピエゾ型のいずれを用いてもよい。また、ピエゾ型は更に圧縮の方向によって、ピエゾ撓み変形を用いる撓みモード型、縦モード型、シェアモード型などの方式があるがいずれを用いてもよい。
【0044】
なお、ピエゾ型はインクを加熱しない、高粘度のインクまで吐出可能なことから紫外線硬化させて2次元画像を形成する刷版作成装置10に好適に用いることができる。
【0045】
高速に描画するためには、一度に多数の液滴を吐出して描画を行うことが必要である。そのためには、複数のノズルが設けられた記録ヘッド72が好ましい。また、高解像度実現のため、ノズルを2次元配置した記録ヘッド72を用いてもよい。
【0046】
図3は、本実施の形態に係る記録ヘッドの概略構成を示す図である。図3に示すように、本実施の形態では、2つの記録ヘッド72a、及び記録ヘッド72bを備え、各々キャリッジ24に固定されて設けられている。各記録ヘッド72a、72bには、各々複数のノズルがy軸方向に配列されている。各ノズルには熱変換素子またはピエゾ圧電素子が設けられており、この熱変換素子またはピエゾ圧電素子の駆動により、各ノズルから光硬化性材料の液滴が吐出される構成となっている。
【0047】
なお、記録ヘッド72a、72bには、記録ヘッド72a、72bの各々に対応して設けられ、光硬化性材料の液体を貯えるタンク71a、71bが接続されている。各記録ヘッド72a、72bは、対応するタンク71a、71bから供給された光硬化性材料の液滴を吐出する。タンク71a、71bに異なる種類の光硬化性材料の液体を貯えておくことにより、2種類の光硬化性材料の液滴を被吐出媒体に吐出させることが可能な構成となっている。
【0048】
[光源]
【0049】
次に、光源68について説明する。刷版作成装置10に用いられる光源のピーク波長は、記録ヘッド72から吐出される光硬化性材料の組成物中の増感色素の吸収特性にもよるが、例えば200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは350〜450nmとすることができる。
【0050】
照射エネルギーとしては、例えば、2,000mJcm2以下、好ましくは10〜2,000mJ/cm2、より好ましくは20〜1,000mJ/cm2、更に好ましくは50〜800mJ/cm2の照射エネルギーとすることができる。
【0051】
照射照度としては、例えば10〜2,000mW/cm2、好ましくは20〜1,000mW/cm2で照射することが適当である。
【0052】
また、本実施の形態では、光源68を紫外光ランプや紫外光発光LEDとしたが、水銀ランプや、メタルハライドランプを用いてもよい。しかしながら、エネルギー効率の点を考慮した場合には、紫外発光ダイオードを用いることが望ましい。この場合、照射する波長ピークは350〜420nm、照射光量は10〜1,000mW/cm2であることが好ましい。
【0053】
[刷版の材料]
【0054】
一般に普及しているフォトポリマー製の刷版は紫外光に反応する感光性素材であり、柔軟で弾力性を持ちインキ転移能力に優れているため、フォトポリマー製の刷版を用いてもよい。また、刷版作成装置10の記録ヘッド72から吐出されるため、更に吐出性も備えたものとする。
【0055】
刷版の硬化後の硬度は、硬度計(ショアゲージ)を用いて測定され、それによって出た数値は硬さによってショアAかショアDであらわされる。フォトポリマー版材は、硬化した版の硬度で25−70ショアAの範囲のものがある。一般的なフィルムや紙へ印刷する用途の刷版12を作成する場合には、45−60ショアAの範囲内となる材料を用い、ダンボールのような凹凸のある媒体に印刷する用途の刷版12を作成する場合には、25−40ショアAの硬度が低い材料を用いるようにしてもよい。
【0056】
本実施の形態の刷版作成装置10は、後述する方法により、様々な硬度の刷版12を簡便に作成する。
【0057】
[刷版作成装置10の制御系の構成]
【0058】
図4は、刷版作成装置10の制御系の構成例を示すブロック図である。刷版作成装置10は、主制御部60、モータドライバ62a、62b、62c、駆動モータ64a、64b、64c、光源ドライバ66、光源68、ヘッドドライバ70a、70b、及び記録ヘッド72a、72bを備えている。光源68及び記録ヘッド72a、72bは、前述したように、キャリッジ24に搭載されている。
【0059】
モータドライバ62aは、キャリッジ24をシャフト22の延在方向(x軸方向)に沿って移動させるための駆動モータ64aを駆動させる駆動回路であり、モータドライバ62bは、キャリッジ24を支持するシャフト22を一対のガイド18の延在方向(z軸方向)に沿って移動させるための駆動モータ64bを駆動させる駆動回路であり、モータドライバ62cは、一対のガイド18を一対のガイド20の延在方向(y軸方向)に沿って移動させるための駆動モータ64cを駆動させるための駆動回路である。主制御部60は、モータドライバ62a、62b、62cを介して駆動モータ64a、64b、64cを制御して、ステージ14に設置された基材12a(刷版12)に対するキャリッジ24の相対位置を移動させる。
【0060】
光源ドライバ66は、光源68を点灯または消灯させる。主制御部60は、光源ドライバ66を介して光源68の点灯及び消灯を制御する。
【0061】
ヘッドドライバ70a、70bは、記録ヘッド72a、72bの各々に対応して設けられ、主制御部60から供給された吐出データに基づいて記録ヘッド72a、72bのノズルの各々に対応して設けられた駆動素子(サーマル型の記録ヘッドであれば、熱変換素子。ピエゾ型の記録ヘッドであれば、ピエゾ圧電素子)を駆動して、各ノズルから液滴を吐出させる。主制御部60は、吐出データをヘッドドライバ70a、70bのそれぞれに供給して、各記録ヘッド72a、72bからの液滴の吐出を制御する。
【0062】
ユーザインタフェース78は、例えばタッチパネル及びボタンなどで構成される。ユーザインタフェース78を操作することで、使用者は各種情報や指示を入力する。また、主制御部60の制御によりユーザインタフェース78に各種情報が表示される。
【0063】
主制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を含んで構成されている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより刷版作成装置10全体の動作を制御する。ROMには、CPUが実行するプログラムやプログラムの実行に利用される各種情報(例えば、図11のテーブル等)等が記憶されている。RAMは、ワークメモリである。
【0064】
なお、図4に、主制御部60のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能から、主要な機能(積層画像データ生成部74及び吐出データ生成部76)を抽出して図示した。
【0065】
積層画像データ生成部74は、画像処理装置50から取得した原稿画像を示すハーフトーン処理された2次元画像データから、複数の2次元画像層を積層してなる3次元構造の各層毎の画像データ(積層画像データ)を生成する。
【0066】
吐出データ生成部76は、積層画像データ生成部74で生成された積層画像データに基づいて、ヘッドドライバ70a、70bで使用可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えた吐出データをヘッドドライバ70a、70bに供給する。また、吐出データ生成部76は、2種類の光硬化性材料を2つの記録ヘッド72a、72bから吐出して刷版12を形成する場合には、後述するように2種類の光硬化性材料の吐出割合に応じた吐出データを生成して各々のヘッドドライバ70a、70bに供給する吐出データを各々生成して供給する。このとき、記録ヘッド72a、72bのノズルの配列にマッピングさせた吐出タイミングやデータ配列も考慮して吐出データを作成する。また、必要に応じて各種制御信号の付与・挿入も行う。
【0067】
刷版作成装置10には、接続ケーブル或いは通信ネットワークを介して画像処理装置50が接続されている。なお、刷版作成装置10には、画像処理装置50と情報の授受を行うための接続ケーブルを接続するコネクタ、或いは画像処理装置50と通信ネットワークを介して情報の授受を行うための通信インタフェースも備えられているが、ここでは図示を省略した。
【0068】
刷版作成装置10と接続される画像処理装置50は、通信ネットワークなどを介して外部から受信された印刷情報或いは画像処理装置50で生成された印刷情報に基づいてラスタライズ(ビットマップ画像データに変換する処理)を行ったり、該ラスタライズされて得られた多値のビットマップ画像データにハーフトーン化処理を施して2値化して、原稿画像を示す2値化された2次元画像データを生成したりする。なお、画像処理装置50は、必要に応じて、ラスタライズされた2次元画像データに色変換処理や階調変換処理を施したり、倍率変換を施したり、その他、トラッピング処理や面付け処理なども行う。
【0069】
[積層画像データの生成]
【0070】
刷版作成装置10により作成される刷版12は、図5に示すような3次元構造を有する。
【0071】
最上層(N層目)に形成された画線部は、原稿画像を表す部分である。フレキソ印刷では、画線部に付着した印刷用のインキが被印刷媒体に転写されることにより印刷がなされる(図16(A)も参照。)。
【0072】
ここで、基材12aの表面をフロアーと呼ぶ。最下層の1層目から最上層のN層目まで1層ずつ厚さd(mm)の2次元画像層を形成して積層していくことにより、フロアーから画線部までの厚さがD(mm)の3次元構造の刷版12が形成される。なお、画線部の輪郭部からフロアーに向かって連なるスロープ状の表面部分をショルダーと呼称する。
【0073】
次に、上記3次元構造の刷版12を作成するための積層画像データの生成処理について、詳細に説明する。
【0074】
図6は、主制御部60(積層画像データ生成部74)により行われるメインルーチンを示すフローチャートである。
【0075】
ステップ100では、条件設定を行う。具体的には、以下の5つの条件を設定する。
条件1)出力解像度R[dot/mm]
条件2)使用される光硬化性材料の種類
条件3)刷版作成装置10の描画性能(描画スピード、吐出液滴量等を含む)
条件4)版厚さD[mm]
条件5)ショルダーの形状
【0076】
これら条件は、刷版作成装置10の使用者がユーザインタフェース78を介して指定した情報が設定されるか、刷版作成装置10の主制御部60を構成するROMに予め記憶されている情報に基づいて設定される。
【0077】
なお、条件1で設定される出力解像度は、ここでは、1mmの幅にどれだけのドット(吐出された液滴を硬化させて形成されるドット)が含まれるかを示すdot/mmを単位として設定する。本実施の形態では、1画素を記録ヘッド72から吐出された1つの液滴を硬化させて形成するため、1画素の幅は1/Rとなる。
【0078】
この出力解像度は、出力物の精細さによって変化させてもよい。例えば、高精細の出力を要する刷版12を作成する場合には、比較的高い解像度を設定し、ダンボール等の品質があまり重要視されないものに印刷する刷版12を作成する場合には、比較的低い解像度を設定することができる。さらにまた、使用者が刷版12の用途を指定した場合に、積層画像データ生成部74が該指定された用途から自動的に解像度を判定して条件1を設定してもよい。
【0079】
また、条件2の光硬化性材料の種類であるが、刷版12を作成する場合に、1種類の光硬化性材料を用いる場合には、該1種類の光硬化性材料の種類を指定して設定すればよいが、記録ヘッド72a及び記録ヘッド72bの各々から2種類の光硬化性材料を吐出して刷版12を作成する場合には、2種類の光硬化性材料の各々の種類を指定して設定する。また、後者の場合には、予め、後述する図10のステップ300、302の処理を行って、各々の光硬化性材料の吐出割合も指定して設定しておくことが望ましい。図10の処理については後述する。
【0080】
条件5のショルダーの形状には、本実施の形態では、画線部(最上層のN層目)に対するi層目の2次元画像の広がり形状を示す関数(ここでは、shape(i)関数と呼称する)を設定する。具体的には、shape(i)関数により、画線部の輪郭部を示すエッジ位置を基準としてi層目の2次元画像の輪郭部の目標とするエッジ位置が求められる。
【0081】
条件5の設定方法であるが、例えば、図8(A)に示すような複数種類のshape(i)関数(ここで、縦軸は距離[mm]、横軸はi層(Nで正規化)を示す。)を用意しておき、これら関数に予め識別番号Kを付与してROMに記憶しておく。そして、識別番号Kを指定することで条件5を設定するようにしてもよい。
【0082】
また、shape(i)関数は線形の関数でなくてもよく、図8(B)や図8(C)に示すように、非線形の関数であってもよい。
【0083】
また、予め記憶されているshape(i)関数を選ぶ代わりに、刷版作成装置10の使用者がユーザインタフェース78を介して任意にshape(i)関数を設定しても良いし、パラメータを入力してshape(i)関数を作成してもよい。
【0084】
なお、shape関数は、画線部における高精細部分の強度や、刷版が使用されるフレキソ印刷装置の印圧などの情報から判断して設定することができる。また、このような情報を使用者がユーザインタフェース78を操作して入力し、該入力された情報に応じたshape関数を自動的に積層画像データ生成部74が選択するようにしてもよい。
【0085】
ステップ102では、2次元画像層の積層数Nを算出する。具体的には、まず、上記設定された条件2と条件3とに基づいて、予め実験等で求めておいた1層あたりの積層厚さdを求める。積層厚さは、記録ヘッド72から吐出する光硬化性材料の硬化特性(例えば、硬化したときの硬さや、かたまりやすさ)、記録ヘッド72の液滴吐出量、描画スピード(キャリッジ24の走査速度)、硬化条件(照射する紫外光の光量、照射タイミング、照射時間)などによって変化するため、予め様々な条件下で実験等を行って求めておくとよい。該実験結果に基づいて、条件内容と積層厚さdとが対応したテーブルを作成してROM等に予め記憶しておく。積層画像データ生成部74は、該テーブルから、上記設定された条件2、3に相当する条件を読み出して積層厚さdを求める。
【0086】
また、前述したように、2種類の光硬化性材料を吐出して刷版12を作成する場合には、2種類の光硬化性材料の各々の硬化特性を考慮して積層厚さdを求めることが好ましい。具体的には、2種類の光硬化性材料の吐出割合を予め設定しておき、該吐出割合から、2種類の光硬化性材料についての平均的な硬化特性を求め、これに基づいて積層厚さdを求めるようにしてもよい。
【0087】
そして、積層画像データ生成部74は、条件4の版厚Dを上記求めた積層厚さdで除算して積層数N(N=D/d)を算出する。
【0088】
ステップ104では、画像処理装置50から2次元画像データを取得する。ここで取得される2次元画像データは、画線部の画像を表す画像データである。
【0089】
なお、画像処理装置50から取得した2次元画像データの解像度が、上記条件1で設定された出力解像度Rと異なる場合には、該出力解像度Rとなるように解像度変換する。あるいは、積層画像データ生成部74から画像処理装置50に対して、出力解像度Rの情報を送信して画像処理装置50に解像度変換処理を行わせ、該解像度変換後の2次元画像データを取得するようにしてもよい。
【0090】
ステップ106では、上記取得した2次元画像データから積層画像データを生成する積層画像データ生成処理のサブルーチンを実行する。
【0091】
図7は、主制御部60(積層画像データ生成部74)により行われる、図6のステップ106のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0092】
ステップ200では、初期値の設定を行う。
【0093】
より詳述すると、まず、着目層を示す変数loopに、上記求めた積層数Nをセットする。
【0094】
更に、loop(この時点ではN)層目を描画するための画像データを示すOutImg_bin(x,y,loop)に、上記画像処理装置50から取得した、画線部の画像を表す2次元画像データInImg_bin(x,y)をセットする。
【0095】
更に、2次元画像の輪郭部を示すエッジ位置を示す変数Edge_positionに0(mm)をセットする。ここでは、画線部の輪郭部を示すエッジ位置を0としている。
【0096】
ステップ202では、変数loopから1を減算する。これにより、1層下の層が着目層となり、この時点では、エッジ位置を示す変数Edge_positionの値は、着目層より1層上の2次元画像の輪郭部を示すエッジ位置を示す値となる。
【0097】
ステップ204では、着目層のエッジ位置の確認を行う。すなわち、上記条件5で設定したshape(i)関数に、変数loopをセットして、loop層目の2次元画像の輪郭部の目標とするエッジ位置を求める。そして、このshape(i)関数の値と、変数Edge_positionの値とを比較し、その水平方向の差ΔSが1/R以上か否かを判断する。Rは、上記条件1で設定した出力解像度Rである。差ΔSが1/R未満であれば、ステップ206に移行する。
【0098】
ステップ206では、着目層の画像データOutImg_bin(x,y,loop)に、着目層の1つ上の層の画像データOutImg_bin(x,y,loop+1)を設定する。すなわち、着目層より1つ上の層の画像データと同じ画像データを着目層の画像データとして生成する。
【0099】
ステップ206の後は、ステップ212に移行する。
【0100】
ステップ212では、変数loopが1であるか否かを判定する。ここで否定判定されると、ステップ202に戻り、1つ下の層を着目層として処理が繰り返される。一方、ここで肯定判定されると、本サブルーチンは終了し、メインルーチンも終了する。
【0101】
一方、ステップ204で、上記差ΔSが1/R以上であると判断されれば、ステップ208に移行する。
【0102】
ステップ208では、着目層の1つ上の層の画像データに膨張処理を施した画像データF(OutImg_bin(x,y,loop+1))を、着目層の画像データOutImg_bin(x,y,loop)として生成する。ここで、Fは膨張処理を示す。Fにより、1つ上の層の2次元画像を各方向にα画素ずつ膨張させた2次元画像を示す画像データが作成される。ここで、αは、上記ΔSを1画素の幅(1/R)で除算したときの商の整数部を示す。
【0103】
なお、膨張処理Fは、既存の膨張処理を用いることができる。例えば、単純な例では、2値画像を1画素太らせる処理として、図9に示すように、3*3画素の9画素をウインドウ関数として最大値フィルターをかけることで容易に実現することができる。すなわち、着目画素(x,y)の周囲8画素のうち、いずれか1画素が1(黒)であれば、着目画素を1とする。
【0104】
ステップ208の後は、ステップ210で、変数Edge_positionに上記膨張処理Fの膨張画素数αを加算して、変数Edge_positionを更新する。
【0105】
ステップ210の後は、ステップ212に移行する。ステップ212での処理は上述したとおりである。
【0106】
上述した処理により、刷版12の形状を規定する3次元構造を形成するための、各層毎の画像データ(積層画像データ)が生成される。
【0107】
なお、生成された積層画像データを保存したり転送したりする場合には、1層毎にOut_Img(x,y,n)の形で保存、転送をすることができる。また、shape関数と、積層厚さdによっては、同一の画像データを複数の層で用いる場合が考えられるが、この場合には、ランレングス符号化の圧縮方式を採用し、同一の画像データが連続する複数層の画像データを、(共通の画像データ、連続する積層数)の形式で保存してもよい。すなわち、[Out_Img(x、y),M]の形式で保存することも可能である。ここで、Mは同一データが連続する積層数である。
【0108】
さらに、上記積層画像データの生成方法によれば、各層で描画される画像データは、1つ上の層の画像データに等しい或いは1つ上の層の画像データを含む画像データとなる。また、各層における1つ上の層と比較したときの増分に重複はない。従って、各層の2値の画像データを2次元座標系(x,y)で示される各位置毎に加算した値を保存するようにしてもよい。すなわち、
【0109】
【数1】

【0110】
で表された2次元の階調データとして画像データを保持することも可能である。この方式を採用した場合、描画の際には、2値化演算を行って各層の画像データを取り出すことができる。
【0111】
[吐出データの生成]
【0112】
次に、上記生成された積層画像データに基づいて吐出データを生成する処理について、詳細に説明する。以下では、記録ヘッド72a、72bから吐出する光硬化性材料を「インク」と呼称し、タンク71aに収容され記録ヘッド72aから吐出されるインクを「インクA」、タンク71bに収容され記録ヘッド72bから吐出されるインクを「インクB」と呼称して区別して説明する。インクAとインクBとは硬化後の硬度が異なるインクとする。
【0113】
インクの具体例であるが、例えば、インクA、Bそれぞれ、重合開始剤、および重合化合物を含有するインクであって、インクAを、該重合化合物の総重量のうち、単官能重合性化合物が65重量%以上であるインク組成物を含有するインクとし、インクBを、重合化合物の総重量のうち、多官能重合成化合物が50重量%以上であるインク組成物を含有するインクとすることで、それぞれ異なる硬度のインクとすることができる。
【0114】
なお、本実施の形態では、インクAが硬度25のインク、インクBが硬度70のインクである場合を例に挙げて説明する。
【0115】
図10は、主制御部60(吐出データ生成部76)により行われる処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0116】
ステップ300では、刷版12の(紫外光による硬化後の)目標とする硬度を示す硬さ情報を取得する。硬さ情報は、予めユーザインタフェース78を介して使用者が指定しておき、主制御部60のRAMに記憶しておくものとする。吐出データ生成部76は、RAMに記憶しておいた硬さ情報を取得する。また、画像処理装置50から刷版作成装置10に送られる2次元画像データに付属する属性情報に硬さ上方を予め含ませておいてもよい。
【0117】
ステップ302では、吐出割合を決定する。具体的には、ステップ300で取得した硬さ情報と、主制御部60のROMに予め記憶されている図11に示すテーブルとに基づいて求める。例えば、硬さ情報が示す硬度が55の場合には、インクAの吐出割合を33%、インクBの吐出割合を67%と決定する。
【0118】
ステップ304では、上記ステップ302で求めた吐出割合に基づいて、ヘッドドライバ70a、70bに供給する吐出データを生成する。ここでは、1つの層を1種類のインクで形成するものとし、上記求めた吐出割合に応じて、インクAの層とインクBの層の2種類のインクの層の各々の全積層数に占める数(形成割合)を調整する。
【0119】
図12は、1つの層を1種類のインクで形成する場合であって、インクAの吐出割合を33%とし、インクBの吐出割合を67%とした場合のインクの吐出状態の一例を示す図である。インクA:インクB=1:2の割合でインクAの層とインクBの層を形成すればよいため、図12に示すように、3層を1組として、インクBの層を2層形成した後、インクAの層を1層形成する処理を繰り返して、刷版12の積層構造が形成されるようにする。
【0120】
より詳述すると、吐出データ生成部76は、1層目を形成する場合には、記録ヘッド72bからインクBのインク滴が吐出されるように、1層目の画像データから1層目の吐出データを生成してヘッドドライバ70bに供給する。次に、2層目を形成する場合には、記録ヘッド72bからインクBのインク滴が吐出されるように、2層目の画像データから吐出データを生成して、ヘッドドライバ70bに供給する。次に、3層目を形成する場合には、記録ヘッド72aからインクAのインク滴が吐出されるように、3層目の画像データから吐出データを生成して、ヘッドドライバ70aに供給する。このように最上層N層まで上記吐出割合に応じてヘッドドライバ70a、70bに対して吐出データを順に生成し、供給していく。
【0121】
なお、ここでは、インクBの層を2層形成した後、インクAの層を1層形成する処理を繰り返して、刷版12の積層構造が形成されるようにする例について説明したが、インクAの層を1層形成した後、インクBの層を2層形成する処理を繰り返して、刷版12の積層構造が形成されるようにしてもよい。いずれであっても、吐出割合は上記ステップ302で求めた吐出割合となる。
【0122】
また、インクAの層とインクBの層とがランダムに形成されるように制御してもよい。ただし、インクAの層とインクBの層の形成割合が、上記求めた吐出割合に相当するものとなるように制御することが必要である。
【0123】
このように複数種類のインクを用いて、様々な硬度の刷版12を簡易に作成することができる。
【0124】
また、ここでは、2種類のインクを用いて刷版12を作成する例について説明したが、3種類以上のインクを用いて刷版12を作成してもよい。この場合には、記録ヘッド及びインクを貯蔵するタンクを該インクの種類数分設ける。また、図11のテーブルについても、インクの種類に応じたものを記憶しておき、インクの吐出割合を上記のように求めて、上記と同様に刷版を作成する。
【0125】
上記実施の形態では、異なる種類のインク滴が吐出される2つの記録ヘッド72a、72bを用いて刷版12を形成する例について説明したが、これに限定されず、例えば、複数種類のインク滴が吐出されるように構成された1つの記録ヘッドを用いて刷版12を形成することもできる。
【0126】
図13は、4種類のインク滴が吐出されるように構成された1つの記録ヘッド72の一例を示す図である。図13に示すように、この記録ヘッド72は、1つの基板上に4つのノズル列A、B、C、Dが形成されて構成されている。また、光硬化性材料(インク)を貯蔵するタンク71A,71B、71C、71Dが、各ノズル列A〜Dの各々に対応して設けられ、各ノズル列A〜Dにインクを供給する。
【0127】
このような記録ヘッド72を用いた場合でも、上記のように様々な硬度の刷版12を作成することができる。具体的には、各タンク71A〜71Dに異なる硬度のインクを貯蔵しておき、吐出割合に応じて各インクを吐出するよう制御すればよい。
【0128】
ここで、図13に示す記録ヘッド72を用い、2種類のインクを吐出して刷版12を作成する具体例を挙げて説明する。
【0129】
まず、タンク71Aに収容されノズル列Aから吐出されるインクを「インクA」、タンク71Bに収容されノズル列Bから吐出されるインクを「インクB」とする。インクAとインクBの硬化したときの硬度は、上記と同様とする。
【0130】
そして、上記図10で示したように、ステップ300〜302で、各インクの吐出割合を求め、ステップ304で吐出データを生成し刷版12を形成する。このとき、1つの層を2種類のインクで形成するものとし、上記求めた吐出割合に応じて、2種類のインクの各層毎の吐出量を調整する。より具体的には、各層毎に2種類のインクの(各層毎の2次元画像全体の面積に対する)吐出面積率を調整する。
【0131】
図14は、1つの層を2種類のインクで形成する場合であって、インクAの吐出割合を33%とし、インクBの吐出割合を67%とした場合のインクの吐出状態の一例を示す図である。インクA:インクB=1:2の割合で吐出すればよいため、吐出データ生成部76は、図14に示すように、3ドットを1組として、インクBのインク滴を2滴吐出した後、インクAのインク滴を1滴吐出する処理を繰り返して、各層が形成されるように吐出データを生成する。このように刷版12を形成する場合には、紫外光による硬化前に2種類のインクが混合される。
【0132】
なお、ここでは、インクBのインク滴を2滴吐出した後、インクAのインク滴を1滴吐出する処理を繰り返して、各層を形成する例について説明したが、インクAのインク滴を1滴吐出した後、インクBのインク滴を2滴吐出する処理を繰り返して、各層を形成するようにしてもよい。いずれであっても、吐出割合は上記ステップ302で求めた吐出割合となる。
【0133】
また、インクAのインク滴とインクBのインク滴とがランダムに吐出されるように制御してもよい。ただし、各層毎の2種類のインク滴の吐出面積率が、上記求めた吐出割合に相当するものとなるように制御することが必要である。
【0134】
このように複数種類のインクを用いて、様々な硬度の刷版12を簡易に作成することができる。
【0135】
なお、図3に示した2つの記録ヘッド72a、72bを用いて刷版12を作成する場合であっても、各記録ヘッド72a、72b毎に吐出データを生成し、記録ヘッド72a、72bの各々のインク滴の吐出タイミングを制御することで、図14に示すような方法で刷版12を作成することも可能である。
【0136】
また、上記図12及び図14の何れの方法であっても、刷版12の場所に応じて、硬さを異ならせることも可能である。例えば、刷版12の高さに応じて2種類のインクの吐出割合を調整する。具体的には、3次元構造を予め定められた高さ以上の高層領域と該高さ未満の低層領域に2分割し、第1の領域の硬度が第2の領域の硬度より高くなるように(硬くなるように)吐出割合を調整する。また、3次元構造を高さに応じて3つ以上の領域に分けて、段階的に画線部に近い領域ほど硬度が高く(硬くする)、フロアーに近い領域ほど硬度が低くなる(やわらかくする)ような硬度分布を備えた刷版12を形成することもできる。このような構成により、摩耗等により画線部の形状が変化することを抑制でき、高い印刷品質が保持される。
【0137】
また、画線部を精細度が高い高精細領域と精細度が低い低精細領域とに分割し、高精細領域は硬度を高く、低精細領域は高精細領域より硬度が低くなるように、インクの吐出割合を調整するようにしてもよい。高精細な領域ほど印圧や摩耗等により形状が変化しやすい。従って、高精細領域の硬度を高くすることで、形状が変化することを抑制でき、高い印刷品質が保持される。
【0138】
具体的には、主制御部60で、画像処理装置50から取得した2次元画像データが示す原稿画像を複数の小領域に分割し、各小領域毎のデータにFFT(高速フーリエ変換)処理を施して空間周波数変換する。そして、原稿画像を、予め定められた周波数以上の高周波数成分の割合が予め定められた割合α以上の高精細領域及び高周波数成分の割合がα未満の低精細領域の2つに分ける。更に、高精細領域及び低精細領域の輪郭部を示すエッジ位置を保存しておく。なお、上記積層画像データの生成処理において、ステップ208の膨張処理により各領域も膨張し、下層にいくに従ってその輪郭部を示すエッジ位置が変化する場合もある。従って、各領域のエッジ位置は、各層毎に求めて保存しておく。
【0139】
そして、各層毎に該保存しておいたエッジ位置に応じて硬度を設定し、上記説明したように、高精細領域の硬度が低精細領域の硬度より高くなるように、複数種類のインクの吐出割合を調整して、各層毎に吐出データを生成し、刷版12を作成する。
【0140】
また、ここでは、領域を2つに分割し、一方の領域の硬度を高く、他方の領域の硬度がそれより低くなるように硬度を制御する例について説明したが、領域を3つ以上の領域に分けて段階的に硬度を調整するようにしてもよい。例えば、空間周波数が高い領域ほど硬度が高く、空間周波数の低い領域ほど硬度が低くなるように徐々に吐出割合を変更することもできる。
【0141】
なお、FFT処理を用いずに、下記の手法を用いて領域分割してもよい。例えば、文字や線画のように画像データが白および黒近傍にピークを有し、画像データの変化が急峻な領域を文字・線画領域として分離し、それ以外の領域、すなわち、写真などのように画像データの変化が比較的緩やかな領域を、絵・写真領域として分離する。そして、文字・線画領域の硬度が絵・写真領域の硬度より高くなるように複数種類のインクの吐出割合を調整する。
【0142】
図15は、吐出データ生成部76により行われる領域毎に硬度を調整する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0143】
ステップ400では、上記のように予め分割された各領域の硬さ情報を取得する。例えば、高精細領域及び低精細領域の各々に応じて硬度を異ならせる場合には、高精細領域及び低精細領域の硬さ情報を取得する。また、高さに応じて分割された高層領域と低層領域の各々に応じて硬度を異ならせる場合には、高層領域と低層領域の硬さ情報を取得する。硬さ情報は、予めユーザインタフェース78を介して使用者が指定しておき、主制御部60のRAMに記憶しておくものとする。また、画像処理装置50から刷版作成装置10に送られる2次元画像データに付属する属性情報に各領域の硬さ情報を予め含ませておいてもよい。
【0144】
ステップ402では、各領域の分布を示す領域情報を取得する。例えば、高精細領域及び低精細領域の各々に応じて硬度を異ならせる場合には、高精細領域及び低精細領域の分布を示す情報を取得する。また、高さに応じて分割された高層領域と低層領域の各々に応じて硬度を異ならせる場合には、高層領域と低層領域の分布を示す情報を取得する。
【0145】
ステップ404では、各領域毎の吐出割合を決定する。この処理は、各領域毎にステップ302と同様に行う。
【0146】
ステップ406では、上記ステップ402で取得した領域情報と上記ステップ404で求めた吐出割合とに基づいて、ヘッドドライバ70a、70bに供給する吐出データを生成する。なお、各インクの吐出方法は、図12で示した方法を用いてもよいし、図14で示した方法を用いてもよい。
【0147】
更に、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な設計上の変更を行うことができる。
【0148】
例えば、フレキソ印刷の版胴に刷版12を巻き付けると、刷版12の版厚の分その立体構造が歪むが、この歪みにより印刷結果が歪まないよう、予め原稿画像を示す2次元画像データに変倍処理を施して、これを元に積層画像データを生成することが好ましい。以下、この変倍処理について説明する。
【0149】
まず、フレキソ印刷装置の構成を説明し、上記刷版12を版胴に巻き付けた際に生じる歪みについて説明する。
【0150】
図16(A)は、フレキソ印刷装置48の構成例を示す構成図である。
【0151】
フレキソ印刷装置48は、表面に刷版12が巻き付けられた円筒状の版胴40と、アニロックスロール44、ドクターロール46とを備えている。アニロックスロール44は、表面にセルと呼ばれる凹凸が形成されたロールであって、版胴40に巻き付けられた刷版12表面に接触するように配設されている。アニロックスロール44のセルに保持された印刷用のインキは、版胴40に巻き付けられた刷版12に付着する。ドクターロール46は、アニロックスロール44に付着した余分なインキを除去する。
【0152】
また、フレキソ印刷装置48には、版胴40との間にニップ部を形成するよう回転自在の圧胴42が配設されている。ニップ部において版胴40に巻き付けられた刷版12に付着したインキが被印刷媒体Pに転写されることにより印刷が行われる。
【0153】
図16(B)に示すように、使用するフレキソ印刷装置48の版胴40の直径をammとし、刷版12の版厚をDmm(基材12aの厚さ含む)とする。図16(C)に示すように、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置10でa×πmmの長さの刷版12を作成して、版胴40に巻きつけると、外側部分となる画線部(図5も参照。)の円周方向の長さは、版胴40の円周(a×π)mmの長さに対して、(a+2D)×πmmの長さに伸びてしまう。
【0154】
従って、画線部の画像データに対して、版胴40の円周方向に、a/(a+2D)の倍率変換を実施して刷版12を作成する。具体的には、画像処理装置50で生成した2次元画像データが表す2次元画像の該円周方向の寸法が、a/(a+2D)倍となるように該2次元画像データに倍率変換処理を施し、該倍率変換処理後の2次元画像データに基づいて、上記実施の形態で説明した積層画像データを生成する。この倍率変換によって、フレキソ印刷時に適切な等倍精度が実現される。
【0155】
なお、実際には、版胴40に巻きつけた刷版12の伸びは、材料とフレキソ印刷装置48の仕立て(上記ニップ部における印圧など)にも影響されるため、微調整が必要になる。刷版12の形成に使用する光硬化性材料と、フレキソ印刷装置48の種類で定まる調整係数をβとして、a/(a+2βD)倍の変倍を実施することでより正確な等倍精度が実現できる。
【0156】
この変倍処理は、画像処理装置50で行ってもよいし、刷版作成装置10の主制御部60で行ってもよい。
【0157】
また、上記実施の形態では、刷版作成装置が、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置10である場合について説明したが、ドラム走査型の刷版作成装置であってもよい。
【0158】
図17は、ドラム走査型の刷版作成装置80の構成を示す図である。
【0159】
図17に示すように、刷版作成装置80は、円筒状の回転ドラム30を備えている。回転ドラム30を支持する軸32は、フレーム38に回転可能に支持されている。また、フレーム38には、キャリッジ24をx軸方向に移動可能に支持するシャフト36がz軸方向に移動可能に支持されている。
【0160】
この刷版作成装置80では、基材12aを回転ドラム30に巻き、記録ヘッド72及び光源68を搭載したキャリッジ24をシャフト36によりx軸方向に走査する。また、回転ドラム30はy軸方向に回転する。これにより、x−y平面の2次元画像が形成される。更に、シャフト36をz軸方向に移動させながら、2次元画像を複数層積層することで最終的な刷版12を形成する。
【0161】
ここで、より詳細に説明する。フレキソ刷版を作成するベースとなる基材12aを、例えば直径300mm長さ1200mmの回転ドラム30に巻きつけ固定する。固定された基材12aは、回転ドラム30の回転により例えば900rpm(round per minute)によって回転し続け、キャリッジ24に搭載された記録ヘッド72による光硬化性材料が基材12a上に吐出され続ける。
【0162】
具体的な描画方法としては、例えば、基材12aに対してx軸方向及びy軸方向にキャリッジ24を相対移動させながら1層目の2次元画像層を形成した後、キャリッジ24を再度、x軸方向及びy軸方向における起点に戻し、2層目の2次元画像層を吐出形成する、、、という処理を最上層まで繰り返して形成する方法がある。
【0163】
または、3次元構造をx軸方向に複数の領域に分割し、基材12aに対して、各領域毎に段階的に描画する描画方法でもよい。すなわち、x軸方向の一端(例えば、図17において左端)の領域にN層分の2次元画像層を積層形成し、該領域の次(図17において右側)の領域にN層分の2次元画像層を積層形成し、、、というように、キャリッジ24をステップ状に移動させ、形成領域を徐々にx軸方向の他端(例えば、図17において右端方向)へ移動させる。上記描画方式よりもキャリッジ24の移動が少ない分高速に描画できる。
【0164】
なお、上記2つの描画方式の双方を採用して刷版12を形成してもよい。例えば、後者の描画方法で描画し、最後に前者の描画方法で描画して高さを調整するようにしてもよい。
【0165】
なお、キャリッジ24には、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置10と同様に、紫外光硬化樹脂などの光硬化性材料の液滴を吐出する記録ヘッド72の他に、放射線、例えば紫外光を照射する紫外線ランプ、紫外光発光LED、など、吐出した樹脂を硬化させる光源68も搭載されている。共にx軸方向に移動するため、記録ヘッド72と液体が吐出される吐出表面との距離をどれだけ離すかによって、硬化させるまでの時間を調整することができる。
【0166】
なお、X−Y軸走査ステージ型の刷版作成装置10と同様に、キャリッジ24に、積層された層の高さを計測するレーザー変位計、2次元形状計測センサ、ラインカメラなどを搭載するようにしてもよい。このような構成により、回転ドラム30の回転とともに刷版12の高さ(厚さ)、刷版12の表面形状、表面状態を計測して、紫外光照射後の硬化結果を読取り、意図しなかった形状、高さに不足が見られる場合には補正しながら積層を連続するようにしてもよい。
【0167】
ドラム走査型の刷版作成装置80は、フレキソ刷版として印刷の際に版胴40に巻かれる曲率半径と同じ曲率半径に始めから積層形成することができる。X−Y軸走査型の刷版作成装置10では、平面上に2次元画像を積層して厚みのある刷版12を作成するが、前述したように、版胴40に該作成した刷版12を巻くと、版厚の分、必然的にその立体構造が歪む。これに対して、ドラム走査型の刷版作成装置80は、巻かれた状態でその積層された形状を計測しながら、吐出積層して行くので、形状、高さに不足がある場合は、実際に印刷に使用する場合を想定して、補正しながら、2次元画像を積層した版を作成して行くことができる。吐出積層が完了した際には、曲率を有した状態で硬化する。従って、ドラム走査型の刷版作成装置80で積層形成した刷版12は、そのまま労力を必要とせずにフレキソ印刷用の版胴40にセットして、固定できる。
【0168】
また、上述した実施の形態では、画像処理装置50から2次元画像データを取得して刷版作成装置10の主制御部60(積層画像データ生成部74)で、積層画像データを生成する例について説明したが、画像処理装置50に積層画像データ生成部74の機能を設け、画像処理装置50側で積層画像データを生成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0169】
10 刷版作成装置
12a 基材
12 刷版
48 フレキソ印刷装置
50 画像処理装置
60 主制御部
68 光源
72、72a、72b 記録ヘッド
74 積層画像データ生成部
76 吐出データ生成部
80 刷版作成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化後の硬度が異なる複数種類の光硬化性材料の液滴を吐出することが可能な液滴吐出手段から光硬化性材料の液滴を吐出し、光を照射することで硬化させることを繰り返すことにより2次元画像の層を2層以上積層して形成するフレキソ印刷用刷版を作成する場合に、目標とする硬度または目標とする硬度分布を備えたフレキソ印刷用刷版が作成されるように、前記複数種類の光硬化性材料の液滴の吐出割合を調整する刷版作成方法。
【請求項2】
1つの層を1種類の光硬化性材料で形成し、互いに異なる光硬化性材料から形成される複数種類の層の各々の個数を調整することにより、前記吐出割合を調整する
請求項1に記載の刷版作成方法。
【請求項3】
1つの層を前記複数種類の光硬化性材料で形成し、各層における前記複数種類の光硬化性材料の各々の吐出量を調整することにより、前記吐出割合を調整する
請求項1に記載の刷版作成方法。
【請求項4】
光硬化性材料を吐出する基材表面からの高さが高い部分ほど硬度が高くなるように前記吐出割合を調整する
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の刷版作成方法。
【請求項5】
前記フレキソ印刷用刷版の最上層に形成される2次元画像を示す画像データを複数の領域のデータに分割して、各領域にデータ対して空間周波数変換処理を行い、予め定められた周波数以上の高周波数成分の割合が予め定められた割合以上の領域に対応する部分が、該高周波数成分の割合が予め定められた割合未満の領域に対応する部分より硬度が高くなるように前記吐出割合を調整する
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の刷版作成方法。
【請求項6】
硬化後の硬度が異なる複数種類の光硬化性材料の液滴を吐出することが可能な液滴吐出手段と、
前記複数種類の光硬化性材料を硬化させる光を照射する光照射手段と、
前記液滴吐出手段から光硬化性材料の液滴を吐出し、前記光照射手段により光を照射することで硬化させることを繰り返すことにより2次元画像の層を2層以上積層して形成するフレキソ印刷用刷版を作成する場合に、目標とする硬度または目標とする硬度分布を備えたフレキソ印刷用刷版が作成されるように、前記複数種類の光硬化性材料の液滴の吐出割合が調整されるように前記液滴吐出手段を制御する制御手段と、
を有する刷版作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−221556(P2010−221556A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71940(P2009−71940)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】