説明

削岩時の方法及び装置

削岩用穿孔装置(2)に用いるスラックオフ装置(24)。削岩用穿孔装置(2)は、ネジ継手によってドリルストリング(10)を連結するようにされた削岩機(4)を備えている。ドリルストリング(10)は、ネジ継手によって互いに連結するようにされた任意の数の穿孔ロッド(12、14、16)を備えている。また削岩用穿孔装置(2)は、ドリルストリング(10)を順方向に回転させたり逆方向に回転させたりする駆動装置を備えている。スラックオフ装置(24)は、ドリルストリング(10)を締付けるように構成した締付け装置(25)と、ドリルストリング(10)の逆方向回転中に前記ネジ継手の任意の第1のネジ継手(32)を、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主として75°〜105°の角度で打撃するように構成した別個の打撃装置(33)とを有し、ネジ緩め回転方向において、ドリルストリング(10)において押圧トルクが得られ、第1のネジ継手(32)を緩めるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩用穿孔装置に使用するスラックオフ装置、削岩用穿孔装置、及び特に削岩時における穿孔ロッドのスラックオフを簡単化するようにした、穿孔装置で削岩する際のネジ継手のスラッキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穿孔ロッドは、通常一端に雄ネジを備え、他端に雌ネジを備えたロッドである。通常の穿孔ロッドは長さ6mであるが、約10mまでのばすことができる。穿孔ロッドにおける雄ネジをネジ継手により隣接した穿孔ロッドにおける雌ネジに捩じ込むことによって連結される多数の穿孔ロッドは、通常50m〜100mの長さのドリルストリングを形成する。ドリルストリングの一端部には、ビットが設けられ、打撃し回転しながら岩盤に穿孔する。ドリルストリングの他端部はシャンクアダプタを介して駆動装置に連結される。動作時にはドリルストリングは、ドリルストリングの突出する穿孔装置に設けられる駆動装置によって打撃し回転される。ドリルストリングの殆どが岩盤内へ穿孔していくと、ドリルストリングは、シャンクアダプタからドリルストリングをスランキングし、そしてシャンクアダプタ及びドリルストリングの他端部に別の穿孔ロッドを捩じ込むことにより、一度に一本の穿孔ロッド分長くされる。
【0003】
ドリルストリングに高いトルクを掛けて穿孔する際には、ドリルストリングのネジ継手はしばしば強く締付けられる。これらのトレッド継手をスラッキングできるようにするために、打撃装置は、穿孔作業の完了後、スランキングすべき第1のトレッド継手すなわちシャンクアダプタを最も近接した穿孔ロッドに連結するネジ継手を振って緩めるように軸線方向にドリルストリングに打撃を加え続けるようにできる。これにより穿孔装置、送りビーム、削岩機及び穿孔スチールに大きな負荷がかかることになる。さらに、シャンクアダプタに最も近い穿孔ロッドがスラックオフすることは確かではないが、岩盤内にある別のロッド継手がスラックオフする。従って、特に穿孔すなわち穿孔が岩盤に対して下向きに行われ、ドリルストリングが重力の影響を受ける場合に、ドリルストリングの部品が失われる危険がある。これは、ドリルストリングをスラックオフするために逆回転時に大きなトルクを必要とする時間の無駄となる作業である。
【0004】
WO0201041には、穿孔装置において穿孔鋼における継手を緩める方法が記載されている。スラッキング時に、穿孔鋼及び継手において打撃装置からの圧力は前述のように穏かな軸方向衝撃を受ける。穿孔鋼は回転と同期して保持される。
【0005】
WO03/033858には、打撃ヘッドを備えた打撃装置が示されており、かかる打撃装置は、スラッキングオフ時に二つの連結した穿孔ロッド間のトルクを低減するようにされる。打撃装置は、手動で回されて穿孔ロッドを緩めるようにし、また作業者が穿孔ロッドのまわりに手動で締付けるようにされる。打撃装置は連結した穿孔ロッドのまわりに二つの直径上異なる方向から締付ける。この操作は、コイルバネによって打撃装置における各打撃ヘッドに対して連結した穿孔ロッドに押圧する打撃装置におけるトランスファーアームによって行われる。打撃ヘッドすなわち締付けポイントの一つは、継手に対して又は継手に近接して半径方向打撃力で打撃し、継手における変形により生じる張力を低減する。穿孔鋼は相対的に回転され、それにより取外される。これは、手動で取り扱われなければならない複雑な装置である。さらに、締付けポイントの一つが打撃ポイントであるので、安定性を達成するのは困難であり、このことは、打撃ヘッドが戻り工程にある時に及び新たな打撃がなされるまで、締付け力が減少することを意味している。このことはまた、特に穿孔作業が岩盤に対して下向に行われ、重力の影響を受ける場合に、ドリルストリングの部品が落下する危険を意味している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、単純であり、安定性が高く、しかも自動化に適しているスラックオフ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、岩盤の穿孔する穿孔装置に用いるスラックオフ装置によって達成される。穿孔装置は、ネジ継手によってドリルストリングを連結するようにされる削岩機を備えている。ドリルストリングは任意の数のドリルロッドから成り、これらのドリルロッドはネジ継手によって互いに連結するようにされる。穿孔装置はまたドリルストリングを順方向及び逆方向に回転させる駆動装置を備えている。スラックオフ装置は、ドリルストリングを締付けるように構成した締付け装置と、逆回転において前記ネジ継手の任意の第1のネジ継手において主として75°〜105°の長手方向に向かう角度で打撃するようにされた別個の打撃装置とを備え、第1のネジ継手のスラッキングを行うようにネジを緩める回転方向においてドリルストリングにおける押圧トルクが得られる。
【0008】
本発明によれば、この目的はまた、岩盤の穿孔する穿孔装置によって達成される。この穿孔装置は、ネジ継手によってドリルストリングを連結するようにする削岩機を備えている。ドリルストリングはまた、任意の数のドリルロッドから成り、これらのドリルロッドはネジ継手によって互いに連結するようにされる。穿孔装置は、ドリルストリングを順方向及び逆方向に回転させる駆動装置及び前記の特徴をもつスラックオフ装置を備えている。
【0009】
本発明によれば、この目的はまた、ドリルストリングにより岩盤に穿孔している際にネジ継手を緩めるスラッキング方法によって達成される。該方法は、締付け装置によってドリルストリングを締付け、スラッキングすべき第1のネジ継手の領域でドリルストリングに打撃装置で打撃し、そしてドリルストリングをトレッドスラッキング回転方向に動かすことを含む。
【0010】
スラックオフ装置は締付け装置及び別個の打撃装置を備えているので、締付け装置は一つの位置でドリルストリングのまわりを締付け、そして打撃装置は別の位置においてドリルストリングに打撃する。このことは、ネジ継手をスラックオフするためドリルストリングを打撃する際の安定性が高められ、装置が相対的に単純でありかつ自動化に十分に着て往されると同時に、ドリルストリングの落下の危険が減少されるということを意味している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の複数の実施形態について以下説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明による削岩用穿孔装置2を示している。穿孔装置2は削岩機4を備え、削岩機4は、通常の仕方で少なくとも送りビーム8に沿って可動であるキャリジ6に設けられている。従って削岩機4は送りビーム8に沿って順方向及び逆方向に可動である。
【0013】
削岩機4にはドリルストリング10が連結される。ドリルストリング10は任意の数のドリルストリング12、14、16から成っている。代表的なドリルロッドは長さ6mであるが、より短くても約10mまでのばしてもよい。代表的なドリルストリングの直径は約38〜87mmである。ドリルストリング10はまたその一端にシャンクアダプタ18を備え、他端にはドリルビット20を備え、さらに中間にはドリルストリング12、14、16が設けられている。シャンクアダプタ18の一端は、削岩機4に連結され、またその他端はネジ継手においてドリルロッド12に連結されている。ドリルストリング12、14、16はネジ継手により互いに連結するように構成されている。各ドリルストリング12、14、16はその一端に雄ネジを備え、また他端には雌ネジを備え、それで各ドリルロッドは一側においてそれの雄ネジと別のドリルロッドの雌ネジとで互いに連結され、また他側ではそれの雌ネジと別のドリルロッドの雄ネジとで互いに連結され得る。ドリルロッド16の他端には、ドリルビット20がネジ継手において連結されるように構成されている。岩盤21内にドリルストリングの殆ど全てが穿孔すると、ドリルストリング10は、岩盤内へより深く穿孔し続けることができるようにのばされる。この操作は、シャンクアダプタ18でドリルストリング10をスラックオフし、そして別のドリルロッドをドリルストリング10及びシャンクアダプタ18にネジ込むことにより一度に一本のドリルロッドで行われる。これは、ドリルストリングが普通約50mの長さから約100mの長さまでのばし得ることを意味している。先行作業が完了すると、ドリルロッドは一度に一回スラッキングされる。ある共通の仕方では、ドリルロッド12をシャンクアダプタ18に連結するトレッド継手がまずスラッキングされ、続いて容易にスラッキングできる必要のある小さなトルクで締付けられる。その後、ドリルロッド12をドリルロッド14と連結する継手は送られそしてスラッキングされ、その後シャンクアダプタ18とドリルロッド14を接合する継手がスラッキングされて、ドリルロッド12を外すことができる。その後、シャンクアダプタ18は、容易にスラッキングできる必要のある小さなトルクでドリルロッド14に捩じ込まれ、ドリルロッド14とドリルロッド16との間のネジ継手は、スラッ九できるように前方向へ送られる。穿孔作業時にドリルストリングを案内するために、送りビーム8の前方端部に少なくとも一つのドリル支持体22が設けられ、このドリル支持体22は穴23を備え、図2a参照、この穴23を通ってドリルストリング10がのびるようにされている。削岩機4は、ドリルストリング10の長手方向にドリルストリング10を打撃する打撃装置(図示していない)及びドリルストリング10を順方向及び逆方向に回転駆動する駆動装置(図示していない)を備えている。穿孔作業時の通常の回転速度は50r.p.m.である。可動キャリアに設けられた穿孔装置は例えば掘削装置(図示していない)である。作業者は、例えば掘削装置に設けた制御パネルによって穿孔作業を制御でき、或いは地下の穿孔時には穿孔装置に設けたビデオカメラによって撮影した穿孔装置2を示す制御パネル2による視覚スクリーンを用いて地上の制御パネルから、又は別の適当な場所における制御パネルから遠隔制御によって案内できる。
【0014】
ネジ継手のスラックオフ操作は、ドリルロッド14、16、18を追加してドリルストリング10をのばす際及びドリルストリング10のドリルロッド14、16、18を外して穿孔作業を終了する際の両方において行われる。ネジ継手のスラックオフ操作を容易にするために、削岩機4は、図2aに示す本発明によるスラックオフ装置24を備えている。
【0015】
スラックオフ装置24は、締付け装置25を備え、この締付け装置25は穿孔装置2に適当な仕方で、例えば図2aに示すようにドリル支持体22の近傍に又はドリル支持体22上に、送りビーム8の近傍に又は送りビーム8上に、設けられる。適当な種類のものであり得る締付け装置は例えば、少なくとも一つのコレットジョーを備えることができる。図2aの実施形態では、締付け装置装置25は二つのコレットジョー26、27を備えており、各コレットジョー26、27は、V字型の輪郭をもつ締付け領域を備えているが、この輪郭はまた、例えばU字型でもよく、或いはドリルストリング10のまわりの良好な把持をもたらす別の外形でもよい。コレットジョー26、27は、例えばそれぞれのシリンダ28、29に設けられ得、各シリンダ28、29は、ドリル支持体22に好ましくは穴23に近接して設けたホルダー30、31を通ってのびている。コレットジョー26、27は、穴23の各側の適当な位置に、例えば互いに対向して設けられ、それで穴23を通るドリルストリング10に向かって主として半径方向内方へ動いてドリルストリング10を締付けるようにされ得る。ドリルストリング10は有利には、スラッキングされることになる第1のネジ継手32に近接して締付けられ得る。締付け装置25は、適当な仕方、例えば空気圧で又は液圧で制御され、これは、ソフトウエアによって、作業者が制御パネルを用いて或いは別の仕方で自動的に行われ得る。
【0016】
スラックオフ装置24はまた、打撃装置33を備え、この打撃装置33は、ネジ継手を緩めることができるようにするために、ドリルストリングに加える必要のあるトルクを低減する目的で、ドリルストリングに打撃を加えるように構成されている。ネジ継手に打撃を加えることにより、該トルクは約10000Nmから約3000〜4000Nmへ低減する。有利には、打撃装置33はスラッキングされることになる第1のネジ継手32の近くを、特に第1のネジ継手32を打撃する。打撃装置33は適当な種類のもの、例えばハンマー35、ハンマードリル、打撃装置、打撃力を発生する偏心体でもよい。打撃装置33は穿孔装置2に適当な位置に、例えば送りビーム8の前端部に、ドリル支持体22又は送りビームに関連して、或いは別の仕方で、設けられる。
【0017】
打撃装置33は、例えばドリル支持体22にネジ留めされ得、或いはドリル支持体22に組込まれ得る。図2aには一つの実施形態を示し、シリンダ37内にハンマー35が設けられ、ハンマー35の動きをシリンダ37で案内するようにしている。ハンマー35は、ドリルストリング10の長手方向に向かって主として75°〜105°、好ましくは85°〜95°の角度で第1のネジ継手32に打撃を加えるように構成されている。打撃装置33は例えば一打撃当たり20〜200ジュール、好ましくは一打撃当たり100ジュールの打撃エネルギー及び5Hz以上、好ましくは10Hzの打撃振動数で打撃し得る。打撃装置33は、適当な仕方、例えば空気圧又は液圧で制御され、これは、ソフトウエアによって、作業者が制御パネルを用いて或いは別の仕方で自動的に行われ得る。
【0018】
ドリルロッドのネジを緩める際にドリルストリングを保持し、またドリルストリング10を締付け、そして打撃が加えられる際に安定性を得るために、打撃装置33は締付け装置25から分離している。すなわちコレットジョー26、27のいずれも締付け及び打撃の両方を行うことはない。代わりに、締付け装置25は6ドリルストリング10をある位置に締付け、それでドリルストリングは、打撃中安定に保持され、外れ落ちる危険にはない。打撃装置33は別の位置でドリルストリング10に打撃を加える。締付け装置25は好ましくは、取外されることになるロッドに隣接したロッドのまわりを締付け、それで締付け装置25はドリルストリング10を保持でき、従ってドリルストリング10は、スラッキングしたドリルロッドを外しながら、穿孔内の元の位置へ戻ることはない。有利には、打撃装置33は雌ネジをもつドリルロッドの継手に打撃を加える。打撃装置33と締付け装置25とが共動する仕方の一例は図2bに示され、コレットジョー26、27は、有利には第1のネジ継手32に隣接して矢印38、39で示す力によってドリルストリング10を締付け、ハンマー35は矢印40で示す動きにより第1のネジ継手32に打撃する。締付け装置25はドリルストリング10の直径上相対した側部においてドリルストリング10に対して主として半径方向に締付け、また打撃装置33は有利には、ドリルストリング10の長手方向に向かって特に主として90°の角度で第1のネジ継手32に打撃を加える。締付け装置25及び打撃装置33は好ましくは、二つの装置が共にネジ継手領域、すなわちネジ継手のある領域及び該ネジ継手に隣接した領域においてドリルストリング10を締付けかつ打撃を加え、好ましくは打撃装置が第1のネジ継手32に打撃を加えるスペースを残してすなわちネジ継手32に近接するように第1のネジ継手32に近接してドリルストリング10を締付け得るように構成される。締付け装置25及び打撃装置33は、異なる仕方で共動してもよく、例えば締付け方向及び打撃方向は図2aに示すように主として互いに垂直であってもよく、或いは図2bに示すように打撃方向が一方のコレットジョー26の運動方向と平行であってもよく、さらには別の適当な仕方で締付け装置25及び打撃装置33を共動するようにしてもよい。ドリルストリング10に対する打撃時には、第1のネジ継手32をスラッギングオフするために、ドリルストリングに対してネジスラッキング(緩め)回転方向に約3000〜4000Nmのトルクが加えられる。このトルクの大きさは、穿孔時にはネジ継手に実際に相当な締付け作用を生じさせる大きなトルクがドリルストリングに加わるので、穿孔作業の完了後に、必要となる。ドリルストリング10をのばす際、すなわちドリルストリングが比較的短い穿孔時間中に相当に締付けられた時には、上記より幾分低いトルクが必要とされる。スラッキングオフの場合のトルクは例えば図2bに矢印42で示すようにドリルストリング10を逆回転方向に駆動装置で駆動することによって得られる。
【0019】
結局、穿孔時に別のドリルロッドでのばすためにドリルストリング10のスラッキングオフ時に、又は穿孔作業の完了後に長いドリルストリングにおけるネジ継手がスラックされることになる時すなわち多数の連結したドリルロッド12、14、16が分解される時には、ドリルストリング10は有利にはネジ継手の領域内に位置され、すなわち締付け装置25によりスラックされることになる第1のネジ継手32に近接してドリルストリング10を締付ける。そして打撃装置33は好ましくは、ドリルストリング10の同時逆回転によりスラックされることになる第1のネジ継手32に打撃を加える。スラッキングオフ装置24は適当な仕方、例えば空気圧又は液圧で容易に制御され得る。
【0020】
図2aには、本発明によるスラッキングオフ装置24の一実施形態が水力学によって制御される。液体タンク44及び液圧ポンプ46によって液体は液圧係内を循環される。
【0021】
弁48は打撃装置33を制御する。静止状態では、打撃装置33が打撃していない時には弁は図2aに示す位置すなわち位置50にある。液圧流体は矢印52に沿って循環し、ハンマー35をドリルストリング10から離れた位置におく。ハンマー35がまさに打撃しようとする際には、弁48は位置54へ向かって右方へ動かされ、液体が矢印56に沿って循環され、ハンマー35をドリルストリング10へ案内し、その後弁48は位置50へ向かって左方へ戻され、それによりハンマー35は再びドリルストリング10から離れる方向へ動かされる。弁48は、ハンマーに所望の打撃振動数でドリルストリング10に対して打撃を加えさせるような振動数で位置50、54の間で前後に動かされる(上記参照)。ハンマーがまさに打撃を止めようとする時には、弁は静止位置50に位置され、ハンマーをドリルストリング10から離れさせる。
【0022】
弁58は締付け装置25を制御する。静止位置60では、締付け装置25には液体は循環しない。この状態は図2bに示されている。ドリルストリング10を締付けるために、弁60は位置62に向かって右方へ動かされる。それにより矢印64、65の方向に沿って液圧流体が循環し、コレットジョー26、27をドリルストリング10に当接させ、ドリルストリングを締付ける。ドリルストリング10からコレットジョー26、27を外す際には、液圧流体は矢印67、68の方向に沿って循環し、コレットジョー26、27をドリルストリング10から離れさせ、ドリルストリング10を緩める。その後弁58は静止位置60へ戻され得る。
【0023】
弁48、58は信号によって、例えば操作者によって操作される制御パネルからの電気信号及びソフトウエアによって、或いは別の適当な仕方で制御される。本発明の別の実施形態では、スラッキングオフ装置24は空圧によって簡単な仕方で制御されるが、空気に代えて液圧流体が用いられる。
【0024】
これは、削岩時におけるドリルストリングのネジ継手をスラックオフする簡単で安定した解決法を提供する。
【0025】
上記の実施形態は、単に例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。当業者に明らかなように、本発明の範囲及び意義から逸脱することなしに、上記の実施形態に対して種々の変更がなされ得る。本発明の範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、代わりに特許請求の範囲と同等のものとして見做されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による削岩用穿孔装置の概略側面図。
【図2a】流体力によってスラックオフ装置をどのように制御するかを示す制御系を備えた本発明によるスラックオフ装置の斜視図。
【図2b】本発明によるスラックオフ装置の概略側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩用穿孔装置(2)に用いるスラックオフ装置(24)であって、削岩用穿孔装置(2)が、ネジ継手によってドリルストリング(10)を連結するようにされた削岩機(4)を備え、前記ドリルストリング(10)が、ネジ継手によって互いに連結するようにされた任意の数の穿孔ロッド(12、14、16)を備え、また前記削岩用穿孔装置(2)が、ドリルストリング(10)を順方向に回転させたり逆方向に回転させたりする駆動装置を備えているスラックオフ装置において、
ドリルストリング(10)を締付けるように構成した締付け装置(25)と、
ドリルストリング(10)の逆方向回転中に前記ネジ継手の任意の第1のネジ継手(32)を、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主として75°〜105°の角度で打撃するように構成した別個の打撃装置(33)と
を有し、
ネジ緩め回転方向において、ドリルストリング(10)において押圧トルクが得られ、第1のネジ継手(32)を緩めるように構成したこと
を特徴とするスラックオフ装置。
【請求項2】
締付け装置(25)が、ドリルストリング(10)に向かって主として半径方向に締付けることを特徴とする請求項1に記載のスラックオフ装置。
【請求項3】
打撃装置(33)の打撃運動及び締付け装置(25)の半径方向締付け方向が主に互いに垂直であることを特徴とする請求項1に記載のスラックオフ装置。
【請求項4】
締付け装置(25)が、二つの相対したサイドコレットジョー(26、27)を備え、各コレットジョー(26、27)が締付け領域を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスラックオフ装置。
【請求項5】
締付け領域の外形がV字形又はU字形であることを特徴とする請求項4に記載のスラックオフ装置。
【請求項6】
締付け装置(25)が、空気圧又は油圧で制御されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスラックオフ装置。
【請求項7】
打撃装置(33)がハンマー(35)で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のスラックオフ装置。
【請求項8】
打撃装置(33)が、空気圧又は油圧で制御されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のスラックオフ装置。
【請求項9】
打撃装置(33)が、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主に85°〜95°の角度で打撃することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のスラックオフ装置。
【請求項10】
打撃装置(33)が、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主に90°の角度で打撃することを特徴とする請求項9に記載のスラックオフ装置。
【請求項11】
打撃装置(33)が、一打撃当たり20〜200ジュールの打撃エネルギーで打撃することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のスラックオフ装置。
【請求項12】
ネジ継手によってドリルストリング(10)を連結するようにされた削岩機(4)を有し、前記ドリルストリング(10)が、ネジ継手によって互いに連結するようにされた任意の数の穿孔ロッド(12、14、16)を備え、またドリルストリング(10)を順方向に回転させたり逆方向に回転させたりする駆動装置を有する削岩用穿孔装置(2)において、
請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のスラックオフ装置を有すること
を特徴とする削岩用穿孔装置。
【請求項13】
少なくとも一つの送りビーム(8)と、送りビーム(8)に設けられた少なくとも一つの削岩機支持部材(22)とを有し、送りビーム(8)に沿って削岩機(4)が可動であり、また削岩機支持部材(22)に締付け装置(25)が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の削岩用穿孔装置。
【請求項14】
打撃装置(33)が削岩機支持部材(22)に設けられていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の削岩用穿孔装置。
【請求項15】
締付け装置(25)が、ネジ継手の一つに近接してドリルストリング(10)を締付けるように構成されていることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれか一項に記載の削岩用穿孔装置。
【請求項16】
締付け装置(25)によってドリルストリング(10)を締付け、
スラッキングすべき第1のネジ継手(32)の領域でドリルストリング(10)に打撃装置(33)で打撃し、
ドリルストリング(10)をトレッドスラッキング回転方向に動かすこと
を特徴とする請求項12〜請求項15のいずれか一項に記載の削岩用穿孔装置(2)による削岩時におけるネジ継手のスラッキング方法。
【請求項17】
ドリルストリング(10)に対して主に半径方向に締付け装置(25)が締付けることを特徴とする請求項16に記載のスラッキング方法。
【請求項18】
打撃装置(33)の打撃運動及び締付け装置(25)の半径方向締付け方向が主に互いに垂直であることを特徴とする請求項17記載のスラッキング方法。
【請求項19】
打撃装置(33)が、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主に85°〜95°の角度で打撃することを特徴とする請求項16〜請求項18のいずれか一項に記載のスラッキング方法。
【請求項20】
打撃装置(33)が、ドリルストリング(10)の長手方向に向かって主に90°の角度で打撃することを特徴とする請求項19に記載のスラッキング方法。
【請求項21】
打撃装置(33)が、一打撃当たり20〜200ジュールの打撃エネルギーで打撃することを特徴とする請求項16〜請求項20のいずれか一項に記載のスラッキング方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2009−516110(P2009−516110A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541106(P2008−541106)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001264
【国際公開番号】WO2007/055637
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(398056193)アトラス コプコ ロツク ドリルス アクチボラグ (66)
【Fターム(参考)】