剛毛が本体に射出成形された化粧用ブラシ
【課題】射出成形されたプラスチックピースとして構成され、特にマスカラブラシあるいはヘアカラーリング用ブラシである化粧用ブラシを提供する。
【解決手段】化粧用ブラシは、本体5と、複数の剛毛2とを有し、本体から突き出ており、この剛毛部分を用いて化粧用製品に使用する。剛毛の一部分は、本体に対して一体接合されている第1剛毛6を形成し、第1剛毛は、本体と同じ第1プラスチック材から成る。第2剛毛7は、第1剛毛とは異なって本体に対し接合されている。本体は、貫通孔を備えている本体壁を有し、第2剛毛は、本体壁面に配置されている接合材9によって互いに一体接合され、貫通孔を介して延び、本体と接合材とが、互いに直接隣り合い、互いに粘着して接合されている。本体は、中空円柱の形状で、柄延長片3に対して一体接合されて構成される。第2剛毛は、第1剛毛より柔らかい。
【解決手段】化粧用ブラシは、本体5と、複数の剛毛2とを有し、本体から突き出ており、この剛毛部分を用いて化粧用製品に使用する。剛毛の一部分は、本体に対して一体接合されている第1剛毛6を形成し、第1剛毛は、本体と同じ第1プラスチック材から成る。第2剛毛7は、第1剛毛とは異なって本体に対し接合されている。本体は、貫通孔を備えている本体壁を有し、第2剛毛は、本体壁面に配置されている接合材9によって互いに一体接合され、貫通孔を介して延び、本体と接合材とが、互いに直接隣り合い、互いに粘着して接合されている。本体は、中空円柱の形状で、柄延長片3に対して一体接合されて構成される。第2剛毛は、第1剛毛より柔らかい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用ブラシに関するものであり、より具体的にはマスカラブラシ又はヘアカラーリング用ブラシに関する。このブラシは、本体と複数の剛毛とを有する剛毛部分を備え、この複数の剛毛は本体から突き出ており、この複数の剛毛を使って化粧用製品を塗布することが可能である。
【背景技術】
【0002】
このタイプの化粧用ブラシは、例えば特許文献1で開示されている。化粧用ブラシのこの実施例では、本体と全剛毛とが、互いに一体接合されている。例えばポリエチレンのような弾性のある柔らかいプラスチック材から成る。本体と、この本体に射出成形されている剛毛とは、ワンコンポーネント射出成形工程を用いて製造される。
【0003】
特許文献2では、改善された製造方法が開示され、化粧用ブラシにも用いることが可能である。この方法は、2ステップ工程であり、2種類のプラスチック材が用いられている。この射出成形工程は、2K方法とも呼ばれる。1つの変形方法では、最初に、本体が堅固な中空円柱状構造として製造され、第2ステップで、溶融状態のプラスチック材が、最初に製造された本体の中空空間の中へ高圧のもとで追加射出される。射出圧力が高いため、溶融された第2プラスチック材が、中空の本体の壁を介して飛び出て、放射状に突き出ている剛毛の凹部に延びる。この方式で、本体が第1プラスチック材から成り、剛毛が第2プラスチック材から成る、大変に有益な化粧用ブラシを製造することが可能である。この製造方法は、実際に有効であると証明されている。この方法で製造された化粧用ブラシは、大変優れた性能特性を有する。
【0004】
他の化粧用ブラシが、特許文献3〜8から知られている。
【0005】
それにもかかわらず、このような化粧用ブラシへのユーザの要望と要求は、大きくなり続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE2559273
【特許文献2】EP1507640B1
【特許文献3】WO2006/130643A2
【特許文献4】EP1070466A2
【特許文献5】EP1475013A1
【特許文献6】EP1602300A1
【特許文献7】WO2007/146212A1
【特許文献8】EP0038524A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、さらに改善された性能特性を有する、最初に述べたタイプの化粧用ブラシを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を満たすために、請求項1の特徴に従う化粧用ブラシについて述べる。本発明に従う化粧用ブラシでは、剛毛部分が、本体に対し一体となって接合されている第1剛毛を形成し、この第1剛毛は、本体と同じ第1プラスチック材から成る。本発明に従う化粧用ブラシの他の剛毛部分は、第2剛毛を形成し、この第2剛毛は、第1剛毛とは異なる方式で本体に対し接合されている。本体は、貫通孔を備えている本体壁を有し、第2剛毛は、接合材を用いて互いに一体となって接合され、この接合材は、第2剛毛から離れて対向している本体壁面上に配置され、貫通孔を介して延び、本体と接合材とは、互いに直接隣り合って配置され、互いに粘着方式で接合されている。本体は、中空円柱の形状で、柄延長片に対し一体接合されて構成される。第2剛毛は、第1剛毛より柔らかくかつ曲げやすい。この化粧用ブラシは、射出成形されたプラスチックピースとして構成される。
【0009】
従って、本発明に従う化粧用ブラシでは、2種類の剛毛タイプが供給される。特に第1剛毛が本体に対し一体となって射出成形されるのに対して、これは第2剛毛にとってはこの方式に当てはまらない。ここでは、本体に対する一体接合は成されない。第1剛毛と第2剛毛とは、通常の射出成形工程の異なる工程ステップで製造されるのが好ましく、異なる性質を有する。各剛毛タイプは、1つあるいは複数の性能特性を目標とする方式で最適化することができる。従って、例えば、本体に対して永久にかつ一体として接合される第1剛毛は、完全に初期の乱雑状態にあるまつ毛あるいは髪の毛を、特に優れてかつ効率的に最初に取扱うために構成されることが可能である。最初の取扱いの枠内で、特にまつ毛あるいは髪の毛の部分分けが行われる。他方で、より柔らかい第2剛毛は、例えば、最初の取扱いの枠内で、予め分離あるいは区分されたまつ毛あるいは髪の毛を、特に優れてかつ効率的に続けて取扱うために構成される。後続の取扱いの枠内で、まつ毛あるいは髪の毛を梳かすことと、まつ毛あるいは髪の毛に化粧用製品をコーティングあるいは塗布することと同様に、特にまつ毛あるいは髪の毛を一層分離させかつ目立たせることが行われる。従って、本発明に従うブラシは、従来技術を超えて改善された性能特性によって特徴づけられる。
【0010】
第2剛毛は、特に、特許文献2に従う従来技術で述べられている製造方法によって製造され、本体壁を介して射出される。この結果、第2剛毛が互いに特に良く粘着することにもなる。従って、本発明に従う化粧用ブラシは、2つのコンポーネント部分から成り、好ましくは2種類のプラスチック材から成るとしても、均質な射出成形されたプラスチックピース、すなわち特に1つだけの通常工程の枠内で製造されるコンポーネントである。これは、2つのコンポーネント部分の間で、すなわち、例えば本体と接合材との間でも強固に粘着(adhesive)接合されることから何よりも明らかである。
【0011】
本発明に従う化粧用ブラシの有益な構成は、請求項1の従属項の特徴から明らかになるだろう。
【0012】
好適実施例に従うと、第2剛毛は、本体に対して堅固に接着(bonded)、あるいは摩擦により、あるいは形状に合わせて接合される。これは、化粧用ブラシの寿命期間を通じて本体と第2剛毛との間に確実な接合を供給する。
【0013】
もう1つの好適実施例に従うと、第2剛毛は、第1プラスチック材とは異なる第2プラスチック材から成る。この第2プラスチック材は、特に、第1プラスチック材より柔らかく曲げやすい、及び/又は、第1プラスチック材よりショア硬さが低い。異なる材料を選択することにより、両剛毛タイプの特性を、各役割、つまり、例えば第1剛毛が最適の区分効果をもたらす一方、第2剛毛が最適の分離行為、かつ梳かす行為、かつ塗布行為に対して特に有効に適合することができる。可能な限り化粧用製品を適用可能にするために、第2剛毛が、第1剛毛より柔らかくかつ曲げやすく構成されると有利である。このことが、相当する柔らかい材料によって達成され得る一方、また適切な形状と大きさとによって達成され得る。よって、第2剛毛は、例えば第1剛毛より細いあるいは薄い大きさにされることも好ましい。そして、第2剛毛は、第1剛毛より柔らかく曲げやすい動作をも有する。従って、第1剛毛は特に硬い剛毛であり、他方第2剛毛は柔らかい剛毛である。両剛毛タイプの材料用には、特にA40からA90、又はD30からD80のショア硬さが適切であり、第1剛毛の材料のショア硬さは、第2剛毛の材料のショア硬さより大きい方が好ましい。
【0014】
もう1つの好適実施例に従うと、第2剛毛は、夫々、外側に、すなわち特に第2剛毛のフリー剛毛エッジの方へ、鋭くテーパー状をしている、1°から5°、特に約4°の円錐角である円錐形状を有する。第2剛毛のこの円錐形状は、一方では塗布行為にとって好都合であり、他方で、このタイプの剛毛幾何学形状は、上述した射出成形工程によって製造するのに容易である。剛毛の円錐形状は、射出成形から取り除くことを容易にする。マスカラブラシとしての化粧用ブラシの実施例では、第2剛毛は、特に0.2mmから0.8mmの範囲にある底面直径を有し、この底面直径は、本体との変わり目における(第2)剛毛の直径である。他方で、ヘアカラーリング用ブラシとしての化粧用ブラシの実施例では、第2剛毛の底面直径は、0.5mmから2mmの範囲であることが好ましい。
【0015】
もう1つの好適実施例に従うと、本体は、縦軸とこの縦軸に関する円周方向とを有し、第1及び第2剛毛は、少なくとも断面で円周方向に交互に並ぶ。他方で、縦軸方向では、常に2つの剛毛タイプのうちの1つだけが、中心角位置において供給されるのが好ましい。これは、化粧用製品が用いられるとき、大抵は化粧用ブラシの回転動作とともになされ、少なくとも第1剛毛タイプを有する1つの部分と第2剛毛タイプを有する1つの部分とが関与することを確実にするので、両方の明確に最適化された特性が効力を生じる。
【0016】
もう1つの好適実施例に従うと、円周部分は、第1又は第2剛毛だけが配置される範囲内で供給され、これらの円周部分のうちの1つは、25°から90°、特に30°から60°の範囲の中心角幅で円周方向に延びている。このように円周方向に延長することによって、化粧用ブラシの回転動作を用いて化粧用製品が使用される間、前段落で述べたように、剛毛の両タイプが、夫々、好適には特に最初に硬い第1剛毛、特に次に柔らかい第2剛毛が関与することを確実にする。
【0017】
もう1つの好適実施例に従うと、第1及び第2剛毛は、少なくとも部分的に互いに直接隣り合って配置される。特に、隣り合う第1及び第2剛毛は、互いに接していることもあり得る。
【0018】
さらに、これらの直接隣接している第1剛毛と第2剛毛の間には少なくとも部分的な形状の囲いがあってもよい。これは、2つの剛毛タイプのうちの1つに起因する、優れた区分する効果の存在する領域が、特に優れた分離行為、及び梳かす行為、及び塗布行為が存在する他の剛毛タイプを有する隣接領域へ直接推移することを達成する。
【0019】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、第2剛毛と同じ基本的な幾何学形状を有する。次に、特に最適化された性能特性が、各2つの剛毛タイプに対し夫々達成され、特に、異なる材料を選択すること、及び/又は、異なる大きさに形成することに起因する。特に、第1剛毛もまた、外側に、すなわち特に第1剛毛のフリー剛毛エッジに向かって、鋭いテーパー状の円錐形状を有してもよい。両剛毛タイプが同じ基本的な円錐形状を有する場合には、第1剛毛は、特に、第2剛毛の底面直径より0.2mm大きい底面直径を有する。
【0020】
もう1つの好適実施例に従うと、本体は縦軸を有し、第1剛毛は、第2剛毛より縦軸方向に剛毛密度が少ない。第2剛毛は、有益にも軸方向に剛毛密度がより多いために、特に、まつ毛あるいは髪の毛を部分的に区分するだけに効果がある第1剛毛と比較すると、所望する、より良く分離させ目立たせる効果が得られる。さらに、第2剛毛のより多い軸方向の剛毛密度は、使用される化粧用製品が、ただ1本のまつ毛あるいは1本の髪の毛に大変良く理想的に用いられ得る効果をも有する。
【0021】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、第2剛毛とは異なる幾何学形状を有する。すでに上述したように、幾何学形状もまたパラメータであり、これにより、特性が目標とする方式で適合され得る。
【0022】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、夫々外側へ広がっている。すなわち、特に広がりは、第1剛毛のフリー剛毛エッジの方向へ起こっている。第1剛毛は、扇形
(circular ring sector)形状の断面を有することが好ましい。これは、第1剛毛が、円柱状あるいは円錐形状幾何学形状である標準的な剛毛である場合より、化粧用ブラシの剛毛部分における外側の囲いにおいて、さらに外側へ特に接線方向に延びることを達成する。これは、最初の区分する行為、すなわち取り扱うまつ毛あるいは髪の毛の最初の部分分けに有益な効果を有する。
【0023】
これは、第1剛毛が夫々長方形の断面を有する、もう1つの好適実施例にも同様に適用される。
【0024】
第1剛毛が円環部分(circular ring segment)形状の断面で供給される実施例と、第1剛毛が長方形形状の断面で供給される実施例と、両方において、各第1剛毛は、上方へすなわちフリー剛毛エッジに向かって、特に鋭く先細りする円盤形状を有し、平らな面が基本的に軸方向に通常は向いている。底面では、すなわち本体からの変わり目の部分では、これらの円盤形状の第2剛毛は、軸方向に、マスカラブラシでは特に0.4mmから1mmの範囲にあり、ヘアカラーリング用ブラシでは特に0.7mmから2.2mmの範囲にある底面幅を有する。
【0025】
さらに、第1剛毛が、外側へ、すなわち特に第1剛毛のフリー剛毛エッジの方向へ、本体の縦軸と本体の半径方向とによって定義される、少なくとも1つの平面で鋭くテーパー状をしている好適実施例に従って成されることもある。これにより、第1剛毛が、化粧用ブラシが回転動作をする間、髪の毛あるいはまつ毛が梳かれるように鋭いテーパー状の断面プロフィールと固定させることを達成する。これは、区分する、かつ梳かす、かつ分離する良い効果を得るのに有益である。
【0026】
他の好適実施例に従うと、第1剛毛は夫々段状になった表面を有する。この方式では、カールする効果を得ることができ、まつ毛あるいは髪の毛が、回転動作で化粧用ブラシが引き出されることにより上方へカールされる。
【0027】
他の好適実施例に従うと、各第1剛毛は貫通孔を有する。あるいは夫々第1剛毛のフリー剛毛エッジに特に部分円/扇形形状あるいはV字型形状の縁のくぼみを有する。そして、貫通孔と縁のくぼみとは、用いる化粧用製品、すなわちマスカラあるいはヘアダイのための夫々貯蔵場所として役立つことができる。この化粧用製品もまた、滑るあるいは滑らかにする確かな効果を有し、これにより、第1取り扱いステップの間部分分けの効果を高める。
【0028】
他の好適実施例に従うと、第1剛毛は、少なくとも部分的に幾何学的形状においてあるいは幾何学的大きさにおいて互いに異なる。これは、円周上の位置において見られるような化粧用ブラシの初期の位置次第で、異なる性能特性を得ることを可能にする。特に、例えば区分する、あるいは分離する、あるいは梳かす効果のような、特定の効果を高めることもまた、化粧用ブラシが回転するときこの方式でもたらすことができる。この効果は、最初はわずかに述べられるだけかもしれないが、化粧用ブラシを回転させる角度が増大するほど述べられることが多くなる。
【0029】
上述した好適実施例を、特に、本発明に従う化粧用ブラシの変形例として、相互に所望するように組み合わせて供給することもできる。
【0030】
本発明の他の特徴、利点及び詳細は、以下に図面と併せて実施例を説明することにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の透視図である。
【図2】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の図1のII−IIに沿った横断面図である。
【図3】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の側面詳細図である。
【図4】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第2実施例の正面から見た平面図である。
【図5】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第2実施例の正面部分の透視図である。
【図6】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第3実施例の正面から見た平面図である。
【図7】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第3実施例の正面部分の透視図である。
【図8】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第4実施例の正面から見た平面図である。
【図9】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第4実施例の透視図である。
【図10】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第5実施例の正面から見た平面図である。
【図11】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第6実施例の正面から見た平面図である。
【図12】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第7実施例の正面から見た平面図である。
【図13】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第7実施例の透視図である。
【図14】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第8実施例の正面から見た平面図である。
【図15】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第8実施例の部分的な透視図である。
【図16】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第9実施例の正面から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1〜16の同じ符号は同じものを示している。図1〜3は、マスカラブラシの形態をした化粧用ブラシ1の実施例を示している。このブラシは、円形横断面幾何学形状をもって射出成形されたプラスチックピースとして構成されている。射出成形された化粧用ブラシ1は、主要コンポーネントとして剛毛部分2と、この剛毛部分2に対して軸方向に射出成形された柄延長片3とを有し、剛毛部分2と柄延長片3とは、縦中心軸4の方向に延びている。柄延長片3に取付け可能であるのが、化粧用ブラシ1の柄部分であるが、図1〜3には示されていない。剛毛部分2は、中心本体5を含んでおり、この中心本体5は、基本的には中空円柱として構成され、特に柄延長片3に対して一体接合されている。この中空円柱形本体5の外周面を囲んで配置されているのは、多数の第1剛毛6及び第2剛毛7である。本体5は、この第1剛毛6及び第2剛毛7のためのキャリアとしての役割をし、剛毛6及び7は、本体5から夫々放射状に外側へ突き出ている。
【0033】
第1剛毛6は、本体5の外周面に対して夫々一体射出成形されている。すなわち、本体5に対して一体となって接合されている。剛毛6は、外側に向かった、鋭くテーパー状をしている盤として構成され、この盤は、夫々扇形形状を有し、夫々第2剛毛7のうちの1つの円周方向に交互に並んでいる。剛毛6は、中心角αを成して円周方向に延び、図1〜3の実施例に示されている角度は40°である。第1剛毛6は、この本体5と同じプラスチック材から成っている。図3の側面図から特に明らかであるように、第1剛毛6は、縦中心軸4と半径方向とによって定義されている縦断面において鋭く先細りしている。従って、接線方向に対して垂直である断面では、この剛毛6は横断面を有し、この横断面は、各第1剛毛6のフリー剛毛エッジ8に向かって鋭く先が細くなっている。
【0034】
第2剛毛7は、本体5に対して第1剛毛6とは異なって接合されている。ここでは、特に、摩擦によってかつ形状に合わせて接合されており、これは、製造のために用いられる2ステップ射出成形工程に起因し、特許文献2で開示されている。第2剛毛7は、中空円柱形本体5の壁に形成されている貫通孔を介して延び、夫々フリー剛毛エッジに向かって、鋭く先細りしている又はわずかに丸くなっている、テーパー状円錐形状を有する。第2剛毛7は、接合ストランド9によるこの製造工程のために、互いに一体接合され、この接合ストランド9は、縦中心軸4の方向に本体5の内部に延びている。接合ストランド9と第2剛毛7とは、同じプラスチック材から成り、本体5と第1剛毛6とのプラスチック材とは異なっている。
【0035】
射出成形された化粧用ブラシ1は、剛毛部分2内部が2つの部分として構成されている。第1コンポーネントは、一体成形された第1剛毛6とともに本体5によって形成されている。第2コンポーネントは、同様に一体成形された第2剛毛7とともに接合ストランド9によって形成されている。本体5と接合ストランド9とは互いに直接隣接し、特に本体5の内側の中空空間の領域の中で互いに直接接合している。特に上述した製造工程のために、境界領域では、この2つのコンポーネントの間の堅固に接着された及び/又は粘着された接合が、少なくとも部分的に生じるかもしれない。
【0036】
異なる材料及び/又は異なる形状及び/又は大きさのために、第1剛毛6は、第2剛毛7より弾性がない。第1剛毛6は硬い剛毛で、第2剛毛7は柔らかい剛毛である。特に、第1剛毛6と本体5とは、より硬い材料であるために、本体5と化粧用ブラシ1との全体としての十分な機械的安定性と支持力とを同時に確実にしている。
【0037】
各第1剛毛6と第2剛毛7とは、縦中心軸4の方向に延びている夫々全部で4つの縦列に連続配置されている。接線方向に、1つの剛毛タイプ、すなわち第1剛毛6又は第2剛毛7のどちらかの隣接する列は、夫々互いに90°を成している。原則として、例えば両剛毛タイプが夫々3列であるように、異なる数の列もまた可能であり、円周に均等に配置されることもあり、すなわち夫々120°の中心角を成して配置される(図4〜7を少なくとも部分的に参照すること)。
【0038】
図1〜3で示されている実施例では、第2剛毛7が縦軸ブリッジ10上に通常の列で配置され、このブリッジ10は、本体5の外周面上に縦中心軸4の方向に延びている。類似の縦軸ブリッジも、第1剛毛6に供給されるかもしれない(例えば、図4〜13に従う実施例を参照すること)。これらの縦軸ブリッジ10はカールさせる効果を生み出す。つまり、回転させて梳かす動きをする間、まつ毛がこれらの縦軸ブリッジ10にもたれて停止し、これにより上方へカールされる。
【0039】
以下に説明する他の実施例では、さらに、各本体5に対して異なる方式で接合され、異なる程度の弾性又は硬さを有する夫々供給される2つの異なる剛毛タイプがある。1つの剛毛タイプが一体接合するのに対し、第2剛毛タイプでは、再び、上述した射出成形工程に起因して、摩擦による及び/又は形状に合わせた接合が生じる。
【0040】
もう1つの化粧用ブラシ11の図4及び5に示されている実施例では、第1剛毛6は、化粧用ブラシ1と同様に、縦中心軸4に対して垂直である横断面において、扇形の形状をした横断面を有する。しかし、この実施例では、すでに述べたように、これらの第1剛毛6の3列のみが備えられ、この列は、円周でずれて配置されている。さらに、これも上述したように、第1剛毛6は、縦軸ブリッジ12上に配置され、このブリッジ12は、中空円柱形本体5と一体接合を形成する。しかし、化粧用ブラシ1と対照的に、化粧用ブラシ11は、第1剛毛6の2列の間の各場合において、剛毛7の3列を配置し、この3列は、円周部分13を形成し、第2剛毛7のみが供給される。
【0041】
図6及び7は、もう1つの化粧用ブラシ14の実施例を示している。図1〜5の化粧用ブラシ1及び11と大きく異なる点は、第1剛毛15の幾何学的形状にある。剛毛15は、縦中心軸4に対して垂直である横断面に長方形状横断面を有する。
【0042】
本体5に対して一体射出成形された第1剛毛のさらなる変形は、図8〜16と共に以下に説明する実施例から明らかになるだろう。
【0043】
図8及び9に従う化粧用ブラシ16の実施例では、第1剛毛17が、再び扇形形状の横断面を有して供給される。しかし、この第1剛毛17は、夫々貫通孔18を備えている。
【0044】
図10で示されている化粧用ブラシ19のさらなる実施例は、くぼみ23が各フリー剛毛エッジ8に備えられている扇形形状第1剛毛21を有し、図11で示されている化粧用ブラシ20のさらなる実施例は、くぼみ24がフリー剛毛エッジ8に備えられている扇形形状第1剛毛22を有する。化粧用ブラシ19の第1剛毛21のくぼみ23は、部分円/扇形形状に構成されている(図10を参照のこと)一方、化粧用ブラシ20の第1剛毛22のくぼみ24はV字型を有する。
【0045】
図12及び13で示されているもう1つの化粧用ブラシ25の実施例では、第1剛毛26が段の付いた表面を有する。この実施例では、各第1剛毛26は、夫々各平らな面に段27を有する。しかし、原則として、他の実施例が、平らな面がこのような段27を複数有することも同様に可能である。
【0046】
図14及び15に示されている化粧用ブラシ28のもう1つの実施例は、前述の実施例とは異なり、第1剛毛29が、夫々隣接する第2剛毛7に直接至るまで円周方向に延びて備えられている。従って、各第1剛毛29は、円周方向に隣接する2つの第2剛毛7と直接的に/間接的に接合する。接合点で、夫々第2剛毛7の外側の幾何学的形状は、隣接する第1剛毛29の狭い正面の外側の幾何学的形状に適合している。第2剛毛7は、第1剛毛29より遠くへ放射状に延び出している。
【0047】
図16に従う化粧用ブラシ30のもう1つの実施例にも同様のことを適用しており、第1剛毛31及び32は、異なる幾何学的な大きさを有して備えられている。特に第1剛毛31は、第1剛毛32より若干遠くへ放射状に延び出している。
【0048】
本明細書では、基本的に第1剛毛の変形を説明した。第2剛毛7に対しても、基本的な円錐形状からの変形は可能である。例えば、特に、エッジを備えている勾配のない横断面を有することも可能である。しかし、好適例は、この横断面が外側の放射状の剛毛エッジに近付くほど、横断面が減少し続ける変形である。従って、この剛毛の幾何学的形状も、フリー剛毛エッジに向かって鋭く先細りする。
【符号の説明】
【0049】
1、11、14、16、19、20、25、28、30 化粧用ブラシ
2 剛毛部分
3 柄延長片
4 縦中心軸
5 中心本体
6、15、17、21、22、26、29、31、32 第1剛毛
7 第2剛毛
8 フリー剛毛エッジ
9 接合ストランド(接合材)
10、12 縦軸ブリッジ
13 円周部分
18 貫通孔
23、24 くぼみ
27 段
α 中心角
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用ブラシに関するものであり、より具体的にはマスカラブラシ又はヘアカラーリング用ブラシに関する。このブラシは、本体と複数の剛毛とを有する剛毛部分を備え、この複数の剛毛は本体から突き出ており、この複数の剛毛を使って化粧用製品を塗布することが可能である。
【背景技術】
【0002】
このタイプの化粧用ブラシは、例えば特許文献1で開示されている。化粧用ブラシのこの実施例では、本体と全剛毛とが、互いに一体接合されている。例えばポリエチレンのような弾性のある柔らかいプラスチック材から成る。本体と、この本体に射出成形されている剛毛とは、ワンコンポーネント射出成形工程を用いて製造される。
【0003】
特許文献2では、改善された製造方法が開示され、化粧用ブラシにも用いることが可能である。この方法は、2ステップ工程であり、2種類のプラスチック材が用いられている。この射出成形工程は、2K方法とも呼ばれる。1つの変形方法では、最初に、本体が堅固な中空円柱状構造として製造され、第2ステップで、溶融状態のプラスチック材が、最初に製造された本体の中空空間の中へ高圧のもとで追加射出される。射出圧力が高いため、溶融された第2プラスチック材が、中空の本体の壁を介して飛び出て、放射状に突き出ている剛毛の凹部に延びる。この方式で、本体が第1プラスチック材から成り、剛毛が第2プラスチック材から成る、大変に有益な化粧用ブラシを製造することが可能である。この製造方法は、実際に有効であると証明されている。この方法で製造された化粧用ブラシは、大変優れた性能特性を有する。
【0004】
他の化粧用ブラシが、特許文献3〜8から知られている。
【0005】
それにもかかわらず、このような化粧用ブラシへのユーザの要望と要求は、大きくなり続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE2559273
【特許文献2】EP1507640B1
【特許文献3】WO2006/130643A2
【特許文献4】EP1070466A2
【特許文献5】EP1475013A1
【特許文献6】EP1602300A1
【特許文献7】WO2007/146212A1
【特許文献8】EP0038524A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、さらに改善された性能特性を有する、最初に述べたタイプの化粧用ブラシを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を満たすために、請求項1の特徴に従う化粧用ブラシについて述べる。本発明に従う化粧用ブラシでは、剛毛部分が、本体に対し一体となって接合されている第1剛毛を形成し、この第1剛毛は、本体と同じ第1プラスチック材から成る。本発明に従う化粧用ブラシの他の剛毛部分は、第2剛毛を形成し、この第2剛毛は、第1剛毛とは異なる方式で本体に対し接合されている。本体は、貫通孔を備えている本体壁を有し、第2剛毛は、接合材を用いて互いに一体となって接合され、この接合材は、第2剛毛から離れて対向している本体壁面上に配置され、貫通孔を介して延び、本体と接合材とは、互いに直接隣り合って配置され、互いに粘着方式で接合されている。本体は、中空円柱の形状で、柄延長片に対し一体接合されて構成される。第2剛毛は、第1剛毛より柔らかくかつ曲げやすい。この化粧用ブラシは、射出成形されたプラスチックピースとして構成される。
【0009】
従って、本発明に従う化粧用ブラシでは、2種類の剛毛タイプが供給される。特に第1剛毛が本体に対し一体となって射出成形されるのに対して、これは第2剛毛にとってはこの方式に当てはまらない。ここでは、本体に対する一体接合は成されない。第1剛毛と第2剛毛とは、通常の射出成形工程の異なる工程ステップで製造されるのが好ましく、異なる性質を有する。各剛毛タイプは、1つあるいは複数の性能特性を目標とする方式で最適化することができる。従って、例えば、本体に対して永久にかつ一体として接合される第1剛毛は、完全に初期の乱雑状態にあるまつ毛あるいは髪の毛を、特に優れてかつ効率的に最初に取扱うために構成されることが可能である。最初の取扱いの枠内で、特にまつ毛あるいは髪の毛の部分分けが行われる。他方で、より柔らかい第2剛毛は、例えば、最初の取扱いの枠内で、予め分離あるいは区分されたまつ毛あるいは髪の毛を、特に優れてかつ効率的に続けて取扱うために構成される。後続の取扱いの枠内で、まつ毛あるいは髪の毛を梳かすことと、まつ毛あるいは髪の毛に化粧用製品をコーティングあるいは塗布することと同様に、特にまつ毛あるいは髪の毛を一層分離させかつ目立たせることが行われる。従って、本発明に従うブラシは、従来技術を超えて改善された性能特性によって特徴づけられる。
【0010】
第2剛毛は、特に、特許文献2に従う従来技術で述べられている製造方法によって製造され、本体壁を介して射出される。この結果、第2剛毛が互いに特に良く粘着することにもなる。従って、本発明に従う化粧用ブラシは、2つのコンポーネント部分から成り、好ましくは2種類のプラスチック材から成るとしても、均質な射出成形されたプラスチックピース、すなわち特に1つだけの通常工程の枠内で製造されるコンポーネントである。これは、2つのコンポーネント部分の間で、すなわち、例えば本体と接合材との間でも強固に粘着(adhesive)接合されることから何よりも明らかである。
【0011】
本発明に従う化粧用ブラシの有益な構成は、請求項1の従属項の特徴から明らかになるだろう。
【0012】
好適実施例に従うと、第2剛毛は、本体に対して堅固に接着(bonded)、あるいは摩擦により、あるいは形状に合わせて接合される。これは、化粧用ブラシの寿命期間を通じて本体と第2剛毛との間に確実な接合を供給する。
【0013】
もう1つの好適実施例に従うと、第2剛毛は、第1プラスチック材とは異なる第2プラスチック材から成る。この第2プラスチック材は、特に、第1プラスチック材より柔らかく曲げやすい、及び/又は、第1プラスチック材よりショア硬さが低い。異なる材料を選択することにより、両剛毛タイプの特性を、各役割、つまり、例えば第1剛毛が最適の区分効果をもたらす一方、第2剛毛が最適の分離行為、かつ梳かす行為、かつ塗布行為に対して特に有効に適合することができる。可能な限り化粧用製品を適用可能にするために、第2剛毛が、第1剛毛より柔らかくかつ曲げやすく構成されると有利である。このことが、相当する柔らかい材料によって達成され得る一方、また適切な形状と大きさとによって達成され得る。よって、第2剛毛は、例えば第1剛毛より細いあるいは薄い大きさにされることも好ましい。そして、第2剛毛は、第1剛毛より柔らかく曲げやすい動作をも有する。従って、第1剛毛は特に硬い剛毛であり、他方第2剛毛は柔らかい剛毛である。両剛毛タイプの材料用には、特にA40からA90、又はD30からD80のショア硬さが適切であり、第1剛毛の材料のショア硬さは、第2剛毛の材料のショア硬さより大きい方が好ましい。
【0014】
もう1つの好適実施例に従うと、第2剛毛は、夫々、外側に、すなわち特に第2剛毛のフリー剛毛エッジの方へ、鋭くテーパー状をしている、1°から5°、特に約4°の円錐角である円錐形状を有する。第2剛毛のこの円錐形状は、一方では塗布行為にとって好都合であり、他方で、このタイプの剛毛幾何学形状は、上述した射出成形工程によって製造するのに容易である。剛毛の円錐形状は、射出成形から取り除くことを容易にする。マスカラブラシとしての化粧用ブラシの実施例では、第2剛毛は、特に0.2mmから0.8mmの範囲にある底面直径を有し、この底面直径は、本体との変わり目における(第2)剛毛の直径である。他方で、ヘアカラーリング用ブラシとしての化粧用ブラシの実施例では、第2剛毛の底面直径は、0.5mmから2mmの範囲であることが好ましい。
【0015】
もう1つの好適実施例に従うと、本体は、縦軸とこの縦軸に関する円周方向とを有し、第1及び第2剛毛は、少なくとも断面で円周方向に交互に並ぶ。他方で、縦軸方向では、常に2つの剛毛タイプのうちの1つだけが、中心角位置において供給されるのが好ましい。これは、化粧用製品が用いられるとき、大抵は化粧用ブラシの回転動作とともになされ、少なくとも第1剛毛タイプを有する1つの部分と第2剛毛タイプを有する1つの部分とが関与することを確実にするので、両方の明確に最適化された特性が効力を生じる。
【0016】
もう1つの好適実施例に従うと、円周部分は、第1又は第2剛毛だけが配置される範囲内で供給され、これらの円周部分のうちの1つは、25°から90°、特に30°から60°の範囲の中心角幅で円周方向に延びている。このように円周方向に延長することによって、化粧用ブラシの回転動作を用いて化粧用製品が使用される間、前段落で述べたように、剛毛の両タイプが、夫々、好適には特に最初に硬い第1剛毛、特に次に柔らかい第2剛毛が関与することを確実にする。
【0017】
もう1つの好適実施例に従うと、第1及び第2剛毛は、少なくとも部分的に互いに直接隣り合って配置される。特に、隣り合う第1及び第2剛毛は、互いに接していることもあり得る。
【0018】
さらに、これらの直接隣接している第1剛毛と第2剛毛の間には少なくとも部分的な形状の囲いがあってもよい。これは、2つの剛毛タイプのうちの1つに起因する、優れた区分する効果の存在する領域が、特に優れた分離行為、及び梳かす行為、及び塗布行為が存在する他の剛毛タイプを有する隣接領域へ直接推移することを達成する。
【0019】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、第2剛毛と同じ基本的な幾何学形状を有する。次に、特に最適化された性能特性が、各2つの剛毛タイプに対し夫々達成され、特に、異なる材料を選択すること、及び/又は、異なる大きさに形成することに起因する。特に、第1剛毛もまた、外側に、すなわち特に第1剛毛のフリー剛毛エッジに向かって、鋭いテーパー状の円錐形状を有してもよい。両剛毛タイプが同じ基本的な円錐形状を有する場合には、第1剛毛は、特に、第2剛毛の底面直径より0.2mm大きい底面直径を有する。
【0020】
もう1つの好適実施例に従うと、本体は縦軸を有し、第1剛毛は、第2剛毛より縦軸方向に剛毛密度が少ない。第2剛毛は、有益にも軸方向に剛毛密度がより多いために、特に、まつ毛あるいは髪の毛を部分的に区分するだけに効果がある第1剛毛と比較すると、所望する、より良く分離させ目立たせる効果が得られる。さらに、第2剛毛のより多い軸方向の剛毛密度は、使用される化粧用製品が、ただ1本のまつ毛あるいは1本の髪の毛に大変良く理想的に用いられ得る効果をも有する。
【0021】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、第2剛毛とは異なる幾何学形状を有する。すでに上述したように、幾何学形状もまたパラメータであり、これにより、特性が目標とする方式で適合され得る。
【0022】
もう1つの好適実施例に従うと、第1剛毛は、夫々外側へ広がっている。すなわち、特に広がりは、第1剛毛のフリー剛毛エッジの方向へ起こっている。第1剛毛は、扇形
(circular ring sector)形状の断面を有することが好ましい。これは、第1剛毛が、円柱状あるいは円錐形状幾何学形状である標準的な剛毛である場合より、化粧用ブラシの剛毛部分における外側の囲いにおいて、さらに外側へ特に接線方向に延びることを達成する。これは、最初の区分する行為、すなわち取り扱うまつ毛あるいは髪の毛の最初の部分分けに有益な効果を有する。
【0023】
これは、第1剛毛が夫々長方形の断面を有する、もう1つの好適実施例にも同様に適用される。
【0024】
第1剛毛が円環部分(circular ring segment)形状の断面で供給される実施例と、第1剛毛が長方形形状の断面で供給される実施例と、両方において、各第1剛毛は、上方へすなわちフリー剛毛エッジに向かって、特に鋭く先細りする円盤形状を有し、平らな面が基本的に軸方向に通常は向いている。底面では、すなわち本体からの変わり目の部分では、これらの円盤形状の第2剛毛は、軸方向に、マスカラブラシでは特に0.4mmから1mmの範囲にあり、ヘアカラーリング用ブラシでは特に0.7mmから2.2mmの範囲にある底面幅を有する。
【0025】
さらに、第1剛毛が、外側へ、すなわち特に第1剛毛のフリー剛毛エッジの方向へ、本体の縦軸と本体の半径方向とによって定義される、少なくとも1つの平面で鋭くテーパー状をしている好適実施例に従って成されることもある。これにより、第1剛毛が、化粧用ブラシが回転動作をする間、髪の毛あるいはまつ毛が梳かれるように鋭いテーパー状の断面プロフィールと固定させることを達成する。これは、区分する、かつ梳かす、かつ分離する良い効果を得るのに有益である。
【0026】
他の好適実施例に従うと、第1剛毛は夫々段状になった表面を有する。この方式では、カールする効果を得ることができ、まつ毛あるいは髪の毛が、回転動作で化粧用ブラシが引き出されることにより上方へカールされる。
【0027】
他の好適実施例に従うと、各第1剛毛は貫通孔を有する。あるいは夫々第1剛毛のフリー剛毛エッジに特に部分円/扇形形状あるいはV字型形状の縁のくぼみを有する。そして、貫通孔と縁のくぼみとは、用いる化粧用製品、すなわちマスカラあるいはヘアダイのための夫々貯蔵場所として役立つことができる。この化粧用製品もまた、滑るあるいは滑らかにする確かな効果を有し、これにより、第1取り扱いステップの間部分分けの効果を高める。
【0028】
他の好適実施例に従うと、第1剛毛は、少なくとも部分的に幾何学的形状においてあるいは幾何学的大きさにおいて互いに異なる。これは、円周上の位置において見られるような化粧用ブラシの初期の位置次第で、異なる性能特性を得ることを可能にする。特に、例えば区分する、あるいは分離する、あるいは梳かす効果のような、特定の効果を高めることもまた、化粧用ブラシが回転するときこの方式でもたらすことができる。この効果は、最初はわずかに述べられるだけかもしれないが、化粧用ブラシを回転させる角度が増大するほど述べられることが多くなる。
【0029】
上述した好適実施例を、特に、本発明に従う化粧用ブラシの変形例として、相互に所望するように組み合わせて供給することもできる。
【0030】
本発明の他の特徴、利点及び詳細は、以下に図面と併せて実施例を説明することにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の透視図である。
【図2】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の図1のII−IIに沿った横断面図である。
【図3】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第1実施例の側面詳細図である。
【図4】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第2実施例の正面から見た平面図である。
【図5】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第2実施例の正面部分の透視図である。
【図6】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第3実施例の正面から見た平面図である。
【図7】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第3実施例の正面部分の透視図である。
【図8】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第4実施例の正面から見た平面図である。
【図9】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第4実施例の透視図である。
【図10】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第5実施例の正面から見た平面図である。
【図11】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第6実施例の正面から見た平面図である。
【図12】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第7実施例の正面から見た平面図である。
【図13】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第7実施例の透視図である。
【図14】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第8実施例の正面から見た平面図である。
【図15】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第8実施例の部分的な透視図である。
【図16】2種類の剛毛を用いた化粧用ブラシの第9実施例の正面から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1〜16の同じ符号は同じものを示している。図1〜3は、マスカラブラシの形態をした化粧用ブラシ1の実施例を示している。このブラシは、円形横断面幾何学形状をもって射出成形されたプラスチックピースとして構成されている。射出成形された化粧用ブラシ1は、主要コンポーネントとして剛毛部分2と、この剛毛部分2に対して軸方向に射出成形された柄延長片3とを有し、剛毛部分2と柄延長片3とは、縦中心軸4の方向に延びている。柄延長片3に取付け可能であるのが、化粧用ブラシ1の柄部分であるが、図1〜3には示されていない。剛毛部分2は、中心本体5を含んでおり、この中心本体5は、基本的には中空円柱として構成され、特に柄延長片3に対して一体接合されている。この中空円柱形本体5の外周面を囲んで配置されているのは、多数の第1剛毛6及び第2剛毛7である。本体5は、この第1剛毛6及び第2剛毛7のためのキャリアとしての役割をし、剛毛6及び7は、本体5から夫々放射状に外側へ突き出ている。
【0033】
第1剛毛6は、本体5の外周面に対して夫々一体射出成形されている。すなわち、本体5に対して一体となって接合されている。剛毛6は、外側に向かった、鋭くテーパー状をしている盤として構成され、この盤は、夫々扇形形状を有し、夫々第2剛毛7のうちの1つの円周方向に交互に並んでいる。剛毛6は、中心角αを成して円周方向に延び、図1〜3の実施例に示されている角度は40°である。第1剛毛6は、この本体5と同じプラスチック材から成っている。図3の側面図から特に明らかであるように、第1剛毛6は、縦中心軸4と半径方向とによって定義されている縦断面において鋭く先細りしている。従って、接線方向に対して垂直である断面では、この剛毛6は横断面を有し、この横断面は、各第1剛毛6のフリー剛毛エッジ8に向かって鋭く先が細くなっている。
【0034】
第2剛毛7は、本体5に対して第1剛毛6とは異なって接合されている。ここでは、特に、摩擦によってかつ形状に合わせて接合されており、これは、製造のために用いられる2ステップ射出成形工程に起因し、特許文献2で開示されている。第2剛毛7は、中空円柱形本体5の壁に形成されている貫通孔を介して延び、夫々フリー剛毛エッジに向かって、鋭く先細りしている又はわずかに丸くなっている、テーパー状円錐形状を有する。第2剛毛7は、接合ストランド9によるこの製造工程のために、互いに一体接合され、この接合ストランド9は、縦中心軸4の方向に本体5の内部に延びている。接合ストランド9と第2剛毛7とは、同じプラスチック材から成り、本体5と第1剛毛6とのプラスチック材とは異なっている。
【0035】
射出成形された化粧用ブラシ1は、剛毛部分2内部が2つの部分として構成されている。第1コンポーネントは、一体成形された第1剛毛6とともに本体5によって形成されている。第2コンポーネントは、同様に一体成形された第2剛毛7とともに接合ストランド9によって形成されている。本体5と接合ストランド9とは互いに直接隣接し、特に本体5の内側の中空空間の領域の中で互いに直接接合している。特に上述した製造工程のために、境界領域では、この2つのコンポーネントの間の堅固に接着された及び/又は粘着された接合が、少なくとも部分的に生じるかもしれない。
【0036】
異なる材料及び/又は異なる形状及び/又は大きさのために、第1剛毛6は、第2剛毛7より弾性がない。第1剛毛6は硬い剛毛で、第2剛毛7は柔らかい剛毛である。特に、第1剛毛6と本体5とは、より硬い材料であるために、本体5と化粧用ブラシ1との全体としての十分な機械的安定性と支持力とを同時に確実にしている。
【0037】
各第1剛毛6と第2剛毛7とは、縦中心軸4の方向に延びている夫々全部で4つの縦列に連続配置されている。接線方向に、1つの剛毛タイプ、すなわち第1剛毛6又は第2剛毛7のどちらかの隣接する列は、夫々互いに90°を成している。原則として、例えば両剛毛タイプが夫々3列であるように、異なる数の列もまた可能であり、円周に均等に配置されることもあり、すなわち夫々120°の中心角を成して配置される(図4〜7を少なくとも部分的に参照すること)。
【0038】
図1〜3で示されている実施例では、第2剛毛7が縦軸ブリッジ10上に通常の列で配置され、このブリッジ10は、本体5の外周面上に縦中心軸4の方向に延びている。類似の縦軸ブリッジも、第1剛毛6に供給されるかもしれない(例えば、図4〜13に従う実施例を参照すること)。これらの縦軸ブリッジ10はカールさせる効果を生み出す。つまり、回転させて梳かす動きをする間、まつ毛がこれらの縦軸ブリッジ10にもたれて停止し、これにより上方へカールされる。
【0039】
以下に説明する他の実施例では、さらに、各本体5に対して異なる方式で接合され、異なる程度の弾性又は硬さを有する夫々供給される2つの異なる剛毛タイプがある。1つの剛毛タイプが一体接合するのに対し、第2剛毛タイプでは、再び、上述した射出成形工程に起因して、摩擦による及び/又は形状に合わせた接合が生じる。
【0040】
もう1つの化粧用ブラシ11の図4及び5に示されている実施例では、第1剛毛6は、化粧用ブラシ1と同様に、縦中心軸4に対して垂直である横断面において、扇形の形状をした横断面を有する。しかし、この実施例では、すでに述べたように、これらの第1剛毛6の3列のみが備えられ、この列は、円周でずれて配置されている。さらに、これも上述したように、第1剛毛6は、縦軸ブリッジ12上に配置され、このブリッジ12は、中空円柱形本体5と一体接合を形成する。しかし、化粧用ブラシ1と対照的に、化粧用ブラシ11は、第1剛毛6の2列の間の各場合において、剛毛7の3列を配置し、この3列は、円周部分13を形成し、第2剛毛7のみが供給される。
【0041】
図6及び7は、もう1つの化粧用ブラシ14の実施例を示している。図1〜5の化粧用ブラシ1及び11と大きく異なる点は、第1剛毛15の幾何学的形状にある。剛毛15は、縦中心軸4に対して垂直である横断面に長方形状横断面を有する。
【0042】
本体5に対して一体射出成形された第1剛毛のさらなる変形は、図8〜16と共に以下に説明する実施例から明らかになるだろう。
【0043】
図8及び9に従う化粧用ブラシ16の実施例では、第1剛毛17が、再び扇形形状の横断面を有して供給される。しかし、この第1剛毛17は、夫々貫通孔18を備えている。
【0044】
図10で示されている化粧用ブラシ19のさらなる実施例は、くぼみ23が各フリー剛毛エッジ8に備えられている扇形形状第1剛毛21を有し、図11で示されている化粧用ブラシ20のさらなる実施例は、くぼみ24がフリー剛毛エッジ8に備えられている扇形形状第1剛毛22を有する。化粧用ブラシ19の第1剛毛21のくぼみ23は、部分円/扇形形状に構成されている(図10を参照のこと)一方、化粧用ブラシ20の第1剛毛22のくぼみ24はV字型を有する。
【0045】
図12及び13で示されているもう1つの化粧用ブラシ25の実施例では、第1剛毛26が段の付いた表面を有する。この実施例では、各第1剛毛26は、夫々各平らな面に段27を有する。しかし、原則として、他の実施例が、平らな面がこのような段27を複数有することも同様に可能である。
【0046】
図14及び15に示されている化粧用ブラシ28のもう1つの実施例は、前述の実施例とは異なり、第1剛毛29が、夫々隣接する第2剛毛7に直接至るまで円周方向に延びて備えられている。従って、各第1剛毛29は、円周方向に隣接する2つの第2剛毛7と直接的に/間接的に接合する。接合点で、夫々第2剛毛7の外側の幾何学的形状は、隣接する第1剛毛29の狭い正面の外側の幾何学的形状に適合している。第2剛毛7は、第1剛毛29より遠くへ放射状に延び出している。
【0047】
図16に従う化粧用ブラシ30のもう1つの実施例にも同様のことを適用しており、第1剛毛31及び32は、異なる幾何学的な大きさを有して備えられている。特に第1剛毛31は、第1剛毛32より若干遠くへ放射状に延び出している。
【0048】
本明細書では、基本的に第1剛毛の変形を説明した。第2剛毛7に対しても、基本的な円錐形状からの変形は可能である。例えば、特に、エッジを備えている勾配のない横断面を有することも可能である。しかし、好適例は、この横断面が外側の放射状の剛毛エッジに近付くほど、横断面が減少し続ける変形である。従って、この剛毛の幾何学的形状も、フリー剛毛エッジに向かって鋭く先細りする。
【符号の説明】
【0049】
1、11、14、16、19、20、25、28、30 化粧用ブラシ
2 剛毛部分
3 柄延長片
4 縦中心軸
5 中心本体
6、15、17、21、22、26、29、31、32 第1剛毛
7 第2剛毛
8 フリー剛毛エッジ
9 接合ストランド(接合材)
10、12 縦軸ブリッジ
13 円周部分
18 貫通孔
23、24 くぼみ
27 段
α 中心角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用ブラシ、特にマスカラブラシあるいはヘアカラーリング用ブラシであり、本体(5)と複数の剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)とを有する剛毛部分(2)を備えて構成される化粧用ブラシにして、上記複数の剛毛が上記本体(5)から突き出ており、これら複数の剛毛をもって化粧用製品を塗布可能とする、化粧用ブラシにおいて、
a)剛毛の一部分が、本体(5)に対して一体になって接合されている第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)を形成し、この第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)は、本体(5)と同じ第1プラスチック材から成っており、
b)剛毛の他の部分が、本体(5)に対し第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)とは異なって接合されている第2剛毛(7)を形成しており、
c)本体(5)が、貫通孔を備えている本体壁を有しており、第2剛毛(7)と背中合わせの本体壁の側に配された接合材を用いて、第2剛毛が互いに一体に接合されており、第2剛毛(7)が、貫通孔を介して延び、本体(5)と接合材(9)とが、互いに直接隣り合いかつ互いに粘着して接合されており、
d)本体(5)が、中空円柱の形状でかつ柄延長片(3)に対して一体になって接合されて構成されており、
e)第2剛毛(7)が、第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)より柔らかく、
f)化粧用ブラシ(1)が、射出成形されたプラスチックピースの形状で構成される、
化粧用ブラシ。
【請求項2】
第2剛毛(7)が、堅固に接着されることによって、あるいは摩擦によって、あるいは形状に合わせて、本体(5)に対して接合されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項3】
第2剛毛(7)が、第1プラスチック材とは異なる第2プラスチック材から成り、特に第1プラスチック材より柔らかいことを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項4】
第2剛毛(7)が、夫々外側に鋭いテーパー状の円錐形状を有し、1°から5°の円錐角、特に約4°の円錐角であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項5】
本体(5)が、縦軸(4)と、この縦軸(4)に関する円周方向とを有することと、第1及び第2剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、少なくともある断片で円周方向に交互に並んでいることとを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項6】
円周部分(13)が供給され、もっぱら第1又は第2剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)が配される円周部分が設けられ、これらの円周部分(13)のうちの1つが、円周方向に25°から90°、特に30°から60°の中心角(α)幅で広がっていることを特徴とする、請求項5に記載の化粧用ブラシ。
【請求項7】
第1及び第2剛毛(7、29;31、32)が、少なくとも部分的に互いに直接隣り合うことを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項8】
本体(5)が、縦軸(4)を有し、第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、第2剛毛(7)より縦軸(4)方向に低い剛毛密度を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項9】
第1剛毛が、第2剛毛(7)と同じ基本的な幾何学形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項10】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、第2剛毛(7)とは異なる幾何学形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項11】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、夫々外側に広がっており、特に、扇形形状の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項12】
第1剛毛(15)が、夫々長方形の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項13】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、本体(5)の縦軸(4)と本体(5)の半径方向とによって定義される平面で外側に鋭いテーパー状になっていることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項14】
第1剛毛(26)が、夫々段状の表面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項15】
第1剛毛(17)が、夫々貫通孔(18)を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項16】
第1剛毛(21;22)が、夫々第1剛毛のフリー剛毛エッジ(8)において、特に部分円形状又はV字型形状のくぼみ(23;24)を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項17】
第1剛毛(31、32)が、少なくとも部分的に第1剛毛の幾何学形状において又は幾何学的な大きさにおいて互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項1】
化粧用ブラシ、特にマスカラブラシあるいはヘアカラーリング用ブラシであり、本体(5)と複数の剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)とを有する剛毛部分(2)を備えて構成される化粧用ブラシにして、上記複数の剛毛が上記本体(5)から突き出ており、これら複数の剛毛をもって化粧用製品を塗布可能とする、化粧用ブラシにおいて、
a)剛毛の一部分が、本体(5)に対して一体になって接合されている第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)を形成し、この第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)は、本体(5)と同じ第1プラスチック材から成っており、
b)剛毛の他の部分が、本体(5)に対し第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)とは異なって接合されている第2剛毛(7)を形成しており、
c)本体(5)が、貫通孔を備えている本体壁を有しており、第2剛毛(7)と背中合わせの本体壁の側に配された接合材を用いて、第2剛毛が互いに一体に接合されており、第2剛毛(7)が、貫通孔を介して延び、本体(5)と接合材(9)とが、互いに直接隣り合いかつ互いに粘着して接合されており、
d)本体(5)が、中空円柱の形状でかつ柄延長片(3)に対して一体になって接合されて構成されており、
e)第2剛毛(7)が、第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)より柔らかく、
f)化粧用ブラシ(1)が、射出成形されたプラスチックピースの形状で構成される、
化粧用ブラシ。
【請求項2】
第2剛毛(7)が、堅固に接着されることによって、あるいは摩擦によって、あるいは形状に合わせて、本体(5)に対して接合されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項3】
第2剛毛(7)が、第1プラスチック材とは異なる第2プラスチック材から成り、特に第1プラスチック材より柔らかいことを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項4】
第2剛毛(7)が、夫々外側に鋭いテーパー状の円錐形状を有し、1°から5°の円錐角、特に約4°の円錐角であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項5】
本体(5)が、縦軸(4)と、この縦軸(4)に関する円周方向とを有することと、第1及び第2剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、少なくともある断片で円周方向に交互に並んでいることとを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項6】
円周部分(13)が供給され、もっぱら第1又は第2剛毛(7、6;15;17;21;22;26;29;31、32)が配される円周部分が設けられ、これらの円周部分(13)のうちの1つが、円周方向に25°から90°、特に30°から60°の中心角(α)幅で広がっていることを特徴とする、請求項5に記載の化粧用ブラシ。
【請求項7】
第1及び第2剛毛(7、29;31、32)が、少なくとも部分的に互いに直接隣り合うことを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項8】
本体(5)が、縦軸(4)を有し、第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、第2剛毛(7)より縦軸(4)方向に低い剛毛密度を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項9】
第1剛毛が、第2剛毛(7)と同じ基本的な幾何学形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項10】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、第2剛毛(7)とは異なる幾何学形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項11】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、夫々外側に広がっており、特に、扇形形状の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項12】
第1剛毛(15)が、夫々長方形の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項13】
第1剛毛(6;15;17;21;22;26;29;31、32)が、本体(5)の縦軸(4)と本体(5)の半径方向とによって定義される平面で外側に鋭いテーパー状になっていることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項14】
第1剛毛(26)が、夫々段状の表面を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項15】
第1剛毛(17)が、夫々貫通孔(18)を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項16】
第1剛毛(21;22)が、夫々第1剛毛のフリー剛毛エッジ(8)において、特に部分円形状又はV字型形状のくぼみ(23;24)を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【請求項17】
第1剛毛(31、32)が、少なくとも部分的に第1剛毛の幾何学形状において又は幾何学的な大きさにおいて互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−183702(P2009−183702A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−17983(P2009−17983)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502393877)ゲーカ ブルシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17983(P2009−17983)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502393877)ゲーカ ブルシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】
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