副作用が低減して痛みを抑制するための選択的な高周波脊髄調整及び関連のシステム及び方法
副作用の低減を伴って痛みを抑制するための選択的な高周波脊髄調整及び関連のシステム及び方法を開示する。特定の実施形態では、約1.5kHzから約50kHzの範囲の高周波調整は、不要な感覚上及び/又は運動副作用をもたらすことなく腰痛に対処するために患者の脊髄領域に適用することができる。他の実施形態では、類似のパラメータに従った調整は、他の兆候に対処するために他の脊髄又は周辺位置に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2009年5月8日出願の米国特許仮出願第61/176,868号明細書に対する優先権を請求するものである。本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2009年4月22日出願の米国特許仮出願第61/171,790号明細書に対する優先権を請求するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、副作用が低減して痛みを抑制するための選択的な高周波脊髄調整及び関連のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
神経刺激装置は、痛み、運動障害、機能障害、痙縮、癌、心疾患、及び様々な他の病状を治療するために開発されている。埋め込み型神経刺激システムは、一般的に、神経組織又は筋組織に電気パルスを送出するために埋め込み型パルス発生器及び1つ又はそれよりも多くのリードを有する。例えば、脊髄刺激(SCS)のためのいくつかの神経刺激システムは、円形断面形状を有するリード本体とリード本体の遠位端で互いに離間した1つ又はそれよりも多くの導電性リングとを含む円筒形リードを有する。導電性リングは、個々の電極として作動し、多くの場合、SCSリードは、探り針の支援の有無に関わらず、硬膜外腔に挿入された大きい針を通じて経皮的に埋め込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/703,683号明細書
【特許文献2】米国特許出願第12/562,892号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/362,244号明細書
【特許文献4】米国特許出願第12/264,536号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Crossman及びNeary共著「神経解剖学」、1995年(Churchill Livingstoneにより出版)
【非特許文献2】Linderoth及びForeman共著「痛みを伴う症候群の脊髄刺激の機構:動物モデルの役割」、痛み医療、第51巻、2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
埋め込まれた状態で、パルス発生器は、電極に電気パルスを印加し、これは、次に、感覚的な刺激に対する患者の応答性を変更し、及び/又は患者の運動回路出力を変更するなどで患者の神経系の機能を修正する。痛み治療において、パルス発生器は、電極に電気パルスを印加し、これは、次に、痛みの患者の感覚を覆い隠すか、又はそうでなければそれを変更する感覚を発生させることができる。例えば、多くの場合、患者は、根本的な痛み感覚よりも心地よい及び/又は不快感が少ないと感知される疼痛又は知覚異常を報告している。多くの患者にこれが当て嵌まると考えられるが、多くの他の患者は、恩典の少ない効果及び/又は結果を報告する場合がある。従って、患者の痛みに対処するための改良型の技術及びシステムの必要性が依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の開示のいくつかの実施形態により治療信号を送出するために脊椎に位置決めされた埋め込み型脊髄調整システムの部分概略図である。
【図1B】本発明の開示の実施形態により埋め込まれたリード本体に対して代表的な位置を示す患者の脊椎の部分概略断面図である。
【図2】基線レベル及び従来の脊髄刺激デバイスで達成されたレベルと比較した患者が本発明の開示の実施形態により治療を受けた4日間の治験にわたる患者の痛み低減レベルを示す棒グラフである。
【図3】従来の脊髄刺激を受ける患者に関する類似のデータと比較した患者が治験主導調整変更中に本発明の開示の実施形態による治療を受ける回数の比較の棒グラフである。
【図4】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する活動性改善を示す棒グラフである。
【図5A】治験中に得られた様々な活動を行う患者に関する活動性レベルを比較する棒グラフである。
【図5B】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する睡眠改善を示す棒グラフである。
【図5C】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する睡眠改善を示す棒グラフである。
【図6A】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する調整位置の関数として成功した治療結果を示す棒グラフである。
【図6B】本発明の開示の実施形態により行われた方法を示す流れ図である。
【図6C】本発明の開示の実施形態により行われた方法を示す流れ図である。
【図7A】本発明の開示の実施形態により追加治験中に使用されたリードの配置を示す図である。
【図7B】本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者の追加治験から得られた結果を示す図である。
【図8】従来の脊髄刺激に関する予想作用機構と比較して本発明の開示による治療に関する可能な作用機構を識別する概略図である。
【図9】本発明の開示の実施形態によって構成されたリード本体の部分概略図である。
【図10A】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図10B】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図10C】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図11A】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【図11B】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【図11C】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.0.序論
現在の技術は、一般的に、一般的に副作用を低減又は排除した高周波数要素又は構成要素(例えば、高い基本周波数を有する部分)を有する波形を通じて痛みを抑制する脊髄調整及び関連のシステム及び方法に関する。このような副作用には、不要な運動刺激又は阻止、及び/又はターゲットの痛み以外の感覚的な機能との干渉を含むことができる。いくつかの実施形態は、簡易脊髄調整システム及び構成要素、及び開業医及び/又は患者のための簡易手順も提供する。本発明の開示のある一定の実施形態の特定の詳細は、患者の1つ又はそれよりも多くのターゲット神経母集団(例えば、神経)又は部位を調整する方法、及び調整を提供するための関連の埋め込み型構造体を参照して以下に説明する。選択した実施形態は、痛みを制御するために脊柱、後角、後根、後根入口帯、及び/又は脊柱の他の特定の領域を調整することを参照して以下に説明するが、調整は、一部の例においては脊髄の他の神経構造及び/又はターゲット神経母集団及び/又は他の神経組織に関する場合がある。一部の実施形態は、この節に説明するものと異なる構成、構成要素、又は手順を有することができ、他の実施形態では特定の構成要素又は手順を排除することができる。当業者は、従って、本発明の開示が付加的な要素を有する他の実施形態を含むことができ、及び/又は図1A〜図11Cを参照して以下に図示及び説明する特徴の一部がない他の実施形態を含むことができることを理解するであろう。
【0009】
一般用語において、以下の実施形態の多くの態様は、患者の痛み低減を含む治療効果を生成することに関する。治療効果は、罹患した神経母集団の活動を抑制、抑止、下方調節、阻止、防止するか又はそうでなければ調整することによって生成することができる。本発明で開示する技術の多くの実施形態では、治療によって誘発された知覚異常は、標準SCS技術と異なり、痛み低減達成の前提条件ではない。図1A〜図11Cを参照して以下に説明する技術は、既存の脊髄刺激療法が可能なものよりも有効で強固で複雑でない及び/又は他の点でより望ましい結果を生成することができると予想される。
【0010】
図1Aは、患者脊髄191の全体的な生体組織に対して配置された慢性的痛み及び/又は他の条件からの緩和を提供する代表的な治療システム100を概略的に示している。システム100は、パルス発生器101を含むことができ、これは、患者190内に皮下に埋め込んで信号送出要素110に結合することができる。代表的な例において、信号送出要素110は、埋め込み後に患者190に治療を送出する機能を伝えるリード又はリード本体111を含む。パルス発生器101は、リード111に直接に接続することができ、又は通信リンク102(例えば、延長部)を通じてリード111に結合することができる。従って、リード111は、切れ間114(図1Aに概略的に図示)で延長部に解除可能に接続される末端区画を含むことができる。それによって単一のタイプの末端区画を異なる体型(例えば、異なる身長)の患者に対して使用することができる。本明細書で使用する時に、リード及びリード本体という用語は、患者190に治療信号を供給するデバイスを担持するいくつかの適切な担体及び/又は支持部材のいずれかを含む。例えば、リード111は、患者の緩和をもたらすためなどに患者の組織内に電気信号を誘導する1つ又はそれよりも多くの電極又は電気接点を含むことができる。他の実施形態では、信号送出要素110は、患者190に同じく電気信号及び/又は他のタイプの信号を誘導するリード本体以外のデバイス(例えば、パドル)を含むことができる。
【0011】
パルス発生器101は、ターゲット神経を上方調節(例えば、刺激又は励起)及び/又は下方調節(例えば、阻止又は抑止)する信号送出要素110に信号(例えば、電気信号)を送信することができる。本明細書で使用する時及び特に断らない限り、「調整する」及び「調整」という用語は、一般的に、ターゲット神経に対するいずれかのタイプの上述の効果を及ぼす信号を指す。パルス発生器101は、適切な治療信号を発生及び送信するための命令を収容する機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体を含むことができる。システム100のパルス発生器101及び/又は他の要素は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ107、メモリ108、及び/又は入出力デバイスを含むことができる。従って、調整信号を供給して他の関連の機能を実行する処理は、コンピュータ可読媒体上に、例えば、プロセッサ107及び/又はメモリ108に収容されたコンピュータ−実行可能命令によって実行することができる。パルス発生器101は、図1Aに示すように、単一のハウジングに又は複数のハウジングに収容された複数の部分、要素、及び/又はサブシステム(例えば、複数の信号送出パラメータに従って信号を誘導するための)を含むことができる。
【0012】
パルス発生器101はまた、1つ又はそれよりも多くのソースから受け取る入力信号を受信及び応答することができる。入力信号は、治療命令が選択、実行、更新、及び/又は他の方法で実施される方法を誘導するか又は影響を及ぼすことができる。入力信号は、パルス発生器101によって担持される1つ又はそれよりも多くのセンサ112(1つのセンサが、例示を目的として図1に概略的に図示)から受信し、及び/又はパルス発生器101と依然として通信中にパルス発生器101外に(例えば、他の患者位置に)配信することができる。センサ112は、患者の状態(例えば、患者の位置、患者の姿勢、及び/又は患者の活動レベル)に依存するか又はそれを反映する入力、及び/又は患者とは独立している入力(例えば、時間)を供給することができる。他の実施形態では、入力は、より詳細に後述するように患者及び/又は開業医によって供給することができる。更なる詳細は、引用により本明細書に組み込まれる2010年2月10日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/703,683号明細書に含まれている。
【0013】
一部の実施形態では、パルス発生器101は、外部電源103から治療信号を発生させる電力を得ることができる。外部電源103は、電磁誘導(例えば、RF信号)を使用して、埋め込まれたパルス発生器101に電力を伝達することができる。例えば、外部電源103は、埋め込み型パルス発生器101内の対応する内部コイル(図示せず)と通信する外部コイル104を含むことができる。外部電源103は、使いやすいように携帯型とすることができる。
【0014】
別の実施形態では、パルス発生器101は、外部電源103に加えて又はその代わりに内部電源から治療信号を発生させる電力を得ることができる。例えば、埋め込まれたパルス発生器101は、このような電力を供給するために、非充電式バッテリ又は充電式バッテリを含むことができる。内部電源が充電式バッテリを含む時に、外部電源103は、バッテリを再充電するのに使用することができる。外部電源103は、適切な電源(例えば、従来の壁面コンセント)から再充電することができる。
【0015】
一部の場合には、外部プログラマー105(例えば、試験調整器)は、パルス発生器101を埋め込む前に、初期埋め込み手順中に信号送出要素110に結合することができる。例えば、開業医(例えば、内科医及び/又は会社代表者)は、外部プログラマー105を使用して、リアルタイムで信号送出要素110に供給された調整パラメータを変えて最適又は特に有効なパラメータを選択することができる。これらのパラメータには、信号送出要素110の位置、並びに信号送出要素110に供給される電気信号の特性を含むことができる。典型的な処理において、開業医は、ケーブルアセンブリ120を使用して、信号送出デバイス110に外部プログラマー105を一時的に接続する。ケーブルアセンブリ120は、従って、外部プログラマー105に解除可能に接続される第1のコネクタ121及び信号送出要素110に解除可能に接続される第2のコネクタ122を含むことができる。従って、信号送出要素110は、信号送出要素110を信号発生器に直接に(十分に長い場合)又は間接的に(十分に長くない場合)接続することを可能にする接続要素を含むことができる。開業医は、初期位置において信号送出要素110が有効であるか否か試験することができる。開業医は、次に、ケーブルアセンブリ120を切り離し、信号送出要素110を移動させて、電気調整を再び適用することができる。この処理は、開業医が信号送出デバイス110の望ましい位置を得るまで反復的に実行することができる。任意的に、開業医は、ケーブルアセンブリ120を切り離すことなく、部分的に埋め込まれた信号送出要素110を移動させることができる。適切なケーブルアセンブリの方法及び関連の技術の更なる詳細は、引用により本明細書に組み込まれている2009年9月18日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/562,892号明細書に説明されている。より詳細に後述するように、本発明の開示の特定的な態様は、上述の反復処理を有利に軽減又は排除することができる。
【0016】
信号送出要素110の位置及び適切な信号送出パラメータが外部プログラマー105を使用して確立された後に、患者190は、一般的に制限期間にわたって外部プログラマー105によって発生された信号を通じて治療を受けることができる。代表的な用途において、患者190は、1週間にわたってこのような治療を受ける。この時間中に、患者は、体外にケーブルアセンブリ120及び外部プログラマー105を着用する。試験治療が有効であるか又は有効であるという保証が得られると仮定して、開業医は、次に、外部プログラマー105に代えて埋め込まれたパルス発生器101を使用し、試験期間中に得られた体験に基づいて選択されたパラメータでパルス発生器101をプログラムする。任意的に、開業医は、信号送出要素110を代わりに使用することができる。埋め込み型パルス発生器101が患者190に位置決めされた状態で、パルス発生器101によって供給された信号送出パラメータは、無線内科医プログラマー(例えば、内科医のリモコン)111及び/又は無線患者プログラマー106(例えば、患者のリモコン)を通じて遠隔操作で依然として更新することができる。一般的に、患者190が制御するパラメータ数は、開業医よりも少ない。例えば、患者プログラマー106の機能は、パルス発生器101の始動及び/又は停止、及び/又は信号振幅の調節に限定することができる。
【0017】
上述の実施形態のいずれにおいても、パルス発生器101が信号を供給するパラメータは、治療療法の各部分中に調整することができる。例えば、周波数、振幅、パルス幅、及び/又は信号送出位置は、予め設定されたプログラム(患者及び/又は内科医入力)に従って及び/又はランダムに又は疑似乱数的に調整することができる。このようなパラメータ変動は、痛みの患者の知覚の変化、好適なターゲット神経母集団の変化、及び/又は患者の適応又は慣れを含むいくつかの潜在的な臨床状況に対処するのに使用することができる。
【0018】
上述のシステム及び方法のある一定の態様は、本発明の開示の特定の実施形態において簡素化又は排除することができる。例えば、少なくとも何らかの例において、システムによって送出される治療信号は、従来の刺激システムよりもリード位置及び信号送出パラメータ(例えば、振幅)に遥かに影響されない効果を生成することができる。従って、上述のように、リード埋め込み手順中に適切なリード位置及び関連の信号送出パラメータを識別する試行錯誤的処理(又はこの処理の一部分)を排除することができる。この簡素化に加えて又はその代わりに、リード埋め込み後の試験期間を排除することができる。上述の簡素化に加えて又はその代わりに、信号送出パラメータを選択して長期的に信号を管理する処理を大幅に簡素化することができる。上記及び他の予想される有益な結果の更に別の態様を以下でより詳細に説明する。
【0019】
2.0.代表的な治療パラメータ
本出願の譲受人である「Nevro Corporation」は、最初に従来の脊髄刺激(SCS)技術で、その後、以下で更に開示する新開発の技術で複数の患者を治療した多点治験を行った。初期研究中に得られた結果を確認して拡張した新開発の技術を中心とした更に別の治験によりこの研究の追跡が行われた。新開発の技術、治療、及び/又はシステムの複数の実施形態は、本発明で開示する技術、治療、及び/又はシステム)又はより全般的に本発明で開示する技術と呼ぶ。
【0020】
2.1.初期比較研究
初期治験前に、選択された患者は、1次慢性腰痛(患者により、例えば、神経障害性痛み及び/又は侵害性痛み、及び/又は他のタイプの痛み)を単独で又は他の区域、一般的に患者の脚に影響を与える痛みとの組合せで有すると識別される。全ての事例において、腰痛が主要なものであった。研究中に、患者は、2つのリードが取り付けられ、各々、図1Aに示すものと全般的に類似の方法で脊髄領域に埋め込まれた。一方のリードは、脊髄正中線189の片側に埋め込まれ、他方のリードは、脊髄正中線189の反対側に埋め込まれた。図1Bは、リード110が代表的な患者において埋め込まれた位置と共に脊髄191及び隣接椎骨195の断面図である(一般的に、Crossman及びNeary共著「神経解剖学」、1995年(Churchill Livingstoneにより出版)からの情報に基づく)。脊髄191は、腹部に位置する腹部本体196と背面に位置する横突起198と棘状突起197の間に存在する。矢印V及びDは、それぞれ、腹面及び背の方向を識別する。脊髄191自体は、硬膜199に位置し、硬膜199は、後根193及び後根神経節194を含む脊髄191を出る神経の部分を取り囲む。リード110は、2つのリード110が約2mm分互いから離間するように横方向の反対方向に脊髄正中線189(例えば、約1mmオフセット)からちょうど離れて位置決めされている。
【0021】
リード110が図1Bに示すように位置する患者には、最初に、リードは椎骨レベルT7−T8に位置決めされている。この位置は、一般的に腰痛の標準SCS治療のためのものであり、その理由には、これより低い椎骨レベルでは、標準SCS治療では、望ましくない副作用が生じて及び/又は有効性が劣ることが一般的に当て嵌まるからである。このような副作用には、不要な筋肉起動及び/又は痛みがある。リード110が埋め込まれた状態で、患者は、5日間にわたって標準SCS治療を受けた。この療法は、1500Hz未満(例えば、60〜80Hz)の周波数、100〜200μ秒のパルス幅、及び100%の負荷サイクルでの刺激を含むものであった。
【0022】
患者が研究の標準SCS部分を完了した後に、患者は、次に、本発明で開示する技術に従って調整を受けた。これらの技術の一態様は、椎骨レベルT9、T10、T11、及び/又はT12に位置するようにリード110を下方に移動させる段階を含むものであった。リード110が移動された後に、患者は、約3kHz〜約10kHzの周波数で治療信号を受け取った。特定の事例において、治療は、8kHz、9kHz、又は10kHzで行われた。これらの周波数は、標準SCSに関連の周波数よりも大幅に高く、従って、上記及び他の代表的な周波数(例えば、約1.5kHz〜約100kHz)の調整は、高周波数調整と本明細書で呼ぶことができる。調整は、約50%から約100%までの負荷サイクルで一般的に適用され、調整信号は、約1ミリ秒〜約2秒の期間にわたってオン、約1ミリ秒〜約5秒の期間にわたってオフである。印加されたパルスの幅は、約30〜35μ秒であり、振幅は、全体的に約1mAから約4mA(名目上約2.5mA)に変化させた。上述のパラメータに従った調整は、一般的に初期治験中に約4日間にわたって患者に適用された。
【0023】
図2〜図6Aは、上述のパラメータに従って患者を試験することによって得られた臨床結果の要約をグラフ表示に示している。図2は、様々な状態に関する患者の「視覚的アナログ尺度(VAS)」痛み得点を示す棒グラフである。図2に示す得点は、全体的痛みに関する。上述のように、これらの患者は、主として腰痛があり、従って、腰痛だけの痛み得点は、図2に示すものとほぼ同じであった。棒の各々は、研究のこの部分に関わった複数の患者により報告された値の平均を表している。棒201及び202は、それぞれ、薬物投与の恩典のない患者に関する8.7の基線痛みレベル及び薬物投与ありの6.8の基線レベルを示している。研究の日数ゼロでリード埋め込みを受け、上述のパラメータに従って高周波数調整を開始した後に、患者は、棒203により表されるように約4.0の平均的な痛み得点を報告した。次の3日にわたって(棒204〜213により表現)、患者は、図2に対応するラベル付きの棒によって示すように、毎日の朝、正午、及び夕方に日記に痛みレベルを記録した。更に、図2に対応するラベル付きの棒によって示すように、痛みレベルは、事例報告フォーマット(CRF)に現地研究コーディネータにより毎日記録されている。この期間中に、患者の平均的な痛み得点は、約2.2(棒212及び213により表現)の報告された最小レベルに徐々に減少した。
【0024】
比較を目的として、棒214は、研究の早期に標準SCS療法を受けた同じ患者に関する痛み得点を示している。棒214は、標準SCS療法に関する平均的な痛み値が3.8であったことを示している。本発明で開示する療法の結果とは異なり、標準SCS療法では、数日にわたって比較的平坦な患者痛み結果が出る傾向があった。棒213及び214を比較すると、臨床結果により、本発明で開示する療法により標準SCS療法と比較した時に痛みが42%軽減されたことが見出される。
【0025】
他の痛み指数は、全般的に一貫した結果を示している。「Oswestry障害指数」上では、平均的な得点は、54の基線値から33の値まで落ち、これは、「高度障害」から「中等度障害」への変化に対応する。患者全般の改善得点は、1(大幅改善)〜7(大幅悪化)の尺度で1.9とランクされている。
【0026】
本発明で開示する療法で、標準SCS療法よりも大きい痛み緩和を得るばかりでなく、患者は、図3〜図5Cを参照して以下で更に説明する他の利点も受けた。図3は、患者が調整の変更を開始した日当たりの回数を示す棒グラフである。結果は、標準SCS療法(棒301)及び本発明で開示する療法(棒302)に対して示されている。患者により開始された調整の変更は、一般的に、印加された信号の振幅の変更であり、例えば、図1Aを参照して上述したような外部調整器又はリモコンを通じて患者により開始されたものであった。標準SCS療法を受ける患者は、1日につき平均44回、信号送出パラメータの変更を開始した。開始された変更は、一般的に、患者が位置、活動レベル、及び/又は活動タイプを変更し、次に、治療信号から痛み緩和の低減、及び/又は不快な、心地よくない、辛い、不要な、又は不意の感覚を受けた時に引き起されている。本発明で開示する療法を受ける患者は、開業医の要請があり次第である場合を除き、信号送出パラメータを全く変更しなかった。特に、患者は、辛い刺激を回避するために信号振幅を変更したりしなかった。従って、図3は、本発明で開示する療法がリード移動、患者の位置、活動レベル、及び活動タイプに標準SCS療法ほど大幅に影響を受けやすいものではないことを示している。
【0027】
図4は、本発明で開示する療法を受ける患者に関する活動得点を示す棒グラフである。活動得点は、一般的に自分が着手することができる活動の量に対する満足感の患者のレベルを示す快生度得点である。4図に示すように、棒401は、治療を始まる前に1.9(例えば、不可〜可)の得点を有する患者を識別している。得点は、治療の2日目の終了時に患者がほぼ3(「良」の得点に相当)の得点を報告したように時間と共に改善した(棒402〜404)。研究の期間が長くなれば、患者の得点が図4に示す結果を上回って改善する可能性が十分にあることが予想される。しかし、図4に示す結果でさえも、3日間にわたって本発明で開示する療法を受ける患者の活動得点の改善は53%であった(基線と比較)。事例研究によれば、患者は、標準SCS療法を受ける時よりも本発明で開示する療法を受ける時の方が活動的であることを示している。事例研究の報告に基づくと、標準SCS療法を受ける患者の同じ期間にわたる活動得点の改善は、10〜15%に過ぎないであろうと予想される。
【0028】
図5Aは、本発明で開示する療法を受けて6つの活動、すなわち、立つ、歩く、階段を登る、座る、車に乗る、及び食べることを行う患者に関する活動得点の変化を示す棒グラフである。これらの活動の各々に対して、棒の群(参照番号501、502、503...506により識別される個々の群に関する)は、患者の活動得点が全体的に時間の経過に伴って改善したことを示している。これらの結果は、活動の改善は幅広く、特定の活動に限定されないことを更に示している。更に、これらの結果は、食べることの30%から立つ、歩く、及び階段を登ることの80%−90%にわたる各活動における重要な改善のレベルを示している。事例研究によれば、標準SCS治療を受ける患者では、受ける患者の活動の改善は約10%〜20%に過ぎないであろうと予想される。また、事例研究によれば、活動レベルの改善は、標準SCS治療を受ける時に猫背であり、かつ直立に立ち上がることができなかった少なくとも一部の患者において直接に観測されている。これとは対照的に、本発明で開示する療法を受けた時に、これらの患者は、直立に立ち上がって他の通常の活動に従事することができた。
【0029】
患者が体験する改善は、活動の改善に限定されず、睡眠を含む相対的な非活動性までに及んだ。例えば、標準SCS療法を受ける患者は、うつ伏せに横たわる時に特定のレベルで信号送出パラメータを確立する場合がある。睡眠中に寝返りを打った時に、患者は、患者を起こすために標準SCS治療により行われる痛み低減の有意な十分な変化を体験する場合がある。多くの場合、患者は、SCS信号が低減することを目的とする痛みに加えて、SCS信号自体によって生成される痛みを更に受ける場合がある。本発明で開示する技術に対して、これとは対照的に、この望ましくない影響を回避することができる。図5B及び5Cは、本発明で開示する療法を受ける臨床患者に関する睡眠に及ぼす平均的な効果を示している。図5Bは患者障害の低減を示し、図5Cは、睡眠時間数の増加を示している。他の実施形態では、患者は、痛みの低減で他の作業を行うことができる場合がある。例えば、患者は埋め込み型デバイスによって達成される治療レベルを調整する必要がなく運転することができる。従って、本発明で開示する療法の方が、このような状況、及び/又は患者の快生度を改善する他の状況において患者に容易に用いることができる。
【0030】
付加的な患者フィードバックに基づいて、ターゲット位置で本発明で開示する療法を受けた(例えば、目標とする位置から大幅に移動するリードなしで本発明で開示する療法を受けた)試験された患者の全員が、標準SCS療法よりも本発明で開示する療法を好んだ。更に、患者が体験する痛み緩和のレベルに関わりなく、患者の88%が、知覚異常を生じることなく痛みを低減したので標準SCS療法よりも本発明で開示する療法を好んだ。これは、患者が痛みより知覚異常を好む場合があるが、過半数を大きく超える患者が痛み、知覚異常のいずれにも対する感覚を好まないことを示している。本発明で開示する療法を通じて得られたこの結果は、痛み緩和を生成するために知覚異常(すなわち、マスキング)に頼ると一般的に理解された標準SCS療法に対しては利用不能である。
【0031】
更に、事例研究的データは、本発明で開示する療法を受ける患者は、標準SCSを受ける時ほどの筋肉捕捉を受けなかったことを示している。特に、患者は、一部又は全てが標準SCSを受けた時に受けた痙攣、痛み、及び筋肉痛がなかったことを報告した。患者は、随意筋活動との干渉はないと報告しており、代わりに、本発明で開示する療法により妨げられずに運動課題を行うことができることも示した。更に、患者は、触覚(例えば、振動を検出する)、温度、及び固有受容感覚を含む他の感覚との干渉なしと報告した。殆どの場合、患者は、侵害性痛み感覚との干渉なしと報告した。しかし、一部の場合には、患者は、切開部痛み(信号送出リードを埋め込むために使用される切開部に関連)なし及び慢性周辺痛み(関節炎に関連)なしを報告した。従って、特定の実施形態では、本発明の開示する技術の態様は、急性周辺痛み及び/又は慢性周辺痛みを含む侵害性痛みに対処するのに使用することができる。例えば、少なくとも一部の場合には、低〜中の侵害性痛みを有する患者は、上述の治療の結果として緩和を受けた。より厳しい/慢性侵害性痛みを有する患者は、全体的に本発明の治療技術には完全には応答しなかった。この結果は、より詳細に後述するように、患者が体験する痛みのタイプを識別するための診断設定に使用することができる。
【0032】
図6Aは、本発明で開示する療法が行われたリード上のアクティブ接点の位置(椎骨レベルにより指示)の関数として成功した治療結果の件数を示す棒グラフである。一部の場合には、患者は、調整が1つよりも多い椎骨の位置で行われた時に成功した結果を得ていた。6A図に示すように、成功した結果は、椎体T9〜T12の大きい軸線方向の範囲(脊椎に沿って上下方向に測定した時)にわたって得られた。これは、好適なターゲット位置(例えば、T10辺りで)があると考えられるが、リードは、広範な位置に位置決めして依然として成功した結果を出すことができることを示している点で驚くべき結果である。特に、隣接椎体は、一般的に、ほぼ32mm(特定の患者解剖学的組織による)により互いから離間しており、成功した結果は、4つの椎体の広範囲(約128mm)にわたって、かつ1〜2つの椎体のそれより狭い範囲(約32〜64mm)にわたって得られた。これとは対照的に、標準SCSデータによれば、一般的に、治療は、僅か1mmのずれで効果ありから効果なしに変化する場合がある。より詳細に後述するように、本発明で開示する療法に関連の柔軟性及び多用性は、患者及び開業医に対して有意な恩典をもたらすことができる。
【0033】
図6B及び図6Cは、本発明の開示の特定の実施形態により患者を治療する方法を示す流れ図である。製造業者又は他の適切な事業体は、本明細書で開示する上記及び他の方法を実行する指示を開業医に与えることができる。製造業者は、少なくともこれらの方法の一部を実行するように開示するシステムのデバイスをプログラムすることができる。図6Bは、患者に信号発生器を埋め込む段階(ブロック610)を含む方法600を示している。信号発生器は、患者の腰又は他の適切な位置に埋め込むことができる。方法600は、更に、患者の脊髄領域(ブロック620)で信号送出デバイス(例えば、リード、パドル、又は他の適切なデバイス)を埋め込む段階を含む。本方法のこの部分は、約T9から約T12(例えば、約T9〜T12、包含的)(ブロック621)の範囲の椎骨レベルで、及び脊髄正中線からDREZ(包含的)(ブロック622)の範囲の横位置でデバイス(例えば、デバイスのアクティブ接点)を埋め込む段階を含むことができる。ブロック630で、本方法は、信号発生器及び信号送出デバイスを通じて高周波数波形を印加する段階を含む。特定の例において、信号(又は少なくとも信号の一部)の周波数は、約1.5kHzから約100kHzまで、又は約1.5kHzから約50kHzまで、又は約3kHzから約20kHzまで、又は約3kHzから約15kHzまで、又は約5kHzから約15kHzまで、又は約3kHzから約10kHzまでとすることができる。方法600は、更に、患者の痛み、例えば、慢性腰痛を阻止、抑止、抑制、又は他の方法で低減する段階(ブロック640)を含む。本方法のこの部分は、不要な感覚的な影響及び/又は制限事項なしで(ブロック641)、及び/又は運動の影響なしで(ブロック642)痛みを低減する段階を含むことができる。例えば、ブロック641は、他の感覚の患者による知覚を低減することなく、及び/又は更に別の痛みを引き起こすことなく痛みを低減又は排除する段階を含むことができる。ブロック642は、筋活動を引き起こすことなく及び/又は運動信号伝送を妨げることなく痛みを低減又は排除する段階を含むことができる。
【0034】
図6Cは、図6Bを参照して上述したものに追加の特徴を含む方法601を示している。例えば、高周波数波形(ブロック630)を印加する処理は、望ましくない感覚及び/又は運動干渉(ブロック631)のような不要な副作用をもたらすことなく広い変動範囲(例えば、一実施形態では1mA未満から最大約8mAまで、他の実施形態では、それぞれ、約6mAまで約5mA)にわたって処理する段階を含むことができる。別の実施形態では、高周波数波形を印加する処理は、固定振幅で波形を印加する段階(ブロック632)を含むことができる。更に後述するように、これらの態様の各々は、患者及び/又は開業医に恩典を与えることができる。
【0035】
患者痛みを阻止、抑止、又は他の方法で低減する処理(ブロック640)は、知覚異常をもたらすことなく、代わりに、意図的に生成された知覚異常に関連して処理する段階(ブロック644)を含むことができる。上述のように、臨床結果によれば、殆どの患者は、知覚異常があることよりも知覚異常がないことを好み、その理由には、例えば、知覚異常の感覚は、患者が位置を変え及び/又は信号振幅を調整した時に心地よくないか又は辛い感覚に変わる場合があるからである。しかし、一部の場合には、患者は、知覚異常(例えば、SCSを前に受けたた患者)の感覚を好む場合があり、従って、SCSを受ける選択肢を有することができる。知覚異常を誘発する調整と知覚異常を誘発しない調整の組合せを含む方法の更なる詳細は、引用により本明細書に先に組み込まれた米国特許仮出願第61/171,790号明細書に含まれている。他の場合には、知覚異常は、部位選択に向けて(例えば、アクティブ電極が位置決めされる位置を判断するために)開業医が利用することができる。上記に加えて、患者痛みを低減する段階は、標準SCSが通常非常に影響を受けやすい患者属性に相対的な無感覚な状態でそうする段階(ブロック645)を含むことができる。これらの属性には、患者の動き(ブロック646)及び/又は患者の位置(ブロック647)を含むことができる。
【0036】
2.2.追加研究
本出願の譲受人である「Nevro Corporation」は、上述の療法の特定のパラメータ及び結果を評価するために追加研究を行った。追加研究において、患者は、埋め込まれたリード及びシミュレータを受け入れて数カ月にわたって治療を受けた。この研究には、各患者に関する従来のSCS技術との直接的な比較は含まれてなかったが、患者の一部は、本発明の技術による調整を受ける前に従来のSCS療法を受けた。選択した結果に対して以下で更に説明する。
【0037】
図7Aは、追加研究中に用いた一般的なリード配置の概略図である。この研究において、2つのリード111(第1のリード111a及び第2のリード111bと図示)は、患者の脊椎のいくつかの椎骨レベルに及ぶ調整機能が得られるようにほぼ両端を突合せて位置決めされた。リード111a、111bは、リード位置のシフトの可能性を考慮するように僅かに重なり合うように位置決めされた。治療中に、2つのリード111a、111bの接点Cを一度に1つのリードで起動させた。換言すると、一方のリード111のみの接点Cが、いずれかの1つの時間にアクティブであり、信号は、異なるリード111上に位置する接点Cの間に誘導されなかった。2つのリードが治験中に使用したが、一般的な使用において、単一のリードを適切な椎骨レベルに位置決めすることができることが予想される。リードは、図9を参照して以下でより詳細に説明するように、本明細書に説明するものと同じか又は類似の効果をもたらすためにより広く離間した接点を有することができる。
【0038】
各リード111a、111bの接点Cは、ほぼ3mmの幅W2を有し、ほぼ1mmの距離D1により互いから分離される。従って、隣接接点Cの間の心間隔Sは、ほぼ4mmである。リード111a、111bは、患者の脊髄正中線189で又はその近くに位置決めされた。一方のリードは、脊髄正中線189の片側に位置決めし、他方のリードは、脊髄正中線189の反対側に位置決めされた。研究中に、いくつかの重要な効果が観測されている。例えば、リード111a、111bは、治療の有効性に大幅に影響を与えることなく、正中線189(例えば、6〜10mmの全幅)から、±3〜5mmの全幅を有する比較的広い窓W1内の様々な位置のいずれにも位置決めすることができる。更に、相互的な痛みがある(例えば、正中線189の両側)患者は、リード110a、110bの横位置に関係がない相互的な緩和を報告した。例えば、リードが正中線189の片側上の窓W1に位置する患者は、正中線189の反対側の痛み緩和を報告した。これは、従来のSCS療法と異なっており、従来のSCS療法に対して、相互的な緩和は、少しでも得られた時には、厳密に正中線リード位置からの逸脱があれば一般的に非常に影響を受けやすい。更に、隣接アクティブ接点間の距離は、標準SCSに対してより一般的であるものよりも大幅に大きかった。例えば、開業医は、隣接アクティブ接点が20mmの中心間間隔、及び17mmの縁部間距離を有するようにいくつかの連続的な接点を「スキップ」(例えば、作動停止)することができた。更に、患者は、アクティブ接点の軸線方向の位置に比較的鈍感であった。例えば、開業医は、2つの椎体(例えば、約64mm)まで延びることが予想される広範囲にわたる接点間隔にわたって同じか又はほぼ同じレベルの痛み緩和を確立することができた。更に、開業医は、本出願と同時出願でありかつ引用により本明細書に組み込まれる現在特許出願中の米国特許出願第12/______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US)においてより詳細に説明するように、特定の接点が陰極又は陽極と識別されたか否かに関わらず類似の治療効果を得た。
【0039】
追加研究における殆どの患者に対して、リードをT9〜T10椎骨の位置で埋め込んだ。これらの患者は、一般的に、治療を受ける前に主として腰痛を受けていたが、脚の痛みも受けていた患者もいた。追加研究及び初期研究中に得られる結果に基づいて、腰痛に対処するための全体的な椎骨位置範囲は、約T9から約T12までであると予想される。この範囲では、T12又はT11〜T12の調整が腰痛及び脚の痛みがある患者をより有効に治療することができると更に予想される。しかし、一部の場合には、患者は、椎骨の位置が高いほど(例えば、T9〜T10)大きい脚の痛み緩和を受けており、更に別の特定の場合には、T9の調整によりT10の調整より大きな脚の痛み緩和が得られた。従って、上述の一般的な範囲では、特定の患者は、生理特性又は対応する好適な椎骨の位置を生成する他の要素を有することができる。
【0040】
追加研究における治療を受ける患者は、約10kHzの周波数で方形波信号を受け取った。患者は、約2mAの初期電流振幅(2相性)で100%の負荷サイクルで調整を受けた。患者及び開業医は、信号振幅を一般的に最大約5mAまで調整することができた。上述のレベルのいずれかで、信号パルスは、閾値上であると予想され、これは、ターゲット神経母集団でのいずれかの固有の神経活動と関無係にターゲット神経母集団において活動電位を引き起こすことができることを意味する。
【0041】
調整システム100が埋め込まれて起動した後に、追加研究における患者を定期的に評価した。30日間治療を受けた後にこれらの患者により報告されたVAS得点は、平均が約1.0であり、これは、図2に関して上述した傾向が何らかの期間にわたって続いたことを示すものであった。これらの患者の少なくとも一部は、約2.25のレベルまでのVAS得点の増加を報告した。この増加が患者の活動レベルの増大から生じたと予想される。従って、この増加は治療の有効性において低減を示すのではなく、むしろ患者が他の場合ではあれば従事しない活動に従事することを可能にする有効な治療を示すと考えられる。
【0042】
図7Bは、様々な活動に従事して追加研究プロトコルに従って調整を受ける患者に関する全体的なOswestry得点を示している。100点は、完全な障害状態に対応し、0点は、障害なしに対応する。例えば、これらの得点は、初期研究からの結果と合致し、実際には、初期研究からの結果を上回って改善した経時的な一般的な改善を示している。更に、一部の患者は、上述の実施形態により治療を受けた後に杖又は車椅子をもはや必要としないか又は使用しないことを報告した。
【0043】
追加研究からの結果により、治療の治療効果は、比較的電流振幅の変化の影響を受けないことが確認されている。特に、患者は、通常、約2.0mAから約3.5mAまでのレベルで調整を受けた。殆どの場合、患者から、印加された信号の振幅を変更した時の痛み低減の大きな変化の報告はなかった。患者は、一部の場合には、望ましくない副作用を報告する前に約5mAのレベルまで電流振幅を増大させることができた。更に、副作用は、突然にではなく徐々に起こり始めるものであった。一部の患者からの事例研究的フィードバックによれば、いずれかの望ましくない副作用の始まりと関無係に、高い振幅(例えば、5mAを超える時)で治療有効性が下がり始めた。患者は、2mA未満の電流振幅で有効な治療を受けることができると更に予想される。この予想は、少なくとも部分的に、負荷サイクルを低減しても(例えば、70%に)有効性が低減しないことを示すデータに基づくものである。
【0044】
また、追加研究の結果によれば、殆どの患者(例えば、患者のほぼ80%)は、システムが埋め込まれて起動された状態で、信号送出パラメータの何らかの特徴(例えば、アクティブ接点の数及び/又は位置及び/又は電流振幅)を変更しなくても少なくとも満足な痛み低減を受けた。患者の小さい部分集合(例えば、約20%)は、特定の活動に従事した時に電流振幅の増大の恩典を受け、及び/又は睡眠中に低電流振幅化の恩典を受けていた。これらの患者に対して、活動に従事中に信号振幅を増大させると、痛み緩和の程度の増加が得られ、夜間に振幅を低減すると省電力と同時に過度の刺激の見込みが低減した。代表的な例において、患者は2つのこのようなプログラム、すなわち、比較的高い電流振幅(例えば、約1mAから約6mAまで)で信号を供給する「強い」プログラム及びそれより低い電流振幅(例えば、約0.1mAから約3mAまで)で信号を供給する「弱い」プログラムの中から選択した。
【0045】
追加研究中に別の観測された効果は、患者は、本発明の技術に従って調整を受ける前に自発的にオピオイド及び/又は痛みに対処するために受けていた他の痛み薬物投与の摂取量を低減したことであった。患者の自発的な薬物摂取量低減は、現在の技術に従って行われた調整の直接的な結果である薬物の必要性の減少の直接的な結果であることが予想される。しかし、オピオイドは習慣性があるために、患者が簡単にオピオイドの使用を自発的に絶ったことは驚くべきであった。従って、少なくとも一部の患者に対しては、本発明の技術が、痛み低減に加えて、これらの薬物に対する化学的依存性を低減するように働いたとも予想される。従って、少なくとも一部の実施形態では、本発明の開示による治療技術は、患者は腰痛に対してみ治療されたか及び/又は治療中であるかと関無係に、患者の化学的依存性を低減又は排除するために用いることができることが更に予想される。
【0046】
追加研究に参加した患者は、通常、神経障害性痛み、侵害性痛み、又は神経障害性痛み及び侵害性痛みの組合せを体験していた。神経障害性痛みは、痛みを訴える神経機構の機能障害から生じる痛みを一般的に指し、この機能障害は、外部神経トリガがなくても痛みの感覚をもたらす可能性がある。侵害性痛みは、特定の機械的又は他の物理的影響(例えば、椎間板ヘルニア、筋肉損傷、又は骨損傷)により引き起こされた時に患者により適正に感知される痛みを一般的に指す。一般的に、神経障害性痛みは、絶え間なく、侵害性痛みは、例えば、患者位置又は活動で変動する。少なくとも一部の実施形態では、本発明の技術に従った治療は、侵害性痛みより神経障害性痛みに有効に対処するように思われる。例えば、治療(主に神経障害性痛みを示す)に入る前に低いレベルの痛み変動を報告した患者は、治療中に、痛みが大幅に変動した患者より大きい痛み緩和を受けた。2つの特定の場合には、治療が有効ではなく、これは患者の腰の解剖学的組織に関する機械的問題から生じたと思われ、それによってその患者は、本発明の治療より外科手術の格好の候補であると識別されている。従って、神経障害性痛み及び(少なくとも一部の場合に)侵害性痛みに対処することに加えて、本発明の技術による手法は、主として神経障害性痛みよりもむしろ侵害性痛みを有する患者を識別する選別ツールとして作用することができる。例えば、本発明の技術に従って信号を受ける時に、開業医は、少なくとも部分的に、痛み低減の存在及び/又は量(変動の量を含む)に対応する患者からのフィードバックに基づいてそのような識別を行うことができる。この診断技術を使用する結果として、これらの患者は、侵害性痛みに直接に対処することができる外科手術又は他の処置の対象とすることができる。特に、患者は本発明の技術に従って信号を受け取ることができ、これらの患者が反応しない場合、外科的介入の適切な候補になる場合がある。言うまでもなく、患者が反応する場合、治療として本発明の技術に従って信号を受信し続けることができる。
【0047】
3.0.作用の機構
本発明の技術の実施形態によって供給される治療のための潜在的な作用機構と共に、図8は標準SCS治療のための予想作用機構を示す概略図である(Linderoth及びForeman共著「痛みを伴う症候群の脊髄刺激の機構:動物モデルの役割」、痛み医療、第51巻、2006年に基づく)。抹消神経が傷ついた時に、Aδ侵害受容体及びC侵害受容体は、脊髄の後角で2次神経に興奮性伝達物質レベルの増大をもたらすと考えられる。矢印701により表す標準SCS療法は、2つの効果を有することが予想される。一方の効果は、患者の脳に脊柱に沿って伝達されて知覚異常として感知される順行性効果である。他方の効果は、介在神経細胞プールを励起する逆方向性効果であり、介在神経細胞プールは、2次神経への入力を抑制する。
【0048】
本発明で開示する療法のための1つの潜在的な作用機構は、矢印710により表しており、後根レベルで不完全な導通ブロック(例えば、求心性神経及び/又は導出性信号伝送の不完全なブロック)を生成することを含む。このブロックは、後根に加えて又はその代わりに脊柱、後角、及び/又は後根入口帯で発生する場合がある。これらの事例のいずれにおいても、導通ブロックは、小さい方のAδ及び/又はC線維を選り好みし、及び/又は優先的に小さい方のAδ及び/又はC線維に影響を与え、従って、2次神経への興奮性入力の減少を生成し、従って、脊髄視床路に沿って供給された痛み信号の減少が生成されることが予想される。
【0049】
別の潜在的な作用機構(図8で矢印720により表される)は、より深く介在神経細胞プールを起動させ、従って、2次神経への入力の抑制を増大させることを含む。それによって事実上、潜在的に2次神経が鈍感になり、慢性的痛み関連の信号の効果が患者上に影響を与える前に正常状態により近く変換される可能性がある。
【0050】
更に別の潜在的な作用機構は、慢性的痛みがある患者における神経細胞の感受性に関する。このような患者において、痛み伝達神経細胞は慢性的痛みを受けない人々の同じ神経細胞と比較すると異なる過敏な状態にある場合があり、従って、「敏感状態」にあり、かつ慢性的痛みを体験にしない人々の細胞より低い刺激の閾値で頻繁にかつ異なるパターンで発火する非常に増感した細胞になると考えられる。従って、脳は、大幅に変更された送信パターンで大幅に増大した量の活動電位を受け取る。従って、本発明で開示する療法が作業することができる潜在的な作用機構は、慢性的痛み患者内の神経細胞の「基線」を回復させるか又は非慢性的痛み患者の通常の基線及び発火頻度に向けて移動させるこの過敏性を低減することによるものである。この効果により、他の神経伝達(例えば、感触、熱など)に影響を与えることなく、この患者母集団において痛みの感覚を低減することができる。
【0051】
上述の作用機構は、上述の臨床結果を考慮することができる可能な作用機構とここで識別している。特に、これらの作用機構により、小さくて遅いA[δ]及びC線維により伝達された痛み信号を大きくて速いA[β]ファイバに沿って信号伝送に影響を与えることなく抑制することができる驚くべき結果を明らかにすることができる。これは、標準SCS治療を通じて得られる一般的な結果に反しており、標準SCS治療中では、調整信号は、一般的に低い振幅でAβ線維に影響を与えて、信号振幅がAβ線維により伝達される痛み又は他の不要な効果をもたらすほど高くなるまでAδ及びC線維には影響を与えない。しかし、本発明の開示の態様は、このような機構に直接に結び付ける必要はない。更に、2つの上述の提案する機構の両方の特徴は、一部の実施形態では観測された結果に組み合わせて考慮することができ、他の実施形態では、単独で又は2つの上述の機構のいずれか一方と組み合わせて観測された結果を他の機構により考慮することができる。1つのこのような機構には、脊髄周り脳脊髄液(CSF)に浸透する高周波(標準SCS刺激と比較)調整の機能の増大がある。別のこのような機構は、標準SCS周波数と比較する時に、高周波数に即して患者の組織によって示されるインピーダンスの予想される低減である。更に別のこのような機構は、引用により本明細書に組み込まれる2009年1月29日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/362,244号明細書により詳細に開示されているような非同期神経応答を引き出す高周波信号の機能である。本発明で開示する技術に関連するより高い周波数には従来のSCS技術よりも多くの電源が必要であるように初めは思われる場合があるが、従来のSCS値と比較すると、信号振幅を低減することができ(改良型信号浸透力のために)、及び/又は負荷サイクルを低減することができる(後述する持続効果のために)。従って、本発明で開示する技術は、標準SCS技術と比較した時に結果として正味の省電力を得ることができる。
【0052】
4.0.ある一定の実施形態に関連の予想される恩典
標準SCS療法と比較した時に、患者及び/又は開業医に対して、上述の実施形態のある一定のものは、様々な利点の1つ又はそれよりも多くをもたらすことができる。これらの恩典の一部に対しては上述している。例えば、患者は、脊髄に沿って通常の感覚的な信号及び運動信号に対する患者検出可能な阻害なしで有効な痛み緩和を受け取ることができる。特定の実施形態では、この療法により通常の運動信号及び/又は感覚的な信号に及ぼす何らかの効果をもたらすことができるが、その効果は、例えば、計器又は他のデバイスを通じた外部支援の助けを借りずに患者が本質的に確実に検出することができるレベルよりも小さいものである。従って、運動信号伝達及び他の感覚的な信号伝達(ターゲット痛みに関連の信号伝達以外)の患者のレベルは、治療前のレベルに維持することができる。例えば、上述のように、患者は、主に患者の動き及び位置に関係がない著しい痛み低減を受けることができる。特に、患者は、様々な位置を仮定し、及び/又は療法が患者に適用されるパラメータ(例えば、信号振幅)を調整する必要がなく、日常生活の活動及び/又は他の活動に関連の様々な運動に着手することができる。この結果により、様々な活動に従事しながら、患者の生活を大幅に簡素化すると共に痛み緩和を受けるのに必要とされる努力を低減することができる。この結果により、図5B及び図5Cを参照して上述したように、睡眠中に痛みを受ける患者に対して生活様式を改善することができる。
【0053】
信号振幅の変化から治療の恩典を受ける患者に対してさえも、上述の療法は、恩典をもたらすことができる。例えば、このような患者は、各々が異なる振幅及び/又は他の信号送出パラメータを有する限られた数(例えば、2つ又は3つ)のプログラムから患者の痛みの一部又は全てに対処することを選択することができる。1つのこのような例において、患者は、寝る前に1つのプログラムを、起きた後に別のプログラムを起動させる。別のこのような例において、患者は寝る前に1つのプログラムを、起きた後に第2のプログラムを、そうでない場合であれば痛みを引き起こす特定の活動に従事する前に第3のプログラムを起動させる。患者選択肢の組をこのように低減すると、療法が有効に痛みに対処する状況を低減することなく(実際は増加する)、簡単に痛みを管理する患者の機能を大幅に簡素化することができる。複数のプログラムを含むいずれかの実施形態では、患者の作業負荷は、自動的に患者状況の変化を検出し、適切な療法を自動的に識別及び送出することによって更に低減することができる。このような技術及び関連システムの更なる詳細は、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の米国特許出願第12/703,683号明細書に開示されている。
【0054】
上述の治験中に観測される別の恩典は、患者が療法レベルにおいて変化を確かに受ける時に、それが段階的な変化であるという点である。これは、従来のSCS療法に関連の一般的な変化と異なるものである。従来のSCS療法では、患者が位置を変更し、及び/又は振幅設定を変更した場合、患者は、耐えがたいと患者が説明することが多い痛みの突然の始まりを体験することがある。これとは対照的に、本発明で開示する療法で治療された時に、上述の治験の患者は、信号振幅が増大して閾値レベルの域を超えた時に、及び/又は患者が位置を変更した時に徐々に心地よくなくなると説明する痛みがある痛みの段階的な始まりを報告した。1人の患者は、痛みがやって来るが決して完全には増大しきらないのに似た感覚だと説明した。信号送出パラメータの変化に対する患者の反応のこの著しい差は、患者が、効果があっても直ちに痛みがあるのではないかと思うことなく、必要に応じてより自由に信号送出パラメータ及び/又は姿勢を変えることを可能にすることができる。
【0055】
上述の治験からの別の観測は、有効な療法の始まりと痛み又は不快の始まりの間の振幅「窓」が比較的広範囲にわたって、特に、標準SCS治療の場合でも広範囲にわたるという点である。例えば、標準SCS治療中に、患者は、通常、特定の振幅で痛み低減を受け、その振幅の約1.2〜約1.6倍で治療信号から痛みを受け始める(上述のように、突然の始まりがある場合がある)。これは、約1.4の平均的な変動範囲に対応する。更に、標準SCS刺激を受ける患者は、通常、痛み始まりレベルの近くで刺激を受けることを望むが、その理由は、療法はそのレベルが最も有効であるからである。従って、患者の好みにより、有効な変動範囲が更に低減される場合がある。これとは対照的に、本発明で開示する技術に従った療法では、結果的に、患者は、1mA又はそれ未満で痛み緩和を取得し、かつ非常に遥かに大きい変動範囲(例えば、一部の実施形態内において、1.6又は60%より大きいか、又は他の実施形態では100%より大きい)に対応し、印加された信号が4mAの振幅になるまで、一部の場合には、約5mA、6mA又は8mAまで痛み又は筋肉捕捉には遭遇しなかった。上述の振幅レベルでさえも、患者が体験する痛みは、標準SCS痛みの始まりに関連の痛みを大幅に下回るものであった。この結果の予想される利点は、患者及び開業医は、標準SCSによる方法よりも本発明で開示する方法の方が適切な療法振幅を選択する際には大幅に広い許容範囲を有することができるという点である。開業医は、例えば、不要な副作用を引き起こすことなく、脊髄でより多くの(例えば、より深い)線維に影響を与えようとして信号振幅を増大させることができる。より広い振幅窓の存在は、本発明で開示する療法が患者の姿勢及び/又は活動の変化に比較的影響されないことに寄与することができる。例えば、埋め込まれたリードとターゲット神経母集団との間の相対位置が、患者が移動する時に変化する場合、ターゲット神経母集団に到達する時の信号の有効な強度も変わる場合がある。ターゲット神経母集団がより広い範囲な信号強度の影響を受けない時に、この効果は、望ましくない副作用を引き起こすことなくより大きい患者の可動域を可能にすることができる。
【0056】
本発明で開示する療法は、開業医が振幅のより広域の範囲にわたって調整を提供することを可能にすることができるが、少なくとも一部の事例において、開業医は、範囲全体を使用する必要がある場合がある。例えば、上述のように、患者が療法を調整する必要があると考えられる例は、標準SCS療法と比較した時に大幅に低減することができる。その理由には、本発明で開示する療法は、比較的患者位置、姿勢、及び活動レベルの影響を受けないからである。上述の効果に加えて又はその代わりに、本発明で開示する技術に従って印加される信号の振幅は、標準SCSに関連の振幅よりも低くすることができ、その理由には、本発明で開示する技術は、脊髄の表面により近い神経細胞をターゲットにすることができるからである。例えば、腰痛に関連の神経繊維は、T9とT12の間の脊髄に入り、従って、これらの椎骨の位置で脊髄面に近いと考えられる。従って、治療信号(例えば、電流振幅)の強度は、控え目とすることができ、その理由には、信号は、目標とする効果を有するために脊髄組織の著しい深さを浸透する必要がないからである。このような低い振幅信号は、不要な感覚的な応答及び/又は運動応答などの副作用を引き起こす傾向を低減する(又はゼロにする)ことができる。このような低い振幅信号は、埋め込まれたパルス発生器により必要とされる電源を低減することができ、従って、電池寿命及び再充電及び/又はバッテリ交換の間の関連の時間を延ばすことができる。
【0057】
上述のパラメータに従って治療を行う更に別の予想される恩典は、開業医は、一般的に標準SCSリード配置に必要とされるのと同じレベルの精度でリードを埋め込む必要がないという点である。例えば、上述の結果は、2つのリード(脊髄正中線の両側に位置決めされたリード)を有する患者に対して特定されたが、患者は、単一のリードのみを正中線で設けた状態で同じか又はほぼ類似の痛み緩和を受けることになることが予想される。従って、開業医は、2本ではなく1本のリードのみを埋め込みさえすればよいことになる。患者は、リードが反対方向に脊髄正中線からシフトさせて位置決めされる時に人体の片側で痛み緩和を受けることができることが更に予想される。従って、たとえ患者が例えば片側上で反対側よりもひどい痛みを伴って相互的な痛みを有するとしても、患者の痛みは、単一の埋め込まれたリードで対処することができる。従って、更に、リード位置は、解剖学的及び/又は生理的脊髄正中線から脊髄正中線から3〜5mm離れた位置まで横方向に変えることができることが予想される(例えば、後根入口帯又はDREZへ外に)。正中線の上述の識別子は異なる場合があるが、予想されることして、上述の範囲は、正中線の解剖学的識別及び生理的識別に有効である(例えば、本発明の療法の確固たる性質の結果として)。更に、リード(代わりに、より具体的には、リード上の1つ又は複数のアクティブ接点)は、一実施形態においては約T9〜T12の範囲で、及び別の実施形態内においてはT9−T12内の2つの椎体に1つの範囲で様々な軸線方向の位置のいずれかに位置決めされ、依然として有効な治療を行うことができることが予想される。従って、開業医の選択した埋め込み部位は、標準SCS手順の場合ほど正確に識別され又は位置する必要はなく(軸線方向に及び/又は横方向に)、一方、依然として患者に対して著しい恩典がもたらされる。特に、開業医は、治療有効性及び/又は患者快適さを増大させようとして接点位置を調整することなく、上述の範囲でアクティブ接点の位置を特定することができる。更に、特定の実施形態では、上述の位置での接点は、患者に療法を送出する唯一のアクティブ接点とすることができる。上述の特徴は、単独で又は組み合わせて、リードを埋め込むのに必要とされる時間を低減することができ、かつリードを埋め込む時により大きい柔軟性を開業医に与えることができる。例えば、患者が好適な埋め込み部位で瘢痕組織又は別の障害を有する場合、開業医は、他の位置でリードの位置を特定することができ、依然として有用な結果を得ることができる。
【0058】
リード配置及び信号振幅に対する上述の観測された鈍感性から得ることができる更に別の予想される恩典は、リードが埋め込まれる時にマッピング手順を行う必要性を大幅に低減又は排除することができるという点である。これは、患者及び開業医の両方に利点であり、その理由には、時間及び有効な療法を確立するのに必要とされる試みが低減されるからである。特に、標準SCS療法では、通常、開業医は、痛み低減がもたらされたか否かを報告する患者が手術室にいる間にリードの位置及びリードによって送出される信号の振幅を調整する必要がある。本発明で開示する技術は、比較的リード位置及び振幅の影響を受けないので、マッピング処理を完全に排除することができる。代替的に、開業医は、選択した椎骨の位置(例えば、約T9〜T12)でリードを設けて予め選択した振幅(例えば、1〜2mA)で信号を印加し、試行錯誤による最適化処理(接点選択及び/又は振幅選別のための)が大幅に低減又は排除され、次に、患者を緩和することができる。上述の効果に加えて又はその代わりに、開業医は、少なくとも一部の実施形態では、治療信号を走査するか又は他の方法で誘導するために既存のシステムに使用される三極又は他のより複雑な構成とは対照的に、電極の単一の双極構成で患者に有効な療法を行うことができる。上述の効果を考慮して、患者リード埋め込み手順を完了して信号送出パラメータを選択するのに必要とされる時間は、特定の実施形態では、2倍又はそれよりも多く低減することができると予想される。従って、開業医は、1日当たりより多くの患者を治療することができ、患者は、痛みなしで活動により迅速に従事することができる。
【0059】
上述の効果は、開業医の施設で行われるマッピング手順だけでなく、その後の試験期間にも及ぶ可能性がある。特に、一般的に標準SCS治療を受ける患者は、リード埋め込みを受けた後1週間を過ごし、その間、様々な患者の位置及び患者活動のいずれかに対して適切な振幅を確立しようとしてリードに印加される振幅を調整する。本発明で開示する療法の実施形態は、患者位置及び活動レベルの影響を比較的受けないので、この試行錯誤期間の必要性を低減又は排除することができる。
【0060】
本発明で開示する治療の実施形態に関連の更に別の予想される恩典は、この治療の方が患者が慣習的になりにくいと考えられるという点である。特に、従って、少なくとも一部の場合には、患者に印加された高周波信号は、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の米国特許出願第12/362,244号明細書に開示されているような非同期神経応答を生成することができることが予想される。非同期応答は、より低い周波数による調整で得られる可能性がある同期応答よりも習慣性が出る可能性が少ないと考えられる。
【0061】
上述の療法の実施形態の更に別の特徴は、この療法は、陽極接点と陰極接点を区別せずに適用することができるという点である。米国特許出願第______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US、引用により本明細書に既に組み込んでいる)においてより詳細に説明しているように、この特徴により、患者に対して療法を確立する処理を簡素化することができる。更に、波形の高周波数のために、隣接組織は、疑似定常状態信号として波形を感知することができる。上述の効果の一方又は両方の結果として、両方の電極の近くの組織は、有利に影響を受けることができる。これは1つの電極が一貫して陰極であり、もう1つが一貫して陽極である標準SCS波形と異なるものである。
【0062】
上述の実施形態のいずれかにおいて、患者に行われる療法の態様は、上述の臨床試験中に使用されるパラメータ内又は外で変えることができ、依然として慢性腰痛がある患者に有用な結果を得ることができる。例えば、リード本体(及び特にリード本体電極又は接点)の位置は、上述の有意な横方向及び/又は軸線方向の範囲にわたって変化することができる。印加された信号の他の特性は、変えることができる。例えば、上述のように、信号は、約1.5kHzから約100kHzまで、特定の実施形態では、約1.5kHzから約50kHzまで)の周波数で送出することができる。より特定の実施形態では、信号は、約3kHzから約20kHzまで、又は約3kHzから約15kHzまで、又は約5kHzから約15kHzまで、又は約3kHzから約10kHzの周波数で供給することができる。信号の振幅は、特定の実施形態において、約0.1mAから約20mAまでに及ぶことができ、更に特定の実施形態では、約0.5mAから約10mAまで、又は約0.5mAから約4mAまで、又は約0.5mAから約2.5mAまでに及ぶことができる。印加された信号の振幅は、増加又は低減することができる。特定の実施形態では、振幅は、治療効果を確立するために初期レベルで増大又は設定し、次に、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の2008年11月4日出願の米国特許出願第12/264,536号明細書に開示されているように、有効性を放棄することなく電源を保存するためにより低いレベルに低減することができる。特に、信号振幅は、例えば、電流制御されたシステムに関する電流レベルを指す。他の実施形態では、信号振幅は、例えば、電圧制御されたシステムに対して電圧レベルを指すことができる。パルス幅(例えば、パルスのまさに陰極位相の)は、約10マイクロ秒から約333マイクロ秒まで変えることができる。更に別の特定の実施形態では、パルス幅は、約25マイクロ秒から約166マイクロ秒まで、又は約33マイクロ秒から約100マイクロ秒まで、又は約50マイクロ秒から約166マイクロ秒まで及ぶことができる。上述のパラメータに向けて選択した特性値は、患者間、表示間、及び/又は選択した椎骨位置に基づいて変わる場合がある。更に、本方法は、患者療法をモニタ及び/又は制御するために、上述のそれらに加えて又はその代わりに他のパラメータを利用することができる。例えば、パルス発生器が定電流構成よりもむしろ定常電圧構成を含む場合、上述の電流値は、対応する電圧値と入れ替えることができる。
【0063】
少なくとも一部の実施形態では、上述の振幅が超閾値になると予想される。少なくとも一部の実施形態では、上述の信号に対する神経応答は、上述のように、非同期になることも予想される。従って、信号の周波数は、患者の脊髄のターゲット神経細胞の不応期より高く(例えば、2〜10倍高い)なるように選択することができ、それによって少なくとも一部の実施形態では非同期応答が生成されることが予想される。
【0064】
患者は、本発明の開示の更に別の実施形態により、複数の信号を受け取ることができる。例えば、患者は、各々を異なる信号送出パラメータで1つよりも多い信号を受け取ることができる。1つの特定の例において、信号は、互いに交互配置される。例えば、患者は、10kHzのパルスと交互配置される5kHzのパルスを受け取ることができる。他の実施形態では、患者は、異なる周波数でパルスの連続した「パケット」を受け取ることができ、各パケットは、特定の患者及び表示よっては1秒未満、数秒、数分又はそれよりも多くの持続時間を有する。
【0065】
更に別の実施形態では、負荷サイクルは、オン/オフ作動の期間の長さを変えることができるように上述の50%−100%の値の範囲から変えることができる。例えば、患者が調整を停止した後に、大幅な期間にわたって持続する治療効果(例えば、痛み低減)を有することができることが観測されている。特定の例において、有用な効果は、一部の場合は10〜20分間、他の場合は最大1時間まで、更に別の場合には、1日又はそれよりも多く持続することができる。従って、シミュレータは、有用な効果を再開する時間するのに必要な時間に対して適切な余裕を持たせて、最大1時間までの期間にわたって調整を停止させるようにプログラムすることができる。この構成は、これより高い負荷サイクルを有するシステムと比較して、かつこれよりも短いオン/オフ期間を有するシステムと比較してシステム電力消費量を大幅に低減することができる。
【0066】
5.0.代表的なリード構成
図9は、本発明の開示の特定の実施形態により調整信号を送出するように位置決めされた第1及び第2の接点C1、C2を有するリード910の部分概略図である。接点は、従って、埋め込まれた時で患者の組織を接触するように位置決めされる。リード910は、各接点グループ分けを通じて双極調整信号を支持するために、少なくとも2つの第1の接点C1及び少なくとも2つの第2の接点C2を含むことができる。この実施形態の一態様では、リード910は、接点C1、C2が長軸Aから等しく離間した状態で主要又はリード軸線Aに沿って長形とすることができる。一般的に、長形という用語は、幅を超える長さ(例えば、脊髄に沿って)を有するリード又は他の信号送出要素を指す。リード910は、一般的なリードのそれより長いである全長L(そにわたってアクティブ接点が位置決めされる)を有することができる。特に、長さLは、1つ又はそれよりも多くの椎骨の位置(関連の神経母集団を含む)で第1の接点C1を位置決めし、第1の接点から離間してかつ第1の接点の上位にある別の椎骨の位置(関連の神経母集団を含む)で第2の接点C2を位置決めするのに十分とすることができる。例えば、第1の接点C1は、腰痛を治療するために、椎骨レベルT9〜T12に位置決めすることができ、第2の接点C2は、アーム痛みを治療するために、上位椎骨の位置(例えば、子宮頸部の位置)に位置決めすることができる。代表的なリードの長さは、約30cmから約150cmまで、特定の実施形態では約40cmから約50cmまでである。パルスは、いくつかの異なる構成に従って接点の両方の群に印加することができる。例えば、一方の群に供給されたパルスを他の群に印加されたパルスと交互配置することができ、又は同じ信号を一方の群から他方の群に迅速に切り換えることができる。他の実施形態では、個々の接点、接点の対及び/又は異なる群の接点に印加された信号は、他の方法で多重送信することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、接点C1、C2の各々は、例えば、約3mm2から約25mm2まで、特定の実施形態では、約8mm2から約15mm2の範囲で適切に選択された表面積を有することができる。特定のリード上の個々の接点は、上述の範囲で、リードの隣接又は他の接点と異なる表面積値を有することができ、選択される値は、個々の接点の椎骨の位置を含む特徴に依存する。
【0067】
図9に示すリード910の実施形態の別の特徴は、第1の接点C1が、一般的に標準SCS接点に関連するより大幅に広い間隔を有することができることである。例えば、第1の接点C1は、直近の第2の接点C2間の対応する第2の距離S2より大きい第1の距離S1分離間させる(例えば、最も近い縁部と最も近い縁部同士で)ことができる。代表的な実施形態では、第1の距離S1は、約3mmから椎体の半分、1つの椎体又は2つの椎体(例えば、それぞれ、約16mm、32mm又は64mm、)に対応する距離までに及ぶことができる。別の特定の実施形態では、第1の距離S1は、約5mmから約15mmまでとすることができる。この間隔の増大により、リード910の複雑性を低減することができ、依然として患者に有効な治療を行うことができ、その理由には、上述のように、本発明で開示する療法の効果は、比較的信号送出接点の軸線方向の位置の影響を受けないからである。第2の接点C2は、本発明で開示する手法に従って高周波調整を適用するのに使用される時に同様の広い間隔を有することができる。しかし、別の実施形態では、リード910の異なる部分は、異なる距離だけ離間している接点を有することができる。例えば、患者が第1の椎骨の位置で第1の接点C1を通じて高周波数痛み抑制治療を受ける場合、患者は、距離S2分離間している第2の接点C2を通じて第2の椎骨の位置で低周波数(例えば、1500Hz又はそれ未満、又は1200Hz又はそれ未満)知覚異常誘発信号を任意的に受け取ることができる。距離S2は、距離S1より小さいとすることができ、特定の実施形態では、これらの接点がこのような治療を行うために使用することができる時に、標準SCS治療の接点間隔(例えば、4mm間隔)を代表するものとすることができる。従って、第1の接点C1は、第2の接点C2に関連のものと異なる信号送出パラメータに従って調整を送出することができる。更に別の実施形態では、下位の第1の接点C1は、接近した間隔S2を有することができ、上位の第2の接点C2は、患者指示及び/又は好みに基づいて、広い間隔S1を有することができる。更に別の実施形態では、上述のように、下位及び上位位置の接点は、例えば、脊髄に沿って複数の位置で高周波数調整を支持するために広い間隔を有することができる。他の実施形態では、リード910は、特定の患者及び表示に基づいて、異なる接点間隔の他の構成を含むことができる。例えば、第2の接点C2(及び/又は第1の接点C1)の幅は、図9に概略的に表されるより大きく、隣接接点間の間隔の一部分とすることができる。隣接第1の接点C1間の距離S1は、椎体全体よりも小さいか(例えば、5mm又は16mm)又は1つの椎体を超えることができ、依然として間隔増大に関連の利点、例えば、複雑性の低減を有することができる。リード910は、等しく離間した(例えば、最大約2つの椎体分)全ての接点を有することができ、又は接点は、上述のように、異なる間隔を有することができる。1つよりも多い第1の接点C1は、1つの椎骨レベル(例えば、T9)で調整を適用することができ、一方、1つよりも多い更に別の第1の接点C1は、異なる椎骨レベル(例えば、T10)で同じか又は異なる周波数による調整を提供することができる。
【0068】
一部の場合には、下位接点C1と上位接点C2の間の距離を調整することが望ましい場合がある。例えば、リード910は、コイル構成(電話機コードなど)又は開業医が選択的に接点のセット間の距離を変えることを可能にする他の長さ調整機能を有することができる。この構成の特定的な態様では、リードのコイル状部分は、第1の接点C1及び第2の接点C2の間に位置することができる。例えば、図10Aに示す実施形態では、リード910は、第1の接点C1を担持する近位部分910a、第2の接点C2を担持する遠位部分910c、及び事前成形可変長歪み緩和特徴、例えば、正弦形状又は螺旋形の特徴を有する中間部分910bを含むことができる。リード910は、近位部分910aから遠位部分910cまでリード910を通って延びる探り針溝又は内腔915も含む。
【0069】
次に、図10Bを参照すると、開業医は、埋め込みに向けてリード910を直線的にする探り針内腔915に探り針916を挿入する。開業医は、次に、遠位部分910c及び関連の第2の接点C2が望ましい位置に来るまで探り針916を通じてリード910を患者に挿入する。開業医は、次に、遠位リードデバイス917cで患者に対して遠位部分910cを固定する。遠位リードデバイス917cは、拡張可能なバルーンを含むがこれに限定されないリードを固定する様々な適切な遠隔操作で配備可能な構造体のいずれかを含むことができる。
【0070】
次に、図10Cを参照すると、開業医は、部分的に又は完全に探り針916を除去し、かつリード910の特性(例えば、その初期形状を示す中間部分910bの本来の傾向)により遠位部分910cに向けて近位部分910aを引くことを可能にすることができる。近位部分910aが遠位部分910cに対して望ましい間隔を有する時に、開業医は、近位リードデバイス917a(例えば、縫合糸又は他のリードアンカー)で患者に対して近位部分910aを固定することができる。このようにして、開業医は、近位部分910aでの第1の接点C1と、脊椎に沿って複数の患者位置で有効な治療を行う遠位部分910cでの第2の接点C2との間の適切な間隔を選択することができる。
【0071】
図11Aは、本発明の開示の特定の実施形態による内部構成を示すリード910の近位部分910aの拡大図である。図11Bは、概略図11Aの線11B−11Bに沿って切り取られたリード910の断面視図である。図11Bをここで参照すると、リード910は、外部絶縁要素918内に配置された複数の導体921、例えば、プラスチックスリーブを含むことができる。特定の実施形態では、導体921は、中心導体921aを含むことができる。別の実施形態では、中心導体921aを排除して上述の探り針内腔915と入れ替えることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、各個々の導体921は、個々の導体絶縁要素920によって取り囲まれる複数の導体ストランド919(例えば、多心構成)を含むことができる。製造中に、外部絶縁918及び個々の導体絶縁要素920の選択した部分は、除去することができ、従って、個々の導体921がリード910の長手(長さ)方向に沿って選択した位置で露出する。これらの露出した部分は、それ自体接点として機能することができ、従って、患者に調整を提供することができる。別の実施形態では、リング(又はシリンダ)接点は、例えば、圧着又は溶接により露出した部分に取り付けられる。製造業者は、特定の方法で外部絶縁要素918の除去した部分及び導体絶縁要素920を離間させることによってリード910をカスタマイズすることができる。例えば、製造業者は、ステンシル又は他の構成を使用して、切除処理を含むことができるがこれに限定されない除去処理を案内することができる。この構成により、リード910の同じ構成全体を大きな変更なしに様々な用途及び患者に使用することができる。この実施形態の別の態様では、編組か又はコイル状にされた構成ではなく、導体921の各々は、外部絶縁918内のリード910の長軸に沿って、他と平行に延びることができる。更に、個々の導体要素920の導体ストランド919の各々は、螺旋状に進むことなくも隣接物と平行に延びることができる。従って、これらの特徴は、単独で又は組み合わせて、リード910全体の柔軟性を増大させることになり、それによってリード910を従来のリードよりも大きなレベルの多用性及び/又はより様々な患者解剖学的組織に挿入することができることが予想される。
【0072】
図11Cは、図11Aに示す近位部分910aの部分概略拡大例示である。図11Bを参照して上述した多心ケーブルの1つの予想される利点は、導体921の各々のインピーダンスは、従来のコイル導体と比較すると低減することができるという点である。従って、導体921の直径を低減することができ、リード910の全径を低減することができる。リード直径を有利な態様で低減する1つの結果は、接点C1は、有効な調整に必要な所要の表面積をもたらすためにより大きい長さを有することができることである。接点C1が導体921の露出部分から形成される場合、これは、問題にはならないと予想される。接点C1がリング又は円筒形接点である場合、特定の実施形態では、接点の長さは、患者に挿入中に容易にリード910を操作する開業医の機能を抑制するほど増大する場合がある。この潜在的な問題に対処する1つの手法は、6つの下位接点C1a〜C1fとして特定の接点C1を図11Cに示す複数の下位接点に分割することである。この実施形態では、個々の下位接点C1a−C1fの各々は、図11のBに示すのと同じ導体921に接続することができる。従って、特定の導体921に接続した下位接点の群は、リード910の柔軟性を抑制することなく、本質的に1つの長い接点として作動させることができる。
【0073】
上述のように、上述の構成の1つの特徴は、上述の構成が設計及び製作しやすいものとすることができることである。例えば、製造業者は、特定の患者用途により、異なる接点間隔をもたらすために異なるステンシルを使用することができる。上述の効果に加えて又はその代わりに、上述の構成は、リング電極及び/又は他の剛性接点を排除するか又は接点を下位接点に分割することによって操作性の増大を含み、かつ埋め込み処理を容易にすることができる。他の実施形態では、他の構成を使用して接点柔軟性をもたらすことができる。例えば、接点は、導電シリコーン、例えば、白金、イリジウム、又は別の貴金属などの導電材料の適切な装着により含浸したシリコーンで形成することができる。
【0074】
図9に示すリードの実施形態の更に別の特徴は、患者は、アクティブ接点の単一の双極対のみで有効な療法を受けることができるという点である。接点の1つよりも多い対がアクティブ場合、接点の各対は、アクティブ接点が互いに短絡することができるように同一波形を受け取ることができる。別の実施形態では、埋め込まれたパルス発生器(図9において見えない)は、帰還電極として機能することができる。例えば、パルス発生器は、帰還電極として機能するハウジングを含むことができ、又はパルス発生器は、パルス発生器に対して固定位置を有する帰還電極を他の方法で担持することができる。従って、アクティブ接点により行われる調整は、標準SCS治療に関連のより一般的な双極刺激とは対照的に、単極調整とすることができる。
【0075】
6.0.代表的なプログラマー構成
本発明で開示する療法技術の確固たる特性は、図1A〜図1Bを参照して上述したシステム全体の他の態様を簡素化することを可能にすることができる。例えば、患者リモコン及び内科医プログラマーは、大幅に簡素化することができ、その理由には、信号送出パラメータを変更する必要性を大幅に低減するか又は完全に排除することができるからである。従って、特に、ある一定の実施形態では、リードが埋め込まれた状態で、患者は、広範囲にわたる位置を仮定して広範囲にわたる活動に従事しながら、信号振幅又は他の信号送出パラメータを変更する必要がなく有効な療法を受け取ることができることが予想される。その結果、引用により本明細書に既に組み込んでいる米国特許出願第______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US)において更に説明しているように、患者リモコンは、いずれかのプログラミング機能を含む必要がなく、その代わりに単一のオン/オフ作動の機能(例えば、オン/オフ作動のボタン又はスイッチ)を含むことができる。患者リモコンは、パルス発生器がアクティブである時を識別するインジケータ(例えば、光)を含むことができる。この特徴は、特に本発明で開示する療法に関連して有用であると考えられ、その理由には、患者は、一般的に、システムが療法信号に加えて意図的に知覚異常を生成するように構成及びプログラムされていない限り知覚異常を感じないからである。特定の実施形態では、内科医プログラマーは、同様に簡素化することができるが、一部の場合には、少なくとも部分的にレベルのプログラミング機能を内科医プログラマーに維持することが望ましいと考えられる。このような機能は、内科医が、アクティブ接点の変化及び/又は他の信号送出パラメータを必要とするほど重大であるリードが移動するか又は患者が生理的変化(例えば、瘢痕)又は生活様式の変化(例えば、新しい活動)をする稀な例において異なる接点及び/又は他の信号送出パラメータを選択することを可能にすることができる。
【0076】
7.0.代表的な調整位置及び兆候
上述の実施形態の多くは、慢性の神経障害性腰痛を下部胸部椎骨(T9〜T12)に印加される調整信号で治療する状況に説明するものであった。他の実施形態では、上述のそれらとほぼ類似のものであるパラメータ(例えば、周波数、パルス幅、振幅、及び/又は負荷サイクル)を有する調整信号を他の兆候に対処するために他の患者位置に印加することができる。例えば、上述の方法は、脊髄正中線からDREZまでの横位置照準で調整を適用する段階を含むが、他の実施形態では、調整は、DREZから横方向に外方に小孔領域に適用することができる。他の実施形態では、調整は、患者の他の脊髄レベルに適用することができる。例えば、調整は、仙骨部、より具体的には、仙椎神経が仙骨に入る「馬の尾」領域に適用することができる。尿失禁及び便失禁は、この位置で適用される調整で治療することができることが予想される例示的な兆候を表している。他の実施形態では、調整は、他の胸部椎骨に適用することができる。例えば、調整は、T9より上方の胸部椎骨に適用することができる。特定の実施形態では、調整は、T3〜T6の領域に適用して狭心症を治療することができる。調整は、高胸部椎骨に適用して帯状疱疹に関連の痛みを治療することができる。調整は、慢性地域の痛み症候群及び/又は全身痛みに対処するために頸椎に適用することができ、かつ頸部手術に取って代わるように行うことができる。適切な子宮頸部の位置には、椎骨レベルC3−C7(包含的)がある。他の実施形態では、調整は、例えば、片頭痛に対処するために後頭神経に適用することができる。
【0077】
上述のように、上述のパラメータに従った調整は、急性及び/又は慢性の侵害性痛みを治療するために適用することができる。例えば、これらのパラメータに従った調整は、麻酔薬(例えば、脊椎穿刺)を補足するか及び/又はそれに取って代わるように手術中に使用することができる。このような適用は、腫瘍除去、膝手術、及び/又は他の手術手法に用いることができる。類似の手法は、術後の痛みに対処するために埋め込み型デバイスと共に使用することができ、かつ局所用リドカインの必要性を回避することができる。更に別の実施形態では、上述のパラメータに従った調整は、他の末梢神経に対処するために用いることができる。例えば、調整は、幻肢痛に対処するために抹消神経に直接に適用することができる。
【0078】
以上から、本発明の開示の特定の実施形態は、例示を目的として本明細書に説明したが、様々な修正を本発明の開示から逸脱することなく行うことができることが認められるであろう。例えば、上述の特定のパラメータ範囲及び指示は、更に実施形態において異なる場合がある。上述のように、開業医は、特定の手順(例えば、マッピング、試験期間、及び/又は電流ステアリング)の使用を回避することができるが、他の実施形態では、このような手順は、特定の例に使用することができる。図9〜図11Cを参照して上述したリードは、2つよりも多い群の接点を有することができ、及び/又は他の実施形態において他の接点間隔を有することができる。一部の実施形態では、上述のように、患者に印加される信号振幅は、一定とすることができる。他の実施形態では、振幅は、予め選択された方法で、例えば、増加又は低減、及び/又は複数の振幅間の循環を通じて変えることができる。信号送出要素は、図1Bに関して上述したように、硬膜外の位置を有することができ、かつ他の実施形態では、硬膜外の位置を有することができる。上述の特定の実施形態では、上述の特性を有する信号は、調整が約T9から約T12の椎骨レベルで適用された時に腰痛み及び/又は脚の痛みを有する患者に治療の恩典をもたらすことが予想される。少なくとも一部の他の実施形態では、この範囲は、約T5から約L1まで延びる可能性があると考えられる。
【0079】
特定の実施形態という関連で説明した本発明の開示のある一定の態様は、他の実施形態において組み合わせるか又は排除することができる。例えば、上述のように、試験期間、手術室マッピング処理、及び/又は外部調整器は、特定の実施形態では排除又簡素化することができる。更に別の実施形態では特定の兆候のための療法を組み合わせることができる。更に、ある一定の実施形態に関連の利点は、それらの実施形態の関連で説明したが、他の実施形態も、このような利点を示す場合があり、全ての実施形態が、本発明の開示の範囲に該当するこのような利点を必ずしも示すというわけではない。従って、本発明の開示及び関連の技術は、本明細書で明示的に図示又は説明していない他の実施形態を包含することができる。
【符号の説明】
【0080】
600 方法
610 患者に信号発生器を埋め込むブロック
620 患者の脊椎領域で単一の送出デバイスを埋め込むブロック
630 高周波波形を適用するブロック
640 痛みを抑制/阻止するブロック
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2009年5月8日出願の米国特許仮出願第61/176,868号明細書に対する優先権を請求するものである。本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2009年4月22日出願の米国特許仮出願第61/171,790号明細書に対する優先権を請求するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、副作用が低減して痛みを抑制するための選択的な高周波脊髄調整及び関連のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
神経刺激装置は、痛み、運動障害、機能障害、痙縮、癌、心疾患、及び様々な他の病状を治療するために開発されている。埋め込み型神経刺激システムは、一般的に、神経組織又は筋組織に電気パルスを送出するために埋め込み型パルス発生器及び1つ又はそれよりも多くのリードを有する。例えば、脊髄刺激(SCS)のためのいくつかの神経刺激システムは、円形断面形状を有するリード本体とリード本体の遠位端で互いに離間した1つ又はそれよりも多くの導電性リングとを含む円筒形リードを有する。導電性リングは、個々の電極として作動し、多くの場合、SCSリードは、探り針の支援の有無に関わらず、硬膜外腔に挿入された大きい針を通じて経皮的に埋め込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/703,683号明細書
【特許文献2】米国特許出願第12/562,892号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/362,244号明細書
【特許文献4】米国特許出願第12/264,536号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Crossman及びNeary共著「神経解剖学」、1995年(Churchill Livingstoneにより出版)
【非特許文献2】Linderoth及びForeman共著「痛みを伴う症候群の脊髄刺激の機構:動物モデルの役割」、痛み医療、第51巻、2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
埋め込まれた状態で、パルス発生器は、電極に電気パルスを印加し、これは、次に、感覚的な刺激に対する患者の応答性を変更し、及び/又は患者の運動回路出力を変更するなどで患者の神経系の機能を修正する。痛み治療において、パルス発生器は、電極に電気パルスを印加し、これは、次に、痛みの患者の感覚を覆い隠すか、又はそうでなければそれを変更する感覚を発生させることができる。例えば、多くの場合、患者は、根本的な痛み感覚よりも心地よい及び/又は不快感が少ないと感知される疼痛又は知覚異常を報告している。多くの患者にこれが当て嵌まると考えられるが、多くの他の患者は、恩典の少ない効果及び/又は結果を報告する場合がある。従って、患者の痛みに対処するための改良型の技術及びシステムの必要性が依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の開示のいくつかの実施形態により治療信号を送出するために脊椎に位置決めされた埋め込み型脊髄調整システムの部分概略図である。
【図1B】本発明の開示の実施形態により埋め込まれたリード本体に対して代表的な位置を示す患者の脊椎の部分概略断面図である。
【図2】基線レベル及び従来の脊髄刺激デバイスで達成されたレベルと比較した患者が本発明の開示の実施形態により治療を受けた4日間の治験にわたる患者の痛み低減レベルを示す棒グラフである。
【図3】従来の脊髄刺激を受ける患者に関する類似のデータと比較した患者が治験主導調整変更中に本発明の開示の実施形態による治療を受ける回数の比較の棒グラフである。
【図4】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する活動性改善を示す棒グラフである。
【図5A】治験中に得られた様々な活動を行う患者に関する活動性レベルを比較する棒グラフである。
【図5B】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する睡眠改善を示す棒グラフである。
【図5C】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する睡眠改善を示す棒グラフである。
【図6A】治験中に得られた本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者に関する調整位置の関数として成功した治療結果を示す棒グラフである。
【図6B】本発明の開示の実施形態により行われた方法を示す流れ図である。
【図6C】本発明の開示の実施形態により行われた方法を示す流れ図である。
【図7A】本発明の開示の実施形態により追加治験中に使用されたリードの配置を示す図である。
【図7B】本発明の開示の実施形態により治療を受ける患者の追加治験から得られた結果を示す図である。
【図8】従来の脊髄刺激に関する予想作用機構と比較して本発明の開示による治療に関する可能な作用機構を識別する概略図である。
【図9】本発明の開示の実施形態によって構成されたリード本体の部分概略図である。
【図10A】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図10B】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図10C】本発明の開示の実施形態によって構成された延長可能なリードの部分概略図である。
【図11A】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【図11B】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【図11C】本発明の開示の実施形態によって構成された多心リードの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.0.序論
現在の技術は、一般的に、一般的に副作用を低減又は排除した高周波数要素又は構成要素(例えば、高い基本周波数を有する部分)を有する波形を通じて痛みを抑制する脊髄調整及び関連のシステム及び方法に関する。このような副作用には、不要な運動刺激又は阻止、及び/又はターゲットの痛み以外の感覚的な機能との干渉を含むことができる。いくつかの実施形態は、簡易脊髄調整システム及び構成要素、及び開業医及び/又は患者のための簡易手順も提供する。本発明の開示のある一定の実施形態の特定の詳細は、患者の1つ又はそれよりも多くのターゲット神経母集団(例えば、神経)又は部位を調整する方法、及び調整を提供するための関連の埋め込み型構造体を参照して以下に説明する。選択した実施形態は、痛みを制御するために脊柱、後角、後根、後根入口帯、及び/又は脊柱の他の特定の領域を調整することを参照して以下に説明するが、調整は、一部の例においては脊髄の他の神経構造及び/又はターゲット神経母集団及び/又は他の神経組織に関する場合がある。一部の実施形態は、この節に説明するものと異なる構成、構成要素、又は手順を有することができ、他の実施形態では特定の構成要素又は手順を排除することができる。当業者は、従って、本発明の開示が付加的な要素を有する他の実施形態を含むことができ、及び/又は図1A〜図11Cを参照して以下に図示及び説明する特徴の一部がない他の実施形態を含むことができることを理解するであろう。
【0009】
一般用語において、以下の実施形態の多くの態様は、患者の痛み低減を含む治療効果を生成することに関する。治療効果は、罹患した神経母集団の活動を抑制、抑止、下方調節、阻止、防止するか又はそうでなければ調整することによって生成することができる。本発明で開示する技術の多くの実施形態では、治療によって誘発された知覚異常は、標準SCS技術と異なり、痛み低減達成の前提条件ではない。図1A〜図11Cを参照して以下に説明する技術は、既存の脊髄刺激療法が可能なものよりも有効で強固で複雑でない及び/又は他の点でより望ましい結果を生成することができると予想される。
【0010】
図1Aは、患者脊髄191の全体的な生体組織に対して配置された慢性的痛み及び/又は他の条件からの緩和を提供する代表的な治療システム100を概略的に示している。システム100は、パルス発生器101を含むことができ、これは、患者190内に皮下に埋め込んで信号送出要素110に結合することができる。代表的な例において、信号送出要素110は、埋め込み後に患者190に治療を送出する機能を伝えるリード又はリード本体111を含む。パルス発生器101は、リード111に直接に接続することができ、又は通信リンク102(例えば、延長部)を通じてリード111に結合することができる。従って、リード111は、切れ間114(図1Aに概略的に図示)で延長部に解除可能に接続される末端区画を含むことができる。それによって単一のタイプの末端区画を異なる体型(例えば、異なる身長)の患者に対して使用することができる。本明細書で使用する時に、リード及びリード本体という用語は、患者190に治療信号を供給するデバイスを担持するいくつかの適切な担体及び/又は支持部材のいずれかを含む。例えば、リード111は、患者の緩和をもたらすためなどに患者の組織内に電気信号を誘導する1つ又はそれよりも多くの電極又は電気接点を含むことができる。他の実施形態では、信号送出要素110は、患者190に同じく電気信号及び/又は他のタイプの信号を誘導するリード本体以外のデバイス(例えば、パドル)を含むことができる。
【0011】
パルス発生器101は、ターゲット神経を上方調節(例えば、刺激又は励起)及び/又は下方調節(例えば、阻止又は抑止)する信号送出要素110に信号(例えば、電気信号)を送信することができる。本明細書で使用する時及び特に断らない限り、「調整する」及び「調整」という用語は、一般的に、ターゲット神経に対するいずれかのタイプの上述の効果を及ぼす信号を指す。パルス発生器101は、適切な治療信号を発生及び送信するための命令を収容する機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体を含むことができる。システム100のパルス発生器101及び/又は他の要素は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ107、メモリ108、及び/又は入出力デバイスを含むことができる。従って、調整信号を供給して他の関連の機能を実行する処理は、コンピュータ可読媒体上に、例えば、プロセッサ107及び/又はメモリ108に収容されたコンピュータ−実行可能命令によって実行することができる。パルス発生器101は、図1Aに示すように、単一のハウジングに又は複数のハウジングに収容された複数の部分、要素、及び/又はサブシステム(例えば、複数の信号送出パラメータに従って信号を誘導するための)を含むことができる。
【0012】
パルス発生器101はまた、1つ又はそれよりも多くのソースから受け取る入力信号を受信及び応答することができる。入力信号は、治療命令が選択、実行、更新、及び/又は他の方法で実施される方法を誘導するか又は影響を及ぼすことができる。入力信号は、パルス発生器101によって担持される1つ又はそれよりも多くのセンサ112(1つのセンサが、例示を目的として図1に概略的に図示)から受信し、及び/又はパルス発生器101と依然として通信中にパルス発生器101外に(例えば、他の患者位置に)配信することができる。センサ112は、患者の状態(例えば、患者の位置、患者の姿勢、及び/又は患者の活動レベル)に依存するか又はそれを反映する入力、及び/又は患者とは独立している入力(例えば、時間)を供給することができる。他の実施形態では、入力は、より詳細に後述するように患者及び/又は開業医によって供給することができる。更なる詳細は、引用により本明細書に組み込まれる2010年2月10日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/703,683号明細書に含まれている。
【0013】
一部の実施形態では、パルス発生器101は、外部電源103から治療信号を発生させる電力を得ることができる。外部電源103は、電磁誘導(例えば、RF信号)を使用して、埋め込まれたパルス発生器101に電力を伝達することができる。例えば、外部電源103は、埋め込み型パルス発生器101内の対応する内部コイル(図示せず)と通信する外部コイル104を含むことができる。外部電源103は、使いやすいように携帯型とすることができる。
【0014】
別の実施形態では、パルス発生器101は、外部電源103に加えて又はその代わりに内部電源から治療信号を発生させる電力を得ることができる。例えば、埋め込まれたパルス発生器101は、このような電力を供給するために、非充電式バッテリ又は充電式バッテリを含むことができる。内部電源が充電式バッテリを含む時に、外部電源103は、バッテリを再充電するのに使用することができる。外部電源103は、適切な電源(例えば、従来の壁面コンセント)から再充電することができる。
【0015】
一部の場合には、外部プログラマー105(例えば、試験調整器)は、パルス発生器101を埋め込む前に、初期埋め込み手順中に信号送出要素110に結合することができる。例えば、開業医(例えば、内科医及び/又は会社代表者)は、外部プログラマー105を使用して、リアルタイムで信号送出要素110に供給された調整パラメータを変えて最適又は特に有効なパラメータを選択することができる。これらのパラメータには、信号送出要素110の位置、並びに信号送出要素110に供給される電気信号の特性を含むことができる。典型的な処理において、開業医は、ケーブルアセンブリ120を使用して、信号送出デバイス110に外部プログラマー105を一時的に接続する。ケーブルアセンブリ120は、従って、外部プログラマー105に解除可能に接続される第1のコネクタ121及び信号送出要素110に解除可能に接続される第2のコネクタ122を含むことができる。従って、信号送出要素110は、信号送出要素110を信号発生器に直接に(十分に長い場合)又は間接的に(十分に長くない場合)接続することを可能にする接続要素を含むことができる。開業医は、初期位置において信号送出要素110が有効であるか否か試験することができる。開業医は、次に、ケーブルアセンブリ120を切り離し、信号送出要素110を移動させて、電気調整を再び適用することができる。この処理は、開業医が信号送出デバイス110の望ましい位置を得るまで反復的に実行することができる。任意的に、開業医は、ケーブルアセンブリ120を切り離すことなく、部分的に埋め込まれた信号送出要素110を移動させることができる。適切なケーブルアセンブリの方法及び関連の技術の更なる詳細は、引用により本明細書に組み込まれている2009年9月18日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/562,892号明細書に説明されている。より詳細に後述するように、本発明の開示の特定的な態様は、上述の反復処理を有利に軽減又は排除することができる。
【0016】
信号送出要素110の位置及び適切な信号送出パラメータが外部プログラマー105を使用して確立された後に、患者190は、一般的に制限期間にわたって外部プログラマー105によって発生された信号を通じて治療を受けることができる。代表的な用途において、患者190は、1週間にわたってこのような治療を受ける。この時間中に、患者は、体外にケーブルアセンブリ120及び外部プログラマー105を着用する。試験治療が有効であるか又は有効であるという保証が得られると仮定して、開業医は、次に、外部プログラマー105に代えて埋め込まれたパルス発生器101を使用し、試験期間中に得られた体験に基づいて選択されたパラメータでパルス発生器101をプログラムする。任意的に、開業医は、信号送出要素110を代わりに使用することができる。埋め込み型パルス発生器101が患者190に位置決めされた状態で、パルス発生器101によって供給された信号送出パラメータは、無線内科医プログラマー(例えば、内科医のリモコン)111及び/又は無線患者プログラマー106(例えば、患者のリモコン)を通じて遠隔操作で依然として更新することができる。一般的に、患者190が制御するパラメータ数は、開業医よりも少ない。例えば、患者プログラマー106の機能は、パルス発生器101の始動及び/又は停止、及び/又は信号振幅の調節に限定することができる。
【0017】
上述の実施形態のいずれにおいても、パルス発生器101が信号を供給するパラメータは、治療療法の各部分中に調整することができる。例えば、周波数、振幅、パルス幅、及び/又は信号送出位置は、予め設定されたプログラム(患者及び/又は内科医入力)に従って及び/又はランダムに又は疑似乱数的に調整することができる。このようなパラメータ変動は、痛みの患者の知覚の変化、好適なターゲット神経母集団の変化、及び/又は患者の適応又は慣れを含むいくつかの潜在的な臨床状況に対処するのに使用することができる。
【0018】
上述のシステム及び方法のある一定の態様は、本発明の開示の特定の実施形態において簡素化又は排除することができる。例えば、少なくとも何らかの例において、システムによって送出される治療信号は、従来の刺激システムよりもリード位置及び信号送出パラメータ(例えば、振幅)に遥かに影響されない効果を生成することができる。従って、上述のように、リード埋め込み手順中に適切なリード位置及び関連の信号送出パラメータを識別する試行錯誤的処理(又はこの処理の一部分)を排除することができる。この簡素化に加えて又はその代わりに、リード埋め込み後の試験期間を排除することができる。上述の簡素化に加えて又はその代わりに、信号送出パラメータを選択して長期的に信号を管理する処理を大幅に簡素化することができる。上記及び他の予想される有益な結果の更に別の態様を以下でより詳細に説明する。
【0019】
2.0.代表的な治療パラメータ
本出願の譲受人である「Nevro Corporation」は、最初に従来の脊髄刺激(SCS)技術で、その後、以下で更に開示する新開発の技術で複数の患者を治療した多点治験を行った。初期研究中に得られた結果を確認して拡張した新開発の技術を中心とした更に別の治験によりこの研究の追跡が行われた。新開発の技術、治療、及び/又はシステムの複数の実施形態は、本発明で開示する技術、治療、及び/又はシステム)又はより全般的に本発明で開示する技術と呼ぶ。
【0020】
2.1.初期比較研究
初期治験前に、選択された患者は、1次慢性腰痛(患者により、例えば、神経障害性痛み及び/又は侵害性痛み、及び/又は他のタイプの痛み)を単独で又は他の区域、一般的に患者の脚に影響を与える痛みとの組合せで有すると識別される。全ての事例において、腰痛が主要なものであった。研究中に、患者は、2つのリードが取り付けられ、各々、図1Aに示すものと全般的に類似の方法で脊髄領域に埋め込まれた。一方のリードは、脊髄正中線189の片側に埋め込まれ、他方のリードは、脊髄正中線189の反対側に埋め込まれた。図1Bは、リード110が代表的な患者において埋め込まれた位置と共に脊髄191及び隣接椎骨195の断面図である(一般的に、Crossman及びNeary共著「神経解剖学」、1995年(Churchill Livingstoneにより出版)からの情報に基づく)。脊髄191は、腹部に位置する腹部本体196と背面に位置する横突起198と棘状突起197の間に存在する。矢印V及びDは、それぞれ、腹面及び背の方向を識別する。脊髄191自体は、硬膜199に位置し、硬膜199は、後根193及び後根神経節194を含む脊髄191を出る神経の部分を取り囲む。リード110は、2つのリード110が約2mm分互いから離間するように横方向の反対方向に脊髄正中線189(例えば、約1mmオフセット)からちょうど離れて位置決めされている。
【0021】
リード110が図1Bに示すように位置する患者には、最初に、リードは椎骨レベルT7−T8に位置決めされている。この位置は、一般的に腰痛の標準SCS治療のためのものであり、その理由には、これより低い椎骨レベルでは、標準SCS治療では、望ましくない副作用が生じて及び/又は有効性が劣ることが一般的に当て嵌まるからである。このような副作用には、不要な筋肉起動及び/又は痛みがある。リード110が埋め込まれた状態で、患者は、5日間にわたって標準SCS治療を受けた。この療法は、1500Hz未満(例えば、60〜80Hz)の周波数、100〜200μ秒のパルス幅、及び100%の負荷サイクルでの刺激を含むものであった。
【0022】
患者が研究の標準SCS部分を完了した後に、患者は、次に、本発明で開示する技術に従って調整を受けた。これらの技術の一態様は、椎骨レベルT9、T10、T11、及び/又はT12に位置するようにリード110を下方に移動させる段階を含むものであった。リード110が移動された後に、患者は、約3kHz〜約10kHzの周波数で治療信号を受け取った。特定の事例において、治療は、8kHz、9kHz、又は10kHzで行われた。これらの周波数は、標準SCSに関連の周波数よりも大幅に高く、従って、上記及び他の代表的な周波数(例えば、約1.5kHz〜約100kHz)の調整は、高周波数調整と本明細書で呼ぶことができる。調整は、約50%から約100%までの負荷サイクルで一般的に適用され、調整信号は、約1ミリ秒〜約2秒の期間にわたってオン、約1ミリ秒〜約5秒の期間にわたってオフである。印加されたパルスの幅は、約30〜35μ秒であり、振幅は、全体的に約1mAから約4mA(名目上約2.5mA)に変化させた。上述のパラメータに従った調整は、一般的に初期治験中に約4日間にわたって患者に適用された。
【0023】
図2〜図6Aは、上述のパラメータに従って患者を試験することによって得られた臨床結果の要約をグラフ表示に示している。図2は、様々な状態に関する患者の「視覚的アナログ尺度(VAS)」痛み得点を示す棒グラフである。図2に示す得点は、全体的痛みに関する。上述のように、これらの患者は、主として腰痛があり、従って、腰痛だけの痛み得点は、図2に示すものとほぼ同じであった。棒の各々は、研究のこの部分に関わった複数の患者により報告された値の平均を表している。棒201及び202は、それぞれ、薬物投与の恩典のない患者に関する8.7の基線痛みレベル及び薬物投与ありの6.8の基線レベルを示している。研究の日数ゼロでリード埋め込みを受け、上述のパラメータに従って高周波数調整を開始した後に、患者は、棒203により表されるように約4.0の平均的な痛み得点を報告した。次の3日にわたって(棒204〜213により表現)、患者は、図2に対応するラベル付きの棒によって示すように、毎日の朝、正午、及び夕方に日記に痛みレベルを記録した。更に、図2に対応するラベル付きの棒によって示すように、痛みレベルは、事例報告フォーマット(CRF)に現地研究コーディネータにより毎日記録されている。この期間中に、患者の平均的な痛み得点は、約2.2(棒212及び213により表現)の報告された最小レベルに徐々に減少した。
【0024】
比較を目的として、棒214は、研究の早期に標準SCS療法を受けた同じ患者に関する痛み得点を示している。棒214は、標準SCS療法に関する平均的な痛み値が3.8であったことを示している。本発明で開示する療法の結果とは異なり、標準SCS療法では、数日にわたって比較的平坦な患者痛み結果が出る傾向があった。棒213及び214を比較すると、臨床結果により、本発明で開示する療法により標準SCS療法と比較した時に痛みが42%軽減されたことが見出される。
【0025】
他の痛み指数は、全般的に一貫した結果を示している。「Oswestry障害指数」上では、平均的な得点は、54の基線値から33の値まで落ち、これは、「高度障害」から「中等度障害」への変化に対応する。患者全般の改善得点は、1(大幅改善)〜7(大幅悪化)の尺度で1.9とランクされている。
【0026】
本発明で開示する療法で、標準SCS療法よりも大きい痛み緩和を得るばかりでなく、患者は、図3〜図5Cを参照して以下で更に説明する他の利点も受けた。図3は、患者が調整の変更を開始した日当たりの回数を示す棒グラフである。結果は、標準SCS療法(棒301)及び本発明で開示する療法(棒302)に対して示されている。患者により開始された調整の変更は、一般的に、印加された信号の振幅の変更であり、例えば、図1Aを参照して上述したような外部調整器又はリモコンを通じて患者により開始されたものであった。標準SCS療法を受ける患者は、1日につき平均44回、信号送出パラメータの変更を開始した。開始された変更は、一般的に、患者が位置、活動レベル、及び/又は活動タイプを変更し、次に、治療信号から痛み緩和の低減、及び/又は不快な、心地よくない、辛い、不要な、又は不意の感覚を受けた時に引き起されている。本発明で開示する療法を受ける患者は、開業医の要請があり次第である場合を除き、信号送出パラメータを全く変更しなかった。特に、患者は、辛い刺激を回避するために信号振幅を変更したりしなかった。従って、図3は、本発明で開示する療法がリード移動、患者の位置、活動レベル、及び活動タイプに標準SCS療法ほど大幅に影響を受けやすいものではないことを示している。
【0027】
図4は、本発明で開示する療法を受ける患者に関する活動得点を示す棒グラフである。活動得点は、一般的に自分が着手することができる活動の量に対する満足感の患者のレベルを示す快生度得点である。4図に示すように、棒401は、治療を始まる前に1.9(例えば、不可〜可)の得点を有する患者を識別している。得点は、治療の2日目の終了時に患者がほぼ3(「良」の得点に相当)の得点を報告したように時間と共に改善した(棒402〜404)。研究の期間が長くなれば、患者の得点が図4に示す結果を上回って改善する可能性が十分にあることが予想される。しかし、図4に示す結果でさえも、3日間にわたって本発明で開示する療法を受ける患者の活動得点の改善は53%であった(基線と比較)。事例研究によれば、患者は、標準SCS療法を受ける時よりも本発明で開示する療法を受ける時の方が活動的であることを示している。事例研究の報告に基づくと、標準SCS療法を受ける患者の同じ期間にわたる活動得点の改善は、10〜15%に過ぎないであろうと予想される。
【0028】
図5Aは、本発明で開示する療法を受けて6つの活動、すなわち、立つ、歩く、階段を登る、座る、車に乗る、及び食べることを行う患者に関する活動得点の変化を示す棒グラフである。これらの活動の各々に対して、棒の群(参照番号501、502、503...506により識別される個々の群に関する)は、患者の活動得点が全体的に時間の経過に伴って改善したことを示している。これらの結果は、活動の改善は幅広く、特定の活動に限定されないことを更に示している。更に、これらの結果は、食べることの30%から立つ、歩く、及び階段を登ることの80%−90%にわたる各活動における重要な改善のレベルを示している。事例研究によれば、標準SCS治療を受ける患者では、受ける患者の活動の改善は約10%〜20%に過ぎないであろうと予想される。また、事例研究によれば、活動レベルの改善は、標準SCS治療を受ける時に猫背であり、かつ直立に立ち上がることができなかった少なくとも一部の患者において直接に観測されている。これとは対照的に、本発明で開示する療法を受けた時に、これらの患者は、直立に立ち上がって他の通常の活動に従事することができた。
【0029】
患者が体験する改善は、活動の改善に限定されず、睡眠を含む相対的な非活動性までに及んだ。例えば、標準SCS療法を受ける患者は、うつ伏せに横たわる時に特定のレベルで信号送出パラメータを確立する場合がある。睡眠中に寝返りを打った時に、患者は、患者を起こすために標準SCS治療により行われる痛み低減の有意な十分な変化を体験する場合がある。多くの場合、患者は、SCS信号が低減することを目的とする痛みに加えて、SCS信号自体によって生成される痛みを更に受ける場合がある。本発明で開示する技術に対して、これとは対照的に、この望ましくない影響を回避することができる。図5B及び5Cは、本発明で開示する療法を受ける臨床患者に関する睡眠に及ぼす平均的な効果を示している。図5Bは患者障害の低減を示し、図5Cは、睡眠時間数の増加を示している。他の実施形態では、患者は、痛みの低減で他の作業を行うことができる場合がある。例えば、患者は埋め込み型デバイスによって達成される治療レベルを調整する必要がなく運転することができる。従って、本発明で開示する療法の方が、このような状況、及び/又は患者の快生度を改善する他の状況において患者に容易に用いることができる。
【0030】
付加的な患者フィードバックに基づいて、ターゲット位置で本発明で開示する療法を受けた(例えば、目標とする位置から大幅に移動するリードなしで本発明で開示する療法を受けた)試験された患者の全員が、標準SCS療法よりも本発明で開示する療法を好んだ。更に、患者が体験する痛み緩和のレベルに関わりなく、患者の88%が、知覚異常を生じることなく痛みを低減したので標準SCS療法よりも本発明で開示する療法を好んだ。これは、患者が痛みより知覚異常を好む場合があるが、過半数を大きく超える患者が痛み、知覚異常のいずれにも対する感覚を好まないことを示している。本発明で開示する療法を通じて得られたこの結果は、痛み緩和を生成するために知覚異常(すなわち、マスキング)に頼ると一般的に理解された標準SCS療法に対しては利用不能である。
【0031】
更に、事例研究的データは、本発明で開示する療法を受ける患者は、標準SCSを受ける時ほどの筋肉捕捉を受けなかったことを示している。特に、患者は、一部又は全てが標準SCSを受けた時に受けた痙攣、痛み、及び筋肉痛がなかったことを報告した。患者は、随意筋活動との干渉はないと報告しており、代わりに、本発明で開示する療法により妨げられずに運動課題を行うことができることも示した。更に、患者は、触覚(例えば、振動を検出する)、温度、及び固有受容感覚を含む他の感覚との干渉なしと報告した。殆どの場合、患者は、侵害性痛み感覚との干渉なしと報告した。しかし、一部の場合には、患者は、切開部痛み(信号送出リードを埋め込むために使用される切開部に関連)なし及び慢性周辺痛み(関節炎に関連)なしを報告した。従って、特定の実施形態では、本発明の開示する技術の態様は、急性周辺痛み及び/又は慢性周辺痛みを含む侵害性痛みに対処するのに使用することができる。例えば、少なくとも一部の場合には、低〜中の侵害性痛みを有する患者は、上述の治療の結果として緩和を受けた。より厳しい/慢性侵害性痛みを有する患者は、全体的に本発明の治療技術には完全には応答しなかった。この結果は、より詳細に後述するように、患者が体験する痛みのタイプを識別するための診断設定に使用することができる。
【0032】
図6Aは、本発明で開示する療法が行われたリード上のアクティブ接点の位置(椎骨レベルにより指示)の関数として成功した治療結果の件数を示す棒グラフである。一部の場合には、患者は、調整が1つよりも多い椎骨の位置で行われた時に成功した結果を得ていた。6A図に示すように、成功した結果は、椎体T9〜T12の大きい軸線方向の範囲(脊椎に沿って上下方向に測定した時)にわたって得られた。これは、好適なターゲット位置(例えば、T10辺りで)があると考えられるが、リードは、広範な位置に位置決めして依然として成功した結果を出すことができることを示している点で驚くべき結果である。特に、隣接椎体は、一般的に、ほぼ32mm(特定の患者解剖学的組織による)により互いから離間しており、成功した結果は、4つの椎体の広範囲(約128mm)にわたって、かつ1〜2つの椎体のそれより狭い範囲(約32〜64mm)にわたって得られた。これとは対照的に、標準SCSデータによれば、一般的に、治療は、僅か1mmのずれで効果ありから効果なしに変化する場合がある。より詳細に後述するように、本発明で開示する療法に関連の柔軟性及び多用性は、患者及び開業医に対して有意な恩典をもたらすことができる。
【0033】
図6B及び図6Cは、本発明の開示の特定の実施形態により患者を治療する方法を示す流れ図である。製造業者又は他の適切な事業体は、本明細書で開示する上記及び他の方法を実行する指示を開業医に与えることができる。製造業者は、少なくともこれらの方法の一部を実行するように開示するシステムのデバイスをプログラムすることができる。図6Bは、患者に信号発生器を埋め込む段階(ブロック610)を含む方法600を示している。信号発生器は、患者の腰又は他の適切な位置に埋め込むことができる。方法600は、更に、患者の脊髄領域(ブロック620)で信号送出デバイス(例えば、リード、パドル、又は他の適切なデバイス)を埋め込む段階を含む。本方法のこの部分は、約T9から約T12(例えば、約T9〜T12、包含的)(ブロック621)の範囲の椎骨レベルで、及び脊髄正中線からDREZ(包含的)(ブロック622)の範囲の横位置でデバイス(例えば、デバイスのアクティブ接点)を埋め込む段階を含むことができる。ブロック630で、本方法は、信号発生器及び信号送出デバイスを通じて高周波数波形を印加する段階を含む。特定の例において、信号(又は少なくとも信号の一部)の周波数は、約1.5kHzから約100kHzまで、又は約1.5kHzから約50kHzまで、又は約3kHzから約20kHzまで、又は約3kHzから約15kHzまで、又は約5kHzから約15kHzまで、又は約3kHzから約10kHzまでとすることができる。方法600は、更に、患者の痛み、例えば、慢性腰痛を阻止、抑止、抑制、又は他の方法で低減する段階(ブロック640)を含む。本方法のこの部分は、不要な感覚的な影響及び/又は制限事項なしで(ブロック641)、及び/又は運動の影響なしで(ブロック642)痛みを低減する段階を含むことができる。例えば、ブロック641は、他の感覚の患者による知覚を低減することなく、及び/又は更に別の痛みを引き起こすことなく痛みを低減又は排除する段階を含むことができる。ブロック642は、筋活動を引き起こすことなく及び/又は運動信号伝送を妨げることなく痛みを低減又は排除する段階を含むことができる。
【0034】
図6Cは、図6Bを参照して上述したものに追加の特徴を含む方法601を示している。例えば、高周波数波形(ブロック630)を印加する処理は、望ましくない感覚及び/又は運動干渉(ブロック631)のような不要な副作用をもたらすことなく広い変動範囲(例えば、一実施形態では1mA未満から最大約8mAまで、他の実施形態では、それぞれ、約6mAまで約5mA)にわたって処理する段階を含むことができる。別の実施形態では、高周波数波形を印加する処理は、固定振幅で波形を印加する段階(ブロック632)を含むことができる。更に後述するように、これらの態様の各々は、患者及び/又は開業医に恩典を与えることができる。
【0035】
患者痛みを阻止、抑止、又は他の方法で低減する処理(ブロック640)は、知覚異常をもたらすことなく、代わりに、意図的に生成された知覚異常に関連して処理する段階(ブロック644)を含むことができる。上述のように、臨床結果によれば、殆どの患者は、知覚異常があることよりも知覚異常がないことを好み、その理由には、例えば、知覚異常の感覚は、患者が位置を変え及び/又は信号振幅を調整した時に心地よくないか又は辛い感覚に変わる場合があるからである。しかし、一部の場合には、患者は、知覚異常(例えば、SCSを前に受けたた患者)の感覚を好む場合があり、従って、SCSを受ける選択肢を有することができる。知覚異常を誘発する調整と知覚異常を誘発しない調整の組合せを含む方法の更なる詳細は、引用により本明細書に先に組み込まれた米国特許仮出願第61/171,790号明細書に含まれている。他の場合には、知覚異常は、部位選択に向けて(例えば、アクティブ電極が位置決めされる位置を判断するために)開業医が利用することができる。上記に加えて、患者痛みを低減する段階は、標準SCSが通常非常に影響を受けやすい患者属性に相対的な無感覚な状態でそうする段階(ブロック645)を含むことができる。これらの属性には、患者の動き(ブロック646)及び/又は患者の位置(ブロック647)を含むことができる。
【0036】
2.2.追加研究
本出願の譲受人である「Nevro Corporation」は、上述の療法の特定のパラメータ及び結果を評価するために追加研究を行った。追加研究において、患者は、埋め込まれたリード及びシミュレータを受け入れて数カ月にわたって治療を受けた。この研究には、各患者に関する従来のSCS技術との直接的な比較は含まれてなかったが、患者の一部は、本発明の技術による調整を受ける前に従来のSCS療法を受けた。選択した結果に対して以下で更に説明する。
【0037】
図7Aは、追加研究中に用いた一般的なリード配置の概略図である。この研究において、2つのリード111(第1のリード111a及び第2のリード111bと図示)は、患者の脊椎のいくつかの椎骨レベルに及ぶ調整機能が得られるようにほぼ両端を突合せて位置決めされた。リード111a、111bは、リード位置のシフトの可能性を考慮するように僅かに重なり合うように位置決めされた。治療中に、2つのリード111a、111bの接点Cを一度に1つのリードで起動させた。換言すると、一方のリード111のみの接点Cが、いずれかの1つの時間にアクティブであり、信号は、異なるリード111上に位置する接点Cの間に誘導されなかった。2つのリードが治験中に使用したが、一般的な使用において、単一のリードを適切な椎骨レベルに位置決めすることができることが予想される。リードは、図9を参照して以下でより詳細に説明するように、本明細書に説明するものと同じか又は類似の効果をもたらすためにより広く離間した接点を有することができる。
【0038】
各リード111a、111bの接点Cは、ほぼ3mmの幅W2を有し、ほぼ1mmの距離D1により互いから分離される。従って、隣接接点Cの間の心間隔Sは、ほぼ4mmである。リード111a、111bは、患者の脊髄正中線189で又はその近くに位置決めされた。一方のリードは、脊髄正中線189の片側に位置決めし、他方のリードは、脊髄正中線189の反対側に位置決めされた。研究中に、いくつかの重要な効果が観測されている。例えば、リード111a、111bは、治療の有効性に大幅に影響を与えることなく、正中線189(例えば、6〜10mmの全幅)から、±3〜5mmの全幅を有する比較的広い窓W1内の様々な位置のいずれにも位置決めすることができる。更に、相互的な痛みがある(例えば、正中線189の両側)患者は、リード110a、110bの横位置に関係がない相互的な緩和を報告した。例えば、リードが正中線189の片側上の窓W1に位置する患者は、正中線189の反対側の痛み緩和を報告した。これは、従来のSCS療法と異なっており、従来のSCS療法に対して、相互的な緩和は、少しでも得られた時には、厳密に正中線リード位置からの逸脱があれば一般的に非常に影響を受けやすい。更に、隣接アクティブ接点間の距離は、標準SCSに対してより一般的であるものよりも大幅に大きかった。例えば、開業医は、隣接アクティブ接点が20mmの中心間間隔、及び17mmの縁部間距離を有するようにいくつかの連続的な接点を「スキップ」(例えば、作動停止)することができた。更に、患者は、アクティブ接点の軸線方向の位置に比較的鈍感であった。例えば、開業医は、2つの椎体(例えば、約64mm)まで延びることが予想される広範囲にわたる接点間隔にわたって同じか又はほぼ同じレベルの痛み緩和を確立することができた。更に、開業医は、本出願と同時出願でありかつ引用により本明細書に組み込まれる現在特許出願中の米国特許出願第12/______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US)においてより詳細に説明するように、特定の接点が陰極又は陽極と識別されたか否かに関わらず類似の治療効果を得た。
【0039】
追加研究における殆どの患者に対して、リードをT9〜T10椎骨の位置で埋め込んだ。これらの患者は、一般的に、治療を受ける前に主として腰痛を受けていたが、脚の痛みも受けていた患者もいた。追加研究及び初期研究中に得られる結果に基づいて、腰痛に対処するための全体的な椎骨位置範囲は、約T9から約T12までであると予想される。この範囲では、T12又はT11〜T12の調整が腰痛及び脚の痛みがある患者をより有効に治療することができると更に予想される。しかし、一部の場合には、患者は、椎骨の位置が高いほど(例えば、T9〜T10)大きい脚の痛み緩和を受けており、更に別の特定の場合には、T9の調整によりT10の調整より大きな脚の痛み緩和が得られた。従って、上述の一般的な範囲では、特定の患者は、生理特性又は対応する好適な椎骨の位置を生成する他の要素を有することができる。
【0040】
追加研究における治療を受ける患者は、約10kHzの周波数で方形波信号を受け取った。患者は、約2mAの初期電流振幅(2相性)で100%の負荷サイクルで調整を受けた。患者及び開業医は、信号振幅を一般的に最大約5mAまで調整することができた。上述のレベルのいずれかで、信号パルスは、閾値上であると予想され、これは、ターゲット神経母集団でのいずれかの固有の神経活動と関無係にターゲット神経母集団において活動電位を引き起こすことができることを意味する。
【0041】
調整システム100が埋め込まれて起動した後に、追加研究における患者を定期的に評価した。30日間治療を受けた後にこれらの患者により報告されたVAS得点は、平均が約1.0であり、これは、図2に関して上述した傾向が何らかの期間にわたって続いたことを示すものであった。これらの患者の少なくとも一部は、約2.25のレベルまでのVAS得点の増加を報告した。この増加が患者の活動レベルの増大から生じたと予想される。従って、この増加は治療の有効性において低減を示すのではなく、むしろ患者が他の場合ではあれば従事しない活動に従事することを可能にする有効な治療を示すと考えられる。
【0042】
図7Bは、様々な活動に従事して追加研究プロトコルに従って調整を受ける患者に関する全体的なOswestry得点を示している。100点は、完全な障害状態に対応し、0点は、障害なしに対応する。例えば、これらの得点は、初期研究からの結果と合致し、実際には、初期研究からの結果を上回って改善した経時的な一般的な改善を示している。更に、一部の患者は、上述の実施形態により治療を受けた後に杖又は車椅子をもはや必要としないか又は使用しないことを報告した。
【0043】
追加研究からの結果により、治療の治療効果は、比較的電流振幅の変化の影響を受けないことが確認されている。特に、患者は、通常、約2.0mAから約3.5mAまでのレベルで調整を受けた。殆どの場合、患者から、印加された信号の振幅を変更した時の痛み低減の大きな変化の報告はなかった。患者は、一部の場合には、望ましくない副作用を報告する前に約5mAのレベルまで電流振幅を増大させることができた。更に、副作用は、突然にではなく徐々に起こり始めるものであった。一部の患者からの事例研究的フィードバックによれば、いずれかの望ましくない副作用の始まりと関無係に、高い振幅(例えば、5mAを超える時)で治療有効性が下がり始めた。患者は、2mA未満の電流振幅で有効な治療を受けることができると更に予想される。この予想は、少なくとも部分的に、負荷サイクルを低減しても(例えば、70%に)有効性が低減しないことを示すデータに基づくものである。
【0044】
また、追加研究の結果によれば、殆どの患者(例えば、患者のほぼ80%)は、システムが埋め込まれて起動された状態で、信号送出パラメータの何らかの特徴(例えば、アクティブ接点の数及び/又は位置及び/又は電流振幅)を変更しなくても少なくとも満足な痛み低減を受けた。患者の小さい部分集合(例えば、約20%)は、特定の活動に従事した時に電流振幅の増大の恩典を受け、及び/又は睡眠中に低電流振幅化の恩典を受けていた。これらの患者に対して、活動に従事中に信号振幅を増大させると、痛み緩和の程度の増加が得られ、夜間に振幅を低減すると省電力と同時に過度の刺激の見込みが低減した。代表的な例において、患者は2つのこのようなプログラム、すなわち、比較的高い電流振幅(例えば、約1mAから約6mAまで)で信号を供給する「強い」プログラム及びそれより低い電流振幅(例えば、約0.1mAから約3mAまで)で信号を供給する「弱い」プログラムの中から選択した。
【0045】
追加研究中に別の観測された効果は、患者は、本発明の技術に従って調整を受ける前に自発的にオピオイド及び/又は痛みに対処するために受けていた他の痛み薬物投与の摂取量を低減したことであった。患者の自発的な薬物摂取量低減は、現在の技術に従って行われた調整の直接的な結果である薬物の必要性の減少の直接的な結果であることが予想される。しかし、オピオイドは習慣性があるために、患者が簡単にオピオイドの使用を自発的に絶ったことは驚くべきであった。従って、少なくとも一部の患者に対しては、本発明の技術が、痛み低減に加えて、これらの薬物に対する化学的依存性を低減するように働いたとも予想される。従って、少なくとも一部の実施形態では、本発明の開示による治療技術は、患者は腰痛に対してみ治療されたか及び/又は治療中であるかと関無係に、患者の化学的依存性を低減又は排除するために用いることができることが更に予想される。
【0046】
追加研究に参加した患者は、通常、神経障害性痛み、侵害性痛み、又は神経障害性痛み及び侵害性痛みの組合せを体験していた。神経障害性痛みは、痛みを訴える神経機構の機能障害から生じる痛みを一般的に指し、この機能障害は、外部神経トリガがなくても痛みの感覚をもたらす可能性がある。侵害性痛みは、特定の機械的又は他の物理的影響(例えば、椎間板ヘルニア、筋肉損傷、又は骨損傷)により引き起こされた時に患者により適正に感知される痛みを一般的に指す。一般的に、神経障害性痛みは、絶え間なく、侵害性痛みは、例えば、患者位置又は活動で変動する。少なくとも一部の実施形態では、本発明の技術に従った治療は、侵害性痛みより神経障害性痛みに有効に対処するように思われる。例えば、治療(主に神経障害性痛みを示す)に入る前に低いレベルの痛み変動を報告した患者は、治療中に、痛みが大幅に変動した患者より大きい痛み緩和を受けた。2つの特定の場合には、治療が有効ではなく、これは患者の腰の解剖学的組織に関する機械的問題から生じたと思われ、それによってその患者は、本発明の治療より外科手術の格好の候補であると識別されている。従って、神経障害性痛み及び(少なくとも一部の場合に)侵害性痛みに対処することに加えて、本発明の技術による手法は、主として神経障害性痛みよりもむしろ侵害性痛みを有する患者を識別する選別ツールとして作用することができる。例えば、本発明の技術に従って信号を受ける時に、開業医は、少なくとも部分的に、痛み低減の存在及び/又は量(変動の量を含む)に対応する患者からのフィードバックに基づいてそのような識別を行うことができる。この診断技術を使用する結果として、これらの患者は、侵害性痛みに直接に対処することができる外科手術又は他の処置の対象とすることができる。特に、患者は本発明の技術に従って信号を受け取ることができ、これらの患者が反応しない場合、外科的介入の適切な候補になる場合がある。言うまでもなく、患者が反応する場合、治療として本発明の技術に従って信号を受信し続けることができる。
【0047】
3.0.作用の機構
本発明の技術の実施形態によって供給される治療のための潜在的な作用機構と共に、図8は標準SCS治療のための予想作用機構を示す概略図である(Linderoth及びForeman共著「痛みを伴う症候群の脊髄刺激の機構:動物モデルの役割」、痛み医療、第51巻、2006年に基づく)。抹消神経が傷ついた時に、Aδ侵害受容体及びC侵害受容体は、脊髄の後角で2次神経に興奮性伝達物質レベルの増大をもたらすと考えられる。矢印701により表す標準SCS療法は、2つの効果を有することが予想される。一方の効果は、患者の脳に脊柱に沿って伝達されて知覚異常として感知される順行性効果である。他方の効果は、介在神経細胞プールを励起する逆方向性効果であり、介在神経細胞プールは、2次神経への入力を抑制する。
【0048】
本発明で開示する療法のための1つの潜在的な作用機構は、矢印710により表しており、後根レベルで不完全な導通ブロック(例えば、求心性神経及び/又は導出性信号伝送の不完全なブロック)を生成することを含む。このブロックは、後根に加えて又はその代わりに脊柱、後角、及び/又は後根入口帯で発生する場合がある。これらの事例のいずれにおいても、導通ブロックは、小さい方のAδ及び/又はC線維を選り好みし、及び/又は優先的に小さい方のAδ及び/又はC線維に影響を与え、従って、2次神経への興奮性入力の減少を生成し、従って、脊髄視床路に沿って供給された痛み信号の減少が生成されることが予想される。
【0049】
別の潜在的な作用機構(図8で矢印720により表される)は、より深く介在神経細胞プールを起動させ、従って、2次神経への入力の抑制を増大させることを含む。それによって事実上、潜在的に2次神経が鈍感になり、慢性的痛み関連の信号の効果が患者上に影響を与える前に正常状態により近く変換される可能性がある。
【0050】
更に別の潜在的な作用機構は、慢性的痛みがある患者における神経細胞の感受性に関する。このような患者において、痛み伝達神経細胞は慢性的痛みを受けない人々の同じ神経細胞と比較すると異なる過敏な状態にある場合があり、従って、「敏感状態」にあり、かつ慢性的痛みを体験にしない人々の細胞より低い刺激の閾値で頻繁にかつ異なるパターンで発火する非常に増感した細胞になると考えられる。従って、脳は、大幅に変更された送信パターンで大幅に増大した量の活動電位を受け取る。従って、本発明で開示する療法が作業することができる潜在的な作用機構は、慢性的痛み患者内の神経細胞の「基線」を回復させるか又は非慢性的痛み患者の通常の基線及び発火頻度に向けて移動させるこの過敏性を低減することによるものである。この効果により、他の神経伝達(例えば、感触、熱など)に影響を与えることなく、この患者母集団において痛みの感覚を低減することができる。
【0051】
上述の作用機構は、上述の臨床結果を考慮することができる可能な作用機構とここで識別している。特に、これらの作用機構により、小さくて遅いA[δ]及びC線維により伝達された痛み信号を大きくて速いA[β]ファイバに沿って信号伝送に影響を与えることなく抑制することができる驚くべき結果を明らかにすることができる。これは、標準SCS治療を通じて得られる一般的な結果に反しており、標準SCS治療中では、調整信号は、一般的に低い振幅でAβ線維に影響を与えて、信号振幅がAβ線維により伝達される痛み又は他の不要な効果をもたらすほど高くなるまでAδ及びC線維には影響を与えない。しかし、本発明の開示の態様は、このような機構に直接に結び付ける必要はない。更に、2つの上述の提案する機構の両方の特徴は、一部の実施形態では観測された結果に組み合わせて考慮することができ、他の実施形態では、単独で又は2つの上述の機構のいずれか一方と組み合わせて観測された結果を他の機構により考慮することができる。1つのこのような機構には、脊髄周り脳脊髄液(CSF)に浸透する高周波(標準SCS刺激と比較)調整の機能の増大がある。別のこのような機構は、標準SCS周波数と比較する時に、高周波数に即して患者の組織によって示されるインピーダンスの予想される低減である。更に別のこのような機構は、引用により本明細書に組み込まれる2009年1月29日出願の現在特許出願中の米国特許出願第12/362,244号明細書により詳細に開示されているような非同期神経応答を引き出す高周波信号の機能である。本発明で開示する技術に関連するより高い周波数には従来のSCS技術よりも多くの電源が必要であるように初めは思われる場合があるが、従来のSCS値と比較すると、信号振幅を低減することができ(改良型信号浸透力のために)、及び/又は負荷サイクルを低減することができる(後述する持続効果のために)。従って、本発明で開示する技術は、標準SCS技術と比較した時に結果として正味の省電力を得ることができる。
【0052】
4.0.ある一定の実施形態に関連の予想される恩典
標準SCS療法と比較した時に、患者及び/又は開業医に対して、上述の実施形態のある一定のものは、様々な利点の1つ又はそれよりも多くをもたらすことができる。これらの恩典の一部に対しては上述している。例えば、患者は、脊髄に沿って通常の感覚的な信号及び運動信号に対する患者検出可能な阻害なしで有効な痛み緩和を受け取ることができる。特定の実施形態では、この療法により通常の運動信号及び/又は感覚的な信号に及ぼす何らかの効果をもたらすことができるが、その効果は、例えば、計器又は他のデバイスを通じた外部支援の助けを借りずに患者が本質的に確実に検出することができるレベルよりも小さいものである。従って、運動信号伝達及び他の感覚的な信号伝達(ターゲット痛みに関連の信号伝達以外)の患者のレベルは、治療前のレベルに維持することができる。例えば、上述のように、患者は、主に患者の動き及び位置に関係がない著しい痛み低減を受けることができる。特に、患者は、様々な位置を仮定し、及び/又は療法が患者に適用されるパラメータ(例えば、信号振幅)を調整する必要がなく、日常生活の活動及び/又は他の活動に関連の様々な運動に着手することができる。この結果により、様々な活動に従事しながら、患者の生活を大幅に簡素化すると共に痛み緩和を受けるのに必要とされる努力を低減することができる。この結果により、図5B及び図5Cを参照して上述したように、睡眠中に痛みを受ける患者に対して生活様式を改善することができる。
【0053】
信号振幅の変化から治療の恩典を受ける患者に対してさえも、上述の療法は、恩典をもたらすことができる。例えば、このような患者は、各々が異なる振幅及び/又は他の信号送出パラメータを有する限られた数(例えば、2つ又は3つ)のプログラムから患者の痛みの一部又は全てに対処することを選択することができる。1つのこのような例において、患者は、寝る前に1つのプログラムを、起きた後に別のプログラムを起動させる。別のこのような例において、患者は寝る前に1つのプログラムを、起きた後に第2のプログラムを、そうでない場合であれば痛みを引き起こす特定の活動に従事する前に第3のプログラムを起動させる。患者選択肢の組をこのように低減すると、療法が有効に痛みに対処する状況を低減することなく(実際は増加する)、簡単に痛みを管理する患者の機能を大幅に簡素化することができる。複数のプログラムを含むいずれかの実施形態では、患者の作業負荷は、自動的に患者状況の変化を検出し、適切な療法を自動的に識別及び送出することによって更に低減することができる。このような技術及び関連システムの更なる詳細は、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の米国特許出願第12/703,683号明細書に開示されている。
【0054】
上述の治験中に観測される別の恩典は、患者が療法レベルにおいて変化を確かに受ける時に、それが段階的な変化であるという点である。これは、従来のSCS療法に関連の一般的な変化と異なるものである。従来のSCS療法では、患者が位置を変更し、及び/又は振幅設定を変更した場合、患者は、耐えがたいと患者が説明することが多い痛みの突然の始まりを体験することがある。これとは対照的に、本発明で開示する療法で治療された時に、上述の治験の患者は、信号振幅が増大して閾値レベルの域を超えた時に、及び/又は患者が位置を変更した時に徐々に心地よくなくなると説明する痛みがある痛みの段階的な始まりを報告した。1人の患者は、痛みがやって来るが決して完全には増大しきらないのに似た感覚だと説明した。信号送出パラメータの変化に対する患者の反応のこの著しい差は、患者が、効果があっても直ちに痛みがあるのではないかと思うことなく、必要に応じてより自由に信号送出パラメータ及び/又は姿勢を変えることを可能にすることができる。
【0055】
上述の治験からの別の観測は、有効な療法の始まりと痛み又は不快の始まりの間の振幅「窓」が比較的広範囲にわたって、特に、標準SCS治療の場合でも広範囲にわたるという点である。例えば、標準SCS治療中に、患者は、通常、特定の振幅で痛み低減を受け、その振幅の約1.2〜約1.6倍で治療信号から痛みを受け始める(上述のように、突然の始まりがある場合がある)。これは、約1.4の平均的な変動範囲に対応する。更に、標準SCS刺激を受ける患者は、通常、痛み始まりレベルの近くで刺激を受けることを望むが、その理由は、療法はそのレベルが最も有効であるからである。従って、患者の好みにより、有効な変動範囲が更に低減される場合がある。これとは対照的に、本発明で開示する技術に従った療法では、結果的に、患者は、1mA又はそれ未満で痛み緩和を取得し、かつ非常に遥かに大きい変動範囲(例えば、一部の実施形態内において、1.6又は60%より大きいか、又は他の実施形態では100%より大きい)に対応し、印加された信号が4mAの振幅になるまで、一部の場合には、約5mA、6mA又は8mAまで痛み又は筋肉捕捉には遭遇しなかった。上述の振幅レベルでさえも、患者が体験する痛みは、標準SCS痛みの始まりに関連の痛みを大幅に下回るものであった。この結果の予想される利点は、患者及び開業医は、標準SCSによる方法よりも本発明で開示する方法の方が適切な療法振幅を選択する際には大幅に広い許容範囲を有することができるという点である。開業医は、例えば、不要な副作用を引き起こすことなく、脊髄でより多くの(例えば、より深い)線維に影響を与えようとして信号振幅を増大させることができる。より広い振幅窓の存在は、本発明で開示する療法が患者の姿勢及び/又は活動の変化に比較的影響されないことに寄与することができる。例えば、埋め込まれたリードとターゲット神経母集団との間の相対位置が、患者が移動する時に変化する場合、ターゲット神経母集団に到達する時の信号の有効な強度も変わる場合がある。ターゲット神経母集団がより広い範囲な信号強度の影響を受けない時に、この効果は、望ましくない副作用を引き起こすことなくより大きい患者の可動域を可能にすることができる。
【0056】
本発明で開示する療法は、開業医が振幅のより広域の範囲にわたって調整を提供することを可能にすることができるが、少なくとも一部の事例において、開業医は、範囲全体を使用する必要がある場合がある。例えば、上述のように、患者が療法を調整する必要があると考えられる例は、標準SCS療法と比較した時に大幅に低減することができる。その理由には、本発明で開示する療法は、比較的患者位置、姿勢、及び活動レベルの影響を受けないからである。上述の効果に加えて又はその代わりに、本発明で開示する技術に従って印加される信号の振幅は、標準SCSに関連の振幅よりも低くすることができ、その理由には、本発明で開示する技術は、脊髄の表面により近い神経細胞をターゲットにすることができるからである。例えば、腰痛に関連の神経繊維は、T9とT12の間の脊髄に入り、従って、これらの椎骨の位置で脊髄面に近いと考えられる。従って、治療信号(例えば、電流振幅)の強度は、控え目とすることができ、その理由には、信号は、目標とする効果を有するために脊髄組織の著しい深さを浸透する必要がないからである。このような低い振幅信号は、不要な感覚的な応答及び/又は運動応答などの副作用を引き起こす傾向を低減する(又はゼロにする)ことができる。このような低い振幅信号は、埋め込まれたパルス発生器により必要とされる電源を低減することができ、従って、電池寿命及び再充電及び/又はバッテリ交換の間の関連の時間を延ばすことができる。
【0057】
上述のパラメータに従って治療を行う更に別の予想される恩典は、開業医は、一般的に標準SCSリード配置に必要とされるのと同じレベルの精度でリードを埋め込む必要がないという点である。例えば、上述の結果は、2つのリード(脊髄正中線の両側に位置決めされたリード)を有する患者に対して特定されたが、患者は、単一のリードのみを正中線で設けた状態で同じか又はほぼ類似の痛み緩和を受けることになることが予想される。従って、開業医は、2本ではなく1本のリードのみを埋め込みさえすればよいことになる。患者は、リードが反対方向に脊髄正中線からシフトさせて位置決めされる時に人体の片側で痛み緩和を受けることができることが更に予想される。従って、たとえ患者が例えば片側上で反対側よりもひどい痛みを伴って相互的な痛みを有するとしても、患者の痛みは、単一の埋め込まれたリードで対処することができる。従って、更に、リード位置は、解剖学的及び/又は生理的脊髄正中線から脊髄正中線から3〜5mm離れた位置まで横方向に変えることができることが予想される(例えば、後根入口帯又はDREZへ外に)。正中線の上述の識別子は異なる場合があるが、予想されることして、上述の範囲は、正中線の解剖学的識別及び生理的識別に有効である(例えば、本発明の療法の確固たる性質の結果として)。更に、リード(代わりに、より具体的には、リード上の1つ又は複数のアクティブ接点)は、一実施形態においては約T9〜T12の範囲で、及び別の実施形態内においてはT9−T12内の2つの椎体に1つの範囲で様々な軸線方向の位置のいずれかに位置決めされ、依然として有効な治療を行うことができることが予想される。従って、開業医の選択した埋め込み部位は、標準SCS手順の場合ほど正確に識別され又は位置する必要はなく(軸線方向に及び/又は横方向に)、一方、依然として患者に対して著しい恩典がもたらされる。特に、開業医は、治療有効性及び/又は患者快適さを増大させようとして接点位置を調整することなく、上述の範囲でアクティブ接点の位置を特定することができる。更に、特定の実施形態では、上述の位置での接点は、患者に療法を送出する唯一のアクティブ接点とすることができる。上述の特徴は、単独で又は組み合わせて、リードを埋め込むのに必要とされる時間を低減することができ、かつリードを埋め込む時により大きい柔軟性を開業医に与えることができる。例えば、患者が好適な埋め込み部位で瘢痕組織又は別の障害を有する場合、開業医は、他の位置でリードの位置を特定することができ、依然として有用な結果を得ることができる。
【0058】
リード配置及び信号振幅に対する上述の観測された鈍感性から得ることができる更に別の予想される恩典は、リードが埋め込まれる時にマッピング手順を行う必要性を大幅に低減又は排除することができるという点である。これは、患者及び開業医の両方に利点であり、その理由には、時間及び有効な療法を確立するのに必要とされる試みが低減されるからである。特に、標準SCS療法では、通常、開業医は、痛み低減がもたらされたか否かを報告する患者が手術室にいる間にリードの位置及びリードによって送出される信号の振幅を調整する必要がある。本発明で開示する技術は、比較的リード位置及び振幅の影響を受けないので、マッピング処理を完全に排除することができる。代替的に、開業医は、選択した椎骨の位置(例えば、約T9〜T12)でリードを設けて予め選択した振幅(例えば、1〜2mA)で信号を印加し、試行錯誤による最適化処理(接点選択及び/又は振幅選別のための)が大幅に低減又は排除され、次に、患者を緩和することができる。上述の効果に加えて又はその代わりに、開業医は、少なくとも一部の実施形態では、治療信号を走査するか又は他の方法で誘導するために既存のシステムに使用される三極又は他のより複雑な構成とは対照的に、電極の単一の双極構成で患者に有効な療法を行うことができる。上述の効果を考慮して、患者リード埋め込み手順を完了して信号送出パラメータを選択するのに必要とされる時間は、特定の実施形態では、2倍又はそれよりも多く低減することができると予想される。従って、開業医は、1日当たりより多くの患者を治療することができ、患者は、痛みなしで活動により迅速に従事することができる。
【0059】
上述の効果は、開業医の施設で行われるマッピング手順だけでなく、その後の試験期間にも及ぶ可能性がある。特に、一般的に標準SCS治療を受ける患者は、リード埋め込みを受けた後1週間を過ごし、その間、様々な患者の位置及び患者活動のいずれかに対して適切な振幅を確立しようとしてリードに印加される振幅を調整する。本発明で開示する療法の実施形態は、患者位置及び活動レベルの影響を比較的受けないので、この試行錯誤期間の必要性を低減又は排除することができる。
【0060】
本発明で開示する治療の実施形態に関連の更に別の予想される恩典は、この治療の方が患者が慣習的になりにくいと考えられるという点である。特に、従って、少なくとも一部の場合には、患者に印加された高周波信号は、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の米国特許出願第12/362,244号明細書に開示されているような非同期神経応答を生成することができることが予想される。非同期応答は、より低い周波数による調整で得られる可能性がある同期応答よりも習慣性が出る可能性が少ないと考えられる。
【0061】
上述の療法の実施形態の更に別の特徴は、この療法は、陽極接点と陰極接点を区別せずに適用することができるという点である。米国特許出願第______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US、引用により本明細書に既に組み込んでいる)においてより詳細に説明しているように、この特徴により、患者に対して療法を確立する処理を簡素化することができる。更に、波形の高周波数のために、隣接組織は、疑似定常状態信号として波形を感知することができる。上述の効果の一方又は両方の結果として、両方の電極の近くの組織は、有利に影響を受けることができる。これは1つの電極が一貫して陰極であり、もう1つが一貫して陽極である標準SCS波形と異なるものである。
【0062】
上述の実施形態のいずれかにおいて、患者に行われる療法の態様は、上述の臨床試験中に使用されるパラメータ内又は外で変えることができ、依然として慢性腰痛がある患者に有用な結果を得ることができる。例えば、リード本体(及び特にリード本体電極又は接点)の位置は、上述の有意な横方向及び/又は軸線方向の範囲にわたって変化することができる。印加された信号の他の特性は、変えることができる。例えば、上述のように、信号は、約1.5kHzから約100kHzまで、特定の実施形態では、約1.5kHzから約50kHzまで)の周波数で送出することができる。より特定の実施形態では、信号は、約3kHzから約20kHzまで、又は約3kHzから約15kHzまで、又は約5kHzから約15kHzまで、又は約3kHzから約10kHzの周波数で供給することができる。信号の振幅は、特定の実施形態において、約0.1mAから約20mAまでに及ぶことができ、更に特定の実施形態では、約0.5mAから約10mAまで、又は約0.5mAから約4mAまで、又は約0.5mAから約2.5mAまでに及ぶことができる。印加された信号の振幅は、増加又は低減することができる。特定の実施形態では、振幅は、治療効果を確立するために初期レベルで増大又は設定し、次に、引用により本明細書に先に組み込まれた現在特許出願中の2008年11月4日出願の米国特許出願第12/264,536号明細書に開示されているように、有効性を放棄することなく電源を保存するためにより低いレベルに低減することができる。特に、信号振幅は、例えば、電流制御されたシステムに関する電流レベルを指す。他の実施形態では、信号振幅は、例えば、電圧制御されたシステムに対して電圧レベルを指すことができる。パルス幅(例えば、パルスのまさに陰極位相の)は、約10マイクロ秒から約333マイクロ秒まで変えることができる。更に別の特定の実施形態では、パルス幅は、約25マイクロ秒から約166マイクロ秒まで、又は約33マイクロ秒から約100マイクロ秒まで、又は約50マイクロ秒から約166マイクロ秒まで及ぶことができる。上述のパラメータに向けて選択した特性値は、患者間、表示間、及び/又は選択した椎骨位置に基づいて変わる場合がある。更に、本方法は、患者療法をモニタ及び/又は制御するために、上述のそれらに加えて又はその代わりに他のパラメータを利用することができる。例えば、パルス発生器が定電流構成よりもむしろ定常電圧構成を含む場合、上述の電流値は、対応する電圧値と入れ替えることができる。
【0063】
少なくとも一部の実施形態では、上述の振幅が超閾値になると予想される。少なくとも一部の実施形態では、上述の信号に対する神経応答は、上述のように、非同期になることも予想される。従って、信号の周波数は、患者の脊髄のターゲット神経細胞の不応期より高く(例えば、2〜10倍高い)なるように選択することができ、それによって少なくとも一部の実施形態では非同期応答が生成されることが予想される。
【0064】
患者は、本発明の開示の更に別の実施形態により、複数の信号を受け取ることができる。例えば、患者は、各々を異なる信号送出パラメータで1つよりも多い信号を受け取ることができる。1つの特定の例において、信号は、互いに交互配置される。例えば、患者は、10kHzのパルスと交互配置される5kHzのパルスを受け取ることができる。他の実施形態では、患者は、異なる周波数でパルスの連続した「パケット」を受け取ることができ、各パケットは、特定の患者及び表示よっては1秒未満、数秒、数分又はそれよりも多くの持続時間を有する。
【0065】
更に別の実施形態では、負荷サイクルは、オン/オフ作動の期間の長さを変えることができるように上述の50%−100%の値の範囲から変えることができる。例えば、患者が調整を停止した後に、大幅な期間にわたって持続する治療効果(例えば、痛み低減)を有することができることが観測されている。特定の例において、有用な効果は、一部の場合は10〜20分間、他の場合は最大1時間まで、更に別の場合には、1日又はそれよりも多く持続することができる。従って、シミュレータは、有用な効果を再開する時間するのに必要な時間に対して適切な余裕を持たせて、最大1時間までの期間にわたって調整を停止させるようにプログラムすることができる。この構成は、これより高い負荷サイクルを有するシステムと比較して、かつこれよりも短いオン/オフ期間を有するシステムと比較してシステム電力消費量を大幅に低減することができる。
【0066】
5.0.代表的なリード構成
図9は、本発明の開示の特定の実施形態により調整信号を送出するように位置決めされた第1及び第2の接点C1、C2を有するリード910の部分概略図である。接点は、従って、埋め込まれた時で患者の組織を接触するように位置決めされる。リード910は、各接点グループ分けを通じて双極調整信号を支持するために、少なくとも2つの第1の接点C1及び少なくとも2つの第2の接点C2を含むことができる。この実施形態の一態様では、リード910は、接点C1、C2が長軸Aから等しく離間した状態で主要又はリード軸線Aに沿って長形とすることができる。一般的に、長形という用語は、幅を超える長さ(例えば、脊髄に沿って)を有するリード又は他の信号送出要素を指す。リード910は、一般的なリードのそれより長いである全長L(そにわたってアクティブ接点が位置決めされる)を有することができる。特に、長さLは、1つ又はそれよりも多くの椎骨の位置(関連の神経母集団を含む)で第1の接点C1を位置決めし、第1の接点から離間してかつ第1の接点の上位にある別の椎骨の位置(関連の神経母集団を含む)で第2の接点C2を位置決めするのに十分とすることができる。例えば、第1の接点C1は、腰痛を治療するために、椎骨レベルT9〜T12に位置決めすることができ、第2の接点C2は、アーム痛みを治療するために、上位椎骨の位置(例えば、子宮頸部の位置)に位置決めすることができる。代表的なリードの長さは、約30cmから約150cmまで、特定の実施形態では約40cmから約50cmまでである。パルスは、いくつかの異なる構成に従って接点の両方の群に印加することができる。例えば、一方の群に供給されたパルスを他の群に印加されたパルスと交互配置することができ、又は同じ信号を一方の群から他方の群に迅速に切り換えることができる。他の実施形態では、個々の接点、接点の対及び/又は異なる群の接点に印加された信号は、他の方法で多重送信することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、接点C1、C2の各々は、例えば、約3mm2から約25mm2まで、特定の実施形態では、約8mm2から約15mm2の範囲で適切に選択された表面積を有することができる。特定のリード上の個々の接点は、上述の範囲で、リードの隣接又は他の接点と異なる表面積値を有することができ、選択される値は、個々の接点の椎骨の位置を含む特徴に依存する。
【0067】
図9に示すリード910の実施形態の別の特徴は、第1の接点C1が、一般的に標準SCS接点に関連するより大幅に広い間隔を有することができることである。例えば、第1の接点C1は、直近の第2の接点C2間の対応する第2の距離S2より大きい第1の距離S1分離間させる(例えば、最も近い縁部と最も近い縁部同士で)ことができる。代表的な実施形態では、第1の距離S1は、約3mmから椎体の半分、1つの椎体又は2つの椎体(例えば、それぞれ、約16mm、32mm又は64mm、)に対応する距離までに及ぶことができる。別の特定の実施形態では、第1の距離S1は、約5mmから約15mmまでとすることができる。この間隔の増大により、リード910の複雑性を低減することができ、依然として患者に有効な治療を行うことができ、その理由には、上述のように、本発明で開示する療法の効果は、比較的信号送出接点の軸線方向の位置の影響を受けないからである。第2の接点C2は、本発明で開示する手法に従って高周波調整を適用するのに使用される時に同様の広い間隔を有することができる。しかし、別の実施形態では、リード910の異なる部分は、異なる距離だけ離間している接点を有することができる。例えば、患者が第1の椎骨の位置で第1の接点C1を通じて高周波数痛み抑制治療を受ける場合、患者は、距離S2分離間している第2の接点C2を通じて第2の椎骨の位置で低周波数(例えば、1500Hz又はそれ未満、又は1200Hz又はそれ未満)知覚異常誘発信号を任意的に受け取ることができる。距離S2は、距離S1より小さいとすることができ、特定の実施形態では、これらの接点がこのような治療を行うために使用することができる時に、標準SCS治療の接点間隔(例えば、4mm間隔)を代表するものとすることができる。従って、第1の接点C1は、第2の接点C2に関連のものと異なる信号送出パラメータに従って調整を送出することができる。更に別の実施形態では、下位の第1の接点C1は、接近した間隔S2を有することができ、上位の第2の接点C2は、患者指示及び/又は好みに基づいて、広い間隔S1を有することができる。更に別の実施形態では、上述のように、下位及び上位位置の接点は、例えば、脊髄に沿って複数の位置で高周波数調整を支持するために広い間隔を有することができる。他の実施形態では、リード910は、特定の患者及び表示に基づいて、異なる接点間隔の他の構成を含むことができる。例えば、第2の接点C2(及び/又は第1の接点C1)の幅は、図9に概略的に表されるより大きく、隣接接点間の間隔の一部分とすることができる。隣接第1の接点C1間の距離S1は、椎体全体よりも小さいか(例えば、5mm又は16mm)又は1つの椎体を超えることができ、依然として間隔増大に関連の利点、例えば、複雑性の低減を有することができる。リード910は、等しく離間した(例えば、最大約2つの椎体分)全ての接点を有することができ、又は接点は、上述のように、異なる間隔を有することができる。1つよりも多い第1の接点C1は、1つの椎骨レベル(例えば、T9)で調整を適用することができ、一方、1つよりも多い更に別の第1の接点C1は、異なる椎骨レベル(例えば、T10)で同じか又は異なる周波数による調整を提供することができる。
【0068】
一部の場合には、下位接点C1と上位接点C2の間の距離を調整することが望ましい場合がある。例えば、リード910は、コイル構成(電話機コードなど)又は開業医が選択的に接点のセット間の距離を変えることを可能にする他の長さ調整機能を有することができる。この構成の特定的な態様では、リードのコイル状部分は、第1の接点C1及び第2の接点C2の間に位置することができる。例えば、図10Aに示す実施形態では、リード910は、第1の接点C1を担持する近位部分910a、第2の接点C2を担持する遠位部分910c、及び事前成形可変長歪み緩和特徴、例えば、正弦形状又は螺旋形の特徴を有する中間部分910bを含むことができる。リード910は、近位部分910aから遠位部分910cまでリード910を通って延びる探り針溝又は内腔915も含む。
【0069】
次に、図10Bを参照すると、開業医は、埋め込みに向けてリード910を直線的にする探り針内腔915に探り針916を挿入する。開業医は、次に、遠位部分910c及び関連の第2の接点C2が望ましい位置に来るまで探り針916を通じてリード910を患者に挿入する。開業医は、次に、遠位リードデバイス917cで患者に対して遠位部分910cを固定する。遠位リードデバイス917cは、拡張可能なバルーンを含むがこれに限定されないリードを固定する様々な適切な遠隔操作で配備可能な構造体のいずれかを含むことができる。
【0070】
次に、図10Cを参照すると、開業医は、部分的に又は完全に探り針916を除去し、かつリード910の特性(例えば、その初期形状を示す中間部分910bの本来の傾向)により遠位部分910cに向けて近位部分910aを引くことを可能にすることができる。近位部分910aが遠位部分910cに対して望ましい間隔を有する時に、開業医は、近位リードデバイス917a(例えば、縫合糸又は他のリードアンカー)で患者に対して近位部分910aを固定することができる。このようにして、開業医は、近位部分910aでの第1の接点C1と、脊椎に沿って複数の患者位置で有効な治療を行う遠位部分910cでの第2の接点C2との間の適切な間隔を選択することができる。
【0071】
図11Aは、本発明の開示の特定の実施形態による内部構成を示すリード910の近位部分910aの拡大図である。図11Bは、概略図11Aの線11B−11Bに沿って切り取られたリード910の断面視図である。図11Bをここで参照すると、リード910は、外部絶縁要素918内に配置された複数の導体921、例えば、プラスチックスリーブを含むことができる。特定の実施形態では、導体921は、中心導体921aを含むことができる。別の実施形態では、中心導体921aを排除して上述の探り針内腔915と入れ替えることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、各個々の導体921は、個々の導体絶縁要素920によって取り囲まれる複数の導体ストランド919(例えば、多心構成)を含むことができる。製造中に、外部絶縁918及び個々の導体絶縁要素920の選択した部分は、除去することができ、従って、個々の導体921がリード910の長手(長さ)方向に沿って選択した位置で露出する。これらの露出した部分は、それ自体接点として機能することができ、従って、患者に調整を提供することができる。別の実施形態では、リング(又はシリンダ)接点は、例えば、圧着又は溶接により露出した部分に取り付けられる。製造業者は、特定の方法で外部絶縁要素918の除去した部分及び導体絶縁要素920を離間させることによってリード910をカスタマイズすることができる。例えば、製造業者は、ステンシル又は他の構成を使用して、切除処理を含むことができるがこれに限定されない除去処理を案内することができる。この構成により、リード910の同じ構成全体を大きな変更なしに様々な用途及び患者に使用することができる。この実施形態の別の態様では、編組か又はコイル状にされた構成ではなく、導体921の各々は、外部絶縁918内のリード910の長軸に沿って、他と平行に延びることができる。更に、個々の導体要素920の導体ストランド919の各々は、螺旋状に進むことなくも隣接物と平行に延びることができる。従って、これらの特徴は、単独で又は組み合わせて、リード910全体の柔軟性を増大させることになり、それによってリード910を従来のリードよりも大きなレベルの多用性及び/又はより様々な患者解剖学的組織に挿入することができることが予想される。
【0072】
図11Cは、図11Aに示す近位部分910aの部分概略拡大例示である。図11Bを参照して上述した多心ケーブルの1つの予想される利点は、導体921の各々のインピーダンスは、従来のコイル導体と比較すると低減することができるという点である。従って、導体921の直径を低減することができ、リード910の全径を低減することができる。リード直径を有利な態様で低減する1つの結果は、接点C1は、有効な調整に必要な所要の表面積をもたらすためにより大きい長さを有することができることである。接点C1が導体921の露出部分から形成される場合、これは、問題にはならないと予想される。接点C1がリング又は円筒形接点である場合、特定の実施形態では、接点の長さは、患者に挿入中に容易にリード910を操作する開業医の機能を抑制するほど増大する場合がある。この潜在的な問題に対処する1つの手法は、6つの下位接点C1a〜C1fとして特定の接点C1を図11Cに示す複数の下位接点に分割することである。この実施形態では、個々の下位接点C1a−C1fの各々は、図11のBに示すのと同じ導体921に接続することができる。従って、特定の導体921に接続した下位接点の群は、リード910の柔軟性を抑制することなく、本質的に1つの長い接点として作動させることができる。
【0073】
上述のように、上述の構成の1つの特徴は、上述の構成が設計及び製作しやすいものとすることができることである。例えば、製造業者は、特定の患者用途により、異なる接点間隔をもたらすために異なるステンシルを使用することができる。上述の効果に加えて又はその代わりに、上述の構成は、リング電極及び/又は他の剛性接点を排除するか又は接点を下位接点に分割することによって操作性の増大を含み、かつ埋め込み処理を容易にすることができる。他の実施形態では、他の構成を使用して接点柔軟性をもたらすことができる。例えば、接点は、導電シリコーン、例えば、白金、イリジウム、又は別の貴金属などの導電材料の適切な装着により含浸したシリコーンで形成することができる。
【0074】
図9に示すリードの実施形態の更に別の特徴は、患者は、アクティブ接点の単一の双極対のみで有効な療法を受けることができるという点である。接点の1つよりも多い対がアクティブ場合、接点の各対は、アクティブ接点が互いに短絡することができるように同一波形を受け取ることができる。別の実施形態では、埋め込まれたパルス発生器(図9において見えない)は、帰還電極として機能することができる。例えば、パルス発生器は、帰還電極として機能するハウジングを含むことができ、又はパルス発生器は、パルス発生器に対して固定位置を有する帰還電極を他の方法で担持することができる。従って、アクティブ接点により行われる調整は、標準SCS治療に関連のより一般的な双極刺激とは対照的に、単極調整とすることができる。
【0075】
6.0.代表的なプログラマー構成
本発明で開示する療法技術の確固たる特性は、図1A〜図1Bを参照して上述したシステム全体の他の態様を簡素化することを可能にすることができる。例えば、患者リモコン及び内科医プログラマーは、大幅に簡素化することができ、その理由には、信号送出パラメータを変更する必要性を大幅に低減するか又は完全に排除することができるからである。従って、特に、ある一定の実施形態では、リードが埋め込まれた状態で、患者は、広範囲にわたる位置を仮定して広範囲にわたる活動に従事しながら、信号振幅又は他の信号送出パラメータを変更する必要がなく有効な療法を受け取ることができることが予想される。その結果、引用により本明細書に既に組み込んでいる米国特許出願第______号明細書(代理人登録番号第66245.8024US)において更に説明しているように、患者リモコンは、いずれかのプログラミング機能を含む必要がなく、その代わりに単一のオン/オフ作動の機能(例えば、オン/オフ作動のボタン又はスイッチ)を含むことができる。患者リモコンは、パルス発生器がアクティブである時を識別するインジケータ(例えば、光)を含むことができる。この特徴は、特に本発明で開示する療法に関連して有用であると考えられ、その理由には、患者は、一般的に、システムが療法信号に加えて意図的に知覚異常を生成するように構成及びプログラムされていない限り知覚異常を感じないからである。特定の実施形態では、内科医プログラマーは、同様に簡素化することができるが、一部の場合には、少なくとも部分的にレベルのプログラミング機能を内科医プログラマーに維持することが望ましいと考えられる。このような機能は、内科医が、アクティブ接点の変化及び/又は他の信号送出パラメータを必要とするほど重大であるリードが移動するか又は患者が生理的変化(例えば、瘢痕)又は生活様式の変化(例えば、新しい活動)をする稀な例において異なる接点及び/又は他の信号送出パラメータを選択することを可能にすることができる。
【0076】
7.0.代表的な調整位置及び兆候
上述の実施形態の多くは、慢性の神経障害性腰痛を下部胸部椎骨(T9〜T12)に印加される調整信号で治療する状況に説明するものであった。他の実施形態では、上述のそれらとほぼ類似のものであるパラメータ(例えば、周波数、パルス幅、振幅、及び/又は負荷サイクル)を有する調整信号を他の兆候に対処するために他の患者位置に印加することができる。例えば、上述の方法は、脊髄正中線からDREZまでの横位置照準で調整を適用する段階を含むが、他の実施形態では、調整は、DREZから横方向に外方に小孔領域に適用することができる。他の実施形態では、調整は、患者の他の脊髄レベルに適用することができる。例えば、調整は、仙骨部、より具体的には、仙椎神経が仙骨に入る「馬の尾」領域に適用することができる。尿失禁及び便失禁は、この位置で適用される調整で治療することができることが予想される例示的な兆候を表している。他の実施形態では、調整は、他の胸部椎骨に適用することができる。例えば、調整は、T9より上方の胸部椎骨に適用することができる。特定の実施形態では、調整は、T3〜T6の領域に適用して狭心症を治療することができる。調整は、高胸部椎骨に適用して帯状疱疹に関連の痛みを治療することができる。調整は、慢性地域の痛み症候群及び/又は全身痛みに対処するために頸椎に適用することができ、かつ頸部手術に取って代わるように行うことができる。適切な子宮頸部の位置には、椎骨レベルC3−C7(包含的)がある。他の実施形態では、調整は、例えば、片頭痛に対処するために後頭神経に適用することができる。
【0077】
上述のように、上述のパラメータに従った調整は、急性及び/又は慢性の侵害性痛みを治療するために適用することができる。例えば、これらのパラメータに従った調整は、麻酔薬(例えば、脊椎穿刺)を補足するか及び/又はそれに取って代わるように手術中に使用することができる。このような適用は、腫瘍除去、膝手術、及び/又は他の手術手法に用いることができる。類似の手法は、術後の痛みに対処するために埋め込み型デバイスと共に使用することができ、かつ局所用リドカインの必要性を回避することができる。更に別の実施形態では、上述のパラメータに従った調整は、他の末梢神経に対処するために用いることができる。例えば、調整は、幻肢痛に対処するために抹消神経に直接に適用することができる。
【0078】
以上から、本発明の開示の特定の実施形態は、例示を目的として本明細書に説明したが、様々な修正を本発明の開示から逸脱することなく行うことができることが認められるであろう。例えば、上述の特定のパラメータ範囲及び指示は、更に実施形態において異なる場合がある。上述のように、開業医は、特定の手順(例えば、マッピング、試験期間、及び/又は電流ステアリング)の使用を回避することができるが、他の実施形態では、このような手順は、特定の例に使用することができる。図9〜図11Cを参照して上述したリードは、2つよりも多い群の接点を有することができ、及び/又は他の実施形態において他の接点間隔を有することができる。一部の実施形態では、上述のように、患者に印加される信号振幅は、一定とすることができる。他の実施形態では、振幅は、予め選択された方法で、例えば、増加又は低減、及び/又は複数の振幅間の循環を通じて変えることができる。信号送出要素は、図1Bに関して上述したように、硬膜外の位置を有することができ、かつ他の実施形態では、硬膜外の位置を有することができる。上述の特定の実施形態では、上述の特性を有する信号は、調整が約T9から約T12の椎骨レベルで適用された時に腰痛み及び/又は脚の痛みを有する患者に治療の恩典をもたらすことが予想される。少なくとも一部の他の実施形態では、この範囲は、約T5から約L1まで延びる可能性があると考えられる。
【0079】
特定の実施形態という関連で説明した本発明の開示のある一定の態様は、他の実施形態において組み合わせるか又は排除することができる。例えば、上述のように、試験期間、手術室マッピング処理、及び/又は外部調整器は、特定の実施形態では排除又簡素化することができる。更に別の実施形態では特定の兆候のための療法を組み合わせることができる。更に、ある一定の実施形態に関連の利点は、それらの実施形態の関連で説明したが、他の実施形態も、このような利点を示す場合があり、全ての実施形態が、本発明の開示の範囲に該当するこのような利点を必ずしも示すというわけではない。従って、本発明の開示及び関連の技術は、本明細書で明示的に図示又は説明していない他の実施形態を包含することができる。
【符号の説明】
【0080】
600 方法
610 患者に信号発生器を埋め込むブロック
620 患者の脊椎領域で単一の送出デバイスを埋め込むブロック
630 高周波波形を適用するブロック
640 痛みを抑制/阻止するブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を治療する方法であって、
患者に信号発生器を埋め込む段階と、
患者の脊髄領域に信号送出デバイスを該信号送出デバイスのアクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルの状態で埋め込む段階と、
電気信号が(a)脊髄に沿って他の感覚的な信号を中断し、(b)脊髄に沿って運動信号を中断し、かつ(c)患者内に感覚異常性の感覚を発生させることなく、患者の慢性腰痛を抑制又は排除するために約3kHzから約15kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するために前記信号発生器を起動する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、単一のリードのみを埋め込む段階を含み、
電気信号を印加する段階は、患者位置、姿勢、及び活動レベルの変化に関係なく一定の電流振幅で前記単一のリードを通じて下方調節電気信号を印加する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点を患者の脊髄正中線から±5mm以内のいずれかの横位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該横位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
電気信号を印加する段階は、脊髄に少なくとも近接するターゲット神経母集団における非同期応答を引き出すのに少なくとも十分な周波数で電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点をT9からT12までのいずれかの軸線方向位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該軸線方向位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点を少なくとも2つの椎体の範囲内のいずれかの軸線方向位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該軸線方向位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
患者に電気信号を印加する段階は、慢性の腰痛及び脚の痛みの両方を抑制又は排除するために患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、1つから2つまでの隣接椎体の長さに対応する距離だけ互いから離間した隣接するアクティブ信号送出接点を有する信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、隣接椎体の少なくとも半分の長さに対応する距離だけ互いから離間した隣接するアクティブ信号送出接点を有する信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記約T9から約T12までのアクティブ接点は、患者の脊髄領域における前記信号送出デバイスの唯一のアクティブ接点であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて約T9から約T12までの椎骨レベルで約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加し、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
電気信号を印加する段階は、脊髄の背側領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電気信号を印加する段階は、脊髄の後角領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
患者の位置に関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
患者の活動に関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
患者が眠っている間に前記信号の振幅を低減し、かつ同時に該電気信号で患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
患者の位置に関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
患者の活動に関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記電気信号を印加しながら患者の睡眠の質を該信号の印加のない患者の睡眠の質と比較して改善する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項22】
患者に電気信号を印加する段階は、慢性の腰痛及び脚の痛みの両方を少なくとも抑制するために患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項23】
電気信号を印加する段階は、患者の腰痛を排除するか又は患者の腰痛を抑制する段階を含み、
方法が、
前記電気信号の振幅を徐々に増大させて前記患者の痛みの前記抑制又は排除を徐々に低減する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項24】
患者の不快感を引き起こすことなく1mA未満から約5mAの範囲にわたって前記電気信号の電流振幅を調節する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項25】
患者の痛みを引き起こすことなく、患者の痛みが排除又は抑制される第1の値から患者の痛みが排除又は抑制される第2の値まで電流振幅を変化させる段階を更に含み、
前記第2の値は、前記第1の値よりも60%を超えて大きい、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の値は、前記第1の値よりも少なくとも100%大きいことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記電気信号の有効性を低減することなく1mA未満から約5mAの範囲にわたって前記電気信号の電流振幅を調節する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項28】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく少なくとも10分の期間にわたって前記電気信号を停止させる段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項29】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく少なくとも1日の期間にわたって前記電気信号を停止させる段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項30】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく夜通しの期間にわたって前記電気信号を停止する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項31】
電気信号を印加する段階は、患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に位置決めされたアクティブ接点から電気信号を印加する段階と脊髄正中線の他方の側の神経母集団に影響を与えることによって痛み低減を達成する段階とを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項32】
電気信号を印加する段階は、超閾値下方調節電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項33】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて、該信号発生器を起動させる前の値に少なくとも近似的に等しい値で脊髄に沿って他の感覚的な信号及び運動信号のレベルを維持しながら、約T9から約T12までの椎骨レベルで約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加して患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
電気信号を印加する段階は、脊髄の背側領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
電気信号を印加する段階は、脊髄の後角領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
電気信号を印加する段階は、患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に位置決めされたアクティブ接点から電気信号を印加する段階と、脊髄正中線の他方の側の神経母集団に影響を与えることによって痛み低減を達成する段階とを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
患者を治療する方法であって、
約T9から約T12までの椎骨レベルでかつ患者の脊髄正中線から±5mmの横位置で患者の脊髄領域に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
前記信号送出デバイスに信号発生器を結合する段階と、
(a)前記信号発生器を起動させて約3kHzから約15kHzまでの周波数及び第1の値を有する振幅で患者に超閾値電気信号を印加し、次に、不要な患者の感覚を引き起こすことなく該第1の値から該第1の値よりも60%を超えて大きい第2の値まで該振幅を調節する段階、又は
(b)(i)前記信号送出デバイスの異なる電気接点に信号を印加する段階、又は(ii)前記電気信号の前記振幅を選択的に変更する段階、又は(i)及び(ii)の両方を含む信号送出パラメータ選択処理に従事することなく患者を解放する段階、
を含む埋め込み後処理を行う段階と、
約3kHzから約15kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に超閾値下方調節電気信号を印加し、該電気信号が(i)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(ii)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、かつ該電気信号が患者に感覚異常性の感覚を発生させることなく患者の慢性腰痛を抑制又は排除する段階と、
を含み、
前記電気信号は、一定のピーク振幅パルスを有する電気信号である、
ことを特徴とする方法。
【請求項39】
超閾値電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
超閾値電気信号を印加する段階は、隣接椎体の長さの少なくとも半分だけ離間した隣接するアクティブ信号送出接点に該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて約T9から約T12までの椎骨レベル及び約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に超閾値電気信号を印加し、患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
超閾値信号を印加する段階は、2相性信号を印加する段階を含み、
前記信号の個々の位相が、ほぼ等しい電流振幅で印加される、
ことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
超閾値信号を印加する段階は、少なくとも1mAの電流振幅を有する信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
超閾値信号を印加する段階は、約1mAから約5mAまでの電流振幅を有する信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
超閾値信号を印加する段階は、ターゲット神経母集団でのいずれの固有の神経活動にも関係なく該ターゲット神経母集団における活動電位をトリガする電流振幅で該信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
超閾値電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で該信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
下方調節超閾値電気信号を印加する段階は、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
超閾値電気信号を印加する段階は、該電気信号が知覚異常の患者感覚を生じることなく該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項49】
患者を治療する方法であって、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者の中心神経系に電気信号を印加することにより、痛み緩和治療薬に患者の依存症を少なくとも低減する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
患者を依存症に苦しんでいるとして識別する段階を更に含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
患者の依存症を少なくとも低減する段階は、患者のアヘン中毒を少なくとも低減する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
電気信号を印加する段階は、患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
電気信号を印加する段階は、患者に埋め込まれた信号送出デバイスを通じて電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項54】
電気信号を印加する段階は、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて慢性腰痛を低減又は排除するために患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項55】
電気信号を印加する段階は、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、かつ該電気信号が患者に感覚異常性の感覚を発生させることなく、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて患者の慢性腰痛を抑制又は排除するために約T9から約T12までの椎骨レベル及び約3kHzから約10kHzまでの周波数で患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項56】
治療指図を提供する方法であって、
患者フィードバックに基づいて治療的に有効な位置を識別するために、(a)信号送出デバイスの軸線方向位置、又は(b)該信号送出デバイスの横位置、又は(c)(a)及び(b)の両方を反復的に調節するように開業医に指図することなく、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベルでかつ脊髄正中線から±5mmの横位置で患者の脊髄領域に該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階と、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
慢性腰痛を治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T10までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
慢性腰痛及び脚の痛みを治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項59】
患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に前記アクティブ接点を位置決めし、患者の脊髄正中線の他方の側で治療効果信号を達成するように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約5kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項62】
治療指図を提供する方法であって、
患者フィードバックに基づいて治療的に有効な振幅を識別するために、反復的に(a)信号の振幅を調節し、又は(b)信号送出デバイスのどの接点がアクティブかを調節し、又は(c)(a)及び(b)の両方を行うように開業医に指図することなく、患者の脊髄領域に信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階と、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項63】
信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階は、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベル及び脊髄正中線から±5mmの横位置にある状態で該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階は、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベル及び脊髄正中線から後根入口帯までの横位置にある状態で該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約2mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項66】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約2.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項67】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約3mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項68】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約5kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項69】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項70】
慢性腰痛を治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T10までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項71】
慢性腰痛及び脚の痛みを治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項72】
患者を治療する方法であって、
患者を慢性腰痛に苦しんでいるとして識別する段階と、
患者に信号発生器を埋め込む段階と、
患者に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
前記信号発生器に前記信号送出デバイスを接続する段階と、
前記信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
(a)患者フィードバックと組み合わせて、前記信号送出デバイスの異なる電気接点に信号を印加する段階、又は(b)該電気信号の振幅を選択的に変更する段階、又は(a)及び(b)の両方を含む信号送出パラメータ選択処理に従事することなく患者を解放する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約2mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約2.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約3mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約3.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約5mA又はそれ未満の電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項78】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルで該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項79】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、約C3から約C7までの椎骨レベルで該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項80】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、脊髄正中線から脊髄正中線から5ミリメートル横方向の位置までの範囲の横位置で該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項81】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルでかつ脊髄正中線から脊髄正中線から5ミリメートル横方向の位置までの範囲の横位置で該信号送出デバイスを埋め込む段階を含み、
患者を解放する段階は、最初に埋め込まれた位置から前記信号送出デバイスを再配置することなく患者を解放する段階を含む、
ことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項82】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて第1の期間にわたって第1の振幅で第1の信号をかつ該第1のものとは異なる第2の期間にわたって第2の振幅で第2の信号を送出する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項83】
患者入力なしに前記第1の信号から前記第2の信号に自動的に切り換える段階を更に含むことを特徴とする請求項82に記載の方法。
【請求項84】
少なくとも部分的に患者入力に基づいて前記第1の信号から前記第2の信号に切り換える段階を更に含むことを特徴とする請求項82に記載の方法。
【請求項85】
患者を治療する方法であって、
慢性腰痛に苦しんでいる患者に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
信号発生器に前記信号送出デバイスを接続する段階と、
前記信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数及び第1の値を有する振幅で患者に電気信号を印加する段階と、
不要な患者感覚を引き起こすことなく前記第1の値から該第1の値よりも60%を超えて大きい第2の値まで前記振幅を調節する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項86】
患者を慢性腰痛に苦しんでいるとして識別する段階を更に含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記振幅を調節する段階は、不要な患者感覚を引き起こすことなく前記第1の値よりも少なくとも100%大きい第2の値まで該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記振幅を調節する段階は、前記電流振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の値から前記振幅を調節する段階は、約2mAの値から該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の値から前記振幅を調節する段階は、約3mAの値から該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記振幅を調節する段階は、患者の痛み制御有効性を低減することなく該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項92】
患者に前記信号発生器を埋め込む段階を更に含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項93】
患者を診断する方法であって、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
前記電気信号の前記印加に関連付けられた痛み低減の存在、量、又は存在及びの量の両方に対応する患者からのフィードバックを受け取る段階と、
患者から受け取った前記フィードバックに基づいて、患者の痛みを神経障害性、侵害性、又は神経障害性及び侵害性の両方として特徴付ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みが前記電気信号の印加を開始した後に減少したという患者からのフィードバックに基づいて患者の痛みを神経障害性として特徴付ける段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項95】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みが前記電気信号の印加を開始した後に減少しなかったという患者からのフィードバックに基づいて患者の痛みを侵害性として特徴付ける段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項96】
患者の痛みは、腰痛を含み、
電気信号を印加する段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルで該電気信号を印加する段階を含む、
ことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項97】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みを少なくとも神経障害性成分を有するとして特徴付ける段階を含み、
方法が、
患者の慢性腰痛を少なくとも抑制するために前記電気信号を印加し続けることによって患者を治療する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記電気信号を印加し続ける段階は、該電気信号がa)脊髄に沿って他の感覚的な信号を中断し、かつ(b)脊髄に沿って運動信号を中断することなく、該電気信号を印加し続ける段階を含むことを特徴とする請求項97に記載の方法。
【請求項99】
電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で前記電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項100】
患者治療デバイスであって、
患者埋め込み型リード本体と、
前記リード本体によって担持され、かつ患者埋め込み型パルス発生器に電気的に接続するように位置決めされた接続要素と、
前記リード本体によって担持されて該リード本体に対して位置決めされ、直近の隣接接点が少なくとも8ミリメートルだけ互いから離間した状態で患者組織に接触して患者に電気信号を送出する複数の電気接点と、
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項101】
前記直近の隣接接点の各々は、複数の縁部を有し、
直近の隣接接点間の間隔が、該直近の隣接接点の各々のそれぞれの最も近い縁部間の間隔である、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項102】
異なる対の直近の隣接接点が、異なる距離だけ離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項103】
前記患者埋め込み型信号発生器を更に含み、
前記リード本体は、前記接続要素を通じて前記信号発生器に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項104】
直近の隣接接点は、約8ミリメートルから約64ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項105】
直近の隣接接点は、少なくとも16ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項106】
直近の隣接接点は、少なくとも32ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項107】
直近の隣接接点は、ほぼ64ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項108】
前記リード本体によって担持され、かつ前記直近の隣接接点の一方に電気的に接続された第1の導体と、
前記リード本体によって担持され、かつ前記直近の隣接接点の他方に電気的に接続された第2の導体と、
を更に含み、
前記第1及び第2の導体は、前記リード本体で互いから電気絶縁されている、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項109】
前記直近の隣接接点の前記一方は、個々の下位接点が前記第1の導体に電気的に接続された複数の離間した下位接点を含むことを特徴とする請求項108に記載のデバイス。
【請求項110】
前記リード本体は、主軸に沿って長形であり、
前記第1の導体は、各々が隣接する第1のストランドとほぼ平行に整列し、かつ前記主軸とほぼ平行に整列した複数の第1のほぼ平行なストランドを含む、
ことを特徴とする請求項108に記載のデバイス。
【請求項111】
前記リード本体は、主軸に沿って長形であり、
前記リード本体によって担持された各接点は、前記主軸から少なくともほぼ同じ距離に位置決めされる、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項112】
前記リード本体は、約30cmから約150cmの長さを有することを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項113】
前記リード本体は、約40cmから約50cmの長さを有することを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項114】
患者を治療する方法であって、
患者の脊髄に沿ってリード本体を埋め込む段階と、
患者の脊髄に沿った第1の位置に前記リード本体によって担持された接点を位置決めする段階と、
患者の脊髄に沿った第2の位置に前記リード本体によって担持された直近の隣接接点を位置決めし、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が隣接椎体の長さの少なくとも半分である段階と、
信号発生器を起動させて前記接点を通じて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項115】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が少なくとも前記隣接椎体の長さであるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項116】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が前記隣接椎体の長さの少なくとも2倍であるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項117】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と前記直近の隣接接点の間の間隔が前記隣接椎体の長さの約半分から該隣接椎体の長さの約2倍であるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項118】
前記信号発生器を起動する段階は、約3kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項119】
前記信号発生器を起動する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項120】
患者治療デバイスであって、
リード軸線に沿って長形である患者埋め込み型リード本体と、
前記リード本体によって担持され、かつ患者埋め込み型パルス発生器に電気的に接続するように位置決めされた接続要素と、
患者組織に接触して患者に電気信号を送出するために前記リード軸線に沿って位置決めされた複数の接点と、
を含み、
前記複数の接点は、
直近に隣接する第1の接点間の第1の間隔を有する第1の組の第1の接点と、
前記第1の間隔とは異なる直近に隣接する第2の接点間の第2の間隔を有する第2の組の第2の接点と、
を含む、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項121】
各第1の接点に最も近い接点が、別の第1の接点であり、いずれかの第2の接点に最も近い接点が、別の第2の接点であることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項122】
前記患者埋め込み型信号発生器を更に含み、
前記リード本体は、前記信号発生器に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項123】
前記信号発生器は、実行された時に第1の信号送出パラメータに従って前記第1の組の第1の接点に第1の電気信号を誘導し、かつ該第1の信号送出パラメータとは異なる第2の信号送出パラメータに従って前記第2の組の第2の接点に第2の電気信号を誘導する命令を用いてプログラムされることを特徴とする請求項122に記載のデバイス。
【請求項124】
直近に隣接する第1の接点が、少なくとも8ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項125】
直近に隣接する第2の接点が、ほぼ3ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項126】
前記直近に隣接する第1の接点の各々は、複数の縁部を有し、
直近に隣接する第1の接点間の間隔が、該直近に隣接する接点の各々のそれぞれの最も近い縁部間の間隔である、
ことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項127】
前記リード本体は、前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点との間の可変長部分を含むことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項128】
前記可変長部分は、螺旋形状を有することを特徴とする請求項127に記載のデバイス。
【請求項129】
前記可変長部分は、探り針内腔を含み、
前記可変長部分は、探り針が前記探り針内腔に受け取られる時にほぼ直線的であり、探り針が該内腔に受け取られない時に螺旋形である、
ことを特徴とする請求項128に記載のデバイス。
【請求項130】
患者を治療する方法であって、
患者の脊髄に沿ってリード本体を埋め込む段階と、
前記リード本体によって担持され、かつ直近に隣接する第1の接点間の第1の間隔を有する第1の組の第1の接点を脊髄に沿った第1の位置に位置決めする段階と、
前記第1の間隔とは異なる直近に隣接する第2の接点間の第2の間隔を有する第2の組の第2の接点を脊髄に沿った第2の位置に位置決めする段階と、
信号発生器を起動させて、前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点のうちの少なくとも一方を通じて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項131】
前記第1の組の接点を位置決めする段階は、第1の椎骨レベルに該第1の組の接点を位置決めする段階を含み、
接点の第2のものを位置決めする段階は、前記第1の椎骨レベルとは異なる第2の椎骨レベルに前記第2の組の接点を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
信号発生器を起動する段階は、約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記第1の接点に第1の信号をかつ1,500Hz未満の周波数で前記第2の接点に第2の信号を印加するために信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記第1の接点を位置決めする段階は、第1の神経母集団と電気通信させて該第1の接点を位置決めする段階を含み、
前記第2の接点を位置決めする段階は、前記第1のものとは異なる第2の神経母集団と電気通信させて該第2の接点を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項134】
信号発生器を起動する段階は、前記第1の接点に第1の信号送出パラメータを有する第1の信号を印加する段階と、前記第2の接点に該第1の信号送出パラメータとは異なる第2の信号送出パラメータを有する第2の信号を印加する段階とを含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項135】
前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点の間の前記リード本体の中間部分の長さを調節して該第1の組と該第2の組の間の間隔を確立する段階を更に含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記間隔を確立する段階は、前記第1の接点が胸部の椎骨レベルに位置決めされ、かつ前記第2の接点が子宮頸部の椎骨レベルに位置決めされるように該間隔を確立する段階を含むことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記中間部分は、螺旋形状を有し、
前記中間部分の前記長さを調節する段階は、
前記リード本体を直線的にするために探り針を該リード本体の探り針内腔に挿入する段階と、
患者の脊髄に沿って前記探り針及び前記リード本体を挿入する段階と、
患者に対して前記リード本体の遠位部分を固定する段階と、
前記探り針内腔から前記探り針を少なくとも部分的に取り出す段階と、
患者に対して前記リード本体の近位部分を固定する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項1】
患者を治療する方法であって、
患者に信号発生器を埋め込む段階と、
患者の脊髄領域に信号送出デバイスを該信号送出デバイスのアクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルの状態で埋め込む段階と、
電気信号が(a)脊髄に沿って他の感覚的な信号を中断し、(b)脊髄に沿って運動信号を中断し、かつ(c)患者内に感覚異常性の感覚を発生させることなく、患者の慢性腰痛を抑制又は排除するために約3kHzから約15kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するために前記信号発生器を起動する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、単一のリードのみを埋め込む段階を含み、
電気信号を印加する段階は、患者位置、姿勢、及び活動レベルの変化に関係なく一定の電流振幅で前記単一のリードを通じて下方調節電気信号を印加する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点を患者の脊髄正中線から±5mm以内のいずれかの横位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該横位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
電気信号を印加する段階は、脊髄に少なくとも近接するターゲット神経母集団における非同期応答を引き出すのに少なくとも十分な周波数で電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点をT9からT12までのいずれかの軸線方向位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該軸線方向位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、治療有効性、患者快適さ、又は治療有効性及び患者快適さの両方を増大させるために、該信号送出デバイスの電気接点を少なくとも2つの椎体の範囲内のいずれかの軸線方向位置で患者の脊髄と電気通信するように該電気接点の該軸線方向位置を調節することなく埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
患者に電気信号を印加する段階は、慢性の腰痛及び脚の痛みの両方を抑制又は排除するために患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、1つから2つまでの隣接椎体の長さに対応する距離だけ互いから離間した隣接するアクティブ信号送出接点を有する信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、隣接椎体の少なくとも半分の長さに対応する距離だけ互いから離間した隣接するアクティブ信号送出接点を有する信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記約T9から約T12までのアクティブ接点は、患者の脊髄領域における前記信号送出デバイスの唯一のアクティブ接点であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて約T9から約T12までの椎骨レベルで約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加し、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
電気信号を印加する段階は、脊髄の背側領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電気信号を印加する段階は、脊髄の後角領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
患者の位置に関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
患者の活動に関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定振幅で前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
患者が眠っている間に前記信号の振幅を低減し、かつ同時に該電気信号で患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
患者の位置に関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
患者の活動に関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記電気信号を印加しながら患者の睡眠の質を該信号の印加のない患者の睡眠の質と比較して改善する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項22】
患者に電気信号を印加する段階は、慢性の腰痛及び脚の痛みの両方を少なくとも抑制するために患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項23】
電気信号を印加する段階は、患者の腰痛を排除するか又は患者の腰痛を抑制する段階を含み、
方法が、
前記電気信号の振幅を徐々に増大させて前記患者の痛みの前記抑制又は排除を徐々に低減する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項24】
患者の不快感を引き起こすことなく1mA未満から約5mAの範囲にわたって前記電気信号の電流振幅を調節する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項25】
患者の痛みを引き起こすことなく、患者の痛みが排除又は抑制される第1の値から患者の痛みが排除又は抑制される第2の値まで電流振幅を変化させる段階を更に含み、
前記第2の値は、前記第1の値よりも60%を超えて大きい、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の値は、前記第1の値よりも少なくとも100%大きいことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記電気信号の有効性を低減することなく1mA未満から約5mAの範囲にわたって前記電気信号の電流振幅を調節する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項28】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく少なくとも10分の期間にわたって前記電気信号を停止させる段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項29】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく少なくとも1日の期間にわたって前記電気信号を停止させる段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項30】
患者が体験する前記痛み抑制を低減することなく夜通しの期間にわたって前記電気信号を停止する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項31】
電気信号を印加する段階は、患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に位置決めされたアクティブ接点から電気信号を印加する段階と脊髄正中線の他方の側の神経母集団に影響を与えることによって痛み低減を達成する段階とを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項32】
電気信号を印加する段階は、超閾値下方調節電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項33】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて、該信号発生器を起動させる前の値に少なくとも近似的に等しい値で脊髄に沿って他の感覚的な信号及び運動信号のレベルを維持しながら、約T9から約T12までの椎骨レベルで約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加して患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
電気信号を印加する段階は、脊髄の背側領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
電気信号を印加する段階は、脊髄の後角領域に前記電気信号を誘導する段階を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
患者が眠っているか又は起きているかに関係なく一定の組の電気接点に前記電気信号を印加する段階を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
電気信号を印加する段階は、患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に位置決めされたアクティブ接点から電気信号を印加する段階と、脊髄正中線の他方の側の神経母集団に影響を与えることによって痛み低減を達成する段階とを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
患者を治療する方法であって、
約T9から約T12までの椎骨レベルでかつ患者の脊髄正中線から±5mmの横位置で患者の脊髄領域に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
前記信号送出デバイスに信号発生器を結合する段階と、
(a)前記信号発生器を起動させて約3kHzから約15kHzまでの周波数及び第1の値を有する振幅で患者に超閾値電気信号を印加し、次に、不要な患者の感覚を引き起こすことなく該第1の値から該第1の値よりも60%を超えて大きい第2の値まで該振幅を調節する段階、又は
(b)(i)前記信号送出デバイスの異なる電気接点に信号を印加する段階、又は(ii)前記電気信号の前記振幅を選択的に変更する段階、又は(i)及び(ii)の両方を含む信号送出パラメータ選択処理に従事することなく患者を解放する段階、
を含む埋め込み後処理を行う段階と、
約3kHzから約15kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に超閾値下方調節電気信号を印加し、該電気信号が(i)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(ii)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、かつ該電気信号が患者に感覚異常性の感覚を発生させることなく患者の慢性腰痛を抑制又は排除する段階と、
を含み、
前記電気信号は、一定のピーク振幅パルスを有する電気信号である、
ことを特徴とする方法。
【請求項39】
超閾値電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
超閾値電気信号を印加する段階は、隣接椎体の長さの少なくとも半分だけ離間した隣接するアクティブ信号送出接点に該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
患者を治療する方法であって、
埋め込まれた信号発生器を起動させて約T9から約T12までの椎骨レベル及び約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に超閾値電気信号を印加し、患者の慢性腰痛を少なくとも抑制する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
超閾値信号を印加する段階は、2相性信号を印加する段階を含み、
前記信号の個々の位相が、ほぼ等しい電流振幅で印加される、
ことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
超閾値信号を印加する段階は、少なくとも1mAの電流振幅を有する信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
超閾値信号を印加する段階は、約1mAから約5mAまでの電流振幅を有する信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
超閾値信号を印加する段階は、ターゲット神経母集団でのいずれの固有の神経活動にも関係なく該ターゲット神経母集団における活動電位をトリガする電流振幅で該信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
超閾値電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で該信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
下方調節超閾値電気信号を印加する段階は、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
超閾値電気信号を印加する段階は、該電気信号が知覚異常の患者感覚を生じることなく該電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項49】
患者を治療する方法であって、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者の中心神経系に電気信号を印加することにより、痛み緩和治療薬に患者の依存症を少なくとも低減する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
患者を依存症に苦しんでいるとして識別する段階を更に含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
患者の依存症を少なくとも低減する段階は、患者のアヘン中毒を少なくとも低減する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
電気信号を印加する段階は、患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
電気信号を印加する段階は、患者に埋め込まれた信号送出デバイスを通じて電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項54】
電気信号を印加する段階は、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて慢性腰痛を低減又は排除するために患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項55】
電気信号を印加する段階は、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて、該電気信号が(a)脊髄に沿った他の感覚的な信号及び(b)脊髄に沿った運動信号において患者によって本質的に検出可能である中断を生じることなく、かつ該電気信号が患者に感覚異常性の感覚を発生させることなく、患者の依存症を少なくとも低減することに加えて患者の慢性腰痛を抑制又は排除するために約T9から約T12までの椎骨レベル及び約3kHzから約10kHzまでの周波数で患者の脊柱に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項56】
治療指図を提供する方法であって、
患者フィードバックに基づいて治療的に有効な位置を識別するために、(a)信号送出デバイスの軸線方向位置、又は(b)該信号送出デバイスの横位置、又は(c)(a)及び(b)の両方を反復的に調節するように開業医に指図することなく、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベルでかつ脊髄正中線から±5mmの横位置で患者の脊髄領域に該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階と、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
慢性腰痛を治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T10までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
慢性腰痛及び脚の痛みを治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項59】
患者の脊髄正中線の一方の側で横方向に前記アクティブ接点を位置決めし、患者の脊髄正中線の他方の側で治療効果信号を達成するように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約5kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項62】
治療指図を提供する方法であって、
患者フィードバックに基づいて治療的に有効な振幅を識別するために、反復的に(a)信号の振幅を調節し、又は(b)信号送出デバイスのどの接点がアクティブかを調節し、又は(c)(a)及び(b)の両方を行うように開業医に指図することなく、患者の脊髄領域に信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階と、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記信号送出デバイスを通じて患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項63】
信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階は、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベル及び脊髄正中線から±5mmの横位置にある状態で該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階は、該信号送出デバイスのアクティブ接点が包含的にT9からT12までの椎骨レベル及び脊髄正中線から後根入口帯までの横位置にある状態で該信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約2mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項66】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約2.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項67】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、該信号発生器を起動させて約3mAの電流振幅で患者に電気信号を印加するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項68】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約5kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項69】
信号発生器を起動するように開業医に指図する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動するように開業医に指図する段階を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項70】
慢性腰痛を治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T10までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項71】
慢性腰痛及び脚の痛みを治療するために前記アクティブ接点が約T9から約T12までの椎骨レベルにある状態で前記信号送出デバイスを埋め込むように開業医に指図する段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項72】
患者を治療する方法であって、
患者を慢性腰痛に苦しんでいるとして識別する段階と、
患者に信号発生器を埋め込む段階と、
患者に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
前記信号発生器に前記信号送出デバイスを接続する段階と、
前記信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
(a)患者フィードバックと組み合わせて、前記信号送出デバイスの異なる電気接点に信号を印加する段階、又は(b)該電気信号の振幅を選択的に変更する段階、又は(a)及び(b)の両方を含む信号送出パラメータ選択処理に従事することなく患者を解放する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約2mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約2.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約3mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約3.5mAの電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて約5mA又はそれ未満の電流振幅で患者に電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項78】
前記信号送出デバイスを埋め込む段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルで該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項79】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、約C3から約C7までの椎骨レベルで該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項80】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、脊髄正中線から脊髄正中線から5ミリメートル横方向の位置までの範囲の横位置で該信号送出デバイスを埋め込む段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項81】
信号送出デバイスを埋め込む段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルでかつ脊髄正中線から脊髄正中線から5ミリメートル横方向の位置までの範囲の横位置で該信号送出デバイスを埋め込む段階を含み、
患者を解放する段階は、最初に埋め込まれた位置から前記信号送出デバイスを再配置することなく患者を解放する段階を含む、
ことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項82】
前記信号発生器を起動する段階は、該信号発生器を起動させて第1の期間にわたって第1の振幅で第1の信号をかつ該第1のものとは異なる第2の期間にわたって第2の振幅で第2の信号を送出する段階を含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項83】
患者入力なしに前記第1の信号から前記第2の信号に自動的に切り換える段階を更に含むことを特徴とする請求項82に記載の方法。
【請求項84】
少なくとも部分的に患者入力に基づいて前記第1の信号から前記第2の信号に切り換える段階を更に含むことを特徴とする請求項82に記載の方法。
【請求項85】
患者を治療する方法であって、
慢性腰痛に苦しんでいる患者に信号送出デバイスを埋め込む段階と、
信号発生器に前記信号送出デバイスを接続する段階と、
前記信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数及び第1の値を有する振幅で患者に電気信号を印加する段階と、
不要な患者感覚を引き起こすことなく前記第1の値から該第1の値よりも60%を超えて大きい第2の値まで前記振幅を調節する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項86】
患者を慢性腰痛に苦しんでいるとして識別する段階を更に含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記振幅を調節する段階は、不要な患者感覚を引き起こすことなく前記第1の値よりも少なくとも100%大きい第2の値まで該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記振幅を調節する段階は、前記電流振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の値から前記振幅を調節する段階は、約2mAの値から該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の値から前記振幅を調節する段階は、約3mAの値から該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記振幅を調節する段階は、患者の痛み制御有効性を低減することなく該振幅を調節する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項92】
患者に前記信号発生器を埋め込む段階を更に含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項93】
患者を診断する方法であって、
信号発生器を起動させて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
前記電気信号の前記印加に関連付けられた痛み低減の存在、量、又は存在及びの量の両方に対応する患者からのフィードバックを受け取る段階と、
患者から受け取った前記フィードバックに基づいて、患者の痛みを神経障害性、侵害性、又は神経障害性及び侵害性の両方として特徴付ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みが前記電気信号の印加を開始した後に減少したという患者からのフィードバックに基づいて患者の痛みを神経障害性として特徴付ける段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項95】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みが前記電気信号の印加を開始した後に減少しなかったという患者からのフィードバックに基づいて患者の痛みを侵害性として特徴付ける段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項96】
患者の痛みは、腰痛を含み、
電気信号を印加する段階は、約T9から約T12までの椎骨レベルで該電気信号を印加する段階を含む、
ことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項97】
患者の痛みを特徴付ける段階は、患者の痛みを少なくとも神経障害性成分を有するとして特徴付ける段階を含み、
方法が、
患者の慢性腰痛を少なくとも抑制するために前記電気信号を印加し続けることによって患者を治療する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記電気信号を印加し続ける段階は、該電気信号がa)脊髄に沿って他の感覚的な信号を中断し、かつ(b)脊髄に沿って運動信号を中断することなく、該電気信号を印加し続ける段階を含むことを特徴とする請求項97に記載の方法。
【請求項99】
電気信号を印加する段階は、約10kHzの周波数で前記電気信号を印加する段階を含むことを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項100】
患者治療デバイスであって、
患者埋め込み型リード本体と、
前記リード本体によって担持され、かつ患者埋め込み型パルス発生器に電気的に接続するように位置決めされた接続要素と、
前記リード本体によって担持されて該リード本体に対して位置決めされ、直近の隣接接点が少なくとも8ミリメートルだけ互いから離間した状態で患者組織に接触して患者に電気信号を送出する複数の電気接点と、
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項101】
前記直近の隣接接点の各々は、複数の縁部を有し、
直近の隣接接点間の間隔が、該直近の隣接接点の各々のそれぞれの最も近い縁部間の間隔である、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項102】
異なる対の直近の隣接接点が、異なる距離だけ離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項103】
前記患者埋め込み型信号発生器を更に含み、
前記リード本体は、前記接続要素を通じて前記信号発生器に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項104】
直近の隣接接点は、約8ミリメートルから約64ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項105】
直近の隣接接点は、少なくとも16ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項106】
直近の隣接接点は、少なくとも32ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項107】
直近の隣接接点は、ほぼ64ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項108】
前記リード本体によって担持され、かつ前記直近の隣接接点の一方に電気的に接続された第1の導体と、
前記リード本体によって担持され、かつ前記直近の隣接接点の他方に電気的に接続された第2の導体と、
を更に含み、
前記第1及び第2の導体は、前記リード本体で互いから電気絶縁されている、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項109】
前記直近の隣接接点の前記一方は、個々の下位接点が前記第1の導体に電気的に接続された複数の離間した下位接点を含むことを特徴とする請求項108に記載のデバイス。
【請求項110】
前記リード本体は、主軸に沿って長形であり、
前記第1の導体は、各々が隣接する第1のストランドとほぼ平行に整列し、かつ前記主軸とほぼ平行に整列した複数の第1のほぼ平行なストランドを含む、
ことを特徴とする請求項108に記載のデバイス。
【請求項111】
前記リード本体は、主軸に沿って長形であり、
前記リード本体によって担持された各接点は、前記主軸から少なくともほぼ同じ距離に位置決めされる、
ことを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項112】
前記リード本体は、約30cmから約150cmの長さを有することを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項113】
前記リード本体は、約40cmから約50cmの長さを有することを特徴とする請求項100に記載のデバイス。
【請求項114】
患者を治療する方法であって、
患者の脊髄に沿ってリード本体を埋め込む段階と、
患者の脊髄に沿った第1の位置に前記リード本体によって担持された接点を位置決めする段階と、
患者の脊髄に沿った第2の位置に前記リード本体によって担持された直近の隣接接点を位置決めし、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が隣接椎体の長さの少なくとも半分である段階と、
信号発生器を起動させて前記接点を通じて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項115】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が少なくとも前記隣接椎体の長さであるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項116】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と該直近の隣接接点の間の間隔が前記隣接椎体の長さの少なくとも2倍であるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項117】
直近の隣接接点を位置決めする段階は、前記接点と前記直近の隣接接点の間の間隔が前記隣接椎体の長さの約半分から該隣接椎体の長さの約2倍であるように該直近の隣接接点を位置決めする段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項118】
前記信号発生器を起動する段階は、約3kHzから約15kHzまでの周波数で該信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項119】
前記信号発生器を起動する段階は、約10kHzの周波数で該信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項120】
患者治療デバイスであって、
リード軸線に沿って長形である患者埋め込み型リード本体と、
前記リード本体によって担持され、かつ患者埋め込み型パルス発生器に電気的に接続するように位置決めされた接続要素と、
患者組織に接触して患者に電気信号を送出するために前記リード軸線に沿って位置決めされた複数の接点と、
を含み、
前記複数の接点は、
直近に隣接する第1の接点間の第1の間隔を有する第1の組の第1の接点と、
前記第1の間隔とは異なる直近に隣接する第2の接点間の第2の間隔を有する第2の組の第2の接点と、
を含む、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項121】
各第1の接点に最も近い接点が、別の第1の接点であり、いずれかの第2の接点に最も近い接点が、別の第2の接点であることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項122】
前記患者埋め込み型信号発生器を更に含み、
前記リード本体は、前記信号発生器に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項123】
前記信号発生器は、実行された時に第1の信号送出パラメータに従って前記第1の組の第1の接点に第1の電気信号を誘導し、かつ該第1の信号送出パラメータとは異なる第2の信号送出パラメータに従って前記第2の組の第2の接点に第2の電気信号を誘導する命令を用いてプログラムされることを特徴とする請求項122に記載のデバイス。
【請求項124】
直近に隣接する第1の接点が、少なくとも8ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項125】
直近に隣接する第2の接点が、ほぼ3ミリメートルだけ互いから離間していることを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項126】
前記直近に隣接する第1の接点の各々は、複数の縁部を有し、
直近に隣接する第1の接点間の間隔が、該直近に隣接する接点の各々のそれぞれの最も近い縁部間の間隔である、
ことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項127】
前記リード本体は、前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点との間の可変長部分を含むことを特徴とする請求項120に記載のデバイス。
【請求項128】
前記可変長部分は、螺旋形状を有することを特徴とする請求項127に記載のデバイス。
【請求項129】
前記可変長部分は、探り針内腔を含み、
前記可変長部分は、探り針が前記探り針内腔に受け取られる時にほぼ直線的であり、探り針が該内腔に受け取られない時に螺旋形である、
ことを特徴とする請求項128に記載のデバイス。
【請求項130】
患者を治療する方法であって、
患者の脊髄に沿ってリード本体を埋め込む段階と、
前記リード本体によって担持され、かつ直近に隣接する第1の接点間の第1の間隔を有する第1の組の第1の接点を脊髄に沿った第1の位置に位置決めする段階と、
前記第1の間隔とは異なる直近に隣接する第2の接点間の第2の間隔を有する第2の組の第2の接点を脊髄に沿った第2の位置に位置決めする段階と、
信号発生器を起動させて、前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点のうちの少なくとも一方を通じて約3kHzから約50kHzまでの周波数で患者に電気信号を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項131】
前記第1の組の接点を位置決めする段階は、第1の椎骨レベルに該第1の組の接点を位置決めする段階を含み、
接点の第2のものを位置決めする段階は、前記第1の椎骨レベルとは異なる第2の椎骨レベルに前記第2の組の接点を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
信号発生器を起動する段階は、約3kHzから約50kHzまでの周波数で前記第1の接点に第1の信号をかつ1,500Hz未満の周波数で前記第2の接点に第2の信号を印加するために信号発生器を起動する段階を含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記第1の接点を位置決めする段階は、第1の神経母集団と電気通信させて該第1の接点を位置決めする段階を含み、
前記第2の接点を位置決めする段階は、前記第1のものとは異なる第2の神経母集団と電気通信させて該第2の接点を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項134】
信号発生器を起動する段階は、前記第1の接点に第1の信号送出パラメータを有する第1の信号を印加する段階と、前記第2の接点に該第1の信号送出パラメータとは異なる第2の信号送出パラメータを有する第2の信号を印加する段階とを含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項135】
前記第1の組の第1の接点と前記第2の組の第2の接点の間の前記リード本体の中間部分の長さを調節して該第1の組と該第2の組の間の間隔を確立する段階を更に含むことを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記間隔を確立する段階は、前記第1の接点が胸部の椎骨レベルに位置決めされ、かつ前記第2の接点が子宮頸部の椎骨レベルに位置決めされるように該間隔を確立する段階を含むことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記中間部分は、螺旋形状を有し、
前記中間部分の前記長さを調節する段階は、
前記リード本体を直線的にするために探り針を該リード本体の探り針内腔に挿入する段階と、
患者の脊髄に沿って前記探り針及び前記リード本体を挿入する段階と、
患者に対して前記リード本体の遠位部分を固定する段階と、
前記探り針内腔から前記探り針を少なくとも部分的に取り出す段階と、
患者に対して前記リード本体の近位部分を固定する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【公表番号】特表2012−524629(P2012−524629A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507399(P2012−507399)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/032124
【国際公開番号】WO2010/124139
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(510119625)ネヴロ コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/032124
【国際公開番号】WO2010/124139
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(510119625)ネヴロ コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】
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