説明

創傷治療のための超音波方法および装置

【課題】超音波を使用して組織を治療する方法および装置の提供。
【解決手段】組織に医薬を適用する段階、そして組織から接触しない距離から超音波エネルギーを医薬および組織に伝達する段階からなり、超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して治療効果を組織にもたらすことの可能な強度、そして利益を与える深さに医薬を浸透させるために医薬を超音波処理して治療効果を組織にもたらすことの可能な強度を有する超音波エネルギーを使用して組織を治療する方法および装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷治療における超音波を使用する方法に関する。さらに特に、本発明は、組織に医薬を適用しそして医薬および組織に超音波エネルギーを伝達する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、医学的な応用の面で広く使用されており、診断および治療の両者さらに多くの工業的な応用を含む。超音波の診断の使用の1つは、超音波を使用して対象またはヒトの組織の表面下の構造を探ることを含む。この方法では、超音波トランスデューサーは、カップリング媒体を経て対象または組織と接触して置かれ、そして高周波(1-10MHz)超音波が組織に向けられる。種々の表面下の構造と接触すると、波はトランスデューサーに隣接するレシーバーに反射して戻る。送られた超音波と受信された反射した超音波とを比較することにより、表面下の構造の像が生成される。この技術は、組織の成分間の境界を同定するのに特に有用であり、不規則な塊、腫瘍などを調べるのに使用できる。
【0003】
超音波の2つの治療上の医学的用途は、エロゾルミストの生成および接触理学療法を含む。エロゾルミストの生成は、ネブライザーまたは吸入器を使用して湿分を含む環境をつくりそして肺へ薬剤を伝達するエロゾルミストを生成する。超音波ネブライザーは、液体を通る十分な強度の超音波の通過により操作され、その超音波は、液体のすぐ下またはその内の点で液体の空気-液体の界面に向けられる。液体粒子は、液体の表面から発射されて回りの空気に入り、次に超音波エネルギーにより生成される毛状の波の崩壊を伴う。この技術は、非常に細かい密な霧すなわちミストを生成する。超音波により生成されたエロゾルミストは、他の方法により生成されるエロゾルミストより好ましい。それは、より小さい粒子サイズのエロゾルが超音波により得ることができるからである。吸入器およびネブライザーの主な欠点の1つは、エロゾルミストが空気の流れなしでは目標域に向かうことができず、超音波エネルギーの能率を低下させる。超音波噴霧器例えばSonic and Materials Inc.Misonix Inc.Sono-Tek Inc.(例えば、特許文献1、2および3参照)は、超音波装置の先端部の中心のオリフィスを通って液体を通過させることにより操作する。これらの噴霧器の主な欠点は、先端部の末端(放射)表面構造の破壊のために、均一でない粒子のサイズ、液体流の加熱、そして超音波の能率の悪さを含む。
【0004】
接触理学療法は、組織における物理的な変化を生じさせる試みで組織に直接超音波を適用する。従来の超音波理学療法では、超音波は、カップリング媒体を経て組織に接触する。トランスデューサーにより生成した超音波は、カップリング媒体を通って動きそして組織に入る。カップリング媒体は、典型的には、液体の浴、治療されるべき表面に適用されるゼリーまたは水を満たしたバルーンである。従来の技術は、約0.8-3メガヘルツの周波数で約0.1-3w/cmの強度を有する超音波を用いる。治療は、1週2-3回、約1-30分間皮膚の表面に適用される。カップリング媒体は、超音波トランスデューサーにより生成するエネルギーのいくらかを散逸する冷却効果を生ずる。
【0005】
さらに重要なことは、カップリング媒体、または組織と超音波トランスデューサーとの間の直接接触は、周囲の空気が超音波の伝播について比較的悪い媒体であるため、皮膚の表面への超音波の伝達に必要になる。
【0006】
いくつかの有益な効果が、例えば以下のように接触理学療法について報告されている。血液循環の局所的改善、組織の加熱、加速された酵素の活性、筋肉の弛緩、痛みの軽減、および自然の治癒過程の増強。これらの有利な効果にもかかわらず、超音波を使用する医学的理学療法の最近の技術は、トランスデューサーから組織への超音波の有効な移動を維持するために、超音波トランスデューサーと組織との間に直接的な接触界面を用意する必要があることにより制限される。
【0007】
カップリング媒体とともにまたはそれなしで直接接触する必要性は、現在の方法を望ましくないものにしている。ある組織の症状は、接触超音波装置を近づけることができるが、接触超音波治療にとり実施不能である。例えば、外傷、火傷または外科手術により生じた新しいまたは開いた傷は、開いた傷口の構造的な性質およびこれらの傷にともなう痛みの症状のために、直接接触する超音波治療には適しない。その上、従来の接触超音波は、既に損傷した組織の表面が超音波トランスデューサーの振動する先端部のすぐ近くに存在するために、開いた傷口のこれらのタイプに破壊的な作用を及ぼす。
【特許文献1】米国特許4153201
【特許文献2】米国特許4655393
【特許文献3】米国特許5516043
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
組織を治療する改善された方法および装置を提供するのが本発明の目的である。
【0009】
また、超音波を使用して組織を治療する方法および装置を提供するのが本発明の目的である。
【0010】
薬剤を伝達し、細菌を殺し、表面を清浄し、または健康な組織細胞の成長を刺激する方法および装置を提供するのが本発明のさらなる目的である。
【0011】
超音波により生成されたエロゾルミストにより創傷の表面を噴霧することによって創傷を治療するのが本発明のさらなる目的である。
【0012】
組織への超音波エネルギーの伝達前および/またはその間に組織へ医薬を適用する方法および装置を提供するのが本発明の目的である。
【0013】
本発明のこれらの目的および他の目的は、以下からさらに明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、組織を治療する装置および方法を提供し、その装置は、超音波エネルギーを発生し、そして組織と接触しない距離で生物学的組織にその超音波エネルギーを伝達する発生器およびトランスデューサーを含み、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して組織に治療効果をもたらすことのできる強度、および医薬を超音波処理して医薬を組織に利益を得る深さに浸透させて組織に治療効果をもたらすことのできる強度を有する。
【0015】
本発明は、さらに、創傷の表面と接触しない距離で超音波エネルギーを発生させ、そして発生した超音波エネルギーを気体状の媒体を通って創傷に伝達する(「ドライ」アプローチ)装置および方法を提供し、その発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮する治療効果をもたらすことのできる強度を有する。
【0016】
本発明は、また、創傷表面を噴霧して(「ウエット」アプローチ)、超音波トランスデューサーの先端部の接触しない適用により、薬剤を伝達し、細菌を殺しまたは表面を清浄すう方法および装置に関する。この方法は、超音波トランスデューサーと噴霧されるべき創傷との間の直接的または間接的(伝統的なカップリング媒体を経る)の接触を要することなく、創傷に超音波を適用する。
【0017】
本発明の方法は、超音波トランスデューサーの自由な末端表面との液体または粉末の接触により液体または粉末の粒子の方向をもった噴霧を生成することからなる。超音波は、噴霧を超音波トランスデューサーの遠位の末端表面から外側に放出させ、そして粒子の噴霧は創傷上に向かう。噴霧の粒子は、遠位の末端表面から発散する超音波の伝播の媒体を提供する。本発明の方法によれば、低周波超音波により生成して創傷に向かう噴霧の粒子は、薬剤を伝達し、創傷上の細菌を殺し、血液を増加し、そして創傷の表面から汚れおよび他の汚染物を除く(機械的清浄)。
【0018】
薬剤伝達のこの方法は、薬剤の局所適用が望ましいが接触をさけねばならない組織では特に有利である。その上、この方法で使用される低周波超音波は、薬剤にエネルギーをあたえ、そして音圧、マイクロキャビテーションなどにより組織の表面以下への薬剤の浸透を生じさせる。最後に、滅菌法は、噴霧される液体または粉末が薬剤(殺菌剤または抗生物質)、油、塩水、蒸留水などのいずれであっても、表面に適用されるとき、有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
噴霧を生成する本発明の装置は、トランスデューサーの先端部の自由な末端表面で超音波により生成する真空(マイナスの圧)によって液体が自由な末端表面から引き出されるように、自由な末端表面に隣接する超音波トランスデューサーの横表面に液体をまず伝達する手段を特徴とする。この効果は、超音波装置と水平線との間の角度が90度まで変化している間に達成できる。(先端部の放射面から自由な末端へ液体を伝達するこの音響的効果は、本発明の発明者により見いだされ、「Babaev効果」とよばれる。)この効果は、例えば頂部、側面、底部などからその周の回りの360度まで、その周の回りでトランスデューサーの先端部の放射表面に液体が伝達されるとき生ずる。
【0020】
上記の目的のために、装置は、好ましくは、好適なバルブデザインを有する鋼(非ディスポーザブル)またはプラスチック(ディスポーザブル)から構築されたいわゆるノズルを有する。ノズルは、トランスデューサーが噴霧器またはアトマイザーとして働くことができるために、トランスデューサーの先端部の横表面への液体の伝達、または超音波トランスデューサーの遠位の側面(放射表面)への直接の液体の伝達を可能にする。
【0021】
本発明の主な利点の1つは、発生した噴霧粒子の均一性である。液体または粉末が固体の放射表面から噴霧されるため、約90%以上好ましくは約90-96%の粒子サイズの実質的な均一性が得られる。遠位の放射表面が一定の周波数および振幅で作動して噴霧を生成することがもたらされる。また、周波数および/または振幅が治療中変調されそして遠位の放射表面が正弦波、方形、台形または三角形の波形で作動することももたらされる。
【0022】
噴霧を生成する段階は、さらに、トランスデューサーを操作して約18kHzから10000MHzの周波数を有する超音波を生成することも含む。18kHz以下すなわち約1-18kHzの周波数も使用できるが、この低い範囲は、音波のこの範囲が(耳栓などの保護なしでは)患者および操作者にとり好ましくないために、望ましくない。約30-100kHzの範囲の周波数が好ましく、そして約40kHzの周波数が最も好ましい。トランスデューサーの自由な末端表面と噴霧されるべき表面または対象との間の分離距離は、少なくとも0.1インチ(2.5mm)の「接触しない」距離でなければならない。好ましくは、分離距離は、約0.1インチ(2.5mm)から20インチ(51cm)、さらに好ましくは約0.1インチ(2.5mm)から5インチ(12.7cm)である。噴霧されるべき液体または粉末は、所望により可溶性の薬剤例えば抗生物質、殺菌剤、コンディショナー、界面活性剤、エモリエントまたは他の活性成分とともに、任意の適切な担体例えば水(通常のものまたは蒸留したもの)、塩水溶液または組織(すなわち生物学的組織または非生物学的組織)に適用されるべき油例えば植物油、落花生油、またはキャノーラ油である。薬剤などは、好ましくは、溶解するのに十分な低い濃度であるが目指す目的に十分に有効である高い濃度で存在する。
【0023】
噴霧されるべき液体が2種以上の混和可能な液体の混合物または溶液と小さい粒子との不均一な混合物を含むことは、本発明の範囲内である。噴霧が粒子例えば粉末を含みそして貯槽の液体が粉末を含むことも、本発明の範囲内である。
【0024】
本発明により生成される噴霧は、特定の目的または治療を達成するのに必要な時間および周波数で噴霧されるべき対象、表面または組織に向けられる。少なくとも1秒の噴霧の最低の長さが必要とされると思われるが、しかし、噴霧の長さすなわち持続時間は、約1秒から1分またはそれ以上であって、30分にも及ぶ。多数の因子または環境例えば噴霧されるべき面積(例えば創傷のサイズ)、生成される噴霧の体積速度、活性成分の濃度などは、噴霧の持続時間および/または周波数に影響するだろう。噴霧は、毎日1回以上から1週または1月あたり2または3回必要だろう。
【0025】
本発明によれば、超音波は、超音波トランスデューサーと創傷との間に直接または間接に接触を行うことなく、創傷に適用される。例えば、本発明の方法に従って治療するのに特に好適なヒトの身体の表面は、外傷または銃砲で撃たれた創傷、火災および化学物質による火傷を含む、開いた傷口の感染または炎症の状態を含む。
【0026】
さらに、本発明の方法は、近づくのが困難なオリフィスまたは他の身体の裂け目へ噴霧を向けるのに特に適している。
【0027】
本発明の方法および装置による創傷の治療は、いくつかの利点を有する。まず、この方法は、感染、炎症または痛みのある組織を装置と接触させる必要なしに、創傷表面へ医薬例えば液体抗生物質を局所的に適用する。第二に、創傷表面が本発明の方法を使用して噴霧されるとき、顕著な殺菌作用が生ずる。
【0028】
その上、殺菌作用および接触しない治療の利点の他に、本発明の方法を使用することが、創傷治療のための伝統的な方法と比較したとき、使用される液体医薬の使用される量を顕著に低下させることがわかった。同様に、これは、噴霧される液体の精密な投与量を可能にし、使用者例えば医師が、望ましい速度および持続時間で液体の望ましい量を投与することができる。
【0029】
本発明の方法が、伝統的な方法より約1.5-3倍早く炎症および化膿感染した創傷について治癒時間を短縮することがわかった。この効果は、超音波による超音波エネルギーを有する霧状の噴霧粒子の殺菌、血流増加および機械的清浄効果から生ずる。噴霧は、組織の表面を機械的に清浄して、組織表面上の汚れ、死んだ組織および化膿の形成を除く。上記の治癒効果は、また、超音波の影響下組織の表面から0.5mm以内の深さへの薬剤の浸透、並びにエネルギー付与および非常に活性化した抗生物質の結果である。
【0030】
さらに、低周波超音波と超音波処理された医薬(超音波エネルギーにより非常に活性化された)との組み合わせは、表面の細菌を破壊し、元来適用される液体に比較したとき、超音波処理された液体の高い殺菌性を生ずる。
【0031】
本発明の方法の噴霧は、また、健康な細胞の成長を刺激して、治癒組織の顆粒化および上皮形成を助ける。
【0032】
本発明の他の適用は、非医学的用途、例えば対象および食品の清浄化、滅菌および表面のコーティングに関する。
【0033】
本発明の方法は、いくつかの伝統的な抗生物質の使用を再び可能にすることができ、そして必要なときに抗生物質なしに殺菌する方法を確立するアプローチを提供する。抗生物質を非常に活性化する本発明の方法の効果は、いくつかの伝統的な活性物質を、その抗生物質に対して耐性を有するようになった細菌を殺すようにする。その上、抗生物質の超音波処理の効果とは無関係に、本発明の方法により適用される低周波の超音波は、物理的に細菌を破壊する。本発明の方法による非常に活性化した抗生物質と低周波の超音波との組み合わせは、抗生物質の単なる局所適用または経口投与では見いだされない強い殺菌作用を生ずる。この組み合わせの効果は、化膿感染した創傷の治癒を顕著に増強することを示している。
【0034】
本発明は、また、圧縮噴霧器システムの使用なしに接触しない薬剤の伝達のシステムを提供する。これは、接触しない薬剤伝達噴霧器のデザインを単純化し、そして噴霧器の重量を減少させる。さらに重要なことには、霧状の粒子を推進するのに圧縮を使用しないことは、噴霧粒子により運ばれる超音波エネルギーを保存する。
【0035】
本発明による超音波エネルギーの伝達は、超音波の作用および組織に適用される非常に活性化された液体医薬により細菌を破壊することが立証されている。
【0036】
本発明の方法は、圧縮のないそして接触しない薬剤の伝達の方法を提供する。
【0037】
本発明は、図面を参照することによって、よりよく理解される。図1では、超音波治療システム2は、ケーブル8により超音波トランスデューサー6に接続した超音波発生器4を含む。従来のものである発生器4は、電源ボタン12、タイマー14、コントロールボタン16、ディスプレイ18および例えばフットスイッチを接続するための1つ以上のジャック20を有することができる。バルブ26を備えた液体貯槽24を有するノズル22は、トランスデューサー6の遠位の部分に結合する。矢印28は、生成する噴霧の方向を示す。
【0038】
図2は、本発明による超音波装置および噴霧の単純化した図である。トランスデューサー6は、遠位のトランスデューサーの先端部または角状物30を有する。液体貯槽32からの液体は、バルブ34を経て角状物30の遠位の放射表面36に隣接する位置に流れる。トランスデューサー6は、ケーブル8を経て超音波源に結合する。液体ミストは、矢印38の方向で目標組織または表面40に向かう(ウエットアプローチ)。
【0039】
図3は、図1のセクションの拡大した部分的断面図であって、本発明の方法による装置により生ずる噴霧を説明する。この装置は、米国特許5076266(本明細書において参考として引用される)に開示された装置を改変し完成したものである。図3においてさらに詳細に見ることができるように、ノズル22は、超音波角状物30を囲む。また、液体貯槽32は、貯槽32と超音波角状物30の遠位の表面36との間に位置するバルブ34を有する。液体粒子42の円錐状の噴霧パターンは、目標の表面または組織44に向かう。この構成は、液体を表面に噴霧し、そして超音波を創傷の表面のようなその表面に伝達するのに有効である。
【0040】
バルブ34は、隙間46を経て液体が連続流または滴として遠位の先端部36へ流れるのを可能にする。バルブ34は、どんな場所にも配置でき、貯槽32と角状物30との間を含む。x-x方向における角状物30の機械的な運動は、放射表面36の遠位の末端へ液体を流れさせる。
【0041】
図4aは、遠位の末端(放射表面)36へ向かう液体48を噴霧する本発明の方法によって使用される超音波噴霧器の図である。
【0042】
図4bは、Babaev効果に基づく先端部の側面(放射面)からの基本的な噴霧方法の図である。この例では、超音波角状物30の放射表面36へ向かう液体または薬剤は、超音波および噴霧により生ずるマイナスの圧(真空)により前方に引き出された後、超音波処理される(超音波でエネルギーを与えられる)。
【0043】
図5に示されるように、液体は、例えば頂部、側面、底部などからその周のまわりの360度以内で放射表面36の周についてトランスデューサー角状物30の放射表面36の縁に伝達される。
【0044】
図6に示される本発明の態様では、トランスデューサー角状物30の部分的なセクションは、水平から90度まで上げられる。Babaev効果により、液体48は放射表面36をなお移動する。
【0045】
超音波先端部または角状物は、規則的または不規則的な横方向の断面を有し、円状、卵状、長円状、方形状、台形状またはこれらの組み合わせを含む。例えば、図7a-7gは、それぞれ、超音波先端部または角状物の断面図である。また、超音波先端部または角状物の遠位の末端の形状の縦断面も変化でき、そして方形状、長円状、卵状、球状、円錐状、曲線状、段階状、面取りされたものなどがあり、例えば図8a-8nに示され、それぞれ、本発明の方法に従って使用される噴霧器の先端部の異なる改変の例のセクションの拡大図である。好ましい形状は、超音波先端部の表面からの放射ビームが目標(創傷)に実質的に完全に向かうために、方形である。遠位の末端の球状、長円状および卵状(図8e)の形または形状により、放射ビームは焦点に集められる。しかし、遠位の末端の他の形または形状により、放射ビームは広がり、そのため一部目標に達する。
【0046】
先端部の遠位の末端の放射側面は、液体を放射表面に導くためにスロット(溝)またはねじやまを有することができる(図9a-9c)。
【0047】
図9a-9cは、それぞれ、液体を放射表面に導くためのスロット(溝)19またはねじやま20を有する先端部の遠位の末端の放射側面の図である。
【0048】
伝達される超音波エネルギーは、創傷40に治療効果をもたらすことのできる強度を有し、音圧を働かせるおよび/またはマイクロキャビテーションを生じさせる。音圧は、トランスデューサーと目標である組織との間の空気を通って働く、感じることのできる力をいう。マイクロキャビテーションは、超音波的に誘導されそして規則的に繰り返される圧力の変化の結果によって流体中の気体または蒸気を満たした顕微鏡的泡の形成および振動をいう。マイクロキャビテーションへの利点は、超音波放射力により誘導される血管中の流体の定常的な循環である音響の流れの生成を含む。
【0049】
好ましくは、超音波エネルギーにより達成される振幅は、少なくとも3ミクロンであり、そして好ましくは少なくとも10ミクロンである。好ましくは、使用される周波数は、20kHz-50MHzの範囲にあり、好ましい範囲は20-200kHzであり、より好ましい範囲は20-40kHzであり、そして最も好ましい値は40kHzであり、そして最も好ましくは、使用される周波数の下限はヒトの聴覚の範囲外である。
【0050】
その上、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するように選択される形状およびサイズを有する放射表面36を使用するのが有利であり、伝達された超音波エネルギーは、創傷への治療効果をもたらすことのできる強度を有する。使用される超音波エネルギーの周波数および振幅の選択と組み合わされた放射表面36の形状およびサイズの選択は、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するのに有利であり、超音波エネルギーは、創傷への治療効果を達成できる強度を有する。好ましくは、放射表面36は、比較的大きな直径を有する。直径の実際の選択は、選択される周波数および振幅に依存する。さらに、放射表面36の形状は、平面、凸面、凹面またはこれらの組み合わせの1つから、そして図8a-8iに示される構造からまたはこれらの組み合わせから選ばれる。
【0051】
他の態様では、超音波エネルギーは噴霧の使用なしに創傷へ伝達され、すなわち超音波エネルギーは、気体状の媒体例えば純粋な空気例えば周囲空気を含む噴霧以外の媒体を通って伝達され、超音波トランスデューサー6は、治療的および有利な効果をもたらすために、創傷と接触しない距離で配置される。超音波は、たとえ噴霧の使用がなくても、表面の細菌を破壊しそして健康な細胞の成長を刺激する。創傷治療のこの方法は、創傷との接触を避けねばならない創傷に特に有利である。
【0052】
図10に関して、超音波治療システム2′が示され、超音波エネルギーを発生するためにケーブル8′により超音波トランスデューサー6′へ接続する超音波発生器4′を含む。トランスデューサー6′は、それから超音波エネルギーが発散しそして創傷40′に向かう放射表面36′を有する。従来のものである発生器4′は、電源ボタン12′、タイマー14′、コントロールボタン16′、ディスプレイ18′および例えばフットスイッチに接続するための1つ以上のジャック20′を備えたフロントパネル10′を有する。矢印100は、発生し創傷40′に向かう超音波エネルギーの方向を示す。上記の態様とは異なり、液体または粉末は、噴霧を発生しそしてそれを創傷40′に向かわせる超音波トランスデューサーと接続しない。超音波エネルギーは、気体状の媒体例えば純粋の空気を含む噴霧以外の媒体により伝達される(「ドライ」アプローチ)。トランスデューサー6′の角状物は、図7a-g、8a-iおよび/または9a-cに示される態様に従った構造を有する。
【0053】
本発明の好ましい態様では、超音波エネルギーは、創傷40′で治療効果を達成する気体状の媒体例えば純粋な空気を通って創傷40′に伝達され、発生した超音波エネルギーの周波数は、低周波であるように選択される。低周波数を使用することにより、発生した超音波エネルギーのための特別または予定された振幅が達成され、それは創傷40′へ治療効果をもたらし、音圧を働かすおよび/またはマイクロキャビテーションを生じさせることのできる強度で、創傷に伝達できる。好ましくは、超音波エネルギーにより達成される振幅は、少なくとも3ミクロンでありそして好ましくは少なくとも10ミクロンである。好ましくは、使用される周波数は、20kHz-50MHzの範囲にあり、好ましい範囲は20-200kHzであり、さらに好ましい範囲は20-40kHzであり、そして最も好ましい値は40kHzであり、最も好ましくは使用される周波数の下限は、ヒトの聴覚の範囲外である。
【0054】
さらに、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するように選択される形状およびサイズを有する放射表面36′を使用するのが有利であり、伝達される超音波エネルギーは、創傷へ治療効果をもたらすことのできる強度を有する。使用される超音波エネルギーの周波数および振幅の選択と組み合わされた放射表面36′の形状およびサイズの選択は、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するのに有利であり、超音波エネルギーは、創傷への治療効果を達成できる強度を有する。好ましくは、放射表面36′の周は、図8a-8nに示されたように、円状、方形状、長円状、卵状、球状、円錐状、曲線状、段階状、面取りされたものなどまたはこれらの組み合わせであり、そして比較的大きな直径を有する。直径の実際の選択は、選択される周波数および振幅に依存する。その上、放射表面36′の形状は、平面、凸面、凹面およびこれらの組み合わせの1つから選ばれる。
【0055】
図11に関して、結果は、Celleration Acoustic Laboratory、Eden Prairie、Minesotaにおける実験の結果を示す。治療効果をもたらすことのできる強度を有する超音波エネルギーは、図10により示されるように、創傷の表面と接触しない距離で位置する超音波トランスデューサーを使用して創傷へ空気を通して伝達された(液体または粉末の噴霧なし)。超音波エネルギーは、40kHzの周波数および61ミクロンの振幅で発生した。トランスデューサーの放射表面は、平らで円く、そして1cmの直径を有した。両者ともONDA Corporation、Sunnyvale、Californiaにより製造されるハイドロホンモデルナンバーPVDF-Z44-1000およびハイドロホン増幅器モデルナンバーA17dbを使用した。7.44の増幅利得を使用した。示されるように、創傷から2.5mmおよび38mmの距離に位置するトランスデューサーによって、創傷へ治療効果をもたらすことのできる強度を有する超音波エネルギーが創傷に伝達され、強度は0.1-10W/cmの範囲内にあった。
【0056】
図10-11に関し、超音波エネルギーは、噴霧の使用なしで、純粋な空気例えば周囲空気のような気体状の媒体を含む噴霧以外の媒体を通して、治療される創傷または組織に伝達される。従って、超音波エネルギーは、周囲空気のような実質的に純粋な気体状の媒体の実質的に広大な区域を通って、組織へ伝達される。好ましくは、トランスデューサーは、組織と接触しない距離で位置し、トランスデューサーと組織との間の空間(それを通って超音波エネルギーが伝達される)は、トランスデューサーから組織へ少なくとも約0.1インチ(2.5mm)の距離に及ぶ実質的に純粋な気体状の媒体の広大な区域である。好ましくは、距離は約0.1インチ(2.5mm)から20インチ(51cm)であり、そしてさらに好ましくは約0.1インチ(2.5mm)から5インチ(12.7cm)である。
【0057】
図2-6に示される態様は、液体が放射表面36へ流れないように貯槽32内に液体を入れないことにより、または操作者および/またはコントロールモジュールからの1つ以上の要求に従って貯槽から放射表面36への液体の伝達を選択的にコントロールすることにより、噴霧の使用なしに超音波エネルギーを皮膚に伝達するのにも使用できる。操作者は、例えばボタン、引き金、レバーおよび/またはユーザーインターフェースのような機械的および/または電気的である選択装置を経て要求を行うことができる。要求は、例えばバルブ34をコントロールして開閉するかまたは任意の順序で連続して開閉することにより、液体の流れを機械的にコントロールするために、機械的および/または電気的(アナログおよび/またはデジタル処理により)に処理される。従って、噴霧なしの接触しない超音波治療が、図1-6に示される態様または図10に示される態様のいずれかを使用して組織に適用できる。
【0058】
以下にさらに記述されるように、貯槽は、トランスデューサーとは別の装置に設けられ、そして噴霧は、トランスデューサーとは別の他の装置から発生かつ伝達でき、別の装置は、トランスデューサーから離脱されるかまたはそれに付着できる。別の装置からの噴霧は、他のトランスデューサーによりまたは超音波エネルギーを使用しない装置により発生かつ伝達された噴霧でもよい。噴霧が超音波エネルギーの伝達と同時に伝達される図1-6に関して記述された態様と同じく、別の装置から伝達された噴霧は、超音波エネルギーの伝達と同時に伝達できる。別の方法として、噴霧は、以下にさらに記述されるように、超音波エネルギーの伝達前に伝達される。その上、治療は、一連の連続および/または断続の治療を含み、一連の治療の個々の治療は、噴霧の使用による超音波エネルギーの伝達すなわち図1-6に関して記述したようなウエットアプローチ、そして噴霧以外の媒体(すなわち気体状の媒体)を通る超音波エネルギーの伝達すなわち図10に関して記述したようなドライアプローチからなる群から選ばれ、2つ以上の段階は任意の順序で行われる。従って、噴霧とともにまたは噴霧を用いない接触しない超音波治療は、図1-6について記述された態様または図10に示される態様の何れかを使用して、組織に使用される。
【0059】
噴霧されるべき液体または粉末(図1-6に示される貯槽32、バルブ34および放射表面36を経るかまたは別の装置を経る)は、局所麻酔薬として使用されるような鎮痛薬であり、例えば歯科の処置、縫合または他の侵襲または非浸襲の処置の前、または痛みの軽減に使用される。鎮痛薬は、超音波処理され、より即時の効果、より有効な効果、皮膚へのさらなる浸透、投与量の改善された正確さ、そして目標としない組織への効果を最低にする目標をより定める効果をもたらす。さらに、超音波処理された鎮痛薬の効果とは無関係に、例えば塩水溶液から形成される噴霧の媒体を通って、本発明の方法に従って適用される低周波の超音波は、鎮痛作用をもたらす。本発明の方法による超音波処理鎮痛効果と低周波の超音波との組み合わせは、麻酔薬の単なる局所適用に見いだされない強い局所麻酔効果を生ずる。
【0060】
本発明の方法の他の態様は、組織への医薬の適用のための本明細書で医薬とよばれる例えば医薬のような物質を用意する段階、そして図1-6に示される態様または図10に示される態様、そして振幅、周波数、接触しない距離および上記の超音波エネルギー、発生器およびトランスデューサーのための他のパラメーターを使用して、医薬が適用されるときまたは一度それが適用されたとき医薬および組織へ超音波エネルギーを伝達する段階を含む。超音波エネルギーは、上記のように、組織への接触しない伝達(すなわち組織へのトランスデューサー6または6′の接触なしに)により伝達され、そして例えば噴霧以外の媒体例えば周囲空気、気体などを通して超音波エネルギーを伝達することにより、噴霧によりまたは噴霧なしで伝達される。医薬は、例えば、抗生物質、軟膏、クリーム、ゲル、液体、膏薬、油、塩水溶液、蒸留、非蒸留および/または沸騰水、粉末、噴霧、抗菌剤、殺菌剤、インスリン、鎮痛薬、コンディショナー、界面活性剤、エモリエント、または他の活性成分またはこれらの組み合わせである。
【0061】
医薬は、超音波エネルギーが組織へ伝達される前および/または組織への超音波エネルギーの伝達中、組織へ直接適用できる。医薬は、それから医薬が組織へ適用される少なくとも1つの容器内で提供され、容器は、組織そのもの、組織の付近および/または組織から離れしかも組織へ医薬を導く誘導で接触する。容器は、それを通って医薬が手動、自動および/または機械的に組織に直接またはそれに向かって通る、および/またはそれを通って超音波エネルギーが浸透する、浸透可能な1つ以上の壁を有する。容器は、トランスデューサー6または6′のハウジングと一体化するかまたはそれとは別である。さらに、医薬は、組織の表面に加えてまたはその代わりに組織の下に適用できる。
【0062】
組織へ医薬を適用する種々の医薬および方法は、超音波エネルギーの適用と関連して任意の組み合わせまたは順序で連続して使用できる(噴霧とともにおよび/または噴霧なしで伝達されるか、または任意の順序で順次噴霧とともにそして噴霧なしで)。一連の連続は、その間超音波エネルギーが適用されない待機期間を含むことができる。特に、治療は、一連の治療を含み、一連の治療の個々の治療は、組織への噴霧の伝達と同時に組織へ接触しない距離で超音波エネルギーを伝達する段階(超音波エネルギーは、利益を得る深さに組織に浸透して組織に治療効果をもたらすことのできる強度を有する)そして噴霧を超音波処理して医薬を組織に利益を得る深さに浸透させて組織に治療効果をもたらす段階を含む治療;並びに組織へ実質的に純粋な気体状の媒体の実質的の広大な区域を通って組織に接触しない距離で超音波エネルギーを伝達する段階(超音波エネルギーは、利益を得る深さに組織に浸透して組織に治療効果をもたらすことのできる強度を有する)を含む治療、並びに異なる医薬が適用される本発明の方法の段階を含む治療からなる群から選ばれる。
【0063】
医薬および組織への超音波エネルギーの伝達は、超音波処理によって医薬にエネルギーをあたえ、そして組織中への浸透を生じさせて組織に増強した治療効果をもたらす。さらに、超音波エネルギーの伝達は、音圧を働かせる。超音波処理された医薬、および超音波処理された医薬と低周波の超音波との組み合わせは、それぞれ、超音波処理された噴霧および超音波処理された噴霧と低周波の超音波との組み合わせによりもたらされる利点と同様な利点を少なくとももたらすことができる。これらの利点は、医薬の有効性の増加、より即時の結果の達成、伝統的な方法を使用する同様な治療に使用される量に比べて同じ効果を得るのに使用される医薬の量の減少、医薬の投与量の正確さの向上、それに対して細菌が耐性を有するようになった伝統的な抗生物質の再使用、並びに組織へのより深い浸透を含む。
【0064】
物質は、医学以外の応用、例えば対象および食品の清浄、滅菌、並びに表面のコーティングでは、組織以外の表面に適用できる。
【0065】
前記の特定の態様は、本発明の実施の例示である。しかし、当業者に周知の他の実施が、本発明の趣旨または請求の範囲の範囲から離れることなく用いられることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による超音波創傷治療システムの透視図である。
【図2】本発明による超音波噴霧器の概略側面図である。
【図3】本発明による超音波噴霧器の部分的断面図である。
【図4】aは放射表面から液体を噴霧する図3に画かれた噴霧器の詳細図である。bは、側面(放射)表面から液体を噴霧する図3に画かれた噴霧器の詳細図である。
【図5】液体がその周に沿って360度からのトランスデューサー先端部の側面または放射表面に伝達されるとき、超音波トランスデューサーの遠位の末端の断面正面図である。
【図6】超音波装置と水平線との間の角度を0度から90度に変えることによる噴霧効果を示す図4bを変化した図である。
【図7】a-gは、それぞれ超音波先端部の構造の断面正面図である。
【図8】a-iは、それぞれ本発明による超音波噴霧器の先端部の末端の形状の異なる改変の拡大側面図である。
【図9】a、bおよびcは、スロット、溝またはねじやまを有する超音波噴霧器の頂部のそれぞれの遠位の側面断面図である。
【図10】本発明の他の態様に従って気体状の媒体を通って伝達される超音波エネルギーの伝達方法の概略図である。
【図11】本発明に従って創傷への気体状媒体を実質的に通って超音波エネルギーを伝達するときに達成される実験結果のプロットである。
【符号の説明】
【0067】
2 超音波治療システム
4 超音波発生器
6 超音波トランスデューサー
8 ケーブル
10 フロントパネル
12 電源ボタン
14 タイマー
16 コントロールボタン
18 ディスプレイ
19 溝
20 ジャック
22 ノズル
24 液体貯槽
26 バルブ
28 矢印
30 角状物
32 液体貯槽
34 バルブ
36 放射表面
38 矢印
40 創傷
42 液体粒子
44 組織
46 隙間
48 液体
100 矢印
2′ 超音波治療システム
4′ 超音波発生器
6′ 超音波トランスデューサー
8′ ケーブル
10′ フロントパネル
12′ 電源ボタン
14′ タイマー
16′ コントロールボタン
18′ ディスプレイ
20′ ジャック
36′ 放射表面
40′ 創傷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に医薬を適用する段階、そして
組織と接触しない距離で超音波エネルギーを医薬および組織に伝達する段階からなり、超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して治療効果を組織にもたらすことのできる強度、そして利益を与える深さに医薬を浸透させるために医薬を超音波処理して治療効果を組織にもたらすことのできる強度を有することを特徴とする超音波エネルギーを使用して組織を治療する方法。
【請求項2】
超音波エネルギーが、利益を得る深さに組織に浸透して組織に治療効果を与えることの可能な強度を有する請求項1の方法。
【請求項3】
治療効果を達成できる強度を示す特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生する段階をさらに含む請求項1の方法。
【請求項4】
特定の振幅を達成できる周波数を有する超音波エネルギーを発生する段階をさらに含む請求項3の方法。
【請求項5】
特定の振幅が少なくとも3ミクロンである請求項3の方法。
【請求項6】
超音波エネルギーが、組織への噴霧の伝達と同時に伝達される請求項1の方法。
【請求項7】
超音波エネルギーが、空気を含む実質的に純粋に気体状の媒体の実質的に広大な区域を通って組織に伝達される請求項1の方法。
【請求項8】
特定の振幅が少なくとも10ミクロンである請求項3の方法。
【請求項9】
周波数が20kHz−5MHzの範囲にある請求項4の方法。
【請求項10】
周波数が20−200kHzの範囲にある請求項4の方法。
【請求項11】
周波数が20−40kHzの範囲にある請求項4の方法。
【請求項12】
適用段階が、伝達段階より前に実施される請求項1の方法。
【請求項13】
適用段階が、伝達段階中に実施される請求項1の方法。
【請求項14】
一連の治療の他の治療が、
超音波エネルギーが、利益を得る深さに組織に浸透して組織に治療効果をもたらすことができる強度および噴霧を組織に利益を得る深さに浸透させて組織に治療効果をもたらすことができる強度を有する、組織への噴霧の伝達と同時に組織に接触しない距離から超音波エネルギーを伝達する段階を含む治療;
超音波エネルギーが利益を得る深さに組織に浸透して組織に治療効果をもたらすことができる強度を有する、実質的に純粋に気体状の媒体の実質的に広大な区域を通って組織に接触しない距離から超音波エネルギーを伝達する段階を含む治療、そして
異なる医薬が適用される本発明の方法の段階を含む治療
からなる群から選択される、方法の段階が一連の治療に含まれる請求項1の方法。
【請求項15】
医薬が、抗生物質、軟膏、クリーム、ゲル、液体、膏薬、油、塩水溶液、蒸留、非蒸留および/または沸騰水、粉末、噴霧、抗菌剤、防腐剤、コンディショナー、界面活性剤、エモリエントまたは他の活性成分からなる群から選ばれる請求項1の方法。
【請求項16】
伝達する段階が、組織から2.5mm−51cmの距離に超音波エネルギーを伝達するための手段を設ける段階を含む請求項1の方法。
【請求項17】
治療効果が、組織への血流の増加、局所麻酔効果の提供および細胞成長の刺激からなる群から選ばれる請求項1の方法。
【請求項18】
超音波エネルギーを発生するための発生器およびトランスデューサーからなり、トランスデューサーが、組織と接触しない距離で組織および組織に適用される医薬へ超音波エネルギーを伝達し、そして発生した超音波エネルギーが、音圧を適用しそして利益を得る深さに医薬を創傷組織に浸透させて組織に治療効果をもたらすことのできる強度、および利益を得る深さに医薬を組織に浸透させて組織に治療効果をもたらすために医薬を超音波処理できる強度を有することを特徴とする組織を治療する装置。
【請求項19】
発生器およびトランスデューサーが、治療効果を達成できる強度を示す特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生する請求項18の装置。
【請求項20】
発生器およびトランスデューサーが、特定の振幅を達成できる周波数を有する超音波エネルギーをさらに発生する請求項19の装置。
【請求項21】
特定の振幅が少なくとも10ミクロンである請求項19の装置。
【請求項22】
周波数が20kHz−5MHzの範囲にある請求項20の装置。
【請求項23】
周波数が20−200kHzの範囲にある請求項20の装置。
【請求項24】
周波数が20-40kHzの範囲にある請求項20の装置。
【請求項25】
トランスデューサーが、治療効果を達成できる強度により、組織への超音波エネルギーの伝達を達成するような大きさの表面積を有する放射表面を含む請求項18の装置。
【請求項26】
トランスデューサーが、治療効果を達成できる強度により、組織への超音波エネルギーの伝達を達成するような円形および方形の周の少なくとも1つを有する放射表面を含む請求項18の装置。
【請求項27】
トランスデューサーが放射表面を含み、そして治療効果を達成できる強度により超音波エネルギーの伝達を達成するための、放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、発生した超音波エネルギーの周波数および発生した超音波エネルギーの振幅の少なくとも1つの選択が行われる請求項18の装置。
【請求項28】
トランスデューサーが放射表面を含み、そして治療効果を達成できる強度により超音波エネルギーの伝達を達成するための、放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、平面、凸面、凹面およびその組み合わせの1つから選ばれる放射表面の曲がりの形状、発生した超音波エネルギーの周波数および発生した超音波エネルギーの振幅の組み合わせの選択が行われる請求項18の装置。
【請求項29】
トランスデューサーの放射表面が、組織から2.5mmから51cmの位置にある請求項18の装置。
【請求項30】
トランスデューサーが、一定または変調された周波数により作動し、そしてトランスデューサーの作動波形が、正弦波、方形、台形、および三角形の波形からなる群から選ばれる請求項18の装置。
【請求項31】
治療効果が、組織への血流の増加、局所麻酔作用の提供および細胞成長の刺激からなる群から選ばれる請求項18の装置。
【請求項32】
超音波エネルギーが組織への噴霧の伝達と同時に伝達される請求項18の装置。
【請求項33】
超音波エネルギーが、実質的に純粋に気体状の媒体の実質的に広大な区域を通って組織に伝達される請求項18の装置。
【請求項34】
医薬が、医薬の超音波処理前に組織に適用される請求項18の装置。
【請求項35】
医薬が超音波エネルギーの伝達中に適用される請求項18の装置。
【請求項36】
医薬が、抗生物質、軟膏、クリーム、ゲル、液体、膏薬、油、含塩溶液、蒸留、非蒸留および/または沸騰水、粉末、噴霧、抗菌剤、防腐剤、コンディショナー、界面活性剤、エモリエントまたは他の活性成分からなる群から選ばれる請求項18の装置。
【請求項37】
超音波エネルギーを発生する段階、そして
創傷の表面と接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する段階からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有することを特徴とする創傷を治療する方法。
【請求項38】
発生段階が、治療効果を達成できる強度を示す特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生することを含む請求項37の方法。
【請求項39】
発生段階が、特定の振幅を達成できる周波数を有する超音波エネルギーを発生する段階をさらに含む請求項38の方法。
【請求項40】
特定の振幅が少なくとも3ミクロンである請求項38の方法。
【請求項41】
特定の振幅が少なくとも10ミクロンである請求項38の方法。
【請求項42】
周波数が20kHz-5MHzの範囲にある請求項40の方法。
【請求項43】
周波数が20-200kHzの範囲にある請求項40の方法。
【請求項44】
周波数が20-40kHzの範囲にある請求項40の方法。
【請求項45】
超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサーを用意する段階をさらに含み、該トランスデューサーは、治療効果を伝達できる強度により創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するための大きさの表面積を有する放射表面を有する請求項37の方法。
【請求項46】
超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサーを用意する段階をさらに含み、該トランスデューサーは、治療効果を達成できる強度により創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するための円い周を有する放射表面を有する請求項37の方法。
【請求項47】
放射表面を有する超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサーを用意する段階、そして
治療効果を達成できる強度により創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するための放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、発生した超音波エネルギーの周波数、および発生した超音波エネルギーの振幅の少なくとも1つを選択する段階をさらに含む請求項37の方法。
【請求項48】
放射表面を有する超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサーを用意する段階、そして
治療効果を達成できる強度により創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するための放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、平面、凸面、凹面およびこれらの組み合わせの1つから選ばれる放射表面の曲がりの形状、発生した超音波エネルギーの周波数、および発生した超音波エネルギーの振幅の組み合わせを選択する段階をさらに含む請求項37の方法。
【請求項49】
放射表面が、創傷の表面から2.5mm-51cmの位置にある請求項37の方法。
【請求項50】
発生段階が、正弦波、方形、台形、および三角形の波形からなる群から選ばれる波形を有する一定または変調された周波数を有する超音波エネルギーを発生する段階を含む請求項37の方法。
【請求項51】
治療効果が、組織への血流の増加、局所麻酔作用の提供および細胞成長の刺激からなる群から選ばれる請求項37の方法。
【請求項52】
超音波エネルギーを発生する手段、および
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する手段からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有することを特徴とする創傷を治療する装置。
【請求項53】
発生手段が、治療効果を達成できる強度を示す特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生する手段を含む請求項52の装置。
【請求項54】
発生手段が、特定の振幅を達成できる周波数を有する超音波エネルギーを発生する手段をさらに含む請求項53の装置。
【請求項55】
特定の振幅が少なくとも10ミクロンである請求項53の装置。
【請求項56】
周波数が20kHz-5MHzの範囲にある請求項54の装置。
【請求項57】
周波数が20-200kHzの範囲にある請求項54の装置。
【請求項58】
周波数が20-40kHzの範囲にある請求項54の装置。
【請求項59】
伝達手段が、治療効果を達成することのできる強度により、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成する大きさの表面積を有する放射表面を含む請求項52の装置。
【請求項60】
伝達手段が、治療効果を達成することのできる強度により、創傷への超音波エネルギーの伝達を達成する円い周を有する放射表面を含む請求項52の装置。
【請求項61】
伝達手段が放射表面を含み、そして
治療効果を達成できる強度により創傷への超音波エネルギーの伝達を達成するための放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、発生した超音波エネルギーの周波数、および発生した超音波エネルギーの振幅の少なくとも1つの選択が行われる請求項52の装置。
【請求項62】
伝達手段が放射表面を含み、そして治療効果を達成できる強度により超音波エネルギーの伝達を達成するための、放射表面の表面積のサイズ、放射表面の周の境界の形状、平面、凸面、凹面およびその組み合わせの1つから選ばれる放射表面の曲がりの形状、発生した超音波エネルギーの周波数および発生した超音波エネルギーの振幅の組み合わせの選択が行われる請求項52の装置。
【請求項63】
伝達手段の放射表面が、組織から2.5mmから51cmの位置にある請求項52の装置。
【請求項64】
伝達手段が、正弦波、方形、台形、および三角形の波形からなる群から選ばれる波形を有する一定または変調された周波数により作動される請求項52の装置。
【請求項65】
治療効果が、組織への血流の増加、局所麻酔作用の提供および細胞成長の刺激からなる群から選ばれる請求項52の装置。
【請求項66】
特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生する段階、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する段階からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、特定の振幅は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する方法。
【請求項67】
周波数を有する超音波エネルギーを発生する段階、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する段階からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、周波数は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する方法。
【請求項68】
少なくとも3ミクロンの振幅を有する超音波エネルギーを発生する段階、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する段階からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、特定の振幅は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する方法。
【請求項69】
超音波エネルギーが少なくとも10ミクロンの振幅を有する請求項68の方法。
【請求項70】
特定の振幅を有する超音波エネルギーを発生する手段、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する手段からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、特定の振幅は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する装置。
【請求項71】
周波数を有する超音波エネルギーを発生する手段、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する手段からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、周波数は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する装置。
【請求項72】
少なくとも10ミクロンの振幅を有する超音波エネルギーを発生する手段、そして
創傷の表面から接触しない距離から気体状媒体を通して発生した超音波エネルギーを創傷に伝達する手段からなり、発生した超音波エネルギーは、利益を得る深さに創傷組織に浸透して創傷の治癒時間を短縮するための治療効果をもたらすことができる強度を有し、特定の振幅は治療効果を達成できる強度を示すことを特徴とする創傷を治療する装置。
【請求項73】
気体状媒体が、実質的に純粋な気体状媒体の実質的に広大な区域を含む請求項37の方法。
【請求項74】
気体状媒体が、実質的に純粋な気体状媒体の実質的に広大な区域を含む請求項52の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−521053(P2007−521053A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509708(P2006−509708)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/010448
【国際公開番号】WO2004/091722
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(502438260)アドバンスト メディカル アプリケーションズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】