説明

創傷治癒を促進するための装置

【課題】創傷治癒を促進するための装置を提供すること。
【解決手段】創傷部位全体を覆い、そして創傷部位全体に浸透する電流を生成する電極システム(10)が提供される。この電極システムは、1つの電極から創傷を通り他の電極に電流を流すように、形成され、そして配向された2つの電極(22、24)を備える。第1電極(22)は、創傷部位に適用され、そして第2電極(24)は、第1電極を取り囲み、そして該創傷部位を取り囲む皮膚に適用される。2つの電極は、酸化透過性層に取り付けられ得、この酸素透過性層は、電極に対する支持を与え、そして創傷部位が呼吸することを可能にする。電気絶縁要素(26)は、2つの電極間に配置され得る。電源(40)(電極システムの局所であり得るかまたは電極システムから遠隔であり得る)は、これらの電極間にわたって電圧を印加するために提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気的刺激を介して創傷治癒を促進するための装置および方法に関し、そしてより特に、創傷部位を包理および透過する電圧勾配および電流のパターンを提供するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
結合性組織創傷治癒は、代表的に、3種の異なる期間中に生じる。これらの期間は、絡み合い、そして重なり合うが、各々は、期間を区分する特定の順序の事象を有する。初期、または炎症期の間、身体は、細菌の除去、および止血を開始する。この炎症期は、3つの副期間(subphase):止血;白血球およびマクロファージの遊走;および上皮形成を有する。この期間は、代表的に、約4日間続く。
【0003】
この第2の期間(増殖期)は、線維芽細胞の増殖、コラーゲンの合成、顆粒化、および創傷収縮によって特徴付けられる。この増殖期は、代表的に、この創傷が与えられた後の約48時間で開始し、そして2時間〜1週間程度延長し得る。この期間において、線維芽細胞は、タンパク質コラーゲンの合成および付着を開始し、これにより、創傷の首尾良い治癒のための主構造マトリクスを形成する。
【0004】
この第3の期間(再構築期)において、コラーゲン産生は、遅くなる。この段階において形成されるコラーゲンは、増殖期において形成されたコラーゲンよりもより高度に組織化される。最終的に、この再構築されたコラーゲンは、創傷部の引張り強度を増大させ、そしてこの創傷部を皮膚の元の強度の約80%まで戻す。
【0005】
これは、健康なヒトにおいて生じる一般的なプロセスである。血液の創傷部位への流れを制限する状態に曝された患者は、不幸にも、上に記載されるような正常な創傷治癒プロセスを示し得ない。ある患者において、このプロセスは、停止され得る。この正常な創傷治癒プロセスに悪影響を与え得る因子としては、糖尿病、障害性循環、感染、栄養失調、薬物療法および低下した移動性(reduced mobility)が挙げられる。他の因子(例えば、外傷、および熱傷)もまた、自然な創傷治癒プロセスを与え得る。
【0006】
種々の理由による不完全な循環は、以下のような慢性創傷の主な原因である:静脈うっ滞潰瘍、糖尿病潰瘍、および褥瘡性足部潰瘍。静脈うっ滞潰瘍は、代表的に、患者の足根関節の直上に形成する。老人患者または無力患者での脚のこの領域における血流は、非常に緩慢であり、皮膚細胞の乾燥を導く。このように、これらの皮膚細胞は、酸素が不足し、そしてそれら自体の老廃物によって汚染され、そして死に始める。このようにして、これらの乾燥細胞は、それ自体の治癒の極めて乏しい機会を伴って、開放性脚創傷部を後に残す。糖尿病足部潰瘍は、非常に低いレベルの循環を有する足部の領域にある足根関節の下に形成する。
【0007】
同様に、褥瘡性潰瘍は、皮膚に、血流を可能にする動きがない状態で、一定の圧縮力が与えられる場合に形成する。血流の欠如は、上記と同一の変性プロセスに導く。ベッドにおいて寝返りおよび回転する能力を欠く、対麻痺老齢患者および重篤な動けない老齢患者は、この問題の主な候補者である。
【0008】
慢性非治癒創傷のこれらの型の介護および治療技術に対する伝統的なアプローチとしては、修復速度を増加させ、そして組織の破壊速度を減少させることを企図する受動的な技術が挙げられた。これらの技術の例としては、抗生物質、保護創傷包帯、患部からの機械的応力の除去、ならびに創傷滲出液および壊死組織を除去するための、種々の壊死組織切除技術または薬剤の使用が挙げられる。
【0009】
ほとんどの部分に関して、これらの処置アプローチは、あまり成功しない。この潰瘍は、治癒に多くの月日がかかり、ある場合において、この潰瘍は、決して治癒し得ないか、またはこの潰瘍は、部分的に治癒し得るのみであり、結果的に、いくらか後の時間に再発する。
【0010】
能動的アプローチは、治癒時間を減少させ、そしてこれらの潰瘍の治癒速度を増加させるために使用されている。これらのアプローチとしては、創傷環境に対する外科的処置および変化が挙げられ得る。これらの変化としては、特定の増殖因子または他の薬剤が含侵された皮膚置換体の適用、高圧酸素処置の使用、または電気的刺激の使用が挙げられ得る。特定の型の電気的刺激が、ポジティブな方向に創傷環境を変え、その結果、正常な創傷治癒プロセスが生じ得るか、またはある場合において、加速した様式で生じ得ることもまた、経験的(動物試験および臨床試験の両方)に示されている。
【0011】
(治療的な電気刺激)
直流電流と細胞有糸分裂と細胞増殖との間の関係は、20世紀の後半の間で、よりよく理解されてきた。Weiss,in Weiss,Daryl S.ら、Electrical Stimulation and Wound Healing,Arch Dermatology,126:222(1990年2月)は、生存組織が、少なくとも部分的に、創傷治癒プロセスを調節する直流電圧を天然に有することを指摘している。組織の損傷後に、生物学的修復を誘発すると考えられる損傷電流が、生じる。この損傷電流は、科学的研究において広範に示されている。創傷治癒の種々の段階の間の適切なときに、必用な細胞が創傷部位に促されることを確実にするのに、この損傷電流が役立つと考えられる。この天然に存在する損傷電流を模倣した低レベルの電流の局在化された曝露は、ヒト被検体と動物の両方における軟組織創傷の治癒を増強することが示されている。これらの特に印加された領域は、創傷環境において天然に存在する生物学的領域を強化、増強、または置換し、これにより、創傷治癒プロセスを助けることが、考えられる。
【0012】
Weissは、科学文献の要旨において、電流への曝露後、難治性潰瘍が加速された治癒を示し、そして皮膚創傷がより速く、そしてより良好な引張り特性を有して再生されることを説明し続けた。DaytonおよびPalladino,in Dayton,Paul D.,およびPalladino,Steven J.,Electrical
Stimulation of Cutaneous Ulcerations−A Literature Review,Journal of the American Podiatric Medical Association,79(7):318(1989年7月)はまた、外部から印加された電流による細胞活性の変化は、治癒組織の状態に正または負に影響を与え、これにより、治癒プロセスを所望の結果に指向することを記載する。
【0013】
さらに、Alabama大学(Birmingham)において、Rafael Andinoによって、学位取得期間中に実施された研究はまた、電場の存在(この場合において、脈動性電磁場の適用によって誘導される)が、動物モデルにおいて作製された創傷部の治癒速度を劇的に加速させることを示した。この創傷治癒プロセスの最初の2つの期間の開始およびその間(炎症期および増殖期)が、処置された創傷において顕著に加速され、その一方で、線維芽細胞によって合成されたコラーゲンの容積もまた、処置された創傷部において顕著に増加した。これにより、かなりより短時間で創傷治癒を生じた。他の研究者からの同様の知見が、他の創傷治癒文献において見出され得る。
【0014】
特許文献1(Zanakisら)および特許文献2(Claude)は、種々の電気刺激装置、ならびに損傷組織の再生および修復を促進する方法を記載している。しかし、これらの参考文献のいずれも、これらの電極デバイスにより発生した電流のパターンが、創傷の全部分を通過せず、これにより、創傷部位の特定の部分は、電気刺激の有利な効果に曝露され得ないという不利益を被る。
【0015】
特許文献3(Jones)は、創傷の周りの流体を取り囲むチャンバを備える創傷カバーを記載する。一つの電極は、チャンバ中に配置され、そして別の電極は、皮膚上の創傷部から離れて配置される。このチャンバ内の伝導性液体を使用することによって、回路が完成し、電流が、チャンバ中の電極から、液体、創傷部、ならびに周りの組織および皮膚を通って、他の電極に流れる。この液体は、チャンバ中に導入され、そして2つのポートを使用して置換され、一方のポートは、液体を導入するために使用されるが、同時に他方のポートは、チャンバ内の気体(この創傷カバーが、もともと、創傷部に適用される場合)または流体を除去するために使用される。しかし、この創傷カバーは、使用が複雑であり、そして伝導性液体を添加および配置する繊細な工程を包含する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,433,735号明細書
【特許文献2】米国特許第4,982,742号明細書
【特許文献3】米国特許第4,911,688号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記の観点から、全創傷部位を包理および透過する電圧勾配および電流のパターンを容易に提供するための、改良された装置および方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要旨)
本発明のこの目的および他の目的は、電流が電極間に十分流れるように電源に接続させるために適用される、2個の電極を備える電極システムを提供することにより、本発明の原理に従って、達成される。電極は、全創傷部位を包理および透過する電流のパターンを生じさせるために、形成および配向される。このような形成および配向は、創傷部位に配置され、そしてそれを覆う環状の第1電極、およびこの第1電極を完全に取り囲むリングとして形成された第2電極を備え得る。この第2電極は、創傷部位の外側にまたはその内部に部分的に配置され得る。この電極の他の適切な形状は、楕円形に形成されるか、矩形に形成されるか、三角形に形成されるか、または他の適切な形状に形成された電極を備え得、ここで、一方の電極は、他方の電極を取り囲んでいる。この電極の形状は、創傷部の形状に適合し得る。
【0019】
この電極システムの2つの電極は、水および水蒸気に対して不透過性である酸素透過性トップ層に装着され得る。このトップ層は、電極のための支持体を提供し得、そして創傷部位をガス抜きさせ得る。
【0020】
この電極システムはまた、この2つの電極間に配置された電気絶縁性要素を備え得る。この絶縁性エレメントは、全てではないが、ほとんどの電極間の電流が、損傷を受けた組織および健康な周りの組織を通過するのを確実にし得る。
【0021】
これらの電極に電位を印加するための電源は、電極システムに近くても電極システムから遠くてもよい。1つの適切な配置において、この電源は、電極システムの上部層に取り付けられる。この電源は、一定または可変の電圧、一定または可変の電流、あるいは任意の他の適切な電気的出力を電極に提供して、創傷治癒を促進するように構成され得る。例えば、この電源は、異なる時間間隔で、適所にある同じ電極システムを用いて、所望の電流または電圧を電極に提供するように構成され得る。1つの適切な実施形態において、この電源は、バッテリーである。別の適切な実施形態において、この電源は、所望の電流または電圧を提供するように構成される電気回路である。
【0022】
本発明の別の適切な実施形態において、電極システムの2つの電極は、電流が第1電極から第2電極まで創傷を通って流れるのに十分な電圧差および電荷容量の逆に荷電したポリマーから構成される。
【0023】
この電極システムは、使い捨てまたは再利用可能のいずれかであるように設計および製造され得る。
【0024】
本明細書中に記載される種々の実施形態に従う電極システムは、創傷部位全体を覆いそして透過する電圧勾配および電流のパターンを生成し得る。このような電流のパターンは、創傷治癒の種々の段階の間の適切な時間における創傷位置に対する必要な細胞の補充を最大にする。
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
創傷の治癒を促進するための電極システムであって、以下:
支持構造体;
該支持構造体に装着された、第1電極;および
該支持構造体に装着された第2電極であって、ここで、該第2電極が、該支持構造体上で第1電極を取り囲み、そしてここで、(a)該電極システムが該創傷に適用される場合、および(b)電圧が該第1電極および該第2電極にわたって印加される場合に、該第1電極と該第2電極との間に電流が流れ、これによって、電流が該創傷を通過する、第2電極、
を備える、電極システム。
(項目2)
項目1に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される前記支持構造体に装着される電気絶縁性要素をさらに備える、電極システム。
(項目3)
項目1に記載の電極システムであって、前記第1電極および前記第2電極にわたって前記電圧を印加するように構成された電源をさらに備える、電極システム。
(項目4)
項目3に記載の電極システムであって、前記電源が、前記支持構造体に装着されている、電極システム。
(項目5)
項目3に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極および前記第2電極にわたって、一定電圧を印加するように構成されている、電極システム。
(項目6)
項目3に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極と前記第2電極との間に、一定電流が流れるように構成されている、電極システム。
(項目7)
項目3に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極および前記第2電極にわたって、時間変化電圧を印加するように構成されている、電極システム。
(項目8)
項目7に記載の電極システムであって、前記時間変化電圧が前記第1電極および前記第2電極にわたって印加されるとき、前記電源が、該第1電極および該第2電極の極性を変化させるように構成されている、電極システム。
(項目9)
項目1に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流によって、1μA/cm〜10,000μA/cmの範囲内の電流密度が、前記創傷領域を通るように生じる、電極システム。
(項目10)
項目1に記載の電極システムであって、前記電流が、前記第1電極から前記創傷を通って前記第2電極に流れる、電極システム。
(項目11)
項目1に記載の電極システムであって、前記電流が、前記第2電極から前記創傷を通って前記第1電極に流れる、電極システム。
(項目12)
項目1に記載の電極システムであって、前記支持構造体が、酸素透過性である、電極システム。
(項目13)
項目1に記載の電極システムであって、前記支持構造体が、水および水蒸気に対して不透過性である、電極システム。
(項目14)
項目1に記載に記載の電極システムであって、前記第1電極に取り付けられた第1接着材料をさらに備え、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第1接着材料によって、該第1電極が該創傷に取り付けられる、電極システム。
(項目15)
項目1に記載の電極システムであって、前記第2電極に取り付けられた第2接着材料をさらに備え、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第2接着材料によって、該第2電極が該創傷の周りの皮膚に取り付けられる、電極システム。
(項目16)
項目1に記載の電極システムであって、前記電極システムが前記創傷に適用されるとき、前記第1電極が、該損傷全体を覆う、電極システム。
(項目17)
項目1に記載の電極システムであって、前記第1電極および前記第2電極が、薄い金属、金属堆積物、金属箔、および導電性ヒドロゲルからなる群より選択される、電極システム。
(項目18)
項目1に記載の電極システムであって、視覚的インジケーターをさらに備え、該インジケーターによって、使用者が、この電極システムが機能しているか否か、またはどれだけ良好に機能しているかを決定し得る、電極システム。
(項目19)
創傷の治癒を促進するための電極システムであって、以下:
第1電極であって、該第1電極が該創傷に適用されるとき、該第1電極が、該創傷全体を覆う、第1電極;および
第2電極であって、該第1電極および該第2電極が該創傷に適用されるとき、該第2電極が、該第1電極を取り囲む、第2電極、
を備え、ここで、(a)該第1電極および該第2電極が該創傷に適用される場合、および(b)電圧が該第1電極および該第2電極にわたって印加される場合に、該第1電極と該第2電極との間に電流が流れ、これによって、電流が該創傷を通過する、
電極システム。
(項目20)
項目19に記載の電極システムであって、該電極システムが前記創傷に適用される場合、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電気絶縁性要素をさらに備える、電極システム。
(項目21)
項目19に記載の電極システムであって、前記第1電極および前記第2電極にわたって前記電圧を印加するように構成された電源をさらに備える、電極システム。
(項目22)
項目21に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極および前記第2電極にわたって、一定電圧を印加するように構成されている、電極システム。
(項目23)
項目21に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極と前記第2電極との間に、一定電流が流れるように構成されている、電極システム。
(項目24)
項目21に記載の電極システムであって、前記電源が、前記第1電極および前記第2電極にわたって、時間変化電圧を印加するように構成されている、電極システム。
(項目25)
項目24に記載の電極システムであって、前記時間変化電圧が前記第1電極および前記第2電極にわたって印加されるとき、前記電源が、該第1電極および該第2電極の極性を変化させるように構成されている、電極システム。
(項目26)
項目19に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流によって、1μA/cm〜10,000μA/cmの範囲内の電流密度が、前記創傷領域を通るように生じる、電極システム。
(項目27)
項目19に記載の電極システムであって、前記電流が、前記第1電極から前記創傷を通って前記第2電極に流れる、電極システム。
(項目28)
項目19に記載の電極システムであって、前記電流が、記第2電極から前記創傷を通って前記第1電極に流れる、電極システム。
(項目29)
項目19に記載に記載の電極システムであって、前記第1電極に取り付けられた第1接着材料をさらに備え、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第1接着材料によって、該第1電極が該創傷に取り付けられる、電極システム。
(項目30)
項目19に記載の電極システムであって、前記第2電極に取り付けられた第2接着材料をさらに備え、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第2接着材料によって、該第2電極が該創傷の周りの皮膚に取り付けられる、電極システム。
(項目31)
項目19に記載の電極システムであって、前記第1電極および前記第2電極が、薄い金属、金属堆積物、金属箔、および導電性ヒドロゲルからなる群より選択される、電極システム。
(項目32)
項目19に記載の電極システムであって、視覚的インジケーターをさらに備え、該インジケーターによって、使用者が、この電極システムが機能しているか否か、またはどれだけ良好に機能しているかを決定し得る、電極システム。
(項目33)
創傷の治癒を促進するための電極システムであって、以下:
第1電極;および
第2電極、
を備え、ここで、該電極システムが該創傷に適用されるとき、該第1電極および該第2電極が、十分な差示的な電圧および十分な電荷密度の反対に荷電したポリマーを含み、これによって、電流が、該第1電極から該創傷を通って該第2電極に流れる、電極システム。(項目34)
項目33に記載の電極システムであって、前記第1電極および前記第2電極が装着される支持構造体をさらに備える、電極システム。
(項目35)
項目34に記載の電極システムであって、前記支持構造体が、酸素透過性である、電極システム。
(項目36)
項目34に記載の電極システムであって、前記支持構造体が、水および水蒸気に対して不透過性である、電極システム。
(項目37)
項目34に記載の電極システムであって、前記第2電極が、前記支持構造体上の前記第1電極を取り囲む、電極システム。
(項目38)
項目37に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される前記支持構造体に装着される電気絶縁性要素をさらに備える、電極システム。
(項目39)
項目34に記載の電極システムであって、前記第1電極が、前記支持構造体上の前記第2電極を取り囲む、電極システム。
(項目40)
項目39に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される前記支持構造体に装着される電気絶縁性要素をさらに備える、電極システム。
(項目41)
項目33に記載の電極システムであって、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流によって、1μA/cm〜10,000μA/cmの範囲内の電流密度が、前記創傷領域を通るように生じる、電極システム。
(項目42)
項目33に記載の電極システムであって、さらに以下:
前記第1電極に取り付けられた第1接着材料であって、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第1接着材料によって、該第1電極が該創傷に取り付けられる、第1接着材料;および
前記第2電極に取り付けられた第2接着材料であって、ここで、該電極システムが該創傷に適用されるとき、該第2接着材料によって、該第2電極が該創傷の周りの皮膚に取り付けられる、第2接着材料、
をさらに備える、電極システム。
(項目43)
項目42に記載の電極システムであって、前記電極システムが前記創傷に適用されるとき、前記第1電極が、該損傷全体を覆う、電極システム。
(項目44)
項目33に記載の電極システムであって、さらに以下:
前記第1電極に取り付けられた第1接着材料であって、ここで、該電極システムが前記創傷に適用されるとき、該第1接着材料によって、該第1電極が該創傷の周りの皮膚に取り付けられる、第1接着材料;および
前記第2電極に取り付けられた第2接着材料であって、ここで、該電極システムが該創傷に適用されるとき、該第2接着材料によって、該第2電極が創傷に取り付けられる、第2接着材料、
をさらに備える、電極システム。
(項目45)
項目44に記載の電極システムであって、前記電極システムが前記創傷に適用されるとき、前記第2電極が、該損傷全体を覆う、電極システム。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の上記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を、添付の図面と共に参照すると明らかになり、ここで、同じ参照文字は、全体にわたって同じ部分を表す。
【図1】図1は、図2のほぼ1−1線に沿ってとった、本発明に従う例示的な電極システムの断面図である。
【図2】図2は、図1のほぼ2−2線に沿ってとった、図1の電極システムの断面図である。
【図3】図3は、創傷に適用された場合の図1の電極システムの断面図であり、本発明に従う電極システムによって生成される電流のパターンを例示する。
【図4】図4は、本発明に従う、創傷部位上に配置された例示的な電極システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、電極システム10の断面図である。図1に示される図は、図2の1−1線に沿ってとられている。図2は、図1の2−2線に沿ってとった電極システム10の単純化した断面図である。図1に例示されるように、電極システム10は、上部オーバーレイ層20を含み、この上部オーバーレイ層20に、電極22および24、電気絶縁要素26、ならびに末端材料28が取り付けられる。電極22は、上部オーバーレイ層20の中央に向かって配置される。電気絶縁要素26は、電極22を取り囲み、そして電極24は、電気絶縁要素26を取り囲む。電極22および24の他の側面には、電気絶縁要素26が取り付けられ、そして末端材料28は、接着層52および54である。図2に例示されるように、導電性リード32は、電極22を電源40の端子42に接続し、そして導電性リード34は、電極24を電源40の端子44に接続する。
【0027】
上部オーバーレイ層20は、いくつかの異なる目的を果たし得る。第1に、上部オーバーレイ層20は、電極システム10の機械的完全性を提供し、従って、電極22および24に構造的支持を提供する。第2に、上部オーバーレイ層20は、電極システム10が、これが接着されるスキン表面の輪郭に適合するように十分可撓性でなければならない。第3に、上部オーバーレイ層20は、創傷部位が呼吸し得るように酸素透過性ではければならない。最後に、上部オーバーレイ層20は、創傷部位が濡れたままであるように、水不透過性でなければならない。いくつかの実施形態において、これらの特徴の全てが、必要なわけではない。例えば、別個の水不透過性層が、創傷部位を濡れたままに保つために使用され得る。上部オーバーレイ層20は、これらの特徴を示す任意の適切な材料および構造から構成され得る。例えば、上部オーバーレイ層20は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または任意の他の適切な材料のメッシュ構造から構成され得る。いくつかの実施形態において、上部オーバーレイ層20は、電流が電極22と24(これらは上部オーバーレイ層20に取り付けられる)との間を流れないようにするために、電気絶縁性であり得る。別の適切な実施形態において、電極22および24を上部オーバーレイ層20に接着するために使用される接着剤または結合材(示さず)は、電流が電極22と24との間を流れないようにするために、電気絶縁性であり得る。
【0028】
電極22および24は、薄い金属、金属性塗料または金属性顔料の蒸着物(堆積物)(deposit)、金属箔、導電性ヒドロゲル、または任意の他の適切な導電性材料であり得る。ヒドロゲルは一般に、創傷を乾燥から保護する透明な粘性のゲルである。1つの適切なアプローチにおいて、導電性ヒドロゲルは、それらの酸素に対する透過性および水を保持する能力に起因して、電極22および24のための材料として使用され得る。酸素環境および湿潤環境の両方が、創傷中の細胞が生存可能であるのに必要である。さらに、ヒドロゲルは、任意の形状およびサイズに容易に成形され得る。種々のタイプの導電性ヒドロゲルが、用いられ得、これには、セルロース、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、HEMA、HEEMA、HDEEMA、MEMA、MEEMA、MDEEMA、EGDMA、メタクリル酸ベースの材料、およびシリコン処理したヒドロゲルが挙げられる。PVAベースのヒドロゲルが、安価であり、形成し易い。このようなヒドロゲルの導電性は、ヒドロゲル内の塩濃度を変えることによって、変更され得る。ヒドロゲル内の塩濃度を増加することによって、ヒドロゲルの導電性が、増加する。
【0029】
絶縁要素26は、例えば、上部オーバーレイ層の下にトラップされる水分によって、創傷表面の上の電極22と24との間の電流の流れを防ぐ。絶縁要素26は、任意の高抵抗性材料(例えば、ポリエチレン(polythylene)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(TEFLON)、ポリウレタン、ポリエステル、絶縁体になるように作製されるヒドロゲル、または任意の他の適切な絶縁材料から構成され得る。さらに、絶縁要素26は、電流を防ぐかまたは創傷表面の上の電流抵抗を大きく増加させるために、ある材料から形成されるか、あるいはその本体内にギャップまたは開口部を有するように設計され得る。
【0030】
末端材料28は、電極24を取り囲む。末端材料28は、上部オーバーレイ層20の外側縁部と一緒になって、電極システム10の外側縁部を形成する。末端材料28は、電極システム10が、これが接着されるスキン表面の輪郭に適合するように十分可撓性である任意の適切な材料から構成され得る。一実施形態において、末端材料28は、上部オーバーレイ層20と同じ材料から構成され得る。1つの適切なアプローチにおいて、末端材料28は、上部オーバーレイ層20の一部でありかつ継ぎ目なしであり得る。
【0031】
導電性接着層52および54は、電極システム10の裏面に取り付けられ、それぞれ、電極22および24と接触し、そして電気絶縁要素26と接触する。接着層52および54は、電極のショートを防ぐために、適切な空間または間隙58によって、互いに離されていなければならない。接着層52および54は、ヒドロゲル、フィブリン、導電的変換されたシアノアクリレートであり得るか、または皮膚および創傷表面に電極システム10を取付け得る任意の適切な導電性材料から構成され得る。接着層52は、創傷表面全体に電極22の実質的に同じ電圧を分配するように配置され得る。同様に、接着層54は、電極24の実質的に同じ電圧を、創傷の周りの皮膚に分配するように配置され得る。別の適切なアプローチにおいて、接着層52は、接着層52の中心が、電極22と実質的に類似の電圧を、創傷の中心に印加し、接着層52の外側縁部が、電極52および54の電圧の間の電圧を、創傷の外側縁部に印加するように、配置され得る。創傷に印加される電圧は、例えば、接着層52の厚みを変えることによって、または任意の他の適切な方法によって、変更され得る。
【0032】
図1に例示されるように、接着層52は、電極22を越えて延びる。別の適切な配置において、接着層52は、電極22と同じサイズでも、電極22より小さくてもよい。例示されるような接着層54は、電極24より大きい。別の適切な配置において接着層54は、電極24と同じサイズででも、電極22より小さくてもよい。
【0033】
別の適切な実施形態において、導電性接着層52および54は、電極システム10から省かれ得る。この実施形態において、電極22および24自体が、接着性であり、かつ創傷部位に電極システム10を取付け得る。導電性ヒドロゲルは、必要な接着特性を有するように作製され得、それにより、別個の接着層の必要性を排除する。皮膚に接着するのに十分粘着性かつ接着性であるタイプの高導電性ヒドロゲルは、米国特許第4,989,607号(Keuschら)に記載される。電極22および24は、電極システム10を創傷部位に取付け得る任意の適切な導電性接着材料から構成され得る。
【0034】
バッキング層60は、電極システム10の使用の前に接着層を保護するために、導電性接着層52および54に取り付けられる。バッキング層60は、電極システム10を創傷部位に接触させる前に、接着層を露出するために、接着層52および54から剥がされ得る。バッキング層60は、ある領域(例えば、図2に示される領域60’)中の上部オーバーレイ層20の下からはみ出得、それにより使用者は、バッキング層60を電極システム10から容易に除去し得る。
【0035】
使用中、電極システム10は、創傷部位の上に配置され、その結果、電極22は、創傷部位のほぼ中心に位置し、そして接着層52は、創傷全体を覆うサイズにされ得る。電極システム10は、種々のサイズの創傷に適切な一連のサイズで提供される。電極24および接着層54は、一般に、リングの形状であり、そして電極22からある距離をあけて位置する。1つの配置において、電極24および接着層54の内縁部の直径は、創傷の直径よりも大きい。言い換えると、創傷のサイズは、電極24および接着層54の最小内径を決定する。別の適切な配置において、接着層52は、創傷の内部を覆うようなサイズにされ得、そして電極24および接着層54の内縁部の内径は、創傷のサイズと同じでもそれより小さくてもよい。
【0036】
図3は、創傷60に適用されるような電極システム10の断面図である。図3に示されるように、電極システム10によって形成される電流パターンは、円環形である。円環は一般的に、円状ディスクを軸の周りに回転させることによって形成され、ここで、この軸はディスクのある平面にあるが、ディスクの外側である。ここで、電流のパターンは、軸の回りに回転した半円に類似であり、ここでこの軸は半円の平面内にあり、そしてこの軸は半円の縁近くにある。この電流は一般的に、半円の弧の線から接線方向に流れる。電極24は電極22を取り囲むので、電流のパターンは、軸の回りに完全に回転した半円ディスクに類似である。従って、電流のパターンは円環形である。従って、図3に図示される電流のパターンは、概ね、図2の参照方向65に対して、電極システム10を通って切断させる断面の角度に同様に無関係である。さらに具体的には、図示されるように、電極22は負電荷を帯び,そして電極24は正電荷を帯びる。電流線は、接着部54から創傷60を通って接着部52へと鋭角で延びる。電流線は創傷60全体を通り抜け、これによって創傷全体および隣接する非創傷組織を、取り囲み、そして透過する。上記のように、接着部52から創傷に印加される電圧が変えられる場合、創傷60の異なる部位での電流密度は、それに応じて増加または減少され得る。電極システム10は、一般的に1μA/cmと10,000μA/cmとの間である電流密度を創傷内に生じ得る。創傷の大きさおよび性質に依存して、電極システム10は1μA/cm未満または10,000μA/cmより大きい、電流密度を創傷内に生成するように構成され得る。
【0037】
図2を参照すると、電極22および24をそれぞれ電源40と繋げる、伝導性リード32および34は、金属、伝導性インクまたは他の任意の適切な伝導性材料から構成され得る。1つの適切な配置では、リード32および34は、上部オーバーレイ層20上を遮断する導電性炭素インクから構成される。このような配置において、電極22および24は、それぞれ電導性リード32および34上に正しく形成される。
【0038】
電源40は、リード32および34を通ってそれぞれ電極22および24に印加される電圧を生成する。電源40は、1mVと9Vとの間のどこかにある電圧を印加するように構成され得る。創傷を通って流れる、この得られた電流は、1μAおよび50mAの間であり得る。創傷のサイズおよび性質に依存して、電源40は1mV未満または9Vより大きい電圧を印加するように構成される。従って、得られた電流は1μA未満であるかまたは50mAより大きくあり得る。電源40は、上部オーバーレイ層20もしくは電極システム10上の他の任意の適切な位置に取付けられ得るか、または電極システム10から離れて配置され得る。1つの適切な実施形態において、電源40はバッテリーである。電源40は、アルカリバッテリー、ニッケルカドミウムバッテリー、またはリチウムバッテリーのような、任意の適切なバッテリーであり得る。1つの適切な配置において、電源40はリチウムポリマーの積層である。このバッテリーは端子42が負でありそして端子44が正であるように配置され得る。従って、電極22はアノードとして機能し、そして電極24はカソードとして機能する。上記のように、電流は外向きの放射線に沿って、電極24から創傷を通って電極22へと流れる。別の適切なアプローチにおいて、バッテリーは、端子42が正でありそしてターミナル44が負であるように配置され得る。このようなアプローチにおいて、電線は反転され、そして電極22から電極24へと外向きに向かう。
【0039】
別の適切な実施形態において、電源40は、定電圧または変動電圧、定電流または変動電流、または他の任意の適切な電気的出力を提供するように構成される電子回路から構成される。従って、創傷部位の電流密度は定常であるかまたは時間変動的であり得る。電源40が電圧または電流を変動させる場合、電極22および24は、定周波数かまたは時間変動性の周波数で極性を変更し得る。別の適切な電気的出力において、電源40は、他の可能性ある治療的利益をもたらすために、電極22および24にパルスを送る(pulse)ように構成され得る。
【0040】
1つの適切な配置において、電気回路は電流対電圧変換器を使用して定電流供給源をもたらすように構成され得る。この電流帯電圧変換器は、電流の正確さを確認するために、試験点で探査され得る。定電流供給源は、オペアンプ(Op−amp)を用いて実行され得る。このオペアンプ(Op−amp)は、精密電圧参照供給源を、電流帯電圧変換器の出力と比較し、そして参照と変換器とが等しくなるまで、出力電流を調整する。この出力電圧は、手術目的のために使用される、特定の既定量を引いたバッテリー電圧に制限される。
【0041】
表面実装の集積回路および他の表面実装成分を有する回路が構築され得、そして例えば、リチウム鋳造セルバッテリーによって動力供給され得る。
【0042】
本明細書中に記載される電極システム10は、電流が電極22と24との間の流れを開始するために、活性化されるスイッチを必要とし得ない。むしろ、電流は、創傷部位に対して電極22および24の導電性接触の後、流れを開始し得る。このような接触は、電極間の回路を完成し、そして電極間の電流の流れを生じる。別の適切な実施形態において、スイッチは、使用者が電極22および24に電源40を接続し、そして切断することを可能とし得る、電極システム10上に配置され得る。
【0043】
電極システム10は、使用者が、この電極システムが機能しているかどうか、またはどれほど上手く機能しているかどうかを決定し得る、視認性の指標を回路内に含み得る。この視認性指標は、光発光ダイオード(LED)、一連のLED、基本電流計、または任意の他の適切な視認性指標であり得る。
【0044】
図4は、創傷60上に位置した電極システム10の図を例示する。この実施形態において、電極システム10は、電極システム10に取付けられる、電源40のようなバッテリーおよび関連回路を使用する、使い捨てで1回使用の帯具である。適切な電気的パラメーターを選択して、内部回路に形成される電流を所望の時間の間、継続させ得る。例えば、所望の時間が、通常の帯具が創傷に使用される代表的な時間量と、少なくとも同じくらい長くあり得る。慢性潰瘍を患う使用者にとって、この時間量は代表的に1〜2日であり得る。従って、電極システム10が創傷の上方に配置されることによって始動された後、電流は1〜2日間継続する。電極システム10が交換される時間の場合、新品の電極システムを適用し、そして各使用者および存在する創傷型によって所望されるまで、処置を継続する。
【0045】
電極システム10は、概ね環状形であるように記載されているが、電極システム10はまた、電極システム10は他の形で提供され得ることが理解される。例えば、電極システム10は楕円形、長方形、三角形、または任意の他の形で提供され得る。従って、電流の得られた結果は、上記の環状形に類似であり、このことは環から楕円、長方形、三角形、または電極システム10の任意の他の形まで引き伸ばされ得る。電極システム10は、好ましくは、異なる形の創傷に対して適切な異なる形で提供される。例えば、創傷が長く深い切り傷である場合、長方形または楕円形の電極システムがその創傷に適切な形であり得る。1つの適切なアプローチにおいて、創傷に適切な電極システムの形状は、接着部52が創傷を完全に覆うことが可能であり、そして接着部52がその創傷に対して外部を覆う面積を最小化する形である。このことは、創傷を通る電流の流れを最大化する。
【0046】
別の適切な電極システムの実施形態において、電極22および24は、電気的に荷電したポリマーである。この実施形態において、図1および図2に例示されるように、電源40ならびにリード32および34は、必要とはされない。さらに、上部オーバーレイ層20を必要としなくてもよいし、そして電極22および24は別々に印加されてもよい。電極22および24は、必要に応じて、電極間に電流を流れさせるために、十分に異なる電位、かつ十分に異なる荷電密度を有する、荷電したポリマー(例えば、ヒドロゲルまたは電荷を保持するための任意の他の適切な材料)であり得る。1つの適切な配置において、電極22は負に荷電され、そして電極24は正に荷電される。このことは、電流を、陽電極24から陰電極22へと創傷を通って流れさせる。別の適切な実施形態において、電極22は正に荷電され、そして電極24は負に荷電される。このことは、電流を、陽電極22から創傷を通って陰電極24へと流れさせる。
【0047】
上記は、本発明の原理の単なる例示であり、そして本発明の範囲および真意から逸脱すること無く、当業者により種々の改変がなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−179378(P2012−179378A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105693(P2012−105693)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2008−48847(P2008−48847)の分割
【原出願日】平成14年5月31日(2002.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(503439938)バイオフィシカ, エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】