説明

創傷用バッグ並びに同創傷用バッグを用いた排液管理用具または陰圧閉鎖療法用具

【課題】粘着力の低下および滲出液の漏れを防止するとともに、患部以外の身体に滲出液が触れることによる不快感を軽減できる創傷用バッグ並びに同創傷用バッグを用いた排液管理用具または陰圧閉鎖療法用具を提供する。
【解決手段】患部を覆うための袋状のカバー10と、患部をカバー10内に挿入するための開口部20と、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたシール手段30と、カバー10の内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部40と、を備える創傷用バッグ1において、シール手段30は、カバー10に接合され、開口部20は、シール手段30とカバー10とに跨って形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷用バッグ並びに同創傷用バッグを用いた排液管理用具または陰圧閉鎖療法用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、創傷、火傷、褥瘡、潰瘍等(以下、単に「患部」という場合がある。)の治療においては、患部に対する物理的刺激からの保護、過剰な滲出液の吸収と湿潤環境の保持、外部からの汚染防止等を目的として、滅菌処理された吸収パッド等を患部上に配置し、包帯や粘着テープなどで周囲の皮膚に固定する方法が一般的に行われてきた。
【0003】
また、現在では、さらに治癒を促進させる方法として、陰圧閉鎖療法が組み合わせて行われている。ここで、陰圧閉鎖療法とは、患部を陰圧下に置くことで治癒の促進を図る治療方法である。
【0004】
陰圧閉鎖療法の施術方法としては、患部の上に吸収パッドを置き、さらに吸収パッドの上に吸引用のチューブを配置し、患部を含む広範囲を袋状のカバーで覆う方法がよく知られている(特許文献1参照)。
かかる施術方法は、身体の凹凸などにより身体に対してフィルムを気密的に貼付することができない手足などの四肢の末端に対して、有効な方法である。
【0005】
また、最近では、陰圧閉鎖療法を行いながら、関節などが硬直しないように袋状のカバーをつけ、陰圧を解除した状態でリハビリを行うことが提案されている(特許文献2参照)。
これは、袋状のカバーを用いる創傷用バッグにおいては患部以外の身体も覆ってしまうため、患部以外の身体の動きが制限されてしまい、その結果、関節等の硬化が起こるためである。
【0006】
【特許文献1】特表平09−503923号公報
【特許文献2】特開2007−97860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、手に患部がある場合、リハビリを行うには、前腕を垂直方向に挙上した状態で行うことが多い。また、患部の処置を行うためにカバーに設けられたファスナーを開き、患部を袋状のカバーから外部へ出す場合においても、前腕を垂直方向に挙上する場合がある。
【0008】
しかしながら、従来の袋状のカバーにおいては、四肢を挿入する開口部の皮膚側に設けた感圧性粘着剤層によって身体に密着させる方法や、開口部の上から身体にかけて幾重にも粘着テープで被覆することによって身体に密着させる方法がとられてきた。そのため、かかる状態で前腕を垂直方向に挙上すると、滲出液などは開口部に溜まる結果となる。
【0009】
袋状のカバーを粘着剤層によって固定させた場合、開口部に溜まった滲出液は腕を垂直にした際に粘着剤層中に入り込み、粘着力を低下させるといった問題がある。
また、袋状のカバーを開口部の上から身体にかけて幾重にも粘着テープで被覆することによって固定する場合、袋状のカバーの開口部を腕又は足の太さにまで折り畳んでから粘着テープで固定しなければならないため、折り畳んだカバー同士の重なりから滲出液が漏れ出すといった問題もある。
そのため、滲出液が漏れ出さないように常に気を遣わなければならず、十分なリハビリを行えない虞がある。
【0010】
さらに、リハビリの最中に滲出液が患部以外の部分に触れた場合、患者が不快に感じるといった問題もある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、粘着力の低下および滲出液の漏れを防止するとともに、患部以外の身体に滲出液が触れることによる不快感を軽減できる創傷用バッグ並びに同創傷用バッグを用いた排液管理用具または陰圧閉鎖療法用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は、患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、前記シール手段は、カバーに接合され、前記開口部は、前記シール手段と前記カバーとに跨って形成されたことを特徴とする。なお、前記患部を覆うための袋状のカバーの「袋状」とは、単に袋形状だけでなく、スリーブ形状を含む意味である。
【0013】
また、本発明は、患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、前記カバーは上下面を備えており、前記開口部に隣接する周囲部分を除いたカバーの上面および/または下面に接合された構造とすることもできる。
【0014】
さらに、前記発明の実施態様としては下記の発明が好ましい。即ち、前記袋状のカバーは、前記患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部が形成されることが好ましい。
また、前記シール手段は、第1領域、第2領域および第3領域に分けられた貼付材であって、前記第1領域は、中央に前記開口部を有するとともに、前記第2領域及び前記第3領域と隣接しており、前記第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、前記第2領域と第3領域とを貼り合わせることによって身体に前記カバーを固着させるように構成することが好ましい。
【0015】
さらに、前記中空端部は、患部からの滲出液に対する液溜部として構成されることが好ましい。また、前記開口部を2つ以上設けることが好ましい。さらに、前記袋状のカバーに気密性のファスナーを設けることが好ましい。また、前記創傷用バッグの少なくともいずれかの部材に患部の載置目印を設けることが好ましい。さらに、前記開口部に開口補助手段を設けることが好ましい。また、前記シール手段が、2枚以上の貼付材から構成されることもできる。さらに、前記液溜部に排液口を設けることもできる。さらにまた、前記連通部は排出口具を備え、前記排出口具は、前記袋状のカバー内に設けたドレナージチューブと着脱自在に接続される機能を備えた構成とすることもできる。
【0016】
さらに、排液管理用具及び陰圧閉鎖療法用具に関する発明としては、前記創傷用バッグの発明のいずれかのものを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部の液溜部が形成されるので、滲出液を液溜部に溜めるようにすることができる。これにより、粘着剤層に触れる滲出液の量を減らすことができるので、粘着力が弱まり滲出液が漏れ出す虞を防ぐことができる。
また、開口部を袋状カバーの上面および/または下面に設けることによって、別部材を設けることなく容易に液溜部を設けることができる。
さらに、開口部を袋状カバーの上面および/または下面に設けることにより、従来袋の周縁部に設けられていた開口部がなくなるため、いずれの周縁部にも連通口を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る創傷用バッグ及び創傷用バッグの使用方法について、図面を適宜参照して詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0019】
図1は、本発明の創傷用バッグを示す概略説明図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるX−X矢視断面図であり、(c)は(b)に示したシール手段の部分拡大図である。
なお、本実施形態では、図1(a)の状態を基準に上下前後左右の方向を定めて説明するものとする。
【0020】
≪創傷用バッグ1について≫
まず本発明の創傷用バッグの構成について説明する。
図1(a)に示すように、創傷用バッグ1は、主に、患部を覆うための袋状のカバー10と、患部をカバー10内に挿入するための開口部20と、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたシール手段30と、カバー10の内部を吸引手段に接続するための連通部40と、を備えて構成されている。
【0021】
<カバー10>
本実施形態における袋状のカバー10は、患部を覆うためのものであって、例えば、前後38cm×左右30cmの平面視矩形状に形成された2枚のフィルムの周縁を溶着することによって構成されている。
また、図1(a)に示すように、本実施形態におけるカバー10は、上下面を有している。
【0022】
カバー10のフィルムとしては、液体と空気の不透過性材料であり、陰圧時や装着時に皮膚を痛めない程度の柔軟性と、カバーを装着したまま活動しても破れない剛性とを備えたものであることが好ましい。また、皮膚の蒸れを防ぎ、傷を湿潤状態に保つため、適度な水蒸気透過性(透湿度)を備えていることが好ましい。
【0023】
具体的なフィルム材料としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メタクリル酸重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)等のオレフィン共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリウレタン;等を用いることが好ましい。
これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を使用してもよい。特にポリオレフィンもしくはその塩素化物、オレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリエステル又はポリアミドを材料とするものがより好ましい。
【0024】
フィルムの溶着方法としては、熱溶着、超音波溶着、高周波溶着によって溶着しても良いし、接着剤によって接着しても良い。
本実施形態においては、フィルムの4周縁を熱溶着することで、袋状のカバー10を形成している。
【0025】
また、本実施形態においては、カバー10全体が透明なポリエチレンシートで構成されている。しかし、これに限られるものではなく、一部又はすべてが不透明となっていても良い。なお、カバー10を透明にすることより、患部以外の患者の身体についても視野を確保できる。
【0026】
さらに、本実施形態においては、図1(b)に示すように単層構造としているが、強度の付加や高機能化のために多層構造としても良い。
【0027】
<開口部20>
開口部20は、図1(a)から(c)に示すように、患部を袋状のカバー10内に挿入するためのものであって、左右幅方向にわたって設けられている。本実施形態においては、袋状のカバー10の一方の面(図では上面)に、カバー10の内部に連通するように切り込みを設けることで開口部20が設けられている。より詳細には、この開口部20は、後記するシール手段30と、シール手段30が接合されたカバー10の上面とに跨って形成されている。また、本実施形態においては、切り込みの両端に円形の打ち抜きが設けられている。
なお、切り込みの長さは、使用する身体の個所によって適宜変更可能としてもよい。また、打ち抜き部の形状は円形に限られるものではなく、多角形状であってもよい。
【0028】
(液溜部25)
本実施形態においては、図1(a)、(b)に示すように、開口部20をカバー10の上面に設けている。これにより、カバー10の後側、即ち患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部が形成され、この中空端部が液溜部25として形成される。
なお、液溜部25の形状は、カバー10のフィルムの形状を変更することによって適宜変更可能である。また、液溜部25の容量は、カバー10に設ける開口部20の位置によっても、適宜変更可能である。
【0029】
<シール手段30>
シール手段30は、カバー10を身体に固着するために開口部20に設けられたものである。本実施形態におけるシール手段30は、1枚の貼付材300で構成されおり、図1(c)に示すように、貼付材300の下面(後記する支持体側)が両面テープTによってカバー10に接合された構成を備える。
【0030】
また、シール手段30は、図1(a)、(b)に示すように、3つの領域を構成している。ここで、特許請求の範囲に記載の第1〜3領域は、本実施形態における次の領域に相当する。
本実施形態にかかるシール手段30において、第1領域は、前後方向の長さがL2であって、左右幅方向にわたる領域である。また、第1領域は、貼付材30中央部に設けられている。第2領域は、第1領域の前側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL1であって、左右幅方向にわたる領域である。第3領域は、第1領域の後側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL3であって、左右幅方向にわたる領域である。
【0031】
[貼付材300]
本実施形態においては、貼付材300としては、図1(c)に示すように、基材310と、基材310の一面に形成された粘着剤層320と、粘着剤層320の表面に設けられた剥離シート330と、基材310の他面に仮着され、基材310よりも剛性の高い支持体340と、から構成されている。
【0032】
図1(b)、(c)に示すように、貼付材300は、前後方向L2の長さで左右幅方向にわたって両面テープTを介してカバー10に接合されている。
具体的には、本実施形態においては、貼付材300の前後方向L2の長さで左右幅方向にわたって支持体を剥がし、露出した基材310に両面テープTを貼付することで、カバー10と貼付材300とが接合されている。したがって、貼付材300は、前後の長さL1及びL3の長さにおいてカバー10と接合されておらず、可動させることができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、両面テープTの左右幅方向の長さは、開口部20の左右幅方向の長さよりも長いことが好ましく、より好ましくは、貼付材300が前後方向L2の長さで左右幅方向の全面にわたってカバー10と接合されていることが好ましい。
また、L1の長さ=L2+L3の長さとなっており、折り畳んだ際に貼付材300の周縁部が略一致するようになっている。したがって、L1とL2の境目が、貼付材300の前後方向における中心線と一致する。
さらに、L1の長さとL2+L3の長さとの関係については、どちらか一方が他方よりも長くてもよいが、等しいことがより好ましい。また、L1とL3の長さを両方とも長くすることによって、身体に貼付される領域が増えるため、より気密性を確保できるが、長すぎる場合には張りにくくなる虞があるため、適宜選択することが好ましい。
【0034】
[基材310]
本実施形態における基材310の形態としては、プラスチックフィルム、不織布、編布、織布等の繊維シート、フォームシート、紙等が挙げられ、これらの基材を単独で使用してもよいし、同一又は異なる種類の形態の基材をラミネートした積層構造の基材を使用してもよい。
【0035】
プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メタクリル酸重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)等のオレフィン系共重合体;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;シリコーン;等をあげることができる。
より好ましくは、水蒸気透過性が良好で、不感蒸散等を妨げることが少ないポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド等が好ましい。
なお、これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
【0036】
繊維シートの材料としては、例えば、綿、ビスコースレーヨン、ポリノジック、銅アンモニアレーヨン、リヨセル等のセルロース系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ビニロン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維等を利用できる。
これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混紡して使用してもよい。
【0037】
フォームシートの材料としては、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル、クロロプレンゴム、シリコーン等をあげることができる。
【0038】
紙としては、従来から知られている上質紙、クラフト紙、グラシン紙、コート紙等が使用できる。
【0039】
基材310の厚さとしては、10〜150μmの範囲が好ましく、特に15〜75μmの範囲がより好ましい。厚さが10μmより薄いと、基材310の強度が十分でなく、使用時に繰り返し摩擦によって破れる可能性がある。また、厚さが150μmより厚いと、嵩高になり身体に貼付したときに違和感が生じ、特に曲面部位への追従性が悪くなる恐れがある。
【0040】
本発明において用いる基材310の形態としては、貼付部位、すなわち身体に追従し得る柔軟性、伸縮性を有し、貼付部の観察が容易な透明又は半透明のプラスチックフィルムが好ましい。
【0041】
[粘着剤層320]
本実施形態における粘着剤層320としては、種々の感圧性粘着剤が使用でき、例えばアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系、天然ゴム系、合成ゴム系等の感圧性粘着剤が挙げられる。なかでも、アクリル系、シリコーン系が好ましい。
【0042】
また、これらの感圧性粘着剤に、カルボキシメチルセルロース、カラヤガム、ペクチン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の親水性高分子化合物を加えた、いわゆるハイドロコロイド粘着剤を使用することがより好ましい。
ハイドロコロイド粘着剤を使用することにより、汗や創傷からの滲出液等を吸収することができ、蒸れによるカブレや掻痒感を軽減することができる。
【0043】
粘着剤層320は、その厚さが5〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。また、粘着剤層320の塗工重量は、10〜500g/m2の範囲が好ましく、20〜150g/m2の範囲がより好ましい。
粘着剤層320の厚さ、塗工重量がこの範囲内にあることにより、貼付時に適度な粘着力を示し、皮膚に対する密着性及び追従性にも優れ、良好な透湿度を得ることができる。
【0044】
[剥離シート330]
本発明に用いられる剥離シート330としては、公知の剥離紙、剥離フィルムが利用でき、紙やフィルムの表面にシリコーン樹脂処理やフッソ樹脂処理等を施したものを利用できる。
【0045】
[支持体340]
本実施形態にかかる支持体340としては、基材310を貼付するときに基材310のしわ発生を防止する程度の硬さを有するものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル等のプラスチック材料、紙、不織布等が利用できる。
【0046】
この支持体340は、基材310の貼付時に基材310を定型状態に維持できれば必ずしも基材310の上面の全面を覆う必要はなく、例えば、基材310の周縁部だけを窓枠状に被覆し、基材310の中央部は被覆しない形態にすることもできる。
なお、支持体340を基材310に仮着する方法としては、接着、熱圧着、共押し出しによる仮着等、公知の方法を使用することができる。
【0047】
なお、シール手段30に用いられる貼付材300としては、身体への追従性、透湿性、気密性、粘着剤の皮膚に対する安全性のうち、透湿性、気密性、安全性を確保できるものであれば特に限定されるものではない。
【0048】
また、貼付材300は、本実施形態に示した構成に限られるものではなく、基材310と、基材310の一面に形成された粘着剤層320と、粘着剤層320の表面に設けられた剥離シート330と、を少なくとも備えるものであれば特に限定されるものではない。
【0049】
<連通部40>
連通部40は、カバー10の内部を吸引手段に接続するためのものであり、図1(a)に示すように、カバー10の右側長辺縁部の前側に設けられている。
また、本実施形態にかかる連通部40は、溶着されたカバー10の右側長辺縁部の一部を切り欠いた連通口41と、連通口41の開口径よりも大きい貼付材300aとで構成されている。
【0050】
なお、カバー10の形成の際に、フィルムの右側長辺縁部の一部を熱溶着しないことによって連通部40を形成しても良い。
また、本実施形態においては、吸引手段に接続するためのチューブが挿通できれば、連通口41の形状、大きさ及び位置は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。さらに、本実施形態における貼付材300aは、前記した貼付材300と構造が同じであるため、説明は省略する。
【0051】
本実施形態にかかる創傷用バッグ1は、さらに次のようなファスナー50を備える構成とすることが好ましい。
【0052】
<ファスナー50>
気密性のファスナー50は、シール手段30によってカバー10を身体に固定した後であっても、ファスナー50を開口することにより患部の処置を行いやすくするためのものである。
【0053】
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態にかかるファスナー50は、患部がファスナー50の直下にくるように、カバー10の略中央に設けられている。
なお、ファスナー50の位置としては、本実施形態に限られるものではなく、フィルムの前側短辺縁部や左右の長辺縁部に設けても良い。
また、ファスナー50としては、気密性、再封止可能であるものであれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、突起と溝をスライドして係合させるもの、粘着テープ、面ファスナー等があげられる。
【0054】
<ファスナー開口保持部材60>
ファスナー開口保持部材60は、ファスナー50を開いた際にファスナー50の開口の形状を維持するための部材であって、例えば、上下1cm×左右16cmの細長い平面視矩形状をした部材である。
本実施形態においては、図1(a)に示すように、ファスナー50の直下であって、左右幅方向にわたって設けられている。また、図1(b)に示すように、ファスナー50の前側及び後側にそれぞれ1つずつ設けられている。
【0055】
ここで、ファスナー開口保持部材60としては、変形可能であり、かつ、変形状態を保持できるものであることが好ましい。例えば、指で力を加えることによって塑性変形し、ファスナー開口の開閉状態を保持することができるものが好ましい。かかるファスナー開口保持部材60としては、例えば、樹脂製、紙製、金属性の材料を使用することができる。
【0056】
樹脂製の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの細線やプレートを使用した市販の樹脂製形状保持材、例えば、積水化学工業(株)製の超延伸シートや樹脂製形状保持テープ、三井化学(株)製の形状保持材、商品名「テクノロート(登録商標)」等を用いることができる。
【0057】
前者はポリオレフィン(PE,PP)を一軸方向に高倍率延伸した高強度・高弾性率のシートやテープである。また、後者のテクノロートは、例えば、直径0.67mmのポリエチレン細線を芯材とし、ポリエチレンを外装フィルムとして組み合わせてテープ状としたものであり、針金のように自在に折り曲げることができ、また、折り曲げ時の曲げ戻りもほとんどないのが特徴である。
前者および後者共に、用途に応じて、断面形状,形状保持性,強度等に関して種々のタイプがあるので、開口部の開閉操作とその際の形状保持のために、好適に利用できる。
また、別の樹脂製材料として、無機充填材を含有した樹脂製の材料を使用できる。この材料は、ポリオレフィン(PE,PP)樹脂に無機充填材(タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等)を混合した溶融樹脂を、押し出し又は延伸することにより形成することができる。このように無機充填材を樹脂に混合することで、樹脂にある程度の腰をもたせながら、開口部の開閉状態を維持できる塑性変形性、即ち形状保持機能を付与することができる。
【0058】
紙製の材料としては、形状保持機能を有する防水処理した紙製の材料を使用できる。防水処理としては、紙に疎水性の樹脂をコーティングする方法又は、樹脂製のフィルムやシートを紙に被覆又はラミネートする方法等が採用できる。このような処理をすることで、紙製のファスナー開口補助部材60が、滲出液の水分や洗浄時の水を吸収し、強度が落ちたり、破壊されたりすることを防ぐことができる。また、紙にファスナー開口補助部材60として取り扱い易い適度な腰を付与することができる。
【0059】
金属製の材料としては、例えばツイスト結束材、即ち細い金属線をビニル樹脂で被覆した線材(例えば(株)共和製の商品名「ビニタイ(登録商標)」、ユニオンプラスチック(株)製の商品名「クイックタイ」等)を使用することができる。
【0060】
なお、開口保持部材60としては、樹脂製又は紙製を使用するのが好ましく、樹脂製を使用することがより好ましい。
また、本実施形態におけるファスナー開口保持部材60は、粘着剤を介して着脱自在にファスナー50の周囲に設けられるように構成されているが、これに限られるものではなく、接着、粘着、溶着等の固定手段により設置してもよいし、ファスナー開口保持部材60の上から粘着テープで被覆して固定してもよい。
【0061】
≪創傷用バッグ1の使用方法≫
創傷用バッグ1の使用方法について、手に患部がある場合を例にとって説明する。
図2は、シール手段30によってカバー10を身体Bに固着するための方法を段階的に示した図である。
【0062】
まず、図2(a)に示すように、本実施形態にかかる貼付材300の後側の剥離シート330を剥がす。このとき、貼付材300の中央(図1(b)のL1とL2の境界に相当)には、左右幅方向にわたって剥離シートにスリットS(図1(c)参照)が設けられているため、後側半分の剥離シートだけを最初に剥がすことができる。
【0063】
後側の剥離シート330を剥がした後、カバー10内に連通する開口部20から身体Bをカバー10内に挿入する。このとき、開口部である切り込みの両端には円形の打ち抜きが設けられているため、患部を挿入する際にカバー10が裂けてしまうことを防止できる。このとき、打ち抜きの形状は多角形状であってもよいが、好ましくは円形である。
また、打ち抜きを設けず、スリットの両端部を他の粘着材(例えば、テープなど)で補強することで、カバー10が裂けてしまうことを防止してもよい。
【0064】
さらに、剥離シート330を剥がす前に、鋏等を用いて切り込みをさらに広げることで、挿入する身体Bの幅に合わせて開口部20の幅を変えてもよい。また、開口部20を、平面視円形等の形に加工してもよい。このようにすることで、患部をカバー内に挿入しやすくすることができる。
【0065】
本実施形態においては、貼付材300の剥離シート330の一部を剥がすことによって、粘着剤層320を介してカバー10を身体Bに仮着させることができるため、その後の操作でカバー10が適正な位置からずれてしまうことを防止できる。
なお、身体Bを挿入した後に、後側の剥離シート330を剥がしてもよい。このとき、剥離シート330にスリットを設けておくと、剥がしやすくすることができる。
【0066】
次に、図2(b)、(c)に示すように、貼付材300の前側の剥離シート330を剥がす。そして、貼付材300の中央(図1(b)のL1とL2の境界に相当)で折り曲げて折り畳むことによって、粘着剤層320同士を貼り合わせる。言い換えると、シール手段30の第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、第2領域と第3領域とを貼り合わせる。これにより、シール手段30を身体Bに密着させ、かつ、周囲を気密に保持することができる。
このとき、カバー10またはシール手段30に、患部または身体Bの載置目印(図示せず)を設けておくことによって、患部を適正な位置に導くことができる。載置目印は、例えば、手の前後左右の適正位置範囲を表示するマーキングとし、マーキングの形態は、必要に応じて、単純な線状マークや図形状マークなど種々のものが採用できる。
【0067】
本実施形態においては、カバー10と貼付材300を接合させた両面テープTの前側の長辺が、貼付材300の前後方向における中心線と一致するようになっているため、折り曲げやすい。
また、図1(b)に示すように、貼付材300は前後の長さL3においてカバー10には固着されていないため、貼付材300を重ね合わせた際に、2枚の貼付材300を上下方向から扱きやすくなっている。これにより、貼付材300をより身体Bに密着させることができるので、開口部20を気密に保持することができる。
なお、ここで「密閉」とは、吸引ポンプにより吸引した際に、カバー10内を周囲よりも低い圧力に維持できる程度に十分な気密性があることを意味する。
その後、シール手段30の支持体340を剥がすことで、身体Bへの追従性を良好にさせることができる。
【0068】
ここで、従来は、カバーのフィルムを手足の太さに合わせて折り畳んだ後に粘着テープによって密閉した場合においては、フィルムの厚さや場所などによって、うっ血や痛みが発生していた。また、輪ゴムで止めた場合においては、血流が止まってしまい、早期治癒の妨げとなっていた。
しかしながら、本実施形態のように、シール手段30によって身体Bにカバー10を固着することで、うっ血や痛みの発生を防止し、また早期治癒の妨げとなることもない。
【0069】
次に、ファスナー50を開き、患部上に傷を覆うための吸収パッド70を配置する(図3参照)。
【0070】
本実施形態においては、ファスナー50を開く際に、ファスナー開口保持部材60も指で押し広げる。このとき、ファスナー開口保持部材60は、カバー10のフィルム材質よりも硬いため(コシがあるため)、ファスナー50の開口形状を容易に保持することができる。
これにより、ファスナー50の開口形状を保持することができるので、両手で傷の処置を行ったり、患部の観察を行いやすくしたりすることができる。
なお、ファスナー開口保持部材60の形状は、本実施形態のような矩形状に限られるものではなく、例えば線状や波線形状など適宜変更可能である。また、本実施形態にかかる左右幅方向の長さが短い部材を複数設けることによって、ファスナー50の開口形状を保持できるようにしてもよい。
【0071】
ファスナー50の開口形状を保持した後、吸収パッドを創傷上に配置する。
ここで、吸収パッド70は公知の多孔質パッドであって、患部上に配置することにより、減圧時に発生するカバー10からの物理刺激を緩和するため適度なクッションとしての役割を果たす。また、滲出液を効率よく吸収するとともに、多孔質であることにより、均一な減圧を行うことができる。さらに、陰圧下では、カバー10のフィルム同士がくっついてしまう場合があり、カテーテルCにより効率よく吸引作業を行うことができないが、吸収パッド70を設けることにより空間を確保できるため、効率よく吸引作業を行うことができる。
【0072】
吸収パッド70としては、編布、織布、不織布などの繊維材料、フォーム材料等を用いることができる。また、繊維材料、フォーム材料としては、前記貼付材300(図1(a)参照)の基材と同様の材料を利用できる。
【0073】
なお、カテーテルCは吸収パッド70の上もしくは患部近傍に配置するこが好ましいが、滲出液の吸引及び患部を好適な陰圧下における位置であれば、カテーテルCの位置は特に限定されるものではない。
また、カテーテルCとしては、複数の開口をカテーテルの側面に設けたものを用いても良い。
【0074】
患部上に吸収パッド70を配置した後、一端が吸引手段に接続されたカテーテルCの他端を、連通部40の連通口41から引き入れ、吸収パッド70の上に置く。そして、ファスナー50を閉じる。このとき、ファスナー50とファスナー開口保持部材60とを指で押圧することによって、ファスナー50を密閉して閉鎖することができる。
なお、本実施形態においては、ファスナー開口保持部材60をファスナー50の直下に設置したが、ファスナー50の開口形状を維持できるのであれば、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。
【0075】
次に、連通部40の連通口41から引き出されたカテーテルCも同様にして、貼付材300aを貼り合わせる事により連通口41を密閉する。
本実施形態においては、カテーテルCの長さを十分に調節してから貼付材300aにより密着することができるので、カテーテルCの長さが足りなくなるという虞もない。また、カテーテルCの周囲を包むように密着させることができるので、気密性を確保することもできる。
このとき、貼付材300aよりもさらに大きい別の貼付材を設け、貼付材300aの上からさらに貼り合わせることによって、より気密性を確保できるようにしてもよい。
【0076】
そして、カテーテルの一端につながれた吸引手段によって、吸引を行う。このときの陰圧としては、大気圧から125mmHg程度減圧することが好ましいが、これに限られるものではなく適宜医療従事者の判断により変更可能である。
なお、陰圧閉鎖療法の施術方法については、適宜変更可能である。
【0077】
一方、リハビリを行う際には、吸引を解除し、大気圧に戻すかまたは加圧することによってカバー10内でリハビリを行う。
【0078】
ここで、リハビリ時に前腕を垂直方向に挙上すると、滲出液が開口部20側に垂れてくるが、本実施形態では後側(肘側)に設けられた液溜部25(図1(a)参照)に滲出液が溜まる。これにより、従来と比べ、粘着剤層に接触し続ける滲出液の量を減らせるため、粘着力の低下を防ぐことができる。
また、滲出液が液溜部25に溜まることで、従来のように、腕の周りに常に滲出液が溜まるようなことがない。これにより、患者の不快感を取り除ける。
さらに、液溜部25に溜まった滲出液は、例えば、従来設置することができなかったカバー10の後側周縁部に排出口を設けることができる。これにより、リハビリを行いながら滲出液などを適宜排出することができる。
【0079】
また、一時的に陰圧を解放し、吸収パッド70の取替えや患部の処置を行う際は、ファスナー50を開けることで容易に行うことができる。これにより、一度取り付けた創傷用バッグ1を、吸収パッド70の取替えや患部の処置を行う度に交換する必要がないため、経済的である。
さらに、本実施形態にかかるファスナー開口保持部材60は着脱自在に構成されており、患者の滲出液などによっても汚染されることがないため、創傷用バッグ1を交換した場合にも繰り返し使え、経済的である。また、ファスナー開口保持部材60が金属製である場合には、創傷用バッグ1をゴミ処理する際に分別を行いやすくすることができる。
【0080】
(第2実施形態)
本発明においては、シール手段30aの形状を図4に示すようにしてもよい。
ここで、図4は、第2実施形態にかかる創傷用バッグ1を示す概略説明図であって、(a)は使用前の状態を示す斜視図であり、(b)は使用中の状態を示す斜視図である。
なお、第2実施形態では、図4(a)の状態を基準に上下前後左右の方向を定めて説明するものとする。
【0081】
図4(a)に示すように、第2実施形態にかかる創傷用バッグ1のシール手段30aは、前記実施形態にかかるシール手段30(図1(a)参照)と異なり、シール手段30aの左右幅方向の長さが、カバー10の左右幅方向の長さよりも長く形成されている。
【0082】
ここでシール手段30aは、図4(a)に示すように、3つの領域を構成している。
第2実施形態にかかるシール手段30において、第1領域は、前後方向の長さがL2であって、左右幅方向の長さがL4となっている領域である。第2領域は、第1領域の後側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL3であって、左右幅方向の長さがL4となっている領域である。第3領域は、第1領域及び第2領域の右側に隣接した領域であり、前後方向の長さがL1であって、左右幅方向の長さがL5となっている領域である。
【0083】
また、シール手段30aは前記実施形態と同じく、両面テープ(図示せず)を介して、カバー10に接合されている。
より詳しくは、シール手段30aは、両面テープTを介してカバー10(図では上面)と第1領域とが接合されている。一方、第2領域及び第3領域は、カバー10と接合されていないため可動させることができる。
【0084】
さらに、開口部20は、前記実施形態と同様、シール手段30aと、シール手段30aが接合されたカバー10の上面とに跨って形成されている。
【0085】
ここで、L1の長さとL2+L3の長さの関係は、L1の長さ≧L2+L3の長さであることが好ましく、より好ましくはL1の長さがL2+L3の長さよりも10mm前後長いことが好ましい。また、左右幅方向の長さの関係は、L4=L5となっているのが好ましい。
なお、第2実施形態においては、図4(b)に示すように、前後方向におけるL2+L3の長さはL1の長さと等しくなっている。また、左右幅方向における長さL4はL5の長さと等しくなっている。
【0086】
第2実施形態の使用方法について説明する。
なお、使用方法については、患部をカバー10内に挿入するところまでは前記実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
医療従事者は、カバー10内に患部を挿入した後、シール手段30aにかかる第3領域の剥離シートを剥がし、第3領域の粘着剤層と第1及び第2領域の粘着剤層が貼り合わされるように右から左に向かって張り合わせていく。言い換えると、図4(b)に示すように、シール手段30aの第1領域と第3領域とを貼り合わせ、かつ、第2領域と第3領域とを貼り合わせる。これにより、シール手段30aを身体Bに密着させ、かつ、周囲を気密に保持することができる。
【0088】
このとき、シール手段30aの左右幅方向の中心には、上下方向にわたって剥離シートにスリット(図示せず)を設けてあるので、第1及び第2領域の剥離シートと、第3領域の剥離シートをそれぞれ別々に剥がすことができる。これにより、第3領域の剥離シートを徐々に剥がしていきながら第1及び第2領域の粘着剤層と貼り合わせることができるので、よりシール手段30aを身体Bに密着して張り付けることができるとともに、気密性を高めることができる。また、シール手段30aの貼付材を一気に剥がさずにすむため、粘着剤層が予期しない箇所にくっつくことを防止することができる。
【0089】
また、第2実施形態においては、カバー10とシール手段30aを接合させた両面テープの右側の短辺が、シール手段30aの左右幅方向における中心線と一致するようになっているため、折り曲げやすい。
さらに、第2実施形態においても第2領域がカバー10に接合されていないため、第3領域を貼りあわせた後であっても、可動させることができる。
【0090】
その後、前記実施形態と同様に、患部に対して負圧をかけることによって陰圧閉鎖療法の施術を行うことができる。
【0091】
なお、第3領域の面積が第1領域及び第2領域の面積よりも大きい場合には、はみ出した領域がカバー10にも接合するため、より気密性を高めることができる。
【0092】
(第3実施形態)
本発明においては、図1(a)のように連通口41を2枚の貼付材300aによって挟み込むのではなく、例えば1枚の貼付材によってカテーテルを保持しても良い。
【0093】
図5(a)に示すように、第3実施形態にかかる創傷用バッグ1の貼付材300bは、前記したシール手段30(図1(a)参照)と同じように、左右幅方向L2aの長さで前後方向にわたって両面テープ(図示せず)によってカバー10に接合されている。したがって、貼付材300bは、左右幅方向の長さL1a及びL3aの長さにおいてカバー10と接合されておらず、可動させることができる。
【0094】
ここで、貼付材300bは、図5に示すように、3つの領域を構成している。
第3実施形態にかかる貼付材300bにおいて、第1領域は、左右幅方向の長さがL2a、前後方向の長さがt1となっている領域である。また、第1領域は、貼付材300bの中央部に設けられている。第2領域は、第1領域の右側に設けられた領域であり、左右幅方向の長さがL1a、前後方向の長さがt2となっている領域である。第3領域は、第1領域の左側に設けられた領域であり、左右幅方向の長さがL3a、前後方向の長さがt1となっている領域である。
なお、第3実施形態にかかる貼付材300bの基本的な構成は、前記したシール手段30と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
また、第3実施形態にかかる貼付材は、図5(a)に示すように、カバー側(L2a+L3a側)の貼付材300bの前後方向における幅t1と、カバー10の縁部から突出した側(L1a側)の貼付材300bの前後方向における幅t2の長さが異なっている。
さらに、カテーテルCをカバー10内に導入するための平面視円形の連通口41が、貼付材300b上に設けられている。
【0096】
ここで、L1aの長さとL2a+L3aの長さの関係は、L1aの長さ≧L2a+L3aの長さであることが好ましく、より好ましくはL1aの長さがL2a+L3aの長さよりも10mm前後長いことが好ましい。
また、t1とt2の幅の関係は、t2≧t1となっているのが好ましく、より好ましくは、t1の幅から前後及び左方向において、それぞれ5mm以上長いことが好ましい(図5(b)参照)。
【0097】
第3実施形態においては、カテーテルCをカバー10内に導入するための円形の連通口41が、貼付材300b上に設けられている。
より詳しくは、連通口41は両面テープによってカバー10に接合された領域(左右幅方向L2a×幅t1の領域)の中央に設けられている。そして、カバー10、カバー10と貼付材300bを接合している両面テープ(図示せず)及び貼付材300bに連通するように設けられている。
【0098】
また、第3実施形態においては、連通口41は平面視円形で構成されているが、これに限られるものではなく、多角形状であってもよい。なお、カバー10を裂けにくくするためには、円形であることがより好ましい。
【0099】
第3実施形態の使用方法について説明する。なお、使用方法については、前記したシール手段30の使用方法とほぼ同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
第3実施形態では、患部上に設けた吸収パッド70(図3参照)上に、連通口41から挿入したカテーテルCを載置する。このとき、カテーテルCはシール手段30(図1(a)参照)と同じように、貼付材300bの粘着剤層によって仮着されるため、カテーテルCのずれを防ぐことができる。なお、連通口41の周囲にある貼付材300bの剥離シートにスリット(図示せず)を設けることで、剥離シートを剥がしやすくすることがより好ましい。
【0101】
図5(b)に示すように、第3実施形態においては、連通口41から出ているカテーテルCを、カバー10の中心側(縁部と反対側;左側)にひきだした状態で、貼付材300b同士を貼りあわせてカテーテルCを固定する。言い換えると、シール手段30の第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、第2領域と第3領域とを貼り合わせる。これにより、カテーテルCに不意に力がかかったような場合でも、カテーテルCと貼付材300bとの間に隙間ができないため、気密性が解除されるのを防止することができる。
【0102】
図5(a),(b)に示すように、第3実施形態においては、上下方向t2の長さがt1の長さよりも長く、かつ、左右幅方向の長さL1aの長さがL2a+L3aよりも長く形成されているため、カテーテルCを十分に被覆できる。このような構成とすることで、カテーテルCを気密に被覆することができるだけでなく、カバー10側の貼付材と貼りあわされていないはみ出した粘着剤層がカバー10と貼り合わされて、カテーテルCをカバー10に強く保持することができる。これにより、突発的な力がカテーテルCにかかった場合であってもカテーテルCがカバー10に保持されているため、カテーテルCと貼付材300bとの間に隙間ができることを防止できる。
【0103】
なお、貼付材300bが気密性を十分に確保できる大きさであれば、t2=t1、かつ、L1a=L2a+L3aであってもよい。
また、カバー10の縁部から突出した側(L1a側)の貼付材300b、カバー10側(L2a+L3a側)の貼付材300bと同じ大きさの粘着剤層を露出させることができるよう、剥離シートにスリットを設けてもよい(図示せず)。かかる構成にすることで、カテーテルCを接合したあとも、貼付材300bを動かすことができるので、カテーテルCが急に引っ張られた場合には、貼付材300bが動くことで衝撃を緩和し、カテーテルCがカバー10から外れることを防ぐことができる。
【0104】
第3実施形態においては、図5(a),(b)に示すように、連通口41を一つしか設けていないが、貼付材300bを複数設けることによって、連通口41を複数設けてもよい。これにより、医療従事者は好きな位置からカテーテルCを挿入することができるので、患部の位置によってカテーテルCを挿入する連通口41を選択できる。
また、一つの連通口41に差し込まれたカテーテルCから、生理食塩水や薬剤等を流し込み、別の連通口41に設けられたカテーテルCから注入液を排出してもよい。
なお、連通口41を複数設けた場合には、貼付材300bを貼り合わせることによって連通口41を塞ぐか、再貼付・剥離可能な別部材の貼付材(図示せず)によって塞いでもよい。別部材で塞いだ場合には、次回使用する際に再度使用することができるため、経済的に好ましい。
【0105】
(第4実施形態)
さらに、本発明においては連通口41に排出口具42を設けてもよい。
【0106】
第4実施形態にかかる創傷用バッグ1は、図6に示すように、貼付材の代わりに排出口具42を備えている。
ここで、排出口具42は、栓42aと口具本体42bとから構成されている。また、栓42aは口具本体42bから着脱自在となっている。
【0107】
さらに、第4実施形態においては、口具本体42bとカバー10内に設けられたドレナージチューブDとが着脱自在に設けられている。
かかる構成とすることで、ドレナージチューブDを着脱自在に使用することができるため、本発明にかかる創傷用バッグ1は、滲出液や創傷の状況に応じて、陰圧閉鎖療法用具または排液管理用具として使い分けることができる。
なお、本実施形態においてはドレナージチューブDを用いた場合について説明しているが、これに限られるものではなく、他のカテーテルを用いても良い。
【0108】
滲出液等は患部を適度な湿潤環境に保つことができるので、早期治癒に役立つが、過剰な滲出液等は雑菌等の繁殖の温床となってしまうため、早期治癒の妨げとなる。そこで、カバー10内に滲出液等が溜まった場合には、排出口具42から過剰な滲出液等を外部に排出し、適度な湿潤環境を保つことが好ましい。
【0109】
例えば、吸引手段と接続されたカテーテルCを、コネクターJを介して口具本体42bと接続することによって、過剰な滲出液を排除することができるとともに、陰圧閉鎖療法を施術することができる。
【0110】
また、ドレナージチューブDを外した状態において、カバー10内に滲出液が溜まった場合には、排出口具42の栓42aを排出口具本体42bから外すことで、カバー10内に溜まった滲出液等を外部に排出することができる。さらに、排出口具本体42bに直接チューブの一端をつなげ、他端に排液バッグを接続することで、自然落下によって、カバー10内の滲出液等を図示しない排液バッグに導く構造とすることもできる。
【0111】
本発明においては、陰圧閉鎖療法用具または排液管理用具として使用するだけでなく、創洗浄用バッグとして使用することもできる。
【0112】
例えば、褥瘡等においては、壊死した組織からは滲出液の滲出が起こらず、患部を湿潤環境に保つことができない。そのため、治癒が促進されないといった問題がある。
そこで、壊死組織を手術によって除去した後、傷用手当用具に患部を入れ、湿潤環境を維持することで治癒の促進を図ることができる。
【0113】
湿潤環境下にする方法としては、例えば2つの連通口41(図1(a)参照)を設け、一方から生理食塩水等の液体を供給し、他方から排液等を排出する構成にすることで、湿潤環境を作り出すことができる。
これにより、排液量が多い場合には連通口41から排液を吸引し、患部が乾いている場合には、連通口41から生理食塩水等を加えて、湿潤環境を作り出すことも可能である。
さらに、生理食塩水等を流すことによって、壊死した組織を洗い流すことができるので、早期治癒を図ることができる。
なお、創傷用バッグ1に連通口41(図1(a)参照)を複数設ける以外にも、連通口41に複数本のカテーテルCを挿入することで、対応しても良い。
【0114】
ここで、供給する液体としては、生理食塩水に限られず、例えば、血小板溶解液、血漿、あるいは血清などの自家、同種又は異種の血液又は血液製剤、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内成長因子(VEGF)、形質転換成長因子α(TGFα)、あるいは形質転換成長因子β(TGFβ−1、2、あるいは3)、塩基性線維芽成長因子(FGF2としても知られたb−FGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)などの精製された天然タンパク質または組換え生成されたタンパク質の成長因子;インシュリン様成長因子−1(IGF−1)及びケラチノサイト成長因子2(KGF2(FGF7としても知られている));
インターロイキン1β(IL1β)又はインターロイキン8(IL−8)などの精製された天然タンパク質又は組換え生成されたタンパク質サイトカイン、その他の生理活性剤、及びそれらを組み合わせたものを供給することができる。
【0115】
また、メタロプロテアーゼ(TIMP1〜4)及びα1−抗トリプシン(AAT)の組織阻害剤、アプロチニン、α−2−マクログロブリンなどの、精製された天然タンパク質または組換え生成されたタンパク質のタンパク質分解酵素阻害剤;
マトリクスメタプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、好中球エラスターゼ、トロンボスポンジンまたはカリスタチンなどの新血管形成(血管形成)の阻害剤の阻害剤などの、創傷滲出物からの創傷治癒に有害なプロセスまたは物質を抑制または不活化する不適切なレベルの抗体または化学合成された分子;及び
それらを組み合わせたものを供給しても良い。
【0116】
かかる実施形態により、患部を適度な湿潤環境におくことができるため、早期治癒を図ることができる。
【0117】
第4実施形態においては、滲出液などの量に応じて吸引手段を使用するかどうかを選択することができる。
また、ドレナージチューブDと排出口具42を接続する間に逆流防止弁を設けることにより、吸引手段によって吸引した後に、吸引手段を取り外しても、カバー10内を陰圧に保つことができる。
さらに、逆流防止弁の向きを変えることによって、カバー10内を加圧した際に、カバー10内を加圧した状態で維持することができる。これにより、リハビリを行いやすくすることができる。
【0118】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の創傷用バッグ1の構成について、図7の斜視図により説明する。
図7の実施形態においては、開口部20がカバー10の上面に形成されている点で図1の実施形態と同じであるが、シール手段30が、開口部20に隣接する周囲部分を除いて、カバー10の上面に接合されている点で、図1の実施形態とは異なる。即ち、図7の実施形態のシール手段30は、開口部20の隣接する周囲部分に、窓が開けられた構成を有している。
第5実施形態によっても、粘着力の低下および滲出液の漏れを防止するとともに、患部以外の身体に滲出液が触れることによる不快感を軽減することができる。
【0119】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、開口部をカバーに2箇所設けることにとによって、スリーブ状の創傷用バッグとすることもできる。
このような構成とすることで、肘や膝などの関節部における創傷においても、患部以外の身体を拘束することなく陰圧閉鎖療法が実施できる。また、開口部をカバーの側面に設けることによって、スリーブ状の創傷用バッグにおいては液溜部が2箇所できる。これにより、どちらかの液溜部に滲出液が溜まるので、リハビリの体位によらず、用いることができる。
【0120】
なお、第3実施形態においては、変形膝関節症における膝関節全置換術後のドレナージ管理や、骨髄炎患者の閉鎖式持続洗浄法に用いることもできる。
第3実施形態にかかる傷用手当用具は、患部を外気から遮断し、気密に保護することができるため、感染症の虞を低減させることができる。また、医療従事者が患部の状態や滲出液等の量を視認しやすく、適切な処置を行うことができる。
【0121】
また、第1実施形態においては、1枚の貼付材を用いてシール手段を形成したが、これに限られるものではなく、例えば、2枚の貼付材をカバーに貼り合わせる事で形成してもよい。
【0122】
さらに、本発明においては、開口補助手段を設けてもよい。例えば、開口部付近に紐等を設置しておき、これを引っ張りあげることにより開口部を開く構成を設けてもよい。
このとき、好ましい紐の位置としては、患部挿入の際に邪魔にならない位置であって、開口部周囲に設置することが好ましい。より好ましくは、カバーに接合されているシール手段の領域であって、開口部よりも患部挿入方向側(手の場合であれば指側)に設けられていることが好ましい。
【0123】
また、開口補助手段としては、紐に限られず、引っ張りあげることで開口部を開くことができる強度を有するものであれば、特に限定されるものではない。
かかる構成により、開口部を広げる際に、カバー内や粘着剤層が汚染されることがなく清潔に保つことができる。また、剥離シートを剥がすことで晒された粘着剤層が、予期せぬところでくっついてしまう虞もない。
なお、開口補助手段の数や位置は適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】第1施形態にかかる創傷用バッグの概略説明図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)のX−X矢視図、(c)は(b)のシール手段の部分拡大図である。
【図2】第1実施形態にかかるシール手段によって、カバーを身体に固着するための方法を段階的に示した説明図である。
【図3】第1実施形態にかかる使用状態を示す部分切り欠き説明図である。
【図4】第2実施形態にかかる創傷用バッグの概略説明図であって、(a)は使用前の状態を示す斜視図、(b)は使用中の状態を示す斜視図である。
【図5】第3実施形態にかかる連通部の構造を示す部分拡大図である。
【図6】第4実施形態にかかる連通部の構造を示す部分拡大図である。
【図7】第5実施形態にかかる創傷用バッグの概略説明用の斜視図である。
【符号の説明】
【0125】
1 創傷用バッグ
10 カバー
20 開口部
25 液溜部
30,30a シール手段
300,300a,300b 貼付材
310 基材
320 粘着剤層
330 剥離シート
340 支持体
40 連通部
41 連通口
42 排出口具
42a 栓
42b 口具本体
50 ファスナー
60 ファスナー開口保持部材
70 吸収パッド
B 身体
C カテーテル
D ドレナージチューブ
J コネクター
S スリット
T 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、
前記シール手段は、カバーに接合され、
前記開口部は、前記シール手段と前記カバーとに跨って形成されたことを特徴とする創傷用バッグ。
【請求項2】
患部を覆うための袋状のカバーと、前記患部を前記カバー内に挿入するための開口部と、前記カバーを身体に固着するために前記開口部に設けられたシール手段と、前記カバーの内部を吸引する吸引手段に接続するための連通部と、を備える創傷用バッグにおいて、
前記カバーは上下面を備えており、
前記開口部は、カバーの上面および/または下面に形成されており、
前記シール手段は、前記開口部に隣接する周囲部分を除いたカバーの上面および/または下面に接合されていることを特徴とする創傷用バッグ。
【請求項3】
前記袋状のカバーは、前記患部挿入側の端部が閉じられることで中空端部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の創傷用バッグ。
【請求項4】
前記シール手段は、第1領域、第2領域および第3領域に分けられた貼付材であって、
前記第1領域は、中央に前記開口部を有するとともに、前記第2領域及び前記第3領域と隣接しており、
前記第1領域と第2領域とを貼り合わせ、かつ、前記第2領域と第3領域とを貼り合わせることによって身体に前記カバーを固着させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項5】
前記中空端部は、患部からの滲出液に対する液溜部として構成されたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の創傷用バッグ。
【請求項6】
前記開口部を2つ以上設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項7】
前記袋状のカバーに気密性のファスナーを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項8】
前記創傷用バッグの少なくともいずれかの部材に患部の載置目印を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項9】
前記開口部に開口補助手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項10】
前記シール手段が、2枚以上の貼付材から構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項11】
前記液溜部に排液口を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項12】
前記連通部は排出口具を備え、前記排出口具は、前記袋状のカバー内に設けたドレナージチューブと着脱自在に接続される機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の創傷用バッグ。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の創傷用バッグを用いたことを特徴とする排液管理用具。
【請求項14】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の創傷用バッグを用いたことを特徴とする陰圧閉鎖療法用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−148409(P2009−148409A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328581(P2007−328581)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000151380)アルケア株式会社 (88)
【Fターム(参考)】