創造玩具作成用シート、創造玩具箱体、及び創造玩具
【課題】創造玩具の使用において構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得る。
【解決手段】紙などの折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートSm,Sjであって、複数の折り曲げ線部LBを折り曲げて立体的に組み立て加工することにより所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有する被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持し、所定の把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有する把持連結部が形成される各部折り曲げ線部LB及び切り込み線8を有する。
【解決手段】紙などの折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートSm,Sjであって、複数の折り曲げ線部LBを折り曲げて立体的に組み立て加工することにより所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有する被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持し、所定の把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有する把持連結部が形成される各部折り曲げ線部LB及び切り込み線8を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の箱体を連結させることで構造体を作成する創造玩具、この創造玩具を構成する要素体の創造玩具箱体、及びこの創造玩具箱体を作成するための創造玩具作成用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
創作者の創造力を刺激し育む玩具として、複数の構成要素体を機械的に連結させて任意の形状の構造体を作成させる創造玩具がある。この創造玩具の一例として、従来、例えば文献1記載の空間格子連結玩具がある。
【0003】
この空間格子連結玩具では、構成要素体として予め全体の形状が直方体や菱形12面体などに形成された立体物が用意されており、またそれら立体物には予め突起部やこの突起部を嵌合させて固定する嵌合部が形成されている。そしてこれら立体物が相互に突起部と嵌合部を嵌合させて連結することで、任意の形状の構造体を作成できるようになっている。
【特許文献1】特開平11−197369号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、構造体を構造化する歓びは得られるものの、各構成要素体自体が予め立体物として用意されているため、平面物から立体物を立体化する歓びまでは得られないものであった。
【0005】
本発明の目的は、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることのできる創造玩具、創造玩具箱体、及び創造玩具作成用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明の創造玩具作成用シートは、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートであって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立て加工することにより被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具でありながら、それら部材を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0008】
第2発明は、上記第1発明において、前記被把持連結部は所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有し、前記把持連結部は前記把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有していることを特徴とする。
【0009】
これにより、平面形状の作成用シートから容易な加工によって被把持連結部と把持連結部とを形成することができる。
【0010】
第3発明は、上記第2発明において、前記連結加工部が、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有することを特徴とする。
【0011】
組み立て時に引き込み部をその近傍の折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げることで、当該折り曲げ線部において形成される角部に容易に把持連結部を形成することができる。
【0012】
第4発明は、上記第2発明又は上記第3発明において、組み立て状態の前記被把持連結部又は前記把持連結部は、前記外側縁部又は前記内側縁部にそれぞれ隣接して前記把持幅で離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることを特徴とする。
【0013】
これにより、把持連結部による被把持連結部の把持を安定させて連結を確実にすることができる。
【0014】
第5発明は、上記第2発明において、前記把持連結部が所定の壁面部において前記被把持連結部を挿入可能に形成した把持孔を有し、この把持孔に前記被把持連結部を挿入した状態では、前記把持孔が備える前記内側縁部が前記被把持連結部の前記外側縁部又は前記把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することを特徴とする。
【0015】
被把持連結部を挿入可能に形成された把持孔の縁部のうちの対向する2つの縁部が、把持幅で離間して平行な配置の内側縁部として形成されるため、この把持孔に被把持連結部を挿入した状態では、把持孔の内側縁部が被把持連結部の被把持連結部の外側縁部及び把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することができる。これにより、壁面部の中央部分に垂直な方向で被把持連結部を連結することができる。
【0016】
第6発明は、上記第5発明において、前記把持孔が前記被把持連結部をその挿入方向周りの複数の回転角度で挿入可能に形成されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、把持孔における被把持連結部との連結態様の自由度を増大させることができる。
【0018】
第7発明は、上記第5発明又は上記第6発明において、組み立て状態では、前記把持孔が形成されている壁面部に対向する配置で、前記把持孔に挿入した前記被把持連結部の挿入方向先端部分に当接する当接面部を有していることを特徴とする。
【0019】
把持孔に挿入した被把持連結部の挿入方向先端部分をこの当接面部に当接させることで、把持孔による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0020】
第8発明は、上記第7発明において、前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有し、前記当接面部は前記引き込み部の縁部に支持されることを特徴とする。
【0021】
組み立て状態で当接面部が引き込み部の縁部に支持されて安定して位置決めされていることにより、把持孔に挿入された被把持連結部の挿入方向先端部分からの当接を確実に受け止めることができる。
【0022】
第9発明は、上記第8発明において、所定の第1壁面部の一辺に形成された挿入片部と、この挿入片部を挿入するための挿入孔が形成された挿入面部とを有し、この挿入面部は所定の第2壁面部の一辺から折り曲げて形成されるとともに支持部を介して前記当接面部と一体に形成されていることを特徴とする。
【0023】
組み立て状態で挿入面部が所定の第1壁面部の一辺から折り曲げられて形成されるとともに、安定して位置決めされている当接面部と支持部を介して一体に形成されていることにより、挿入面部は側方壁面部から所定の折り曲げ角度で折り曲げられた状態が維持され、挿入面部に形成されている挿入孔を挿入片が容易に挿入できる開口状態に維持させることができる。
【0024】
第10発明は、上記第1乃至第9発明のいずれか1つにおいて、多角柱形状又は多角錐形状に組み立てられる場合の全ての側方壁面部が、展開状態では前記折り曲げ線部を介して連続して配置されており、組み立て状態では連続した配置の両端に位置する同一形状の2つの側方壁面部が重なり合うように組み立てられることを特徴とする。
【0025】
これにより、箱体の態様で組み立てられる多角柱形状又は多角錐形状の箱体が容易に分解するのを防ぐことができる。また、重なり合う2つの側方壁面部が同じ形状に形成されているため、組み立て状態においてそれぞれに形成される把持連結部の内部の空間は塞がれることなく被把持連結部を把持することができる。
【0026】
第11発明は、上記第1乃至第10発明のいずれか1つにおいて、組み立て状態で前記把持孔が形成されている壁面部に重なるよう配置される補強面部を有し、この補強面部には前記把持孔の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする。
【0027】
組み立て状態において補強面部が壁面部に重なるように配置されることにより、補強面部は壁面部の強度を補強し変形するのを防ぐことができる。また、壁面部に形成されている把持孔の少なくとも一部が補強面部に形成されていることで、補強面部が壁面部に重なっても壁面部の把持孔が塞がれることなく被把持連結部を挿入させて把持することができる。
【0028】
第12発明は、上記第1発明、上記第2発明又は上記第4発明のいずれか1つにおいて、組み立て状態では略全体が前記被把持連結部を形成することを特徴とする。
【0029】
作成用シートを立体的に組み立てることで略全体が被把持連結部を形成する部材を作成することができるため、これを介在させて把持連結部を有する部材どうしを機能的に連結させることができる。
【0030】
上記目的を達成するために、本願第13発明の創造玩具箱体は、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される創造玩具箱体であって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで形成される、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部の少なくともいずれか一つを有することを特徴とする。
【0031】
本願第13発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具の箱体でありながら、それら箱体を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0032】
上記目的を達成するために、本願第14発明の創造玩具は、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される箱体を複数個備える創造玩具であって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで略全体が被把持連結部を形成する被把持箱体と、組み立て状態では前記被把持連結部を把持する把持連結部を少なくとも一つ備える本体箱体とを有することを特徴とする。
【0033】
本願第14発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具でありながら、それら部材を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を紙材料からなる創造玩具に適用した例である。
【0036】
本実施形態の創造玩具は、複数個の部材どうしを連結させてより大きな構造体を組み上げる(構造化する)ものであり、以下においては基本的な構成の部材である基本モジュールについて説明する。
【0037】
図1は、本実施形態の創造玩具の一部材である基本モジュールを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【0038】
この図1において、作成用シート(創造玩具作成用シート)Smは、組み立てに十分な強度を有する厚さの平面のボール紙(正確な折り曲げが可能であれば薄い段ボール紙などでもよい)からなり、各所にエンボス加工された折り曲げ線部LBを折り曲げることにより創造玩具の一部材であるこの例の基本モジュール(後述の図5参照)を立体的に組み立てることのできる原型物である。
【0039】
この作成用シートSmは、図示するように、直列に連続して配置されている5つの略正方形(正確には略H字型形状;詳しくは後述する)の側方壁面部(壁面部)1A,1B,1C,1D,1Eを有している。また、図中の最も上方の端に位置する側方壁面部1Aに対して、図中の左側と右側にそれぞれ位置する2つの端壁面部(壁面部)2を有し、さらに左側の端壁面部2の図中左側の辺と、右側の端壁面部2の図中右側の辺とにそれぞれ挿入片部3を有している。
【0040】
また、図中の上から2番目に位置する側方壁面部1Bに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ半補強面部(補強面部)4を有している。
【0041】
また、図中の上から3番目に位置する側方壁面部1Cに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ挿入面部5を有し、さらに左側の挿入面部5の図中左側の辺と、右側の挿入面部5の図中右側の辺にそれぞれ支持部6を有し、さらに左側の支持部6の図中左側の辺と、右側の支持部6の図中右側の辺にそれぞれ当接面部7を有している。
【0042】
また、図中の上から4番目に位置する側方壁面部1Dに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ半補強面部(補強面部)4を有している。そして、上記5つの側方壁面部1A〜1Eどうし、及び図中の左右方向に隣接する各部どうしは折り曲げ線部LBを介して接続し、全ての各部が一体に形成されている。
【0043】
隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の折り曲げ線部LBには、それぞれ直交する2本の切り込み線8が形成されており、対となる2本の切り込み線8の間は把持幅Whで離間する配置となっている。また、これら対となる2本の切り込み線8はそれぞれ側方壁面部1A〜1Eの図中の左右の辺から把持幅Whで離間しており、すなわち対となる2本の切り込み線8は一つの折り曲げ線部LBを3等分する配置で形成されている。また、対となる2本の切り込み線8は同じ長さであり、それぞれの中央の位置で折り曲げ線部LBと直交している。さらに、対となる2本の切り込み線8の両端どうしをむすぶように折り曲げ線部LBが形成されており、これら対となる2本の切り込み線8とそれらの両端を結ぶ折り曲げ線部LBで囲む領域が引き込み部9を形成する。そして、各側方壁面部1A〜1Eはこれら引き込み部9を除いた略H字型の形状で形成されており、両端の2つの側方壁面部1A,1Eの自由端においては引き込み部9に相当する部分を取り除いた切り欠き形状に形成されている。
【0044】
2つの端壁面部2にはそれぞれ把持孔10が形成されており、また2つの挿入面部5にはそれぞれ挿入孔11が形成されている(各部の詳細な説明は後述する)。
【0045】
また、作成用シートSm全体は図1に示す例の表面が白色に、裏面が黒色に着色されており(図1中では白色の表面のみ示している)、表面と裏面を逆にしても同じ工程で立体的に同じ形状の基本モジュールM(後述の図5参照)を組み立てる(つまりリバーシブルで組み立てる)ことができるようになっている。この場合には、表面と裏面が逆になっている基本モジュールM同士で各部における配色が白と黒で逆になり、基本モジュールMのカラーリングに2通りのバリエーションを与えることができる。
【0046】
そして、図1に示す例において、白色の表面に対し、各引き込み部9の中央の折り曲げ線部LBと、各支持部6とそれらに隣接する当接面部7との間の折り曲げ線部LBとを谷折りで折り曲げ、他の折り曲げ線部LBを山折りに折り曲げて所定の工程を経ることで、外表面が白色で略立方体の箱体である基本モジュール(創造玩具箱体、本体箱体;後述の図5参照)Mを立体的に組み立てる(立体化する)ことができる。図2はその組み立ての途中の状態を示す図であり、図中の上面として示している黒色の面(図中の斜線部分)は基本モジュールMの内側の面となって、組み立て状態では外観からほとんど見えなくなる。
【0047】
図3(a)は、組み立ての最終工程の状態となっている基本モジュールMを斜視で示す図であり、図3(b)は図3(a)中に示すX部を拡大して示す図である。なお、特に詳しく図示していないが、上記図1中で連続して配置される5つの側方壁面部1A〜1Eのうちで最も上方に位置する側方壁面部1Aが最も下方に位置する側方壁面部1Eを外側から覆うように重なり、それによって各側方壁面部1A〜1Eが四角筒形状となって立方体形状の基本モジュールMにおける四方の側壁を形成している。ここで、前述したように全ての側方壁面部1A〜1Eは同じ形状に形成されているため、重なる2つの側方壁面部1A,1Eも完全に一致する配置で重なることになる。このように2つの側方壁面部1A,1Eが重なり合っていることで、箱体である基本モジュールMが容易に分解するのを防ぐことができる。
【0048】
そして、図3(a)に示す例において、図中の上方側に位置する端壁面部2から折り曲げられた挿入片部3が同じ上方側の挿入面部5に形成されている挿入孔11に挿入されることによって端壁面部2の配置が固定され、それとともにこの端壁面部2と折り曲げ線部LBを介して接続する側方壁面部1A(図1中の最も上方に位置する側方壁面部)がその内側に位置する側方壁面部1E(図1中の最も下方に位置する側方壁面部)との重複も固定されることになり、基本モジュールM全体の組み立てが堅固となって完成する(図3(a)中では、図中の下方側の端壁面部2の挿入片部3が同じ下方側の挿入面部5の挿入孔11にすでに挿入されている)。なお、この例の基本モジュールMの組み立ては接着などを行わずに嵌め込みのみによって行われるため、容易に元の平面状態の作成用シートSmに戻して逆側の着色面を外表面にするよう裏返して組み立て直すこともできる。
【0049】
ここで、図1及び図3(a)に示すように、挿入片部3は端壁面部(第1壁面部)2との接続側の辺が比較的長い辺であって、それと平行な挿入方向側の辺が比較的短い辺となる略台形形状に形成されており、各角部には円滑な挿入を行うための曲線状の面取り(いわゆるR面取り)が形成されている。そして各挿入面部5の挿入孔11は、各挿入面部5とそれらが接続する側方壁面部(第2壁面部)1Cとの間の折り曲げ線部LB上に切り込み線として形成(その挿入孔11の中央には挿入を補助するための孔も形成)されており、この挿入孔11の長さWa(切り込み線の長さ)は、挿入片部3の長辺の長さWb(最長幅)よりわずかに短い長さとなっている。また、図3(b)に示すように、挿入片部3と端壁面部2との間の折り曲げ線部LB上においては、挿入孔11の長さWaと同じ幅Wcのくびれ12で挿入片部3が接続されている。
【0050】
このように各部の寸法が設定されていることにより、挿入片部3を挿入孔11に挿入する際には、最後に挿入が完遂する直前で挿入片部3の長辺部分を少したわませた状態で挿入孔11に圧入することになり、挿入が完遂した状態では挿入片部3がくびれ12においてたわみのない安定した状態で挿入孔11に収まるとともに、挿入孔11を通過した挿入片部3の長辺部分のたわみが挿入面部5の裏側(内側)で戻って広がることで挿入片部3が挿入孔11から容易に抜けることを防ぎ、堅固に固定することができる。
【0051】
また、各端壁面部2とそれぞれ同じ側に位置する2つの半補強面部4どうしは、組み立て状態において相互に自由端部分を接触させるように向き合い、それらの近傍に配置されている挿入面部5と協働して各端壁面部2の内側表面全体に重なるよう配置される。これにより半補強面部4は端壁面部2の強度を補強し、基本モジュールMに多少の外力が加えられても端壁面部2が外側に膨らんだり、内側に曲がって入り込むように変形するのを防ぐことができる。なお、各半補強面部4には、それらに重なる端壁面部2の把持孔10を塞ぐことがないようそれぞれ把持孔10の一部と同じ形状の半把持孔部13が形成されている。
【0052】
さらに、各半補強面部4は手作業によって側方壁面部1B,1Dから容易に折り曲げることができるようできるだけ側方壁面部1B,1Dとの間の折り曲げ線部LBから長く延長する寸法で形成されていることが望ましい。また、そのように折り曲げ線部LBから長く延びた寸法で形成されていることにより、折り曲げによる外側表面と内側表面の伸縮差による歪みを拡散して折り曲げた部分を整える効果も得られる。
【0053】
また、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の引き込み部9は、図1においてそれを挟む配置の2カ所の折り曲げ線部LBと逆の角度で内側に折り曲げられ、基本モジュールMの内部に引き込む配置となる。これにより、引き込み部9が引き込んだ空間において側方壁面部1A〜1Eには把持幅Whで離間して対向する配置の2つの内側縁部Eiが形成される。これら対向する2つの内側縁部Eiの間の空間が、他部材の被把持連結部(同じ把持幅Whの外形幅を有する部分;詳しくは後述する)を把持する把持連結部として機能する。つまり、この例の基本モジュールMは、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の各角部(計4カ所)にそれぞれ一つずつ把持連結部として機能する引き込み把持連結部Cが形成されていることになる。ここで、前述したように、重なり合う2つの側方壁面部1A,1Eは同じ形状(引き込み部9を除外した形状)に形成されて完全に一致する配置で重なるように組み立てられるため、それぞれに形成される引き込み把持連結部Cの内部の空間は塞がれることなく他の引き込み把持連結部Cと同様に被把持連結部を把持することができる。
【0054】
また、基本モジュールMの内部に配置される2つの当接面部7は、それぞれ4カ所の引き込み部9の縁部に支持されて位置決めされている。各端壁面部2にそれぞれ形成されている把持孔10に他部材の被把持連結部(詳しくは後述する)が挿入された際、その挿入方向の先端部分を当接面部7に当接させることで把持孔10による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0055】
また、各当接面部7は各端壁面部2とほぼ同じ形状(この例では正方形)に形成されており、基本モジュールMの図中における水平断面内部に嵌合されている。このため、当接面部7は箱体である基本モジュールM全体の剛性を向上させる強度部材としても機能する。この場合、当接面部7は各側方壁面部1B〜1Eの内面に対してすくなくとも一部分で接触していればよい。
【0056】
さらに、各当接面部7は、各支持部6を介して各挿入面部5を支持している。図4は図3中のA−A線断面で示す基本モジュールMの部分断面図であり、この図4に示すように、引き込み部9の縁部に支持されて位置決めされている当接面部7はさらに支持部6を介して挿入面部5を支持しており、これにより挿入面部5は側方壁面部(第2壁面部)1Cに対して直角に折り曲げられた状態が維持されるようになっている。このため、端壁面部(第1壁面部)2に接続する挿入片部3の挿入方向に対して挿入面部5が直交する配置で固定され、挿入片部3を容易に挿入できるよう挿入孔11を開口させることができる。また、挿入面部5が端壁面部2に対して直角に折り曲げられた配置に維持されていることで、前述したように近傍に配置されている半補強面部4と協働して端壁面部2の内側表面に接触して重なることができ、端壁面部2の強度を補強することができる。また、各当接面部7は各側方壁面部1A〜1Eと各引き込み部9との間にできた隙間を塞いで基本モジュールMの内部を外側から見えないように遮断することもできる。
【0057】
図5は、組み立てられた状態の基本モジュールMの外観を斜視で示す図である。この図5において、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の各角部の近傍部分で引き込み部9を除いた部分は全て上記の被把持連結部を構成する。
【0058】
ここで、基本モジュールM全体の8つの頂点の近傍部分(つまり各端壁面部2の角部の近傍部分)における構成のとらえ方として、各側方壁面部1A〜1Eが外側縁部Eo(例えば図中の一点鎖線部分)を有しており、これら外側縁部Eoに各端壁面部(把持平面部)2の角部の近傍部分が重ねられている構成であると見なす。こうした場合、上記外側縁部Eoと、それらから把持幅Whで離間する配置の外側縁部Eo(つまり上記把持連結部の内側縁部Eiと共通;例えば図中の二点鎖線部分)との間の角部被把持連結部Dは、他の基本モジュールMの引き込み把持連結部Cにより把持可能な被把持連結部として機能する。つまり、この例の基本モジュールMは全部で8カ所の角部被把持連結部Dを有している。
【0059】
このように、この例の基本モジュールMは、これら8カ所の角部被把持連結部Dと前述の4カ所の引き込み把持連結部Cとを有しており、この基本モジュールMを複数個用意することで、図6に示すように互いに角部被把持連結部Dを引き込み把持連結部Cに把持させて連結させることができる。そしてこのように連結させる際に、引き込み把持連結部Cの内側縁部Eiと、角部被把持連結部Dの外側縁部Eoにそれぞれ隣接して把持幅Whで離間した平行な配置の把持平面部を有していることで、さらに把持を安定させて連結を確実にすることができる。この例の基本モジュールMにおいては、各当接面部7の角部の近傍部分が引き込み把持連結部Cの把持平面部として機能し、また各端壁面部2の角部近傍部分と各当接面部7の角部近傍部分(把持連結部Cの把持平面部と共通)とが角部被把持連結部Dの把持平面部として機能する。
【0060】
図7(a)は、把持孔10に被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部2を示す図であり、図7(b)は、把持孔10に図7(a)と異なる角度で被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部2を示す図である。
【0061】
これら図7(a)、図7(b)中にそれぞれ示している把持孔10は同一のものを同一の角度で示しており、それぞれの把持孔10には一辺の長さが把持幅Whとなる正方形の断面形状を有する被把持連結部F(例えば後述するジョイントJのようなもの)を挿入して把持させている。図7(a)に示す角度で被把持連結部Fを挿入している状態に対し、図7(b)では被把持連結部Fをその挿入方向周りに45°回転させた角度で挿入させている。このように、この例の基本モジュールMの把持孔10は、被把持連結部Fをその挿入方向周りに2通りの回転角度で挿入可能に形成されていることで、連結態様の自由度を増大させている。なお、このように把持連結部として機能する把持孔10の場合には、被把持連結部Fに接触している縁部が上記把持連結部の内側縁部Eiに相当し、対向する配置の内側縁部Eiどうしが把持幅Whで離間している。また、特に図示しないが、端壁面部2の裏側に配置されている半補強面部4の半把持孔部13でも挿入された被把持連結部Fに接触しているため、把持孔10の把持を補助することができる。
【0062】
次に、以下においては、上記基本モジュールMどうしを連結させるために介在させる部材であるジョイントについて説明する。
【0063】
図8は、本実施形態の創造玩具の一部材であるジョイントの一例を立体的に組み立てる前の作成用シートの展開平面図であり、図8(a)は被把持連結部が比較的短いジョイントの場合の展開平面図、図8(b)は被把持連結部が比較的長いジョイントの場合の展開平面図を示している。
【0064】
これら図8(a)、図8(b)において、各作成用シート(創造玩具作成用シート)Sj−0,Sj−1は、上記基本モジュールMの場合と同様のボール紙からなり、エンボス加工された各所の折り曲げ線部LBを折り曲げることにより創造玩具の一部材であるジョイント(後述の図10参照)を立体的に組み立てることのできる原型物である。
【0065】
これらジョイントの各作成用シートSjは、図示するように、直列に連続して配置されている8つの略長方形(正確には両端が湾曲して膨らんでいる形状のものもあり;詳しくは後述する)の胴壁面部(壁面部)21A,21B,21C,21D,21E,21F,21G,21Hを有している。図8(a)と図8(b)の各作成用シートSj−0,Sj−1の違いは、この胴壁面部21A〜21Hの長さが異なるだけである。また、図中の最も上方の端に位置する胴壁面部21Aに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ端壁面部(壁面部)22を有し、さらに各端壁面部22の図中上側と下側の辺にそれぞれ挿入片部23を有している。また、図中の上から6番目〜8番目に位置する3つの胴壁面部21F〜21Hに対して、それぞれ図中の左側と右側の位置に半補強面部24を有している。そして全ての各部どうしは、折り曲げ線部LBを介して接続し一体に形成されている。
【0066】
またこれらジョイントの作成用シートSjも、上記基本モジュールMの作成用シートSmと同じく表面が白色に、裏面が黒色に着色されており、表面と裏面を逆にしても同じ工程で立体的に同じ形状のジョイント(後述の図10参照)を組み立てることができ、2通りのカラーバリエーションを与えることができる。
【0067】
そして、図8(a)、図8(b)に示す例において、白色の表面に対し、全ての折り曲げ線部LBを山折りに折り曲げて所定の工程を経ることで、外表面が白色で略直方体の箱体であるジョイント(創造玩具箱体、被把持箱体;後述の図10参照)Jを立体的に組み立てる(立体化する)ことができる。図9はその組み立ての途中の状態を示す図であり、図中の下面として示している黒色の面(図中の斜線部分)はジョイントJの外側の面となり、また反対側の白色の面はジョイントJの内側の面となって組み立て状態では外観からほとんど見えなくなる。
【0068】
具体的なジョイントJの組み立ての順序としては、図8(a)、図8(b)中における各作成用シートSjの図中下方側の4つの胴壁面部21E〜21Hで最初に四角筒を成形し、さらにその外周を残りの胴壁面部21A〜21Dで巻くようにして2重の四角筒を成形する(特に図示せず)。このとき各半補強面部24は四角筒の内側へ直角に折り曲げておく。そして、各端壁面部22から直角に折り曲げた各挿入片部23を上記の内側の四角筒と外側の四角筒の間の隙間に挿入させるようにし、端壁面部22で上記2重の四角筒の端部を塞ぐことで、ジョイントJ全体の組み立てが完成する。この際に内側の四角筒が外側の四角筒の内部にきれいに収まるように、内側の四角筒を形成する胴壁面部21E〜21Hの幅を把持幅Whより少し狭い寸法に設定するとよい。また完成したジョイントJの端部に鋭い角部を形成させないように、外側の四角筒を形成する胴壁面部21A〜21Dの両端部を延長方向に膨らませるよう湾曲させて形成している(図8(a)、図8(b)、及び後述の図10参照)。また、組み立て状態において各半補強面部24は端壁面部22の内側表面に重なるよう配置されて端壁面部22の強度を補強する。
【0069】
図10は、組み立てられた状態のジョイントJの外観を斜視で示す図である。なお、この図10に示すジョイントJは、図8(b)に示した胴壁面部が比較的長い作成用シートSjを組み立てたものであり、外表面が白色である場合のものを示している。そして、このジョイントJは全体が被把持連結部を構成しており、特に詳しくは、外側の四角筒を形成する4面の胴壁面部21A〜21Dのそれぞれが被把持連結部を構成している。
【0070】
ここで、ジョイントJ外周の各胴壁面部21A〜21Dの各長辺部分における構成のとらえ方として、各胴壁面部21A〜21Dの長辺における外側縁部Eo(例えば図中の一点鎖線部分)にその隣の胴壁面部21A〜21Dの長辺部分を重ねた構成となっているものと見なす。こうした場合、上記外側縁部Eoと、それらから把持幅Whで離間する配置の外側縁部Eo(例えば図中の二点鎖線部分)との間の胴壁面部(例えば図中の胴壁面部21C)は、例えば上記基本モジュールMの上記把持連結部により把持可能な被把持連結部として機能する。
【0071】
そしてこのジョイントJが把持連結部に連結される際には、各外側縁部Eoに隣接する2つの胴壁面部21A〜21Dが把持幅Whで離間した平行な配置の把持平面部として機能することで、さらに把持を安定させて連結を確実にすることができる。また、この例のジョイントJは外周の4面の胴壁面部21A〜21Dがいずれも幅方向の寸法が把持幅Whとなっているため、どの胴壁面部21A〜21Dの外側縁部Eoでも把持連結部に把持させて連結させることができる。つまり、この例のジョイントJは全部で4カ所の被把持連結部を有している。さらに、この例のジョイントJの断面は一辺の長さが把持幅Whである正方形の形状となっているため、上記基本モジュールMの把持孔10に挿入して把持させることができる。
【0072】
本実施形態の創造玩具Tは、多数の上記基本モジュールMと上記ジョイントJを用いてそれぞれの把持連結部に被把持連結部を連結させることで、図11に示すような自由度の高い連結態様での構造化が可能となる。そして、このような自由度の高い構造化が可能な本実施形態の創造玩具Tを使用することで、例えば図12に示すような表現態様の豊かな構造体(図示する例ではロボットの構造体)を作成することができる。また図示するように、ジョイントJは基本モジュールMどうしを連結させる部材としての役割以外にも、装飾部材や、構造体の載置を安定させるなどの機能部材としても使用することができる。
【0073】
以上において、上記基本モジュールMの作成用シートSjにおける引き込み部9を形成する切り込み線8、及び各側方壁面部1A〜1Eとその他の各部(端壁面部2、半補強面部4,24、及び挿入面部5)との間の折り曲げ線部LB、そして上記ジョイントJの作成用シートSjにおける隣り合う2つの胴壁面部21A〜21Dの間の折り曲げ線部LBが、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を構成する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の創造玩具T、基本モジュールM、ジョイントJ、及びそれらの作成用シートSm,Sjによれば、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な基本モジュールM又はジョイントJを有する創造玩具Tでありながら、それらを平面形状の作成用シートSm,Sjを元に各折り曲げ線部LBを折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0075】
なお、特に図示しないが、基本モジュールMとジョイントJの作成用シートSm,Sjの供給形態としては、上記図1、図8(a)、図8(b)に示すように作成用シートSm,Sj自体を単体で供給する以外にも、十分に広い面積の台紙にプレス加工を施して利用者が容易に抜き出して(型抜きして)利用できるようにしてもよく、この場合には台紙ごと運搬できることで作成用シートSm,Sj自体の損傷を軽減できるとともに、複数の種類(基本モジュールMとジョイントJ、又はそれぞれの各部設定寸法が異なるものなど)の作成用シートSm,Sjを1枚の台紙にまとめて形成して簡便に取り扱えるようにすることができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、被把持連結部が所定の把持幅Whで離間する配置の2つの外側縁部Eoを有し、把持連結部が同じ把持幅Whで離間して対向する配置の2つの内側縁部Eiで上記被把持連結部の2つの外側縁部Eoを把持する構成となっていることにより、平面形状の作成用シートSm,Sjから容易な加工によって上記被把持連結部と上記把持連結部とを形成することができる。なお、この把持幅Whの寸法さえ共通に設定していれば、基本モジュールMやジョイントJの他の部分の寸法や角度を自由に設定してもよく、全体の形状のバリエーションを増加することができる。
【0077】
また、本実施形態では特に、基本モジュールMの組み立て時に引き込み部9をその近傍の折り曲げ線部LBと逆の角度で折り曲げることで、当該折り曲げ線部LBにおいて形成される角部に容易に引き込み把持連結部Cを形成することができる。
【0078】
なお、上記本実施形態の基本モジュールMでは、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の角部には引き込み把持連結部Cを一つのみ形成していたが、本発明はこれに限られず、例えば図13に示すように複数(図示する例では2つ)形成してもよい。この場合、各引き込み把持連結部Cのそれぞれにおける2つの内側縁部Eiが同じ把持幅Whで離間する寸法に設定していることはもちろん、それら2つの引き込み把持連結部Cも同じ把持幅Whで離間するよう形成することで、この間の中間被把持連結部Gもまた被把持連結部として機能させることができる。つまり、他の部分の寸法設定が上記本実施形態の基本モジュールMと同じであれば、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の角部に全て同じ把持幅Whとなる3つの被把持連結部(角部被把持連結部D及び中間被把持連結部G)と2つの把持連結部(引き込み把持連結部C)が交互に並んで配置することになる。
【0079】
このような複数段の把持連結部Cと被把持連結部D,Gを直列の配置で有する基本モジュールM−1を用いることで、例えば図14(a)、図14(b)に示すように同じ複数段の把持連結部C及び被把持連結部D,Gを相互に噛み合わせるよう把持させてより確実な連結を可能にしたり、または特に図示しないが、一カ所の角部において複数固の基本モジュールM,M−1やジョイントJを連結させることもできるようになる。
【0080】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、被把持連結部の外側縁部Eo、又は把持連結部の内側縁部Eiにそれぞれ隣接して把持幅Whで離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることにより、把持連結部による被把持連結部の把持を安定させて連結を確実にすることができる。なお、上記把持平面部は各部において一対で有する構成に限られず、一つだけ有する構成としてもよい。また、把持平面部は、外側縁部Eo又は内側縁部Eiから突出するように延ばして設けてもよい。
【0081】
また、本実施形態では特に、ジョイントJを挿入可能に形成された把持孔10の縁部のうちの対向する2つの縁部が、把持幅Whで離間して平行な配置の内側縁部Eiとして形成されているため、この把持孔10にジョイントJを挿入した状態では、把持孔10の内側縁部EiがジョイントJの被把持連結部の外側縁部Eo及び把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することができる。これにより、端壁面部2の中央部分に垂直な方向で被把持連結部を連結することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、把持孔10が被把持連結部をその挿入方向周りに複数の回転角度で挿入可能に形成されていることで、連結態様の自由度を増大させることができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、把持孔10が形成されている端壁面部2に対向する配置で当接面部7を有していることにより、把持孔10に挿入した被把持連結部の挿入方向先端部分をこの当接面部7に当接させることで、把持孔10による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、当接面部7が引き込み部9の縁部に支持されて安定して位置決めされていることにより、把持孔10に挿入された被把持連結部の挿入方向先端部分からの当接を確実に受け止めることができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、挿入面部5が側方壁面部1Cの一辺から折り曲げられて形成されるとともに、安定して位置決めされている当接面部7と支持部6を介して一体に形成されていることにより、挿入面部5は側方壁面部1Cから所定の折り曲げ角度(本実施形態の例では直角)で折り曲げられた状態が維持され、挿入面部5に形成されている挿入孔11に対して挿入片を容易に挿入できる開口状態に維持させることができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、立方体形状(多角柱形状)に組み立てられる基本モジュールMの全ての側方壁面部1A〜1Eが、作成用シートSmにおいては折り曲げ線部LBを介して連続して配置されており、また組み立て状態においては連続した配置の両端に位置する2つの側方壁面部1A,1Eが重なり合うように組み立てられることで、箱体の態様で組み立てられる基本モジュールMが容易に分解するのを防ぐことができる。また、それら2つの側方壁面部1A,1Eが同じ形状に形成されているため、組み立て状態においてそれぞれに形成される把持連結部の内部の空間は塞がれることなく被把持連結部を把持することができる。なお、これは多角錐形状に形成される基本モジュールMに対しても適用でき、同様の効果が得られる。
【0087】
また、本実施形態では特に、組み立て状態において半補強面部4が端壁面部2に重なるように配置されることにより、半補強面部4は端壁面部2の強度を補強し変形するのを防ぐことができる。また、端壁面部2に形成されている把持孔10の一部である半把持孔部13が半補強面部4に形成されていることで、半補強面部4が端壁面部2に重なっても端壁面部2の把持孔10が塞がれることなく被把持連結部を挿入させて把持を補助することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、作成用シートSjを立体的に組み立てることで略全体が被把持連結部を形成するジョイントJを作成することができるため、これを介在させて把持連結部を有する基本モジュールMどうしを機能的に連結させることができる。
【0089】
なお、本実施形態の基本モジュールM及びジョイントJの作成用シートSm,Sjは紙材料からなるものであったが、本発明はこれに限られず、例えばプラスチックなどの樹脂からなる薄い板材のように折り曲げ可能で略平面形状の材料を使用して形成してもよい。
【0090】
上述した実施形態の具体的な構成は、本発明の内容を厳密に限定するものではなく、細部に関しては本発明の趣旨に沿って多様に変更できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施形態の創造玩具の一部材である基本モジュールを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【図2】基本モジュールの組み立て途中の状態を示す図である。
【図3】図3(a)は組み立ての最終工程の状態となっている基本モジュールを斜視で示す図であり、図3(b)は図3(a)中に示すX部を拡大して示す図である。
【図4】図3中のA−A線断面で示す基本モジュールの部分断面図である。
【図5】組み立てられた状態の基本モジュールの外観を斜視で示す図である。
【図6】実施形態の基本モジュールどうしを連結させた状態を説明する図である。
【図7】図7(a)は把持孔に被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部を示す図であり、図7(b)は把持孔に図7(a)と異なる角度で被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の創造玩具の一部材であるジョイントを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【図9】ジョイントの組み立て途中の状態を示す図である。
【図10】組み立てられた状態のジョイントの外観を斜視で示す図である。
【図11】実施形態の基本モジュールとジョイントを組み合わせて連結させた態様の一例を示す図である。
【図12】実施形態の基本モジュールとジョイントを組み合わせて構造化した構造体の一例を示す図である。
【図13】一つの角部に複数段の把持連結部が形成された基本モジュールの外観を斜視で示す図である。
【図14】一つの角部に複数段の把持連結部が形成された基本モジュールどうしを連結させる状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0092】
1 側方壁面部(壁面部)
2 端壁面部(壁面部、把持平面部)
3 挿入片部
4 半補強面部(補強面部)
5 挿入面部
6 支持部
7 当接面部(把持平面部)
8 切り込み線(連結加工部)
9 引き込み部
10 把持孔(把持連結部)
11 挿入孔
12 くびれ
13 半把持孔部
21 胴壁面部(壁面部)
22 端壁面部(壁面部)
23 挿入片部
24 半補強面部
Sm 基本モジュール作成用シート(創造玩具作成用シート)
Sj−0 ジョイント作成用シート(創造玩具作成用シート)
Sj−1 ジョイント作成用シート(創造玩具作成用シート)
M 基本モジュール(創造玩具箱体、本体箱体)
M−1 基本モジュール
J ジョイント(創造玩具箱体、被把持箱体)
T 創造玩具
LB 折り曲げ線部
Wh 把持幅
Ei 内側縁部
Eo 外側縁部
C 引き込み把持連結部(把持連結部)
D 角部被把持連結部(被把持連結部)
F 被把持連結部
G 中間被把持連結部(被把持連結部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の箱体を連結させることで構造体を作成する創造玩具、この創造玩具を構成する要素体の創造玩具箱体、及びこの創造玩具箱体を作成するための創造玩具作成用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
創作者の創造力を刺激し育む玩具として、複数の構成要素体を機械的に連結させて任意の形状の構造体を作成させる創造玩具がある。この創造玩具の一例として、従来、例えば文献1記載の空間格子連結玩具がある。
【0003】
この空間格子連結玩具では、構成要素体として予め全体の形状が直方体や菱形12面体などに形成された立体物が用意されており、またそれら立体物には予め突起部やこの突起部を嵌合させて固定する嵌合部が形成されている。そしてこれら立体物が相互に突起部と嵌合部を嵌合させて連結することで、任意の形状の構造体を作成できるようになっている。
【特許文献1】特開平11−197369号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、構造体を構造化する歓びは得られるものの、各構成要素体自体が予め立体物として用意されているため、平面物から立体物を立体化する歓びまでは得られないものであった。
【0005】
本発明の目的は、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることのできる創造玩具、創造玩具箱体、及び創造玩具作成用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明の創造玩具作成用シートは、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートであって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立て加工することにより被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具でありながら、それら部材を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0008】
第2発明は、上記第1発明において、前記被把持連結部は所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有し、前記把持連結部は前記把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有していることを特徴とする。
【0009】
これにより、平面形状の作成用シートから容易な加工によって被把持連結部と把持連結部とを形成することができる。
【0010】
第3発明は、上記第2発明において、前記連結加工部が、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有することを特徴とする。
【0011】
組み立て時に引き込み部をその近傍の折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げることで、当該折り曲げ線部において形成される角部に容易に把持連結部を形成することができる。
【0012】
第4発明は、上記第2発明又は上記第3発明において、組み立て状態の前記被把持連結部又は前記把持連結部は、前記外側縁部又は前記内側縁部にそれぞれ隣接して前記把持幅で離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることを特徴とする。
【0013】
これにより、把持連結部による被把持連結部の把持を安定させて連結を確実にすることができる。
【0014】
第5発明は、上記第2発明において、前記把持連結部が所定の壁面部において前記被把持連結部を挿入可能に形成した把持孔を有し、この把持孔に前記被把持連結部を挿入した状態では、前記把持孔が備える前記内側縁部が前記被把持連結部の前記外側縁部又は前記把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することを特徴とする。
【0015】
被把持連結部を挿入可能に形成された把持孔の縁部のうちの対向する2つの縁部が、把持幅で離間して平行な配置の内側縁部として形成されるため、この把持孔に被把持連結部を挿入した状態では、把持孔の内側縁部が被把持連結部の被把持連結部の外側縁部及び把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することができる。これにより、壁面部の中央部分に垂直な方向で被把持連結部を連結することができる。
【0016】
第6発明は、上記第5発明において、前記把持孔が前記被把持連結部をその挿入方向周りの複数の回転角度で挿入可能に形成されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、把持孔における被把持連結部との連結態様の自由度を増大させることができる。
【0018】
第7発明は、上記第5発明又は上記第6発明において、組み立て状態では、前記把持孔が形成されている壁面部に対向する配置で、前記把持孔に挿入した前記被把持連結部の挿入方向先端部分に当接する当接面部を有していることを特徴とする。
【0019】
把持孔に挿入した被把持連結部の挿入方向先端部分をこの当接面部に当接させることで、把持孔による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0020】
第8発明は、上記第7発明において、前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有し、前記当接面部は前記引き込み部の縁部に支持されることを特徴とする。
【0021】
組み立て状態で当接面部が引き込み部の縁部に支持されて安定して位置決めされていることにより、把持孔に挿入された被把持連結部の挿入方向先端部分からの当接を確実に受け止めることができる。
【0022】
第9発明は、上記第8発明において、所定の第1壁面部の一辺に形成された挿入片部と、この挿入片部を挿入するための挿入孔が形成された挿入面部とを有し、この挿入面部は所定の第2壁面部の一辺から折り曲げて形成されるとともに支持部を介して前記当接面部と一体に形成されていることを特徴とする。
【0023】
組み立て状態で挿入面部が所定の第1壁面部の一辺から折り曲げられて形成されるとともに、安定して位置決めされている当接面部と支持部を介して一体に形成されていることにより、挿入面部は側方壁面部から所定の折り曲げ角度で折り曲げられた状態が維持され、挿入面部に形成されている挿入孔を挿入片が容易に挿入できる開口状態に維持させることができる。
【0024】
第10発明は、上記第1乃至第9発明のいずれか1つにおいて、多角柱形状又は多角錐形状に組み立てられる場合の全ての側方壁面部が、展開状態では前記折り曲げ線部を介して連続して配置されており、組み立て状態では連続した配置の両端に位置する同一形状の2つの側方壁面部が重なり合うように組み立てられることを特徴とする。
【0025】
これにより、箱体の態様で組み立てられる多角柱形状又は多角錐形状の箱体が容易に分解するのを防ぐことができる。また、重なり合う2つの側方壁面部が同じ形状に形成されているため、組み立て状態においてそれぞれに形成される把持連結部の内部の空間は塞がれることなく被把持連結部を把持することができる。
【0026】
第11発明は、上記第1乃至第10発明のいずれか1つにおいて、組み立て状態で前記把持孔が形成されている壁面部に重なるよう配置される補強面部を有し、この補強面部には前記把持孔の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする。
【0027】
組み立て状態において補強面部が壁面部に重なるように配置されることにより、補強面部は壁面部の強度を補強し変形するのを防ぐことができる。また、壁面部に形成されている把持孔の少なくとも一部が補強面部に形成されていることで、補強面部が壁面部に重なっても壁面部の把持孔が塞がれることなく被把持連結部を挿入させて把持することができる。
【0028】
第12発明は、上記第1発明、上記第2発明又は上記第4発明のいずれか1つにおいて、組み立て状態では略全体が前記被把持連結部を形成することを特徴とする。
【0029】
作成用シートを立体的に組み立てることで略全体が被把持連結部を形成する部材を作成することができるため、これを介在させて把持連結部を有する部材どうしを機能的に連結させることができる。
【0030】
上記目的を達成するために、本願第13発明の創造玩具箱体は、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される創造玩具箱体であって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで形成される、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部の少なくともいずれか一つを有することを特徴とする。
【0031】
本願第13発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具の箱体でありながら、それら箱体を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0032】
上記目的を達成するために、本願第14発明の創造玩具は、折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される箱体を複数個備える創造玩具であって、複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで略全体が被把持連結部を形成する被把持箱体と、組み立て状態では前記被把持連結部を把持する把持連結部を少なくとも一つ備える本体箱体とを有することを特徴とする。
【0033】
本願第14発明においては、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な複数の部材を有する創造玩具でありながら、それら部材を平面形状の作成用シートを元に各折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を紙材料からなる創造玩具に適用した例である。
【0036】
本実施形態の創造玩具は、複数個の部材どうしを連結させてより大きな構造体を組み上げる(構造化する)ものであり、以下においては基本的な構成の部材である基本モジュールについて説明する。
【0037】
図1は、本実施形態の創造玩具の一部材である基本モジュールを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【0038】
この図1において、作成用シート(創造玩具作成用シート)Smは、組み立てに十分な強度を有する厚さの平面のボール紙(正確な折り曲げが可能であれば薄い段ボール紙などでもよい)からなり、各所にエンボス加工された折り曲げ線部LBを折り曲げることにより創造玩具の一部材であるこの例の基本モジュール(後述の図5参照)を立体的に組み立てることのできる原型物である。
【0039】
この作成用シートSmは、図示するように、直列に連続して配置されている5つの略正方形(正確には略H字型形状;詳しくは後述する)の側方壁面部(壁面部)1A,1B,1C,1D,1Eを有している。また、図中の最も上方の端に位置する側方壁面部1Aに対して、図中の左側と右側にそれぞれ位置する2つの端壁面部(壁面部)2を有し、さらに左側の端壁面部2の図中左側の辺と、右側の端壁面部2の図中右側の辺とにそれぞれ挿入片部3を有している。
【0040】
また、図中の上から2番目に位置する側方壁面部1Bに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ半補強面部(補強面部)4を有している。
【0041】
また、図中の上から3番目に位置する側方壁面部1Cに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ挿入面部5を有し、さらに左側の挿入面部5の図中左側の辺と、右側の挿入面部5の図中右側の辺にそれぞれ支持部6を有し、さらに左側の支持部6の図中左側の辺と、右側の支持部6の図中右側の辺にそれぞれ当接面部7を有している。
【0042】
また、図中の上から4番目に位置する側方壁面部1Dに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ半補強面部(補強面部)4を有している。そして、上記5つの側方壁面部1A〜1Eどうし、及び図中の左右方向に隣接する各部どうしは折り曲げ線部LBを介して接続し、全ての各部が一体に形成されている。
【0043】
隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の折り曲げ線部LBには、それぞれ直交する2本の切り込み線8が形成されており、対となる2本の切り込み線8の間は把持幅Whで離間する配置となっている。また、これら対となる2本の切り込み線8はそれぞれ側方壁面部1A〜1Eの図中の左右の辺から把持幅Whで離間しており、すなわち対となる2本の切り込み線8は一つの折り曲げ線部LBを3等分する配置で形成されている。また、対となる2本の切り込み線8は同じ長さであり、それぞれの中央の位置で折り曲げ線部LBと直交している。さらに、対となる2本の切り込み線8の両端どうしをむすぶように折り曲げ線部LBが形成されており、これら対となる2本の切り込み線8とそれらの両端を結ぶ折り曲げ線部LBで囲む領域が引き込み部9を形成する。そして、各側方壁面部1A〜1Eはこれら引き込み部9を除いた略H字型の形状で形成されており、両端の2つの側方壁面部1A,1Eの自由端においては引き込み部9に相当する部分を取り除いた切り欠き形状に形成されている。
【0044】
2つの端壁面部2にはそれぞれ把持孔10が形成されており、また2つの挿入面部5にはそれぞれ挿入孔11が形成されている(各部の詳細な説明は後述する)。
【0045】
また、作成用シートSm全体は図1に示す例の表面が白色に、裏面が黒色に着色されており(図1中では白色の表面のみ示している)、表面と裏面を逆にしても同じ工程で立体的に同じ形状の基本モジュールM(後述の図5参照)を組み立てる(つまりリバーシブルで組み立てる)ことができるようになっている。この場合には、表面と裏面が逆になっている基本モジュールM同士で各部における配色が白と黒で逆になり、基本モジュールMのカラーリングに2通りのバリエーションを与えることができる。
【0046】
そして、図1に示す例において、白色の表面に対し、各引き込み部9の中央の折り曲げ線部LBと、各支持部6とそれらに隣接する当接面部7との間の折り曲げ線部LBとを谷折りで折り曲げ、他の折り曲げ線部LBを山折りに折り曲げて所定の工程を経ることで、外表面が白色で略立方体の箱体である基本モジュール(創造玩具箱体、本体箱体;後述の図5参照)Mを立体的に組み立てる(立体化する)ことができる。図2はその組み立ての途中の状態を示す図であり、図中の上面として示している黒色の面(図中の斜線部分)は基本モジュールMの内側の面となって、組み立て状態では外観からほとんど見えなくなる。
【0047】
図3(a)は、組み立ての最終工程の状態となっている基本モジュールMを斜視で示す図であり、図3(b)は図3(a)中に示すX部を拡大して示す図である。なお、特に詳しく図示していないが、上記図1中で連続して配置される5つの側方壁面部1A〜1Eのうちで最も上方に位置する側方壁面部1Aが最も下方に位置する側方壁面部1Eを外側から覆うように重なり、それによって各側方壁面部1A〜1Eが四角筒形状となって立方体形状の基本モジュールMにおける四方の側壁を形成している。ここで、前述したように全ての側方壁面部1A〜1Eは同じ形状に形成されているため、重なる2つの側方壁面部1A,1Eも完全に一致する配置で重なることになる。このように2つの側方壁面部1A,1Eが重なり合っていることで、箱体である基本モジュールMが容易に分解するのを防ぐことができる。
【0048】
そして、図3(a)に示す例において、図中の上方側に位置する端壁面部2から折り曲げられた挿入片部3が同じ上方側の挿入面部5に形成されている挿入孔11に挿入されることによって端壁面部2の配置が固定され、それとともにこの端壁面部2と折り曲げ線部LBを介して接続する側方壁面部1A(図1中の最も上方に位置する側方壁面部)がその内側に位置する側方壁面部1E(図1中の最も下方に位置する側方壁面部)との重複も固定されることになり、基本モジュールM全体の組み立てが堅固となって完成する(図3(a)中では、図中の下方側の端壁面部2の挿入片部3が同じ下方側の挿入面部5の挿入孔11にすでに挿入されている)。なお、この例の基本モジュールMの組み立ては接着などを行わずに嵌め込みのみによって行われるため、容易に元の平面状態の作成用シートSmに戻して逆側の着色面を外表面にするよう裏返して組み立て直すこともできる。
【0049】
ここで、図1及び図3(a)に示すように、挿入片部3は端壁面部(第1壁面部)2との接続側の辺が比較的長い辺であって、それと平行な挿入方向側の辺が比較的短い辺となる略台形形状に形成されており、各角部には円滑な挿入を行うための曲線状の面取り(いわゆるR面取り)が形成されている。そして各挿入面部5の挿入孔11は、各挿入面部5とそれらが接続する側方壁面部(第2壁面部)1Cとの間の折り曲げ線部LB上に切り込み線として形成(その挿入孔11の中央には挿入を補助するための孔も形成)されており、この挿入孔11の長さWa(切り込み線の長さ)は、挿入片部3の長辺の長さWb(最長幅)よりわずかに短い長さとなっている。また、図3(b)に示すように、挿入片部3と端壁面部2との間の折り曲げ線部LB上においては、挿入孔11の長さWaと同じ幅Wcのくびれ12で挿入片部3が接続されている。
【0050】
このように各部の寸法が設定されていることにより、挿入片部3を挿入孔11に挿入する際には、最後に挿入が完遂する直前で挿入片部3の長辺部分を少したわませた状態で挿入孔11に圧入することになり、挿入が完遂した状態では挿入片部3がくびれ12においてたわみのない安定した状態で挿入孔11に収まるとともに、挿入孔11を通過した挿入片部3の長辺部分のたわみが挿入面部5の裏側(内側)で戻って広がることで挿入片部3が挿入孔11から容易に抜けることを防ぎ、堅固に固定することができる。
【0051】
また、各端壁面部2とそれぞれ同じ側に位置する2つの半補強面部4どうしは、組み立て状態において相互に自由端部分を接触させるように向き合い、それらの近傍に配置されている挿入面部5と協働して各端壁面部2の内側表面全体に重なるよう配置される。これにより半補強面部4は端壁面部2の強度を補強し、基本モジュールMに多少の外力が加えられても端壁面部2が外側に膨らんだり、内側に曲がって入り込むように変形するのを防ぐことができる。なお、各半補強面部4には、それらに重なる端壁面部2の把持孔10を塞ぐことがないようそれぞれ把持孔10の一部と同じ形状の半把持孔部13が形成されている。
【0052】
さらに、各半補強面部4は手作業によって側方壁面部1B,1Dから容易に折り曲げることができるようできるだけ側方壁面部1B,1Dとの間の折り曲げ線部LBから長く延長する寸法で形成されていることが望ましい。また、そのように折り曲げ線部LBから長く延びた寸法で形成されていることにより、折り曲げによる外側表面と内側表面の伸縮差による歪みを拡散して折り曲げた部分を整える効果も得られる。
【0053】
また、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の引き込み部9は、図1においてそれを挟む配置の2カ所の折り曲げ線部LBと逆の角度で内側に折り曲げられ、基本モジュールMの内部に引き込む配置となる。これにより、引き込み部9が引き込んだ空間において側方壁面部1A〜1Eには把持幅Whで離間して対向する配置の2つの内側縁部Eiが形成される。これら対向する2つの内側縁部Eiの間の空間が、他部材の被把持連結部(同じ把持幅Whの外形幅を有する部分;詳しくは後述する)を把持する把持連結部として機能する。つまり、この例の基本モジュールMは、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の各角部(計4カ所)にそれぞれ一つずつ把持連結部として機能する引き込み把持連結部Cが形成されていることになる。ここで、前述したように、重なり合う2つの側方壁面部1A,1Eは同じ形状(引き込み部9を除外した形状)に形成されて完全に一致する配置で重なるように組み立てられるため、それぞれに形成される引き込み把持連結部Cの内部の空間は塞がれることなく他の引き込み把持連結部Cと同様に被把持連結部を把持することができる。
【0054】
また、基本モジュールMの内部に配置される2つの当接面部7は、それぞれ4カ所の引き込み部9の縁部に支持されて位置決めされている。各端壁面部2にそれぞれ形成されている把持孔10に他部材の被把持連結部(詳しくは後述する)が挿入された際、その挿入方向の先端部分を当接面部7に当接させることで把持孔10による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0055】
また、各当接面部7は各端壁面部2とほぼ同じ形状(この例では正方形)に形成されており、基本モジュールMの図中における水平断面内部に嵌合されている。このため、当接面部7は箱体である基本モジュールM全体の剛性を向上させる強度部材としても機能する。この場合、当接面部7は各側方壁面部1B〜1Eの内面に対してすくなくとも一部分で接触していればよい。
【0056】
さらに、各当接面部7は、各支持部6を介して各挿入面部5を支持している。図4は図3中のA−A線断面で示す基本モジュールMの部分断面図であり、この図4に示すように、引き込み部9の縁部に支持されて位置決めされている当接面部7はさらに支持部6を介して挿入面部5を支持しており、これにより挿入面部5は側方壁面部(第2壁面部)1Cに対して直角に折り曲げられた状態が維持されるようになっている。このため、端壁面部(第1壁面部)2に接続する挿入片部3の挿入方向に対して挿入面部5が直交する配置で固定され、挿入片部3を容易に挿入できるよう挿入孔11を開口させることができる。また、挿入面部5が端壁面部2に対して直角に折り曲げられた配置に維持されていることで、前述したように近傍に配置されている半補強面部4と協働して端壁面部2の内側表面に接触して重なることができ、端壁面部2の強度を補強することができる。また、各当接面部7は各側方壁面部1A〜1Eと各引き込み部9との間にできた隙間を塞いで基本モジュールMの内部を外側から見えないように遮断することもできる。
【0057】
図5は、組み立てられた状態の基本モジュールMの外観を斜視で示す図である。この図5において、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の各角部の近傍部分で引き込み部9を除いた部分は全て上記の被把持連結部を構成する。
【0058】
ここで、基本モジュールM全体の8つの頂点の近傍部分(つまり各端壁面部2の角部の近傍部分)における構成のとらえ方として、各側方壁面部1A〜1Eが外側縁部Eo(例えば図中の一点鎖線部分)を有しており、これら外側縁部Eoに各端壁面部(把持平面部)2の角部の近傍部分が重ねられている構成であると見なす。こうした場合、上記外側縁部Eoと、それらから把持幅Whで離間する配置の外側縁部Eo(つまり上記把持連結部の内側縁部Eiと共通;例えば図中の二点鎖線部分)との間の角部被把持連結部Dは、他の基本モジュールMの引き込み把持連結部Cにより把持可能な被把持連結部として機能する。つまり、この例の基本モジュールMは全部で8カ所の角部被把持連結部Dを有している。
【0059】
このように、この例の基本モジュールMは、これら8カ所の角部被把持連結部Dと前述の4カ所の引き込み把持連結部Cとを有しており、この基本モジュールMを複数個用意することで、図6に示すように互いに角部被把持連結部Dを引き込み把持連結部Cに把持させて連結させることができる。そしてこのように連結させる際に、引き込み把持連結部Cの内側縁部Eiと、角部被把持連結部Dの外側縁部Eoにそれぞれ隣接して把持幅Whで離間した平行な配置の把持平面部を有していることで、さらに把持を安定させて連結を確実にすることができる。この例の基本モジュールMにおいては、各当接面部7の角部の近傍部分が引き込み把持連結部Cの把持平面部として機能し、また各端壁面部2の角部近傍部分と各当接面部7の角部近傍部分(把持連結部Cの把持平面部と共通)とが角部被把持連結部Dの把持平面部として機能する。
【0060】
図7(a)は、把持孔10に被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部2を示す図であり、図7(b)は、把持孔10に図7(a)と異なる角度で被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部2を示す図である。
【0061】
これら図7(a)、図7(b)中にそれぞれ示している把持孔10は同一のものを同一の角度で示しており、それぞれの把持孔10には一辺の長さが把持幅Whとなる正方形の断面形状を有する被把持連結部F(例えば後述するジョイントJのようなもの)を挿入して把持させている。図7(a)に示す角度で被把持連結部Fを挿入している状態に対し、図7(b)では被把持連結部Fをその挿入方向周りに45°回転させた角度で挿入させている。このように、この例の基本モジュールMの把持孔10は、被把持連結部Fをその挿入方向周りに2通りの回転角度で挿入可能に形成されていることで、連結態様の自由度を増大させている。なお、このように把持連結部として機能する把持孔10の場合には、被把持連結部Fに接触している縁部が上記把持連結部の内側縁部Eiに相当し、対向する配置の内側縁部Eiどうしが把持幅Whで離間している。また、特に図示しないが、端壁面部2の裏側に配置されている半補強面部4の半把持孔部13でも挿入された被把持連結部Fに接触しているため、把持孔10の把持を補助することができる。
【0062】
次に、以下においては、上記基本モジュールMどうしを連結させるために介在させる部材であるジョイントについて説明する。
【0063】
図8は、本実施形態の創造玩具の一部材であるジョイントの一例を立体的に組み立てる前の作成用シートの展開平面図であり、図8(a)は被把持連結部が比較的短いジョイントの場合の展開平面図、図8(b)は被把持連結部が比較的長いジョイントの場合の展開平面図を示している。
【0064】
これら図8(a)、図8(b)において、各作成用シート(創造玩具作成用シート)Sj−0,Sj−1は、上記基本モジュールMの場合と同様のボール紙からなり、エンボス加工された各所の折り曲げ線部LBを折り曲げることにより創造玩具の一部材であるジョイント(後述の図10参照)を立体的に組み立てることのできる原型物である。
【0065】
これらジョイントの各作成用シートSjは、図示するように、直列に連続して配置されている8つの略長方形(正確には両端が湾曲して膨らんでいる形状のものもあり;詳しくは後述する)の胴壁面部(壁面部)21A,21B,21C,21D,21E,21F,21G,21Hを有している。図8(a)と図8(b)の各作成用シートSj−0,Sj−1の違いは、この胴壁面部21A〜21Hの長さが異なるだけである。また、図中の最も上方の端に位置する胴壁面部21Aに対して、図中の左側と右側の位置にそれぞれ端壁面部(壁面部)22を有し、さらに各端壁面部22の図中上側と下側の辺にそれぞれ挿入片部23を有している。また、図中の上から6番目〜8番目に位置する3つの胴壁面部21F〜21Hに対して、それぞれ図中の左側と右側の位置に半補強面部24を有している。そして全ての各部どうしは、折り曲げ線部LBを介して接続し一体に形成されている。
【0066】
またこれらジョイントの作成用シートSjも、上記基本モジュールMの作成用シートSmと同じく表面が白色に、裏面が黒色に着色されており、表面と裏面を逆にしても同じ工程で立体的に同じ形状のジョイント(後述の図10参照)を組み立てることができ、2通りのカラーバリエーションを与えることができる。
【0067】
そして、図8(a)、図8(b)に示す例において、白色の表面に対し、全ての折り曲げ線部LBを山折りに折り曲げて所定の工程を経ることで、外表面が白色で略直方体の箱体であるジョイント(創造玩具箱体、被把持箱体;後述の図10参照)Jを立体的に組み立てる(立体化する)ことができる。図9はその組み立ての途中の状態を示す図であり、図中の下面として示している黒色の面(図中の斜線部分)はジョイントJの外側の面となり、また反対側の白色の面はジョイントJの内側の面となって組み立て状態では外観からほとんど見えなくなる。
【0068】
具体的なジョイントJの組み立ての順序としては、図8(a)、図8(b)中における各作成用シートSjの図中下方側の4つの胴壁面部21E〜21Hで最初に四角筒を成形し、さらにその外周を残りの胴壁面部21A〜21Dで巻くようにして2重の四角筒を成形する(特に図示せず)。このとき各半補強面部24は四角筒の内側へ直角に折り曲げておく。そして、各端壁面部22から直角に折り曲げた各挿入片部23を上記の内側の四角筒と外側の四角筒の間の隙間に挿入させるようにし、端壁面部22で上記2重の四角筒の端部を塞ぐことで、ジョイントJ全体の組み立てが完成する。この際に内側の四角筒が外側の四角筒の内部にきれいに収まるように、内側の四角筒を形成する胴壁面部21E〜21Hの幅を把持幅Whより少し狭い寸法に設定するとよい。また完成したジョイントJの端部に鋭い角部を形成させないように、外側の四角筒を形成する胴壁面部21A〜21Dの両端部を延長方向に膨らませるよう湾曲させて形成している(図8(a)、図8(b)、及び後述の図10参照)。また、組み立て状態において各半補強面部24は端壁面部22の内側表面に重なるよう配置されて端壁面部22の強度を補強する。
【0069】
図10は、組み立てられた状態のジョイントJの外観を斜視で示す図である。なお、この図10に示すジョイントJは、図8(b)に示した胴壁面部が比較的長い作成用シートSjを組み立てたものであり、外表面が白色である場合のものを示している。そして、このジョイントJは全体が被把持連結部を構成しており、特に詳しくは、外側の四角筒を形成する4面の胴壁面部21A〜21Dのそれぞれが被把持連結部を構成している。
【0070】
ここで、ジョイントJ外周の各胴壁面部21A〜21Dの各長辺部分における構成のとらえ方として、各胴壁面部21A〜21Dの長辺における外側縁部Eo(例えば図中の一点鎖線部分)にその隣の胴壁面部21A〜21Dの長辺部分を重ねた構成となっているものと見なす。こうした場合、上記外側縁部Eoと、それらから把持幅Whで離間する配置の外側縁部Eo(例えば図中の二点鎖線部分)との間の胴壁面部(例えば図中の胴壁面部21C)は、例えば上記基本モジュールMの上記把持連結部により把持可能な被把持連結部として機能する。
【0071】
そしてこのジョイントJが把持連結部に連結される際には、各外側縁部Eoに隣接する2つの胴壁面部21A〜21Dが把持幅Whで離間した平行な配置の把持平面部として機能することで、さらに把持を安定させて連結を確実にすることができる。また、この例のジョイントJは外周の4面の胴壁面部21A〜21Dがいずれも幅方向の寸法が把持幅Whとなっているため、どの胴壁面部21A〜21Dの外側縁部Eoでも把持連結部に把持させて連結させることができる。つまり、この例のジョイントJは全部で4カ所の被把持連結部を有している。さらに、この例のジョイントJの断面は一辺の長さが把持幅Whである正方形の形状となっているため、上記基本モジュールMの把持孔10に挿入して把持させることができる。
【0072】
本実施形態の創造玩具Tは、多数の上記基本モジュールMと上記ジョイントJを用いてそれぞれの把持連結部に被把持連結部を連結させることで、図11に示すような自由度の高い連結態様での構造化が可能となる。そして、このような自由度の高い構造化が可能な本実施形態の創造玩具Tを使用することで、例えば図12に示すような表現態様の豊かな構造体(図示する例ではロボットの構造体)を作成することができる。また図示するように、ジョイントJは基本モジュールMどうしを連結させる部材としての役割以外にも、装飾部材や、構造体の載置を安定させるなどの機能部材としても使用することができる。
【0073】
以上において、上記基本モジュールMの作成用シートSjにおける引き込み部9を形成する切り込み線8、及び各側方壁面部1A〜1Eとその他の各部(端壁面部2、半補強面部4,24、及び挿入面部5)との間の折り曲げ線部LB、そして上記ジョイントJの作成用シートSjにおける隣り合う2つの胴壁面部21A〜21Dの間の折り曲げ線部LBが、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を構成する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の創造玩具T、基本モジュールM、ジョイントJ、及びそれらの作成用シートSm,Sjによれば、把持連結部と被把持連結部との組み合わせで相互に連結可能な基本モジュールM又はジョイントJを有する創造玩具Tでありながら、それらを平面形状の作成用シートSm,Sjを元に各折り曲げ線部LBを折り曲げて立体的に組み立てることができるため、構造体を構造化する歓びとともに立体物を立体化する歓びをも得ることができる。
【0075】
なお、特に図示しないが、基本モジュールMとジョイントJの作成用シートSm,Sjの供給形態としては、上記図1、図8(a)、図8(b)に示すように作成用シートSm,Sj自体を単体で供給する以外にも、十分に広い面積の台紙にプレス加工を施して利用者が容易に抜き出して(型抜きして)利用できるようにしてもよく、この場合には台紙ごと運搬できることで作成用シートSm,Sj自体の損傷を軽減できるとともに、複数の種類(基本モジュールMとジョイントJ、又はそれぞれの各部設定寸法が異なるものなど)の作成用シートSm,Sjを1枚の台紙にまとめて形成して簡便に取り扱えるようにすることができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、被把持連結部が所定の把持幅Whで離間する配置の2つの外側縁部Eoを有し、把持連結部が同じ把持幅Whで離間して対向する配置の2つの内側縁部Eiで上記被把持連結部の2つの外側縁部Eoを把持する構成となっていることにより、平面形状の作成用シートSm,Sjから容易な加工によって上記被把持連結部と上記把持連結部とを形成することができる。なお、この把持幅Whの寸法さえ共通に設定していれば、基本モジュールMやジョイントJの他の部分の寸法や角度を自由に設定してもよく、全体の形状のバリエーションを増加することができる。
【0077】
また、本実施形態では特に、基本モジュールMの組み立て時に引き込み部9をその近傍の折り曲げ線部LBと逆の角度で折り曲げることで、当該折り曲げ線部LBにおいて形成される角部に容易に引き込み把持連結部Cを形成することができる。
【0078】
なお、上記本実施形態の基本モジュールMでは、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の角部には引き込み把持連結部Cを一つのみ形成していたが、本発明はこれに限られず、例えば図13に示すように複数(図示する例では2つ)形成してもよい。この場合、各引き込み把持連結部Cのそれぞれにおける2つの内側縁部Eiが同じ把持幅Whで離間する寸法に設定していることはもちろん、それら2つの引き込み把持連結部Cも同じ把持幅Whで離間するよう形成することで、この間の中間被把持連結部Gもまた被把持連結部として機能させることができる。つまり、他の部分の寸法設定が上記本実施形態の基本モジュールMと同じであれば、隣り合う2つの側方壁面部1A〜1Eの間の角部に全て同じ把持幅Whとなる3つの被把持連結部(角部被把持連結部D及び中間被把持連結部G)と2つの把持連結部(引き込み把持連結部C)が交互に並んで配置することになる。
【0079】
このような複数段の把持連結部Cと被把持連結部D,Gを直列の配置で有する基本モジュールM−1を用いることで、例えば図14(a)、図14(b)に示すように同じ複数段の把持連結部C及び被把持連結部D,Gを相互に噛み合わせるよう把持させてより確実な連結を可能にしたり、または特に図示しないが、一カ所の角部において複数固の基本モジュールM,M−1やジョイントJを連結させることもできるようになる。
【0080】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、被把持連結部の外側縁部Eo、又は把持連結部の内側縁部Eiにそれぞれ隣接して把持幅Whで離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることにより、把持連結部による被把持連結部の把持を安定させて連結を確実にすることができる。なお、上記把持平面部は各部において一対で有する構成に限られず、一つだけ有する構成としてもよい。また、把持平面部は、外側縁部Eo又は内側縁部Eiから突出するように延ばして設けてもよい。
【0081】
また、本実施形態では特に、ジョイントJを挿入可能に形成された把持孔10の縁部のうちの対向する2つの縁部が、把持幅Whで離間して平行な配置の内側縁部Eiとして形成されているため、この把持孔10にジョイントJを挿入した状態では、把持孔10の内側縁部EiがジョイントJの被把持連結部の外側縁部Eo及び把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することができる。これにより、端壁面部2の中央部分に垂直な方向で被把持連結部を連結することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、把持孔10が被把持連結部をその挿入方向周りに複数の回転角度で挿入可能に形成されていることで、連結態様の自由度を増大させることができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、把持孔10が形成されている端壁面部2に対向する配置で当接面部7を有していることにより、把持孔10に挿入した被把持連結部の挿入方向先端部分をこの当接面部7に当接させることで、把持孔10による被把持連結部の把持を安定させることができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、当接面部7が引き込み部9の縁部に支持されて安定して位置決めされていることにより、把持孔10に挿入された被把持連結部の挿入方向先端部分からの当接を確実に受け止めることができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、組み立てられた基本モジュールMにおいて、挿入面部5が側方壁面部1Cの一辺から折り曲げられて形成されるとともに、安定して位置決めされている当接面部7と支持部6を介して一体に形成されていることにより、挿入面部5は側方壁面部1Cから所定の折り曲げ角度(本実施形態の例では直角)で折り曲げられた状態が維持され、挿入面部5に形成されている挿入孔11に対して挿入片を容易に挿入できる開口状態に維持させることができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、立方体形状(多角柱形状)に組み立てられる基本モジュールMの全ての側方壁面部1A〜1Eが、作成用シートSmにおいては折り曲げ線部LBを介して連続して配置されており、また組み立て状態においては連続した配置の両端に位置する2つの側方壁面部1A,1Eが重なり合うように組み立てられることで、箱体の態様で組み立てられる基本モジュールMが容易に分解するのを防ぐことができる。また、それら2つの側方壁面部1A,1Eが同じ形状に形成されているため、組み立て状態においてそれぞれに形成される把持連結部の内部の空間は塞がれることなく被把持連結部を把持することができる。なお、これは多角錐形状に形成される基本モジュールMに対しても適用でき、同様の効果が得られる。
【0087】
また、本実施形態では特に、組み立て状態において半補強面部4が端壁面部2に重なるように配置されることにより、半補強面部4は端壁面部2の強度を補強し変形するのを防ぐことができる。また、端壁面部2に形成されている把持孔10の一部である半把持孔部13が半補強面部4に形成されていることで、半補強面部4が端壁面部2に重なっても端壁面部2の把持孔10が塞がれることなく被把持連結部を挿入させて把持を補助することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、作成用シートSjを立体的に組み立てることで略全体が被把持連結部を形成するジョイントJを作成することができるため、これを介在させて把持連結部を有する基本モジュールMどうしを機能的に連結させることができる。
【0089】
なお、本実施形態の基本モジュールM及びジョイントJの作成用シートSm,Sjは紙材料からなるものであったが、本発明はこれに限られず、例えばプラスチックなどの樹脂からなる薄い板材のように折り曲げ可能で略平面形状の材料を使用して形成してもよい。
【0090】
上述した実施形態の具体的な構成は、本発明の内容を厳密に限定するものではなく、細部に関しては本発明の趣旨に沿って多様に変更できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施形態の創造玩具の一部材である基本モジュールを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【図2】基本モジュールの組み立て途中の状態を示す図である。
【図3】図3(a)は組み立ての最終工程の状態となっている基本モジュールを斜視で示す図であり、図3(b)は図3(a)中に示すX部を拡大して示す図である。
【図4】図3中のA−A線断面で示す基本モジュールの部分断面図である。
【図5】組み立てられた状態の基本モジュールの外観を斜視で示す図である。
【図6】実施形態の基本モジュールどうしを連結させた状態を説明する図である。
【図7】図7(a)は把持孔に被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部を示す図であり、図7(b)は把持孔に図7(a)と異なる角度で被把持連結部を挿入し把持させた状態の端壁面部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の創造玩具の一部材であるジョイントを立体的に組み立てる前の作成用シートの一例の展開平面図である。
【図9】ジョイントの組み立て途中の状態を示す図である。
【図10】組み立てられた状態のジョイントの外観を斜視で示す図である。
【図11】実施形態の基本モジュールとジョイントを組み合わせて連結させた態様の一例を示す図である。
【図12】実施形態の基本モジュールとジョイントを組み合わせて構造化した構造体の一例を示す図である。
【図13】一つの角部に複数段の把持連結部が形成された基本モジュールの外観を斜視で示す図である。
【図14】一つの角部に複数段の把持連結部が形成された基本モジュールどうしを連結させる状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0092】
1 側方壁面部(壁面部)
2 端壁面部(壁面部、把持平面部)
3 挿入片部
4 半補強面部(補強面部)
5 挿入面部
6 支持部
7 当接面部(把持平面部)
8 切り込み線(連結加工部)
9 引き込み部
10 把持孔(把持連結部)
11 挿入孔
12 くびれ
13 半把持孔部
21 胴壁面部(壁面部)
22 端壁面部(壁面部)
23 挿入片部
24 半補強面部
Sm 基本モジュール作成用シート(創造玩具作成用シート)
Sj−0 ジョイント作成用シート(創造玩具作成用シート)
Sj−1 ジョイント作成用シート(創造玩具作成用シート)
M 基本モジュール(創造玩具箱体、本体箱体)
M−1 基本モジュール
J ジョイント(創造玩具箱体、被把持箱体)
T 創造玩具
LB 折り曲げ線部
Wh 把持幅
Ei 内側縁部
Eo 外側縁部
C 引き込み把持連結部(把持連結部)
D 角部被把持連結部(被把持連結部)
F 被把持連結部
G 中間被把持連結部(被把持連結部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートであって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立て加工することにより被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を有することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項2】
請求項1記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記被把持連結部は所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有し、前記把持連結部は前記把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項3】
請求項2記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項4】
請求項2又は3記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態の前記被把持連結部又は前記把持連結部は、前記外側縁部又は前記内側縁部にそれぞれ隣接して前記把持幅で離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項5】
請求項2記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記把持連結部は、所定の壁面部において前記被把持連結部を挿入可能に形成した把持孔を有し、この把持孔に前記被把持連結部を挿入した状態では、前記把持孔が備える前記内側縁部が前記被把持連結部の前記外側縁部又は前記把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項6】
請求項5記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記把持孔は、前記被把持連結部をその挿入方向周りの複数の回転角度で挿入可能に形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項7】
請求項5又は6記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態では、前記把持孔が形成されている壁面部に対向する配置で、前記把持孔に挿入した前記被把持連結部の挿入方向先端部分に当接する当接面部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項8】
請求項7記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有し、前記当接面部は前記引き込み部の縁部に支持されることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項9】
請求項8記載の創造玩具作成用シートにおいて、
所定の第1壁面部の一辺に形成された挿入片部と、この挿入片部を挿入するための挿入孔が形成された挿入面部とを有し、この挿入面部は所定の第2壁面部の一辺から折り曲げて形成されるとともに支持部を介して前記当接面部と一体に形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
多角柱形状又は多角錐形状に組み立てられる場合の全ての側方壁面部が、展開状態では前記折り曲げ線部を介して連続して配置されており、組み立て状態では連続した配置の両端に位置する同一形状の2つの側方壁面部が重なり合うように組み立てられることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態で前記把持孔が形成されている壁面部に重なるよう配置される補強面部を有し、この補強面部には前記把持孔の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項12】
請求項1、2又は4のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態では略全体が前記被把持連結部を形成することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項13】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される創造玩具箱体であって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで形成される、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部の少なくともいずれか一つを有することを特徴とする創造玩具箱体。
【請求項14】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される箱体を複数個備える創造玩具であって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで略全体が被把持連結部を形成する被把持箱体と、
組み立て状態では前記被把持連結部を把持する把持連結部を少なくとも一つ備える本体箱体と
を有することを特徴とする創造玩具。
【請求項1】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートであって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立て加工することにより被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部が形成される連結加工部を有することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項2】
請求項1記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記被把持連結部は所定の把持幅で離間する配置の2つの外側縁部を有し、前記把持連結部は前記把持幅で離間して対向する配置の2つの内側縁部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項3】
請求項2記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項4】
請求項2又は3記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態の前記被把持連結部又は前記把持連結部は、前記外側縁部又は前記内側縁部にそれぞれ隣接して前記把持幅で離間した平行な配置の2つの把持平面部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項5】
請求項2記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記把持連結部は、所定の壁面部において前記被把持連結部を挿入可能に形成した把持孔を有し、この把持孔に前記被把持連結部を挿入した状態では、前記把持孔が備える前記内側縁部が前記被把持連結部の前記外側縁部又は前記把持平面部の少なくとも一部に接触して把持することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項6】
請求項5記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記把持孔は、前記被把持連結部をその挿入方向周りの複数の回転角度で挿入可能に形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項7】
請求項5又は6記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態では、前記把持孔が形成されている壁面部に対向する配置で、前記把持孔に挿入した前記被把持連結部の挿入方向先端部分に当接する当接面部を有していることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項8】
請求項7記載の創造玩具作成用シートにおいて、
前記連結加工部は、所定の前記折り曲げ線部に直交して前記把持幅で平行に形成された2本の切り込み線の間の引き込み部を当該折り曲げ線部と逆の角度で折り曲げて前記内側縁部を形成する引き込み把持連結部を有し、前記当接面部は前記引き込み部の縁部に支持されることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項9】
請求項8記載の創造玩具作成用シートにおいて、
所定の第1壁面部の一辺に形成された挿入片部と、この挿入片部を挿入するための挿入孔が形成された挿入面部とを有し、この挿入面部は所定の第2壁面部の一辺から折り曲げて形成されるとともに支持部を介して前記当接面部と一体に形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
多角柱形状又は多角錐形状に組み立てられる場合の全ての側方壁面部が、展開状態では前記折り曲げ線部を介して連続して配置されており、組み立て状態では連続した配置の両端に位置する同一形状の2つの側方壁面部が重なり合うように組み立てられることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態で前記把持孔が形成されている壁面部に重なるよう配置される補強面部を有し、この補強面部には前記把持孔の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項12】
請求項1、2又は4のいずれか1項記載の創造玩具作成用シートにおいて、
組み立て状態では略全体が前記被把持連結部を形成することを特徴とする創造玩具作成用シート。
【請求項13】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される創造玩具箱体であって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで形成される、被把持連結部、又はこの被把持連結部を把持する把持連結部の少なくともいずれか一つを有することを特徴とする創造玩具箱体。
【請求項14】
折り曲げ可能な材料からなる略平面形状の創造玩具作成用シートを立体的に組み立てることで作成される箱体を複数個備える創造玩具であって、
複数の折り曲げ線部を折り曲げて立体的に組み立てられることで略全体が被把持連結部を形成する被把持箱体と、
組み立て状態では前記被把持連結部を把持する把持連結部を少なくとも一つ備える本体箱体と
を有することを特徴とする創造玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−161517(P2008−161517A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355583(P2006−355583)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【出願人】(507002712)株式会社公楠梱包 (1)
【出願人】(000129493)株式会社クラウン・パッケージ (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【出願人】(507002712)株式会社公楠梱包 (1)
【出願人】(000129493)株式会社クラウン・パッケージ (21)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]