説明

劇場用座席および劇場用座席システム

【課題】 手回り品を収納でき、かつ、他者に着席され、又は、荷物置きとして使用されないような劇場用座席および劇場用座席システム。
【解決手段】 床2に立設した側面壁7、前面壁8および背面壁9にて囲まれ、上方に開口部10が形成された収納部3と、背面壁より上方に延伸された背板5と、前端部近辺が前面壁に軸支されるとともに起倒自在とされ、起立した際は前面壁の上方に延伸して開口部を開放し、かつ、倒した際は水平状態となって開口部を覆い、また、起立位置および水平位置の中間に位置決め可能とされた座席部4と、ICカード・リーダ13が設けられた肘掛け部6と、収納部に手回り品が収納されていることを検出する荷物検出器13と、から成る劇場用座席であり、特定座席の番号が記憶されたIC座席カード40をICカード・リーダにより読取った際、座席と合致する場合に限り、座席部が起倒自在とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、かばんやハンドバックなどの手回り品を収納可能とするとともに、記憶媒体により観客を管理する劇場用座席および劇場用座席システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンサートホールや劇場、映画館などに使用される椅子(劇場用座席)としては、座席部が背部側に跳ね上げ可能な、いわゆる跳ね上げ椅子が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
観劇時、かばんやハンドバックなどの手回り品は通常、膝の上に載せたり、着席したときの足と自分の座席との間の足元、または前の座席の背部と足の間の通路に置くことが行なわれるが、かばんを膝の上に載せると重たいため、観劇に集中できないことがあるという問題があった。
かといって、足元、あるいは、着席した足の前の通路は手回り品を置くには狭く、かつ、フロアに直置きになるので汚れる懸念があるため、近くの空席を手回り品置きの代わりにすることが多く、荷物(手回り品)などが座席に置いてあると中座しているのか、或いは近くの人の手回り品かが分からないため声を掛けにくく、空席であるにも拘らず座れないという問題があった。
また、中座する際、置いておくと荷物が心配なため、かばんなどの手回り品を持ち歩く必要があったため、面倒であるという問題があり、手回り品を収納できるような座席が希望されていた。
さらに、手回り品を収納してある元の座席が他者に座られないよう、確保できるような座席が望まれた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−259152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、手回り品を収納できるとともに、他者に着席され、あるいは、荷物置きとして使用されないような劇場用座席および劇場用座席システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る劇場用座席は、床に立設した左右の側面壁、前面壁および背面壁にて囲まれ、上方に開口部が形成された収納部と、この収納部の背面壁より上方に延伸された背板と、前端部近辺が前記前面壁に軸支されるとともに起倒自在とされ、起立した際は前面壁の上方に延伸して前記開口部を開放し、かつ、倒した際はほぼ水平状態となって前記開口部を覆うとともに、前記起立位置および水平位置の中間の任意位置に位置決め可能とされた座席部と、ICカード・リーダが設けられた肘掛け部と、前記収納部に手回り品が収納されていることを検出する荷物検出器と、から成る劇場用座席であって、少なくとも前記座席のうちの特定座席の番号が記憶されたIC座席カードを前記ICカード・リーダにより読取った際、前記座席と合致する番号が記憶されたIC座席カードである場合に限り、前記座席部が起倒自在とされることを特徴とする。
また、本発明に係る劇場用座席システムは、フロアに立設した左右の側面壁、前面壁および背面壁にて囲まれ、上方に開口部が形成された収納部と、この収納部の背面壁より上方に延伸された背板と、
前記前面壁部分に前端部近辺が軸支された座席部と、ICカード・リーダが設けられた肘掛け部と、
前記前面壁を回動基点として前記座席部を起倒自在とする座席制御部と、着座、退席、中座を指示する座席使用状態指示部と、前記収納部に手回り品が収納されていることを検出する荷物検出器と、を備えた劇場用座席と、少なくとも特定座席の番号をIC座席カードに記憶して発行するIC座席カード発行部と、前記ICカード・リーダ、前記座席制御部、座席使用状態指示部、荷物検出器、並びにIC座席カード発行部と接続され、各部の制御を行なう制御部と、を備えた劇場用座席システムであって、前記ICカード・リーダにて前記IC座席カードを読取った際、前記制御部が前記特定座席の番号と合致する座席と判定した場合に限り前記各部の制御が可能とされ、前記座席状態指示部により、着座が指示された場合は前記開口部を覆うようにほぼ水平状態に、また、退席が指示された場合は前記開口部を開放するように前面壁の上方に延伸して起立状態に、さらに、中座が指示された場合は前記起立位置および水平位置の中間の傾斜状態に、前記座席制御部を制御して前記座席部をおのおのの状態に回動して位置決めすることを特徴とする。
さらに、制御部には、退席確認用のIC座席カード回収部が接続され、観劇終了時、ICカード回収部を介してIC座席カードの特定座席の番号を読取るとともに、この特定座席の荷物検出器による荷物の収納有無状態を判定し、収納されていると判定された場合はアラームを発するようにできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、少なくとも座席のうちの特定座席の番号が記憶されたIC座席カードをICカード・リーダにより読取った際、座席と合致する番号が記憶されたIC座席カードである場合に限り、座席部が起倒自在とされ、IC座席カードが該当の座席で使用された場合のみ座席部の起倒位置を変更できるので、IC座席カードを鍵代わりとして使用でき、かつ、手回り品を安全な状態で収納可能とするという効果がある。
また、制御部に、さらに、退席確認用のIC座席カード回収部を接続し、観劇終了時、ICカード回収部を介してIC座席カードの特定座席の番号を読取るとともに、この特定座席の荷物検出器による荷物の収納有無状態を判定し、収納されていると判定された場合はアラームを発するようにすれば、観客が手回り品を収納し忘れたまま退場する虞が回避されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の劇場用座席システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同、システムで使用される座席の平面図である。
【図3】同、図2中、矢示III方向より見た概略側面説明図である。
【図4】同、図2中、矢示IV方向より見た概略側面説明図である。
【図5】同、中座時の座席状態を示す図3相当の概略側面説明図である。
【図6】同、図2中、矢示VI方向より見た肘掛け部の拡大側面説明図である。
【図7】同、システムで使用されるIC座席カードを示す説明図である。
【図8】同、処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態につき、図1ないし図8に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る劇場用座席システムの構成を示すブロック図である。
同図に示すように、劇場用座席システムは、ホスト側装置群30と座席側装置群20とから構成されている。
ホスト側装置群30は、IC座席カード40と、このIC座席カード40を発行するIC座席カード発行部31と、前記IC座席カード40を回収するIC座席カード回収部32と、ホスト側制御装置33とから構成される。
【0009】
ここでIC座席カード40につき、主に、図7に基づき説明する。
同カード40は、自身の識別コード等の情報が記憶されたICチップ41を内蔵しており、かつ、表面に座席番号表示部42、開演日表示部43および入場時間表示部44が形成されている。
各表示部42、43、44は、「リライト印字エリア」となっており、白濁印字方式やロイコ印字方式により書換えが可能になっている。
【0010】
図1に戻って、IC座席カード発行部31は、図示省略の劇場の入口近辺に配設され、前記IC座席カード40を発行するものであり、前記ICチップ41に対して空いている特定座席の番号(空席番号)を記憶するとともに、座席番号表示部42には、前記ICチップ41に記憶した番号と同じ特定座席の番号(図7の例では、「に列12番」)を記憶し、また、開演日表示部43には、開演日である本日日付(図7の例では、「△月□日」)、さらに、入場時間表示部44には、発行した時間(図示の例では、「午後6時20分」)を各々書込み・表示し、かつ、書込んだ情報と同じ開演日および入場時間をICチップ41にも記憶するようになっている。
【0011】
IC座席カード回収部32は、図示省略の劇場の出口近辺に配設され、前記IC座席カード40を回収する際に、前記ICチップ41に記憶した座席の番号等を消去すると共に、前記各表示部42、43、44の表示内容を消去するようになっている。なお、消去した番号は、「空席番号」の情報としてホスト側制御装置33にて管理される。
【0012】
ホスト側制御装置33は、前記ホスト側装置群30のIC座席カード発行部31およびIC座席カード回収部32との間、並びに後述する座席側装置群20の間で、図示省略の前記特定座席の番号などの情報の授受、および各種信号の授受を有線または無線にて行なえるようになっている。信号や情報の授受については、後述する。
【0013】
座席側装置群20は、前記ホスト側制御装置33に接続されるICカード・リーダ11、座席調整部12、荷物検出器13、および着座使用状態指示部14と、前記座席調整部12に接続される座席部4(図2ないし図5参照)、前記荷物検出器13に接続される収納部3(図2ないし図5)などより構成されており、ホスト側制御装置33との間で、各種信号や情報の授受が行えるようになっている。信号や情報の授受については、後述する。
【0014】
次に、主に、図2ないし図5に基づいて本発明に係る劇場用座席を説明する。
図2は、劇場用座席が連なった状態を示す平面図、図3ないし図5は、概略側面説明図であり、図6は、肘掛け部の拡大側面説明図である。なお、説明の都合上、一部を想像線にて図示している。
劇場用座席(以下、単に「座席」と称する)1は、主に、床2に設けられた「基体」としての収納部3と、収納部3の上方に設けられた座席部4と、背板5と、肘掛け部6とを備える。
収納部3は、床2に立設した左右の側面壁7a、7b、前面壁8、背面壁9にて囲まれ、上方に開口部10が形成されており、開口部10よりかばんなどの手回り品22が収納できるようになっている。なお、説明の都合上、図2ないし図5においては、収納部3を想像線にて図示するとともに、「側面壁」は、片側の側面壁7aのみを図示してある。
背板5は、前記背面壁5より上方に延伸されている。
【0015】
また、座席部4は、前端部近辺が前記前面壁8の上端部に設けられた支持部21において回動自在に軸支されるとともに、起倒自在とされる。すなわち、起立した際は前面壁8の上方に延伸して前記開口部10を開放して(図3参照)手回り品22の収納・取り出しを容易とし、また、倒した際は、ほぼ水平状態となって開口部10を覆って手回り品22を取り出せないようにすると共に、着座できるようになっている(図4参照)。さらに、この座席部4は、前記起立位置(図3)と着座が可能な水平位置(図4)の中間の任意位置(図5参照)に位置決め可能となっており、これらの位置決めは、座席調整部12を介して座席部4に送信される前記ホスト側制御装置33よりの信号によって行なわれるようになっている。
なお、前記支持部21には、図示省略のギア群が設けられ、このギア群(図示省略)の回動により座席部4を所定の位置に回動・位置決めできるようになっている。
また、空席時は、他の観客が荷物を置いて占有したり、或は、座ったりする不正使用を防止するため、座席部4は起立した状態(図3参照)となっている。
【0016】
肘掛け部6には、前端部に前記ICカード・リーダ11、および一方の側面部に前記座席使用状態指示部14が設けられており、ICカード・リーダ11にIC座席カード40を挿入することにより読取り可能とている。そして、IC座席カード40がICカード・リーダ11にて読取られると、IC座席カード40に記憶された特定座席の番号と、座席の番号(図示省略)がホスト側制御装置33にて比較され、合致する座席1と判定された場合に限り、同座席の各部の制御が可能とされるようになっている。
【0017】
座席調整部12は、前記座席部4の前記起倒状態を制御するための制御装置であり、ホスト側制御装置33よりの信号により前記支持部21のギア群(図示省略)を回動することにより座席部4を所定の位置に位置決めする役目をもっている。
【0018】
荷物検出器13は、前記収納部3にかばん等の手回り品22を入れた際に、「収納物有り」を検出するための「検出装置」であり、重量計の採用が可能である。この「収納物有り」の信号は、接続されるホスト側制御装置33に送信される。
【0019】
また、座席使用状態指示部14は、主に、図6に示すように、着座ボタン14a、退席ボタン14b、中座ボタン14cより成っている。
着座ボタン14aは、初めに着座する際に押すボタンであり、着席部4は、空席で起立した位置(図3)よりほぼ水平位置(図4)に位置決めされる。
退席ボタン14bは、観劇終了の退席・退場時に押すボタンであり、座席部4は水平位置より起立位置に回動して位置決めされるとともに、ICカード・リーダ11よりIC座席カード40が取り外し可能となる。前端部が前面壁8にて回動自在とされる座席部4が、起立状態となって開口部10を大きく開放するため、手回り品22が取り出し易いものである。
中座ボタン14cは、トイレや売店などに行く際に押すボタンであり、座席部4は、退席時の起立位置(図3)と着座が可能な水平位置(図4)の中間の任意位置(図5参照)に位置決めされるようになっており、座席部4は、開口部10が余り開かない状態、すなわち、やや斜めに傾斜した状態に回動して位置決めされるものであり、収納部3に手回り品22が入っていたとしても取り出せない程度に開口部10は開き、中座していることが認識可能となるだけでなく、他の観客が賜り品22などの荷物を置いたり、或は、座ろうとしても不安定な状態であるため、不正使用を防止できるものである。なお、中座ボタン14cが押されると、ICカード・リーダ13よりIC座席カード40が、図示省略のバネ等の作用により飛び出して取り外しできるようになっており、このため、取り忘れて中座することが防止できるようになっている。
【0020】
次に、主に、図8に基づき、劇場用座席システムの処理につき、説明する。
ステップS01にて、IC座席カード40を発行する。すなわち、ホスト側制御装置33にて管理している「座席情報」より特定座席の番号(空席)を選択し、IC座席カード発行部31を介して座席の番号、開演日、開演時間をICチップ41および座席番号表示部42、開演日表示部43、および入場時間表示部44の「リライト印字エリア」の各表示部に書込む。
ステップS02にて、IC座席カード40を読取る。すなわち、入口(図示省略)近辺で発行されたIC座席カード40を特定座席(該当座席)の肘掛け部6に設けられたICカード・リーダ11にて読取らせる。
ステップS03にて、当該の座席番号か否かを判定する。すなわち、ステップS02で読取ったIC座席カード40に書込まれた特定座席の番号と該当座席1の番号(図示省略)をホスト側制御装置33へ送信し、ホスト側制御装置33にて同番号が合致するか否かを判定し、合致した場合のみ、ステップS04にて座席の使用を許諾して、以降の座席1の起倒を自在とする。
他方、合致しなかった場合は、ステップS05にて、既知の方法によるアラーム(図示省略)を発して終了する。なお、アラームは、ブザーや音声などが採用可能であるが、劇場という場所の特異性に鑑みると、淡いLEDなどの発光による方法が好ましい。
ステップS06にて、手回り品22の収納の有無を判定する。すなわち、手回り品22が収納部3に収納された場合は、荷物検出器13により「手回り品の収納有り」が認識されるため、この信号をホスト側制御装置33に送り、ステップS07にて、図示省略の収納部使用フラグをONとする。
ステップ08にて、押された着席使用状態指示部14が着座ボタン14aか否かをホスト側制御装置33にて判定し、着座ボタン14aと判定された場合は、ステップS09にて、ホスト側制御装置33より座席調整部12を介して「着座位置に位置決め」の信号を出し、支持部21のギア群(図示省略)を回動して座席部4をほぼ水平位置に位置決めするとともに、ステップS08に戻って、次に着席使用状態指示部14より入力指示があるまで待機する。
また、ステップ10にて、中座ボタン14bが押されたか否かをホスト側制御装置33にて判定し、中座ボタン14bと判定された場合は、ステップS11にて、座席部4を起立状態と水平状態の中間の傾斜状態に位置決めするとともに、ステップS12にて、IC座席カード40を取り外し可能とする。
さらに、ステップS13にて、退席ボタン14cが押されたか否か判定し、退席ボタン14ctp判定された場合は、ステップS14にて、座席部4を起立状態に位置決めするとともに、ステップS15にて、IC座席カード40を取り外し可能とする。
退席の場合は、ステップS16にて、IC座席カード40の回収を行なう。すなわち、出口(図示省略)近辺に設けたIC座席カード回収部32にて、IC座席カード40を読取るとともに、ステップS17にて、読取った当該座席の番号の収納部使用フラグ(図示省略)をホスト側制御装置33にて判定することにより手回り品22が収納部3に有るか否かを判定し、「収納部に手回り品有り」と判定された場合は、ステップS18にて、退場する観客にアラーム(図示省略)を発して注意を促す。
他方、ステップS16にて、「収納部に手回り品なし」と判定された場合は、ステップS19にて、当該特定番号の座席を「空席」にし、かつ、前記図示省略の収納部使用フラグをOFFにするとともに、座席部4を強制的に起立位置に回動する。さらに、IC座席カード回収部32を介してIC座席カード40のICチップ41に記憶された座席番号、および座席番号表示部42、開演日表示部43、入場時間表示部44を初期値(ゼロ)に書き替える。
【0021】
上述したように、座席1は、ICカード・リーダ11にて読取ったIC座席カード40の座席番号と特定座席の番号が合致した場合に限り座席1が起倒自在とされるため、IC座席カード40が「鍵(キー)」代わりとなり、しかも、床2に立設した収納部3に手回り品22を収納できるようにするとともに、座席調整部12を介して座席部4を起倒自在とし、しかも、座席部4の起倒位置は、退席時には、開口部10を開放する位置に起立して収納部3よりの手回り品22の取り出しを容易とし、また、着席時には、座席部4はほぼ水平状態に位置決めされて着座を可能とし、さらに、中座時には、前記倒立位置と水平位置の中間の傾斜状態の位置に座席部4を位置決め可能とするため、中座であることが一目で認識できるとともに、飛び出して取り外し可能となった「鍵(キー)代わり」のIC座席カード40を携帯すれば、手回り品22は安全に収納された状態であり、さらに、他の観客の荷物置きになるなどの不正使用が防止されるものである。
【0022】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0023】
1 劇場用座席
2 床
3 収納部
4 座席部
5 背板
6 肘掛け部
7、7a、7b 側面壁
8 前面壁
9 背面壁
10 開口部
11 ICカード・リーダ
12 座席調整部
13 荷物検出器
14 着席使用状態指示部
14a 着座ボタン
14b 退席ボタン
14c 中座ボタン
20 座席側装置群
21 支持部
22 手回り品(かばん)
30 ホスト側装置群
31 IC座席カード発行部
32 IC座席カード回収部
33 ホスト側制御装置
40 IC座席カード
41 ICチップ
42 座席番号表示部
43 開演日表示部
44 入場時間表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に立設した左右の側面壁、前面壁および背面壁にて囲まれ、上方に開口部が形成された収納部と、
この収納部の背面壁より上方に延伸された背板と、
前端部近辺が前記前面壁に軸支されるとともに起倒自在とされ、起立した際は前面壁の上方に延伸して前記開口部を開放し、かつ、倒した際はほぼ水平状態となって前記開口部を覆うとともに、前記起立位置および水平位置の中間の任意位置に位置決め可能とされた座席部と、
ICカード・リーダが設けられた肘掛け部と、
前記収納部に手回り品が収納されていることを検出する荷物検出器と、から成る劇場用座席であって、
少なくとも前記座席のうちの特定座席の番号が記憶されたIC座席カードを前記ICカード・リーダにより読取った際、前記座席と合致する番号が記憶されたIC座席カードである場合に限り、前記座席部が起倒自在とされることを特徴とする劇場用座席。
【請求項2】
フロアに立設した左右の側面壁、前面壁および背面壁にて囲まれ、上方に開口部が形成された収納部と、
この収納部の背面壁より上方に延伸された背板と、
前記前面壁部分に前端部近辺が軸支された座席部と、
ICカード・リーダが設けられた肘掛け部と、
前記前面壁を回動基点として前記座席部を起倒自在とする座席制御部と、
着座、退席、中座を指示する座席使用状態指示部と、
前記収納部に手回り品が収納されていることを検出する荷物検出器と、を備えた劇場用座席と、
少なくとも特定座席の番号をIC座席カードに記憶して発行するIC座席カード発行部と、
前記ICカード・リーダ、前記座席制御部、座席使用状態指示部、荷物検出器、並びにIC座席カード発行部と接続され、各部の制御を行なう制御部と、を備えた劇場用座席システムであって、
前記ICカード・リーダにて前記IC座席カードを読取った際、前記制御部が前記特定座席の番号と合致する座席と判定した場合に限り前記各部の制御が可能とされ、
前記座席状態指示部により、着座が指示された場合は前記開口部を覆うようにほぼ水平状態に、また、退席が指示された場合は前記開口部を開放するように前面壁の上方に延伸して起立状態に、さらに、中座が指示された場合は前記起立位置および水平位置の中間の傾斜状態に、前記座席制御部を制御して前記座席部をおのおのの状態に回動して位置決めすることを特徴とする劇場用座席システム。
【請求項3】
前記制御部には、さらに、退席確認用のIC座席カード回収部が接続され、観劇終了時、ICカード回収部を介して前記IC座席カードの特定座席の番号を読取るとともに、この特定座席の荷物検出器による荷物の収納有無状態を判定し、収納されていると判定された場合はアラームを発することを特徴とする請求項2に記載の劇場用座席システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−200473(P2011−200473A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71284(P2010−71284)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】