説明

力率に基づくデマンド制御の方法およびシステム

【課題】力率に基づくデマンド制御の方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】方法の一実施形態は、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信するステップと、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出するステップとを含む。方法はさらに、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信するステップを含む。信号は、1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、その際、1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力率に基づくデマンド制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気事業者は、電気パラメータの中でも特に、キロワット要件、キロワット時(kWh)およびキロバール時(kVARh)を記録することができるレベニューメータ(revenue meters)を、顧客の送電路に設置する。交流(AC)の電力は、有効電力(P=I2R)、無効電力(Q=I2X)、および皮相電力(S=I2Z)という3つの成分を有する。変圧器、電気モータ、および高輝度放電照明などの誘導負荷は、低い力率の要因となる。力率(PF)は、有効電力と皮相電力の比であり、電気設備がどの程度の有効電力を利用するかを表す。力率=W(有効電力)/VA(皮相電力)。力率は、エネルギー効率またはエネルギー保存と混同すべきではなく、電気設備の効率を改善することによって、エネルギー消費が低減されるが、力率は改善されないことがある。
【0003】
誘導負荷は、磁界を生成するのに電流を必要とし、それによって所望の仕事量が生成される。誘導性デバイスによって必要とされる合計電力または皮相電力は、ワット(W)単位で測定した有効電力と、バール(VAR)単位で測定した励磁電流から得られる非使用電力(nonworking power)である無効電力との加算である。皮相電力(VA)=有効電力(W)+無効電力(VAR)。「電力ベクトル図」を使用して、皮相電力、有効電力、および無効電力の関係を示すことができる。誘導負荷が必要とする無効電力によって、ボルトアンペア(VA)単位で測定される皮相電力が増加し、それによって力率が減少する。力率が低いと、配電系統の電力損失が引き起こされ、それが電圧降下の要因となる。電圧が低いと、モータおよび他の誘導性デバイスの過熱および初期故障を引き起こす可能性があり、公益事業設備によっては、低い力率に対してペナルティを課すものがある。
【0004】
力率が低いと電流引き込みをより高くする必要があり、結果として配電系統のケーブルがより大きくなる。高電流は、ケーブルおよび変圧器の大きな銅損に結び付く。したがって、公共事業設備は、可能な限り1.00に近いPFでそれらのシステムを稼働させることを望む。kVARを低減させると、皮相電力が低減され、力率が増加する。線路から中性に接続されたコンデンサは、交流回路に無効電力を供給することができる。コンデンサが無効電力を供給していると、システムがそれを提供する必要性が緩和または排除される。しかし、コンデンサは設置し維持するのに費用がかかる可能性があり、電気系統に共振が発生することがある。電気系統から誘導負荷を除去するか、またはかかる負荷が線路に出現するのを防ぐことによって、kVARを低減させる(力率を増加する)こともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許第87206648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述したものを含む、当該分野に存在する課題を克服するシステムおよび方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
力率に基づくデマンド制御のための方法およびシステムの実施形態を本明細書に記載する。
【0008】
1つの態様は、力率に基づくデマンド制御の方法を含む。方法の一実施形態は、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信するステップと、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出するステップとを含む。方法はさらに、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信するステップを含む。信号は、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、その際、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。
【0009】
方法の別の実施形態は、ネットワークを介して、ネットワークと接続されたメータによって得られる、電気系統内での位置と関連する力率の測定値を受信するステップを含む。電気系統内での位置と関連する力率の測定値の時間に伴う変化は、プロセッサを使用して、位置と関連する直近に受信した力率の測定値を位置と関連する以前に受信した力率の測定値と比較することによって検出される。測定した力率の変化に応答して、プロセッサによって1つまたは複数の電気装置に信号が送信され、その際、信号は、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こす。1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統内での位置と関連する測定した力率に影響を及ぼす。
【0010】
別の態様では、システムを記載する。システムの一実施形態は、プロセッサと動作可能に接続されたネットワークインターフェースで構成され、プロセッサは、ネットワークインターフェースを使用して、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信し、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出し、ネットワークインターフェースを介して、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信するように構成され、信号は、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。
【0011】
追加の利点は、以下の説明に部分的に記述され、または実施によって得られてもよい。それら利点は、添付の請求項において特に指摘される要素および組み合わせを用いて実現され達成される。上述の概要および以下の詳細な説明は両方とも、単なる例示および説明のためのものであって、請求されるような限定的なものではないことを理解されたい。
【0012】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、実施形態を図示し、説明と併せて方法およびシステムの原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】例示的な配電系統の一区画を示す単線ブロック図である。
【図1B】本発明の一実施形態による三相四線(相A、B、C、および中性N)配電系統の一部分を示す例示的な詳細図である。
【図2】1つまたは複数の電気装置に優先順位を割り当てることができる例示的なデータベース構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を実施するのに使用することができるメータの非限定的な一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるメータ電子部品として動作することができる構成要素を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による力率に基づくデマンド制御と見なしてもよい動作を示す流れ図である。
【図6】開示される方法を実行する例示的な動作環境を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の方法およびシステムを開示し記載する前に、方法およびシステムは、特定の合成方法、特定の構成部品、または特定の構成に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであって、制限することを意図しないことを理解されたい。
【0015】
本明細書および添付の請求項で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって特段の明示がない限り複数形を含む。本明細書では、範囲は、「およそ」1つの特定の値以上、および/または「およそ」別の特定の値以下であるものとして表現されることがある。かかる範囲が表現されるとき、別の実施形態は、その1つの特定の値以上、および/またはその他の特定の値以下を含む。同様に、「約」という先行詞を使用することによって値が近似として表現されるとき、特定の値は別の実施形態を形成することが理解される。さらに、範囲それぞれの端点は、他方の端点と関連し、かつ他方の端点とは独立して有意であることが理解される。
【0016】
「任意の」または「任意に」は、続けて記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよく、説明が、前記事象または状況が起こる場合とそれが起こらない場合とを含むことを意味する。
【0017】
本明細書の説明および請求項全体を通して、「備える」という用語、および「備えている」などの用語の変化形は、「〜を含むがそれに限定されない」ことを意味し、例えば、他の付加物、構成部品、整数、またはステップを除外しないものとする。「例示的な」は、「〜の一例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の指示を与えることを意図しない。「など」は、限定的な意味ではなく説明の目的で使用される。
【0018】
開示する方法およびシステムを実行するのに使用することができる構成部品について開示する。これらおよび他の構成部品が本明細書に開示され、これら構成部品の組み合わせ、部分集合、相互作用、群が開示されるとき、これらの様々な個々のおよび集合的な組み合わせおよび入替えそれぞれの具体的な参照は、明示的に開示されないことがあるが、それぞれが、すべての方法およびシステムに対して本明細書に具体的に検討され記載されることを理解されたい。これは、開示される方法のステップを含むがそれらに限定されない、本願のすべての態様に当てはまる。したがって、実行することができる様々な追加のステップがある場合、これら追加のステップはそれぞれ、開示される方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせを用いて実行できることを理解されたい。
【0019】
本発明の方法およびシステムは、好ましい実施形態の以下の詳細な説明およびそれに含まれる実施例、ならびに図面およびそれらの上記説明と以下の説明を参照することによって、より容易に理解されてもよい。
【0020】
図1Aを参照すると、本発明の実施形態の利益を享受する1つのタイプのシステムの図が示される。図1Aは、例えば配電系統などの、例示的な配電系統の一区画を示す単線ブロック図である。図1Aに示されるように、公益事業サービスは、配電系統104を通して公益事業者100によって様々な負荷L1〜Ln102に送達される。1つの態様では、提供される公益事業サービスは電力であり得る。図1Aには単線図として示されるが、配電系統104は、単相および/または多相構成部品で、かつ可変の電圧準位で構成できることを認識されたい。負荷102による消費および需要は、レベニューメータM1〜Mn106によって負荷位置で測定することができる。電気計器の場合、メータ106は、負荷102に応じて、当業者には知られているような、単相または多相電気計器であることができる。例えば、負荷は単相であることができ、したがってメータ106は単相であることができる。単相の負荷は、配電系統104の異なる相(例えば、相A、相B、または相C)に接続することができる。同様に、例えば、負荷102は三相負荷などの多相負荷であることができ、メータ106は、負荷102の役割を果たす三相を計測する三相メータであることができる。
【0021】
1つの態様では、電気計器106は、本明細書に記載され、当業者には知られているようなスマートメータである。以下、明細書ではレベニューメータ106を「メータ」、「電気計器」、および/または「スマートメータ」と呼び、それら用語は交換可能に使用することができる。スマートメータの1つの非限定例は、ゼネラルエレクトリック社(General Electric Company、「GE」)(Schenectady,NY)から入手可能なGE 1210+cメータである。スマートメータの別の非限定例は、やはりGEから入手可能なGE SM3000である。消費または需要情報は主として消費者に請求書を送るために公益事業者100によって使用されるが、配電系統の計画および分析を含む他の目的にも使用することができる。いくつかの例では、公益事業者100は、負荷102に対する公益事業サービスの切断または接続、自動メータ読取り(AMR)、負荷制限および負荷制御、自動分配およびスマートグリッドアプリケーション、供給停止報告、付加的サービス(インターネット、映像、および音声など)の提供のスケジューリングを含む多数の目的で、メータ106と電子的に通信することを望む。上述したように、メータ106は、電圧、電流、力率などの電気的パラメータをメータ106の位置で測定するように構成することができる。これらの例の多くでは、メータ106は、当業者には知られているように、有線接続(光ファイバを含む)、無線接続、または有線と無線の組み合わせであることができる通信ネットワーク110を通して、1つまたは複数の計算装置108と通信するように構成することができる。1つの態様では、ネットワーク110は高度計測インフラ(advanced metering infrastructure)(AMI)ネットワークである。AMIは、エネルギー使用量を測定、収集、および分析し、様々な通信媒体を通して、要求に応じて(オンデマンドで)または所定のスケジュールで、電気計器、ガス量計、水量計などの高度デバイスと相互作用する。このインフラは、ハードウェア、ソフトウェア、通信、顧客側のエネルギー表示装置およびコントローラ、顧客側の関連システム、メータデータ管理(MDM)ソフトウェア、供給業者およびネットワーク分配業務システムなどを含む。測定デバイス(例えば、メータ106)と業務システムとの間のネットワーク110は、顧客、供給業者、公益事業会社、およびサービスプロバイダに対する情報の収集と分配を可能にする。これによって、これらの事業が、需要反応ソリューション、製品、およびサービスに関与するか、またはそれらを提供することができる。顧客に情報を提供することによって、システムは、価格変化に応答して、あるいはピーク需要期間もしくは卸売価格が高い時期に、または運用システムの信頼性が低い期間の間、エネルギー使用量をより少なくするよう促すインセンティブとして、消費者の通常の消費パターンからのエネルギー使用量の変化を支援する。1つの態様では、ネットワーク110はスマートグリッドネットワークの少なくとも一部分を含む。1つの態様では、ネットワーク110は、WPAN(例えば、ZigBee、Bluetooth(商標))、LAN/WLAN(例えば、802.11n、マイクロ波、レーザーなど)、WMAN(例えば、WiMAXなど)、WAN/WWAN(例えば、UMTS、GPRS、EDGE、CDMA、GSM(商標)、CDPD、Mobitex、HSDPA、HSUPA、3Gなど)、RS232、USB、ファイアワイヤ、イーサネット(商標)、無線USB、セルラー、OpenHAN、電力線搬送(PLC)、電力線ブロードバンド(BPL)などのうち1つまたは複数を利用する。
【0022】
いくつかの例では、公益事業者100は、計測位置で1つまたは複数の電気デバイス102と通信することを望む。1つの態様では、ネットワーク110を公益事業者が使用して、1つまたは複数の電気デバイス102と通信することができる。例えば、公益事業者は、需要反応管理システム(DRMS)の使用によって、負荷(例えば、電気デバイス)102の動作特性を制御するのを望むことがある。例示的なDRMSは、公益事業者100による要求に応答して、または市場価格条件に基づいて、専用制御システムを使用することによって負荷を制限するように実施することができる。サービス(例えば、照明、機械、空調など)は、臨界時間フレーム中に予め計画された階層的負荷優先順位スキームに従って低減することができる。一般に、DRMSは、計測位置で見出される1つまたは複数の電気デバイス102の動作特性を制御するか、またはそれに影響を及ぼすことができる。かかる電気デバイスとしては、例えば、暖房、換気空調(HVAC)ユニット、温水器、照明、食器洗浄機、冷蔵庫、洗濯機、ドライヤ、電気ストーブまたは電気オーブン、電子レンジ、水ポンプなどを挙げることができる。様々な例では、公益事業者100は、DRMS、AMI(本明細書に記載するような)、スマートグリッド機器、インターネット接続、またはそれらの組み合わせのすべてもしくは一部を含むことができるネットワーク110を使用して、電気デバイス102と通信することができる。ネットワーク110媒体は、有線接続(光ファイバを含む)、無線接続、またはそれらの組み合わせであることができる。様々な態様では、公益事業者100は、1つまたは複数の電気デバイス102の動作特性を調節することができる。例えば、電気デバイス102の1つまたは複数の動作特性の調節としては、電気デバイス102にその通常の動作状態よりも高い電流を引き込ませることもしくは高い電圧で動作させることを含むことができ、または、電気デバイス102にその通常の動作状態よりも低い電流を引き込ませることもしくは低い電圧で動作させることを含むことができる。1つの態様では、電気デバイス102の1つまたは複数の動作特性の調節は、電気デバイスのオンオフを循環させることを含むことができる。かかる循環は特定周波数で生じる場合がある。1つの態様では、電気デバイス102の1つまたは複数の動作特性の調節は、規定の時限の間、電気デバイス102が動作するのを、または通電されるのを防ぐことを含む。1つの態様では、ネットワーク110はスマートメータなどのメータ106と通信し、それが次に、無線または有線接続のどちらかで、計測位置で1つまたは複数の電気デバイスと通信する。1つの態様では、メータ106内の無線機は1つまたは複数のデバイスと無線で通信する。1つの態様では、メータ106は、WPAN(例えば、ZigBee、Bluetooth(商標))、LAN/WLAN(例えば、802.11n、マイクロ波、レーザーなど)、WMAN(例えば、WiMAXなど)、WAN/WWAN(例えば、UMTS、GPRS、EDGE、CDMA、GSM(商標)、CDPD、Mobitex、HSDPA、HSUPA、3Gなど)、RS232、USB、ファイアワイヤ、イーサネット(商標)、無線USB、セルラー、OpenHAN、電力線搬送(PLC)、電力線ブロードバンド(BPL)などのうち1つまたは複数を使用して、1つまたは複数の電気デバイスを通信する。他の例では、ネットワーク110は、例えばインターネット、携帯電話、有線電話接続、有線ケーブルテレビ接続などを使用して、1つまたは複数の電気デバイスと直接通信することができる。
【0023】
次に図1Bを参照すると、いくつかの例では、配電系統104は、電力使用給電線(power−using feeders)を供給する、三相四線ネットワークなどの多相系統であってもよい。給電線はそれぞれ、次に、複数の回路へと分岐して、複数の局所的な柱上または地上設置型変圧器114に電力供給し、変圧器は、法人および住宅用顧客計測位置での送達と計測のため、例えば、120もしくは240ボルトの対地電圧または相間電圧である最終電圧へと電圧を逓減させる。一般に、住宅用顧客は、単相メータを使用して三相系統の任意の一相に接続することができ、法人顧客は、負荷制御リレー(「LCR」)が相の任意の1つに接続された三相メータを使用して三相すべてに接続することができる。一般に、公益事業者100は、可能な限り1.00に近い力率(有効電力すべておよび無効電力なし)でそのシステムを動作させることを望む。残念なことに、これは理想的な条件であり、維持するのは実用的ではない。システムのオンオフを切り換える誘導負荷によって、力率が変動する場合がある。かかる変動は、誘導負荷のオンオフを切り換えることによって、または力率が低レベルのときに誘導負荷がオンにならないようにし、それによって力率がさらに減少するのを防ぐことによって、公益事業者が誘導負荷を制御する場合により良好に制御することができる。本明細書に記載されるように、誘導負荷のかかる制御はDRMSシステムによって制御することができる。図1Bは、本発明の一実施形態による、三相四線(相A、B、C、および中性N)配電系統の一部分を示す例示的な詳細図である。図1Bに示されるように、配電系統104は、三相コンダクタ(相A、B、およびC)ならびに中性(N)線で構成される。1つの態様では、三相および中性はそれぞれ各メータ106に供給される。1つの態様では、メータ106で供給される電圧は、負荷102が使用することができるレベル(例えば、120/240、277/480など)まで変圧器114によって逓減される。変圧器114は、負荷に役立つように必要に応じて、単一の変圧器、2つもしくは3つの単相変圧器、または単一の三相変圧器であることができる。図1Bは、三相配電系統104の相Bから供給される単相負荷102を示すが、本発明の実施形態は多相負荷(およびメータ)に等しく適用可能であることを理解されたい。図1Bに示されるように、電気デバイス102はシステム116によってその動作特性が調節される。上述したように、電気デバイス102の1つまたは複数の動作特性の調節は、電気デバイスのオンオフを循環させることを含むことができ、かかる循環は特定周波数で生じる場合があり、あるいは、電気デバイス102が動作するのを防ぐことを含むことができる。また、本明細書に記載されるように、システム116は、DRMS、AMI、インターネット、それらの組み合わせなどを含むことができる。少なくともプロセッサおよびネットワークインターフェースで構成される計算装置108は、電気系統104内での位置と関連する力率情報を受信し、電気系統104内での位置と関連する力率情報の変化を検出し、力率情報の変化に応答して、1つまたは複数の電気装置102に信号を送信するように構成することができ、信号は、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統104内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。1つの態様では、信号は計算装置108からシステム116に伝送される。システム116は、次には、電気デバイス102の動作特性の調節をもたらす。1つの態様では、システムは、電気デバイス102と関連する制御部118によって、電気デバイス102の1つまたは複数の動作特性を調節させる。制御部118は、例えば、スイッチ、リレー、レオスタット、調整可能な分圧器、速度制御器などであることができる。別の態様では、信号は計算装置108から、電気デバイス102と関連するメータ106に伝送され、メータ106は次に、電気デバイス102または電気デバイス102と関連する制御部118に信号を(無線でもしくは有線接続を介して)伝送し、それによって電気デバイス102の動作特性が調節される。1つの態様では、電気デバイス制御部118は、その位置における力率の変化に応答して、電気デバイス102のオンオフを循環させるか、またはオフのままにする。
【0024】
図1Bに示されるシステムは監視系統120をさらに備える。監視系統120は、少なくとも1つまたは複数のセンサ122で構成され、センサ122は、電気デバイス102に電気エネルギーを供給する多相電気系統104の1つまたは複数の相の少なくとも1つの電気的パラメータの変化を検出するように構成され、またその変化を検出することができる。1つの態様では、監視系統120は、監視制御データ収集(SCADA)システムのすべてまたは一部分を含む。別の態様では、監視系統120は配電管理システム(DMS)のすべてまたは一部分を含む。別の態様では、監視系統120は、SCADAシステムおよびDMSのすべてまたは部分の組み合わせである。1つの態様では、監視系統120は個別の計算装置(例えば、SCADAプロセッサ)を有し、他の態様では、監視系統120は計算装置108(SCADAプロセッサとして役立つことができる)を利用する。監視系統120は、電気デバイス102に電気エネルギーを供給する多相電気系統104の1つまたは複数の相の少なくとも1つの電気的パラメータの変化を検出することができる。様々な態様では、センサ122は、電気デバイス102に電気エネルギーを供給する多相電気系統104の1つまたは複数の相の電圧、電流、抵抗、周波数、容量、インダクタンス、力率、有効電力、無効電力などのうち少なくとも1つの変化を検出することができる。1つの態様では、監視系統120は、センサ122から受信した信号をさらに分析することができる。例えば、1つの例では、監視系統120は、センサ信号の高速フーリエ変換(FFT)を実行して、影響を受けた電気的パラメータを検出することができる。1つの態様では、かかる分析は、本明細書に記載されるSCADAプロセッサまたは計算装置108などのプロセッサに対して実行することができる。他の態様では、監視系統120はセンサ信号に対する他の周波数または時間領域分析を実行することができる。
【0025】
計算装置108は、電気デバイス102に電気エネルギーを供給する多相電気系統104の1つまたは複数の相の少なくとも1つの電気的パラメータの変化に関する情報を、監視系統120から受信することができる。例えば、監視系統108は、センサ122の位置またはその近傍で、電気系統104の力率の変化を検出することができる。検出された力率の変化に応答して、計算装置108は1つまたは複数の電気装置102に信号を送信することができ、それによって1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つの動作特性が変化する。1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統102内でのセンサ122の位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。
【0026】
したがって、本明細書に記載されるように、1つの態様では、計算装置108は、電気系統104内での位置と関連する力率情報を、その位置に近接したメータ106から受信することができ、力率情報は、メータ106の位置またはその近傍における力率を含む。別の態様では、計算装置108は、電気系統104と関連する監視制御データ収集システム(SCADA)または他のシステム120から力率情報を受信することができ、力率情報は、他のシステム120によって決まるような、電気系統104の位置またはその近傍における力率を含む。いずれかの例では、計算装置108は地理的領域に関係する力率情報を受信する。次に、計算装置108は、地理的領域内またはその近傍の1つまたは複数の電気装置102に信号を送信して、電気装置102の動作特性に影響を及ぼし、それによって地理的領域における力率に影響を及ぼすことができる。例えば、1つの態様では、計算装置108は、メータおよびメータの位置を識別するメータ識別子を受信することを含めて、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することができる。次に、計算装置108は、メータの位置に対するその近接度に基づいて1つまたは複数の装置を選択することを含めて、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することができる。
【0027】
1つの態様では、計算装置108が電気系統104内での位置と関連する力率情報を受信することは、高度計測インフラ(AMI)ネットワークを介して力率情報を受信することを含む。様々な実施形態では、力率情報は、計算装置108によって連続的に受信することができ、または、電気系統104内での位置と関連する力率情報の受信は、力率情報を断続的に受信することを含む。計算装置108は力率情報の変化を検出する。1つの態様では、計算装置108は、位置と関連する直近に受信した力率情報を位置と関連する以前に受信した力率情報と比較して変化を検出することによって、電気系統104内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出する。例えば、現在受信した力率.90を以前に受信した力率.92と比較して、力率が減少したことを判断することができる。別の態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、位置と関連する直近に受信した力率情報を力率情報の正規化した値と比較することを含む。様々な態様では、正規化した力率情報は、位置と関連する力率情報に数学関数の1つを適用すること、位置と関連する力率情報をフィルタ処理すること、位置と関連する力率情報の移動平均を判定して変化を検出することなどによって判定される。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、電気系統内での位置における力率が上限閾値を上回るか、または下限閾値を下回るかを検出することを含む。例えば、計算装置は、力率が0.90未満に低下するか、または0.98を超えるかを検出することができる。一般に、計算装置108は、電気系統104内での位置と関連する力率の時間に伴う減少または増加を検出する。
【0028】
本明細書に記載されるように、力率情報の変化に応答して、計算装置108は1つまたは複数の電気デバイス102のうち少なくとも1つに信号を送信する。信号は、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つの動作特性を変化させ、その際、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統104内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。例えば、1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置102に信号を送信することは、力率の減少に応答して1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つを停止させる信号を送信することを含む。1つの態様では、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つを停止することは、その位置における力率がさらに減少するのを防ぐことによって、電気系統104内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。反対に、別の態様では、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つを停止することは、力率を増加させることによって、電気系統104内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。別の態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置102に信号を送信することは、力率の増加または減少に応答して、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つを作動させる信号を送信することを含む。さらに別の態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置102に信号を送信することは、力率の減少または増加に応答して、規定の時限の間、1つまたは複数の電気装置102のうち少なくとも1つが作動するのを防ぐ信号を送信することを含む。1つの態様では、計算装置108は、優先順位が最も低い電気装置102が最初に信号を受信するように選択される階層に基づいて、電気装置102に信号を送信する。例えば、顧客は、暑い日にHVACを停止させるかまたは作動しないようにするよりも、スイミングプールのポンプモータを停止させるかまたは作動しないようにすることの方をより受け入れやすくてもよい。したがって、プールポンプはHVAC系統よりも優先順位が低くなる。階層は、どの項目を停止するか、または一番目に、二番目に、三番目に作動しないようにするかに関して、顧客の好みに基づいて確立することができる。電気装置102の停止または遮断は、力率の変化が検出されたときに計算装置108によってこの階層に従って実施することができる。力率の変化が検出されたときに停止するかまたは動作を遮断する電気装置の階層は、メモリのデータベースに格納することができる。かかるメモリは、例えば計算装置108と関連するものであることができる。かかるデータベース200の例示的な一実施形態が図2に示される。
【0029】
図2に示されるように、204として記載される1つまたは複数の電気装置102は識別子206を有する。例えば、識別子206は、ホームエリアネットワーク(HAN)のMACアドレス、または電気装置102を個々にアドレス指定できるようにする他の任意の種類の識別子であることができる。データベース200は、電気装置102と関連するメータ識別子202をさらに含む。計算装置108が電気装置102と直接通信できる場合、このフィールド202は任意であってもよい。計算装置108がメータ106と最初に通信し、次にメータ106が電気装置102と通信しなければならない場合、メータ識別子202が必要である。図2に列挙される電気装置102は、階層を形成するために優先順位208が付けられる。図2に「1」という優先順位208で特定される装置102は最も高い優先順位を有し、最後に停止されるかまたは動作が遮断される装置となり、より低い優先順位208(例えば、「2」、「3」、「5」など)を有する装置102は、高い優先順位208の装置102よりも先に停止されるかまたは動作が遮断される。例えば、図2では、最初に停止されるかまたは動作が遮断されるデバイス102は、「5」の優先順位を有するプールポンプとなる。プールポンプを停止するかまたは動作を遮断することで力率が改善しないか、あるいは力率の減少が止まるかまたは減退しなかった場合、次に停止されるかまたは動作が遮断される装置102は、「3」の優先順位208を有する冷蔵庫となる。これは、力率が測定される位置またはその近傍にある登録されたすべての装置102が停止されるか動作を遮断されるまで、あるいは力率が改善されるかまたはその減少が止まるまで続く。1つの態様では、装置102は、例えば、1時間、2時間、3時間などの所定の時限、またはそれらの間の任意の時限の間だけ、停止されるか動作を遮断されてもよい。1つの態様では、所定の時限は、公益事業者100と装置102の所有者との間で前もって同意される。一般に、停止または動作の遮断に利用可能な負荷は誘導負荷なので、それらの停止またはその動作の遮断によって力率が改善する。本明細書に記載されるように、かかる負荷は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、ポンプ、および暖房、換気空調(HVAC)系統などのうち1つまたは複数を含むことができる。1つの態様では、データベース200に含まれるデータはデマンド制御データと呼ぶことができる。
【0030】
図3は、本発明の実施形態を実施するのに使用することができるメータ106の非限定的実施形態の概略ブロック図を示す。この例示的な実施形態では、公益事業サービスは、少なくとも1つの相導体と中性導体312で構成される単相電力であるが、本発明の実施形態は、単相電気系統、および二相、三相、四相などの多相電気系統とともに使用することができることを認識されたい。図3に示されるメータ106の実施形態はメータの電子部品306をさらに備える。アナログ電圧および電流入力がメータ電子部品306に供給される。1つの態様では、アナログ信号は、負荷102の役割を果たす給電部およびメータ106によって計測されるものから導き出される。別の態様では、アナログ信号は個別の電源から導き出される。1つの態様では、アナログ電圧信号は、必要に応じて、1つまたは複数の計器用変圧器(PT)308によって供給することができるが、分圧器、容量結合などの他の手段を使用することができる。電源の電圧準位が十分に低い場合(例えば、25ボルト以下の交流)、PT308、または電圧を逓減もしくは変換する他の手段を省略することができる。同様に、1つの態様では、アナログ電流信号は1つまたは複数の変流器(CT)310によって供給することができる。1つの態様では、1つまたは複数のCT310は1:2500の巻数比を有することができる。1つの態様では、1つまたは複数の抵抗器(図示なし)を使用して、CT310からの電流信号を電圧信号に変換することができる。1つの態様では、PT308およびCT310をメータ電子部品が使用して、メータ106の位置における力率を判定することができる。力率は連続的または断続的に判定することができる。1つの態様では、メータ電子部品306は、判定された力率を以前に判定された力率と比較して、任意の変化を検出することができる。変更が検出された場合、メータ電子部品306は計算装置108に信号を送信することができる。
【0031】
1つの態様では、メータ電子部品306はメモリ(図3には図示なし)を備えることができる。メモリは、ネットワーク110を介してメータ電子部品306が受信した信号に従って変更された動作特性を有することができる負荷102を備える、1つまたは複数の電気装置を識別するデバイス識別子を格納するのに使用することができる。1つの態様では、信号に従って、電気装置を停止させるか、始動させるか、または動作しないようにすることができる。例えば、信号はネットワーク110を介してメータ106に送信することができる。1つの態様では、ネットワーク110は高度計測インフラ(AMI)ネットワークである。さらに、メモリを使用して、メータ106の位置で判定される力率情報を格納することができる。かかる力率情報は、ネットワーク110を介して計算装置108に伝送することができる。
【0032】
次に図4を参照すると、本発明の一実施形態による、メータ電子部品306として動作することができる構成要素のブロック図が示される。メータ電子部品306として動作することができる構成要素は、より具体的に図示され本明細書に記載されるものを含む、本発明の実施形態による1つまたは複数の機能を実行する様々な手段を含む。しかし、構成要素の1つまたは複数は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、1つまたは複数の同様の機能を実行する代替手段を含んでもよいことを理解すべきである。図示されるように、メータ電子部品306として動作することができる構成要素は、一般に、構成要素の様々な機能を実行または制御する1つもしくは複数のプロセッサ404などの手段を含むことができる。図4に示されるように、一実施形態では、メータ電子部品306は、メータ入力およびフィルタ処理構成部品402などの計測構成部品を備えることができる。1つの態様では、メータ入力およびフィルタ処理構成部品402は、電圧および電流入力、1つまたは複数のADC、フィルタ処理構成部品などを含むことができる。メータ電子部品306のこの実施形態は、1つまたは複数のプロセッサ404およびメモリ406をさらに備える。
【0033】
一実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ404は、コンテンツ、データなどを格納する揮発性および/または不揮発性メモリなどのメモリ406と通信するか、あるいはそれを含む。例えば、メモリ406は、構成要素から伝送された、かつ/または構成要素が受信したコンテンツを格納してもよい。また、例えば、メモリ406は、本発明の実施形態による構成要素の動作と関連するステップを実行する、1つまたは複数のプロセッサ404に対するソフトウェアアプリケーション、命令などを格納してもよい。1つの態様では、メータ電子部品306は、少なくともメモリ406および1つまたは複数のプロセッサ404を備えるとともに、ネットワーク110から信号を受信し、電気デバイス制御部118に1つまたは複数の電気デバイス102の動作特性を調節させるインターフェース408を提供する。メータ電子部品306のメモリ406は、上述したようなデバイス識別子を格納するのに使用することができる。メータ電子部品306は、メータの位置で判定されるような少なくとも力率を、ネットワーク110を介して個別の計算装置108に伝送するのに使用することができる送信機を備えることができる。1つの態様では、メータの電子部品306は、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ(Maxim Integrated Products,Inc.)(Sunnyvale,California)から入手可能であるようなTeridian 6533コントローラまたはTeridian 6521コントローラを含む、1つまたは複数の計測マイクロコントローラを備えることができる。1つの態様では、1つまたは複数のプロセッサ404は、負荷102が消費する電気のキロワット時(kWH)、キロバール時(kVARh)、力率などの数値を判定するなど、計測機能を実行することができる。
【0034】
メモリ406に加えて、1つまたは複数のプロセッサ404は、少なくとも1つのインターフェース、あるいはデータ、コンテンツなどを表示、伝送、および/または受信する他の手段に接続することもできる。この点に関して、インターフェース(1つもしくは複数)は、少なくとも1つの通信インターフェース408、あるいはデータ、コンテンツなどを伝送および/または受信する他の手段、ならびに表示装置410および/またはユーザ入力インターフェース412を含むことができる少なくとも1つのユーザインターフェースを含むことができる。1つの態様では、通信インターフェース408を使用して、メモリ406に格納された力率情報を、ネットワーク110を介して本明細書に記載されるものなどの遠隔計算装置108に転送するか、または遠隔計算装置108から信号を受信することができる。1つの態様では、ネットワーク110は高度計測インフラ(AMI)ネットワークである。1つの態様では、通信インターフェース408は、メータ106の位置またはその近傍にある電気装置102と通信するのに使用することができる、Wi−Fi送受信機または無線機などの無線通信インターフェースをさらに含むことができる。同様に、通信インターフェース408は、電力線ブロードバンド(BPL)または電力線搬送(PLC)を含む有線(もしくは光ファイバ)接続を通して電気装置102と通信するのに使用することができる、有線通信インターフェースをさらに含むことができる。ユーザ入力インターフェース412は、同様に、キーパッド、タッチディスプレイ、ジョイスティック、または他の入力デバイスなど、構成要素がデータをユーザから受信できるようにする多数のデバイスのいずれかを含むことができる。
【0035】
次に図5を参照すると、力率に基づくデマンド制御と見なしてもよい動作が示される。ステップ502で、力率情報を受信する。力率情報は電気系統内での位置と関連する。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することは、その位置に近接したメータから力率情報を受信することを含み、力率情報はメータの位置またはその近傍における力率を含む。別の態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することは、電気系統と関連する監視制御データ収集システム(SCADA)から力率情報を受信することを含み、力率情報はSCADAシステムによって判定されるような電気系統内での位置における力率を含む。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することは、高度計測インフラ(AMI)ネットワークを介して力率情報を受信することを含む。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することは、力率情報を連続的に受信することを含むが、別の態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することは、力率情報を断続的に受信することを含む。
【0036】
ステップ504で、時間に伴う力率情報の変化を検出する。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、位置と関連する直近に受信した力率情報を位置と関連する以前に受信した力率情報と比較して、変化を検出することを含む。別の態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、位置と関連する直近に受信した力率情報を力率情報の正規化した値と比較することを含む。様々な態様では、正規化した力率情報は、位置と関連する力率情報に数学関数の1つを適用すること、位置と関連する力率情報をフィルタ処理すること、位置と関連する力率情報の移動平均を判定して変化を検出することなどによって判定される。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、電気系統内での位置における力率が上限閾値を上回るか、または下限閾値を下回るかを検出することを含む。一般に、計算装置108は、電気系統104内での位置と関連する力率の時間に伴う減少または増加を検出する。1つの態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、電気系統内での位置における力率の減少を検出することを含むが、別の態様では、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出することは、電気系統内での位置における力率の増加を検出することを含む。
【0037】
ステップ506で、力率情報の変化に応答して、1つまたは複数の電気装置に信号を送信する。信号は、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化をもたらす。1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化は、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、需要反応管理システム(DRMS)を使用して信号を送信することを含む。別の態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、高度計測インフラ(AMI)ネットワークを使用して信号を送信することを含む。1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、優先順位が最も低い電気装置が最初に信号を受信するように選択される階層に基づいて、1つまたは複数の電気装置に信号を送信することを含む。1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、誘導負荷特性を有する1つまたは複数の電気装置に信号を送信することを含む。別の態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、冷蔵庫、冷凍庫、ポンプ、暖房、および換気空調(HVAC)系統などのうち1つまたは複数に信号を送信することを含む。1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、力率の減少に応答して1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つを停止させる信号を送信することを含む。1つの態様では、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つを停止することは、その位置における力率がさらに減少するのを防ぐことによって、電気系統内の位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。別の態様では、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つを停止することは、力率を増加させることによって、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす。1つの態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、力率の増加に応答して、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つを作動させる信号を送信することを含む。別の態様では、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信することは、力率の減少に応答して、規定の時限の間、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つが作動するのを防ぐ信号を送信することを含む。
【0038】
上述のシステムをユニットで構成されるものとして記載してきた。当業者であれば、これは機能上の説明であり、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせが個々の機能を実行できることを認識するであろう。電気デバイス、ならびに電気デバイス制御部、メータ、スマートグリッド、公益事業者の計算装置、供給元またはメーカの計算装置などのユニットは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせであり得る。ユニットは、図6に示され、後述されるような力率ソフトウェア606に基づくデマンド制御を備えることができる。1つの例示的な態様では、ユニットは、上記に参照し、さらに後述するような計算装置108を備えることができる。
【0039】
図6は、開示される方法を実行する例示的な動作環境を示すブロック図である。この例示的な動作環境は、動作環境の一例にすぎず、動作環境アーキテクチャの用途または機能性の範囲に対するいかなる限定も示唆するものではない。また、動作環境は、例示的な動作環境に図示される構成要素のいずれか1つまたは組み合わせに関係するいずれかの依存関係または要件を有するものとして解釈すべきではない。
【0040】
本発明の方法およびシステムは、他の多数の汎用または専用の計算システム環境または構成において使用可能であり得る。本発明のシステムおよび方法とともに使用するのに好適であり得る周知の計算システム、環境、および/または構成の例は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップ装置、およびマルチプロセッサシステムを含むが、それらに限定されない。追加の例は、セットトップボックス、プログラム可能な大衆消費電子部品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、スマートメータ、スマートグリッド構成部品、SCADAマスタ、上述のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含む。
【0041】
開示される方法およびシステムの処理は、ソフトウェア構成部品によって実行することができる。開示されるシステムおよび方法は、1つもしくは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的文脈において説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データ型を実装する、計算機コード、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。開示される方法はまた、通信ネットワークを通してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される、グリッドベースの分散コンピューティング環境で実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよび遠隔両方のコンピュータ記憶媒体に位置することができる。
【0042】
さらに、当業者であれば、本明細書に開示されるシステムおよび方法を、計算装置108によって実施できることを認識するであろう。計算装置108の構成部品は、1つもしくは複数のプロセッサまたは処理装置603、システムメモリ612、およびプロセッサ603を含む様々なシステム構成部品をシステムメモリ612に連結するシステムバス613を含むことができるが、それらに限定されない。多重処理装置603の場合、システムはパラレルコンピューティングを利用することができる。1つの態様では、プロセッサ603は、作動信号を送信して電気デバイスの動作特性を調節し、電気デバイスの1つまたは複数の動作特性の調節と相関させることができる、電気デバイスに電気エネルギーを供給する多相電気系統の1つまたは複数の相の少なくとも1つの電気的パラメータの変化に関する情報を受信し、それによって、電気デバイスに電気エネルギーを供給する多相電気系統の1つまたは複数の相の少なくとも1つの電気的パラメータの変化と電気デバイスの1つまたは複数の動作特性の調節との相関に基づいて、電気デバイスに電気エネルギーを供給する多相電気系統の1つまたは複数の相を特定する。
【0043】
システムバス613は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、および様々なバスアーキテクチャの任意のものを使用するプロセッサまたはローカルバスを含む、複数の可能なタイプのバス構造のうち1つまたは複数を表す。一例として、かかるアーキテクチャは、産業標準構成(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ電子装置規格化協会(VESA)ローカルバス、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)バス、および周辺装置相互接続(PCI)、PCIエクスプレスバス、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)、ユニバーサルシリアルバス(USB)などを含むことができる。バス613および本明細書で指定されるすべてのバスは、有線または無線ネットワーク接続を介して実装することもでき、プロセッサ603、大容量記憶装置604、オペレーティングシステム605、力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606、デマンド制御データ607、ネットワークアダプタ608、システムメモリ612、入出力インターフェース610、ディスプレイアダプタ609、表示装置611、および人間機械インターフェース602を含むサブシステムはそれぞれ、物理的に別個の位置で、この形式のバスを通して接続された1つまたは複数の遠隔計算装置またはクライアント614a、b、cに包含して、完全な分散型システムまたは分散型アーキテクチャを事実上実現することができる。
【0044】
計算装置108は、一般的には様々なコンピュータ可読媒体を備える。例示的な可読媒体は、非一時的であって計算装置108によってアクセス可能である任意の利用可能な媒体であることができ、例えば、限定的であることを意味しないが、揮発性および不揮発性両方の媒体、取外し可能および取外し不能両方の媒体を含む。システムメモリ612は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/または読出し専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を含む。システムメモリ612は、一般的に、デマンド制御データ607などのデータ、および/あるいは処理装置603に即時アクセス可能な、かつ/または処理装置603によって現在動作している、オペレーティングシステム605および力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606などのプログラムモジュールを包含する。1つの態様では、システムメモリ612は、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信するステップと、電気系統内での位置と関連する力率情報の時間に伴う変化を検出するステップと、力率情報の変化に応答して1つまたは複数の電気装置に信号を送信するステップであって、信号が、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、1つまたは複数の電気装置のうち少なくとも1つの動作特性の前記変化が、電気系統内での位置と関連する力率情報に影響を及ぼす、ステップとを実行する、コンピュータ実行可能コードセクションを包含する。
【0045】
別の態様では、計算装置108は、非一時的であって取外し可能/取外し不能の揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体も備えることができる。一例として、図6は、計算装置108の計算機コード、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性記憶装置を提供することができる大容量記憶装置604を示す。例えば、限定的であることを意味しないが、大容量記憶装置604は、ハードディスク、取外し可能な磁気ディスク、取外し可能な光ディスク、磁気カセットまたは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリカード、CD−ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)または他の光記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)などであることができる。
【0046】
任意に、一例として、オペレーティングシステム605および力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606を含む、任意の数のプログラムモジュールを大容量記憶装置604に格納することができる。オペレーティングシステム605および力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606(またはそれらの何らかの組み合わせ)はそれぞれ、プログラミングおよび力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606の要素を含むことができる。デマンド制御データ607も大容量記憶装置604に格納することができる。デマンド制御データ607は、当該分野で知られている1つまたは複数のデータベースのいずれかに格納することができる。かかるデータベースの例は、DB2(登録商標)(IBMコーポレーション(IBM Corporation)(Armonk,NY))、Microsoft(登録商標)Access、Microsoft(登録商標)SQL Server(マイクロソフトコーポレーション(Microsoft Corporation)(Bellevue,Washington))、Oracle(登録商標)(オラクルコーポレーション(Oracle Corporation)(Redwood Shores,California))、mySQL、PostgreSQLなどを含む。データベースは、集中型であるか、複数のシステムにわたる分散型であることができる。
【0047】
別の態様では、ユーザは、入力デバイス(図示なし)を介して計算装置108にコマンドおよび情報を入力することができる。かかる入力デバイスの例は、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、「マウス」)、マイクロフォン、ジョイスティック、スキャナ、グローブおよび他のボディカバリングなどの触覚入力デバイスなどを含むが、それらに限定されない。これらおよび他の入力デバイスは、システムバス613に連結される人間機械インターフェース602を介して処理装置603に接続することができるが、パラレルポート、ゲームポート、IEEE1394ポート(ファイアワイヤポートとしても知られる)、シリアルポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインターフェースおよびバス構造によって接続することができる。
【0048】
さらに別の態様では、表示装置611も、ディスプレイアダプタ609などのインターフェースを介してシステムバス613に接続することができる。計算装置108は2つ以上のディスプレイアダプタ609を有することができ、計算装置108は2つ以上の表示装置611を有することができることが検討される。例えば、表示装置は、モニタ、LCD(液晶表示装置)、またはプロジェクタであることができる。表示装置611に加えて、他の出力周辺デバイスは、入出力インターフェース610を介してコンピュータ108に接続することができる、スピーカ(図示なし)およびプリンタ(図示なし)などの構成部品を含むことができる。方法の任意のステップおよび/または結果を、任意の形態で出力デバイスに出力することができる。かかる出力は、テキスト形式、グラフィック形式、アニメーション、音声、触覚などを含むがそれらに限定されない、任意の形態の視覚表現であることができる。
【0049】
計算装置108は、1つもしくは複数の遠隔計算装置またはクライアント614a、b、cに対する論理接続を使用して、ネットワーク化環境で動作することができる。一例として、遠隔計算装置614は、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークコンピュータ、スマートメータ、供給元またはメーカの計算装置、スマートグリッド構成部品、SCADAマスタ、DRMSプロセッサ、DMSプロセッサ、ピアデバイス、または他の共通ネットワークノードなどであることができる。計算装置108と遠隔計算処理デバイスまたはクライアント614a、b、cとの間は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および一般的な広域ネットワーク(WAN)を介して論理接続することができる。かかるネットワーク接続はネットワークアダプタ608を通すものであり得る。ネットワークアダプタ608は、有線および無線両方の環境で実装することができる。かかるネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットまたはAMIネットワークなどの他のネットワーク615において従来的かつ標準的である。
【0050】
例示のため、アプリケーションプログラム、およびオペレーティングシステム605などの他の実行可能プログラムコンポーネントは、本明細書では離散的なブロックとして図示されるが、かかるプログラムおよびコンポーネントは、計算装置108の異なる記憶構成部品に様々な時点で存在し、コンピュータのデータプロセッサ(1つまたは複数)によって実行されることが認識される。力率ソフトウェアに基づくデマンド制御606の実施は、コンピュータ可読媒体に格納するか、またはその何らかの形態にわたって伝送することができる。開示される方法のうち任意のものを、コンピュータ可読媒体上で具体化されるコンピュータ可読命令によって実行することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であることができる。一例として、限定的であることを意味しないが、コンピュータ可読媒体は「コンピュータ記憶媒体」および「通信媒体」を含むことができる。「コンピュータ記憶媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなど、情報を格納する任意の方法または技術で実現される、揮発性および不揮発性で取外し可能および取外し不能な媒体を含む。例示的なコンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)もしくは他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を格納するのに使用することができ、コンピュータがアクセスできる他の媒体を含むが、それらに限定されない。
【0051】
方法およびシステムは、機械学習および双方向学習などの人工知能技術を用いることができる。かかる技術の例としては、エキスパートシステム、事例ベース推論、ベイジアンネットワーク、行動ベースAI、ニューラルネットワーク、ファジーシステム、進化的計算法(例えば、遺伝的アルゴリズム)、群知能(例えば、アントアルゴリズム)、およびハイブリッド知能システム(例えば、ニューラルネットワークを通して生成されるエキスパート推論規則または統計学習による生成規則)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
上述したように、かつ当業者には認識されるように、本発明の実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として構成されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、全面的にハードウェア、全面的にソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを含む様々な手段で構成されてもよい。さらに、本発明の実施形態は、記憶媒体において具体化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。ハードディスク、CD−ROM、光記憶装置、または磁気記憶装置を含む、任意の適切な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を利用してもよい。
【0053】
方法、装置(すなわち、システム)、およびコンピュータプログラム製品のブロック図および流れ図を参照して、本発明の実施形態を上述してきた。ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせはそれぞれ、コンピュータプログラム命令を含む様々な手段によって実施できることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、あるいは図6を参照して上述した1つもしくは複数のプロセッサ603または図4の1つもしくは複数のプロセッサ404などの他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、機械を作成してもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置で実行する命令が、流れ図の1つまたは複数のブロックで指定される機能を実施する手段を作り出す。
【0054】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置(例えば、図6の1つもしくは複数のプロセッサ603または図4の1つもしくは複数のプロセッサ404)に対して特定の方式で機能するように命令することができる、コンピュータ可読メモリに格納されてもよく、それによって、コンピュータ可読メモリに格納された命令が、流れ図の1つまたは複数のブロックで指定される機能を実施するコンピュータ可読命令を含む製品を作成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行させて、コンピュータ実装プロセスを作成してもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行する命令が、流れ図の1つまたは複数のブロックで指定される機能を実施するステップを提供する。
【0055】
したがって、ブロック図および流れ図のブロックは、指定される機能を実行する手段の組み合わせ、指定される機能を実行するステップの組み合わせ、および指定される機能を実行するプログラム命令手段に対応する。また、ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせは、指定される機能もしくはステップを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステム、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実現することができることが理解されるであろう。
【0056】
特段の明示がない限り、本明細書に記述される任意の方法は、そのステップを特定の順序で実行することを必要とするものと解釈されないものとする。したがって、方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列挙しない場合、あるいはステップを特定の順序に限定すべきであることを請求項または明細書において別の形で具体的に記載していない場合、いかなる観点でも順序は暗示されないものとする。これは、ステップまたは動作フローの配列に関する論理の問題、文法構成または句読点から導き出される平易な意味、本明細書に記載される実施形態の数または種類を含む、解釈のあらゆる可能な非明示的根拠に適用できる。
【0057】
本願全体を通して、様々な公表文献を参照することがある。それら公表文献全体の開示は、方法およびシステムが関係する技術的現状をより完全に説明するため、本願に参照により組み込まれる。
【0058】
本明細書に記述される本発明の多くの修正および他の実施形態が、上述の説明および関連図面に提示される教示の利益を有する、本発明のこれら実施形態が関係する分野の当業者には想到されるであろう。したがって、本発明の実施形態は開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態は添付の請求項の範囲に含まれるものとすることを理解すべきである。さらに、上述の説明および関連図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせの文脈で例示的な実施形態について記載しているが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、要素および/または機能の異なる組み合わせが代替実施形態によって提供されてもよいことを認識すべきである。この点について、例えば、明示的に上述したものとは異なる要素および/または機能の組み合わせも、添付の請求項の一部に記述されてもよいものとして検討される。特定の用語が本明細書で用いられるが、それらは、限定目的ではなく、単に総括的かつ説明的な意味で使用される。
【符号の説明】
【0059】
100 公益事業者
102 様々な負荷L1〜Ln
104 分配系統
106 メータM1〜Mnなどのデバイス
108 1つまたは複数の計算装置
110 通信ネットワーク
114 柱上または地上設置型変圧器
116 システム
118 電気装置102と関連する制御部
120 監視系統
122 センサ
200 データベース
202 メータ識別子
204 電気装置の記述
206 電気装置識別子
208 優先順位
306 メータの電子部品
308 1つまたは複数の計器用変圧器(PT)
310 1つまたは複数の変流器(CT)
312 個別の中性線
402 メータ入力およびフィルタ処理構成部品
404 1つまたは複数のプロセッサ
406 メモリ
408 通信インターフェース
410 表示装置
412 ユーザ入力インターフェース
602 人間機械インターフェース
603 処理装置
604 大容量記憶装置
605 オペレーティングシステム
606 PFソフトウェアに基づくデマンド制御
607 デマンド制御データ
608 ネットワークアダプタ
609 ディスプレイアダプタ
610 入出力インターフェース
611 表示装置
612 システムメモリ
613 システムバス
614 1つもしくは複数の遠隔計算装置またはクライアント
615 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク(110)を介して、前記ネットワーク(110)と接続されたメータ(106)によって得られる、電気系統内での位置と関連する力率の測定値を受信するステップと、
前記位置と関連する直近に受信した力率の測定値を前記位置と関連する以前に受信した力率の測定値と比較することによって、または前記位置と関連する直近に受信した力率の測定値を力率閾値と比較することによって、プロセッサ(603)を使用して、前記電気系統内での前記位置と関連する前記力率の測定値の時間に伴う変化を検出するステップと、
前記プロセッサ(603)によって、測定した前記力率の前記変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信するステップであって、前記信号が、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の前記変化が、前記電気系統内での前記位置と関連する前記測定した力率に影響を及ぼす、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記測定した力率の前記変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信するステップが、優先順位が最も低い電気装置(102)が最初に前記信号を受信するように選択される階層に基づいて、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つに前記信号を送信するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記測定した力率の変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信するステップであって、前記信号が、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の前記変化が、前記電気系統内での前記位置と関連する前記測定した力率に影響を及ぼす、ステップが、力率の減少に応答して前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つを停止させる信号を送信するか、あるいは、力率の増加に応答して前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つを作動させる信号を送信するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
ネットワークインターフェース(608)と、
前記ネットワークインターフェース(608)と動作可能に接続されたプロセッサ(603)とで構成され、前記プロセッサ(603)が、
前記ネットワークインターフェース(608)を使用して、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信し、
前記電気系統内での前記位置と関連する前記力率情報の時間に伴う変化を検出し、
前記ネットワークインターフェース(608)を介して、前記力率情報の前記変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信するように構成され、
前記信号が、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の変化を引き起こし、前記1つまたは複数の電気装置(102)のうち少なくとも1つの動作特性の前記変化が、前記電気系統内での前記位置と関連する前記力率情報に影響を及ぼす、システム。
【請求項5】
前記ネットワークインターフェース(608)が高度計測インフラ(AMI)ネットワークとインターフェース接続し、電気系統内での位置と関連する力率情報を受信することが、前記AMIネットワークを介した前記力率情報を受信することを含む、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ(603)が、前記位置と関連する直近に受信した力率情報を前記位置と関連する以前に受信した力率情報と比較して前記変化を検出することによって、または前記位置と関連する前記直近に受信した力率測定値を力率閾値と比較することによって、前記電気系統内での前記位置と関連する前記力率情報の時間に伴う変化を検出するように構成される、請求項4記載のシステム。
【請求項7】
需要反応管理システム(DRMS)をさらに備え、前記力率情報の前記変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信することが、前記DRMSを使用して前記信号を送信することを含む、請求項4記載のシステム。
【請求項8】
ホームエリアネットワーク(HAN)をさらに備え、前記力率情報の前記変化に応答して1つまたは複数の電気装置(102)に信号を送信することが、前記HANを使用して前記信号を送信することを含む、請求項4記載のシステム。
【請求項9】
メモリ(612)に格納されたデータベース(200)をさらに備え、前記メモリ(612)が前記プロセッサ(603)に動作可能に接続され、前記データベース(200)が前記1つまたは複数の電気装置(102)に対する識別子(206)および階層を含み、前記プロセッサ(603)が、前記階層における優先順位(208)が最も低い電気装置(102)が最初に前記信号を受信するように選択される前記階層に基づいて、前記1つまたは複数の電気装置(102)に前記信号を送信するように構成される、請求項4記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の電気装置(102)が、冷蔵庫、冷凍庫、ポンプ、および暖房、ならびに換気空調(HVAC)系統のうち1つまたは複数を含む、請求項4記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42656(P2013−42656A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180305(P2012−180305)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】