説明

加工米製造設備

【課題】 粘着性の強い被覆材溶液を用いる場合でも、単粒化を向上した状態で加工米を製造し得る加工米製造設備を提供する。
【解決手段】 米粒に被覆材溶液を被覆する米粒被覆装置と、その米粒被覆装置から供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部S、及び、その載置搬送部Sにて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を通風する通風式乾燥手段を備えた米粒用乾燥装置とが設けられた加工米製造設備であって、
載置搬送部Sにおける米粒被覆装置3の米粒供給箇所より米粒搬送方向下手側に離れた箇所に、載置搬送面の横幅方向に延びる米粒群押圧用の回転式のローラ170が、下向きに復帰付勢された状態で上下動自在に支持されて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米粒に被覆材溶液を被覆する米粒被覆装置と、
その米粒被覆装置から供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部、及び、その載置搬送部にて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を通風する通風式乾燥手段を備えた米粒用乾燥装置とが設けられた加工米製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加工米製造設備は、米粒被覆装置により米粒に被覆材溶液を被覆し、米粒乾燥装置により、米粒被覆装置から供給される米粒群を載置搬送部にて載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送しながら、載置搬送部にて載置搬送される米粒群に通風式乾燥手段にて乾燥用空気を通風することにより、米粒に被覆された被覆材溶液を乾燥させるように構成したものであり、米粒の表面を被覆材にて被覆した加工米の製造用として用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−117985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来は、被覆材として澱粉等が用いられていたが、近年、被覆材として、保健、栄養等の機能を向上させることが可能なコラーゲン等を用いることが要望されている。
そして、コラーゲン等、被覆材によっては、被覆材溶液の粘着性が強くなる場合があり、そのような粘着性の強い被覆材溶液を用いると、米粒同士が接着し易くなる。
【0005】
しかしながら、従来のように、米粒被覆装置から供給される米粒群を単に載置搬送部にて層状に載置搬送しながら乾燥用空気を通風するものでは、粘着性の強い被覆材溶液を用いると、米粒同士が接着した状態で乾燥することになるので、米粒用乾燥装置からは、乾燥処理された米粒群が、多数の米粒が接着して固まった固まり状で排出されることになり、米粒を一粒ずつに分離した状態、即ち、単粒化した状態で、加工米を製造することができなかった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘着性の強い被覆材溶液を用いる場合でも、単粒化を向上した状態で加工米を製造し得る加工米製造設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加工米製造設備は、米粒に被覆材溶液を被覆する米粒被覆装置と、
その米粒被覆装置から供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部、及び、その載置搬送部にて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を通風する通風式乾燥手段を備えた米粒用乾燥装置とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記載置搬送部における前記米粒被覆装置の米粒供給箇所より米粒搬送方向下手側に離れた箇所に、前記載置搬送面の横幅方向に延びる米粒群押圧用の回転式のローラが、下向きに復帰付勢された状態で上下動自在に支持されて設けられている点を特徴とする。
【0008】
即ち、載置搬送部における米粒被覆装置の米粒供給箇所より米粒搬送方向下手側に離れた箇所において、載置搬送面の横幅方向に延びる米粒群押圧用の回転式のローラが、載置搬送部にて層状に載置搬送される米粒群の層の厚さや凹凸に追従して上下動しながら回転する。
【0009】
つまり、載置搬送部にて層状に載置搬送される米粒群の層は、立ち姿勢、傾斜姿勢、倒れ姿勢等の様々な姿勢の楕円球状の米粒が隙間があいた状態で部分的に接触して形成されている。
そして、そのように様々な姿勢の米粒にて形成されている米粒群の層を、米粒同士の接着力が弱い乾燥処理の途中で、ローラにより載置搬送面の横幅方向の全長にわたって押圧することにより、隣接する米粒同士を姿勢変化により相対移動させて、接着し合っている米粒同士を充分に一粒ずつに分離することができる。
しかも、ローラは、載置搬送部にて層状に載置搬送される米粒群の層の厚さや凹凸に追従して上下動するので、米粒群の層の厚さにバラツキがあったり米粒群の層に凹凸があっても、押圧力が強過ぎたり弱過ぎるのを防止することができ、米粒が砕けるのを防止しながら、接着し合っている米粒同士を充分に一粒ずつに分離することができる。
従って、粘着性の強い被覆材溶液を用いる場合でも、単粒化を向上した状態で加工米を製造し得る加工米製造設備を提供することができるようになった。
【0010】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記載置搬送部の前記載置搬送面が多孔状に形成され、
前記ローラよりも米粒搬送方向下手側箇所に、前記載置搬送面に付着している米粒群を剥離させるように掻き取り作用し且つ剥離された米粒群が乗り越えて通過できるように形成された掻き取り体が設けられている点を特徴とする。
【0011】
即ち、ローラよりも米粒搬送方向下手側箇所に設けられている掻き取り体により、載置搬送面に付着している米粒群が掻き取られて剥離され、その剥離された米粒群は、掻き取り体を乗り越えて通過する。
【0012】
つまり、載置搬送部にて層状に載置搬送される米粒群の層がローラにより押圧されて、接着し合っている米粒同士が一粒ずつに分離されるものの、ローラによる押圧により、米粒群が載置搬送部の載置搬送面に付着し易くなるが、載置搬送面に付着している米粒群は、載置搬送部にて載置搬送されている途中で、掻き取り体により掻き取られて剥離された後、掻き取り体を乗り越えて通過して、更に載置搬送部にて載置搬送されるので、乾燥処理後の米粒群を載置搬送部の載置搬送面に付着して残留するのを抑制しながら排出することができる。
従って、米粒群が載置搬送部の載置搬送面に付着したままで残留するのを抑制することができるので、載置搬送部の載置搬送面に付着した米粒群を除去する作業を無くす又は少なくすることができるものとなり、加工米の製造工程を簡略化することができるようになった。
【0013】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記米粒用乾燥装置から供給される米粒群を載置する多孔状載置体を振動駆動する状態で備えた単粒化装置が設けられている点を特徴とする。
【0014】
即ち、単粒化装置にて、多孔状載置体が米粒用乾燥装置から供給される米粒群を載置した状態で振動駆動されるので、米粒用乾燥装置から供給される米粒群に、複数の米粒が接着して固まった米粒の固まりが含まれていたとしても、多孔状載置体に載置されて振動されることにより、米粒の固まりが解されて一粒ずつに分離される。
【0015】
つまり、米粒の固まりが、振動する多孔状載置体上にて、その多孔状載置体の孔の縁部に引っ掛かりながら揺らされたり飛ばされたりすることとなって、米粒の固まりを解す作用が強くなるので、米粒の固まりが一粒ずつに解されるのである。
従って、単粒化をより一層向上することができるようになった。
【0016】
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記単粒化装置が、前記多孔状載置体にて適正な大きさの米粒よりも小さいものを漏下選別するように構成されている点を特徴とする。
【0017】
即ち、多孔状載置体により、米粒群から適正な大きさの米粒よりも小さいものが漏下選別される。
【0018】
つまり、米粒用乾燥装置にて乾燥処理されて供給される米粒群には、米粒が砕けた小米等、適正な大きさの米粒よりも小さいもの(以下、小異常物と記載する場合がある)が含まれる場合があるが、そのような小異常物が単粒化装置の多孔状載置体により、漏下選別されるのである。
従って、小米等の小異常物の含有量を少なくし得るので、高品質の加工米を製造することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明に係る加工米製造設備は、糊粉層の全て又は大部分を除去した米粒に被覆材溶液を被覆して乾燥させることにより、米粒表面を覆う被膜を形成して加工米を製造するためのものであって、その構成を大別すると、図1に示すように、加工米を製造する加工米製造部A、その加工米製造部Aにて製造された加工米の検査、包装等を行う後処理部B、及び、設備各部の運転を予め設定された動作条件にて制御する制御部Cからなる。
【0020】
先ず、加工米製造部Aの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、この加工米製造部Aは、その主要な設備として、被覆材としてのコラーゲンを水に溶かした被覆材溶液を生成して後述する米粒被覆装置3に供給する被覆材溶液供給装置1、精米処理が終了した後の米粒(精米)の糊粉層の全て又は大部分を除去して被覆対象米粒を生成する研米機2、その研米機2にて得られた被覆対象米粒群を攪拌搬送しながら前記被覆材溶液供給装置1から供給される被覆材溶液を米粒に被覆する前記米粒被覆装置3、その米粒被覆装置3から供給される米粒群に被覆された被覆材溶液を乾燥させて被覆対象米粒の表面に被膜を形成する米粒用乾燥装置4等を備えて構成される。
【0021】
図1に示すように、前記後処理部Bは、米粒用乾燥装置4にて乾燥処理が終了して搬送装置7にて搬送されて供給される米粒群から適正な大きさの米粒よりも小さい異物等を選別除去する単粒化装置5、その単粒化装置5にて異物除去処理された米粒群を一時貯留する米粒タンク9、その米粒タンク9から落下供給される米粒から着色粒や屑米等の不良粒等を除去する不良物除去装置10、その不良物除去装置10にて不良物除去されてエアー搬送装置11にてエアー搬送される米粒群について金属の混入物の存否を検査する金属検出器12、その金属検出器12にて検査処理された米粒群を所定量ずつ計量して排出する計量タンク13、及び、その計量タンク13から所定量ずつ排出される米粒群を包装袋にて包装する包装装置14等を備えて構成されている。
【0022】
次に、図1に基づいて、加工米製造部Aの各部について説明を加える。
前記被覆材溶液供給装置1は、コラーゲンと水とを設定比率(例えば、44:56)で混合してそのコラーゲン水溶液を送り出す水溶液生成供給部15と、前記水溶液生成供給部15にて混合したコラーゲン水溶液を攪拌しながら高温蒸気(110℃程度)を噴霧して被覆材溶液を生成する高温溶液生成部17とを備える。
【0023】
説明を加えると、水溶液生成供給部15は、固形粉状のコラーゲンを貯留する貯留用ホッパ18、その貯留用ホッパ18から振動フィーダ19にて単位時間あたりに設定量ずつ送り出されるコラーゲンと給水路20を通して供給される水道水とを貯留する水溶液タンク21、その水溶液タンク21の重量を計測する吊り下げ式のロードセル22、及び、前記水溶液タンク21内に設けられた攪拌羽根23aを電動モータ23bにより回転させて水溶液タンク21内のコラーゲンと水とを攪拌混合する攪拌装置23を備えて構成されている。
【0024】
又、前記給水路20には通流を断続する開閉弁24が備えられ、ロードセル22によって重量計測しながら水を供給して設定重量に達すると供給を停止させ、同様にしてロードセル22によって重量計測しながらコラーゲンを供給して、水とコラーゲンとの比率が設定比率に対応する重量になると供給を停止させる構成としている。前記水溶液タンク21にて攪拌混合されたコラーゲンと水とのコラーゲン水溶液は、水溶液供給路25を通して高温溶液生成部17に供給される構成となっており、その水溶液供給路25にはコラーゲン水溶液を供給する状態と供給を停止させる状態とに切り換え自在な断続弁26が設けられている。
【0025】
前記高温溶液生成部17は、水溶液生成供給部15から供給されるコラーゲン水溶液を貯留する被覆溶液貯留タンク30、その被覆溶液貯留タンク30に蒸気供給路31を通して加熱用の蒸気を供給するボイラ32、前記ボイラ32に供給する水道水を軟水に調製する軟水器33、被覆溶液貯留タンク30内の高温のコラーゲン溶液を被覆材溶液供給路34を通して前記米粒被覆装置3に供給する送出用ポンプ35等を備えて構成されている。そして、蒸気供給路31から高温の蒸気を被覆溶液貯留タンク30内に噴出する噴出ノズル36を備えて、ボイラ32によって生成された高温の蒸気をその噴出ノズル36から被覆溶液貯留タンク30内に噴出させる構成となっている。
【0026】
前記被覆溶液貯留タンク30内においては、前記噴出ノズル36から高温の蒸気が噴出されることで、コラーゲンと水とのコラーゲン水溶液が蒸気の高温の熱エネルギーによって加熱されて高温の被覆材溶液が生成されることになる。又、このとき高温の蒸気による加熱だけでなく、高温の溶液が保有する熱によっても加熱されることになる。
【0027】
そして、この被覆溶液貯留タンク30には、コラーゲンと水(溶液)とがよく混ざり合ってコラーゲンが充分に分散した状態にしてその状態を維持させる下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38が設けられている。これらの下部側攪拌羽根37及び上部側攪拌羽根38は、共通の電動モータ39によって駆動回転される構成となっている。
【0028】
前記水溶液生成供給部15の水溶液タンク21は被覆溶液貯留タンク30の容量に比べて小さい容量のタンクにて構成され、水溶液生成供給部15から被覆溶液貯留タンク30に繰り返しコラーゲン水溶液を供給するように構成されている。具体的に説明すると、水溶液生成供給部15にてコラーゲンと水とを設定比率で混合した設定量のコラーゲン水溶液を被覆溶液貯留タンク30に供給することを複数回繰り返して、被覆溶液貯留タンク30内に所定量のコラーゲン水溶液が供給される。そして、所定量のコラーゲン水溶液が供給された後に蒸気が供給されて高温の被覆材溶液が生成される。
【0029】
前記被覆材溶液供給路34の途中から、被覆材溶液を被覆溶液貯留タンク30に戻す被覆材溶液循環路43が分岐され、その被覆材溶液循環路43の途中から、洗浄水を被覆溶液貯留タンク30に戻す洗浄水循環路44及び洗浄水を排水する洗浄水排水路45が分岐されている。
被覆材溶液供給路34における被覆材溶液循環路43の分岐箇所よりも上流側の箇所には、通流断続用のバルブV1と被覆材溶液の流量を計測する流量計42が設けられ、被覆材溶液供給路34における被覆材溶液循環路43の分岐箇所よりも下流側の箇所には、被覆材溶液供給断続用のバルブV2が設けられている。
被覆材溶液循環路43における洗浄水循環路44及び洗浄水排水路45の分岐箇所よりも下流側の箇所に、被覆材溶液循環用のバルブV3が設けられ、洗浄水循環路44、洗浄水排水路45には、夫々、洗浄水循環用のバルブV4、洗浄水排水用のバルブV5が設けられている。
【0030】
尚、図1中、48は作業終了時に配管内を清掃するための洗浄水を循環供給するための洗浄用ポンプ、V6〜V9は洗浄水の通流路を開閉するための洗浄水通流路用のバルブである。
又、前記被覆溶液貯留タンク30の底部には、内部の被覆材溶液や洗浄水を流下排出する流下排出路46が接続され、その流下排出路46には、流下排出用のバルブV10が設けられている。
【0031】
上記のバルブV1〜V9の夫々が予め設定された条件にて前記制御部Cにて開閉操作されて、被覆材溶液を被覆材溶液供給路34を通じて前記米粒被覆装置3に供給する被覆材溶液供給状態、被覆材溶液を被覆溶液貯留タンク30及び被覆材溶液循環路43を通して循環させる予備運転状態(図1の一点鎖線矢印参照)、洗浄水を被覆溶液貯留タンク30、被覆材溶液循環路43及び洗浄水循環路44を通して循環させる洗浄運転状態(図1の二点鎖線矢印参照)、洗浄水を洗浄水排水路45を通じて排水する洗浄水排水状態のいずれかに択一的に切り換えられるように構成されている。
前記被覆材溶液供給状態においては、前記流量計42によって米粒被覆装置3への供給量を計測しながら、前記送出用ポンプ35の作動状態を制御する構成となっている。
【0032】
つまり、被覆材溶液を生成するときには前記予備運転状態に切り換えて、図1の一点鎖線矢印にて示すように、設定時間が経過する間だけ被覆材溶液循環路43を通して高温の被覆材溶液を循環させる構成となっている。又、被覆材溶液の生成並びに供給作業が終了した後には、前記洗浄運転状態に切り換えて、図1の二点鎖線矢印で示すように、洗浄用ポンプ48により、被覆材溶液循環路43及び洗浄水循環路44を通して洗浄水を循環させて被覆溶液貯留タンク30や配管の内部を清浄する構成となっている。尚、前記洗浄水循環路44の被覆溶液貯留タンク30への戻り部分は噴出ノズルとして構成されており、被覆溶液貯留タンク30の内面を清掃することができるようになっている。
【0033】
上記のバルブV1〜V10は同様の構成であり、以下、これらのバルブV1〜V10をバルブVと総称して、図9及び図10に基づいて説明する。
図9及び図10に示すように、バルブVは、内部に内部流路101を形成し且つその内部流路101を囲む状態で弁座102を備えた弁ケーシングVaと、弁座102に対して進退自在な状態で弁ケーシングVaに支持された弁体103と、その弁体103を弁座102に対して進退駆動する駆動部としての空圧シリンダVb等を備えて構成されている。
【0034】
前記弁ケーシングVaは、前記弁体103を進退自在に支持する筒状のケーシング本体104及び弁座形成用の筒状の弁座形成体105を、ケーシング本体104の端面104aと弁座形成体105の端面105aとの間に環状のシール部材106を介在させた状態で着脱自在に組み付け可能に備え、且つ、ケーシング本体104と弁座形成体105とにわたって前記内部流路101を形成するように構成され、弁座形成体105の端面105aが、ケーシング本体104の端面104aよりも内方側に突出するように形成され、シール部材106が、ケーシング本体104の端面104aよりも内方側に突出するように形成され、その突出する部分106a(以下、弁座用突出部分と称する場合がある)にて、前記弁座102が構成されている。
【0035】
前記ケーシング本体104における前記弁座形成体105側(以下、弁座側と称する場合がある)の端部に、鍔状部104bが設けられ、前記弁座形成体105の端部に、鍔状部105bが設けられ、ケーシング本体104の鍔状部104bと弁座形成体105の鍔状部105bとをクランプ107にて挟持することにより、ケーシング本体104及び弁座形成体105が組み付けられるように構成されている。
【0036】
以下、バルブVを構成する各部について、説明を加える。
前記ケーシング本体104が、軸心が真っ直ぐな直円筒状に構成され、前記空圧シリンダVbは、その直円筒状のケーシング本体104をシリンダチューブとして用いて、そのケーシング本体104内にピストン108がケーシング本体104の軸心方向に移動自在に内嵌されて構成されている。
そして、前記弁体103が、直円筒状のケーシング本体104内にその軸心方向に移動自在に内嵌される前記ピストン108にて構成されている。
【0037】
前記ケーシング本体104について、更に説明を加えると、そのケーシング本体104の側壁には、このバルブVにて開閉するための流体流路(図示省略)を接続する筒状接続部109が前記内部流路101に連通する状態で接続され、その筒状接続部109におけるケーシング本体104に接続される側とは反対側の端部に、鍔状部109bが設けられている。その筒状接続部109の鍔状部109bと、前記流体流路を形成する管部材の鍔状部(図示省略)とをクランプ(図示省略)にて挟持することにより、筒状接続部109を前記流体流路に接続する構成となっている。
【0038】
図10に示すように、ケーシング本体104の内周面は、弁座側ほど小径となる概ね3段状に形成されている。そのケーシング本体104の3段状の内周面における小径部と大径部との間の中径部の軸心方向での長さは、後述する環状封止体110(所謂Oリング)の厚さと同程度の短い長さとなっている。
【0039】
次に、図10に基づいて、前記空圧シリンダVbについて説明を加える。
ケーシング本体104内における内周面の中径部に対応する箇所には、前記環状封止体110が内嵌され、更に、ケーシング本体104内における内周面の大径部に対応する箇所には、環状のバネ受け体111が大径部と中径部との段部にて受け止められる状態で内嵌されている。
そして、ケーシング本体104内には、前記ピストン108が環状封止体110に摺接する状態で軸心方向に移動自在に内嵌され、ケーシング本体104内における内周面の大径部に対応する部分には、コイルバネ112がバネ受け体111とピストン108のバネ受け用鍔状部108aとの間に圧縮状態で挟持される状態で配設されて、そのコイルバネ112により、ピストン108が弁座側とは反対側に付勢されている。
【0040】
更に、ケーシング本体104における弁座側とは反対側の端部には、外周部の凹部に環状封止体113が嵌め込まれ且つ圧縮空気供給用のエルボ114が貫通接続された蓋体115が、一対の止め輪116に抜け止めされる状態で配設されている。
そして、2個の環状封止体110,113により、ケーシング本体104内におけるピストン108の背部側の空間が気密状に封止され、蓋体115によりピストン108が抜け止めされる構成となっている。
【0041】
図9に示すように、前記クランプ107は、径が変更自在な二つ折れ状の概ね環状に形成され且つ内周面がV字状の凹面に形成された挟持部107aと、その挟持部107aの径を変更操作する蝶ネジ107b等を備えて構成されている。
【0042】
そして、図9及び図10に示すように、ケーシング本体104及び弁座形成体105を、ケーシング本体104の端面104aと弁座形成体105の端面105aとをそれらの間に環状のシール部材106を介在させて対向させた状態で突き合わせて、クランプ107の挟持部107aをケーシング本体104の鍔状部104b及び弁座形成体105の鍔状部105bに被せるように位置決めした状態で、蝶ネジ107bを締め付けることにより、ケーシング本体104の鍔状部104bと弁座形成体105の鍔状部105bとをクランプ107にて挟持して、ケーシング本体104と弁座形成体105とを一体的に組み付けることができる。
【0043】
そして、前記エルボ114を通じて圧縮空気をケーシング本体104内に供給すると、前記ピストン108が前記コイルバネ112の付勢力に抗して弁座側に移動して、前記弁座102として機能する前記シール部材106の弁座用突出部分106aに当接して、前記内部流路101が閉じられ、一方、前記エルボ114を通じて圧縮空気をケーシング本体104から排出すると、前記ピストン108が前記コイルバネ112の付勢力により弁座側とは反対側に移動して、前記弁座102として機能する前記シール部材106の弁座用突出部分106aから離間し、前記内部流路101が開かれる。
つまり、バルブVは、エルボ114を通じての圧縮空気の給排により開閉されるように構成されている。
【0044】
そして、上述のように構成されたバルブVは、前記被覆材溶液供給路34、前記被覆材溶液循環路43、前記洗浄水循環路44及び前記洗浄水排水路45等、前記被覆材溶液供給装置1の各流体流路を形成する管部材に、前記筒状接続部109が流体流路の上流側に接続され且つ前記弁座形成体105が流体流路の下流側に接続される状態で設けられて、各流体流路を開閉するようになっている。
又、図示は省略するが、バルブVを構成する弁座形成体105及びシール部材106を、そのバルブVを前記各流体流路に接続するために用いる継手部材及びシール部材に兼用するように構成してあるので、部品点数を削減して低廉化を図ることができる。
【0045】
バルブVのメンテナンスは、蝶ネジ107bを緩めることによりクランプ107を緩めて、ケーシング本体104と弁座形成体105とを分離して行うことになる。
そして、ケーシング本体104と弁座形成体105とを分離すると、シール部材106もそれらと分離されることになり、又、弁体103として機能するピストン108におけるシール部材106に当接する部分は、ケーシング本体104の端面104aに形成される内部流路101の出入口を通して外側を向いているので、弁座形成体105、シール部材106及びピストン108におけるシール部材106に当接する部分の清掃並びに点検を行い易い。又、ケーシング本体104と弁座形成体105とを分離すると、シール部材106もそれらと分離されるので、シール部材106の交換も簡単に行うことができる。
【0046】
又、前記筒状接続部109に流体流路の上流側を接続して、その筒状接続部109から被覆材溶液がバルブV内に供給されるようにすることにより、ピストン108の外周面をコラーゲン水溶液や被覆材溶液等にて濡れさせておくことができて、ピストン108の外周面とケーシング本体104の内周面との間にコラーゲンが固まって、ピストン108がケーシング本体104に固着されるのを防止することができる。
【0047】
又、運転の終了後、各流体流路に洗浄水を通流させて洗浄を行い、その洗浄の終了後は洗浄水を流体流路から抜かず、次の運転の直前に高温の水を通流させて各流路の殺菌を行う場合に、洗浄後、流体流路に洗浄水が充填されたままで放置しておいても、ピストン108の外周面を洗浄水にて濡れさせておくことができるので、ピストン108がケーシング本体104に固着されるのを防止することができる。
【0048】
前記研米機2は、構成について詳述はしないが、図1及び図2に示すように、供給装置(図示省略)により供給される精米処理済みの米粒を研米機ホッパ2aにて受け入れたのち、横送りスクリュー2bにより横送りして供給する構成となっており、米粒を上方に移送させながら研米する上方移送式のものを用いている。つまり、周囲にブラシを備えて縦軸芯周りで回転する回転ロールとその外周部に位置する多孔状の筒部材との間を米粒群を上方に移送させながら、ブラシによって米粒の表面に残留する糠すなわち糊粉層の全て又は大部分を除去する構成となっている。
この研米機2は、上記したようなブラシによる掻き取り作用によって糊粉層を除去するものに代えて、前記回転ロールの周囲に砥石等の研削用部材を備えて、この研削用部材による削り取り作用等によって糊粉層を除去するように構成してもよい。
【0049】
前記研米機2の上方の排出口から排出される研米済みの米粒は排出シュート2dにより、後述する米粒被覆装置3に米粒を供給するための米粒供給部60の米粒供給ホッパ61に供給される。
【0050】
図3に示すように、前記米粒被覆装置3は、横倒れ姿勢の円筒状の攪拌室形成部材50、その攪拌室形成部材50の米粒受入口55から攪拌室形成部材50内に米粒群を供給する米粒供給部60、攪拌室形成部材50の内部に設けられて、米粒受入口55から攪拌室形成部材50の内部に受け入れた米粒群を攪拌室形成部材50の長手方向に搬送して米粒排出口57から排出させる攪拌搬送手段H、その攪拌搬送手段Hを攪拌室形成部材50に沿う軸心周りで回転駆動する駆動回転部70、及び、米粒受入口55よりも米粒搬送方向下手側の被覆材溶液供給口56から被覆材溶液を攪拌室形成部材50内を搬送されている米粒に供給する被覆材溶液供給手段80等を備えて構成されている。尚、以下では、攪拌室形成部材50の長手方向に沿って米粒群を攪拌しながら搬送する方向を被覆用米粒搬送方向と記載する場合がある。
【0051】
前記米粒被覆装置3は、基枠(図示省略)に立設された円筒状の支柱121に、姿勢変更調節手段120にて、被覆用米粒搬送方向の上手側端部が支持される片持ち状態にて、前記支柱121の軸芯周りに回動自在に且つ攪拌室形成部材50の横倒れ姿勢の傾き及びその高さを調節自在なように支持されている。
【0052】
図11ないし図13に示すように、前記米粒用乾燥装置4は、前記米粒被覆装置3の米粒排出口57から流下供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部としての載置搬送体S、及び、その載置搬送体Sにて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を通風する通風式乾燥手段Dを備えて構成されている。
【0053】
前記載置搬送体Sは略円板状に構成され、その略円板状の載置搬送体Sの2個が、上下方向に延びる回転軸141に、上下方向に間隔を隔てて並ぶ状態で夫々の中心にて取り付けられた状態で、略円筒状のケーシング142内に設けられている。
前記回転軸141が減速機構付きの電動モータ143により駆動回転されることにより、2個の載置搬送体Sが回転軸141により上下軸芯Y周りで、所定の回転方向(図に符号Qにて示す回転方向)に一体的に駆動回転されるように構成されている。
【0054】
そして、前記通風式乾燥手段Dにより乾燥用空気が通風される状態で、前記2個の載置搬送体Sのうちの上段の載置搬送体S1により、前記米粒被覆装置3から流下供給された米粒群を受けて載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送した後、落下排出し、前記2個の載置搬送体Sのうちの下段の載置搬送体S2により、上段の載置搬送体S1から落下排出された米粒群を受けて載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送することにより、米粒群を乾燥処理し、その乾燥処理後の米粒群を下段の載置搬送体S2により、筒状の排出用シュータ144に落下排出して、その排出用シュータ144に落下排出された乾燥処理済の米粒群が前記搬送装置7により前記単粒化装置5に供給されるように構成されている。
【0055】
以下、前記米粒被覆装置3及び前記米粒用乾燥装置4について、説明を加える。
先ず、米粒被覆装置3について、説明を加える。
図3及び図8に示すように、前記攪拌室形成部材50は、前記攪拌搬送手段Hによる被覆用米粒搬送方向上手側に位置し且つ両端が開口した上手側筒部分51と被覆用米粒搬送方向下手側に位置し且つ一端側が閉塞した下手側筒部分52とに分割自在な状態で、一端が閉塞した円筒状に構成されている。
【0056】
つまり、下手側筒部分52の開口端に接続用筒53を外嵌固定してあり、その接続用筒53を上手側筒部分51の一端に外嵌することにより、上手側筒部分51と下手側筒部分52とを一連状に連結して、一端が閉塞した円筒状の攪拌室形成部材50が形成される構成となっている。
上手側筒部分51の外周面には、その上手側筒部分51に外嵌される接続用筒53に間隔を隔てて対向するように蝶ネジ支持片51aが付設され、その蝶ネジ支持片51aに蝶ネジ54が回動自在に螺入状態で支持されている。
そして、その蝶ネジ54を、上手側筒部分51に外嵌された接続用筒53に形成されたネジ挿通孔53aに挿通することにより、下手側筒部分52と下手側筒部分52とが一連状に連結した状態で固定されるように構成されている。
【0057】
更に、図3に示すように、攪拌室形成部材50には、前記攪拌搬送手段Hによる被覆用米粒搬送方向の上手側から下手側に向けて順に、前記米粒供給部60から供給される米粒を受け入れる前記米粒受入口55、前記被覆材溶液供給手段80により被覆材溶液を供給する前記被覆材溶液供給口56、米粒を排出する前記米粒排出口57が形成されている。
【0058】
図3に示すように、前記攪拌搬送手段Hは、螺旋状の搬送作用部91bの内部を中空状態にして形成された螺旋状回転体91、及び、その螺旋状回転体91の内部に装備されて米粒群を攪拌する攪拌用回転体としてのU字状攪拌用回転体92を備えて構成されている。
【0059】
図3、図4、図7及び図8に示すように、前記螺旋状回転体91は、攪拌室形成部材50の長手方向に沿って螺旋状に延びて、その径方向内方側に前記攪拌室形成部材50の長手方向に連なる内部空間91aを備え且つその螺旋状の搬送作用部91bの間が前記内部空間91aに連通するように開口される状態の中空状態となるように、丸棒材をコイル状に屈曲形成して構成されている。
更に、螺旋状回転体91における前記米粒排出口57の終端側箇所に対応する箇所に、螺旋状に屈曲している螺旋状の搬送作用部91bの端部から一体的に連なる状態で、棒材が攪拌室形成部材50の内周面に近接する状態で且つ攪拌室形成部材50の長手方向に沿って直線状又は略直線状に延びる掻き出し作用部91cが設けられている。
【0060】
図3、図4、図7及び図8に示すように、前記U字状攪拌用回転体92は、丸棒材をU字状に屈曲形成して構成され、その2本の平行な棒状の攪拌作用部92aにおける外側同士の幅が前記螺旋状回転体91の螺旋状の搬送作用部91bの内径よりもやや小さくなる(例えば2mm)ように構成されている。
そして、そのU字状攪拌用回転体92を、螺旋状回転体91内に互いに長手方向を沿わせた状態で設けることにより、U字状攪拌用回転体92の2本の棒状の攪拌作用部92a夫々が螺旋状回転体91の螺旋状の搬送作用部91b内にその搬送作用部91bに近接して位置する状態となるように構成されている。
【0061】
図3ないし図6に示すように、前記駆動回転部70は、電動モータ71、その電動モータ71の出力軸71aの外周部にそれと同心状に位置する状態で前記電動モータ71に固定された円筒状の軸受け筒72、その軸受け筒72にベアリング73にて回転自在に支持された状態でジョイント74にて前記出力軸71aに連結されたシャフト75、及び、キー76によって前記シャフト75と一体回転する状態でシャフト75に外嵌された円筒状の回転体支持部77等を備えて構成されている。
【0062】
前記軸受け筒72は、前記攪拌室形成部材50の開口端を外嵌可能に構成され、攪拌室形成部材50は、その開口端を軸受け筒72に外嵌した状態で、軸受け筒72に支持するように構成されている。
【0063】
図8にも示すように、前記円筒状の回転体支持部77の外周部には、前記螺旋状回転体91の一端部を嵌め込むことにより螺旋状回転体91を周方向に係止して螺旋状回転体91に回転力を伝える係止用溝77aが形成され、外側向きの端面には、前記U字状攪拌用回転体92の2本の棒状の攪拌作用部92a夫々の端部を挿入することによりU字状攪拌用回転体92を周方向に係止してU字状攪拌用回転体92に回転力を伝える2個の係止用穴77bが形成されている。
【0064】
そして、回転体支持部77の係止用溝77aに螺旋状回転体91の一端部を嵌め込み且つ回転体支持部77の2個の係止用穴77bにU字状攪拌用回転体92の一端部を挿入した状態で、前記電動モータ71を作動させることにより、螺旋状回転体91及びU字状攪拌用回転体92を一体的に回転させるように構成されている。
【0065】
図3及び図4に基づいて、前記米粒供給部60について説明を加える。
前記米粒受入口55は、前記攪拌室形成部材50における被覆用米粒搬送方向上手側端部の最上部に形成されている。
そして、米粒供給部60は、米粒を米粒受入口55を通じて攪拌室形成部材50内に流下供給するように設けられた米粒供給ホッパ61と、その米粒供給ホッパ61の流下流路61aを開閉する米粒供給用シャッタ62を備えて構成されている。つまり、米粒供給ホッパ61にて、前記研米機2から流下供給される米粒を受け入れて米粒受入口55を通じて攪拌室形成部材50内に流下供給するように構成されている。
前記米粒供給用シャッタ62は、往復移動操作により米粒供給ホッパ61の流下流路61aを開閉するように設けられたシャッタ板62aと、そのシャッタ板62aを往復移動操作するシリンダ62bとを備えて構成されている。
【0066】
図3、図4及び図7に基づいて、前記被覆材溶液供給手段80について説明を加える。
前記被覆材溶液供給口56は、前記攪拌室形成部材50における前記米粒受入口55よりも被覆用米粒搬送方向下手側の箇所の上部で、且つ、攪拌室形成部材50の長手方向に沿う方向視にて、攪拌室形成部材50の最上部よりも前記螺旋状回転体91の回転方向下手側に寄った位置に形成されている。
【0067】
そして、被覆材溶液供給手段80は、供給される空気を噴出する噴霧用空気噴出孔81a及び供給される被覆材溶液を噴出する被覆材溶液噴出孔81bを備えて被覆材溶液供給口56に接続された被覆材溶液噴霧ノズル81と、前記被覆材溶液供給路34を通じて被覆材溶液噴霧ノズル81の被覆材溶液噴出孔81bに被覆材溶液を圧送する前記送出用ポンプ35(図1参照)と、噴霧用空気供給路82を通じて被覆材溶液噴霧ノズル81の噴霧用空気噴出孔81aに噴霧用空気を圧送するエアコンプレッサ83等を備えて構成されている。
【0068】
被覆材溶液噴出孔81b及び噴霧用空気噴出孔81aは、被覆材溶液噴出孔81bから噴出される被覆材溶液と噴霧用空気噴出孔81aから噴出される噴霧用空気とを衝突させるように、夫々の噴出方向が交差する状態で被覆材溶液噴霧ノズル81に形成されている。
【0069】
更に、前記噴霧用空気供給路82には、噴霧用空気噴出孔81aに供給される噴霧用空気の圧力を調整する噴霧用空気用の圧力調整弁84が設けられている。この噴霧用空気用の圧力調整弁84によって被覆材溶液噴霧ノズル81の噴霧用空気噴出孔81aに供給する噴霧用空気の供給圧を予め実験等によって適正な値として設定された適正圧力に調整する構成となっている。
【0070】
そして、図4及び図7に示すように、前記被覆材溶液噴霧ノズル81を、被覆材溶液噴出孔81bの噴出方向が攪拌室形成部材50の軸心と直交する状態で攪拌室形成部材50の中心を向き、且つ、噴霧用空気噴出孔81aの噴出方向が攪拌室形成部材50の軸心と直交する方向に対して噴出側が被覆用米粒搬送方向下手側を向く傾斜姿勢となり、且つ、噴霧用空気噴出孔81aが被覆用米粒搬送方向上手側に位置する状態で噴霧用空気噴出孔81a及び被覆材溶液噴出孔81bが被覆用米粒搬送方向に沿って並ぶ状態で、被覆材溶液供給口56に接続されている。
【0071】
つまり、被覆材溶液供給手段80は、図4にて矢印にて示すように、被覆材溶液噴出孔81bから噴出される被覆材溶液を噴霧用空気噴出孔81aから噴出されるエアーの混合により霧化状態で供給するように、且つ、被覆用米粒搬送方向に拡散する状態で供給するように構成されている。
又、被覆材溶液供給手段80は、図7にて矢印にて示すように、攪拌室形成部材50の長手方向に沿う方向視にて、攪拌室形成部材50内における最底部よりも前記螺旋状回転体91の回転方向下手側に位置する箇所に向けて、被覆材溶液を供給するように構成されている。
【0072】
図4に示すように、前記被覆材溶液噴霧ノズル81は、被覆材溶液噴出孔81bを筒内部空間とする筒状に形成され、その筒状の被覆材溶液噴霧ノズル81における被覆材溶液噴出孔81bに対する溶液供給側の端面81cは、前記バルブVのケーシング本体104の端面104aよりも内方側に突出するように形成されて、被覆材溶液噴霧ノズル81が、バルブVを構成する弁座形成体105に兼用するように構成されている。
【0073】
つまり、被覆材溶液噴霧ノズル81における被覆材溶液噴出孔81bに対する溶液供給側の端部に、鍔状部81eが設けられている。
そして、ケーシング本体104の端面104aと被覆材溶液噴霧ノズル81の端面81cとの間に環状のシール部材106を介在させた状態で、ケーシング本体104の鍔状部104bと被覆材溶液噴霧ノズル81の鍔状部81eとをクランプ107にて挟持することにより、ケーシング本体104及び被覆材溶液噴霧ノズル81が組み付けられて、前記被覆材溶液供給断続用のバルブV2が構成されるようになっている。
前記筒状接続部109には、前記被覆材溶液供給路34を形成する管部材117がクランプ118を用いて接続される。
【0074】
つまり、被覆材溶液噴霧ノズル81の被覆材溶液噴出孔81b、端面81c、鍔状部81eが、夫々、弁座形成体105内に形成される内部流路101、弁座形成体105の端面105a、弁座形成体105の鍔状部105bに相当する。
【0075】
この被覆材溶液供給断続用のバルブV2も、前記筒状接続部109に被覆材溶液供給路34の先端を接続して、その筒状接続部109から被覆材溶液がバルブV2内に供給されるように設けることにより、上述したように、ピストン108がケーシング本体104に固着するのを防止することができる。
【0076】
図3ないし図6に示すように、上述のように構成した米粒被覆装置3は、回転体支持部77の係止用溝77aに螺旋状回転体91の端部を係止し、且つ、回転体支持部77の2個の係止用穴77bにU字状攪拌用回転体92の端部を挿入した状態で、攪拌室形成部材50をその開口端を軸受け筒72に外嵌した状態で軸受け筒72に支持して、後述する姿勢変更調節手段120の蝶ネジ支持部分124dに回動自在に支持させた固定用蝶ネジ128を、攪拌室形成部材50における軸受け筒72への外嵌部分に形成したネジ挿通孔51bに挿通して軸受け筒72に螺入することにより、組み付けされるように構成されている。
【0077】
そして、米粒被覆装置3が上述のように組み付けされた状態では、螺旋状回転体91及びU字状攪拌用回転体92夫々の端部は、攪拌室形成部材50の端部を閉じる端壁部分に近接する部分にまで延びるように構成されて、それら螺旋状回転体91及びU字状攪拌用回転体92が攪拌室形成部材50の閉塞端の端壁部分により抜け止めされるように構成されている。
【0078】
前記米粒排出口57は、図3及び図8に示すように、複数個(この実施形態では4個)の被覆用米粒搬送方向に長いスリット状の排出口部57aを、前記攪拌室形成部材50における被覆用米粒搬送方向下手側端部の底部に、被覆用米粒搬送方向に並ぶ状態で形成することにより、被覆用米粒搬送方向(即ち、攪拌室形成部材50の長手方向)に沿う状態に(この実施形態では、攪拌室形成部材50の長手方向に沿うスリット状に)設けられている。
【0079】
前記複数個のスリット状の排出口部57aのうち、被覆用米粒搬送方向の最も下手側の排出口部57a(以下、最下手側の排出口部57aと記載する場合がある)の幅(攪拌室形成部材50における周方向に沿う方向での幅)を、他の排出口部57aの幅よりも広くすることにより、その最下手側の排出口部57aからの米粒群の排出量を多くして、排出口57で米粒群が詰まるのを防止している。
【0080】
図13〜図15及び図17に示すように、前記攪拌室形成部材50における前記排出口57の形成箇所の外周面に対して接触又は近接する状態(この実施形態では近接する状態)で駆動移動されて掻き取り作用する排出口用掻き取り体Kが、前記排出口57から排出された米粒群の前記載置搬送体Sへの流下移動を許容する形態で設けられている。
【0081】
又、前記攪拌室形成部材50の先端には、その攪拌室形成部材50よりも大径の間隙設定用従動輪93が、攪拌室形成部材50の軸心周りに回転自在に支持されて、前記上段の載置搬送体S1の載置搬送面に接触してその載置搬送体S1の移動により駆動回転されるように設けられている。
更に、コイル状体94が、前記攪拌室形成部材50における米粒排出口57が位置する部分の外周をその外周面に近接する状態で覆うように設けられると共に、そのコイル状体94における前記攪拌室形成部材50の先端側の端部が、前記間隙設定用従動輪93の外周部に形成された孔(図示省略)に挿入されて固定され、そのコイル状体94が前記間隙設定用従動輪93と一体的に回転するように構成されている。
【0082】
つまり、前記排出口用掻き取り体Kが、前記コイル状体94にて構成されて、前記間隙設定用従動輪93の回転により駆動移動されるように構成されている。
又、前記排出口用掻き取り体Kが、前記攪拌室形成部材50に掻き取り作用のために移動自在に支持され、且つ、前記上段の載置搬送体S1の移動力により駆動移動されるように構成されている。
【0083】
図3、図5及び図6に示すように、前記姿勢変更調節手段120は、前記支柱121の上部に形成された雌ネジ部121aに下端部の雄ネジ部122aが螺入され且つその螺入量の調節により上下方向に位置変更自在な円柱状の上下可動棒122、その上下可動棒122の雄ネジ部122aに螺合されて前記支柱121の上端面に締め付けることにより上下可動棒122を固定する上下固定ナット123、下端部が支点用孔124aにて上下可動棒122に融通状態で外嵌されて、その支点用孔124aにより上下可動棒122の軸心周りに回動自在で且つ上下可動棒122に対する傾き状態が変更自在な傾動体124、一端部の回動用孔125aにて上下可動棒122の上端部に回動自在に外嵌されて、前記傾動体124の傾動を許容する状態でその前記傾動体124の上端側部分を支持する傾動案内体125、前記傾動体124の傾動を傾動案内体125により案内させるための傾動被案内用ボルト126、及び、前記傾動体124と前記傾動案内体125とにわたって設けられて傾動体124の傾動を操作するための傾動操作用ボルトナット組127等を備えて構成されている。
【0084】
以下、図5及び図6に基づいて、前記姿勢変更調節手段120の各部について、更に説明を加える。
前記上下可動棒122の上端部には、互いに平行な平面部分からなる上下動操作部分122bが備えられ、上下方向中間部には、その上下可動棒122に前記支点用孔124aにて外嵌された前記傾動体124を受けて、その傾動体124の下方側への移動を規制する受部122cが備えられている。
そして、前記上下動操作部分122bをスパナ等の工具により把持して、上下可動棒122を回動することにより、上下可動棒122を上下移動させるように構成されている。
【0085】
前記傾動体124は、上下方向に沿う本体部分124bの下端に、上下可動棒122側に延びる支点用張り出し部分124cが延在し、前記本体部分124bの上下方向中間部に、上下可動棒122側に延びる前記蝶ネジ支持部分124dが延在し、前記本体部分124bの上端に上下可動棒122側とは反対側に延びる傾動被案内部分124eが延在し、更に、その傾動被案内部分124eの一端に、上方に延びる傾動操作部分124fが延在するように構成されている。
【0086】
そして、前記支点用張り出し部分124cに、前記支点用孔124aが形成され、前記蝶ネジ支持部分124dに、前記攪拌室形成部材50のネジ挿通孔51bに挿通して前記軸受け筒72に螺入する前記固定用蝶ネジ128が回動自在に支持され、前記傾動被案内部分124eに、前記傾動被案内用ボルト126が螺入されるネジ孔124gが形成され、前記傾動操作部分124fには、前記傾動操作用ボルトナット組127のボルトを螺入するためのネジ孔124hが形成されている。
【0087】
前記傾動案内体125は、横方向に延びる本体部分125bの一端側に前記回動用孔125aが形成され、前記本体部分125bにおける前記回動用孔125a側とは反対側の端部に、上方に延びる傾動操作部分125cが延在するように構成されている。
そして、前記本体部分125bに、前記傾動被案内用ボルト126を挿通してその傾動被案内用ボルト126の前記上下可動棒122に対する遠近方向での移動を案内する前記遠近方向に長い傾動案内用長孔125dが形成され、前記傾動操作部分125cに前記傾動操作用ボルトナット組127のボルトを挿通するためのボルト挿通孔125eが形成されている。
【0088】
そして、前記傾動体124を、その支点用張り出し部分124cが前記受部122cにて受けられる状態で支点用孔124aにより上下可動棒122に外嵌することにより、上下可動棒122の軸心周りに回動自在で且つ上下可動棒122に対する傾き状態が変更自在な状態で上下可動棒122に支持し、前記回動用孔125aにて上下可動棒122の上端部に外嵌した状態の傾動案内体125の本体部分125bを、前記傾動体124の傾動被案内部分124eの上部に重ねた状態で、前記傾動被案内用ボルト126を傾動案内体125の傾動案内用長孔125dに挿通した状態でネジ孔124gに螺入し、更に、傾動案内体125のボルト挿通孔125eに挿通した傾動操作用ボルトナット組127のボルトを、傾動体124の傾動操作部分124fの両側に振り分けて位置させた傾動操作用ボルトナット組127の2個のナットと傾動操作部分124fのネジ孔124hとに螺入することにより、前記姿勢変更調節手段120を前記支柱121に組み付ける。
【0089】
そして、上述のように前記支柱121に組み付けた前記姿勢変更調節手段120の傾動体124に、前記米粒被覆装置3をその軸受け筒72の鍔部72aを用いて支持させることにより、その米粒被覆装置3が、上述のように、支柱121に、姿勢変更調節手段120にて、支柱121の上下方向の軸芯周りに回動自在に且つ攪拌室形成部材50の横倒れ姿勢の傾き及びその高さが調節自在な状態で、被覆用米粒搬送方向の上手側端部にて片持ち状に支持されることになる。
【0090】
次に、前記米粒被覆装置3と前記米粒用乾燥装置4との配置関係について説明する。
前記米粒被覆装置3は、前記支柱121の軸芯周りでの回動により、その攪拌室形成部材50が、その長手方向が前記円板状の載置搬送体Sの径方向に沿う姿勢で、その被覆用米粒搬送方向下手側部分が米粒用乾燥装置4のケーシング142内に入り込んで、米粒排出口57が上段の載置搬送体S1の米粒受入箇所の上方に位置する運転位置(図13及び図14参照)と、前記米粒用乾燥装置4から横方向に退避した退避位置(図示省略)とに位置変更自在なように構成されている。
【0091】
図13に示すように、前記米粒用乾燥装置4のケーシング142の側周部には、前述の如き米粒被覆装置3の位置変更を許容する開口部が形成され、更に、米粒被覆装置3を前記運転位置に位置させた状態で、ケーシング142の側周部の開口部分を閉じる蓋部材142dが開閉自在に設けられている。
【0092】
図14及び図17に示すように、前記間隙設定用従動輪93の半径は、前記攪拌室形成部材50の半径よりも、上段の載置搬送体S1にて層状に載置搬送する米粒群の層の目標厚さ大きい値に設定されている。
【0093】
そして、前記米粒被覆装置3を前記運転位置に位置させた状態で、上下固定ナット123を緩めて、上下可動棒122を上下移動させると共に、前記傾動被案内用ボルト126を緩め且つ前記傾動操作用ボルトナット組127の2個のナットを緩めた状態で、その傾動操作用ボルトナット組127のボルトを回動操作することにより、前記間隙設定用従動輪93が載置搬送体S1の載置搬送面に当接した状態で、攪拌室形成部材50が載置搬送体S1の載置搬送面に平行になるように、米粒被覆装置3の上下方向での位置及び米粒被覆装置3の横倒れ姿勢を調節して、上下固定ナット123及び傾動被案内用ボルト126を締め付けると共に、傾動操作用ボルトナット組127の2個のナットを締め付けて、攪拌室形成部材50を固定する。
すると、前記米粒被覆装置3が、攪拌室形成部材50を前記上段の載置搬送体S1の乾燥用米粒搬送方向と交差する姿勢で、その先端側部分を前記載置搬送体S1の上方箇所に重複するように位置させた状態で、且つ、前記攪拌室形成部材50の先端側部分の底部と前記載置搬送体S1の載置搬送面との間に、前記載置搬送面に層状に存在させる米粒群の厚さに相当する隙間を有する状態で設けられることになる。
【0094】
次に、上述のように構成された米粒被覆装置3の作用について説明する。
米粒受入口55から攪拌室形成部材50の内部に供給された米粒群は、螺旋状回転体91の螺旋状の搬送作用部91bにより、攪拌室形成部材50内の底部側に存在して螺旋状の搬送作用部91bの径方向内外に移動しつつ攪拌室形成部材50の長手方向に沿って搬送される状態で、螺旋状回転体91の内部にて回転するU字状攪拌用回転体92によって攪拌されることにより、良好に攪拌されながら攪拌室形成部材50の長手方向に沿って良好に搬送され、そのように攪拌搬送される米粒群に対して、被覆材溶液供給口56から被覆材溶液が供給されて、米粒群と被覆材溶液とが攪拌されて米粒の表面に被覆材溶液が被覆され、そのように被覆材溶液にて表面が被覆された米粒群が米粒排出口57から排出される。
【0095】
そして、螺旋状回転体91は、その径方向内方側に攪拌室形成部材50の長手方向に連なる内部空間91aを備え且つその螺旋状の搬送作用部91bの間が内部空間91aに連通するように開口される状態に形成されているので、図7に示すように、米粒群Rは、攪拌室形成部材50内の底部側に存在する状態で、螺旋状の搬送作用部91bによって攪拌室形成部材50の長手方向に向けて押し移動されつつ、螺旋状の搬送作用部91bの径方向内外に移動し、更に、螺旋状の搬送作用部91bの内部空間91aに入った米粒群Rは、その内部空間91a内にて回転しているU字状攪拌用回転体92の棒状の攪拌作用部92aによって攪拌室形成部材50の長手方向の略全域において攪拌されることになり、米粒群Rと被覆材溶液とを十分に攪拌することが可能となる。
【0096】
つまり、螺旋状回転体91の回転により、米粒群Rが、攪拌室形成部材50の底部側に比較的集まる状態で層状に流動し、図7に示すように、その螺旋状回転体91の螺旋状の搬送作用部91bの内部でのU字状攪拌用回転体92の回転により、攪拌室形成部材50の底部側に溜まっている米粒群Rの一部を持ち上げられて転回して、層状に流動している米粒群Rが乱されるので、米粒群Rの攪拌が効果的に促進されることになる。
【0097】
従って、米粒群Rと被覆材溶液とを良好に攪拌することにより、米粒一粒一粒を被覆状態のバラツキをより一層抑制した状態で被覆材溶液にて被覆して、米粒排出口57から排出させることが可能となる。
【0098】
そして、米粒排出口57からは、攪拌室形成部材50内における米粒群の搬送量のバラツキに拘らず、米粒群が、攪拌室形成部材50の先端側部分の底部と載置搬送体S1の載置搬送面との間の隙間に相当する厚さにて、載置搬送体S1の載置搬送面に層状に広がるように排出されることになる。
【0099】
又、上段の載置搬送体S1の載置搬送面に当接している間隙設定用従動輪93が載置搬送体S1の回転力により駆動回転され、その間隙設定用従動輪93により、前記コイル状体94が攪拌室形成部材50における米粒排出口57が位置する部分の外周をその外周面に近接する状態で駆動回転されるので、被覆材溶液にて被覆した米粒群を所望通りにスリット状の排出口57から落下排出させて、上段の載置搬送体S1にて載置搬送させることができながら、そのコイル状体94の掻き取り作用により、被覆材溶液にて被覆された米粒群や被覆材溶液が攪拌室形成部材50の底部に付着堆積するのが抑制される。
【0100】
次に、前記米粒用乾燥装置4について、説明を加える。
図12及び図13に示すように、上段の載置搬送体S1における前記米粒被覆装置3の米粒供給箇所より米粒搬送方向下手側に離れ且つ載置搬送体S1における米粒群の落下排出箇所の手前の箇所に、載置搬送体S1の載置搬送面の横幅方向に延びる米粒群押圧用の回転式のローラ170が、下向きに復帰付勢された状態で上下動自在に支持されて設けられている。尚、以下では、各載置搬送体S1,S2にて米粒群を載置搬送する搬送方向を乾燥用米粒搬送方向と記載する場合がある。
【0101】
尚、詳細は後述するが、前記上段の載置搬送体S1を構成する搬送単位体Tがカム形成部材162の存在箇所に回転すると、水平状態の搬送作用姿勢から傾いて排出用傾斜姿勢に切り換わって、載置している米粒群を落下排出することから、上段の載置搬送体S1の回転経路において前記カム形成部材162の存在箇所に対応する範囲が、前記上段の載置搬送体S1における米粒群の落下排出箇所となる。
【0102】
又、前記2個の載置搬送体S夫々の載置搬送面が多孔状に形成され、上段の載置搬送体S1における前記ローラ170よりも乾燥用米粒搬送方向下手側で且つ上段の載置搬送体S1における米粒群の落下排出箇所の手前の箇所に、上段の載置搬送体S1の載置搬送面に付着している米粒群を剥離させるように掻き取り作用し且つ剥離された米粒群が乗り越えて通過できるように形成された搬送面用掻き取り体180が設けられている。
【0103】
又、図13に示すように、上段の載置搬送体S1における米粒群の落下排出箇所よりも乾燥用米粒搬送方向下手側で且つ前記米粒被覆装置3の米粒供給箇所よりも乾燥用米粒搬送方向上手側箇所に、上段の載置搬送体S1の載置搬送面に付着している米粒群を剥離し且つ剥離した米粒群を受け止める剥離受け止め体190が設けられている。
【0104】
又、図13及び図15に示すように、前記上段の載置搬送体S1の載置搬送面に層状に存在する米粒群における前記米粒被覆装置3の米粒搬送方向下手側、即ち、被覆用米粒搬送方向下手側に相当する米粒群下手側端部についての被覆用米粒搬送方向での存在位置を検出する端部位置検出手段Lが設けられ、前記制御部Cが、その端部位置検出手段Lの検出情報に基づいて、前記米粒群下手側端部を被覆用米粒搬送方向における設定範囲内に位置させるように、載置搬送体S1の回転速度を調節すべく、前記電動モータ143を制御するように構成されている。
【0105】
つまり、前記上段の載置搬送体S1は、上下方向の軸心周りで駆動回転されるので、前記米粒被覆装置3の米粒搬送方向、即ち、被覆用米粒搬送方向は、上段の載置搬送体S1の径方向に相当し、被覆用米粒搬送方向における設定範囲は、前記上段の載置搬送体S1の載置搬送面における被覆用米粒搬送方向下手側、即ち、前記上段の載置搬送体S1の径方向中心側の端部に設定されている。
そして、上段の載置搬送体S1の載置搬送面に層状に存在する米粒群における前記米粒群下手側端部は、上段の載置搬送体S1の回転軸心周りに円状に移動するので、前記端部位置検出手段Lは、上述のように円状に移動する前記米粒群下手側端部における被覆用米粒搬送方向での存在位置を検出することになる。
【0106】
又、図29に示すように、前記下段の載置搬送体S2における前記上段の載置搬送体S1から落下排出された米粒群の落下箇所A(図29において一点鎖線にて示す範囲)よりも乾燥用米粒搬送方向下手側の箇所に、その下段の載置搬送体S2の載置搬送面との間に隙間を有する状態で配置されて、その下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群を乾燥用米粒搬送方向に直交する方向に受け止め案内移動させる均平体200と、前記下段の載置搬送体S2における載置搬送面の乾燥用米粒搬送方向に直交する方向の端部に前記均平体200にて案内移動される米粒群が達すると、前記均平体200と前記下段の載置搬送体S2の載置搬送面との隙間を広くするように前記均平体200を上昇させる均平体上昇手段Jとが設けられている。
【0107】
以下、米粒用乾燥装置4の各部の構成について、説明を加える。
先ず、図11に基づいて、前記通風式乾燥手段Dについて、説明を加える。
前記円筒状のケーシング142の天井部には、前記回転軸141を中心とする略円状の開口部142aが形成され、更に、その天井部の上部には、円筒状の乾燥用空気取り入れ部147が、その開口した下部をケーシング142の開口部142aと連通させる状態で設けられている。乾燥用空気取り入れ部147の側面には乾燥用空気の通過の際に塵埃を除去するフィルタが設けられ、そのフィルタの内方側には乾燥用空気を加熱する複数の電熱ヒータ148が設けられている。
【0108】
吸気ダクト145が、その吸引口145aを前記下段の載置搬送体S2の下方側に対向させるように配置され、その吸気ダクト145に吸引作用するように乾燥用送風機149が設けられている。
そして、前記乾燥用送風機149の吸引作用により、乾燥用空気を乾燥用空気取り入れ部147のフィルタを通して取り入れ、その乾燥用空気をケーシング142の天井部の開口部142aからケーシング142内に供給して、上段の載置搬送体S1にて載置搬送される米粒群に通風させ、更に、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群に通風させた後、吸気ダクト145を通風させて排出させるように構成してある。
つまり、前記乾燥用空気取り入れ部147、前記吸気ダクト145及び前記乾燥用送風機149により、前記通風式乾燥手段Dが構成される。
【0109】
ちなみに、前記電熱ヒータ143は、前記米粒被覆装置3にて米粒に被覆する被覆材溶液の種類により、加熱作動させか否かに切り換えることになり、この実施形態のように被覆材溶液がコラーゲン溶液である場合は、電熱ヒータ143は加熱作動させず、外気をそのまま乾燥用空気として通風させることになり、被覆材溶液が澱粉の水溶液である場合は、電熱ヒータ143を加熱作動させて、外気を加熱して乾燥用空気として通風させることになる。
【0110】
上段の載置搬送体S1について、説明を加えると、この上段の載置搬送体S1は、図23〜図28に示すように、周方向に沿って並べて設けられる12個の搬送単位体Tを備えて構成されている。この搬送単位体Tは、上段の載置搬送体S1を周方向に沿って12個に均等に分割する状態で平面視で略扇形になるように構成されている。
【0111】
図27に示すように、この搬送単位体Tは、平面視で概ね扇状の枠体150の上部側に、孔径が約2mmの小径孔を多数形成したパンチングメタルからなる多孔板151を装着して構成されている。
前記枠体150は、帯状体を概ねV字状に屈曲形成したV字部材152の両端に、円弧状の外周部材153を接続すると共に、V字部材152の両辺部に跨るように補強部材154を設けて構成されている。尚、各搬送単位体Tの外周部材153における載置搬送体S1の周方向の一端が突出して、その外周部材153の突出部分が、隣接する搬送単位体Tの外周部材153の端部に重なるように構成されている。
【0112】
長尺状の円筒状部材155が、載置搬送体S1の中心部から径方向に沿って搬送単位体Tの外周部付近にまで延びる状態で、前記枠体150に支持され、棒状の被案内部156が、載置搬送体S1の径方向に延びて搬送単位体Tの外周から突出する状態で、前記枠体150に支持されている。
【0113】
前記多孔板151は前記枠体150の上部側に対して回転方向上手側および下手側に突出する状態で取り付けられている。つまり、多孔板151の回転方向下手側端縁151aが枠体150の回転方向下手側端部よりも回転方向下手側に向けて突出する状態となり、多孔板151の回転方向上手側端縁151bが枠体150の回転方向上手側端部よりも回転方向上手側に突出する状態となるように取り付けられている。すなわち、搬送作用姿勢においては、多孔板151の回転方向下手側端縁151aが、回転方向下手側に隣接する搬送単位体Tの多孔板151の回転方向上手側端縁151bの上側に重なる状態となり、多孔板151の回転方向上手側端縁151bが、回転方向上手側に隣接する搬送単位体Tの多孔板151の回転方向下手側端縁151aの下側に重なる状態となるように構成されている。
【0114】
そして、回転軸141に一体回転自在に外嵌されるボス部157から放射状に延びる複数の棒状の回動支軸158が、各搬送単位体Tに設けられた円筒状部材155を貫通する状態で設けられ、各回動支軸158の径方向外方側の端部に夫々ローラ式のカムフォロア159が設けられ、各カムフォロア159は、ケーシング141の内周面にネジ止め固定されたリング状の支持レール160にて案内支持される構成となっている。従って、ボス部157、各回動支軸158、及び、搬送単位体Tが回転軸141の回転駆動力にて一体的に回転するように連結される構成となっている。尚、この回動支軸158の軸芯Xが姿勢変更用の回動軸芯に対応するものである。
【0115】
前記搬送単位体Tにおける前記姿勢変更用の回動軸芯すなわち前記回動支軸63の軸心Xが、搬送単位体Tの周方向中間部における中央位置Pよりも載置搬送体S1の回転方向下手側に寄った箇所に位置する構成となっている。そして、載置搬送体Sの径方向外方側の箇所であって、搬送単位体Tの周方向の中央位置Pよりも前記載置搬送体S1の回転方向上手側に寄った箇所に、棒状の被案内部156が設けられ、各被案内部156の径方向外端側の箇所に夫々ローラ式のカムフォロア161が設けられ、各カムフォロア161は、前記支持レール160にて案内支持される構成となっている。
【0116】
図24ないし図26及び図31に示すように、前記リング状の支持レール160の一部分を開放状態にさせ、その開放された部分にカム形成部材162を取り付ける構成となっている。
図31に示すように、カム形成部材162には、平坦状の搬送用カム案内面162aとV字状の姿勢変更用カム案内面162bが形成されている。カム形成部材162によって形成される姿勢変更用カム案内面162bは、前記載置搬送体S1の回転方向上手側に位置して、搬送単位体Tの傾きを案内する緩やかな緩傾斜面c1と、前記載置搬送体S1の回転方向下手側に位置して、搬送単位体Tを搬送作用姿勢に戻すための復帰用傾斜面c2とを備えて構成され、復帰用傾斜面c2は緩傾斜面c1よりも急な傾斜面になるように構成されている。
【0117】
前記搬送単位体Tが回転方向Qに回転されながら、米粒群の落下箇所にて搬送作用姿勢から排出用傾斜姿勢に傾けられ、再び、搬送作用姿勢に戻される構成について説明を加える。
図31(イ)に示すように、供給された米粒群を上段の載置搬送体S1にて載置搬送するための搬送領域L1において、カムフォロア159、161が支持レール160および搬送用カム案内面162aにて案内支持されることにより、搬送単位体Tを搬送作用姿勢に維持させる。搬送単位体Tが回転方向Qに搬送されて、カムフォロア159が支持レール160にて案内支持されなくなったときにおいても、カムフォロア161が搬送用カム案内面162aにて案内支持され、搬送単位体Tの多孔板151の回転方向下手側端縁151aが、回転方向下手側に隣接する搬送単位体Tの多孔板151の回転方向上手側端縁151bに係合されているので、搬送単位体Tを搬送作用姿勢に維持させる。図31(ロ)に示すように、載置搬送した米粒群を下方に排出するための排出領域L2において、カムフォロア159が搬送用カム案内面162aにて案内支持され、カムフォロア161がV字状の姿勢変更用カム案内面162bの緩傾斜面c1にて案内支持されることにより、カムフォロア161が下方側に移動して搬送単位体Tが排出用傾斜姿勢に切り換わる。そして、図31(ハ)に示すように、カムフォロア159が搬送用カム案内面162aにて案内支持され、カムフォロア161がV字状の姿勢変更用カム案内面162bの復帰用傾斜面c2にて案内支持されることにより、カムフォロア161が上方側に移動して搬送単位体Tが搬送作用姿勢に復帰するようになっている。
【0118】
このように構成すると、上段の載置搬送体S1が上下軸芯Y周りで回転するのに伴って、前記各搬送単位体Tは、上方から供給された米粒群を載置搬送するための搬送領域L1を通過している間は、カムフォロア159、161が支持レール160および搬送用カム案内面162aにて案内支持されて搬送作用姿勢に維持されており、米粒群を載置搬送しながら通風乾燥させることができる。そして、搬送単位体Tが排出領域L2に至ると、カムフォロア161が姿勢変更用カム案内面162bに案内されて排出用傾斜姿勢に切り換わることにより載置している米粒群を下方に落下排出させることになる。
【0119】
図11に示すように、上段の載置搬送体S1には、その中央部に乾燥用空気の下方への通過を防止する防風板163が設けられている。上段の載置搬送体S1における外周部の外方箇所、すなわち、上段の載置搬送体S1の外周部とケーシング142の側周部との間には、乾燥用空気を通過させる通気用通路164が設けられている。このとき、上段の載置搬送体S1にて載置搬送される米粒群は、被覆材溶液が付着した米粒同士が粘着力によってくっつくなどして米粒同士の間を乾燥用空気が通過する際の空気抵抗が大きなものとなるため、ケーシング142の天井部の開口部142aから供給された乾燥用空気の殆どが、上段の載置搬送体S1の中央部から外周部側に向けて放射状に流動することになり、乾燥用空気の残りが、上段の載置搬送体S1を通過する状態で流動することになる。したがって、上段の載置搬送体S1にて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を接触させることができるものとなる。
【0120】
そして、この上段の載置搬送体S1に対する米粒供給箇所から上下軸芯Y周りでの周方向の位相が設定量異なる米粒排出箇所にまで米粒群が載置搬送されると、搬送単位体Tが排出用傾斜姿勢に切り換わって米粒群が下方に落下排出される。
又、図11及び図28に示すように、前記上段の載置搬送体S1の下部側に、下方に向かうほどその径が小になるように形成されたカバー側の導風体165が設けられている。このカバー側の導風体165の上部の端部がケーシング142の内周面にネジ止め固定される構成となっている。
【0121】
図11、図28及び図29に示すように、前記下段の載置搬送体S2は、米粒群が供給される位置や排出させる位置が周方向に異なる他は、上段の載置搬送体S1と同じ構成であるので、詳細な説明は省略する。
その下段の載置搬送体S2には、上段の載置搬送体S1と同様にその中央部に乾燥用空気の下方への通過を防止する防風板163が設けられ、加えて、下段の載置搬送体S2を構成する各搬送単位体Tの略扇形の外周部の夫々に設けられた外周部材153が概ねリング状に連なって、載置搬送体側の導風体166が形成される。そして、カバー側の導風体165の下部と載置搬送体側の導風体166の上部とが近接させて設けられている。これにより、通気用通路164を通過した乾燥用空気を、カバー側の導風体165および載置搬送体側の導風体166に案内されて下段の載置搬送体S2の存在箇所まで流動させることになる。このとき、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群は、乾燥が進んでおり、そのように乾燥が進んだ米粒同士がくっつくことがないので、乾燥用空気が通過する際の空気抵抗が小さいものとなる。このように乾燥が進んだ状態の米粒同士の間を乾燥用空気が通過する際の空気抵抗が小さいため、カバー側の導風体165の下段と載置搬送体側の導風体166の上部との間を短絡流動することを極力抑制した状態で、通気用通路164を通過した乾燥用空気の全量又は略全量を、その下段の載置搬送体S2を通過させる状態で流動させることができるものとなり、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群を均一且つ良好に乾燥させることが可能となる。
【0122】
次に、前記端部位置検出手段Lについて、説明を加える。
図15に示すように、この端部位置検出手段Lは、前記米粒被覆装置3から上段の載置搬送体S1への米粒供給箇所よりも乾燥用米粒搬送方向下手側近傍箇所に、被覆用米粒搬送方向に並ぶ一対の米粒検出センサ146を、前記米粒群下手側端部が被覆用米粒搬送方向における設定範囲内に存在する状態において、被覆用米粒搬送方向上手側の米粒検出センサ146が米粒存在を検出し且つ被覆用米粒搬送方向下手側の米粒検出センサ146が米粒不存在を検出するように設けて構成されている。
【0123】
図15に示すように、前記被覆用米粒搬送方向上手側の米粒検出センサ146は、前記排出口57を構成する複数の排出口部57aのうちの最下手側の排出口部57aにおける被覆用米粒搬送方向上手側に寄った部分を通る載置搬送体S1の回転軌跡上の米粒群を検出するように設けられ、被覆用米粒搬送方向下手側の米粒検出センサ146は、前記最下手側の排出口部57aにおける被覆用米粒搬送方向下手側端部を通る載置搬送体S1の回転軌跡上の米粒群を検出するように設けられている。
つまり、図15において一点鎖線にて示すように、被覆用米粒搬送方向における設定範囲は、被覆用米粒搬送方向において前記最下手側の排出口部57aが存在する範囲よりも多少狭い範囲に設定されている。
【0124】
又、前記一対の米粒検出センサ146により、前記米粒被覆装置3から上段の載置搬送体S1への米粒供給箇所よりも乾燥用米粒搬送方向下手側近傍箇所にて、前記米粒群下手側端部の被覆用米粒搬送方向での存在位置を検出するように構成されている。
【0125】
図16に示すように、各米粒検出センサ146は、垂れ下がり状態に復帰付勢されたレバー部146aにてオンオフするリミットスイッチにて構成され、その米粒検出センサ146が、上段の載置搬送体S1の上方に、その載置搬送面に米粒群Rが存在しないときはレバー部146aが垂れ下がり状態となってオフ状態となり、載置搬送面に米粒群Rが存在するとレバー部146aがその米粒群に接触して持ち上げられてオン状態となるように配設されている。
【0126】
前記制御部Cの制御動作について、説明を加える。
予め、加工米製造設備に運転開始指令が与えられてから、前記米粒被覆装置3の排出口から米粒群が前記設定範囲内にまで広がるように排出される定常状態になるまでの立ち上げ時間が設定されて、前記制御部Cに記憶されている。
【0127】
そして、前記制御部Cは、前記運転開始指令が与えられてから前記立ち上げ時間が経過するまでは、前記一対の米粒検出センサ146の検出情報に関係なく、前記載置搬送体S1の回転速度をその調節範囲における中間に維持すべく、前記電動モータ143を制御する立ち上げ運転を実行するように構成されている。
ちなみに、上述のように、前記排出口57を構成する複数の排出口部57aのうち、最下手側の排出口部57aからの米粒群の排出量を他の排出口部57aからの米粒群の排出量よりも多くしているので、前記立ち上げ運転の間に、排出口57が詰まるのが防止される。
【0128】
前記制御部Cは、前記立ち上げ運転が終了すると、前記一対の米粒検出センサ146の検出情報に基づいて前記載置搬送体S1の回転速度を調節する通常運転を実行する。
前記制御部Cは、その通常運転では、一対の米粒検出センサ146がオフのときは、被覆用米粒搬送方向上手側(載置搬送体S1の径方向外側)の米粒検出センサ146がオンになるまで、設定時間毎に設定量ずつ回転速度を遅くし、被覆用米粒搬送方向上手側の米粒検出センサ146がオンで且つ被覆用米粒搬送方向下手側(載置搬送体S1の径方向中心側)の米粒検出センサ146がオフのときは、そのときの回転速度を維持し、一対の米粒検出センサ146がオンのときは、被覆用米粒搬送方向下手側の米粒検出センサ146がオフになるまで設定時間毎に設定量ずつ回転速度を速くすべく、前記電動モータ143を制御するように構成されている。
【0129】
つまり、一対の米粒検出センサ146がオフのときは、上段の載置搬送体S1の載置搬送面における被覆用米粒搬送方向の設定範囲にまで米粒群が広がっていない状態であり、その2個の米粒検出センサ146がオフのときには、上段の載置搬送体S1の回転速度が設定時間毎に設定量ずつ遅くされるので、米粒被覆装置3の米粒排出口57から載置搬送体S1の載置搬送面に供給される米粒群は、被覆用米粒搬送方向下手側に広がるようになって、やがて、被覆用米粒搬送方向上手側の米粒検出センサ146がオンとなるので、上段の載置搬送体S1の回転速度はそのときの速度に維持される。
【0130】
又、一対の米粒検出センサ146がオンのときは、上段の載置搬送体S1の載置搬送面における被覆用米粒搬送方向の設定範囲における被覆用米粒搬送方向下手側端部にまで米粒群が広がっている状態であり、その一対の米粒検出センサ146がオンのときには、上段の載置搬送体S1の回転速度が設定時間毎に設定量ずつ速くされるので、米粒被覆装置3の米粒排出口57から載置搬送体S1の載置搬送面に供給される米粒群の広がり範囲は、被覆用米粒搬送方向上手側に狭まって、やがて、被覆用米粒搬送方向下手側の米粒検出センサ146がオフとなるので、上段の載置搬送体S1の回転速度はそのときの速度に維持される。
つまり、上段の載置搬送体S1の載置搬送面における被覆用米粒搬送方向下手側への米粒群の広がり範囲が前記設定範囲に維持されることになる。
【0131】
次に、図18ないし図22に基づいて、前記ローラ170について、説明を加える。
このローラ170は、4個の円錐台部分170aが夫々の中心にて軸部170bに挿通された状態で組み付けられて概ね截頭円錐形状に形成され、その截頭円錐形状のローラ170の長手方向両端面夫々の中心から軸部170bが突出するように構成されている。
前記4個の円錐台部分170aのうち、径が最小の円錐台部分170aがステンレスにて形成され、他の3個の円錐台部分170aがステンレスよりも比重が小さい樹脂にて形成されて、ローラ170の重心がそのローラ170の軸心方向における略中央に位置するように構成されている。
【0132】
前記上段の載置搬送体S1の上方に、支持軸171が、その載置搬送体S1の中心付近から径方向外方に向かって延びる状態で、載置搬送体S1の載置搬送面と略並行になるように、前記ケーシング142を用いて固定状態に設けられ、2個のローラ用アーム172,173が、夫々の一端部が前記支持軸171に回動自在に支持されている。
【0133】
そして、前記ローラ170が、その軸心が前記上段の載置搬送体S1の径方向に略一致する姿勢で、両端の軸部170b夫々を前記2個のローラ用アーム172,173夫々の他端に回動自在に接続した状態で設けられている。
つまり、前記ローラ170が、その自重にて下向きに復帰付勢された状態で、前記2個のローラ用アーム172,173により上下動自在に前記支持軸171に支持されて設けられている。
【0134】
従って、図22に示すように、ローラ170は、上段の載置搬送体S1にて層状に載置搬送される米粒群Rの層の乾燥用米粒搬送方向下手側への移動に追従して回転し且つその米粒群Rの層の凹凸に追従して上下動しながら、米粒群Rを押圧することになり、被覆材溶液にて互いに接着している米粒群Rが一粒ずつに分離されることになる。つまり、前記ローラ170は、前記上段の載置搬送体S1の回転力によって駆動回転されるように設けられている。
【0135】
そして、截頭円錐形状の前記ローラ170における軸心方向各部の外周の長さは、ローラ170が1回転する間に前記上段の載置搬送体S1における前記ローラ170の軸心方向各部に対応する部分が移動する長さと略等しくなるように設定されていて、ローラ170が米粒群Rの層の乾燥用米粒搬送方向への移動に追従してスリップすることなく回転するように構成されている。
つまり、軸心方向の略中央に重心が位置する截頭円錐形状のローラ170は、上段の載置搬送体S1にて層状に載置搬送される米粒群Rの層を押圧しながらスリップすることなく回転することから、ローラ170により、そのローラ170にて米粒群Rを擦ったり米粒同士が擦りあうのを抑制しながら、上段の載置搬送体S1にて載置搬送される米粒群Rの層をその載置搬送体S1の径方向に均等に押圧することができることになり、米粒表面の被覆材溶液の被膜を損傷するのを抑制しながら、被覆材溶液により互いに接着した米粒群Rを満遍なく解して一粒ずつに分離させることができるのである。
【0136】
次に、図18ないし図22に基づいて、前記搬送面用掻き取り体180について、説明を加える。
この搬送面用掻き取り体180は、水平部分181aとその水平部分181aの両端から垂直に延びる垂直部分181bとを備えるコの字形状の掻き取り部分181の2個を上段の載置搬送体S1の径方向に並べて備えて構成されている。
各掻き取り部分181は、帯状体をコの字状に成形した板状掻き取り部182における乾燥用米粒搬送方向上手側の端面に沿わせて、鋼製の線材をコの字状に成形した線状掻き取り部183を取り付けて構成されている。
【0137】
3個の掻き取り用アーム184,185,186が、夫々の一端部が前記支持軸171に回動自在に支持されると共に、各掻き取り用アーム184,185,186における前記支持軸171への支持部分から離れた箇所に、夫々、ウエイト187が取り付けられている。
そして、上段の載置搬送体S1の径方向中心側の掻き取り用アーム184及び中央の掻き取り用アーム185夫々における前記支持軸171への支持部分から前記ウエイト187と同側に離れた箇所に、一方の掻き取り部分181の両辺部が取り付けられ、上段の載置搬送体S1の径方向外方側の掻き取り用アーム186及び中央の掻き取り用アーム185夫々における前記支持軸171への支持部分から前記ウエイト187と同側に離れた箇所に、他方の掻き取り部分181の両辺部が取り付けられて、それら2個の掻き取り部分181にて構成される搬送面用掻き取り体180が、前記3個のウエイト187により下方に復帰付勢された状態で、3個の掻き取り用アーム184,185,186により上下動自在に前記支持軸171に支持されて設けられている。
【0138】
従って、図22に示すように、前記搬送面用掻き取り体180は、その水平部分181aが上段の載置搬送体S1の載置搬送面に当接する状態でその載置搬送面に追従して上下動することになり、前記ローラ170にて一粒ずつに分離された状態で上段の載置搬送体S1にて層状に載置搬送される米粒群Rが、搬送面用掻き取り体180にて剥離されてその搬送面用掻き取り体180を乗り越えて通過することになる。
そして、そのように前記ローラ170により一粒ずつに分離されると共に搬送面用掻き取り体180により剥離されて載置搬送面と非接着状態となっている米粒群Rを載置搬送している搬送単位体Tが、排出領域L2に至って排出用傾斜姿勢になると、米粒群Rが一粒ずつに分離され且つ載置搬送面に接着したままで残るのが極力抑制される状態で落下して、下段の載置搬送体S2に供給されるのである。
【0139】
次に、図15及び図17に基づいて、前記剥離受け止め体190について、説明を加える。
この剥離受け止め体190は長尺板状に構成されて、その長手方向に間隔を開けて、複(この実施形態では5個)の高さ調節用の長孔190aが形成されている。
前記攪拌搬送装置3の攪拌室形成部材50における前記上段の載置搬送体S1の上方に位置する部分の乾燥用米粒搬送方向上手側の側部に、長尺状の支持体191が、攪拌室形成部材50と平行に取り付けられている。
そして、前記剥離受け止め体190を前記支持体191とカバー板193との間に位置させた状態で、高さ調節用のボルト192を前記剥離受け止め体190の各長孔190aに挿通して前記支持体191に螺入することにより、剥離受け止め体190が、攪拌室形成部材50における乾燥用米粒搬送方向上手側の側部に、攪拌室形成部材50と平行になる姿勢で且つ高さ調節自在な状態で設けられている。
つまり、剥離受け止め体190が、平面視において、上段の載置搬送体S1の径方向外側ほど乾燥用米粒搬送方向下手側に位置する傾斜姿勢で設けられている。
【0140】
そして、剥離受け止め体190の下端が上段の載置搬送体S1の載置搬送面に当接するように、剥離受け止め体190の高さを調節する。すると、搬送単位体Tが排出領域L2にて排出用傾斜姿勢になっても、米粒が載置搬送面に接着して残っていたとしても、剥離受け止め体190にて剥離されて受け止められるので、米粒被覆装置3から上段の載置搬送体S1の載置搬送面に供給される新しい米粒群に混入するのを防止することができる。
又、剥離受け止め体190が、上段の載置搬送体S1の径方向外側ほど乾燥用米粒搬送方向下手側に位置する傾斜姿勢で設けられていることから、剥離受け止め体190にて剥離されて受け止められた米粒は、剥離受け止め体190にて受け止められた状態で、上段の載置搬送体S1の回転に追従して、上段の載置搬送体S1の径方向外側に移動することになる。
従って、剥離受け止め体190にて剥離されて受け止められた米粒は、上段の載置搬送体S1の載置搬送面における径方向端部に集まるので、剥離受け止め体190にて剥離された米粒群を除去し易い。
【0141】
次に、図29及び図30に基づいて、前記均平体200及び前記均平体上昇手段Jについて、説明を加える。尚、図30の(イ)は、前記均平体200及び前記均平体上昇手段Jを示す平面図であり、図30の(ロ)は、前記均平体200及び前記均平体上昇手段Jを示す側面図である。
平面視で直線状の長尺状のステー201が、平面視において、下段の載置搬送体S2の載置搬送面における米粒群の落下箇所Aよりも乾燥用米粒搬送方向下手側近傍箇所の上方を通り、且つ、前記下段の載置搬送体S2の載置搬送面におけるその径方向中心側端部箇所で下段の載置搬送体S2の径方向と直交する姿勢にて、下段の載置搬送体S2を横断する状態で、乾燥用米粒搬送方向下手側の端部201dを支点として上下方向に揺動自在に、前記ケーシング142に支持されて設けられている。
【0142】
又、前記ステー201の長手方向において、前記下段の載置搬送体S2の載置搬送面における径方向中心側端部に対応する箇所、即ち、下段の載置搬送体S2の径方向と直交する箇所に、均平用従動輪202が、下段の載置搬送体S2の径方向に沿う回転軸心にて回転自在に支持されている。
その均平用従動輪202は、前記ステー201が最低位置に位置する状態で、下段の載置搬送体S2の載置搬送面との間に、米粒の大きさよりも小さい隙間(例えば1mm程度)が形成されるように設けられている。
【0143】
前記均平体200は、平面視で円弧状に形成され、その均平体200が、下段の載置搬送体S2における米粒群の落下箇所Aよりも乾燥用米粒搬送方向下手側近傍の外周部から、下段の載置搬送体S2におけるその径方向中心側端部にわたる状態で、円弧状の膨らみ側が乾燥用米粒搬送方向下手側に向く姿勢にて、前記ステー201に取り付けられている。
つまり、均平体200が、下段の載置搬送体S2の径方向中心側ほど乾燥用米粒搬送方向下手側に位置する傾斜姿勢で設けられている。
そして、前記均平体200の高さは、前記ステー201が最低位置に位置する状態で、下段の載置搬送体S2の載置搬送面との間に、下段の載置搬送体S2にて米粒群を層状に載置搬送するための目標厚さと同程度の隙間が形成されるように調節される。
【0144】
つまり、前記均平体200により、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群が、乾燥用米粒搬送方向に直交する方向の中心側に受け止め案内移動される状態で平坦に慣らされるので、上述したように下段の載置搬送体S2を通過する状態で通流する乾燥用空気により、米粒群が均等に乾燥されることになる。
そして、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群が、乾燥用米粒搬送方向に直交する方向の中心側に、前記均平用従動輪202の設置箇所にまで広がると、図30の(ロ)に示すように、均平用従動輪202が米粒群Rの層の移動に従動して回転しながら米粒群Rの層に乗り上げることになり、そのように均平用従動輪202が米粒群Rの層に乗り上げると、前記ステー201と共に前記均平体200が上昇して、均平体200と下段の載置搬送体S2の載置搬送面との隙間が広がるので、下段の載置搬送体S2にて載置搬送される米粒群Rが乾燥用米粒搬送方向に直交する方向の中心側に広がり過ぎるのを防止することができる。
【0145】
そして、均平体200と下段の載置搬送体S2の載置搬送面との隙間が広がることにより、穀粒群が前記均平用従動輪202の設置箇所にまで広がらなくなると、均平用従動輪202が下降して均平体200も下降し、均平体200と下段の載置搬送体S2の載置搬送面との隙間が元の広さになる。
【0146】
つまり、前記均平体上昇手段Jが、前記下段の載置搬送体S2における載置搬送面の穀粒搬送方向に直交する方向の端部に上下移動自在に且つその端部に存在する穀粒群により上昇移動されるように設けた前記均平用従動輪202を備えて、その均平用従動輪202の上昇により前記均平体200を上昇移動させるように構成されている。
【0147】
次に、図32及び図33に基づいて、前記単粒化装置5について、説明を加える。
この単粒化装置5は、前記米粒用乾燥装置4から供給される米粒群を載置する多孔状載置体501を振動駆動する状態で備えて構成されている。ちなみに、前記多孔状載置体501は、金属網製である。
又、前記多孔状載置体501として、上段と下段の2個の多孔状載置体50が上下方向に間隔を隔てて備えられている。
そして、米粒用乾燥装置4から上段の多孔状載置体501に米粒群が供給され、その上段の多孔状載置体501にて、適正な大きさの米粒(以下、正粒と記載する場合がある)よりも大きい異常物(大異常物と記載する場合がある)を残留させる状態で、正粒を下段の多孔状載置体501に漏下させ、その下段の多孔状載置体501にて正粒を残留させる状態で、その正粒よりも大きい異常物(以下、小異常物と記載する場合がある)を漏下させ、上段の多孔状載置体501に残留する大異常物は大異常物用シュータ502にて排出させ、下段の多孔状載置体501にて残留する正粒は正粒用シュータ503にて排出させ、下段の多孔状載置体501から漏下させた小異常物は小異常物用シュータ504にて排出させるように構成されて、米粒用乾燥装置4から供給される米粒群を、正粒、大異常物及び小異常物に選別するように構成されている。
【0148】
又、米粒用乾燥装置4から供給される米粒群に、複数の米粒が接着した米粒の固まりが混じっていたとしても、その米粒の固まりは、振動する上段の多孔状載置体501上にて、その多孔状載置体501の網目に引っ掛かりながら揺らされたり飛ばされたりすることにより、効果的に一粒ずつに解されることになる。
【0149】
ちなみに、前記大異常物には、解されなかった米粒の固まり等が含まれ、前記小異常物には、米粒が砕けた子米等が含まれる。
【0150】
前記単粒化装置5について、更に説明を加える。
円筒状の基枠505の上部に、概ね円板状の振動体ベース506が、基枠505の上端部に周方向に沿って分散配置された複数のベース受けスプリング507にて支持される状態で設けられ、その振動体ベース506の下面の中心に、振動体508が取り付けられている。
【0151】
前記振動体ベース506の上面に、上端開口が蓋体509にて開閉自在な円筒状の枠体510が固定状に設けられ、その枠体510の内部に、前記多孔状載置体501が上下2段に設けられている。
又、前記米粒用乾燥装置からの米粒を搬送する前記搬送装置7を構成するダクトは、前記枠体510の内部空間に連通する状態で、前記蓋体509に接続され、前記大異常物用シュータ502、正粒用シュータ503及び小異常物用シュータ504は、前記枠体510に、その内部空間に連通する状態で取り付けられている。
【0152】
前記基枠505の底部の中心に、振動スプリング511が上下方向に延びる状態で回転自在に支持されて設けられ、軸体512が、その振動スプリング511の上部に、前記振動体508及び前記振動ベース506をそれらと相対回転自在に貫通する状態で接続され、前記軸体512における前記振動ベース506から上方に突出する部分に、上部偏心ウエイト513が取り付けられ、前記軸体512における前記振動体508から下方に突出する部分に、下部偏心ウエイト514が取り付けられている。
【0153】
前記基枠505の底部に振動駆動用モータ515が設けられ、その振動駆動用モータ515の出力軸に取り付けられたプーリ516と、前記振動スプリング511の下端に取り付けられたプーリ517とにわたってベルト518が巻回されて、前記振動駆動用モータ515により、前記振動スプリング511、前記軸体512、上部偏心ウエイト513及び下部偏心ウエイト514が一体的に駆動回転されるように構成されている。
【0154】
そして、上部偏心ウエイト513及び下部偏心ウエイト514が取り付けられた状態で前記振動体508及び前記振動ベース506を貫通する軸体512が回転駆動されることにより、上部偏心ウエイト513及び下部偏心ウエイト514の作用により、前記振動体508、前記振動ベース506、及び、内部に上下2段の多孔状載置体501を備えた枠体510が前記複数のベース受けスプリング507にて支持される状態で振動駆動されることになる。
【0155】
そして、上下2段の多孔状載置体501は、載置している米粒群を外周部に沿わせた状態で周方向の一定の方向に移動させるべく振動させるように構成され、上述のように、上段の多孔状載置体501に残留する大異常物は、上段の多孔状載置体501上をその外周部に沿って周方向の一定の方向に移動して、大異常物用シュータ502から排出され、下段の多孔状載置体501上に残留する正粒は、下段の多孔状載置体501上をその外周部に沿って周方向の一定の方向に移動して、正粒用シュータ503から排出され、下段の多孔状載置体501から漏下した小異常物は小異常物用シュータ504の受入口に集められて、その小異常物用シュータ504から排出されるのである。
【0156】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、米粒被覆装置3から流下供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部として、多孔状で円板状又は略円板状の載置搬送体Sを上下方向に延びる軸心周りに駆動回転され且つ米粒群を載置搬送した後に落下排出させるように備える場合について例示したが、載置搬送部の具体構成としては種々の構成が可能である。
例えば、上記の実施形態のように、多孔状で円板状又は略円板状の載置搬送体Sを上下方向に延びる軸心周りに駆動回転され且つ米粒群を載置搬送した後に落下排出させるように備える場合、載置搬送体Sの段数は、上記の実施形態の如き2段に限定されるものではなく、1段でも3段以上でも良い。
【0157】
又、載置搬送部として、無端状のベルトを水平方向に間隔を隔てて並ぶ一対のプーリに巻回して駆動回転するように備えても良い。
この場合、載置搬送部Sの載置搬送面の横幅方向に延び且つ下向きに復帰付勢された状態で上下動自在に支持されて設けられる米粒群押圧用の回転式のローラは、軸心方向に沿って径が一定な直円柱状又は直円筒状に形成して、その直円柱状又は直円筒状のローラを、その軸心が無端状のベルトの移動方向に直交する状態で設けることになる。
又、載置搬送部として、複数の無端状のベルトを、上段の無端状のベルトの終端部から米粒群が下段の無端状のベルトの始端部に落下供給される形態で、上下方向に複数段に設けても良い。
この場合、下段の無端状のベルトに対して、前記均平体200及び前記均平体上昇手段Jを設けることになる。
【0158】
(ロ) 上記の実施形態では、ローラ170を上段の載置搬送体S1の回転力によって駆動回転されるように設ける場合について例示したが、ローラ170を専用のアクチュエータにて駆動回転するように構成しても良い。
【0159】
(ハ) 上記の実施形態では、ローラ170を、そのローラ170の自重にて下向きに復帰付勢された状態で設ける場合について例示したが、ローラ170を、ウエイトやバネ体にて下向きに復帰付勢された状態で設けても良い。
【0160】
(ニ) 搬送面用掻き取り体180の具体構成としては、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、上段の載置搬送体S1の径方向に並ぶ2個のコの字形状の掻き取り部分181にて構成したが、1個のコの字形状の部材にて構成しても良い。
又、上記の実施形態では、コの字状の板状掻き取り部182における乾燥用米粒搬送方向上手側の端面に沿わせて、コの字状の線状掻き取り部183を取り付けて構成したが、コの字状の板状掻き取り部182のみで構成したり、コの字状の線状掻き取り部183のみで構成しても良い。
【0161】
(ホ) 排出口57を攪拌室形成部材50の底部にその長手方向に沿う状態に形成する形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、攪拌室形成部材50の長手方向に長い複数個のスリット状の排出口部57aをその長手方向に並ぶ状態で形成する形態に限定されるものではない。
例えば、攪拌室形成部材50の長手方向に沿って1個のスリット状の排出口部を形成する形態、あるいは、複数の円形又は矩形の排出口部を攪拌室形成部材50の長手方向に沿って形成する形態でも良い。
【0162】
(ヘ) 攪拌搬送手段Hの具体構成は、上記の実施形態にて例示した構成、即ち、コイル状の螺旋状回転体91、及び、その螺旋状回転体91の内部に装備されたU字状攪拌用回転体92を備える構成に限定されるものではない。
例えば、前記螺旋状回転体91のみにて構成しても良い。
あるいは、オーガにて構成しても良い。
【0163】
(ト) 被覆材の具体例としては、上記の実施形態において例示したコラーゲン以外に種々のものを用いることが可能である。
例えば、難消化性デキストリン等の水溶性植物繊維、ギャバ、タピオカ澱粉、増粘多糖類等を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】加工米製造設備の全体概略構成を示すブロック図
【図2】加工米製造設備の全体概略構成を示す正面図
【図3】米粒被覆装置の一部切り欠き正面図
【図4】米粒被覆装置の要部の縦断正面図
【図5】米粒被覆装置の要部の縦断正面図
【図6】米粒被覆装置の要部の横断平面図
【図7】米粒被覆装置の縦断側面図
【図8】米粒被覆装置の要部の分解図
【図9】バルブの分解斜視図
【図10】バルブの断面図
【図11】米粒用乾燥装置の縦断面図
【図12】米粒用乾燥装置の要部の縦断面図
【図13】米粒用乾燥装置の横断面図
【図14】米粒被覆装置と米粒用乾燥装置との配置関係を示す側面図
【図15】米粒被覆装置及び米粒用乾燥装置を示す要部の平面図
【図16】米粒検出センサを示す図
【図17】米粒被覆装置及び米粒用乾燥装置を示す要部の側面図
【図18】ローラ及び掻き取り体を示す斜視図
【図19】ローラ及び掻き取り体を示す平面図
【図20】ローラ及び掻き取り体における載置搬送体による米粒搬送方向下手側から見た図
【図21】ローラ及び掻き取り体における載置搬送体の径方向中心側から見た図
【図22】ローラ及び掻き取り体における載置搬送体の径方向外側から見た図
【図23】米粒用乾燥装置の上段の載置搬送体の平面図
【図24】米粒用乾燥装置の上段の載置搬送体の分解斜視図
【図25】米粒用乾燥装置の上段の載置搬送体の斜視図
【図26】米粒用乾燥装置の上段の載置搬送体の斜視図
【図27】米粒用乾燥装置の搬送単位体の平面図
【図28】米粒用乾燥装置の下段の載置搬送体、カバー側導風体及び載置搬送体側の導風体を示す斜視図
【図29】米粒用乾燥装置の下段の載置搬送体を示す平面図
【図30】均平体を示す図
【図31】米粒用乾燥装置における搬送単位体の姿勢切り換えを説明する図
【図32】単粒化装置の縦断面図
【図33】単粒化装置の平面図
【符号の説明】
【0165】
3 米粒被覆装置
4 米粒用乾燥装置
5 単粒化装置
170 ローラ
180 掻き取り体
501 多孔状載置体
D 通風式乾燥手段
S 載置搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粒に被覆材溶液を被覆する米粒被覆装置と、
その米粒被覆装置から供給される米粒群を載置搬送面上に層状に広げた状態で載置搬送する載置搬送部、及び、その載置搬送部にて載置搬送される米粒群に乾燥用空気を通風する通風式乾燥手段を備えた米粒用乾燥装置とが設けられた加工米製造設備であって、
前記載置搬送部における前記米粒被覆装置の米粒供給箇所より米粒搬送方向下手側に離れた箇所に、前記載置搬送面の横幅方向に延びる米粒群押圧用の回転式のローラが、下向きに復帰付勢された状態で上下動自在に支持されて設けられている加工米製造設備。
【請求項2】
前記載置搬送部の前記載置搬送面が多孔状に形成され、
前記ローラよりも米粒搬送方向下手側箇所に、前記載置搬送面に付着している米粒群を剥離させるように掻き取り作用し且つ剥離された米粒群が乗り越えて通過できるように形成された掻き取り体が設けられている請求項1記載の加工米製造設備。
【請求項3】
前記米粒用乾燥装置から供給される米粒群を載置する多孔状載置体を振動駆動する状態で備えた単粒化装置が設けられている請求項1又は2記載の加工米製造設備。
【請求項4】
前記単粒化装置が、前記多孔状載置体にて適正な大きさの米粒よりも小さいものを漏下選別するように構成されている請求項3記載の加工米製造設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2007−110971(P2007−110971A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306119(P2005−306119)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】