加工装置
【課題】複数の金型による部品の加工と併行して加工が施された部品同士の組付けを行うことを可能とし、さらに部品に対する他の加工を施すことも可能とする。
【解決手段】複数の金型26,28を個々の金型26,28の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型26,28により加工が施される部品(例えばプッシュボタン10やホルダー12)の搬送装置(チャックA,B)が、他の加工機能(タンポ印刷やグリス塗布)を備えている。
【解決手段】複数の金型26,28を個々の金型26,28の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型26,28により加工が施される部品(例えばプッシュボタン10やホルダー12)の搬送装置(チャックA,B)が、他の加工機能(タンポ印刷やグリス塗布)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた形式の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているように、二つの金型を上下二段に連ねた加工装置が既に知られている。このような装置を用いることにより、一つの設備で複数(二個)の部品を同時に成形することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−147062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている装置では、部品同士の組付けについては、例えば手作業で行う必要がある。また、対象となる二部品が車両用スイッチのプッシュボタンとそのホルダーといったような部品の場合、プッシュボタンの表面に絵文字をタンポ印刷し、あるいはプッシュボタンの操作感をよくするためにホルダーとの接触面にグリスを塗布しているが、これらの作業工程は別途必要となる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、複数の金型による部品の加工と併行して加工が施された部品同士の組付けを行うことを可能とし、さらに部品に対する他の加工を施すことも可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型により加工が施される部品の搬送装置が、他の加工機能を備えている。
【0007】
この加工装置においては、例えば各金型で成形された部品同士を組付ける場合に、金型による部品の成形と併行して搬送装置によって部品同士の組付けを行うことができる。また、搬送装置の加工機能により、部品の成形と組付けとを併行して行うだけでなく、さらに部品に対する他の加工を施すことができる。
【0008】
搬送装置による他の加工機能が、一つの金型で加工を施した部品を別の金型に投入するための搬送途中において、他の加工を施すように設定されていることが好ましい。
これにより、加工装置のサイクルタイムが短縮される。
【0009】
搬送装置による他の加工機能が部品に対する印刷、あるいは部品に対するグリス塗布であることが好ましい。
これにより、部品の成形と組付けとを併行して行うだけでなく、さらに部品に対する印刷やグリス塗布といった加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】加工の対象部品であるプッシュボタンおよびホルダーを表した分解斜視図。
【図2】二つの金型を連ねた形式の加工装置を表した構成図。
【図3】加工装置において成形後に金型を開いた状態を表した概要図。
【図4】搬送装置のチャックが開いた金型の間に入り込んだ状態を表した概略図。
【図5】チャックが成形後のプッシュボタンを把持した状態を表した概要図。
【図6】プッシュボタンがホルダーに組み付けられた状態を表した概要図。
【図7】チャックが金型の間で上昇した状態を表した概要図。
【図8】チャックが金型の間から外に移動した状態を表した概要図。
【図9】プッシュボタンにグリスを塗布している状態を表した概要図。
【図10】搬送装置のチャックにタンポ印刷機を取付けた例を表した概要図。
【図11】搬送装置のチャックにグリス塗布機を取付けた例を表した概要図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
本実施例では、図1で示すような部品(プッシュボタン10およびホルダー12)を対象とし、図2で示す加工装置を用いて樹脂成形から組付けまでを行う。対象部品である二つのプッシュボタン10は、それぞれの脚部10aをホルダー12に対してスライドできるように挿入することで該ホルダー12に組付けられる。なお、両プッシュボタン10は車両用のオーバーヘッドコンソール等に組み込まれるスイッチ操作部品であり、それぞれの表面にはスイッチの種別を示すタンポ印刷10bが施されている。また、両プッシュボタン10の脚部10aとホルダー12内との接触面には、プッシュボタン10の操作感をよくするためにグリスが塗布される。
【0012】
図2で示す加工装置は、それぞれ上下型からなる金型26,28を上下二段に連ねた構造の樹脂成形装置である。この装置のベース14上には、上下方向に長い複数本(4本)のロッド22が立てられている。各ロッド22の先端側には、ダイプレート16が固定されており、このダイプレート16とベース14側との間にはダイプレート18,20がロッド22に沿って昇降するように配置されている。そして、上段の金型26はダイプレート16,18間に組付けられ、下段の金型28はダイプレート18,20間に組付けられている。
ベース14に組付けられている油圧シリンダ24を駆動制御することにより、ダイプレート20が上昇して下段の金型28が型締めされ、つづいてダイプレート18が押し上げられて金型26も型締めされる。これらの金型26,28を閉じた状態で、それぞれの内部に射出ユニット30から溶融樹脂を個別に射出することにより、上の金型26では二つのプッシュボタン10が成形され、下の金型28ではホルダー12が成形される。
【0013】
金型26,28で成形されたプッシュボタン10およびホルダー12は図2の矢印で示すように搬送されて前述のように組付けられ、かつ、搬送途中において他の加工(タンポ印刷あるいはグリス塗布)が施される。なお、図2の矢印は本発明の基本概念を示したものであり、詳細については以下に説明する。
図3で示すように加工装置の左側には、部品の搬送装置であるチャックAと上下一対のチャックB1,B2からなるチャックBとが配置されている。なお、チャックBについてチャックB1,B2の区別を必要としないときには、これらをチャックBと総称して説明する。
【0014】
図3で示す加工装置は、二つのプッシュボタン10とホルダー12とを成形した後、それぞれの金型26,28を開いた状態であり、チャックAは待機位置にあり、チャックBは前の成形サイクルにおいて上の金型26で成形した二つのプッシュボタン10を把持している。ここで、両チャックA,Bは開いた金型26,28における上下型の間にそれぞれ入り込む(図4)。そして、両チャックA,Bは共に下方へ移動し、チャックAは上の金型26で成形された二つのプッシュボタン10を把持する(図5)。一方、チャックBは、ガイド40に沿って更に下方へ移動し、下の金型28で成形されたホルダー12にプッシュボタン10が組付けられる(図6)。
なお、チャックBにおいてプッシュボタン10を実際に把持しているのは上側のチャックB1であり、プッシュボタン10がホルダー12に組付けられたときの下側のチャックB2は、そのフィンガーがホルダー12の側面に位置しており、そのままホルダー12を把持する。
【0015】
つぎに、チャックA,Bは共に上昇し(図7)、かつ、それぞれの金型26,28内から外部に移動する(図8)。この後、チャックA,Bは共に大きく下に移動し、チャックAが把持しているプッシュボタン10と、チャックBが把持しているプッシュボタン10が組付けられたホルダー12とを共に放す(図9)。そして、プッシュボタン10が組付けられたホルダー12を次工程に搬出し、かつ、チャックA,Bが共に大きく上昇して再び図3の状態に戻る。
このように、チャックA,Bが金型26,28の外部に移動して部品を搬送している間に、両金型26,28を閉じて成形工程に入ることで、加工装置の成形サイクルを短縮することができる。
【0016】
以上のような動作により、プッシュボタン10およびホルダー12の成形と組付けとを自動的に行うことができる。なお、実際には例えばチャックAがプッシュボタン10を放す際に、このプッシュボタン10が置かれる台が必要であり、これを避けるためにチャックAを例えば図3の左右方向あるいは紙面に直交する方向へ移動させる必要があるが、その説明は省略している。
また、チャックA,Bについては、プッシュボタン10あるいはホルダー12を側面からフィンガーで挟み込むタイプを模して図示してあるが、他の真空吸引手段等に代えてもよい。
【0017】
本発明の特徴は、上記したように部品の成形と組付けを行うだけでなく、既に述べように部品の搬送途中においてタンポ印刷やグリス塗布といった他の加工を自動的に行う点である。
すなわち、本実施例では、図8で示すように、チャックAにより成形済みのプッシュボタン10を金型26の外部に移動させた際に、タンポ印刷機32によりプッシュボタン10の表面に印刷10bを施す。なお、このためには金型26の開き量をある程度大きくする必要がある。また、図10で示すようにチャックAにタンポ印刷機32を設けることも可能である。これにより、チャックAでプッシュボタン10を把持している間は、該プッシュボタン10の表面にいつでもタンポ印刷10bを施すことができる。
【0018】
図3および図9に示すように、上の金型26で成形したプッシュボタン10を置く台上にはグリス溜まり34が設けられており、プッシュボタン10を置くことで、その脚部10aにグリスが塗布される。このグリス塗布についても、図11で示すようにチャックBにグリス塗布機36を取付け、プッシュボタン10を組み付ける前段階においてホルダー12の内面にグリスを塗布するようにしてもよい。
【0019】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えば、図11で示すようにチャックBに取付けられたグリス塗布機36は、チャックAに取付けてもよい。このように、注射器状のグリス塗布機36をチャックAまたはチャックBに設けることで、部品の搬送中にグリス塗布を行うことが可能となる。
プッシュボタン10とホルダー12の成形については、これらの材質が同じ場合は、金型26,28に順に樹脂を射出することで、図2で示すように射出ユニット30を一つで済ますことができる。あるいは、射出ユニット30から分岐した樹脂流路を設けることにより、一つの射出ユニット30でも複数の金型に同時に樹脂を射出することができる。
上記実施例では、二つのプッシュボタン10を一組の金型26で成形したが、金型26を三組の金型に代えて二つのプッシュボタン10を個別に成形することで、装置全体の型締力を小さくすることもできる。
上記実施例では、部品を樹脂成形品の例で説明したが、金属部品であっても同様に部品の搬送段階で、あるいは搬送装置を利用して印刷やグリス塗布等の他の加工を施すことができる。
【符号の説明】
【0020】
10 プッシュボタン(部品)
12 ホルダー(部品)
26,28 金型
A,B チャック(搬送装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた形式の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているように、二つの金型を上下二段に連ねた加工装置が既に知られている。このような装置を用いることにより、一つの設備で複数(二個)の部品を同時に成形することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−147062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている装置では、部品同士の組付けについては、例えば手作業で行う必要がある。また、対象となる二部品が車両用スイッチのプッシュボタンとそのホルダーといったような部品の場合、プッシュボタンの表面に絵文字をタンポ印刷し、あるいはプッシュボタンの操作感をよくするためにホルダーとの接触面にグリスを塗布しているが、これらの作業工程は別途必要となる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、複数の金型による部品の加工と併行して加工が施された部品同士の組付けを行うことを可能とし、さらに部品に対する他の加工を施すことも可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型により加工が施される部品の搬送装置が、他の加工機能を備えている。
【0007】
この加工装置においては、例えば各金型で成形された部品同士を組付ける場合に、金型による部品の成形と併行して搬送装置によって部品同士の組付けを行うことができる。また、搬送装置の加工機能により、部品の成形と組付けとを併行して行うだけでなく、さらに部品に対する他の加工を施すことができる。
【0008】
搬送装置による他の加工機能が、一つの金型で加工を施した部品を別の金型に投入するための搬送途中において、他の加工を施すように設定されていることが好ましい。
これにより、加工装置のサイクルタイムが短縮される。
【0009】
搬送装置による他の加工機能が部品に対する印刷、あるいは部品に対するグリス塗布であることが好ましい。
これにより、部品の成形と組付けとを併行して行うだけでなく、さらに部品に対する印刷やグリス塗布といった加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】加工の対象部品であるプッシュボタンおよびホルダーを表した分解斜視図。
【図2】二つの金型を連ねた形式の加工装置を表した構成図。
【図3】加工装置において成形後に金型を開いた状態を表した概要図。
【図4】搬送装置のチャックが開いた金型の間に入り込んだ状態を表した概略図。
【図5】チャックが成形後のプッシュボタンを把持した状態を表した概要図。
【図6】プッシュボタンがホルダーに組み付けられた状態を表した概要図。
【図7】チャックが金型の間で上昇した状態を表した概要図。
【図8】チャックが金型の間から外に移動した状態を表した概要図。
【図9】プッシュボタンにグリスを塗布している状態を表した概要図。
【図10】搬送装置のチャックにタンポ印刷機を取付けた例を表した概要図。
【図11】搬送装置のチャックにグリス塗布機を取付けた例を表した概要図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
本実施例では、図1で示すような部品(プッシュボタン10およびホルダー12)を対象とし、図2で示す加工装置を用いて樹脂成形から組付けまでを行う。対象部品である二つのプッシュボタン10は、それぞれの脚部10aをホルダー12に対してスライドできるように挿入することで該ホルダー12に組付けられる。なお、両プッシュボタン10は車両用のオーバーヘッドコンソール等に組み込まれるスイッチ操作部品であり、それぞれの表面にはスイッチの種別を示すタンポ印刷10bが施されている。また、両プッシュボタン10の脚部10aとホルダー12内との接触面には、プッシュボタン10の操作感をよくするためにグリスが塗布される。
【0012】
図2で示す加工装置は、それぞれ上下型からなる金型26,28を上下二段に連ねた構造の樹脂成形装置である。この装置のベース14上には、上下方向に長い複数本(4本)のロッド22が立てられている。各ロッド22の先端側には、ダイプレート16が固定されており、このダイプレート16とベース14側との間にはダイプレート18,20がロッド22に沿って昇降するように配置されている。そして、上段の金型26はダイプレート16,18間に組付けられ、下段の金型28はダイプレート18,20間に組付けられている。
ベース14に組付けられている油圧シリンダ24を駆動制御することにより、ダイプレート20が上昇して下段の金型28が型締めされ、つづいてダイプレート18が押し上げられて金型26も型締めされる。これらの金型26,28を閉じた状態で、それぞれの内部に射出ユニット30から溶融樹脂を個別に射出することにより、上の金型26では二つのプッシュボタン10が成形され、下の金型28ではホルダー12が成形される。
【0013】
金型26,28で成形されたプッシュボタン10およびホルダー12は図2の矢印で示すように搬送されて前述のように組付けられ、かつ、搬送途中において他の加工(タンポ印刷あるいはグリス塗布)が施される。なお、図2の矢印は本発明の基本概念を示したものであり、詳細については以下に説明する。
図3で示すように加工装置の左側には、部品の搬送装置であるチャックAと上下一対のチャックB1,B2からなるチャックBとが配置されている。なお、チャックBについてチャックB1,B2の区別を必要としないときには、これらをチャックBと総称して説明する。
【0014】
図3で示す加工装置は、二つのプッシュボタン10とホルダー12とを成形した後、それぞれの金型26,28を開いた状態であり、チャックAは待機位置にあり、チャックBは前の成形サイクルにおいて上の金型26で成形した二つのプッシュボタン10を把持している。ここで、両チャックA,Bは開いた金型26,28における上下型の間にそれぞれ入り込む(図4)。そして、両チャックA,Bは共に下方へ移動し、チャックAは上の金型26で成形された二つのプッシュボタン10を把持する(図5)。一方、チャックBは、ガイド40に沿って更に下方へ移動し、下の金型28で成形されたホルダー12にプッシュボタン10が組付けられる(図6)。
なお、チャックBにおいてプッシュボタン10を実際に把持しているのは上側のチャックB1であり、プッシュボタン10がホルダー12に組付けられたときの下側のチャックB2は、そのフィンガーがホルダー12の側面に位置しており、そのままホルダー12を把持する。
【0015】
つぎに、チャックA,Bは共に上昇し(図7)、かつ、それぞれの金型26,28内から外部に移動する(図8)。この後、チャックA,Bは共に大きく下に移動し、チャックAが把持しているプッシュボタン10と、チャックBが把持しているプッシュボタン10が組付けられたホルダー12とを共に放す(図9)。そして、プッシュボタン10が組付けられたホルダー12を次工程に搬出し、かつ、チャックA,Bが共に大きく上昇して再び図3の状態に戻る。
このように、チャックA,Bが金型26,28の外部に移動して部品を搬送している間に、両金型26,28を閉じて成形工程に入ることで、加工装置の成形サイクルを短縮することができる。
【0016】
以上のような動作により、プッシュボタン10およびホルダー12の成形と組付けとを自動的に行うことができる。なお、実際には例えばチャックAがプッシュボタン10を放す際に、このプッシュボタン10が置かれる台が必要であり、これを避けるためにチャックAを例えば図3の左右方向あるいは紙面に直交する方向へ移動させる必要があるが、その説明は省略している。
また、チャックA,Bについては、プッシュボタン10あるいはホルダー12を側面からフィンガーで挟み込むタイプを模して図示してあるが、他の真空吸引手段等に代えてもよい。
【0017】
本発明の特徴は、上記したように部品の成形と組付けを行うだけでなく、既に述べように部品の搬送途中においてタンポ印刷やグリス塗布といった他の加工を自動的に行う点である。
すなわち、本実施例では、図8で示すように、チャックAにより成形済みのプッシュボタン10を金型26の外部に移動させた際に、タンポ印刷機32によりプッシュボタン10の表面に印刷10bを施す。なお、このためには金型26の開き量をある程度大きくする必要がある。また、図10で示すようにチャックAにタンポ印刷機32を設けることも可能である。これにより、チャックAでプッシュボタン10を把持している間は、該プッシュボタン10の表面にいつでもタンポ印刷10bを施すことができる。
【0018】
図3および図9に示すように、上の金型26で成形したプッシュボタン10を置く台上にはグリス溜まり34が設けられており、プッシュボタン10を置くことで、その脚部10aにグリスが塗布される。このグリス塗布についても、図11で示すようにチャックBにグリス塗布機36を取付け、プッシュボタン10を組み付ける前段階においてホルダー12の内面にグリスを塗布するようにしてもよい。
【0019】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えば、図11で示すようにチャックBに取付けられたグリス塗布機36は、チャックAに取付けてもよい。このように、注射器状のグリス塗布機36をチャックAまたはチャックBに設けることで、部品の搬送中にグリス塗布を行うことが可能となる。
プッシュボタン10とホルダー12の成形については、これらの材質が同じ場合は、金型26,28に順に樹脂を射出することで、図2で示すように射出ユニット30を一つで済ますことができる。あるいは、射出ユニット30から分岐した樹脂流路を設けることにより、一つの射出ユニット30でも複数の金型に同時に樹脂を射出することができる。
上記実施例では、二つのプッシュボタン10を一組の金型26で成形したが、金型26を三組の金型に代えて二つのプッシュボタン10を個別に成形することで、装置全体の型締力を小さくすることもできる。
上記実施例では、部品を樹脂成形品の例で説明したが、金属部品であっても同様に部品の搬送段階で、あるいは搬送装置を利用して印刷やグリス塗布等の他の加工を施すことができる。
【符号の説明】
【0020】
10 プッシュボタン(部品)
12 ホルダー(部品)
26,28 金型
A,B チャック(搬送装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型により加工が施される部品の搬送装置が、他の加工機能を備えている加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が、一つの金型で加工を施した部品を別の金型に投入するための搬送途中において、他の加工を施すように設定されている加工装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が部品に対する印刷である加工装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が部品に対するグリス塗布である加工装置。
【請求項1】
複数の金型を個々の金型の開閉方向に連ねた加工装置において、各金型により加工が施される部品の搬送装置が、他の加工機能を備えている加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が、一つの金型で加工を施した部品を別の金型に投入するための搬送途中において、他の加工を施すように設定されている加工装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が部品に対する印刷である加工装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された加工装置であって、搬送装置による他の加工機能が部品に対するグリス塗布である加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−156619(P2011−156619A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20100(P2010−20100)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(308039838)テクノハマ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(308039838)テクノハマ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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