説明

加湿器

【課題】移動容易性を高めるとともに、メンテナンス性を向上した加湿器を提供することである。
【解決手段】加湿器100においては、本体ユニット300と電源ユニット400とからなる。本体ユニット300では、内容器310に収容された水がヒータ350により加熱される。本体ユニット300と電源ユニット400とが着状態となることにより、制御部440からの指示に応じて電源供給部410から電源受電部330に電力が供給され、ヒータ350の動作が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水をヒータによって加熱することで気化させて水蒸気とし、当該水蒸気を利用し室内等を加湿する加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内の空気を加湿する加湿器には、種々のタイプのものがあり、当該加湿器について、種々の開発および研究がなされている。例えば、加湿器に関しては、水タンクからの供給した水をボイラーで加熱して水蒸気に変化させるタイプが主流であり、電気ポット等に類似した内容器に入れた水を加熱するタイプも数種類存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、出し入れ自在とされた水容器自体を直接加熱することにより収容された水を沸騰させるようにして、手入れをし易くするとともに、発生水蒸気量も多く得られるようにする加湿器について開示されている。
【0004】
特許文献1記載の加湿器では、開閉自在な蓋体を有する本体ケーシングと、該本体ケーシング内に出し入れ自在に収納される水容器と、該水容器内に収容された水を加熱沸騰させる電気ヒータと、水容器内の水面上方位置に外気を導入する外気導入手段と、水容器において発生した水蒸気を室内へ放出する水蒸気放出口とを備えた加湿器であって、水容器を、収納時において電気ヒータ上に載置して該電気ヒータにより水容器の底部を直接加熱するように構成するとともに、電気ヒータの中心部には、水容器の温度を検出する温度検出手段を配設したものである。
【0005】
また、特許文献2には、内容器への熱影響を可及的に防止しつつ空炊き検出を的確に行い得るようにする電気貯湯容器について開示されている。
【0006】
特許文献2に記載の電気貯湯容器は、電気ヒータにより内容器を加熱し、該内容器内に収容された水を沸騰させた後保温し得るように構成された電気貯湯容器であって、湯沸かし開始前に電気ヒータに小容量の加熱が得られるように通電して内容器の温度上昇度を演算する温度上昇度演算手段と、該温度上昇度演算手段により求められた温度上昇度が設定値以上であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段からの出力信号により給水報知を行う給水報知制御手段とを備えているものである。
【0007】
さらに、特許文献3には、保温温度表示機能を備えた電気ポットにおいて、表示温度および表示タイミングを可及的に実際の湯温変化に対応させる電気ポットについて開示されている。
【0008】
特許文献3記載の電気ポットでは、湯沸しおよび保温用の内容器と、該内容器内の湯温を所定の目標保温温度に設定する保温温度設定手段と、保温時において上記内容器を加熱する保温加熱手段と、上記内容器の底部を介して上記内容器内の湯温を検出する湯温検出手段と、保温時において上記湯温検出手段で検出された内容器内の湯温を表示する湯温表示手段と、上記湯温検出手段で検出される上記内容器内の湯温が、上記保温温度設定手段で設定された保温温度となるように、上記保温加熱手段をON,OFF制御する保温加熱制御手段とを備えてなる電気ポットであって、上記保温加熱制御手段の上記設定保温温度に対応した加熱出力制御の開始に応じ、同加熱出力制御の開始から所定時間が経過した後に、上記湯温表示手段が上記設定保温温度に対応した湯温を表示するようになっているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許3060967号公報
【特許文献2】特許2757809号公報
【特許文献3】特開2003−052544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、室内において人の移動とともに、加湿器を移動させることが多くなっている。すなわち、各室内に一台ずつではなく、各個人に一人ずつ個別に加湿器を使用するニーズが高まっている。その結果、加湿器に、移動容易性が求められている。
【0011】
さらに、上記のニーズに応じて、加湿器のメンテナンス性向上も求められている。一般的に水には、ミネラル成分が含まれているため、加湿器の内容器には、ミネラル成分が露出して付着することが多い。ユーザによっては、付着物を嫌う傾向があり、付着したミネラル成分を除去するメンテナンス性も求められている。
【0012】
また、一般的に加湿器の電源関係または制御部は、浸水することにより、加湿器の故障を引き起こすことが知られている。さらに、浸水後の腐食または錆等により加湿器の電源関係または制御部が故障する場合もある。したがって、メンテナンス性を高めながら、加湿器の電源関係および制御部が浸水しない構造であることが求められる。
【0013】
本発明の目的は、移動容易性を高めるとともに、メンテナンス性を向上した加湿器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)
本発明に係る加湿器は、水を加熱蒸発させる加湿器において、水を収容する内容器と、内容器に収容された水を加熱するヒータと、ヒータに電力を供給する電源受電部と、を含む本体ユニットと、ヒータの動作を制御する制御部と、電源受電部に電源を供給する電源供給部と、を含む電源ユニットとを備え、本体ユニットと、電源ユニットとは着脱自在に設けられたものである。
【0015】
本発明に係る加湿器においては、本体ユニットと電源ユニットとからなる。本体ユニットでは、内容器に収容された水がヒータにより加熱される。本体ユニットと電源ユニットとが着状態となることにより、制御部からの指示に応じて電源供給部から電源受電部に電力が供給され、ヒータの動作が行われる。
【0016】
この場合、制御部および電源供給部を含む電源ユニットと、本体ユニットとが分離可能な状態であるので、水を収容する本体ユニットのみを持ち運び、内容器に水を追加することができる。その結果、電源ユニット分の重量を軽くすることができ、持ち運びしやすく、制御部および電源部が本体ユニットに設けられていないので、本体ユニットのメンテナンスを容易に実施することができる。
【0017】
(2)
加湿器において、本体ユニットは、内容器の下面に凹凸形状が設けられた上筐体を備え、電源ユニットは、本体ユニットと着状態の場合に、上筐体の凹凸形状と嵌合する形状を有することが好ましい。
【0018】
この場合、本体ユニットの上筐体に設けられた凹凸形状と、電源ユニットに設けられた形状とが、嵌合されるので、本体ユニットと電源ユニットとの着状態時の向きを決めることができる。また、本体ユニットと電源ユニットとの着脱力を高めることができ、本体ユニットと電源ユニットとの不本意な脱状態を防止することができる。さらに、凹凸形状で嵌合されるので、電源受電部と電源供給部との接合方向と異なる方向から加わる負荷を除去することができる。
【0019】
(3)
加湿器において、電源ユニットは、本体ユニットと電源ユニットとの分離を報知する報知部を有してもよい。
【0020】
この場合、電源ユニットに報知部が設けられているので、本体ユニットと電源ユニットとが分離した場合でも、継続して報知部に電源を供給することができ、その結果、報知部から報知を行うことができる。
また、報知部は、異常時に報知をおこなってもよい。ここで、異常時とは、例えば、電源受電部および電源供給部の間において電力供給が急に切断された場合、内容器に水が無くヒータの温度が異常上昇した場合などがある。
【0021】
加湿器において、電源ユニットは漏水貯留部を有し、制御部は、漏水貯留部の最下部よりも鉛直上方向に制御部を配設することが好ましい。
【0022】
この場合、電源ユニットには、本体ユニットに付着した水が落下して電源ユニットに流れた場合でも、電源ユニットの漏水貯留部において当該水を貯留することができる。
また、漏水貯留部の最下部よりも鉛直上方向に制御部を配設しているので、制御部を構成する基板または部品への浸水を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る加湿器の模式的斜視図である。
【図2】図1の加湿器の構成例を示す模式図である。
【図3】電源ユニットを説明するための模式的外観斜視図である。
【図4】電源ユニットと本体ユニットとの着状態の断面の一例を示す図である。
【図5】本体ユニットの下面を示す模式図である。
【図6】本体ユニットと電源ユニットとの着脱を示す模式図である。
【図7】加湿器の上面視野した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る加湿器について図面を参照しながら説明する。
【0025】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る加湿器100の概略を示す模式図であり、図2は図1の加湿器100の構成例を示す模式図である。
【0026】
(加湿器の構造の概略)
図1に示すように、加湿器100は、主に本体ユニット300および電源ユニット400からなる。本体ユニット300は、電源ユニット400の上に設けられる。本体ユニット300は円筒形状からなり、電源ユニット400も本体ユニット300とほぼ同径の低高な円筒形状からなる。
【0027】
また、図2に示すように、本体ユニット300は、蓋部200、内容器310、筐体320および運搬部390を備える。蓋部200は、本体ユニット300の内容器310の上部に着脱可能に配設される。蓋部200の内部には、水蒸気を噴出する噴出口220が設けられており、噴出口220に直接手が触れないよう蓋部200の天面には、網目の防護形状230が設けられている。噴出口220の詳細については、後述する。
【0028】
図2に示すように、蓋部200の上方矢視した中央上部には、一対の把持部240が設けられている。また、蓋部200の略中央上部で、かつ一対の把持部240の間には、アロマテラピー等の香料を載置する受け皿部250が設けられる。さらに、蓋部200の円筒外周面には、全周に渡りシール部材260が設けられ、さらに部分的に爪部270が設けられる。
【0029】
図2の蓋部200は、本体ユニット300の筐体320に対して矢印R1の方向に回転させることにより、爪部270が筐体320の凹部に噛み込み、シール部材260により内容器310を密閉空間にする。シール部材260と内容器310との関係については、後述する。また、蓋部200を矢印R1と逆方向に回転させることにより、爪部270が筐体320の凹部から外れ、内容器310を開空間にする。
【0030】
また、図2に示すように、電源ユニット400は、操作部450および電源部460を備える。
【0031】
(電源ユニットの構造)
図3は、電源ユニット400を説明するための模式的外観斜視図であり、図4は電源ユニット400と本体ユニット300との着状態の断面の一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、電源ユニット400の天面は、Dカット加工物と嵌合する凹形状470が形成されている。凹形状470の底部には、さらに凹状の漏水貯留部471が3箇所形成されている。当該3個の凹状の漏水貯留部471は、上面視野して中央部から放射状で、かつそれぞれ約120度の角度差を設けた位置に配置される。また、当該漏水貯留部471の最下面には、漏水排出管472が設けられ、電源ユニット400の下側へ水を排出することができる。
【0033】
また、図3に示すように、電源ユニット400の中央部には、後述する電源受電部330と着脱可能な電源供給部410が設けられている。
【0034】
さらに、図4に示すように、電源ユニット400の外周面には、操作部450および電源部460が上面視野して中央部から放射状で、かつ約120度の角度差を設けた外周位置に配置される。この場合、凹状の漏水貯留部471の形成されていない部分に、操作部450の基板451、電源部460の基板461、制御部440の基板441がそれぞれ配置される(図3参照)。なお、操作部450の基板451には、報知装置475が設けられる。報知装置475は、ランプを利用した光またはブザーを利用した音で使用者に報知を行う。その結果、ランプまたはブザーのオンオフ制御を温度センサ、リードスイッチ、またはリミットスイッチ等のいずれかで構成することができるので、加速度計(Gセンサ)を用いる場合と比較して、部品単価が安く、安価で製造することができる。
【0035】
また、図4に示すように、当該操作部450の基板451の部品は、前述した凹状の漏水貯留部471の最下面よりも鉛直上方に配設されている。なお、制御部440に関する基板441および電源部460に関する基板461のいずれも、前述した凹状の漏水貯留部471の最下面よりも鉛直上方に配設されている。
【0036】
(本体ユニットの構造)
続いて、本体ユニット300の構造について説明する。図4に示すように、本体ユニット300の内容器310は、筐体320の内部に収容される。筐体320と内容器310との間には、空間が設けられる。
【0037】
また、図5は、本体ユニット300の下面を示す模式図である。図5に示すように、筐体320の下面には、中央部から放射状にそれぞれ120度の角度差で凸形状321が3個設けられる。さらに、本体ユニット300の下面には、Dカット形状360が形成される。当該Dカット形状360の効果については、後述する。
【0038】
また、図4および図5に示すように、筐体320の中央下部には、電源受電部330が配設される。当該電源受電部330の上部には、ヒータ350(図4参照)が設けられ、ヒータ350が内容器310の外下面に直接接触する構造を有する。本実施の形態においては、図4に示すように、内容器310とヒータ350とが密着して設けられているので、高い熱伝導を得ることができる。
【0039】
例えば、電源ユニット400から本体ユニット300のみを分離して蓋部200を開放し、内容器310内に水を追加する場合、ユーザは、運搬部390を持ち、蛇口近傍に本体ユニット300を載置する。その際、本体ユニット300の凸形状321により電源受電部330に水が付着することを防止できる。
【0040】
(蓋部の構造)
図4に示すように、蓋部200には、内容器310からの水蒸気を通過させるバルブ210が設けられる。当該バルブ210は、蓋部200が水平で配設された場合のみ、鉛直方向に沿って移動でき、水蒸気が内容器310からバルブ210を通過する。そして、蓋部200の内部に約180度外周に沿うように配設された配管219を通過し、噴出口220から水蒸気が排出される。噴出口220から排出された水蒸気は、網目の防護形状230を通過して外部(室内)に排出される。なお、網目の防護形状230は、メンテナンスのため、蓋部200から分離可能に設けられている。
【0041】
一方、蓋部200が水平でない場合、すなわち、本体ユニット300が転倒した場合等、バルブ210により加熱水および水蒸気が内容器310から排出されない。また、仮にバルブ210から極微量の加熱水および水蒸気が排出されたとしても、配管219が約180度蓋部200の外周に沿うように配設されているので、噴出口220から加熱水および水蒸気が排出されない。その結果、万が一における本体ユニット300の転倒による加熱水および水蒸気の排出を防止できる。
【0042】
また、アロマテラピー等の香料を載置する受け皿部250は、蓋部200の略中央部に設けられ、バルブ210の直上に配設されるので、バルブ210を通過した水蒸気による適度な加熱により受け皿部250からアロマテラピー等の香料(油)を噴出口220から噴射された水蒸気とともに揮発させることができる。
【0043】
また、図4に示すように、蓋部200が矢印R1の方向に水平回転され、閉塞された場合、蓋部200の円筒外周に渡り設けられたシール部材260は、内容器310の開口部に密接に接触する。
この場合、シール部材260は、内容器310の開口部を閉塞するのみではなく、蓋部200が容易に外れないよう、内容器310に所定の力で接触し、幼児等による蓋部200の開放が困難な状態を作っている。
【0044】
(本体ユニットと電源ユニットとの接合について)
図6は、本体ユニット300と電源ユニット400との着脱を示す模式図である。
【0045】
図6に示すように、本体ユニット300の下面のDカット形状360が、電源ユニット400の凹形状470と嵌合することで、電源ユニット400に対する本体ユニット300の嵌合方向が一律に規定される。また、本体ユニット300の下面の3個の凸形状321が、電源ユニット400の3個の漏水貯留部471に嵌まり込む。
【0046】
その結果、本体ユニット300と電源ユニット400との位置が決定され、本体ユニット300の電源受電部330と電源ユニット400の電源供給部410とが接続される。
また、本体ユニット300と電源ユニット400とが水平方向に衝撃を受けた場合であっても、本体ユニット300および電源ユニット400が分離しにくい。すなわち、凸形状321および漏水貯留部471により上下方向に嵌合形状が形成されているので、本体ユニット300に水平方向に力が加わっても、本体ユニット300のみが転倒することを防止することができる。
【0047】
また、万が一、加湿器100にユーザが接触し、電源ユニット400から本体ユニット300が分離した場合、報知装置475から音、光等による報知信号を発信する。例えば、電源受電部330と電源供給部410とが通電状態にある場合に急に電力供給できなくなった場合、すなわち本体ユニット300が外れたと制御部440が判定して報知を行う。また、内容器310内の水温度が急激に上昇した場合にも、同様に報知を行う。なお、水温度が急激に上昇した場合には、制御部440は、ヒータ350への通電を停止するようあわせて制御を行う。
【0048】
図7は、加湿器100の上面視野した状態を示す模式図である。
図7に示すように、加湿器100は、上面視野した場合、噴出口220が、操作部450および電源部460と異なる方向に向けて設けられる。すなわち、ユーザが操作部450を操作した場合であっても、加湿器100の噴出口220から噴出された水蒸気S1が操作部450側に噴出されることを防止できる。
【0049】
また、同様に、ユーザが電源部460に対してマグネット電源コードを接続した場合であっても、加湿器100の噴出口220から噴出された水蒸気S1が電源部460側に噴出されることを防止できる。その結果、水蒸気によるユーザの火傷等を防止することができる。
【0050】
さらに、水蒸気S1の噴出方向が電源部460および操作部450と異なっているので、水蒸気S1が加湿器100の側面に付着し、水滴(露垂れ)となった場合であっても、本体ユニット300の下方に流れ、本体ユニット300および電源ユニット400の間から電源ユニット400の3個の凹状の漏水貯留部471に水滴を一時的に貯留させることができる。また、3個の凹状の漏水貯留部471に設けられた漏水排出管472から加湿器100外へ排出させることができる。
【0051】
(加湿器100の効果)
以上のように、本実施の形態に係る加湿器100は、制御部440および電源部460を含む電源ユニット400と、本体ユニット300とが分離可能な状態であるので、水を収容する本体ユニット300のみを持ち運び、容易に内容器310に水を追加することができる。その結果、電源ユニット400分の重量を軽くすることができ、持ち運びしやすく、制御部440が本体ユニット300に設けられていないので、耐水性が高く、本体ユニット300のメンテナンスを容易に実施することができる。特に、加湿器100は継続して蒸気を発生させるので、水に含まれるミネラルが付着しやすい。しかしながら、持ち運び容易な本体ユニット300により、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0052】
また、本体ユニット300の筐体320に設けられた凸形状321と、電源ユニット400に設けられた漏水貯留部471とが、嵌合されるので、図6に示すように、本体ユニット300と電源ユニット400との着状態時の向きを決めることができる。その結果、水蒸気S1の噴出方向を一律にすることができる。また、本体ユニット300と電源ユニット400との着脱力を高めることができ、本体ユニット300と電源ユニット400との不本意な脱状態を防止することができる。さらに、凸形状321で嵌合されるので、電源受電部330と電源供給部410との接合方向と異なる方向から加わる負荷を除去することができる。
【0053】
また、電源ユニット400に報知装置475が設けられているので、本体ユニット300と電源ユニット400とが分離した場合でも、継続して報知装置475に電源を供給することができ、その結果、報知装置475からユーザに対して報知を行うことができる。
【0054】
さらに、電源ユニット400には、本体ユニット300に付着した水が落下して電源ユニット400側に流れた場合でも、電源ユニット400の漏水貯留部471において当該水を一時的に貯留することができる。また、漏水貯留部471の最下部よりも鉛直上方向に制御部440を配設しているので、制御部440を構成する基板441または部品への浸水を防止することができる。
【0055】
(請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係)
上記実施形態においては、加湿器100が加湿器に相当し、内容器310が内容器に相当し、ヒータ350がヒータに相当し、電源受電部330が電源受電部に相当し、本体ユニット300が本体ユニットに相当し、制御部440が制御部に相当し、電源供給部410が電源供給部に相当し、電源ユニット400が電源ユニットに相当し、凸形状321が凹凸形状に相当し、筐体320が上筐体に相当し、漏水貯留部471が凹凸形状と嵌合する形状に相当し、漏水貯留部471が漏水貯留部に相当し、報知装置475が報知部に相当する。
【0056】
なお、本実施の形態においては、3個の凹状の漏水貯留部471に設けられた漏水排出管472を設けることとしたが、これに限定されず、漏水排出管472を設けなくてもよい。
【0057】
また、本体ユニット300は円筒形状からなり、電源ユニット400も本体ユニット300とほぼ同径の低高な円筒形状からなることとしたが、これに限定されず、電源ユニット400、本体ユニット300のそれぞれが異型状であってもよく、一方が切頭円錐形状であってもよく、その他の任意の形状であってもよい。
【0058】
さらに、本実施の形態においては、蓋部200が完全に本体ユニット300から外れるタイプについて説明したが、これに限定されず、ヒンジによる開閉可能方式であってもよく、他の任意の方式であってもよい。また、運搬部390の位置を本体ユニット300の任意の位置に移動させてもよい。
【0059】
以上、本発明の実施形態および実施例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100 加湿器
300 本体ユニット
310 内容器
320 筐体
321 凸形状
330 電源受電部
350 ヒータ
400 電源ユニット
410 電源供給部
440 制御部
471 漏水貯留部
475 報知装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱蒸発させる加湿器において、
前記水を収容する内容器と、
前記内容器に収容された水を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電源受電部と、を含む本体ユニットと、
前記ヒータの動作を制御する制御部と、
前記電源受電部に電源を供給する電源供給部と、を含む電源ユニットとを備え、
前記本体ユニットと、前記電源ユニットとは着脱自在に設けられたことを特徴とする加湿器。
【請求項2】
前記本体ユニットは、
前記内容器の下面に凹凸形状が設けられた上筐体を備え、
前記電源ユニットは、
前記本体ユニットと着状態の場合に、前記上筐体の前記凹凸形状と嵌合する形状を有することを特徴とする請求項1記載の加湿器。
【請求項3】
前記電源ユニットは、前記本体ユニットと前記電源ユニットとの分離を報知する報知部を有することを特徴とする請求項1記載の加湿器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−233667(P2012−233667A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104504(P2011−104504)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】